(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-13
(45)【発行日】2023-12-21
(54)【発明の名称】ピラゾール化合物及びその調製
(51)【国際特許分類】
C07D 401/12 20060101AFI20231214BHJP
C07D 231/18 20060101ALI20231214BHJP
【FI】
C07D401/12 CSP
C07D231/18
(21)【出願番号】P 2020541983
(86)(22)【出願日】2019-02-01
(86)【国際出願番号】 IN2019050076
(87)【国際公開番号】W WO2019150392
(87)【国際公開日】2019-08-08
【審査請求日】2022-01-19
(31)【優先権主張番号】201811003855
(32)【優先日】2018-02-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IN
(31)【優先権主張番号】201811003859
(32)【優先日】2018-02-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IN
(31)【優先権主張番号】201711042921
(32)【優先日】2018-05-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IN
(73)【特許権者】
【識別番号】515352869
【氏名又は名称】マイオカーディア,インク
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100150500
【氏名又は名称】森本 靖
(74)【代理人】
【識別番号】100176474
【氏名又は名称】秋山 信彦
(72)【発明者】
【氏名】スニル・シャルマ
(72)【発明者】
【氏名】ディネシュ・ジャンギド
(72)【発明者】
【氏名】プリヤンカー・ダッカ
(72)【発明者】
【氏名】シッダート・マドワル
(72)【発明者】
【氏名】バラト・クマール
(72)【発明者】
【氏名】カピル・クマール
(72)【発明者】
【氏名】ラジープ・アナンド
(72)【発明者】
【氏名】アヌラグ・ジャイン
【審査官】高橋 直子
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2018/191283(WO,A1)
【文献】国際公開第2018/132372(WO,A1)
【文献】国際公開第2012/166415(WO,A1)
【文献】特開2007-284386(JP,A)
【文献】国際公開第2016/118774(WO,A1)
【文献】REGISTRY(STN)[online],検索日2023年5月8日:2016年 1月31日RN:1856047-69-2
【文献】REGISTRY(STN)[online],検索日2023年1月16日:2017年 7月27日RN:2104044-77-9, 2017年 7月27日RN:2104044-77-9, 2013年12月18日RN:1497942-42-3, 2013年12月12日RN:1493355-09-1, 2013年11月29日RN:1483601-89-3, 2013年11月26日RN:1481670-85-2, 2013年11月24日RN:1479559-89-1, 2013年11月 3日RN:1468599-50-9, 2013年10月30日RN:1465992-88-4, 2013年10月28日RN:1465207-27-5, 2012年 3月15日RN:1361004-09-2, 2011年11月10日RN:1343840-74-3, 2011年11月 8日RN:1342785-14-1,
【文献】REGISTRY(STN)[online],検索日2023年1月16日:2010年 3月19日RN:1211751-27-7
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07D 401/12
C07D 231/18
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
式IIの化合物
【化1】
式II
R
2は、F、C
1-C
4アルキル、またはC
1-C
4ハロアルキルであり、
R
3は、H、F、C
1-C
4アルキル、またはC
1-C
4ハロアルキルであり、R
4は、C
1-C
4アルキルであり、R
6は、Hまたは保護基もしくはその塩であり、R
7は、H、Clまたはトリアルキルシリルである;
の調製のためのプロセスであって:
a)式VIIの化合物を塩基、触媒及び還元剤の存在下で元素硫黄と反応させて、式VIの化合物;
【化2】
式VII 式VI
式中、R
3、R
4及びR
7は、上記に定義されている通りであり、及びL
1は、脱離基である;
を得るステップ;
b)前記式VIの化合物を式VIIIの化合物と反応させて式Vの化合物;
【化3】
式VIII 式V
式中、L
2は、脱離基であり、及びR
3、R
4、R
6及びR
7は、上記に定義されている通りである;
を得るステップ;ならびに
c)前記式Vの化合物を前記式IIの化合物に変換するステップ;
を含む、前記プロセス。
【請求項2】
式IIの化合物
【化4】
式II
R
2は、F、C
1-C
4アルキル、またはC
1-C
4ハロアルキルであり、R
3は、H、F、C
1-C
4アルキル、またはC
1-C
4ハロアルキルであり、R
4は、C
1-C
4アルキルであり、R
6は、Hまたは保護基もしくはその塩であり;R
7は、H、Clまたはトリアルキルシリルである;
の調製のためのプロセスであって:
a)式VIIの化合物を塩基及び溶媒の存在下で元素硫黄と反応させて式VIBの化合物
【化5】
式VII 式VIB
R
3、R
4及びR
7は、上記に定義されている通りであり、及びL
1は、脱離基から選択され、nは、2~8である;
を得るステップ;
b)前記式VIBの化合物を式VIIIの化合物と反応させて、式Vの化合物;
【化6】
式VIII 式V
式中、R
6は、上記に定義されている通りであり、及びL
2は、脱離基である;
を得るステップ;ならびに
c)前記式Vの化合物を前記式IIの化合物に変換するステップ;
を含む、前記プロセス。
【請求項3】
式IIの化合物
【化7】
式II
式中、R
2は、F、C
1-C
4アルキル、またはC
1-C
4ハロアルキルであり、R
3は、H、F、C
1-C
4アルキル、またはC
1-C
4ハロアルキルであり、R
4は、C
1-C
4アルキルであり、R
6は、Hまたは保護基もしくはその塩であり、R
7は、H、Clまたはトリアルキルシリルである;
の調製のためのプロセスであって:
a)式Vの化合物をフッ素化して式IVの化合物;
【化8】
式V 式IV
を得るステップ;
b)前記式IVの化合物を酸化して式IIIの化合物
【化9】
式III
を得るステップ;及び
c)前記式IIIの化合物を前記式IIの化合物に変換するステップ;
を含む、前記プロセス。
【請求項4】
前記フッ素化及び酸化のステップが、前記式IVの化合物を単離することなく実施される、請求項3に記載のプロセス。
【請求項5】
式IVの化合物
【化10】
式IV
式中、R
3は、H、F、C
1-C
4アルキル、またはC
1-C
4ハロアルキルであり、R
4は、C
1-C
4アルキルであり、R
6は、Hまたは保護基もしくはその塩であり、R
7は、H、Clまたはトリアルキルシリルである;
の調製のためのプロセスであって
式Vの化合物
【化11】
式V
式中、R
3、R
4、R
6及びR
7は、上記に定義されている通りである;
をフッ素化して、式IVの化合物を得るステップを含む、前記プロセス。
【請求項6】
式IIIの化合物
【化12】
式III
式中、R
3は、H、F、C
1-C
4アルキル、またはC
1-C
4ハロアルキルであり、R
4は、C
1-C
4アルキルであり、R
6は、Hまたは保護基もしくはその塩であり、R
7は、H、Clまたはトリアルキルシリルである;
の調製のためのプロセスであって
式IVの化合物
【化13】
式IV
式中、R
3、R
4、R
6及びR
7は、上記に定義されている通りである;
を酸化して、式IIIの化合物を得るステップを含む、前記プロセス。
【請求項7】
式IVの化合物
【化14】
式IV
式中、R
3は、H、F、C
1-C
4アルキル、またはC
1-C
4ハロアルキルであり、R
4は、C
1-C
4アルキルであり、R
6は、Hまたは保護基もしくはその塩であり、R
7は、H、Clまたはトリアルキルシリルである。
【請求項8】
式VIBの化合物
【化15】
式VIB
式中、R
3は、F、C
1-C
4アルキル、またはC
1-C
4ハロアルキルであり、R
4は、C
1-C
4アルキルであり、R
7は、H、Clまたはトリアルキルシリルであり、nは、2~8である。
【請求項9】
前記塩基が、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸セシウム、重炭酸カリウム、重炭酸ナトリウム及び重炭酸セシウムからなる群から選択される、請求項1及び2のいずれか1つに記載のプロセス。
【請求項10】
前記触媒が、銅粉末、塩化銅、臭化銅、及びヨウ化銅からなる群から選択される、請求項1及び2のいずれか1つに記載のプロセス。
【請求項11】
還元剤が、亜鉛/酢酸、亜鉛/アルコール性水酸化カリウム、水素化ホウ素ナトリウム、水素化ホウ素カリウム、水素化アルミニウムリチウム、トリフェニルホスフィン/HCl、及びトリス(2-カルボキシエチル)ホスフィン、及びボランからなる群から選択される、請求項1に記載のプロセス。
【請求項12】
前記フッ素化のステップが、1-フルオロピリジニウムトリフレート、1-フルオロピリジニウムテトラフルオロボレート、1-フルオロ-2,4,6-トリメチルピリジニウムテトラフルオロボレート、1-フルオロ-2,4,6-トリメチルピリジニウムトリフレート、1-フルオロ-2,6-ジクロロピリジニウムトリフレート、2,6-ジクロロ-1-フルオロピリジニウムテトラフルオロボレート、1-フルオロ-4-メチルピリジニウムトリフレート、及び1-フルオロ-4-メチルピリジニウムテトラフルオロボレートからなる群から選択されるフッ素化剤の存在下で実施される、請求項3~5のいずれか1つに記載のプロセス。
【請求項13】
前記酸化のステップが、過酸化水素/タングステン酸ナトリウム、過酢酸、ベンジルヒドロペルオキシド、エチルベンゼンヒドロペルオキシド、クミルヒドロペルオキシド、次亜塩素酸ナトリウム、シュウ酸二水和物/過酸化水素、メタ-クロロ過安息香酸、ウレア-過酸化水素付加物、過マンガン酸塩/二酸化マンガン、塩化ルテニウム水和物/過ヨウ素酸ナトリウム及びオキソンからなる群から選択される酸化剤の存在下で実施される、請求項3、4、及び6のいずれか1つに記載のプロセス。
【請求項14】
前記式IIIの化合物を式IIの化合物に変換する前記ステップc)が、水素化ナトリウム、水素化カリウム、ナトリウムエトキシド、ナトリウムメトキシド、リチウムtert-ブトキシド、ナトリウムtert-ブトキシド、カリウムtert-ブトキシド、トリエチルアミン、n-ブチルアミン、t-ブチルアミン、ピリジン、メチルリチウム、n-ブチルリチウム、リチウムジイソプロピルアミド、リチウム2,2,6,6-テトラメチルピペリジン、ナトリウムビス(トリメチルシリル)アミド、リチウムビス(トリメチルシリル)アミド、カリウムビス(トリメチルシリル)アミド、及びリチウムジエチルアミドからなる群から選択される塩基の存在下、ブロモアルカン、クロロアルカン、ヨードアルカン、ジアゾアルカン、ジアルキルカーボネート、及びジアルキルスルホネートからなる群から選択されるアルキル化剤を使用して実施される、請求項3に記載のプロセス。
【請求項15】
3-(ジフルオロメチル)-4-ヨード-1-メチル-1H-ピラゾールの調製のためのプロセスであって:
a)3-(ジフルオロメチル)-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボン酸を脱炭酸して、3-(ジフルオロメチル)-1-メチル-1H-ピラゾールを形成するステップ;ならびに
b)3-(ジフルオロメチル)-1-メチル-1H-ピラゾールをヨウ素化して、3-(ジフルオロメチル)-4-ヨード-1-メチル-1H-ピラゾールを形成するステップ;
を含
み、
ステップa)が、極性非プロトン性溶媒中、脂肪族アミンの存在下で、Cu粉末及びCu
2
Oを使用して行われ;および
ステップb)が、酢酸及び硫酸の存在下、ヨウ素及びヨウ化カリウムを使用して行われる、前記プロセス。
【請求項16】
脂肪族アミンが、メチルアミン、エチルアミン、トリエチルアミン、ジエチルメチルアミン、イソプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、ジイソプロピルメチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、n-ブチルアミン、第3級ブチルアミン、及びトリブチルアミン、またはその任意の組み合わせからなる群から選択される、請求項
15に記載のプロセス。
【請求項17】
R
3
が、ジフルオロメチルである、請求項7に記載の化合物。
【請求項18】
R
4
が、メチルである、請求項7に記載の化合物。
【請求項19】
R
7
が、HまたはClである、請求項7に記載の化合物。
【請求項20】
式IVA
【化16】
式IVA
で示される、請求項7に記載の化合物。
【請求項21】
化合物が、4-[{[3-(ジフルオロメチル)-1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル]スルファニル}(フルオロ)メチル]ピペリジン-1-カルボン酸tert-ブチルである、請求項20に記載の化合物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、拡張型心筋症(DCM)の処置に有用な置換ピペリジンウレア化合物の調製のための中間体として使用され得る、式IIの置換ピラゾール化合物の調製のためのプロセスを提供する。
【化1】
式II
R
2は、F、C
1-C
4アルキル、C
1-C
4ハロアルキルから独立して選択され;R
3は、H、F、C
1-C
4アルキル、C
1-C
4ハロアルキルから独立して選択され、
R
4は、C
1-C
4アルキルであり、R
6は、Hまたは保護基もしくはその塩であり
R
7は、H、Clまたはトリアルキルシリルから選択される。
【背景技術】
【0002】
式Iの4-メチルスルホニル置換ピペリジンウレア化合物
【化2】
式I
式中、R
1は、少なくとも1つの窒素原子を有する5~6員のヘテロアリール環であり、ハロ、シアノ、ヒドロキシル、C
1-C
4アルキル、C
1-C
4ハロアルキル、及びC
1-C
4アルコキシから選択される1以上によって任意選択的に置換されている
は、心不全ならびに重篤な合併症、例えば、脳卒中、不整脈、及び突然心臓死を引き起こす疾患である拡張型心筋症(DCM)の処置のために開発中である。
【0003】
WO2016/118774は、強く高価な試薬であり、また、4-メチルスルホニル置換ピペリジンウレア化合物の商業的スケールアップで実行可能でない、N-フルオロジベンゼンスルホンイミド、(NFSI)、三フッ化ジエチルアミノ硫黄、リチオ化化合物のような試薬を使用する4-メチルスルホニル置換ピペリジンウレア化合物の調製を開示している。
【0004】
式Iの4-メチルスルホニル置換ピペリジンウレア化合物の調製のためのこれらの試薬を置き替えることが当該分野において必要とされている。本発明は、式Iの化合物の調製のための中間体として使用され得る、式IIの置換ピラゾール化合物の調製のためのプロセスを提供する。
【発明の概要】
【0005】
本発明は、拡張型心筋症(DCM)の処置に有用な置換ピペリジンウレア化合物の調製のための中間体として使用され得る、式IIの置換ピラゾール化合物
【化3】
式II
R
2は、F、C
1-C
4アルキル、C
1-C
4ハロアルキルから独立して選択され;R
3は、H、F、C
1-C
4アルキル、C
1-C
4ハロアルキルから独立して選択され、
R
4は、C
1-C
4アルキルであり、R
6は、Hまたは保護基もしくはその塩であり、
R
7は、H、Clまたはトリアルキルシリルから選択される
の調製のためのプロセスを提供する。
【0006】
ある態様において、本発明は、式IIの化合物
【化4】
式II
R
2は、F、C
1-C
4アルキル、C
1-C
4ハロアルキルから独立して選択され、R
3は、H、F、C
1-C
4アルキル、C
1-C
4ハロアルキルから独立して選択され、
R
4は、C
1-C
4アルキルであり、R
6は、Hまたは保護基もしくはその塩であり、R
7は、H、Clまたはトリアルキルシリルから選択される基である;
の調製のためのプロセスであって:
a)式VIIの化合物を塩基、触媒及び還元剤の存在下で元素硫黄と反応させて、式VIの化合物;
【化5】
式VII 式VI
式中、R
3、R
4及びR
7は、上記に定義されている通りであり、L
1は、脱離基である
を得るステップ;
b)式VIの化合物を式VIIIの化合物と反応させて式Vの化合物;
【化6】
式VIII 式V
式中、L
2は、脱離基であり;R
6は、上記に定義されている通りである;
を得るステップ;ならびに
c)式Vの化合物を式IIの化合物に変換するステップ
を含む、上記プロセスを提供する。
【0007】
別の態様において、本発明は、式IIの化合物
【化7】
式II
R
2は、F、C
1-C
4アルキル、C
1-C
4ハロアルキルから独立して選択され;R
3は、H、F、C
1-C
4アルキル、C
1-C
4ハロアルキルから独立して選択され、R
4は、C
1-C
4アルキルであり、R
6は、Hまたは保護基もしくはその塩であり、R
7は、H、Clまたはトリアルキルシリルから選択される;
の調製のためのプロセスであって:
a)式VIIの化合物を塩基及び触媒の存在下で元素硫黄と反応させて、式VIBの化合物
【化8】
式VII 式VIB
式中、R
3及びR
4は、上記に定義されている通りであり、nは、2~8であり;L
1は、脱離基から選択される;
を得るステップ;
b)式VIBの化合物を式VIIIの化合物と反応させて、式Vの化合物
【化9】
式VIII 式V
式中、L
2は、脱離基である;
を得るステップ;ならびに
c)式Vの化合物を式IIの化合物に変換するステップ
を含む、上記プロセスを提供する。
【0008】
別の態様において、本発明は、式IIの化合物
【化10】
式II
式中、R
2、R
3、R
4、R
6及びR
7は、上記に定義されている通りである;
の調製のためのプロセスであって:
a)式Vの化合物をフッ素化して式IVの化合物;
【化11】
式V 式IV
を得るステップ;
b)式IVの化合物を酸化して式IIIの化合物
【化12】
式III
を得るステップ;ならびに
c)式IIIの化合物を式IIの化合物に変換するステップ
を含む、上記プロセスを提供する。
【0009】
別の態様において、本発明は、式IIの化合物の調製のためのプロセスであって、フッ素化のステップ及び酸化のステップが、式IVの化合物を単離することなく実施される、上記プロセスを提供する。
【0010】
別の態様において、本発明は、式IVの化合物
【化13】
式IV
の調製のためのプロセスであって:
a)式Vの化合物
【化14】
式V
をフッ素化して式IVの化合物を得るステップ
式中、R
3、R
4、R
6及びR
7は、上記に定義されている通りである
を含む、上記プロセスを提供する。
【0011】
別の態様において、本発明は、式IIIの化合物
【化15】
式III
の調製のためのプロセス:
a)式IVの化合物
【化16】
式IV
を酸化して式IIIの化合物を得るステップ;
式中、R
3、R
4、R
6及びR
7は、上記に定義されている通りである;
を含む、上記プロセスを提供する。
【0012】
別の態様において、本発明は、式VIの化合物
【化17】
式VI
式中、R
3、R
4、R
7及びL
1は、上記に定義されている通りである
を提供する。
【0013】
別の態様において、本発明は、式Vの化合物
【化18】
式V
式中、R
3、R
4、R
6及びR
7は、上記に定義されている通りである;
の調製のためのプロセスであって:
a)式VIの化合物を式VIIIの化合物、
【化19】
式VI 式VIII
式中、R
3、R
4及びR
7は、上記に定義されている通りである;
と反応させて、式Vの化合物を得るステップ
を含む、上記プロセスを提供する。
【0014】
別の態様において、本発明は、式Vの化合物
【化20】
式V
式中、R
3、R
4、R
6及びR
7は、上記に定義されている通りである;
の調製のためのプロセスであって:
式VIBの化合物を式VIIIの化合物と反応させて、
【化21】
式VIB 式VIII
式中、nは、2~8であり;R
3、R
4及びR
7は、上記に定義されている通りである;
式Vの化合物を得るステップ
を含む、上記プロセスを提供する。
【0015】
別の態様において、本発明は、式IIの化合物
【化22】
式II
式中、R
6は、Hまたはその塩である
及びその塩を提供する。
【0016】
別の態様において、本発明は、式IIIのピラゾール化合物
【化23】
式III
式中、R
3、R
4及びR
6は、上記に定義されている通りである
を提供する。
【0017】
別の態様において、本発明は、式IVのピラゾール化合物
【化24】
式IV
式中、R
3、R
4及びR
6は、上記に定義されている通りである
を提供する。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明において、用語「C1-C4アルキル」は、メチル、エチル、イソプロピル、n-ブチル、イソ-ブチル、tert-ブチルなどを指す。
【0019】
本発明において、用語「C1-C4ハロアルキル」は、1以上のハロゲンによって置換されているアルキル基を指す。C1-C4ハロアルキルの例として、限定されないが、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、フルオロエチル、ジフルオロエチル、トリフルオロエチル、テトラフルオロエチルなどが挙げられる。
【0020】
本発明において、用語「C1-C4アルコキシ」は、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシなどを指す。
【0021】
本発明において、用語「周囲温度」は、5℃~35℃の範囲の温度を指す。
【0022】
本発明において、用語「ヘテロアリール」は、少なくとも1つの窒素原子を環員として有する5~6員のヘテロ芳香族環を指す。
【0023】
本発明において、用語「塩」は、塩酸塩、臭化水素酸塩、メシル酸塩、トシル酸塩などを指す。
【0024】
本発明において、用語「保護基」は、当該分野において使用されている基を指し、反応を分子の他方の部位において実施しながらアミノ部分をブロックする機能を果たす。アミノ保護基の例として、限定されないが、アシル、アルコキシカルボニル、アルケニルオキシカルボニル及びアラルキルオキシカルボニル基、例えば、カルボベンジルオキシ、tert-ブトキシカルボニル、トリチル、フタロイルなどが挙げられる。
【0025】
本発明において、用語「脱保護」は、保護基の除去のプロセスを指す。脱保護のステップは、当該分野において既知の手順または参照文献として含まれるProtecting Groups by Carey & Sundbergに記載されている手順によって実施される。上記ステップは、酸、例えば、塩酸、臭化水素酸、酢酸もしくはトリフルオロ酢酸、または塩基、例えば、水酸化ナトリウムもしくは水酸化カリウムを使用して実施され得る。
【0026】
本発明において、用語「脱離基」は、反応の際に置き換えられ得る原子または原子団を指す。脱離基には、限定されないが、オルガノスルホニル基、アシルオキシ基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基(例えば、エトキシカルボニルなど);ハロゲン(例えば、ヨウ素、臭素、塩素またはフッ素);アミド;アジド;イソシアナト;置換または非置換のチオレート(例えば、チオメチルまたはチオフェニル)が含まれる。脱離基の例として、メシル、トシル、ブロモ、ヨードなどが挙げられる。
【0027】
式VI/VIB/VICの化合物の形成のステップにおいて使用される触媒は、銅または鉄の塩から選択される。触媒には、塩化銅(CuCl)、臭化銅(CuBr)、ヨウ化銅(CuI)、塩化鉄(FeCl3)、臭化鉄(FeBr3)などが含まれる。
【0028】
本発明において、用語「還元剤」は、亜鉛/酢酸、亜鉛/アルコール性水酸化カリウム、水素化ホウ素ナトリウム、水素化ホウ素カリウム、水素化アルミニウムリチウム、トリフェニルホスフィン/HCl、及びトリス(2-カルボキシエチル)ホスフィン、ボラン、トリフェニルホスフィン、トリブチルホスフィン、トリス(2-カルボキシエチル)ホスフィンなどを指す。
【0029】
本発明において、用語「塩基」は、無機または有機塩基を指す。無機塩基の例として、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸セシウム、重炭酸ナトリウム、水素化ナトリウム、水素化カリウムなどが挙げられる。有機塩基の例として、ナトリウムエトキシド、ナトリウムメトキシド、リチウムtert-ブトキシド、ナトリウムtert-ブトキシド、カリウムtert-ブトキシド、トリエチルアミン、n-ブチルアミン、t-ブチルアミン、ピリジン、メチルリチウム、n-ブチルリチウム、リチウムジイソプロピルアミド、リチウム2,2,6,6-テトラメチルピペリジン、ナトリウムビス(トリメチルシリル)アミド、リチウムビス(トリメチルシリル)アミド、カリウムビス(トリメチルシリル)アミド、リチウムジエチルアミドなどが挙げられる。
【0030】
本発明におけるフッ素化のステップは、求電子的フッ素化剤の存在下で実施される。求電子的フッ素化剤の例として、N-フルオロ-o-ベンゼンジスルホンイミド、N-フルオロベンゼンスルホンイミド、1-クロロメチル-4-フルオロ-1,4-ジアゾニアビシクロ[2.2.2]オクタンビス(テトラフルオロボレート)、N-フルオロ-ピリジニウム塩、例えば、1-フルオロピリジニウムトリフレート、1-フルオロピリジニウムテトラフルオロボレート、1-フルオロ-2,4,6-トリメチルピリジニウムテトラフルオロボレート、1-フルオロ-2,4,6-トリメチルピリジニウムトリフレート、1-フルオロ-2,6-ジクロロピリジニウムトリフレート、2,6-ジクロロ-1-フルオロピリジニウムテトラフルオロボレート、2-フルオロ-1,3-ジメチルピリジニウムp-トルエンスルホネート、2-フルオロ-1-メチルピリジニウムp-トルエンスルホネート、N-フルオロ-N’-(クロロメチル)トリエチルジアミンビス(テトラフルオロボレート)が挙げられる。好ましくは、フッ素化剤は、1-フルオロピリジニウムトリフレート、1-フルオロピリジニウムテトラフルオロボレート、1-フルオロ-2,4,6-トリメチルピリジニウムテトラフルオロボレート、1-フルオロ-2,4,6-トリメチルピリジニウムトリフレート、1-フルオロ-2,6-ジクロロピリジニウムトリフレート、2,6-ジクロロ-1-フルオロピリジニウムテトラフルオロボレート、1-フルオロ-4-メチルピリジニウムトリフレート、1-フルオロ-4-メチルピリジニウムテトラフルオロボレートからなる群から選択される。
【0031】
酸化のステップは、任意選択的に触媒の存在下でオキシダントを使用して実施されて、スルフィドをスルホンに酸化する。オキシダントの例として、任意選択的に触媒、例えば、モリブデン酸アンモニウムまたはタングステン酸アルカリ金属の存在下での、過酸化水素/タングステン酸ナトリウム、過酢酸、ベンジルヒドロペルオキシド、エチルベンゼンヒドロペルオキシド、クミルヒドロペルオキシド、次亜塩素酸ナトリウム、シュウ酸二水和物/過酸化水素(H2O2)、メタ-クロロ過安息香酸(mCPBA)、ウレア-過酸化水素付加物、過マンガン酸塩/二酸化マンガン、塩化ルテニウム水和物/過ヨウ素酸ナトリウム、オキソンなどが挙げられる。
【0032】
アルキル化のステップは、塩基の存在下でアルキル化剤を使用して実施される。アルキル化剤には、限定されないが、ブロモアルカン、クロロアルカン、ヨードアルカン、ジアゾアルカン、ジアルキルカーボネート、ジアルキルスルホネートなどが含まれる。
【0033】
ある実施形態において、本発明は、式IIの化合物
【化25】
式II
R
2は、F、C
1-C
4アルキル、C
1-C
4ハロアルキルから独立して選択され;R
3は、H、F、C
1-C
4アルキル、C
1-C
4ハロアルキルから選択され、R
4は、C
1-C
4アルキルであり、
R
6は、Hまたは保護基もしくはその塩であり、R
7は、H、Clまたはトリアルキルシリルから選択される;
の調製のためのプロセスであって:
a)式VIIの化合物を塩基及び触媒の存在下で元素硫黄と反応させて式VIBの化合物
【化26】
式VII 式VIB
式中、R
3及びR
4は、上記に定義されている通りであり、L
1は、脱離基であり、nは、2~8である;
を得るステップ;
b)式VIBの化合物を式VIIIの化合物と反応させて、式Vの化合物;
【化27】
式VIII 式V
式中、R
6は、上記に定義されている通りであり、L
2は、脱離基である
を得るステップ;
c)式Vの化合物をフッ素化して式IVの化合物を得るステップ;
d)式IVの化合物を酸化して式IIIの化合物を得るステップ;ならびに
e)式IIIの化合物をアルキル化して式IIの化合物を得るステップ
を含む、上記プロセスを提供する。
【0034】
特定の実施形態において、本発明は、式IIの化合物:式中、R2及びR4はメチルを表し、R3はジフルオロメチルを表す;の調製のためのプロセスを提供する。
【0035】
特定の実施形態において、本発明は、式IIの化合物の調製のためのプロセスであって、式VIまたはVIBの化合物を式Vの化合物に変換すること;式Vの化合物を式IVの化合物にフッ素化し、続いて、式IVの化合物を式IIIの化合物に酸化することを含み、式II、V、IV、及びIIIの化合物において、R
2及びR
4がメチルを表し、R
3がジフルオロメチルを表し、それぞれ、式IIA、VIA、VIC、VA、IVA及びIIIAの化合物として表される、上記プロセスを提供する。
【化28】
式VIC 式VIA
【化29】
式VA 式IVA
【化30】
式IIIA 式IIA
【0036】
別の実施形態において、本発明は、式IIA、VIA、VIC、VA、IVA及びIIIAの化合物を提供する。
【0037】
別の実施形態において、本発明は、4-{1-[3-(ジフルオロメチル)-1-メチル-1H-ピラゾール-4-スルホニル]-1-フルオロエチル}ピペリジンカルボン酸t-ブチルを調製するためのプロセスであって:
a)3-(ジフルオロメチル)-4-ヨード-1-メチル-1H-ピラゾールを塩基、触媒及び還元剤の存在下で元素硫黄と反応させて、3-(ジフルオロメチル)-1-メチル-1H-ピラゾール-4-チオールを得るステップ;
b)3-(ジフルオロメチル)-1-メチル-1H-ピラゾール-4-チオールを4-{[(メタンスルホニル)オキシ]メチル}ピペリジン-1-カルボン酸tert-ブチルと反応させて、4-({[3-(ジフルオロメチル)-1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル]スルファニル}メチル)ピペリジン-1-カルボン酸tert-ブチルを得るステップ;ならびに
c)4-({[3-(ジフルオロメチル)-1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル]スルファニル}メチル)ピペリジン-1-カルボン酸tert-ブチルを4-{1-[3-(ジフルオロメチル)-1-メチル-1H-ピラゾール-4-スルホニル]-1-フルオロエチル}ピペリジンカルボン酸t-ブチルに変換するステップ
を含む、上記プロセスを提供する。
【0038】
別の実施形態において、本発明は、4-{1-[3-(ジフルオロメチル)-1-メチル-1H-ピラゾール-4-スルホニル]-1-フルオロエチル}ピペリジンカルボン酸t-ブチルを調製するためのプロセスであって:
a)3-(ジフルオロメチル)-4-ヨード-1-メチル-1H-ピラゾールを塩基及び触媒の存在下で元素硫黄と反応させて、4,4’-ジスルファンジイルビス[3-(ジフルオロメチル)-1-メチル-1H-ピラゾール]を得るステップ;
b)4,4’-ジスルファンジイルビス[3-(ジフルオロメチル)-1-メチル-1H-ピラゾール]を4-{[(メタンスルホニル)オキシ]メチル}ピペリジン-1-カルボン酸tert-ブチルと反応させて、4-({[3-(ジフルオロメチル)-1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル]スルファニル}メチル)ピペリジン-1-カルボン酸tert-ブチルを得るステップ;ならびに
c)4-({[3-(ジフルオロメチル)-1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル]スルファニル}メチル)ピペリジン-1-カルボン酸tert-ブチルを4-{1-[3-(ジフルオロメチル)-1-メチル-1H-ピラゾール-4-スルホニル]-1-フルオロエチル}ピペリジンカルボン酸t-ブチルに変換するステップ
を含む、上記プロセスを提供する。
【0039】
本発明の別の実施形態において、式VIIの化合物を硫黄と反応させるステップa)は、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸セシウムなどからなる群から選択される塩基の存在下で実施される。
【0040】
本発明の別の実施形態において、式VIIの化合物を硫黄と反応させるステップa)は、ヨウ化カリウム、ヨウ化ナトリウムまたはジメチルアミノピリジン(DMAP)などを含む群から選択される添加剤の存在下で任意選択的に実施される。
【0041】
本発明の別の実施形態において、式VIIの化合物を硫黄と反応させるステップa)は、溶媒中で実施される。溶媒の例として、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、エチルメチルケトン、アセトン、メチルイソプロピルケトン、メチルイソブチルケトン、メチルn-ブチルケトン、メチルt-ブチルケトン、メチルイソアミルケトン、ジメチルスルホキシド、スルホラン、ヘキサメチルリン酸トリアミド、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメトキシエタン、ジエチレングリコール、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素、トルエン、酢酸エチル、アセトニトリル、またはこれらの混合物(複数可)が挙げられる。
【0042】
本発明の別の実施形態において、式VIIの化合物を硫黄と反応させるステップa)は、トリフェニルホスフィン、トリブチルホスフィン、トリス(2-カルボキシエチル)ホスフィンなどからなる群から選択される還元剤の存在下で実施される。
【0043】
本発明の別の実施形態において、式VI/VIA/VIBの化合物を式VIIIの化合物と反応させるステップb)は、塩基の存在下で実施される。
【0044】
本発明の別の実施形態において、上記反応は、式VIまたはVIAの化合物の単離を含まない。
【0045】
本発明の別の実施形態において、上記反応は、式VIまたはVIAの化合物の単離を含まない。
【0046】
別の実施形態において、フッ素化のステップは、求電子的フッ素化剤の存在下で実施される。
【0047】
別の実施形態において、フッ素化のステップは、N-フルオロ-ピリジニウム塩の存在下で実施される。
【0048】
本発明の別の実施形態において、式IVAの化合物は、単離されていなくてよい。
【0049】
本発明の別の実施形態において、式IIIAの化合物は、単離されていなくてよい。
【0050】
本発明の別の実施形態において、酸化のステップは、フッ素化のステップに先行してよい。
【0051】
本発明の別の実施形態において、4-{1-[3-(ジフルオロメチル)-1-メチル-1H-ピラゾール-4-スルホニル]-1-フルオロエチル}ピペリジン-1-カルボン酸tert-ブチルの調製のためのプロセスであって:
a)4-({[3-(ジフルオロメチル)-1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル]スルファニル}メチル)ピペリジン-1-カルボン酸tert-ブチルをN-フルオロ-ピリジニウム塩の存在下でフッ素化して、4-[{[3-(ジフルオロメチル)-1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル]スルファニル}(フルオロ)メチル]ピペリジン-1-カルボン酸tert-ブチルを得るステップ;
b)4-[{[3-(ジフルオロメチル)-1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル]スルファニル}(フルオロ)メチル]ピペリジン-1-カルボン酸tert-ブチルを4-{1-[3-(ジフルオロメチル)-1-メチル-1H-ピラゾール-4-スルホニル]-1-フルオロメチル}ピペリジン-1-カルボン酸tert-ブチルに酸化するステップ;及び
c)4-{1-[3-(ジフルオロメチル)-1-メチル-1H-ピラゾール-4-スルホニル]-1-フルオロメチル}ピペリジン-1-カルボン酸tert-ブチルを4-{1-[3-(ジフルオロメチル)-1-メチル-1H-ピラゾール-4-スルホニル]-1-フルオロエチル}ピペリジン-1-カルボン酸tert-ブチルに変換するステップ
を含む、上記プロセスを提供する。
【0052】
本発明の別の実施形態において、本発明は、4-[{[3-(ジフルオロメチル)-1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル]スルファニル}(フルオロ)メチル]ピペリジン-1-カルボン酸tert-ブチルまたは4-{[3-(ジフルオロメチル)-1-メチル-1H-ピラゾール-4-スルホニル](フルオロ)メチル}ピペリジン-1-カルボン酸tert-ブチルのいずれかの単離を含まないプロセスを提供する。
【0053】
この態様の別の実施形態において、本発明は、4-{1-[3-(ジフルオロメチル)-1-メチル-1H-ピラゾール-4-スルホニル]-1-フルオロエチル}ピペリジン-1-カルボン酸tert-ブチルの調製のためのプロセスであって、フッ素化及び酸化のステップが、4-[{[3-(ジフルオロメチル)-1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル]スルファニル}(フルオロ)メチル]ピペリジン-1-カルボン酸tert-ブチルの単離を伴わずに行われる、上記プロセスを提供する。
【0054】
本発明のある実施形態において、式IIAの化合物
【化31】
式IIA
式中、R
6及びR
7は、上記に定義されている通りである
の調製のためのプロセスであって:
a)式IIIAの化合物
【化32】
式IIIA
をメチル化するステップ
を含む、上記プロセスを提供する。
【0055】
別の実施形態において、本発明は、R7がClまたはアルキルシリル基である式IIAの化合物を、R7が水素である式IIAの化合物に加水分解するステップを含む。
【0056】
別の実施形態において、本発明は、R6が保護基である式IIAの化合物を、R6が水素である式IIAの化合物に脱保護するステップを含む。
【0057】
ある実施形態において、本発明は、95%~99%の純度で式IIBの化合物及びその塩を提供する。
【化33】
式IIB
【0058】
別の実施形態において、本発明は、4-{1-[3-(ジフルオロメチル)-1-メチル-1H-ピラゾール-4-スルホニル]-1-フルオロエチル}ピペリジン及びその塩を提供する。
【0059】
ある実施形態において、本発明は、式Iの化合物の調製のために式IIBの化合物またはその塩を使用するためのプロセスを提供する。
【0060】
別の実施形態において、本発明は、固体化合物としての式IICの化合物
【化34】
式IIC
式中、R
6はtert-ブチルオキシカルボニルであり、R
7は水素である;
の単離を含む。
【0061】
式IICの化合物は、結晶及び/またはアモルファス形態で単離される。式IICの化合物の単離は、約-20℃~30℃の温度において、好適な溶媒または溶媒の混合物中での結晶化を使用して実施される。
【0062】
上記結晶化において使用される溶媒は、メタノール、エタノール、プロパノール、2-プロパノール、テトラヒドロフラン、アセトニトリル、シクロヘキサン、ヘキサン、ヘプタン、トルエン、水など、及びこれらの混合物からなる群から選択され得る。
【0063】
ある実施形態において、本発明は、式IIIAのピラゾール化合物
【化35】
式IIIA
式中、R
6は、上記に定義されている通りである;
を提供する。
【0064】
別の実施形態において、本発明は、4-{[3-(ジフルオロメチル)-1-メチル-1H-ピラゾール-4-スルホニル](フルオロ)メチル}ピペリジン-1-カルボン酸tert-ブチルを提供する。
【0065】
別の実施形態において、本発明は、式Iの化合物の調製のために式IIIAの化合物を使用するためのプロセスを提供する。
【0066】
本発明の態様は、式Iの化合物中における不純物としての式II、IIA、IIB、IIC、III及び/またはIIIAの化合物を提供する。
【0067】
式II及びIIIの化合物は、参照文献として含まれるWO2016118774において既知であるまたは教示されている方法を使用して式Iの化合物に変換され得る。
【0068】
別の実施形態において、本発明は、式IIの化合物の調製のためのプロセスであって、式VIBの中間体の単離を含まない、上記プロセスを提供する。
【0069】
式IIの化合物への式Vの化合物の変換のためのプロセスは、フッ素化のステップ、続いての酸化及びその後のアルキル化または置換及びこれらの組み合わせにより式IIの化合物を得ることを含む。
【0070】
特定の例において、4-({[3-(ジフルオロメチル)-1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル]スルファニル}メチル)ピペリジン-1-カルボン酸tert-ブチルは、求電子的フッ素化剤を使用してフッ素化されて、4-{[3-(ジフルオロメチル)-1-メチル-1H-ピラゾール-4-スルホニル](フルオロ)メチル}ピペリジン-1-カルボン酸tert-ブチルを生じさせ、酸化及びその後のメチル化の際に、4-{1-[3-(ジフルオロメチル)-1-メチル-1H-ピラゾール-4-スルホニル]-1-フルオロエチル}ピペリジン-1-カルボン酸tert-ブチルを生じさせる。4-{1-[3-(ジフルオロメチル)-1-メチル-1H-ピラゾール-4-スルホニル]-1-フルオロエチル}ピペリジン-1-カルボン酸tert-ブチルは、脱保護の際に、4-{1-[3-(ジフルオロメチル)-1-メチル-1H-ピラゾール-4-スルホニル]-1-フルオロエチル}ピペリジンを与える。
【0071】
式II、III、IV、及びVの化合物は、式Iの化合物の調製のために使用され得る。
【0072】
式V及びVAの化合物は、参照文献として含まれるWO2016118774において教示されている方法によって式IIの化合物に変換され得る。
【0073】
式IIの化合物は、参照文献として含まれるWO2016118774において既知であるまたは教示されている方法を使用して式Iの化合物に変換され得る。出発物質として使用される式VII及びVIIIの化合物は、商業的に得られ得るか、または、PCT公開公報第2009/000442号及び米国特許公開公報第2010/29650号に開示されている方法によって調製され得るかのいずれかである。式VIBの化合物もまた、商業的に得られ得、または、中国特許公開公報第105622469号に開示されている方法によって調製され得る。原材料として使用されるピラゾールカルボン酸は、商業的に得られ得るか、または、米国特許第9650345号に記載されている方法によって調製され得るかのいずれかである。これらの特許文献は、本発明において参照文献として列挙されている。
【0074】
特定の実施形態において、本発明は、3-(ジフルオロメチル)-4-ヨード-1-メチル-1H-ピラゾールの調製のためのプロセスであって、極性非プロトン性溶媒中の脂肪族アミンの存在下でのCu粉末及びCu2Oを使用した3-(ジフルオロメチル)-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボン酸の脱炭酸のステップ、続いての、酢酸及び硫酸の存在下でのヨウ素及びヨウ化カリウムを使用した3-(ジフルオロメチル)-1-メチル-1H-ピラゾールのヨウ素化のステップを含む、上記プロセスを提供する。脂肪族アミンの例として、メチルアミン、エチルアミン、トリエチルアミン、ジエチルメチルアミン、イソプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、ジイソプロピルメチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、n-ブチルアミン、第3級ブチルアミン、トリブチルアミンなどが挙げられる。
【0075】
発明の実施形態は互いに排他的ではないが、種々の組み合わせで実施されてよい。発明の記載されている実施形態及び開示されている例は、添付の特許請求の範囲において記載されている発明の限定よりもむしろ説明の目的で付与される。
【0076】
以下の例は、実例として付与されており、そのため、本発明の範囲を限定すると解釈されるべきではない。
【実施例】
【0077】
実施例1:3-(ジフルオロメチル)-1-メチル-1H-ピラゾールの調製
トリブチルアミン(90gm、0.48mol)を、スルホラン(252gm、2.1mol)中の、3-(ジフルオロメチル)-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボン酸(170gm、0.966mol)、Cu粉末(10.8gm、0.176mol)、及びCu2O(9.67gm、0.067mol)の混合物に周囲温度で添加した。反応混合物を150℃で6時間撹拌した。反応終了後、生成物を真空下で反応から留去する。トリブチルアミンを反応器に戻して再利用した。
収率:80% 純度:95%。
【0078】
実施例2:3-(ジフルオロメチル)-4-ヨード-1-メチル-1H-ピラゾールの調製
硫酸(98%;64.37g)を、3-(ジフルオロメチル)-1-メチル-1H-ピラゾール(73.5g、0.56mol)、ヨウ素(67.5g、0.27mol)、ヨウ化カリウム(31g、0.14mol)及び酢酸(816g)の混合物に、約45℃において約20分で滴加した。反応混合物の温度を約60℃の温度に上昇させ、同温度で1時間維持した。反応混合物を約25℃~約30℃において水(500ml)でクエンチし、混合物を重亜硫酸ナトリウム水溶液(100ml)で中和した。混合物をジクロロメタン(200ml)で抽出した。層を分離し、水(500ml)で2回洗浄した。有機層を合わせ、濃縮して、3-(ジフルオロメチル)-4-ヨード-1-メチル-1H-ピラゾールを得た。
収率:90%;純度:96%
【0079】
実施例3:3-(ジフルオロメチル)-1-メチル-1H-ピラゾール-4-チオールの調製
3-(ジフルオロメチル)-4-ヨード-1-メチル-1H-ピラゾール(50g)を、ジメチルホルムアミド(250ml)中の、炭酸カリウム(52g)、ヨウ化銅(3.56g)、硫黄粉末(18.2g)の混合物に、約50℃の温度において10~20分で添加した。反応混合物を約110℃の温度で4~5時間撹拌した。反応混合物を約20℃の温度まで冷却させた。水(125ml)及びジオキサン(325ml)中のトリフェニルホスフィン(125g)の混合物を反応混合物に添加した。塩酸(35%;42ml)を、反応混合物の温度を30℃未満に維持しながら反応塊にゆっくり添加した。添加終了後、反応混合物を約40℃の温度で撹拌した。反応混合物を約80℃の温度で濃縮して残渣を得た。水(700ml)及びジクロロメタン(150ml)を残渣に添加し、約15分間撹拌した。混合物のpHを4.5~5に調整し、層を分離した。水層をジクロロメタン(60ml)で再び抽出した。有機層を合わせ、濾過し、水で洗浄した。水酸化カリウム溶液(20%;80ml)を有機層に添加した。有機層を水で洗浄し、硫酸ナトリウム床を通過させ、濃縮して、所望の化合物を得た。
収率:65%;純度:93%
【0080】
実施例4:3-(ジフルオロメチル)-1-メチル-1H-ピラゾール-4-チオールの調製
3-(ジフルオロメチル)-4-ヨード-1-メチル-1H-ピラゾール(50g)を、ジメチルスルホキシド(250ml)中の、炭酸ナトリウム(52g)、ヨウ化銅(3.56g)、硫黄粉末(18.2g)の混合物に、約50℃の温度において10~20分で添加した。反応のワークアップを実施例3のように行った。
収率:60%;純度:93%
【0081】
実施例5:3-(ジフルオロメチル)-1-メチル-1H-ピラゾール-4-チオールの調製
3-(ジフルオロメチル)-4-ヨード-1-メチル-1H-ピラゾール(50g)を、スルホラン(250ml)中の、ナトリウムメトキシド(30g)、ヨウ化銅(3.56g)、硫黄粉末(18.2g)の混合物に、約50℃の温度において10~20分で添加した。反応混合物を約110℃の温度において4~5時間撹拌した。反応のワークアップを実施例3のように進めた。
収率:60%;純度:93%
【0082】
実施例6:3-(ジフルオロメチル)-1-メチル-1H-ピラゾール-4-チオールの調製
3-(ジフルオロメチル)-4-ヨード-1-メチル-1H-ピラゾール(50g)を、スルホラン(250ml)中の、炭酸カリウム(52g)、ヨウ化銅(3.56g)、硫黄粉末(18.2g)の混合物に、約50℃の温度において10~20分で添加した。反応混合物を約110℃の温度において4~5時間撹拌した。反応を実施例3のように進めた。
収率:65%;純度:93%
【0083】
実施例7:4-({[3-(ジフルオロメチル)-1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル]スルファニル}メチル)ピペリジン-1-カルボン酸tert-ブチルの調製
3-(ジフルオロメチル)-1-メチル-1H-ピラゾール-4-チオール(13g)を、アセトニトリル(200ml)中の、4-{[(メタンスルホニル)オキシ]メチル}ピペリジン-1-カルボン酸tert-ブチル(20g)及び炭酸カリウム(20.6g)の混合物に添加した。反応混合物を、60℃の温度で1時間撹拌した。反応の進行をガスクロマトグラフィによってモニタリングした。反応の完了後、反応物を室温に冷却して濾過した。濾過塊をジクロロメタン(100ml)で洗浄した。有機層を塩酸希釈溶液(1N;200ml)で洗浄した。有機層を濃縮して、標題化合物を得た。
収率:70%;純度:97%
【0084】
実施例8:4-({[3-(ジフルオロメチル)-1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル]スルファニル}メチル)ピペリジン-1-カルボン酸tert-ブチルの調製
3-(ジフルオロメチル)-1-メチル-1H-ピラゾール-4-チオール(13g)を、アセトニトリル(200ml)中の、4-{[(メタンスルホニル)オキシ]メチル}ピペリジン-1-カルボン酸tert-ブチル(20g)及びナトリウムメトキシド(15g)の混合物に添加した。反応混合物を60℃の温度で1時間撹拌した。反応を実施例8のように進めた。
収率:70%;純度:97%
【0085】
実施例9:4,4’-ジスルファンジイルビス[3-(ジフルオロメチル)-1-メチル-1H-ピラゾール]の調製
3-(ジフルオロメチル)-4-ヨード-1-メチル-1H-ピラゾール(50g)を、ジメチルホルムアミド(DMF、400g)中の、炭酸カリウム(52.6g)、ヨウ化銅(3.56g)及び硫黄粉末(18.25g)の混合物に添加した。反応混合物を110℃の温度まで加熱し、同温度で3~4時間撹拌した。反応の進行をガスクロマトグラフィによってモニタリングした(GC)。反応混合物を約80℃の温度において約50mbarの減圧を使用して濃縮して、残渣を得た。ジクロロメタン(150ml)を残渣に添加し、ハイフロスーパーセルを通して濾過した。フィルタケーキをジクロロメタン(150ml)で洗浄した。有機層を水で洗浄した(500ml×2)。有機層を濃縮して所望の生成物を得た。GCMS326+
【0086】
実施例10:4,4’-ジスルファンジイルビス-[3-(ジフルオロメチル)-1-メチル-1H-ピラゾール]の調製
3-(ジフルオロメチル)-4-ヨード-1-メチル-1H-ピラゾール(50g)を、スルホラン(400g)中の、炭酸カリウム(52.6g)、ヨウ化銅(3.56g)及び硫黄粉末(18.25g)の混合物に添加した。反応混合物を実施例9にように進めた。GCMS326+
【0087】
実施例11:4,4’-ジスルファンジイルビス[3-(ジフルオロメチル)-1-メチル-1H-ピラゾール]を使用した4-({[3-(ジフルオロメチル)-1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル]スルファニル}メチル)ピペリジン-1-カルボン酸tert-ブチルの調製
水素化ホウ素ナトリウム(l.78g)を、アセトニトリル(100ml)中の、4,4’-ジスルファンジイルビス[3-(ジフルオロメチル)-1-メチル-1H-ピラゾール(7.4g)、4-{[(メタンスルホニル)オキシ]メチル}ピペリジン-1-カルボン酸tert-ブチル(9.7g)、炭酸カリウム(12.2g)の混合物に、20℃の温度でゆっくり添加した。反応混合物を約60℃の温度で1時間撹拌した。反応の進行を、GCを使用してモニタリングした。反応終了後、反応塊を濾過した。残渣をジクロロメタン(100ml)で洗浄した。濾液を濃縮して残渣を得た。ジクロロメタン(100ml)及び水を残渣に添加した。有機層を塩酸の希釈溶液(1N、200ml)で洗浄した。有機層を濃縮して、所望の生成物を得た。
【0088】
実施例12:4-{[3-(ジフルオロメチル)-1-メチル-1H-ピラゾール-4yl]スルファニル](フルオロ)メチル}ピペリジン-1-カルボン酸tert-ブチルの調製
1-フルオロ-2、4、6-トリ-メチルピリジニウムトリフレート(0.8648mmol)を、窒素雰囲気下、約30~35℃の温度において、4-({[3-(ジフルオロメチル)-1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル]スルファニル}メチル)ピペリジン-1-カルボン酸tert-ブチル(0.8648mmol)のジクロロメタン(15ml)溶液に添加した。反応塊を40℃で10~11時間還流した。反応の進行を高速液体クロマトグラフィ(HPLC)によってモニタリングした。反応混合物を0℃まで冷却した。塩化ルテニウム水和物(0.012mmol)のテトラヒドロフラン(6ml)溶液を反応混合物に0℃で添加した。反応の進行をHPLCによってモニタリングした。反応の完了後、混合物を水によってクエンチした。層を分離し、濾過及び濃縮して、4-{[3-(ジフルオロメチル)-1-メチル-1H-ピラゾール-4yl]スルファニル](フルオロ)メチル(ピペリジン-1-カルボン酸tert-ブチルを単離した。GCMS:402[M+Na]+
収率:85%;純度:95%
【0089】
実施例13:4-{[3-(ジフルオロメチル)-1-メチル-1H-ピラゾール-4yl]スルファニル](フルオロ)メチル}ピペリジン-1-カルボン酸tert-ブチルの調製
2,6-ジクロロ-1-フルオロピリジニウムテトラフルオロボレート(0.9mmol)を、窒素雰囲気下、約30~35℃の温度において、4-({[3-(ジフルオロメチル)-1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル]スルファニル}メチル)ピペリジン-1-カルボン酸tert-ブチル(0.8648mmol)のジクロロメタン(15ml)溶液に添加した。反応塊を40℃で10~11時間還流した。反応の進行を高速液体クロマトグラフィ(HPLC)によってモニタリングした。反応混合物を0℃まで冷却した。塩化ルテニウム水和物(0.012mmol)のテトラヒドロフラン(6ml)溶液を反応混合物に0℃で添加した。反応の進行をHPLCによってモニタリングした。反応終了後、混合物を水によってクエンチした。層を分離し、濾過及び濃縮して、4-{[3-(ジフルオロメチル)-1-メチル-1H-ピラゾール-4イル]スルファニル](フルオロ)メチル(ピペリジン-1-カルボン酸tert-ブチルを単離した。GCMS:402[M+Na]+
収率:80%;純度:90%
【0090】
実施例14:4-{[3-(ジフルオロメチル)-1-メチル-1H-ピラゾール-4-スルホニル](フルオロ)メチル}ピペリジン-1-カルボン酸tert-ブチルの調製
水中のメタ過ヨウ素酸ナトリウム(3.44mmol)を、テトラヒドロフラン(6ml)中に4-{[3-(ジフルオロメチル)-1-メチル-1H-ピラゾール-4イル]スルファニル](フルオロ)メチル}ピペリジン-1-カルボン酸tert-ブチル(l.5mmol)を含有する反応混合物に0℃で添加した。反応混合物を0℃で1~2時間撹拌した。反応塊を水(15ml)でクエンチし、ジクロロメタン(10ml)で抽出した。得られた2相混合物を、分離漏斗を使用して分離し、水性層をジクロロメタン(10ml)で2回抽出した。有機層を合わせ、水で洗浄した(10ml)。最終の有機層を濃縮して標題化合物を得た。生成物をHPLCクロマトグラフィによって分析した。MS(ES、m/z):434[M+Na]+
収率:90%;純度:95%
【0091】
実施例15:4-{[3-(ジフルオロメチル)-1-メチル-1H-ピラゾール-4-スルホニル](フルオロ)メチル}ピペリジン-1-カルボン酸tert-ブチルの調製
1-フルオロ-2,4,6トリメチルピリジニウムトリフレート(0.8648mmol)を、窒素雰囲気下、約30~35℃の温度において、4-({[3-(ジフルオロメチル)-1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル]スルファニル}メチル)ピペリジン-1-カルボン酸tert-ブチル(0.8648mmol)のジクロロメタン(15ml)溶液に添加した。反応塊を40℃で10~11時間還流した。反応の進行を高速液体クロマトグラフィ(HPLC)によってモニタリングした。反応混合物を0℃まで冷却した。塩化ルテニウム水和物(0.012mmol)のテトラヒドロフラン(6ml)溶液を反応混合物に0℃で添加した。水中のメタ過ヨウ素酸ナトリウム(3.44mmol)を反応混合物に添加し、0℃で温度を維持した。反応混合物を0℃で1~2時間撹拌した。反応塊を水(15ml)でクエンチし、ジクロロメタン(10ml)で抽出した。得られた2相混合物を、分離漏斗を使用して分離し、水性層をジクロロメタン(10ml)で2回抽出した。有機層を合わせ、水で洗浄した(10ml)。最終の有機層を濃縮して標題化合物を得た。生成物をHPLCクロマトグラフィによって分析した。MS(ES、m/z):434[M+Na]+
収率:80%;純度:90%。
【0092】
実施例16:4-{[3-(ジフルオロメチル)-1-メチル-1H-ピラゾール-4-スルホニル](フルオロ)メチル}ピペリジン-1-カルボン酸tert-ブチルの調製
1-フルオロピリジニウムトリフレート(0.9mmol)を、窒素雰囲気下、約30~35℃の温度において、4-({[3-(ジフルオロメチル)-1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル]スルファニル}メチル)ピペリジン-1-カルボン酸tert-ブチル(0.8648mmol)のジクロロメタン(15ml)溶液に添加した。反応塊を40℃で10~11時間還流した。反応の進行を高速液体クロマトグラフィ(HPLC)によってモニタリングした。反応混合物を、実施例15のように酸化によって進めた。MS(ES、m/z):434[M+Na]+
収率:70%;純度:90%
【0093】
実施例18:4-{[3-(ジフルオロメチル)-1-メチル-1H-ピラゾール-4-スルホニル](フルオロ)メチル}ピペリジン-1-カルボン酸tert-ブチルの調製
1-フルオロピリジニウムテトラフルオロボレート(0.8648mmol)を、窒素雰囲気下、約30~35℃の温度において、4-({[3-(ジフルオロメチル)-1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル]スルファニル}メチル)ピペリジン-1-カルボン酸tert-ブチル(0.8648mmol)のジクロロメタン(15ml)溶液に添加した。反応塊を40℃で10~11時間還流した。反応の進行を高速液体クロマトグラフィ(HPLC)によってモニタリングした。反応混合物を0℃まで冷却した。反応混合物を、実施例15のように酸化によって進めた。MS(ES、m/z):434[M+Na]+
収率:70%;純度:90%
【0094】
実施例19:4-{[3-(ジフルオロメチル)-1-メチル-1H-ピラゾール-4-スルホニル](フルオロ)メチル}ピペリジン-1-カルボン酸tert-ブチルの調製
1-フルオロ-2,4,6-トリメチルピリジニウムテトラフルオロボレート(0.8648mmol)を、窒素雰囲気下、約30~35℃の温度において、4-({[3-(ジフルオロメチル)-1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル]スルファニル}メチル)ピペリジン-1-カルボン酸tert-ブチル(0.8648mmol)のジクロロメタン(15ml)溶液に添加した。反応塊を40℃で10~11時間還流した。反応の進行を高速液体クロマトグラフィ(HPLC)によってモニタリングした。反応混合物を0℃まで冷却した。反応混合物を、実施例15のように酸化によって進めた。MS:434[M+Na]+
収率:70%;純度:85%
【0095】
実施例20:4-{1-[3-(ジフルオロメチル)-1-メチル-1H-ピラゾール-4-スルホニル]-1-フルオロエチル}ピペリジン-1-カルボン酸tert-ブチルの調製
カリウムtert-ブトキシド(1M;14.6ml)を、窒素雰囲気下、4-{[3-(ジフルオロメチル)-1-メチル-1H-ピラゾール-4-スルホニル](フルオロ)メチル}ピペリジン-1-カルボン酸tert-ブチル(2gm、0.0048mol)のTHF(45ml)溶液に滴加した。反応混合物を-30℃に冷却し、続いて水素化ナトリウム(0.28gm、0.0065mol)を添加し、反応混合物に添加し、-30℃で20分間撹拌した。ヨウ化メチル(0.75gm、0.0053mol)のTHF(5ml)溶液を-30℃の温度で10分間維持しながら反応混合物に添加し、次いで-30℃で30分間撹拌した。反応を、(HPLC)を使用してモニタリングした。反応終了後、アセトニトリル(50ml)を反応混合物に添加し、反応混合物のpHを酢酸(2ml)の溶液を使用して6に調整した。反応混合物を減圧下で濃縮して残渣を得た。ジクロロメタン(20ml)を残渣に添加し、ハイフロゲルを通して濾過した。残渣をジクロロメタン(4×10ml)で洗浄した。濾液を合わせ、減圧下で濃縮して、所望の生成物を得た。粗生成物を、エタノール及びシクロヘキサンを使用して再結晶化し、純粋な生成物を得た。
純度:99%(HPLC);収率:65%。
【0096】
実施例20:4-{1-[3-(ジフルオロメチル)-1-メチル-1H-ピラゾール-4-スルホニル]-1-フルオロエチル}ピペリジン-1-カルボン酸tert-ブチルの調製
LiHMDS(1M;14.6ml)を、窒素雰囲気下、4-{[3-(ジフルオロメチル)-1-メチル-1H-ピラゾール-4-スルホニル](フルオロ)メチル}ピペリジン-1-カルボン酸tert-ブチル(2gm、0.0048mol)のTHF(45ml)溶液に滴加した。反応混合物を-78℃に冷却し、20分間撹拌した。ヨウ化メチル(0.75gm、0.0053mol)のTHF(5ml)溶液を-78℃の温度で10分間維持しながら反応混合物に添加し、次いで-78℃で30分間撹拌した。反応を、(HPLC)を使用してモニタリングした。反応終了後、飽和塩化アンモニウム(20ml)及びジクロロメタン(20ml)を添加した。層を分離し、有機層を水で洗浄し、減圧下で濃縮して残渣を得た。残渣を、イソプロピルアルコール及びシクロヘキサンを使用して結晶化した。
収率:75%;純度:99%;(HPLC)。
【0097】
実施例21:4-{1-[3-(ジフルオロメチル)-1-メチル-1H-ピラゾール-4-スルホニル]-1-フルオロエチル}ピペリジンの調製
水性塩酸塩(3.5N;24ml)を4-{1-[3-(ジフルオロメチル)-1-メチル-1H-ピラゾール-4-スルホニル]-1-フルオロエチル}ピペリジン-1-カルボン酸tert-ブチル(2.5g)のアセトニトリル(10ml)溶液に添加した。反応混合物を70℃で1時間撹拌した。反応の進行をガスクロマトグラフィによってモニタリングした。反応終了後、ジクロロメタン(15ml)を反応混合物に添加し、層を分離した。水性層のpHを、20% NaOH(18ml)を使用して12~13に維持し、ジクロロメタン(25ml)で2回抽出した。有機層を濃縮して、所与の化合物を得た。
純度:99%;収率:95%