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  • 特許-着陸ギア及びピンロック表示 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-13
(45)【発行日】2023-12-21
(54)【発明の名称】着陸ギア及びピンロック表示
(51)【国際特許分類】
   B64C 25/26 20060101AFI20231214BHJP
【FI】
B64C25/26
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2021549726
(86)(22)【出願日】2020-02-24
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-04-08
(86)【国際出願番号】 US2020019470
(87)【国際公開番号】W WO2020180520
(87)【国際公開日】2020-09-10
【審査請求日】2023-02-24
(31)【優先権主張番号】62/810,002
(32)【優先日】2019-02-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】521372987
【氏名又は名称】トライアンフ エアロスペース オペレーションズ、ユーケー、エルティーディー
(74)【代理人】
【識別番号】100104411
【弁理士】
【氏名又は名称】矢口 太郎
(72)【発明者】
【氏名】グリーブ、ジェームズ
(72)【発明者】
【氏名】サルコム、アンドリュー
【審査官】塚本 英隆
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第2567114(US,A)
【文献】国際公開第2018/189299(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B64C 25/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置内に保持された着陸ギアピンの存在を検出するための着陸ギアピン検出装置であって、
前記装置のハウジングに取り付けられたピン保持部材であって、前記着陸ギアピンを受け入れるためにその中に配置された開口部を有するピン保持部材と、
前記ハウジングに取り付けられた1つまたは複数の検出器と、
前記ハウジングに回転可能に取り付けられたラッチであって、近位レバー端部および反対側の遠位検出器端部を有し、前記ラッチは、前記近位及び遠位端部との中間位置を中心に回転し、前記1つまたは複数の検出器と接触及び非接触にさせるように前記検出器端部を移動可能である、ラッチと、
前記ハウジングに回転可能に取り付けられ、遠位ラッチ端部および近位ピン端部を有するピン検出レバーであって、前記近位ピン端部は、前記着陸ギアピンが前記開口部に配置されたときに前記着陸ギアピンに接触する位置に配置される、ピン検出レバーと、
前記ピン検出レバーに動作可能に接続して、前記ピンが前記ピン保持部材に配置されているとき、及び前記ピンが前記ピン保持部材に配置されていないときに、前記ピン検出レバーを前記着陸ギアピンに対して付勢する、レバーばねであって、前記遠位ラッチ端部を回転させ、前記ラッチの前記近位レバー端部と接触させることにより、前記ラッチを回転させ、前記ラッチの検出器端部を前記1若しくは複数の検出器と接触しないように移動させるように構成された、レバーばねと、
を有する着陸ギアピン検出装置。
【請求項2】
請求項1記載の着陸ギアピン検出装置において、前記ピン保持部材はフックを有するものである、着陸ギアピン検出装置。
【請求項3】
前記請求項のいずれか一項に記載の着陸ギアピン検出装置において、前記ばねは、線形特性ばねを含むものである、着陸ギアピン検出装置。
【請求項4】
前記請求項のいずれか一項に記載の着陸ギアピン検出装置において、前記ばねは、ねじりばねを含むものである、着陸ギアピン検出装置。
【請求項5】
前記請求項のいずれか一項に記載の着陸ギアピン検出装置において、前記1若しくは複数の検出器は、スイッチを含むものである、着陸ギアピン検出装置。
【請求項6】
前記請求項のいずれか一項に記載の着陸ギアピン検出装置において、前記ピン保持部材が前記ハウジング内に回転可能に取り付けられ、前記ハウジングは、前記ピン保持部材の開口部に近接する嵌合面を含み、前記嵌合面と前記ピン保持部材に接触するように前記ピンを前記開口部に保持するものである、着陸ギアピン検出装置。
【請求項7】
前記請求項のいずれか一項に記載の着陸ギアピン検出装置において、前記ラッチの前記近位レバー端部が、前記レバーの遠位ラッチ端部とローリング係合するためのローラーを含むものである、着陸ギアピン検出装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2019年2月25日に出願された米国仮出願第62/810,002号の優先権の利益を主張し、その出願の全内容は参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は、一般に、航空機の着陸ギア、より具体的には、これに限定されるものではないが着陸ギアの位置を監視するための装置に関する。
【背景技術】
【0003】
安全性は航空機の設計と操作において最も重要であり、特に重要なサブシステムの1つは着陸ギアシステムである。このような安全性の理由から、航空機のコンピュータシステムは、着陸ギアおよびそれに関連するピン(以下、着陸ギアピンと呼ぶ)の位置を監視する必要がある。既存の着陸ギアとドアのアップロックは、着陸ギアのピンの位置を直接監視するのではなく、アップロックフックとラッチがロック位置にあることを示すことによって、ラッチによって作動するスイッチを使用して着陸ギアの位置を示すものである(図1を参照)。
この出願の発明に関連する先行技術文献情報としては、以下のものがある(国際出願日以降国際段階で引用された文献及び他国に国内移行した際に引用された文献を含む)。
(先行技術文献)
(特許文献)
(特許文献1) 国際公開第2018/180200号
(特許文献2) 米国特許出願公開第2009/0284025号明細書
(特許文献3) 米国特許出願公開第2011/0056197号明細書
(特許文献4) 米国特許出願公開第2013/0147210号明細書
(特許文献5) 米国特許出願公開第2006/0208501号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、出願人は、アップロックフックとラッチがロック位置にあるが、着陸ギアが所定の位置にロックされていない状況が発生する場合があることを認識した。したがって、着陸ギアの位置をより直接的に検出するための着陸ギア検出装置を提供することは、最先端技術の進歩であると思料する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記を鑑み、本願の一観点において、出願人は、着陸ギア保持ピンが安全に上昇してロックされた位置にない場合に、航空機の監視システムへの電気信号を非アクティブ化(解除)するために使用可能な装置を考案した。例えば、1つの例示的な構成では、本発明は、装置内に保持された着陸ギアピンの存在を検出するための着陸ギアピン検出装置を提供する。装置は、装置のハウジングに取り付けられるピン保持部材を含み、前記ピン保持部材はその内部に配置された開口部を有して、着陸ギアピンを受け入れる。さらに、スイッチなどの1若しくは複数の検出器をハウジングに取り付け、さらにラッチをハウジングに回転可能に取り付けてもよい。前記ラッチは、近位レバー端部および反対側の遠位検出器端部を含み、ラッチは、近位端部と遠位端部との間の位置の周りで回転可能で、これにより検出器端部を検出器と接触させる、あるいは、非接触にする。ピン検出レバーは、ハウジングに回転可能に取り付けられ、遠位ラッチ端部および近位ピン端部を有し、近位ピン端部は、着陸ギアピンが開口部に位置するときに着陸ギアピンに接触する位置に配置される。ラッチの近位レバー端は、レバーの遠位ラッチ端とローリング係合するためのローラーを含み得る。
【0006】
装置はまた、ピン検出レバーに動作可能に接続されて、線形特性ばね及び/またはねじりばねなどの着陸ギアピンに対してピン検出レバーを付勢するレバーばねを含んでもよい。着陸ギアピンがピン保持部材に配置されていない場合、レバーばねは、遠位ラッチ端を回転させてラッチの近位レバー端部と接触させるように構成することができる。遠位ラッチ端部は、近位レバー端部を押してラッチを回転させ、ラッチの検出器端部を若しくは複数の検出器と非接触にするように移動させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
本発明の例示的な実施形態の前述の要約および以下の詳細な説明は、添付の図面と併せて読むとさらに理解することができる。
図1図1は、既存の着陸ギアピン検出装置を概略的に示しており、検出スイッチが係合した状態でフックによって保持された着陸ギアピンを示している。
図2図2は、図1の着陸ギアピン検出装置を概略的に示しているが、フックの一部が壊れているため、着陸ギアピンはフックによって保持されないが、着陸ギアピンがフックによって保持されているかのように検出スイッチが配置されたままである。
図3図3は、着陸ギアピンがフックによって保持されることに応答して係合される検出スイッチを備えた、本発明による着陸ギアピン検出装置を概略的に示す。
図4図4は、図3の着陸ギアピン検出装置を概略的に示しているが、フックの一部が壊れているため、着陸ギアピンは保持されず、検出スイッチは係合しておらず、着陸ギアピンがフックに保持されていないことを示している。
【発明を実施するための形態】
【0008】
同様の要素に対して、全体を通して同様の参照符号が付されている図を参照すると、図1~2は、既存の着陸ギア装置に関して本発明者らによって特定された問題を示している。具体的には、既存の装置100の重要な目的は、装置100内の所定の位置に正しくロックされた着陸ギアピン120の存在を示すことである。所定の位置での着陸ギアピン120のロックは、着陸ギアピン120の周りの位置にロックするフック110の動きに応答して動くラッチ130を通して達成される。次に、ラッチ130は回転可能であり、スイッチ190と接触・接触切断するが、これによりスイッチ190は、アップロック装置100が係合し、着陸ギアピン120を保持しているという信号を送信する。しかしながら、そのような装置110は、着陸ギアピン120が特定の条件下で所定の位置にロックされているという誤った表示を提供し得る。例えば、スイッチ190は、フック110の下部が、着陸ギアピン120がアップロック装置100を出るのを可能にする破壊または破損111を含む場合、信号を送信し続ける(図2)。そのような状況では、航空機のコンピュータは、実際にはピン120が保持されていないのに、着陸ギアのピン120がアップロック装置100によって保持されていることを示す信号を受信し続ける。
【0009】
この問題を認識して、出願人は、新しい着陸ギアピン検出装置200を考案し、設計した。図3~4は、着陸ギアピン120の存在または不在をより直接的に検出するものである。具体的には、装置200は、着陸ギアピン120の位置を監視するためのばね式ピン検出レバー270を含んでもよい。アップロックのロックの間に、着陸ギアピン120がレバー270の第1の端部272に係合し、ピン120がロック位置に近づくと、ピン検出レバー270は、着陸ギアピン120によって転心274の周りを回転することができる。ピン検出レバー270の回転は、線形特性ばね275などのばねを肩面277に対して圧縮する。あるいは、またはさらに、ピン検出レバー270の回転は、転心274の周りに配置されたねじりばねを圧縮するようにしてもよい。ピン検出レバー270の回転は、ピン検出レバー270をラッチ230上のローラー232の邪魔にならないように動かし、ラッチ230がフック210などのピン保持部材の上部の周りに係合することを可能にするように機能し得る(図3)。フック210の第1の端部212には、嵌合面213が提供され、その中に着陸ギアピン120を保持するように成形されてもよい。
【0010】
着陸ギアピン120が正しい位置にあるとき、ピン検出レバー270は、ばね275によって着陸ギアピン120の表面に押される(図3)。フック210に割れ目または破損211が生じた場合、着陸ギアピン120はアップロックを出ることが可能になり、ばね275は肩277を押して、ピン検出レバー270の第1の端部274を、着陸ギアピン120が以前占有していた空間に回転させる(図4)。次に、第1の端部272に対向するピン検出レバー270の第2の端部273が回転してローラー232と接触する。ばね275はピン検出レバー270を回転し続け、第2の端部273はローラー232を押し続け、フック210が解放されるまで、転心234の周りにラッチ270を回転させる(図4)。
【0011】
張力ばね240は、フック取り付け点216におけるフック210と、転心234とローラー232との間に位置するラッチ取り付け点217のラッチ270との間に動作可能に接続されてもよい。張力ばね240は、次にフック210をその転心の周りで回転させることができ、ラッチ230のスイッチ接触端部239が、スイッチ290などの1つまたは複数の検出器と接触しないようにして、スイッチ290を非アクティブ化するまで、ラッチ230をその転心234の周りでさらに回転させる。これにより、着陸ギアピン120が所定の位置にないことを航空機コンピュータに通知する。
【0012】
着陸ギアピン検出装置200の構造をより詳細に見ると、装置は、近位端部212と、これに対向する遠位端部215を有するフック210を含み、近位端部212は、着陸ギアピン120を保持するように成形された弧状の嵌合面213を有する(図3)。フック210は、フック210の近位端部および遠位端部212、215の間に配置された転心210で装置のハウジング280に枢動可能に取り付けてもよい。ハウジング280は、フック210の嵌合面213と反対側に配置されたピン着座面281を含み、着陸ギアピン120が面281、213の間の位置に保持され、フック210は、着陸ギアピン120を付勢して、表面281に対してピン120を押す。ピン検出レバー270は、ピン120と接触して配置された第1の端部272を含み、ピン120は、第1の端部272を押して、ピン検出レバー270を転心274の周りで回転させることができる。着陸ギアピン120によって引き起こされる回転に対抗する力は、肩面277と第1の端部272との間に配置された転心274を用いて、肩面277を押すばね275の作用によってピン検出レバー270に加えることができる。ピン検出レバー270の第2の端部273は、肩277に隣接し、第1の端部272の反対側の位置に配置してもよい。
【0013】
着陸ギアピン120が装置200内に保持されない状態になると、ばね275によって肩277に対して提供される継続的な付勢力は、着陸ギアピン120が占めていた位置にピン検出レバー270の第1の端部272を着座面281に向かって回転させる(図4)。ピン検出レバー270のそのようなさらなる回転は、第2の端部273を回転させて、ラッチ230のローラー232と接触させることができる。
【0014】
ラッチ230は、一般にV字形で提供され、第1の端部238はローラー232の近くに配置され、その端部238上にローラー232が取り付けられ、第2のスイッチ接触端部239は第1の端部と反対に配置される。ラッチ230は、転心234が配置される頂点でハウジング280に回転可能に取り付けられてもよい。ラッチ230およびフック210は、それぞれラッチ230およびフック210のそれぞれに取り付けられた対向する端部を有する張力ばね240によって互いに機械的に連結され得る。例えば、フック210は、近位端部212と転心210との間に配置された取り付け点216を含み、ラッチ230は、第1の端部238と転心234との間に配置された取り付け点217を含み、張力ばねのそれぞれの端部がそれぞれの取り付け点に接続していてもよい。スイッチ290などの1つまたは複数の検出器は、スイッチ検出端部239に配置され得、ラッチ230によって付勢されて、ハウジング280のスイッチ嵌合面291を押してスイッチ290を作動させるようにしてもよい(図3)。
【0015】
本発明のこれらおよび他の利点は、前述の明細書から当業者には明らかであろう。したがって、本発明の広範な発明の概念から逸脱することなく、上記の実施形態に変更または修正を加えることができることが当業者によって認識されるであろう。したがって、本発明は、本明細書に記載の特定の実施形態に限定されず、特許請求の範囲に記載される本発明の範囲および精神の範囲内にあるすべての変更および修正を含むことを意図することを理解されたい。
図1
図2
図3
図4