(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-13
(45)【発行日】2023-12-21
(54)【発明の名称】画像形成装置および画像読取装置
(51)【国際特許分類】
H04N 1/00 20060101AFI20231214BHJP
B41J 29/393 20060101ALI20231214BHJP
B41J 29/00 20060101ALI20231214BHJP
B65H 5/00 20060101ALI20231214BHJP
B65H 29/52 20060101ALI20231214BHJP
G03G 15/00 20060101ALI20231214BHJP
G03G 21/16 20060101ALI20231214BHJP
【FI】
H04N1/00 567Q
B41J29/393 105
B41J29/00 S
B65H5/00 A
B65H29/52
G03G15/00 463
G03G21/16 161
G03G21/16 147
(21)【出願番号】P 2019180720
(22)【出願日】2019-09-30
【審査請求日】2022-09-12
(73)【特許権者】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】弁理士法人大塚国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】大地 潤一
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 洋平
(72)【発明者】
【氏名】海賀 美穂
(72)【発明者】
【氏名】河村 浩司
(72)【発明者】
【氏名】山本 真吉
【審査官】橘 高志
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-051338(JP,A)
【文献】特開2009-132020(JP,A)
【文献】特開2004-212755(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 1/00
B41J 29/393
B41J 29/00
B65H 5/00
B65H 29/52
G03G 15/00
G03G 21/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像を形成されたシートを搬送する搬送路と、
前記シートに形成された画像を前記搬送路において読み取る読取手段と、
前記搬送路の一部を形成し、前記シートをガイドする搬送ガイドと、
前記読取手段を前記シートに対して付勢する付勢手段と、
前記読取手段と前記搬送ガイドとが連動して移動するように前記読取手段と前記搬送ガイドとを連結する連結手段と、
を有し、
前記搬送ガイドは前記シートの搬送方向において前記読取手段よりも下流側に配置されていることを特徴とする画像読取装置。
【請求項2】
前記搬送ガイドに連動して動作する除電部材をさらに有することを特徴とする請求項1に記載の画像読取装置。
【請求項3】
前記読取手段は前記シートの搬送方向に対して交差する方向に移動可能となるように支持されていることを特徴とする請求項1または2に記載の画像読取装置。
【請求項4】
前記付勢手段は、ねじりコイルばねを含むことを特徴とする請求項1ないし
3のいずれか一項に記載の画像読取装置。
【請求項5】
前記ねじりコイルばねを保持する保持部材をさらに有し、
前記保持部材は、前記ねじりコイルばねのコイル部を保持する保持部と、前記ねじりコイルばねの二つの腕部を支持する支持部とを有することを特徴とする請求項
4に記載の画像読取装置。
【請求項6】
前記保持部の底面から前記支持部の指示面までの高さは、前記コイル部の内径と前記ねじりコイルばねの線径との和以下であることを特徴とする請求項
5に記載の画像読取装置。
【請求項7】
前記付勢手段は一つまたは複数の圧縮コイルばねを含むことを特徴とする請求項1ないし
3のいずれか一項に記載の画像読取装置。
【請求項8】
前記付勢手段は板ばねを含むことを特徴とする請求項1ないし
3のいずれか一項に記載の画像読取装置。
【請求項9】
前記付勢手段は、前記読取手段とともに前記搬送ガイドを付勢するように構成されていることを特徴とする請求項1ないし
8のいずれか一項に記載の画像読取装置。
【請求項10】
前記読取手段と前記搬送ガイドとの両方に係合する係合部材をさらに有し、
前記付勢手段は前記係合部材を介して前記読取手段と前記搬送ガイドとの両方を付勢することを特徴とする請求項
9に記載の画像読取装置。
【請求項11】
画像を形成されたシートを搬送する搬送路と、
前記シートに形成された画像を前記搬送路において読み取る読取手段と、
前記搬送路の一部を形成し、前記シートをガイドする搬送ガイドと、
前記読取手段を前記シートに対して付勢する付勢手段と、
前記読取手段と前記搬送ガイドとが連動して移動するように前記読取手段と前記搬送ガイドとを連結する連結手段と、を有し、
前記連結手段は、前記搬送ガイドに設けられ、前記読取手段に係合する係合部材を含むことを特徴とする
画像読取装置。
【請求項12】
前記係合部材は、前記付勢手段の一端に嵌合することで前記付勢手段の当該一端を保持する凸部を有していることを特徴とする請求項
11に記載の画像読取装置。
【請求項13】
前記連結手段は、前記付勢手段の一部であることを特徴とする請求項1ないし
8のいずれか一項に記載の画像読取装置。
【請求項14】
前記付勢手段の一部は、前記搬送ガイドに設けられた溝状または孔状の嵌合部に嵌合していることを特徴とする請求項
13に記載の画像読取装置。
【請求項15】
前記連結手段は、前記読取手段に設けられた第一嵌合部と、前記搬送ガイドに設けられ、前記第一嵌合部に対して嵌合する第二嵌合部とを含むことを特徴とする請求項1ないし
8のいずれか一項に記載の画像読取装置。
【請求項16】
前記第一嵌合部は凸部であり、
前記第二嵌合部は溝部または貫通孔であることを特徴とする請求項
15に記載の画像読取装置。
【請求項17】
前記読取手段を移動可能に支持するフレーム部材をさらに有し、
前記読取手段は第三嵌合部を有し、
前記フレーム部材は前記第三嵌合部に嵌合する第四嵌合部を有していることを特徴とする請求項1ないし
16のいずれか一項に記載の画像読取装置。
【請求項18】
前記第三嵌合部は、前記読取手段から前記フレーム部材に向かって突出しており、
前記第四嵌合部は、前記読取手段の移動方向と平行に設けられた溝またはレールを含むことを特徴とする請求項
17に記載の画像読取装置。
【請求項19】
前記読取手段は第一回動軸を有し、当該第一回動軸を中心に回動することを特徴とする請求項1ないし
18のいずれか一項に記載の画像読取装置。
【請求項20】
前記搬送ガイドは第二回動軸を有し、当該第二回動軸を中心に回動することを特徴とする請求項1ないし
19のいずれか一項に記載の画像読取装置。
【請求項21】
前記除電部材は、金属板または金属箔と、ブラシ状の導電性繊維とを含むことを特徴とする請求項2に記載の画像読取装置。
【請求項22】
前記除電部材は、鋸状の先端を有する金属板を含むことを特徴とする請求項2に記載の画像読取装置。
【請求項23】
前記除電部材は、導電性の不織布または繊維を含むことを特徴とする請求項2に記載の画像読取装置。
【請求項24】
シートに画像を形成する画像形成手段をさらに有し、
前記読取手段は、前記画像形成手段により前記シートに形成された前記画像を読み取るように構成されていることを特徴とする請求項1ないし
23のいずれか一項に記載の画像読取装置。
【請求項25】
シートに画像を形成する画像形成手段と、
前記画像を形成された前記シートを搬送する搬送路と、
前記シートに形成された前記画像を前記搬送路において読み取る読取手段と、
前記搬送路の一部を形成し、前記シートをガイドする搬送ガイドと、
前記読取手段を前記シートに対して付勢する付勢手段と、
前記読取手段と前記搬送ガイドとが連動して移動するように前記読取手段と前記搬送ガイドとを連結する連結手段と、
を有し、
前記搬送路は、
前記シートを前記画像形成手段に搬送する第一搬送路と、
前記第一搬送路から分岐した第二搬送路であって、前記画像形成手段により第一面に画像が形成されたシートを再び前記第一搬送路へ搬送する第二搬送路とを含み、
前記読取手段および前記搬送ガイドは前記第二搬送路に設けられていることを特徴とする画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は画像形成装置および画像読取装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1によれば、シートに画像を形成し、当該シートに形成された画像を搬送中に読み取る画像形成装置が提案されている。とりわけ、特許文献1では、シートの両面に画像を形成する際にシートが通過する搬送路に画像センサが配置されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
画像センサがシートを安定的に読み取れるようにし、かつ、シートを安定的に搬送するために、画像センサの周囲には搬送ガイドが配置されてもよい。画像センサがシート上の画像に対して正確に合焦するためには画像センサをシートに対して押圧する構成が有利である。この場合、搬送ガイドが固定されていると、搬送ガイドと画像センサとの間に生じる段差にシートが引っかかって、ジャムが発生しうる。そこで、本発明は、シートを安定的に搬送しつつ、精度よく画像を読み取れる装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、たとえば、
画像を形成されたシートを搬送する搬送路と、
前記シートに形成された画像を前記搬送路において読み取る読取手段と、
前記搬送路の一部を形成し、前記シートをガイドする搬送ガイドと、
前記読取手段を前記シートに対して付勢する付勢手段と、
前記読取手段と前記搬送ガイドとが連動して移動するように前記読取手段と前記搬送ガイドとを連結する連結手段と、を有し、
前記搬送ガイドは前記シートの搬送方向において前記読取手段よりも下流側に配置されていることを特徴とする画像読取装置を提供する。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、シートを安定的に搬送しつつ、精度よく画像を読み取ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、添付図面を参照して実施形態が詳しく説明される。尚、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。実施形態には複数の特徴が記載されているが、これらの複数の特徴の全てが発明に必須のものとは限らず、また、複数の特徴は任意に組み合わせられてもよい。さらに、添付図面においては、同一または同様の構成に同一の参照番号が付され、重複した説明は省略される。なお、図面にはx方向、y方向、z方向を示す三つの矢印が示されることがある。これは、各部材間の位置を把握することに役立つであろう。
【0009】
<第一実施例>
●画像形成装置
図1は画像形成装置100の概略を示す断面図である。ここでは画像形成方式として電子写真方式が採用されているが、インクジェット方式であってもよい。また、本発明は、フルカラープリンタだけでなく、モノクロプリンタにも適用可能である。
【0010】
給紙カセット10は多数のシートSを収容する収容庫である。ピックアップローラ15はシートSをピックアップして搬送ローラ16および分離ローラ17に渡す。搬送ローラ16および分離ローラ17を複数のシートSを一枚のシートSに分離して下流側に搬送する。下流側とは、シートSの搬送方向における下流側である。レジストローラ対4はシートSの斜行補正を行い、第一搬送路22aに沿ってシートSを二次転写部6へ搬送する。
【0011】
画像形成部7Y、7M、7C、7Kはそれぞれイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)のトナー画像を中間転写ベルト9に形成する。中間転写ベルト9はトナー画像を二次転写部6へ搬送する。二次転写部6はトナー画像を中間転写ベルト9からシートSに転写する。定着器12は、シートSおよびトナー画像に熱と圧力を加えることで、トナー画像をシートSに定着させる。排紙ローラ11は、シートSを排紙トレイ13に排出する。
【0012】
フラッパ20は、シートSを排紙ローラ11に誘導したり、反転ローラ21に誘導したりする。反転ローラ21は、第一搬送路22aからシートSを引き込み、第二搬送路22bへ送り出す。一般に、第一面に画像が形成されたシートSの第二面にも画像を形成する際に、シートSは第二搬送路22bを通過して、再び、第一搬送路22aに戻される。これにより第二面に画像が形成される。
【0013】
第二搬送路22bには、読取ユニット24と搬送ガイド33とが設けられている。内部フレーム18は、読取ユニット24と搬送ガイド33とが移動可能となるように、読取ユニット24と搬送ガイド33とを支持している。白基準板32は第二搬送路22bを挟んで読取ユニット24に対向するように配置されている。読取ユニット24はシェーディング補正データを作成するために、白基準板32を読み取る。白基準板32はメンテナンスドア23に支持されている。ユーザーはシートSのジャムが発生すると、メンテナンスドア23を空けて、シートSを除去する。
【0014】
●読取ユニット
図2は読取ユニット24の断面を含む斜視図である。読取ユニット24は、筐体26、電気基板27、ロッドレンズアレイ28、およびコンタクトガラス29などを有している。ロッドレンズアレイ28は電気基板27に実装された画像センサに対してシートS上の画像を結像させる。コンタクトガラス29は、読取ユニット24の正面側に設けられており、第二搬送路22bおよび白基準板32に対向している。電気基板27に実装されたCPUは、読取ユニット24によるシートSの読取結果に基づき、画像の印刷状態を把握したり、画像形成装置100の故障診断を実行したりする。この例では、電気基板27は、読取ユニット24の背面近くに設けられている。
【0015】
図3、
図4は、読取ユニット24、白基準板32および搬送ガイド33の位置関係を説明する図である。矢印Ar1は読取ユニット24の移動可能な方向を示す。凸部241は読取ユニット24の右側壁と左側壁とに設けられている。読取ユニット24は凸部241に沿って移動する。矢印Ar2は搬送ガイド33の移動可能な方向を示す。搬送ガイド33は回動軸331a、331bを中心に回動する。
図4において矢印Ar3はシートSの搬送方向を示す。
【0016】
読取ユニット24のシート搬送領域(コンタクトガラス29)の両端(右側壁、左側壁)には、突き当て部243が設けられている。突き当て部243と対向するように、白基準板32にも突き当て部321が設けられている。突き当て部243は、コンタクトガラス29よりも白基準板32側に突き出ている。同様に、突き当て部321も白基準板32の白色面よりも突き出ている。よって、突き当て部243と突き当て部321とが突き当たることで、コンタクトガラス29と白基準板32の白色面との間に隙間(例:0.3mm~0.5mm)が確保される。この空間をシートSが搬送される。これにより、シートSのばたつきが低減され、画像センサがシートSの画像に合焦しやすくなる。
【0017】
白基準板32の表面には白色の樹脂シートが貼られており、画像を読み取る際の基準色となる。樹脂シートを貼る代わりに、白基準板32が白色の樹脂で成型されてもよい。メンテナンスドア23を開放することで、ユーザーまたはメンテナンス担当者は、白基準板32およびコンタクトガラス29にアクセスしてこれらを清掃できる。シートSの搬送方向において読取ユニット24の下流には搬送ガイド33が配設されている。この例では読取ユニット24の底面は搬送ガイド33の頂面と対向している。
【0018】
搬送ガイド33の壁面のうち読取ユニット24に対向する壁面(頂面)には除電部材34が配設されている。
図5(A)に示された除電部材34は、複数の導電性繊維の束35と金属箔36とを有した除電ブラシである。複数の導電性繊維の束35はそれぞれ金属箔36に対して電気的に導通している。除電部材34は、接着剤または両面テープにより搬送ガイド33に固定されている。金属箔36は接地されている。
図5(B)は、除電部材34と置換可能な除電針37を示している。除電針37は、薄い金属板と複数の刺形状とを有している。薄い金属板をプレス成形することで複数の刺形状が作成されてもよい。除電部材34は、導電性の不織布または繊維からなる除電布に置換されてもよい。
【0019】
図3および
図4に示された凸部241は、
図8(A)に示された内部フレーム18に設けられた凹部183に対してスライド可能に嵌合する。これにより、読取ユニット24は矢印Ar1の方向にスライドできる。
【0020】
図4が示すように、内部フレーム18は二つの保持部材180を有している。保持部材180は取付穴181を有している。取付穴181にねじりコイルばね30のコイル部が嵌装されることで、保持部材180がコイルばね30のコイル部を保持する。ねじりコイルばね30の二つの腕部が読取ユニット24を矢印Fの方向に押圧する。ねじりコイルばね30の付勢力を受けて読取ユニット24が押し出されるようとする。そのため、読取ユニット24の押し出し量を規制するためのストッパが設けられてもよい。ストッパは凸部241に接触することで押し出し量を規制する。
【0021】
このように、ばねなどの弾性体により読取ユニット24を付勢することで、対向部材である白基準板32の位置が多少変動しても、読取ユニット24が白基準板32に追従することができる。これより、読取ユニット24と白基準板32との間の隙間が適正に維持される。ねじりコイルばね30の2本の腕部が、読取ユニット24を支えるため、読取ユニット24はバランスよく付勢される。第一実施例では、
図8(A)が示すように、2個のねじりコイルばね30をシートSの幅方向において所定の間隔で配設されていてもよい。シートSの幅方向は読取ユニット24の長手方向と平行です。
【0022】
図4が示すように、ねじりコイルばね30の一方の腕は、読取ユニット24と搬送ガイド33を付勢する。搬送ガイド33に設けられた接触部333はねじりコイルばね30から直接的に付勢力を受ける。搬送ガイド33に設けられたフック形状の係合部332は、読取ユニット24の背面と係合する。これにより、読取ユニット24と搬送ガイド33とが連結されている。
【0023】
図6が示すように、画像形成装置100の組立工程において、読取ユニット24が内部フレーム18に取り付けられる。次に、搬送ガイド33の回動軸331が画像形成装置100に取り付けられ、搬送ガイド33が矢印Ar3により示された方向に回動される。搬送ガイド33および読取ユニット24が撓むことで、係合部332が読取ユニット24の下を通過して、読取ユニット24の背面に係合する。つまり、係合部332はスナップフィットにより読取ユニット24を支持する。
【0024】
メンテナンスドア23の部品寸法のばらつき、ガタまたは反りにより、メンテナンスドア23に取り付けられた白基準板32が多少移動することがある。白基準板32の位置が変動すると、読取ユニット24の位置も変動する。さらに、読取ユニット24に連動して搬送ガイド33の位置も変動する。シートSが、第二搬送路22bにおいて上流側の搬送ローラ対と下流側の搬送ローラ対との両方にニップされて搬送される。下流側の搬送ローラ対の搬送速度が上流側の搬送ローラ対の搬送速度よりも速い場合、シートSには引っ張り力が付与される。これにより、シートSが読取ユニット24を背面側に押し戻そうとすることがある。この場合にも、読取ユニット24と搬送ガイド33はシートSに追従して移動できる。つまり、シートSに対する読取ユニット24の合焦状態が維持される。
【0025】
図7(A)が示すように、読取ユニット24が矢印Ar5により示された方向へ移動すると、ねじりコイルばね30が搬送ガイド33の接触部333を押す。接触部333は搬送ガイド33の背面に存在する。これにより、搬送ガイド33は、矢印Ar4により示された方向へ回動する。搬送ガイド33の係合部332が読取ユニット24の背面に係合しているため、読取ユニット24、搬送ガイド33および除電部材34の各位置は連動して規制される。よって、搬送ガイド33および除電部材34が、読取ユニット24よりも突出しにくい。
【0026】
図7(B)が示すように、読取ユニット24が矢印Ar6により示された方向へ移動すると、読取ユニット24が係合部332を押し戻そうとする。これにより、搬送ガイド33は、矢印Ar3により示された方向へ回動する。読取ユニット24が矢印Ar6により示された方向へ移動すると、ねじりコイルばね30の二本の腕が押し戻されて、ねじりコイルばね30が縮む。さらに、搬送ガイド33が矢印Ar3により示された方向へ回動するような力が搬送ガイド33に働くと、搬送ガイド33の接触部333にねじりコイルばね30が当接するため、搬送ガイド33の移動が規制される。よって、読取ユニット24と搬送ガイド33の相対的な位置関係が維持され、シートSの搬送方向における読取ユニット24と搬送ガイド33との間の段差も適正な段差に維持される。除電部材34は搬送ガイド33に保持されているため、読取ユニット24と除電部材34の相対的な位置関係も維持される。これらにより、シートSのジャムが発生しにくくなろう。また、段差が一定に維持されるため、シートSが段差に置いて発生する通過音も低減されよう。
【0027】
ところで、除電部材34とコンタクトガラス29との間隔、および、除電部材34とシートSとの間隔がそれぞれ大きくなると、期待した除電効果が得られない。反対に、除電部材34が突出しすぎると、除電部材34がシートSと摺擦して、除電部材34の導電性繊維が抜けたり千切れたりする。導電性繊維が画像形成部7および二次転写部6に運ばれると、画像不良の原因となり得る。除電部材34として除電針37が採用されている場合、第二搬送路22bに突出した除電針37の鋭利な先端がシートSを損傷させたり、ジャムを発生させたりする。第一実施例を採用することで、除電部材34とコンタクトガラス29との間隔、および、除電部材34とシートSとの間隔も正確に維持されるようになる。これにより、シートSおよびコンタクトガラス29に対する除電部材34の除電性能が安定的に維持されよう。また、除電部材34の導電性繊維に起因した画像不良も発生しにくくなろう。さらに、除電針37によるシートSの損傷およびジャムも発生しにくくなろう。
【0028】
●ねじりコイルばねの保持構造
図8(A)および
図8(B)はねじりコイルばね30の保持方法を説明する図である。画像形成装置100の組立担当者、または、メンテナンス担当者が読取ユニット24を交換する際に、ねじりコイルばね30のコイル部が、内部フレーム18の保持部材180に設けられた取付穴181に挿入される。
図8(A)および
図8(B)が示すように、保持部材180の形状は、四つの壁面182により取付穴181を囲む箱形の形状である。取付穴181の形状は四角であり、取付穴181の縦と横の各寸法はそれぞれ、ねじりコイルばね30の外径と幅よりも少し余裕を持った寸法である。これは、保持部材180がねじりコイルばね30の動作を阻害しないようにするためである。ねじりコイルばね30が保持部材180にセットされた後、読取ユニット24が内部フレーム18に取り付けられる。ここで溝状の凹部183は、読取ユニット24の凸部241と嵌合する。これにより、読取ユニット24はスライド可能に内部フレーム18に保持される。
【0029】
図8(B)が示すように、ねじりコイルばね30が取付穴181にセットされた段階で、接触部301が、ねじりコイルばね30の両方の腕をそれぞれ支える。接触部301は、対向する二つの壁面182のそれぞれ頂面に設けられている。接触部301が二つの腕を支えることで、組立工程においてねじりコイルばね30の姿勢が安定する。これは、読取ユニット24を内部フレーム18に取り付ける際の組立性が良好になる。もし腕を支えなければ、たとえば
図9(A)が示すように、ねじりコイルばね30の姿勢が不安定となる。極端な場合、ねじりコイルばね30の腕先端部303が読取ユニット24の背面に接触して、組立が阻害されてしまうだろう。
【0030】
図9(B)が示すように、読取ユニット24を内部フレーム18に取り付けることで、ねじりコイルばね30の付勢力が読取ユニット24に働く際にも、壁面182がねじりコイルばね30の腕部を支持する。ねじりコイルばね30の開き角度θは最大でも180度である。
【0031】
ここで、保持部材180の二つの壁面182の高さLは、ねじりコイルばね30の内径Diと線径dとの和以上であればよい(L≧Di+d)。読取ユニット24が内部フレーム18に取り付けられるまで、二つの壁面182がねじりコイルばね30の両方の腕に接触しなくてもよい。ねじりコイルばね30に外部から力が作用していない状態における開き角度θは、読取ユニット24を内部フレーム18に取り付けることを阻害しない程度であればよい。
【0032】
図8(C)が示すように、ねじりコイルばね30は板バネ39に置換されてもよい。板バネ39も二つの腕部と、二つの腕部を接続するよう設けられ、取付穴181の形状に沿った形状を有した中間部(コイル部)とを有している。
図8(C)によれば中間部はU字状となっている。
【0033】
<第二実施例>
図10(A)が示すように、読取ユニット24を加圧するねじりコイルばね30の一方の腕部371は、搬送ガイド33の頂面に設けられた凹部334と係合または嵌装されている。このように、腕部371と凹部334とにより読取ユニット24と搬送ガイド33とが連結されているため、読取ユニット24と搬送ガイド33とが連動して移動する。
図10(A)において凹部334は貫通孔であるが、底面を有した溝であってもよい。
【0034】
第二実施例では、ねじりコイルばね30が読取ユニット24を付勢する付勢手段として機能するとともに、ねじりコイルばね30が読取ユニット24と搬送ガイド33とを連結する連結手段としても機能する。これにより、読取ユニット24と搬送ガイド33との位置関係が所定の関係に維持される。同様に、読取ユニット24と除電部材34との位置関係も所定関係に維持される。なお、除電部材34にも、腕部371を挿し通すための貫通孔が設けられていてもよい。このように、ねじりコイルばね30の腕部371を連結手段として利用することで、係合部332が不要となる。
【0035】
組立工程では、まず、搬送ガイド33が画像形成装置100に取り付けられる。次に、ねじりコイルばね30の腕部371が搬送ガイド33の凹部334に挿し込まれる。ねじりコイルばね30のコイル部が内部フレーム18の取付穴181に挿入される。次に、読取ユニット24が内部フレーム18取り付けられる。
【0036】
<第三実施例>
図10(B)が示すように、読取ユニット24は凸部244を有している。凸部244は、読取ユニット24の側面のうち、搬送ガイド33に対して最も近くに位置する側面
にある。この側面は搬送ガイド33および除電部材34に対向している。
【0037】
搬送ガイド33は凹部334を有している。
図10(B)が示すように、凹部334は貫通孔であってもよいし、底面を有する溝であってもよい。凸部244と凹部334とが係合または嵌合している。凸部244と凹部334とはわずかな隙間をもって係合しているため、互いの動きは妨げられにくい。読取ユニット24が凹部を有し、搬送ガイド33が凸部を有してもよい。
【0038】
凸部244と凹部334とが係合しているため、読取ユニット24と搬送ガイド33とが実質的に連結されており、読取ユニット24と搬送ガイド33とが連動して移動する。同様に、搬送ガイド33に固定された除電部材34も読取ユニット24と連動して移動する。これにより、読取ユニット24と搬送ガイド33との位置関係が所定の関係に維持される。同様に、読取ユニット24と除電部材34との位置関係も所定関係に維持される。
【0039】
組立工程では、まず、ねじりコイルばね30のコイル部が内部フレーム18の取付穴181に挿入される。次に、搬送ガイド33の凸部244が読取ユニット24の凹部334に係合される。次に、回動軸331を中心に搬送ガイド33および読取ユニット24が回動させられ、読取ユニット24が内部フレーム18に取り付けられる。
【0040】
<第四実施例>
図11(A)が示すように、読取ユニット24の両端付近には二つの圧縮コイルばね41a、41bが設けられている。明細書において、参照符号の末尾に付与されているアルファベットは、共通事項が説明される際には省略される。
【0041】
圧縮コイルばね41aと読取ユニット24との間には接触部材42が介在している。圧縮コイルばね41bと、読取ユニット24との間には接触部材42bが介在している。圧縮コイルばね41a、41bはそれぞれ接触部材42a、42bを介して読取ユニット24を付勢する。圧縮コイルばね41aは接触部材42aに設けられた円柱状の凸部422aに係合または固定されている。圧縮コイルばね41bは接触部材42bに設けられた円柱状の凸部422bに係合または固定されている。接触部材42aは搬送ガイド33と係合する接触部421aを有している。接触部材42bも搬送ガイド33と係合する接触部421bを有している。なお、接触部材42a、42bは省略されてもよい。たとえば、圧縮コイルばね41a、41bの端面が読取ユニット24と搬送ガイド33との両方に接触するよう、圧縮コイルばね41a、41bの巻径が比較的大きめに取られてもよい。これにより、圧縮コイルばね41a、41bは読取ユニット24と搬送ガイド33との両方を付勢できる。
【0042】
図11(B)が示すように、圧縮コイルばね41は、接触部材42を介して読取ユニット24および搬送ガイド33と接触している。接触部材42の接触部421が搬送ガイド33に接触している。圧縮コイルばね41の一部が直接的に搬送ガイド33と接触する場合、接触部材42は省略されてもよい。
【0043】
図11(B)によれば、搬送ガイド33は係合部332を有している。しかし、係合部332は
図10(A)または
図10(B)に関連して説明された係合構造に置換されてもよい。
【0044】
圧縮コイルばね41が伸びるように読取ユニット24が移動すると、接触部421が搬送ガイド33を付勢して搬送ガイド33が時計回りに回動する。圧縮コイルばね41が縮むように読取ユニット24が移動すると、読取ユニット24が係合部332を押圧して搬送ガイド33が反時計回りに回動する。このように、読取ユニット24と搬送ガイド33とが連動して移動する。これにより、読取ユニット24と搬送ガイド33との位置関係が所定の関係に維持される。除電部材34は搬送ガイド33に固定されているため、読取ユニット24と除電部材34との位置関係も所定関係に維持される。
【0045】
組立工程では、まず、接触部材42が読取ユニット24に固定される。接触部材42は読取ユニット24に対して接着されてもよいし、不図示の係合部により固定されてもよい。次に、圧縮コイルばね41が凸部422に嵌装される。次に、回動軸331を中心に搬送ガイド33が回動され、スナップフィットにより係合部332が読取ユニット24に係合する。
【0046】
係合部332が
図10(A)または
図10(B)に関連して説明された係合構造に置換された場合、まず、圧縮コイルばね41が内部フレーム18に固定される。次に、接触部材42が読取ユニット24に取り付けられる。次に、読取ユニット24が搬送ガイド33に係合され、かつ、接触部材42が搬送ガイド33の背面に係合する。さらに、搬送ガイド33および読取ユニット24を回動させることで、読取ユニット24の背面に圧縮コイルばね41を取り付けるとともに、内部フレーム18の凹部183に凸部241が嵌合される。
【0047】
<第五実施例>
第四実施例では圧縮コイルばね41a、41bがシートSの搬送方向と直交する方向であって、かつ、読取ユニット24の長手方向と平行となる方向に並んで配置されている。
図12(A)および
図12(B)が示す第五実施例では、圧縮コイルばね41c、41dがシートSの搬送方向と平行に並んでいる。圧縮コイルばね41c、41dは、読取ユニット24の長手方向においては読取ユニット24の略中央に配置されている。
【0048】
圧縮コイルばね41c、41dは接触部材42cを介して読取ユニット24および搬送ガイド33を付勢しているが、接触部材42cは省略されてもよい。たとえば、圧縮コイルばね41cの一端が読取ユニット24と搬送ガイド33との両方を押圧するように、圧縮コイルばね41cの巻径が十分に大きければよい。
【0049】
接触部材42cは接触部421cを有している。接触部421cは搬送ガイド33に背面に係合または当接している。接触部材42cは、圧縮コイルばね41c、41dに対応した二つの凸部422c、422dを有している。圧縮コイルばね41cは凸部422cに嵌合し、圧縮コイルばね41dは凸部422dに嵌合する。
【0050】
圧縮コイルばね41c、41dが伸びるように読取ユニット24が移動すると、接触部421cが搬送ガイド33を付勢して搬送ガイド33が時計回りに回動する。圧縮コイルばね41c、41dが縮むように読取ユニット24が移動すると、読取ユニット24が係合部332を押圧して搬送ガイド33が反時計回りに回動する。このように、読取ユニット24と搬送ガイド33とが連動して移動する。これにより、読取ユニット24と搬送ガイド33との位置関係が所定の関係に維持される。除電部材34は搬送ガイド33に固定されているため、読取ユニット24と除電部材34との位置関係も所定関係に維持される。
【0051】
組立工程では、まず、接触部材42cが読取ユニット24に取り付けられる。次に、圧縮コイルばね41c、41dの一端が凸部422c、422dに嵌装される。読取ユニット24は内部フレーム18に移動可能に固定される。搬送ガイド33を回動させ、スナップフィットで係合部332を読取ユニット24の背面に取り付ける。
【0052】
係合部332が
図10(A)または
図10(B)に関連して説明された係合構造に置換された場合、まず、圧縮コイルばね41c、41dが内部フレーム18に固定される。次に、接触部材42cが読取ユニット24に取り付けられる。次に、読取ユニット24が搬送ガイド33に係合され、かつ、接触部材42が搬送ガイド33の背面に係合する。さらに、搬送ガイド33および読取ユニット24を回動させることで、読取ユニット24の背面に圧縮コイルばね41を取り付けるとともに、内部フレーム18の凹部183に凸部241が嵌合される。
【0053】
<第六実施例>
図13(A)および
図13(B)が示すように、読取ユニット24の長手方向における両端に回動腕245a、245bを有している。回動腕245a、245bの一端は読取ユニット24の本体を支持している。回動腕245a、245bの他端は回動軸246a、246bを有している。これにより、読取ユニット24は回動軸246a、246bを支点として、矢印Ar7により示された方向に移動および回動する。
【0054】
図13(A)および
図13(B)によれば、一つの圧縮コイルばね41eが板状の接触部材42を付勢するように設けられている。しかし、付勢手段としては、圧縮コイルばね41eに代えて、上述された圧縮コイルばね41a~41dが採用されてもよい。圧縮コイルばね41eおよび接触部材42は読取ユニット24の長手方向において略中央に設けられている。
【0055】
図13(B)が示すように、圧縮コイルばね41eは、接触部材42dを介して読取ユニット24および搬送ガイド33と接触している。接触部材42dの接触部421dが搬送ガイド33に接触している。圧縮コイルばね41eの一部が直接的に搬送ガイド33と接触する場合、接触部材42dは省略されてもよい。
【0056】
図13(
A)によれば、搬送ガイド33は係合部332を有している。しかし、係合部332は
図10(A)または
図10(B)に関連して説明された係合構造に置換されてもよい。
【0057】
圧縮コイルばね41eが伸びるように読取ユニット24が移動すると、接触部421dが搬送ガイド33を付勢して搬送ガイド33が時計回りに回動する。圧縮コイルばね41が縮むように読取ユニット24が移動すると、読取ユニット24が係合部332を押圧して搬送ガイド33が反時計回りに回動する。このように、読取ユニット24と搬送ガイド33とが連動して移動する。これにより、読取ユニット24と搬送ガイド33との位置関係が所定の関係に維持される。除電部材34は搬送ガイド33に固定されているため、読取ユニット24と除電部材34との位置関係も所定関係に維持される。
【0058】
組立工程で、まず、接触部材42が読取ユニット24に取り付けられる。次に、圧縮コイルばね41eが接触部材42に取り付けられる。読取ユニット24の回動軸246aが画像形成装置に回動可能に取り付けられる。搬送ガイド33を回動させることで、スナップフィットで係合部332が読取ユニット24の背面に取り付けられる。搬送ガイド33と読取ユニット24の取り付け順は逆でもよい。
【0059】
係合部332が
図10(A)または
図10(B)に関連して説明された係合構造に置換された場合、まず、圧縮コイルばね41eが接触部材42dに取り付けられる。次に、接触部材42dが読取ユニット24に取り付けられる。搬送ガイド33と読取ユニット24を回動させながら、搬送ガイド33と読取ユニット24とが徐々に係合される。
【0060】
<第七実施例>
図1では画像形成装置100の内部に読取ユニット24が設けられているが、読取ユニット24は画像読取装置に設けられてもよい。なお、読取ユニット24が設けられた画像形成装置100は広義の画像読取装置である。
【0061】
図14はADF101を有した画像形成装置100を示している。画像形成装置100についてはすでに説明されているため、ここではADF101が詳細に説明される。ADFは自動原稿搬送装置(Auto Document Feeder)の略称である。
【0062】
ローラ62が給紙トレイ61に載置されたシートをピックアップして搬送路22cに沿ってシートSを搬送する。読取ユニット24と搬送ガイド33は搬送路22cに設けられている。ADF101は、読取ユニット24により画像を読み取られたシートを排紙トレイ65に排出する。
【0063】
読取ユニット24は、ねじりコイルばね30により付勢されている。読取ユニット24に対向して白基準板32が配置されている。読取ユニット24と白基準板32との隙間は一定となるように、読取ユニット24と白基準板32とが配置されている。読取ユニット24の付勢手段としては、第一実施例ないし6で説明されたいずれのものが採用されてもよい。読取ユニット24と搬送ガイド33の連結手段としても、第一実施例ないし6で説明されたいずれのものが採用されてもよい。これにより、読取ユニット24と搬送ガイド33との位置関係が所定の関係に維持される。除電部材34が搬送ガイド33に設けられてもよい。この場合、除電部材34に関する効果は第一実施例ないし6で説明された通りである。
【0064】
<まとめ>
[観点1]
搬送路22b、22cは画像を形成されたシートを搬送する搬送路の一例である。読取ユニット24はシートに形成された画像を搬送路において読み取る読取手段の一例である。搬送ガイド33は搬送路の一部を形成し、シートをガイドする搬送ガイドの一例である。ねじりコイルばね30および圧縮コイルばね41は読取手段をシートに対して付勢する付勢手段の一例である。係合部332、ねじりコイルばね30の腕部、凸部244などは読取手段と搬送ガイドとが連動して移動するように読取手段と搬送ガイドとを連結する連結手段として機能する。このように連結手段によって、読取手段と搬送ガイドとが連動して移動するため、シートを安定的に搬送しつつ、精度よく画像を読み取れる装置が提供される。
【0065】
[観点2]
図4などが示すように、搬送ガイド33に連動して動作する除電部材34が設けされてもよい。読取手段と搬送ガイド33とが連動して動作するため、除電部材34も読取手段と搬送ガイド33と連動して動作する。これにより、設計上で期待された除電性能が発揮されやすくなろう。
【0066】
[観点3]
図4などが示すように、読取手段はシートの搬送方向に対して交差する方向に移動可能となるように支持されていてもよい。シートの法線方向に対する力が読取手段に働いても、読取手段はシートに対して追従しやすくなろう。
【0067】
[観点4]
図4などが示すように、搬送ガイドはシートの搬送方向において読取手段よりも下流側に配置されていてもよい。このような配置が採用されると、搬送ガイドと読取手段とが形成する段差がシートの搬送に関与しやすくなる。たとえば、段差にシートの先端が引っかかれば、シートのジャムが発生しうる。また、シートの通過音も生じやすくなろう。とりわけ、搬送ガイドと読取手段と独立して移動可能である場合には、この問題が大きくなりやすい。本発明では、搬送ガイドと読取手段とが連動して動作するため、シートのジャムおよび通過音の発生が低減されよう。
【0068】
[観点5]
図4などが示すように、付勢手段は、ねじりコイルばねを含んでもよい。これにより比較的に安価に付勢手段が実現されよう。
【0069】
[観点6、7]
図8(A)などが示すように、保持部材180は、ねじりコイルばねを保持する保持部材の一例である。保持部材180は、ねじりコイルばねのコイル部を保持する保持部(例:取付穴181)と、ねじりコイルばねの二つの腕部を支持する支持部(例:壁部182)とを有してもよい。これにより、読取手段の位置が規制されるようになろう。
図9(B)が示すように、保持部の底面から支持部の
支持面までの高さLは、コイル部の内径Diとねじりコイルばねの線径dとの和以
上であってもよい。この条件が満たされる場合、安定的にねじりコイルばねが保持されるようになろう。
【0070】
[観点8、9]
図11(A)、
図12(A)および
図13(A)などがしめすように、付勢手段は一つまたは複数の圧縮コイルばねを含んでもよい。
図8(A)が示すように、付勢手段は板ばねを含んでもよい。このように、適切に読取ユニット24を付勢できるのであれば、付勢部材の種類は問われない。なお、圧縮コイルばね41や板バネ39は、ねじりコイルばねと比較して、読取ユニット24または接触部材42に対する接触面積を大きくできる。したがって、安定的に、読取ユニット24または接触部材42が付勢されるようになろう。
【0071】
[観点10]
付勢手段は、読取手段とともに搬送ガイドを付勢するように構成されていてもよい。これにより、搬送ガイド33にも付勢力が働きやすくなり、読取ユニット24と搬送ガイド33との連動が補助されるようになろう。
【0072】
[観点11]
図11(A)などが示すように、接触部材42は、読取手段と搬送ガイドとの両方に係合する係合部材の一例である。付勢手段は係合部材を介して読取手段と搬送ガイドとの両方を付勢してもよい。
【0073】
[観点12]
連結手段は、搬送ガイドに設けられ、読取手段に係合する係合部材(例:係合部332)を含んでもよい。これにより、搬送ガイド33と読取ユニット24とが安定的に連結されるようになろう。
【0074】
[観点13]
図11(B)などが示すように、係合部材は、付勢手段の一端に嵌合することで付勢手段の当該一端を保持する凸部(例:凸部422)を有していてもよい。これにより、付勢手段と係合部材とが安定的に保持されるようになろう。
【0075】
[観点14]
図7(A)および
図10(A)が示すように、連結手段は、付勢手段の一部であってもよい。これにより部品点数が削減されるようになろう。
【0076】
[観点15]
図10(A)が示すように、付勢手段の一部は、搬送ガイド33に設けられた溝状または孔状の嵌合部(例:凹部334)に嵌合していてもよい。これにより、搬送ガイド33と読取ユニット24とが安定的に連結されるようになろう。
【0077】
[観点16]
図10(B)が示すように、連結手段は、読取手段に設けられた第一嵌合部(例:凸部244)と、搬送ガイドに設けられ、第一嵌合部に対して嵌合する第二嵌合部(例:凹部334)とを含んでもよい。これにより、搬送ガイド33と読取ユニット24とが安定的に連結されるようになろう。
【0078】
[観点17]
図10(B)が示すように、第一嵌合部は凸部244であってもよい。第二嵌合部は溝部または貫通孔(例:凹部334)であってもよい。このように、比較的に簡単な構造が採用されているが、搬送ガイド33と読取ユニット24とが安定的に連結されるようになろう。
【0079】
[観点18]
図8(A)が示すように、内部フレーム18は、読取手段を移動可能に支持するフレーム部材として機能する。凸部241は、読取手段に設けられた第三嵌合部の一例である。凹部183は第三嵌合部に嵌合する第四嵌合部の一例である。これにより、読取ユニット24が内部フレーム18に安定的に保持される一方で、読取ユニット24が移動可能となる。
【0080】
[観点19]
図3および
図8(A)からわかるように、第三嵌合部は、読取手段からフレーム部材に向かって突出していてもよい。第四嵌合部は、読取手段の移動方向と平行に設けられた溝またはレール(例:凹部183)を含んでもよい。このように比較的に簡単な構造により、読取ユニット24が内部フレーム18に安定的に保持されつつ、読取ユニット24が移動可能となる。
【0081】
[観点20]
図13(A)などが示すように、読取手段は第一回動軸(例:回動軸246)を有し、当該第一回動軸を中心に回動するように構成されてもよい。これにより、読取手段が安定的に移動可能となろう。
【0082】
[観点21]
図3などが示すように、搬送ガイドは第二回動軸(例:回動軸331)を有し、当該第二回動軸を中心に回動してもよい。これにより、搬送ガイドが安定的に移動可能となろう。
【0083】
[観点22、23]
図5(A)が示すように、除電部材34は、金属板または金属箔と、ブラシ状の導電性繊維とを含んでもよい。
図5(B)が示すように、除電部材34は、鋸状の先端を有する金属板を含んでもよい。除電部材34は、導電性の不織布または繊維を含んでもよい。このように除電部材34の形状や素材に依存することなく、除電部材34が搬送ガイド33と読取ユニット24に連動して移動してもよい。
【0084】
[観点25、26]
画像形成部7はシートに画像を形成する画像形成手段の一例である。
図1および
図14が示すように、読取手段は、画像形成手段によりシートに形成された画像を読み取るように構成されていてもよい。
【0085】
[観点27]
搬送路22aはシートを画像形成手段に搬送する第一搬送路の一例である。搬送路22bは、第一搬送路から分岐した第二搬送路であって、画像形成手段により第一面に画像が形成されたシートを再び第一搬送路へ搬送する第二搬送路の一例である。読取手段および搬送ガイドは第二搬送路に設けられている。このように第二搬送路は、シートの両面に画像が形成されるときにシートが通過する搬送路であるため、読取ユニット24が汚れにくくなろう。
【0086】
発明は上記実施形態に制限されるものではなく、発明の精神及び範囲から離脱することなく、様々な変更及び変形が可能である。従って、発明の範囲を公にするために請求項が添付される。
【符号の説明】
【0087】
22:搬送路、24:読取ユニット、33:搬送ガイド、30:ねじりコイルばね、41:圧縮コイルばね、332:係合部