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特許7402585ファイバ対切替を有する海中ケーブル分岐ユニット及び光通信システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-13
(45)【発行日】2023-12-21
(54)【発明の名称】ファイバ対切替を有する海中ケーブル分岐ユニット及び光通信システム
(51)【国際特許分類】
   H04J 14/02 20060101AFI20231214BHJP
   H04B 10/27 20130101ALI20231214BHJP
【FI】
H04J14/02 101
H04B10/27
【請求項の数】 20
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2019139300
(22)【出願日】2019-07-30
(65)【公開番号】P2020036312
(43)【公開日】2020-03-05
【審査請求日】2022-04-14
(31)【優先権主張番号】62/712,167
(32)【優先日】2018-07-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】502101180
【氏名又は名称】サブコム,エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100094112
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 讓
(74)【代理人】
【識別番号】100106183
【弁理士】
【氏名又は名称】吉澤 弘司
(74)【代理人】
【識別番号】100114915
【弁理士】
【氏名又は名称】三村 治彦
(74)【代理人】
【識別番号】100125139
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 洋
(72)【発明者】
【氏名】ララ デニス ガレット
(72)【発明者】
【氏名】ハイフェン リ
(72)【発明者】
【氏名】トーマス マリノ,ジュニア
(72)【発明者】
【氏名】ゲオルク ハインリッヒ モース
(72)【発明者】
【氏名】マッシモ マンナ
【審査官】対馬 英明
(56)【参考文献】
【文献】特開2000-354006(JP,A)
【文献】国際公開第2016/152115(WO,A1)
【文献】国際公開第2017/022231(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 10/00-10/90
H04J 14/00-14/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光通信システムであって、
幹線ケーブルの複数のファイバ対上に幹線信号を供給するように構成された幹線端末と、
分岐ケーブル上に分岐アド信号を供給するように構成された分岐端末と、
前記幹線信号及び前記分岐アド信号を受信するために前記幹線ケーブル及び前記分岐ケーブルに結合されたファイバ対切替用分岐ユニットと
を備え、前記ファイバ対切替用分岐ユニットが、
前記幹線ケーブルに結合されて前記複数のファイバ対の各々から前記幹線信号を受信するように構成された少なくとも第1の光ルーティングデバイスであって、信号を前記複数のファイバ対の選択された1つから前記分岐ケーブルのドロップファイバに結合するように制御可能な第1の光ルーティングデバイスと、
前記分岐ケーブルに結合されて前記分岐ケーブルから前記分岐アド信号を受信するように構成された少なくとも第2の光ルーティングデバイスであって、前記分岐アド信号を前記複数のファイバ対の1つのファイバに結合するように制御可能な第2の光ルーティングデバイスと
を備え、
前記第1の光ルーティングデバイスが、対応する光カプラを介して前記幹線ケーブルの前記複数のファイバ対に結合された、
光通信システム。
【請求項2】
前記第1の光ルーティングデバイスが第1の波長選択スイッチを備え、前記第2の光ルーティングデバイスが第2の波長選択スイッチを備える、請求項1に記載の光通信システム。
【請求項3】
前記第2の光ルーティングデバイスが、対応する光スプリッタを介して前記分岐ケーブルに結合された、請求項1又は2に記載の光通信システム。
【請求項4】
光通信システムであって、
幹線ケーブルの複数のファイバ対上に幹線信号を供給するように構成された幹線端末と、
分岐ケーブル上に分岐アド信号を供給するように構成された分岐端末と、
前記幹線信号及び前記分岐アド信号を受信するために前記幹線ケーブル及び前記分岐ケーブルに結合されたファイバ対切替用分岐ユニットと
を備え、前記ファイバ対切替用分岐ユニットが、
前記幹線ケーブルに結合されて前記複数のファイバ対の各々から前記幹線信号を受信するように構成された少なくとも第1の光ルーティングデバイスであって、信号を前記複数のファイバ対の選択された1つから前記分岐ケーブルのドロップファイバに結合するように制御可能な第1の光ルーティングデバイスと、
前記分岐ケーブルに結合されて前記分岐ケーブルから前記分岐アド信号を受信するように構成された少なくとも第2の光ルーティングデバイスであって、前記分岐アド信号を前記複数のファイバ対の1つのファイバに結合するように制御可能な第2の光ルーティングデバイスと
を備え、
前記第2の光ルーティングデバイスが、対応する光スプリッタを介して前記分岐ケーブルに結合された、
光通信システム。
【請求項5】
前記光スプリッタが、前記分岐アド信号を受信するように前記分岐ケーブルに結合された入力ポート、及び複数の出力ポートを有し、前記複数の出力ポートの1つが前記第2の光ルーティングデバイスに結合された、請求項3又は4に記載の光通信システム。
【請求項6】
前記複数の出力ポートのうちの第2のものが第3の光ルーティングデバイスに結合され、該第3の光ルーティングデバイスは前記分岐アド信号を前記複数のファイバ対の1つの別個のファイバに結合するように制御可能である、請求項5に記載の光通信システム。
【請求項7】
前記第1の光ルーティングデバイスが、対応する光スイッチを介して前記幹線ケーブルの前記複数のファイバ対に結合された、請求項1から6のいずれか一項に記載の光通信システム。
【請求項8】
前記第2の光ルーティングデバイスが、対応する光スイッチを介して前記幹線ケーブルの前記複数のファイバ対の1つの前記ファイバに結合された、請求項1から7のいずれか一項に記載の光通信システム。
【請求項9】
ファイバ対切替用分岐ユニットであって、
幹線ケーブルに結合されて前記幹線ケーブルの複数のファイバ対の各々から幹線信号を受信するように構成された少なくとも第1の光ルーティングデバイスであって、信号を前記複数のファイバ対の選択された1つから分岐ケーブルのドロップファイバに結合するように制御可能な第1の光ルーティングデバイスと、
前記分岐ケーブルに結合されて前記分岐ケーブルから分岐アド信号を受信するように構成された少なくとも第2の光ルーティングデバイスであって、前記分岐アド信号を前記複数のファイバ対の1つのファイバに結合するように制御可能な第2の光ルーティングデバイスと
を備え
前記第1の光ルーティングデバイスが、対応する光カプラを介して前記幹線ケーブルの前記複数のファイバ対に結合された、
ファイバ対切替用分岐ユニット。
【請求項10】
前記第1の光ルーティングデバイスが第1の波長選択スイッチを備え、前記第2の光ルーティングデバイスが第2の波長選択スイッチを備える、請求項に記載のファイバ対切替用分岐ユニット。
【請求項11】
前記第2の光ルーティングデバイスが、対応する光スプリッタを介して前記分岐ケーブルに結合された、請求項9又は10に記載のファイバ対切替用分岐ユニット。
【請求項12】
ファイバ対切替用分岐ユニットであって、
幹線ケーブルに結合されて前記幹線ケーブルの複数のファイバ対の各々から幹線信号を受信するように構成された少なくとも第1の光ルーティングデバイスであって、信号を前記複数のファイバ対の選択された1つから分岐ケーブルのドロップファイバに結合するように制御可能な第1の光ルーティングデバイスと、
前記分岐ケーブルに結合されて前記分岐ケーブルから分岐アド信号を受信するように構成された少なくとも第2の光ルーティングデバイスであって、前記分岐アド信号を前記複数のファイバ対の1つのファイバに結合するように制御可能な第2の光ルーティングデバイスと
を備え、
前記第2の光ルーティングデバイスが、対応する光スプリッタを介して前記分岐ケーブルに結合された、
ファイバ対切替用分岐ユニット。
【請求項13】
前記光スプリッタが、前記分岐アド信号を受信するように前記分岐ケーブルに結合された入力ポート、及び複数の出力ポートを有し、前記複数の出力ポートの1つが前記第2の光ルーティングデバイスに結合された、請求項11又は12に記載のファイバ対切替用分岐ユニット。
【請求項14】
前記複数の出力ポートのうちの第2のものが第3の光ルーティングデバイスに結合され、該第3の光ルーティングデバイスは前記分岐アド信号を前記複数のファイバ対の1つの別個のファイバに結合するように制御可能である、請求項13に記載のファイバ対切替用分岐ユニット。
【請求項15】
前記第1の光ルーティングデバイスが、対応する光スイッチを介して前記幹線ケーブルの前記複数のファイバ対に結合された、請求項9から14のいずれか一項に記載のファイバ対切替用分岐ユニット。
【請求項16】
前記第2の光ルーティングデバイスが、対応する光スイッチを介して前記幹線ケーブルの前記複数のファイバ対の1つの前記ファイバに結合された、請求項9から15のいずれか一項に記載のファイバ対切替用分岐ユニット。
【請求項17】
光通信システムであって、
幹線ケーブルの複数のファイバ対上に幹線信号を供給するように構成された幹線端末と、
分岐ケーブル上に分岐アド信号を供給するように構成された分岐端末と、
前記幹線信号及び前記分岐アド信号を受信するために前記幹線ケーブル及び前記分岐ケーブルに結合されたファイバ対切替用分岐ユニットと
を備え、前記ファイバ対切替用分岐ユニットが、
前記幹線ケーブル及び前記分岐ケーブルに結合された少なくとも1つの光ルーティングデバイスであって、前記複数のファイバ対の各々から前記幹線信号を受信するように構成され、信号を前記複数のファイバ対のいずれか1つから前記分岐ケーブルのドロップファイバに結合するように制御可能であり、前記分岐ケーブルから前記分岐アド信号を受信するように構成され、前記分岐アド信号を前記複数のファイバ対のいずれか1つに結合するように制御可能な少なくとも1つの光ルーティングデバイス
を備え、
前記少なくとも1つの光ルーティングデバイスが、対応する光カプラを介して前記幹線ケーブルの前記複数のファイバ対に結合された、
光通信システム。
【請求項18】
光通信システムであって、
幹線ケーブルの複数のファイバ対上に幹線信号を供給するように構成された幹線端末と、
分岐ケーブル上に分岐アド信号を供給するように構成された分岐端末と、
前記幹線信号及び前記分岐アド信号を受信するために前記幹線ケーブル及び前記分岐ケーブルに結合されたファイバ対切替用分岐ユニットと
を備え、前記ファイバ対切替用分岐ユニットが、
前記幹線ケーブル及び前記分岐ケーブルに結合された少なくとも1つの光ルーティングデバイスであって、前記複数のファイバ対の各々から前記幹線信号を受信するように構成され、信号を前記複数のファイバ対のいずれか1つから前記分岐ケーブルのドロップファイバに結合するように制御可能であり、前記分岐ケーブルから前記分岐アド信号を受信するように構成され、前記分岐アド信号を前記複数のファイバ対のいずれか1つに結合するように制御可能な少なくとも1つの光ルーティングデバイス
を備え、
前記少なくとも1つの光ルーティングデバイスが、対応する光スプリッタを介して前記分岐ケーブルに結合された、
光通信システム。
【請求項19】
ファイバ対切替用分岐ユニットであって、
第1のケーブル上陸局と第2のケーブル上陸局の間に延在する幹線ケーブルに結合されて前記幹線ケーブルの複数のファイバ対の各々から幹線信号を受信するように構成された少なくとも1つの光ルーティングデバイスであって、分岐局に結合された分岐ケーブルに結合されて前記分岐ケーブルから分岐アド信号を受信するようにさらに構成された少なくとも1つの光ルーティングデバイスを備え、
前記少なくとも1つの光ルーティングデバイスが、信号を前記複数のファイバ対のいずれか1つから前記分岐ケーブルのドロップファイバに結合するように制御可能であり、前記分岐アド信号を前記複数のファイバ対のいずれか1つに結合するように制御可能であ
前記少なくとも1つの光ルーティングデバイスが、対応する光カプラを介して前記幹線ケーブルの前記複数のファイバ対に結合された、
ファイバ対切替用分岐ユニット。
【請求項20】
ファイバ対切替用分岐ユニットであって、
第1のケーブル上陸局と第2のケーブル上陸局の間に延在する幹線ケーブルに結合されて前記幹線ケーブルの複数のファイバ対の各々から幹線信号を受信するように構成された少なくとも1つの光ルーティングデバイスであって、分岐局に結合された分岐ケーブルに結合されて前記分岐ケーブルから分岐アド信号を受信するようにさらに構成された少なくとも1つの光ルーティングデバイスを備え、
前記少なくとも1つの光ルーティングデバイスが、信号を前記複数のファイバ対のいずれか1つから前記分岐ケーブルのドロップファイバに結合するように制御可能であり、前記分岐アド信号を前記複数のファイバ対のいずれか1つに結合するように制御可能であり、
前記少なくとも1つの光ルーティングデバイスが、対応する光スプリッタを介して前記分岐ケーブルに結合された、
ファイバ対切替用分岐ユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、光伝送システムに関し、特に、ファイバ対切替を有する海中ケーブル分岐ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
海中光ケーブルは、地上系端末間で海底又は海洋底に配されて海洋及び海の長い範囲にわたって光信号を搬送する。光ケーブルは、幾つかの光ファイバ対、及び強化部材、電力導体、電気絶縁体、保護シールドなどのような他の構成要素を含む。光ファイバは、シングルコア/モードファイバ又はマルチモード/コアファイバであり得る。ファイバ対の第1のファイバはケーブル上の第1の方向に信号を通信するためのシステムにおいて結合され得るものであり、ファイバ対の第2のファイバはケーブル上の第1の方向とは反対の第2の方向に信号を通信するために構成され得る。したがって、システムは、双方向通信に対応している。
【0003】
分岐海中光通信システムでは、幹線ケーブルが、第1の地上系幹線端末と第2の地上系幹線端末の間に延在し得る。幹線ケーブルは、光信号を増幅するための光増幅器間に結合された多数の幹線ケーブル部分を含むことになり、それに結合された1以上の分岐ユニットを有することになる。各分岐ユニットは、送信及び/又は受信地上系分岐端末において終端する分岐ケーブルに接続され得る。分岐ケーブルは、光信号を増幅するための光増幅器間に結合された多数の分岐ケーブル部分を含み得る。
【0004】
1つの海中光ケーブルにおける個々のファイバ対は、伝統的に異なる所有者によって管理されてきた。このように、単一のファイバ対の容量は、複数の端末/ケーブル上陸地点の間で海中分岐ユニットを介して共有される重要な商品であった。これを容易化するために、各分岐ユニットは、1以上の光アド/ドロップマルチプレクサを含み得る。信号のチャネル又は波長は、光信号を分岐端末へ及びそこから選択チャネル上で方向付けるように光アド/ドロップマルチプレクサを介して幹線ケーブルにアドされ及び/又はそこからドロップされ得る。
【0005】
以下の図面との関連で読まれるべき以下の詳細な説明に対して参照がなされるべきであり、同様の符号は同様の部分を示す。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1図1は、本開示による光通信システムの一例の概略説明図である。
図2図2は、本開示によるファイバ対切替用分岐ユニットの一例の機能ブロック図である。
図3図3は、本開示によるファイバ対切替用分岐ユニットの他の例を含む本開示による光通信システムの概略説明図である。
図4図4は、本開示によるファイバ対切替用分岐ユニットの他の一例の機能ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
概略として、本開示によるシステム及び方法は、任意数の幹線ケーブルファイバ対が任意数の分岐ケーブルファイバ対の光スペクトルを利用することを可能とする。例えば、本開示によるシステムは、8本の幹線ケーブルファイバ対が単一の「東行き」分岐ケーブルファイバ対及び単一の「西行き」分岐ケーブルファイバ対に各々接続することを可能とするように構成され得る。
【0008】
この手法は、特定の分岐端末へのアクセスが幹線ファイバ対の予め定義されたサブセットに限定されないため、より少ない分岐ケーブルファイバ対が各分岐ユニットに装備されることを可能としてシステムコストを低減し、幹線ケーブル全体容量の柔軟なルーティングを提供する。この手法はまた、どの幹線ケーブルファイバ対が分岐端末にルーティングされるのかを予め計画する必要をなくすので、システム計画を簡素化する。
【0009】
図1は、本開示による例示の分岐光通信システム100を示す。システム100は、説明の便宜上、非常に簡略化された形式で図示されている。説明するシステム100は、幹線ケーブル112に結合された地上系幹線端末110及び120並びに分岐ケーブル162を介して幹線ケーブル112に結合された地上系分岐端末160を含む。ある実施形態では、システム100は、例えば、水域、例えば、海洋に跨る端末の少なくとも2つの間の約600km超の距離を有するロングホールシステムとして構成され得る。したがって、幹線ケーブル112は、海岸上陸場間に跨り得る。
【0010】
幹線ケーブル112及び分岐ケーブル162はともに、光信号、例えば、波長分割多重(WDM)光信号を搬送するための複数の光ケーブル部分、例えば、ケーブル部分114、115及び116を含み得る。各ケーブル部分は、光ケーブルの1以上の区間及び1以上のリピータ170を含み得る。光ケーブルの各区間は、複数の光ファイバ対、1層以上の強化部材、電力導体、絶縁体及び防護被覆部を含む周知の構成をとり得る。光ファイバ対及び光ケーブルの電力導体は、防護被覆部、部材及び保護被覆によってケーブル内で被覆及び保護される。
【0011】
したがって、システム100は、端末110、120及び160のいずれかの間に光信号の双方向通信を提供するように構成され得る。説明の便宜上、ここでの記載は、1つの端末から他の端末への送信について言及することになる。ただし、システム100は、任意数の端末110、120及び160の間で双方向又は一方向通信のために構成されてもよいことが理解されるべきである。
【0012】
幹線ケーブル112及び分岐ケーブル162の構成要素は、それらの意図する機能を実現するための様々な構成のいずれかを含み得る。リピータ170は、例えば、伝送経路上での信号減衰を補償する光増幅器/リピータ構成を含み得る。例えば、リピータの1以上は、エルビウムドープファイバ増幅器(EDFA)、ラマン増幅器、ハイブリッドラマン/EDFA増幅器又は半導体光増幅器(SOA)のような光増幅器として構成され得る。また、リピータの1以上は、光信号を、それを電気信号に変換し、その電気信号を処理してから光信号を再送信することによって再生成する光-電気-光構成において提供され得る。
【0013】
本開示によると、少なくとも1つのファイバ対切替用分岐ユニット(FPS-BU)130が、幹線端末110と幹線端末120の間の幹線ケーブルに結合され得る。より詳細を以下に記載するように、FPS-BU130は、分岐ケーブルファイバ対への幹線ケーブルファイバ対の遠隔のかつ選択的に制御可能なルーティングを可能とするように構成される。ある実施形態では、FPS-BU130は、より少数の分岐ケーブルファイバ対への2以上の幹線ケーブルファイバ対の遠隔のかつ選択的に制御可能なルーティングを可能とするように構成される。図1ではFPS-BU130が単一の要素として示されるが、FPS-BU130の機能は単一の筐体に配置された単一の要素に一体化されてもよいし、その要素が修理又は交換のために相互から独立して海洋底から回収されることを可能とするように、例えば、数キロメートル又は1以上の水深によって機能部が相互から物理的に分離されていてもよいことが理解されるべきである。
【0014】
FPS-BU130は、選択的な光波長管理部(WMU)ユニット150に対応付けられてもよい。WMU150は、FPS-BU130に結合された分岐ケーブルファイバ対における信号の選択的波長フィルタリングを提供するように構成され得る。WMU150は、例えば、所望の波長割当てを与えるための波長選択要素(例えば、フィルタ)を含んでいてもよいし、FPS-BU130と分岐ケーブル162の間において割当て波長を結合するための光接続(例えば、光カプラ)を含んでいてもよい。所望のアプリケーションに応じて、WMU150に対する様々な構成が可能となる。
【0015】
WMU150の機能を提供するのに使用され得る光デバイスの例は、限定することなく、光スイッチ、カプラ、調整可能光フィルタ、可変光減衰器、波長選択スイッチ(WSS)及び再構成可能光アドドロップマルチプレクサ(ROADM)を含む。一実施形態では、例えば、WMU150は、どの波長が分岐ケーブル162に/からアド/ドロップされるのかを選択的かつ制御可能に決定するために分岐ケーブル162へのFPS-BU130の各入力及び出力に結合された別個のWSSを含み得る。
【0016】
図1では別個の要素が図示されるが、WMU150はFPS-BU130又はその一部に一体化され、すなわち、FPS-BU130の筐体に内包されてもよいし、例えば、数キロメートル又は1以上の水深によってそこから物理的に分離されていてもよい。FPS-BU130及び選択的WMU150は、分岐端末160に分岐ケーブル162を介して結合され得る。FPS-BU130及びWMU150は、ともに分岐構成163を構成し得る。FPS-BU130は、分岐ケーブルファイバ対に、幹線ケーブルファイバ対の選択的に制御可能なルーティングを可能とし、選択的にWMU150を介して、割当てチャネル波長をドロップ及びアドすることによって光信号を分岐ケーブル162及び分岐端末160に及びそこから方向付ける。
【0017】
図2は、本開示による分岐構成163aの一例を示す。説明する例示の分岐構成163aは、FPS-BU130a及び選択的WMU150を含む。FPS-BU130aは、光バイパススイッチ部202、制御可能光ルーティングデバイス(RORD)204及びコントローラ206を含む。分岐構成163aは、光ケーブル112の西側部分、光ケーブル112の東側部分及び分岐ケーブル162の間に結合される。簡明化及び説明の便宜上、西及び東の用語並びに他の方向又は位置の用語は、ここではシステムの構成要素又は要素の概略相対方位又は位置を記述するのに使用され得る。これらの用語は、参照される具体的な方向、例えば、西又は東に限定されるのではなく、相対方位、例えば、反対側又は進行方向を記述するのに使用される。
【0018】
FPS-BU130aのバイパススイッチ部202は、複数の西側光スイッチ210-1・・・210-9及び複数の東側光スイッチ212-1・・・212-9を含む。光スイッチ210-1・・・210-9及び212-1・・・212-9は、任意の周知の光スイッチ技術で構成され得る。当業者には理解されるように、各光スイッチは、光ビーム及び/又は光ファイバを調整して切替動作を実行するように構成され得る。例えば、光スイッチは、入力経路上の信号を出力経路に制御可能に結合するマイクロミラーを調整するのに微小電気機械システム(MEMS)を利用し得る。
【0019】
西側光スイッチ210-1・・・210-9の各々は、FPS-BU130aの西側への幹線ケーブル112の一部の対応する幹線ケーブルファイバ対(FP)に結合される。西側光スイッチ210-1・・・210-9の各々は、そこに結合される幹線ケーブルファイバ対をRORD204の対応する入力ポート又は東側光スイッチ212-1・・・212-9の対応する1つのいずれかに選択的かつ制御可能に結合するように構成される。東側光スイッチ212-1・・・212-9の各々は、FPS-BU130aの東側への幹線ケーブル112の一部の対応する幹線ケーブルファイバ対(FP)に結合される。東側光スイッチ212-1・・・212-9の各々は、そこに結合された幹線ケーブルファイバ対をRORD204の対応する入力ポート又は西側光スイッチ210-1・・・210-9の対応する1つのいずれかに選択的に制御可能に結合するように構成される。この構成によると、西側スイッチ210-1・・・210-9及び東側スイッチ212-1・・・212-9は、幹線ケーブル112の西側及び/又は幹線ケーブル112の東側からのファイバ対のいずれか1以上をRORD204に、又はFPS-BU130aの反対側に結合された相当する幹線ファイバ対に結合するように選択的に制御可能である。
【0020】
説明する例示の実施形態は、幹線ケーブル112における9個のファイバ対並びに9個の西側光スイッチ210-1・・・210-9及び東側光スイッチ212-1・・・212-9を示す。ただし、本開示によるシステムは任意数のファイバ対を有する幹線ケーブル112で動作するように構成され得るものであり、光スイッチはFPS-BU130aの西側又は東側においてファイバ対の全部又は一部のみに結合され得ることが理解されるべきである。
【0021】
RORD204は、それぞれ西側スイッチ210-1・・・210-9及び東側スイッチ212-1・・・212-9を介して対応する幹線ケーブルファイバ対に選択的に結合されるように構成された多数の西側ポート214-1・・・214-9及び多数の東側ポート216-1・・・216-9、並びにASEノイズ源入力を受信するための選択的な自然放射増幅光(ASE)ポート208を含む。RORD204の西側ポート214-1・・・214-9の各々は西側スイッチ210-1・・・210-9の対応するものに結合され、RORDの東側ポート216-1・・・216-9の各々は東側スイッチ212-1・・・212-9の対応するものに結合される。
【0022】
RORD204はまた、分岐ケーブル162の西側ファイバ対218に対するポート及び分岐ケーブルの東側ファイバ対220に対するポートを含む。西側ファイバ対218の1つのファイバ222は、幹線ケーブル112から分岐ケーブル162に信号をドロップするためのドロップファイバであってもよく、西側ファイバ対218の他のファイバ224は分岐ケーブル162から幹線ケーブル112に信号をアドするためのアドファイバであってもよい。東側ファイバ対220の1つのファイバ226は、幹線ケーブル112から分岐ケーブル162に信号をドロップするためのドロップファイバであってもよく、東側ファイバ対220の他のファイバ228は分岐ケーブル162から幹線ケーブル112に信号をアドするためのアドファイバであってもよい。
【0023】
説明する例では、RORD204は、合計18個の入力ポートについて9個の西側ポート214-1・・・214-9及び9個の東側ポート216-1・・・216-9を含み、分岐ケーブル162の西側ファイバ対218及び東側ファイバ対220に対するポートを含む。ただし、本開示によるRORD204は幹線ケーブルファイバ対に結合するための任意数N個のポート及び分岐ケーブルファイバ対に結合するための任意数M個のポートを含み得ることが理解されるべきである。ある実施形態では、Nは2以上であり、N>Mである。
【0024】
RORD204は、幹線ケーブルファイバ対に結合されたN個のポートのいずれかを分岐ケーブルファイバ対に結合されたM個のポートのいずれかに選択的かつ制御可能に結合するように構成される。RORD204はまた、分岐ケーブルファイバ対に結合されたM個のポートのいずれかを分岐ケーブルファイバ対に結合されたM個のポートの他のものに結合するように構成され得る。ノイズ負荷を与えるために、RORD204は、ASEノイズをASEポート208からN又はM個のファイバ対のいずれかにルーティングするようにも構成され得る。RORD204は、アプリケーションに応じて、様々な構成で提供可能である。RORD204の機能を提供するのに使用され得る光デバイスの例は、限定することなく、光スイッチ、カプラ、調整可能光フィルタ、可変光減衰器及び波長選択スイッチ(WSS)を含む。
【0025】
RORD204は、バイパススイッチ部202に一体化されて同じ筐体内に内包されてもよいし、例えば、数キロメートル又は1以上の水深によってそこから物理的に分離されていてもよい。また、分岐ケーブルファイバ対に結合されたM個のポートは、分岐端末に直接結合されてもよいし、WMU150を介して分岐端末に間接的に接続されてもよい。上述したように、WMU150は、FPS-BUに結合された分岐ケーブルファイバ対における信号の選択的波長フィルタリングを与えるように構成され得る。
【0026】
光スイッチ210-1・・・210-9及び212-1・・・212-9、RORD204並びに選択的WMU150の状態の選択的制御は、遠隔指令信号に応じてコントローラ206によって実行され得る。コントローラ206は、端末、例えば、幹線端末110及び120並びに/又は分岐端末160から遠隔指令信号を受信するように構成され得る。例えば、遠隔指令信号は、幹線又は分岐ケーブルにおいて送信される波長分割多重(WDM)信号の監視チャネル上で送信され得る。監視チャネルはコントローラ206に方向付けられてもよく、コントローラは監視チャネルから指令信号を抽出し得る。そして、コントローラ206は、例えば、スイッチ210-1・・・210-9及び212-1・・・212-9及び/又はRORD204の出力の状態並びに選択的にWMU150のフィルタリングを構成するように、遠隔指令信号を表す信号を光スイッチ210-1・・・210-9及び212-1・・・212-9、RORD204並びに/又は選択的WMU150の各々に供給し得る。
【0027】
コントローラ206は、プログラマブルハードウェア要素並びに/又はハードウェア、ソフトウェア及びファームウェアの組合せを含み得る。例えば、コントローラは、例えば、CPU、メモリ(例えば、読出し/書込み及び/又は読出し専用)及び/又は入出力可能な周辺機器を含むマイクロコントローラであり得る。他の例では、コントローラは、ASIC、すなわち「システムオンチップ」又はFPGAなどとして実装され得る。
【0028】
図3は、バイパススイッチ部202a及びRORD204aを含むFPS-BU130bの他の例を含む本開示によるシステムを模式的に示す。バイパススイッチ部202aは、概略として図2との関連で説明したように構成されるが、3個の西側光スイッチ210-1・・・210-3及び3個の東側光スイッチ212-1・・・212-3を含む。RORD204aは、3個の1×2光カプラ/スプリッタ、1×4光カプラ/スプリッタ、3個の1×2波長選択光スイッチ(WSS)及び1×4WSSを含む。光スイッチ及びWSSの出力の状態は、遠隔指令信号に応じて、コントローラ、例えば、コントローラ206(図2)によって各々選択的に制御され得る。
【0029】
簡明化のために、ここではWSSを含むものとして実施形態を説明する。ただし、WSSは光ルーティングデバイスの例であることが理解されるべきである。光ルーティングデバイスは、単一又は複数の構成要素の様々な構成に提供され得る。機能を光ルーティングデバイスに与えるのに使用され得る光デバイスの例は、限定することなく、光スイッチ、カプラ、調整可能光フィルタ、可変光減衰器及び波長選択スイッチ(WSS)を含む。
【0030】
西側光スイッチ210-1・・・210-3の各々は、対応する西側幹線ケーブル112のファイバ対を1×2光カプラの対応する1つの入力ポートに選択的に結合するように構成される。東側光スイッチ212-1・・・212-3の各々は、対応する東側幹線ケーブルファイバ対を1×2WSSの対応する1つの出力ポートに選択的に結合するように構成される。分岐ケーブルアドファイバ302は1×4光カプラの入力に結合され、分岐ケーブルドロップファイバ304は1×4WSSの出力に結合される。1×2カプラの各々は、1×2WSSの対応するものに結合された第1の出力及び1×4WSSの対応する入力に結合された第2の対応する出力を有する。1×4カプラの出力のうちの3個は1×2WSSの対応する1つの入力に結合され、1×4カプラの出力のうちの1個は1×4WSSの入力ポートに結合される。
【0031】
この構成によると、分岐アドファイバ302からのいずれの信号も、1×2WSS及び対応する東側光スイッチ212-1・・・212-3を介して東側ファイバ対のいずれかに結合され得る。また、分岐ドロップファイバ304にドロップされるいずれの信号も、西側光スイッチ210-1・・・210-3、対応する1×2カプラ及び1×4WSSを介して分岐ドロップファイバ304に結合され得る。
【0032】
図4は、本開示によるFPS-BU130cの他の例を示す。概略として、FPS-BU130cでは、光カプラは、各入力幹線ファイバをタップしてインバウンド光スペクトルの複製を取得してそれを光フィルタリングデバイス、例えば、WSSに接続するのに用いられる。幹線ファイバの各々におけるインバウンドスペクトルは、分岐ケーブルの各ドロップファイバ上に出力スペクトルを形成するようにフィルタリング及び合成される。分岐ケーブルのアドファイバの各々におけるアウトバウンドスペクトルは、各幹線出力ファイバにおいて出力スペクトルを形成するように幹線ケーブルの各幹線出力ファイバにおける幹線トラフィックでフィルタリング及び合成される。
【0033】
特に、説明するFPS-BU130cは、幹線ケーブル112への/からの信号を西側分岐ケーブルファイバ対402に選択的かつ制御可能にルーティングするための西側部分並びに幹線ケーブル及び東側分岐ケーブルファイバ対404への/からの信号を選択的かつ制御可能にルーティングするための東側部分を有するものとして見ることができる。西側分岐ケーブルファイバ対402は、信号を幹線ケーブル112から分岐ケーブル162にドロップするためのドロップファイバ406及び信号を分岐ケーブル162から幹線ケーブル112にアドするためのアドファイバ408を含む。東側分岐ケーブルファイバ対404は、信号を幹線ケーブル112から分岐ケーブル162にドロップするためのドロップファイバ412及び信号を分岐ケーブル162から幹線ケーブル112にアドするためのアドファイバ410を含む。
【0034】
説明する実施形態における幹線ケーブルは、N個のファイバ対FP1・・・FPNを含む。ファイバ414-1・・・414-Nは西側幹線端末からの東行き信号を搬送し、ファイバ416-1・・・416-Nは東側幹線端末からの西行き信号を搬送する。FPS-BU130cの西側部分は、東行き信号を搬送するファイバ414-1・・・414-Nの各々に結合された光カプラ、西行き信号を搬送するファイバ416-1・・・416-Nの各々に結合されたWSS、N×MドロップWSS418及びN×Mアド光スプリッタ/カプラ420を含む。説明する例示の実施形態では、簡明化及び説明の便宜上、M=1とする。ただし、FPS-BU130cの意図するアプリケーションに応じてMは任意数となり得ることが理解されるべきである。
【0035】
カプラの各々は、東行き信号の一部をドロップWSS418の入力に結合する。ドロップWSS418の出力は、西側分岐ケーブルドロップファイバ406に結合される。WSSの各々は、スプリッタ420の出力に結合される。スプリッタ420への入力は、西側分岐ケーブルアドファイバ408に結合される。WSSの出力の状態は、遠隔指令信号に応じて、コントローラ、例えば、コントローラ206(図2)によって各々選択的に制御され得る。
【0036】
FPS-BU130cの東側部分は、西行き信号を搬送するファイバ416-1・・・416-Nの各々に結合された光カプラ、東行き信号を搬送するファイバ414-1・・・414-Nの各々に結合されたWSS、N×MドロップWSS422及びN×Mアド光スプリッタ/カプラ424を含む。カプラの各々は、東行き信号の一部をドロップWSS422の入力に結合する。ドロップWSS422の出力は、西側分岐ケーブルドロップファイバ412に結合される。WSSの各々は、スプリッタ424の出力に結合される。スプリッタ424への入力は、西側分岐ケーブルアドファイバ410に結合される。WSSの出力の状態は、遠隔指令信号に応じて、コントローラ、例えば、コントローラ206(図2)によって各々選択的に制御され得る。
【0037】
有利なことに、ここに説明する実施形態は、幹線ケーブルファイバ対と分岐ケーブルファイバ対の間の固定の一対一の相関関係なしに、光スペクトルをN個の幹線ケーブルファイバ対からM個の分岐ケーブルファイバ対にルーティングすることを可能とする。いずれかの幹線ケーブルファイバ対からのスペクトルは分岐ケーブルファイバ対のより小さな共有グループにルーティング可能であり、分岐ケーブルファイバ対が、より効率的に、おそらくは必要とされる場合には全容量で利用されることが可能となる。より少ない幹線ケーブルファイバ対からのスペクトルはまた、例えば、N=4及びM=8の、より多くの分岐ケーブルファイバ対にルーティングされ得る。
【0038】
本開示によるシステムは、ここに説明する例に限定されず、様々な構成において提供され得る。例えば、図4に示す実施形態は、「ブロードキャスト及び選択」構成として説明され得る。一方、カプラ、N×MドロップWSS、WSS及びN×Mスプリッタの位置は、本開示による「フィルタリング及び合成」アーキテクチャを提供するように逆にしてもよい。また、選択的に制御可能なRORD、WSS、N×MドロップWSS及びN×Mアドスプリッタは、単一のユニットとして実施可能であり、より少数のポートの光フィルタデバイスの組合せで実施されてもよい。本開示によるシステムは、単一のインスタンスで実施されてもよいし、各経路上の冗長な再構成可能光フィルタリングユニットで実施されてもよい。
【0039】
本開示の一態様によると、幹線ケーブルの複数のファイバ対上に幹線信号を供給するように構成された幹線端末と、分岐ケーブル上に分岐アド信号を供給するように構成された分岐端末と、幹線信号及び分岐アド信号を受信するために幹線ケーブル及び分岐ケーブルに結合されたファイバ対切替用分岐ユニットとを含む光通信システムが提供され、分岐ユニットは、幹線ケーブルに結合されて複数のファイバ対の各々から幹線信号を受信するように構成された少なくとも第1の光ルーティングデバイスであって、信号を複数のファイバ対の選択された1つから分岐ケーブルのドロップファイバに結合するように制御可能な第1の光ルーティングデバイスと、分岐ケーブルに結合されて分岐ケーブルから分岐アド信号を受信するように構成された少なくとも第2の光ルーティングデバイスであって、分岐アド信号を複数のファイバ対の1つのファイバに結合するように制御可能な第2の光ルーティングデバイスとを含む。
【0040】
本開示の他の態様によると、幹線ケーブルに結合されて幹線ケーブルの複数のファイバ対の各々から幹線信号を受信するように構成された少なくとも第1の光ルーティングデバイスであって、信号を複数のファイバ対の選択された1つから分岐ケーブルのドロップファイバに結合するように制御可能な第1の光ルーティングデバイスと、分岐ケーブルに結合されて分岐ケーブルから分岐アド信号を受信するように構成された少なくとも第2の光ルーティングデバイスであって、分岐アド信号を複数のファイバ対の1つのファイバに結合するように制御可能な第2の光ルーティングデバイスとを含むファイバ対切替用分岐ユニットが提供される。
【0041】
本開示の他の態様によると、幹線ケーブルの複数のファイバ対上に幹線信号を供給するように構成された幹線端末と、分岐ケーブル上に分岐アド信号を供給するように構成された分岐端末と、幹線信号及び分岐アド信号を受信するために幹線ケーブル及び分岐ケーブルに結合されたファイバ対切替用分岐ユニットとを含む光通信システムが提供され、分岐ユニットは、幹線ケーブル及び分岐ケーブルに結合された少なくとも1つの光ルーティングデバイスであって、複数のファイバ対の各々から幹線信号を受信するように構成され、信号を複数のファイバ対のいずれか1つから分岐ケーブルのドロップファイバに結合するように制御可能であり、分岐ケーブルから分岐アド信号を受信するように構成され、分岐アド信号を複数のファイバ対のいずれか1つに結合するように制御可能な光ルーティングデバイスを備える。
【0042】
本開示の他の態様によると、第1のケーブル上陸局と第2のケーブル上陸局の間に延在する幹線ケーブルに結合されて幹線ケーブルの複数のファイバ対の各々から幹線信号を受信するように構成された少なくとも1つの光ルーティングデバイスであって、分岐局に結合された分岐ケーブルに結合されて分岐ケーブルから分岐アド信号を受信するようにさらに構成された少なくとも1つの光ルーティングデバイスを含むファイバ対切替用分岐ユニットが提供され、少なくとも1つの光ルーティングデバイスは、信号を複数のファイバ対のいずれか1つから分岐ケーブルのドロップファイバに結合するように制御可能であり、分岐アド信号を複数のファイバ対のいずれか1つに結合するように制御可能である。
【0043】
例示の実施形態の以上の説明が、図示及び説明の目的で提示されてきた。それは、網羅的であること及び本開示を開示の厳密な形態に限定することを意図するものではない。多数の変形例及びバリエーションが、この開示に照らして可能である。本開示の範囲はこの詳細な説明ではなくここに付随する特許請求の範囲によって限定されるものである。
【0044】
ここに記載される方法の実施形態は、コントローラ、プロセッサ及び/又は他のプログラマブルデバイスを用いて実施され得る。この目的のため、ここに記載される方法は、1以上のプロセッサによって実行されるとその方法を実行する命令をそこに記憶させた有体の非一時的なコンピュータ可読媒体において実施され得る。したがって、例えば、コントローラ206は、ここに記載される動作を実行する命令を(例えば、ファームウェア又はソフトウェアにおいて)記憶する記憶媒体を含み得る。記憶媒体は、任意のタイプの有形の媒体、例えば、フロッピーディスク、光ディスク、コンパクトディスク読出し専用メモリ(CD-ROM)、コンパクトディスク書換え可能(CD-RW)及び光磁気ディスクを含む任意のタイプのディスク、読出し専用メモリ(ROM)、ダイナミック及びスタティックランダムアクセスメモリ(RAM)などのRAM、消去可能プログラマブル読出し専用メモリ(EPROM)、電気消去可能プログラマブル読出し専用メモリ(EEPROM)、フラッシュメモリ、磁気若しくは光カードなどの半導体デバイス、又は電子命令を記憶するのに適した任意のタイプの媒体を含み得る。
【0045】
ここではいずれのブロック図も開示の原理を具現化する例示の回路の概念図を表すことが当業者には分かるはずである。同様に、いずれのブロック図、フローチャート、フロー図、状態遷移図、疑似コードなども、コンピュータ可読媒体において実質的に表され、そのようなコンピュータ又はプロセッサが明示的に示されているか否かにかかわらずコンピュータ又はプロセッサによってそのように実行され得る種々の処理を表すことが当業者には分かるはずである。ソフトウェアであると示唆されるソフトウェアモジュール又は単にモジュールは、ここでは処理ステップの実行及び/又は原文の記載を示すフローチャート要素又は他の要素の任意の組合せとして表され得る。そのようなモジュールは、明示的又は暗示的に示されたハードウェアによって実行され得る。
【0046】
ここで用いられる用語「結合される」は、1つのシステム要素によって搬送される信号が「結合される」要素に与えられる任意の接続、結合、リンクなどのことをいう。そのような「結合される」デバイスは、相互に必ずしも直接には接続されず、そのような信号を操作又は変更し得る介在構成要素又はデバイスによって分離され得る。特に断りがない限り、文言「実質的に」の使用は、正確な関係、条件、配置、方位及び/又は他の特性、並びに当業者に理解されるようなそのずれを、そのようなずれが開示の方法及びシステムに顕著な影響を与えないような程度で、含むものと解釈され得る。本開示の全体を通じて、名詞を修飾する冠詞「a」及び/若しくは「an」並びに/又は「the」の使用は、便宜上使用され、特に断りがない限り修飾される名詞の1つ又は2以上を含むことが理解され得る。用語「備える」、「含む」及び「有する」は、包括的なものであり、列挙された要素の他に追加の要素があり得ることを意味するものである。
【0047】
明白なこととして、多数の変形例及びバリエーションが上記の教示に照らして明らかとなり得る。ここに記載及び図示される部分の詳細、材料及び配置の多数の追加の変更が、当業者によってなされ得る。
[請求項1]
光通信システムであって、
幹線ケーブルの複数のファイバ対上に幹線信号を供給するように構成された幹線端末と、
分岐ケーブル上に分岐アド信号を供給するように構成された分岐端末と、
前記幹線信号及び前記分岐アド信号を受信するために前記幹線ケーブル及び前記分岐ケーブルに結合されたファイバ対切替用分岐ユニットと
を備え、前記分岐ユニットが、
前記幹線ケーブルに結合されて前記複数のファイバ対の各々から前記幹線信号を受信するように構成された少なくとも第1の光ルーティングデバイスであって、信号を前記複数のファイバ対の選択された1つから前記分岐ケーブルのドロップファイバに結合するように制御可能な第1の光ルーティングデバイスと、
前記分岐ケーブルに結合されて前記分岐ケーブルから前記分岐アド信号を受信するように構成された少なくとも第2の光ルーティングデバイスであって、前記分岐アド信号を前記複数のファイバ対の1つのファイバに結合するように制御可能な第2の光ルーティングデバイスと
を備える、光通信システム。
[請求項2]
前記第1の光ルーティングデバイスが第1の波長選択スイッチを備え、前記第2の光ルーティングデバイスが第2の波長選択スイッチを備える、請求項1に記載の光通信システム。
[請求項3]
前記第1の光ルーティングデバイスが、対応する光カプラを介して前記幹線ケーブルの前記複数のファイバ対に結合された、請求項1に記載の光通信システム。
[請求項4]
前記第2の光ルーティングデバイスが、対応する光スプリッタを介して前記分岐ケーブルに結合された、請求項1に記載の光通信システム。
[請求項5]
前記光スプリッタが、前記分岐アド信号を受信するように前記分岐ケーブルに結合された入力ポート、及び複数の出力ポートを有し、前記複数の出力ポートの1つが前記第2の光ルーティングデバイスに結合された、請求項4に記載の光通信システム。
[請求項6]
前記出力ポートの第2のものが第3の光ルーティングデバイスに結合され、該第3の光ルーティングデバイスは前記分岐アド信号を前記複数のファイバ対の1つの別個のファイバに結合するように制御可能である、請求項5に記載の光通信システム。
[請求項7]
前記第1の光ルーティングデバイスが、対応する光スイッチを介して前記幹線ケーブルの前記複数のファイバ対に結合された、請求項1に記載の光通信システム。
[請求項8]
前記第2の光ルーティングデバイスが、対応する光スイッチを介して前記幹線ケーブルの前記複数のファイバ対の1つの前記ファイバに結合された、請求項1に記載の光通信システム。
[請求項9]
前記第1の光ルーティングデバイスが、対応する光カプラを介して前記幹線ケーブルの前記複数のファイバ対に結合され、
前記第2の光ルーティングデバイスが、対応する光スプリッタを介して前記分岐ケーブルに結合され、前記光スプリッタは前記分岐アド信号を受信するように前記分岐ケーブルに結合された入力ポート、及び複数の出力ポートを有し、前記複数の出力ポートの1つが前記第2の光ルーティングデバイスに結合され、前記出力ポートの第2のものが第3の光ルーティングデバイスに結合され、前記第3の光ルーティングデバイスが前記分岐アド信号を前記複数のファイバ対の1つの別個のファイバに結合するように制御可能である、請求項1に記載の光通信システム。
[請求項10]
前記第1の光ルーティングデバイスが、対応する光スイッチを介して前記幹線ケーブルの前記複数のファイバ対に結合され、
前記第2の光ルーティングデバイスが、対応する光スイッチを介して前記幹線ケーブルの前記複数のファイバ対の1つの前記ファイバに結合された、請求項9に記載の光通信システム。
[請求項11]
ファイバ対切替用分岐ユニットであって、
幹線ケーブルに結合されて前記幹線ケーブルの複数のファイバ対の各々から幹線信号を受信するように構成された少なくとも第1の光ルーティングデバイスであって、信号を前記複数のファイバ対の選択された1つから分岐ケーブルのドロップファイバに結合するように制御可能な第1の光ルーティングデバイスと、
前記分岐ケーブルに結合されて前記分岐ケーブルから分岐アド信号を受信するように構成された少なくとも第2の光ルーティングデバイスであって、前記分岐アド信号を前記複数のファイバ対の1つのファイバに結合するように制御可能な第2の光ルーティングデバイスと
を備えるファイバ対切替用分岐ユニット。
[請求項12]
前記第1の光ルーティングデバイスが第1の波長選択スイッチを備え、前記第2の光ルーティングデバイスが第2の波長選択スイッチを備える、請求項11に記載のファイバ対切替用分岐ユニット。
[請求項13]
前記第1の光ルーティングデバイスが、対応する光カプラを介して前記幹線ケーブルの前記複数のファイバ対に結合された、請求項11に記載のファイバ対切替用分岐ユニット。
[請求項14]
前記第2の光ルーティングデバイスが、対応する光スプリッタを介して前記分岐ケーブルに結合された、請求項11に記載のファイバ対切替用分岐ユニット。
[請求項15]
前記光スプリッタが、前記分岐アド信号を受信するように前記分岐ケーブルに結合された入力ポート、及び複数の出力ポートを有し、前記複数の出力ポートの1つが前記第2の光ルーティングデバイスに結合された、請求項14に記載のファイバ対切替用分岐ユニット。
[請求項16]
前記出力ポートの第2のものが第3の光ルーティングデバイスに結合され、該第3の光ルーティングデバイスは前記分岐アド信号を前記複数のファイバ対の1つの別個のファイバに結合するように制御可能である、請求項15に記載のファイバ対切替用分岐ユニット。
[請求項17]
前記第1の光ルーティングデバイスが、対応する光スイッチを介して前記幹線ケーブルの前記複数のファイバ対に結合された、請求項11に記載のファイバ対切替用分岐ユニット。
[請求項18]
前記第2の光ルーティングデバイスが、対応する光スイッチを介して前記幹線ケーブルの前記複数のファイバ対の1つの前記ファイバに結合された、請求項11に記載のファイバ対切替用分岐ユニット。
[請求項19]
前記第1の光ルーティングデバイスが、対応する光カプラを介して前記幹線ケーブルの前記複数のファイバ対に結合され、
前記第2の光ルーティングデバイスが、対応する光スプリッタを介して前記分岐ケーブルに結合され、前記光スプリッタは前記分岐アド信号を受信するように前記分岐ケーブルに結合された入力ポート、及び複数の出力ポートを有し、前記複数の出力ポートの1つが前記第2の光ルーティングデバイスに結合され、前記出力ポートの第2のものが第3の光ルーティングデバイスに結合され、前記第3の光ルーティングデバイスが前記分岐アド信号を前記複数のファイバ対の1つの別個のファイバに結合するように制御可能である、請求項11に記載のファイバ対切替用分岐ユニット。
[請求項20]
前記第1の光ルーティングデバイスが、対応する光スイッチを介して前記幹線ケーブルの前記複数のファイバ対に結合され、
前記第2の光ルーティングデバイスが、対応する光スイッチを介して前記幹線ケーブルの前記複数のファイバ対の1つの前記ファイバに結合された、請求項11に記載のファイバ対切替用分岐ユニット。
[請求項21]
光通信システムであって、
幹線ケーブルの複数のファイバ対上に幹線信号を供給するように構成された幹線端末と、
分岐ケーブル上に分岐アド信号を供給するように構成された分岐端末と、
前記幹線信号及び前記分岐アド信号を受信するために前記幹線ケーブル及び前記分岐ケーブルに結合されたファイバ対切替用分岐ユニットと
を備え、前記分岐ユニットが、
前記幹線ケーブル及び前記分岐ケーブルに結合された少なくとも1つの光ルーティングデバイスであって、前記複数のファイバ対の各々から前記幹線信号を受信するように構成され、信号を前記複数のファイバ対のいずれか1つから前記分岐ケーブルのドロップファイバに結合するように制御可能であり、前記分岐ケーブルから前記分岐アド信号を受信するように構成され、前記分岐アド信号を前記複数のファイバ対のいずれか1つに結合するように制御可能な光ルーティングデバイス
を備える、光通信システム。
[請求項22]
ファイバ対切替用分岐ユニットであって、
第1のケーブル上陸局と第2のケーブル上陸局の間に延在する幹線ケーブルに結合されて前記幹線ケーブルの複数のファイバ対の各々から幹線信号を受信するように構成された少なくとも1つの光ルーティングデバイスであって、分岐局に結合された分岐ケーブルに結合されて前記分岐ケーブルから分岐アド信号を受信するようにさらに構成された少なくとも1つの光ルーティングデバイスを備え、
前記少なくとも1つの光ルーティングデバイスが、信号を前記複数のファイバ対のいずれか1つから前記分岐ケーブルのドロップファイバに結合するように制御可能であり、前記分岐アド信号を前記複数のファイバ対のいずれか1つに結合するように制御可能である、ファイバ対切替用分岐ユニット。
図1
図2
図3
図4