(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-13
(45)【発行日】2023-12-21
(54)【発明の名称】生体認証システム、制御装置、およびコンピュータプログラム
(51)【国際特許分類】
G06F 21/32 20130101AFI20231214BHJP
【FI】
G06F21/32
(21)【出願番号】P 2020010027
(22)【出願日】2020-01-24
【審査請求日】2022-08-26
(73)【特許権者】
【識別番号】000003551
【氏名又は名称】株式会社東海理化電機製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110001416
【氏名又は名称】弁理士法人信栄事務所
(72)【発明者】
【氏名】安藤 喬彦
【審査官】上島 拓也
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-150874(JP,A)
【文献】特開2007-310639(JP,A)
【文献】特開2004-042793(JP,A)
【文献】特開2009-301460(JP,A)
【文献】特開2009-211487(JP,A)
【文献】特開2016-130977(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0323091(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 21/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
生体の一部から取得された生体情報および前記生体情報に対応付けられて前記生体の一部を特定する登録情報を複数のユーザについて記憶可能な記憶装置と、
認証されるユーザの生体情報を取得する取得装置と、
前記取得装置により取得された生体情報が前記記憶装置に記憶されている生体情報と一致する場合、前記一致した生体情報に対応付けられた登録情報を、通知装置に通知させる制御装置と、
を備えて
おり
前記制御装置は、前記登録情報を確認するための指示である確認指示を受け付けると、前記取得装置に生体情報を取得させ、前記取得装置により取得された前記生体情報が前記記憶装置に記憶されている生体情報と一致するか否かを判定する、生体認証システム。
【請求項2】
前記制御装置は、前記取得装置により取得された生体情報が前記記憶装置に記憶されている生体情報と一致する場合、被制御装置に所定の機能を実行させる、請求項1に記載の生体認証システム。
【請求項3】
前記登録情報は、指の名前である、請求項1
または請求項2に記載の生体認証システム。
【請求項4】
認証されるユーザの生体の一部から取得された生体情報を受け付ける受付部と、
前記受付部により受け付けられた生体情報が記憶装置に記憶されている生体情報と一致する場合、前記一致した生体情報に対応付けられて前記記憶装置に記憶されている生体の一部を特定する登録情報を、通知装置に通知させる処理部と、
を備えて
おり、
前記処理部は、前記登録情報を確認するための指示である確認指示を受け付けると、前記受付部により生体情報を受け付けさせ、前記受け付けられた前記生体情報が前記記憶装置に記憶されている生体情報と一致するか否かを判定する、制御装置。
【請求項5】
制御装置の処理部により実行されるコンピュータプログラムであって、
実行されることにより、前記制御装置に、
認証されるユーザの生体の一部から取得された生体情報を受け付けさせ、
前記受け付けられた生体情報が記憶装置に記憶されている生体情報と一致する場合、前記一致した生体情報に対応付けられて前記記憶装置に記憶されている生体の一部を特定する登録情報を、通知装置に通知させ
、
前記登録情報を確認するための指示である確認指示を受け付けると、生体情報を受け付けさせ、前記受け付けられた前記生体情報が前記記憶装置に記憶されている生体情報と一致するか否かを判定させる、コンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、生体認証システムに関連する。本発明は、当該生体認証システムにおいて用いられる制御装置、および当該制御装置により実行されるコンピュータプログラムに関連する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、特定の者だけに車両の防犯機能の解除を許可する盗難防止装置を開示している。盗難防止装置は、車両のエンジンを始動しようとする者の生体情報である指紋を読み取り、読み取られた指紋が予め登録されている指紋と一致する場合に車両のエンジンの始動を可能とする。複数のユーザにより車両を使用する場合は、複数のユーザの指紋の情報が登録可能である。また、各ユーザは、複数の指について指紋の情報を登録可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
複数の指紋の情報が登録されている状況において、ユーザは、自身の特定の指にどの登録情報が割り当てられているのかを確認したい場合がある。
【0005】
本発明の目的は、登録されている複数の生体情報の各々に対応付けられた登録情報を確認可能にすることである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を達成するための一態様は、生体認証システムであって、
複数の生体情報および前記複数の生体情報の各々に対応付けられて前記複数の生体情報の各々を識別する登録情報を記憶する記憶装置と、
認証されるユーザの生体情報を取得する取得装置と、
前記取得装置により取得された生体情報が前記記憶装置に記憶されている生体情報と一致する場合、前記一致した生体情報に対応付けられた登録情報を、通知装置に通知させる制御装置と、
を備えている。
【0007】
上記の目的を達成するための一態様は、制御装置であって、
認証されるユーザの生体情報を受け付ける受付部と、
前記受付部により受け付けられた生体情報が記憶装置に記憶されている生体情報と一致する場合、前記一致した生体情報に対応付けられて前記記憶装置に記憶されている前記一致した生体情報を識別する登録情報を、通知装置に通知させる処理部と、
を備えている。
【0008】
上記の目的を達成するための一態様は、制御装置の処理部により実行されるコンピュータプログラムであって、
実行されることにより、前記制御装置に、
認証されるユーザの生体情報を受け付けさせ、
前記受け付けられた生体情報が記憶装置に記憶されている生体情報と一致する場合、前記一致した生体情報に対応付けられて前記記憶装置に記憶されている生体情報を識別する登録情報を、通知装置に通知させる。
【0009】
登録された生体情報の識別は、当該生体情報に対応付けられた登録情報に頼らざるを得ない場合がある。しかしながら、複数の生体情報が登録されている状況下では、ユーザは、自身の生体情報がどの登録情報に対応しているのかを、記憶を頼りに特定するのが困難な場合がある。上記のような構成によれば、ユーザの生体情報が予め登録されていれば、当該生体情報に対応付けられた登録情報を確認可能にできる。よって、意図しない生体情報の編集がなされる事態の発生を抑制できる。意図しない生体情報の編集の例としては、同じ生体情報の重複登録や、他の生体情報の削除、生体認証が適用される移動体や装置などを共用している他ユーザの生体情報の削除が挙げられる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】一実施形態に係る生体認証システムの機能構成を例示している。
【
図2】
図1の生体認証システムが車両に適用された例を示している。
【
図3】
図1の制御装置により実行される処理の流れの一例を示している。
【発明を実施するための形態】
【0011】
添付の図面を参照しつつ、実施形態の例について以下詳細に説明する。
図1は、一実施形態に係る生体認証システム10の構成を例示している。生体認証システム10は、例えば、
図2に例示される車両20のユーザを認証し、ユーザによる車両20の利用を許可するために使用される。
【0012】
生体認証システム10は、指紋センサ11を備えている。指紋センサ11は、被認証者の指紋情報FIを取得するように構成されている。指紋情報FIは、生体情報の一例である。指紋センサ11は、取得装置の一例である。指紋センサ11は、車両20における適宜の位置に配置されうる。例えば、指紋センサ11は、
図2に示されるように、車両20のステアリングホイール21に設けられうる。あるいは、指紋センサ11は、カーディーラーの店舗に設置されうる。
【0013】
指紋情報FIは、指の表面の電荷分布、指の表面からの光または超音波の反射強度の分布などに基づいて取得されうる。これらの技術は周知であるので、詳細な説明は省略する。指紋センサ11は、取得した指紋情報FIを出力する。指紋情報FIは、アナログデータの形態でもよいし、デジタルデータの形態でもよい。
【0014】
生体認証システム10は、記憶装置12を備えている。記憶装置12は、車両20における適宜の位置に配置されうる。記憶装置12は、複数の指紋情報FIを記憶するように構成された装置である。複数の指紋情報FIは、車両20を使用する一人のユーザの複数の指から取得された指紋情報でありうる。あるいは、複数の指紋情報FIは、車両20を共用する複数のユーザの各々の少なくとも一本の指から取得された指紋情報でありうる。
【0015】
生体認証システム10は、制御装置13を備えている。制御装置13は、車両20における適宜の位置に配置されうる。制御装置13は、受付部131と処理部132と出力部133とを備えている。受付部131は、指紋情報FIを受け付けるインターフェースとして構成されている。指紋情報FIがアナログデータの形態である場合、受付部131は、A/Dコンバータを含む適宜の変換回路を含みうる。処理部132は、デジタルデータの形態である指紋情報FIを処理の対象とする。
【0016】
処理部132は、受付部131が受け付けた指紋情報FIを記憶装置12に記憶させる処理を実行可能に構成されている。指紋情報FIが記憶装置12に記憶されることにより、指紋の登録がなされる。処理部132は、指紋情報FIを記憶装置12に記憶させる際に、当該指紋情報FIを識別する登録情報RIを対応付けるように構成されている。登録情報RIの例としては、自動的に付与される登録番号が挙げられる。すなわち、記憶装置12には、複数の指紋情報FIに加えて、複数の指紋情報FIの各々に対応付けられて各指紋情報FIを識別する登録情報RIが記憶されうる。
【0017】
処理部132は、記憶装置12に記憶された指紋情報FIおよび登録情報RIの読み出しまたは参照を行なう処理を実行可能に構成されている。被認証者は、指紋センサ11に自らの指紋情報FIを取得させる。処理部132は、指紋センサ11により取得された指紋情報FIを、記憶装置12に記憶された指紋情報FIと照合する。処理部132は、両者の一致度が閾値を上回る場合に、認証を成立させる。換言すると、処理部132は、両者の一致度が閾値を上回る場合に、指紋センサ11に自らの指紋情報を取得させた被認証者を、登録されたユーザとして認証する。以降の説明においては、「両指紋情報の一致度が閾値を上回る場合」を、単に「両指紋情報が一致する場合」と記載する。
【0018】
生体認証システム10は、通知装置14を備えている。例えば、
図2に示されるように、通知装置14は、車両20のセンタクラスタに搭載されるディスプレイ装置141として実現されうる。
【0019】
処理部132は、指紋センサ11により取得された指紋情報FIが記憶装置12に記憶されている指紋情報FIと一致すると判断した場合、記憶装置12に記憶されている指紋情報FIに対応付けられた登録情報RIを通知装置14に通知させるように構成されている。具体的には、処理部132は、通知装置14を制御するための制御信号CS1を生成して出力部133から出力させる。制御信号CS1は、デジタル信号でもよいし、アナログ信号でもよい。制御信号CS1がアナログ信号である場合、出力部133は、D/Aコンバータを含む適宜の変換回路を含みうる。
【0020】
通知装置14は、制御信号CS1に基づいて一致が認められた指紋情報FIに対応付けられた登録情報RIを通知するように構成されている。例えば、指紋センサ11により取得された指紋情報FIが記憶装置12に記憶されている指紋情報FIと一致すると判断された場合、当該指紋情報FIに対応付けられた登録情報RIとしての登録番号がディスプレイ装置141に表示される。
【0021】
図1と
図3を参照しつつ、上記のように構成された制御装置13の処理部132により行なわれる処理の流れの一例について説明する。
【0022】
まず、処理部132は、受付部131を通じて、認証されるユーザの指紋情報FIを指紋センサ11から取得する(STEP11)。
【0023】
続いて、処理部132は、指紋センサ11により取得された指紋情報FIと一致する指紋情報FIが記憶装置12に記憶されているかを判断する(STEP12)。
【0024】
指紋センサ11により取得された指紋情報FIと一致する指紋情報FIが記憶装置12に記憶されていると判断されると(STEP12においてYES)、処理部132は、記憶装置12に記憶されている指紋情報FIに対応付けられた登録情報RIを通知装置14に通知させる(STEP13)。
【0025】
個々の指紋をその外見から直ちに他の指紋と区別することは困難である。したがって、登録された指紋情報の識別は、当該指紋情報に対応付けられた登録情報に頼らざるを得ない。しかしながら、複数の指紋情報が登録されている状況下では、ユーザは、自身のどの指紋がどの登録情報に対応しているのかを、記憶を頼りに特定するのが困難な場合がある。上記のような構成によれば、ユーザの指紋情報が予め登録されていれば、当該指紋情報に対応付けられた登録情報を確認可能にできる。よって、意図しない指紋情報の編集がなされる事態の発生を抑制できる。意図しない指紋情報の編集の例としては、同じ指紋情報の重複登録や、他の指の指紋情報の削除や、車両20を共用している他ユーザの指紋情報の削除が挙げられる。
【0026】
指紋センサ11により取得された指紋情報FIと一致する指紋情報FIが記憶装置12に記憶されていないと判断されると(STEP12においてNO)、処理部132は、指紋センサ11により取得された指紋情報FIは登録されていない旨を通知装置14に通知させる(STEP14)。このような構成によれば、ユーザは、自身のどの指の指紋が未登録であるのかを確認できる。STEP14に係る通知が行なわれる代わりに、処理がSTEP11に戻されてもよい。
【0027】
生体認証システム10は、入力装置15を備えうる。入力装置15は、登録情報RIを確認するための指示である確認指示の入力を受け付けるように構成されている。入力装置15は、確認指示の入力を受け付けると、当該確認指示に対応する確認信号COSを出力する。例えば
図2に示されるように、入力装置15は、車両20のセンタクラスタに搭載される操作ボタン151により実現されうる。
【0028】
この場合、
図3に例示されるように、処理部132は、登録情報の確認指示を受け付けたかを判断する(STEP15)。登録情報の確認指示を受け付けるまで、STEP15の処理が繰り返される(STEP15においてNO)。
【0029】
登録情報の確認指示を受け付けたと判断されると(STEP15においてYES)、処理部132は、登録情報確認処理を行う。すなわち、処理部132は、受付部131を通じて、認証されるユーザの指紋情報を取得する(STEP11)。そして、処理部132は、上記のようにSTEP12以降の処理を行う。
【0030】
このような構成によれば、ユーザは、入力装置15への指示入力がなされたことの応答として、登録された指紋情報FIに対応付けられた登録情報RIを確認することができる。指紋センサ11に触れるたびに登録情報RIが通知されることを煩わしく感じるユーザに対して、利便性を向上できる。
【0031】
生体認証システム10は、被制御装置16を備えうる。被制御装置16は、所定の機能を実行するように構成されている。制御装置13の処理部132は、指紋センサ11により取得された指紋情報FIが記憶装置12に記憶されている指紋情報FIと一致する場合、被制御装置16を作動させるための制御信号CS2を出力部133に出力させる。被制御装置16は、制御信号CS2に基づいて、所定の機能を実行する。例えば、被制御装置16は、イグニッションボタンにより起動されるエンジンとして実現されうる。この場合、指紋センサ11は、
図2に示されるように、車両20のイグニッションボタン22に内蔵されうる。
【0032】
例えば、車両20のユーザは、エンジンを始動するために、イグニッションボタン22に、指紋情報が登録されている指を接触させる。処理部132は、受付部131通じて、指紋センサ11により取得されたユーザの指紋情報FIを取得する(
図3におけるSTEP11)。
【0033】
指紋センサ11により取得された指紋情報FIが記憶装置12に記憶されている指紋情報FIに一致すると判断されると(STEP12においてYES)、処理部132は、一致した指紋情報FIに対応付けられた登録情報RIを通知装置14に通知させる(STEP13)。また、処理部132は、被制御装置16を作動させる(STEP16)。例えば、制御信号CS2に基づいて、被制御装置16であるエンジンが始動する。被制御装置16を作動させるタイミングは、登録情報RIを通知する前でもよい。
【0034】
このような構成によれば、ユーザは、被制御装置16を作動させる制御と登録情報RIの確認を一動作で行なうことができる。
【0035】
被制御装置16の他の例としては、車両20における施錠装置、空調装置などが挙げられる。この場合、指紋センサ11は、車両20のドアノブや車両の空調装置に設けられた操作ボタンに設けられた指紋センサなどでありうる。制御信号CS2は、車両20の施錠装置に施錠を解除させる信号や車両20の空調装置を作動させる信号などでありうる。
【0036】
これまで説明した各機能を有する処理部132は、汎用メモリと協働して動作する汎用マイクロプロセッサにより実現されうる。汎用マイクロプロセッサとしては、CPU、MPU、GPUが例示されうる。汎用メモリとしては、ROMやRAMが例示されうる。この場合、ROMには、上述した処理を実行するコンピュータプログラムが記憶されうる。ROMは、コンピュータプログラムを記憶している記憶媒体の一例である。プロセッサは、ROM上に記憶されたコンピュータプログラムの少なくとも一部を指定してRAM上に展開し、RAMと協働して上述した処理を実行する。上記のコンピュータプログラムは、汎用メモリにプリインストールされてもよいし、通信ネットワークを介して外部サーバからダウンロードされて汎用メモリにインストールされてもよい。この場合、外部サーバは、コンピュータプログラムを記憶している記憶媒体の一例である。
【0037】
処理部132は、マイクロコントローラ、ASIC、FPGAなどの上記のコンピュータプログラムを実行可能な専用集積回路によって実現されてもよい。この場合、当該専用集積回路に含まれる記憶素子に上記のコンピュータプログラムがプリインストールされる。当該記憶素子は、コンピュータプログラムを記憶している記憶媒体の一例である。処理部132は、汎用マイクロプロセッサと専用集積回路の組合せによっても実現されうる。
【0038】
記憶装置12は、半導体メモリやHDD(Hard Disk Drive)により実現される。記憶装置12は、制御装置13の汎用メモリとして実現されてもよい。
【0039】
上記の実施形態は、本発明の理解を容易にするための例示にすぎない。上記の実施形態に係る構成は、本発明の趣旨を逸脱しなければ、適宜に変更・改良されうる。
【0040】
登録情報RIは、登録番号に加えてあるいは代えて、認証されるユーザを識別するための識別情報を含みうる。例えば、ユーザは、認証に用いられる指紋情報FIを登録する際に、識別情報を適宜設定しうる。識別情報を入力する装置は、入力装置15でもよく、または入力装置15とは異なる装置でもよい。識別情報の例としては、ユーザや指の名前などが挙げられる。このような構成によれば、登録されている指紋情報FIのユーザを登録情報RIにより識別することができるので、車両20を共用している他のユーザの指紋情報FIを意図せず編集してしまう事態の発生を、より確実に抑制することができる。
【0041】
上記の実施形態においては、認証されるユーザの生体情報として指紋情報が取得されている。しかしながら、生体情報として、静脈情報、声紋情報(音声認証)、顔情報、虹彩情報などが取得されてもよい。顔情報や虹彩情報は、例えば、カメラやイメージセンサ等の撮像装置を用いて取得可能である。声紋情報は、例えば、マイク等の音声入力装置を用いて取得可能である。静脈情報は、例えば、近赤外線を用いた静脈センサを用いて取得可能である。記憶装置12に記憶される生体情報は、複数種であってもよい。
【0042】
上記の実施形態においては、通知装置14は、ディスプレイ装置141により実現される。しかしながら、通知装置14は、車両20の窓に内蔵された透明ディスプレイ装置などにより実現されうる。通知装置14は、上記のディスプレイ装置141や透明ディスプレイを用いた例に加えてあるいは代えて、通知音声を出力することにより通知するスピーカなどの音声出力装置により実現されうる。
【0043】
上記の実施形態においては、入力装置15は、操作ボタン151により実現される。しかしながら、入力装置15は、ディスプレイ装置141の少なくとも一部をタッチセンサとして機能させることに実現されてもよい。入力装置15は、操作ボタン151やディスプレイ装置141を用いた例に加えてあるいは代えて、ユーザの音声を受け付けるマイクなどの音声入力装置やユーザのジェスチャーを受け付けるカメラなどの撮像装置により実現されうる。また、入力装置15は、指紋センサ11として機能させてもよい。例えば、入力装置15は、指紋センサとして機能するように構成され、指紋センサにより指紋情報が取得された場合に、指紋情報FIと共に確認信号COSが出力されるように構成されうる。
【0044】
上記の実施形態においては、生体認証システム10は、車両20のユーザを認証している。しかしながら、生体認証システム10は、車両20以外の移動体のユーザの認証に用いられうる。そのような移動体の例としては、鉄道、航空機、船舶などが挙げられる。当該移動体は、運転者を必要としなくてもよい。生体認証システム10は、住宅や施設における監視装置、施錠装置、空調装置、照明装置、映像音響設備などの動作を制御するために使用されうる。生体認証システム10は、スマートフォンなどの携帯端末の防犯機能解除などの動作を制御するために使用されうる。
【0045】
記憶装置12は、必ずしも指紋センサ11や通知装置14と同じ移動体、住宅、施設などに設置されることを要しない。記憶装置12は、制御装置13と通信ネットワークを介して通信可能な外部装置として提供されうる。
【0046】
制御装置13は、必ずしも指紋センサ11や通知装置14と同じ移動体、住宅、施設などに設置されることを要しない。制御装置13は、指紋センサ11、記憶装置12、通知装置14、入力装置15の少なくとも一つと通信ネットワークを介して通信可能な外部装置として提供されうる。
【符号の説明】
【0047】
10:生体認証システム、11:指紋センサ、12:記憶装置、13:制御装置、14:通知装置、15:入力装置、16:被制御装置、20:車両、21:ステアリングホイール、22:イグニッションボタン、131:受付部、132:処理部、133:出力部、141:ディスプレイ装置、151:操作ボタン