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▶ 岡元 行人の特許一覧

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  • 特許-健康管理システム及びプログラム 図1
  • 特許-健康管理システム及びプログラム 図2
  • 特許-健康管理システム及びプログラム 図3
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-13
(45)【発行日】2023-12-21
(54)【発明の名称】健康管理システム及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G16H 50/30 20180101AFI20231214BHJP
【FI】
G16H50/30
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2019098244
(22)【出願日】2019-05-27
(65)【公開番号】P2020194252
(43)【公開日】2020-12-03
【審査請求日】2022-05-26
(73)【特許権者】
【識別番号】511136500
【氏名又は名称】岡元 行人
(74)【代理人】
【識別番号】100130823
【弁理士】
【氏名又は名称】三浦 誠一
(72)【発明者】
【氏名】岡元 行人
【審査官】今井 悠太
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-132959(JP,A)
【文献】特開2004-310209(JP,A)
【文献】特開2014-119817(JP,A)
【文献】特開2018-005284(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G16H 10/00-80/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザ端末から送信されるユーザの識別情報と健康診断又は献血の検査成績データを受信手段を介して受信し、受信した識別情報と健康診断又は献血の検査成績データ及び献血による検査回数に基づいて算出される健康状態を示す指標をユーザ端末に送信手段を介して送信するものであって、献血回数を数値化し、検査成績データに基づく数値に献血回数の数値を加算して正常値の範囲に近づけたものを健康状態を示す指標とすることを特徴とする健康管理システム。
【請求項2】
サーバに、ユーザ端末から送信されるユーザの識別情報と健康診断又は献血の検査成績データを受信するステップと、受信した識別情報と健康診断又は献血の検査成績データ及び献血による検査回数に基づいて、献血回数を数値化し、検査成績データに基づく数値に献血回数の数値を加算して正常値の範囲に近づけたものを健康状態を示す指標として算出するステップと、算出される健康状態を示す指標をユーザ端末に送信するステップとを実行させることを特徴とする健康管理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、献血者の健康状態の指標(健康度合を示す数値)を提供する健康管理システム及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
現在、病気やケガによる入院や手術などの費用を保障する医療保険の保険料は、通常、年齢・性別によって決められている。一方、日本は、健康寿命が世界一の長寿社会を迎えている。
そこで、年齢・性別以外の指標に基づいて保険料を決めることが検討されている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許第6265356号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の健康情報提供システムは、ユーザの健康診断の結果から指標決定モデルにしたがいユーザの健康の度合いを示す指標を決定する。健康情報提供システムでは、ユーザが測定した現在の体重や血圧から、予測モデルにしたがいユーザの現在の健康の度合いを予測する。現在の体重や血圧以外の検査項目を用いずに、健康の度合いを予測することから、健康診断と次の健康診断との間の期間においてもユーザは自己の健康の度合い(予測値)を容易に把握することが可能となり、ユーザの日々の健康管理、健康増進に資することができる。
【0005】
しかし、ユーザに予測値で自己の健康の度合いを示す健康情報提供システムは、現在の体重や血圧以外の検査データ(健診データ)が無くても予測値を得ることができることから、実際の健康状態について、ユーザに注意喚起を促すものでは無かった。
【0006】
本発明は、上述の問題を解決するものであって、ユーザに自己の健康状態について注意喚起を促すことができる健康管理システム及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の健康管理システムは、ユーザ端末から送信されるユーザの識別情報と健康診断又は献血の検査成績データを受信手段を介して受信し、受信した識別情報と健康診断又は献血の検査成績データ及び献血による検査回数に基づいて算出される健康状態を示す指標をユーザ端末に送信手段を介して送信するものであって、献血回数を数値化し、検査成績データに基づく数値に献血回数の数値を加算して正常値の範囲に近づけたものを健康状態を示す指標とするようにしたものである。
【0008】
本発明の健康管理プログラムは、サーバに、ユーザ端末から送信されるユーザの識別情報と健康診断又は献血の検査成績データを受信するステップと、受信した識別情報と健康診断又は献血の検査成績データ及び献血による検査回数に基づいて、献血回数を数値化し、検査成績データに基づく数値に献血回数の数値を加算して正常値の範囲に近づけたものを健康状態を示す指標として算出するステップと、算出される健康状態を示す指標をユーザ端末に送信するステップとを実行させるようにしたものである。
【発明の効果】
【0009】
本発明の健康管理システム及びプログラムによると、定期的な健康診断以外の献血からも健診データ(検査成績データ)を得ることができる。これにより、実測値の健診データによる細やかな健康管理を行うことができ、ユーザに自己の健康状態について注意喚起を促すことができる。
また、減少傾向が続く近年の献血者数(のべ人数)及び献血量を増加させることが期待できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の健康管理システムの構成を示す図である。
図2】本発明の健康管理システムのブロック図である。
図3】本発明の健康管理プログラムのフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の健康管理システム及びプログラムは、実測値の健診データによる細やかな健康管理を実現するものである。
【実施例
【0012】
本発明の健康管理システム及びプログラムを図に基づいて説明する。図1は、本発明の健康管理システムの構成を示す図である。図2は、本発明の健康管理システムのブロック図である。図3は、本発明の健康管理プログラムのフロー図である。
本発明の健康管理システムは、ユーザ端末から送信されるユーザの識別情報と健康診断又は献血の検査成績データを受信手段を介して受信し、受信した識別情報と健康診断又は献血の検査成績データに基づいて算出される健康状態を示す指標をユーザ端末に送信手段を介して送信するようにしたものである。
本発明の健康管理プログラムは、サーバに、ユーザ端末から送信されるユーザの識別情報と健康診断又は献血の検査成績データを受信するステップと、受信した識別情報と健康診断又は献血の検査成績データに基づいて健康状態を示す指標を算出するステップと、算出される健康状態を示す指標をユーザ端末に送信するステップとを実行させるようにしたものである。
【0013】
本発明の健康管理システムの構造を図1に基づいて説明する。
本発明の健康管理システム10は、インターネット12上に接続されているサーバである。インターネット12には、ユーザ端末14が接続されている。健康管理システム10とユーザ端末14は、相互にデータ(情報)の送受信ができるようになっている(図1)。
健康管理システム10(サーバ)は、ユーザ端末14から送信されるデータを受信する受信手段16と、ユーザ端末14にデータを送信する送信手段18、ユーザ情報20と、検査情報22、健康管理プログラム24を備えるものである(図2)。健康管理システム10のCPUは、健康管理プログラム24を読み込んで実行し、各種データ20,22等の情報の加工を行う。
【0014】
ユーザ情報20は、健康管理システム10を利用するユーザの個人情報26と個人情報26に付与する識別情報28である。
個人情報26は、ユーザ端末14から健康管理システム10に送信される情報であって、ユーザの氏名、年齢(又は生年月日)、性別、Emailアドレスなどの情報である。
【0015】
識別情報28は、ユーザ端末14から受信する個人情報26に付与する情報であって、ユーザを特定するデータ(例えば、ユーザID)である。付与された識別情報28は、健康管理システム10からユーザ端末14に送信される。
【0016】
ユーザ端末14は、ユーザが保有するコンピュータ(たとえば、PC、スマートフォン、タブレット端末等)である。ユーザ端末14には、健康診断や献血により通知される検査成績(書面)に記載の検査成績データ30を読み取ることができるアプリケーションプログラムがインストールされているものとする。また、健康管理システム10から送信されるデータを受信し記憶する機能を有しているものとする(図1)。
【0017】
検査情報22は、ユーザ端末14から送信されるユーザの識別情報28と健康診断又は献血の検査成績データ30である。
検査成績データ30とは、健康診断又は献血を行ったユーザに対し通知(郵送)される生化学検査(書面)などに記載された検査成績をユーザ端末14で読み取りデータ化したものである(図1)。識別情報28及び検査成績データ30により、ユーザが健康診断又は献血を行ったこと及び健康診断時又は献血時の健康状態を知ることができる。
【0018】
識別情報28と健康診断又は献血の検査成績データ30(すなわち検査情報22)に基づいて算出される健康状態を示す指標32とは、健康診断又は献血したユーザ(識別情報28を有するユーザ)の健康状態の良し悪しを数値化(見える化)したものである。
たとえば、検査成績データ30が正常値の範囲内であるときは「0(ゼロ)」、正常値の範囲を超える場合は「+(プラス)」の数値もしくは「-(マイナス)」の数値で表わす。
また、健康診断又は献血したユーザの健康診断及び献血による検査回数は、健康に十分な注意を払っていると評価できる。この場合は、献血回数を数値化し、その数値を上記検査成績データ30に基づく数値(「+」又は「-」の数値)に加算する。たとえば、検査成績データ30に基づく数値が「+」の場合、「-」の数値を加算し、「0」に近づくようにする。
なお、健康状態の良し悪しの見える化は、上記数値化に限るものではなく、他の表現を用いてもよい。
【0019】
ユーザ端末14に送信される指標32は、ユーザ端末14に記憶される。指標32を受け取るユーザは、健康診断や献血を受ける度に指標32から自己の現在の健康状態の良し悪しを知ることができる。また、受け取った指標32に変化がある場合は、現在の健康状態の変化を自ら把握することができる。これにより、目標を持って次回の健康診断や献血を受けるようになることが期待でき、自発的な健康改善意欲を持たせることができる。
以上のように、健康管理システム10を活用するユーザは、実測値の健診データによる細やかな健康管理を行うことができ、ユーザに自己の健康状態について注意喚起を促すことができる。
【0020】
本発明の健康管理プログラム24は、健康管理システム10(サーバ)が、ユーザ端末14から送信される個人情報26を受信するステップS1と、受信する個人情報26を記憶するステップS2と、記憶する個人情報26に識別情報28を付与するステップS3と、付与された識別情報28を記憶するステップS4と、付与された識別情報28をユーザ端末14に送信するステップS5とを実行した後、スタートする(図3)。
健康管理プログラム24は、サーバ10に、ユーザ端末から送信されるユーザの識別情報と健康診断又は献血の検査成績データを受信するステップS6と、受信した識別情報と健康診断又は献血の検査成績データに基づいて健康状態を示す指標を算出するステップS7と、算出される健康状態を示す指標をユーザ端末に送信するステップS8とを実行させるようにしたものである(図3)。
【0021】
本発明の健康管理システム10及びプログラム24により、ユーザは、定期的な健康診断に加え、献血の血液検査(生化学検査など)における実測値の健診データ(検査成績データ)も得ることができる。また、ユーザが定期的な健康診断とともに献血を複数回行うことにより、細やかな健康管理を行うことができ、健康状態の指標32をユーザ端末14に送信することで、ユーザに自己の健康状態について注意喚起を促すことができる。
さらに、ユーザに自己の健康状態について注意喚起を促すことにより、減少傾向が続く近年の献血者数(のべ人数)及び献血量を増加させることが期待できる。
【0022】
健康管理システム10に、健康管理システム10を利用する医療保険会社、生命保険会社の情報からなる付帯情報34を備えてもよい。また、健康管理プログラム24に、付帯情報34をユーザ端末14に送信するステップS9を設けてもよい。これにより、ユーザに、医療保険会社、生命保険会社等のサービスについて検討させる機会を与えることができ、また、健康状態を示す指標32に基づいたサービスを受けられることが期待できる。
【符号の説明】
【0023】
10 健康管理システム(サーバ)
14 ユーザ端末
16 受信手段
18 送信手段
24 健康管理プログラム
28 識別情報
30 検査成績データ
32 指標
図1
図2
図3