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特許7402823落下防止装置のための衝撃インジケータ、及び使用方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-13
(45)【発行日】2023-12-21
(54)【発明の名称】落下防止装置のための衝撃インジケータ、及び使用方法
(51)【国際特許分類】
   A62B 35/00 20060101AFI20231214BHJP
【FI】
A62B35/00 D
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2020565427
(86)(22)【出願日】2019-05-21
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-09-13
(86)【国際出願番号】 IB2019054207
(87)【国際公開番号】W WO2019224728
(87)【国際公開日】2019-11-28
【審査請求日】2022-05-18
(31)【優先権主張番号】62/675,255
(32)【優先日】2018-05-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】505005049
【氏名又は名称】スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100130339
【弁理士】
【氏名又は名称】藤井 憲
(74)【代理人】
【識別番号】100110803
【弁理士】
【氏名又は名称】赤澤 太朗
(74)【代理人】
【識別番号】100135909
【弁理士】
【氏名又は名称】野村 和歌子
(74)【代理人】
【識別番号】100133042
【弁理士】
【氏名又は名称】佃 誠玄
(74)【代理人】
【識別番号】100171701
【弁理士】
【氏名又は名称】浅村 敬一
(72)【発明者】
【氏名】ボラーズ,マイケル エー.
【審査官】松永 謙一
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-097691(JP,A)
【文献】国際公開第2017/180121(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A62B 2/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の非表示位置から第2の表示位置へ可逆的に可動である構成要素を含む衝撃インジケータを含むコネクタを含む第1の端部を有する耐荷重ケーブルを備え、前記衝撃インジケータは可撓要素を含み、
前記可撓要素は、所定の閾値を上回る力が存在しない場合、前記衝撃インジケータの前記可逆的に可動である構成要素が前記第1の非表示位置から前記第2の表示位置へ移動するのを防止し、
前記可撓要素は、前記所定の閾値を上回る力の印加時に、前記構成要素が前記第1の非表示位置から前記第2の表示位置へ移動することを可能にするように可撓性であり、
前記可撓要素は、現場装着可能可撓要素であり、
前記衝撃インジケータの前記可逆的に可動である構成要素は、前記コネクタの連結具を前記コネクタの留め具の本体と接続するボルトであり、前記現場装着可能可撓要素は、前記ボルトの軸部の部分を径方向に取り囲む少なくとも概ね円筒形のスリーブを共同して形成する第1及び第2の嵌め合わされた部品を含む、落下防止装置。
【請求項2】
第1の非表示位置から第2の表示位置へ可逆的に可動である構成要素を含む衝撃インジケータを含むコネクタを含む第1の端部を有する耐荷重ケーブルを備え、前記衝撃インジケータは可撓要素を含み、
前記可撓要素は、所定の閾値を上回る力が存在しない場合、前記衝撃インジケータの前記可逆的に可動である構成要素が前記第1の非表示位置から前記第2の表示位置へ移動するのを防止し、
前記可撓要素は、前記所定の閾値を上回る力の印加時に、前記構成要素が前記第1の非表示位置から前記第2の表示位置へ移動することを可能にするように可撓性であり、
前記可撓要素は、現場装着可能可撓要素であり、
前記衝撃インジケータの前記可逆的に可動である構成要素は、前記コネクタの連結具を前記コネクタの留め具の本体と接続するボルトであり、前記現場装着可能可撓要素は、スリーブが概ねC字形の断面を呈するように、長手方向スロットを備える少なくとも概ね円筒形の前記スリーブを含み、前記スリーブは、前記ボルトの軸部の部分上に嵌め込まれて前記ボルトの前記軸部の前記部分を少なくとも部分的に径方向に取り囲むことのできる、開放位置へ変形可能である、落下防止装置。
【請求項3】
第1の非表示位置から第2の表示位置へ可逆的に可動である構成要素を含む衝撃インジケータを含むコネクタを含む第1の端部を有する耐荷重ケーブルを備え、前記衝撃インジケータは可撓要素を含み、
前記可撓要素は、所定の閾値を上回る力が存在しない場合、前記衝撃インジケータの前記可逆的に可動である構成要素が前記第1の非表示位置から前記第2の表示位置へ移動するのを防止し、
前記可撓要素は、前記所定の閾値を上回る力の印加時に、前記構成要素が前記第1の非表示位置から前記第2の表示位置へ移動することを可能にするように可撓性であり、
前記可撓要素は、現場装着可能可撓要素であり、
前記衝撃インジケータの前記可逆的に可動である構成要素は、前記コネクタの連結具を前記コネクタの留め具の本体と接続するボルトであり、前記現場装着可能可撓要素は、スリーブから形成されており、前記スリーブは、前記ボルトの長手方向軸に沿って、前記スリーブが前記ボルトの軸部の部分に径方向で外方に当接する位置に摺動して可動であり、前記スリーブの少なくとも一部分は、前記スリーブを、前記スリーブの少なくとも一部分が前記ボルトの前記軸部の前記部分を密に取り囲む圧着構成に変形させるように、径方向で内方に変形可能である、落下防止装置。
【請求項4】
コネクタを含む第1の端部を有する耐荷重ケーブルを備える落下防止装置を使用する方法であって、前記方法は、
コネクタ駐在衝撃インジケータの可逆的に可動である構成要素が、第1の非表示位置にあるのか、それとも第1の所定の閾値を上回る力が前記落下防止装置によって経験されたことを表示する第2の表示位置にあるのかを判定するために、前記落下防止装置のコネクタ駐在衝撃インジケータを検査することと、
前記可逆的に可動である構成要素が前記第2の表示位置にある場合には、前記落下防止装置によって経験された前記力が、前記第1の所定の閾値よりも高い第2の所定の閾値を上回ったかどうかを判定するために、前記落下防止装置の前記コネクタに駐在しない二次衝撃インジケータを考慮することと、
前記二次衝撃インジケータが、前記力が前記第2の所定の閾値を上回らなかったことを表示する場合には、前記コネクタ駐在衝撃インジケータの前記可逆的に可動である構成要素を第1の非表示位置へ移動させ、現場装着可能可撓要素を前記コネクタに装着し、これにより、前記現場装着可能可撓要素及び前記可逆的に可動である構成要素が、第1の非表示状態にあるコネクタ駐在衝撃インジケータを共同して提供することと、
を含む方法。
【請求項5】
前記落下防止装置は、ハウジングと、前記ハウジングに回転可能に接続されたリールとを有するベースユニットを備える自己格納式命綱であり、前記耐荷重ケーブルの第2の端部は、前記自己格納式命綱の前記ベースユニットの前記リールに取り付けられており、前記二次衝撃インジケータは、前記ベースユニットの前記ハウジング内に駐在する少なくとも1つのセンサを含む、請求項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
例えば、自己格納式命綱などの落下防止装置は、ビル建設などの用途にしばしば使用されている。
【発明の概要】
【0002】
広く要約すると、本明細書では、落下防止装置のための衝撃インジケータが開示される。このようなインジケータは、第1の非表示位置から第2の表示位置への衝撃インジケータの可動構成要素の移動を可能にするよう可撓性を有する可撓要素を含むことができる。同様に開示されるのは、衝撃インジケータを使用し、現場における交換衝撃インジケータの装着を容易にするキット、方法、及びシステムである。これら及び他の態様は、以下の詳細な説明から明らかになるであろう。しかし、この広範な要約は、請求可能な主題を限定するように解釈してはならず、かかる主題は、出願において最初に出願された特許請求の範囲に提示されているか、又は、出願経過中に修正されたか又は他の方法で提示された請求項に提示されているかどうかに関わらない。
【図面の簡単な説明】
【0003】
図1】例示的な落下防止装置の側面図である。
図2】例示的なコネクタを備える、例示的な落下防止装置のケーブルの第1の端部の側面図である。
図3】例示的なコネクタの側面斜視図である。
図4】工場装着可撓要素が所定位置にある、コネクタの例示的な連結アセンブリの分離図である。
図5】工場装着可撓要素が省略された、図4の例示的な連結アセンブリの分離図である。
図6】可動構成要素が、第2の表示位置へ移動した状態で示された、図5の例示的な連結アセンブリの分離図である。
図7】現場装着可能可撓部材が工場装着可撓要素に対する交換品として装着された、図4及び図5の例示的な連結アセンブリの分離図である。
図8図7の現場装着可能可撓部材の分離分解図である。
図9図7の現場装着可能可撓部材の分離組立図である。
図10】別の例示的な現場装着可能可撓部材の分離図である。
【0004】
さまざまな図における同様の参照番号は、同様の要素を示す。いくつかの要素は、同一又は等価の複数で提示されることが可能であり、つまり1つのみ又はそれ以上の代表的要素が参照番号で示されることが可能な場合であっても、かかる参照番号は、かかる同一要素の全てに適用されると理解されたい。本明細書における全ての図及び図面は、本発明の異なる実施形態を例示する目的のための一般的な表現であると理解され、必ずしも等縮尺ではない。よって、図面において、さまざまなアイテム及び構成要素の寸法は、単に例示的な意味合いとして示されているにすぎず、その旨が指示されていない限り、さまざまなアイテム及び構成要素の寸法間の関係は、図面から推測してはならない。「上部(top)」、「下部(bottom)」、「上方(upper)」、「下方(lower)」、「下方(under)」、「上方(over)」、「上(up)」、「下(down)」、及び同様のものなどの用語は、本明細書における図面に示された図を参照した説明の便宜のために使用され、地上に対する任意の特定の向きを必要としない。「スリーブ」、「半径方向」、「径方向に」、「取り囲む(encircle)」、及び同様の用語などの語の使用は、特に指定のない限り、参照される構成要素が厳密に円形の幾何学的形状を呈さなければならないことを必要としない。
【0005】
性質又は属性の修飾子として本明細書で使用する場合、「概ね(generally)」という用語は、特に定めのない限り、当業者には、高度の近似を要することなく(例えば、定量化可能な性質の場合、+/-20%以内)性質又は属性を容易に認識可能であることを意味する。特に定めのない限り、「実質的に」という用語は、高度の近似(例えば、定量化可能な特性の場合、+/-10%以内)を意味する。しかし、「厳密な」一致、又は例えば、同じ、等しい、同一、均一、一定などの用語を使用する任意の他の特徴付けであっても、絶対の正確さ又は完全な一致を必要とするというよりもむしろ、特定の状況に当てはまる通常の許容範囲又は測定誤差の範囲内であることを理解されたい。「に構成される」、「ように構成される」、及び類似の特徴付けなどの用語は、かかる機能を実行する単なる物理的能力ではなく、指定された機能を実行するための実際の設計意図を必要とするものと理解されたい。
【発明を実施するための形態】
【0006】
本明細書において開示されるのは、落下防止装置の衝撃インジケータの構成要素としての機能を果たすことができる現場装着可能可撓要素である。いくつかの実施形態では、落下防止装置は、図1の一般的な例示的な実施形態で示されるように、いわゆる自己格納式命綱1であってもよい。通常の当業者であれば、自己格納式命綱は、(例えば建築中の建物の)固定具24に固定し得るベースユニット50から巻き戻すことができる耐荷重ケーブル20を備えていることが分かるであろう。ケーブル20の第1の端部21は、例えば、コネクタ100を介して装置1の人間のユーザのハーネス又は同様の要素に接続可能であってもよい。ベースユニット50は、ケーブル20の第2の端部22が取り付けられるリール(ドラム)23を有するハウジング51を備えてもよい。ケーブル20は、ユーザが作業現場の近辺を移動するときに、ユーザに追従してベースユニット50のリール23から巻き戻すことができ、リール23は、ユーザがベースユニット50に向かって移動するときに、ケーブル20をハウジング51内に引き戻し、リール23上に巻き戻すように付勢されている。装置1(例えば、ハウジング51及びそのリール23)は、ケーブル20の迅速な巻き戻しの際に(例えば、ユーザが落下した場合)トリガされてユーザを安全に停止させるブレーキ(例えば、遠心ブレーキ)25を備えることができる。自己格納式命綱などの落下防止装置、並びにそれらの構成要素及び機能は、米国特許第7843349号、第8256574号、第8430206号、第8430207号及び第9488235号に様々な態様で記載されている。いくつかの実施形態では、落下防止装置1は、ANSI Z359.14-2012の要件を満たす自己格納式命綱である。
【0007】
いくつかの実施形態では、現場装着可能可撓要素が併用され得る落下防止装置は、例えば、水平命綱又は格納可能水平命綱、位置決めランヤード、衝撃吸収ランヤード、ロープ調整器又はロープ把持器、荷重阻止器、垂直安全システム(例えば、可撓性ケーブル、剛性レール、昇降補助、若しくは固定はしご安全システムなど)、密閉空間レスキューシステム又はホイストシステムなどであり得る。任意のそのような落下防止装置は、本明細書では詳細に説明しない様々な付属品を含む、又はそれらと共に使用することができる。かかる物品としては、ランヤード、遠心ブレーキ、ショックアブソーバー、引裂きストリップ、ハーネス、ベルト、ストラップ、パディング、ツールホルスター又はパウチ、衝撃インジケータ、カラビナ、Dリング、固定コネクタ、などのうちの1つ以上が挙げられるが、これらに限定されない。多くのかかる装置、製品及び部品は、例えば、3M DBI-SALA Full-Line Catalog(Fall 2016)に詳細に記載されている。
【0008】
装置1の耐荷重ケーブル20は任意の好適な形態を取り得る。耐荷重とは、ケーブル20が使用される落下防止装置1の通常の使用において、ケーブル20が落下防止装置の人間のユーザ(例えば、少なくとも130ポンドの体重の成人)によって与えられる荷重を支持することができることを意味する。いくつかの状況(例えば、落下を阻止するために使用される場合)では、ケーブル20は、少なくとも瞬間的に、人間のユーザの実際の重量よりも幾分大きい動的負荷を支持することができることを理解されたい。
【0009】
ケーブル20は任意の形態をとることができ、任意の好適な材料で製作することができる。いくつかの実施形態では、ケーブル20は、金属ケーブル、例えば、撚り又は編組の金属ケーブル(ワイヤロープと呼ばれることが多い)としてもよい。金属ケーブルの好適な材料としては、例えば、ステンレス鋼及び亜鉛めっき鋼を挙げることができる。他の実施形態では、ケーブル20は、撚り又は編組された有機ポリマーストランド、プライ、又はファイバからなるロープの形態をとってもよい。このようなケーブルは任意の好適な有機ポリマー又はポリマー群で構成され得、特定の実施形態では、アラミド、ナイロン、ポリエステルなどで構成され得る。したがって、ケーブルという用語は広く使用され、ケーブルが上述のように荷重を支持する限り、いかなる特定の組成又は幾何学的形状も意味しないことが理解されるであろう。
【0010】
多くの実施形態では、ケーブル20は、少なくとも略円形の断面を呈してもよい。他の実施形態では、ケーブル20の第1の端部21に近接したケーブル20の少なくとも一部(第1の端部21を含んでもよい)は、幅対厚さの比較的高い縦横比を有する断面を示すウェビングから成るランヤードの形態を取ることができる。かかるランヤード/ウェビングは、任意の好適な材料、例えば、上述した有機ポリマー材料の任意のものから構成することができる。かかるランヤードは、ケーブル20の全長を提供することができるか、あるいは、ケーブル20の第1の端部のみを提供することができ、ケーブル20の長さの大部分を提供するワイヤロープ又はポリマーロープの長さに連結することができる。したがって、ケーブル20の概念は、マルチセグメント構成(例えばワイヤロープに接続された末端ランヤード)を包含することが理解されよう。ケーブル20は、任意の好適な長さにすることができる。
【0011】
ケーブル20の第1の端部21は、ケーブル20の第1の端部21が、任意の所望の要素に、例えば、装置1のユーザのハーネスに、又は固定コネクタに接続されることを可能にする(図1及び図2の例示的実施形態に示されるような)少なくとも1つのコネクタ100を含む。コネクタ100は任意の好適な形態を取り得る。図3の分離図における例示的実施形態に示されるように、いくつかの実施形態では、コネクタ100は、本体44、及びそれにヒンジにより取り付けられたゲート43を有するフック部分41を含む留め具40を含み得る。いくつかの実施形態では、ゲート43は、親指又は指作動式であってもよい。いくつかの実施形態では、留め具40は自己係合式であり得る。つまり、留め具40は、留め具40の、ヒンジにより開放可能なゲート43を要素に押し付け、これにより、ゲート43が押圧力に応答して開放するようにすることによって、要素(例えば、着用可能ハーネスのDリング)に係合させられ得る。いくつかの実施形態では、ヒンジ式ゲートは、ゲートが開放された時に作り出される隙間を通る要素の構成要素の通過を許した後にパチンと閉まるよう付勢されていてもよく(例えば、ばね荷重をかけられている)、このような場合には、留め具は自己ロック式(自動ロック式)になり得る。任意のこのような留め具は(自己ロック式であるか否かにかかわらず)、留め具が要素から外されることを可能にするべくゲート43を開放するために、親指又は指で作動可能であり得る。かかる留め具の多くによれば、片手操作ができる。
【0012】
いくつかの実施形態では、コネクタ100は、ケーブル20の第1の端部21がコネクタ100に連結される(即ち、接続される)連結アセンブリ300を含み得る。図4に示されるように、いくつかの実施形態では、このような連結アセンブリ300は、ボルト401によって留め具40に取り付けられた連結具301を含み得る。ボルト401は、頭部403、及び連結具301の基部303内の開口を貫いて延び、留め具40のフック部分41の本体44に取り付けられる軸部402を含み得る。ボルト401の軸部402は、任意の好適な仕方で、例えば、図3に示されるとおりのリベット45の使用によって、相補的なねじ山によって、溶接によって、接着剤によって、又はこれらのうちの任意のものの任意の組み合わせによって、本体44に取り付けられ得る。連結具301及びボルト401は、連結具301が留め具40に対して旋回可能であるように構成され得る。即ち、連結具301は、ボルト401の長軸と整列した回転軸の周りに回転可能であり得る。多くの実施形態では、連結具301は留め具40に取り外し不可能に取り付けられることになる。多くの実施形態において、コネクタ100の少なくともいくつかの構成要素は、金属、例えば、鋼、真鍮、又は同様のもので製作され得る。
【0013】
コネクタ100は、任意の好適な方法でケーブル20の第1の端部21に固定することができる。多くの場合、コネクタ100は、交換しない限り、落下防止装置の寿命の間、ケーブル20と共に存続し得る。もしそうであれば、コネクタ100は、例えば現場で迅速に解放されるために構成されるのではなく、ケーブル20に取り外し不可能に固定されてもよい。図2に、留め具40をケーブル20の第1の端部21に固定するための1つの例示的な構成が示されている。このタイプの構成では、ケーブル20の末端部分は、連結具301によって規定される開口302を通され、それ自身の上に折り返されて、ケーブル20の第1の端部21で末端ループ28を形成してもよく、その末端ループ28からコネクタ100が延びる。ケーブル20の末端部分はケーブル20の末端から2番目の部分と密接に接触させられてもよく、それに付着させられるか、又は他の仕方で接合されてもよい。いくつかの実施形態では、1つ以上の取り付け具がこの目的のために使用されてもよい。任意の好適な取り付け具(単数又は複数)、例えば、シース、フェルール、又は、スエージ取り付け具の形態の圧縮嵌め具を使用することができる。
【0014】
いくつかの実施形態(例えば、少なくともケーブル20の末端部分が有機ポリマーロープを含む場合)では、ケーブル20の末端部分は、例えば、アイスプライスを形成するように重ね継ぎされることにより、ケーブル20の末端から2番目の部分に接合することができる。これは、例えば、これらの部分のうちの少なくとも1つのストランドを部分的にほどいてから、その部分のストランドを他の部分のものと織り、糸通し、又は他の方法でからませることによって達成することができる。いくつかの実施形態(例えば、ケーブル20の少なくとも末端部分が有機ポリマーウェブを含む場合)では、ウェブの末端部分は、縫合によってウェブの末端から2番目の部分に接合してもよい。いくつかの実施形態では、ケーブル20は、図2に示されるように、保護シュラウド30を含み得る。このようなシュラウドは、図2のようにケーブル20の第1の端部21に取り付けられたとき、実用上及び/又は美的目的のために、ケーブルの末端/末端から2番目の部分の接合部の一部又は全部を覆うことができる。
【0015】
製造され、エンドユーザに提供された時に、コネクタ100は、図3に示されるように、衝撃インジケータ400を含み得る。このようなインジケータ(しばしば、視覚的落下インジケータと呼ばれる)は、ユーザ又は指定された人が、目視検査によって、落下防止装置が、所定の閾値を上回る(即ち、それよりも大きい)力を(例えば、落下阻止のゆえに)経験したかどうかを判定することを可能にする。このような衝撃インジケータがコネクタ100に駐在する(resident)ため、この判定は、必ずしも、落下防止装置のベースユニットにアクセスするか、又はそれを検査することを必要とせずに行われ得る。多くの実施形態では、このようなコネクタ駐在衝撃インジケータ(a connector-resident impact indicator)400は無給電式インジケータであることになる。つまり、それは、その機能を遂行するためにいかなる種類の電力も必要としない。
【0016】
多くの好都合な構成では、このような衝撃インジケータ400は上述のボルト401を部分的に頼りにし得る。図4図6に示されるように、ボルト401は、連結具301の基部303を貫いて延びる貫通開口内に摺動可能に取り付けられ得る。図4に示されるように、衝撃インジケータ400は、十分な力を受けると撓むことになる工場装着可撓要素411を頼りにし得る。例えば、可撓要素411は、ボルト頭部403の下面404と連結具301の基部303の上面304との間に挟まれ、ボルト401の軸部402に取り付けられてもよい。
【0017】
このような構成によれば、留め具40のフック部分41に印加された力が、圧壊力が要素411に印加される結果を生じさせることになる。要素411は、十分に高い圧壊力が要素411を撓ませることになるよう、ボルト401及び連結具301と協調するように設計され得る。このような力に応じて、要素411は、撓みはするものの、ボルト401の軸部402上の所定位置にとどまり得るか、又は要素411は部分的若しくは完全に押しのけられ得る。このような状況はいずれも「可撓性(deflectable)」の術語によって包含される。定義により、可撓要素は(本明細書において後の説明されるように、工場装着要素であるのか、それとも現場装着可能要素であるのかにかかわらず)、不可逆的可撓要素である。即ち、このような要素は、(変形及び/又は押しのけによるのかどうかにかかわらず)一度撓むと、その元の撓んでいない状態に復元可能でない。
【0018】
要素411の撓みは、ボルト401が、図5に示されるとおりの第1の位置から、図6に示されるとおりの第2の位置へ、連結具301に対して(図5及び図6の図では、下方に)摺動可能に移動することを可能にする(要素411は、他の構成要素を可視化することを容易にするために、これらの図の両方から省略されていることに留意されたい)。第1の位置は、衝撃インジケータ400の可動構成要素(図示の実施形態では、ボルト401)が、それが、インジケータ400、又は落下防止装置1若しくはその任意の構成要素が、所定の閾値を上回る力を経験したことを表示しない位置にあることを意味する、非表示位置と称されることになる。第2の位置は、衝撃インジケータ400の可動構成要素401が、インジケータ400、及びそれゆえ、落下防止装置1が、所定の閾値を上回る力を経験した可能性があることを表示する位置にあることが意味される、表示位置と称されることになる。(可動構成要素401がこの位置にあることは、本明細書において、衝撃インジケータが「作動させられた」と言及される)。可動構成要素401が(可動構成要素が移動することを物理的に阻む可撓要素が存在しない状態では)可逆的に可動であるため、例えば、可撓要素411が完全に押しのけられた場合には、可動構成要素401は第1及び第2の位置の間で自由に移動することが可能になり得ることが理解されるであろう。これを所与とすると、構成要素401が、第1の位置にあると観察されるが、第1及び第2の位置の間で自由に摺動することができることが観察される場合は、構成要素401が第2の表示位置にあることと同等と考えられることになる。
【0019】
いくつかの実施形態では、衝撃インジケータの可動構成要素の位置、例えば、連結具301に対するボルト401の位置は、可動構成要素が第1の非表示位置にあるのか、それとも第2の表示位置にあるのか(即ち、衝撃インジケータが作動させられたのかどうか)を確認するための根拠としての機能を果たし得る。この一般的なタイプの構成が、例えば、米国特許出願公開第2017/0291049号において、特に‘049号公報の図9図10A及び図10Bを参照して記載されている。しかし、いくつかの実施形態では、衝撃インジケータの可動構成要素は、可動構成要素が第1の位置にある時には隠蔽され、可動構成要素が第2の位置にある時には視認可能である表示部分を含み得る。それゆえ、可動構成要素がボルト401の形態を取る実施形態では、ボルト401の軸部402は、図5に示されるように、ボルト401が第1の位置にある時には連結具301の基部303によって隠蔽される表示部分405を含み得る。ボルト401が第2の位置にある時には、表示部分405は、図6に示されるように、視認可能になる。いくつかの実施形態では、軸部402の表示部分405は、容易に視認可能であり、連結具301及び/又は留め具40の色とは異なる色(例えば赤色)を与えられてもよい。いくつかの実施形態では、このような表示部分405は、例えば、軸部402の所望の部分を塗装するか、又は他の仕方で着色することによって提供されてもよい。いくつかの実施形態では、軸部402の表示部分405は、軸部402の所望の部分の周りに取り付けられた着色された(例えば、塗装又は染色された)スリーブの形態を取ってもよい。このようなスリーブはまた、ボルト401が第1の位置にある時には、軸部402の周りの連結具301の回転のしやすさを高めるブッシングとしての機能を果たし得る。
【0020】
製造時の多くの落下防止製品では、可撓要素411は、工場装着要素(例えば、真鍮又は何らかの他の好適な金属で作製された「圧潰リング」)であり得る。このような要素は、通例、軸部402が留め具40に取り付けられる前に、ボルト401の軸部402に摺動可能に搭載されることになる。実際に、このような要素は、ボルト401が留め具40に取り付けられた後にボルト401に装着することができない。即ち、可撓要素411はコネクタ100の製造中に装着されなければならず、現場で装着可能又は現場で交換可能ではない。
【0021】
本明細書において開示され、図7図9の例示的実施形態において示されるのは、現場で装着可能である可撓要素500である。現場装着可能(field-installable)によって、要素500、及びそれが併用されるコネクタ100が、コネクタ100(又はそれが構成要素となっている落下防止装置1)を修理のために工場(又は他の認可施設)に返すことを必要としない、現場におけるユーザ又は他の権限者による要素500の装着を可能にし、容易にするように構成されていることが意味される。また、現場装着可能によって、特別な道具又は取り付け具を全く必要とすることなく、要素500を手動で(手で)装着することができることも意味される。落下防止デバイスの当業者は、衝撃インジケータを調べると、インジケータを、現場装着式である可撓要素を有すると識別することができるであろう。更に、当業者は、このような衝撃インジケータを、当技術分野において用いられているとおりの工場装着可撓要素に頼ったそれらの衝撃インジケータと区別することができるであろう。
【0022】
図7図9に示される例示的実施形態では、このような構成は、互いに嵌合し、スリーブ、シース、フェルール、バンド、管、リング、又は同様のものの一般的形態のものである可撓要素500を共同してもたらす、第1及び第2の部品501及び511を提供することによって達成される。図示の実施形態では、可撓要素500は少なくとも概ね円筒形のスリーブの形態のものである。それゆえ、ボルト401がその第1の非表示位置に配置された状態で、ボルト頭部403の下面404と連結具基部303の上面304との間において、部品501及び511をボルト401の軸部402上の所定位置に嵌め込み、図7に示される構成をもたらすことができる。それゆえ、ボルト401及び現場装着スリーブ500は衝撃インジケータ400を共同してもたらし、ボルト401は可動構成要素としての機能を果たし、スリーブ500は可撓要素としての機能を果たす。
【0023】
いくつかの実施形態では、第1及び第2の部品501及び511は任意の好適な有機ポリマー材料で成形され得る(例えば、射出成形される)。いくつかの実施形態では、第1及び第2の部品501及び511は互いに同一であり得る。いくつかの実施形態では、第1及び第2の部品は、ボルト軸部402の外径にぴったりと一致した内径を有する少なくとも概ね又は実質的に円筒形のスリーブを形成するようサイズ設定及び形状設定され得る。他の実施形態では、部品は、スリーブがボルト軸部402を抱き締めるきつさを高めるために、ボルト軸部402の外径よりも(例えば、約5又は約10%だけ)若干小さい呼び内径を有する少なくとも実質的に円筒形のスリーブを形成するようサイズ設定及び形状設定され得る。
【0024】
いくつかの実施形態では、第1及び第2の部品501及び511は互いに嵌合し、インターロッキング構造を形成し得る。インターロッキング構造によって、一度、ボルト401の軸部402上の所定位置において組み立てられると、自己保持する構造が意味される。換言すれば、一度、部品501及び511が互いに嵌合して軸部402上のスリーブになると、部品501及び511は、それらが、それらを撓ませるために十分な力を経験するまで(又はそれらがユーザによって、例えば、検査若しくは交換のために、取り外されるまで)所定位置にとどまることになる。図8において最も容易に見られる特定の例示的な設計では、第1の部品501は、主部502、並びに上向き及び下向きのタブ503及び504、並びに上向き及び下向きのスロット505及び506を含み得る。第2の部品511は、同様に、主部512、並びにタブ513及び514、並びにスロット515及び516を含み得る。この一般的な種類のインターロッキング設計の多くの変形が可能である。いくつかの実施形態では、部品の少なくともいくつかの縁部は、(図7図9の図を参照して)力が上下方向に沿って部品に印加された時に、力が、部品を若干径方向内方に追いやる傾向を有することになり、これにより、それらがボルト軸部402をよりきつく抱き締めるように配向され得る(例えば、若干角度が付けられている)。
【0025】
部品501及び511の寸法、かくして形成されたスリーブの寸法(例えば、径方向厚さ)、並びに部品が作製された材料の特性(例えば、弾性率)は、かくして形成された要素が、所定の閾値を上回る力にさらされた時に可撓であるよう、組み合わせて選定することができる。換言すれば、部品は、例えば、スリーブが取って代わる工場装着可撓要素(例えば、真鍮圧潰リング)の圧潰強度にぴったり一致した圧潰強度を要素にもたらすよう選定され得る。様々な実施形態では、現場装着可能可撓要素500は、少なくとも600、700、又は800重量ポンドの圧潰強度を呈し得る(それゆえ、要素500が構成要素となっている衝撃インジケータ400は、この大きさの力にさらされた時に作動させられ得る)。更なる実施形態では、要素500は、せいぜい850、750、又は650重量ポンドの圧潰強度を呈し得る。任意のこのような圧潰強度、及び結果として生じる、衝撃インジケータが作動させられる閾値の力の値は、全ての適用規格に従って選定されることになることが理解されるであろう。
【0026】
いくつかの実施形態では、現場装着可能可撓要素500は、(例えば、少なくとも最初は)純粋な圧縮にほぼ等しい撓み様式で動作するように構成され得る。即ち、このような要素は、ボルト頭部と連結具基部との間の圧壊力を受けた時に、2つの部分から組み立てられているのではなく、単一のものである、同様にサイズ設定及び形状設定された要素のものに近い圧潰強度を呈し得る。換言すれば、部品501及び511は、一体に組み立てられると、たとえ、「本体」が2つの部分で構成されており、その2つの部分が、それらは上述されたようにインターロッキングされていてもよいが、実際には互いに接合されていなくても、それらが少なくとも概ね単一の本体として挙動するように構成することができる。
【0027】
衝撃インジケータの現場装着可能可撓構成要素は、必ずしも、2つの(又はそれより多くの)部品の組み立てから得られなくてもよい。むしろ、いくつかの実施形態では、単独部品の可撓構成要素が用いられ得る。例えば、少なくとも概ね円筒形の、単独部品のスリーブ601が可撓要素500としての機能を果たし得る。図10における例示的な表現に示されるように、いくつかの実施形態では、このようなスリーブは、部品が、その軸方向寸法に沿った断面内で見たときに概ねC字形になるよう、長手方向の切り抜き部(スロット)602を含み得、任意の好適な弾性材料で作製され得る。このようなスリーブは、スロット602の幅を、スリーブ601が駐在するべきボルト401の軸部402の部分の外径よりも大きい値に増大させるよう、一時的に変形させることができる。その後、スリーブを軸部402上の所定位置に移動させることができ、変形圧力が取り除かれ、スリーブがその元の(例えば、概ね円筒形の、C字形の)構成に実質的に戻ることを可能にする。その後、このようなスリーブは、上述された2部品のスリーブと実質的に同様の仕方で機能を果たし得る。
【0028】
更に別のアプローチでは、(例えば、切り抜き部又はスロットを全く有しない)単独部品のスリーブが可撓要素500としての機能を果たし得る。このようなスリーブは、スリーブがボルト頭部403の上を摺動可能に移動させられることを可能にするために十分に大きい内のり寸法(例えば、直径)を有し得る。このようなスリーブはボルト401の長手方向軸に沿って摺動可能に移動させられ、ボルト軸部402に沿った所望の部位に達し得る。スリーブは好適な材料で作製され得、スリーブの少なくとも部分がボルト軸部402の所望の部分に密接に当接するよう、スリーブが圧着されることを可能にするために適切に選定された幾何学的形状を含み得る。いくつかの実施形態では、このような作業を容易にするための特別な道具(例えば、圧着プライヤ)が提供されてもよい。この特別な例は、現場装着可能可撓要素は装着のための特別な道具を全く必要としないという上記の条件の例外であり、圧着可能スリーブは、依然として、本明細書において開示されるように、現場で装着可能であると考えられる。また、このようなスリーブは、圧着作業を受けた後に、必ずしも形状が厳密に円筒形にならなくてもよい。むしろ、それは、圧着プロセスによって与えられたとおりの、1つ以上の折り目、しわ、ひだ、又は同様のものを含み得る。
【0029】
以上の説明から、現場装着可能可撓要素は任意の好適な形状及び形態を含み得、任意の好適な材料(例えば、成形プラスチック、又は打ち抜き板金などの成形加工金属)から作製され得、単独の部品を含み得るか、又は複数の部品から組み立てられ得ることが理解されるであろう。全てのこのような構成は現場装着可能可撓要素の概念に包含される。更に、任意のこのような可撓要素は、多くの場合、便宜のため「スリーブ」と呼ばれているが、厳密に円筒形である必要はない。即ち、任意のこのようなスリーブは、その長さに沿った任意の点における断面で見たときに、必ずしも、途切れない厳密に円形の形状を呈しなくてもよい。実際に、いくつかの実施形態では、現場装着可能可撓要素は、スリーブ、シース、リング又は同様のものの形態を取らなくてもよい。例えば、衝撃インジケータは、1つ以上の可逆的に可動である要素と組み合わせて配置される1つ以上のシヤピンの形態の可撓要素を含み得るであろう。それゆえ、いくつかの実施形態では、現場装着可能可撓要素はシヤピンであり得る。他の実施形態では、現場装着可能可撓要素は、皿ばね座金(即ち、円錐ばね座金)、又はこのような座金の積層体を含み得る。
【0030】
いくつかの実施形態では、現場装着可撓要素500は、撓ませられた後にボルト軸部402上の所定位置にとどまり得る。他の実施形態では、要素500は、撓ませられると軸部402から押しのけられ得る。いくつかの実施形態では、要素500は、撓ませられた時に、相当に、又は大きく変形させられ得、いくつかの実施形態では、要素500は複数の破片に破砕するか、破裂するか、又は粉砕し得る。全てのこのような事例、変形、及び組み合わせは用語「可撓性」によって包含される。撓み後の要素500の正確な状態にかかわらず、要素500は不可逆的に可撓性を有し、その撓む前の状態に復元可能でない。
【0031】
いくつかの実施形態では、コネクタ100に駐在し、現場装着可能可撓要素500を受け入れるように構成された衝撃インジケータ400が、二次衝撃インジケータと組み合わせて用いられ得る。いくつかの実施形態では、このような二次衝撃インジケータはコネクタ100に駐在しなくてもよい。例えば、このような二次衝撃インジケータは、図1における例示的実施形態に示されるように、落下防止装置1のベースユニット50に(例えば、そのハウジング51に)駐在するインジケータ60であり得る。ベースユニット50に駐在するということによって、二次衝撃インジケータ60が、ハウジング51上又は内に駐在し、落下防止装置1が、所定の閾値を上回る力を経験したかどうかの判定を可能にする少なくとも1つのパラメータを監視するように構成された少なくとも1つのセンサ61を頼りにすることが意味される。以下の詳細な説明から明らかになるように、これは、インジケータ60を共同してもたらす構成要素、プロセッサ等の全部、又は更には大部分が、ベースユニット50上、又はそのハウジング51上/内に駐在しなければならないことを必要としない。むしろ、多くの実施形態では、センサ61は、データを、ベースユニット50に配置されていない受信ユニットへ伝送し得る(例えば、無線伝送する)。このような受信ユニット(又はそれと通信する任意のエンティティ)は、このようなデータを処理し、装置1が、所定の閾値を上回る力を経験したかどうかの判定に到達し得、このような判定の指示を提供し得るなどする。
【0032】
多くの実施形態では、二次衝撃インジケータ60は給電式インジケータであり得る。つまり、それは、機能するために電力を必要とする。多くの実施形態では、センサ61及び二次衝撃インジケータ60(及び存在する場合には、受信ユニット)は、少なくとも落下防止装置1の動作中にデータを取得し、及び/又は記録するように構成された電子データロギングシステムの構成要素であり得る。このようなデータロギングシステムは、多くの態様において、様々な目的のために、例えば、安全性モデルの生成のため、及び/又は安全性事象の発生の予測のために、例えば、装置1の使用及び動作状態を監視し得、装置のユーザの動きを監視し得るなどする。それゆえ、多くの実施形態では、二次衝撃インジケータの提供は、単に、このようなデータロギングシステムによって遂行され得る多くのうちの1つの操作にすぎないものであり得ることは理解されるであろう。データロギングシステム、それらの構成要素、及びそれらが落下防止装置に関連して活かされ得る様々な利用法が、米国特許出願公開第2018/0107169号に詳細に説明されている。同文献は全体が本明細書において参照により組み込まれる。
【0033】
コネクタ100に駐在し、現場装着可能可撓要素500を受け入れるように構成された衝撃インジケータ400、及び例えば、コネクタ100に駐在しない(例えば、落下防止装置のベースユニット50に駐在する)二次衝撃インジケータが、有利に、組み合わせて用いられ得る。例えば、コネクタ駐在衝撃インジケータ400は、第1の所定の値を上回る力が装置によって経験された時に作動させられるように構成され得る。二次衝撃インジケータは、第1の所定の値を(例えば、少なくとも10、20、30、又は40パーセントだけ)上回る第2の所定の値を上回る力が装置によって経験された時に作動させられるように構成され得る。それゆえ、本明細書において開示される構成は、コネクタ駐在衝撃インジケータを作動させるために十分である第1の所定の値を上回るが、落下防止装置が修理のために工場に返されることを要求することになる第2の所定の値を上回らない力が落下防止装置によって経験されたことの判定を可能にする。このような力は、このような作業における当業者によってよく理解されるであろうように、例えば、「ロックアップ」試験の一部として装置の耐荷重ケーブルを非常に強く引っ張ること、装置のユーザがはしごから素早く降りること、又は同様のことの結果、生じ得るであろう。
【0034】
それゆえ、コネクタ駐在衝撃インジケータ400の目視検査が、衝撃インジケータ400が作動させられたことを明らかにすると、二次衝撃インジケータ60が(落下防止装置のユーザによるのか、それとも安全管理者又は他の権限者によるのかにかかわらず)調査されてもよい。二次衝撃インジケータが、第2の所定の値を上回る力が経験されたことを明らかにした場合には、落下防止装置は、例えば、検査及び必要に応じて修理のために工場に返されてもよい。しかし、場合によっては、二次衝撃インジケータは、第2の所定の値を上回る力が経験されなかったことを明らかにしてもよく、したがって、装置を工場に返す必要がなくてもよい。このような状況では、コネクタ駐在衝撃インジケータ400の可動構成要素はその第1の非表示位置へ戻されてもよく、現場装着可能可撓要素500が、上述された仕方で装着されてもよい(換言すれば、コネクタ駐在衝撃インジケータ400はその未作動状態に復元されてもよい)。その後、落下防止装置は作業現場における能動的使用に戻されてもよい。それゆえ、使えなくなった装置を取り去り、それを工場に返す必要がなくなり得る。
【0035】
当業者は、大きな利点がこのような構成からもたらされ得ることを理解するであろう。例えば、コネクタ駐在衝撃インジケータ400は、例えば、毎朝、毎勤務シフトの開始時に、及び/又は異なるユーザが落下防止装置1の使用を開始する時に検査されてもよい。このような場合には、コネクタ駐在衝撃インジケータ400は、落下防止装置のベースユニットにアクセスすること、又はそれを検査することを全く必要とすることなく、容易に目視検査され得る。これは、落下防止ユニットが自己格納式命綱であるときに、特に有利である。この場合には、装置のベースユニット/ハウジングは、高い、到達しづらい場所に配置されていてもよく、その一方で、装置の耐荷重ケーブルはベースユニットから延ばされてもよく、これにより、装置のコネクタ100は、より低い、容易にアクセス可能な場所にある。検査が、衝撃インジケータ400が作動させられたことを明らかにした場合には、装置を修理のために工場に返すべきかどうか、又はコネクタ駐在衝撃インジケータをその未作動状態に復元し、装置を作業現場における能動的使用に戻すことができるかどうかを判定するために、二次衝撃インジケータが、上述された仕方で調査されてもよい。このような構成は、二次衝撃インジケータの存在を頼りにするだけでなく、コネクタ駐在衝撃インジケータの現場装着可能交換可撓構成要素の本明細書において開示されるコンセプトも前提とすることは理解されるであろう。
【0036】
様々な実施形態では、二次衝撃インジケータ60によって用いられるセンサ61は任意の好適な感知機構を頼りにすることができる。いくつかの実施形態では、このようなセンサは、自己格納式命綱のベースユニット50のハウジング51内に駐在する遠心ブレーキのブレーキディスクの任意の運動を監視するように構成され得る。即ち、ブレーキディスクが回転可能に運動した距離が(連続的であるのか、それとも断続的であるのかにかかわらず)監視され、落下防止装置が経験した力を推測するために用いられ得る。それゆえ、いくつかの例では、センサ61は、例えば、ケーブル20上、又はケーブル20が取り付けられたリール23上の力を直接測定する、ロードセル、ひずみゲージ、張力センサ、又は何らかの同様のデバイスであり得るが、いくつかの実施形態では、センサ61は、必ずしも、このような力を直接測定しなくてもよい。いくつかの実施形態では、センサ61は、ケーブル20が取り付けられたリール23の回転位置、回転変位、回転速度、及び/又は回転速度の変化(例えば、加速度)を監視し得る。いくつかの実施形態では、センサ61は、例えば、ケーブル20がベースユニット50のハウジング51に入る位置又はその付近における、ケーブル20の線形位置、線形変位、線形速度、及び/又は線形速度の変化(例えば、加速度)を監視し得る。任意の好適な仕方で操作又は処理された、任意のこのようなデータが、装置によって経験された力を算出するか、又は他の仕方で推測するために用いられ得る。
【0037】
いくつかの実施形態では、二次衝撃インジケータ60は、落下防止装置によって経験された力を算定する際に、1つを超えるセンサ61からのデータ及び/又は1つを超える種類のデータを頼りにし得る。例えば、いくつかの実施形態では、二次衝撃インジケータは、このような算定を行う際に、ディスクブレーキ変位データを、耐荷重ケーブルが取り付けられたリールの速度又は加速度に関するデータと組み合わせて利用し得る。
【0038】
本明細書における説明は、二次衝撃インジケータ60が作動させられること(つまり、それが、力が第2の所定の閾値を超えたことを検出又は推測すること)に言及したが、これは、二次衝撃インジケータ60がコネクタ駐在衝撃インジケータ400と同様の構造のものでなければならないか、又はそれと同じ仕方で機能しなければならないことを暗示しないことは理解されるであろう。即ち、二次衝撃インジケータ60は、特定の閾値に達した場合にのみ作動させられ、閾値が超えられたこと以外の情報を報告することができない種類のものである必要がない。むしろ、二次衝撃インジケータ60は、上述の第1及び第2の所定の閾値に関連する力の実際値に関係なく、落下防止装置がさらされる力を監視、さもなければ推測し得る。それゆえ、概して、二次衝撃インジケータ60及びそのセンサ61は、様々なパラメータのうちの任意のものを、例えば、連続的に、又は断続的に監視し、パラメータが任意の特定の閾値を上回るか、又は下回るか否かに関係なく様々なパラメータを記録するデータロギングシステムの部分であり得る。特定の値を上回る(又は下回る)パラメータ(例えば力)は、二次衝撃インジケータが作動させられたことに対応することになる、表示又は警報をトリガし得る。このような警報は、任意の好適な仕方で、例えば、無線通信又は同様のものによって、例えば、受信局へ、一斉同報又は通信され得る。二次衝撃インジケータに表示させる実際のデータ処理の一部若しくはほとんど、並びに表示警報の一斉同報又はアクセスは、装置のベースユニットから遠隔の場所において、例えば、データをセンサ61から受信する受信ユニットにおいて行われ得る。上述されたように、二次衝撃インジケータは、落下防止装置の様々な動作パラメータの監視及び/又はデータロギングなどの様々な他のタスクを遂行する電子システムの構成要素又は機能であり得る。即ち、二次衝撃インジケータは電子システムの機能モジュールであり得る。
【0039】
いくつかの実施形態では、二次衝撃インジケータは、落下防止装置の状態、使用、動作の様々な態様を監視する、算定する、報告するなどし得る、電子システムの複数の機能モジュールのうちの単なる1つであり得る。いくつかの実施形態では、落下防止装置は、状態、使用、又は動作がシステムによって監視され得る複数の個人用防護具(personal protective equipment、PPE)装置のうちの単なる1つの装置であり得る。このようなPPE装置は落下防止以外の1つ以上の異なる種類(例えば、呼吸保護)の装置を含み得、及び/又は情報が、例えば、システムの受信ユニットへ通信され得るよう、通信ユニットを含み得る。このようなシステム及びそれらの使用、並びにPPE装置をこのようなシステムにおける使用のために構成することができる仕方が、米国仮特許出願第62/556771号及び第62/639958号に記載されている。これらの文献は全体が本明細書において参照により組み込まれる。
【0040】
例えば、二次衝撃インジケータの構成要素として用いられ得る様々な種類及び動作機構のセンサ、データロギングを遂行するため、データを受信ユニットに伝送するため、動作状態及び事象の報告を出力するためのデバイス、システム、及び方法、などが、米国特許出願公開第2018/0107169号、並びに米国仮特許出願第62/408634号及び国際公開第2017/223476号に記載されている。これらの文献の全ては全体が本明細書において参照により組み込まれる。例えば、磁気感知装置の使用によって、落下防止装置の選定された構成要素若しくは構成要素群(例えば、リール)の位置、変位、速度、加速度などを監視するためのシステム及び方法が、米国仮特許出願第62/543564号に開示されている。同文献は全体が本明細書において参照により組み込まれる。自己格納式命綱などの落下防止装置と共に用いられ得る(並びに状態、例えば、位置若しくは変位が、第2の衝撃インジケータを提供するために監視され得る)様々な例示的な種類及び構成の遠心ブレーキが、米国特許第8430207号、並びに米国仮特許出願第62/459724号及び第62/531984号に記載されている。これらの文献の全ては全体が本明細書において参照により組み込まれる。いくつかの実施形態では、(例えば、現場装着可能交換可撓要素を受け入れるように構成された)本明細書において開示されるとおりのコネクタ駐在衝撃インジケータは、同様にコネクタに駐在する二次インパート(impart)インジケータと組み合わせて用いられる一次インジケータであり得る。例えば、このような二次インジケータは、一次インジケータと比べて、撓ませられるためにより高い力を必要とする(例えば、より高い圧潰強度を有する)可撓要素(例えば、圧潰リング)を含み得るであろう。
【0041】
このような二次衝撃インジケータは、存在する場合には、コネクタ駐在衝撃インジケータが検査されたか、又は作動させられたことを見出されたか否かにかかわらず、アクセス又は検査され得る、落下防止装置1が、所定の閾値を上回る力を経験したことの通知をトリガし得る、などすることが理解されるであろう。即ち、このような二次衝撃インジケータは、それが、コネクタ駐在衝撃インジケータによって提供される情報を補う際に果たし得る役割とは無関係に、機能する、調査される、表示を報告する、などし得る。任意のコネクタ駐在衝撃インジケータ(及び存在する場合には、任意の二次衝撃インジケータ)の構成及び使用は全ての適用規格に従うことになることは理解されるであろう。具体的には、第1の未作動状態へのコネクタ駐在衝撃インジケータの任意の再設定(例えば、現場装着可能交換可撓要素の装着)は、落下防止装置の製造業者によって提供された、及び適用され得る任意の規格に従った指令に従って遂行されることになる。
【0042】
以上の説明から、(衝撃インジケータ及び/又は可撓要素の特定の設計にかかわりない)コネクタ駐在衝撃インジケータのための現場装着可能可撓要素を利用できることは、このようなコネクタ駐在衝撃インジケータが、例えば、コネクタに駐在しない二次衝撃インジケータと組み合わせて有利に用いられることを可能にすることは理解されるであろう。具体的には、二次衝撃インジケータからの情報は、場合によっては、作動させられたコネクタ駐在衝撃インジケータを第1の非表示状態に再設定することができること(即ち、コネクタ駐在衝撃インジケータの可動要素をその第1の非表示位置へ移動させることができ、その後、現場装着可能可撓要素を装着することができること)を示すことができる。
【0043】
本明細書において開示される構成は、例えば、落下防止装置の第1のコネクタ駐在衝撃インジケータが作動させられた事態に応ずるための指令を含むキットの形の、落下防止装置、及び/又は現場装着可能交換可撓要素を提供することを可能にする。このような指令は、装置によって経験された力が(第2の衝撃インジケータによって報告されるように)第2の所定の閾値を上回らなかった場合には、第1のコネクタ搭載衝撃インジケータが第1の非表示状態に再設定されてもよいことを規定し得る。このような指令は、コネクタ駐在衝撃インジケータの可動要素をその第1の非表示位置へ移動させるため、及び/又は現場装着可能交換可撓要素を現場で装着するための具体的な手順を含み得る。
【0044】
製品に付随するキットなどに含まれる「指令(instruction)」の術語は、このような指令が、例えば、紙面上に印刷されるのか、それともCD、フラッシュドライブ上、又は任意の他の電子若しくは光学的可読媒体上にロードされるのかにかかわらず、落下防止装置及び/又は1つ以上の現場装着可能交換可撓要素とパッケージ化された指令を包含する。この術語はまた、特に、物理的な製品とパッケージ化されていないが、代わりに、製品のユーザ(若しくは他の権限者)が、このような情報を取得するために案内されるウェブサイト上で提供されるか、又はユーザ(若しくは他の権限者)が、このような情報を取得するために案内されるスマートフォンアプリケーション上で提供されるか、あるいは任意の同様の構成である情報の形態の「仮想」指令を包含する。
【0045】
例示的実施形態のリスト
実施形態1は、落下防止装置であって、第1の非表示位置から第2の表示位置へ可逆的に可動である構成要素を含む衝撃インジケータを含むコネクタを含む第1の端部を有する耐荷重ケーブルを備え、衝撃インジケータが可撓要素を含み、可撓要素が、所定の閾値を上回る力が存在しない場合、衝撃インジケータの可逆的に可動である構成要素が第1の非表示位置から第2の表示位置へ移動するのを防止し、可撓要素が、所定の閾値を上回る力の印加時に、構成要素が第1の非表示位置から第2の表示位置へ移動することを可能にするよう可撓性であり、可撓要素が、現場装着可能可撓要素である、落下防止装置である。
【0046】
実施形態2は、衝撃インジケータの可逆的に可動である構成要素が、コネクタの連結具をコネクタの留め具の本体と接続するボルトであり、現場装着可能可撓要素が、ボルトの軸部の部分を径方向に取り囲む少なくとも概ね円筒形のスリーブを共同して形成する第1及び第2の嵌め合わされた部品を含む、実施形態1の落下防止装置である。
【0047】
実施形態3は、可撓要素の第1及び第2の部品が、一度嵌め合されて、ボルトの軸部の部分を径方向に取り囲む少なくとも概ね円筒形のスリーブを形成すると、撓ませられない限り、円筒形のスリーブの形態で嵌め合わされたままに留まるインターロッキング部品である、実施形態2の落下防止装置である。
【0048】
実施形態4は、衝撃インジケータの可逆的に可動である構成要素が、コネクタの連結具をコネクタの留め具の本体と接続するボルトであり、現場装着可撓要素が、スリーブが概ねC字形の断面を呈するように、長手方向スロットを含む少なくとも概ね円筒形のスリーブを含み、スリーブが、ボルトの軸部の部分上に嵌め込まれてボルトの軸部の部分を少なくとも部分的に径方向に取り囲むことができる、開放位置へ変形可能である、実施形態1の落下防止装置である。
【0049】
実施形態5は、衝撃インジケータの可逆的に可動である構成要素が、コネクタの連結具をコネクタの留め具の本体と接続するボルトであり、現場装着可撓要素が、ボルトの長手方向軸に沿って、スリーブがボルトの軸部の部分に径方向で外方に当接する位置に摺動して可動であるスリーブから形成され、スリーブの少なくとも一部分が、スリーブを、スリーブの少なくとも一部分がボルトの軸部の部分を密に取り囲む圧着構成に変形させるように、径方向で内方に変形可能である、実施形態1の落下防止装置である。
【0050】
実施形態6は、落下防止装置が、耐荷重ケーブルの第2の端部が係合するベースユニットを更に備える、実施形態1~5のうちのいずれか1つの落下防止装置である。
【0051】
実施形態7は、落下防止装置が自己格納式命綱であり、ベースユニットが、ハウジングと、ハウジングに回転可能に接続されたリールとを備え、耐荷重ケーブルの第2の端部が、自己格納式命綱のベースユニットのリールに取り付けられている、実施形態6の落下防止装置である。
【0052】
実施形態8は、コネクタが、ヒンジにより開放可能であり、かつヒンジにより接続されたゲートを備える本体を有するフック部分を含む留め具を含み、コネクタが、留め具のフック部分の本体に取り付けられたボルトによって留め具に旋回可能に接続されて連結具を含む連結アセンブリを含み、耐荷重ケーブルが連結具に固定されている、実施形態1~7のうちのいずれか1つの落下防止装置である。
【0053】
実施形態9は、衝撃インジケータの可逆的に可動である構成要素が、コネクタの連結具をコネクタの留め具の本体と接続するボルトであり、ボルトが、第1の非表示位置と第2の表示位置との間において、連結具に対して可逆的に摺動して可動である、実施形態1~8のうちのいずれか1つの落下防止装置である。
【0054】
実施形態10は、ボルトの軸部の表示部分が、ボルトが第1の非表示位置にある時には連結具の基部部分によって隠されており、ボルトの軸部の表示部分が、ボルトが第2の表示位置にある時には視認可能であり、軸部の表示部分が表示色を含む、実施形態9の落下防止装置である。
【0055】
実施形態11は、コネクタを含む第1の端部を有する耐荷重ケーブルを備える落下防止装置を使用する方法であって、本方法が、衝撃インジケータの可逆的に可動である構成要素が、第1の非表示位置にあるのか、それとも第1の所定の閾値を上回る力が装置によって経験されたことを表示する第2の表示位置にあるのかを判定するために、落下防止装置のコネクタ駐在衝撃インジケータを検査することと、可動構成要素が第2の表示位置にある場合には、装置によって経験された力が、第1の所定の閾値よりも高い第2の所定の閾値を上回ったかどうかを判定するために、二次衝撃インジケータを考慮することと、二次衝撃インジケータが、力が第2の所定の閾値を上回らなかったことを表示する場合には、衝撃インジケータの可逆的に可動である構成要素をその第1の非表示位置へ移動させ、現場装着可能可撓要素をコネクタに装着し、これにより、現場装着可能可撓要素及び可動構成要素が、第1の非表示状態にあるコネクタ駐在衝撃インジケータを共同して提供することと、を含む方法である。
【0056】
実施形態12は、撓んだ工場装着可撓要素に対する交換品として、現場装着可能可撓要素をコネクタに装着する前に、撓んだ工場装着可撓要素をコネクタから取り外すステップを更に含む、実施形態11の方法である。
【0057】
実施形態13は、落下防止装置が、ハウジングと、ハウジングに回転可能に接続されたリールとを有するベースユニットを備える自己格納式命綱であり、耐荷重ケーブルの第2の端部が、自己格納式命綱のベースユニットのリールに取り付けられており、二次衝撃インジケータが、ベースユニットのハウジング内に駐在する少なくとも1つのセンサを含む、実施形態11又は12の方法である。
【0058】
実施形態14は、ハウジング内に駐在する少なくとも1つのセンサが、位置センサ、変位センサ、速度計、加速度計、張力センサ、ロードセル、及びひずみゲージから成る群から選定される少なくとも1つのセンサを含む、実施形態13の方法である。
【0059】
実施形態15は、ハウジング内に駐在する少なくとも1つのセンサが、ハウジング内に取り付けられた遠心ブレーキのブレーキディスクの回転変位を感知するように構成された少なくとも1つの変位センサを含む、実施形態13の方法である。
【0060】
実施形態16は、ハウジング内に駐在する少なくとも1つのセンサが、リールの回転速度を監視し、及び/又は耐荷重ケーブルが動く速度を監視する少なくとも1つのセンサを含む、実施形態13~15のうちのいずれか1つの方法である。
【0061】
実施形態17は、少なくとも1つのセンサが、少なくとも落下防止装置の動作中のデータを記録するように構成されたデータロギングシステムの構成要素であり、データロギングシステムが、少なくとも1つのセンサからのデータに基づいて、装置によって経験された力が第2の所定の閾値を上回ったかどうかの表示を報告するように構成されている、実施形態13~16のうちのいずれか1つの方法である。
【0062】
実施形態18は、データロギングシステムが、装置によって経験された力が第2の所定の閾値を上回ったかどうかの表示を、落下防止装置のベースユニットに駐在しない受信ユニットに報告するように構成されている、実施形態17の方法である。
【0063】
実施形態19は、コネクタ駐在衝撃インジケータを検査するステップが、耐荷重ケーブルの第1の端部におけるコネクタがベースユニットから少なくとも3メートル離れているようにベースユニットから延ばされた耐荷重ケーブルを用いて遂行される、実施形態11~18のうちのいずれか1つの方法である。
【0064】
実施形態20は、二次衝撃インジケータが落下防止装置のコネクタに駐在しない、実施形態11、12及び19のうちのいずれか1つの方法である。
【0065】
実施形態21は、実施形態1~10のうちのいずれか1つの落下防止装置を用いて遂行される、実施形態11~20のうちのいずれか1つの方法である。
【0066】
実施形態22は、落下防止装置であって、コネクタを含む第1の端部、及び落下防止装置のベースユニットのリールに取り付けられた第2の端部を有する耐荷重ケーブルを備え、装置が、耐荷重ケーブルの第1の端部のコネクタに駐在する第1の衝撃インジケータと、落下防止装置のベースユニットに駐在する第2の衝撃インジケータとを備え、第1の衝撃インジケータが、装置によって経験された力が第1の所定の閾値を上回ったかどうかを表示するように構成されており、第2の衝撃インジケータが、装置によって経験された力が、第1の所定の閾値よりも高い第2の所定の閾値を上回ったかどうかを表示するように構成されている、落下防止装置である。
【0067】
実施形態23は、落下防止装置が、第2の衝撃インジケータが、装置によって経験された力が第2の所定の閾値を上回らなかったことを表示した場合には、第1の衝撃インジケータが第1の非表示状態にリセットされ得ることを規定する指令を伴う、実施形態22の落下防止装置。
【0068】
実施形態24は、第1のコネクタ駐在衝撃インジケータが、構成要素を含む無給電式視覚インジケータであり、第2のベースユニット駐在衝撃インジケータが、電子データロギングシステムの構成要素である給電式インジケータである、実施形態22又は23の落下防止装置である。
【0069】
実施形態25は、落下防止装置のコネクタ駐在衝撃インジケータの撓んだ工場装着可撓要素に対する交換品として装着されるように構成された現場装着可能可撓要素である。
【0070】
実施形態26は、キットであって、衝撃インジケータを含むコネクタを含む第1の端部を有する耐荷重ケーブルを備える落下防止装置であって、衝撃インジケータが、第1の非表示位置から第2の表示位置へ可逆的に可動である構成要素を含みかつ工場装着可撓要素を含む、落下防止装置と、工場装着可撓要素に対する交換品として耐荷重ケーブルのコネクタに現場で装着されるように構成された少なくとも1つの現場装着可能交換可撓要素と、を備え、キットが、衝撃インジケータの可逆的に可動である構成要素を第1の非表示位置へ移動させ、交換可撓要素を現場で装着することの指令を含む、キットである。
【0071】
本明細書に開示される特定の例示的な要素、構造、特徴、詳細、構成などは、多数の実施形態において修正及び/又は組み合わせ可能であることは、当業者には明らかであろう。かかる全ての変形及び組み合わせは、単に例示的な例示としての役割を果たすように選択された代表的な設計ではなく、着想された発明の範囲内にあると発明者は考える。したがって、本発明の範囲は、本明細書に記載された特定の例示的な構造に限定してはならず、少なくとも請求項の言語によって記載された構造及びそれらの構造の均等物に拡張される。特定の実施形態の任意選択としての説明は、強調のためであり、他の実施形態が任意ではないことを意味するものではない。本明細書において選択肢として積極的に記載されている要素はいずれも、所望に応じた任意の組み合わせで、請求項に明示的に含めてもよい、又は請求項から除外してもよい。オープンエンド言語(例えば、「を含む」とその派生語)で本明細書に記載される要素又は要素の組み合わせのいずれかは、クローズドエンド言語(例えば、「からなる」とその派生語)及び部分的クローズドエンド言語(例えば、「から本質的になる」とその派生語)で更に記載されると考えられる。
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