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特許7402743牽引端付き光ケーブル及び牽引端付き光ケーブルの製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-13
(45)【発行日】2023-12-21
(54)【発明の名称】牽引端付き光ケーブル及び牽引端付き光ケーブルの製造方法
(51)【国際特許分類】
   G02B 6/46 20060101AFI20231214BHJP
   G02B 6/44 20060101ALI20231214BHJP
   G02B 6/54 20060101ALI20231214BHJP
【FI】
G02B6/46 321
G02B6/44 386
G02B6/54
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2020078189
(22)【出願日】2020-04-27
(65)【公開番号】P2021173889
(43)【公開日】2021-11-01
【審査請求日】2022-12-26
(73)【特許権者】
【識別番号】000005186
【氏名又は名称】株式会社フジクラ
(74)【代理人】
【識別番号】110000176
【氏名又は名称】弁理士法人一色国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】水戸部 良一
(72)【発明者】
【氏名】藤原 邦彦
(72)【発明者】
【氏名】篠田 智之
【審査官】林 祥恵
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第05480203(US,A)
【文献】特開2010-044359(JP,A)
【文献】特開2009-204947(JP,A)
【文献】特開平08-160270(JP,A)
【文献】特開平08-070526(JP,A)
【文献】米国特許第05863083(US,A)
【文献】中国特許出願公開第102456441(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 6/46
G02B 6/44
G02B 6/54
G02B 6/02
H02G 1/00-1/10
H02G 15/00-15/196
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の光ファイバを有し、前記光ファイバの端部に光コネクタが取り付けられている光ケーブルと、
端部に牽引部が設けられ、前記光コネクタを内側に配置した編組チューブと、
前記牽引部の側とは反対側の前記編組チューブの端部を前記光ケーブルに固定する固定部と
を備え、
前記固定部は、繊維部材を有する接着テープによって構成されており、
前記固定部は、前記繊維部材を前記光ケーブルの長手方向に沿って配置した状態で、前記光ケーブルとの間に前記編組チューブの端部を固定しており、
前記固定部は、端部に非接着部を有しており、
前記非接着部は、前記接着テープの端部を折り返すことによって構成されていることを特徴とする牽引端付き光ケーブル。
【請求項2】
請求項1に記載の牽引端付き光ケーブルであって、
前記接着テープの接着層によって、前記接着テープの背面層と前記光ケーブルとの間に、前記光ケーブルの長手方向に対して斜めに配置された前記編組チューブの繊維部材と、前記光ケーブルの長手方向に沿って配置された前記固定部の繊維部材とが接着されていることを特徴とする牽引端付き光ケーブル。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の牽引端付き光ケーブルであって、
前記固定部は、格子状に配置された前記繊維部材を有するダクトテープであることを特徴とする牽引端付き光ケーブル。
【請求項4】
請求項1に記載の牽引端付き光ケーブルであって、
前記非接着部は、前記固定部の基端側に配置されていることを特徴とする牽引端付き光ケーブル。
【請求項5】
請求項1~4のいずれかに記載の牽引端付き光ケーブルであって、
前記非接着部を覆う補強部を更に有することを特徴とする牽引端付き光ケーブル。
【請求項6】
請求項5に記載の牽引端付き光ケーブルであって、
前記補強部は、補強テープによって構成されており、
前記補強テープの接着力は、前記固定部を構成する前記接着テープの接着力よりも弱いことを特徴とする牽引端付き光ケーブル。
【請求項7】
請求項1~6のいずれかに記載の牽引端付き光ケーブルであって、
前記光コネクタを収容する収容体を更に備え、
前記収容体は前記編組チューブの内側に配置されていることを特徴とする牽引端付き光ケーブル。
【請求項8】
請求項7に記載の牽引端付き光ケーブルであって、
前記収容体は、コルゲート管を有することを特徴とする牽引端付き光ケーブル。
【請求項9】
光ケーブルの光ファイバの端部に光コネクタを取り付けること、
端部に牽引部が設けられる編組チューブの内側に前記光コネクタを配置すること、
接着テープの繊維部材を前記光ケーブルの長手方向に沿って配置した状態で、前記接着テープによって前記光ケーブルとの間に前記編組チューブの端部を固定して固定部を形成すること、
を行うとともに、
前記固定部は、端部に非接着部を有しており、
前記非接着部は、前記接着テープの端部を折り返すことによって構成されている牽引端付き光ケーブルの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、牽引端付き光ケーブル及び牽引端付き光ケーブルの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、光ケーブルを牽引装置によって牽引する際に用いられるケーブル牽引端末構造が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2010-217316号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
牽引端付き光ケーブルの牽引部を牽引することによって、局舎の外側から局舎内に光ケーブルを敷設することが行われる。このとき、光ケーブルの光ファイバの端部に予め光コネクタが取り付けておき、牽引端末構造体の内部に光コネクタを収容しておけば、光ケーブルの牽引後の局舎内での敷設作業が便利になる。牽引部を有する部材は、牽引力に耐えられる強度で光ケーブルに固定されている必要がある。その一方、光ケーブルの牽引後、光コネクタを取り出すためには、牽引部を有する部材を光ケーブルから外し易いことが望ましい。つまり、牽引部を有する部材を光ケーブルに固定する固定部は、強固な固定を実現しつつ簡易な解体を実現するという、相反する機能を果たすことが望まれている。
【0005】
本発明は、牽引部を有する部材を光ケーブルに強固に固定しつつ、簡易に解体可能な固定部を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するための主たる第1の発明は、複数の光ファイバを有し、前記光ファイバの端部に光コネクタが取り付けられている光ケーブルと、端部に牽引部が設けられ、前記光コネクタを内側に配置した編組チューブと、前記牽引部の側とは反対側の前記編組チューブの端部を前記光ケーブルに固定する固定部とを備え、前記固定部は、繊維部材を有する接着テープによって構成されており、前記固定部は、前記繊維部材を前記光ケーブルの長手方向に沿って配置した状態で、前記光ケーブルとの間に前記編組チューブの端部を固定することを特徴とする牽引端付き光ケーブルである。
また、上記目的を達成するための主たる第2の発明は、光ケーブルの光ファイバの端部に光コネクタを取り付けること、端部に牽引部が設けられる編組チューブの内側に前記光コネクタを配置すること、接着テープの繊維部材を前記光ケーブルの長手方向に沿って配置した状態で、前記接着テープによって前記光ケーブルとの間に前記編組チューブの端部を固定すること、を行う牽引端付き光ケーブルの製造方法である。
【0007】
本発明の他の特徴については、後述する明細書及び図面の記載により明らかにする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、牽引部を有する部材を光ケーブルに強固に固定しつつ、簡易に解体可能な固定部を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1Aは、本実施形態の牽引端付き光ケーブル100の外観説明図である。図1Bは、本実施形態の牽引端付き光ケーブル100の内部構造の説明図である。
図2図2は、光ケーブル1の説明図である。
図3図3Aは、本実施形態の牽引部20Aの説明図である。図3Bは、第1変形例の牽引部20Aである。図3Cは、第2変形例の牽引部20Aである。
図4図4A及び図4Bは、編組チューブ30の特性の説明図である。
図5図5Aは、固定部60の断面図である。図5Bは、固定部60を構成する固定用テープ60Aの断面図である。
図6図6は、固定部60を構成する固定用テープ60Aを光ケーブル1から展開した様子の説明図である。
図7図7A及び図7Bは、補強部70の説明図である。図7Aは、補強部70を形成する前の様子の説明図である。図7Bは、補強部70を形成した後の様子の説明図である。
図8図8は、本実施形態の牽引端付き光ケーブル100の製造方法のフロー図である。
図9図9A図9Eは、本実施形態の牽引端付き光ケーブル100の製造の様子の説明図である。
図10図10は、牽引端付き光ケーブルの牽引部を牽引することによって、局舎の外側から局舎内に光ケーブルを敷設する様子の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
後述する明細書及び図面の記載から、少なくとも以下の事項が明らかとなる。
【0011】
複数の光ファイバを有し、前記光ファイバの端部に光コネクタが取り付けられている光ケーブルと、端部に牽引部が設けられ、前記光コネクタを内側に配置した編組チューブと、前記牽引部の側とは反対側の前記編組チューブの端部を前記光ケーブルに固定する固定部とを備え、前記固定部は、繊維部材を有する接着テープによって構成されており、前記固定部は、前記繊維部材を前記光ケーブルの長手方向に沿って配置した状態で、前記光ケーブルとの間に前記編組チューブの端部を固定することを特徴とする牽引端付き光ケーブルが明らかとなる。このような牽引端付き光ケーブルによれば、編組チューブの強固な固定を実現しつつ、固定部を簡易に解体可能である。
【0012】
前記接着テープの接着層によって、前記接着テープの背面層と前記光ケーブルとの間に、前記光ケーブルの長手方向に対して斜めに配置された前記編組チューブの繊維部材と、前記光ケーブルの長手方向に沿って配置された前記固定部の繊維部材とが接着されていることが望ましい。これにより、固定部と光ケーブルとの間で編組チューブの繊維部材の動きが抑制され、編組チューブが外れ難くなるため、編組チューブが強固に引き留められる。
【0013】
前記固定部は、格子状に配置された前記繊維部材を有するダクトテープであることが望ましい。これにより、前記繊維部材を前記光ケーブルの長手方向に沿って配置した固定部を構成できる。
【0014】
前記固定部は、端部に非接着部を有することが望ましい。これにより、固定部を簡易に解体し易くなる。
【0015】
前記非接着部は、前記接着テープの端部を折り返すことによって構成されていることが望ましい。これにより、非接着部を簡易に形成できる。
【0016】
前記非接着部は、前記固定部の基端側に配置されていることが望ましい。これにより、固定部が太くなることを抑制できる。
【0017】
前記非接着部を覆う補強部を更に有することが望ましい。これにより、非接着部が外力によって捲り上がることを抑制できる。
【0018】
前記補強部は、補強テープによって構成されており、前記補強テープの接着力は、前記固定部を構成する前記接着テープの接着力よりも弱いことが望ましい。これにより、補強部及び固定部の解体作業が容易になる。
【0019】
前記光コネクタを収容する収容体を更に備え、前記収容体は前記編組チューブの内側に配置されていることが望ましい。これにより、収容体によって光コネクタを保護し、光コネクタの損傷を抑制できる。
【0020】
前記収容体は、コルゲート管を有することが望ましい。コルゲート管は引っ張り力に比較的弱いが、牽引時の引っ張り力は編組チューブにかかるため、コルゲート管の損傷を抑制できる。
【0021】
光ケーブルの光ファイバの端部に光コネクタを取り付けること、端部に牽引部が設けられる編組チューブの内側に前記光コネクタを配置すること、接着テープの繊維部材を前記光ケーブルの長手方向に沿って配置した状態で、前記接着テープによって前記光ケーブルとの間に前記編組チューブの端部を固定すること、を行う牽引端付き光ケーブルの製造方法が明らかとなる。このような製造方法によれば、編組チューブを光ケーブルに強固に固定しつつ、固定部を簡易に解体可能な牽引端付き光ケーブルを製造することができる。
【0022】
===本実施形態===
<牽引端付き光ケーブル100の構成>
図1Aは、本実施形態の牽引端付き光ケーブル100の外観説明図である。図1Bは、本実施形態の牽引端付き光ケーブル100の内部構造の説明図である。
【0023】
以下の説明では、図1Aに示すように、牽引端付き光ケーブル100の長手方向を「前後方向」とする。また、牽引端付き光ケーブル100から見て先端部の側を「前」とし、逆側を「後」とする。若しくは、前側のことを「先端側」と呼び、後側のことを「基端側」と呼ぶこともある。
【0024】
牽引端付き光ケーブル100は、端部に牽引部が設けられた光ケーブルである。図10に示すように、牽引端付き光ケーブル100の牽引部を牽引することによって、局舎の外側から局舎内に光ケーブル1を敷設することができる。牽引端付き光ケーブル100は、光ケーブル1と、端末構造体20とを有する。
【0025】
図2は、光ケーブル1の説明図である。
【0026】
光ケーブル1は、外被4の内側に多数の光ファイバ3を収容したケーブルである。光ケーブル1は、複数の光ファイバユニット2と、押え巻きテープ5と、外被4とを有する。光ファイバユニット2は、複数の光ファイバ3を束ねたユニットである。ここでは、光ファイバユニット2は、複数枚の間欠固定型光ファイバテープをバンドル材で束ねることによって構成されている。なお、本実施形態の光ケーブル1は、12本の光ファイバ3で構成された光ファイバテープ(光ファイバリボン)を288枚有しており、合計3456本の光ファイバ3を有している。但し、光ファイバテープや光ファイバ3の本数は、これに限られるものではない。複数の光ファイバユニット2は、押え巻きテープ5に巻かれた状態で外被4の内側に収容されている。外被4には、テンションメンバ6やリップコード7が埋設されている。
【0027】
光ケーブル1の口出し部から多数の光ファイバ3(光ファイバテープ)が延び出ている。本実施形態では、光ケーブル1の口出し部から288枚の光ファイバテープが延び出ている(なお、図1Bでは、簡略化のため、光ファイバテープの数は少なく描かれている)。光ファイバ3の端部には、光コネクタ10が取り付けられている。本実施形態の光コネクタ10は、24心のMPOコネクタで構成されている。このため、本実施形態の光ケーブル1には、144個の光コネクタ10が取り付けられている(なお、図1Bでは、簡略化のため、光コネクタ10の数は少なく描かれている)。光ケーブル1から口出しされた光ファイバ3(光ファイバテープ)は、保護チューブ(不図示)に挿通されている。以下の説明では、光ケーブル1の口出し部から延び出た構造体(光ケーブル1から口出しされた複数の光ファイバ3、光ファイバ3の端部に設けられた複数の光コネクタ10)を「コネクタユニット」と呼ぶことがある。
【0028】
端末構造体20は、光ケーブル1の端末に設けられる構造体である。本実施形態の端末構造体20は、牽引部20Aを有する牽引端末構造体である。また、本実施形態の端末構造体20は、コネクタユニット(光ケーブル1から口出しされた複数の光ファイバ3や、光ファイバ3の端部に設けられた複数の光コネクタ10)を収容しつつ、光ケーブル1を牽引可能な構造体である。牽引部20Aは、光ケーブル1を牽引するための部位である。端末構造体20は、編組チューブ30と、収容管40と、補強部材50と、固定部60とを有する。なお、複数の光コネクタ10(コネクタユニット)を収容する収容管40及び補強部材50のことを「収容体」と呼ぶことがある。このため、本実施形態の端末構造体20は、編組チューブ30と、収容体(収容管40及び補強部材50)と、固定部60とを有する。
【0029】
編組チューブ30は、繊維部材をチューブ状に編み込んだ部材である。言い換えると、編組チューブ30は、繊維部材がメッシュ状に編み込まれたチューブである。編組チューブ30を構成する繊維部材は、例えば、樹脂繊維や金属線(ワイヤ)である。編組チューブ30の先端には、牽引部20Aが設けられている。牽引部20Aが牽引されるときに編組チューブ30に大きな引っ張り力が作用するが、多数の繊維部材により構成された編組チューブ30は、引っ張り力に対して十分な耐久性を有する。また、編組チューブ30は、図10に示すように地下管路で屈曲可能な程度の可撓性を有する。
【0030】
編組チューブ30の内部には、収容体(収容管40及び補強部材50)が配置されている。編組チューブ30は、図10に示す地下管路の内壁面との摩擦から収容管40や補強部材50を保護する機能を有する。また、編組チューブ30の内側には、光ケーブル1の端部も収容されている。編組チューブ30の基端側の端部は、固定部60によって光ケーブル1に固定されている。編組チューブ30の先端側の端部には、牽引部20Aが設けられている。牽引部20Aは、ウインチ等の牽引装置によって牽引する部位である。牽引部20Aは、「牽引端」と呼ばれることもある。
【0031】
本実施形態の編組チューブ30は、光コネクタ10を収容した収容体(収容管40及び補強部材50)を内部に配置することによって、間接的に内部に光コネクタを配置している。但し、編組チューブ30の内側に収容体を設けずに、編組チューブ30の内側に光コネクタを直接収容しても良い。
【0032】
図3Aは、本実施形態の牽引部20Aの説明図である。本実施形態の牽引部20Aは、編組チューブ30の先端の余長部分をリング状にして構成されている。つまり、本実施形態では、牽引部20Aは、編組チューブ30と一体的に構成されている。但し、牽引部20Aは、このような構成に限られるものではない。
【0033】
図3Bは、第1変形例の牽引部20Aである。第1変形例の牽引部20Aは、リング部を有する部材(例えば金属製部材)を編組チューブ30に取り付けて構成されている。このように、牽引部20Aは、編組チューブ30とは別部材で構成されても良い。
図3Cは、第2変形例の牽引部20Aである。第2変形例の牽引部20Aは、フック部を有する部材を編組チューブ30に取り付けて構成されている。このように、牽引部20Aの形状は、リング状に限られるものではない。
【0034】
図4A及び図4Bは、編組チューブ30の特性の説明図である。編組チューブ30は、長手方向に伸縮可能なチューブである。編組チューブ30を長手方向に伸縮させると、繊維部材同士の交差角度が変化して、チューブの径が変化する。具体的には、編組チューブ30を長手方向に収縮させると、編組チューブ30の径が大きくなる(図4A参照)。また、編組チューブ30を長手方向に伸長させると、編組チューブ30の径が小さくなる(図4B参照)。このため、図4Bに示すように、編組チューブ30は、引っ張り力が作用したときに、径が小さくなる性質を有する。なお、編組チューブ30のこのような特性を実現するために、編組チューブ30を構成する繊維部材は、長手方向に対して斜めに配置されている。
【0035】
収容管40は、光コネクタ10を収容する筒状(チューブ状)の部材である。本実施形態の収容管40は、光ケーブル1の口出し部から延び出たコネクタユニット(複数の光ファイバ3や光コネクタ10)を収容する。収容管40は、コネクタユニットを保護する機能を有する。本実施形態では、収容管40は、コルゲート管で構成されている。但し、収容管40は、図10に示すように地下管路で屈曲可能な程度の可撓性を有するのであれば、コルゲート管とは異なる管でも良い。収容管40は、編組チューブ30の内側に配置されている。
【0036】
コルゲート管で構成された収容管40は、引っ張り力に比較的弱い。但し、本実施形態では、牽引時の引っ張り力は、直接的には編組チューブ30にかかり、収容管40には直接作用しない。このため、本実施形態では、引っ張り力が収容管40に作用することによる収容管40の破壊を抑制できる。
【0037】
補強部材50は、収容管40の端部を補強する部材である。なお、牽引部20Aが牽引されるときに、編組チューブ30に引っ張り力が作用して編組チューブ30の径が収縮し、収容管40が編組チューブ30から径方向内側に向かう圧縮力を受け、この結果、収容管40の端部が変形するおそれがある。このような収容管40の端部の変形を抑制するために、収容管40の端部に補強部材50が設けられている。
【0038】
補強部材50は、前部材51と、後部材52とを有する。前部材51は、複数の光コネクタ10を収容する収容体の前部を構成する部材である。前部材51は、収容管40の前縁と嵌合することによって、収容管40の内部空間を防水するとともに、収容管40の前縁を補強している。後部材52は、収容体の後部を構成する部材である。後部材52は、収容管40の基端側(後側)の端部に取り付けられる部材であり、収容管40を光ケーブル1に固定する部材である。後部材52は、収容管40の後縁と嵌合することによって、収容管40の内部空間を防水するとともに、収容管40の後縁を補強している。
【0039】
固定部60は、編組チューブ30の端部(基端側の端部;牽引部20Aの側とは逆側の端部)を光ケーブル1に固定する部位である。牽引部20Aが牽引されると、編組チューブ30を介して固定部60に牽引力がかかることになる。固定部60は、光ケーブル1の外周に設けられ、編組チューブ30の端部(基端側の端部)を光ケーブル1に引き留める機能を有する。
【0040】
図5Aは、固定部60の断面図である。図5Aでは、説明のため、固定部60を断面にして示している。図5Bは、固定部60を構成する固定用テープ60Aの断面図である。図5Bは、図5Aの点線の領域の拡大断面図である。図6は、固定部60を構成する固定用テープ60Aを光ケーブル1から展開した様子の説明図である。
【0041】
本実施形態の固定部60は、編組チューブ30の端部を光ケーブル1に固定するように固定用テープ60Aを巻き回すことによって構成されている。言い換えると、固定部60は、編組チューブ30の端部を挟み込むように光ケーブル1の外周に巻き回した固定用テープ60Aによって構成されている。本実施形態の固定用テープ60Aは、繊維部材62を有する接着テープである。固定用テープ60Aは、背面層61及び繊維部材62を有する基材と、接着層Lとを有する。言い換えると、本実施形態の固定用テープ60Aは、繊維部材62を含む基材と、接着層Lとを有する。固定用テープ60Aは、例えばダクトテープと呼ばれる繊維強化接着テープであり、繊維に沿った方向に手で引き裂くことが可能なテープである。
【0042】
背面層61は、基材を構成する部材である。背面層61は、固定部60の表面を構成することになる。背面層61の一方の主面には接着層L(及び繊維部材62)が設けられており、逆側の主面は平滑に構成されている。つまり、固定用テープ60Aは、片面接着テープである。背面層61は、接着層L及び繊維部材62を覆う部材である。背面層61の主面に沿って、接着層L及び繊維部材62が設けられている。
【0043】
繊維部材62は、背面層61の主面に沿って設けられた繊維状の部材である。本実施形態の繊維部材62は、格子状に構成されている。ここでは、固定用テープ60Aの長手方向に沿った複数の第1繊維部材62Aと、固定用テープ60Aの幅方向に沿った複数の第2繊維部材62Bとが格子状に配置されている。第1繊維部材62A及び第2繊維部材62Bは、単独の繊維で構成されても良いし、複数の繊維の束で構成されても良い。格子状に構成された繊維部材62の空隙には接着剤が充填されている。言い換えると、繊維部材62は、接着層Lに埋設されている。但し、繊維部材62の一部が接着層Lの外側に配置されても良い。
【0044】
接着層Lは、接着剤の塗布された層である。本実施形態では、接着層Lを光ケーブル1側に向けて、編組チューブ30を挟むように光ケーブル1の外周に固定用テープ60Aを巻き回すことによって、編組チューブ30の端部を光ケーブル1に固定する。接着層Lによって、編組チューブ30が背面層61と光ケーブルとの間で接着固定されることになる。また、本実施形態では、接着層Lによって、背面層61と光ケーブルとの間に、編組チューブ30の繊維部材と、固定用テープ60Aの繊維部材62とが接着されることになる。
【0045】
ところで、本実施形態の固定用テープ60Aは、繊維に沿った方向に手で引き裂くことが可能なテープ(例えばダクトテープ)である。つまり、固定用テープ60Aは、主面に垂直な方向の剪断力に対しては、繊維に沿って裂け易い性質を有する。一方、固定用テープ60Aは、繊維に平行な方向(主面に平行な方向)の引っ張り力に対しては、高い耐久性を有する。本実施形態の固定部60は、固定用テープ60Aのこの性質を利用して、次に説明するように、編組チューブ30の強固な固定を実現しつつ、簡易な解体を実現している。
【0046】
本実施形態では、図5Bに示すように、固定部60の繊維部材62が光ケーブル1の長手方向に沿って配置されている。本実施形態では、固定部60の第1繊維部材62Aが、光ケーブルの長手方向に沿って配置されている。但し、固定部60の第2繊維部材62Bが、光ケーブルの長手方向に沿って配置されても良い。第1繊維部材62A及び第2繊維部材62Bの少なくとも一方が光ケーブルの長手方向に沿って配置されることによって、本実施形態では、牽引部20Aが牽引されたときに編組チューブ30を介して固定部60に牽引力が付与されても、固定部60には、繊維に平行な方向(主面に平行な方向)に沿った牽引力がかかるため、牽引力によって固定部60が損傷することを抑制できる。つまり、本実施形態では、固定部60の繊維部材62が光ケーブル1の長手方向に沿って配置されることによって、牽引力(引っ張り力)に対する固定部60の耐久性を向上させている。
【0047】
加えて、本実施形態では、接着層Lに埋設された繊維部材62が光ケーブルの長手方向に沿って配置されているため、編組チューブ30の繊維部材(図4A及び図4Bに示すように光ケーブル1の長手方向に対して斜めに配置された繊維部材)は、固定用テープ60Aの繊維部材62(光ケーブル1の長手方向に沿って配置された繊維部材62)に対して接着された状態になる。これにより、編組チューブ30の繊維部材は、固定用テープ60Aの繊維部材62によって、交差角度が変化することが抑制され、動き難くなる。この結果、編組チューブ30が固定部60から外れ難くなる。
【0048】
すなわち、本実施形態では、固定部60の繊維部材62が光ケーブル1の長手方向に沿って配置されることによって、牽引力(引っ張り力)に対する固定部60の耐久性を向上させる効果と、固定部60と光ケーブル1との間で編組チューブ30の繊維部材の動きを抑制して編組チューブ30を外れ難くする効果とを得ることができる。これらの2つの効果は、編組チューブ30の端部(基端側の端部)を光ケーブル1に引き留めることに寄与する効果である。すなわち、本実施形態では、固定部60の繊維部材62が光ケーブルの長手方向に沿って配置されることによって、編組チューブ30の端部(基端側の端部)を光ケーブル1に引き留める機能が相乗的に向上する。
【0049】
なお、仮に繊維部材62の無い接着テープで編組チューブ30の端部を光ケーブル1に固定した場合、その接着テープは引っ張り力に比較的弱いため、牽引時に接着テープが破損するおそれがあり、編組チューブ30を光ケーブル1に引き留めることができないおそれがある。また、仮に繊維部材62の無い接着テープで編組チューブ30の端部を光ケーブル1に固定した場合、牽引時に編組チューブ30の繊維部材が固定部60と光ケーブル1との間で図4A及び図4Bに示すように動いてしまい、この結果、編組チューブ30が固定部60から外れてしまい、編組チューブ30を光ケーブル1に引き留めることができないおそれがある。
【0050】
牽引時に編組チューブ30の繊維部材が固定部60と光ケーブル1との間で動かないようにするために、強力な接着層を有する接着テープを用いることが考えられる。但し、仮に強力な接着層を有する接着テープを用いた場合には、牽引端付き光ケーブル100の解体作業時に(光コネクタ10を収容体から取り出す際に)、固定部60を光ケーブル1から外し難くなってしまう。これに対し、本実施形態では、固定部60の繊維部材62が光ケーブルの長手方向に沿って配置されることによって、編組チューブ30の端部(基端側の端部)を光ケーブル1に引き留める機能が相乗的に向上するため、接着層Lの接着力を比較的抑制できるため、牽引端付き光ケーブル100の解体作業時に固定部60を外し易く構成できる。加えて、本実施形態の固定用テープ60Aは、主面に垂直な方向の剪断力に対しては繊維に沿って裂け易い性質を有しており、繊維に沿った方向に手で引き裂き易いテープで構成されている。すなわち、本実施形態では、接着層Lの接着力を比較的抑制できることと、繊維に沿った方向に手で引き裂き易いこととが相乗的に作用して、固定部60の解体性を相乗的に向上させることが可能である。
【0051】
上記の通り、本実施形態の固定部60は、繊維部材62を有する固定用テープ60A(接着テープ)で構成されており、固定部60は、繊維部材62を光ケーブルの長手方向に沿って配置した状態で、光ケーブルとの間に編組チューブ30の端部を固定している。これにより、本実施形態の固定部60は、編組チューブ30の強固な固定を実現しつつ、簡易な解体を可能にしている。
【0052】
また、本実施形態では、固定部60の端部に非接着部63が形成されている。固定部60の端部に非接着部63を設けることにより、牽引端付き光ケーブル100の解体作業時に(光コネクタ10を収容体から取り出す際に)、作業者が非接着部63を摘まみ上げることによって、繊維に沿った方向に固定部60を引き裂き易くなる。但し、固定部60の端部に非接着部63を形成しなくても良い。
【0053】
加えて、本実施形態では、非接着部63は、固定用テープ60Aを折り返すことによって構成されている。これにより、非接着部63を簡易に形成できる。また、本実施形態では、非接着部63は、基端側に設けられている。仮に固定用テープ60Aを折り返した非接着部63が先端側に設けられると、先端側では編組チューブ30が挟み込まれているため、固定部60の先端側が太くなってしまう。これに対し、固定部60の基端側には編組チューブ30は挟み込まれていないため、固定用テープ60Aが折り返された非接着部63が配置されても、固定部60が太くなることを抑制できる。
【0054】
図7A及び図7Bは、補強部70の説明図である。図7Aは、補強部70を形成する前の様子の説明図である。図7Bは、補強部70を形成した後の様子の説明図である。説明のため、図7Aでは、固定部60を断面で示しており、図7Bでは、補強部70(補強テープ70A)を透過させて記載している。
【0055】
改良例では、固定部60の上に、補強部70が形成されている。補強部70は、補強テープ70Aが巻き回されることによって構成されている。補強部70は、少なくとも非接着部63の長手方向の前後を覆う範囲に設けられている。これにより、非接着部63が外力によって捲り上がることを抑制でき、固定部60が外力によって損傷することを抑制できる。また、本実施形態では、補強部70は、固定部60の長手方向の前後を覆う範囲に設けられている。これにより、固定部60の全体が補強部70によって覆われるため、固定部60を補強することができる。但し、補強部70は、固定部60の一部の範囲を覆うように設けられても良い。また、補強部70は、非接着部63の基端側の端部を覆う程度の範囲に設けられても良い。また、図7Aに示すように、補強部70を形成せずに、固定部60が露出されていても良い。
【0056】
補強テープ70Aの接着力は、固定用テープ60Aの接着力よりも弱い。これにより、補強部70及び固定部60を解体する作業が容易になる。なお、補強テープ70Aは、固定部60(特に非接着部63)の補強が目的であり、編組チューブ30の引き留めを目的としていないため、補強テープ70Aの接着力が弱いことは許容されている。例えば、本実施形態では、補強テープ70Aの接着力10N/25mmであり、固定用テープ60Aの接着力は13.25N/25mmであり、補強テープ70Aの接着力は、固定用テープ60Aの接着力よりも弱い。
【0057】
また、補強テープ70Aの引張強度は、固定用テープ60Aの引張強度よりも弱い。補強テープ70Aは、編組チューブ30の引き留めを目的としていないため、補強テープ70Aの引張強度が弱いことは許容されている。例えば、本実施形態では、補強テープ70Aの引張強度は19N/cmであり、固定用テープ60Aの引張強度は47N/cmであり、補強テープ70Aの引張強度は、固定用テープ60Aの引張強度よりも弱い。
【0058】
上記の通り、本実施形態の牽引端付き光ケーブル100は、光ファイバ3の端部に光コネクタ10が取り付けられている光ケーブル1と、光コネクタ10を内側に配置した編組チューブ30と、編組チューブ30の端部(牽引部20Aの側とは反対側の端部)を光ケーブル1に固定する固定部60とを備えている。本実施形態では、固定部60は、繊維部材62を有する固定用テープ60A(接着テープの一例)によって構成されており、固定部60は、繊維部材62を光ケーブルの長手方向に沿って配置した状態で、光ケーブル1との間に編組チューブ30の端部を固定している。これにより、編組チューブ30の強固な固定を実現しつつ、固定部60を簡易に解体可能にしている。
【0059】
<牽引端付き光ケーブル100の製造方法>
図8は、本実施形態の牽引端付き光ケーブル100の製造方法のフロー図である。図9A図9Eは、本実施形態の牽引端付き光ケーブル100の製造の様子の説明図である。
【0060】
まず、作業者は、本実施形態の端末構造体20を準備する(S101)。具体的には、作業者は、前述の編組チューブ30と、収容体(収容管40及び補強部材50)とを準備する。
【0061】
次に、作業者は、光ケーブル1から光ファイバ3を口出しする(S102)。また、図9Aに示すように、作業者は、光ケーブル1から口出しされた光ファイバ3の端部に光コネクタ10を取り付ける(S103)。なお、必要に応じて、作業者は、光ケーブル1から口出しされた光ファイバ3(光ファイバテープ)に保護チューブ(不図示)を挿通し、光ファイバ3を保護する。
【0062】
次に、作業者は、収容体を組み立てて、光コネクタ10を収容体に収容する(S104;図9B参照)。具体的には、作業者は、光ケーブル1の口出し部1Aに後部材52を取り付けるとともに、後部材52に収容管40(及び前部材51)を取り付ける。このとき、作業者は、光ケーブル1から口出しされた光ファイバ3や、光ファイバ3の端部に設けられた光コネクタ10が、収容管40の内側に収容されるように、収容管40を取り付ける。
【0063】
次に、作業者は、収容体(収容管40及び補強部材50)を編組チューブ30に収容する(S105)。このとき、図9Cに示すように、作業者は、収容管40と補強部材50の前側から編組チューブ30を被せることによって、編組チューブ30の内側に収容管40と補強部材50を配置させる。これにより、編組チューブ30の内側に光コネクタ10が間接的に配置されることになる。なお、収容体を設けずに編組チューブ30の内側に光コネクタ10を配置する場合、光コネクタ10が編組チューブ30の網目に引っ掛かるため、編組チューブ30を光コネクタ10(コネクタユニット)に被せる作業が困難になる。これに対し、本実施形態では、光コネクタ10を収容した収容体に編組チューブ30を被せるため、編組チューブ30を被せる作業は容易である。
【0064】
次に、作業者は、編組チューブ30の端部を固定用テープ60Aで固定し、固定部60を形成する(S106;図9D参照)。作業者は、長方形状に切り出した固定用テープ60A(ダクトテープ)の繊維部材62が光ケーブル1の長手方向に沿うように、光ケーブル1との間に編組チューブ30の端部を挟み込ませて固定用テープ60Aを巻き回す。このとき、図9Dに示すように、作業者は、固定用テープ60Aの端部を折り返して非接着部63を形成した上で、固定用テープ60Aを巻き回すことが望ましい。なお、作業者は、非接着部63を形成した後、非接着部63を摘まみながら固定用テープ60Aを巻き回せば、手に固定用テープ60Aが付着することを抑制できるため、固定部60を形成する作業が容易になる。この段階で、固定部60が形成され、編組チューブ30の端部が光ケーブル1に固定される。また、この段階で、本実施形態の牽引端付き光ケーブル100が製造されることになる。但し、ここでは、更に補強部70を形成する。
【0065】
最後の、作業者は、固定部60の上に更に補強テープ70Aを巻き回し、補強部70を形成する(S107;図9E参照)。補強部70を形成することにより、固定部60が補強される。これにより、牽引端付き光ケーブル100の製造が完了する。
【0066】
上記の通り、本実施形態の製造方法は、光ケーブル1の光ファイバ3の端部に光コネクタ10を取り付ける工程(S103)と、端部に牽引部20Aが設けられる編組チューブ30の内側に光コネクタ10を配置する工程(S105)と、固定用テープ60A(接着テープの一例)の繊維部材62を光ケーブル1の長手方向に沿って配置した状態で、固定用テープ60Aによって光ケーブル1との間に編組チューブ30の端部を固定する工程(S106)とを行う。これにより、編組チューブ30を光ケーブル1に強固に固定しつつ、固定部60を簡易に解体可能な牽引端付き光ケーブル100を製造することができる。
【0067】
===その他の実施形態===
上記の実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更・改良され得ると共に、本発明には、その等価物が含まれることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0068】
1 光ケーブル、1A 口出し部、
2 光ファイバユニット、3 光ファイバ、
4 外被、5 押え巻きテープ、
6 テンションメンバ、7 リップコード、
10 光コネクタ、20 端末構造体(牽引端末構造体)、
20A 牽引部、30 編組チューブ、
40 収容管、50 補強部材、
51 前部材、52 後部材、
60 固定部、60A 固定用テープ(ダクトテープ)、
61 背面層、62 繊維部材、
62A 第1繊維部材、62B 第2繊維部材、
63 非接着部、
70 補強部、70A 補強テープ、
100 牽引端付き光ケーブル、
L 接着層
図1
図2
図3
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図5
図6
図7
図8
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図10