(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-13
(45)【発行日】2023-12-21
(54)【発明の名称】ビークル検査装置及びそれを有する対象物移送システム
(51)【国際特許分類】
G01M 99/00 20110101AFI20231214BHJP
【FI】
G01M99/00 Z
(21)【出願番号】P 2021128039
(22)【出願日】2021-08-04
【審査請求日】2021-08-04
(31)【優先権主張番号】10-2020-0103795
(32)【優先日】2020-08-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】598123150
【氏名又は名称】セメス株式会社
【氏名又は名称原語表記】SEMES CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】77,4sandan 5-gil,Jiksan-eup,Seobuk-gu,Cheonan-si,Chungcheongnam-do,331-814 Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【氏名又は名称】本田 淳
(72)【発明者】
【氏名】キム テ イン
(72)【発明者】
【氏名】チョン ジョン ソン
(72)【発明者】
【氏名】ムン ヒョン ソン
(72)【発明者】
【氏名】チョン シン ヨン
【審査官】岡村 典子
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-221687(JP,A)
【文献】特開2020-027095(JP,A)
【文献】特開2009-143671(JP,A)
【文献】特開2006-171904(JP,A)
【文献】特開2007-127441(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01M 13/00-13/45,99/00
B65G 1/00-1/133,1/14-1/20
H01L 21/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
移送経路に沿って対象物を移送及び積み降ろしするビークル
の位置情報および当該位置におけるビークルの動作情報を
リアルタイムで保存する保存部と、
前記保存部に保存された
前記ビークルの位置情報および当該位置における前記ビークルの前記動作情報を予め保存されたビークルの基準動作情報
に含まれるビークルの位置情報および当該位置における前記ビークルの動作情報と比較して前記ビークルの
当該位置における異常発生の予兆を
リアルタイムで診断する診断部と、を含み、
前記動作情報が、前記ビークルに備えられたセンサーから得られ、前記ビークルの単位動作に関わる時間情報、距離情報、分散情報及び制御シーケンス情報の少なくともいずれかを含み、
前記ビークルの単位動作が、前記ビークルの移送動作情報及び積み下ろし動作情報を含み、
前記時間情報は、前記単位動作にかかる時間に関わる情報であり、前記距離情報は、前記単位動作のために前記ビークルが移動した距離に関わる情報であり、前記分散情報は、同じ前記単位動作について前記ビークルから得られた情報の値が分散した程度に関わる情報であり、前記制御シーケンス情報は、前記単位動作を行うために前記ビークルに提供される制御信号の順序に関わる情報であり、
前記基準動作情報は、前記ビークルが正常であるとき、異常であるとき、異常発生前であるとき
の動作情報を含み、
前記診断部は、前記動作情報が異常発生前であるときの前記基準動作情報
の動作情報と一致すると、前記ビークルを異常発生の予兆があると診断し、
前記診断部が前記異常発生の予兆があると診断すると、
前記ビークルの位置及び前記ビークルで前記異常発生の予兆が発生した履歴に基づいて、前記異常発生の予兆が特定のビークルのみで反復的に発生する場合、前記ビークルの前記異常発生の予兆の原因が前記ビークルにあると判断し、前記異常発生の予兆が前記移送経路における特定の位置で複数のビークルに対して反復的に発生する場合、前記異常発生の予兆の原因が前記移送経路を含む外部環境にあると判断する分析部をさらに含むことを特徴とする、ビークル検査装置。
【請求項2】
前記診断部が、前記移送経路における前記ビークルの位置によって前記保存部から前記動作情報を受けることを特徴とする、請求項1に記載のビークル検査装置。
【請求項3】
前記診断部が、前記保存部から前記各ビークル毎の前記動作情報を受けることを特徴とする、請求項1に記載のビークル検査装置。
【請求項4】
前記動作情報が
、前記ビークルに備えられたモーターの動作情報とデジタル入出力情報のうち少なくともいずれか一つ
をさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載のビークル検査装置。
【請求項5】
前記保存部が、前記ビークルに各々備えられ、前記保存部及び前記診断部が、無線通信によって前記動作情報を送受信することを特徴とする、請求項1に記載のビークル検査装置。
【請求項6】
前記保存部が、前記ビークルと別に備えられ、前記ビークル及び前記保存部が、無線通信によって前記動作情報を送受信することを特徴とする、請求項1に記載のビークル検査装置。
【請求項7】
移送経路と、
前記移送経路に沿って対象物を移送及び積み下ろしするビークルと、
前記移送経路における前記ビークルの位置を確認するための位置確認ユニットと、
前記各ビークルに備えられ、前記ビークルの動作情報を感知するセンサーと、
前記位置確認ユニットから得られた前記ビークルの位置情報および前記センサーから伝達される
当該位置における前記ビークルの動作情報を
リアルタイムで保存する保存部と、
前記保存部に保存された
前記ビークルの位置情報および当該位置における前記ビークルの前記動作情報を予め保存されたビークルの基準動作情報
に含まれるビークルの位置情報および当該位置における前記ビークルの動作情報と比較して前記ビークルの
当該位置における異常発生の予兆を
リアルタイムで診断する診断部と、を含み、
前記動作情報が、前記ビークルに備えられた前記センサーから得られ、前記ビークルの単位動作に関わる時間情報、距離情報、分散情報及び制御シーケンス情報の少なくともいずれかを含み、
前記ビークルの単位動作が、前記ビークルの移送動作情報及び積み下ろし動作情報を含み、
前記時間情報は、前記単位動作にかかる時間に関わる情報であり、前記距離情報は、前記単位動作のために前記ビークルが移動した距離に関わる情報であり、前記分散情報は、同じ前記単位動作について前記ビークルから得られた情報の値が分散した程度に関わる情報であり、前記制御シーケンス情報は、前記単位動作を行うために前記ビークルに提供される制御信号の順序に関わる情報であり、前記基準動作情報は、前記ビークルが正常であるとき、異常であるとき、異常発生前であるとき
の動作情報を含み、
前記診断部は、前記動作情報が異常発生前であるときの前記基準動作情報
の動作情報と一致すると、前記ビークルを異常発生の予兆があると診断し、
前記診断部が前記異常発生の予兆があると診断すると、
前記ビークルの位置及び前記ビークルで前記異常発生の予兆が発生した履歴に基づいて、前記異常発生の予兆が特定のビークルのみで反復的に発生する場合、前記ビークルの前記異常発生の予兆の原因が前記ビークルにあると判断し、前記異常発生の予兆が前記移送経路における特定の位置で複数のビークルに対して反復的に発生する場合、前記異常発生の予兆の原因が前記移送経路を含む外部環境にあると判断する分析部をさらに含むことを特徴とする、対象物移送システム。
【請求項8】
前記診断部が、前記移送経路の位置によって前記保存部から前記動作情報を受けることを特徴とする、請求項
7に記載の対象物移送システム。
【請求項9】
前記診断部が、前記保存部から前記各ビークル毎の前記動作情報を受けることを特徴とする、請求項
7に記載の対象物移送システム。
【請求項10】
前記位置確認ユニットは、前記移送経路に備えられる位置表示部と、前記ビークルに備えられ、前記位置表示部を認識する認識部と、
を含むことを特徴とする、請求項
7に記載の対象物移送システム。
【請求項11】
前記位置確認ユニットは、前記ビークルに各々備えられるGPS受信機
を含むことを特徴とする、請求項
7に記載の対象物移送システム。
【請求項12】
前記対象物が、物品を収容して保管する保管容器であることを特徴とする、請求項
7に記載の対象物移送システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ビークル(vehicle)検査装置及びそれを有する対象物移送システムに関し、より詳しくは、対象物を移送経路に沿って移送するビークルを検査するビークル検査装置及びそれを有する対象物移送システムに関する。
【背景技術】
【0002】
通常、天井移送装置は、複数のビークルが走行レールに沿って走行しながら対象物を移送する。また、前記ビークルは、ロードポートに前記対象物を積み下ろしする。
前記ビークルは、走行動作及び前記積み下ろし動作を反復的に行い、前記走行動作及び前記積み下ろし動作に関わる情報は、前記ビークルに備えられたセンサーによって測定され得る。
【0003】
前記センサーで測定される値が予め設定された基準から外れる場合、前記ビークルに異常が発生したと判断する。
前記ビークルに異常が発生すると、前記天井移送装置の作動を中断し、前記ビークルを別の場所へ移送して前記ビークルの異常原因を調査するようになる。
【0004】
しかし、前記異常が発生したビークルを確認し、別の場所へ移送するのに時間がかかるので、前記天井移送装置の作動中断時間が長くなり得る。したがって、前記天井移送装置の効率が低下する恐れがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、ビークルの異常発生の予兆を検査することができるビークル検査装置及びそれを有する対象物移送システムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によるビークル検査装置は、移送経路に沿って対象物を移送及び積み降ろしするビークルの動作による動作情報を保存する保存部と、前記保存部に保存された前記動作情報を予め保存されたビークルの基準動作情報と比較して前記ビークルの異常発生の予兆を診断する診断部と、を含み得る。
【0007】
本発明の一実施例によると、前記診断部は、前記移送経路における前記ビークルの位置によって前記保存部から前記動作情報を受け得る。
本発明の一実施例によると、前記診断部は、前記保存部から前記各ビークル毎の前記動作情報を受け得る。
【0008】
本発明の一実施例によると、前記ビークル検査装置は、前記診断部が前記異常発生の予兆があると診断すると、前記ビークルの位置及び前記ビークルで前記異常発生の予兆が発生した履歴に基づいて、前記ビークルの前記異常発生予兆の原因が前記ビークルにあるか、それとも前記移送経路を含む外部環境にあるかを分析する分析部をさらに含み得る。
【0009】
本発明の一実施例によると、前記保存部は、前記動作情報をリアルタイムで保存し得る。
本発明の一実施例によると、前記保存部は、前記動作情報を一定の周期毎に保存し得る。
【0010】
本発明の一実施例によると、前記動作情報は、前記ビークルに備えられたセンサーから得られ、前記ビークルの移送動作情報及び積み下ろし動作情報を含み得る。
本発明の一実施例によると、前記動作情報は、前記ビークルに備えられたセンサーから得られ、前記ビークルに備えられたモーターの動作情報とデジタル入出力情報のうち少なくともいずれか一つであり得る。
【0011】
本発明の一実施例によると、前記動作情報は、前記ビークルに備えられたセンサーから得られ、前記ビークルの単位動作に関わる時間情報、距離情報、分散情報及び制御シーケンス情報のうち少なくともいずれか一つであり得る。
【0012】
本発明の一実施例によると、前記保存部は、前記ビークルに各々備えられ、前記保存部及び前記診断部は、無線通信によって前記情報を送受信し得る。
本発明の一実施例によると、前記保存部は、前記ビークルと別に備えられ、前記ビークル及び前記保存部は、無線通信によって前記動作情報を伝達し得る。
【0013】
本発明によるビークル検査装置は、移送経路に沿って対象物を移送及び積み下ろしする複数のビークルに対し、各ビークルの位置情報及び前記各位置における前記ビークルの動作情報を保存する保存部と、前記保存部に保存された前記ビークルの位置情報及び前記動作情報を予め保存された基準動作情報と比較して前記ビークルの異常発生の予兆を診断する診断部と、を含み得る。
【0014】
本発明の一実施例によると、前記ビークル検査装置は、前記診断部が前記異常発生の予兆があると診断すると、前記ビークルの位置及び前記ビークルで前記異常発生の予兆が発生した履歴に基づいて、前記ビークルの前記異常発生予兆の原因が前記ビークルにあるか、それとも前記移送経路を含む外部環境にあるかを分析する分析部をさらに含み得る。
【0015】
本発明による対象物移送システムは、移送経路と、前記移送経路に沿って対象物を移送及び積み下ろしするビークルと、前記各ビークルに備えられ、前記ビークルの動作情報を感知するセンサーと、前記センサーから伝達される前記ビークルの動作情報を保存する保存部と、前記保存部に保存された前記動作情報を予め保存されたビークルの基準動作情報と比較して前記ビークルの異常発生の予兆を診断する診断部と、を含み得る。
【0016】
本発明の一実施例によると、前記診断部は、前記移送経路の位置によって前記保存部から前記動作情報を受け得る。
本発明の一実施例によると、前記診断部は、前記保存部から前記各ビークル毎の前記動作情報を受け得る。
【0017】
本発明の一実施例によると、前記対象物移送システムは、前記診断部が前記異常発生の予兆があると診断すると、前記ビークルの位置及び前記ビークルで前記異常発生の予兆が発生した履歴に基づいて、前記ビークルの前記異常発生予兆の原因が前記ビークルにあるか、それとも前記移送経路を含む外部環境にあるかを分析する分析部をさらに含み得る。
【0018】
本発明の一実施例によると、前記対象物移送システムは、前記移送経路における前記ビークルの位置を確認するために前記移送経路に備えられる位置表示部と、前記ビークルに備えられ、前記位置表示部を認識する認識部と、を含む位置確認ユニットをさらに含み得る。
【0019】
本発明の一実施例によると、前記対象物移送システムは、前記移送経路における前記ビークルの位置を確認するために前記ビークルに各々備えられるGPS受信機を含む位置確認ユニットをさらに含み得る。
【0020】
本発明の一実施例によると、前記対象物は、物品を収容して保管する保管容器であり得る。
【発明の効果】
【0021】
本発明による前記ビークル検査装置は、前記ビークルの動作情報を分析して前記ビークルの異常発生の予兆を診断することができる。したがって、前記異常発生の予兆がある前記ビークルを予め整備することで前記ビークルの異常発生を減らすことができる。前記ビークルの異常発生によって前記対象物移送システムの作動が中断されることを防止することができるので、前記対象物移送システムの効率を向上させることができる。
【0022】
また、前記ビークル検査装置は、前記診断部が前記異常発生の予兆があると診断すると、前記分析部が前記ビークルの位置及び前記ビークルにおける前記異常発生の予兆が発生した履歴に基づいて、前記ビークルの前記異常発生予兆の原因が前記ビークルにあるか、それとも前記移送経路を含む外部環境にあるかを分析できる。したがって、前記異常発生予兆の原因を迅速に把握して解消することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】本発明の一実施例による対象物移送システムを説明するための構成図である。
【
図2】
図1に示した位置確認ユニットの他の例を説明するための側面図である。
【
図3】
図1に示したビークル検査装置の他の例を説明するための構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、添付された図面を参照して本発明の実施例による接地クランプユニット及び基板支持アセンブリーについて詳しく説明する。本発明は多様に変更することができ、多様な形態を有することができるところ、特定の実施例を図面に例示して本文に詳細に説明する。しかし、これは、本発明を特定の開示形態に限定することではなく、本発明の思想及び技術範囲に含まれる全ての変更、均等物、乃至代替物を含むことを理解すべきである。各図面を説明において、類似の参照符号を類似の構成要素に対して付与した。添付の図面において、構造物の寸法は本発明の明確性のために実際よりも拡大して示した。
【0025】
第1、第2等の用語は、多様な構成要素を説明するために使用することができるが、構成要素は用語によって限定されない。用語は一つの構成要素を他の構成要素から区別する目的としてのみ使用される。例えば、本発明の権利範囲から外れることなく、第1構成要素は第2構成要素と称され、同様に第2構成要素も第1構成要素と称され得る。
【0026】
本明細書において使用する用語は、単に特定の実施例を説明するために用いられたことであって、本発明を限定しない。単数の表現は、文脈上、明白に異ならせて表現しない限り、複数の表現を含む。本明細書において、「含む」または「有する」等の用語は、明細書上に記載された特徴、数字、段階、動作、構成要素、部品、又はこれらを組み合わせたものが存在することを意図するものであって、一つまたはそれ以上の他の特徴や数字、段階、動作、構成要素、部品、又はこれらの組合せの存在または付加の可能性を予め排除しないことを理解すべきである。
【0027】
なお、異なるものとして定義しない限り、技術的であるか科学的な用語を含めてここで用いられる全ての用語は、本発明が属する技術分野において通常の知識を有する者によって一般的に理解されるものと同一の意味を有している。一般的に用いられる辞典に定義されているもののような用語は、関連技術の文脈上で有する意味と一致する意味を有することと解釈すべきであり、本出願で明白に定義されない限り、理想的であるか過度に形式的な意味に解釈されない。
【0028】
図1は、本発明の一実施例による対象物移送システムを説明するための構成図であり、
図2は、
図1に示した位置確認ユニットの他の例を説明するための側面図であり、
図3は、
図1に示したビークル検査装置の他の例を説明するための構成図である。
【0029】
図1~
図3を参照すると、前記対象物移送システム100は、対象物10を移送及び積み下ろしするためのものであって、前記対象物10は、物品を収容して保管する保管容器であり得る。前記対象物10の例としては、カセット、FOUP、FOSB、マガジン、トレイなどが挙げられる。前記物品の例としては、半導体基板、印刷回路基板、レチクルなどが挙げられる。
【0030】
前記対象物移送システム100は、移送経路110、ビークル120、センサー130、位置確認ユニット140及びビークル検査装置150を含み得る。
前記移送経路110は、前記対象物10を移送するための経路であり、前記移送経路110は、前記物品に対する加工工程が行われる工程装置(図示せず)に沿って形成され得る。
【0031】
前記移送経路110は、直線経路、曲線経路、傾斜経路、分岐及び合流経路などを含み得る。
前記移送経路110は、走行レールであり得る。
【0032】
前記ビークル120は、前記移送経路110に沿って前記対象物10を移送及び積み下ろしし得る。
前記各ビークル120は、移送ユニット121と、積み下ろしユニット125と、を含み得る。
【0033】
前記移送ユニット121は、前記移送経路に沿って走行する。
前記移送ユニット121は一対が備えられ、前記ビークル120の走行方向に沿って一列に配列され得る。前記移送ユニット121は、本体122及び前記走行ホイール123を含み得る。前記本体122は、ほぼ六面体の形態を有する。前記本体122は、前記積み下ろしユニット125と連結される。この際、前記本体122は、前記積み下ろしユニット125に対して上下方向を中心軸にして回転し得る。
【0034】
図示していないが、前記本体122の内部には、前記走行ホイール123を回転させるためのモーターが備えられ得る。
前記走行ホイール123は、前記本体122の両側面に各々備えられる。前記走行ホイール123が前記移送経路110と接触した状態で回転するため、前記本体122が前記移送経路110に沿って移動可能である。
【0035】
前記積み下ろしユニット125は、フレーム部126、スライド部127、ホイスト部128及びハンド部129を含み得る。
前記フレーム部126は、前記移送ユニット121の下部に吊られるように固定される。前記フレーム部126は、対象物10を収容するように内部が空いた形態を有する。また、前記フレーム部126は、前記対象物10の上下移動及び水平移動のために下方と両側面または一側面が開放され得る。この際、前記両側面または前記一側面は、前記ビークル120の走行方向と垂直な方向であり得る。
【0036】
前記スライド部127は、前記フレーム部126の内部上面に備えられ、前記フレーム部126の開放された側面を通じて水平移動し得る。例えば、前記スライド部127は、ガイドレール及び移動ブロックを含み得る。
【0037】
前記ホイスト部128は、前記スライド部127の下面に固定され、前記スライド部127によって前記水平移動し得る。
前記ホイスト部128は、前記ハンド部129を固定して上下方向に沿って昇降させ得る。前記ホイスト部128は、ベルトを巻取りまたは巻出しして前記ベルトを昇降させ得る。
【0038】
前記ハンド部129は前記ベルトの端部に固定され、前記対象物10を固定する。
前記ホイスト部128が前記ベルトを昇降させることによって、前記ハンド部129に固定された前記対象物10が前記フレーム部126に対して昇降し得る。
【0039】
また、前記スライド部127の水平移動によって前記対象物10が前記フレーム部126に対して水平移動し得る。
詳細に図示していないが、前記フレーム部126には、別の回転ユニットが備えられ、前記スライド部127、前記ホイスト部128及び前記ハンド部129を回転させ得る。
【0040】
前記センサー130は、前記各ビークル120に備えられ、前記ビークル120の移送及び積み下ろしに関わる動作情報を感知し得る。
一例で、前記動作情報は、前記ビークル120が前記対象物10を前記移送経路110に沿って移送する動作に関わる移送動作情報と、前記ビークル120が前記移送経路110に停止した状態で前記対象物10を積み下ろしする動作に関わる積み下ろし動作情報と、を含み得る。
【0041】
一例で、前記動作情報は、前記ビークル120に備えられた前記移送ユニット121及び前記積み下ろしユニット125を作動させるためのモーターの動作情報と、前記モーターを制御するための制御信号のデジタル入出力情報と、を含み得る。
【0042】
一例で、前記動作情報は、前記ビークル120の単位動作に関わる時間情報、距離情報、分散情報及び制御シーケンス情報のうちいずれか一つであり得る。
前記時間情報は、前記単位動作にかかる時間に関わる情報であり、前記距離情報は、前記単位動作のために前記ビークル120や前記ビークル120の構成要素が移動した距離に関わる情報である。前記分散情報は、同じ前記単位動作について前記ビークル120から得られた情報の値が分散した程度に関わる情報である。前記制御シーケンス情報は、前記単位動作を行うために前記ビークル120に提供される制御信号の順序に関わる情報である。
【0043】
図1に示したように、前記位置確認ユニット140は、位置表示部141及び認識部142を含み得る。
前記位置表示部141は、前記移送経路110に備えられる。前記位置表示部141は、前記移送経路110において、前記分岐及び合流経路、前記曲線経路、前記傾斜経路、積み下ろし箇所などの特定位置に配設され得る。前記位置表示部141の例としては、タッグ(tag)、バーコード、QRコード(登録商標)、反射板などが挙げられる。
【0044】
前記認識部142は、前記ビークル120に備えられ、前記位置表示部141を認識する。前記認識部142の例には、タッグ認識センサー、バーコードリーダー、QRコードリーダー、光センサーなどが挙げられる。
【0045】
したがって、前記位置表示部141及び前記認識部142を用いて前記移送経路110における前記ビークル120の位置を確認することができる。
これとは異なり、
図2に示したように、前記位置確認ユニット140は、GPS受信機143を含み得る。前記GPS受信機143は、前記ビークル120に備えられ得る。前記GPS受信機143が衛星からGPS信号を受信することで、前記移送経路110における前記ビークル120の位置を確認することができる。
【0046】
前記ビークル検査装置150は、前記ビークル120の異常発生の予兆を検査するためのものであって、保存部152、診断部154及び分析部156を含み得る。
前記保存部152は、前記ビークル120の移送及び積み下ろし動作による前記動作情報を保存し得る。前記保存部152は、前記センサー130で感知した前記動作情報を受けて保存する。
【0047】
また、前記保存部152は、前記位置確認ユニット140から得られる前記各ビークル120の位置情報と、前記各位置における前記ビークル120の動作情報とを共に保存し得る。
【0048】
一例で、前記保存部152は、前記動作情報をリアルタイムで保存し得る。
他の例で、前記保存部152は、前記動作情報を一定の周期毎に保存し得る。
一方、前記保存部152は、前記ビークル120の基準動作情報を予め保存し得る。
【0049】
一例で、前記基準動作情報は、前記ビークル120が正常であるときの動作情報であり得る。
他の例で、前記基準動作情報は、前記ビークル120が正常であるとき、異常であるとき、前記異常発生前であるときの動作情報を共に含み得る。
【0050】
前記基準動作情報は、前記動作情報のみを含んでもよいが、前記各ビークル120の位置情報と、前記各位置における前記ビークル120の動作情報と、を共に含んでもよい。
前記診断部154は、前記保存部152から前記動作情報を受ける。
【0051】
一例で、前記診断部154は、前記保存部152から前記移送経路110の位置によって前記ビークル120の前記動作情報を受け得る。
他の例で、前記診断部154は、前記保存部152から前記各ビークル120毎の前記動作情報を受け得る。
【0052】
さらに他の例で、前記診断部154は、前記保存部152から前記各ビークル120の位置情報と、前記各位置における前記ビークル120の動作情報と、を共に受け得る。
前記診断部154は、前記ビークル120の前記動作情報を前記基準動作情報と比較して前記ビークル120の異常発生の予兆を診断し得る。
【0053】
これとは異なり、前記診断部154は、前記各ビークル120の位置情報及び前記各位置における前記ビークル120の動作情報を、前記基準動作情報と比較して前記ビークル120の異常発生の予兆を診断し得る。
【0054】
前記基準動作情報が、前記ビークル120が正常であるときの動作情報である場合、前記動作情報が前記基準動作情報と一致すると、前記診断部154は前記ビークル120を正常として診断する一方、前記動作情報が前記基準動作情報と一致しないと、前記診断部154は前記ビークル120に対して前記異常発生の予兆があると診断し得る。
【0055】
他の例で、前記基準動作情報が、前記ビークル120が正常であるとき、異常であるとき、前記異常発生前であるときの動作情報を全て含む場合、前記動作情報が正常の前記基準動作情報と一致すると、前記診断部154は前記ビークル120を正常として診断し、前記動作情報が前記異常発生前の前記基準動作情報と一致すると、前記診断部154は前記ビークル120を前記異常発生の予兆があると診断し得る。
【0056】
一方、前記診断部154は、前記ビークル120の異常発生の予兆をリアルタイムで診断し得る。即ち、前記診断部154は、前記保存部152から前記ビークル120の動作情報を受け次第、前記ビークル120の異常発生の予兆を診断することができる。
【0057】
これと異なり、前記診断部154は、前記ビークル120の異常発生の予兆を一定の周期毎に診断し得る。
前記保存部152の前記動作情報の保存と、前記診断部154の前記異常発生予兆の診断とが同時にリアルタイムで行われるか、または前記一定の周期毎に行われ得る。
【0058】
前記診断部154が前記ビークル120の異常発生の予兆を診断することができることから、前記異常発生の予兆のある前記ビークル120を予め整備することで前記ビークル120の異常発生を減らすことができる。前記ビークル120の異常発生によって前記対象物移送システム100の作動が中断されることを減らすことができるので、前記対象物移送システム100の効率を向上させることができる。
【0059】
図1に示したように、前記保存部152が前記ビークル120と離隔して別に備えられる場合、前記各ビークル120及び前記保存部152は、無線通信によって前記動作情報及び前記基準動作情報を伝達し得る。前記無線通信の例としては、WiFi、ブルートゥース(登録商標)、NFC、ジグビー(zigbee(登録商標))などが挙げられる。
【0060】
図3に示したように、前記保存部152が前記ビークル120に各々備えられる場合、前記各保存部152及び前記診断部154は、前記無線通信によって前記動作情報及び前記基準動作情報を伝達し得る。
【0061】
前記診断部154が前記ビークル120を前記異常発生の予兆があると診断する場合、即ち、前記ビークル120に前記異常発生の予兆があるか、または前記移送経路110に前記異常発生の予兆がある場合、前記分析部156は、前記ビークル120の位置及び前記ビークル120で前記異常発生の予兆が発生した履歴を分析する。
【0062】
前記分析部156は、前記異常発生の予兆が前記ビークル120のうち特定のビークルのみで反復的に発生する場合、前記異常発生予兆の原因が前記特定のビークル120にあると判断する。
【0063】
前記分析部156は、前記異常発生の予兆が前記移送経路110における特定の位置で複数のビークル120に対して反復的に発生する場合、前記異常発生予兆の原因が前記移送経路110を含む外部環境にあると判断する。
【0064】
したがって、前記ビークル120の前記異常発生予兆の原因が前記ビークル120にあるか、それとも前記移送経路110を含む前記外部環境にあるかを容易に判断することができる。
【0065】
前記分析部156を用いて前記ビークル120の前記異常発生予兆の原因を正確に確認することができるので、前記異常発生予兆の原因を迅速かつ正確に解消することができる。
【産業上の利用可能性】
【0066】
上述したように、前記ビークル検査装置は、前記ビークルの前記動作情報を分析して前記ビークルの前記異常発生の予兆を診断することができる。したがって、前記異常発生の予兆がある前記ビークルを予め整備することで前記ビークルの異常発生を減らすことができる。前記ビークルの異常発生によって前記対象物移送システムの作動が中断されることを防止することができるので、前記対象物移送システムの効率を向上させることができる。
【0067】
また、前記ビークル検査装置は、前記診断部が前記異常発生の予兆があると診断すると、前記ビークルの位置及び前記ビークルで前記異常発生の予兆が発生した履歴に基づいて、前記ビークルの前記異常発生予兆の原因が前記ビークルにあるか、それとも前記移送経路を含む外部環境にあるかを分析することができる。したがって、前記異常発生予兆の原因を迅速に把握して解消することができる。
【0068】
以上、本発明の望ましい実施例を参照して説明したが、当該発明が属する技術分野における熟練した当業者は、下記の特許請求の範囲に記載された本発明の技術思想及び領域から脱しない範囲内で本発明を多様に修正及び変更可能である。
【符号の説明】
【0069】
10 対象物
100 対象物移送システム
110 移送経路
120 ビークル
121 移送ユニット
122 本体
123 走行ホイール
125 積み下ろしユニット
126 フレーム部
127 スライド部
128 ホイスト部
129 ハンド部
130 センサー
140 位置確認ユニット
141 位置表示部
142 認識部
143 GPS受信機
150 ビークル検査装置
152 保存部
154 診断部
156 判断部