IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ コンクリートコーリング株式会社の特許一覧

特許7402564切断深さ設定装置及びこれを備えた切断装置
<>
  • 特許-切断深さ設定装置及びこれを備えた切断装置 図1
  • 特許-切断深さ設定装置及びこれを備えた切断装置 図2
  • 特許-切断深さ設定装置及びこれを備えた切断装置 図3
  • 特許-切断深さ設定装置及びこれを備えた切断装置 図4
  • 特許-切断深さ設定装置及びこれを備えた切断装置 図5
  • 特許-切断深さ設定装置及びこれを備えた切断装置 図6
  • 特許-切断深さ設定装置及びこれを備えた切断装置 図7
  • 特許-切断深さ設定装置及びこれを備えた切断装置 図8
  • 特許-切断深さ設定装置及びこれを備えた切断装置 図9
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-13
(45)【発行日】2023-12-21
(54)【発明の名称】切断深さ設定装置及びこれを備えた切断装置
(51)【国際特許分類】
   E01C 23/09 20060101AFI20231214BHJP
【FI】
E01C23/09 A
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2022212050
(22)【出願日】2022-12-28
【審査請求日】2023-03-06
(73)【特許権者】
【識別番号】391059414
【氏名又は名称】コンクリートコーリング株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100200942
【弁理士】
【氏名又は名称】岸本 高史
(72)【発明者】
【氏名】小澤 純
(72)【発明者】
【氏名】海老原 孝
(72)【発明者】
【氏名】藤田 裕行
【審査官】石川 信也
(56)【参考文献】
【文献】特開2021-084257(JP,A)
【文献】特開2005-188178(JP,A)
【文献】特開2002-322897(JP,A)
【文献】特開2016-023406(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E01C 21/00-23/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ボックス形状の機体本体に、移動用の左右の車輪が設けられ、その内部に動力源であるエンジンを備え、前記エンジンの駆動力を、前記機体本体の下方に配された回転軸であるブレードシャフトに伝動し、前記ブレードシャフトに固定された回転刃であるブレードを、前記ブレードシャフトと一体で回転させることで、切断対象物を切断する切断装置の切断深さを設定する切断深さ設定装置であって、
前記切断深さ設定装置は、従動ローラを備えた台車部上に、前記切断装置の隅角部を支持する支持部が嵌脱可能に設けられ、
前記支持部に設けられた上下位置の異なる複数の連結穴と、前記台車部に設けられた上下位置の異なる複数の被連結穴とを備え、前記連結穴と前記被連結穴を連結する連結ピンの貫入係合による連結位置を選択することにより、前記支持部の高さを上下に調節して切断深さを設定可能に構成されたことを特徴とする切断深さ設定装置。
【請求項2】
前記切断深さ設定装置は、前記支持部及び前記台車部にそれぞれ設けられた切欠きにより形成された左右方向に貫通する空洞部を備え、前記空洞部に前記ブレードシャフトを挿通した状態で、前記切断装置を支持可能に構成されたことを特徴とする請求項1に記載の切断深さ設定装置。
【請求項3】
前記連結穴は、前記支持部に前後一対で設けられ、前後それぞれ、所定間隔で、前方に向かって登り傾斜または下り傾斜を有するように並べて配列されており、
前記被連結穴は、前記台車部に前後一対で設けられ、前後それぞれ、所定間隔で、前方に向かって登り傾斜または下り傾斜を有するように並べて配列されており、
前記連結穴及び前記非連結穴から前後それぞれ1つの連結位置を選択することで、前記台車部に対して前記支持部を、傾斜姿勢または水平姿勢で固定できるよう構成されたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の切断深さ設定装置。
【請求項4】
請求項に記載の切断深さ設定装置が装着された切断装置。
【請求項5】
前記切断装置は、切断時の姿勢を安定させる姿勢安定機構を備え、
前記姿勢安定機構は、前記切断装置の機体本体の正面下部の左右方向略中央に取り付け固着された支持ベース部材に、上下方向を長手とする高さ調節ロッドが取り付けられ、前記高さ調節ロッドの下端には、転輪自在なキャスター輪が設けられ、
前記高さ調節ロッドは、螺条を有するスクリューロッドであり支持ベース部材に螺合貫通するようにして取り付けられ、回動操作により、前記支持ベース部材に対して上下に固定位置を調節できるよう構成されたことを特徴とする請求項4に記載の切断装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、コンクリートの切断時に用いられる切断深さ調節装置及び切断装置に関する。
【背景技術】
【0002】
コンクリート舗装又はアスファルト舗装された道路の補修現場においては、既存の舗装面を切断する切断装置が使用される。この切断装置は、円板状をなす回転刃を、エンジン駆動される回転軸に取り付け、前記回転刃の外周に設けた刃を舗装面に押し付けて切断する構成となっている。
【0003】
この回転刃による舗装面の切断深さは、回転刃の下降量を加減することで調整される。この調整は、一般的に作業者の手作業により行われるが、例えば、橋梁、高速道路等の補修現場においては、舗装面の下に存在する構造物と回転刃との接触を防止するために切断深さを正確に調整する必要がある。
【0004】
そこで、特許文献1には、回転刃の一側に突出する回転軸の先端部に、前記回転刃よりも小径に形成された、切断深さ設定用の円盤(以下、単に、「円盤」という。)を固定し、該円盤と回転刃との寸法差が切断深さとなるように設定可能とした切断深さ設定装置に関する発明が開示されている。係る発明によれば、舗装面の切断時に回転刃が一定量下降すると、この円盤が舗装面に接触して回転刃の下降量を規制する。これにより、回転刃による舗装面の切断深さが設定される仕組みとなっている。
【0005】
また、特許文献2には、上記特許文献1記載の発明の円盤が、回転軸と共に回転し、舗装面に接触すると摩耗してしまう問題に対し、円盤に転がり軸受を設けて、回転軸から伝達される回転力を遮断することで、円盤の回転を抑えて摩耗を防止するよう構成された発明が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2002―322897号公報
【文献】特開2016-23406号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1及び特許文献2に記載の発明によれば、切断深さの設定において、作業者が所望する切断深さと対応する径を備えた円盤が必要であるため、作業時、切断深さを段階的に調節可能とするためには、数種類の径の異なる円盤が必要である。したがって、円盤の数に比例し製作コストが高くなるため、コスト面での改善が望まれていた。さらに、径の異なる円盤を幾つも用意しない限り、切断深さの細かな調節が難しく、作業の準備が煩雑であった。加えて、作業時においては、切断深さの設定や調節時に、都度、円盤の着脱作業が発生し、これにより、作業時間の増大を招くものであった。
【0008】
本発明は、上記問題を鑑みてなされたものであり、従来よりも、製作コストを低減しつつ、簡易な操作によって切断深さの設定や調節が可能な切断深さ設定装置及びこれを備えた切断装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため、第1の発明は、
ボックス形状の機体本体に、移動用の左右の車輪が設けられ、その内部に動力源であるエンジンを備え、前記エンジンの駆動力を、前記機体本体の下方に配された回転軸であるブレードシャフトに伝動し、前記ブレードシャフトに固定された回転刃であるブレードを、前記ブレードシャフトと一体で回転させることで、切断対象物を切断する切断装置の切断深さを設定する切断深さ設定装置であって、
前記切断深さ設定装置は、従動ローラを備えた台車部上に、前記切断装置の隅角部を支持する支持部が嵌脱可能に設けられ、
前記支持部に設けられた上下位置の異なる複数の連結穴と、前記台車部に設けられた上下位置の異なる複数の被連結穴とを備え、前記連結穴と前記被連結穴を連結する連結ピンの貫入係合による連結位置を選択することにより、前記支持部の高さを上下に調節して切断深さを設定可能に構成されたことを特徴とする切断深さ設定装置を提供する。
【0010】
上記第1の発明によれば、従動ローラを備えた台車部上に、切断装置の隅角部を支持する支持部が嵌脱可能に設けられているから、ブレードを取り外すことなく切断装置に切断深さ設定装置を着脱でき、利便性が高く、作業を迅速化できる。さらに、連結ピンの貫入係合による連結位置を選択することにより、支持部の高さを上下に調節できるため、1つの装置によって多段階の切断深さの設定が可能となり、従来よりも、製作コストを低減できる。加えて、連結ピンの貫入係合による簡単な操作により切断深さの設定及び変更が可能である。これにより、作業時間を短縮できる。
【0011】
第2の発明は、上記第1の発明の構成に加え、
前記切断深さ設定装置は、前記支持部及び前記台車部にそれぞれ設けられた切欠きにより形成された左右方向に貫通する空洞部を備え、前記空洞部に前記ブレードシャフトを挿通した状態で、前記切断装置を支持可能に構成されたことを特徴とする。
【0012】
上記第2の発明によれば、上記第1の発明の効果に加え、切断深さ設定装置は、ブレードシャフトに非接触で干渉することなく、機体本体のブレードシャフトの直上位置への装着が可能となる。これにより、機体本体のブレードシャフトの直上位置の床面からの高さを調節できるため、切断深さを精度よく設定することができる。さらに、ブレードシャフトと非接触であることから、切断深さ設定装置の配設による回転エネルギーのロスも生じない(従来のブレードシャフトに円盤を取り付ける構成によれば、切断面等との摩擦によりブレードシャフトの回転が阻害されるため、ロスが生じる)。
【0013】
第3の発明は、上記第1または第2の発明の構成に加え、
前記連結穴は、前記支持部に前後一対で設けられ、前後それぞれ、所定間隔で、前方に向かって登り傾斜または下り傾斜を有するように並べて配列されており、
前記被連結穴は、前記台車部に前後一対で設けられ、前後それぞれ、所定間隔で、前方に向かって登り傾斜または下り傾斜を有するように並べて配列されており、
前記連結穴及び前記非連結穴から前後それぞれ1つの連結位置を選択することで、前記台車部に対して前記支持部を、傾斜姿勢または水平姿勢で固定できるよう構成されたことを特徴とする。
【0014】
上記第3の発明によれば、上記第1または第2の発明の効果に加え、切断装置は、切断深さを小さく(浅く)するほど、前後方向に対して前傾した状態、すなわち傾斜姿勢から、水平姿勢へと近づくため、これに応じて、支持部も傾斜姿勢から水平姿勢に設定可能としたことで、前側の従動ローラが接地した状態で後側の従動ローラが浮くことを防止することができる。その結果、切断深さに対応して、切断深さの設定や切断作業の精度をより良好に向上できる。
【0015】
第4の発明は、上記第1から第3のいずれかの発明に係る切断深さ設定装置が装着された切断装置を提供するものである。
【0016】
上記第4の発明によれば、簡易な構造により製作コストを低減しつつ、かつ、簡単な操作により切断深さの設定及び変更が可能であって、これにより、作業時間を短縮できる切断装置を提供できる。
【0017】
第5の発明は、上記第4の発明の構成に加え、
前記切断装置は、切断時の姿勢を安定させる姿勢安定機構を備え、
前記姿勢安定機構は、前記切断装置の機体本体の正面下部の左右方向略中央に取り付け固着された支持ベース部材に、上下方向を長手とする高さ調節ロッドが取り付けられ、前記高さ調節ロッドの下端には、転輪自在なキャスター輪が設けられ、
前記高さ調節ロッドは、螺条を有するスクリューロッドであり支持ベース部材に螺合貫通するようにして取り付けられ、回動操作により、前記支持ベース部材に対して上下に固定位置を調節できるよう構成されたことを特徴とする。
【0018】
上記第5の発明によれば、該姿勢安定機構によって、ブレード側の3点支持(左右で4点支持)が確保されて、より安定した切断が可能となり、切断作業の精度を向上できる。高さ調節ロッドにより、切断深さ設定装置により設定される切断深さに対応して、切断装置の支持高さを調節でき、安定した支持が可能となる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、従来よりも、製作コストを低減しつつ、簡易な操作によって切断深さの設定や調節が可能な切断深さ設定装置及びこれを備えた切断装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1図1は、本発明の実施形態に係る切断深さ設定装置及びこれを備えた切断装置の右側面図である。
図2図2は、同上の正面図である。
図3図3は、切断装置に装着前の切断深さ調節装置の分解斜視図である。
図4図4は、切断装置に装着後の切断深さ設定装置の斜視図である。
図5図5(a)は、切断深さ調節装置の支持部の略側面図であり、図5(b)は、切断深さ調節装置の台車部の略側面図である。
図6図6は、切断深さ調節装置の連結穴と、被連結穴の連結ピンによる連結の組み合わせと、その設定高さを示す一覧表である。
図7図7(a)は、切断深さを最小に設定した場合の切断深さ調節装置周辺の右側面図であり、図7(b)は、切断深さを中間(最小~最大の間)に設定した場合の同上の右側面図であり、図7(c)は、切断深さを最大の間に設定した場合の同上の右側面図である。
図8図8は、姿勢安定機構を取り付けた切断装置の右側面図である。
図9図9は、同上の切断装置の正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、添付図面に基づいて、本発明の好ましい実施形態につき、詳細に説明を加える。
図1は、本発明の実施形態に係る切断深さ設定装置B及びこれを備えた切断装置Aの右側面図であり、図2はその正面図である。なお、以下の説明において、図1の矢印Fで示される、切断装置Aの進行方向を前方、その反対方向を後方、前方を向いて、右側方向を右方、左側方向を左方という。
【0022】
図1及び図2に示されるように、本発明の好ましい実施形態は、コンクリート等の切断対象物を切断する切断装置Aと、該切断装置Aに装着され、該切断装置Aの切断深さdを設定する切断深さ設定装置Bとを備えている。
【0023】
切断装置Aは、ボックス形状の機体本体a1に、移動用の左右の車輪a2,a2が設けられ、その内部に動力源であるエンジンa3を備え、該エンジンa3の駆動力を、伝動ベルト(図示せず)によって、ブレードシャフトa4(回転軸ともいう。)に伝動し、該ブレードシャフトa4の先端に設けられたブレードフランジa5に、取り付け固定されたブレードa6(回転刃ともいう。)を、該ブレードシャフトa4と一体で回転させることで、切断対象物を切断する。なお、左右の車輪a2,a2の前方には、補助輪a7が設けられている。補助輪a7は、シリンダの伸縮により上げ下げ可能となっており、下げ時には、切断装置Aの前部を持ち上げる姿勢とできる。
【0024】
車輪a2は、機体本体の後部下側に左右一対で設けられており、該ブレードシャフトa4は、機体本体a1の前部下側に回転自在に軸支され、切断作業時においては、車輪a2の車軸を中心に、機体本体a1の前側を回動して上下に昇降すると、これに応じて、切断深さdが変更される。なお、切断装置Aの公知の構造について、説明は省略するが、例えば、特開2014-70427号を参照されたい。
【0025】
<切断深さ調節装置の着脱構造>
図3は、装着前の切断深さ調節装置Bの分解斜視図であり、図4は、装着後の切断深さ設定装置Bの斜視図である。
【0026】
図3及び図4に示されるように、切断深さ調節装置Bは、切断装置Aの左右のうち、ブレードa6が配設される側の前方隅角部に装着され、切断装置Aの前部の荷重を支持しつつ、移動可能となっている。この切断深さ調節装置Bは、従動ローラb11を備えた台車部b1上に、切断装置Aを支持する支持部b2が嵌脱可能に位置決め固定されている。なお、本実施形態においては、切断深さ調節装置Bは、切断装置Aの前部右側に配されているが、より安定的な支持のため、切断装置Aの左右両側にそれぞれ配設することもできる。なお、切断深さ調節装置Bの装着方法として、まず、台車部b1を矢印f1方向に移動させ、ブレードシャフトa4を空洞部Kに挿通させるようにして、台車部b1を支持部b2に嵌合し、連結ピンPによって固定する。さらに、切断深さ調節装置Bを矢印f2方向に移動させ、切断装置Aと、取付部b3の固定用プレートb31及び補強プレートb32をボルト締結して固定する。
【0027】
台車部b1は、切断装置Aの荷重を受けつつ従動ローラb11の転輪によって、切断装置Aを、舗装面等の床面上で滑らかに移動可能とする機能を果たす。台車部b1は、左右の台車側板b12,b12に、左右の台車側板b12,b12を互いに連結する車軸部b13,b13が前後にそれぞれ設けられ、この前後の車軸部b13,b13に、それぞれ、従動ローラb11,b11が転輪自在に配設されている。ここで、前後の従動ローラb11,b11の前後間隔は、160ミリメートル以上とすることが好ましい。これにより、作業現場で施工頻度の高い直径150ミリメートルのコア孔や窪みに対し、一方の従動ローラb11がこれらに落ちたとしても、他方の従動ローラb11を接地させ、姿勢を安定化できる。
【0028】
左右の台車側板b12,b12は、鉛直方向に起立する略矩形状の板部材であって、左右対称の外形を有し、前後方向における略中央部分に凹状に切り欠かれた凹状切欠き部k1,k1が設けられている。なお、該凹状切欠き部k1,k1は、左右の台車側板b12,b12が、ブレードシャフトa4と干渉することを防止する機能を果たす。また、台車側板b12,b12の後端は、矩形の背面板b13と一体形成されている。
【0029】
支持部b2は、切断装置Aの隅角部を支持する機能を果たし、前方から視て略コの字状の外形を有し、平面視で略矩形状の天井部b21と、該天井部b21の左右側縁から、左右それぞれ、直角に屈曲するようにして下方に形成された左右の支持部側板b22,b22とを備えている。この支持部側板b22,b22は、前後方向の略中央部分が、側面視で山状に切り欠かれた山状切欠き部k2,k2が設けられており、この山状切欠き部k2,k2を境界として、前後に分かれており、前方の前方支持部側板b221,b221と、後方の後方支持部側板b222,b222とからなる。
【0030】
なお、山状切欠き部k2,k2は、左右の支持部側板b22,b22が、ブレードシャフトa4及びブレードフランジa5と干渉することを防止する機能を果たす。このように、切断深さ調節装置Bは、山状切欠き部k2,k2及び凹状切欠き部k1,k1によって、左右方向に貫通する空洞部Kが形成され、この空洞部Kにブレードシャフトa4を挿通した状態で、切断装置Aを支持可能に構成されている。なお、挿通状態において、ブレードシャフトa4は、台車部b1及び支持部b2と非接触となっている。
【0031】
天井部b21の上面には、切断深さ調節装置Bを切断装置Aに取り付ける取付部b3が、溶着等の手段によって固着されている。すなわち、取付部b3は、切断装置Aの左右のうち、ブレードa6が配設される側の前方隅角部に、切断深さ調節装置Bを取り付けて固定する(装着する)機能を果たす。
【0032】
該取付部b3は、切断深さ調節装置Bの装着時、機体本体a1の隅角部に固定される固定用プレートb31と、固定された該固定用プレートb31の係脱を防止し、固定強度を向上する補強プレートb32とを備えている。
【0033】
固定用プレートb31は、切断深さ調節装置Bの機体本体a1の隅角部と嵌合可能とするため、該隅角部の形状に合わせて、前方から視て略L字状に形成されている。また、補強プレートb32は、上下方向を長手とする矩形板状に形成されており、これにより、固定強度をより良好に向上できるよう構成されている。
【0034】
固定用プレートb31には、2箇所に機体本体a1とボルト締結するための第1ボルト締結穴b33と、4箇所に補強プレートb32及び機体本体a1とボルト締結するための第2ボルト締結穴b34が穿設されている。係る第1ボルト締結穴b33、第2ボルト締結穴b34の位置に対応して、機体本体a1にも図示しないボルト締結穴が設けられ、ボルト締結により、固定用プレートb31及び補強プレートb32を機体本体a1に固定し、切断深さ調節装置Bの装着が可能となっている。
【0035】
<切断深さ設定構成>
次に、切断深さ調節装置Bの切断深さ設定構成について説明する。
図5(a)は、支持部b2の略側面図であり、図5(b)は、台車部b1の略側面図である。ここで、切断深さ調節装置Bは、支持部b2に設けられた連結穴Xと、台車部b1に設けられた被連結穴Yとに、連結ピンを貫入係合することで、台車部b1に対し支持部b2を位置決め固定し、これにより、台車部b1に対する支持部b2の高さを上下に調節可能となっている。その結果、切断装置Aの前方隅角部の支持高さを決定し、その結果、切断深さdの設定が可能となっている。
【0036】
図5(a)、図5(b)に示されるように、支持部b2には、連結穴Xとして、左右の支持部側板b22,b22に、前後一対の第1~第5連結穴(x1~x5)が穿設されている。また、台車部b1は、被連結穴Yとして、左右の台車側板b12,b12に、前後一対の下段第1~第5被連結穴(y11~y15)と、その上方に、前後一対の上段第1~第5被連結穴(y21~y25)が穿設されている。
【0037】
前後一対の第1~第5連結穴(x1~x5)は、前後それぞれ、所定間隔で、前方に向かって登り傾斜または下り傾斜を有するように配列され、側面視で略ハの字状に穿設されている。図5(a)中の仮想線によって示される登り傾斜及び下り傾斜の傾斜角度α(より詳細には、第1~第5連結穴を結んだ直線と、略水平線とによって構成される二等辺三角形の内角)、例えば、45°である。また、前後一対の第1~第5連結穴(x1~x5)の高さ位置は、前側の第1~第5連結穴(x1~x5)が、対応する後側の第1~第5連結穴(x1~x5)よりもやや上方(例えば、1つの連結穴Xの直径程度)に設けられている。
【0038】
また、台車部b1は、左右の台車側板b12,b12に、前後一対の下段第1~第5被連結穴(y11~y15)と、前後一対の上段第1~第5被連結穴(y21~y25)が穿設されている。
【0039】
下段第1~第5被連結穴(y11~y15)は、前後それぞれ、所定間隔で、前方に向かって登り傾斜または下り傾斜を有するように配列され、側面視で略ハの字状に穿設されている。図5(b)中の仮想線によって示される登り傾斜及び下り傾斜の傾斜角度β(より詳細は、第1~第5連結穴を結んだ直線と、略水平線とによって構成される二等辺三角形の内角)、例えば、30°である。すなわち、前後一対の第1~第5連結穴(x1~x5)の傾斜角度αよりも、緩やかな傾斜を有するよう配列されている。
【0040】
さらに、前後一対の下段第1~第5被連結穴(y11~y15)の高さ位置は、前側の下段第1~第5被連結穴(y11~y15)が、対応する後側の下段第1~第5被連結穴(y11~y15)と、略同一の高さ位置となるように配列されている。例えば、前後の下段第1連結穴y21、y21同士は、略同一の高さ位置である。
【0041】
前後一対の上段第1~第5被連結穴(y21~y25)は、下段第1~第5被連結穴(y11~y15)よりも上方に配され、前後それぞれ、所定間隔で、前方に向かって登り傾斜または下り傾斜を有するように配列され、略ハの字状に穿設されている。
【0042】
さらに、前後一対の上段第1~第5被連結穴(y21~y25)の高さ位置は、前側の上段第1~第5被連結穴(y21~y25)が、対応する後側の上段第1~第5被連結穴(y21~y25)よりもやや上方(例えば、1つの被連結穴Yの直径程度)に設けられている。例えば、前後の上段第1連結穴y21、y21は、前側の上段第1連結穴y21
の方が、後ろ側の上段第1連結穴y21よりもやや高位置に設けている。
【0043】
図6は、切断深さ調節装置Bの連結穴Xと、被連結穴Yの連結ピンPによる連結の組み合わせと、その設定高さhを示す一覧表である。ここで、設定高さhは、床面からブレードフランジa5の下端までの高さ(ミリメートル)を示している。また、図7(a)は、切断深さdを最小に設定した場合の切断深さ調節装置B周辺の右側面図であり、図7(b)は、切断深さdを中間(最小~最大の間)に設定した場合の同上の右側面図であり、図7(c)は、切断深さdを最大の間に設定した場合の同上の右側面図である。
【0044】
図6に示されるように、例えば、前後の第1連結穴x1,x1と、前後の下段第1被連結穴y11,y11とを、連結ピンPの貫入係合により連結固定すると、図7(a)に示されるように、設定高さhは、0(ミリメートル)となり、その結果、切断装置Aの切断深さは最大となる。
【0045】
このとき、前後一対の第1~第5連結穴(x1~x5)の高さ位置は、前側の第1~第5連結穴(x1~x5)が、対応する後側の第1~第5連結穴(x1~x5)よりもやや上方(例えば、1つの連結穴Xの直径程度)に設けられており、さらに、前後一対の下段第1~第5被連結穴(y11~y15)の高さ位置は、前側の下段第1~第5被連結穴(y11~y15)が、対応する後側の下段第1~第5被連結穴(y11~y15)と略同一の高さ位置となるように配列されているから、図6に示されるパターンNo1~5の組み合わせにおいては、支持部b2は前傾姿勢となる。つまり、支持部b2の前端側が、後端側よりもやや低くなる。これにより、後側の従動ローラb11の浮き上がりを防止して接地させることで、切断深さ設定の精度を高め、かつ、安定した前後移動が可能となっている。また、このとき、山状切欠き部b23,b23の下部が、角状に切り欠かれていることにより、支持部b2の高さを上下に調節する際、左右の支持部側板b22,b22と、前後の車軸部b13,b13との干渉が良好に防止されるよう構成されている。
【0046】
前後一対の第1~第5連結穴(x1~x5)と、上段第1~第5被連結穴(y21~y25)とを組み合わせることにより、下段第1~第5被連結穴(y11~y15)よりも、さらに切断深さを小さく(浅く)設定することができる。例えば、図6に示される第1連結穴x1,x1と、上段第1被連結穴y21とを組み合わせた場合、図7(b)に示されるように、切断深さを中間(最小~最大の間)に設定できる。このとき、設定高さhは、25(ミリメートル)となり、支持部b2は僅かに前傾姿勢となっている。図6に示されるパターンNo6~10の組み合わせにおいては、その順番(No6、7、8、9、10の順)に応じて、支持部b2は、徐々に略水平姿勢(つまり、支持部b2の前端側が、後端側と同じ高さになる)に近づくよう、上段第1~第5被連結穴(y21~y25)の位置が設計されている。これは、切断深さdを小さく(浅く)するほど、切断装置Aは、前後方向に対して、前傾姿勢から水平姿勢になるため、これに応じて、支持部b2も前傾姿勢から水平姿勢とし、後側の従動ローラb11が浮くことを防止するよう構成されている。なお、本実施形態とは異なるが、上段第1~第5被連結穴(y21~y25)は、切削作業の都合に応じて、支持部b2を後傾姿勢とできるように設計することもできる。
【0047】
また、図6に示されるように、例えば、前後一対の第5連結穴x5,x5と、前後一対の上段第5被連結穴y25,y25とを、連結ピンPの貫入係合により連結固定すると、図7(c)に示されるように、設定高さhは、45(ミリメートル)となり、その結果、切断装置Aの切断深さdは最小となる。なお、このとき、前後一対の第5連結穴x5,x5の高さ位置は、前側の第5連結穴x5が、対応する後側の第5連結穴x5よりもやや上方(例えば、1つの連結穴Xの直径程度)に設けられ、かつ、前後一対の上段第5被連結穴y25の高さ位置は、前側の上段第5被連結穴y25が、対応する後側の上段第5被連結穴y25よりもやや上方(例えば、1つの被連結穴Yの直径程度)に設けられているため、図6に示されるパターンNo10の組み合わせにおいては、支持部b2は略水平姿勢となっている。
【0048】
<切断作業>
切断深さ設定装置Bが装着された切断装置Aは、まず、最初に、切断対象物に切り込む際、シリンダ伸長により補助輪a7を下げ、切断装置Aの前部を持ち上げる姿勢とし、ブレードa6下端を中空に位置させる。次に、シリンダ伸縮により補助輪a7を上げることで、ブレードa6が徐々に下降し、これに応じて、切込みが開始される。このとき、車輪a2の車軸を中心として、ブレードa6(及びブレードシャフトa4)が下方へと回動するようにして切込みが進行する。そして、従動ローラb11が床面に設置すると、切断深さ設定装置Bが切断装置Aを支持するため、ブレードa6が、それ以上の深さ(設定されている切断深さd以上)に切り込むことが規制される。
【0049】
<構成と効果>
以上の通り、本発明の実施形態にかかる切断深さ設定装置B及びこれを備えた切断装置Aは、以下の構成を有する。
(1)ボックス形状の機体本体a1に、移動用の左右の車輪a2,a2が設けられ、その内部に動力源であるエンジンa3を備え、エンジンa2の駆動力を、機体本体a1の下方に配された回転軸であるブレードシャフトa4に伝動し、ブレードシャフトa4に固定された回転刃であるブレードa6を、ブレードシャフトa4と一体で回転させることで、切断対象物を切断する切断装置Aの切断深さを設定する切断深さ設定装置Bであって、
切断深さ設定装置Bは、従動ローラb11を備えた台車部b1上に、切断装置Aの隅角部を支持する支持部b2が嵌脱可能に設けられ、
支持部b2に設けられた上下位置の異なる複数の連結穴Xと、台車部b1に設けられた上下位置の異なる複数の被連結穴Yとを備え、連結穴Xと被連結穴Yを連結する連結ピンPの貫入係合による連結位置を選択することにより、支持部b2の高さを上下に調節して切断深さdを設定可能に構成されている。
【0050】
係る構成により、従動ローラb11を備えた台車部b1上に、切断装置Aの隅角部を支持する支持部b2が嵌脱可能に設けられているから、ブレードa6を取り外すことなく切断装置Aに切断深さ設定装置Bを着脱でき(図3図4参照)、利便性が高く、作業を迅速化できる。さらに、連結ピンPの貫入係合による連結位置を選択することにより、支持部b2の高さを上下に調節できるため、1つの装置によって多段階の切断深さの設定が可能となり、従来よりも、製作コストを低減できる。加えて、連結ピンPの貫入係合による簡単な操作により切断深さdの設定及び変更が可能である。これにより、作業時間を短縮できる。
【0051】
(2)切断深さ設定装置Bは、支持部b2及び台車部b1にそれぞれ設けられた切欠きにより形成された左右方向に貫通する空洞部Kを備え、この空洞部Kに前記ブレードシャフトa4を挿通した状態で、切断装置Aを支持可能に構成されている。
【0052】
係る構成により、切断深さ設定装置Bは、ブレードシャフトa4に非接触で干渉することなく、機体本体a1のブレードシャフトa4の直上位置への装着が可能となる。これにより、機体本体a1のブレードシャフトa4の直上位置の床面からの高さを調節できるため、切断深さdを精度よく設定することができる。さらに、ブレードシャフトa4と非接触であることから、切断深さ設定装置Bの配設による回転エネルギーのロスも生じない(従来のブレードシャフトに円盤を取り付ける構成によれば、切断面等との摩擦によりブレードシャフトの回転が阻害されるため、ロスが生じる)。
【0053】
前記連結穴Xは、支持部b2に前後一対で設けられ、前後それぞれ、所定間隔で、前方に向かって登り傾斜または下り傾斜を有するように並べて配列されており、
被連結穴Yは、前後それぞれ、所定間隔で、前方に向かって登り傾斜または下り傾斜を有するように並べて配列されており、
連結穴X及び被連結穴Yから前後それぞれ1つの連結位置を選択することで、台車部b1に対して支持部b2を、傾斜姿勢または水平姿勢で固定できるよう構成されている。
【0054】
切断装置Aは、切断深さdを小さく(浅く)するほど、前後方向に対して、前傾した傾斜姿勢から水平姿勢へと近づくため、これに応じて、支持部b2も傾斜姿勢から水平姿勢に設定可能としたことで、前側の従動ローラb11が接地した状態で後側の従動ローラb11が浮くことを防止することができる。その結果、切断深さの設定や切断作業の精度を向上できる。
【0055】
また、上記の切断深さ設定装置Bが装着された切断装置Aにより、簡易な構造により製作コストを低減しつつ、かつ、簡単な操作により切断深さdの設定及び変更が可能であって、これにより、作業時間を短縮できる切断装置Aを提供できる。
【0056】
<変形例>
以上、本発明の実施形態を説明した。本件発明は、前記した実施形態の態様にのみ限定されない。技術的思想の範囲内で、適宜変更であることは言うまでも無い。
【0057】
図8(a)は、姿勢安定機構Cを取り付けた切断装置Aの正面図であり、図8(b)は、左側面図である。姿勢安定機構Cは、切断装置Aの機体本体a1の正面下部の左右方向略中央に取り付け固着された側面視略L字状の支持ベース部材c1に、上下方向を長手とする高さ調節ロッドc2が取り付けられ、該高さ調節ロッドc2の下端には、転輪自在なキャスター輪c3が設けられている。
【0058】
高さ調節ロッドc2は、螺条を有するスクリューロッドであり、支持ベース部材c1を支持ベース部材に螺合貫通するようにして取り付けられている。これにより、高さ調節ロッドc2は回動操作により、支持ベース部材c1に対して上下に固定位置を調節できる。その結果、キャスター輪c3の高さを上下に調節でき、これにより、切断深さ設定装置Bによって設定された切断深さに応じて、高さ調節が可能となっている。
【0059】
該姿勢安定機構Cによって、ブレードa6側の3点支持(左右で4点支持)が確保されて、より安定した切断が可能となり、切断作業の精度を向上できる。例えば、切断装置Aの左の車輪a2が、床面上のコア孔や窪み上を移動して空転してしまう場合であっても、姿勢安定機構Cによって、切断装置Aの姿勢を安定させることができる。
【0060】
また、例えば、従動ローラb11は、従動ローラb11が自由回動する状態と、回動を規制する状態とに切り換え可能なストッパー部材(例えば、ハンドル操作により、従動ローラb11にブレーキ板を当接させて転輪を規制する構成)を備えてもよい。これにより、切断深さ設定時には、ストッパー部材により従動ローラb11の転輪を規制して、設定作業を行い易くすることができる。同様に、キャスター輪c3にストッパー部材が設けられてもよい。これにより、例えば、キャスター輪c3をストッパー部材で転輪を規制した状態で、従動ローラb11を浮かせて、切断深さ設定装置Bの調整やメンテナンス等が可能となる。また、高さ調節ロッドc2により、切断深さ設定装置Bにより設定される切断深さdに対応して、切断装置Aの支持高さを調節でき、安定した支持が可能となる。
【符号の説明】
【0061】
A 切断装置
a1 機械本体
a2 車輪
a3 エンジン
a4 ブレードシャフト
a5 ブレードフランジ
a6 ブレード
a7 補助輪

B 切断深さ設定装置
b1 台車部
b11 従動ローラ
b12 台車側板
b13 背面板
b2 支持部
b21 天井部
b22 支持部側板
b221 前方支持部側板
b222 後方支持部側板
b3 取付部
b31 固定用プレート
b32 補強プレート

X 連結穴
x1 第1連結穴
x2 第2連結穴
x3 第3連結穴
x4 第4連結穴
x5 第5連結穴

Y 被連結穴
y11 下段第1被連結穴
y12 下段第2被連結穴
y13 下段第3被連結穴
y14 下段第4被連結穴
y15 下段第5被連結穴
y21 上段第1被連結穴
y22 上段第2被連結穴
y23 上段第3被連結穴
y24 上段第4被連結穴
y25 上段第5被連結穴

C 姿勢安定機構
c1 支持ベース部材
c2 高さ調節ロッド
c3 キャスター輪

K 空洞部
k1 凹状切欠き部
k2 山状切欠き部

P 連結ピン
【要約】
【課題】従来よりも、製作コストを低減しつつ、簡易な操作によって切断深さの設定や調節が可能な切断深さ設定装置及びこれを備えた切断装置を提供する。
【解決手段】
切断対象物を切断する切断装置Aの切断深さを設定する切断深さ設定装置Bであって、
切断深さ設定装置Bは、従動ローラb11を備えた台車部b1上に、切断装置Aの隅角部を支持する支持部b2が嵌脱可能に設けられ、
支持部b2に設けられた上下位置の異なる複数の連結穴Xと、台車部b1に設けられた上下位置の異なる複数の被連結穴Yとを備え、連結穴Xと被連結穴Yを連結する連結ピンPの貫入係合による連結位置を選択することにより、支持部b2の高さを上下に調節して切断深さdを設定可能に構成された切断深さ設定装置B及びこれを備えた切断装置Aによって、上記課題が解決される。
【選択図】 図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9