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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-13
(45)【発行日】2023-12-21
(54)【発明の名称】固体撮像装置及び電子機器
(51)【国際特許分類】
   H04N 25/70 20230101AFI20231214BHJP
   H01L 27/146 20060101ALI20231214BHJP
【FI】
H04N25/70
H01L27/146 F
【請求項の数】 16
(21)【出願番号】P 2018206014
(22)【出願日】2018-10-31
(65)【公開番号】P2020072410
(43)【公開日】2020-05-07
【審査請求日】2021-10-04
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】316005926
【氏名又は名称】ソニーセミコンダクタソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】浴 良仁
【審査官】橘 高志
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2018/003502(WO,A1)
【文献】国際公開第2015/159728(WO,A1)
【文献】国際公開第2016/056409(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 25/70
H01L 27/146
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1層を形成する第1の基板と、
前記第1の基板に接合されて第2層を形成する第2の基板と、
前記第2の基板に接合されて第3層を形成する第3の基板と、
行列状に2次元配列する複数の単位画素を備え、アナログ信号を出力する画素アレイ部と、
前記画素アレイ部と接続され、前記アナログ信号に基づきデジタル信号を出力するアナログ回路と、
前記アナログ回路と接続され、前記デジタル信号に基づく撮像画像を出力するロジック回路と、
機械学習処理のプログラムが格納されるメモリと、
前記プログラムを用いて、前記撮像画像に対して前記機械学習処理を実行する機械学習部と、
前記機械学習部の上方の一部と重畳する電磁シールドと、
を備え、
前記画素アレイ部は、前記第1層に配置され、
前記アナログ回路は、前記第1層から前記第3層のうちの何れか一つ以上に配置され、
前記ロジック回路、前記機械学習部及び前記メモリは、前記第2層及び前記第3層のうちの何れか一つ以上に配置され、
前記第1の基板における第1周辺部によって定義される第1領域と、前記第2の基板における第2周辺部によって定義される第2領域と、前記第3の基板における第3周辺部によって定義される第3領域とは、平面視において重なり合う
固体撮像装置。
【請求項2】
前記ロジック回路は、前記複数の単位画素における読出し行を規定する垂直デコーダを含み、
前記アナログ回路は、前記垂直デコーダにて規定された前記読出し行における単位画素を駆動する垂直駆動回路を含む
請求項1に記載の固体撮像装置。
【請求項3】
前記垂直駆動回路と前記垂直デコーダとは、互いに異なる層に配置される請求項2に記載の固体撮像装置。
【請求項4】
前記アナログ回路は、
前記第2層又は前記第3層に配置されたコンパレータと、
前記第2層又は前記第3層に配置されたカウンタと、
を含む請求項1に記載の固体撮像装置。
【請求項5】
前記コンパレータと前記カウンタとは、互いに異なる層に配置される請求項4に記載の固体撮像装置。
【請求項6】
前記アナログ回路は、前記第2層又は前記第3層に配置されたデジタル-アナログ変換器をさらに含む請求項4に記載の固体撮像装置。
【請求項7】
前記コンパレータと前記デジタル-アナログ変換器とは、同一の層に配置される請求項6に記載の固体撮像装置。
【請求項8】
前記ロジック回路は、前記カウンタと同一の層に配置された信号処理部を含む請求項4に記載の固体撮像装置。
【請求項9】
前記ロジック回路は、前記信号処理部と同一の層に配置されたタイミング調整回路をさらに含む請求項8に記載の固体撮像装置。
【請求項10】
前記機械学習部は、前記信号処理部と同一の層に配置される請求項8に記載の固体撮像装置。
【請求項11】
前記メモリと前記機械学習部とは、同一の層に配置される請求項1に記載の固体撮像装置。
【請求項12】
前記アナログ回路は、第1の電源に接続され、
前記ロジック回路は、第2の電源に接続される
請求項1に記載の固体撮像装置。
【請求項13】
前記第1の電源と前記第2の電源とは、異なる電源である請求項12に記載の固体撮像装置。
【請求項14】
前記電磁シールドは、前記機械学習部と前記第1の基板との間の少なくとも一部に配置される請求項1に記載の固体撮像装置。
【請求項15】
前記第3の基板とは別に前記第2の基板に接合されて前記第3層を形成する第4の基板をさらに備え、
前記機械学習部は、前記第4の基板に配置される
請求項1に記載の固体撮像装置。
【請求項16】
固体撮像装置と、
前記固体撮像装置から出力された画像データに対して所定の処理を実行するプロセッサと、
を備え、
前記固体撮像装置は、
第1層を形成する第1の基板と、
前記第1の基板に接合されて第2層を形成する第2の基板と、
前記第2の基板に接合されて第3層を形成する第3の基板と、
行列状に2次元配列する複数の単位画素を備え、アナログ信号を出力する画素アレイ部と、
前記画素アレイ部と接続され、前記アナログ信号に基づきデジタル信号を出力するアナログ回路と、
前記アナログ回路と接続され、前記デジタル信号に基づく撮像画像を出力するロジック回路と、
機械学習処理のプログラムが格納されるメモリと、
前記プログラムを用いて、前記撮像画像に対して前記機械学習処理を実行する機械学習部と、
前記機械学習部の上方の一部と重畳する電磁シールドと、
を備え、
前記画素アレイ部は、前記第1層に配置され、
前記アナログ回路は、前記第1層から前記第3層のうちの何れか一つ以上に配置され、
前記ロジック回路、前記機械学習部及び前記メモリは、前記第2層及び前記第3層のうちの何れか一つ以上に配置され、
前記第1の基板における第1周辺部によって定義される第1領域と、前記第2の基板における第2周辺部によって定義される第2領域と、前記第3の基板における第3周辺部によって定義される第3領域とは、平面視において重なり合う
電子機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、固体撮像装置及び電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、静止画や動画を取得する撮像装置として、センサチップや、メモリチップや、DSP(Digital Signal Processor)チップなどのチップ同士を複数のバンプで並列に接続した平置き型のイメージセンサが存在する。
【0003】
また、近年では、撮像装置の小型化を目的として、複数のダイが積層された積層構造を有する1チップのイメージセンサが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】国際公開第2018/051809号
【文献】特開2017-139497号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、近年では、画像処理の多様化・高速化や個人情報の保護等の観点から、イメージセンサチップ内でより高度な処理を実行することが望まれている。
【0006】
そこで本開示では、チップ内でより高度な処理を実行することが可能な固体撮像装置及び電子機器を提案する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するために、本開示に係る一形態の固体撮像装置は、第1層を形成する第1の基板と、前記第1の基板に接合されて第2層を形成する第2の基板と、前記第2の基板に接合されて第3層を形成する第3の基板と、行列状に2次元配列する複数の単位画素を備える画素アレイ部と、前記画素アレイ部と接続されるアナログ回路と、前記アナログ回路と接続されるロジック回路と、機械学習処理のプログラムが格納されるメモリと、前記プログラムを用いて前記機械学習処理を実行する機械学習部とを備え、前記画素アレイ部は、前記第1層に配置され、前記アナログ回路は、前記第1層から前記第3層のうちの何れか一つ以上に配置され、前記ロジック回路、前記機械学習部及び前記メモリは、前記第2層及び前記第3層のうちの何れか一つ以上に配置される。
【0008】
(作用)本開示に係る一形態の固体撮像装置によれば、機械学習部が固体撮像装置のチップ内に設けられるため、チップ内でより高度な処理を実行することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】第1の実施形態に係る電子機器としての撮像装置の概略構成例を示すブロック図である。
図2】第1の実施形態に係るイメージセンサのチップ構成例を示す模式図である。
図3】第1の実施形態に係る第1のフロアマップ例を説明するための図である。
図4】第1の実施形態の第1のフロアマップ例に係る第1基板のフロアマップ例を示す上視図である。
図5】第1の実施形態の第1のフロアマップ例に係る第2基板のフロアマップ例を示す上視図である。
図6】第1の実施形態の第1のフロアマップ例に係る第3基板のフロアマップ例を示す上視図である。
図7】第1の実施形態に係る第2のフロアマップ例を説明するための図である。
図8】第1の実施形態に係る第3のフロアマップ例を説明するための図である。
図9】第1の実施形態に係る第4のフロアマップ例を説明するための図である。
図10】第1の実施形態に係る第5のフロアマップ例を説明するための図である。
図11】第1の実施形態に係る第6のフロアマップ例を説明するための図である。
図12】第1の実施形態に係る第7のフロアマップ例を説明するための図である。
図13】第1の実施形態に係る第8のフロアマップ例を説明するための図である。
図14】第1の実施形態に係る第9のフロアマップ例を説明するための図である。
図15】第2の実施形態に係るイメージセンサのチップ構成例を示す模式図である。
図16図1に例示したイメージセンサのより詳細な構成例を示すブロック図である。
図17】第3の実施形態の第1のフロアマップ例に係る第1基板のフロアマップ例を示す図である。
図18】第3の実施形態の第1のフロアマップ例に係る第2基板のフロアマップ例を示す図である。
図19】第3の実施形態の第1のフロアマップ例に係る第3基板のフロアマップ例を示す図である。
図20】第3の実施形態の第2のフロアマップ例に係る第2基板のフロアマップ例を示す図である。
図21】第3の実施形態の第2のフロアマップ例に係る第3基板のフロアマップ例を示す図である。
図22】第3の実施形態の第3のフロアマップ例に係る第2基板のフロアマップ例を示す図である。
図23】第3の実施形態の第3のフロアマップ例に係る第3基板のフロアマップ例を示す図である。
図24】第3の実施形態の第4のフロアマップ例に係る第2基板のフロアマップ例を示す図である。
図25】第3の実施形態の第4のフロアマップ例に係る第3基板のフロアマップ例を示す図である。
図26】第4の実施形態の第1の例に係る第1層へ電力を供給するための構成を説明するための断面図である。
図27】第4の実施形態の第1の例に係る第2層へ電力を供給するための構成を説明するための断面図である。
図28】第4の実施形態の第1の例の変形例に係る第2層へ電力を供給するための構成を説明するための断面図である。
図29】第4の実施形態の第1の例に係る第3層へ電力を供給するための構成を説明するための断面図である。
図30】第4の実施形態の第1の例の変形例に係る第3層へ電力を供給するための構成を説明するための断面図である。
図31】第4の実施形態の第2の例に係る第1層及び第2層へ電力を供給するための構成を説明するための断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、本開示の一実施形態について図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下の実施形態において、同一の部位には同一の符号を付することにより重複する説明を省略する。
【0011】
また、以下に示す項目順序に従って本開示を説明する。
1. 第1の実施形態
1.1 撮像装置の概略構成例
1.2 イメージセンサチップのチップ構成例
1.3 フロアマップ例
1.3.1 第1のフロアマップ例
1.3.1.1 第1基板のフロアマップ例
1.3.1.2 第2基板のフロアマップ例
1.3.1.3 第3基板のフロアマップ例
1.3.1.4 第1のフロアマップの変形例
1.3.2 第2のフロアマップ例
1.3.2.1 第2のフロアマップの変形例
1.3.3 第3のフロアマップ例
1.3.3.1 第3のフロアマップの変形例
1.3.4 第4のフロアマップ例
1.3.4.1 第4のフロアマップの変形例
1.3.5 第5のフロアマップ例
1.3.5.1 第5のフロアマップの変形例
1.3.6 第6のフロアマップ例
1.3.6.1 第6のフロアマップの変形例
1.3.7 第7のフロアマップ例
1.3.7.1 第7のフロアマップの変形例
1.3.8 第8のフロアマップ例
1.3.8.1 第8のフロアマップの変形例
1.3.9 第9のフロアマップ例
1.3.9.1 第9のフロアマップの変形例
1.4 作用・効果
2. 第2の実施形態
2.1 イメージセンサチップのチップ構成例
2.2 作用・効果
3. 第3の実施形態
3.1 イメージセンサの構成例
3.2 フロアマップ例
3.2.1 第1のフロアマップ例
3.2.1.1 第1基板のフロアマップ例
3.2.1.2 第2基板のフロアマップ例
3.2.1.3 第3基板のフロアマップ例
3.2.1.4 電磁シールドの位置
3.2.1.5 変形例
3.2.2 第2のフロアマップ例
3.2.2.1 変形例
3.2.3 第3のフロアマップ例
3.2.3.1 第1変形例
3.2.3.2 第2変形例
3.2.4 第4のフロアマップ例
3.3 作用・効果
4. 第4の実施形態
4.1 第1の例
4.1.1 第1層への電力供給
4.1.2 第2層への電力供給
4.1.2.1 第2層への電力供給の変形例
4.1.3 第3層への電力供給
4.1.3.1 第3層への電力供給の変形例
4.2 第2の例
4.2.1 第1層及び第2層への電力供給
4.3 作用・効果
【0012】
1. 第1の実施形態
まず、第1の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0013】
1.1 撮像装置の概略構成例
図1は、第1の実施形態に係る電子機器としての撮像装置の概略構成例を示すブロック図である。図1に示すように、撮像装置1は、固体撮像装置であるイメージセンサ10と、アプリケーションプロセッサ20とを備える。イメージセンサ10は、撮像部11と、コントロール部12と、変換器(Analog to Digital Converter:以下、ADCという)17と、信号処理部13と、DSP(Digital Signal Processor)14と、メモリ15と、セレクタ(出力部ともいう)16とを備えている。
【0014】
コントロール部12は、例えば、ユーザの操作や設定された動作モードに従い、イメージセンサ10内の各部を制御する。
【0015】
撮像部11は、例えば、ズームレンズ、フォーカスレンズ、絞り等を備える光学系104と、フォトダイオードなどの受光素子を含む単位画素(図4の単位画素101a)が2次元マトリクス状に配列した構成を備える画素アレイ部101とを備える。外部から入射した光は、光学系104を介することで、画素アレイ部101における受光素子が配列した受光面に結像される。画素アレイ部101の各単位画素101aは、その受光素子に入射した光を電変換することで、入射光の光量に応じた電荷を読出可能に蓄積する。
【0016】
ADC17は、撮像部11から読み出された単位画素101a毎のアナログの画素信号をデジタル値に変換することで、デジタルの画像データを生成し、生成した画像データを信号処理部13及び/又はメモリ15へ出力する。なお、ADC17には、電源電圧等から撮像部11を駆動するための駆動電圧を生成する電圧生成回路等が含まれてもよい。
【0017】
信号処理部13は、ADC17から入力されたデジタルの画像データ又はメモリ15から読み出されたデジタルの画像データ(以下、処理対象の画像データという)に対して種々の信号処理を実行する。例えば、処理対象の画像データがカラー画像である場合、信号処理部13は、この画像データをYUVの画像データやRGBの画像データなどにフォーマット変換する。また、信号処理部13は、例えば、処理対象の画像データに対し、ノイズ除去やホワイトバランス調整等の処理を必要に応じて実行する。その他、信号処理部13は、処理対象の画像データに対し、DSP14がその画像データを処理するのに必要となる種々の信号処理(前処理ともいう)を実行する。
【0018】
DSP14は、例えば、メモリ15に格納されているプログラムを実行することで、ディープニューラルネットワーク(DNN)を利用した機械学習部として機能する。例えば、DSP14は、メモリ15に記憶されている機械学習処理のプログラムを実行することで、メモリ15に記憶されている辞書係数と画像データとを掛け合わせる処理を実行する。このような機械学習処理により得られた結果(機械学習結果)は、メモリ15及び/又はセレクタ16へ出力される。なお、機械学習結果には、画像データを機械学習することで得られた画像データや、その画像データから得られる各種情報(メタデータ)等が含まれ得る。また、DSP14には、メモリ15へのアクセスを制御するメモリコントローラが組み込まれていてもよい。
【0019】
メモリ15は、ADC17から出力された画像データ、信号処理部13で信号処理された画像データ、DSP14で得られた機械学習結果等を必要に応じて記憶する。また、メモリ15は、DSP14が実行する機械学習処理のアルゴリズムをプログラム及び辞書係数として記憶する。
【0020】
セレクタ16は、例えばコントロール部12からの選択制御信号に従うことで、DSP14から出力された画像データ、メモリ15に記憶されている画像データ、機械学習結果等を選択的に出力する。なお、DSP14が信号処理部13から出力された画像データに対して処理を実行しない場合であって、セレクタ16がDSP14から出力された画像データを出力する場合には、セレクタ16は、信号処理部13から出力された画像データをそのまま出力してもよい。
【0021】
以上のようにしてセレクタ16から出力された画像データや機械学習結果は、表示やユーザインタフェースなどを処理するアプリケーションプロセッサ20に入力される。アプリケーションプロセッサ20は、例えば、CPU(Central Processing Unit)等を用いて構成され、オペレーティングシステムや各種アプリケーションソフトウエア等を実行する。このアプリケーションプロセッサ20には、GPU(Graphics Processing Unit)やベースバンドプロセッサなどの機能が搭載されていてもよい。また、アプリケーションプロセッサ20は、入力された画像データや機械学習結果に対し、必要に応じた種々処理を実行したり、ユーザへの表示を実行したり、所定のネットワーク40を介して外部のクラウドサーバ30へ送信したりしてもよい。
【0022】
所定のネットワーク40には、例えば、インターネットや、有線LAN(Local Area Network)又は無線LANや、移動体通信網や、Bluetooth(登録商標)など、種々のネットワークを適用することができる。また、画像データや機械学習結果の送信先は、クラウドサーバ30に限定されず、単一で動作するサーバや、各種データを保管するファイルサーバや、携帯電話機等の通信端末など、通信機能を有する種々の情報処理装置(システム)であってよい。
【0023】
1.2 イメージセンサチップのチップ構成例
次に、図1に示すイメージセンサ10のチップ構成の例について、以下に図面を参照して詳細に説明する。
【0024】
図2は、本実施形態に係るイメージセンサのチップ構成例を示す模式図である。図2に示すように、イメージセンサ10は、それぞれ四角形の平板状の第1基板(ダイ)100、第2基板(ダイ)120、及び、第3基板(ダイ)140が貼り合わされた3層の積層構造を有している。
【0025】
第1基板100と第2基板120と第3基板140とのサイズは、例えば、同じであってよい。また、第1基板100と第2基板120と第3基板140とは、それぞれシリコン基板などの半導体基板であってよい。
【0026】
図1に示すイメージセンサ10において、例えば、撮像部11の画素アレイ部101は、第1基板100に配置される。また、第1基板100には、光学系104の一部又は全部がオンチップで設けられていてもよい。
【0027】
イメージセンサ10におけるアナログ回路201の一部又は全部は、第1基板100から第3基板140のいずれにも配置され得る。ここで、アナログ回路201とは、イメージセンサ10のADC17やコントロール部12等の一部であって、アナログ回路用の電源電圧が供給される回路構成であってよい。例えば、アナログ回路201には、画素アレイ部101からアナログの画素信号を読み出す各種トランジスタ(以下、画素回路という)や、行列方向の2次元格子状に配列する単位画素101aを行単位で駆動する垂直駆動回路(行ドライバともいう)や、各単位画素101aから読み出したアナログの画素信号をデジタル値に変換するADC17のコンパレータ及びカウンタや、このコンパレータに参照電圧を供給するコントロール部12内の参照電圧供給部(以下、DAC(Digital to Analog Converter)ともいう)や、外部から入力されたマスタークロック等に対して同期を図るPLL(Phase Locked Loop)回路や、マスタークロックを分周して低周波数のクロックを生成する分周回路等が含まれ得る。
【0028】
一方、イメージセンサ10におけるロジック回路202は、第2基板120又は第3基板140に配置され得る。このロジック回路202には、信号処理部13の他に、ADC17やコントロール部12等の一部であって、ロジック回路用の電源電圧が供給される回路構成が含まれ得る。例えば、ロジック回路202には、DSP14やメモリ15やセレクタ16等が含まれ得る。また、ロジック回路202には、デジタル値に変換された画像信号に対して相関二重サンプリング(CDS)を実行するADC17内のレジスタ及び減算器等も含まれ得る。
【0029】
ただし、アナログ回路201とロジック回路202との区分けは、上記に限定されず、例えば、ADC17全体をアナログ回路201に含めたり、コントロール部12全体をロジック回路202に含めたりなど、種々変更されてよい。
【0030】
第1基板100と第2基板120と第3基板140との貼合せは、第1基板100、第2基板120及び第3基板140をそれぞれチップに個片化した後、これら個片化されたチップを貼り合わせる、いわゆるCoC(Chip on Chip)方式であってもよいし、第1基板100から第3基板140とのうちの少なくとも1つをチップに個片化した後、この個片化されたチップを個片化前のウエハに貼り合わせる、いわゆるCoW(Chip on Wafer)方式であってもよいし、第1基板100から第3基板140をウエハの状態で貼り合わせる、いわゆるWoW(Wafer on Wafer)方式であってもよい。
【0031】
また、第1基板100と第2基板120との接合方法、及び、第2基板120と第3基板140との接合方法には、それぞれ例えば、プラズマ接合等を使用することができる。ただし、これに限定されず、例えば、それぞれの基板の接合面に露出させた銅(Cu)同士を接合する、いわゆるCu-Cuボンディング方式など、種々の接合方法を用いることが可能である。
【0032】
ここで、上述のように、DSP14を機械学習部として動作させる場合、その動作アルゴリズムの実装が、プログラムの実行による、いわゆるソフトウエア実装となる。また、機械学習の動作アルゴリズムは、日々更新されている。そのため、機械学習部として動作するDSP14がどのタイミングで処理を実行するかや、DSP14の処理のピークがどのタイミングになるかなどを事前に把握することは困難である。
【0033】
そして、図2に例示するように、最上層である第1基板100に画素アレイ部101を搭載し、下層である第2基板120又は第3基板140にDSP14を搭載したチップ構成において、DSP14を機械学習部として動作させる場合、画素アレイ部101のリセット中や画素アレイ部101の露光中や画素アレイ部101の各単位画素101aから画素信号を読み出している最中に、DSP14が機械学習処理を開始したりDSP14の処理がピークを迎えたりすると、画素アレイ部101から読み出される画素信号にノイズが重畳され、結果的に、イメージセンサ10で取得する画像の品質が低下してしまう可能性が存在する。
【0034】
そこで、例えば図2に示すように、画素アレイ部101とDSP14との間に、DSP14で発生したノイズが画素アレイ部101へ入り込むのを防止するための電磁シールド141を配置してもよい。例えば、DSP14が第2基板120に配置された場合、第1基板100と第2基板120との間に、電磁シールド141が配置されてもよい。また、DSP14が第3基板140に配置された場合、第1基板100と第2基板120との間、又は、第2基板120と第3基板140との間に、電磁シールド141が配置されてもよい。なお、電磁シールド141は、少なくともDSP14の上方の一部と重畳していればよい。また、電磁シールド141には、例えば、銅やニッケルなどの導電性材料による薄板や薄膜等を用いることが可能である。
【0035】
このように、画素アレイ部101とDSP14との間に電磁シールド141を介在させることで、画素アレイ部101へのDSP14の信号処理に起因したノイズの入り込みが低減される。これにより、DSP14を機械学習部として動作させた場合でも、イメージセンサ10で取得する画像の品質の低下を抑制することが可能となる。
【0036】
1.3 フロアマップ例
次に、本実施形態に係るイメージセンサ10における第1基板100から第3基板140までの各層のフロアマップについて、幾つか例を挙げて説明する。
【0037】
1.3.1 第1のフロアマップ例
図3は、本実施形態に係る第1のフロアマップ例を説明するための図である。図3に示すように、第1のフロアマップ例では、第1基板100に画素アレイ部101が配置され、第2基板120にアナログ回路201とロジック回路202とが配置され、第3基板140にDSP14とメモリ15とが配置されている。また、第2基板120と第3基板140との間であって、DSP14及びメモリ15上には、電磁シールド141が配置されている。なお、電磁シールド141は、少なくともDSP14の一部と対応する位置に配置されていればよい。
【0038】
ここで、第1のフロアマップ例における各層のフロアマップ例を、より詳細に説明する。図4は、第1基板のフロアマップ例を示す上視図であり、図5は、第2基板のフロアマップ例を示す上視図であり、図6は、第3基板のフロアマップ例を示す上視図である。
【0039】
1.3.1.1 第1基板のフロアマップ例
図4に示すように、第1基板100は、第1基板100の素子形成面の大部分に配置された画素アレイ部101を備える。言い換えれば、第1基板100は、画素アレイ部101のサイズに合せるように、画素アレイ部101のサイズの一回り大きいサイズに個片化されている。なお、第1基板100に光学系104の一部又は全部を搭載する場合には、光学系104の一部又は全部が、画素アレイ部101と対応する位置に設けられる。
【0040】
第1基板100の4つの辺L101~L104のうち、例えば、画素アレイ部101に行列状に2次元配列する単位画素101aの行方向と平行な辺L101に近接する領域には、画素アレイ部101中の各単位画素101aを第2基板120に配置されたアナログ回路201に電気的に接続させるための垂直信号線の一部として、第1基板100を貫通する複数の貫通配線(Through Silicon Via:以下、TSVという)が配列するTSVアレイ102が設けられている。また、例えば、単位画素101aの配列の列方向と平行な辺L104に近接する領域には、単位画素101aを駆動するための駆動線の一部として、第1基板100を貫通する複数のTSVが配列するTSVアレイ105が設けられている。
【0041】
また、第1基板100の4つの辺L101~L104のうちの例えば2つの辺L102及びL104それぞれには、直線状に配列された複数のパッドよりなるパッドアレイ103が設けられている。パッドアレイ103には、例えば、画素アレイ部101やADC17などのアナログ回路用の電源電圧が印加されるパッド(電源ピンともいう)や、信号処理部13やDSP14やメモリ15やセレクタ16やコントロール部12等のロジック回路用の電源電圧が印加されるパッド(電源ピンともいう)等が含まれる。また、パッドアレイ103には、MIPI(Mobile Industry Processor Interface)やSPI(Serial Peripheral Interface)などのインタフェース用のパッド(信号ピンともいう)や、クロック信号やデータの入出力のためのパッド(信号ピンともいう)等も含まれる。
【0042】
パッドアレイ103における各パッドは、例えば、外部の電源回路やインタフェース回路とワイヤを介して電気的に接続される。各パッドアレイ103とTSVアレイ102とは、パッドアレイ103中の各パッドに接続されたワイヤからの信号の反射の影響を無視できる程度に十分に離れていることが好ましい。
【0043】
1.3.1.2 第2基板のフロアマップ例
図5に示すように、第2基板120には、第1基板100を貫通するTSVアレイ102中の各TSV(以下、単にTSVアレイ102という)と接触することで電気的に接続された配線122と、第1基板100を貫通するTSVアレイ105中の各TSV(以下、単にTSVアレイ105という)と接触することで電気的に接続された配線125と、第1基板100のパッドアレイ103における各パッドと電気的に接続される複数のパッドが直線状に配列されてなるパッドアレイ123とが設けられている。
【0044】
また、第2基板120には、配線122に近接する領域から順に、アナログ回路201としてのADC17と、ロジック回路202としての信号処理部13とが配置されている。言い換えれば、第2基板120には、第1基板100の画素アレイ部101から信号が読み出される配線122を上流とし、配線122から物理的な距離が長い側を下流とし、配線122に読み出された信号が上流から下流に向けて流れるように、アナログ回路201とロジック回路202とが配置されている。
【0045】
さらに、第2基板120の裏面側、言い換えれば、第2基板120における下流側には、例えば、信号処理部13と第3基板140におけるDSP14とを電気的に接続するための複数の電極パッドが配列するパッドアレイ126が設けられる。
【0046】
このように、アナログ回路201とロジック回路202とを信号の流れに沿って上流から下流にかけて配置したレイアウトとすることで、各部を接続する配線を短縮することが可能となる。それにより、信号遅延の低減や信号の伝搬損失の低減やS/N比の向上や消費電力の低減が可能となる。
【0047】
また、アナログ回路用の信号ピンや電源ピンをアナログ回路201の近傍にまとめて配置し、ロジック回路用の信号ピンや電源ピンをロジック回路202の近傍にまとめて配置したり、アナログ回路用の電源ピンとロジック回路用の電源ピンとを十分に離して配置したりなどが可能になるというメリットも存在する。
【0048】
なお、コントロール部12は、例えば、ADC17と信号処理部13との間の一部に配置されてよい。
【0049】
1.3.1.3 第3基板のフロアマップ例
図6に示すように、第3基板140には、第2基板120の裏面に設けられたパッドアレイ126の各電極パッドと電気的に接続する複数の電極パッドが配列するパッドアレイ146と、第2基板120のパッドアレイ123における各パッドと電気的に接続される複数のパッドが直線状に配列されてなるパッドアレイ143とが設けられている。
【0050】
また、第3基板140には、パッドアレイ146に近接する領域から順に、DSP14とメモリ15とが配置されている。言い換えれば、第3基板140には、第2基板120の信号処理部13から出力された信号が入力するパッドアレイ146を上流とし、パッドアレイ146から物理的な距離が長い側を下流とし、パッドアレイ146に読み出された信号が上流から下流に向けて流れるように、DSP14とメモリ15とが配置されている。
【0051】
さらに、第3基板140におけるDSP14が設けられた領域と、第2基板120との間には、電磁シールド141が設けられている。このように、DSP14を覆う電磁シールド141を設けることで、DSP14が信号処理を実行することで発生したノイズが画素アレイ部101に入り込むことを低減することが可能となる。その結果、DSP14を機械学習部として動作させた場合でも、画素アレイ部101へのDSP14の信号処理に起因したノイズの入り込みを低減することが可能となるため、品質の劣化が低減された画像を取得することが可能となる。
【0052】
なお、電磁シールド141の挿入位置は、第2基板120と第3基板140との間に限定されず、第1基板100と第2基板120との間であってもよい。また、電磁シールド141は、必ずしもDSP14の全体を覆っている必要はなく、DSP14の少なくとも一部を覆っていればよい。
【0053】
第1基板100のTSVアレイ102及び105と第2基板120の配線122及び125との接続には、例えば、第1基板100に設けられたTSVと第1基板100から第2基板120にかけて設けられたTSVとの2つのTSVをチップ外表で接続する、いわゆるツインTSV方式や、第1基板100から第2基板120にかけて設けられた共通のTSVで接続する、いわゆるシェアードTSV方式などを採用することができる。ただし、これらに限定されず、例えば、第1基板100の接合面と第2基板120の接合面とにそれぞれ露出させた銅(Cu)同士を接合する、いわゆるCu-Cuボンディング方式など、種々の接続形態を採用することが可能である。
【0054】
また、第1基板100のパッドアレイ103における各パッドと、第2基板120のパッドアレイ123における各パッドと、第3基板140のパッドアレイ143における各パッドとの接続には、例えば、ワイヤボンディング方式を採用することができる。ただし、これに限定されず、スルーホールやキャスタレーション等、種々の接続形態を採用することも可能である。
【0055】
さらに、第2基板120裏面のパッドアレイ126と第3基板140のパッドアレイ146との接続には、例えば、Cu-Cuボンディングを用いることが可能である。ただし、これに限定されず、上述したツインTSV方式やシェアードTSV方式など、種々の接続形態を採用することが可能である。
【0056】
1.3.1.4 第1のフロアマップの変形例
図3における第2基板120と第3基板140とを入れ替えた構成とすることも可能である。その場合、第2基板120にDSP14とメモリ15とが配置され、第3基板140にアナログ回路201とロジック回路202とが配置される。また、第1基板100と第2基板120との間であって、DSP14及びメモリ15上には、電磁シールド141が配置される。なお、電磁シールド141は、少なくともDSP14の一部と対応する位置に配置されていればよい。
【0057】
1.3.2 第2のフロアマップ例
次に、第2のフロアマップ例について説明する。図7は、第2のフロアマップ例を説明するための図である。図7に示すように、第2のフロアマップ例では、第1基板100に画素アレイ部101が配置され、第2基板120にアナログ回路201とメモリ15とが配置され、第3基板140にロジック回路202とDSP14とが配置されている。また、第1基板100と第2基板120との間であって、DSP14及びメモリ15の上方には、電磁シールド141が配置されている。その際、DSP14とメモリ15とを上下方向において対応する領域に配置することで、電磁シールド141を設ける範囲を縮小することができる。ただし、電磁シールド141は、少なくともDSP14の一部と対応する位置に配置されていればよい。また、電磁シールド141は、第2基板120と第3基板140との間に配置されてもよい。
【0058】
このような構成において、画素アレイ部101の各単位画素101aから読み出されたアナログの画素信号は、例えば、第1基板100に設けられたTSVアレイ102を介して第2基板120のアナログ回路201に入力されてデジタルの画素信号に変換された後、第3基板140のロジック回路202に入力される。
【0059】
以上のように、アナログ回路201を第2基板120に配置し、ロジック回路202を第3基板140に配置した構成とすることも可能である。
【0060】
1.3.2.1 第2のフロアマップの変形例
図7における第2基板120と第3基板140とを入れ替えた構成とすることも可能である。その場合、第2基板120にロジック回路202とDSP14とが配置され、第3基板140にアナログ回路201とメモリ15とが配置される。また、第1基板100と第2基板120との間であって、DSP14及びメモリ15の上方には、電磁シールド141が配置される。なお、電磁シールド141は、少なくともDSP14の一部と対応する位置に配置されていればよい。
【0061】
1.3.3 第3のフロアマップ例
次に、第3のフロアマップ例について説明する。図8は、第3のフロアマップ例を説明するための図である。図8に示すように、第3のフロアマップ例では、第1基板100に画素アレイ部101が配置され、第2基板120にロジック回路202とメモリ15とが配置され、第3基板140にアナログ回路201とDSP14とが配置されている。また、第1基板100と第2基板120との間であって、DSP14及びメモリ15の上方には、電磁シールド141が配置されている。その際、DSP14とメモリ15とを上下方向において対応する領域に配置することで、電磁シールド141を設ける範囲を縮小することができる。ただし、電磁シールド141は、少なくともDSP14の一部と対応する位置に配置されていればよい。また、電磁シールド141は、第2基板120と第3基板140との間に配置されてもよい。
【0062】
このような構成において、画素アレイ部101の各単位画素101aから読み出されたアナログの画素信号は、例えば、第1基板100に設けられたTSVアレイ102及び第2基板120に設けられた不図示のTSVを介して第3基板140のアナログ回路201に入力されてデジタルの画素信号に変換された後、第2基板120のロジック回路202に入力される。
【0063】
以上のように、アナログ回路201を第3基板140に配置し、ロジック回路202を第2基板120に配置した構成とすることも可能である。
【0064】
1.3.3.1 第3のフロアマップの変形例
図8における第2基板120と第3基板140とを入れ替えた構成とすることも可能である。その場合、第2基板120にアナログ回路201とDSP14とが配置され、第3基板140にロジック回路202とメモリ15とが配置される。また、第1基板100と第2基板120との間であって、DSP14及びメモリ15の上方には、電磁シールド141が配置される。なお、電磁シールド141は、少なくともDSP14の一部と対応する位置に配置されていればよい。
【0065】
1.3.4 第4のフロアマップ例
次に、第4のフロアマップ例について説明する。図9は、第4のフロアマップ例を説明するための図である。図9に示すように、第4のフロアマップ例では、第1基板100に画素アレイ部101が配置され、第2基板120にアナログ回路201とロジック回路202とDSP14とが配置され、第3基板140にメモリ15が配置されている。また、第1基板100と第2基板120との間であって、DSP14及びメモリ15上には、電磁シールド141が配置されている。なお、電磁シールド141は、少なくともDSP14の一部と対応する位置に配置されていればよい。
【0066】
このような構成において、画素アレイ部101の各単位画素101aから読み出されたアナログの画素信号は、例えば、第1基板100に設けられたTSVアレイ102を介して第2基板120のアナログ回路201に入力されてデジタルの画素信号に変換された後、同じく第2基板120のロジック回路202に入力される。
【0067】
以上のように、アナログ回路201、ロジック回路202、DSP14及びメモリ15のうち、メモリ15を第3基板140に配置し、それ以外を第2基板120に配置した構成とすることも可能である。
【0068】
1.3.4.1 第4のフロアマップの変形例
図9における第2基板120と第3基板140とを入れ替えた構成とすることも可能である。その場合、第2基板120にメモリ15が配置され、第3基板140にアナログ回路201とロジック回路202とDSP14とが配置される。また、第2基板120と第3基板140との間であって、DSP14及びメモリ15上には、電磁シールド141が配置される。なお、電磁シールド141は、少なくともDSP14の一部と対応する位置に配置されていればよい。また、電磁シールド141は、第1基板100と第2基板120との間に配置されてもよい。
【0069】
1.3.5 第5のフロアマップ例
次に、第5のフロアマップ例について説明する。図10は、第5のフロアマップ例を説明するための図である。図10に示すように、第5のフロアマップ例では、第1基板100に画素アレイ部101が配置され、第2基板120にアナログ回路201とロジック回路202とメモリとが配置され、第3基板140にDSP14が配置されている。また、第1基板100と第2基板120との間には、電磁シールド141が配置されている。なお、電磁シールド141は、少なくともDSP14の一部と対応する位置に配置されていればよい。
【0070】
このような構成において、画素アレイ部101の各単位画素101aから読み出されたアナログの画素信号は、例えば、第1基板100に設けられたTSVアレイ102を介して第2基板120のアナログ回路201に入力されてデジタルの画素信号に変換された後、同じく第2基板120のロジック回路202に入力される。
【0071】
以上のように、アナログ回路201、ロジック回路202、DSP14及びメモリ15のうち、DSP14を第3基板140に配置し、それ以外を第2基板120に配置した構成とすることも可能である。
【0072】
1.3.5.1 第5のフロアマップの変形例
図10における第2基板120と第3基板140とを入れ替えた構成とすることも可能である。その場合、第2基板120にDSP14が配置され、第3基板140にアナログ回路201とロジック回路202とメモリ15とが配置される。また、第1基板100と第2基板120との間には、電磁シールド141が配置される。なお、電磁シールド141は、少なくともDSP14の一部と対応する位置に配置されていればよい。
【0073】
1.3.6 第6のフロアマップ例
次に、第6のフロアマップ例について説明する。図11は、第6のフロアマップ例を説明するための図である。図11に示すように、第6のフロアマップ例では、第1基板100に画素アレイ部101が配置され、第2基板120にアナログ回路201とDSP14とメモリ15とが配置され、第3基板140にロジック回路202が配置されている。また、第1基板100と第2基板120との間であって、DSP14及びメモリ15上には、電磁シールド141が配置されている。なお、電磁シールド141は、少なくともDSP14の一部と対応する位置に配置されていればよい。
【0074】
このような構成において、画素アレイ部101の各単位画素101aから読み出されたアナログの画素信号は、例えば、第1基板100に設けられたTSVアレイ102を介して第2基板120のアナログ回路201に入力されてデジタルの画素信号に変換された後、同じく第2基板120のロジック回路202に入力される。
【0075】
以上のように、アナログ回路201、ロジック回路202、DSP14及びメモリ15のうち、ロジック回路202を第3基板140に配置し、それ以外を第2基板120に配置した構成とすることも可能である。
【0076】
1.3.6.1 第6のフロアマップの変形例
図11における第2基板120と第3基板140とを入れ替えた構成とすることも可能である。その場合、第2基板120にロジック回路202が配置され、第3基板140にアナログ回路201とDSP14とメモリ15とが配置される。また、第2基板120と第3基板140との間であって、DSP14及びメモリ15上には、電磁シールド141が配置される。なお、電磁シールド141は、少なくともDSP14の一部と対応する位置に配置されていればよい。また、電磁シールド141は、第1基板100と第2基板120との間に配置されてもよい。
【0077】
1.3.7 第7のフロアマップ例
次に、第7のフロアマップ例について説明する。図12は、第7のフロアマップ例を説明するための図である。図12に示すように、第7のフロアマップ例では、第1基板100に画素アレイ部101が配置され、第2基板120にロジック回路202とDSP14とメモリ15とが配置され、第3基板140にアナログ回路201が配置されている。また、第1基板100と第2基板120との間であって、DSP14及びメモリ15上には、電磁シールド141が配置されている。なお、電磁シールド141は、少なくともDSP14の一部と対応する位置に配置されていればよい。
【0078】
このような構成において、画素アレイ部101の各単位画素101aから読み出されたアナログの画素信号は、例えば、第1基板100に設けられたTSVアレイ102及び第2基板120に設けられた不図示のTSVを介して第3基板140のアナログ回路201に入力されてデジタルの画素信号に変換された後、第2基板120のロジック回路202に入力される。
【0079】
以上のように、アナログ回路201、ロジック回路202、DSP14及びメモリ15のうち、アナログ回路201を第3基板140に配置し、それ以外を第2基板120に配置した構成とすることも可能である。
【0080】
1.3.7.1 第7のフロアマップの変形例
図12における第2基板120と第3基板140とを入れ替えた構成とすることも可能である。その場合、第2基板120にアナログ回路201が配置され、第3基板140にロジック回路202とDSP14とメモリ15とが配置される。また、第2基板120と第3基板140との間であって、DSP14及びメモリ15上には、電磁シールド141が配置される。なお、電磁シールド141は、少なくともDSP14の一部と対応する位置に配置されていればよい。また、電磁シールド141は、第1基板100と第2基板120との間に配置されてもよい。
【0081】
1.3.8 第8のフロアマップ例
次に、第8のフロアマップ例について説明する。図13は、第8のフロアマップ例を説明するための図である。図13に示すように、第8のフロアマップ例では、第1基板100に画素アレイ部101とアナログ回路201の一部であるアナログ回路211とが配置され、第2基板120にアナログ回路201の残りのアナログ回路221とロジック回路202とが配置され、第3基板140にDSP14とメモリ15とが配置されている。また、第2基板120と第3基板140との間であって、DSP14及びメモリ15上には、電磁シールド141が配置されている。なお、電磁シールド141は、少なくともDSP14の一部と対応する位置に配置されていればよい。また、電磁シールド141は、第1基板100と第2基板120との間に配置されてもよい。
【0082】
このような構成において、画素アレイ部101の各単位画素101aから読み出されたアナログの画素信号は、第1基板100に配置されたアナログ回路211に入力された後、例えば、第1基板100に設けられたTSVアレイ102を介して第2基板120のアナログ回路221に入力されてデジタルの画素信号に変換され、そして、同じく第2基板120のロジック回路202に入力される。
【0083】
以上のように、アナログ回路201の一部を第1基板100に配置し、残りのアナログ回路221を第2基板120に配置した構成とすることも可能である。
【0084】
1.3.8.1 第8のフロアマップの変形例
図13では、残りのアナログ回路221を第2基板120に配置した場合を例示したが、これに限定されるものではない。すなわち、第2基板120と第3基板140とのフロアマップについては、第1~第7のフロアマップ例又はその変形例で説明したレイアウトと同様のレイアウトとすることが可能である。その場合、第1~第7のフロアマップ例又はその変形例におけるアナログ回路201がアナログ回路221に置き換えられる。
【0085】
1.3.9 第9のフロアマップ例
次に、第9のフロアマップ例について説明する。図14は、第9のフロアマップ例を説明するための図である。図14に示すように、第9のフロアマップ例では、第1基板100に画素アレイ部101とアナログ回路201とが配置され、第2基板120にロジック回路202が配置され、第3基板140にDSP14とメモリ15とが配置されている。また、第2基板120と第3基板140との間であって、DSP14及びメモリ15上には、電磁シールド141が配置されている。なお、電磁シールド141は、少なくともDSP14の一部と対応する位置に配置されていればよい。また、電磁シールド141は、第1基板100と第2基板120との間に配置されてもよい。
【0086】
このような構成において、画素アレイ部101の各単位画素101aから読み出されたアナログの画素信号は、第1基板100に配置されたアナログ回路201に入力されてデジタルの画素信号に変換された後、例えば、第1基板100に設けられたTSVアレイ102を介して第2基板120のロジック回路202に入力される。
【0087】
以上のように、アナログ回路201を第1基板100に配置した構成とすることも可能である。
【0088】
1.3.9.1 第9のフロアマップの変形例
図13では、ロジック回路202を第2基板120に配置し、DSP14とメモリ15とを第3基板140に配置した場合を例示したが、これに限定されるものではない。すなわち、ロジック回路202とDSP14とメモリ15とのうちの1つが第2基板120に配置されてもよい。
【0089】
また、ロジック回路202とDSP14とメモリ15とのうちの1つが第3基板140に配置され、残りが第2基板120に配置された構成とすることも可能である。
【0090】
1.4 作用・効果
以上のように、本実施形態によれば、3層構造のイメージセンサ10において、DSP14を機械学習部として機能させることが可能となる。それにより、イメージセンサ10のチップ内でより高度な処理を実行することが可能となる。
【0091】
また、本実施形態では、第1基板100に配置された画素アレイ部101と、第2基板120又は第3基板140に配置されたDSP14との間の少なくとも一部に、ノイズである電磁波を遮断する電磁シールド141が設けられる。それにより、画素アレイ部101へのDSP14の信号処理に起因したノイズの入り込みを低減することが可能となるため、DSP14を機械学習部として動作させた場合でも、品質の劣化が低減された画像を取得することが可能となる。
【0092】
2. 第2の実施形態
次に、第2の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、以下の説明において、第1の実施形態と同様の構成については、同一の符号を付し、その重複する説明を省略する。また、以下の説明では、第1の実施形態における第1のフロアマップ例をベースとした場合を例示するが、これに限定されず、第2~第9のフロアマップ例をベースとすることも可能である。
【0093】
第2の実施形態に係る電子機器としての撮像装置は、例えば、第1の実施形態において図1を用いて説明した撮像装置1と同様であってよいため、ここではそれを引用して詳細な説明を省略する。
【0094】
2.1 イメージセンサチップのチップ構成例
つづいて、本実施形態に係るイメージセンサのチップ構成の例について、以下に図面を参照して詳細に説明する。図15は、本実施形態に係るイメージセンサのチップ構成例を示す模式図である。
【0095】
図15に示すように、本実施形態では、第1の実施形態の第1のフロアマップ例における第3基板140が、2つの基板147及び148に分割されている。一方の基板147には、例えば、DSP14が配置され、他方の基板148には、例えば、メモリ15が配置されている。また、第2基板120と基板147との間であって、DSP14及びメモリ15上には、電磁シールド141が配置されている。なお、電磁シールド141は、少なくともDSP14の一部と対応する位置に配置されていればよい。また、電磁シールド141は、第1基板100と第2基板120との間に配置されてもよい。
【0096】
第2基板120と2つの基板147及び148との貼り合わせには、第2基板120と基板147及び148とをそれぞれチップに個片化した後に貼り合わせるCoC(Chip on Chip)方式や、それぞれ個片化された基板147及び148をウエハ状態の第2基板120に貼り合わせるCoW(Chip on Wafer)方式を採用することができる。
【0097】
なお、第2基板120に対する基板147及び148の貼合せ場所は、例えば、第2基板120に対するDSP14及びメモリ15の配置が第1のフロアマップ例と同様となる場所であってよい。
【0098】
2.2 作用・効果
以上のように、DSP14とメモリ15とをそれぞれ別のチップとすることも可能である。それにより、DSP14とメモリ15とをそれぞれ別の製造プロセスにて作製することが可能となる。なお、他の構成及び効果については、第1の実施形態と同様であってよいため、ここでは詳細な説明を省略する。
【0099】
3. 第3の実施形態
次に、第3の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、以下の説明において、上述した実施形態と同様の構成については、同一の符号を付し、その重複する説明を省略する。
【0100】
第3の実施形態に係る電子機器としての撮像装置は、例えば、第1の実施形態において図1を用いて説明した撮像装置1と同様であってよい。ただし、説明の都合上、図1に例示したイメージセンサ10のより詳細な構成例を、先に図16を用いて説明する。なお、図16では、撮像部11における光学系104が省略されている。
【0101】
3.1 イメージセンサの構成例
図16に示すように、イメージセンサ10におけるコントロール部12は、例えば、タイミング制御回路221と、行駆動部220と、参照電圧供給部(DAC)212と、水平走査回路223とを備える。
【0102】
タイミング制御回路221は、各部の動作に必要な内部クロックや各部が動作を開始するタイミングを与えるパルス信号等を出力する。また、タイミング制御回路221は、外部からマスタークロックや動作モードなどを指令するデータを受け取ったり、イメージセンサ10の情報を含むデータを出力したりする。
【0103】
例えば、タイミング制御回路221は、各単位画素101aから画素信号を読み出すタイミングを与えるパルス信号を垂直駆動回路211へ出力する。また、タイミング制御回路221は、ADC17によりデジタル値に変換された画素信号を列毎にADC17から順次読み出すための列アドレス信号を水平走査回路223へ出力する。
【0104】
さらに、タイミング制御回路221では、外部から入力されるマスタークロックと同じ周波数のクロックや、それを2分周したクロックや、より分周した低速のクロック等を、イメージセンサ10内の各部、例えば、行駆動部220、参照電圧供給部212、ADC17、水平走査回路223などに内部クロックとして供給する。以下、2分周したクロックやそれ以下の周波数のクロック全般を纏めて、低速クロックという。
【0105】
行駆動部220は、例えば、画素アレイ部101において行列状に2次元配列する単位画素101aの行を選択し、その行(以下、読出し行という)の駆動に必要なパルスを出力する。そこで、行駆動部220は、例えば、読出し行を規定する(画素アレイ部101の行を選択する)垂直デコーダ222と、垂直デコーダ222にて規定された読出アドレス上(行方向)の単位画素101aに対する画素駆動線にパルスを供給して駆動する垂直駆動回路211とを備える。なお、垂直デコーダ222は、画素信号を読み出す行の他に、電子シャッタ用の行などを選択してもよい。
【0106】
参照電圧供給部212は、各単位画素101aから読み出されたアナログの画素信号をデジタルの画素信号に変換するための参照電圧をADC17へ供給する。例えば、ADC17がシングルスロープ型である場合、参照電圧供給部212は、直線状又は階段状に昇圧又は降圧する鋸波状(ランプ状ともいう)の波形を有する参照電圧を出力する。一方、ADC17が逐次比較型である場合、参照電圧供給部212は、一定の電圧値を持つ参照電圧を出力する。その場合、各ADC17は、例えば、一定の電圧である参照電圧を分圧することで、逐次比較に用いる複数の参照電圧を生成する。
【0107】
図16には、シングルスロープ型のADC17が示されている。シングルスロープ型のADC17は、例えば、コンパレータ213と、カウンタ214とを備える。コンパレータ212は、各単位画素101aから読み出されたアナログの画素信号の電圧値と、参照電圧供給部212から供給されたランプ状の参照電圧とを比較し、その比較結果をカウンタ214へ出力する。カウンタ214は、アナログの画素信号の電圧値が参照電圧を上回る又は下回るまでにタイミング制御回路221から入力されたクロック数をカウントし、そのカウント値を画素信号のデジタル値とする。なお、ADC17が逐次比較型である場合、ADC17は、例えば、コンパレータと、容量性DACと、レジスタと、減算器とから構成される。
【0108】
水平走査回路223は、例えば、タイミング制御回路221から入力された列アドレス信号に従って、列アドレス信号で指定された読出列のADC17から水平信号線へ、デジタルの画素信号よりなる画像データを読み出すシフト動作(走査)を実行する。読み出された画像データは、画像信号処理部224に入力される。
【0109】
画像信号処理部224は、例えば、信号処理部13と、DSP14と、メモリ15と、セレクタ16とを備える。それぞれの動作は、第1の実施形態において説明した動作と同様であってよいため、ここでは詳細な説明を省略する。
【0110】
また、イメージセンサ10は、外部とタイミング制御回路221との間で、マスタークロックや各種データの入出力を行なうためのインタフェース(I/F)225と、セレクタ16を介して出力された画像データをアプリケーションプロセッサ20へ出力するためのI/F226と、周辺部から機械学習処理のためのプログラムや辞書係数等を入力するI/F227とを備える。
【0111】
上記構成において、垂直駆動回路211、参照電圧供給部212、コンパレータ213及びカウンタ214は、例えば、アナログ回路201に含まれる。一方、タイミング制御回路221、垂直デコーダ222、水平走査回路223、画像信号処理部224、及び各種I/F225~227は、例えば、ロジック回路202に含まれる。
【0112】
3.2 フロアマップ例
次に、本実施形態に係るイメージセンサ10における各層のフロアマップについて、幾つか例を挙げて説明する。なお、本実施形態に係るイメージセンサ10のチップ構成例は、例えば、第1の実施形態において図2を用いて説明した積層構造と同様に、第1基板から第3基板よりなる三層積層構造であるとする。
【0113】
3.2.1 第1のフロアマップ例
図17図19は、本実施形態に係る第1のフロアマップ例を説明するための図である。なお、図17は、第1層である第1基板300のフロアマップ例を示し、図18は、第2層である第2基板320のフロアマップ例を示し、図19は、第3像である第3基板340のフロアマップ例を示している。
【0114】
3.2.1.1 第1基板のフロアマップ例
図17に示すように、第1基板300は、図4に示した第1基板100と同様に、第1基板300の素子形成面の大部分に配置された画素アレイ部101を備える。なお、第1基板300に光学系104の一部又は全部を搭載する場合には、光学系104の一部又は全部が、画素アレイ部101と対応する位置に設けられる。
【0115】
画素アレイ部101の周囲には、画素アレイ部101中の各単位画素101aを下層に配置された回路素子に電気的に接続させるための配線の一部として、第1基板300を貫通する複数のTSVが配列するTSVアレイ302及び305が設けられている。図17に示す例では、画素アレイ部101を3方向から囲むTSVアレイのうち、TSVアレイ302は、画素アレイ部101の各単位画素101aと行駆動部220の垂直駆動回路211とを接続するためのTSVアレイであり、TSVアレイ305は、画素アレイ部101の各単位画素101aとADC17のコンパレータ213とを接続するためのTSVアレイである。
【0116】
また、TSVアレイ302及び305のさらに外側の周囲には、直線状に配列された複数のパッドよりなるパッドアレイ303が設けられる。例えば、図17に示す例では、第1基板300の4つの辺のうちの対向する2つの辺それぞれに、パッドアレイ303が設けられている。
【0117】
なお、パッドアレイ303には、上述した実施形態におけるパッドアレイ103と同様に、アナログ回路用の電源電圧が印加されるパッド(電源ピン)や、ロジック回路用の電源電圧が印加されるパッド(電源ピン)等が含まれる。また、パッドアレイ303には、各種インタフェース用のパッド(信号ピン)や、クロック信号やデータの入出力のためのパッド(信号ピン)等も含まれ得る。パッドアレイ303における各パッドは、例えば、外部の電源回路やインタフェース回路とワイヤを介して電気的に接続される。各パッドアレイ303とTSVアレイ302及び305とは、パッドアレイ303中の各パッドに接続されたワイヤからの信号の反射の影響を無視できる程度に十分に離れていることが好ましい。
【0118】
3.2.1.2 第2基板のフロアマップ例
図18に示すように、第2基板320には、TSVアレイ322及び325が設けられている。TSVアレイ322は、例えば、第1基板300を貫通するTSVアレイ302と接触することで電気的に接続されている。TSVアレイ325は、同じく第1基板300を貫通するTSVアレイ305と接触することで電気的に接続されている。
【0119】
また、第2基板320には、垂直駆動回路211、DSP14及びメモリ15も配置されている。垂直駆動回路211は、例えば、第1基板300のTSVアレイ302に接続されたTSVアレイ322と近接する位置に配置されている。
【0120】
DSP14及びメモリ15は、例えば、第1基板300の画素アレイ部101に対して直下となる領域に配置される。その際、メモリ15がDSP14を周囲から囲むように配置することで、メモリ15における各メモリ素子とDSP14とを結ぶ信号線の長さの分散(例えば、最短の信号線の長さと最長の信号線の長さとの差)を小さくすることが可能となる。それにより、信号遅延の低減や信号の伝搬損失の低減やS/N比の向上や消費電力の低減が可能となる。
【0121】
3.2.1.3 第3基板のフロアマップ例
図19に示すように、第3基板340には、第2基板320を貫通するTSVアレイ322及び325と接触することで電気的に接続されたTSVアレイ342及び345が設けられている。
【0122】
また、第3基板340には、垂直デコーダ222、ADC17を構成するコンパレータ213及びカウンタ214、水平走査回路223、画素駆動部13、タイミング制御回路221及び参照電圧供給部(DAC)212も配置されている。なお、信号処理部13には、MPU(Micro Processing Unit)が含まれてもよい。
【0123】
垂直デコーダ222は、例えば、第2基板320のTSVアレイ322に接続されたTSVアレイ342と近接する位置に配置されている。すなわち、垂直デコーダ222は、TSVアレイ342を介して第2基板320の垂直駆動回路211に接続されている。
【0124】
TSVアレイ325及び305を介して画素アレイ部101に接続されたTSVアレイ345それぞれの近傍には、ADC17を構成するコンパレータ213及びカウンタ214が順に配置されている。したがって、画素アレイ部101から読み出された画素信号は、TSVアレイ305、325及び345を介してコンパレータ213に入力される。
【0125】
各カウンタ214の出力側には、水平走査回路223が配置される。また、水平走査回路223で挟まれた領域、すなわち、第3基板340の中央付近には、信号処理部13と、参照電圧供給部(DAC)212と、タイミング制御回路221とが配置されている。
【0126】
信号処理部13は、例えば、第3基板340の略中央に設けられたTSV344を介して、第2基板320のDSP14及びメモリ15に接続されている。
【0127】
3.2.1.4 電磁シールドの位置
図17図19に示す積層構造において、上述の実施形態において例示した電磁シールド141は、例えば、第1基板300と第2基板320との間に配置される。電磁シールド141は、少なくともDSP14全体を覆う領域、例えば、第1基板300と第2基板320との間全体に設けられている。このように、DSP14を覆う電磁シールド141を設けることで、DSP14が信号処理を実行することで発生したノイズが画素アレイ部101に入り込むことを低減することが可能となる。その結果、DSP14を機械学習部として動作させた場合でも、画素アレイ部101へのDSP14の信号処理に起因したノイズの入り込みを低減することが可能となるため、品質の劣化が低減された画像を取得することが可能となる。なお、電磁シールド141は、必ずしもDSP14の全体を覆っている必要はなく、DSP14の少なくとも一部を覆っていればよい。
【0128】
3.2.1.5 変形例
第1のフロアマップ例では、第2基板320にDSP14及びメモリ15を配置し、第3基板340にアナログ回路201と残りのロジック回路202とを配置した場合を例示したが、第2基板320と第3基板340とを入れ替えることも可能である。その場合、電磁シールド141は、第1基板300と第2基板320との間、又は、第2基板320と第3基板340との間であって、少なくともDSP14全体を覆う領域に設けられてよい。
【0129】
3.2.2 第2のフロアマップ例
次に、第2のフロアマップ例について、図面を参照して詳細に説明する。図20は、第2のフロアマップ例に係る第2基板のフロアマップ例を示す図である。図21は、第2のフロアマップ例に係る第3基板のフロアマップ例を示す図である。なお、第1基板300のフロアマップ例は、第1のフロアマップ例において図17を用いて説明したフロアマップ例と同様であってよいため、ここでは詳細な説明を省略する。
【0130】
図20及び図21に示すように、第2のフロアマップ例では、第1のフロアマップ例において第2基板320に配置されていたDSP14が、第3基板340に配置されている。DSP14は、信号処理部13とともにTSV344を挟む位置に配置され、TSV344を介して、第2基板320のメモリ15に接続される。
【0131】
また、電磁シールド141は、例えば、第1基板300と第2基板320との間、又は、第2基板320と第3基板340との間であって、少なくともDSP14全体を覆う領域、例えば、第1基板300と第2基板320との間全体、又は、第2基板320と第3基板340との間全体に設けられる。このように、DSP14を覆う電磁シールド141を設けることで、第1のフロアマップ例と同様に、DSP14が信号処理を実行することで発生したノイズが画素アレイ部101に入り込むことを低減することが可能となる。
【0132】
3.2.2.1 変形例
第2のフロアマップ例も、第1のフロアマップ例と同様に、第2基板320と第3基板340とを入れ替えることが可能である。その場合、電磁シールド141は、第1基板300と第2基板320との間であって、少なくともDSP14全体を覆う領域に設けられてよい。
【0133】
3.2.3 第3のフロアマップ例
次に、第3のフロアマップ例について、図面を参照して詳細に説明する。図22は、第3のフロアマップ例に係る第2基板のフロアマップ例を示す図である。図23は、第3のフロアマップ例に係る第3基板のフロアマップ例を示す図である。なお、第1基板300のフロアマップ例は、第1のフロアマップ例において図17を用いて説明したフロアマップ例と同様であってよいため、ここでは詳細な説明を省略する。
【0134】
図22及び図23に示すように、第3のフロアマップ例では、第1のフロアマップ例において第2基板320に配置されていた垂直駆動回路211が、第3基板340に配置されている。すなわち、第3のフロアマップ例では、第3基板340に、行駆動部220が配置されている。行駆動部220は、TSVアレイ345、325及び305を介して、第1基板300の画素アレイ部101に接続されている。
【0135】
なお、電磁シールド141は、例えば、第1のフロアマップ例と同様に、第1基板300と第2基板320との間であって、少なくともDSP14全体を覆う領域、例えば、第1基板300と第2基板320との間全体に設けられてよい。
【0136】
3.2.3.1 第1変形例
第3のフロアマップ例も、第1及び第2のフロアマップ例と同様に、第2基板320と第3基板340とを入れ替えることが可能である。その場合、電磁シールド141は、第1基板300と第2基板320との間、又は、第2基板320と第3基板340との間であって、少なくともDSP14全体を覆う領域に設けられてよい。
【0137】
3.2.3.2 第2変形例
また、図22及び図23では、図18及び図19に示した第1のフロアマップ例をベースとした場合を例示したが、これに限定されず、例えば、第2のフロアマップ例をベースとすることも可能である。その場合も同様に、第2基板320における垂直駆動回路211が第3基板340に配置されることで、行駆動部220が第3基板340に位置する。
【0138】
3.2.4 第4のフロアマップ例
次に、第4のフロアマップ例について、図面を参照して詳細に説明する。図24は、第4のフロアマップ例に係る第2基板のフロアマップ例を示す図である。図25は、第4のフロアマップ例に係る第3基板のフロアマップ例を示す図である。なお、第1基板300のフロアマップ例は、第1のフロアマップ例において図17を用いて説明したフロアマップ例と同様であってよいため、ここでは詳細な説明を省略する。
【0139】
図24及び図25に示すように、第4のフロアマップ例では、第2基板320に、ADC17のコンパレータ213と、参照電圧供給部212と、行駆動部220と、メモリ15とが配置され、第3基板340に、ADC17のカウンタ214と、水平走査回路223と、タイミング制御回路221と、信号処理部13と、DSP14と、各種I/F228(I/F225、226及び227を含む)が配置される。また、第2基板320には、第2基板を貫通して第3基板340と電気的に接続されたTSVアレイ327及びTSV324が設けられ、第3基板340には、第2基板320のTSVアレイ327と電気的に接続されたTSVアレイ347が設けられている。なお、タイミング制御回路221には、MPUが含まれてもよい。また、第2基板320には、各種プログラムやデータ(学習済みモデルのプログラム等を含む)を格納するOTP(One Time Programmable Read Only Memory)326が配置されてもよい。
【0140】
第2基板320のコンパレータ213は、TSVアレイ325及び305を介して、第1基板300の画素アレイ部101に接続される。また、コンパレータ213は、TSVアレイ327及び347を介して、第3基板340のカウンタ214に接続される。第3基板340の信号処理部13及びDSP14は、TSV324及び344を介して、第2基板320のメモリ15に接続されている。
【0141】
このような積層構造において、電磁シールド141は、例えば、第1基板300と第2基板320との間、又は、第2基板320と第3基板340との間に配置される。電磁シールド141は、少なくともDSP14全体を覆う領域、例えば、第1基板300と第2基板320との間全体、又は、第2基板320と第3基板340との間全体に設けられている。このように、DSP14を覆う電磁シールド141を設けることで、DSP14が信号処理を実行することで発生したノイズが画素アレイ部101に入り込むことを低減することが可能となる。
【0142】
3.3 作用・効果
以上のように、本実施形態によれば、イメージセンサ10を構成するアナログ回路201とロジック回路202とをより細かく分類することで、それぞれを各層に最適に分類することが可能となる。その際、DSP14と画素アレイ部101との間の少なくとも一部に電磁シールド141を介在させることで、画素アレイ部101へのDSP14の信号処理に起因したノイズの入り込みを低減することが可能となるため、DSP14を機械学習部として動作させた場合でも、品質の劣化が低減された画像を取得することが可能となる。
【0143】
その他の構成、動作及び効果は、上述した実施形態と同様であってよいため、ここでは詳細な説明を省略する。
【0144】
4. 第4の実施形態
次に、第4の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。本実施形態では、第1基板100/300で構成された第1層から第3基板140(147、148)/340で構成された第3層までの各層への電力供給について説明する。なお、以下の説明において、上述した実施形態と同様の構成については、同一の符号を付し、その重複する説明を省略する。また、第4の実施形態に係る電子機器としての撮像装置は、例えば、上述の実施形態において図1を用いて説明した撮像装置1と同様であってよいため、ここでは詳細な説明を省略する。
【0145】
4.1 第1の例
図26図28は、本実施形態の第1の例に係る各層への電力供給を説明するための断面図である。なお、第1の例では、イメージセンサ10が裏面照射型である場合を例示している。
【0146】
4.1.1 第1層への電力供給
図26は、第1層へ電力を供給するための構成を説明するための断面図である。図26に示すように、第1層へ電力を供給するための電源ピン403-1(上述したパッドアレイ103/303に含まれるパッド)は、例えば、第1基板100/300の裏面側(図面中、上面側)から第1層の配線層501の途中までに形成されたトレンチ502-1内に設けられる。トレンチ502-1の底部には、配線層501中に形成された電極パッド404-1が露出している。したがって、トレンチ502-1内に形成された電源ピン403-1は、電源パッド404-1と接触することで電気的に接続されている。
【0147】
電源パッド404-1は、例えば、上から、タンタル(Ta)、アルミニウム(Al)-銅(Cu)合金、タンタル(Ta)、窒化タンタル(TaN)、タンタル(Ta)、窒化タンタル(TaN)の積層膜であってもよい。一方、電源ピン403-1には、例えば、鉛(Pb)や銅(Cu)や金(Au)などを用いることが可能である。
【0148】
電極パッド404-1は、配線層501に設けられた不図示の配線を介して、第1層に配置された画素アレイ部101等の回路素子に接続されている。また、電源ピン403-1は、例えば、第1層に設けられた回路素子用の不図示の電源に接続される。したがって、電源ピン403-1に供給された電力は、電源パッド404-1及び配線層501内の配線を介して、第1層に配置された画素アレイ部101等の回路素子に供給される。
【0149】
4.1.2 第2層への電力供給
図27は、第2層へ電力を供給するための構成を説明するための断面図である。図27に示すように、第2層へ電力を供給するための電源ピン403-2(上述したパッドアレイ103/303に含まれるパッド)は、例えば、第1層へ電力供給するための電源ピン403-1と同様に、第1基板100/300の裏面側(図面中、上面側)から第1層の配線層501の途中までに形成されたトレンチ502-2内に設けられる。トレンチ502-2の底部には、配線層501中に形成された電極パッド404-2が露出している。したがって、トレンチ502-2内に形成された電源ピン403-2は、電源パッド404-2と接触することで電気的に接続されている。
【0150】
電源パッド404-2は、例えば、電源パッド404-1と同様に、上から、タンタル(Ta)、アルミニウム(Al)-銅(Cu)合金、タンタル(Ta)、窒化タンタル(TaN)、タンタル(Ta)、窒化タンタル(TaN)の積層膜であってもよい。また、電源ピン403-2も同様に、電源ピン403-1と同じ材料、例えば、鉛(Pb)や銅(Cu)や金(Au)などを用いることが可能である。
【0151】
第1基板100/300から第2基板120/320にかけては、電源ピン403-2を介して供給された電力を第2基板120/320へ導くための電源ラインが形成されている。この電源ラインには、例えば、第1基板100/300を貫通するTSV412と、第1基板100/300から第1層と第2層との間の層間絶縁膜503にかけて貫通するTSV413とが、第1基板100/300の裏面側に形成された配線411で接続されたツインTSVが含まれ得る。また、電源ラインには、ツインTSVを介して第2基板120/320の裏面側に供給された電力を、第2基板120/320の表面側(素子形成面側)に導くための、第2基板120/320を貫通するTSV422も含まれ得る。
【0152】
第1層から第2層にかけて形成されたTSV413と、第2基板120/320を貫通するTSV422とは、第2基板120/320の裏面側に形成された配線421を介して接続されている。また、TSV422は、第2層の配線層505に形成された配線424に接続されている。配線424は、第2層に設けられた回路素子401と電気的に接続されている。したがって、回路素子401用の不図示の電源から電源ピン403-2に供給された電力は、電源パッド404-2、TSV412、配線411、TSV413、配線421、TSV422及び配線424を介して、第2層の回路素子401へ供給される。なお、回路素子401には、上述の実施形態において第2基板120/320に配置されたアナログ回路やロジック回路等が含まれ得る。
【0153】
4.1.2.1 第2層への電力供給の変形例
図28は、第2層へ電力を供給するための構成の変形例を説明するための断面図である。上述の図27に示した例では、電源ピン403-2に供給された電力をTSV412で第1基板100/300の裏面側に導いた後に2つのTSV413及び422を介して第2層へ供給する場合を例示した。これに対し、本変形例では、電源ピン403-2に供給された電力を直接的に第2層へ供給する場合について例示する。
【0154】
図28に示すように、本変形例では、電源ピン403-2を形成するためのトレンチ502-2aが、第1層と第2層との間の層間絶縁膜503にまで達している。トレンチ502-2aの底部には、電源ピン403-2と接触する電源パッド404-2が形成されている。
【0155】
電源パッド404-2は、第2基板120/320の裏面側に形成された配線441と接触している。配線441は、第2基板120/320を貫通して第2層の配線層505に形成された配線443と接触するTSV442と接続されている。配線443は、第2層に設けられた回路素子401と電気的に接続されている。したがって、回路素子401用の不図示の電源から電源ピン403-2に供給された電力は、電源パッド404-2、配線441、TSV442及び配線443を介して、第2層の回路素子401へ供給される。
【0156】
4.1.3 第3層への電力供給
図29は、第3層へ電力を供給するための構成を説明するための断面図である。図29に示すように、第3層へ電力を供給するための構成では、例えば、上述において図28を用いて説明した構成と同様に、第1基板100/300の裏面側(図面中、上面側)から第1層と第2層との間の層間絶縁膜503まで貫通するトレンチ502-3内に、電源ピン403-3(上述したパッドアレイ103/303に含まれるパッド)及び電源パッド404-3が設けられている。
【0157】
電源パッド404-3は、第2基板120/320の裏面側に形成された配線451と接触している。配線451は、第2基板120/320から第2層と第3層との間の層間絶縁膜507まで貫通して第3層の配線層506に形成された配線453と接触するTSV452と接続されている。配線453は、第3層に設けられた回路素子402と電気的に接続されている。したがって、回路素子402用の不図示の電源から電源ピン403-3に供給された電力は、電源パッド404-3、配線451、TSV452及び配線453を介して、第3層の回路素子402へ供給される。なお、回路素子402には、上述の実施形態において第3基板140(147、148)/340に配置されたアナログ回路やロジック回路等が含まれ得る。
【0158】
4.1.3.1 第3層への電力供給の変形例
図30は、第3層へ電力を供給するための構成の変形例を説明するための断面図である。上述の図29に示した例では、第1基板100/300の裏面側から第1層と第2層との間の層間絶縁膜503まで貫通するトレンチ502-3内に、電源ピン403-3及び電極パッド404-3を形成する場合を例示した。これに対し、本変形例では、第1基板100/300の裏面側から第2層と第3層との間の層間絶縁膜503まで達するトレンチ502-3a内に、電源ピン403-3及び電極パッド404-3を形成する場合について例示する。
【0159】
図30に示すように、第1基板100/300の裏面側から第2層と第3層との間の層間絶縁膜503まで達するトレンチ502-3a内に形成された電源パッド404-3は、トレンチ502-3aの底面に露出した配線461と接触している。配線461は、第2層と第3層との間の層間絶縁膜507を貫通して第3層の配線層506に形成された配線453と接触するTSV462と接続されている。配線453は、第3層に設けられた回路素子402と電気的に接続されている。したがって、回路素子402用の不図示の電源から電源ピン403-3に供給された電力は、電源パッド404-3、配線461、TSV462及び配線453を介して、第3層の回路素子402へ供給される。
【0160】
4.2 第2の例
4.2.1 第1層及び第2層への電力供給
図31は、本実施形態の第2の例に係る第1層及び第2層への電力供給を説明するための断面図である。なお、第2の例では、イメージセンサ10が裏面照射型である場合を例示している。また、第2の例では、第3層への電力供給は、第1の例において図29を用いて説明した構成と同様の構成であってよいため、ここでは詳細な説明を省略する。
【0161】
図31に示すように、第2の例に係る第1層及び第2層へ電力を供給するための構成では、例えば、上述において図28を用いて説明した構成と同様に、第1基板100/300の裏面側(図面中、上面側)から第1層と第2層との間の層間絶縁膜503まで貫通するトレンチ502-12内に、電源ピン403-12及び電源パッド404-12が設けられている。
【0162】
電源パッド404-12は、第2基板120/320の裏面側に形成された配線471と接触している。配線471は、第1の例において図26を用いて説明したTSV413と、同じく第1の例において図27を用いて説明したTSV422とにそれぞれ接続されている。したがって、第1層に配置された画素アレイ部101等の回路素子及び第2層に配置された回路素子402用の不図示の電源から電源ピン403-12に供給された電力は、電源パッド404-12、配線471、TSV413、配線411及びTSV412と第1層の配線層501に形成された配線414とを介して画素アレイ部101等の回路素子へ供給されるとともに、電源パッド404-12、配線471、TSV422及び配線424を介して第2層の回路素子401へ供給される。
【0163】
4.3 作用・効果
以上のような構成によれば、第1層から第3層の各層に対し、電力の供給先となる回路素子に応じて独立した電源から電力を供給することが可能となる。それにより、各回路素子へより安定的に電力を供給することが可能となる。なお、その他の構成、動作及び効果は、上述した実施形態と同様であってよいため、個々では詳細な説明を省略する。
【0164】
以上、本開示の実施形態について説明したが、本開示の技術的範囲は、上述の各実施形態そのままに限定されるものではなく、本開示の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。また、異なる実施形態及び変形例にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【0165】
また、本明細書に記載された各実施形態における効果はあくまで例示であって限定されるものでは無く、他の効果があってもよい。
【0166】
さらに、上述した各実施形態は、それぞれ単独で使用されてもよいし、他の実施形態と組み合わせて使用されてもよい。
【0167】
なお、本技術は以下のような構成も取ることができる。
(1)
第1層を形成する第1の基板と、
前記第1の基板に接合されて第2層を形成する第2の基板と、
前記第2の基板に接合されて第3層を形成する第3の基板と、
行列状に2次元配列する複数の単位画素を備える画素アレイ部と、
前記画素アレイ部と接続されるアナログ回路と、
前記アナログ回路と接続されるロジック回路と、
機械学習処理のプログラムが格納されるメモリと、
前記プログラムを用いて前記機械学習処理を実行する機械学習部と、
を備え、
前記画素アレイ部は、前記第1層に配置され、
前記アナログ回路は、前記第1層から前記第3層のうちの何れか一つ以上に配置され、
前記ロジック回路、前記機械学習部及び前記メモリは、前記第2層及び前記第3層のうちの何れか一つ以上に配置される
固体撮像装置。
(2)
前記ロジック回路は、前記複数の単位画素における読出し行を規定する垂直デコーダを含み、
前記アナログ回路は、前記垂直デコーダにて規定された前記読出し行における単位画素を駆動する垂直駆動回路を含む
前記(1)に記載の固体撮像装置。
(3)
前記垂直駆動回路と前記垂直デコーダとは、互いに異なる層に配置される前記(2)に記載の固体撮像装置。
(4)
前記アナログ回路は、
前記第2層又は前記第3層に配置されたコンパレータと、
前記第2層又は前記第3層に配置されたカウンタと、
を含む前記(1)~(3)の何れか1項に記載の固体撮像装置。
(5)
前記コンパレータと前記カウンタとは、互いに異なる層に配置される前記(4)に記載の固体撮像装置。
(6)
前記アナログ回路は、前記第2層又は前記第3層に配置されたデジタル-アナログ変換器をさらに含む前記(4)又は(5)に記載の固体撮像装置。
(7)
前記コンパレータと前記デジタル-アナログ変換器とは、同一の層に配置される前記(6)に記載の固体撮像装置。
(8)
前記ロジック回路は、前記カウンタと同一の層に配置された信号処理部を含む前記(4)~(7)の何れか1項に記載の固体撮像装置。
(9)
前記ロジック回路は、前記信号処理部と同一の層に配置されたタイミング調整回路をさらに含む前記(8)に記載の固体撮像装置。
(10)
前記機械学習部は、前記信号処理部と同一の層に配置される前記(8)又は(9)に記載の固体撮像装置。
(11)
前記メモリと前記機械学習部とは、同一の層に配置される前記(1)~(9)の何れか1項に記載の固体撮像装置。
(12)
前記アナログ回路は、第1の電源に接続され、
前記ロジック回路は、第2の電源に接続される
前記(1)~(11)の何れか1項に記載の固体撮像装置。
(13)
前記第1の電源と前記第2の電源とは、異なる電源である前記(12)に記載の固体撮像装置。
(14)
前記機械学習部と前記第1の基板との間の少なくとも一部に配置された電磁シールドをさらに備える前記(1)~(13)の何れか1項に記載の固体撮像装置。
(15)
前記第3の基板とは別に前記第2の基板に接合されて前記第3層を形成する第4の基板をさらに備え、
前記機械学習部は、前記第4の基板に配置される
前記(1)~(14)の何れか1項に記載の固体撮像装置。
(16)
固体撮像装置と、
前記固体撮像装置から出力された画像データに対して所定の処理を実行するプロセッサと、
を備え、
前記固体撮像装置は、
第1層を形成する第1の基板と、
前記第1の基板に接合されて第2層を形成する第2の基板と、
前記第2の基板に接合されて第3層を形成する第3の基板と、
行列状に2次元配列する複数の単位画素を備える画素アレイ部と、
前記画素アレイ部と接続されるアナログ回路と、
前記アナログ回路と接続されるロジック回路と、
機械学習処理のプログラムが格納されるメモリと、
前記プログラムを用いて前記機械学習処理を実行する機械学習部と、
を備え、
前記画素アレイ部は、前記第1層に配置され、
前記アナログ回路は、前記第1層から前記第3層のうちの何れか一つ以上に配置され、
前記ロジック回路、前記機械学習部及び前記メモリは、前記第2層及び前記第3層のうちの何れか一つ以上に配置される
電子機器。
【符号の説明】
【0168】
1 撮像装置
10 イメージセンサ
11 撮像部
12 コントロール部
13 信号処理部
14 DSP
15 メモリ
16 セレクタ
17 ADC
20 アプリケーションプロセッサ
30 クラウドサーバ
40 ネットワーク
100、300 第1基板
101 画素アレイ部
101a 単位画素
102、105、302、305、322、325、327、342、345、347 TSVアレイ
103、123、126、143、146、303 パッドアレイ
104 光学系
120、320 第2基板
122、125 配線
140、340 第3基板
141 電磁シールド
147、148 基板
201、211、221 アナログ回路
202 ロジック回路
211 垂直駆動回路
212 参照電圧供給部(DAC)
213 コンパレータ
214 カウンタ
220 行駆動部
221 タイミング制御回路
222 垂直デコーダ
223 水平走査回路
224 画像信号処理部
225、226、227、228 I/F
324、344 TSV
326 OTP
401、402 回路素子
403-1、403-2、403-3、403-12 電源ピン
404-1、404-2、404-3、404-12 電源パッド
411、421、424、441、443、451、453、461、471 配線
412、413、422、442、452、462 TSV
501、505、506 配線層
502-1、502-2、502-2a、502-3、502-3a トレンチ
503、507 層間絶縁膜
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28
図29
図30
図31