(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-13
(45)【発行日】2023-12-21
(54)【発明の名称】潤滑剤供給装置
(51)【国際特許分類】
F16N 29/00 20060101AFI20231214BHJP
B23Q 11/12 20060101ALI20231214BHJP
B23Q 17/00 20060101ALI20231214BHJP
【FI】
F16N29/00 E
B23Q11/12 E
B23Q17/00 A
(21)【出願番号】P 2020030242
(22)【出願日】2020-02-26
【審査請求日】2023-02-06
(73)【特許権者】
【識別番号】000195100
【氏名又は名称】株式会社 正和
(74)【代理人】
【識別番号】100083404
【氏名又は名称】大原 拓也
(72)【発明者】
【氏名】玉村 延之
【審査官】倉田 和博
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-146929(JP,A)
【文献】特開2019-086109(JP,A)
【文献】特開2009-063078(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16N 29/00
F16N 7/38
B23Q 11/12
B23Q 17/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
潤滑剤が充填されているカートリッジタンクと、上記カートリッジタンクがほぼ垂直に載置されるポンプ基台を有するポンプ手段とを含み、上記ポンプ基台に上記カートリッジタンクの吐出口と連通する潤滑剤吸入ポートが設けられており、上記ポンプ手段により上記カートリッジタンク内の上記潤滑剤を上記潤滑剤吸入ポートから吸い込み所定の給油箇所に圧送する潤滑剤供給装置において、
上記カートリッジタンクが上記ポンプ基台に載置されている状態で、上記カートリッジタンクの荷重を検知する荷重センサーを有し、上記荷重センサーからの荷重検知信号に基づいて上記カートリッジタンク内の上記潤滑剤の残量を検知する
にあたって、
上記潤滑剤吸入ポートに連通する中継孔を有し上記ポンプ基台上において上記潤滑剤吸入ポートの周りに配置される筒状の中継ホルダーと、
上端側に上記カートリッジタンクの吐出口が嵌合するタンク吐出口嵌合部を有するとともに、下端側に上記タンク吐出口嵌合部と連通していて上記中継ホルダーの上記中継孔内に上記ポンプ基台に接することなく上下動可能に差し込まれるスリーブを有する遊動ホルダーとを備え、
上
記荷重センサーが上記中継ホルダーと上記遊動ホルダーとの間に配置されていることを特徴とする潤滑剤供給装置。
【請求項2】
上記中継ホルダーの中継孔内には上記スリーブに接するOリングが設けられていることを特徴とする請求項
1に記載の潤滑剤供給装置。
【請求項3】
潤滑剤が充填されているカートリッジタンクと、上記カートリッジタンクがほぼ垂直に載置されるポンプ基台を有するポンプ手段とを含み、上記ポンプ基台に上記カートリッジタンクの吐出口と連通する潤滑剤吸入ポートが設けられており、上記ポンプ手段により上記カートリッジタンク内の上記潤滑剤を上記潤滑剤吸入ポートから吸い込み所定の給油箇所に圧送する潤滑剤供給装置において、
上記カートリッジタンクが上記ポンプ基台に載置されている状態で、上記カートリッジタンクの荷重を検知する荷重センサーを有し、上記荷重センサーからの荷重検知信号に基づいて上記カートリッジタンク内の上記潤滑剤の残量を検知するにあたって、
上記カートリッジタンクの吐出口が嵌合可能な第1タンク吐出口嵌合部を有し上記ポンプ基台上において上記潤滑剤吸入ポートの周りにて配置されて上記カートリッジタンクの吐出口を上記潤滑剤吸入ポートに連通するカートリッジホルダーと、
下端側に上記カートリッジタンクの吐出口とほぼ同形・同大で上記第1タンク吐出口嵌合部に嵌合する筒状の脚部を有するとともに、上端側に内径、外径ともに上記脚部よりも大径で上記脚部と連通している環状の鍔部を有する中継ホルダーと、
上端側に上記カートリッジタンクの吐出口が嵌合する第2タンク吐出口嵌合部を有するとともに、下端側に上記第2タンク吐出口嵌合部と連通していて上記中継ホルダーの鍔部内に
同鍔部の底部に接することなく上下動可能に差し込まれるスリーブを有する遊動ホルダーとを備え、
上記荷重センサーが上記中継ホルダーと上記遊動ホルダーとの間に配置されていることを特徴とす
る潤滑剤供給装置。
【請求項4】
上記鍔部の内面には上記スリーブに接するOリングが設けられていることを特徴とする請求項3に記載の潤滑剤供給装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、工作機械等の摺動部にカートリッジタンク内の潤滑剤(特にはグリース)を供給する潤滑剤供給装置に関し、さらに詳しく言えば、カートリッジタンク内の潤滑剤残量を検知する技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
本明細書において、工作機械等の潤滑に適用される潤滑剤には潤滑油とグリースとが含まれる。このうち、グリースは潤滑油に所定の増ちょう剤を添加した半固体状潤滑剤であり、多くの場合、カートリッジタンクに入れられてポンプ手段としてのグリースポンプに供給される。グリースポンプにおいても、通常の液状潤滑油給油ポンプの液面レベル検知(下限レベル検知)と同じく、カートリッジタンク内のグリース残量を検知する必要がある。
【0003】
潤滑油給油ポンプの場合は、フロートスイッチによりオイルタンク(貯油タンク)内の潤滑油の残量を検知することができるが、グリースの場合、フロートスイッチを使用することはできない。
【0004】
そこで、本出願人は、特許文献1に歪みゲージによるグリースの残量検知手段を提案している。これによると、グリースポンプの基台にグリースが充填されている蛇腹状のカートリッジタンクをほぼ垂直に保持するガイド筒の上端に、一端がガイド筒の所定部位に固定され他端が自由端でその中間部分に歪みゲージを有するカンチレバーを設け、上記カンチレバーの他端側とカートリッジタンクの上端との間にカートリッジタンクに対してその上方から押圧力を加えるバネを配置し、上記歪みゲージからの出力信号に基づいてカートリッジタンク内のグリースの残量を検知するようにしている。
【0005】
これによれば、歪みゲージからの出力信号に基づいてカートリッジタンク内のグリースの残量をリニアに検知することができるが、次のような解決すべき課題が残されている。
【0006】
まず、グリースポンプの基台にグリースが充填されている蛇腹状のカートリッジタンクをほぼ垂直に保持するガイド筒を有することが条件とされるため、ガイド筒を有しないグリースポンプの場合には、新たにガイド筒を用意する必要がある。
【0007】
また、ガイド筒の上端側に、歪みゲージを有するカンチレバーと、カートリッジタンクに対してその上方から押圧力を加えるバネを組み込む必要があるため、組立により多くの工数がかかる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
したがって、本発明の課題は、より簡単な構成でカートリッジタンク内の潤滑剤残量をリニアに検知できるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するため、本発明の第1の態様は、潤滑剤が充填されているカートリッジタンクと、上記カートリッジタンクがほぼ垂直に載置されるポンプ基台を有するポンプ手段とを含み、上記ポンプ基台に上記カートリッジタンクの吐出口と連通する潤滑剤吸入ポートが設けられており、上記ポンプ手段により上記カートリッジタンク内の上記潤滑剤を上記潤滑剤吸入ポートから吸い込み所定の給油箇所に圧送する潤滑剤供給装置において、上記カートリッジタンクが上記ポンプ基台に載置されている状態で、上記カートリッジタンクの荷重を検知する荷重センサーを有し、上記荷重センサーからの荷重検知信号に基づいて上記カートリッジタンク内の上記潤滑剤の残量を検知するにあたって、
上記潤滑剤吸入ポートに連通する中継孔を有し上記ポンプ基台上において上記潤滑剤吸入ポートの周りに配置される筒状の中継ホルダーと、
上端側に上記カートリッジタンクの吐出口が嵌合するタンク吐出口嵌合部を有するとともに、下端側に上記タンク吐出口嵌合部と連通していて上記中継ホルダーの上記中継孔内に上記ポンプ基台に接することなく上下動可能に差し込まれるスリーブを有する遊動ホルダーとを備え、上記荷重センサーが上記中継ホルダーと上記遊動ホルダーとの間に配置されていることを特徴としている。
【0012】
本発明の第2の態様は、潤滑剤が充填されているカートリッジタンクと、上記カートリッジタンクがほぼ垂直に載置されるポンプ基台を有するポンプ手段とを含み、上記ポンプ基台に上記カートリッジタンクの吐出口と連通する潤滑剤吸入ポートが設けられており、上記ポンプ手段により上記カートリッジタンク内の上記潤滑剤を上記潤滑剤吸入ポートから吸い込み所定の給油箇所に圧送する潤滑剤供給装置において、
上記カートリッジタンクが上記ポンプ基台に載置されている状態で、上記カートリッジタンクの荷重を検知する荷重センサーを有し、上記荷重センサーからの荷重検知信号に基づいて上記カートリッジタンク内の上記潤滑剤の残量を検知するにあたって、
上記カートリッジタンクの吐出口が嵌合可能な第1タンク吐出口嵌合部を有し上記ポンプ基台上において上記潤滑剤吸入ポートの周りにて配置されて上記カートリッジタンクの吐出口を上記潤滑剤吸入ポートに連通するカートリッジホルダーと、
下端側に上記カートリッジタンクの吐出口とほぼ同形・同大で上記第1タンク吐出口嵌合部に嵌合する筒状の脚部を有するとともに、上端側に内径、外径ともに上記脚部よりも大径で上記脚部と連通している環状の鍔部を有する中継ホルダーと、
上端側に上記カートリッジタンクの吐出口が嵌合する第2タンク吐出口嵌合部を有するとともに、下端側に上記第2タンク吐出口嵌合部と連通していて上記中継ホルダーの鍔部内に同鍔部の底部に接することなく上下動可能に差し込まれるスリーブを有する遊動ホルダーとを備え、上記荷重センサーが上記中継ホルダーと上記遊動ホルダーとの間に配置されていることを特徴としている。
【0013】
上記第1の態様において、好ましくは上記中継ホルダーの中継孔内には上記スリーブに接するOリングが設けられる。
【0014】
また、上記第2の態様においても、好ましくは上記鍔部の内面には上記スリーブに接するOリングが設けられる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、より簡単な構成でカートリッジタンク内の潤滑剤(特にはグリース)残量をリニアに検知することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1a】本発明の第1実施形態に係る潤滑剤供給装置(特にはグリース供給装置)で、潤滑剤残量が最大量である状態を示す模式的な正面図。
【
図1b】上記第1実施形態に係る潤滑剤供給装置で、潤滑剤残量が最小量である状態を示す模式的な正面図。
【
図2】上記第1実施形態に係る潤滑剤供給装置の要部を拡大して示す図。
【
図3a】本発明の第2実施形態に係る潤滑剤供給装置(特にはグリース供給装置)で、潤滑剤残量が最大量である状態を示す模式的な正面図。
【
図3b】上記第2実施形態に係る潤滑剤供給装置で、潤滑剤残量が最小量である状態を示す模式的な正面図。
【
図4】上記第2実施形態に係る潤滑剤供給装置の要部を拡大して示す図。
【発明を実施するための形態】
【0017】
次に、
図1ないし
図4により、本発明の第1実施形態と第2実施形態について説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0018】
なお、本発明の潤滑剤供給装置は、潤滑剤が潤滑油である潤滑油供給装置(潤滑油給油ポンプ)であってもよいが、第1実施形態、第2実施形態ともに、潤滑剤がグリースであるグリース供給装置としている。
【0019】
まず、
図1a,
図1bおよび
図2を参照して、本発明の第1実施形態に係るグリース供給装置10aは、基本的な構成として、ポンプ基台11と、モータ12と、グリースが充填されるカートリッジタンク13とを備え、モータ12とカートリッジタンク13は、ポンプ基台11上に配置されている。
【0020】
図示しないが、ポンプ基台11内にはシリンダが水平に設けられており、そのシリンダ内にはモータ12によって往復動するピストンが収納されている。ピストンの往復動によって、カートリッジタンク13内のグリースが一定量ずつポンプ基台11のグリース吐出ポート112から図示しない被給油箇所に向けて圧送される。
【0021】
この実施形態において、カートリッジタンク13は蛇腹状で伸縮するが、特に蛇腹状である必要はなく、単なるボトル状のカートリッジタンクであってもよい。カートリッジタンク13の一端(
図1a,
図1bおよび
図2において下端)には、上記シリンダのグリース吸入ポート111に連通する吐出口130が設けられている。
【0022】
この第1実施形態によると、カートリッジタンク13の荷重(残量)を検知するにあたって、中継ホルダー20、遊動ホルダー30および荷重センサー(ロードセル)40を備える。
【0023】
中継ホルダー20には、グリース吸入ポート111に連通する中継孔210を有する筒状体が用いられる。この実施形態において、中継ホルダー20は、分厚い肉厚を有するワッシャー状の筒体で中継孔210は丸孔である。
【0024】
中継ホルダー20は、ポンプ基台11上においてグリース吸入ポート111の周りに同軸として配置される。ポンプ基台11の中継ホルダー20の載置面には、グリース漏れ防止用のOリング212が設けられる。
【0025】
遊動ホルダー30は、上端側に大径のタンク吐出口嵌合部310を有するとともに、下端側にタンク吐出口嵌合部310よりも小径のスリーブ313を有する円筒体からなる。タンク吐出口嵌合部310とスリーブ313は同軸で互いに連通している。
【0026】
タンク吐出口嵌合部310には、カートリッジタンク13の吐出口130が嵌合する。タンク吐出口嵌合部310の内周面には、カートリッジタンク13の吐出口130の外周に形成されている雄ネジ131と螺合する雌ネジ311が形成されている。なお、タンク吐出口嵌合部310に、カートリッジタンク13の吐出口130を外部から空気が入り込まないように気密的に嵌合するため、カートリッジタンク13の吐出口130の端部とタンク吐出口嵌合部310の底部との間にパッキン312をかませることが好ましい。
【0027】
スリーブ313は、中継ホルダー20の丸孔である中継孔210内に上下動可能に差し込まれるが、スリーブ313の下端はポンプ基台11には接していない。中継孔210の内周にはグリース漏れ防止用のOリング211が設けられる。
【0028】
荷重センサー40は、中継ホルダー20と遊動ホルダー30との間に配置される。遊動ホルダー30のスリーブ313の下端はポンプ基台11に接していないため、荷重センサー40にはカートリッジタンク13の重さと遊動ホルダー30の重さがかかるが、カートリッジタンク13のみの重さを検知するうえで、荷重センサー40の検知信号から遊動ホルダー30の重さをオフセット値として補正することが好ましい。
【0029】
いずれにしても、本発明によれば、より簡単な構成にて、カートリッジタンク13内のグリース残量を
図1aの初期状態(カートリッジタンク13内がグリースで満たされている状態)から
図1bの下限状態(カートリッジタンク13内のグリースをほぼ使い切った状態)までリニアに検知し、常時監視することができる。
【0030】
次に、
図3a,
図3bおよび
図4により、本発明の第2実施形態に係るグリース供給装置10bについて説明する。この第2実施形態において、上記第1実施形態と共通であってよい構成要素には同じ参照符号を用いる。
【0031】
この第2実施形態は、ポンプ基台11にカートリッジタンク13をほぼ垂直にセットするための受け具(支持具)としてのカートリッジホルダー50を有する場合の例である。
【0032】
カートリッジホルダー50は、カートリッジタンク13の吐出口130が嵌合可能なタンク吐出口嵌合部(第1タンク吐出口嵌合部)510を備えている。タンク吐出口嵌合部510の内周面には、カートリッジタンク13の吐出口130の外周に形成されている雄ネジ131と螺合する雌ネジ511が形成されている。
【0033】
また、タンク吐出口嵌合部510内には、グリース吸入ポート111と同軸に配置される中筒512が設けられている。カートリッジタンク13の吐出口130は、タンク吐出口嵌合部510の内周面と中筒512との間にねじ込まれる。
【0034】
カートリッジホルダー50は、図示しないネジ等によりポンプ基台11上に固定されるが、ポンプ基台11のカートリッジホルダー50の載置面には、上記第1実施形態と同じく、グリース漏れ防止用のOリング212が設けられる。
【0035】
この第2実施形態も上記第1実施形態と同じく、カートリッジタンク13の荷重(残量)を検知するための構成として、中継ホルダー20a、遊動ホルダー30および荷重センサー40を備えているが、中継ホルダー20aは、次の点で上記第1実施形態の中継ホルダー20と異なっている。
【0036】
すなわち、この第2実施形態において、中継ホルダー20aは、下端側にカートリッジタンク13の吐出口130とほぼ同形・同大でカートリッジホルダー50のタンク吐出口嵌合部510に嵌合する筒状の脚部230を有するとともに、上端側に内径、外径ともに脚部230よりも大径である環状の鍔部240を備えている。
【0037】
脚部230と鍔部240は同軸で連通しており、脚部230の外周面には、タンク吐出口嵌合部510の雌ネジ511と螺合する雄ネジ231が形成されている。中継ホルダー20aは、脚部230をカートリッジホルダー50のタンク吐出口嵌合部510にねじ込むことによりカートリッジホルダー50に取り付けられる。
【0038】
この場合においても、タンク吐出口嵌合部510に、中継ホルダー20aの脚部230を外部から空気が入り込まないように気密的に嵌合するため、脚部230の端部とタンク吐出口嵌合部510の底部との間にパッキン513をかませることが好ましい。
【0039】
遊動ホルダー30は、上記第1実施形態と同じく、上端側にカートリッジタンク13の吐出口130が嵌合するタンク吐出口嵌合部(第2タンク吐出口嵌合部)310を有するとともに、下端側に中継ホルダー20aの鍔部240内に上下動可能に差し込まれるスリーブ313を備える円筒体からなる。タンク吐出口嵌合部310とスリーブ313は同軸で互いに連通している。
【0040】
先にも説明したように、タンク吐出口嵌合部310には、カートリッジタンク13の吐出口130が嵌合する。タンク吐出口嵌合部310の内周面には、カートリッジタンク13の吐出口130の外周に形成されている雄ネジ131と螺合する雌ネジ311が形成されている。なお、タンク吐出口嵌合部310に、カートリッジタンク13の吐出口130を外部から空気が入り込まないように気密的に嵌合するため、カートリッジタンク13の吐出口130の端部とタンク吐出口嵌合部310の底部との間にパッキン312をかませることが好ましい。
【0041】
スリーブ313は、中継ホルダー20aの鍔部240内に上下動可能に差し込まれるが、スリーブ313の下端は鍔部240底部(大径の鍔部240と小径の脚部230との間にある段部)には接していない。中継孔210の内周にはグリース漏れ防止用のOリング211が設けられる。
【0042】
この第2実施形態において、荷重センサー40は、中継ホルダー20aの鍔部240と遊動ホルダー30のタンク吐出口嵌合部310との間に配置される。遊動ホルダー30のスリーブ313の下端は鍔部240底部には接していないため、荷重センサー40にはカートリッジタンク13の重さと遊動ホルダー30の重さがかかるが、カートリッジタンク13のみの重さを検知するうえで、荷重センサー40の検知信号から遊動ホルダー30の重さをオフセット値として補正することが好ましい。
【0043】
この第2実施形態によれば、ポンプ基台11にカートリッジタンク13を支持する受け具としてのカートリッジホルダー50が取り付けられている場合には、そのカートリッジホルダー50をそのまま利用して中継ホルダー20a、荷重センサー40および遊動ホルダー30をグリースポンプにセットすることができる。
【0044】
そして、カートリッジタンク13内のグリース残量を
図3aの初期状態(カートリッジタンク13内がグリースで満たされている状態)から
図3bの下限状態(カートリッジタンク13内のグリースをほぼ使い切った状態)までリニアに検知し、常時監視することができる。
【符号の説明】
【0045】
10a,10b 潤滑剤供給装置(グリース供給装置)
11 ポンプ基台
111 グリース吸入ポート
112 グリース吐出ポート
13 カートリッジタンク
130 吐出口
20,20a 中継ホルダー
210 中継孔
30 遊動ホルダー
310 タンク吐出口嵌合部
313 スリーブ
40 荷重センサー
50 カートリッジホルダー
510 タンク吐出口嵌合部