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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-13
(45)【発行日】2023-12-21
(54)【発明の名称】キャスターストッパ
(51)【国際特許分類】
   B60B 33/00 20060101AFI20231214BHJP
   B60T 3/00 20060101ALI20231214BHJP
【FI】
B60B33/00 Z
B60B33/00 501Z
B60T3/00
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2022189108
(22)【出願日】2022-11-28
(62)【分割の表示】P 2018148291の分割
【原出願日】2018-08-07
(65)【公開番号】P2023021146
(43)【公開日】2023-02-09
【審査請求日】2022-11-28
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】512060334
【氏名又は名称】株式会社マルイチ
(74)【代理人】
【識別番号】100101878
【弁理士】
【氏名又は名称】木下 茂
(72)【発明者】
【氏名】兵頭 一孝
【審査官】久保田 信也
(56)【参考文献】
【文献】実開平03-047202(JP,U)
【文献】実開平05-094520(JP,U)
【文献】特開2003-326911(JP,A)
【文献】米国特許第05513727(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60B 33/00
B60T 3/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
天然ゴムまたは合成ゴムで形成され、キャスターの周囲を囲むことによって前記キャスターの回転を規制する、環状に形成された壁部と、
前記壁部を弾性変形するように応力を加える、前記壁部の外周面と一体に設けられた一対のツマミと、
を備えたキャスターストッパにおいて、
前記キャスターに着脱するために前記壁部に設けられた前記壁部の周方向において互いに対向する一対の開放端と、
前記壁部の径方向において前記開放端と対向した、前記壁部の内周面側から径方向外側に延設されたスリットと、
前記スリットに外側端に接して設けられ、前記スリットより幅の大きい、前記壁部を貫通する、平面視上、円形若しくは楕円形の貫通孔と、
前記スリット及び貫通孔の両側に配置され、前記開放端における対向する面間隔を拡げる方向に、前記貫通孔から前記壁部の外周側における天然ゴムまたは合成ゴムを弾性変形するように応力を加える一対のツマミと、を有し、
前記一対のツマミの間における前記環状の壁部の外周面に、前記貫通孔に対向して前記第1の凹部が設けられていることを特徴とするキャスターストッパ。
【請求項2】
前記一対のツマミの両外側における前記環状の壁部の外周面に、第2、第3の凹部が設けられると共に、
前記一対のツマミの外周端が、前記環状の壁部の外周面から外方向に突出していることを特徴とする請求項1に記載されたキャスターストッパ。
【請求項3】
前記一対の開放端は、前記一対のツマミに応力が加えられていない状態では、前記天然ゴムまたは合成ゴムの弾性力によって、前記一対の開放端の対向面が接する状態になされることを特徴とする請求項1または請求項2に記載されたキャスターストッパ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、搬送台車等のキャスターの回転を規制するために、床や地面の上に設置されるキャスターストッパに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、重量のある物品を搬送する際には、キャスター付きの搬送台車等が用いられる。そして、搬送台車の停止時には、キャスターの意図しない動きを防止するためにキャスターストッパが用いられることも一般的である。
【0003】
このキャスターストッパには、各種態様のものが知られているが、キャスターを囲むように床や地面の上に設置されるものとしては、例えば、キャスターストッパを両手で拡げて着脱するもの(例えば特許文献1参照)や、キャスターの自重を用いてキャスターストッパを拡げるもの(例えば特許文献2参照)や、紐などの冶具を用いてキャスターストッパを拡げるもの(例えば特許文献3参照)などがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2005-28898号公報
【文献】特開2000-6605号公報
【文献】特許第5478766号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に示すようなキャスターストッパにあっては、両手で拡げて着脱しなければならず、その際、キャスターストッパを変形させるために大きな力を必要とするという課題があった。また、変形させるための力が一点に集中し、繰り返しの変形によってキャスターストッパに亀裂が生じるという課題があった。
【0006】
また、特許文献2に示すようなキャスターストッパにあっては、キャスターにキャスターストッパを当てて押し込むことにより、キャスターによってキャスターストッパが拡げられる。また、キャスターからキャスターストッパを取り外す際には、キャスターストッパの取っ手を持って、キャスターから強制的に引き抜くことによってなされる。
この引き抜く際、引き抜くために大きな力を必要とし、また力が一点に集中し、繰り返しの変形によってキャスターストッパに亀裂が生じるという課題があった。
更に、開口部が形成されているため、キャスターに装着した際に、キャスターの全周を壁部で囲むことができず、確実にキャスターの回転を規制することができないという課題があった。
【0007】
更に、特許文献3に示すような、紐などの冶具を用いてキャスターストッパを拡げる場合には、比較的容易にキャスターストッパを着脱することができるものの、キャスターストッパを装着する際、両手で拡げる必要があり、労力を必要とするという課題があった。
また、使用後に紐などの冶具のためのスペースを必要とし、更に部品点数の増加に伴うコストアップを招来するという課題があった。
【0008】
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、片手で、かつ小さな力で着脱することができ、耐久性を有するキャスターストッパを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
かかる課題を解決すべくなされた本発明にかかるキャスターストッパは、天然ゴムまたは合成ゴムで形成され、キャスターの周囲を囲むことによって前記キャスターの回転を規制する、環状に形成された壁部と、前記壁部を弾性変形するように応力を加える、前記壁部の外周面と一体に設けられた一対のツマミと、を備えたキャスターストッパにおいて、前記キャスターに着脱するために前記壁部に設けられた前記壁部の周方向において互いに対向する一対の開放端と、前記壁部の径方向において前記開放端と対向した、前記壁部の内周面側から径方向外側に延設されたスリットと、前記スリットに外側端に接して設けられ、前記スリットより幅の大きい、前記壁部を貫通する、平面視上、円形若しくは楕円形の貫通孔と、前記スリット及び貫通孔の両側に配置され、前記開放端における対向する面間隔を拡げる方向に、前記貫通孔から前記壁部の外周側における天然ゴムまたは合成ゴムを弾性変形するように応力を加える一対のツマミと、を有し、前記一対のツマミの間における前記環状の壁部の外周面に、前記貫通孔に対向して前記第1の凹部が設けられていることを特徴としている。
【0010】
本発明にかかるキャスターストッパによれば、一対のツマミによって、開放端における対向する面間隔を拡げる際、貫通孔から壁部の第1凹部までの距離が小さいために、片手で、かつ小さな力で拡げることができる。
また、前記貫通孔が、平面視上、円形若しくは楕円形に形成されているため、当該弾性変形によってスリットの外側端に亀裂が生じることを抑制することができ、耐久性を向上させることができる。
【0011】
ここで、前記一対のツマミの両外側における前記環状の壁部の外周面に、第2、第3の凹部が設けられると共に、前記一対のツマミの外周端が、前記環状の壁部の外周面から外方向に突出していることが望ましい。
このように、前記一対のツマミの外周端が、前記壁部の外周面から外方向に突出する場合には、ツマミの長さ寸法(壁部の径方向の長さ寸法)を大きくすることができ、より小さな力で、一対の開放端における対向する面の面間隔を拡げることができる。
【0012】
また、一対のツマミの間に第1の凹部を形成し、かつ一対のツマミの外側に第2、第3の凹部を形成することによって、壁部に一対のツマミを形成することができ、追加の部品を必要としない。
【0013】
さらに、前記一対の開放端は、前記一対のツマミに応力が加えられていない状態では、前記天然ゴムまたは合成ゴムの弾性力によって、前記一対の開放端の対向面が接する状態になされることが好ましい。このように開放端の対向面が接する状態になれば、キャスターに装着した際に、キャスターの全周を壁部で囲むことができるので、より確実にキャスターの回転を規制することができる。
【0014】
また、前記一対の開放端の少なくとも一部に、外側から内側に向かって対向面の間隔が狭くなるテーパ面が形成されていることが好ましい。
このようにテーパ面が形成されていれば、キャスターに装着することがより容易になる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、片手でかつ小さな力で着脱することができ、耐久性を有するキャスターストッパを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1図1は、本発明にかかる第1の実施形態に係るキャスターストッパの外観斜視図である。
図2図2は、第1の実施形態に係るキャスターストッパの平面図である。
図3図3は、第1の実施形態に係るキャスターストッパの装着状態を示す斜視図である。
図4図4は、第1の実施形態に係るキャスターストッパの弾性変形を示す図である。
図5図5は、本発明にかかる第2の実施形態に係るキャスターストッパの外観斜視図である。
図6図6は、第2の実施形態に係るキャスターストッパの平面図である。
図7図7は、第2の実施形態に係るキャスターストッパの弾性変形を示す図である。
図8図8は、第3の実施形態に係るキャスターストッパの平面図である。
図9図9は、第4の実施形態に係るキャスターストッパの平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面を参照しながら、本発明の第1~4の実施形態にかかるキャスターストッパを詳細に説明する。ただし、以下の説明で参照される図面は模式的なものであり、寸法またはその比率が実際のものとは異なる場合がある。
【0018】
図1および図2は、それぞれ、第1の実施形態に係るキャスターストッパの外観斜視図と平面図である。
図1および図2に示すように、第1の実施形態に係るキャスターストッパ1は、円環状の壁部2と、壁部2の外周面から内周面に向けて径方向に延設された互いに対向する一対の開放端3a,3bと、開放端3a,3bと壁部2の径方向において対向した壁部2の内側(内周面)から壁部2の径方向に延設されたスリット4と、スリット4の外側端に接して設けられた、平面視上、円形若しくは楕円形の貫通孔5と、壁部2の外周面に設けられた一対のツマミ6a,6bとを有している。
【0019】
前記壁部2は、後述するように、キャスターの周囲を実質的に囲むことによってキャスターの回転を規制するためのものであり、弾性材料で形成されている。
壁部2の形成に用いる弾性材料は、例えば、天然ゴムまたはスチレン・ブタジエンゴム(SBR)やエチレンプロピレンゴム(EPDM)などの合成ゴムを用いることができる。
【0020】
壁部2の形状は、図1および図2に示すように、円環状であることが好ましいが、これに限定されるものではない。例えば、壁部2の形状を矩形環状や楕円環状とすることや、U字に近い形状とすることも可能である。壁部2の形状は、キャスターの回転を規制し得るようにキャスターの周囲を実質的に囲む形状であれば、その形状を目的に応じて適宜設計することが可能である。
尚、キャスターの全周囲を囲む場合には、キャスターの回転をより完全に規制し得るため、好ましい。
【0021】
前記一対の開放端3a,3bは、壁部2の一部に設けられ、壁部2の周方向において互いに対向している。一対の開放端3a,3bは、キャスターに着脱するための間隙を形成するためのものであり、壁部2の外周面に設けられた一対のツマミ6a,6bに応力(外力)を加えることにより、一対の開放端3a,3bにおける対向する面の面間隔を拡げることができるように構成されている。
【0022】
また、図1および図2に示すように、一対の開放端3a,3bは、一対のツマミ6a,6bに応力(外力)が加えられていない状態では、弾性材料の弾性力によって、一対の開放端3a,3bの対向面が接する状態になされることが好ましい。
このような一対の開放端3a,3bは、成形後(製造後)の壁部2を切断することによって形成することが可能である。
【0023】
前記スリット4は、壁部2の径方向において、開放端3a,3bと対向した位置の壁部2の内周面(内側)から外周面(外側)に向けて設けられており、成形後(製造後)の壁部2に切れ込みを入れることによって形成することが可能である。
壁部2を貫通する貫通孔5は、スリット4の外側端に接して(連通して)設けられており、その形状は円形に近い形状とすることが好ましいが、弾性材料の変形に伴う力が集中しないような形状であれば、楕円形等の形状であっても構わない。
このように、前記貫通孔5が、平面視上、円形若しくは楕円形に形成されているため、当該弾性変形によってスリット4の外側端に亀裂が生じるのを抑制することができ、耐久性を向上させることができる。
【0024】
壁部2の外周面側に設けられた一対のツマミ6a,6bは、貫通孔5から壁部2の外周側の領域Aにおける弾性材料を弾性変形するように応力(外力)を加えるためのものである。
したがって、一対のツマミ6a,6bは、貫通孔5から壁部2の外周側の領域Aに効率よく応力(外力)を加えるために、スリット4および貫通孔5に関して左右対称の位置に配置することが好ましい。
【0025】
この一対のツマミ6a,6bは、前記したように、開放端3a,3bとスリット4を結ぶ線に対して、左右対称の位置(両側)に配置され、前記一対のツマミ6a,6bの外周端は、図1に示すように前記壁部2の外周面から外方向に突出して形成されている。
このように、前記一対のツマミ6a,6bの外周端を、前記壁部2の外周面から外方向に突出して形成することにより、ツマミ6a,6bの長さ寸法(壁部2の径方向の長さ寸法)を大きくすることができ、より小さな力で、一対の開放端3a,3bにおける対向する面の面間隔を拡げることができる。
尚、ツマミ6a,6bの突出の長さ寸法があまりにも大きい場合には、使用中、キャスターストッパが邪魔になるため、好ましくない。
【0026】
この一対のツマミ6a,6bは、成形により、前記壁部2と一体に形成することができる。あるいはまた前記壁部2に対して、別個に形成した一対のツマミ6a,6bを接着あるいは螺子等の手段を用いて取付けても良い。
【0027】
図3は、第1の実施形態に係るキャスターストッパの装着状態を示す斜視図である。図3に示すように、本実施形態に係るキャスターストッパ1では、壁部2がキャスターCの周囲を実質的に囲むことによってキャスターCの回転を規制する。
尚、キャスターCの種類は、単輪、双輪、球状など各種のものが知られているが、これらの種類に限定されずに用いることができる。また、キャスターCの大きさに従って、キャスターストッパ1の大きさも各種のものを用意することで対応することが可能である。
【0028】
図4は、第1の実施形態に係るキャスターストッパの弾性変形を示す図である。図4に示すように、この実施形態に係るキャスターストッパ1では、一対のツマミ6a,6bを指F(片手の指)で摘み、貫通孔5から壁部2の外周側の領域Aにおける弾性材料を弾性変形するように応力(外力)を加える。
このような操作により、一対のツマミ6a,6bの間隔が狭まることによって、反対に、開放端3a,3bにおける対向する面間隔が拡がる方向に変形する。そして、開放端3a,3bにおける対向する面間隔がキャスターCの幅よりも広くなった状態で、キャスターCに装着する。
【0029】
このとき、前記したように、スリット4及び貫通孔5が形成されているため、一対のツマミ6a,6bを小さな力で摘むことによって、一対の開放端3a,3bにおける対向する面の面間隔を拡げることができ、キャスターストッパの装着を容易に行うことができる。
また、キャスターからキャスターストッパ1を取り外す際にも、一対のツマミ6a,6bの間隔を狭め、開放端3a,3bの面間隔を拡げることにより、キャスターストッパ1を容易に取り外すことができる。
【0030】
次に、第2の実施形態について図5図6図7に基づいて説明する。なお、以下で説明する実施形態は、上記説明した実施形態に係るキャスターストッパ1と多くの部分で共通するので、共通する構成に関しては同一の符号を付すことにより説明を省略する。
【0031】
この第2の実施形態は、図5図6に示すように、一対のツマミ6a,6bの間における壁部2の外周側に凹部7aが設けられている点に特徴がある。
このように凹部7aが設けられていることにより、図7に示すように、貫通孔5から壁部2の外周側の領域Aにおける弾性材料が肉薄となり、より小さな力で貫通孔5から壁部2の外周側の領域Aにおける弾性材料を弾性変形することができる。
【0032】
また、図5図6に示すように、一対となるツマミ6a,6bの外側における壁部2の外周側に凹部7b,7cを設けることで一対のツマミ6a,6bを形成しても良い。
このように一対のツマミ6a,6bの間に凹部7aを形成し、かつ一対のツマミ6a,6bの外側に凹部7b,7cを形成することによって、壁部に一対のツマミを形成することができる。この一対のツマミ6a,6bは、壁部2と一体成形によって形成することができ、追加の部品も必要としない。
また、前記したようにスリット4及び貫通孔5が形成されているため、図7に示すように、一対のツマミ6a,6bを片手で、かつ小さな力で摘むことによって、一対の開放端3a,3bにおける対向する面の面間隔を拡げることができ、キャスターストッパの着脱を容易に行うことができる。
【0033】
また、前記一対のツマミ6a,6bの外周端は、図5に示すように前記壁部2の外周面から外方向に突出していなくとも良く、あるいはまた突出していても良い。
このように、前記一対のツマミ6a,6bの外周端が、前記壁部2の外周面から外方向に突出しない場合には、使用していないときにツマミが邪魔にならないばかりでなく、使用中においても、ツマミ6a,6bを含むキャスターストッパが必要以上に大きくならないため、キャスターストッパが邪魔にならない。一方、前記一対のツマミ6a,6bの外周端が、前記壁部2の外周面から外方向に突出して形成されている場合には、前記したように、ツマミ6a,6bの長さ寸法(壁部2の径方向の長さ寸法)を大きくすることができ、より小さな力で、一対の開放端3a,3bにおける対向する面の面間隔を拡げることができる。
【0034】
次に、この第3、第4の実施形態について図8および図9に基づいて説明する。図8は、第3の実施形態に係るキャスターストッパの平面図である。図9は、第4の実施形態に係るキャスターストッパの平面図である。
なお、以下で説明する実施形態は、上記説明した実施形態に係るキャスターストッパ1と多くの部分で共通するので、共通する構成に関しては同一の符号を付すことにより説明を省略する。
【0035】
図8に示すように、このキャスターストッパ1aは、一対の開放端3a,3bの少なくとも一部に外側から内側に向かって対向面の間隔が狭くなるテーパ面8a,8bが形成されている。このキャスターストッパ1aは、このようにテーパ面8a,8bが形成されていることで、キャスターに装着することがより容易になっている。
【0036】
具体的には、キャスターに装着する際は、キャスターにキャスターストッパ1aを押し込むことにより、キャスターをテーパ面8a,8bに対して相対的に移動させ、一対の開放端3a,3bを拡げ、キャスターをキャスターストッパ1a内部(壁部2内部)に導入し、装着する。尚、この変形例においても、一対のツマミ6a,6bを摘み、一対のツマミ6a,6bの間隔を狭め、開放端3a,3bの面間隔を拡げることにより、キャスターにキャスターストッパ1aを装着しても良い。
一方、キャスターからキャスターストッパ1aを取り外す際には、一対のツマミ6a,6bの間隔を狭め、開放端3a,3bの面間隔を拡げることにより、キャスターストッパ1aを取り外すことができる。
【0037】
また、図9に示す第4の実施形態にあっては、キャスターストッパ1bは、一対のツマミ6a,6bに力が加えられていない状態で、対向する開放端3a,3bが一定寸法離間している。
このように、対向する開放端3a,3bが離れた状態から弾性変形させる場合には、変形量が小さいため、片手で、かつより小さな力で対向する開放端3a,3bを拡げることができる。
即ち、このキャスターストッパ1bは、より小さな力でキャスターに装着することができる。
【0038】
ところで、対向する開放端3a,3b2間の寸法をWとした場合、この寸法Wがキャスターの車輪接地面幅rよりも大きい場合には、キャスターの意図しない動きを防止する機能を失うことになる。
従って、対向する開放端3a,3b2間の寸法Wは、キャスターの車輪接地面幅rよりも狭いことが好ましい。また、より好ましくは、対向する開放端3a,3b2間の寸法Wは、キャスターの車輪接地面幅rの80%以下とすることが好適である。
【符号の説明】
【0039】
1,1a,1b キャスターストッパ
2 壁部
3a,3b 開放端
4 スリット
5 貫通孔
6a,6b ツマミ
7a,7b,7c 凹部
A 領域
C キャスター
F 指
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9