(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-13
(45)【発行日】2023-12-21
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
A63F 7/02 20060101AFI20231214BHJP
【FI】
A63F7/02 320
A63F7/02 334
(21)【出願番号】P 2021133957
(22)【出願日】2021-08-19
【審査請求日】2022-09-07
(73)【特許権者】
【識別番号】000135210
【氏名又は名称】株式会社ニューギン
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100148563
【氏名又は名称】山本 実
(72)【発明者】
【氏名】安保 慎吾
(72)【発明者】
【氏名】川崎 健一
【審査官】冨士 健太
(56)【参考文献】
【文献】特開2021-061917(JP,A)
【文献】特開2017-195987(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
保留条件の成立を契機として変動ゲームを保留可能であり、開始条件の成立を契機として保留中の変動ゲームを開始させる遊技機において、
変動ゲームの変動内容を判定する判定手段と、
演出を実行可能な演出実行手段と、
前記演出実行手段を制御する演出制御手段と、
エラーの発生を検知するエラー検知手段と、を備え、
前記演出実行手段は、前記保留条件の成立を契機として保留された変動ゲームを対象として実行される特定演出を実行可能であり、
前記特定演出は、該特定演出の対象とされる変動ゲームが保留されたときに実行中である変動ゲームの変動内容と、該特定演出の対象とされる変動ゲームが保留されたときに保留中である変動ゲームの変動内容との組み合わせが特定組み合わせである特定状況であるときには、前記特定組み合わせではない非特定状況であるときとは異なる演出態様で実行される場合があり、
前記特定組み合わせは、前記特定演出の対象とされる変動ゲームが保留されたときに実行中である変動ゲームと、前記特定演出の対象とされる変動ゲームが保留されたときに保留中である変動ゲームとの中に、特定変動内容で実行され得る変動ゲームが含まれている組み合わせであり、
前記演出制御手段は、前記特定状況において、前記特定演出の対象とされる変動ゲームが保留されたときに実行中である変動ゲームと、前記特定演出の対象とされる変動ゲームが保留されたときに保留中である変動ゲームとのうち、何れの変動ゲームが前記特定変動内容で実行され得る変動ゲームである場合であっても、少なくとも一部が同一である制御により前記特定演出を実行させる
ようになっており、
前記特定演出は、該特定演出の対象とされる変動ゲームを示すゲーム情報を特定表示態様で表示させる演出であり、
前記エラーには、特定エラーと、非特定エラーと、があり、
前記特定演出の実行中に前記特定エラーが発生した場合、該特定エラーの解除後も前記特定表示態様で前記ゲーム情報が表示され、
前記特定演出の実行中に前記非特定エラーが発生した場合、該非特定エラーの解除後には前記特定表示態様とは異なる表示態様で前記ゲーム情報が表示されることを特徴とする遊技機
。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、遊技機の一種であるパチンコ遊技機では、変動ゲームの保留条件が成立した場合に、実行が保留された変動ゲームを対象として各種の演出を実行することが行われている。また、このようなパチンコ遊技機の中には、変動ゲームの保留条件が成立して所定の演出が開始された後に特定の大当り遊技が付与された場合には、演出の実行を中止するなど、演出の実行を制限することにより、現在の状況に合わない演出態様で演出が実行されてしまうことを抑制しているものがある(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、実行が保留された変動ゲームを対象として各種の演出を実行可能なパチンコ遊技機において、現在の状況に合わない演出態様で演出が実行されてしまうことが考えられる状況というのは、大当り遊技が付与された場合に限ったことではない。このため、このようなパチンコ遊技機では、実行が保留された変動ゲームを対象とする演出を実行するための制御を工夫することにより、現在の状況に合わない演出態様で演出が実行されてしまうことを抑制し、遊技に対する興趣の低下を抑制することが望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するための遊技機は、保留条件の成立を契機として変動ゲームを保留可能であり、開始条件の成立を契機として保留中の変動ゲームを開始させる遊技機において、変動ゲームの変動内容を判定する判定手段と、演出を実行可能な演出実行手段と、前記演出実行手段を制御する演出制御手段と、エラーの発生を検知するエラー検知手段と、を備え、前記演出実行手段は、前記保留条件の成立を契機として保留された変動ゲームを対象として実行される特定演出を実行可能であり、前記特定演出は、該特定演出の対象とされる変動ゲームが保留されたときに実行中である変動ゲームの変動内容と、該特定演出の対象とされる変動ゲームが保留されたときに保留中である変動ゲームの変動内容との組み合わせが特定組み合わせである特定状況であるときには、前記特定組み合わせではない非特定状況であるときとは異なる演出態様で実行される場合があり、前記特定組み合わせは、前記特定演出の対象とされる変動ゲームが保留されたときに実行中である変動ゲームと、前記特定演出の対象とされる変動ゲームが保留されたときに保留中である変動ゲームとの中に、特定変動内容で実行され得る変動ゲームが含まれている組み合わせであり、前記演出制御手段は、前記特定状況において、前記特定演出の対象とされる変動ゲームが保留されたときに実行中である変動ゲームと、前記特定演出の対象とされる変動ゲームが保留されたときに保留中である変動ゲームとのうち、何れの変動ゲームが前記特定変動内容で実行され得る変動ゲームである場合であっても、少なくとも一部が同一である制御により前記特定演出を実行させるようになっており、前記特定演出は、該特定演出の対象とされる変動ゲームを示すゲーム情報を特定表示態様で表示させる演出であり、前記エラーには、特定エラーと、非特定エラーと、があり、前記特定演出の実行中に前記特定エラーが発生した場合、該特定エラーの解除後も前記特定表示態様で前記ゲーム情報が表示され、前記特定演出の実行中に前記非特定エラーが発生した場合、該非特定エラーの解除後には前記特定表示態様とは異なる表示態様で前記ゲーム情報が表示されることを要旨とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、遊技に対する興趣の低下を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図3】パチンコ遊技機の電気的構成を示すブロック図である。
【
図5】特別図柄入力処理を示すフローチャートである。
【
図8】(a)~(e)は、特定表示演出において変化可能なゲーム情報の表示態様を示す説明図である。
【
図9】情報表示演出決定処理を示すフローチャートである。
【
図10】条件設定処理を示すフローチャートである。
【
図11】条件設定処理を示すフローチャートである。
【
図12】待機状態中又は変動待機中に特別ゲームの保留条件が成立したときの入賞時表示態様の制限条件及び保留中変化可能回数を示す説明図である。
【
図13】特別ゲームの実行中に変動ゲームの保留条件が成立したときの入賞時表示態様の制限条件及び保留中変化可能回数を示す説明図である。
【
図14】第1表示態様決定処理を示すフローチャートである。
【
図15】(a)は、最終表示態様として決定可能な表示態様を示す説明図であり、(b)は、開始時表示態様として決定可能な表示態様を示す説明図であり、(c)は、入賞時表示態様として決定可能な表示態様を示す説明図である。
【
図16】第2表示態様決定処理を示すフローチャートである。
【
図17】保留中表示態様及び実行中表示態様を決定するときに決定可能な表示態様を示す説明図である。
【
図18】第3表示態様決定処理を示すフローチャートである。
【
図19】(a)~(d)は、特定表示演出が実行されるときのゲーム情報の表示態様の変化に関する具体的な一例を示す説明図である。
【
図20】(a)~(d)は、特定表示演出の実行が決定されている場合に電源断が発生したときのゲーム情報の表示態様の変化に関する具体的な一例を示す説明図である。
【
図22】(a)~(c)は、特定表示演出の実行が決定されている場合に電波エラーが発生したときのゲーム情報の表示態様の変化に関する具体的な一例を示す説明図である。
【
図23】(a)~(c)は、特定表示演出の実行が決定されている場合に扉開放エラーが発生したときのゲーム情報の表示態様の変化に関する具体的な一例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、パチンコ遊技機の一実施形態について説明する。以下の説明において、上、下、左、右、前(表)、及び後(裏)は、遊技者から見たときの各方向を示すものとする。
図1に示すように、遊技機としてのパチンコ遊技機10は、枠体11を備える。枠体11は、パチンコ遊技機10を遊技店などの島設備に固定するための設置枠11aと、各種の遊技部品を搭載するための搭載枠11bと、を含んで構成される。搭載枠11bは、設置枠11aに対して開閉可能となるように、設置枠11aの開口部の一側縁部に対して軸支されている。パチンコ遊技機10は、搭載枠11bが開放されないように施錠する施錠装置11cを備える。施錠装置11cは、該施錠装置11cに適合する鍵を差し込んで所定方向へ回動させることにより解錠され、搭載枠11bの開放を許容するように構成されている。
【0012】
パチンコ遊技機10は、遊技盤YBを備える。遊技盤YBは、搭載枠11bに搭載されている。遊技盤YBの前面側には、遊技媒体としての遊技球が流下する遊技領域YBaが形成されている。パチンコ遊技機10は、発射ハンドルHDを備える。発射ハンドルHDは、遊技球を遊技領域YBaへ打ち出すときに操作される手段である。発射ハンドルHDは、搭載枠11bの前面側に設けられている。パチンコ遊技機10は、発射ハンドルHDの回動操作量を調整することによって、遊技球の発射強度を調整できるように構成される。
【0013】
パチンコ遊技機10は、発光手段としての装飾ランプLaを備える。装飾ランプLaは、発光体の発光により各種の報知及び各種の演出を実行可能である。以下の説明では、発光体の発光による演出を「発光演出」と示す。即ち、装飾ランプLaは、発光体を発光させて行う発光演出を実行可能である。なお、本明細書における「発光」には、点灯、点滅、及び消灯を含む。以下の説明では、装飾ランプLaの発光体が発光することを、単に「装飾ランプLaが発光する」と示す場合がある。
【0014】
パチンコ遊技機10は、音声出力手段としてのスピーカSpを備える。スピーカSpは、音声の出力により各種の報知及び各種の演出を実行可能である。以下の説明では、音声の出力による演出を「音声演出」と示す。即ち、スピーカSpは、音声を出力させて行う音声演出を実行可能である。以下の説明では、音声を出力させて行う演出を「音声演出」と示す。なお、本明細書における「音声」には、人や動物の声、効果音、及び楽曲などを含む。スピーカSpは、例えば、枠体11に設けられる。
【0015】
図2に示すように、パチンコ遊技機10は、情報表示装置12を備えている。例えば、情報表示装置12は、遊技盤YBにおいて、遊技者から視認可能な位置に配設されている。情報表示装置12では、パチンコ遊技機10の制御状態を示す各種の情報が報知される。
【0016】
情報表示装置12は、図柄を変動させて行う変動ゲームとしての特別ゲームを表示可能な表示部として、第1特別図柄表示部12a及び第2特別図柄表示部12bを備える。特別ゲームでは、所定の図柄が変動表示され、最終的に特別図柄が確定停止表示される。特別図柄は、内部抽選(後述する特別抽選)の結果を報知するための図柄である。第1特別図柄表示部12aは、第1特別ゲームを表示する。第2特別図柄表示部12bは、第2特別ゲームを表示する。本明細書において、「変動表示」とは、表示されている図柄の種類が時間の経過とともに変化している状態を意味する。本明細書において、「確定停止表示」とは、図柄が確定的に停止表示されており、表示されている図柄の種類が変化しない状態を意味する。図柄について、「確定停止表示」と「導出」とは同じ意味である。パチンコ遊技機10において、第2特別ゲームは、第1特別ゲームに対して優先的に実行される。第1特別ゲーム及び第2特別ゲームは、同時に並行して実行されない。特別図柄には、大当り表示結果としての大当り図柄と、はずれ表示結果としてのはずれ図柄とがある。パチンコ遊技機10では、特別抽選にて大当りに当選すると、特別ゲームにて大当り図柄が導出され、該大当りの特別ゲームの終了後、大当り遊技が付与される。
【0017】
情報表示装置12は、特別ゲームの保留数を特定可能な情報を表示する表示部として、第1特別保留表示部12c及び第2特別保留表示部12dを備える。第1特別保留表示部12cは、第1特別ゲームの保留数(以下、第1特別保留数と示す)を特定可能な情報を表示する。第2特別保留表示部12dは、第2特別ゲームの保留数(以下、第2特別保留数と示す)を特定可能な情報を表示する。例えば、第1特別保留数及び第2特別保留数の上限値は、4である。
【0018】
情報表示装置12は、普通図柄表示部12eを備える。普通図柄表示部12eは、普通ゲームを表示する。普通ゲームでは、所定の図柄が変動表示され、最終的に普通図柄が確定停止表示される。普通図柄は、内部抽選(後述する普通抽選)の結果を報知するための図柄である。普通図柄には、普通当り表示結果としての普通当り図柄と、普通はずれ表示結果としての普通はずれ図柄とがある。パチンコ遊技機10では、普通抽選にて普通当りに当選すると、普通ゲームにて普通当り図柄が導出され、該普通当りの普通ゲームの終了後、普通当り遊技が付与される。情報表示装置12は、普通保留表示部12fを備える。普通保留表示部12fは、普通ゲームの保留数(以下、普通保留数と示す)を特定可能な情報を表示する。
【0019】
パチンコ遊技機10は、演出を実行可能な演出実行手段としての演出表示装置EHを備えている。演出表示装置EHは、例えば、液晶ディスプレイ型の表示装置である。なお、演出表示装置EHは、有機ELディスプレイ型の表示装置であってもよく、プロジェクタとスクリーンとを含んで構成された表示装置であってもよい。演出表示装置EHは、画像が表示される画像表示部GHを備えている。演出表示装置EHは、演出の1つとして、所定のキャラクタや文字を模した画像(絵柄)を表示する演出(以下、表示演出と示す)を実行可能である。
【0020】
演出表示装置EHでは、表示演出の1つとして、変動ゲームとしての演出ゲームが表示される。演出ゲームでは、複数列の演出図柄が変動表示され、最終的に演出図柄の組合せ(以下、図柄組合せと示す)が導出される。演出図柄(飾り図柄)は、キャラクタや模様等の装飾が施された図柄であって、表示演出を多様化させるための図柄である。一例として、本実施形態の演出ゲームは、左図柄列、中図柄列、及び右図柄列の演出図柄をそれぞれ所定方向に変動表示(スクロール表示)させて行われる。
【0021】
演出ゲームは、特別ゲームとともに開始され、特別ゲームとともに終了される。演出ゲームでは、特別ゲームで導出される特別図柄に応じた図柄組合せが導出される。特別ゲームにおいて大当り図柄が導出されるとき、演出ゲームでは大当りの図柄組合せが導出される。大当りの図柄組合せは、「777」などのように全列の演出図柄が同一の演出図柄となる図柄組合せである。特別ゲームにおいてはずれ図柄が導出されるとき、演出ゲームでははずれの図柄組合せが導出される。はずれの図柄組合せは、一例として、「778」や「787」などのように少なくとも一部列の演出図柄が他列の演出図柄とは異なる図柄組合せである。本明細書において、「一旦停止表示」とは、ゆれ変動表示などのように、演出図柄が確定停止表示される前の仮停止状態である。なお、以下の説明では、特別ゲームと演出ゲームとをまとめて「変動ゲーム」と示す場合がある。
【0022】
また、本実施形態の演出ゲームでは、リーチ演出を実行可能である。本実施形態のリーチ演出は、演出ゲームにおいて全図柄列のうち特定列に同一の演出図柄を一時停止表示させた状態(所謂、リーチ状態)で行われる演出である。
【0023】
本実施形態のリーチ演出には、ノーマルリーチ演出と、ノーマルリーチ演出の演出内容を発展させて行うスーパーリーチ演出と、がある。本実施形態において、スーパーリーチ演出は、ノーマルリーチ演出と比較して、実行中の特別ゲームにおいて大当り表示結果が導出される期待度が高いことを示唆する演出である。以下の説明では、大当り表示結果が導出される期待度(大当りとなる期待度)を、単に「大当り期待度」と示す。本実施形態では、特別ゲームで大当り表示結果が導出される場合には、演出ゲームでも大当り表示結果が導出されるため、特別ゲームにおける大当り期待度は、演出ゲームにおける大当り期待度としても把握できる。
【0024】
パチンコ遊技機10は、遊技領域YBaに開口する入賞口としての第1始動口13を備える。第1始動口13は、遊技球を入球させることができるように、常に開口している。パチンコ遊技機10は、第1始動口13へ入球した遊技球を検知する第1始動センサSE1を備える(
図3に示す)。パチンコ遊技機10では、遊技球が第1始動センサSE1によって検知されると、第1特別ゲームの保留条件が成立し得るとともに、予め定めた個数の賞球の払出条件が成立する。
【0025】
パチンコ遊技機10は、遊技領域YBaに開口する入賞口としての第2始動口14を備える。パチンコ遊技機10は、第2始動口14へ入球した遊技球を検知する第2始動センサSE2を備える(
図3に示す)。パチンコ遊技機10では、遊技球が第2始動センサSE2によって検知されると、第2特別ゲームの保留条件が成立し得るとともに、予め定めた個数の賞球の払出条件が成立する。パチンコ遊技機10は、遊技球が第2始動口14へ入球可能な開状態と、遊技球が第2始動口14へ入球不能な閉状態と、に動作可能な普通可変部材15を備える。閉状態は、遊技球が第2始動口14へ入球し得るが、開状態に比して入球し難い状態であってもよい。パチンコ遊技機10は、普通可変部材15を動作させる第1アクチュエータA1を備える(
図3に示す)。普通可変部材15は、普通当り遊技において、開状態に動作される。
【0026】
パチンコ遊技機10は、遊技領域YBaに開口する入賞口としての大入賞口16を備える。パチンコ遊技機10は、大入賞口16へ入球した遊技球を検知するカウントセンサSE3を備える(
図3に示す)。パチンコ遊技機10では、遊技球がカウントセンサSE3によって検知されると、予め定めた個数の賞球の払出条件が成立する。パチンコ遊技機10は、遊技球が大入賞口16へ入球可能な開状態と、遊技球が大入賞口16へ入球不能な閉状態と、に動作可能な特別可変部材17を備える。閉状態は、遊技球が大入賞口16へ入球し得るが、開状態に比して入球し難い状態であってもよい。パチンコ遊技機10は、特別可変部材17を動作させる第2アクチュエータA2を備える(
図3に示す)。特別可変部材17は、大当り遊技において、開状態に動作される。
【0027】
パチンコ遊技機10は、遊技領域YBaを流下する遊技球が通過(入球)可能なゲート25を備える。パチンコ遊技機10は、ゲート25を通過する遊技球を検知するゲートセンサSE4を備える(
図3に示す)。パチンコ遊技機10では、遊技球がゲートセンサSE4によって検知されると、普通ゲームの保留条件が成立し得る一方、賞球の払出条件が成立しないように構成されている。
【0028】
次に、パチンコ遊技機10の遊技状態について説明する。
パチンコ遊技機10は、大当り確率を高確率に変動させる確率変動機能と、第2始動口14への遊技球の入球を補助する入球補助機能と、特別ゲームの変動時間を短縮する時間短縮機能と、を搭載している。パチンコ遊技機10における遊技状態は、これらの機能の作動状態(作動及び非作動)を組み合わせて構成される。
【0029】
確率変動機能(以下、確変機能と示す)について説明する。
パチンコ遊技機10は、大当り確率が異なる状態として、複数の確率状態を備える。複数の確率状態には、低確率状態と、該低確率状態に比して、大当り確率が高い高確率状態と、がある。確変機能が作動すると、確率状態が低確率状態から高確率状態へと移行し、大当りに当選する可能性が高まる。このため、高確率状態は、遊技者にとって有利な状態となる。高確率状態は、所謂「確率変動状態(確変状態)」である。
【0030】
入球補助機能について説明する。
入球補助機能は、普通電動役物への入賞をサポートする機能であり、所謂「電サポ機能」である。パチンコ遊技機10は、第2始動口14への遊技球の入球率が異なる状態として、複数の入球率状態を備える。複数の入球率状態には、低入球率状態と、該低入球率状態に比して、入球率が高い高入球率状態と、がある。入球補助機能が作動すると、入球率状態が低入球率状態から高入球率状態に移行し、第2特別ゲームの始動条件を成立させ易くなる。このため、高入球率状態は、遊技者にとって有利な状態となる。
【0031】
例えば、高入球率状態は、次に説明する3つの補助制御のうち任意に選択できる1つの制御を実行することによって、又は複数の制御を組み合わせて実行することによって実現できる。第1補助制御は、普通ゲームの変動時間を、低入球率状態のときよりも短くする制御である。第2補助制御は、普通抽選における普通当り確率を、低入球率状態のときよりも高確率に変動させる制御である。第2補助制御は、低入球率状態では、普通抽選そのものを行わないが、高入球率状態では、所定の当選確率にて普通抽選を行う制御であってもよい。第3補助制御は、1回の普通当り遊技における普通可変部材15の合計開放時間を、低入球率状態のときよりも長くする制御である。なお、第3補助制御としては、1回の普通当り遊技における普通可変部材15の開放回数を、低入球率状態のときよりも多くする制御、及び、普通当り遊技における普通可変部材15の1回の開放時間を、低入球率状態のときよりも長くする制御のうち、少なくとも一方の制御を行うとよい。
【0032】
次に、変動時間短縮機能(以下、時短機能と示す)について説明する。
パチンコ遊技機10は、特別ゲームの変動時間(平均変動時間)が異なる状態として、複数の変動時間状態を備える。複数の変動時間状態には、長変動時間状態と、長変動時間状態に比して、少なくとも第2特別ゲームの平均変動時間が短い短変動時間状態と、がある。時短機能が作動すると、変動時間状態が長変動時間状態から短変動時間状態へ移行し、単位時間当りで実質的に実行可能な特別ゲームの回数が増加する。即ち、特別ゲームの保留の消化効率が向上する。なお、本実施形態において、時短機能は、入球補助機能に付随して作動する。つまり、時短機能は、入球補助機能とともに作動し、入球補助機能とともに非作動となる。
【0033】
本実施形態において、遊技状態には、通常状態、第1有利状態、及び第2有利状態の3つがある。通常状態は、確変機能、入球補助機能、及び時短機能が全て作動しない遊技状態である。第1有利状態は、確変機能、入球補助機能、及び時短機能が全て作動する遊技状態である。第2有利状態は、確変機能が作動しない一方、入球補助機能及び時短機能が作動する遊技状態である。
【0034】
次に、パチンコ遊技機10における大当りについて説明する。
パチンコ遊技機10は、特別図柄の大当り図柄として、複数種類の大当り図柄を備える。大当り図柄の種類は、大当りの種類でもある。大当り図柄は、1又は複数の種類に分類される。本実施形態において、大当り図柄は、特定図柄及び通常図柄の2種類に分類される。パチンコ遊技機10では、大当り図柄の種類(大当りの種類)に応じて大当り遊技が付与される。
【0035】
大当り遊技では、最初に、予め定めた時間(以下、オープニング時間と示す)にわたって所定の演出が行われる。例えば、所定の演出は、大当り遊技の開始を特定可能なオープニング演出である。大当り遊技では、オープニング時間の経過後に、大入賞口16を開放するラウンド遊技が予め定めた上限回数を上限として行われる。1回のラウンド遊技は、予め定めた上限個数の遊技球が入球するか、又は、予め定めた上限時間が経過すると終了される。ラウンド遊技において、大入賞口16は、所定の開放態様(開放パターン)にて開放される。各ラウンド遊技では、ラウンド演出が行われる。大当り遊技では、最終回のラウンド遊技が終了すると、予め定めた時間(以下、エンディング時間と示す)にわたって所定の演出が行われる。例えば、所定の演出は、大当り遊技の終了を特定可能なエンディング演出である。大当り遊技は、エンディング時間の経過に伴って終了される。
【0036】
パチンコ遊技機10では、大当り図柄の種類(大当りの種類)に応じて、大当り遊技の終了後の遊技状態が制御される。本実施形態において、特定図柄には、大当り遊技の終了後、次回の大当り遊技が付与されるまでの間にわたって第1有利状態に制御することが定められている。通常図柄には、大当り遊技の終了後、予め定めた作動回数(本実施形態では100回)の特別ゲームが終了する迄、又は、次回の大当り遊技が付与される迄の間にわたって、第2有利状態に制御することが定められている。
【0037】
次に、パチンコ遊技機10におけるエラーについて説明する。
本実施形態のパチンコ遊技機10は、各種のエラーを検出可能に構成されている。例えば、本実施形態において検出可能なエラーには、図示しない電波検出センサが所定の周波数帯の電波を検出しているエラー(以下、電波エラーと示す)がある。電波エラーが発生する状況は、電波照射装置を用いて所定の周波数帯の電波を遊技盤YBに照射することで、各種のセンサに誤作動を起こさせる不正行為(所謂、電波ゴト)が行われている可能性が高い状況である。また、本実施形態において検出可能なエラーには、搭載枠11bが開放していることを検出しているエラー(以下、扉開放エラーと示す)がある。扉開放エラーが発生する状況は、主にはパチンコ遊技機10の管理者が適正な鍵を用いて施錠装置11cを操作し、搭載枠11bを開放している状況である。但し、扉開放エラーが発生する状況は、不正行為者が不正な手段により搭載枠11bを開放している場合にも生じる可能性がある。なお、搭載枠11bが開放している状況は、適正に発生しているか、不正に発生しているかに関係なく、通常の遊技を継続できない観点からパチンコ遊技機10にとって異常状態となる。
【0038】
また、本実施形態のパチンコ遊技機10は、エラーを検出したことを報知するエラー報知を実行可能に構成されている。本実施形態のエラー報知は、演出表示装置EHの画像表示部GHのうち一部又は全部の表示領域において所定の報知画像が表示される態様により実行される。
【0039】
例えば、電波エラーを検出したことを報知するエラー報知では、演出表示装置EHの画像表示部GHの表示領域全体にわたって報知画像が表示される。そして、電波エラーを検出したことを報知するエラー報知は、所定のエラー解除スイッチSW2(
図3に示す)が操作されたことを契機として終了する。
【0040】
また、扉開放エラーを検出したことを報知するエラー報知では、演出表示装置EHの画像表示部GHのうち一部の表示領域にわたって報知画像が表示される。そして、扉開放エラーを検出したことを報知するエラー報知は、搭載枠11bが閉鎖されたことを契機として終了する。
【0041】
次に、パチンコ遊技機10の電気的構成を説明する。
図3に示すように、パチンコ遊技機10は、主制御基板30を備える。主制御基板30は、所定の処理を行い、該処理の結果に応じて、制御情報の一例である制御コマンドなどの制御信号を出力する。パチンコ遊技機10は、副制御基板31を備える。主制御基板30と、副制御基板31とは、主制御基板30から副制御基板31へ一方向に制御信号を出力可能となるように接続されている。副制御基板31は、主制御基板30から入力した制御信号に基づいて所定の処理を実行する。
【0042】
まず、主制御基板30について詳しく説明する。
主制御基板30は、主制御CPU30aと、主制御ROM30bと、主制御RAM30cと、を備えている。主制御CPU30aは、主制御プログラムを実行することにより、各種の処理を行う。
【0043】
主制御ROM30bは、主制御プログラムや、所定の抽選に用いられる判定値などを記憶している。また、主制御ROM30bは、複数種類の変動パターンを記憶している。変動パターンは、特別ゲームが開始されてから、特別ゲームが終了される迄の変動時間を特定可能な情報である。また、本実施形態の変動パターンは、演出ゲームの演出内容を特定可能な情報である。具体的に、本実施形態の変動パターンは、リーチ演出が実行されるか否かと、実行されるリーチ演出の種類と、を特定可能な情報である。即ち、本実施形態において、変動パターンは、特別ゲーム及び演出ゲームの内容を特定可能な情報である。
【0044】
図4に示すように、本実施形態の変動パターンには、大当り判定においてはずれと判定されたときに決定可能なはずれ変動パターンと、大当り判定において大当りと判定されたときに決定可能な大当り変動パターンとがある。例えば、変動パターンHP1~HP4は、はずれ変動パターンであり、変動パターンHP5,HP6は、大当り変動パターンである。
【0045】
はずれ変動パターンには、演出ゲームの演出内容として、リーチ演出を経ないで、又はリーチ演出を経て、最終的にはずれの図柄組み合わせを導出させる演出内容が定められている。例えば、変動パターンHP1,HP2は、リーチ演出を経ないで最終的にはずれの図柄組み合わせを導出させる演出内容が定められた変動パターンである。特に、変動パターンHP1は、所定の変動時間に亘って演出ゲームを実行させた後、リーチ演出を経ないで最終的にはずれの図柄組み合わせを導出させる演出内容が定められた変動パターンである。また、変動パターンHP2は、変動パターンHP1よりも短い変動時間に亘って演出ゲームを実行させた後、リーチ演出を経ないで最終的にはずれの図柄組み合わせを導出させる演出内容が定められた変動パターンである。以下の説明では、変動パターンHP1により特定可能な演出内容を通常はずれと示す場合がある一方で、変動パターンHP2により特定可能な演出内容を短縮はずれと示す場合がある。また、変動パターンHP3は、ノーマルリーチ演出(図中、Nリーチと示す)を経て最終的にはずれの図柄組み合わせを導出させる演出内容が定められた変動パターンである。そして、変動パターンHP4は、ノーマルリーチ演出及びスーパーリーチ演出(図中、SPリーチと示す)を経て最終的にはずれの図柄組み合わせを導出させる演出内容が定められた変動パターンである。
【0046】
また、大当り変動パターンには、演出ゲームの演出内容として、リーチ演出を経て最終的に大当りの図柄組み合わせを導出させる演出内容が定められている。例えば、変動パターンHP5は、ノーマルリーチ演出を経て最終的に大当りの図柄組み合わせを導出させる演出内容が定められた変動パターンである。また、変動パターンHP6は、ノーマルリーチ演出及びスーパーリーチ演出を経て最終的に大当りの図柄組み合わせを導出させる演出内容が定められた変動パターンである。
【0047】
図3に示す主制御RAM30cは、パチンコ遊技機10の動作中に書き換えられる様々な情報を記憶可能に構成されている。主制御RAM30cが記憶する情報は、例えばフラグ、カウンタ、及びタイマなどである。また、主制御基板30は、乱数を生成可能に構成されている。例えば、乱数は、ハードウェア乱数として生成されてもよく、ソフトウェア乱数として生成されてもよい。
【0048】
主制御CPU30aと、第1始動センサSE1、第2始動センサSE2、カウントセンサSE3、及びゲートセンサSE4とは、接続されている。主制御CPU30aは、各センサが遊技球を検知した際に出力する検知信号を入力可能に構成されている。主制御CPU30aと、情報表示装置12(第1特別図柄表示部12a、第2特別図柄表示部12b、第1特別保留表示部12c、第2特別保留表示部12d、普通図柄表示部12e、普通保留表示部12f)とは、接続されている。主制御CPU30aは、情報表示装置12の表示内容を制御可能に構成されている。主制御CPU30aと、第1アクチュエータA1及び第2アクチュエータA2とは、接続されている。主制御CPU30aは、各アクチュエータの動作を制御可能に構成されている。
【0049】
主制御CPU30aと、図示しない電波検出センサとは、接続されている。主制御CPU30aは、電波検出センサが所定の周波数帯の電波を検出した際に出力する電波検出信号を入力可能に構成されている。また、主制御CPU30aと、搭載枠11bが開放されているか否かを検出する図示しない扉開放センサとは、接続されている。主制御CPU30aは、扉開放センサが搭載枠11bの開放を検出した際に出力する開放検出信号を入力可能に構成されている。
【0050】
本実施形態のパチンコ遊技機10は、パチンコ遊技機10の電源断後に主制御基板30に電力を供給可能な図示しないバックアップ電源を備えている。バックアップ電源は、例えばキャパシタや二次電池である。そして、主制御基板30は、パチンコ遊技機10に電源が供給されているときにはパチンコ遊技機10から電力が供給される一方で、パチンコ遊技機10の電源断がなされた後には、バックアップ電源から電力が供給されることにより、主制御RAM30cに記憶されている各種の情報を記憶保持(バックアップ)可能である。
【0051】
次に、副制御基板31について説明する。
副制御基板31と、主制御基板30とは、接続されている。パチンコ遊技機10では、主制御基板30から副制御基板31への一方向に制御信号を出力可能に構成されている。
【0052】
副制御基板31は、副制御CPU31aと、副制御ROM31bと、副制御RAM31cと、を備えている。副制御CPU31aは、副制御プログラムを実行することにより、各種の処理(例えば、演出に関する処理)を行う。
【0053】
副制御ROM31bは、副制御プログラムや、抽選に用いられる判定値などを記憶している。副制御ROM31bは、表示演出に関する表示演出データ、発光演出に関する発光演出データ、及び音声演出に関する音声演出データを記憶している。
【0054】
また、副制御RAM31cは、パチンコ遊技機10の動作中に適宜書き換えられる様々な情報を記憶可能に構成されている。副制御RAM31cが記憶する情報は、例えばフラグ、カウンタ、及びタイマなどである。また、副制御基板31は、乱数を生成可能に構成されている。乱数は、ハードウェア乱数として生成されてもよく、ソフトウェア乱数として生成されてもよい。
【0055】
副制御CPU31aと、演出表示装置EHとは、接続されている。副制御CPU31aは、演出表示装置EHの表示内容を制御可能に構成されている。即ち、本実施形態において、副制御CPU31aは、演出実行手段を制御する演出制御手段として機能する。副制御CPU31aと、装飾ランプLaとは、接続されている。副制御CPU31aは、装飾ランプLaの発光態様を制御可能に構成されている。副制御CPU31aと、スピーカSpとは、接続されている。副制御CPU31aは、スピーカSpの出力態様を制御可能に構成されている。
【0056】
本実施形態のパチンコ遊技機10は、パチンコ遊技機10の電源断後に副制御基板31に電力を供給可能な図示しないバックアップ電源を備えている。そして、副制御基板31は、パチンコ遊技機10に電源が供給されているときにはパチンコ遊技機10から電力が供給される一方で、パチンコ遊技機10の電源断がなされた後には、バックアップ電源から電力が供給されることにより、副制御RAM31cに記憶されている各種の情報を記憶保持(バックアップ)可能である。
【0057】
また、本実施形態のパチンコ遊技機10は、主制御RAM30c及び副制御RAM31cの記憶内容を初期化する操作が可能なRAMクリアスイッチSW1を備えている。主制御CPU30aは、図示しないRAMクリアスイッチ回路を介してRAMクリアスイッチSW1と接続されている。主制御CPU30aは、RAMクリアスイッチSW1が操作(押下)されたときに出力する操作信号を入力可能に構成されている。主制御CPU30aは、RAMクリアスイッチSW1が操作されたときに出力する操作信号を入力したことを契機として、主制御RAM30cに記憶されている各種の情報を消去する。また、主制御CPU30aは、RAMクリアスイッチSW1が操作されたときに出力する操作信号を入力したことを契機として、RAMクリアスイッチSW1が操作されたことを示す初期化コマンドを副制御CPU31aに出力する。そして、副制御CPU31aは、初期化コマンドを入力したことを契機として、副制御RAM31cに記憶されている各種の情報を消去する。
【0058】
また、本実施形態のパチンコ遊技機10は、所定のエラー報知を終了させる操作が可能なエラー解除スイッチSW2を備えている。主制御CPU30aは、エラー解除スイッチSW2が操作(押下)されたときに出力する操作信号を入力可能に構成されている。
【0059】
本実施形態において、RAMクリアスイッチSW1及びエラー解除スイッチSW2は、遊技機の背面側に配設されている。このため、本実施形態において、RAMクリアスイッチSW1及びエラー解除スイッチSW2は、施錠装置11cを解錠して搭載枠11bを開放しなければアクセスできない。したがって、原則として、RAMクリアスイッチSW1及びエラー解除スイッチSW2は、施錠装置11cの鍵を保有する管理者のみが操作可能な手段といえる。なお、RAMクリアスイッチSW1及びエラー解除スイッチSW2は、主制御基板30とは別に備えられていてもよいし、主制御基板30に備えられていてもよい。
【0060】
次に、パチンコ遊技機10において実行される各種の処理(制御)について説明する。
まず、本実施形態のパチンコ遊技機10における電源投入時の制御について説明する。
電源投入処理において、主制御CPU30aは、RAMクリアスイッチSW1から操作信号を受信しているか否かに基づいて、RAMクリアスイッチSW1がオン状態に操作されているか否かを判定する。
【0061】
RAMクリアスイッチSW1がオン状態に操作されている場合、主制御CPU30aは、主制御RAM30cのRAMクリア処理を行う。主制御RAM30cのRAMクリア処理において、主制御CPU30aは、主制御RAM30cの記憶内容を消去(初期化)する。即ち、主制御CPU30aは、パチンコ遊技機10への電力供給が開始されたことを契機として主制御RAM30cの記憶内容を消去する消去制御を実行可能である。また、主制御CPU30aは、主制御RAM30cのRAMクリア処理の実行に伴って初期化コマンドを副制御基板31へ出力する。続いて、主制御CPU30aは、主制御RAM30cのRAMクリア処理によって初期化された情報に基づいて、特別ゲームを実行可能な状態に制御する。その後、主制御CPU30aは、主制御RAM30cのRAMクリア処理を終了するとともに、電源投入処理を終了する。
【0062】
また、副制御基板31の副制御CPU31aは、初期化コマンドを入力すると、副制御RAM31cのRAMクリア処理を行う。副制御RAM31cのRAMクリア処理において、副制御CPU31aは、副制御RAM31cの記憶内容を消去(初期化)する。即ち、副制御CPU31aは、パチンコ遊技機10への電力供給が開始されたことを契機として副制御RAM31cの記憶内容を消去する消去制御を実行可能である。続いて、副制御CPU31aは、副制御RAM31cのRAMクリア処理によって初期化された情報に基づいて、各種の演出を実行可能な状態に制御する。その後、副制御CPU31aは、副制御RAM31cのRAMクリア処理を終了するとともに、電源投入処理を終了する。
【0063】
一方、RAMクリアスイッチSW1がオン状態に操作されていない場合、主制御CPU30aは、バックアップ異常であるか否か、つまり、主制御RAM30cの記憶内容に異常があるか否かを確認する。バックアップ異常である場合、主制御CPU30aは、主制御RAM30cのRAMクリアスイッチSW1がオン状態に操作されているときと同様にRAMクリア処理を行う。
【0064】
バックアップ異常ではない場合、主制御CPU30aは、主制御RAM30cの復帰処理を行う。主制御CPU30aは、主制御RAM30cの復帰処理の開始に伴って復帰コマンドを副制御基板31へ出力する。続いて、主制御CPU30aは、主制御RAM30cに保持(バックアップ)されている各種の情報に基づいて、特別ゲームを実行可能な状態に制御する。その後、主制御CPU30aは、主制御RAM30cの復帰処理を終了するとともに、電源投入処理を終了する。
【0065】
また、副制御基板31の副制御CPU31aは、復帰コマンドを入力すると、副制御RAM31cの復帰処理を行う。副制御CPU31aは、副制御RAM31cに保持(バックアップ)されている各種の情報に基づいて、各種の演出を実行可能な状態に制御する。その後、副制御CPU31aは、副制御RAM31cの復帰処理を終了するとともに、電源投入処理を終了する。
【0066】
次に、所定の制御周期(例えば4ms)毎に行うタイマ割り込み処理として、主制御CPU30aが行う各種処理について説明する。主制御CPU30aは、主制御プログラムに基づいて、タイマ割り込み処理として、特別図柄入力処理、及び特別図柄開始処理などの各種処理を実行する。
【0067】
まず、特別図柄入力処理について説明する。
図5に示すように、特別図柄入力処理において、主制御CPU30aは、第1始動口13に遊技球が入球したかを判定する(ステップSa1)。ステップSa1において、主制御CPU30aは、第1始動センサSE1から検知信号を入力することによって、第1始動口13に遊技球が入球したと判定する。第1始動口13に遊技球が入球している場合(ステップSa1:YES)、主制御CPU30aは、主制御RAM30cに記憶されている第1特別保留数が上限数(本実施形態では4)未満であるかを判定する(ステップSa2)。第1特別保留数が上限数未満である場合(ステップSa2:YES)、主制御CPU30aは、主制御RAM30cに記憶されている第1特別保留数を1加算して更新する(ステップSa3)。このとき、主制御CPU30aは、更新後の第1特別保留数を表示するように、情報表示装置12を制御する。このように、本実施形態では、第1特別保留数が上限数未満である場合に、第1始動口13に遊技球が入球し、入球した遊技球が第1始動センサSE1により検知されることで、第1特別ゲームの保留条件が成立する。
【0068】
次に、主制御CPU30aは、主制御基板30内で生成している乱数を取得し、取得した乱数に基づく乱数情報を主制御RAM30cに記憶させる(ステップSa4)。例えば、乱数は、大当り乱数、大当り図柄乱数、変動パターン乱数などである。このとき、主制御CPU30aは、第1特別ゲーム用の乱数情報であること、及び乱数情報の記憶順序が特定可能となるように、乱数情報を記憶させる。乱数情報は、取得した乱数そのものであってもよく、乱数を所定の手法により加工した情報であってもよい。本実施形態では、第1特別ゲーム用の乱数情報を主制御RAM30cに記憶させておくことで、該第1特別ゲームの開始条件が成立するまで、その実行を保留することができる。即ち、本実施形態では、主制御CPU30aが第1特別ゲーム用の乱数情報を主制御RAM30cに記憶させることにより、第1特別ゲームの保留条件の成立を契機として第1特別ゲームを保留可能である。また、このとき、主制御CPU30aは、主制御RAM30cに記憶されている第1特別保留数を特定可能な保留数コマンドを生成し、出力バッファにセットする。なお、本実施形態において、出力バッファにセットされたコマンドは、所定の出力処理において副制御基板31へと出力される。
【0069】
その後、主制御CPU30aは、保留条件が成立した第1特別ゲームの内容を、該第1特別ゲームの開始条件が成立するよりも前に事前判定し、該事前判定の結果を特定可能な先読みコマンド(事前判定コマンド)を生成して出力バッファにセットする(ステップSa5)。本実施形態では、ステップSa5の処理が、第1特別ゲームの保留条件の成立時に、該保留条件の成立を契機として保留された第1特別ゲームの変動内容を事前判定する事前判定処理に相当する。なお、先読みコマンドについて詳しくは後述する。
【0070】
また、第1始動口13に遊技球が入球していない場合(ステップSa1:NO)、第1特別保留数が上限数未満ではない場合(ステップSa2:NO)、及び、先読みコマンドを生成した場合、主制御CPU30aは、第2始動口14に遊技球が入球したかを判定する(ステップSa6)。ステップSa6において、主制御CPU30aは、第2始動センサSE2から検知信号を入力することによって、第2始動口14に遊技球が入球したと判定する。第2始動口14に遊技球が入球していない場合(ステップSa6:NO)、主制御CPU30aは、特別図柄入力処理を終了する。一方、第2始動口14に遊技球が入球している場合(ステップSa6:YES)、主制御CPU30aは、主制御RAM30cに記憶されている第2特別保留数が上限数(本実施形態では4)未満であるかを判定する(ステップSa7)。第2特別保留数が上限数未満ではない場合(ステップSa7:NO)、主制御CPU30aは、特別図柄入力処理を終了する。一方、第2特別保留数が上限数未満である場合(ステップSa7:YES)、主制御CPU30aは、主制御RAM30cに記憶されている第2特別保留数を1加算して更新する(ステップSa8)。このとき、主制御CPU30aは、更新後の第2特別保留数を表示するように、情報表示装置12を制御する。このように、本実施形態では、第2特別保留数が上限数未満である場合に、第2始動口14に遊技球が入球し、入球した遊技球が第2始動センサSE2により検知されることで、第2特別ゲームの保留条件が成立する。
【0071】
次に、主制御CPU30aは、主制御基板30内で生成している乱数を取得し、取得した乱数に基づく乱数情報を主制御RAM30cに記憶させる(ステップSa9)。このとき、主制御CPU30aは、第2特別ゲーム用の乱数情報であること、及び乱数情報の記憶順序が特定可能となるように、乱数情報を記憶させる。本実施形態では、第2特別ゲーム用の乱数情報を主制御RAM30cに記憶させておくことで、該第2特別ゲームの開始条件が成立するまで、その実行を保留することができる。即ち、本実施形態では、主制御CPU30aが第2特別ゲーム用の乱数情報を主制御RAM30cに記憶させることにより、第2特別ゲームの保留条件の成立を契機として第2特別ゲームを保留可能である。また、主制御CPU30aは、主制御RAM30cに記憶されている第2特別保留数を特定可能な保留数コマンドを生成し、出力バッファにセットする。
【0072】
その後、主制御CPU30aは、保留条件が成立した第2特別ゲームの内容を、該第2特別ゲームの開始条件が成立するよりも前に事前判定し、該事前判定の結果を特定可能な先読みコマンドを生成して出力バッファにセットする(ステップSa10)。本実施形態では、ステップSa10の処理が、第2特別ゲームの保留条件の成立時に、該保留条件の成立を契機として保留された第2特別ゲームの変動内容を事前判定する事前判定処理に相当する。その後、主制御CPU30aは、特別図柄入力処理を終了する。
【0073】
ここで、本実施形態における先読みコマンドについて説明する。
本実施形態の先読みコマンドは、後述する特別図柄開始処理において、大当りと判定されるか否か、及び、何れの変動パターンが決定されるかを特定可能な情報である。本実施形態において、主制御CPU30aは、取得した乱数の値が、後述する特別図柄開始処理で行われる大当り判定において、大当りと判定される値であるかを事前判定する。即ち、主制御CPU30aは、実行が保留されている特別ゲームで大当り表示結果が導出されるかを事前判定する。また、主制御CPU30aは、取得した乱数の値が、後述する特別図柄開始処理で行われる変動パターン決定抽選により、何れの変動パターンを決定する値であるかを事前判定する。なお、詳しくは後述するが、本実施形態の変動パターン決定抽選では、取得した乱数の値と、該特別図柄開始処理が実行される時点での特別保留数と、に応じて変動パターンが決定される。このとき、第1特別ゲームに対応する先読みコマンドが生成される場合には、第1特別保留数が参照され、第2特別ゲームに対応する先読みコマンドが生成される場合には、第2特別保留数が参照される。
【0074】
その後、主制御CPU30aは、主制御RAM30cに記憶されている特別保留数を読み出して特定し、該特定した特別保留数と、上述した事前判定の結果とを示す先読みコマンドを生成し、出力バッファにセットする。
【0075】
図6に示すように、本実施形態の先読みコマンドには、事前判定の結果に応じて異なる複数種類の先読みコマンドがある。
例えば、先読みコマンドSC1~SC6は、後述する特別図柄開始処理において、はずれと判定されることを特定可能な先読みコマンドである。一方、先読みコマンドSC7,SC8は、後述する特別図柄開始処理において、大当りと判定されることを特定可能な先読みコマンドである。
【0076】
また、先読みコマンドSC1,SC3,SC4は、後述する特別図柄開始処理が実行される時点での特別保留数に応じて、決定される変動パターンが異なることを特定可能な先読みコマンドである。具体的に、先読みコマンドSC1は、特別保留数が0又は1であるときには変動パターンHP1が決定される一方で、特別保留数が2又は3であるときには変動パターンHP2が決定されることを特定可能な先読みコマンドである。先読みコマンドSC3は、特別保留数が0であるときには変動パターンHP3が決定される一方で、特別保留数が1~3の何れかであるときには変動パターンHP1が決定されることを特定可能な先読みコマンドである。先読みコマンドSC4は、特別保留数が0又は1であるときには変動パターンHP3が決定される一方で、特別保留数が2又は3であるときには変動パターンHP1が決定されることを特定可能な先読みコマンドである。
【0077】
一方、先読みコマンドSC2,SC5~SC8は、後述する特別図柄開始処理が実行される時点での特別保留数にかかわらず、所定の変動パターンが決定されることを特定可能な先読みコマンドである。具体的に、先読みコマンドSC2は、特別保留数にかかわらず変動パターンHP1が決定されることを特定可能な先読みコマンドである。先読みコマンドSC5は、特別保留数にかかわらず変動パターンHP3が決定されることを特定可能な先読みコマンドである。先読みコマンドSC6は、特別保留数にかかわらず変動パターンHP4が決定されることを特定可能な先読みコマンドである。先読みコマンドSC7は、特別保留数にかかわらず変動パターンHP5が決定されることを特定可能な先読みコマンドである。先読みコマンドSC8は、特別保留数にかかわらず変動パターンHP6が決定されることを特定可能な先読みコマンドである。
【0078】
次に、特別図柄開始処理について説明する。
特別図柄開始処理において、主制御CPU30aは、特別ゲームの開始条件が成立しているか否かを判定する。主制御CPU30aは、大当り遊技中ではなく、且つ特別ゲームの実行中ではない場合に肯定判定する一方、大当り遊技中又は特別ゲームの実行中である場合に否定判定する。特別ゲームの開始条件が成立していない場合、主制御CPU30aは、特別図柄開始処理を終了する。特別ゲームの開始条件が成立している場合、主制御CPU30aは、第2特別保留数が零よりも大きいか否かを判定する。第2特別保留数が零である場合、主制御CPU30aは、第1特別保留数が零よりも大きいか否かを判定する。
【0079】
第1特別保留数が零である場合、主制御CPU30aは、主制御RAM30c内の所定の記憶領域に出力済フラグが設定されているか否かを判定する。出力済フラグは、待機状態であることを特定可能な待機状態コマンドが出力済であることを特定可能な情報である。待機状態とは、特別ゲームが実行されておらず、大当り遊技が付与されておらず、且つ特別ゲームが保留されていないときの状態である。出力済フラグが設定されていない場合、主制御CPU30aは、待機状態コマンドを生成して副制御基板31へ出力するとともに、主制御RAM30cに出力済フラグを設定する。その後、主制御CPU30aは、特別図柄開始処理を終了する。一方、出力済フラグが設定されている場合、主制御CPU30aは、新たに待機状態コマンドを生成することなく、特別図柄開始処理を終了する。なお、以下の説明では、待機状態中ではない期間を「遊技期間」と示す。言い換えれば、本実施形態において、遊技期間とは、特別ゲームの実行中、大当り遊技の実行中、又は特別ゲーム終了後のインターバル時間中(以下、変動待機中と示す)である期間である。
【0080】
第1特別保留数が零よりも大きい場合、主制御CPU30aは、第1特別ゲームを実行させる処理を行う。具体的に、主制御CPU30aは、第1特別保留数を1減算して更新する。主制御CPU30aは、更新後の第1特別保留数を特定可能な情報を表示するように、第1特別保留表示部12cを制御する。またこのとき、主制御CPU30aは、主制御RAM30cに出力済フラグが設定されている場合、該出力済フラグを消去する。
【0081】
次に、主制御CPU30aは、第1特別ゲーム用の乱数情報のうち、最先に記憶された乱数情報を主制御RAM30cから取得する。続けて、主制御CPU30aは、取得した乱数情報から特定される大当り乱数を用いて、大当りに当選とするか否かの大当り抽選(大当り判定)を行う。主制御CPU30aは、現在の確率状態(確変機能の作動の有無)に応じた大当り確率にて大当り抽選を行う。
【0082】
大当りに当選した場合、主制御CPU30aは、大当り変動処理を行う。大当り変動処理において、主制御CPU30aは、乱数情報から特定可能な大当り図柄乱数を用いて、大当り図柄抽選を行い、第1特別ゲームで導出させる大当り図柄を決定する。また、主制御CPU30aは、乱数情報から特定可能な変動パターン乱数を用いて変動パターン決定抽選を行い、大当り変動パターンを決定する。その後、主制御CPU30aは、特別図柄開始処理を終了する。
【0083】
大当りに当選しなかった場合、主制御CPU30aは、はずれ変動処理を行う。はずれ変動処理において、主制御CPU30aは、第1特別ゲームにて導出させるはずれ図柄を決定する。また、主制御CPU30aは、乱数情報から特定可能な変動パターン乱数を用いて変動パターン決定抽選を行い、はずれ変動パターンを決定する。このとき、主制御CPU30aは、現在の第1特別保留数に応じて異なる決定割合ではずれ変動パターンを決定する。その後、主制御CPU30aは、特別図柄開始処理を終了する。
【0084】
第2特別保留数が零よりも大きい場合、主制御CPU30aは、第2特別ゲームを実行させるための処理を行う。第2特別ゲームを実行させるための処理は、第1特別ゲームを実行させるための処理について、「第1特別ゲーム」を「第2特別ゲーム」に、「第1特別保留数」を「第2特別保留数」に、それぞれ読み替えた処理であるため、その詳細な説明を省略する。つまり、主制御CPU30aは、第2特別保留数の減算、大当り抽選、及び、大当り抽選の結果に基づく何れかの変動処理を行った後、特別図柄開始処理を終了する。
【0085】
主制御CPU30aは、大当り変動処理、及びはずれ変動処理において、変動開始コマンド及び特別図柄コマンドを副制御基板31へ出力する。変動開始コマンドは、各変動処理において決定した変動パターンと、特別ゲーム(演出ゲーム)の開始とを特定可能な制御コマンドである。特別図柄コマンドは、各変動処理において決定した特別図柄(大当り図柄又ははずれ図柄)を特定可能な制御コマンドである。なお、変動開始コマンド及び特別図柄コマンドは、第1特別ゲームの変動処理が実行されたときと、第2特別ゲームの変動処理が実行されたときとで異なる制御コマンドである。
【0086】
このような特別図柄開始処理により、主制御CPU30aは、特別ゲームの開始条件の成立時に、該開始条件の成立を契機として開始される特別ゲームの変動内容を判定する開始判定処理を実行可能である。即ち、本実施形態において、主制御CPU30aは、変動ゲームの変動内容を判定する判定手段に相当する。
【0087】
特別図柄開始処理を終了すると、主制御CPU30aは、特別図柄開始処理とは別の処理によって、第1特別ゲーム又は第2特別ゲームを実行させる。即ち、本実施形態のパチンコ遊技機10では、特別ゲームの開始条件の成立を契機として、主制御CPU30aが以下の処理を行うことにより、保留中の特別ゲームを開始させる。
【0088】
具体的に、主制御CPU30aは、第1特別ゲームを実行させる場合、所定の図柄の変動表示を開始するように、第1特別図柄表示部12aを制御する。主制御CPU30aは、変動パターンに定められた変動時間を計測する。主制御CPU30aは、変動パターンに定められた変動時間が経過すると、特別図柄開始処理において決定した特別図柄を導出するように、第1特別図柄表示部12aを制御する。また、主制御CPU30aは、変動パターンに定められた変動時間が経過すると、特別ゲーム(演出ゲーム)の終了を特定可能な制御コマンド(以下、変動終了コマンドと示す)を副制御基板31に出力する。
【0089】
一方、主制御CPU30aは、第2特別ゲームを実行させる場合、所定の図柄の変動表示を開始するように、第2特別図柄表示部12bを制御する。主制御CPU30aは、変動パターンに定められた変動時間を計測する。主制御CPU30aは、変動パターンに定められた変動時間が経過すると、特別図柄開始処理において決定した特別図柄を導出するように、第2特別図柄表示部12bを制御する。また、主制御CPU30aは、変動パターンに定められた変動時間が経過すると、変動終了コマンドを副制御基板31に出力する。
【0090】
次に、大当り遊技処理について説明する。
大当り遊技処理は、大当り遊技を付与するための処理である。主制御CPU30aは、特別ゲームにおいて大当り図柄を導出させると、大当りの特別ゲームの終了後に大当り遊技処理を実行する。主制御CPU30aは、特別図柄開始処理にて決定した大当り図柄(即ち、大当りの種類)に基づいて、大当り遊技の種類を特定する。主制御CPU30aは、特定した種類の大当り遊技を付与する。
【0091】
最初に、主制御CPU30aは、オープニング時間の開始を特定可能な制御コマンド(以下、オープニングコマンドと示す)を副制御基板31に出力する。主制御CPU30aは、オープニング時間が経過すると、ラウンド遊技を実行させるための処理を行う。即ち、主制御CPU30aは、特定した大当り遊技用の開放制御データを用いて第2アクチュエータA2を制御し、大入賞口16を開状態とする。主制御CPU30aは、カウントセンサSE3による遊技球の検知数が上述の上限個数に達するか、又は、上述の上限時間が経過すると、大入賞口16を閉状態とするように第2アクチュエータA2を制御することで、ラウンド遊技を終了させる。主制御CPU30aは、このようなラウンド遊技を実行させるための処理を、大当り遊技に定められた上限回数のラウンド遊技が終了するまで繰り返し行う。主制御CPU30aは、ラウンド遊技を開始する毎に、ラウンド遊技の開始を特定可能な制御コマンド(以下、ラウンドコマンドと示す)を副制御基板31に出力する。主制御CPU30aは、最終回のラウンド遊技が終了すると、エンディング時間の開始を特定可能な制御コマンド(以下、エンディングコマンドと示す)を副制御基板31に出力する。主制御CPU30aは、エンディング時間が経過すると、大当り遊技を終了する。主制御CPU30aは、エンディング時間の経過を特定可能な制御コマンド(以下、エンディング終了コマンド)を副制御基板31に出力する構成であってもよい。
【0092】
次に、遊技状態を移行させる処理について説明する。
主制御CPU30aは、特定図柄に基づく大当り遊技を終了すると、主制御RAM30cに高確フラグを設定することにより、高確率状態に制御する。一方、主制御CPU30aは、通常図柄に基づく大当り遊技を終了すると、主制御RAM30cに高確フラグを設定しない。即ち、主制御CPU30aは、低確率状態に制御する。主制御CPU30aは、大当り遊技を開始させる場合であって、高確フラグが設定されているとき、該高確フラグを消去する。即ち、主制御CPU30aは、大当り遊技中、低確率状態に制御する。
【0093】
また、主制御CPU30aは、大当り遊技が終了すると、主制御RAM30cに作動フラグを設定することにより、高入球率状態に制御する。主制御CPU30aは、通常図柄に基づく大当り遊技の終了後、特別ゲームを開始させる毎に、主制御RAM30cに記憶されている実行カウンタの値を更新することによって、大当り遊技の終了後における特別ゲームの実行回数を計数する。主制御CPU30aは、大当り遊技の終了後における特別ゲームの実行回数が作動回数に達した特別ゲームが終了すると、主制御RAM30cに記憶されている作動フラグを消去する。即ち、主制御CPU30aは、通常図柄に基づく大当り遊技の終了後、作動回数目の特別ゲームが終了すると低入球率状態に制御する。主制御CPU30aは、大当り遊技を開始させる場合であって、作動フラグが設定されているとき、該作動フラグを消去する。即ち、主制御CPU30aは、大当り遊技中、低入球率状態に制御する。なお、主制御CPU30aは、高入球率状態に制御するときに短変動時間状態に制御し、低入球率状態に制御するときに長変動時間状態に制御する。
【0094】
また、主制御CPU30aは、主制御RAM30cのRAMクリア処理において、高確フラグ及び作動フラグを消去することにより、現在の遊技状態を通常状態に制御する。
そして、主制御CPU30aは、遊技状態を移行させた場合、現在の遊技状態を特定可能な遊技状態コマンドを生成して副制御CPU31aへ出力する。
【0095】
また、主制御CPU30aは、前述した処理の他にも以下に説明する処理を行う。例えば、主制御CPU30aは、普通図柄に関する処理やエラーに関する処理なども行う。普通図柄に関する処理では、主制御CPU30aは、ゲートセンサSE4からの検知信号を入力する処理、普通図柄変動ゲームを開始させる処理などを行う。
【0096】
エラーに関する処理では、主制御CPU30aは、電波検出センサから電波検出信号を入力すると、電波エラーが発生したと判定し、電波エラーの発生を示す電波エラーコマンドを生成して出力バッファにセットする。また、主制御CPU30aは、扉開放センサから開放検出信号を入力すると、扉開放エラーが発生したと判定し、扉開放エラーの発生を示す扉開放エラーコマンドを出力バッファにセットする。本実施形態において、主制御CPU30aは、エラーの発生を検知するエラー検知手段として機能する。
【0097】
また、主制御CPU30aは、電波エラーの発生中である場合に、エラー解除スイッチSW2が操作されたときに出力する操作信号を入力したことを契機として、電波エラーが解除されたと判定し、電波エラーが解除されたことを示す電波エラー解除コマンドを生成して出力バッファにセットする。一方で、主制御CPU30aは、扉開放エラーの発生中である場合に、扉開放センサから開放検出信号を入力しなくなったことを契機として、扉開放エラーが解除されたと判定し、扉開放エラーが解除されたことを示す扉開放エラー解除コマンドを生成して出力バッファにセットする。
【0098】
次に、副制御プログラムに基づいて、副制御基板31の副制御CPU31aが実行する各種処理について説明する。副制御CPU31aは、主制御CPU30aから制御信号を入力すると、その制御信号に応じて各種処理を実行する。
【0099】
最初に、演出ゲームを実行するための演出図柄変動処理について説明する。
演出図柄変動処理において、副制御CPU31aは、特別図柄コマンドを入力すると、特別図柄コマンドから特定した特別図柄に基づき、演出ゲームで導出させる演出図柄の組み合わせを決定する。副制御CPU31aは、特別図柄の大当り図柄を特定した場合、演出図柄による大当りの図柄組み合わせを決定する。また、副制御CPU31aは、特別図柄のはずれ図柄を特定した場合、変動開始コマンドから特定した変動パターンに基づき、演出ゲームで導出させる演出図柄の組み合わせを決定する。具体的に、副制御CPU31aは、演出内容にリーチ演出を含むはずれ変動パターンを特定した場合、リーチ用のはずれの図柄組み合わせを決定する。本実施形態において、リーチ用のはずれの図柄組み合わせとは、特定列(例えば第1列と第2列)の演出図柄が同一であって、その他の列(例えば第3列)の演出図柄が異なる演出図柄の組み合わせである。また、副制御CPU31aは、演出内容にリーチ演出を含まないはずれ変動パターンを特定した場合、通常はずれ用のはずれの図柄組み合わせを決定する。本実施形態において、通常はずれ用のはずれの図柄組み合わせとは、全列の演出図柄が異なる演出図柄の組み合わせである。
【0100】
また、副制御CPU31aは、変動開始コマンドを入力すると、入力した変動開始コマンドから特定した変動パターンに基づき、特別ゲームの実行中に実行させる演出を決定する。本実施形態において、特別ゲームの実行中に実行させる演出の決定割合は、変動開始コマンドから特定した変動パターンに応じて異ならされている。そして、副制御CPU31aは、決定した演出を実行させるように演出表示装置EHの表示内容を制御する。
【0101】
その後、副制御CPU31aは、変動終了コマンドの入力を契機として、演出ゲームを終了させ、演出図柄の組み合わせを導出させるように演出表示装置EHの表示内容を制御する。なお、副制御CPU31aは、変動開始コマンドを入力したことを契機として変動時間の計測を開始し、変動開始コマンドから特定した変動パターンに定められた変動時間が経過したことを契機に演出ゲームを終了させるようにしてもよい。つまり、主制御基板30から変動終了コマンドを出力せずに、演出ゲームの終了を制御してもよい。
【0102】
次に、大当り遊技に関する処理を説明する。
副制御CPU31aは、オープニングコマンドを入力すると、オープニング演出を行わせるように演出表示装置EHを制御する。また、副制御CPU31aは、ラウンドコマンドが入力されると、ラウンド演出を行わせるように演出表示装置EHを制御する。また、副制御CPU31aは、エンディングコマンドが入力されると、エンディング演出を行わせるように演出表示装置EHを制御する。
【0103】
以下、本実施形態のパチンコ遊技機10において実行可能な演出について説明する。
図7に示すように、本実施形態において実行可能な演出には、保留中の変動ゲーム及び実行中の変動ゲームを示すゲーム情報を表示する情報表示演出がある。本実施形態の情報表示演出では、例えば、実行中の変動ゲーム用の実行中表示領域HR0において、実行中の変動ゲームを示すゲーム情報G0が表示されるとともに、保留中の変動ゲーム用の保留表示領域HR1において、保留中の変動ゲームと同数のゲーム情報G1~G4が表示される。
【0104】
また、情報表示演出では、演出表示装置EHの保留表示領域HR1において、保留中の変動ゲームに対応するゲーム情報が左から順に表示される。例えば、情報表示演出では、最先に保留された変動ゲームに対応するゲーム情報G1が、保留表示領域HR1において最も左に表示され、2番目に保留された変動ゲームに対応するゲーム情報G2が、保留表示領域HR1において左から2番目に表示される。また、情報表示演出では、3番目に保留された変動ゲームに対応するゲーム情報G3が、保留表示領域HR1において左から3番目に表示され、4番目に保留された変動ゲームに対応するゲーム情報G4が、保留表示領域HR1において左から4番目に表示される。
【0105】
なお、本実施形態の情報表示演出では、現在の入球率状態が低入球率状態であるときには、各表示領域HR0,HR1において、第1特別ゲームを示すゲーム情報が表示される一方で、現在の入球率状態が高入球率状態であるときには、各表示領域HR0,HR1において、第2特別ゲームを示すゲーム情報が表示される。
【0106】
また、本実施形態において実行可能な演出には、ゲーム情報の表示態様を変化させることにより、該ゲーム情報に対応する変動ゲームの内容を報知する特定表示演出がある。本実施形態において、特定表示演出は、保留条件の成立を契機として保留された変動ゲームを対象として実行される特定演出に相当する。本実施形態の特定表示演出は、演出表示装置EHにおいて、所定の変動ゲームを示すゲーム情報を、特定表示演出が実行されていないときのゲーム情報の表示態様とは異なる特定の表示態様で表示させることにより、該所定の変動ゲームの内容を報知する演出である。言い換えれば、本実施形態の特定表示演出は、1の変動ゲームを対象として、該変動ゲームの内容を報知する演出である。ここで、ゲーム情報の表示態様が異なるとは、例えば、ゲーム情報として表示される画像の色や形状、模様などが異なることを含んでいる。
【0107】
本実施形態において、低入球率状態である場合、特定表示演出は、第1特別ゲームを示すゲーム情報を対象として実行される。一方で、高入球率状態である場合、特定表示演出は、第2特別ゲームを示すゲーム情報を対象として実行される。なお、本実施形態の特定表示演出は、実行中の変動ゲームを示すゲーム情報を対象として実行される場合と、保留中の変動ゲームを示すゲーム情報を対象として実行される場合と、がある。
【0108】
図8に示すように、本実施形態のゲーム情報の表示態様には、特定表示演出が実行されていないときの表示態様である通常表示態様と、特定表示演出が実行されているときの表示態様である特殊表示態様及び特別表示態様と、がある。また、本実施形態の特別表示態様には、第1特別表示態様と、第2特別表示態様と、第3特別表示態様と、がある。
【0109】
本実施形態において、通常表示態様は、白色の球体を模した表示態様である通常表示態様(
図8(a))である。また、本実施形態において、特殊表示態様は、ひび割れた白色の球体を模した表示態様(
図8(b))である。さらに、本実施形態において、第1特別表示態様は、青色の星を模した表示態様(
図8(c))であり、第2特別表示態様は、緑色の星を模した表示態様(
図8(d))であり、第3特別表示態様は、赤色の星を模した表示態様(
図8(e))である。
【0110】
本実施形態の特定表示演出では、予め定めたタイミングでゲーム情報の表示態様が変化され得る。言い換えれば、本実施形態の特定表示演出は、予め定めたタイミングで実行可能である。
【0111】
具体的に、本実施形態において、特定表示演出を実行可能なタイミングには、該特定表示演出の対象となる変動ゲームの保留条件が成立したタイミングと、該特定表示演出の対象となる変動ゲームの保留中における所定のタイミングと、該特定表示演出の対象となる変動ゲームが開始されるタイミングと、がある。また、特定表示演出を実行可能なタイミングには、該特定表示演出の対象となる変動ゲームの実行中における所定のタイミングと、該特定演出の対象となる変動ゲームが終了する所定時間前のタイミングと、がある。以下の説明では、変動ゲームの保留条件が成立したタイミングでのゲーム情報の表示態様を「入賞時表示態様」と示す。また、変動ゲームの保留中における所定のタイミングでのゲーム情報の表示態様を「保留中表示態様」と示し、変動ゲームが開始されるタイミングでのゲーム情報の表示態様を「開始時表示態様」と示す。さらに、変動ゲームの実行中における所定のタイミングでのゲーム情報の表示態様を「実行中表示態様」と示し、変動ゲームが終了する所定時間前のタイミングでのゲーム情報の表示態様を「最終表示態様」と示す。
【0112】
なお、本実施形態において、変動ゲームの保留中における所定のタイミングとは、所定の変動ゲームの保留中において、該変動ゲームよりも前に保留された変動ゲームが開始されるタイミングである。このため、本実施形態において、変動ゲームの保留中における所定のタイミングは、保留中の変動ゲームの数に応じて、最大で3回到来し得る。以下の説明では、変動ゲームの保留中における所定のタイミングが複数回到来する場合において、1回目に到来するタイミングでのゲーム情報の表示態様を「保留中表示態様(1回目)」と示す。即ち、保留中表示態様(1回目)とは、所定の変動ゲームが保留された時点で既に保留されていた複数の変動ゲームのうち、保留された順序が最も古い変動ゲームが開始されたタイミングでの該所定の変動ゲームを示すゲーム情報の表示態様である。また、以下の説明では、変動ゲームの保留中における所定のタイミングが複数回到来する場合において、2回目に到来するタイミングでのゲーム情報の表示態様を「保留中表示態様(2回目)」と示し、3回目に到来するタイミングでのゲーム情報の表示態様を「保留中表示態様(3回目)」と示す。即ち、保留中表示態様(2回目)とは、所定の変動ゲームが保留された時点で既に保留されていた複数の変動ゲームのうち、保留された順序が2番目に古い変動ゲームが開始されたタイミングでの該所定の変動ゲームを示すゲーム情報の表示態様である。また、保留中表示態様(3回目)とは、所定の変動ゲームが保留された時点で既に保留されていた複数の変動ゲームのうち、保留された順序が3番目に古い変動ゲームが開始されたタイミングでの該所定の変動ゲームを示すゲーム情報の表示態様である。
【0113】
また、本実施形態において、変動ゲームの実行中における所定のタイミングとは、所定の変動ゲームの実行中において、ノーマルリーチ演出が開始されるタイミングと、スーパーリーチ演出が開始されるタイミングである。このため、本実施形態において、変動ゲームの実行中における所定のタイミングは、リーチ演出が実行されない変動ゲームにおいては到来しない。また、変動ゲームの実行中における所定のタイミングは、ノーマルリーチ演出が実行される一方でスーパーリーチ演出が実行されない変動ゲームにおいては1回到来し、スーパーリーチ演出が実行される変動ゲームにおいては2回到来する。以下の説明では、変動ゲームの実行中における所定のタイミングのうち、ノーマルリーチ演出が開始されるタイミングでのゲーム情報の表示態様を「実行中表示態様(1回目)」と示し、スーパーリーチ演出が開始されるタイミングでのゲーム情報の表示態様を「実行中表示態様(2回目)」と示す。なお、本実施形態において、スーパーリーチ演出が開始されるタイミングは、変動ゲームが終了する所定時間前のタイミングよりも先に到来するように構成されている。
【0114】
本実施形態において、変動ゲームの保留条件が成立したタイミングで特定表示演出が実行される場合には、ゲーム情報が通常表示態様で表示されることなく、最初からゲーム情報の表示態様が特定の表示態様に変化した状態で該ゲーム情報が表示される。一方、変動ゲームの保留条件が成立したタイミング以外の各タイミングで特定表示演出が実行される場合には、変動ゲームの保留条件が成立したタイミングにおいてゲーム情報が通常表示態様で表示された後、該特定表示演出が実行されるタイミングでゲーム情報の表示態様が通常表示態様から特定の表示態様に変化される。
【0115】
また、本実施形態の特定表示演出では、特定表示演出を実行可能なタイミングのうち、変動ゲームの保留条件が成立したタイミング以外の各タイミングにおいて、既にゲーム情報が特定の表示態様に変化されているときには、該ゲーム情報の表示態様が現在の表示態様とは異なる表示態様に変化される場合がある。即ち、本実施形態の特定表示演出では、ゲーム情報の表示態様を特定の表示態様に変化させた後にも、さらにゲーム情報の表示態様を変化可能である。
【0116】
このため、本実施形態において、ゲーム情報の表示態様は、入賞時表示態様→(保留中表示態様(1回目)→保留中表示態様(2回目)→保留中表示態様(3回目))→開始時表示態様→(実行中表示態様(1回目)→実行中表示態様(2回目))→最終表示態様の順序で表示される。このとき、各表示態様は、同一の表示態様となる場合がある。
【0117】
以下、各種の演出を実行させるための副制御CPU31aの制御について詳しく説明する。
まず、情報表示演出におけるゲーム情報の表示態様を決定するための制御について説明する。なお、情報表示演出におけるゲーム情報の表示態様を決定するための制御は、特定表示演出の演出態様を決定するための制御としても把握できる。
【0118】
本実施形態の副制御CPU31aは、主制御CPU30aから先読みコマンドを入力すると、入力した先読みコマンドに基づいて、第1特別ゲーム及び第2特別ゲームの何れに対応する先読みコマンドであるかと、先読みコマンドを入力した順序と、を特定可能となるように先読みコマンドを記憶させる。
【0119】
また、副制御CPU31aは、先読みコマンドを入力したことを契機として、情報表示演出決定処理を実行可能である。本実施形態において、情報表示演出決定処理は、入力した先読みコマンドに対応する変動ゲームを示すゲーム情報の表示態様を決定するための処理である。なお、以下の説明では、情報表示演出決定処理の実行契機となった先読みコマンドに対応する変動ゲームを単に「今回の変動ゲーム」と示す。本実施形態において、今回の変動ゲームは、情報表示演出決定処理において決定される表示態様でゲーム情報が表示される変動ゲームであるとともに、情報表示演出決定処理において特定表示演出の実行が決定された場合に、該特定表示演出の対象とされる変動ゲームである。
【0120】
具体的に、副制御CPU31aは、低入球率状態である場合に第1特別ゲームに関する先読みコマンドを入力したことを契機として、情報表示演出決定処理を実行する。同様に、副制御CPU31aは、高入球率状態である場合に第2特別ゲームに関する先読みコマンドを入力したことを契機として、情報表示演出決定処理を実行する。一方、副制御CPU31aは、低入球率状態である場合に第2特別ゲームに関する先読みコマンドを入力したとき、及び、高入球率状態である場合に第1特別ゲームに関する先読みコマンドを入力したときには、情報表示演出決定処理を実行しない。
【0121】
本実施形態の情報表示演出決定処理では、ゲーム情報の表示態様のうち、入賞時表示態様、保留中表示態様、開始時表示態様、及び最終表示態様が決定される。一方で、本実施形態の情報表示演出決定処理では、ゲーム情報の表示態様のうち、実行中表示態様が決定されない。なお、本実施形態において、ゲーム情報の表示態様のうち実行中表示態様については、後述する第3表示態様決定処理により決定される。
【0122】
図9に示すように、情報表示演出決定処理において、副制御CPU31aは、特定表示演出の実行が決定されているか否かを判定する(ステップS10)。このとき、副制御CPU31aは、副制御RAM31c内に、特定表示演出の実行が決定されていることを示す特定表示演出実行フラグが設定されている場合に特定表示演出の実行が決定されていると判定する一方で、特定表示演出実行フラグが設定されていない場合に、特定表示演出の実行が決定されていないと判定する。
【0123】
特定表示演出の実行が決定されていない場合(ステップS10:NO)、副制御CPU31aは、先読みコマンドを入力したときの遊技の状況に基づいて、入賞時表示態様を決定する際の制限条件及び保留中変化可能回数を副制御RAM31c内の所定の記憶領域に設定するための条件設定処理を行う(ステップS20)。
【0124】
本実施形態において、入賞時表示態様を決定する際の制限条件とは、入賞時表示態様として決定可能な表示態様の種類である。即ち、本実施形態において、副制御CPU31aは、先読みコマンドを入力したときの遊技の状況に基づいて、入賞時表示態様として決定可能な表示態様の種類を特定することにより、入賞時表示態様を決定する際の制限条件を設定する。
【0125】
また、本実施形態において、保留中変化可能回数とは、今回の変動ゲームを示すゲーム情報について、該ゲーム情報が入賞時表示態様で表示されてから開始時表示態様で表示されるまでの間に表示態様を変化可能な回数である。即ち、副制御CPU31aは、先読みコマンドを入力したときの遊技の状況に基づいて、今回の変動ゲームを示すゲーム情報について、該ゲーム情報が入賞時表示態様で表示されてから開始時表示態様で表示されるまでの間に表示態様を変化可能な回数を特定することにより、保留中変化可能回数を設定する。
【0126】
ここで、条件設定処理について詳しく説明する。
図10に示すように、副制御CPU31aは、条件設定処理において、保留中の変動ゲームがあるか否かを判定する(ステップS21)。このとき、副制御CPU31aは、低入球率状態である場合には保留中の第1特別ゲームがあるか否かを判定する一方で、高入球率状態である場合には保留中の第2特別ゲームがあるか否かを判定する。
【0127】
保留中の変動ゲームがない場合(ステップS21:NO)、副制御CPU31aは、変動ゲームの実行中であるか否かを判定する(ステップS22)。変動ゲームの実行中ではない場合(ステップS22:NO)、副制御CPU31aは、入賞時表示態様として決定可能な表示態様として通常表示態様を特定する(ステップS23)。即ち、副制御CPU31aは、入賞時表示態様として通常表示態様以外の表示態様を決定しないように制限する(図中、入球時表示態様の制限条件=「通常」と示す)。続いて、副制御CPU31aは、保留中変化可能回数として「0回」を設定する(ステップS24)。その後、副制御CPU31aは、条件設定処理を終了し、情報表示演出決定処理に戻る。
【0128】
一方、変動ゲームの実行中である場合(ステップS22:YES)、副制御CPU31aは、実行中の変動ゲームがリーチ演出を演出内容に含む変動パターンに基づいて実行される変動ゲームであるか否かを判定する(ステップS25)。なお、上述したように、本実施形態においてリーチ演出を演出内容に含む変動パターンとは、変動パターンHP3~HP6である。以下の説明では、変動パターンHP3~HP6に基づいて実行される変動ゲームを「特定変動の変動ゲーム」と示す場合がある。また、図中では、変動パターンHP3~HP6に基づいて実行される変動ゲームを単に「特定変動」と示す場合がある。さらに、以下の説明では、変動パターンHP3~HP6に基づいて実行される変動ゲーム以外の変動ゲームを「特定変動以外の変動ゲーム」と示す場合がある。また、図中では、特定変動以外の変動ゲームを単に「特定変動以外」と示す場合がある。
【0129】
実行中の変動ゲームが特定変動の変動ゲームである場合(ステップS25:YES)、副制御CPU31aは、入賞時表示態様として決定可能な表示態様として通常表示態様及び特殊表示態様を特定する(ステップS26)。即ち、副制御CPU31aは、入賞時表示態様として通常表示態様及び特殊表示態様以外の表示態様を決定しないように制限する(図中、入球時表示態様の制限条件=「通常or特殊」と示す)。続いて、副制御CPU31aは、保留中変化可能回数として「0回」を設定する(ステップS24)。その後、副制御CPU31aは、条件設定処理を終了し、情報表示演出決定処理に戻る。
【0130】
また、実行中の変動ゲームが特定変動の変動ゲームではない場合(ステップS25:NO)、副制御CPU31aは、入賞時表示態様として決定可能な表示態様として通常表示態様、特殊表示態様、及び第1~第3特別表示態様を特定する(ステップS27)。即ち、副制御CPU31aは、入賞時表示態様として決定可能な表示態様を制限しない(図中、入球時表示態様の制限条件=「制限なし」と示す)。続いて、副制御CPU31aは、保留中変化可能回数として「0回」を設定する(ステップS24)。その後、副制御CPU31aは、条件設定処理を終了し、情報表示演出決定処理に戻る。
【0131】
また、
図11に示すように、保留中の変動ゲームがある場合(ステップS21:YES)、副制御CPU31aは、保留中の変動ゲームの中に、リーチ演出が実行され得ることを特定可能な先読みコマンドに対応する変動ゲームが含まれているか否かを判定する(ステップS28)。なお、上述したように、本実施形態においてリーチ演出が実行され得ることを特定可能な先読みコマンドとは、先読みコマンドSC3~SC8である。以下の説明では、先読みコマンドSC3~SC8に対応する変動ゲームを「特定先読みの変動ゲーム」と示す場合がある。また、図中では、先読みコマンドSC3~SC8に対応する変動ゲームを単に「特定先読み」と示す場合がある。さらに、以下の説明では、先読みコマンドSC3~SC8以外の先読みコマンドに対応する変動ゲームを「特定先読み以外の変動ゲーム」と示す場合がある。また、図中では、特定先読み以外の変動ゲームを単に「特定先読み以外」と示す場合がある。
【0132】
ステップS28の処理において、副制御CPU31aは、保留中の変動ゲームについて、保留された順序が新しい順に該変動ゲームが特定先読みの変動ゲームであるか否かを判定する。ここで、副制御CPU31aは、判定対象とした変動ゲームが特定先読みの変動ゲームではない場合、判定対象とした変動ゲームの1つ前に保留された変動ゲームを新たな判定対象として、特定先読みの変動ゲームであるか否かを判定する。そして、副制御CPU31aは、判定対象とした変動ゲームが特定先読みの変動ゲームであると判定した場合、それ以前に保留された変動ゲームが特定先読みの変動ゲームであるか否かを判定することなく、ステップS28の処理を肯定判定する。一方で、副制御CPU31aは、保留中の変動ゲーム全てについて、特定先読みの変動ゲームではないと判定した場合、ステップS28の処理を否定判定する。
【0133】
保留中の変動ゲームの中に特定先読みの変動ゲームが含まれている場合(ステップS28:YES)、副制御CPU31aは、入賞時表示態様として決定可能な表示態様として通常表示態様及び特殊表示態様を特定する(ステップS29)。続いて、副制御CPU31aは、保留中変化可能回数として、ステップS28において特定先読みの変動ゲームであると判定された変動ゲームよりも後に保留された変動ゲームの数を設定する(ステップS30)。なお、ステップS30において、特定先読みの変動ゲームであると判定された変動ゲームよりも後に保留された変動ゲームの数には、今回の変動ゲームを含まない。その後、副制御CPU31aは、条件設定処理を終了し、情報表示演出決定処理に戻る。
【0134】
また、保留中の変動ゲームの中に特定先読みの変動ゲームが含まれていない場合(ステップS28:NO)、副制御CPU31aは、変動ゲームの実行中であるか否かを判定する(ステップS31)。変動ゲームの実行中である場合(ステップS31:YES)、副制御CPU31aは、実行中の変動ゲームが特定変動の変動ゲームであるか否かを判定する(ステップS32)。
【0135】
実行中の変動ゲームが特定変動の変動ゲームである場合(ステップS32:YES)、副制御CPU31aは、入賞時表示態様として決定可能な表示態様として通常表示態様及び特殊表示態様を特定する(ステップS33)。続いて、副制御CPU31aは、保留中変化可能回数として、特別保留数を設定する(ステップS34)。このとき、副制御CPU31aは、低入球率状態である場合には保留中変化可能回数として第1特別保留数を設定する一方で、高入球率状態である場合には保留中変化可能回数として第2特別保留数を設定する。その後、副制御CPU31aは、条件設定処理を終了し、情報表示演出決定処理に戻る。
【0136】
一方、変動ゲームの実行中ではない場合(ステップS31:NO)、及び、実行中の変動ゲームが特定変動の変動ゲームではない場合(ステップS32:NO)、副制御CPU31aは、入賞時表示態様として決定可能な表示態様として通常表示態様、特殊表示態様、及び第1~第3特別表示態様を特定する(ステップS35)。続いて、副制御CPU31aは、保留中変化可能回数として、特別保留数を設定する(ステップS34)。その後、副制御CPU31aは、条件設定処理を終了し、情報表示演出決定処理に戻る。
【0137】
図12及び
図13に示すように、上記した条件設定処理によれば、本実施形態では、情報表示演出におけるゲーム情報の表示態様を決定するに際して、次のような条件が設定される。なお、
図12及び
図13において、「保留N(N=1~4)」は、保留中の変動ゲームについて、最先に保留された変動ゲームから数えて何番目に保留された変動ゲームであるかを示している。例えば、「保留1」は、保留中の変動ゲームの中で最初(1番目)に保留された変動ゲームであり、保留中の変動ゲームの中で最初(1番目)に実行される変動ゲームである。また、
図12及び
図13において、「判定対象」は、条件設定処理において入球時表示態様の制限条件及び保留中変化可能回数が設定される対象である今回の変動ゲームを示している。
【0138】
図12では、待機状態中又は変動待機中に今回の変動ゲームが保留されたときに設定される入球時表示態様の制限条件及び保留中変化可能回数の例を示している。例えば、本実施形態では、待機状態中に変動ゲームが保留された場合、入賞時表示態様として決定可能な表示態様が通常表示態様に制限されるとともに、保留中変化可能回数として「0回」が設定される。また、変動待機中に変動ゲームが保留された場合であって、今回の変動ゲームが3番目に保留された変動ゲームであり(「保留3」=判定対象)、且つ、保留中の変動ゲームの中に特定先読みの変動ゲームが含まれていないときには、入賞時表示態様として決定可能な表示態様が制限されず、保留中変化可能回数として「2回」が設定される。また、変動待機中に変動ゲームが保留された場合であって、今回の変動ゲームが4番目に保留された変動ゲームであり(「保留4」=判定対象)、且つ、保留中の変動ゲームの中で2番目に保留された変動ゲームが特定先読みの変動ゲームであるとする(「保留2」=特定先読み)。この場合、入賞時表示態様として決定可能な表示態様が通常表示態様又は特殊表示態様に制限され、保留中変化可能回数として「1回」が設定される。
【0139】
なお、図示しないが、本実施形態では、大当り遊技中に今回の変動ゲームが保留された場合、変動待機中に今回の変動ゲームが保留されたときと同様にして入球時表示態様の制限条件及び保留中変化可能回数が設定される。
【0140】
また、
図13では、変動ゲームの実行中に今回の変動ゲームが保留されたときに設定される入球時表示態様の制限条件及び保留中変化可能回数の例を示している。例えば、変動ゲームの実行中に今回の変動ゲームが保留された場合であって、今回の変動ゲームが2番目に保留された変動ゲームであり(「保留2」=判定対象)、保留中の変動ゲームの中に特定先読みの変動ゲームが含まれておらず、且つ、実行中の変動ゲームが特定変動以外の変動ゲームではないとする(「実行中の変動ゲーム」=特定変動以外)。この場合、入賞時表示態様として決定可能な表示態様が制限されず、保留中変化可能回数として「1回」が設定される。また、変動ゲームの実行中に今回の変動ゲームが保留された場合であって、今回の変動ゲームが3番目に保留された変動ゲームであり(「保留3」=判定対象)、保留中の変動ゲームの中に特定先読みの変動ゲームが含まれておらず、且つ、実行中の変動ゲームが特定変動以外の変動ゲームであるとする(「実行中の変動ゲーム」=特定変動)。この場合、入賞時表示態様として決定可能な表示態様が通常表示態様又は特殊表示態様に制限され、保留中変化可能回数として「2回」が設定される。また、変動ゲームの実行中に今回の変動ゲームが保留された場合であって、今回の変動ゲームが4番目に保留された変動ゲームであり(「保留4」=判定対象)、保留中の変動ゲームの中で最初(1番目)に保留された変動ゲームが特定先読みの変動ゲームであるとする(「保留1」=特定先読み)。この場合、入賞時表示態様として決定可能な表示態様が通常表示態様又は特殊表示態様に制限され、保留中変化可能回数として「2回」が設定される。
【0141】
このように、本実施形態において、副制御CPU31aは、実行中の変動ゲームが特定変動の変動ゲームである場合、又は、保留中の変動ゲームの中に特定先読みの変動ゲームが含まれている場合には、入賞時表示態様として第1~第3特別表示態様が決定されることを制限する。言い換えれば、副制御CPU31aは、実行中の変動ゲームと、保留中の変動ゲームとの中に、リーチ演出が実行され得る変動ゲームが含まれているときには、今回の変動ゲームを示すゲーム情報について、入賞時表示態様が第1~第3特別表示態様の何れかとなる演出内容で特定表示演出が実行されることを制限する。本実施形態において、実行中の変動ゲームと、保留中の変動ゲームとの中に、リーチ演出が実行され得る変動ゲームが含まれている状況は、実行中の変動ゲームの変動内容と、保留中の変動ゲームの変動内容との組み合わせが特定組み合わせである特定状況に相当する。即ち、本実施形態において、リーチ演出を含む演出内容は、特定変動内容に相当する。また、本実施形態において、実行中の変動ゲームと保留中の変動ゲームとの中にリーチ演出が実行され得る変動ゲームが含まれているときの、実行中の変動ゲームの変動内容と保留中の変動ゲームの変動内容との組み合わせは、特定組み合わせに相当する。
【0142】
一方で、実行中の変動ゲーム及び保留中の変動ゲームの中にリーチ演出を含む演出内容で実行され得る変動ゲームが含まれている場合、入賞時表示態様として決定可能な表示態様は、実行中の変動ゲーム及び保留中の変動ゲームのうち何れの変動ゲームがリーチ演出を含む演出内容で実行され得る変動ゲームであっても同一である。言い換えれば、副制御CPU31aは、特定状況において、実行中の変動ゲーム及び保留中の変動ゲームのうち何れの変動ゲームがリーチ演出を含む演出内容で実行され得る変動ゲームであっても、同一の制御により入賞時表示態様を決定する。
【0143】
また、本実施形態において、副制御CPU31aは、特定変動の変動ゲームの実行中ではなく、且つ、保留中の変動ゲームの中に特定先読みの変動ゲームが含まれていない場合には、入賞時表示態様として第1~第3特別表示態様を決定可能である。言い換えれば、副制御CPU31aは、実行中の変動ゲームと、保留中の変動ゲームとの中に、リーチ演出が実行され得る変動ゲームが含まれていないときには、今回の変動ゲームを示すゲーム情報について、入賞時表示態様が第1~第3特別表示態様の何れかとなる演出内容で特定表示演出を実行可能とする。このため、本実施形態において、特定表示演出は、実行中の変動ゲームと保留中の変動ゲームとの中に、リーチ演出が実行され得る変動ゲームが含まれているときには、リーチ演出が実行され得る変動ゲームが含まれていないときとは異なる制限条件に基づいて実行される。即ち、本実施形態において、特定表示演出は、実行中の変動ゲームの変動内容と保留中の変動ゲームの変動内容との組み合わせが特定組み合わせである特定状況であるときには、特定組み合わせではない非特定状況であるときとは異なる演出態様で実行される場合があるといえる。
【0144】
また、本実施形態において、副制御CPU31aは、実行中の変動ゲームについて、リーチ演出が実行される変動ゲームであるかを判定するときには、実行中の変動ゲームに対応する変動パターンが変動パターンHP3~HP6の何れかに該当するかによって判定する。一方で、副制御CPU31aは、保留中の変動ゲームについて、リーチ演出が実行され得る変動ゲームであるかを判定するときには、保留中の変動ゲームに対応する先読みコマンドが先読みコマンドSC3~SC8の何れかに該当するかによって判定する。即ち、本実施形態において、事前判定処理で変動ゲームの変動内容を判定するときの条件と、開始判定処理で変動ゲームの変動内容を判定するときの条件とは、異なる。
【0145】
また、このような条件設定処理によれば、実行中の変動ゲーム及び保留中の変動ゲームの中にリーチ演出を含む演出内容で実行され得る変動ゲームが含まれている場合、保留中変化可能回数は、実行中の変動ゲーム及び保留中の変動ゲームのうち何れの変動ゲームがリーチ演出を含む演出内容で実行され得る変動ゲームであるかに応じて異なる。言い換えれば、副制御CPU31aは、特定状況において、実行中の変動ゲーム及び保留中の変動ゲームのうち何れの変動ゲームがリーチ演出を含む演出内容で実行され得る変動ゲームであるかに応じて異なる保留中変化可能回数に基づいて特定表示演出を実行させる。
【0146】
そして、
図9に示すように、副制御CPU31aは、条件設定処理を終了すると、今回の変動ゲームを示すゲーム情報の表示態様のうち、入賞時表示態様、開始時表示態様、及び最終表示態様を決定するための第1表示態様決定処理を行う(ステップS40)。
【0147】
図14に示すように、第1表示態様決定処理において、副制御CPU31aは、最終表示態様を抽選により決定する(ステップS41)。なお、本実施形態では、ステップS41において、最終表示態様として通常表示態様を決定することが、特定表示演出の非実行を決定することに相当し、最終表示態様として特殊表示態様及び第1~第3特別表示態様の何れかを決定することが、特定表示演出の実行を決定することに相当する。続いて、副制御CPU31aは、最終表示態様が通常表示態様であるか否かを判定する(ステップS42)。最終表示態様が通常表示態様ではない場合(ステップS42:NO)、副制御CPU31aは、特定表示演出実行フラグを副制御RAM31c内の所定の記憶領域に設定する(ステップS43)。これにより、副制御CPU31aは、特定表示演出の実行が決定されていることを特定可能となる。このとき、副制御CPU31aは、何れの変動ゲームに対応する特定表示演出実行フラグであるかを特定可能となるように設定する。続いて、副制御CPU31aは、最終表示態様が特殊表示態様であるか否かを判定する(ステップS44)。
【0148】
最終表示態様が特殊表示態様ではない場合(ステップS44:NO)、副制御CPU31aは、開始時表示態様を抽選により決定する(ステップS45)。続いて、副制御CPU31aは、開始時表示態様が通常表示態様又は特殊表示態様であるか否かを判定する(ステップS46)。
【0149】
開始時表示態様が通常表示態様及び特殊表示態様の何れでもない場合(ステップS46:NO)、副制御CPU31aは、入賞時表示態様を抽選により決定する(ステップS47)。その後、副制御CPU31aは、第1表示態様決定処理を終了し、情報表示演出決定処理に戻る。
【0150】
一方、最終表示態様が通常表示態様である場合(ステップS42:YES)、及び、最終表示態様が特殊表示態様である場合(ステップS44:YES)、副制御CPU31aは、開始時表示態様として、最終表示態様と同じ表示態様を決定する(ステップS48)。続いて、副制御CPU31aは、入賞時表示態様として、開始時表示態様と同じ表示態様を決定する(ステップS49)。即ち、副制御CPU31aは、最終表示態様として通常表示態様を決定したときには、入賞時表示態様及び開始時表示態様として通常表示態様を決定する。また、副制御CPU31aは、最終表示態様として特殊表示態様を決定したときには、入賞時表示態様及び開始時表示態様として特殊表示態様を決定する。その後、副制御CPU31aは、第1表示態様決定処理を終了し、情報表示演出決定処理に戻る。
【0151】
また、開始時表示態様が通常表示態様又は特殊表示態様である場合(ステップS46:YES)、副制御CPU31aは、入賞時表示態様として、開始時表示態様と同じ表示態様を決定する(ステップS49)。即ち、副制御CPU31aは、開始時表示態様として通常表示態様を決定したときには、入賞時表示態様として通常表示態様を決定する。また、副制御CPU31aは、開始時表示態様として特殊表示態様を決定したときには、入賞時表示態様として特殊表示態様を決定する。その後、副制御CPU31aは、第1表示態様決定処理を終了し、情報表示演出決定処理に戻る。
【0152】
ここで、
図15を用いて、第1表示態様決定処理において、入賞時表示態様、開始時表示態様、及び最終表示態様として決定可能な表示態様の種類について説明する。
図15(a)に示すように、本実施形態の第1表示態様決定処理において、最終表示態様として決定可能な表示態様は、今回の変動ゲームに対応する先読みコマンドの種類に応じて異なる。
【0153】
具体的に、今回の変動ゲームに対応する先読みコマンドが先読みコマンドSC1~SC4の何れかであるときに最終表示態様として決定可能な表示態様は、通常表示態様及び特殊表示態様である。また、今回の変動ゲームに対応する先読みコマンドが先読みコマンドSC5,SC7の何れかであるときに最終表示態様として決定可能な表示態様は、通常表示態様、特殊表示態様、第1特別表示態様、及び第2特別表示態様である。さらに、今回の変動ゲームに対応する先読みコマンドが先読みコマンドSC6,SC8の何れかであるときに最終表示態様として決定可能な表示態様は、通常表示態様、特殊表示態様、第1特別表示態様、第2特別表示態様、及び第3特別表示態様である。
【0154】
上述したように、本実施形態において、先読みコマンドSC1~SC4は、今回の変動ゲームにおいてリーチ演出が実行されない可能性がある場合に出力される先読みコマンドである。一方で、先読みコマンドSC5~SC8は、今回の変動ゲームにおいてリーチ演出が実行される場合に出力される先読みコマンドである。このため、本実施形態では、リーチ演出が実行されない場合には、最終表示態様として第1~第3特別表示態様が決定されないこととなる。
【0155】
また、本実施形態において、先読みコマンドSC5,SC7は、今回の変動ゲームにおいてスーパーリーチ演出が実行されない場合に出力される先読みコマンドである。一方で、先読みコマンドSC6,SC8は、今回の変動ゲームにおいてスーパーリーチ演出が実行される場合に出力される先読みコマンドである。このため、本実施形態では、スーパーリーチ演出が実行されない場合には、最終表示態様として第3特別表示態様が決定されないこととなる。
【0156】
そして、副制御CPU31aは、第1表示態様決定処理におけるステップS41の処理において、最終表示態様として決定可能な表示態様の中から何れかの表示態様を所定の乱数を用いた抽選によって決定する。このとき、副制御CPU31aは、今回の変動ゲームに対応する先読みコマンドの種類に応じて異なる確率で最終表示態様となる表示態様を決定することにより、最終表示態様の種類に応じて今回の変動ゲームが大当りとなる期待度(以下、大当り期待度と示す)を異ならせる。具体的に、副制御CPU31aは、通常表示態様<特殊表示態様<第1特別表示態様<第2特別表示態様<第3特別表示態様の順で今回の変動ゲームの大当り期待度が高くなるように最終表示態様を決定する。
【0157】
また、
図15(b)に示すように、本実施形態の第1表示態様決定処理において、開始時表示態様として決定可能な表示態様は、最終表示態様として決定された表示態様の種類に応じて異なる。
【0158】
上述したように、最終表示態様として通常表示態様又は特殊表示態様が決定された場合には、開始時表示態様として最終表示態様と同じ表示態様が決定される。また、最終表示態様として第1特別表示態様が決定された場合に開始時表示態様として決定可能な表示態様は、通常表示態様、特殊表示態様、及び第1特別表示態様である。さらに、最終表示態様として第2特別表示態様が決定された場合に開始時表示態様として決定可能な表示態様は、通常表示態様、特殊表示態様、第1特別表示態様、及び第2特別表示態様である。そして、最終表示態様として第3特別表示態様が決定された場合に開始時表示態様として決定可能な表示態様は、通常表示態様、特殊表示態様、第1特別表示態様、第2特別表示態様、及び第3特別表示態様である。
【0159】
さらに、
図15(c)に示すように、本実施形態の第1表示態様決定処理において、入賞時表示態様として決定可能な表示態様は、開始時表示態様として決定された表示態様の種類に応じて異なる。
【0160】
上述したように、開始時表示態様として通常表示態様又は特殊表示態様が決定された場合には、入賞時表示態様として開始時表示態様と同じ表示態様が決定される。また、開始時表示態様として第1特別表示態様が決定された場合に入賞時表示態様として決定可能な表示態様は、通常表示態様、特殊表示態様、及び第1特別表示態様である。さらに、開始時表示態様として第2特別表示態様又は第3特別表示態様が決定された場合に入賞時表示態様として決定可能な表示態様は、通常表示態様、特殊表示態様、第1特別表示態様、及び第2特別表示態様である。
【0161】
なお、このとき、副制御CPU31aは、上述した条件設定処理において、入賞時表示態様として決定可能な表示態様が制限されているときには、制限された表示態様を入賞時表示態様として決定しないように制御する。具体的に、副制御CPU31aは、入賞時表示態様として決定可能な表示態様が通常表示態様に制限されているときには(入賞時表示態様の制限条件=「通常」)、開始時表示態様として第1~第3特別表示態様の何れかを決定した場合であっても、入賞時表示態様として、特殊表示態様及び第1~第3特別表示態様を決定しない。また、副制御CPU31aは、入賞時表示態様として決定可能な表示態様が通常表示態様又は特殊表示態様に制限されているときには(入賞時表示態様の制限条件=「通常or特殊」)、開始時表示態様として第1~第3特別表示態様の何れかを決定した場合であっても、入賞時表示態様として、第1~第3特別表示態様を決定しない。
【0162】
そして、
図9に示すように、副制御CPU31aは、第1表示態様決定処理を終了すると、今回の変動ゲームを示すゲーム情報の表示態様のうち、保留中表示態様を決定するための第2表示態様決定処理を行う(ステップS50)。
【0163】
図16に示すように、第2表示態様決定処理において、副制御CPU31aは、入賞時表示態様が開始時表示態様と同じであるか否かを判定する(ステップS51)。入賞時表示態様が開始時表示態様と同じではない場合(ステップS51:NO)、副制御CPU31aは、保留中変化可能回数を超える分の保留中表示態様として、入賞時表示態様と同じ表示態様を決定する(ステップS52)。ここで、保留中変化可能回数を超える分の保留中表示態様とは、決定すべき保留中表示態様の数が保留中変化可能回数を超えている場合に、その超えている回数分の保留中表示態様を指す。ここで、決定すべき保留中表示態様の数は、今回の変動ゲームが保留されたときに既に保留されていた変動ゲームの回数に等しい。なお、今回の変動ゲームが第1特別ゲームである場合、今回の変動ゲームが保留されたときに既に保留されていた変動ゲームの回数には、保留中の第1特別ゲームの回数を含む一方で、保留中の第2特別ゲームの回数を含まない。また、今回の変動ゲームが第2特別ゲームである場合、今回の変動ゲームが保留されたときに既に保留されていた変動ゲームの回数には、保留中の第2特別ゲームの回数を含む一方で、保留中の第1特別ゲームの回数を含まない。
【0164】
例えば、今回の変動ゲームが第1特別ゲームであり、今回の変動ゲームが保留されたときに既に保留されていた第1特別ゲームの数が「3」である場合、決定すべき保留中表示態様の数は、「3」となる。そして、この場合に、保留中変化可能回数が「1回」であるときには、ステップS52の処理において、副制御CPU31aは、2回分の保留中表示態様を決定することとなる。即ち、この場合、副制御CPU31aは、保留中表示態様(1回目)及び保留中表示態様(2回目)として、入賞時表示態様と同じ表示態様を決定する。
【0165】
これにより、本実施形態において、副制御CPU31aは、特定先読みの変動ゲームが保留されている間は、今回の変動ゲームを示すゲーム情報の表示態様として、入賞時表示態様と同一の表示態様を決定する。言い換えれば、本実施形態の特定表示演出では、該特定表示演出の対象となる変動ゲームよりも前に特定先読みの変動ゲームが保留されている場合、該特定先読みの変動ゲームが終了するまでの間は、ゲーム情報の表示態様を入賞時表示態様として決定した表示態様から別の表示態様に変化されない。
【0166】
続いて、副制御CPU31aは、保留中変化可能回数が「1回」以上であるか否かを判定する(ステップS53)。保留中変化可能回数が「1回」以上である場合(ステップS53:YES)、副制御CPU31aは、保留中表示態様を抽選により決定する(ステップS54)。このとき、副制御CPU31aは、今回の第2表示態様決定処理において、未だ保留中表示態様が決定されていない場合には、保留中表示態様(1回目)として保留中表示態様を決定する。一方で、副制御CPU31aは、今回の第2表示態様決定処理において、1回分の保留中表示態様が決定されている場合には、保留中表示態様(2回目)として保留中表示態様を決定し、2回分の保留中表示態様が決定されている場合には、保留中表示態様(3回目)として保留中表示態様を決定する。その後、副制御CPU31aは、保留中変化可能回数を1減算する(ステップS55)。
【0167】
続いて、副制御CPU31aは、決定した保留中表示態様が開始時表示態様と同じであるか否かを判定する(ステップS56)。決定した保留中表示態様が開始時表示態様と同じである場合(ステップS56:YES)、副制御CPU31aは、残りの保留中表示態様として開始時表示態様と同じ表示態様を決定する(ステップS57)。ここで、残りの保留中表示態様とは、残りの保留中変化可能回数分の保留中表示態様である。このため、残りの保留中変化可能回数が「0回」である場合、副制御CPU31aは、残りの保留中表示態様として開始時表示態様と同じ表示態様を決定することなくステップS57の処理を終了する。続いて、副制御CPU31aは、保留中変化可能回数を消去する(ステップS58)。その後、副制御CPU31aは、第2表示態様決定処理を終了する。
【0168】
また、決定した保留中表示態様が開始時表示態様と同じではない場合(ステップS56:NO)、副制御CPU31aは、ステップS53の処理に戻り、再び保留中変化可能回数が「1回」以上であるか否かを判定する。そして、保留中変化可能回数が「1回」以上ではない場合(ステップS53:NO)、副制御CPU31aは、第2表示態様決定処理を終了する。即ち、第2表示態様決定処理において、副制御CPU31aは、保留中変化可能回数が「0回」となるか(ステップS53:NO)、決定した保留中表示態様が開始時表示態様と同じ表示態様となる(ステップS56:YES)までの間、ステップS52~S55の処理を繰り返す。
【0169】
一方、入賞時表示態様が開始時表示態様と同じである場合(ステップS51:YES)、副制御CPU31aは、残りの保留中表示態様として開始時表示態様と同じ表示態様を決定し(ステップS57)、保留中変化可能回数を消去する(ステップS58)。その後、副制御CPU31aは、第2表示態様決定処理を終了する。
【0170】
ここで、副制御CPU31aが第2表示態様決定処理のステップS54において保留中表示態様を決定する際の制御について説明する。
図17に示すように、副制御CPU31aは、決定しようとする表示態様の直前の表示態様と、最終表示態様と、に基づいて保留中表示態様を決定する。なお、保留中表示態様(1回目)を決定しようとする場合における直前の表示態様とは、入賞時表示態様である。また、保留中表示態様(2回目)を決定しようとする場合における直前の表示態様とは、保留中表示態様(1回目)であり、保留中表示態様(3回目)を決定しようとする場合における直前の表示態様とは、保留中表示態様(2回目)である。
【0171】
具体的に、副制御CPU31aは、直前の表示態様として通常表示態様が決定されている場合であって、最終表示態様として第1特別表示態様が決定されているときには、保留中表示態様として、通常表示態様又は第1特別表示態様を決定する。また、副制御CPU31aは、直前の表示態様として通常表示態様が決定されている場合であって、最終表示態様として第2特別表示態様が決定されているときには、保留中表示態様として、通常表示態様、第1特別表示態様、及び第2特別表示態様のうちの何れかを決定する。さらに、副制御CPU31aは、直前の表示態様として通常表示態様が決定されている場合であって、最終表示態様として第3特別表示態様が決定されているときには、保留中表示態様として、通常表示態様、第1特別表示態様、第2特別表示態様、及び第3特別表示態様のうちの何れかを決定する。
【0172】
副制御CPU31aは、直前の表示態様として特殊表示態様が決定されている場合であって、最終表示態様として第1特別表示態様が決定されているときには、保留中表示態様として、特殊表示態様又は第1特別表示態様を決定する。また、副制御CPU31aは、直前の表示態様として特殊表示態様が決定されている場合であって、最終表示態様として第2特別表示態様が決定されているときには、保留中表示態様として、特殊表示態様、第1特別表示態様、及び第2特別表示態様のうちの何れかを決定する。さらに、副制御CPU31aは、直前の表示態様として特殊表示態様が決定されている場合であって、最終表示態様として第3特別表示態様が決定されているときには、保留中表示態様として、特殊表示態様、第1特別表示態様、第2特別表示態様、及び第3特別表示態様のうちの何れかを決定する。
【0173】
副制御CPU31aは、直前の表示態様として第1特別表示態様が決定されている場合であって、最終表示態様として第2特別表示態様が決定されているときには、保留中表示態様として、第1特別表示態様又は第2特別表示態様を決定する。さらに、副制御CPU31aは、直前の表示態様として第1特別表示態様が決定されている場合であって、最終表示態様として第3特別表示態様が決定されているときには、保留中表示態様として、第1特別表示態様、第2特別表示態様、及び第3特別表示態様のうちの何れかを決定する。
【0174】
副制御CPU31aは、直前の表示態様として第2特別表示態様が決定されている場合であって、最終表示態様として第3特別表示態様が決定されているときには、保留中表示態様として、第2特別表示態様又は第3特別表示態様を決定する。
【0175】
このように、本実施形態において、保留中表示態様を決定するに際しては、原則として、直前の表示態様と同一の表示態様、最終表示態様と同一の表示態様、及び、直前の表示態様よりも大当り期待度が高く最終表示態様よりも大当り期待度が低い表示態様の何れかを決定可能である。ただし、本実施形態において、直前の表示態様が通常表示態様である場合には、保留中表示態様として特殊表示態様が決定されないようになっている。
【0176】
そして、
図9に示すように、副制御CPU31aは、第2表示態様決定処理を終了すると、情報表示演出決定処理を終了する。
また、特定表示演出の実行が決定されている場合(ステップS10:YES)、副制御CPU31aは、入賞時表示態様、保留中表示態様、開始時表示態様、及び最終表示態様の各表示態様として、通常表示態様を決定する(ステップS60)。その後、副制御CPU31aは、情報表示演出決定処理を終了する。なお、詳しくは後述するが、副制御CPU31aは、ステップS60の処理では実行中表示態様を決定しないものの、最終表示態様として通常表示態様を決定した場合には、実行中表示態様としても通常表示態様を決定する。即ち、副制御CPU31aは、特定表示演出の実行が決定されている場合に変動ゲームの保留条件が成立したときには、保留された変動ゲームを対象としては特定表示演出の実行を決定しない。
【0177】
以上のような情報表示演出決定処理により、本実施形態の副制御CPU31aは、特定表示演出の対象とされる変動ゲームが保留されたことを契機として、特定表示演出におけるゲーム情報の表示態様のうち、入賞時表示態様、保留中表示態様、開始時表示態様、及び最終表示態様を決定する。言い換えれば、副制御CPU31aは、特定表示演出の対象とされる変動ゲームが保留されたことを契機として、特定表示演出の演出内容の一部を決定する。
【0178】
そしてこの場合、入賞時表示態様として決定可能な表示態様は、実行中の変動ゲームと、保留中の変動ゲームとの中に、リーチ演出を含む演出内容で実行され得る変動ゲームが含まれているか否かに応じて異なる。一方で、開始時表示態様及び最終表示態様として決定可能な表示態様は、実行中の変動ゲームと、保留中の変動ゲームとの中に、リーチ演出が実行され得る変動ゲームが含まれているか否かに関わらず同一である。特に、開始時表示態様及び最終表示態様として決定可能な表示態様は、実行中の変動ゲーム及び保留中の変動ゲームのうち何れか一方について、リーチ演出が実行され得る変動ゲームである場合と、実行中の変動ゲーム及び保留中の変動ゲームの両方について、リーチ演出が実行され得る変動ゲームである場合との何れであっても同一である。言い換えれば、開始時表示態様及び最終表示態様を決定するときの制御は、実行中の変動ゲーム及び保留中の変動ゲームのうち何れか一方について、リーチ演出が実行され得る変動ゲームである場合と、実行中の変動ゲーム及び保留中の変動ゲームの両方について、リーチ演出が実行され得る変動ゲームである場合との何れであっても同一である。即ち、本実施形態では、実行中の変動ゲーム及び保留中の変動ゲームのうち何れか一方について、リーチ演出が実行され得る変動ゲームである場合と、実行中の変動ゲーム及び保留中の変動ゲームの両方について、リーチ演出が実行され得る変動ゲームである場合との何れであっても、特定表示演出の演出内容を決定する決定制御の一部が同一である。
【0179】
そして、副制御CPU31aは、情報表示演出決定処理において決定した表示態様でゲーム情報を表示させるように、演出表示装置EHを制御する。具体的に、副制御CPU31aは、情報表示演出決定処理の終了に伴って、入賞時表示態様として決定した表示態様でゲーム情報を表示させるように制御する。即ち、副制御CPU31aは、変動ゲームが保留されたことに伴って、該変動ゲームを示すゲーム情報を入賞時表示態様として決定した表示態様で表示させるように制御する。さらに、副制御CPU31aは、今回の変動ゲームよりも前に保留された変動ゲームの開始を指示する変動開始コマンドを入力する毎に、保留中表示態様として決定した表示態様でゲーム情報を表示させるように制御する。即ち、副制御CPU31aは、今回の変動ゲームの保留中である場合、該今回の変動ゲームよりも前に保留された変動ゲームが開始される毎に、今回の変動ゲームを示すゲーム情報の表示態様を保留中表示態様として決定した表示態様に変化させる。
【0180】
また、副制御CPU31aは、今回の変動ゲームの開始を指示する変動開始コマンドを入力すると、開始時表示態様として決定した表示態様でゲーム情報を表示させるように制御する。即ち、副制御CPU31aは、今回の変動ゲームの開始に伴って、今回の変動ゲームを示すゲーム情報の表示態様を開始表示態様として決定した表示態様に変化させる。
【0181】
さらに、副制御CPU31aは、今回の変動ゲームの開始を指示する変動開始コマンドを入力したことを契機として、今回の変動ゲームを示すゲーム情報の表示態様のうち、実行中表示態様を決定するための第3表示態様決定処理を行う。即ち、本実施形態において、副制御CPU31aは、変動ゲームが保留されたことを契機として実行される第1表示態様決定処理及び第2表示態様決定処理とは別に、変動ゲームが開始されたことを契機として、第3表示態様決定処理を実行することにより、今回の変動ゲームを示すゲーム情報の表示態様のうち実行中表示態様を決定する。
【0182】
図18に示すように、第3表示態様決定処理において、副制御CPU31aは、実行中変化可能回数を特定する(ステップS71)。このとき、副制御CPU31aは、入力した変動開始コマンドから特定される変動パターンが変動パターンHP1,HP2の何れかである場合、実行中変化可能回数として0回を特定する。また、副制御CPU31aは、入力した変動開始コマンドから特定される変動パターンが変動パターンHP3,HP5の何れかである場合、実行中変化可能回数として1回を特定する。さらに、副制御CPU31aは、入力した変動開始コマンドから特定される変動パターンが変動パターンHP4,HP6の何れかである場合、実行中変化可能回数として2回を特定する。即ち、本実施形態において、今回の変動ゲームの演出内容にリーチ演出が含まれていない場合の実行中変化可能回数は、「0回」である。また、本実施形態において、今回の変動ゲームの演出内容にノーマルリーチ演出が含まれている場合の実行中変化可能回数は、「1回」である。さらに、本実施形態において、今回の変動ゲームの演出内容にスーパーリーチ演出が含まれている場合の実行中変化可能回数は、「2回」である。
【0183】
続いて、副制御CPU31aは、開始時表示態様が最終表示態様と同じであるか否かを判定する(ステップS72)。開始時表示態様が最終時表示態様と同じではない場合(ステップS72:NO)、副制御CPU31aは、実行中変化可能回数が「1回」以上であるか否かを判定する(ステップS73)。
【0184】
実行中変化可能回数が「1回」以上である場合(ステップS73:YES)、副制御CPU31aは、実行中表示態様を抽選により決定する(ステップS74)。このとき、副制御CPU31aは、今回の第3表示態様決定処理において、未だ実行中表示態様が決定されていない場合には、実行中表示態様(1回目)として実行中表示態様を決定する。一方で、副制御CPU31aは、今回の第3表示態様決定処理において、1回分の実行中表示態様が決定されている場合には、実行中表示態様(2回目)として実行中表示態様を決定する。その後、副制御CPU31aは、実行中変化可能回数を1減算する(ステップS75)。
【0185】
続いて、副制御CPU31aは、決定した実行中表示態様が最終表示態様と同じであるか否かを判定する(ステップS76)。決定した実行中表示態様が最終表示態様と同じである場合(ステップS76:YES)、副制御CPU31aは、残りの実行中表示態様として最終表示態様と同じ表示態様を決定する(ステップS77)。ここで、残りの実行中表示態様とは、残りの実行中変化可能回数分の実行中表示態様である。このため、残りの実行中変化可能回数が「0回」である場合、副制御CPU31aは、残りの実行中表示態様として最終表示態様と同じ表示態様を決定することなくステップS77の処理を終了する。続いて、副制御CPU31aは、実行中変化可能回数を消去する(ステップS78)。その後、副制御CPU31aは、第3表示態様決定処理を終了する。
【0186】
また、決定した実行中表示態様が最終表示態様と同じではない場合(ステップS76:NO)、副制御CPU31aは、ステップS73の処理に戻り、再び実行中変化可能回数が「1回」以上であるか否かを判定する。そして、実行中変化可能回数が「1回」以上ではない場合(ステップS73:NO)、副制御CPU31aは、第3表示態様決定処理を終了する。即ち、第3表示態様決定処理において、副制御CPU31aは、実行中変化可能回数が「0回」となるか(ステップS73:NO)、決定した実行中表示態様が最終表示態様と同じ表示態様となる(ステップS76:YES)までの間、ステップS73~S76の処理を繰り返す。
【0187】
一方、開始時表示態様が最終表示態様と同じである場合(ステップS72:YES)、副制御CPU31aは、残りの実行中表示態様として最終表示態様と同じ表示態様を決定し(ステップS77)、実行中変化可能回数を消去する(ステップS78)。その後、副制御CPU31aは、第3表示態様決定処理を終了する。
【0188】
以上のような第3表示態様決定処理により、本実施形態の副制御CPU31aは、特定表示演出の対象とされる変動ゲームの開始を契機として、特定表示演出におけるゲーム情報の表示態様のうち、実行中表示態様を決定する。言い換えれば、副制御CPU31aは、特定表示演出の対象とされる変動ゲームの開始を契機として、特定表示演出の演出内容の一部を決定する。
【0189】
なお、第3表示態様決定処理のステップS74における制御については、第2表示態様決定処理のステップS54における制御の「保留中表示態様」を「実行中表示態様」に、「保留中変化可能回数」を「実行中変化可能回数」に、「入賞時表示態様」を「開始時表示態様」にそれぞれ読み替えた制御であるため、説明を省略する。
【0190】
そして、副制御CPU31aは、第3表示態様決定処理において決定した表示態様でゲーム情報を表示させるように、演出表示装置EHを制御する。具体的に、副制御CPU31aは、ノーマルリーチ演出の開始に伴って、実行中表示態様(1回目)として決定した表示態様でゲーム情報を表示させるように制御する。即ち、副制御CPU31aは、ノーマルリーチ演出の開始に伴って、実行中の変動ゲームを示すゲーム情報の表示態様を実行中表示態様(1回目)として決定した表示態様に変化させる。また、副制御CPU31aは、スーパーリーチ演出の開始に伴って、実行中表示態様(2回目)として決定した表示態様でゲーム情報を表示させるように制御する。即ち、副制御CPU31aは、スーパーリーチ演出の開始に伴って、実行中の変動ゲームを示すゲーム情報の表示態様を実行中表示態様(2回目)として決定した表示態様に変化させる。さらに、副制御CPU31aは、実行中の変動ゲームが終了する所定時間前に、最終表示態様として決定した表示態様でゲーム情報を表示させるように制御する。即ち、副制御CPU31aは、実行中の変動ゲームが終了する所定時間前に、実行中の変動ゲームを示すゲーム情報の表示態様を最終表示態様として決定した表示態様に変化させる。
【0191】
その後、副制御CPU31aは、実行中の変動ゲームが終了した場合、該終了した変動ゲームに対応する特定表示演出実行フラグが設定されているときには、該特定表示演出実行フラグを消去する。これにより、副制御CPU31aは、特定表示演出が終了したことを特定可能となる。
【0192】
以下、特定表示演出が実行されるときの演出態様の具体的な一例について、副制御CPU31aによる制御とともに説明する。
図19に示す例では、変動パターンHP2に対応する変動ゲームの実行中であって、保留された順序が古い順に、先読みコマンドSC1に対応する変動ゲーム(保留1)、先読みコマンドSC5に対応する変動ゲーム(保留2)、先読みコマンドSC2に対応する変動ゲーム(保留3)が保留されているものとする(
図19(a))。ここで、新たに変動ゲームが保留されると(保留4)、副制御CPU31aは、情報表示演出決定処理を実行することにより、新たに保留された変動ゲームを示すゲーム情報の表示態様を決定する(
図19(b))。なお、以下の説明では、ここで新たに保留された変動ゲームを「今回の変動ゲーム」と示す場合がある。この例において、今回の変動ゲームは、特定表示演出の対象となる変動ゲームである。
【0193】
上述したように、副制御CPU31aは、情報表示演出決定処理において、入賞時表示態様の制限条件及び保留中変化可能回数を特定する。この例では、保留中の変動ゲームの中に特定先読みの変動ゲーム(保留2)が含まれていることから、入賞時表示態様として決定可能な表示態様が通常表示態様又は特殊表示態様に制限される。また、この例では、今回の変動ゲームが保留されたときに既に保留されていた変動ゲームの数が「3」であって、保留中の変動ゲームのうち2番目に保留された変動ゲームが特定先読みの変動ゲーム(保留2)であることから、保留中変化可能回数が「1回」となる。その後、副制御CPU31aは、特定した入賞時表示態様の制限条件及び保留中変化可能回数に基づいて、今回の変動ゲームを示すゲーム情報の表示態様のうち、入賞時表示態様、保留中表示態様、開始時表示態様、及び最終表示態様の各表示態様を決定する。そして、副制御CPU31aは、入賞時表示態様として決定した表示態様で今回の変動ゲームを示すゲーム情報を表示させるように演出表示装置EHを制御する。この例では、特殊表示態様で今回の変動ゲームを示すゲーム情報が表示されるものとする。
【0194】
続いて、副制御CPU31aは、遊技の進行に伴って、情報表示演出決定処理において決定した表示態様でゲーム情報を表示させるように制御する。具体的に、副制御CPU31aは、今回の変動ゲームが保留されてから1回目の変動ゲームが開始されたことを契機として、保留中表示態様(1回目)として決定した表示態様でゲーム情報を表示させる。また、副制御CPU31aは、今回の変動ゲームが保留されてから2回目の変動ゲームが開始されたことを契機として、保留中表示態様(2回目)として決定した表示態様でゲーム情報を表示させる。さらに、副制御CPU31aは、今回の変動ゲームが保留されてから3回目の変動ゲームが開始されたことを契機として、保留中表示態様(3回目)として決定した表示態様でゲーム情報を表示させる。なお、この例では、各保留中表示態様として、入賞時表示態様と同じ表示態様(特殊表示態様)が決定されていることから、今回の変動ゲームが保留されてから1回目~3回目の変動ゲームが開始されたことを契機としては、今回の変動ゲームを示すゲーム情報の表示態様が変化されない(
図19(c))。
【0195】
その後、副制御CPU31aは、今回の変動ゲームの開始に伴って、開始時表示態様として決定した表示態様でゲーム情報を表示させるように制御する(
図19(d))。なお、この例では、開始時表示態様として、第1特別表示態様が決定されていることから、今回の変動ゲームが開始されたことを契機として、今回の変動ゲームを示すゲーム情報の表示態様が第1特別表示態様に変化される。また、このとき、副制御CPU31aは、今回の変動ゲームの開始に伴って第3表示態様決定処理を実行することにより、今回の変動ゲームを示すゲーム情報の表示態様のうち実行中表示態様を決定する。上述したように、副制御CPU31aは、第3表示態様決定処理において、実行中変化可能回数を特定する。この例では、今回の変動ゲームに対応する変動パターンが、スーパーリーチ演出を含む演出内容を特定可能な変動パターンHP4であることから、実行中変化可能回数が「2回」となる。そして、副制御CPU31aは、特定した実行中変化可能回数に基づいて、今回の変動ゲームを示すゲーム情報の表示態様のうち実行中表示態様を決定する。
【0196】
その後、副制御CPU31aは、ノーマルリーチ演出が開始されたことを契機として、実行中表示態様(1回目)として決定した表示態様でゲーム情報を表示させる。続いて、副制御CPU31aは、スーパーリーチ演出が開始されたことを契機として、実行中表示態様(2回目)として決定した表示態様でゲーム情報を表示させる。さらに、副制御CPU31aは、変動ゲームが終了する所定時間前に、最終表示態様として決定した表示態様でゲーム情報を表示させる。
【0197】
以上のようにして、本実施形態では、特定表示演出を実行可能である。
ここで、本実施形態では、今回の変動ゲームが保留されたときに、実行中の変動ゲームと保留中の変動ゲームとの中にリーチ演出が実行され得る変動ゲームが含まれている特定状況であるときには、入賞時表示態様として決定可能な表示態様が通常表示態様及び特殊表示態様に制限される。一方で、今回の変動ゲームが保留されたときに、実行中の変動ゲームと保留中の変動ゲームとの中にリーチ演出が実行され得る変動ゲームが含まれていない非特定状況であるときには、入賞時表示態様として決定可能な表示態様が制限されない。しかしながら、本実施形態において、非特定状況である場合、入賞時表示態様として通常表示態様及び特殊表示態様が決定されることもあり得る。即ち、本実施形態では、特定状況であるときと、非特定状況であるときとで、入賞時表示態様として同一の表示態様が決定されることもある。
【0198】
また、本実施形態では、今回の変動ゲームよりも前に特定先読みの変動ゲームが保留されている場合には、特定先読みの変動ゲームが終了するまでの間は、今回の変動ゲームよりも前に保留された変動ゲームの開始に伴って、今回の変動ゲームを示すゲーム情報の表示態様が入賞時表示態様として決定された表示態様から変化されることはない。言い換えれば、本実施形態において、特定状況である場合、今回の変動ゲームを示すゲーム情報が入賞時表示態様として決定された表示態様で表示された後は、今回の変動ゲームよりも前に保留された特定先読みの変動ゲームが終了するまでの間、特定表示演出によるゲーム情報の表示態様の変化が実行されない。
【0199】
一方で、非特定状況である場合には、今回の変動ゲームの保留中において、該今回の変動ゲームを示すゲーム情報の表示態様が入賞時表示態様として決定された表示態様から別の表示態様に変化され得る。言い換えれば、本実施形態において、非特定状況である場合、今回の変動ゲームを示すゲーム情報が入賞時表示態様として決定された表示態様で表示された後にも、今回の変動ゲームよりも前に保留された変動ゲームの開始に伴って、特定表示演出によるゲーム情報の表示態様の変化が実行される場合がある。
【0200】
即ち、本実施形態において、副制御CPU31aは、今回の変動ゲームが保留されたときに実行中の変動ゲームの変動内容と保留中の変動ゲームの変動内容との組み合わせに応じて、特定表示演出の実行タイミングを異ならせる制御が可能である。
【0201】
また、本実施形態において、非特定状況である場合、今回の変動ゲームの保留中におけるゲーム情報の表示態様として、入賞時表示態様と同じ表示態様が決定されることもあり得る。即ち、本実施形態では、特定状況であるときと、非特定状況であるときとで、今回の変動ゲームの保留中におけるゲーム情報の表示態様が同一となることもある。
【0202】
このように、本実施形態では、非特定状況であるときには、特定状況であるときとは異なる表示態様でゲーム情報が表示される場合があるものの、特定状況であるときと同一の表示態様でゲーム情報が表示される場合もある。言い換えれば、本実施形態において、副制御CPU31aは、特定状況であるときと、非特定状況であるときとで、同一の演出内容で特定表示演出を実行させる場合がある。
【0203】
次に、特定表示演出の実行が決定された後にパチンコ遊技機10への電力供給が停止され、その後に電力供給が再開された場合の制御について説明する。
副制御CPU31aは、特定表示演出の対象となる変動ゲームの保留中にパチンコ遊技機10への電力供給が停止され、その後に電力供給が再開されたときには、電力供給が停止された時点で特定表示演出の開始前であったか否かを判定する。このとき、副制御CPU31aは、特定表示演出の対象となる変動ゲームのゲーム情報について、電力供給が停止された時点で通常表示態様で表示されていたときには、特定表示演出の開始前であったと判定する。一方で、副制御CPU31aは、特定表示演出の対象となる変動ゲームのゲーム情報について、電力供給が停止された時点で特殊表示態様及び第1~第3特別表示態様の何れかで表示されていたときには、特定表示演出の開始後であったと判定する。
【0204】
電力供給が停止された時点で特定表示演出の開始前であった場合、副制御CPU31aは、特定表示演出の対象となる変動ゲームのゲーム情報について決定済みの表示態様を維持する。そして、副制御CPU31aは、電力供給が再開されてから次の変動ゲームが開始されるまでの間、ゲーム情報を表示させないように制御する。その後、次の変動ゲームの開始に伴って、決定済みの表示態様でゲーム情報を表示させるように制御する。
【0205】
一方で、電力供給が停止された時点で特定表示演出の開始後であった場合、副制御CPU31aは、特定表示演出の対象となる変動ゲームのゲーム情報について決定済みの表示態様に代えて通常表示態様を決定する。即ち、副制御CPU31aは、入賞時表示態様、保留中表示態様、開始時表示態様、及び最終表示態様として、情報表示演出決定処理によって決定された表示態様に代えて、通常表示態様を決定する。そして、副制御CPU31aは、電力供給が再開されてから次の変動ゲームが開始されるまでの間、ゲーム情報を表示させないように制御する。その後、次の変動ゲームの開始に伴って、決定済みの表示態様でゲーム情報を表示させるように制御する。
【0206】
また、副制御CPU31aは、特定表示演出の対象となる変動ゲームの実行中にパチンコ遊技機10への電力供給が停止され、その後に電力供給が再開されたときには、電力供給が停止された時点で特定表示演出の開始前であったか否かに関わらず、特定表示演出の対象となる変動ゲームのゲーム情報について決定済みの表示態様を消去する。その後、副制御CPU31aは、電力供給が再開されてから特定表示演出の対象となる変動ゲームが終了するまでの間、ゲーム情報を表示させないように制御する。
【0207】
このように、本実施形態において、副制御CPU31aは、特定表示演出の対象となる変動ゲームが保留された後にパチンコ遊技機10への電力供給が停止され、その後に電力供給が再開された場合には、電力供給の停止及び再開があったタイミングに応じて、特定表示演出の演出態様を異ならせるように制御する。
【0208】
ここで、特定表示演出の実行が決定された後にパチンコ遊技機10への電力供給が停止され、その後に電力供給が再開された場合の演出態様の具体的な一例について、副制御CPU31aによる制御とともに説明する。
【0209】
図20に示す例では、先読みコマンドSC6に対応する変動ゲームを示すゲーム情報について、入賞時表示態様、保留中表示態様(1回目)、及び保留中表示態様(2回目)として通常表示態様が、保留中表示態様(3回目)及び開始時表示態様として第1特別表示態様が、最終表示態様として第2特別表示態様が決定されているものとする。なお、
図20に示す例における説明では、先読みコマンドSC6に対応する変動ゲームを「特定表示演出の対象となる変動ゲーム」と示す。
【0210】
そして、
図20(a),(b)に示す例では、特定表示演出の対象となる変動ゲームの保留中であって特定表示演出が開始されるよりも前に、パチンコ遊技機10への電力供給が停止され、その後に電力供給が再開されたものとする。この例では、特定表示演出の対象となる変動ゲームが保留中の変動ゲームのうち2番目に保留された変動ゲームとなっており、且つ、該特定表示演出の対象となる変動ゲームの表示態様が通常表示態様であるときに、パチンコ遊技機10への電力供給が停止され、その後に電力供給が再開されたものとする。
【0211】
この場合、副制御CPU31aは、電力供給が再開されてから次の変動ゲームが開始されるまでの間、ゲーム情報を表示させないように制御する。その後、副制御CPU31aは、次の変動ゲームの開始に伴って、情報表示演出決定処理において決定された表示態様でゲーム情報を表示させるように制御する。
【0212】
即ち、本実施形態において、副制御CPU31aは、特定表示演出の対象となる変動ゲームの保留中であって特定表示演出が開始されるよりも前に、パチンコ遊技機10への電力供給が停止され、その後に電力供給が再開されたときには、電力供給の再開後に特定表示演出を実行させる制御が可能である。
【0213】
一方、
図20(c),(d)に示す例では、特定表示演出の対象となる変動ゲームの保留中であって特定表示演出が開始された後に、パチンコ遊技機10への電力供給が停止され、その後に電力供給が再開されたものとする。この例では、特定表示演出の対象となる変動ゲームが保留中の変動ゲームのうち1番目に保留された変動ゲームとなっており、且つ、該特定表示演出の対象となる変動ゲームの表示態様が第1特別表示態様であるときに、パチンコ遊技機10への電力供給が停止され、その後に電力供給が再開されたものとする。
【0214】
この場合、副制御CPU31aは、情報表示演出決定処理において決定された表示態様に代えて、通常表示態様を決定する。なお、この時点では実行中表示態様としては通常表示多様が決定されず、実行中表示態様が未決定となるが、最終表示態様として通常表示態様が決定されることから、特定表示演出の対象となる変動ゲームが開始されたことを契機として実行される第3表示態様決定処理において、実行中表示態様としても通常表示態様が決定される。そして、副制御CPU31aは、電力供給が再開されてから次の変動ゲームが開始されるまでの間、ゲーム情報を表示させないように制御する。その後、副制御CPU31aは、次の変動ゲームの開始に伴って、通常表示態様でゲーム情報を表示させるように制御する。この例では、「次の変動ゲームの開始」とは、「特定表示演出の対象となる変動ゲームの開始」である。
【0215】
即ち、本実施形態において、副制御CPU31aは、特定表示演出の対象となる変動ゲームの保留中であって特定表示演出が開始された後に、パチンコ遊技機10への電力供給が停止され、その後に電力供給が再開されたときには、電力供給の再開後に特定表示演出を実行させないように制御する。
【0216】
次に、特定表示演出の実行が決定された後にエラーが発生したことを契機としてエラー報知が実行され、その後にエラー報知が終了された場合の演出態様について説明する。
図21に示すように、本実施形態では、特定表示演出の実行が決定された後に電波エラーが発生した場合、電波エラー報知の実行中は、ゲーム情報が非表示となる。また、本実施形態では、電波エラーが解除されたことを契機として、電波エラーの発生前に決定したゲーム情報の表示態様を引き継ぐことなく消去され、ゲーム情報の表示態様として通常表示態様が決定される。このため、本実施形態では、特定表示演出の実行が決定された後に電波エラーが発生し、その後に電波エラーが解除されたときには、電波エラーの発生前に決定された表示態様に関わらず、特定表示演出の対象とされた変動ゲームを示すゲーム情報が通常表示態様で表示される。即ち、本実施形態では、特定表示演出の実行が決定された後に電波エラーが発生した場合、電波エラーの解除後には、電波エラーの発生前に決定された表示態様とは異なる表示態様に基づいてゲーム情報の表示態様が制御される。なお、本実施形態において、電波エラーは、非特定エラーに相当する。
【0217】
一方で、特定表示演出の実行が決定された後に扉開放エラーが発生した場合、扉開放エラー報知の実行中も継続してゲーム情報が表示される。また、本実施形態では、扉開放エラーが解除されたことを契機としては、扉開放エラーの発生前に決定したゲーム情報の表示態様が消去されずに引き継がれる。このため、本実施形態では、特定表示演出の実行が決定された後に扉開放エラーが発生し、その後に扉開放エラーが解除されたときには、扉開放エラーの発生前に決定された表示態様で、特定表示演出の対象とされた変動ゲームを示すゲーム情報が表示される。即ち、本実施形態では、特定表示演出の実行が決定された後に扉開放エラーが発生した場合、扉開放エラーの解除後には、扉開放エラーの発生前に決定された表示態様に基づいてゲーム情報の表示態様が制御される。なお、本実施形態において、扉開放エラーは、特定エラーに相当する。
【0218】
ここで、特定表示演出の実行が決定された後にエラーが発生したことを契機としてエラー報知が実行され、その後にエラー報知が終了された場合の演出態様の具体的な一例について、副制御CPU31aによる制御とともに説明する。
【0219】
図22に示す例では、先読みコマンドSC6に対応する変動ゲームを示すゲーム情報について、入賞時表示態様、保留中表示態様(1回目)として特殊表示態様が、保留中表示態様(2回目)、保留中表示態様(3回目)及び開始時表示態様として第1特別表示態様が、最終表示態様として第2特別表示態様が決定されているものとする。なお、
図22に示す例における説明では、先読みコマンドSC6に対応する変動ゲームを「特定表示演出の対象となる変動ゲーム」と示す。
【0220】
そして、この例では、特定表示演出の対象となる変動ゲームの保留中であって、該特定表示演出の対象となる変動ゲームを示すゲーム情報が第1特別表示態様で表示されているときに、電波エラーが発生したものとする(
図22(a))。この場合、副制御CPU31aは、電波エラーコマンドを入力したことを契機として電波エラー報知を開始させるとともに、特定表示演出の対象となる変動ゲームを含む、実行中の変動ゲーム及び保留中の変動ゲームを示すゲーム情報を非表示とするように制御する(
図22(b))。その後、副制御CPU31aは、電波エラー解除コマンドを入力すると、電波エラーの発生前に決定した表示態様に代えて通常表示態様を決定し、特定表示演出の対象となる変動ゲームを示すゲーム情報を通常表示態様で表示させるように制御する(
図22(c))。
【0221】
このような制御により、副制御CPU31aは、特定表示演出の実行が決定された後に電波エラーが発生した場合、電波エラーの解除後には、電波エラーの発生前に決定された表示態様とは異なる表示態様に基づいてゲーム情報の表示態様を制御可能である。
【0222】
また、
図23に示す例では、
図22に示す例と同様に、先読みコマンドSC6に対応する変動ゲームを示すゲーム情報について、入賞時表示態様、保留中表示態様、開始時表示態様、及び最終表示態様として各種の表示態様が決定されているものとする。
【0223】
そして、この例では、特定表示演出の対象となる変動ゲームの保留中であって、該特定表示演出の対象となる変動ゲームを示すゲーム情報が第1特別表示態様で表示されているときに、扉開放エラーが発生したものとする(
図23(a))。この場合、副制御CPU31aは、扉開放エラーコマンドを入力したことを契機として扉開放エラー報知を開始させる一方で、特定表示演出の対象となる変動ゲームを含む、実行中の変動ゲーム及び保留中の変動ゲームを示すゲーム情報を、扉開放エラーコマンド入力前の表示態様のまま継続して表示させるように制御する(
図23(b))。さらに、副制御CPU31aは、扉開放エラー解除コマンドを入力した後も、扉開放エラーの発生前に決定した表示態様に基づいて、特定表示演出の対象となる変動ゲームを示すゲーム情報を表示させるように制御する(
図23(c))。
【0224】
このような制御により、副制御CPU31aは、特定表示演出の実行が決定された後に扉開放エラーが発生した場合、扉開放エラーの発生中及び扉開放エラーの解除後においても、扉開放エラーの発生前に決定された表示態様に基づいてゲーム情報の表示態様を制御可能である。
【0225】
本実施形態の効果について説明する。
(1)本実施形態では、特定表示演出の対象となる変動ゲームが保留されたときの実行中の変動ゲームの変動内容と保留中の変動ゲームの変動内容との組み合わせに応じて適切な演出態様で特定表示演出を実行させることができる。これによれば、違和感のない演出態様で特定表示演出が実行されるため、遊技に対する興趣の低下を抑制できる。
【0226】
(2)特に、本実施形態では、特定表示演出の対象となる変動ゲームが保留されたときの実行中の変動ゲームの変動内容と保留中の変動ゲームの変動内容との組み合わせに応じて、特定表示演出の対象となる変動ゲームを示すゲーム情報の表示態様として決定可能な表示態様が異ならされる。これによれば、適切な表示態様でゲーム情報を表示させることで遊技者を楽しませることができる。
【0227】
(3)本実施形態では、特定表示演出の対象となる変動ゲームが保留された時点で、実行中の変動ゲーム及び保留中の変動ゲームの中にリーチ演出が実行され得る変動ゲームが含まれている場合には、特定表演出の対象となる変動ゲームを示すゲーム情報の表示態様として決定可能な表示態様が制限される。これによれば、実行中の変動ゲーム及び保留中の変動ゲームの中にリーチ演出が実行され得る変動ゲームが含まれている場合には、過度に特定表示演出に対して遊技者の意識が向いてしまうことを抑制し、リーチ演出が実行され得る変動ゲームに対して注目させて遊技を楽しませることができる。
【0228】
(4)本実施形態では、特定表示演出の対象となる変動ゲームが保留されたときの実行中の変動ゲームの変動内容と保留中の変動ゲームの変動内容との組み合わせに応じて、特定表示演出の対象となる変動ゲームを示すゲーム情報の表示態様のうち入賞時表示態様として決定可能な表示態様が異ならされる。これによれば、特定の表示演出の対象となる変動ゲームを示すゲーム情報が最初に表示されるときに、適切な表示態様でゲーム情報を表示させることで遊技者を楽しませることができる。
【0229】
(5)一方で、特定表示演出の対象となる変動ゲームを示すゲーム情報の表示態様のうち入賞時表示態様として決定可能な表示態様については、リーチ演出が実行され得る変動ゲームが、特定表示演出の対象となる変動ゲームが保留された時点で実行中の変動ゲーム及び保留中の変動ゲームのうち何れの変動ゲームであるかに関わらず同一である。これによれば、リーチ演出が実行され得る変動ゲームが、実行中の変動ゲーム及び保留中の変動ゲームのうち何れの変動ゲームであるかに関わらず、同じ制限条件に基づいて入賞時表示態様が決定されるため、同じように特定表示演出を楽しませることができる。
【0230】
(6)本実施形態では、特定表示演出の対象となる変動ゲームが保留されたときの実行中の変動ゲームの変動内容と保留中の変動ゲームの変動内容との組み合わせに応じて、特定表示演出によってゲーム情報の表示態様が変化され得るタイミングが異なる。これによれば、実行中の変動ゲーム及び保留中の変動ゲームの変動内容の組み合わせに応じて適切なタイミングで特定表示演出を実行させることができるため、より効果的に特定表示演出を楽しませることができる。
【0231】
(7)特に、本実施形態では、リーチ演出が実行され得る変動ゲームが、特定表示演出の対象となる変動ゲームが保留された時点で実行中の変動ゲーム及び保留中の変動ゲームのうち何れの変動ゲームであるかに応じて、特定表示演出によってゲーム情報の表示態様が変化され得るタイミングが異なる。これによれば、実行中の変動ゲーム及び保留中の変動ゲームの変動内容の組み合わせだけではなく、リーチ演出が実行され得る変動ゲームが何れの変動ゲームであるかも加味した上で適切なタイミングで特定表示演出を実行させることができるため、より効果的に特定表示演出を楽しませることができる。
【0232】
(8)本実施形態において、特定表示演出を実行する場合に、開始時表示態様及び最終表示態様として決定可能な表示態様は、実行中の変動ゲーム及び保留中の変動ゲームのうち、何れか一方についてリーチ演出が実行され得る変動ゲームである場合と、両方についてリーチ演出が実行され得る変動ゲームである場合との何れであっても同一である。これによれば、実行中の変動ゲーム及び保留中の変動ゲームのうち、何れか一方についてリーチ演出が実行され得る変動ゲームである場合と、両方についてリーチ演出が実行され得る変動ゲームである場合との何れであっても同じように開始時表示態様及び最終表示態様を決定できるため、同じように特定表示演出を楽しませることができる。
【0233】
(9)本実施形態では、特定表示演出の実行が決定されているときに新たに保留された変動ゲームを対象としては特定表示演出の実行を決定しないため、特定表示演出の対象となる変動ゲームを混同させてしまうことを抑制できる。
【0234】
(10)本実施形態では、保留中の変動ゲームがリーチ演出を含む演出内容で実行され得る変動ゲームであるか否かについては、変動ゲームの保留条件の成立時に判定される一方で、実行中の変動ゲームがリーチ演出を含む演出内容で実行され得る変動ゲームであるか否かについては、変動ゲームの開始条件の成立時に判定される。これによれば、より正確に変動ゲームの変動内容を判定した上で、変動内容の組み合わせに応じて適切な演出態様で特定表示演出を実行させることができるため、より効果的に特定表示演出を楽しませることができる。
【0235】
(11)本実施形態では、特定表示演出の実行が決定された後にエラーが発生した場合、エラーの種類に応じて、エラーの発生前に決定したゲーム情報の表示態様をエラーの解除後にも引き継ぐか否かを異ならせることができる。これによれば、発生したエラーの種類ごとに適切な表示態様で特定表示演出を実行させることができるため、より効果的に特定表示演出を楽しませることができる。
【0236】
(12)本実施形態では、特定表示演出の実行が決定された後にパチンコ遊技機10への電力供給が停止され、その後に電力供給が再開されたときには、電力供給が停止されたタイミングに応じて、電力供給が停止される前に決定したゲーム情報の表示態様を引き継ぐか否かを異ならせることができる。これによれば、電力供給が停止されたタイミングに応じて適切な表示態様で特定表示演出を実行させることができるため、より効果的に特定表示演出を楽しませることができる。
【0237】
上述した実施形態は、以下のように変更して実施することができる。なお、上述した実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
【0238】
・各種のエラーの解除条件は、適宜変更してもよい。例えば、電波エラーについて、パチンコ遊技機10への電力供給の停止を解除条件としてもよい。この場合、副制御CPU31aは、パチンコ遊技機10への電力供給の再開後には、電波エラーの発生前に決定した表示態様とは異なる表示態様でゲーム情報を表示させるようにしてもよい。
【0239】
・エラーの解除条件と、エラー報知の終了条件とは、異なる条件であってもよい。例えば、エラー報知の終了条件は、エラーの解除条件が成立してから所定時間が経過したときに成立する条件であってもよい。この場合、副制御CPU31aは、エラーが発生したことを契機としてゲーム情報を非表示とする場合、エラーの解除条件が成立した場合であっても、エラー報知の終了条件が成立するまでの間、引き続きゲーム情報を非表示とするように制御してもよい。
【0240】
・特定表示演出の実行が決定された後にエラーが発生し、その後にエラーが解除されたときの制御については、適宜変更してもよい。例えば、副制御CPU31aは、発生したエラーの種類に関わらず、エラーの解除後には、エラーの発生前に決定した表示態様でゲーム情報を表示させるようにしてもよい。また、副制御CPU31aは、発生したエラーの種類に関わらず、エラーの解除後には、エラーの発生前に決定した表示態様とは異なる表示態様でゲーム情報を表示させるようにしてもよい。
【0241】
・エラー報知中のゲーム情報の表示態様は、適宜変更してもよい。例えば、副制御CPU31aは、エラー報知中にゲーム情報を表示させる場合、エラーの発生前に決定した表示態様とは異なる表示態様でゲーム情報を表示させるようにしてもよい。また、副制御CPU31aは、発生したエラーの種類に関わらず、エラー報知中には、ゲーム情報が表示されないようにしてもよい。また、副制御CPU31aは、発生したエラーの種類に関わらず、エラー報知中にも、ゲーム情報を表示させるようにしてもよい。
【0242】
・特定表示演出の対象となる変動ゲームが保留された後にパチンコ遊技機10への電力供給が停止された場合、該特定表示演出の対象となる変動ゲームの開始前に電力供給が停止されたときと、該特定表示演出の対象となる変動ゲームの開始後に電力供給が停止されたときとで、その後に電力供給が再開されたときの制御を異ならせてもよい。例えば、特定表示演出の対象となる変動ゲームが保留された後であって、該特定表示演出の対象となる変動ゲームの開始前に電力供給が停止されたときには、副制御CPU31aは、特定表示演出の対象となる変動ゲームの実行中に該特定表示演出の対象となる変動ゲームを示すゲーム情報の表示態様を変化可能に制御する。一方で、特定表示演出の対象となる変動ゲームが保留された後であって、該特定表示演出の対象となる変動ゲームの開始後に電力供給が停止されたときには、副制御CPU31aは、特定表示演出の対象となる変動ゲームの実行中に該特定表示演出の対象となる変動ゲームを示すゲーム情報の表示態様を変化させないように制御してもよい。
【0243】
・特定表示演出の実行が決定された後にパチンコ遊技機10への電力供給が停止され、その後に電力供給が再開されたときの制御については、適宜変更してもよい。例えば、電力供給が停止されたタイミングに関わらず、電力供給の再開後には、電力供給の停止前に決定された表示態様でゲーム情報を表示させるようにしてもよい。また、電力供給が停止されたタイミングに関わらず、電力供給の再開後には、電力供給の停止前に決定された表示態様とは異なる表示態様でゲーム情報を表示させるようにしてもよい。
【0244】
・実行中の変動ゲーム及び保留中の変動ゲームの中にリーチ演出を含む演出内容で実行され得る変動ゲームが含まれているときと、リーチ演出を含む演出内容で実行され得る変動ゲームが含まれていないときとで、特定表示演出の演出態様の一部又は全部を異ならせる場合に、異ならせる内容は適宜変更可能である。例えば、副制御CPU31aは、特定表示演出の演出態様を異ならせるに際して、入賞時表示態様に代えて又は加えて、入賞時表示態様とは異なる表示態様として決定可能な表示態様の種類を異ならせてもよい。また例えば、副制御CPU31aは、特定表示演出の演出態様を異ならせるに際して、決定可能な表示態様に代えて又は加えて、特定表示演出の実行確率や実行タイミングを異ならせてもよい。また、副制御CPU31aは、実行中の変動ゲーム及び保留中の変動ゲームの中にリーチ演出を含む演出内容で実行され得る変動ゲームが含まれているときには、特定表示演出を実行させない一方で、リーチ演出を含む演出内容で実行され得る変動ゲームが含まれていないときには、特定表示演出を実行可能としてもよい。
【0245】
・特定表示演出の対象となる変動ゲームの保留時点で実行中の変動ゲーム及び保留中の変動ゲームの中にリーチ演出を含む演出内容で実行され得る変動ゲームが含まれているときには、リーチ演出を含む演出内容で実行され得る変動ゲームが含まれていないときとは異なる演出態様で特定表示演出が実行されるようにしてもよい。例えば、副制御CPU31aは、特定表示演出の対象となる変動ゲームの保留時点で実行中の変動ゲーム及び保留中の変動ゲームの中にリーチ演出を含む演出内容で実行され得る変動ゲームが含まれている場合には、リーチ演出を含む演出内容で実行され得る変動ゲームが含まれていないときには決定不能な表示態様を決定可能であってもよい。
【0246】
・副制御CPU31aは、実行中の変動ゲーム及び保留中の変動ゲームの中にリーチ演出を含む演出内容で実行され得る変動ゲームが含まれている場合であっても、特定表示演出の対象となる変動ゲームを示すゲーム情報の表示対応を変化させる制御が可能であってもよい。言い換えれば、副制御CPU31aは、特定表示演出の対象となる変動ゲームの保留時点で実行中の変動ゲーム及び保留中の変動ゲームの中にリーチ演出を含む演出内容で実行され得る変動ゲームが含まれているか否かに関わらず、特定表示演出によりゲーム情報の表示態様が変化され得るタイミングを同一としてもよい。
【0247】
・副制御CPU31aは、特定表示演出の対象となる変動ゲームの保留時点で実行中の変動ゲーム及び保留中の変動ゲームの中にリーチ演出を含む演出内容で実行され得る変動ゲームが含まれている場合、何れの変動ゲームがリーチ演出を含む演出内容で実行され得る変動ゲームであるかに関わらず、同一の制御により特定表示演出を実行させてもよい。
【0248】
・副制御CPU31aは、実行中の変動ゲームがリーチ演出を含む演出内容で実行され得る変動ゲームであるか否かを判定するに際しては、該実行中の変動ゲームの保留条件が成立したときに入力した先読みコマンドに基づいて判定するようにしてもよい。即ち、条件設定処理において、実行中の変動ゲームがリーチ演出を含む演出内容で実行され得る変動ゲームであるか否かを判定するときの条件と、保留中の変動ゲームがリーチ演出を含む演出内容で実行され得る変動ゲームであるか否かを判定するときの条件とは、同一であってもよい。
【0249】
・特定表示演出の対象となる変動ゲームを示すゲーム情報の表示態様を決定するタイミング及び順序は、適宜変更してもよい。例えば、副制御CPU31aは、実行中表示態様について、特定表示演出の対象となる変動ゲームの保留条件が成立したときに決定するようにしてもよい。また、副制御CPU31aは、入賞時表示態様、保留中表示態様、開始時表示態様、実行中表示態様、及び最終表示態様について、入賞時表示態様を最初に決定した後、訪れるタイミングが早い順に残りの各表示態様を決定してもよいし、最終表示態様を最初に決定し、訪れるタイミングが遅い順に残りの各表示態様を決定してもよい。
【0250】
・副制御CPU31aは、特定表示演出の対象となる変動ゲームの保留時点で実行中の変動ゲーム及び保留中の変動ゲームのうち、何れか一方がリーチ演出を含む演出内容で実行され得る変動ゲームである場合と、両方がリーチ演出を含む演出内容で実行され得る変動ゲームである場合とで、特定表示演出を実行させる制御を異ならせてもよい。例えば、特定表示演出の実行確率や、表示態様の決定確率、実行タイミングなどを異ならせてもよい。
【0251】
・副制御CPU31aは、特定表示演出の実行が決定されている場合に新たに変動ゲームの保留条件が成立したときには、新たに保留された変動ゲームを対象として特定表示演出の実行を決定可能であってもよい。即ち、副制御CPU31aは、保留されている期間の一部が重複する異なる2以上の変動ゲームに対して、それぞれ特定表示演出の実行を決定可能であってもよい。また、この場合、副制御CPU31aは、保留されている期間の一部が重複する異なる2以上の変動ゲームに対して、特定表示演出を並行して実行可能であってもよい。
【0252】
・条件設定処理において、入賞時表示態様の制限条件及び保留中変化可能回数を決定するに際して判定する特定変動内容は、適宜変更してもよい。例えば、特定変動内容は、大当りとなる変動内容であってもよい。即ち、副制御CPU31aは、実行中の変動ゲーム及び保留中の変動ゲームの中に、リーチ演出を含む演出内容で実行され得る変動ゲームが含まれているか否かに代えて、大当りとなる変動内容で実行され得る変動ゲームが含まれているか否かに応じて、特定表示演出の演出態様を異ならせてもよい。また、副制御CPU31aは、実行中の変動ゲーム及び保留中の変動ゲームの中に、特定の種類の大当りとなる変動ゲームが含まれているか否かに応じて、特定表示演出の演出内容を異ならせてもよいし、特定の種類のリーチ演出が含まれているか否かに応じて、特定表示演出の演出内容を異ならせてもよい。この場合、特定の種類の大当りは、例えば、大当り遊技の終了後に高確率状態に制御される大当りとしてもよいし、大当り遊技におけるラウンド数が特定回数以上である大当りとしてもよい。また、特定の種類のリーチ演出は、例えば、第1の種類に分類されるリーチ演出よりも大当り期待度が高い第2の種類に分類されるリーチ演出としてもよい。
【0253】
・特定表示演出においてゲーム情報の表示態様が変化し得るタイミングは、適宜変更してもよい。
・特定表示演出について、入賞時表示態様の制限条件の内容は、適宜変更してもよい。例えば、副制御CPU31aは、実行中の変動ゲーム及び保留中の変動ゲームの中にリーチ演出を含む演出内容で実行され得る変動ゲームが含まれている場合には、入賞時表示態様として特殊表示態様及び第1~第3特別表示態様の何れも決定することなく、通常表示態様を決定するようにしてもよい。
【0254】
・特定表示演出の対象となる変動ゲームが保留された時点で、実行中の変動ゲームの中に特定変動内容で実行され得る変動ゲームが含まれている場合と、保留中の変動ゲームの中に特定変動内容で実行され得る変動ゲームが含まれている場合とでは、特定表示演出の演出態様を異ならせてもよい。例えば、副制御CPU31aは、特定表示演出の対象となる変動ゲームが保留された時点で、実行中の変動ゲームの中に特定変動内容で実行され得る変動ゲームが含まれている場合と、保留中の変動ゲームの中に特定変動内容で実行され得る変動ゲームが含まれている場合とで、入賞時表示態様の制限条件を異ならせてもよい。一例として、副制御CPU31aは、実行中の変動ゲームの中に特定変動内容で実行され得る変動ゲームが含まれており、且つ、保留中の変動ゲームの中に特定変動内容で実行され得る変動ゲームが含まれていない場合には、入賞時表示態様として決定可能な表示態様を制限する。一方で、副制御CPU31aは、実行中の変動ゲームの中に特定変動内容で実行され得る変動ゲームが含まれておらず、且つ、保留中の変動ゲームの中に特定変動内容で実行され得る変動ゲームが含まれている場合には、入賞時表示態様として決定可能な表示態様を制限しないようにしてもよい。また別の一例として、副制御CPU31aは、実行中の変動ゲームの中に特定変動内容で実行され得る変動ゲームが含まれており、且つ、保留中の変動ゲームの中に特定変動内容で実行され得る変動ゲームが含まれていない場合には、入賞時表示態様として決定可能な表示態様を制限しない。一方で、副制御CPU31aは、実行中の変動ゲームの中に特定変動内容で実行され得る変動ゲームが含まれておらず、且つ、保留中の変動ゲームの中に特定変動内容で実行され得る変動ゲームが含まれている場合には、入賞時表示態様として決定可能な表示態様を制限するようにしてもよい。
【0255】
・特定演出は、変動ゲームを示すゲーム情報の表示態様を変化させることにより、該ゲーム情報に対応する変動ゲームの内容を報知する演出でなくてもよく、保留条件の成立を契機として保留された変動ゲームを対象として実行される演出であればよい。例えば、保留条件の成立を契機として演出表示装置EHに表示される背景画像を変化させることにより、保留された変動ゲームを対象として、該変動ゲームの内容を報知する演出であってもよい。
【0256】
・副制御CPU31aは、条件設定処理において、保留中の変動ゲームのうち所定の変動ゲームが特定変動内容で実行され得る変動ゲームであると判定した場合に、その時点で特定変動内容で実行され得る変動ゲームであるかを判定していない変動ゲームについても同様に、特定変動内容で実行され得る変動ゲームであるかを判定するようにしてもよい。また、副制御CPU31aは、保留中の変動ゲームの中に特定変動内容で実行され得る変動ゲームが含まれていると判定した場合であっても、実行中の変動ゲームが特定変動内容で実行され得る変動ゲームであるかを判定するようにしてもよい。この場合、副制御CPU31aは、実行中の変動ゲーム及び保留中の変動ゲームの中に含まれている特定変動内容で実行され得る変動ゲームの数に応じて、特定表示演出の演出態様を異ならせるように制御してもよい。
【0257】
・低入球率状態中に第2特別ゲームの保留条件が成立した場合、主制御CPU30aは、先読みコマンドを生成しないようにしてもよい。同様に、高入球率状態中に第1特別ゲームの保留条件が成立した場合、主制御CPU30aは、先読みコマンドを生成しないようにしてもよい。
【0258】
・副制御RAM31cのバックアップ機能を備えていないパチンコ遊技機に具体化してもよい。
・情報表示演出及び特定表示演出は、対象となる変動ゲームが保留されているときに実行可能である一方で、対象となる変動ゲームが実行されているときには実行されなくてもよい。この場合、演出表示装置EHは、実行中表示領域HR0及び実行中の変動ゲームを示すゲーム情報G0を表示しなくてもよい。
【0259】
・情報表示演出及び特定表示演出は、演出表示装置EHとは異なる演出実行手段により実行される演出であってもよい。例えば、副制御CPU31aは、装飾ランプLaを用いて特別ゲームを示すゲーム情報を提示し、該装飾ランプLaの発光態様を変化させることにより、情報表示演出及び特定表示演出を実行させてもよい。
【0260】
・パチンコ遊技機10の確率状態として、3種類以上の確率状態を備えた遊技機に具体化してもよい。また、パチンコ遊技機10の確率状態として、1種類の確率状態を備えた遊技機に具体化してもよい。即ち、確率変動機能を備えていない遊技機に具体化してもよい。
【0261】
・パチンコ遊技機10のベース状態として、3種類以上の入球率状態を備えた遊技機に具体化してもよい。また、パチンコ遊技機10の入球率状態として、1種類の入球率状態を備えた遊技機に具体化してもよい。即ち、入球補助機能を備えていない遊技機に具体化してもよい。
【0262】
・副制御基板31をサブ統括制御基板とし、副制御基板31とは別に、演出表示装置EHを専門に制御する表示制御基板と、スピーカSpを専門に制御する音声制御基板と、装飾ランプLaを専門に制御するランプ制御基板と、を個別に設けてもよい。また、表示制御基板と、音声制御基板と、ランプ制御基板と、のうち一部または全部の基板を同一の基板としてもよい。また、副制御CPU31aは、単一の基板上に実装された複数のCPUから構成されていてもよい。
【0263】
・パチンコ遊技機10は、主制御基板30の機能と副制御基板31の機能とを統合した単一の制御基板を備えてもよい。また、主制御基板30の機能は、複数の基板に分割して実現してもよい。主制御CPU30aは、単一の基板上に実装された複数のCPUから構成されていてもよい。
【0264】
・第1特別ゲームと第2特別ゲームとは、各始動口13,14への遊技球の入球順序に従って実行してもよく、同時に並行して実行してもよい。また、第2特別ゲームを省略してもよい。
【0265】
・特別保留数の最大値は、適宜変更してもよい。また、第1特別保留数の最大値と、第2特別保留数の最大値とは、異なる値であってもよい。また、主制御CPU30aは、第1特別ゲームと、第2特別ゲームと、のうち何れか一方または両方について、実行を保留しないように制御してもよい。
【0266】
・演出ゲームを実行しないパチンコ遊技機に具体化してもよい。この場合、演出表示装置EHに特別図柄を表示するとよい。
本実施形態及び変更例から把握できる技術的思想について記載する。
【0267】
(イ)前記特定演出の実行中に前記保留条件が成立したときには、該保留条件の成立を契機として保留された変動ゲームを対象としては前記特定演出の実行を決定しない。
(ロ)前記判定手段は、前記保留条件の成立時に、該保留条件の成立を契機として保留された変動ゲームの変動内容を事前判定する事前判定処理と、前記開始条件の成立時に、該開始条件の成立を契機として開始される変動ゲームの変動内容を判定する開始判定処理と、を実行するようになっており、前記事前判定処理で変動ゲームの変動内容を判定するときの条件と、前記開始判定処理で変動ゲームの変動内容を判定するときの条件とは、異なる。
【符号の説明】
【0268】
A1…第1アクチュエータ A2…第2アクチュエータ EH…演出表示装置(演出実行手段) G0~G4…ゲーム情報 GH…画像表示部 HD…発射ハンドル HP1~HP6…変動パターン HR0…実行中表示領域 HR1…保留表示領域 La…装飾ランプ SC1~SC8…先読みコマンド SE1…第1始動センサ SE2…第2始動センサ SE3…カウントセンサ SE4…ゲートセンサ Sp…スピーカ SW1…RAMクリアスイッチ SW2…エラー解除スイッチ YB…遊技盤 YBa…遊技領域 10…パチンコ遊技機 11…枠体 11a…設置枠 11b…搭載枠 11c…施錠装置 12…情報表示装置 12a…第1特別図柄表示部 12b…第2特別図柄表示部 12c…第1特別保留表示部 12d…第2特別保留表示部 12e…普通図柄表示部 12f…普通保留表示部 13…第1始動口 14…第2始動口 15…普通可変部材 16…大入賞口 17…特別可変部材 25…ゲート 30…主制御基板 30a…主制御CPU(判定手段、エラー検知手段) 30b…主制御ROM 30c…主制御RAM 31…副制御基板 31a…副制御CPU(判定手段、演出制御手段) 31b…副制御ROM 31c…副制御RAM