(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-13
(45)【発行日】2023-12-21
(54)【発明の名称】リング式綴じ具
(51)【国際特許分類】
B42F 13/22 20060101AFI20231214BHJP
【FI】
B42F13/22
(21)【出願番号】P 2023179753
(22)【出願日】2023-10-18
【審査請求日】2023-10-18
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】593196528
【氏名又は名称】株式会社カネダ技研
(74)【代理人】
【識別番号】110000523
【氏名又は名称】アクシス国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】金田 亨
(72)【発明者】
【氏名】山口 修二
【審査官】山下 清隆
(56)【参考文献】
【文献】特開2001-239781(JP,A)
【文献】特開2005-144928(JP,A)
【文献】実開昭54-004016(JP,U)
【文献】特開2017-222131(JP,A)
【文献】特開平11-078338(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B42F 1/00-23/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに隣り合って平行に延在する長手状の二枚の基板と、
前記二枚の基板の表面側に設けられた複数の半リング部分と、
前記二枚の基板の裏面側に配置されるとともに、前記二枚の基板を幅方向に係る外側から挟み込み、前記二枚の基板を互いに押し付けて保持する長手状の樹脂材料を含む材質からなる鞘体と
を備え、
前記鞘体の押付け力の作用下での前記二枚の基板の回転変位に伴い、前記半リング部分のそれぞれの先端が互いに近接されるとともに離間される、
リング式綴じ具であって、
前記二枚の基板のそれぞれの外側面には、長手方向に延在された係着溝部が設けられており、
前記係着溝部の内部には、前記長手方向に係る前記二枚の基板の両端部に配置された基板端部係止爪が設けられており、
前記基板端部係止爪のそれぞれは、前記長手方向に係る前記基板の内側に配置されるとともに前記幅方向に対して傾斜して延在された基板傾斜側面と、前記長手方向に係る前記基板の外側に配置されるとともに前記幅方向に延在された基板位置決側面とを有しており、
前記鞘体は、裏板部と、前記裏板部の両側縁から立ち上げられた側板部と、前記側板部のそれぞれの先端部から互いに近づく方向に突出されて前記係着溝部に差し込まれた鞘係着爪とを有しており、
前記鞘係着爪には、前記長手方向に係る前記鞘体の両端部に配置された鞘端部係着爪が設けられており、
前記鞘端部係着爪のそれぞれは、前記長手方向に係る前記鞘体の外側に配置されるとともに前記幅方向に対して傾斜して延在された鞘傾斜側面と、前記長手方向に係る前記鞘体の内側に配置されるとともに前記幅方向に延在された鞘位置決側面とを有しており、
前記基板傾斜側面及び前記鞘傾斜側面は、前記基板端部係止爪が前記鞘係着爪及び前記鞘端部係着爪を乗り越えることを許容するように構成されており、
前記基板位置決側面及び前記鞘位置決側面は、互いに突き当てられることで、前記長手方向に係る前記二枚の基板と前記鞘体との相対的な変位を規制するように構成されている、
リング式綴じ具。
【請求項2】
前記鞘係着爪には、前記長手方向に係る前記鞘端部係着爪の間に配置された少なくとも1つの鞘中間係着爪が設けられており、
前記鞘中間係着爪の両側の側面は、前記幅方向に対して傾斜して延在されており、前記基板端部係止爪が前記鞘中間係着爪を乗り越えることを許容するように構成されている、
請求項1に記載のリング式綴じ具。
【請求項3】
前記側板部からの前記鞘係着爪の突出量は、前記係着溝部の深さの1/3以上である、
請求項2に記載のリング式綴じ具。
【請求項4】
前記長手方向に係る前記係着溝部の両端は開放されている、
請求項1から3までのいずれか1項に記載のリング式綴じ具。
【請求項5】
前記二枚の基板のそれぞれの内側面には、互いに嵌り合う突起付き凸面及び突起付き凹面が設けられており、前記突起付き凸面及び突起付き凹面のそれぞれには、前記回転変位の途中で互いに衝突し、前記押付け力に抗して乗り越えて当該回転変位に抵抗する対向突起部が形成されている、
請求項1から3までのいずれか1項に記載のリング式綴じ具。
【請求項6】
前記樹脂材料を含む材質は、バイオマスプラスチックである、
請求項1から3までのいずれか1項に記載のリング式綴じ具。
【請求項7】
前記樹脂材料を含む材質は、紙、トウモロコシ、卵の殻又は貝殻由来の材料を含む、
請求項6に記載のリング式綴じ具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、鞘体の押付け力の作用下での二枚の基板の回転変位に伴い、半リング部分のそれぞれの先端が互いに近接されるとともに離間されるリング式綴じ具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来用いられていたこの種のリング式綴じ具としては、例えば下記の特許文献1等に示されている構成を挙げることができる。すなわち、従来のリング式綴じ具では、二枚の基板(半身板)と鞘体とを樹脂(硬質プラスチック)で構成している。二枚の基板の側部には係着溝部が設けられており、鞘体には係着溝部に係着される傾斜面が設けられている。二枚の基板の下方に鞘体を配置し、下方から鞘体を二枚の基板に向けて押圧することで、係着溝部に傾斜面を係着させて、二枚の基板を鞘体に組み付けている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
樹脂に大きな応力が加わると割れが生じる。上記のような従来構成では、下方から鞘体を二枚の基板に向けて押圧することで係着溝部に傾斜面を係着しているので、鞘体又は傾斜面の割れの発生を抑えるために傾斜面を長くすることが難しく、二枚の基板及び鞘体が上下に分離しやすくなっている。
【0005】
また、樹脂製の鞘体は、金属製の鞘体と比較して押付け力が弱い傾向にある。従来構成における鞘体の傾斜面を長くすることで押付け力を向上できるが、下方から鞘体を二枚の基板に組み付ける構成では、やはり長くすることが難しい。
【0006】
別の組み付け方法として、二枚の基板と鞘体との長手方向の相対的な変位により、二枚の基板の係着溝部に鞘体の傾斜面を係着することが考えられる。この組み付け方法を採れば、傾斜面を長くすることができ、二枚の基板及び鞘体の上下の分離を抑えることができるとともに、押付け力を確保することができる。しかしながら、この場合、二枚の基板及び鞘体を長手方向に相対的に変位可能とする必要があり、二枚の基板及び鞘体が長手方向にずれやすくなってしまう。
【0007】
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、その目的の一つは、長手方向の相対的な変位により二枚の基板に鞘体を係着する場合でも、二枚の基板及び鞘体が長手方向にずれを抑えることができるリング式綴じ具を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係るリング式綴じ具は、一実施形態において、互いに隣り合って平行に延在する長手状の二枚の基板と、二枚の基板の表面側に設けられた複数の半リング部分と、二枚の基板の裏面側に配置されるとともに、二枚の基板を幅方向に係る外側から挟み込み、二枚の基板を互いに押し付けて保持する長手状の樹脂材料を含む材質からなる鞘体とを備え、鞘体の押付け力の作用下での二枚の基板の回転変位に伴い、半リング部分のそれぞれの先端が互いに近接されるとともに離間される、リング式綴じ具であって、二枚の基板のそれぞれの外側面には、長手方向に延在された係着溝部が設けられており、係着溝部の内部には、長手方向に係る二枚の基板の両端部に配置された基板端部係止爪が設けられており、基板端部係止爪のそれぞれは、長手方向に係る基板の内側に配置されるとともに幅方向に対して傾斜して延在された基板傾斜側面と、長手方向に係る基板の外側に配置されるとともに幅方向に延在された基板位置決側面とを有しており、鞘体は、裏板部と、裏板部の両側縁から立ち上げられた側板部と、側板部のそれぞれの先端部から互いに近づく方向に突出されて係着溝部に差し込まれた鞘係着爪とを有しており、鞘係着爪には、長手方向に係る鞘体の両端部に配置された鞘端部係着爪が設けられており、鞘端部係着爪のそれぞれは、長手方向に係る鞘体の外側に配置されるとともに幅方向に対して傾斜して延在された鞘傾斜側面と、長手方向に係る鞘体の内側に配置されるとともに幅方向に延在された鞘位置決側面とを有しており、基板傾斜側面及び鞘傾斜側面は、基板端部係止爪が鞘係着爪及び鞘端部係着爪を乗り越えることを許容するように構成されており、基板位置決側面及び鞘位置決側面は、互いに突き当てられることで、長手方向に係る二枚の基板と鞘体との相対的な変位を規制するように構成されている。
【発明の効果】
【0009】
本発明のリング式綴じ具の一実施形態によれば、基板位置決側面及び鞘位置決側面は、互いに突き当てられることで、長手方向に係る二枚の基板と鞘体との相対的な変位を規制するように構成されているので、長手方向の相対的な変位により二枚の基板に鞘体を係着する場合でも、二枚の基板及び鞘体が長手方向にずれを抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の実施の形態によるリング式綴じ具を示す正面図である。
【
図4】
図1のリング式綴じ具を示す左側面図である。
【
図5】
図1のリング式綴じ具を示す右側面図である。
【
図6】
図1のリング式綴じ具を斜め上方から見たときの斜視図である。
【
図7】
図6のリング式綴じ具を表裏逆転させて見たときの斜視図である。
【
図11】
図8の線XI-XIに沿う第1基板の断面図である。
【
図12】
図8の線XII-XIIに沿う第1基板の断面図である。
【
図13】閉状態において
図11の突起付き凸面が第2基板の突起付き凹面に嵌っている状態を示す断面図である。
【
図14】開状態において
図11の突起付き凸面が
図12の突起付き凹面に嵌っている状態を示す断面図である。
【
図15】
図1の線XVa-XVaに沿うリング式綴じ具の断面図である。
【
図17】
図16の線XVII-XVIIに沿う第1基板の断面図である。
【
図22】
図1の鞘体の一端から第1基板及び第2基板を差し込んだときの様子を示す説明図である。
【
図23】
図22の領域XXIIIにおける基板端部係止爪と鞘端部係着爪との関係を示す説明図である。
【
図24】
図1の鞘体の他端から第1基板及び第2基板を差し込んだときの様子を示す説明図である。
【
図25】
図22の領域XXVにおける基板端部係止爪と鞘中間係着爪との関係を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明を実施するための形態について、図面を参照して説明する。本発明は各実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、各実施の形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施の形態に示される全構成要素からいくつかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施の形態の構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【0012】
図1は本発明の実施の形態によるリング式綴じ具を示す正面図であり、
図2は
図1のリング式綴じ具を示す平面図であり、
図3は
図1のリング式綴じ具を示す底面図であり、
図4は
図1のリング式綴じ具を示す左側面図であり、
図5は
図1のリング式綴じ具を示す右側面図である。また、
図6は
図1のリング式綴じ具を斜め上方から見たときの斜視図であり、
図7は
図6のリング式綴じ具を表裏逆転させて見たときの斜視図である。なお、リング式綴じ具の背面図は正面図と対称に表れる。
【0013】
図1~
図7に示すリング式綴じ具は、例えばルーズリーフ用紙等の複数の穴が開けられた複数の紙葉を綴じるための器具である。
図1~
図7に示すように、リング式綴じ具は、二枚の基板1,2と、複数の半リング部分3と、鞘体4とを有している。
【0014】
二枚の基板1,2は、互いに隣り合って平行に延在している。二枚の基板1,2が延びる方向を長手方向D1と呼ぶことがある。二枚の基板1,2を第1基板1及び第2基板2と呼ぶことがある。
【0015】
複数の半リング部分3は、第1基板1及び第2基板2とそれぞれ一体に設けられているとともに、第1基板1及び第2基板2の表面側に延びている。複数の半リング部分3は、第1基板1及び第2基板2のそれぞれにおいて長手方向D1に互いに離間して配置されている。第1基板1に設けられた半リング部分3は、第2基板2に設けられた半リング部分3と向かい合うように配置されている。第1基板1及び第2基板2のそれぞれに設けられる半リング部分3の数は同数である。半リング部分3の数は、第1基板1及び第2基板2の長さ等に応じて任意に変更でき、偶数であってもよいし、奇数であってもよい。本実施の形態のリング式綴じ具においては、第1基板1及び第2基板2に半リング部分3が6つずつ設けられている。第1基板1及び第2基板2のそれぞれにおいて、それぞれ3つの半リング部分3によって構成される2つの半リング群が長手方向D1に離間して配置されている。
【0016】
鞘体4は、長手状の樹脂材料を含む材質からなるものであり、第1基板1及び第2基板2の裏面側に配置されるとともに、第1基板1及び第2基板2を幅方向D2に係る外側から挟み込み、第1基板1及び第2基板2を互いに押し付けて保持している。幅方向D2は、長手方向D1に直交する方向であってよい。
【0017】
鞘体4を構成する樹脂材料を含む材質としては、様々なものを用いることができる。樹脂材料を含む材質としては、ポリカーボネート等の石油由来の樹脂を用いてもよいが、バイオマスプラスチックを用いてもよい。バイオマスプラスチックとは、紙由来又は植物由来等の石油由来ではない樹脂を意味していてよい。樹脂材料を含む材質は、紙、トウモロコシ、卵の殻又は貝殻由来の材料を含んでいてよい。なお、第1基板1及び第2基板2を構成する材質としては、鞘体4と同じ材質を用いてもよいし、鞘体4とは異なる材質を用いてもよい。鞘体4とは異なる材質としては、鉄系材料等の金属を挙げることができる。
【0018】
本実施の形態のリング式綴じ具は、鞘体4の押付け力の作用下での第1基板1及び第2基板2の回転変位に伴い、半リング部分3のそれぞれの先端が互いに近接されるとともに離間されるように構成されている。半リング部分3のそれぞれの先端が互いに近接された状態を閉状態と呼び、半リング部分3のそれぞれの先端が互いに離間された状態を開状態と呼ぶことがある。
図1~
図7は、開状態のリング式綴じ具を示している。
【0019】
第1基板1及び第2基板2の両端には、第1基板1及び第2基板2を回転変位させる際に利用者が操作できるツマミ5が設けられていてよい。
図4及び
図5に特に現れているように、開状態においては、ツマミ5のそれぞれの先端5aが互いに近接するように第1基板1及び第2基板2の回転変位されている。ツマミ5のそれぞれの先端5aを互いに引き離すように第1基板1及び第2基板2の回転変位させることで閉状態とすることができる。
【0020】
次に、
図8~
図17を参照しながら基板1,2について説明する。
図8は
図1の第1基板1を単体で示す正面図であり、
図9は
図8の第1基板1を示す平面図であり、
図10は
図8の第1基板1を示す底面図である。
図11は
図8の線XI-XIに沿う第1基板1の断面図であり、
図12は
図8の線XII-XIIに沿う第1基板1の断面図であり、
図13は閉状態において
図11の突起付き凸面60が第2基板2の突起付き凹面61に嵌っている状態を示す断面図であり、
図14は開状態において
図11の突起付き凸面60が
図12の突起付き凹面61に嵌っている状態を示す断面図である。
図15は、
図1の線XVa-XVaに沿うリング式綴じ具の断面図である。なお、
図15は、
図8の線XVb-XVbの位置における第1基板1及び第2基板2の断面を示している。
図16は
図1の第1基板1を示す背面図であり、
図17は
図16の線XVII-XVIIに沿う第1基板1の断面図である。
【0021】
二枚の基板1,2、すなわち第1基板1及び第2基板2は、互いに異なる形状を有していてもよいが、本実施の形態のリング式綴じ具においては同じ形状を有している。
図8~
図10では第1基板1を示しているが、第2基板2の構成は第1基板1の構成と同じである。第1基板1及び第2基板2はそれらの長手方向D1に係る中心において線対称な形状を有していてよく、
図1~7に示すようにリング式綴じ具が組み立てられた状態では、第1基板1及び第2基板2は長手方向D1に関して反転されて互いに向かい合うように配置され得る。
【0022】
第1基板1及び第2基板2のそれぞれの内側面6には、互いに嵌り合う突起付き凸面60及び突起付き凹面61が設けられている。第1基板1及び第2基板2の内側面6は、
図1~
図7に示すようにリング式綴じ具が組み立てられた状態において、幅方向D2に関して内側に位置するとともに互いに向かい合う面である。突起付き凸面60及び突起付き凹面61は、長手方向D1に係る中心において線対称な位置に配置されていてよい。
図11及び
図12に特に示すように、突起付き凸面60及び突起付き凹面61のそれぞれには、第1基板1及び第2基板2の回転変位の途中で互いに衝突し、鞘体4による押付け力に抗して乗り越えて回転変位に抵抗する対向突起部60a,61aが形成されている。第1基板1及び第2基板2の回転変位に際し、対向突起部60a,61aが回転変位に抵抗するので、相互に接触して閉じた半リング部分3が容易に開かなくなる。その結果として、比較的多い枚数の紙葉であっても有効に綴じ込むことができる。より具体的には、対向突起部60a,61aが互いを乗り越える時に、対向突起部60a,61aが無い場合に比べて支点からの距離が延び、反発力(押し付け力)を増加させることができる。これは、バネ性の弱い樹脂製等の鞘体4を使用する時に特に有用である。
【0023】
図13に示すように、閉状態において、対向突起部60a,61aは、第1基板1及び第2基板2の厚み方向D3に互いにずれて位置する。この状態から第1基板1及び第2基板2が回転変位すると、
図14に示すように、対向突起部60a,61aが互いに乗り上げた後に乗り越える。これにより、第1基板1及び第2基板2が相互に引き離される向きに僅かに変位し、鞘体4が押し広げられるので、その弾性変形量の増大に伴って第1基板1及び第2基板2に大きな押付け力が作用する。その際に、回転変位に対する抵抗が生じる。これにより、半リング部分3の意図しない開きを抑制する。また、開状態から閉状態とする際にも、そのときの回転変位に対して、対向突起部60a,61aの乗り上げによる抵抗が生じる。
【0024】
対向突起部60a,61aは、突起付き凸面60や突起付き凹面61上で第1基板1及び第2基板2の厚み方向D3の一部の領域に、当該表面から突出させて設けることができる。第1基板1及び第2基板2の厚み方向D3にて突起付き凸面60や突起付き凹面61上での対向突起部60a,61aを設ける位置は、対向突起部60a,61aで抵抗力を付与する半リング部分3の開閉位置等を考慮して決定することが望ましい。
【0025】
突起付き凸面60及び突起付き凹面61は対向突起部60a,61aを含め、図示の例のように、曲面で構成することが好適である。また、第1基板1及び第2基板2の厚み方向D3にて、突起付き凸面60上及び突起付き凹面61上のそれぞれで対向突起部60a,61aを隔てた両側の表面は、
図11~
図14に示すように、対向突起部60a,61aがそれと向き合う対向突起部60a,61aを乗り越えた後に入り込むように凹状に若干窪ませて形成することが好ましい。
【0026】
各第1基板1及び第2基板2に設けられて対をなす対向突起部60a,61aは、第1基板1及び第2基板2の長手方向D1に一対設けることもできるが、回転変位に対してより大きな抵抗力を与えるため、複数対設けることが好ましい。またそれに合わせて、対をなす突起付き凸面60及び突起付き凹面61も、第1基板1及び第2基板2の長手方向D1に一対または複数対設けることができる。図示の態様では、
図8に特に現れているように、第1基板1及び第2基板2の長手方向D1に係る中心位置から一端までの領域に3つの突起付き凸面60が設けられ、第1基板1及び第2基板2の長手方向D1に係る中心位置から他端までの領域に3つの突起付き凹面61が設けられている。
【0027】
ところで、第1基板1及び第2基板2の各内側面6には、その回転変位の回転支点となる支点凸部62が設けられ得る。
図15から特に解かるように、内側面6から突出してその厚みが漸減する爪状の複数の支点凸部62が長手方向D1に離間して第1基板1及び第2基板2にそれぞれ設けられている。
図15に示すように、第1基板1の支点凸部62は第2基板2の下側に入り込む。これとは逆に、第1基板1の支点凸部62は第2基板2の下側に入り込む。半リング部分3の開閉操作を行うとき、第1基板1及び第2基板2の支点凸部62と第2基板2及び第1基板1の下面との接触箇所が回転支点となって、第1基板1及び第2基板2の回転変位がもたらされる。
【0028】
図8に示すように、支点凸部62は、第1基板1及び第2基板2の長手方向D1に関して突起付き凸面60及び突起付き凹面61に隣接する位置に設けることが好ましい。これは、支点凸部62の回転支点周りで第1基板1及び第2基板2が回転変位するときに、その回転支点に隣接する対向突起部60a,61aで抵抗力が効果的に与えられ、回転変位の動作がより一層安定するからである。
【0029】
図16に特に現れているように、第1基板1及び第2基板2(二枚の基板1,2)のそれぞれの外側面7には、長手方向D1に延在された係着溝部70が設けられている。第1基板1及び第2基板2の外側面7は、
図1~
図7に示すようにリング式綴じ具が組み立てられた状態において、幅方向D2に関して外側に位置する面である。係着溝部70は、外側面7から幅方向D2内側に窪むように形成されていてよい。図示の態様では、長手方向D1に係る係着溝部70の両端は、開放されている。しかしながら、長手方向D1に係る係着溝部70の片側の端が閉鎖されていてもよい。
【0030】
図16及び
図17に特に現れているように、係着溝部70の内部には、長手方向D1に係る第1基板1及び第2基板2の両端部に配置された基板端部係止爪71が設けられている。換言すると、第1基板1及び第2基板2のそれぞれにおいて、長手方向D1に係る一方の端部及び他方の端部に基板端部係止爪71が設けられている。基板端部係止爪71が設けられる位置は、長手方向D1に係る第1基板1及び第2基板2の厳密な両端の位置であってもよいが、両端から長手方向D1に係る内側(中央側)に入った位置であってもよい。例えば、長手方向D1に係る第1基板1及び第2基板2の両端から、長手方向D1に係る第1基板1及び第2基板2の全長の1/3、より詳細には1/4、さらに詳細には1/5までの領域を両端部と理解してよい。
【0031】
本実施の形態では、第1基板1及び第2基板2の一方の端から一方の端部に設けられた基板端部係止爪71までの長手方向D1に係る距離Dis1は、他方の端から他方の端部に設けられた基板端部係止爪71までの長手方向D1に係る距離Dis2と等しくされている。このため、
図1~
図7に示すようにリング式綴じ具が組み立てられた状態においては、第1基板1の基板端部係止爪71と第2基板2の基板端部係止爪71とが長手方向D1に関して同じ位置に配置される(後の
図23等参照)。しかしながら、距離Dis1が距離Dis2と異なっていてよく、第1基板1の基板端部係止爪71と第2基板2の基板端部係止爪71とが長手方向D1に関してずれた位置に配置されてもよい。
【0032】
図17に特に現れているように、基板端部係止爪71のそれぞれは、長手方向D1に係る第1基板1及び第2基板2の内側(中央側)に配置されるとともに幅方向D2に対して傾斜して延在された基板傾斜側面71aと、長手方向D1に係る第1基板1及び第2基板2の外側(反中央側)に配置されるとともに幅方向D2に延在された基板位置決側面71bとを有している。一方の端部に設けられた基板端部係止爪71と他方の端部に設けられた基板端部係止爪71とでは、基板傾斜側面71aの位置と基板位置決側面71bの位置とが反転されている。
【0033】
基板端部係止爪71と基板位置決側面71bとが突き当たる角部71cは、鋭角であってもよいが、円弧面又はR部としてもよい。
【0034】
【0035】
図18~
図21に特に現れているように、鞘体4は、裏板部40と、裏板部40の両側縁から立ち上げられた側板部41と、側板部41のそれぞれの先端部から互いに近づく方向に突出された鞘係着爪42とを有している。本実施の形態の鞘体4は、長手方向D1に互いに離間して配置された複数の鞘係着爪42を有している。側板部41は幅方向D2に離間して配置されている。
【0036】
図20に特に示すように、裏板部40及び側板部41の板厚tは1.2~1.5mmであってよく、裏板部40の内面と側板部41の内面との間の角度θは80~90度であってよい。
【0037】
一方の側板部41の先端部から突出された鞘係着爪42は、幅方向D2に他方の側板部41に向けて突出され、他方の側板部41の先端部から突出された鞘係着爪42は、幅方向D2に一方の側板部41に向けて突出されている。
図18に特に現れているように、図示の態様では、一方の側板部41の先端部から突出された鞘係着爪42と、他方の側板部41の先端部から突出された鞘係着爪42とは、長手方向D1に関して同じ位置に配置されている。しかしながら、これらの鞘係着爪42が長手方向D1に関してずれて配置されていてもよい。
【0038】
図示の態様では、側板部41の先端から鞘係着爪42が突出されている。しかしながら、鞘係着爪42は、側板部41の先端から裏板部40に向けて下がった位置から突出されていてもよい。例えば、側板部41の先端から、厚み方向D3に沿う側板部41の全高の1/3、より詳細には1/4、さらに詳細には1/5までの領域を先端部と理解してよい。
【0039】
図19に特に現れているように、裏板部40には、鞘係着爪42の下方に配置された複数の貫通孔43が設けられていてよい。
【0040】
ここで、
図13に特に現れているように、リング式綴じ具が組み立てられた状態では、第1基板1及び第2基板2の係着溝部70に鞘係着爪42が差し込まれる。これにより、第1基板1及び第2基板2が互いに押付けられて保持される。側板部41からの鞘係着爪42の突出量PA(
図19参照)は、係着溝部70の深さDe(
図11参照)の1/3以上であることが好ましい。
図19に示すように、鞘係着爪42の突出量PAは、鞘係着爪42の先端と側板部41の内面における鞘係着爪42の根本位置との間の幅方向D2に係る距離であってよい。
図11に示すように、係着溝部70は、底面700から延びる第1壁部701及び第2壁部702を有している。第2壁部702は第1壁部701よりも第1基板1及び第2基板2の裏面側に位置している。係着溝部70の深さDeは、底面700から第2壁部702の先端までの幅方向D2に係る距離であってよい。実施態様によっては第1壁部701が省略される場合もある。この場合、係着溝部70は表面側の第2壁部702の面と底面700とによって形成される。また、図示の態様では係着溝部70の底面700が円弧面とされているが、第1壁部701が省略されているとき底面700が平坦面によって構成される場合もある。鞘係着爪42の突出量PAが係着溝部70の深さDeの1/3以上であることで、第1基板1及び第2基板2と鞘体4の上下の分離をより確実に抑えることができる。一方、第1基板1及び第2基板2に下方から鞘体4を押圧することでの鞘係着爪42の係着溝部70への係着が難しくなる。
【0041】
図21に特に現れているように、鞘係着爪42には、長手方向D1に係る鞘体4の両端部に配置された鞘端部係着爪421が設けられている。鞘体4の両端から、長手方向D1に係る鞘体4の全長の1/3、より詳細には1/4、さらに詳細には1/5までの領域を両端部と理解してよい。本実施の形態の鞘体4のように、長手方向D1に互いに離間して複数の鞘係着爪42が設けられているとき、鞘端部係着爪421は、側板部41のそれぞれにおいて、鞘体4の一方の端に最も近い鞘係着爪42と、鞘体4の他方の端に最も近い鞘係着爪42であってよい。
【0042】
鞘端部係着爪421のそれぞれは、長手方向D1に係る鞘体4の外側(反中央側)に配置されるとともに幅方向D2に対して傾斜して延在された鞘傾斜側面421aと、長手方向D1に係る鞘体4の内側(中央側)に配置されるとともに幅方向D2に延在された鞘位置決側面421bとを有している。一方の端部に設けられた鞘端部係着爪421と他方の端部に設けられた鞘端部係着爪421とでは、鞘傾斜側面421aの位置と鞘位置決側面421bの位置とが反転されている。
【0043】
また、鞘係着爪42には、長手方向D1に係る鞘端部係着爪421の間に配置された少なくとも1つの鞘中間係着爪422が設けられている。図示の態様では、側板部41のそれぞれにおいて、7つの鞘中間係着爪422が設けられている。鞘中間係着爪422の両側の側面は、幅方向D2に対して傾斜して延在されている。すなわち、鞘中間係着爪422には、鞘端部係着爪421の鞘傾斜側面421aに相当する傾斜面は設けられているものの、鞘位置決側面421bに相当する幅方向D2に延在された面は設けられていない。
【0044】
次に、
図22~
図25を参照しながら、第1基板1及び第2基板2の基板端部係止爪71、並びに鞘体4の鞘端部係着爪421及び鞘中間係着爪422の機能又は作用について説明する。
図22は
図1の鞘体4の一端から第1基板1及び第2基板2を差し込んだときの様子を示す説明図であり、
図23は
図22の領域XXIIIにおける基板端部係止爪71と鞘端部係着爪421との関係を示す説明図である。
図24は
図1の鞘体4の他端から第1基板1及び第2基板2を差し込んだときの様子を示す説明図であり、
図25は
図22の領域XXVにおける基板端部係止爪71と鞘中間係着爪422との関係を示す説明図である。
【0045】
図22及び
図24に示すように、本実施の形態のリング式綴じ具は、第1基板1及び第2基板2と鞘体4との長手方向D1の相対的な変位により、第1基板1及び第2基板2の係着溝部70に鞘体4の鞘係着爪42を差し込むように適合されている。
【0046】
この相対的な変位が行われるとき、基板端部係止爪71の基板傾斜側面71aと鞘端部係着爪421の鞘傾斜側面421aは、基板端部係止爪71が鞘係着爪42及び鞘端部係着爪421を乗り越えることを許容するように構成されている。また、基板端部係止爪71の基板位置決側面71b及び鞘端部係着爪421の鞘位置決側面421bは、互いに突き当てられることで、長手方向D1に係る第1基板1及び第2基板2と鞘体4との相対的な変位を規制するように構成されている。すなわち、基板位置決側面71bと鞘位置決側面421bとが突き当たるときに長手方向D1に係る相対的な変位が規制され、その他のとき(基板傾斜側面71aと鞘傾斜側面421aとが突き当たるとき、基板傾斜側面71aと鞘位置決側面421bとが突き当たるとき、及び基板位置決側面71bと鞘傾斜側面421aとが突き当たるとき)は長手方向D1に係る相対的な変位が許容される。
【0047】
図22に示すように図中左側の鞘体4の一端から図中右側に向けて第1基板1及び第2基板2を差し込んだとき、
図22の図中左側に位置する基板端部係止爪71は図中右側に向けて鞘端部係着爪421を乗り越えることができる(
図23参照)。基板端部係止爪71が鞘端部係着爪421を乗り越えた後、逆方向(図中左側)に向けて第1基板1及び第2基板2を変位させようとしたとき、基板端部係止爪71の基板位置決側面71bが鞘端部係着爪421の鞘位置決側面421bと突き当たり、図中左側への第1基板1及び第2基板2の変位が規制される。これにより、長手方向D1の相対的な変位により第1基板1及び第2基板2に鞘体4を係着する場合でも、第1基板1及び第2基板2並びに鞘体4が長手方向D1にずれを抑えることができる。
【0048】
鞘中間係着爪422の両側の側面は、幅方向D2に対して傾斜して延在されており、基板端部係止爪71が鞘中間係着爪722を乗り越えることを許容するように構成されている。例えば、
図24に示すように図中右側の鞘体4の他端から図中左側に向けて第1基板1及び第2基板2を差し込んだとき、
図24の図中左側に位置する基板端部係止爪71は、基板位置決側面71bが鞘中間係着爪422に先に当たるが、図中左側に向けて鞘中間係着爪422を乗り越えることができる(
図25参照)。上述のように基板端部係止爪71と基板位置決側面71bとが突き当たる角部71cを円弧面又はR部とすることで、基板端部係止爪71がより円滑に鞘中間係着爪422を乗り越えることができる。
【0049】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例又は修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0050】
本明細書に記載された発明は、次のように記載することも可能である。
[1]
互いに隣り合って平行に延在する長手状の二枚の基板と、
前記二枚の基板の表面側に設けられた複数の半リング部分と、
前記二枚の基板の裏面側に配置されるとともに、前記二枚の基板を幅方向に係る外側から挟み込み、前記二枚の基板を互いに押し付けて保持する長手状の樹脂材料を含む材質からなる鞘体と
を備え、
前記鞘体の押付け力の作用下での前記二枚の基板の回転変位に伴い、前記半リング部分のそれぞれの先端が互いに近接されるとともに離間される、
リング式綴じ具であって、
前記二枚の基板のそれぞれの外側面には、長手方向に延在された係着溝部が設けられており、
前記係着溝部の内部には、前記長手方向に係る前記二枚の基板の両端部に配置された基板端部係止爪が設けられており、
前記基板端部係止爪のそれぞれは、前記長手方向に係る前記基板の内側に配置されるとともに前記幅方向に対して傾斜して延在された基板傾斜側面と、前記長手方向に係る前記基板の外側に配置されるとともに前記幅方向に延在された基板位置決側面とを有しており、
前記鞘体は、裏板部と、前記裏板部の両側縁から立ち上げられた側板部と、前記側板部のそれぞれの先端部から互いに近づく方向に突出されて前記係着溝部に差し込まれた鞘係着爪とを有しており、
前記鞘係着爪には、前記長手方向に係る前記鞘体の両端部に配置された鞘端部係着爪が設けられており、
前記鞘端部係着爪のそれぞれは、前記長手方向に係る前記鞘体の外側に配置されるとともに前記幅方向に対して傾斜して延在された鞘傾斜側面と、前記長手方向に係る前記鞘体の内側に配置されるとともに前記幅方向に延在された鞘位置決側面とを有しており、
前記基板傾斜側面及び前記鞘傾斜側面は、前記基板端部係止爪が前記鞘係着爪及び前記鞘端部係着爪を乗り越えることを許容するように構成されており、
前記基板位置決側面及び前記鞘位置決側面は、互いに突き当てられることで、前記長手方向に係る前記二枚の基板と前記鞘体との相対的な変位を規制するように構成されている、
リング式綴じ具。
[2]
前記鞘係着爪には、前記長手方向に係る前記鞘端部係着爪の間に配置された少なくとも1つの鞘中間係着爪が設けられており、
前記鞘中間係着爪の両側の側面は、前記幅方向に対して傾斜して延在されており、前記基板端部係止爪が前記鞘中間係着爪を乗り越えることを許容するように構成されている、
第1項に記載のリング式綴じ具。
[3]
前記側板部からの前記鞘係着爪の突出量は、前記係着溝部の深さの1/3以上である、
第1項又は第2項に記載のリング式綴じ具。
[4]
前記長手方向に係る前記係着溝部の両端は開放されている、
第1項から第3項までのいずれか1項に記載のリング式綴じ具。
[5]
前記二枚の基板のそれぞれの内側面には、互いに嵌り合う突起付き凸面及び突起付き凹面が設けられており、前記突起付き凸面及び突起付き凹面のそれぞれには、前記回転変位の途中で互いに衝突し、前記押付け力に抗して乗り越えて当該回転変位に抵抗する対向突起部が形成されている、
第1項から第4項までのいずれか1項に記載のリング式綴じ具。
[6]
前記樹脂材料を含む材質は、バイオマスプラスチックである、
第1項から第5項までのいずれか1項に記載のリング式綴じ具。
[7]
前記樹脂材料を含む材質は、紙、トウモロコシ、卵の殻又は貝殻由来の材料を含む、
第6項に記載のリング式綴じ具。
【符号の説明】
【0051】
1,2 :基板
3 :半リング部分
4 :鞘体
40 :裏板部
41 :側板部
42 :鞘係着爪
421 :鞘端部係着爪
421a :鞘傾斜側面
421b :鞘位置決側面
422 :鞘中間係着爪
6 :内側面
60 :突起付き凸面
60a :対向突起部
61 :突起付き凹面
61a :対向突起部
7 :外側面
70 :係着溝部
71 :基板端部係止爪
71a :基板傾斜側面
71b :基板位置決側面
【要約】
【課題】長手方向の相対的な変位により二枚の基板に鞘体を係着する場合でも、二枚の基板及び鞘体が長手方向にずれを抑えることができるリング式綴じ具を提供する。
【解決手段】本発明によるリング式綴じ具は、二枚の基板1,2の基板端部係止爪71のそれぞれは、基板傾斜側面71aと基板位置決側面71bとを有しており、鞘体4の鞘端部係着爪421のそれぞれは、鞘傾斜側面421aと鞘位置決側面421bとを有しており、基板傾斜側面71a及び鞘傾斜側面421aは、基板端部係止爪71が鞘端部係着爪421を乗り越えることを許容するように構成されており、基板位置決側面71b及び鞘位置決側面421bは、互いに突き当てられることで、長手方向に係る二枚の基板1,2と鞘体4との相対的な変位を規制するように構成されている。
【選択図】
図23