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特許7402595土木構築物の構築方法、土木構築物用ユニット及び土木構築物用ユニットの製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-13
(45)【発行日】2023-12-21
(54)【発明の名称】土木構築物の構築方法、土木構築物用ユニット及び土木構築物用ユニットの製造方法
(51)【国際特許分類】
   E02B 3/12 20060101AFI20231214BHJP
   E02D 29/02 20060101ALI20231214BHJP
   E02D 17/20 20060101ALI20231214BHJP
【FI】
E02B3/12
E02D29/02 309
E02D17/20 103F
E02D17/20 103Z
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2022184687
(22)【出願日】2022-11-18
【審査請求日】2023-08-31
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】397045769
【氏名又は名称】環境工学株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100080768
【弁理士】
【氏名又は名称】村田 実
(74)【代理人】
【識別番号】100166327
【弁理士】
【氏名又は名称】舟瀬 芳孝
(74)【代理人】
【識別番号】100106644
【弁理士】
【氏名又は名称】戸塚 清貴
(72)【発明者】
【氏名】行本 哲
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 尚
【審査官】石川 信也
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-202191(JP,A)
【文献】特開2003-113605(JP,A)
【文献】特開平10-025753(JP,A)
【文献】特開平09-137427(JP,A)
【文献】特開2003-236815(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E02B 3/12
E02D 29/02
E02D 17/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
法面上にコンクリート層を設け、該コンクリート層の表面側に複数の壁面材により表面層を形成する土木構築物の構築方法において、
平面視四角形状の網状体の一方の面に複数の壁面材が取付けられていると共に、該網状体の他方の面に該網状体と協働して前記複数の壁面材のための架台を形成する骨組み構造の複数の脚部が設けられている土木構築物用ユニットを複数用意し、
前記法面上に前記複数の各土木構築物用ユニットを、該各土木構築物用ユニットの前記複数の脚部が前記法面側に向くように敷設して、該各土木構築物用ユニットと前記法面との間にコンクリート充填空間を形成し、
前記コンクリート充填空間にコンクリートを充填して、該コンクリート内に前記複数の各土木構築物用ユニットの前記網状体及び前記複数の脚部を埋設するものであって、
前記土木構築物用ユニットとして、前記複数の各脚部が一対の側部骨組み構造部材を備え、該一対の側部骨組み構造部材が、間隔をあけつつ前記網状体の一辺の伸び方向に伸びた状態で、該網状体の他方の面に起倒伏可能にそれぞれ支持されたものを用い、
前記一対の側部骨組み構造部材の先端部同士を、所定タイミングを捉えて選択的に結合させる、
ことを特徴とする土木構築物の構築方法。
【請求項2】
平面視四角形状の網状体の一方の面に複数の壁面材が取付けられている土木構築物用ユニットにおいて、
前記網状体の他方の面に、該網状体と協働して前記複数の壁面材のための架台を形成する骨組み構造の複数の脚部が設けられ、
前記複数の各脚部が、間隔をあけつつ前記網状体の一辺の伸び方向に伸びた状態で、該網状体の他方の面に起倒伏可能に支持される一対の側部骨組み構造部材をそれぞれ備え、
前記一対の側部骨組み構造部材の先端部同士が、該一対の側部骨組み構造部材が前記網状体の他方の面から起立動された状態の下で結合具により所定タイミングを捉えて選択的に結合されている、
ことを特徴とする土木構築物用ユニット。
【請求項3】
請求項2において、
前記一対の各側部骨組み構造部材が、少なくとも、線材と、前記網状体の下面に間隔をあけて固着され前記線材の両端部を回動可能に支持する2つの筒体と、をそれぞれ備え、
前記各線材が、該線材の両端部よりも該線材の伸び方向内方側部分が膨出するように屈曲されて、膨出部を有するようにされ、
前記一対の側部骨組み構造部材における線材の膨出部先端部同士が、結合具により所定タイミングを捉えて選択的に結合されている、
ことを特徴とする土木構築物用ユニット。
【請求項4】
請求項2において、
前記一対の各側部骨組み構造部材が、2本の線材と、前記網状体の下面に、該網状体の一辺の伸び方向一方側と他方側とにおいて、該網状体の一辺の伸び方向に間隔をあけつつそれぞれ固着されて、前記各線材の両端部を回動可能にそれぞれ支持する2組の2つの筒体と、をそれぞれ備え、
前記2本の各線材が、該線材の両端部よりも該線材の伸び方向内方側部分が膨出するように屈曲されて、膨出部をそれぞれ有するようにされると共に、該両膨出部が連結棒を介して連結され、
前記一対の側部骨組み構造部材における膨出部の先端部同士が結合具により選択的に結合されている、
ことを特徴とする土木構築物用ユニット。
【請求項5】
請求項3又は4において、
前記一対の各側部骨組み構造部材に、前記線材として、その両端部の軸線を同一にしつつその両端部の軸線方向外方を同じ向きにしたものが用いられ、
前記一対の各側部骨組み構造部材の一方における少なくとも一つの線材の両端部と、前記一対の各側部骨組み構造部材の他方における少なくとも一つの線材の両端部とが、その両端部の軸線方向外方の向きを互い違いにした状態で、該各側部骨組み構造部材における前記2つの筒体にそれぞれ挿入されている、
ことを特徴とする土木構築物用ユニット。
【請求項6】
平面視四角形状の網状体の一方の面に複数の壁面材が取付けられ、前記網状体の他方の面に、該網状体と協働して前記複数の壁面材のための架台を形成する骨組み構造の複数の脚部が設けられている土木構築物用ユニットの製造方法であって、
前記網状体として、該網状体の他方の面に該網状体の一辺の伸び方向に伸びるようして複数組の2列の筒体群が取付けられて、該各組の各列において少なくとも2つの筒体が間隔をあけて設けられているものを用意すると共に、
線材として、該線材の両端部よりも該線材の伸び方向内方側部分が膨出するように屈曲されて、膨出部を有するようにされていると共に、その両端部の軸線を同一にしつつその両端部の軸線方向外方を同じ向きにしたものを用意し、
その上で、前記網状体の一方の面に前記複数の壁面材を取付けた後、
前記各組における一方の列の少なくとも2つの筒体と他方の列の少なくとも2つの筒体とに、それぞれ少なくとも一つの線材の両端部を、その両端部の軸線方向外方の向きを互い違いにした状態でそれぞれ挿入し、
次に、前記各組において、前記各列の2つの筒体に挿入された線材の膨出部の先端部同士を結合して、前記複数の脚部を形成する、
ことを特徴とする土木構築物用ユニットの製造方法。
【請求項7】
平面視四角形状の網状体の一方の面に複数の壁面材が取付けられ、前記網状体の他方の面に、該網状体と協働して前記複数の壁面材のための架台を形成する骨組み構造の複数の脚部が設けられている土木構築物用ユニットの製造方法であって、
前記網状体として、該網状体の他方の面に該網状体の一辺の伸び方向に伸びるようして複数組の2列の筒体群が取付けられて、該各組の各列に該網状体の一辺の伸び方向一方側と他方側とにおいて、2つの筒体が間隔をあけてそれぞれ設けられるものを用意すると共に、
線材として、線材の両端部よりも該線材の伸び方向内方側部分が膨出するように屈曲されて、膨出部をそれぞれ有するようにされると共に、その両端部の軸線を同一にしつつその両端部の軸線方向外方を同じ向きにしたものを用意し、
その上で、前記網状体の一方の面に前記複数の壁面材を取付けた後、
前記線材の両端部を、前記各組における各列の該網状体の一辺の伸び方向一方側と他方側とにおいて、その両端部の軸線方向外方を前記網状体の一辺の伸び方向内方に互い違いに向けつつ、該網状体の一辺の伸び方向一方側及び他方側における各2つの筒体に回動可能にそれぞれ挿入し、
次に、前記各組における各列において、前記網状体の一辺の伸び方向一方側及び他方側における各2つの筒体に回動可能にそれぞれ挿入された線材の膨出部を連結棒を介して一体化して、各組の2列の筒体群毎に、該網状体の下面に起倒伏可能に支持される一対の側部骨組み構造部材をそれぞれ形成し、
次に、前記各一対の側部骨組み構造部材の先端部同士を、所定タイミングを捉えて選択的に一体化して、前記各脚部を形成する、
ことを特徴とする土木構築物用ユニットの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、土木構築物の構築方法、土木構築物用ユニット及び土木構築物用ユニットの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
土木構築物には、例えば練石張りタイプとして、法面(施工面)上にコンクリート層を設け、そのコンクリート層の表面側に複数の壁面材(例えば自然石)を表面層として設けたものが広く知られている。このような土木構築物の構築方法としては、例えば特許文献1に示すように、平面視四角形状の網状体の一方の面に複数の壁面材が取付けられている土木構築物用ユニットを用意し、法面上に、線材により骨組み構造として組立てられた架台を敷設し、前記架台上に複数の前記土木構築物用ユニットを載置して該複数の土木構築物用ユニットと前記法面との間にコンクリート充填空間を形成し、前記コンクリート充填空間にコンクリートを充填して、該コンクリート内に前記各土木構築物用ユニットの網状体を、該各網状体の網目を利用することにより埋設するものが知られている。この構築方法によれば、法面上のコンクリート層の表面側に複数の壁面材を表面層として設けた土木構築物を構築するに際して、その規格通りのものを、作業性を高めつつ、確実に構築できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2012-202191号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上記土木構築物の構築方法にあっては、施工時に、斜面である法面上で、線材を用いて骨組み構造の架台を組立てなければならず、その組立作業の負担は軽くない。このため、架台の組立作業にある程度の作業時間を確保しなければならず、このことが、土木構築物の迅速な構築を妨げている。
【0005】
本発明は以上のような事情を勘案してなされたもので、その第1の目的は、法面上のコンクリート層の表面側に複数の壁面材を表面層として設けた土木構築物を迅速に構築させる土木構築物の構築方法を提供することにある。第2の目的は、上記土木構築物の構築方法に利用される好適な土木構築物用ユニットを提供することにある。第3の目的は、上記土木構築物用ユニットを容易に製造することができる土木構築物用ユニットの製造方法を提供することにある。
【0006】
上記第1の目的を達成するために本発明にあっては、次の(1)の構成とされている。
(1)法面上にコンクリート層を設け、該コンクリート層の表面側に複数の壁面材により表面層を形成する土木構築物の構築方法において、
平面視四角形状の網状体の一方の面に複数の壁面材が取付けられていると共に、該網状体の他方の面に該網状体と協働して前記複数の壁面材のための架台を形成する骨組み構造の複数の脚部が設けられている土木構築物用ユニットを複数用意し、
前記法面上に前記複数の各土木構築物用ユニットを、該各土木構築物用ユニットの前記複数の脚部が前記法面側に向くように敷設して、該各土木構築物用ユニットと前記法面との間にコンクリート充填空間を形成し、
前記コンクリート充填空間にコンクリートを充填して、該コンクリート内に前記複数の各土木構築物用ユニットの前記網状体及び前記複数の脚部を埋設するものであって、
前記土木構築物用ユニットとして、前記複数の各脚部が一対の側部骨組み構造部材を備え、該一対の側部骨組み構造部材が、間隔をあけつつ前記網状体の一辺の伸び方向に伸びた状態で、該網状体の他方の面に起倒伏可能にそれぞれ支持されたものを用い、
前記一対の側部骨組み構造部材の先端部同士を、所定タイミングを捉えて選択的に結合させる構成とされている。
【0007】
この構成によれば、土木構築物用ユニットがその網状体と複数の脚部とにより壁面材のための架台を構成していることから、そのような複数の各土木構築物用ユニットを法面上に、該各土木構築物用ユニットの複数の脚部が法面側に向くように敷設すれば、法面上で架台を組立てなくても、各土木構築物用ユニットの網状体が法面から離間した状態で配置され、各土木構築物用ユニットと法面との間にコンクリート充填空間が形成される。このため、この後、コンクリート充填空間へコンクリートを充填すれば、それに伴い、土木構築物用ユニットにおける網状体の網目及び複数の脚部の骨組み構造を利用して、その網状体及び複数の脚部が埋設される。この結果、法面上での架台の組立を省いて土木構築物の構築時間を短縮できると共に、コンクリート内に埋設される網状体と及び骨組み構造の複数の脚部によりアンカー効果を高めることができる。
【0008】
【0009】
また、この構成によれば、一対の側部骨組み構造部材が網状体の他方の面に起倒伏可能にそれぞれ支持されていることから、土木構築物用ユニットを施工現場に搬送するときには、一対の側部骨組み構造部材を網状体の他方の面に倒伏させて、当該土木構築物用ユニットの厚みを短くすることができる。このため、土木構築物用ユニットの積み重ね数を、脚部を倒伏させない場合に比して増やすことができ、土木構築物用ユニットの搬送の効率性を高めることができる。その一方で、土木構築物用ユニットが施工現場に搬送されたときには、それを所定タイミングとして捉えて、一対の側部骨組み構造部材の先端部同士を結合具で結合するだけで、トラス構造の脚部を網状体の他方の面に形成でき、その脚部が形成された土木構築物用ユニットを用いて、上述の構築方法を的確に実施することができる。
【0010】
前記第2の目的を達成するために本発明にあっては、次の(2)~(5)の構成とされている。
【0011】
(2)平面視四角形状の網状体の一方の面に複数の壁面材が取付けられている土木構築物用ユニットにおいて、
前記網状体の他方の面に、該網状体と協働して前記複数の壁面材のための架台を形成する骨組み構造の複数の脚部が設けられ、
前記複数の各脚部が、間隔をあけつつ前記網状体の一辺の伸び方向に伸びた状態で、該網状体の他方の面に起倒伏可能に支持される一対の側部骨組み構造部材をそれぞれ備え、
前記一対の側部骨組み構造部材の先端部同士が、該一対の側部骨組み構造部材が前記網状体の他方の面から起立動された状態の下で結合具により所定タイミングを捉えて選択的に結合されている構成とされている。
【0012】
この構成によれば、土木構築物用ユニットを施工現場に搬送するときには、一対の側部骨組み構造部材を網状体の他方の面に倒伏させて、土木構築物用ユニットの積み重ね数を、脚部を倒伏させない場合に比して増やすことができる。その一方、施工現場においては、そのタイミングを捉え、各一対の側部骨組み構造部材の先端部同士を結合具で結合することにより網状体の他方の面に複数の脚部を形成することができ、その土木構築物用ユニットを法面に敷設するだけで、その土木構築物用ユニットと法面との間にコンクリート充填空間を形成できることになり、コンクリート充填空間を形成するために、法面において架台を組立てる必要がなくなる。このため、前述の(1)で述べた構築方法に利用できる好適な土木構築物用ユニットを提供できる。
【0013】
(3)前述の(2)の構成の下で、
前記一対の各側部骨組み構造部材が、少なくとも、線材と、前記網状体の下面に間隔をあけて固着され前記線材の両端部を回動可能に支持する2つの筒体と、をそれぞれ備え、
前記各線材が、該線材の両端部よりも該線材の伸び方向内方側部分が膨出するように屈曲されて、膨出部を有するようにされ、
前記一対の側部骨組み構造部材における線材の膨出部先端部同士が、結合具により所定タイミングを捉えて選択的に結合されている構成とされている。
【0014】
この構成によれば、線材を用いて、具体的に、網状体の他方の面に起倒伏可能とされた一対の各側部骨組み構造部材をそれぞれ形成でき、その一対の側部骨組み構造部材を用いて、トラス構造とされた脚部を簡単に形成できる。このため、前述の(1)で述べた構築方法に利用できる土木構築物用ユニットとして具体的且つ的確なものを提供できる。
【0015】
(4)前述の(2)の構成の下で、
前記一対の各側部骨組み構造部材が、2本の線材と、前記網状体の下面に、該網状体の一辺の伸び方向一方側と他方側とにおいて、該網状体の一辺の伸び方向に間隔をあけつつそれぞれ固着されて、前記各線材の両端部を回動可能にそれぞれ支持する2組の2つの筒体と、をそれぞれを備え、
前記2本の各線材が、該線材の両端部よりも該線材の伸び方向内方側部分が膨出するように屈曲されて、膨出部をそれぞれ有するようにされると共に、該両膨出部が連結棒を介して連結され、
前記一対の側部骨組み構造部材における膨出部の先端部同士が結合具により選択的に結合されている構成とされている。
【0016】
この構成によれば、一対の各側部骨組み構造部材が2本の線材を用いて形成されることになり、一対の側部骨組み構造部材の先端部同士の結合により形成される脚部の伸び方向の長さを伸ばすことができると共に、脚部の強度を、骨組み構造を確保しながらもトラス構造により高めることができる。
【0017】
(5)前述の(3)又は(4)において、
前記一対の各側部骨組み構造部材に、前記線材として、その両端部の軸線を同一にしつつその両端部の軸線方向外方を同じ向きにしたものが用いられ、
前記一対の各側部骨組み構造部材の一方における少なくとも一つの線材の両端部と、前記一対の各側部骨組み構造部材の他方における少なくとも一つの線材の両端部とが、その両端部の軸線方向外方の向きを互い違いにした状態で、該各側部骨組み構造部材における前記2つの筒体にそれぞれ挿入されている構成とされている。
【0018】
この構成によれば、網状体の他方の面に筒体を固着した後でも、その筒体に線材の端部(両端部)を挿入できるばかりか、一対の側部骨組み構造部材の先端部同士を結合することにより、筒体への線材端部挿入時における線材の膨出部と筒体との当接関係を利用して、抜け止め構造を簡単に形成できる。このため、当該土木構築物用ユニットの製造を容易にできるばかりか、その脚部構造を簡単化することができる。
【0019】
前記第3の目的を達成するために本発明にあっては、次の(6)~(7)の構成とされている。
(6)平面視四角形状の網状体の一方の面に複数の壁面材が取付けられ、前記網状体の他方の面に、該網状体と協働して前記複数の壁面材のための架台を形成する骨組み構造の複数の脚部が設けられている土木構築物用ユニットの製造方法であって、
前記網状体として、該網状体の他方の面に該網状体の一辺の伸び方向に伸びるようして複数組の2列の筒体群が取付けられて、該各組の各列において少なくとも2つの筒体が間隔をあけて設けられているものを用意すると共に、
線材として、該線材の両端部よりも該線材の伸び方向内方側部分が膨出するように屈曲されて、膨出部を有するようにされていると共に、その両端部の軸線を同一にしつつその両端部の軸線方向外方を同じ向きにしたものを用意し、
その上で、前記網状体の一方の面に前記複数の壁面材を取付けた後、
前記各組における一方の列の少なくとも2つの筒体と他方の列の少なくとも2つの筒体とに、それぞれ少なくとも一つの線材の両端部を、その両端部の軸線方向外方の向きを互い違いにした状態でそれぞれ挿入し、
次に、前記各組において、前記各列の2つの筒体に挿入された線材の膨出部の先端部同士を結合して、前記複数の脚部を形成する構成とされている。
【0020】
この構成によれば、網状体の下面に筒体を固着した後でも、その筒体に線材の端部(両端部)を挿入できるばかりか、各組において、各列の2つの筒体に挿入された線材の膨出部の先端部同士を結合することにより、筒体への線材端部挿入時における線材の膨出部と筒体との当接関係を利用して、抜け止め構造を容易に形成できる。このため、前述の(5)の土木構築物用ユニットを具体的に製造できる。
【0021】
(7)平面視四角形状の網状体の一方の面に複数の壁面材が取付けられ、前記網状体の他方の面に、該網状体と協働して前記複数の壁面材のための架台を形成する骨組み構造の複数の脚部が設けられている土木構築物用ユニットの製造方法であって、
前記網状体として、該網状体の他方の面に該網状体の一辺の伸び方向に伸びるようして複数組の2列の筒体群が取付けられて、該各組の各列に該網状体の一辺の伸び方向一方側と他方側とにおいて、2つの筒体が間隔をあけてそれぞれ設けられるものを用意すると共に、
線材として、線材の両端部よりも該線材の伸び方向内方側部分が膨出するように屈曲されて、膨出部をそれぞれ有するようにされると共に、その両端部の軸線を同一にしつつその両端部の軸線方向外方を同じ向きにしたものを用意し、
その上で、前記網状体の一方の面に前記複数の壁面材を取付けた後、
前記線材の両端部を、前記各組における各列の該網状体の一辺の伸び方向一方側と他方側とにおいて、その両端部の軸線方向外方を前記網状体の一辺の伸び方向内方に互い違いに向けつつ、該網状体の一辺の伸び方向一方側及び他方側における各2つの筒体に回動可能にそれぞれ挿入し、
次に、前記各組における各列において、前記網状体の一辺の伸び方向一方側及び他方側における各2つの筒体に回動可能にそれぞれ挿入された線材の膨出部を連結棒を介して一体化して、各組の2列の筒体群毎に、該網状体の下面に起倒伏可能に支持される一対の側部骨組み構造部材をそれぞれ形成し、
次に、前記各一対の側部骨組み構造部材の先端部同士を、所定タイミングを捉えて選択的に一体化して、前記各脚部を形成する構成とされている。
【0022】
この構成によれば、一対の各側部骨組み構造部材が2本の線材を用いて形成されることになり、一対の側部骨組み構造部材の先端部同士の結合により形成される脚部の伸び方向の長さを伸ばすことができると共に、脚部の強度を、骨組み構造を確保しながらも高めることができる。このため、前述の(4)の土木構築物用ユニットを具体的に製造できる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】実施形態に係る護岸を示す斜視図。
図2】実施形態に係る護岸構造を説明する縦断面図。
図3】実施形態に係る土木構築物用ユニットを示す平面図。
図4】実施形態に係る土木構築物用ユニットを示す拡大側面図。
図5】実施形態に係る土木構築物用ユニットを金網上面の複数の自然石を除いた状態で示す平面図。
図6】実施形態に係る脚部を金網下面に形成する手順を説明する説明図。
図7】金網下面に、金網の長手方向両側において形成される実施形態に係る脚部の構造を金網の斜め下側から見た斜視図。
図8】金網下面に、金網の長手方向中央部において形成される実施形態に係る脚部の構造を金網の斜め下側から見た斜視図。
図9】実施形態に係る護岸の構築工程を説明する説明図。
図10図9の続きの工程を説明する説明図。
図11図10の続きの工程を説明する説明図。
図12図11の続きの工程を説明する説明図。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下、本発明の実施形態について図面に基づいて説明する。
図1図2において、符号1は、実施形態に係る練石張りタイプの土木構築物としての護岸を示す。護岸1は、施工面として、設置面2と、その設置面2から緩勾配をもって上方に延びる法面(例えば1:1.5~5.0(好ましくは1:2.0))3とを備えており、これらは、砕石層(裏込め材料層)や特殊シートをもって整地又は、法面整形されている。これら設置面2及び法面3は、基本的に、河川Wの流れ方向(図2中、紙面直交方向)に同じ状態をもって延びている。
【0025】
前記設置面2上には、図1図2に示すように、基礎コンクリートブロック4が設置されている。基礎コンクリートブロック4は、河川Wの流れ方向において施工区間だけ延びており、その基礎コンクリートブロック4の延設方向(横方向)両側においては、法面3上に側壁が設けられている。この基礎コンクリートブロック4の上部には、傾斜した支持面4aが形成されており、その支持面4aは、法面3側から河川W側に向うに従って上方に向うように傾斜されている。
【0026】
前記法面3上には、図1図2に示すように、護岸機能を発揮することを主目的として、複数の土木構築物用ユニット5が敷き詰められている。各土木構築物用ユニット5は、図3図4に示すように、網状体としての金網6と、該金網6の一方の面としての上面6aに満遍なく取付けられる複数の壁面材としての複数の自然石7と、金網6の他方の面としての下面6bに、その金網6と協働して架台を形成する複数の脚部8A,8B,9と、を備えている。
【0027】
前記金網6には、図3図5に示すように、全体が平面視矩形形状の溶接金網が用いられている。この金網6の全体の大きさは、施工現場に応じて適宜変更されるが、本実施形態においては、例えば、長辺LL=2m前後、短辺SL=1m前後の長方形状のものが用いられ(図3参照)、その性質として、既知の如く、屈撓性を有することになっている。
【0028】
前記複数の自然石7としては、300~350mm内外の玉石、割石、階段石等の種々のものが用いられている。この各自然石7は、金網上面6aにおいて、満遍なく配置され、その各自然石7は、金網6に対する載置予定面に形成される取付け穴(図示略)と、一定幅の帯材を折り返し加工されたクリップ(図示略)と、打ち込み式のアンカーピン(図示略)とを利用することにより、金網6の上面6aに取付けられている。具体的には、金網6の線材をクリップにおける対向する帯材間に貫通するように入れ込み、その折り重なった両帯材に形成されている挿通孔にアンカーピンを通した状態とした上で、そのアンカーピンを網目を介して自然石7の取付け孔に打ち込むこととされる。これにより、アンカーピンが自然石7に固定されることになり、自然石7は、アンカーピン、クリップを介して金網6上面6aに取付けられることになる。
【0029】
前記金網6の下面6bには、本実施形態においては、図2図4に示すように、前記複数の脚部として3つの脚部8A,8B,9が取付けられている。3つの脚部8A,8B,9のうちの2つの脚部8A,8Bが、同一構成の下で、金網6の長手方向(図5中、左右方向)両側において、平行状態を維持しつつ金網6の幅方向(図5中、上下方向)に伸び、残りの1つの脚部9が金網6の長手方向中央部において、金網6の幅方向に伸びている。
【0030】
先ず、3つの脚部8A,8B,9のうち、金網6の長手方向両側に配置される脚部8A,8Bについて説明する。この場合、一方の脚部8Aと他方の脚部8Bとが同一構成であるので、一方の脚部8Aについて説明し、他方の脚部8Bについては説明を省略する。
【0031】
脚部8Aは、図5に示すように、金網6の下面6bに、その幅方向に伸びるようにして固着される2列の筒体群11Aa,11Abと、各列の筒体群11Aa(11Ab)に取付けられる2本の加工線材13Aa,14Aa(13Ab,14Ab)と、その2本の加工線材13Aaと14Aa(13Abと14Ab)とを連結するための鉄棒24,24とを備えている。2列の筒体群11Aa,11Abは、列毎に、4つの筒体16Aa,17Aa,18Aa,19Aa(16Ab,17Ab,18Ab,19Ab)を有している。これらは、軸線を同一軸線としつつその軸線方向を金網6の幅方向(図5中、上下方向)に向けた状態の下で、間隔をあけて金網6の下面6bに固着(溶接等)されており、その4つの各筒体16Aa,17Aa,18Aa,19Aa(16Ab,17Ab,18Ab,19Ab)の軸線方向長さ及び筒体16Aa,17Aa,18Aa,19Aa(16Ab,17Ab,18Ab,19Ab)同士間の間隔は、加工線材13Aa,14Aa(13Ab,14Ab)と一定の関係を有している。これについては、後述する。筒体16Aa,17Aa,18Aa,19Aa(16Ab,17Ab,18Ab,19Ab)としては、本実施形態においては、一定長さの角パイプが用いられており、その開口は正方形状とされている。
尚、脚部8Bにおいては、2列の筒体群11Aa,11Abに相当するものが11Ba,11Bb、4つの各筒体16Aa,17Aa,18Aa,19Aa(16Ab,17Ab,18Ab,19Ab)に相当するものが16Ba,17Ba,18Ba,19Ba(16Bb,17Bb,18Bb,19Bb)、2本の加工線材13Aa,14Aa(13Ab,14Ab)に相当するものが13Ba,14Ba(13Bb,14Bb)として示されている。
【0032】
前記各加工線材13Aa,14Aa(13Ab,14Ab)は、図6に示すように、一定長さの鋼線(例えばアルミ合金鋼線)を折曲加工することにより形成されている。この加工線材13Aa,14Aa(13Ab,14Ab)には、前記各筒体16Aa,17Aa,18Aa,19Aa(16Ab,17Ab,18Ab,19Ab)に回転可能に挿入できる直径の鋼線が用いられ(例えば直径9mm)、その鋼線(加工線材)は、同じ長さL2とされた両端部21a,21b(一方の端部21a及び他方の端部21b)よりも伸び方向内方側部分が矩形状に折曲(膨出)されて、膨出部として、各端部21a(21b)に対して直角に折曲されて互いに平行に伸びる一対の平行線部22a,22bと、その一対の平行線部22a,22bの伸び端同士を連結する連結部23と、が形成されている。また、他方の端部21bは一方の端部21a側に折曲されて、一方の端部21a及び他方の端部21bは、軸線を同じにしつつ、その軸線方向外方の向きが同じ方向に向けられている。このため、他方の端部21bの先端面と一方の端部21aの終端部(一方の端部21aと平行線部との折曲部)との間に間隔L1が形成され、その間隔L1は加工線材13Aa,14Aa(13Ab,14Ab)の連結部23の軸線方向長さよりも短くなっている。
【0033】
この加工線材13Aa,14Aa(13Ab,14Ab)は、図5図7に示すように、その両端部21a,21を、各筒体群11Aa,11Abの列毎に、金網6の幅方向一方側及び他方側の2つの筒体16Aa,17Aa,18Aa,19Aa(16Ab,17Ab,18Ab,19Ab)に対して挿入することによりそれぞれ取付けられている。具体的には、加工線材13Aa,14Aa(13Ab,14Ab)は、図6に示すように、一方の端部21aの長さL2が、筒体16Aa,17Aa(18Aa,19Aa)間の長さM1よりも短く、他方の端部21b端面と一方の端部21aの終端部との間隔L1が筒体の軸線方向長さM2より長く設定されている。この設定関係により、加工線材13Aa,14Aa(13Ab,14Ab)の各端部21a,21bの軸線方向外方を金網6の幅方向内方に向けつつ、一方の端部21aを筒体16Aa,17Aa(18Aa,19Aa)間に移動させると共に他方の端部21bを筒体16Aa(19Aa)の開口に臨ませ、その後、各平行線部22a,22bが各筒体17Aa(17Ab),16Aa(16Ab)の端面に当接するまで、一方の端部21aを筒体17Aa(17Ab),18Aa(18Ab)内に挿入すると共に他方の端部21bを筒体16Aa(16Ab),19Aa(19Ab)内に挿入することとされている。これにより、各列11Aa(11Ab)において、金網6の幅方向一方側と他方側とに加工線材13Aa(13Ab),14Aa(14Ab)がそれぞれ保持される。
【0034】
しかし、この状態では、各加工線材13Aa(13Ab),14Aa(14Ab)の両端部21a,21bが、筒体17Aa,16Aa(17Ab,16Ab),18Aa,19Aa(18Ab,19Ab)から金網6の幅方向外方に抜ける状態にある。このため、図5図7に示すように、上記状態を維持した状態で、金網6の幅方向両側における加工線材13Aa,14Aa(13Ab,14Ab)の連結部(内面)23,23に連結棒としての鉄棒24が跨ぐようにした状態で結合(例えば溶接)されている。これにより、2列の筒体群11Aa,11Abの各列において、加工線材13Aa,14Aa(13Ab,14Ab)の平行線部22a,22bと、筒体17Aa,16Aa,18Aa,19Aa(17Ab,16Ab,18Ab,19Ab)端面との当接関係が、加工線材13Aa,14Aa(13Ab,14Ab)の移動を規制することになり、加工線材13Aa及び14Aa(13Ab及び14Ab)は、一体化した状態で、筒体17Aa,16Aa,18Aa,19Aa(17Ab,16Ab,18Ab,19Ab)から抜けることなく保持される。この結果、一体化した加工線材13Aa及び14Aa(13Ab及び14Ab)は、脚部8A(8B)の側部をなすための一対の各側部骨組み構造部材25Aa(25Ab)として、取付けられた筒体16Aa~19Aa(16Ab~19Ab)の軸心を中心として起倒伏可能(回転可能)となっている。
【0035】
上記一対の各側部骨組み構造部材25Aa,25Abには、本実施形態においては、図5図7に示すように、その側部骨組み部材25Aa,25Ab(25Ba,25Bb)の全ての平行線部22a,22bを横切るように、その各平行線部22a,22bに補強用鉄棒43が取付けられている。このため、各側部骨組み部材25Aa,25Abは、前記鉄棒24に対して平行に伸びる補強用鉄棒43により補強される。
【0036】
この土木構築物用ユニット5は、施工現場に搬送されるまでは、上記構造状態の下で、土木構築物用ユニット5の金網6の下面6bが上方に向くようにされている。そして、上記側部骨組み構造部材(一体化した両加工線材13Aa及び14Aa、13Ab及び14Ab)25Aa,(25Ab)は、図7の矢印(仮想線)に示すように、いずれかの方向に回動されることにより、金網6の下面6bに倒伏されている。土木構築物用ユニット5の厚みを減少させ、搬送時に、土木構築物用ユニット5の積み重ね数(搬送数)を増やすためである。勿論、積み重ね搬送時にも、各土木構築物用ユニット5は、その金網6の下面6bが上方を向くようにされる。施工現場においては、土木構築物用ユニット5を最終形態とすべく、側部骨組み構造部材25Aa、25Abが金網6に対してそれぞれ起立動され、その両側部骨組み構造部材25Aa、25Abにおける鉄棒24,24同士が結合される。これにより、金網6の幅方向に伸びるトラス構造の脚部8Aが形成されることになり、その脚部8Aは、金網6の幅方向外側から見た場合、頂点を下方に向けた三角形状とされた骨組み構造となる(図4参照)。この場合、結合すべき側部骨組み構造部材25Aa、25Abの鉄棒24,24は、加工線材13Aa,14Aa,13Ab,14Abの平行線部22bよりも外方に若干、突出する突出部24aを有することになり、その両鉄棒24の突出部24a同士が針金又は筒状結合具等の結合具を用いて結合される。その突出部24a同士の部分での結合作業の方が他の部分を結合する場合より容易となるからである。
【0037】
脚部8Bにおいても、上記と同様に、一対の側部骨組み構造部材25Ba、25Bbが形成され、施工時に、その一対の側部骨組み構造部材25Ba、25Bbにおける鉄棒24,24同士を結合することにより脚部8Bが形成されることになっている。この各側部骨組み構造部材25Ba、25Bbにも、本実施形態においては、補強用鉄棒43が取付けられ、脚部8Bの強度が高められている。
【0038】
前記脚部9は、金網上面6aの自然石7の荷重に基づき金網6の長手方向中央部が撓むおそれがあるときに任意に金網6下面6bの長手方向中央部に取付けられるものである。このため、金網上面6aの自然石7の荷重が問題にならないときには、取付けられない。この脚部9は、図5図8に示すように、取付け部として、金網6の幅方向に伸びる1列の筒体群26と、その筒体群26に取付けられる2本の加工線材27,28と、を備えている。2本の各加工線材27,28は、前記脚部8A(8B)に用いられる加工線材13Aa,14Aa(13Ab,14Ab)の一対の平行線部22a,22bがその途中で直角に折曲されて、その一対の平行線部22a,22bの真っ直ぐに伸びる伸び方向端側に受け部29が形成されている。この場合、一対の平行線部22a,22bでの折曲位置は、端部(折曲個所)からその折曲位置までの長さが、前記脚部8A,8Bの突出長さに等しくなるように設定されている。土木構築物用ユニット5が法面3に敷設されたとき、脚部8A,8B,9の突出端のいずれもが、法面3に当接するようにするためである。
【0039】
筒体群26は、前記脚部8A,8Bの各列の筒体群同様、4つの筒体31~34が軸線を同一軸線にしつつその軸線方向を金網6の幅方向に向けた状態の下で、間隔をあけて金網6の下面6bに溶接等により固定されている。この4つの各筒体31~34の軸線方向長さ及び筒体同士間の間隔についても、前記脚部8A(8B)と同様、加工線材27,28と一定の関係を有するようにされている。この筒体31~34も、本実施形態においては、一定長さの角パイプが用いられ、その開口は正方形状とされている。
【0040】
上記加工線材27,28については、施工現場において、金網6の幅方向一方側及び他方側の2つの筒体31,32(33,34)に対して、加工線材27(28)の両端部を利用してそれぞれ取付けられる。具体的には、加工線材27(28)と筒体31,32(33,34)との関係により、加工線材27(28)の各端部の軸線方向外方を金網6の幅方向内方に向けつつ、一方の端部21aを筒体部31,32間に移動させると共に他方の端部21bを筒体31の開口に臨ませ、その後、各平行線部22a、22bが各筒体31,32(33,34)の端面に当接するまで、一方の端部21aを筒体32(33)内に挿入すると共に他方の端部21bを筒体31(34)内に挿入することとされる。これにより、各列において、金網6の幅方向一方側と他方側とに加工線材27,28がそれぞれ保持される。この状態では、各加工線材27,28の両端部21a,21bに挿入方向とは逆方向の力が作用したとき、その各加工線材27,28の両端部21a,21bが、筒体31,32(33,34)から金網6の幅方向外方に抜けることになるが、この加工線材27,28等からなる脚部9は、金網6の長手方向中央部の撓みを補助的に規制するものであるため、本実施形態においては、特に抜け止め及び回転規制を行う構造は設けられていない。勿論、そのような動きを規制する規制構造を設けてもよい。
【0041】
このような土木構築物用ユニット5は、その金網6の長手方向一方側の辺と金網6の長手方向他方側の辺とが法面3の傾斜に基づき上下配置関係となるようにしつつ、基礎コンクリートブロック4の支持面4aから法肩側に向けて順次、法面3上に配置(縦列配置)されている。そして、その各土木構築物用ユニット5の高さ位置(各段)において、横方向に土木構築物用ユニット5が隣り合うように順次、配置(横列配置)されている。これにより、法面3全体が複数の土木構築物用ユニット5により覆われることになり、この複数の土木構築物用ユニット5と法面3との間にコンクリート充填空間36が形成されている。尚、図1図2中、符号5A,5B,5Cは、横列1段目、2段目、3段目の土木構築物用ユニット5群を示す。
【0042】
前記複数の土木構築物用ユニット5と法面3との間には、図1に示すように、コンクリート層37(胴込めコンクリート層37)36が設けられている。コンクリート層37は、前記コンクリート充填空間36にコンクリートを充填することにより形成されており、このコンクリート層37は、コンクリート充填空間36を埋めているだけでなく、各土木構築物用ユニット5の金網6及び骨組み構造の各脚部8A,8B,9をも埋め込んでいる。このため、各土木構築物用ユニット5における複数の自然石7だけが、図2に示すように、コンクリート層37の表面から表れることになり、その各自然石7は、コンクリート層37内に埋め込まれた金網6及び骨組み構造の各脚部8A,8B,9のアンカーとしての役割に基づきコンクリート層37に保持されている。また、複数の各土木構築物用ユニット5の自然石7間には、間詰めコンクリート38が打設されており、間詰めコンクリート38の上面38aは各自然石7の高さの半分くらいまでの高さまでに至っている。尚符号40は、天端に形成される天端コンクリートブロックである。
【0043】
このような護岸1は、次のように構築される。
先ず、図9に示すように、設置面2及び法面3を形成し、設置面2上には、護岸1の施工区間の全体に亘って基礎コンクリートブロック4を形成し、法面3上には、基礎コンクリートブロック4の延設方向両側において側壁を形成する。
【0044】
次に、法面3上に、図10に示すように、複数の土木構築物用ユニット5を一段目設置位置に吊上げ搬送して、複数の土木構築物用ユニット5を、基礎コンクリートブロック4に隣接させた状態にしつつ横方向に順次、並ぶように敷設する(一段目の複数の土木構築物用ユニット5Aの設置)。この一段目の複数の土木構築物用ユニット5Aと法面3との間にコンクリート充填空間36を確保しつつ、その各土木構築物用ユニット5Aにおける複数の自然石7により表面層を形成するためである。この場合、土木構築物用ユニット5は、その各脚部8A,8Bの一対の側部骨組み構造部材25Aa(25Ab)を金網6に対して倒伏状態とした上で、それらを積み重ねた状態で施工現場に搬送されることになるが、このときには、各脚部8A(8B)の一対の側部骨組み構造部材25Aa(25Ab)を起立動させて、その突出部24a同士(鉄棒24同士)は針金等の結合具を用いて結合されている。これにより、法面3に土木構築物用ユニット5を敷設するだけで、土木構築物用ユニット5と法面3との間にコンクリート充填空間36を形成でき、コンクリート充填空間36を形成するために、法面3において、金網上面6aに複数の自然石7を設けただけの土木構築物用ユニット5を載置する架台を特別に組立てる必要がなくなる。
【0045】
一段目の複数の土木構築物用ユニット5Aを法面3に設置するに当たっては、各土木構築物用ユニット5は、その金網6の長手方向一方側の辺とそれに対向する辺とが、法面3の傾斜に基づき上下配置関係となるように法面3上に敷設される。土木構築物用ユニット5を法面3上に敷設するだけで、横方向に並ぶ複数の自然石7の列を複数列形成すると共にその複数列が法面33に沿いつつ上方に順次、積み上がる配置とするためである。
【0046】
次に、図11の矢印に示すように、一段目の土木構築物用ユニット5と法面3との間のコンクリート充填空間36にコンクリート41を投入する。一段目の土木構築物用ユニット5Aと法面3との間にコンクリート層37を形成して、そのコンクリート層37内に金網6及び骨組み構造の脚部8A,8B,9を埋設し、アンカー効果を高めるためである。このコンクリート41の投入は、その上面41aが、法面3に沿って、一段目の土木構築物用ユニット5Aの下側配置端面5Aaから1/2~2/3の範囲になるように行われ、その範囲内でその投入されたコンクリート41内に、金網6及び骨組み構造の脚部8Aが埋め込まれる。このとき、このコンクリート41の投入に伴って、バイブレータ等により入念に締固めが行われ、コンクリート上面41aは法面3に直角とされる。また、一段目の土木構築物用ユニット5Aの各自然石7間には、間詰コンクリート38が打設され、その間詰コンクリート38の上面38aは、自然石7の半分くらいの高さに至るようにされる。
【0047】
上記一段目の関連工程(土木構築物用ユニット5敷設、コンクリートの投入等)を終えると、その一段目の関連工程と同じ内容をなす二段目、三段目の関連工程が,図12に示すように、順次、実行される。そして、三段目の関連工程における土木構築物用ユニット5Cの上端及びコンクリート41の充填上面が法肩にまで至ると、図2に示すように、天端コンクリートブロック40が形成され、当該護岸1の下部前面側の埋め戻しが行われる。これにより、当該護岸1(図1参照)の構築作業は終了する。
【0048】
したがって、このような構築方法においては、複数の自然石7、金網6と協働して架台を形成する複数の脚部8A,8B,9を備える土木構築物用ユニット5を利用することから、多くの自然石7の搬送、積み上げを効率よく行えるだけでなく、架台を法面3上で組立てる必要もなくなる。このため、架台を法面3上で組立てる場合に比して護岸1の構築時間の短縮化を図ることができる。
【0049】
次に、土木構築物用ユニット5の製造方法について説明する。
先ず、平面視長方形状の金網6上に配置すべき複数の自然石7を平坦な作業面上に敷き並べ、それらの上に金網6を被せ、各自然石7と金網6とを、アンカー、クリップを用いて連結する。このとき、金網6は、その上面6aが下方に向けられ、上方に臨む金網6の下面6bには、前述した如く、金網6の長手方向両側において2列の筒体群11Aa,11Ab(11Ba,11Bb)が固着され、金網6の長手方向中央部において1列の筒体群26が固着されている。
【0050】
次に、金網6の長手方向一方側の2列の筒体群11Aa,11Abに対して前述の加工線材13Aa,14Aa(13Ab,14Ab)を取付け,金網6の長手方向他方側の2列の筒体群11Ba,11Bbに対して前述の加工線材13Ba,14Ba(13Bb,14Bb)を取付ける。その両取付けについては、加工線材13Aa,14Aa(13Ab,14Ab)の取付けをもって説明する。
【0051】
金網6の長手方向一方側の2列の筒体群11Aa,11Abであって、金網6の幅方向一方側の各列の2つの筒体16Aa,17Aa(16Ab,17Ab)に対する取付けについては、加工線材13Aa(13Ab)の各端部21a,21bの軸線方向外方を金網6の幅方向内方に向けつつ、一方の端部21aを筒体16Aa(16Ab),17Aa(17Ab)間に移動させると共に他方の端部21bを筒体16Aa(16Ab)の開口に臨ませ、その後、各平行線部22a,22bが各筒体筒体17Aa,16Aa(17Ab,16Ab)の端面に当接するまで、一方の端部21aを筒体17Aa(17Ab)内に挿入すると共に他方の端部21bを筒体16Aa(16Ab)内に挿入する(図6参照)。
【0052】
同様に、金網6の長手方向一方側の2列の筒体群11Aa,11Abであって、金網6の幅方向他方側の各列の2つの筒体19Aa,18Aa(19Ab,18Ab)に対する取付けについては、加工線材14Aa(14Ab)の各端部21a,21bの軸線方向外方を金網6の幅方向内方に向けつつ、一方の端部21aを筒体18Aa,19Aa(18Ab,19Ab)間に移動させると共に他方の端部21bを筒体19Aa(19Ab)の開口に臨ませ、その後、各平行線部22a,22bが各筒体筒体18Aa(18Ab),19Aa(19Ab)の端面に当接するまで、一方の端部21aを筒体18Aa(18Ab)内に挿入すると共に他方の端部21bを筒体19Aa(19Ab)内に挿入する(図6参照)。
【0053】
次に、図6図7に示すように、鉄棒24を用意し、金網6の幅方向一方側及び他方側における加工線材13Aa(14Aa)の連結部23,23の軸線方向に対して鉄棒24の軸線方向を同じにしつつ、両連結部23,23内面間に鉄棒24を跨らせ、その各連結部23と鉄棒24とを溶接等によりそれぞれ結合する。同様に、新たな鉄棒24を用意し、金網6の幅方向一方側及び他方側における加工線材13Ab(14Ab)の連結部23,23の軸線方向に対して鉄棒24の軸線方向を同じにしつつ、両連結部23,23内面間に鉄棒24を跨らせ、その各連結部23と鉄棒24とを溶接等によりそれぞれ結合する(図6の下段図、図7参照)。これにより、筒体群11Aaにおいて、加工線材13Aaと14Aaとが一体化された状態で回動可能に支持され、金網6の下面6bに対して起倒伏可能となる骨組み構造の側部骨組み構造部材25Aaが形成される。また、筒体群11Abにおいては、加工線材13Abと14Abとが一体化された状態で回動可能に支持され、金網6の下面6bに対して起倒伏可能となる骨組み構造の側部骨組み構造部材25Abが形成される(図6の下段図、図7参照)。この一対の側部骨組み構造部材25Aa,25Abが脚部8Aの側部を構成することになる。
【0054】
本実施形態においてはさらに、加工線材13Aa及び14Aa(13Ab及び14Ab)の連結部23,23を鉄棒24により結合して、側部骨組み構造部材25Aa(25Ab)を形成する前後において、加工線材13Aa及び14Aa(13Ab及び14Ab)の全ての平行線部22a,22bを横切るように、その各平行線部22a,22bに補強用鉄棒43を取付ける。側部骨組み構造部材25Aa(25Ab)の強度を高めるためである(図6下段図参照)。
【0055】
この側部骨組み構造部材25Aaの形成に当たっては、加工線材13Aa,14Aaの平行線部22a,22bと筒体17Aa,16Aa、18Aa,19Aa端面との当接関係により、加工線材13Aa,14Aaの金網6の幅方向内方へのそれぞれの移動が規制されていることから、加工線材13Aa及び14Aaの連結部23,23を鉄棒24で連結する作業だけで、加工線材13Aa,14Aaの端部21a,21bが各筒体17Aa,16Aa,18Aa,19Aaから金網6の幅方向外方へ抜け出ることが規制される。同様に、側部骨組み構造部材25Abについても、加工線材13Ab,14Abの連結部23,23を鉄棒24で連結するだけの作業で、加工線材13Ab,14Abの端部21a,21bが各筒体17Ab,16Ab,18Ab,19Abから金網6の幅方向外方へ抜け出ることが規制される。このとき、鉄棒24を加工線材13Aa,14Aa(13Ab,14Ab)の連結部23,23に対して結合したとき、鉄棒24の両端部を、その連結部23,23の軸線方向外方へ多少、突出させて、突出部24aを形成する(図6下段図参照)。
【0056】
上記と同様の取付けは、金網6の長手方向他方側の2列の筒体群11Ba,11Bbに対する加工線材13Ba(13Bb),14Ba(14Bb)においても行われる。これにより、筒体群11Baにおいて、加工線材13Baと14Baとが一体化された状態で回動可能に支持され、金網6の下面6bに対して起倒伏可能となる骨組み構造の側部骨組み構造部材25Baが形成される。また、筒体群11Bbにおいては、加工線材13Bbと14Bbとが一体化された状態で回動可能に支持され、金網6の下面6bに対して起倒伏可能となる骨組み構造の側部骨組み構造部材25Bbが形成される。この一対の側部骨組み構造部材25Ba,25Bbが脚部8Bの側部を構成することになる。
【0057】
この土木構築物用ユニット5は、前述したように、施工現場に搬送されるまでは、搬送時の積み重ね数を増やすべく、金網6の下面6bに対して一対の側部骨組み構造部材25Aa,25Ab(25Ba,25Bb)が倒伏した状態とされているが、施工現場において、土木構築物用ユニット5の最終形態とすべく、金網6の長手方向各側において、2列の筒体群11Aa,11Ab(11Ba,11Bb)上に位置する一対の各側部骨組み構造部材25Aa,25Ab(25Ba,25Bb)の鉄棒24同士を沿わせた状態で当接し、その突出部24a同士を針金等の結合具を用いて結合する。これにより、脚部8A,8Bが形成され、その脚部8A,8Bは、頂部を下方に向けつつ金網6の幅方向に伸びるトラス構造をそれぞれ形成する。
【0058】
またこのとき、土木構築物用ユニット5の長手方向中央部の撓みを考慮する必要があるときには、加工線材27,28を用い、その両端部21a,21bを金網6下面6bの筒体群26に、前記加工線材13Aa等の場合と同じようにして挿入することにより、脚部9を形成する。このようにして製造された土木構築物用ユニット5は、法面3に吊り上げ搬送され、その法面3上に敷設される。
【0059】
したがって、この土木構築物用ユニット5の製造方法においては、線材等を用いて、脚部8A,8Bの構成要素としての一対の側部骨組み構造部材25Aa,25Ab(25Ba,25Bb)を形成し、それらを金網6の下面6aに簡単に起倒伏可能に支持でき、さらには、その一対の側部骨組み構造部材25Aa,25Ab(25Ba,25Bb)を起立動させて、その先端部同士を結合具を用いて結合するだけで、トラス構造をなす骨組み構造の脚部8A,8Bを形成できる。このため、護岸1での使用形態、その護岸1での使用形態に至る前における形態を考慮した製造方法を提供できる。また、一対の各側部骨組み構造部材25Aa,25Ab(25Ba,25Bb)を形成するに当たっては、2本(複数本)の加工線材の両端部を金網下面6bに取付け、その各連結部23と鉄棒24とをつなぐ構成であることから、脚部8A,8Bの伸び方向の長さを長く伸ばすことができると共に、脚部8A,8Bの強度を、骨組み構造を確保しながらもトラス構造により高めることができる。
【0060】
以上実施形態について説明したが本発明にあっては、次のような態様を包含する。
(1)河川における護岸を対象とする場合に限らず、湖水、海における護岸、さらには擁壁等にも本発明を適用すること。
(2)金網6の長手方向中央部に取付けられる脚部9の受け部29の向きを、金網6の幅方向一方側と他方側とで互い違いにすること。
(3)金網6の長手方向中央部に取付けられる脚部9を省くこと。
(4)各列の筒体群11Aa,11Ab(11Ba,11Bb)における加工線材のうち、少なくとも一つについて、その両端部の軸線方向外方の向きを、金網6の幅方向内方を向けつつも、互い違いにすること。これにより、各列の筒体群11Aa,11Ab(11Ba,11Bb)に複数の加工線材が設けられるとしても、その各列一つの上記加工線材の用い方により、抜け止め構造を形成できる。
(5)各列の筒体群11Aa,11Ab(11Ba,11Bb)において、一つの加工線材を用いること。この場合、各列の加工線材については、抜け止め構造を形成すべく、その両端部の軸線方向外方の向きを、金網6の幅方向内方を向けつつも、互い違いにする必要がある。
(6)金網6として、周囲に枠線のないものを用いること。隣合って敷設する土木構築物用ユニット5の金網6を重なり合って配置できるようにし、これに伴い、その隣合う土木構築物用ユニット5の自然石7も互いに近づけるようにするためである。
【産業上の利用可能性】
【0061】
本発明は、法面上のコンクリート層の表面側に複数の壁面材を表面層として設けた土木構築物を迅速に構築させること、上記土木構築物に利用される好適な土木構築物用ユニットを提供すること、上記土木構築物用ユニットを容易に製造することに利用できる。
【符号の説明】
【0062】
1 護岸(土木構築物)
3 法面
5 土木構築物用ユニット
6 金網(網状体)
6a 金網上面(一方の面)
6b 金網下面(他方の面)
7 壁面材(自然石)
8A,8B 脚部
11Aa,11Ab,11Ba,11Bb 2列の筒体群
13Aa,14Aa,13Ba,14Ba 加工線材(線材)
16Aa~19Aa,16Ab~19Ab 筒体
16Ba~19Ba,16Bb~19Bb 筒体
21a 加工線材の一方の端部
21b 加工線材の他方の端部
22a 加工線材における一方の平行線部
22b 加工線材における他方の平行線部
23 連結部
24 鉄棒(連結棒)
25Aa,25Ab,25Ba,25Bb 側部骨組み構造部材
【要約】
【課題】複数の壁面材を表面層として設けた土木構築物を迅速に構築させる土木構築物の構築方法、その土木構築物の構築方法の利用に好適な土木構築物用ユニット、その土木構築物用ユニットの製造方法を提供する。
【解決手段】金網上面6aに複数の自然石7が取付けられていると共に、金網下面6bに脚部8A,8B,9が設けられている土木構築物用ユニット5を複数用意し、その複数の土木構築物用ユニット5を法面3上に敷設して、金網6と法面3との間にコンクリート充填空間36を形成し、コンクリート充填空間37にコンクリートを充填して、該コンクリート内に複数の各土木構築物用ユニットの金網及び脚部8A,8B,9を埋設する。脚部8A,8Bを形成するには、金網下面6bに固着される筒体群と、加工された線材を利用して一対の側部骨組み構造部材を形成し、その一対の側部骨組み構造部材の先端部同士を結合する。
【選択図】図2
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