(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-13
(45)【発行日】2023-12-21
(54)【発明の名称】電圧調整装置を備えた電池
(51)【国際特許分類】
H02J 7/00 20060101AFI20231214BHJP
H01M 10/44 20060101ALI20231214BHJP
H01M 10/48 20060101ALI20231214BHJP
【FI】
H02J7/00 B
H01M10/44 Q
H01M10/48 P
(21)【出願番号】P 2021131911
(22)【出願日】2021-08-13
(62)【分割の表示】P 2018513304の分割
【原出願日】2016-09-08
【審査請求日】2021-09-03
(32)【優先日】2015-09-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】NZ
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】518079367
【氏名又は名称】ボルト テクノロジー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ウィグニー、アンドリュー ジェイムズ
【審査官】右田 勝則
(56)【参考文献】
【文献】特表2010-521055(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0292278(US,A1)
【文献】特表2002-543568(JP,A)
【文献】特表2002-510853(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2012/0139501(US,A1)
【文献】米国特許第06483275(US,B1)
【文献】米国特許出願公開第2012/0153900(US,A1)
【文献】特開2012-200126(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2012/0235641(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 7/00
H01M 10/44
H01M 10/48
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハウジングと、
正端子と、
負端子と、
によって実質的に規定される電池の外面を備える充電可能な当該電池であって、
前記ハウジングは、
充電可能な電源と、
プログラマブルコントローラと、
前記プログラマブルコントローラに動作可能に接続され、前記電池の出力電流を測定するように構成されている出力電流センサと、
前記正端子、前記負端子、および前記電源に動作可能に接続された電圧調整装置と、
を含み、
前記電圧調整装置は、
電圧昇圧レギュレータと、
前記正端子と負端子に印加された入力電圧を検出し、そして前記プログラマブルコントローラに入力電圧情報を中継するように構成された少なくとも1つのセンサを備え、
前記プログラマブルコントローラは、
前記出力電流センサによって測定された電流に応じて前記電圧昇圧レギュレータを選択的に作動にして、前記電源を充電するための入力電圧を調整するように構成される、
電池。
【請求項2】
前記プログラマブルコントローラに動作可能に接続されたパススルー回路をさらに備え、前記プログラマブルコントローラは、前記入力電圧が前記内部電源を充電するのに適切であると決定したときに前記パススルー回路を選択的に作動するように構成される、請求項
1に記載の電池。
【請求項3】
前記電流センサは、電池充電器への接続を検出するように構成される、請求項
2に記載の電池。
【請求項4】
前記電流センサは
i)前記電池の使用時にユーザの製品/デバイスによって前記電池から取り出されている電流、
ii)前記電池の放電時に前記電源から取り出されている電流、および
iii)前記電源に充電されている電流、および
のうちの2つ以上を検出するように構成される、請求項
3に記載の電池。
【請求項5】
前記電圧調整装置は、前記入力電圧が前記電池の端子に印加されていないときに、前記電池の出力電圧をプログラムされた可変レベルに調整するように構成された少なくとも1つのレギュレータをさらに備える、請求項1乃至
4のいずれか一項に記載の電池。
【請求項6】
前記少なくとも1つのレギュレータは、降圧またはリニアレギュレータである、請求項
5に記載の電池。
【請求項7】
前記プログラムされた可変レベルは1.2Vから1.5Vの間である、請求項
5に記載の電池。
【請求項8】
前記コントローラは、電源電圧が所定のレベルに低下した場合に、低出力電圧を提供するように構成される、請求項
7に記載の電池。
【請求項9】
前記電源の電圧レベルまたは容量を示すように構成された電圧レベルインジケータをさらに備える、請求項1乃至
8のいずれか一項に記載の電池。
【請求項10】
前記電源はリチウムイオン電池である、請求項1乃至
9のいずれか一項に記載の電池。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、少なくとも調整された出力電圧をもたらすように構成された電圧調整装置を備える電池、好ましくは充電式電池に関する。
【背景技術】
【0002】
電池は、世界中のほぼすべての家庭で必要とされ、使用されている。毎日、1秒につき合計で350個のAA型電池および150個のAAA型電池が、購入されていると考えられる。入手可能な家庭用電池の主な種類は、アルカリ、リチウム、ニッケル水素(NiMH)、およびニッケルカドミウム(NiCD)電池である。非充電式の一次電池と、異なる形式の電源を使用して再充電することができる二次電池とが存在する。
【0003】
アルカリ一次(非充電式)
アルカリ電池は、亜鉛と二酸化マンガン(Zn/MnO2)との間の反応に依存する「一次電池」の一種である。
【0004】
アルカリ電池は、比較的低コストであり、長い保管寿命を有する。さらに、壁時計およびテレビのリモコンなどの低電力のデバイスに適している。しかしながら、これらの種類の電池は、より頻繁に廃棄する必要がある非充電式/使い捨ての電池であるため、汚染の点で環境にとって有害となり得る。さらに、これらの種類の電池は、大電力のデバイスにおいてはあまり効果的でない。すべての非充電式/使い捨てのアルカリ電池は、負荷下にあるときに出力電圧が低下し、したがって懐中電灯/トーチランプおよびカメラなどの製品/デバイスは、きわめて早期に性能を失ってしまう。
【0005】
リチウム一次(非充電式)
リチウム電池は、リチウム金属またはリチウム化合物をアノードとして有する再使用不可能な(一次)電池である。
【0006】
これらの種類の電池は、大電流のデバイスに特に有用である。しかしながら、アルカリ電池と同様に、これらの電池も、より頻繁に廃棄する必要がある非充電式/使い捨ての電池であるため、汚染の点で環境にとって有害となり得る。さらに、コストに関して、これらの種類の電池は、非充電式/使い捨ての電池にとって比較的高価である。
【0007】
NiMH/NiCd二次(充電式)
ニッケル水素電池は、NiMHまたはNi-MHと略されるが、水素を吸蔵する負極(アノード)において水素を活性元素として使用する充電式電池の一種である。同様に、ニッケル-カドミウム電池(NiCd電池またはNiCad電池)は、酸化水酸化ニッケルおよび金属カドミウムを電極として使用する充電式電池の一種である。
【0008】
これらの種類の電池は、充電式であるため、何度も繰り返して使用することができ、多数回の使用にて金銭を節約することができる。しかしながら、これらの種類の電池は、非充電式/使い捨ての電池よりも出力電圧が低く(1.2V)、したがって、あらゆる種類の製品/デバイスに適するわけではない。さらに、既知の電池のいくつかは、自己放電率を有する。これらの種類の通常の充電式電池も、負荷下にあるときに出力電圧が低下する。たとえ異なる銘柄の電池において出力電圧の低下が異なるとしても、トーチランプおよびカメラなどの全体としてのデバイス/製品の性能が、どの種類または銘柄の電池が使用されるかにかかわらず、比較的早期に低下してしまう。
【0009】
負荷下での出力電圧の低下を許さず、一定の1.5Vの出力を可能にする電圧レギュレータを内蔵したいくつかの充電式電池が、市場において入手可能である。これは、好都合であるように思われるかもしれないが、電球が通常は電流負荷の下で電圧が低下するという仮定にて製造されるがゆえに、多くのLEDおよび白熱トーチランプを焼損させてしまう可能性がある。さらに、これらの種類の充電式電池は、特別な/専用の充電器を必要とする。
【0010】
通常の電池(アルカリ1.5V使い捨て電池、リチウム1.5V一次電池およびNiMH 1.2V充電式電池)においては、たとえ電池が新品であり、完全に充電されていても、負荷の下で電圧がわずかに低下する。いくつかの電子装置は、これを念頭に置いて設計されており、例えば多くの懐中電灯において、電球の定格が1.5Vでなく、例えば1.4Vなどのわずかに低い電圧にされている。
【0011】
固定された1.5Vの出力は、場合によっては、これらの電子装置を損傷させる。いくつかの電子デバイスは、通常の1.5Vの使い捨て(一次)電池または1.2Vの充電式(二次)電池が使用されるという前提で作られている。これらの電池は、負荷の下で出力電圧がきわめて急速に低下する。
【0012】
例えば、懐中電灯の電球は、LEDおよび白熱電球のどちらも、通常は、完全な1.5Vの直流(DC)(または、複数の電池が用いられる場合は1.5Vの倍数)で動作できるようには製造されておらず、むしろ1.2V~1.4Vの間で動作できるように製造されている。固定された1.5V DCの電池を使用すると、一部の懐中電灯の電球は焼損する。
【0013】
インテリジェントな調整済みの出力電圧をもたらすとともに、電池充電器への接続を感知し、入力電圧を調整して内部セル(電源)の充電を可能にするように電子装置を設計することに、大きな技術的困難が存在する。電池の内部に電子装置を備えることは、一般には知られておらず、あるいは容易でない。また、電池の電圧出力を調整すること、または電池の内部に回路を備えることは、一般には知られておらず、あるいは容易でない。電池はデバイス内で働くようにサイズおよび形状によって機能的に制限されているため、電池のサイズおよび形状を変更することなく、大きな電力容量を有する電池を提供し、すなわち電池の内部の電源のサイズを減らさないで電池の内部に追加の電子コンポーネントを収めることは、多くの場合に困難となり得る。電子装置による電池の電力の消耗の恐れを軽減しつつ、電池に電子装置を追加することは、多くの場合に困難となり得る。また、電池を充電するために追加の取り外し可能または移動可能なコンポーネントまたは特定のアダプタ/コネクタを必要とすることなく、複数の充電装置を用いた充電を可能にするように電池の充電を制御することも、一般には知られていない。また、より小型の電池(AA型およびAAA型電池、など)に過度に大きな空間を占めることなく収めることができるように電子装置を最適化および小型化するうえでも、技術的困難が存在し得、電子装置の占める空間が大きくなると、電源(Li-ionセル、など)のための空間が少なくなり、したがって電池の容量が小さくなってしまう。
【0014】
米国特許第8,314,590号明細書および米国特許第7,633,261号明細書の両者が、固定の電圧出力を有する電池を開示している。しかしながら、インテリジェントな可変の出力を提供する電池または提供することができる電池は、開示されていない。
【0015】
米国特許第8,314,590号明細書は、USB接続を用いた充電を必要とする電池を開示している。同様に、中国実用新案公告第201174405号明細書が、特殊な専用の電池充電器を必要とする電池を開示している。さらに、これらの文献は、インテリジェントな可変の出力をもたらすことができる電池を開示していない。
【0016】
電池を使用するユーザのデバイス/製品が持続的な高性能(さらに、充電式電池の場合には、電池の再充電が必要になるまでの持続的な高性能)を有するよう、適切な電圧出力をもたらすように微小電子装置によって電源(3.7Vの内部Li-ionセル、など)を調整することによって機能する電池が、必要とされている。また、上述したように、電池の出力電圧が調整されず、常に1.5Vに設定されると、トーチランプなどの製品/デバイスの焼損の可能性があるため、トーチランプなどの製品/デバイスの焼損の可能性を排除し、あるいは少なくとも低減するために、出力電圧を特定の範囲の間で調整でき、最も好ましくは1.25V~1.5Vの間で調整できる電池が、やはり必要とされている。さらに、1つの随意による選択肢として、既存のNiMH/NiCd電池充電器を使用して電池を充電できるように、入力充電電圧を調整する電子装置を有する電池が、必要とされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0017】
【文献】米国特許第8,314,590号明細書
【文献】米国特許第7,633,261号明細書
【文献】中国実用新案公告第201174405号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
本発明の目的は、上述の欠点の一部またはすべてを単純でありながら効果的なやり方で除去または最小化し、あるいは少なくとも公衆に有用な選択肢を提供する改善された電池を提供することにある。
【0019】
先行参考文献
本明細書において言及されたあらゆる特許または特許出願を含むすべての参考文献は、援用によって本明細書に組み込まれる。いかなる参考文献も、決して先行技術を構成すると認められるものではない。参考文献の検討においては、それらの文献の著者の主張の内容が述べられ、本出願の出願人は、引用された文献の正確性および適切性に異議申し立てをする権利を留保する。本明細書において、いくつかの先行技術文献に言及するかもしれないが、そのような言及が、それらの文献のいずれかがニュージーランドおよびその他の国々における共有の一般的技術知識の一部を形成すると認めるものではないことを、明らかに理解できるであろう。
【0020】
定義
用語「…を備える(comprise)」は、種々の法域において、排他的な意味または包括的な意味のいずれかに帰することができると、認識されている。本明細書の目的において、用語「…を備える」は、別段の記載がない限り、包括的な意味を有するものとされ、すなわちこの用語が直接参照する列挙された構成要素だけでなく、他の非特定の構成要素または要素も含むことを意味すると解釈される。この解釈は、用語「…を備えた(comprised)」または「…を備えている(comprising)」が、装置ならびに/あるいは方法またはプロセスにおける1つ以上のステップに関して用いられる場合にも使用される。
【0021】
特に具体的に述べられない限り、用語「電池」は、内部の化学エネルギーによる電源を備える容器または製品を指す。例えば、容器または製品は、AA型、AAA型、C型、D型、またはその他のサイズおよび形式であってよい。
【0022】
特に具体的に述べられない限り、用語「電源」は、化学エネルギーを電気に変換する1つ以上のセルを備える電池の電力源を指す。例えば、Li-ionセル、NiMHセル、NiCdセル、ZN/MNO2セル、または他のそのような化学的な電源であってよい。随意により、電源は、充電式であってもよい。
【0023】
特に具体的に述べられない限り、用語「Li-ionセル」は、電池のための電源の1つの例示的な形態である内部リチウムイオン(Li-ion)セルを意味するように意図されている。
【課題を解決するための手段】
【0024】
第1の態様において、本発明は、
正端子と、
負端子と、
電源と、
正端子、負端子、および電源に動作可能に接続された電圧調整装置と
を備えており、
電圧調整装置は、プログラムされた可変のレベルにおいて出力電圧を調整するように互いに動作可能に接続された電子コンポーネントを含む、電池にある。
【0025】
好ましくは、電池は、充電可能な電源を備える充電式電池である。
【0026】
好ましくは、電源は、Li-ionセルである。
【0027】
好ましくは、電源は、1つ以上のワイヤを介して電圧調整装置へと電力をもたらす。
【0028】
好ましくは、Li-ionセルは、2.8~3.7ボルトの間である。
【0029】
好ましくは、電圧調整装置は、入力および出力信号を送信および受信することによってプログラムされた可変のレベルにおいて出力電圧を感知および調整するために、正端子、負端子、電源、ならびに電圧調整装置の他の電子コンポーネントのうちの1つ以上へと動作可能に接続されたプログラマブルコントローラを備える。
【0030】
好ましくは、電圧調整装置は、少なくとも1つのレギュレータを備え、少なくとも1つのレギュレータは、プログラマブルコントローラに動作可能に接続され、出力電圧を調整するために予め設定された電池出力レベルにおいてプログラマブルコントローラによって作動させられるように構成される。
【0031】
好ましくは、電源は、充電可能であり、電圧調整装置は、電源を充電する入力電圧を割り出すように構成された少なくとも1つの電圧センサを備え、少なくとも1つの電圧センサは、プログラマブルコントローラに動作可能に接続され、プログラマブルコントローラは、入力電圧を調整するために少なくとも1つの電圧センサからの少なくとも1つの入力信号を受信するように構成される。
【0032】
好ましくは、電圧調整装置は、電源の電圧レベル情報を決定し、電圧レベル情報をプログラマブルコントローラへともたらすように構成された少なくとも1つの電圧センサを備える。
【0033】
好ましくは、プログラマブルコントローラは、電源電圧が所定のレベルへと低下した場合に、より低い出力電圧をもたらすようにプログラムされる。
【0034】
好ましくは、電圧調整装置は、電源における出力電流を割り出すように構成された少なくとも1つの電流センサを備え、少なくとも1つの電流センサは、プログラマブルコントローラに動作可能に接続され、プログラマブルコントローラは、少なくとも1つの電流センサから少なくとも1つの入力信号を受信し、プログラムされた可変のレベルにおいて出力電流に応じて出力電圧を調整するように構成される。
【0035】
好ましくは、電圧調整装置は、電池充電器への接続を検出するように構成された少なくとも1つの電流センサを備え、少なくとも1つの電流センサは、プログラマブルコントローラに動作可能に接続される。
【0036】
好ましくは、電圧調整装置は、プログラマブルコントローラに動作可能に接続された少なくとも1つの電流センサを備え、少なくとも1つの電流センサは、i)使用時にユーザの製品/デバイスによって取り出されている電流、ii)放電時に充電可能な電源において使用されている電流、iii)電源から取り出されている電流、およびiv)電源が充電可能である場合に電源へと充電されている電流、のうちの2つ以上を検出するように構成される。
【0037】
好ましくは、電源は、充電可能であり、電圧調整装置は、電池充電器への接続を電池充電器からの電圧を検出することによって判断するように構成された少なくとも1つの充電器センサを備え、少なくとも1つの充電器センサは、プログラマブルコントローラに動作可能に接続される。
【0038】
好ましくは、電源は、充電可能であり、電圧調整装置は、電池充電器の電圧を電圧レベル情報として検出し、電源を充電すべく検出された電池充電器の電圧を調整するために電圧レベル情報をプログラマブルコントローラへともたらすように構成された少なくとも1つの充電器センサを備える。
【0039】
好ましくは、電源は、充電可能であり、電圧調整装置は、電池充電器から電圧レベル情報を検出し、プログラムされた可変のレベルにおいて出力電流に応じて出力電圧を調整するために電圧レベル情報をプログラマブルコントローラへともたらすように構成された少なくとも1つの充電器センサを備える。
【0040】
好ましくは、電源は、充電可能であり、電圧調整装置は、プログラマブルコントローラに動作可能に接続された昇圧レギュレータを備え、プログラマブルコントローラは、電池充電器から供給される電圧を昇圧レギュレータによって電源を充電するためのより高い電圧へと高めることができるよう、昇圧レギュレータから少なくとも1つの入力信号を受信するように構成される。
【0041】
好ましくは、電圧調整装置は、プログラマブルコントローラに動作可能に接続された降圧レギュレータを備え、プログラマブルコントローラは、降圧レギュレータが電源によって供給される電圧を降圧レギュレータによって電池の出力電圧へと変換できるよう、降圧レギュレータから少なくとも1つの入力信号を受信するように構成される。
【0042】
好ましくは、電圧調整装置は、プログラマブルコントローラに動作可能に接続されたノイズ抑制回路を備え、プログラマブルコントローラは、ノイズの抑制のためにノイズ抑制回路から少なくとも1つの入力信号を受信するように構成される。
【0043】
好ましくは、電池は、電源の電圧レベルの表示をもたらすための電圧レベルインジケータを含む。
【0044】
好ましくは、プログラマブルコントローラは、入力および出力信号に基づいて電源の電流および/または電圧レベルを監視するようにプログラムされ、プログラマブルコントローラは、電池が放電の終わりに近づくときに表示をもたらすために、電圧レベルインジケータに動作可能に接続される。
【0045】
好ましくは、電池は、少なくとも電源および電圧調整装置を収容するように構成されたハウジングを備える。
【0046】
好ましくは、電池は、AA型電池またはAAA型電池である。
【0047】
好ましくは、調整された出力電圧は、1.2V~1.5Vの間の範囲にある。
【0048】
好ましくは、調整された出力電圧は、1.25V~1.5Vの間の範囲にある。
【0049】
第2の態様において、本発明は、電池の少なくとも出力電圧をプログラムされた可変のレベルにおいて調整するための電圧調整装置であって、
電池の電源における出力電流を感知するように構成された電流感知回路と、
電流感知回路から少なくとも1つの入力信号を受信し、プログラムされた可変のレベルにおいて出力電流に応じて出力電圧を調整するように構成されたプログラマブルコントローラと
を備える電圧調整装置にある。
【0050】
好ましくは、電源は、充電可能な電源である。
【0051】
好ましくは、電圧調整装置は、少なくとも1つのレギュレータを備え、少なくとも1つのレギュレータは、プログラマブルコントローラに動作可能に接続され、出力電圧を調整するために予め設定された電池出力レベルにおいてプログラマブルコントローラによって作動させられるように構成される。
【0052】
好ましくは、電圧調整装置は、電源を充電する入力電圧を割り出すように構成された少なくとも1つの電圧センサを備え、少なくとも1つの電圧センサは、プログラマブルコントローラに動作可能に接続され、プログラマブルコントローラは、入力電圧を調整するために少なくとも1つの電圧センサからの少なくとも1つの入力信号を受信するように構成される。
【0053】
好ましくは、電圧調整装置は、電源の電圧レベル情報を決定し、電圧レベル情報をプログラマブルコントローラへともたらすように構成された少なくとも1つの電圧センサを備える。
【0054】
好ましくは、プログラマブルコントローラは、電源電圧が所定のレベルへと低下した場合に、より低い出力電圧をもたらすようにプログラムされる。
【0055】
好ましくは、電源は、充電可能であり、電流感知回路は、電池充電器への接続へと構成され、少なくとも1つの電流センサは、プログラマブルコントローラに動作可能に接続される。
【0056】
好ましくは、電流感知回路は、i)使用時にユーザの製品/デバイスによって取り出されている電流、ii)放電時に電源において使用されている電流、iii)電源から取り出されている電流、およびiv)電源が充電可能である場合に電源へと充電されている電流、のうちの少なくとも2つを検出するように構成される。
【0057】
好ましくは、電源は、充電可能であり、電圧調整装置は、電池充電器への接続を電池充電器からの電圧を検出することによって判断するように構成された少なくとも1つの充電器センサを備え、少なくとも1つの充電器センサは、プログラマブルコントローラに動作可能に接続される。
【0058】
好ましくは、電源は、充電可能であり、電圧調整装置は、電池充電器の電圧を電圧レベル情報として検出し、充電可能な電源を充電すべく検出された電池充電器の電圧を調整するために電圧レベル情報をプログラマブルコントローラへともたらすように構成された少なくとも1つの充電器センサを備える。
【0059】
好ましくは、電源は、充電可能であり、電圧調整装置は、電池充電器から電圧レベル情報を検出し、プログラムされた可変のレベルにおいて出力電流に応じて出力電圧を調整するために電圧レベル情報をプログラマブルコントローラへと送信するように構成された少なくとも1つの充電器センサを備える。
【0060】
好ましくは、電源は、充電可能であり、電圧調整装置は、プログラマブルコントローラに動作可能に接続された昇圧レギュレータを備え、プログラマブルコントローラは、電池充電器から供給される電圧を昇圧レギュレータによって電源を充電するためのより高い電圧へと高めることができるよう、昇圧レギュレータから少なくとも1つの入力信号を受信するように構成される。
【0061】
好ましくは、電圧調整装置は、プログラマブルコントローラに動作可能に接続された降圧レギュレータを備え、プログラマブルコントローラは、降圧レギュレータが電源によって供給される電圧を降圧レギュレータによって電池の出力電圧へと変換できるよう、降圧レギュレータから少なくとも1つの入力信号を受信するように構成される。
【0062】
好ましくは、電圧調整装置は、プログラマブルコントローラに動作可能に接続されたノイズ抑制回路を備え、プログラマブルコントローラは、ノイズの抑制のためにノイズ抑制回路から少なくとも1つの入力信号を受信するように構成される。
【0063】
好ましくは、プログラマブルコントローラは、入力および出力信号に基づいて電源の電流および/または電圧レベルを監視するようにプログラムされ、プログラマブルコントローラは、電池が放電の終わりに近づくときに表示をもたらすために、電圧レベルインジケータに動作可能に接続される。
【0064】
第3の態様において、本発明は、
正端子と、
負端子と、
電源と、
正端子、負端子、および電源に動作可能に接続された電圧調整装置と
を備えており、
電圧調整装置は、プログラムされた可変のレベルにおいて出力電圧を調整するように構成されている、電池にある。
【0065】
好ましくは、電源は、充電可能な電源である。
【0066】
好ましくは、電源は、Li-ionセルである。
【0067】
好ましくは、電源は、1つ以上のワイヤを介して電圧調整装置へと電力をもたらす。
【0068】
好ましくは、Li-ionセルは、2.8V~3.7Vの間である。
【0069】
好ましくは、電圧調整装置は、電源を充電する入力電圧を感知および調整するように構成される。
【0070】
好ましくは、電圧調整装置は、出力電流を感知し、出力電流に応じて出力電圧を調節するように構成される。
【0071】
好ましくは、電圧調整装置は、電池が充電可能な電池である場合に、電池充電器への接続を感知するように構成される。
【0072】
好ましくは、電池は、充電可能な電池であり、電圧調整装置は、電池充電器への接続を感知し、電池充電器の電圧を検出して、検出された電池充電器の電圧を充電可能な電源の充電のために調整するように構成される。
【0073】
好ましくは、電池は、少なくとも電源および電圧調整装置を収容するように構成されたハウジングを備える。
【0074】
好ましくは、電池は、AA型電池またはAAA型電池である。
【0075】
好ましくは、調整された出力電圧は、1.2V~1.5Vの間の範囲にあり、より好ましくは1.25V~1.5Vの間の範囲にある。
【0076】
好ましくは、電圧調整装置は、電源の電流および/または電圧レベルを監視し、電池が放電の終わりに近づくときにユーザに知らせをもたらすように構成される。
【0077】
好ましくは、電池は、電源の電圧レベルの表示をもたらすための電圧レベルインジケータを含む。
【0078】
好ましくは、電圧調整装置は、少なくとも、
電池の電源における出力電流を感知するように構成された電流感知回路と、
電流感知回路から少なくとも1つの入力信号を受信し、プログラムされた可変のレベルにおいて出力電流に応じて出力電圧を調整するように構成されたプログラマブルコントローラと
を備える。
【0079】
好ましくは、電圧調整装置は、出力電圧を調整するために予め設定された電池出力電流レベルにおいてプログラマブルコントローラによって作動させられるように構成された少なくとも1つのレギュレータを備える。
【0080】
好ましくは、電池は、充電可能な電池であり、電圧調整装置は、電池充電器から電圧レベル情報を検出し、プログラムされた可変のレベルにおいて出力電流に応じて出力電圧を調整するために電圧情報をプログラマブルコントローラへと送信するように構成された充電器センサを備える。
【0081】
好ましくは、電圧調整装置は、電源の電圧レベル情報を感知し、電圧レベル情報をプログラマブルコントローラへともたらすように構成された電圧センサを備え、プログラマブルコントローラは、電源電圧が所定のレベルへと低下した場合に、より低い出力電圧をもたらすようにプログラムされる。
【0082】
好ましくは、電圧調整装置は、
a)i)ユーザの製品/デバイスによって取り出されている電流、ii)放電時に電池の電源において使用されている電流、およびiii)電源から取り出されている電流、のうちの少なくとも2つを検出するように構成された電流感知回路と、
b)電源によって供給される電圧を電池の出力電圧へと変換するように構成された降圧レギュレータと、
c)少なくとも電流感知回路および降圧レギュレータから入力信号を受信し、プログラムされた可変のレベルにおいて電池の出力電圧を制御および調整するように構成されたプログラマブルコントローラと
を備える。
【0083】
好ましくは、電圧調整装置は、ノイズ抑制のために互いに動作可能に接続された複数の電子コンポーネントを備える。
【0084】
好ましくは、電圧調整装置は、充電可能な電源を含み、
a)i)ユーザの製品/デバイスによって取り出されている電流、ii)放電時に電池の電源において使用されている電流、iii)充電可能な電源から取り出されている電流、およびiv)充電可能な電源へと充電されている電流、のうちの少なくとも2つを検出するように構成された電流感知回路と、
b)外部の電池充電器から供給される電圧を充電可能な電源を充電するためにより高い電圧へと高めるように構成された昇圧レギュレータと、
c)電源によって供給される電圧を電池の出力電圧へと変換するように構成された降圧レギュレータと、
d)少なくとも電流感知回路、昇圧レギュレータ、および降圧レギュレータから入力信号を受信し、プログラムされた可変のレベルにおいて電池の出力電圧を制御および調整するように構成されたプログラマブルコントローラと
を備える。
【0085】
好ましくは、電圧調整装置は、ノイズ抑制のために互いに動作可能に接続された複数の電子コンポーネントを備える。
【0086】
好ましくは、電圧調整装置は、充電可能な電源を含み、
a)ユーザの製品/デバイスによって取り出されている電流および放電時に電池の充電可能な電源において使用されている電流を感知/検出するように構成された第1の電流感知回路と、
b)外部の電池充電器から供給される電圧を充電可能な電源を充電するためにより高い電圧へと高めるように構成された昇圧レギュレータと、
c)充電可能な電源によって供給される電圧を電池の出力電圧へと変換するように構成された降圧レギュレータと、
d)外部の電池充電器によって供給されている電流および充電可能な電源へと充電されている電流を感知/検出するように構成された第2の電流感知回路と、
e)少なくとも第1の電流感知回路、昇圧レギュレータ、降圧レギュレータ、および第2の電流感知回路から入力信号を受信し、プログラムされたレベルにおいて電池の出力電圧を制御および調整するように構成されたプログラマブルマイクロコントローラと
を備える。
【0087】
好ましくは、電圧調整装置は、ノイズ抑制のために互いに動作可能に接続された複数の電子コンポーネントを備える。
【0088】
好ましくは、電圧調整装置は、マイクロコントローラの電圧を調整するように構成されたマイクロコントローラ電圧調整装置を備え、マイクロコントローラ電圧調整装置は、マイクロコントローラの外部に配置され、マイクロコントローラの電圧を調整するように構成される。
【0089】
好ましくは、電池の出力電圧は、1.2V~1.5Vの間、より好ましくは1.25V~1.5Vの間のプログラムされたレベルにおいて制御および調整される。
【0090】
好ましくは、第1および第2の電流感知回路の各々は、互いに動作可能に接続された2つの抵抗器および1つのコンデンサを少なくとも備える。
【0091】
好ましくは、昇圧レギュレータは、互いに動作可能に接続されたNチャネルMOSFET、4つの抵抗器、ダイオード、およびコンデンサを少なくとも備える。
【0092】
好ましくは、降圧レギュレータは、互いに動作可能に接続されたPチャネルMOSFET、ダイオード、および2つの抵抗器を少なくとも備える。
【0093】
好ましくは、ノイズ抑制のための複数の電子コンポーネントは、互いに動作可能に接続された4つのコンデンサおよびインダクタを少なくとも備える。
【0094】
好ましくは、マイクロコントローラ電圧調整装置は、互いに動作可能に接続された抵抗器およびダイオードを少なくとも備える。
【0095】
第4の態様において、本発明は、電池の少なくとも出力電圧をプログラムされた可変のレベルにおいて調整するための電圧調整装置であって、
電池の電源における出力電流を感知するように構成された電流感知回路と、
電流感知回路から少なくとも1つの入力信号を受信し、プログラムされた可変のレベルにおいて出力電流に応じて出力電圧を調整するように構成されたプログラマブルコントローラと
を少なくとも備える電圧調整装置にある。
【0096】
好ましくは、電源は、充電可能な電源である。
【0097】
好ましくは、電圧調整装置は、出力電圧を調整するために予め設定された電池出力電流レベルにおいてプログラマブルコントローラによって作動させられるように構成された少なくとも1つのレギュレータをさらに備える。
【0098】
好ましくは、電圧調整装置は、充電可能な電源を含み、電池充電器から電圧レベル情報を検出し、プログラムされた可変のレベルにおいて出力電流に応じて出力電圧を調整するために電圧情報をプログラマブルコントローラへと送信するように構成された充電器センサをさらに備える。
【0099】
好ましくは、電圧調整装置は、電源の電圧レベル情報を感知し、電圧レベル情報をプログラマブルコントローラへともたらすように構成された電圧センサをさらに備え、プログラマブルコントローラは、電源電圧が所定のレベルへと低下した場合に、より低い出力電圧をもたらすようにプログラムされる。
【0100】
第5の態様において、本発明は、
正端子と、
負端子と、
電源と、
正端子、負端子、および電源に動作可能に接続された電圧調整装置と
を備えており、
電圧調整装置は、
電池の電源における出力電流を感知するように構成された電流感知回路と、
電流感知回路から少なくとも1つの入力信号を受信し、プログラムされた可変のレベルにおいて出力電流に応じて出力電圧を調整するように構成されたプログラマブルコントローラと
を備える、電池にある。
【0101】
電池は、随意により、充電可能な電源を有する充電式電池であってよい。
【0102】
第6の態様において、本発明は、電池の充電可能な電源を充電するために外部の電池充電器から供給される電圧を制御および調整するための電圧調整装置であって、
a)電源を充電するために外部の電池充電器から供給される電圧をより高い電圧へと高めるように構成された昇圧レギュレータと、
b)電源へと充電されている電流として外部の電池充電器によって供給されている電流を感知/検出するように構成された電流感知回路と、
c)電池の充電可能な電源を充電するために供給される電圧を制御および調整するために、少なくとも電流感知回路および昇圧レギュレータから入力信号を受信するように構成されたプログラマブルマイクロコントローラと
を備える電圧調整装置にある。
【0103】
別の態様において、本発明は、プログラムされたレベルにおいて充電式電池の少なくとも出力電圧を制御および調整するための電圧調整装置であって、
a)ユーザの製品/デバイスによって取り出されている電流および放電時に電池の電源において使用されている電流を感知するように構成された第1の電流感知回路と、
b)電源を充電するために外部の電池充電器から供給される電圧をより高い電圧へと高めるように構成された昇圧レギュレータと、
c)電源によって供給される電圧を電池の出力電圧へと変換するように構成された降圧レギュレータと、
d)外部の電池充電器によって供給されている電流および電源へと充電されている電流を感知/検出するように構成された第2の電流感知回路と、
e)少なくとも第1の電流感知回路、昇圧レギュレータ、降圧レギュレータ、および第2の電流感知回路から入力信号を受信し、プログラムされたレベルにおいて電池の出力電圧を制御および調整するように構成されたプログラマブルマイクロコントローラと
を備える電圧調整装置にある。
【0104】
好ましくは、電圧調整装置は、ノイズ抑制のために互いに動作可能に接続された複数の電子コンポーネントを備える。
【0105】
好ましくは、電圧調整装置は、マイクロコントローラの電圧を調整するように構成されたマイクロコントローラ電圧調整装置を備え、マイクロコントローラ電圧調整装置は、マイクロコントローラの外部に配置され、マイクロコントローラの電圧を調整するように構成される。
【0106】
好ましくは、電池の出力電圧は、1.2V~1.5Vの間、より好ましくは1.25V~1.5Vの間のプログラムされたレベルにおいて制御および調整される。
【0107】
好ましくは、第1および第2の電流感知回路の各々は、互いに動作可能に接続された2つの抵抗器および1つのコンデンサを少なくとも備える。
【0108】
好ましくは、昇圧レギュレータは、互いに動作可能に接続されたNチャネルMOSFET、4つの抵抗器、ダイオード、およびコンデンサを少なくとも備える。
【0109】
好ましくは、降圧レギュレータは、互いに動作可能に接続されたPチャネルMOSFET、ダイオード、および2つの抵抗器を少なくとも備える。
【0110】
好ましくは、ノイズ抑制のための複数の電子コンポーネントは、互いに動作可能に接続された4つのコンデンサおよびインダクタを少なくとも備える。
【0111】
好ましくは、マイクロコントローラ電圧調整装置は、互いに動作可能に接続された抵抗器およびダイオードを少なくとも備える。
【0112】
またさらなる態様において、本発明は、上記の言明のうちのいずれか1つ以上に定義された電圧調整装置を備える電池にある。
【0113】
次に、本発明を、添付の図面を参照して、あくまでも例として説明する。
【図面の簡単な説明】
【0114】
【
図1】本発明による充電式電池の第1の実施形態を示しており、電池のいくつかの内部コンポーネントも示されている。
【
図2】
図1の電池の第1の実施形態の切断図である。
【
図3(a)】
図1および
図2の電池において使用される電圧調整回路の第1の実施形態の概略図である。
【
図3(b)】
図1および
図2の電池において使用される電圧調整回路の第1の実施形態の概略図である。
【
図3(c)】
図1および
図2の電池において使用される電圧調整回路の第1の実施形態の概略図である。
【
図4(a)】
図1および
図2の電池において使用される電圧調整回路の第2の実施形態の概略図である。
【
図4(b)】
図1および
図2の電池において使用される電圧調整回路の第2の実施形態の概略図である。
【
図4(c)】
図1および
図2の電池において使用される電圧調整回路の第2の実施形態の概略図である。
【
図4(d)】
図1および
図2の電池において使用される電圧調整回路の第2の実施形態の概略図である。
【
図4(e)】
図1および
図2の電池において使用される電圧調整回路の第2の実施形態の概略図である。
【
図4(f)】
図1および
図2の電池において使用される電圧調整回路の第2の実施形態の概略図である。
【
図4(g)】
図1および
図2の電池において使用される電圧調整回路の第2の実施形態の概略図である。
【
図4(h)】
図1および
図2の電池において使用される電圧調整回路の第2の実施形態の概略図である。
【
図4(i)】
図1および
図2の電池において使用される電圧調整回路の第2の実施形態の概略図である。
【
図5】本発明の一実施形態の電圧調整回路を使用して、出力電流を感知し、電池の出力電圧を調節する例示的なプロセスを示すブロック図である。
【
図6】本発明の電圧調整回路に使用することができる例示的な出力電流センサ回路の概略図である。
【
図7】本発明の一実施形態において使用することができる例示的な低ドロップアウトリニア(LDO)レギュレータ回路の概略図である。
【
図8】本発明の一実施形態において使用することができる同期降圧レギュレータ回路の概略図である。
【
図9】本発明の電圧調整回路において使用することができる出力電流センサ回路の別の形態の概略図である。
【
図10】本発明の電圧調整回路を用いたインテリジェントな電池充電のための例示的なプロセスを示すブロック図である。
【
図11】電圧調整回路の第2の実施形態とともに使用するために適した電池充電器を検出するための比較器回路の例である。
【
図12】本発明の電圧調整回路における使用に適した内部セルを充電するためのデュアルスロープADC回路の例である。
【
図13】本発明の電圧調整回路における使用に適した内部セルを充電するためのトランスフォーマベースの回路の例である。
【
図14】本発明の電圧調整回路における使用に適した内部セルを充電するためのシングルエンド・プライマリ・インダクタ・コンバータ回路の例である。
【
図15】本発明の電圧調整回路を使用し、内部電源/内部セルを監視して、電源が放電の終わりに近づくにつれて電圧を下げるための例示的なプロセスを示すブロック図である。
【
図16】本発明の電圧調整回路における使用に適した電池電圧レベルを決定するための電流制限回路の例である。
【
図17】本発明の電圧調整回路における使用に適した電圧レベルを示すために電池電圧レベルを決定するための回路の例である。
【
図18】いくつかの種類のAA型電池について、デジタルコンパクトカメラで試験したときのデータを示す棒グラフである。
【
図19】いくつかの種類のAAA型電池について、CREE LED懐中電灯で試験した場合の実際を示す例示的なグラフである。
【
図20】いくつかの種類の電池について、連続使用による外部カメラフラッシュの充電に関して、長期使用時の予想される結果を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0115】
以下の説明において、本発明が、好ましい諸例に関連して説明される。これらの例および/または図面は、純粋に本発明を例示するためのものにすぎず、本発明の範囲から逸脱することなく、可能な変形および変更が容易に明らかであるため、本発明は、決してこれらの例および/または図面に限定されない。
【0116】
図1および
図2は、互いに動作可能に接続された電子コンポーネントを備える本発明の電池(100)の一実施形態を示している。一形態において、電池(100)は、3.7ボルト(V)などの好ましくは3.2V~3.8Vの所定の電圧のAA型またはAAA型のサイズの充電式リチウムイオン(Li-ion)電池である。電池(100)は、少なくとも電圧調整のための回路を備える電圧調整装置(110)へと第1のワイヤ(104)などの電圧運搬手段によって動作可能に接続された正端子(102)を含む。以下では、電圧調整装置(110)を、電圧調整回路(110)と呼ぶこととする。したがって、第1のワイヤ(104)は、電池の正端子(102)を電圧調整回路(110)へと電気的に接続する。
【0117】
電圧調整回路(110)は、適切な電気的に接続された構成の電子コンポーネントを備える。電圧調整回路(110)における電子コンポーネントの2つの例示的な構成を示す回路図が、後に
図3(a)~
図3(c)および
図4(a)~
図4(i)を参照して説明される。
【0118】
再び
図1および
図2を参照すると、電圧調整回路(110)は、別の電圧運搬手段、好ましくは第2のワイヤ(106)によって、負端子(112)へとさらに接続されている。さらに、電圧調整回路(110)は、この例においては3.7VのLi-ionセルなどの2.6V~4.6VのLi-ionセルである内部セル(114)へと、1つ以上のワイヤ(108)によって接続されている。電池(100)は、電池の電子コンポーネントを収容するような形状および構成とされた任意の適切な材料からなるハウジングまたはシェル(116)をさらに備える。シェル(116)は、電池(100)の電子コンポーネントを囲み、保護し、密閉する。好ましくは、シェル116は、きわめて薄い(厚さが約1mmの)金属で作られる。この一例におけるシェルは、第1の部分(例えば、底部)と第2の部分(例えば、上部)とを有する閉じた筒として形作られ、シェルの第2の部分は、組み立て後に取り付けられる。
【0119】
電圧調整回路(110)は、少なくとも、プログラムされた可変のレベルにおいて出力電圧を調整し、かつ/または内部セル(114)を充電する入力電圧を感知して調整するように構成される。内部セル(114)は、1つ以上のワイヤ(108)を介して電圧調整回路(110)に電力をもたらすように構成される。これらの1つ以上のワイヤ(108)は、内部セル(114)の充電および放電の両方に使用されるように構成される。内部セル(114)は、好ましくは任意の電源であるが、例は、Li-ionセルの使用を説明する。当業者であれば、別の電源、特に充電可能な電源について、同様のシステムを開発できることを、理解できるであろう。
【0120】
電圧調整回路(110)は、電源を充電する入力電圧を割り出すように構成された少なくとも1つの電圧センサを備えることができ、電源は、内部セル(114)である。電圧センサは、プログラマブルコントローラに動作可能に接続される。プログラマブルコントローラは、少なくとも1つの電圧センサから少なくとも1つの入力信号を受信して入力電圧を調整するように構成される。
【0121】
電圧センサを、電源の電圧レベル情報を明らかにし、電圧レベル情報をプログラマブルコントローラへと送るように構成することができる。プログラマブルコントローラは、電源のより低い出力電圧をもたらすようにプログラムされる。
【0122】
電圧センサ回路の例示的な実施形態については、後でさらに詳しく説明する。
【0123】
同様に、電圧調整回路(110)は、内部セル(114)の出力電流を明らかにするように構成された少なくとも電流センサを備えることができる。少なくとも1つの電流センサも、プログラマブルコントローラへと動作可能に接続され、プログラマブルコントローラは、少なくとも1つの電流センサから少なくとも1つの入力信号を受け取り、プログラムされた可変のレベルの出力電流に従って出力電圧を調整するように構成される。
【0124】
電流センサは、プログラマブルコントローラへと動作可能に接続されたときに電池充電器への接続を検出するように構成することができる。
【0125】
さらに、電流センサを、以下のうちの2つ以上、すなわち、i)使用中にユーザの製品/デバイスによって取り出されている電流、ii)放電中に内部セル(110)において使用されている電流、iii)内部セル(110)から取り出されている電流、およびiv)内部セル(110)が充電式である場合に、内部セル(110)の充電に使用されている電流、のうちの2つ以上を検出するように構成することができる。
【0126】
電流センサ回路の例示的な実施形態については、後でさらに詳細に説明する。
【0127】
電圧調整回路(110)を、2つの例示的な実施形態を参照して説明する。回路を電圧調整回路(110)と呼んでいるが、電圧調整が必ずしも電圧調整回路(100)の唯一の目的ではないことを、理解すべきである。電圧調整回路(110)の他の機能のいくつかについては、後で説明する。
【0128】
電圧調整回路の第1の実施形態(
図3(a)~
図3(c))
図3(a)~
図3(c)が、本発明の電池(100)において使用することができる電圧調整回路(110)の一形態の回路図を協働して示している。
図3(a)~
図3(c)から見て取ることができるとおり、電圧調整回路(110)は、互いに電子的かつ動作可能に接続されたいくつかの電子コンポーネントを備える。それらの電子コンポーネントの大部分については、値および単位も示されている。当業者にとって、電圧調整回路(110)の構成および機能は、
図3(a)~
図3(c)の概略図を検討すれば自明であり、したがって詳細に説明する必要はない。
【0129】
それにもかかわらず、
図3(a)~
図3(c)に示した電圧調整回路(110)の概略図を、ここで簡単に説明する。
【0130】
図3(b)に示されるように、電圧調整回路(110)は、
図3(a)および
図3(c)の回路からいくつかの入力および出力信号を送信および受信するように構成された電子コントローラを備え、電子コントローラは、プログラマブルコントローラであってよく、例えばPIC16F616マイクロコントローラなどのマイクロコントローラ(U1)であってよい。マイクロコントローラ(U1)は、入力および出力信号を送信および受信することによって、プログラムされた可変のレベルにおいて出力電圧を感知および調整するために、正端子、負端子、および電源へと動作可能に接続され、電圧調整装置の他の電子コンポーネントのうちの1つ以上へと動作可能に接続される。
【0131】
図3(a)において、左側の第1のコンポーネント(P1)は、ユーザの製品/デバイス(図示せず)に接続されてユーザの製品/デバイスへと電力を供給するように構成された電池(100)の端子(102および112)を表す。さらに、第1のコンポーネント(P1)は、電池(100)の内部のLi-ionセルなどの電源/内部セル(114)を充電するために、電池充電器(図示せず)に接続されるように構成される。電池(100)の内部のLi-ionセルなどの電源/内部セル(114)へと接続される第2のコンポーネント(P2)が、右側に存在する。
【0132】
コンデンサ(C1、C2、C3、およびC4)およびインダクタ(L1)が、好ましくは、
図2(a)に示されるように回路内に配置される。これらのコンポーネントは、マイクロコントローラ(U1)へと動作可能に接続されたノイズ抑制回路を形成し、マイクロコントローラ(U1)は、ノイズ抑制回路から少なくとも1つの入力信号を受信することができる。ノイズ抑制回路は、ノイズの抑制をもたらし、特にスプリアスノイズの抑制をもたらす。
【0133】
電圧調整回路(110)は、少なくとも1つのレギュレータを備える。レギュレータは、プログラマブルコントローラ(U1)に動作可能に接続され、予め設定された電池出力レベルにおいてプログラマブルコントローラ(U1)によって起動させられ、出力電圧を調整するように構成される。これを、次でさらに詳しく説明する。
【0134】
昇圧レギュレータが、NチャネルMOSFET(Q2)、抵抗器(R12、R4、R3、R14)、ダイオード(D2)、およびコンデンサ(C6)によって形成される。昇圧レギュレータは、マイクロコントローラ(U1)に動作可能に接続され、マイクロコントローラ(U1)は、昇圧レギュレータから少なくとも1つの入力信号を受信して、電池充電器から供給される電圧を昇圧レギュレータによって内部セル(114)を充電するためのより高い電圧へと高めることを可能にするように構成される。昇圧レギュレータは、電圧を、外部の電池充電器から供給される第1のレベル(例えば、約1.6V DC)から内部セルの充電に必要な第2のより高い電圧(>3.5V DC)へと高めるように構成される。昇圧レギュレータは、パルス幅変調信号である第1の制御信号(PWM1)によって制御され、その状態を第1の電流信号(CUR1)によってマイクロコントローラ(U1)へともたらす。
【0135】
抵抗器(R6およびR15)およびコンデンサ(C8)は、i)ユーザの製品/デバイスによって取り出されている電流、およびii)放電中に電池(100)の内部セル(114)によって使用されている電流を割り出し、あるいは感知するように構成された第1の電流感知回路を協働して定める。第1の電流感知回路は、その状態を第2の電流信号(CUR2)によってマイクロコントローラ(U1)へともたらす。
【0136】
降圧レギュレータが、PチャネルMOSFET(Q1)、ダイオード(D1)、および抵抗器(R2およびR16)によって形成される。降圧レギュレータは、マイクロコントローラ(U1)に動作可能に接続され、マイクロコントローラ(U1)は、降圧レギュレータから少なくとも1つの入力信号を受信して、内部セル(110)によって供給される電圧を降圧レギュレータによって電池(100)の出力電圧へと変換することを可能にするように構成される。
【0137】
降圧レギュレータは、Li-ionセル(3.7V DC)によって供給される電圧をレギュレータ電池出力(最大1.5V DC)へと変換するように構成される。当業者であれば、電池出力電圧が、ユーザの製品/デバイスによって使用されている電流に応じて変化し得ることを、理解できるであろう。このような可変の調整は、パルス幅変調信号(以下でさらに詳しく説明される)である第2の制御信号を介してマイクロコントローラ(U1)によって制御される。
【0138】
抵抗器(R13およびR5)およびコンデンサ(C7)が、i)Li-ionセルから取り出されている電流、およびii)Li-ionセルへと充電されている電流を感知/検出するように構成された第2の電流感知回路を協働して定め、この回路は、その状態を第3の電流信号(CUR3)によってマイクロコントローラ(U1)へともたらす。
【0139】
マイクロコントローラ(U1)の電圧調整回路が、
図3(c)に示されている。このマイクロコントローラの電圧調整回路は、抵抗器(R8)およびダイオード(D4)を備え、この回路は、その状態を電圧信号(V
REF)を介してマイクロコントローラ(U1)へともたらす。
【0140】
図3(b)から見て取ることができるとおり、マイクロコントローラ(U1)は、抵抗器(R7)およびコンデンサ(C5)を備える。
図3(b)は、マイクロコントローラ(U1)がどのように
図3(a)および
図3(c)の回路からいくつかの入力信号を受け取るのかを示している。
図3(b)に示されるように、マイクロコントローラ(U1)は、使用時に電池(100)の正しい出力電圧を補償するとともに、電池(100)が充電器(図示せず)へと接続されたときに内部セル(114)の正しい充電も保証するために、
図3(a)の電流信号(CUR1、CUR2、およびCUR3)ならびに第1および第2の制御信号(PWM1およびPWM2)からフィードバックを得る。第2の電流信号(CUR2)から感知される所定の電流がユーザの製品/デバイスによって取り出されている場合、電池の出力電圧は、可能な限り最良の有用性を保証するために、第2の制御信号(PWM2)によって1.2V DC~1.5V DCの間のプログラムされたレベルに設定される。電圧を1.2V~1.5V DCの間のプログラムされたレベルに制御/調整するこの能力は、本発明のきわめて有利な特徴である。これは、出力電圧が固定の1.5V DCに設定されたならば、一部の電子装置は焼損しかねないからである。同様に、出力電圧がより低い電圧に設定されると、電池は、一部の電子装置について充分な電圧を供給できない可能性がある。
【0141】
したがって、先進の微小電子装置の使用によって、調整された出力電圧を有する電池(100)が達成される。上述のとおりの電圧調整回路(110)を使用する電池(100)は、完全に放電される(すなわち、「フラット」になる)まで、大量の電力を出力することができる。これは、放電する(すなわち、「フラットになる」)につれて出力電圧がゆっくりと低下し、結果としてユーザの製品/デバイスの動作の様相に影響が及ぶ既知の非充電式/使い捨ての電池および他のすべてのNiMH/NiCD充電式電池よりも有利である。
【0142】
また、上述のとおりの電圧調整回路(110)を使用する電池(100)は、調整された電圧入力をもたらすことができ、すなわち電池(100)を、市販のあらゆるNiMH/NiCD電池充電器で充電することができる。これは、特別な充電器を必要とする既知の回路によって調整される電池に対するさらなる利点となり得る。あるいは、所望であれば、電池のために特別な充電器を開発することもできる。
【0143】
電圧調整回路の第2の好ましい実施形態(
図4(a)~
図4(i))
図4(a)~
図4(i)は、本発明の電池(100)に使用される電圧調整回路(110)の別の形態の回路図を協働して示している。
図4(a)~
図4(i)から見て取ることができるとおり、電圧調整回路(110)は、互いに電子的かつ動作可能に接続されたいくつかの電子コンポーネントを備える。それらの電子コンポーネントの大部分については、値および単位も、これらの図に示されている。当業者にとって、電圧調整回路(110)の構成および機能は、
図4(a)~
図4(i)の概略図を検討すれば自明であり、したがって詳細に説明する必要はない。
【0144】
それにもかかわらず、
図4(a)~
図4(i)に示した電圧調整回路(110)の概略図を、ここで簡単に説明する。
【0145】
図4(i)に示されるとおり、この第2の好ましい実施形態の電圧調整回路(110)は、
図4(a)~
図4(h)の回路からいくつかの入力および出力信号を送信および受信するように構成されたマイクロコントローラ(U5)を備える。
【0146】
図4(a)において、第1のコンポーネント(P1)は、ユーザの製品/デバイス(図示せず)に接続されてユーザの製品/デバイスへと電力を供給するように構成された電池(100)の端子(102および112)を表す。さらに、第1のコンポーネント(P1)は、電源、すなわち電池(100)の内部のLi-ionセルなどの内部セル(114)を充電するために、電池充電器(図示せず)に接続されるように構成される。
【0147】
図4(a)は、出力電流センサ、低ドロップアウトリニアレギュレータ(すなわち、LDOレギュレータ)、ならびに同期降圧レギュレータ/昇圧およびパススルーを備える。これらのコンポーネントは、後にさらに詳しく説明される。
【0148】
図4(b)は、電池(110)の内部の内部セル(114)に接続される第2のコンポーネント(P2)を含む。
図4(b)の回路は、他の回路部分が必要とする電圧基準をもたらすように構成される。この例では、固定電圧レギュレータが、2.048ボルトのDCをVREF2へと出力する。この電圧が、1.55V DCおよび1.4V DCの電圧基準を提供するために抵抗器(R21、R12、R18、およびR15)を使用して分割される。これらの電圧基準は、
図4(i)のマイクロコントローラ(U5)、
図6の電流センサ、および
図8の同期降圧レギュレータ/電圧ブースタのうちの少なくとも1つ以上によって使用される。
【0149】
図4(c)~
図4(e)が、集積回路U3、U7、およびU14へのそれぞれの電源接続を示している。これらは、第2のコンポーネント(P2)から電源V CELLによって直接給電される。
【0150】
図4(f)は、電池出力電圧を感知するための例示的な回路であり、外部の充電器を検出するための充電器センサ回路として使用される。この回路およびその応用については、後でさらに詳しく説明する。
【0151】
図4(g)は、内部セル(114)の電圧を感知するための例示的な回路であり、内部セル電圧センサとして使用される。この回路およびその応用については、後でさらに詳しく説明する。
【0152】
図4(h)は、マイクロコントローラ(U5)に電力を供給するための固定の3.3V DCレギュレータである。
【0153】
図4(i)は、どのようにしてプログラマブルマイクロコントローラ(U5)が
図4(a)~
図4(h)の回路からいくつかの入力を受信するのかを示している。
【0154】
この第2の実施形態の電圧調整回路は、インテリジェントな電池出力、インテリジェントな電池充電、電源が放電の終わりに近づくときの電圧低下、および電池のレベルの表示など、いくつかの重要な特徴を提供することができる。
【0155】
次に、これらの重要な特徴およびそれらの達成方法について、図面を参照してさらに詳しく説明する。
【0156】
インテリジェントな電池出力
インテリジェントな電池出力は、第2の実施形態の電圧調整回路(110)によって達成され得る電池(100)の特徴の1つである。
【0157】
通常の電池(アルカリ1.5V使い捨て電池、リチウム1.5V一次電池、およびMiMH 1.2V充電式電池)においては、たとえ電池が新品で完全に充電されていても、負荷の下で電圧がわずかに低下する。いくつかの電子装置は、これを念頭に置いて設計されており、例えば多くの懐中電灯において、電球の定格は1.5Vではなく、1.5Vよりもわずかに低い電圧とされ、多くの場合に1.2V~1.4Vの範囲とされている。
【0158】
固定の1.5Vの出力は、場合によっては、これらの電子装置を損傷させる。一部の懐中電灯においては、固定の1.5Vの電池では、電球が焼損する。
【0159】
本発明において、電池(100)は、出力電流を感知し、出力電流に応じて出力電圧を調節するように構成される。AA型電池について、考えられる電圧低下の例は、以下のとおりである。
【表1】
【0160】
電池の出力電流は、いくつかの方法によって監視可能である。1つの方法は、正または負のいずれかの出力にきわめて低いオーム値の抵抗器を使用し、抵抗器の両端の電圧を測定することである。電流が増加すると、抵抗器の両端の電圧が上昇する。次いで、このフィードバックを、電圧レギュレータを調節し、出力電圧を下げるために使用することができる。
【0161】
これを行う回路の例を、ここで説明する。
【0162】
電圧調整回路(110)は、プログラマブルコントローラ(U5)に動作可能に接続され、出力電圧を調整するために予め設定された電池出力レベルでプログラマブルコントローラ(U5)によって起動されるように構成された少なくとも1つのレギュレータを備える。これを、次でさらに詳しく説明する。
【0163】
図5のブロック図は、LDOレギュレータ(510)および降圧レギュレータ、すなわち同期降圧レギュレータ(530)の両方を有する
図4(a)の回路に対応する。LDOレギュレータ(510)は、低電流における電池の効率のために、この実施形態に含まれる。ただ1つのレギュレータまたは3つ以上のレギュレータを有することも可能である。
【0164】
図5のブロック図を参照すると、電流が取り出されておらず、あるいは所定の少ない電流しか取り出されていない場合、
図4(i)のマイクロコントローラ(U5)と同じであるプログラマブルコントローラ(520)が、LDOレギュレータ(510)を動作させて出力電圧を調整し、同期降圧レギュレータ(530)を停止させる。LDOレギュレータ(510)の出力は、電流の流れに関して感知され、電池出力(550)としてもたらされる。出力電流センサ(540)が、プログラマブルコントローラ(520)へとフィードバックされる。出力電流が所定の電流の取り出しを超えると、プログラマブルコントローラ(520)は、同期降圧レギュレータ(530)を作動させ、LDOレギュレータ(510)を停止させる。この例では、小電流出力の場合、LDOレギュレータ(510)の方が効率的であり、中~大電流出力の場合、同期降圧レギュレータ(530)の方が効率的である。
【0165】
図6の回路は、電池出力(550)をP1として有する
図5の出力電流センサ(540)の一例である。
図6の出力電流センサ(540)のこの回路を、
図4(a)においても見ることができる。
図4(i)において見て取ることができるように、信号「I EN」、「LOAD 1」、および「VREF 2」が、いずれもマイクロコントローラ(U5)に接続される。
【0166】
電流は、オペアンプ(U3A)を使用して抵抗器(R1)の両端の電圧降下を測定し、結果としての電圧をマイクロコントローラ(U5)へともたらし、マイクロコントローラ(U5)においてプログラミングによって実際の電流値を決定することによって、測定される。抵抗器(R1)を通る電流の量が多いほど、抵抗器(R1)の両端の電圧差が大きくなる(オームの法則により、電圧(V)=電流(I)×抵抗(R))。
図6の回路においては、より高い測定精度をもたらすために、オペアンプ(U3A)が、抵抗器(R1)をまたいで測定された電圧差を増幅する。
【0167】
図7の回路は、
図5のブロック図におけるLDOレギュレータ(510)と同じであるLDOレギュレータ(U15)の回路の例である。
図7のこの回路を、
図4(a)においても見ることができる。「V Cell」信号は、内部セル114に接続され、「LDO EN」は、マイクロコントローラ(U5)に接続され、P1は、電池出力(550)である。
【0168】
電流の取り出しが少ない場合、低負荷における最大効率を保証するために、LDOレギュレータ(U15)が、固定電圧レギュレータとして動作する。LDOレギュレータ(U15)は、プログラマブルコントローラ(520)、すなわちマイクロコントローラ(U5)によって、作動または停止させられる。
図7の回路において、LDOレギュレータ(U15)は、電池(100)からの電流の取り出しが少ない場合に作動させられ、電池(100)から大きな電流が取り出される場合に停止させられる。大きな電流が取り出される際には、同期降圧レギュレータ(530)が役割を引き継ぐ。
図7のこの例におけるLDOレギュレータ(U15)は、固定電圧レギュレータである。しかしながら、本発明が、LDOレギュレータが1.5V DC出力に設定された可変電圧レギュレータであったとしても有効に機能することを、当業者であれば理解できるであろう。
【0169】
図8の回路は、
図5の同期降圧レギュレータ(530)の例である。
図8のこの回路を、
図4(a)においても見ることができる。同期降圧レギュレータ(530)は、予め設定された電池出力電流レベルにおいてマイクロコントローラ(U5)によって起動される。「V Cell」信号は、内部セル(114)に接続される。
図4(i)に示されるように、信号「PWM HI」、「SHNT REG EN」、および「PWM LOW」は、いずれもマイクロコントローラ(U5)に接続される。電池出力は、P1として示されている。信号「V1V55」は、固定の1.55V DC基準に接続される。
【0170】
大電流が取り出される場合、マイクロコントローラ(U5)のプログラミングが、LDOレギュレータ(U15)をオフにし、同期降圧レギュレータ(530)を使用して出力を調整する。これは、オペアンプ(U3B)をオフにすることによって行われ、マイクロコントローラ(U5)は、オペアンプ(U1)、NチャネルMOSFET(Q1)、PチャネルMOSFET(Q2)、およびインダクタ(L1)を介して出力電圧を制御する。
【0171】
出力電圧は、入力電圧とデューティサイクルとを掛け合わせたものであるため、デューティサイクルを下げることで、出力電圧を下げることができる。マイクロコントローラのプログラミングが、デューティサイクルを制御する。
V_Out=V_in*Duty
Duty=Q1(オン時間)/Q1(オフ時間)+Q1(オン時間))
例えば、V_In=3.5V、オン時間=420ns、オフ時間=580ns
Duty=420e-9/420e-9+580e-9)=0.42
V_Out=3.5*0.42=1.47V
【0172】
上述の実施形態は、効率を目的として2つのレギュレータを使用しているが、ただ1つのレギュレータまたは3つ以上のレギュレータを有することも可能である。
【0173】
図9は、電池出力電流を測定するための出力電流センサ(540)の別の形態を示している。
図9の回路は、ホール効果センサ(
図9においてXで表されている)を使用して、電流を運ぶ導体による磁場を測定し、抵抗器(R1)の必要性を排除する。導体の周囲の磁場の強度は、導体を通る電流に比例する。電流が増加すると、磁場の強度も増す。電流は、IP+からIP-へと流れる。
【0174】
インテリジェントな電池充電
インテリジェントな電池充電は、電圧調整回路(110)の第2の好ましい実施形態から達成することができる別の特徴である。
【0175】
AAA型、AA型、C型、およびD型の形式の既存のハイブリッド(電源および電子装置)電池は、特別な充電器を必要とし、あるいはUSBなどの非標準的な方法で充電される。
【0176】
本発明の電池(100)は、電子回路を使用して標準的なNiMHまたはLi-ion電池充電器などの電池充電器からの電圧を感知し、この電圧を調整して内部セル(114)を充電する。
【0177】
これを行う回路の例を、次で説明する。
【0178】
ここで
図10のブロック図を参照すると、電圧調整回路は、マイクロコントローラ(U5)と同じであるプログラマブルコントローラ(1030)に動作可能に接続され、外部の電池充電器(1010)からの電圧を検出することによって外部の電池充電器(1010)への接続を判断するように構成された少なくとも1つの充電器センサ(1020)を備える。
【0179】
充電器センサ(1020)は、外部の電池充電器(1010)の電圧を電圧レベル情報として検出し、検出された電池充電器(1010)の電圧を内部セル(1070)(内部セル(114)と同じである)の充電に向けて調整するために、この電圧レベル情報をマイクロコントローラ(U5)へともたらすように構成することができる。
【0180】
さらに、充電器センサ(1020)は、外部の電池充電器(1010)からの電圧レベル情報を検出し、出力電圧をプログラムされた可変のレベルにおいて出力電流に応じて調整するために、電圧レベル情報をマイクロコントローラ(U5)へともたらすように構成することもできる。
【0181】
再び
図10を参照すると、電池(100)が外部の電池充電器(1010)に接続されると、充電器センサ(1020)は、外部の電池充電器(1010)からの電圧を検出し、
図4(i)のマイクロコントローラ(U5)と同じであるプログラマブルコントローラ(1030)へと信号を送信する。この信号は、接続された外部の電池充電器(1010)の種類に関する情報をプログラマブルコントローラ(1030)へともたらす。接続された外部の電池充電器(1010)が、第1の電源種類の電池充電器(例えば、Li-ion充電器)であり、内部セル(1070)(
図1および
図2の内部セル(114)と同じ)も、同じ第1の電源種類(例えば、Li-ionセル)である場合、プログラマブルコントローラ/マイクロコントローラ(1030、U5)は、充電器を内部セル(1070)へと実質的に直接接続するようにパススルーを作動させる。接続された外部の電池充電器(1010)が、第2の電源種類の電池充電器(例えば、NiMH電池充電器)であり、電池の内部セルが別の電源種類(例えば、Li-ionセル)である場合、プログラマブルコントローラ/マイクロコントローラ(1030、U5)は、昇圧またはパススルー回路(1060)を起動し、異なる電源の充電を可能にするように充電電圧を調整する(例えば、より低いNiMH充電電圧をより高いLi-ion充電電圧まで上昇させる)。
【0182】
図4(f)の回路は、充電センサ(1020)の例である。「VOUT」信号が、外部の電池充電器(1010)へと接続され、
図4(i)に示されるように、「V OUT ADC」信号が、マイクロコントローラ(U5)に接続される。
【0183】
この実施形態の昇圧またはパススルー回路(1060)は、
図4にも現れる
図8を参照して上述した同期降圧レギュレータ(530)と同じ回路である。「V CELL」信号は、内部セル(1070)に接続される。「PWM HI」、「SHNT REG EN」、および「PWM LOW」信号は、いずれもマイクロコントローラ(U5)に接続される。P1は、電池出力である。「V1V55」は、固定の1.55V DC基準に接続される。「VOUT」信号は、外部の電池充電器(1010)に接続される。
【0184】
例えば、Li-ion充電器は、NiMH充電器よりも高い電圧を出力し、マイクロコントローラ(U5)のプログラミングが、どの種類の外部の電池充電器(1010)が接続されているかを判断する。次いで、マイクロコントローラ(U5)は、電池に使用されている特定の種類の電源の充電を可能にするために電圧を調整する必要があるかどうかを判断し、特定の電源を充電するために必要な電圧レベルをもたらすように電圧調整回路を制御する。
【0185】
再び
図4(a)および
図4(i)に目を向けると、マイクロコントローラ(U5)がLi-ion充電器が接続されていると判断し、内部セル(114)がLi-ionである場合、マイクロコントローラ(U5)の出力は、PチャネルMOSFET(Q2)を完全にオンにし、NチャネルMOSFET(Q1)をオフにする。これにより、Li-ion充電器は、どちらも実質的に短絡であるインダクタ(L1)およびPチャネルMOSFET(Q2)を介して内部セル(1070)に接続される。電池充電器は、Li-ion電池が挿入されたように動作/充電する。
【0186】
マイクロコントローラ(U5)は、NiMH充電器が接続されていると判断し、内部セル(1170)がLi-ionである場合、NチャネルMOSFETが、信号「VOUT」(電池端子および電池充電器)側から「VCELL」信号(内部セル(1170))への昇圧器を生成するために使用される。インダクタ(L1)は、昇圧インジケータとして使用されるため、NチャネルMOSFET(Q1)がオンのとき、電流は充電源からインダクタ(L1)へと流れる。NチャネルMOSFET(Q1)がオフのとき、電流はPチャネルMOSFET(Q2)を通って「VCELL」へと流れ、入力コンデンサ(C18、C34、およびC35)は、インダクタのソース端を一定の電圧に保持する一方で、入力コンデンサはPチャネルMOSFET(Q2)を通って放電する。
【0187】
ここでの出力電流センサ(1050)の回路は、
図4(a)にも現れる
図5および
図6を参照して上述した出力電流センサ(540)と同じ回路である。電池の出力および外部の電池充電器(1010)への接続が、
図6にP1として示されている。
図4(i)に示されるとおり、信号「I EN」、「LOAD1」、および「VREF2」は、いずれもマイクロコントローラ(U5)に接続される。
【0188】
電流は、オペアンプ(U3A)を使用して抵抗器(R1)の両端の電圧降下を測定し、結果としての電圧をマイクロコントローラU5へともたらし、マイクロコントローラU5においてプログラミングによって実際の電流値を決定することによって、測定される。R1を通る電流の量が多いほど、抵抗器(R1)の両端の電圧差が大きくなる(オームの法則電圧(V)=電流(I)×抵抗(R)による)。
図6の回路においては、より高い測定精度をもたらすために、オペアンプ(U3A)が、抵抗器(R1)をまたいで測定された電圧差を増幅する。
【0189】
内部セル(1070)が完全に充電されると、コントローラは、抵抗器(R1)およびオペアンプ(U3A)を介して内部セル(1070)が引き込んでいる電流が少なくなっていることを感知することができ、この時点において、マイクロコントローラ(U5)は、充電源をバイパスさせ、あるいは内部セル(1070)が完全に充電されたことを充電源に知らせるために、PチャネルMOSFET(Q2)をオンにする(PチャネルMOSFET(Q2)は、シャントレギュレータとして働く)。
【0190】
図4(g)の回路は、電圧センサ、すなわち内部セル電圧センサ(1040)の例である。信号「V-CELL」は、内部セル(1070)に接続され、信号「VOUT ADC」は、プログラマブルコントローラ(1030)、すなわちマイクロコントローラ(U5)に接続される。
【0191】
内部電源、すなわち内部セル(1070)の電圧レベルは、抵抗器(R17およびR20)を介して感知され、その電圧は、マイクロコントローラ(U5)へともたらされる。
【0192】
上述の好ましい実施形態のこの説明は、NiMHまたはLi-ion電池充電器に言及しているが、充電センサならびに昇圧またはパススルー回路を変更することによって任意の種類の電池充電器を使用できることを、当業者であれば理解できるであろう。
【0193】
また、外部の電池充電器を、フラッシュコンバータまたはマルチコンパレータ(
図11を参照)あるいはデュアルスロープADC(
図12を参照)などの他の種類の比較器を使用して検出することも可能である。
【0194】
また、内部セル(1070)を、フライバックトランスなどのトランスフォーマベースのコンバータを介するなど、他の回路設計を使用して外部の電池充電器(NiMH充電器など)から充電することもできる。
【0195】
トランスフォーマベースの回路の例を、
図13に示す。
【0196】
内部セルを、シングルエンド・プライマリ・インダクタ・コンバータ(SEPIC)または‘CUKコンバータなどの他の回路設計を使用して外部の電池充電器から充電することもできる。これらのコンバータは、充電器よりも高い電圧または充電器と同じ電圧の内部セルを充電できるように、電池充電器の電圧を高める。SEPICおよび/または‘CUK回路の例を、
図14に示す。
【0197】
電源が放電終了に近づいたときの電圧低下
これは、電圧調整回路(110)の第2の実施形態によってもたらされる別の特徴である。
【0198】
通常の電池(アルカリ1.5V使い捨て電池、リチウム1.5V一次電池、およびNiMH 1.2V充電式電池)は、フラットになる(放電する)につれて、電圧がゆっくりと低下する。これを、懐中電灯において使用につれて暗くなるときに見て取ることができ、あるいは玩具および電動歯ブラシなどのモータ付きのデバイスにおいて速度が遅くなるときに見て取ることができる。既存のハイブリッド(電源および電子装置)電池は、固定電圧出力を有し、内部の電力がフラットになると、電池出力が単にオフになる。これは、必ずしも望ましくない。例えば、ユーザは、完全な明るさの懐中電灯を使用していて、警告もなく突然に懐中電灯が消えてしまう場合、望ましくないと判断する可能性がある。
【0199】
本発明のこの形態の電池は、内部の電源を監視することができ、放電の終わりに近づく(すなわち、ほぼフラットになる)場合に、電池電圧が充電を必要としていることをユーザに知らせるために下げられる。
【0200】
本発明のこの形態の電池は、出力電圧を出力電流にかかわらずに下げることができる。これは、出力電流が大きく、電池出力が下げられる場合に、さらなる減少が依然として適用されることを意味する。本発明によるAA型電池について考えられる電圧低下の例は、以下のとおりである。
【表2】
【0201】
これを行う回路の例を、次で説明する。
【0202】
ここで
図15のブロック図を参照すると、内部セル(1510)(
図1および
図2の内部セル(114)と同じである)の電圧が、電圧センサ(1520)によって感知され、この情報(内部セル電圧)が、
図4(i)のマイクロコントローラ(U5)と同じであるプログラマブルコントローラ(1530)へともたらされる。内部セル(1510)の電圧がマイクロコントローラ(U5)に予めプログラムされた所定のレベルに低下した場合、マイクロコントローラ(U5)は、同期降圧レギュレータ(1560)の出力を低下させ、電池の出力電圧を低くする。
【0203】
負荷下にあるときに電池出力(1550)の電圧を下げる出力電流感知/出力電流センサ(1540)とともに使用される場合、低い内部セル(1510)についてプログラムされた電圧低下を、「インテリジェントな出力」の一部としてプログラムされた電圧低下に追加することができる。
【0204】
図15は出力電流センサ(1540)の使用を示しているが、これは随意である。
【0205】
図4(g)の回路は、電圧センサ(内部セル電圧センサ)の例である。「VCELL」信号は、内部セル(1510)に接続され、「V OUT ADC」信号は、マイクロコントローラ(U5)に接続される。
【0206】
内部電源または内部セル(1510)の電圧レベルは、抵抗器(R17およびR20)を介して感知され、この電圧は、インテリジェントな電池出力の箇所で上述したやり方と同じやり方でマイクロコントローラ(U5)へともたらされる。
【0207】
ここで、同期降圧レギュレータ(1560)の回路は、
図4(a)にも現れる
図8の回路と同じ回路である。
【0208】
再び
図8に目を向けると、「V CELL」信号は、内部セルに接続される。「PWM HI」、「SHNT REG EN」、および「PWM LOW」信号は、いずれもマイクロコントローラ(U5)に接続される。P1は、電池出力である。「V1V55」信号は、固定の1.55V DC基準に接続される。「VOUT」信号は、電池出力端子に接続される。
【0209】
図4(a)の回路は、電池が負荷下にあり、LDOレギュレータ(U15)ではなく同期降圧レギュレータ(1560)回路が使用されているとき、出力電圧をより効果的に下げる。電流の取り出しが少ないときに電圧低下を可能にするために、LDOレギュレータ(U15)を、
図4(a)の回路図に示されている固定出力レギュレータではなく、可変LDOレギュレータで置き換えることができる。
【0210】
マイクロコントローラ(U5)のプログラミングは、同期降圧レギュレータ(1560)を使用して出力を調整するため、出力電圧を低下させる。
【0211】
電圧は、オペアンプ(U3B)をオフにすることによって下げられ(調整され)、マイクロコントローラ(U5)は、オペアンプ(U1)、NチャネルMOSFET(Q1)、PチャネルMOSFET(Q2)、およびインダクタ(L1)を介して電圧を制御する。
【0212】
出力電圧は、入力電圧とデューティサイクルとを掛け合わせたものであるため、デューティサイクルを下げることで、出力電圧を下げることができる。マイクロコントローラのプログラミングが、デューティサイクルを制御する。
【0213】
V_Out=V_in*Duty
Duty=Q1(オン時間)/Q1(オフ時間)+Q1(オン時間))
例えば、V_In=3.5V、オン時間=420ns、オフ時間=580ns
Duty=420e-9/420e-9+580e-9)=0.42
V_Out=3.5*0.42=1.47V
【0214】
また、内部セル電圧を、フラッシュコンバータまたはマルチコンパレータ(
図11を参照)あるいはデュアルスロープADC(
図12を参照)などの他の種類の比較器を使用して測定することも可能である。
【0215】
電源が放電終了に近づいたときの電圧低下の上述の特徴は、本発明の第1の実施形態で説明した電圧調整回路(110)を使用する電池(100)にも同様に適用することができる。
【0216】
電池のレベルの表示
これは、電圧調整回路(110)の第2の実施形態によってもたらされる別の特徴である。
【0217】
本発明の電池(100)は、電池の表面に、電池の充電または電力レベルを知らせ、あるいは示すように構成された任意の形態のインジケータを含むことができる。どの程度の電力が電池に残されているかをユーザに示す電圧レベル計などの電圧レベルインジケータを使用することができる。
【0218】
通常の電池(アルカリ1.5V使い捨て電池、リチウム1.5V一次電池、およびNiMH 1.2V充電式電池)は、フラットになるにつれて、電圧がゆっくりと低下する。電池のユーザは、どの程度の電力が電池に残されているかを確認するためにマルチメータで電圧を測定することができる。一部の使い捨て電池は、電池の側面に電圧レベルインジケータを有している。しかしながら、既存の充電式電池は、電圧レベルインジケータを有していない。
【0219】
既存のハイブリッド(電源および電子装置)電池は、電圧インジケータを有しておらず、電源、すなわち内部セル(114)に残っている電力に関係なく、出力は常に1.5Vである。
【0220】
この内部セル(114)がLi-ionである場合、測定される電池電圧の例は、以下のとおりである。
フル充電=4V超
25%放電=3.9V
50%放電=3.8V
75%放電=3.7V
フラット=3V以下
【0221】
内部セル(114)の電圧を、さまざまな方法で測定することができる。1つのやり方は、
図4(g)の回路による。Li-ionセルなどの内部セル(114)の電圧は、抵抗器(R17およびR20)を介して直接測定され、マイクロコントローラ(U5)へともたらされ、残っている電力のレベルを、マイクロコントローラ(U5)のプログラミングによって計算することができる。
【0222】
内部セル(114)の電圧を示すために、サーモクロミックインクで覆われた導電ストリップを、透明フィルムまたはラベルの透明部分の下方において電池(100)の表面に設置することができ、一方または両方の端部が押されたときに回路が完成し、導電性フィルムの各々の端部に電圧が印加される。サーモクロミックインクは、導電性フィルムの温度を示すように色の変化を生じ、導電性フィルムの温度は、フィルムを通って流れる電流に比例すると考えられる。単一のサーモクロミックインクまたは複数のインクを使用することができる。
【0223】
測定された内部セル(114)の電圧に基づいてプログラムされた電流制限回路を使用することにより、顕著な電流範囲が達成されることで、表示がより正確になる。
【0224】
例えば、
フル充電=4V超=50mA
25%放電=3.9V=40mA
50%放電=3.8V=30mA
75%放電=3.7V=20mA
フラット=3V以下=0mA
【0225】
【0226】
定電流回路-電流=50mA。負荷は、定電流で駆動される。
【0227】
他の測定のやり方として、シングルまたはマルチスロープコンパレータあるいはフラッシュコンバータなどの比較器の使用が挙げられる。
【0228】
内部セル(114)に残っている電力のレベルは、さまざまな方法を用いて示すことが可能である。別のやり方は、電圧レベルを示すようにマイクロコントローラ(U5)によってプログラムされた電池ケースに内蔵された小型LEDを使用することである。LEDは、超低電流であって、常にオンのままであってよく、あるいは電池の一部分において動作して回路を完成させることができる。これを、電池ラベルの下方の導電性フィルムを使用して行うことができる。
【0229】
【0230】
電池のレベルの表示の上述の特徴は、本発明の第1の実施形態で説明した電圧調整回路(110)を使用する電池(100)にも同様に適用することができる。
【0231】
インテリジェントな電池出力および電源が放電の終わりに近づくときの電圧低下についての実施形態を、充電式電池に関連して説明したが、これらの電圧調整回路を、非充電式電池においても同様に電圧出力を制御するために使用できることは、当業者にとって明らかであろう。同様に、電池のレベルの表示は、非充電式電池においても使用可能である。
【0232】
他の電池との比較
下記の表3が、本発明の電池が、種々の製品に適用された場合に既知の電池にどのように比肩するのかを示している。
【表3】
【0233】
図18は、いくつかの種類のAA型電池について、デジタルコンパクトカメラで試験した場合の実際のデータを示すグラフである。このグラフの結果は、デジタルコンパクトカメラにおいて2個のAA型電池を使用し、フラッシュをオンにした状態でカメラがもはや撮影できなくなるまで行った試験からの結果である。
【0234】
棒グラフの濃い色の部分は、電池の残量が少ない旨が表示される前までにフラッシュありで撮影された写真の枚数を示している。電池の残量が少なくなったとき、カメラは節電モードに入り、ディスプレイが、フラッシュを充電するときに撮影の合間に消灯した。充電時間も長くなった。棒グラフの明るい色の部分は、電池の残量が少ないときに撮影された写真の枚数を示している。
【0235】
本発明の電池(「BOOST FP」と称する)は、すべての写真について、撮影できる状態になるのが速かった。BOOST FPは、長持ちし、フラッシュの充電が速く、その他の充電式電池と比べて充電してから次の充電までの間により多くの写真を撮影できることが、試験によって確認された。
【0236】
図19は、いくつかの種類のAAA型電池について、CREE LED懐中電灯で試験したときのデータを示すグラフである。具体的には、グラフの結果は、CREE LED懐中電灯において3個のAAA型電池で実施された試験からの結果である。
【0237】
明るさをLuxメータで測定し、本発明の電池(「BOOST FP」と称する)の明るさを、100%ベースラインとした。順々に続く記録を、このベースラインに対するパーセンテージとして得た。
【0238】
グラフの左側は、最初にオンにしたときの明るさを示している。時間が経過するにつれて、電池がゆっくりと放電を開始する(または、「フラットになる」)一方で、懐中電灯の明るさが低下した。
【0239】
他の電池は、きわめて速く出力が低下し、結果として、きわめて短い時間(例えば、1~15または2~10分など、数分以内)で懐中電灯の出力が大幅に暗くなった。
図19のグラフは、AAA型電池によるCREE LED懐中電灯の時間経過に対する相対的な明るさを示しており、試験した他のいかなる電池も、フルの明るさをBOOST FPほど長くはもたらすことができないことを、明らかに示している。
【0240】
図20は、いくつかの種類の電池について、連続使用において外部のカメラフラッシュを充電するために長期にわたって使用されたときの予想される結果を示すグラフである。グラフにおいて線が低い位置にあるほど、カメラのフラッシュの充電が迅速である。本発明の電池は、このグラフにおいては「Revolt Pro」と称される。
図20から見て取ることができるとおり、本発明の電池を使用すると、ユーザはもはやカメラのフラッシュの充電を長時間待つ必要がなく、ユーザのカメラのフラッシュは電池がフラットになるまで当初のままの速い速度で充電される。
【0241】
本発明の利点
本発明の利点または利益のいくつかは、以下のとおりである。
・電池は充電式であってよく、すなわち何度も繰り返して使用できるため、多数回の使用により費用効果に優れる。
・本発明のいくつかの実施形態による電池は、充電式であり、再使用可能であるため、既知のあらゆる非充電式/使い捨て電池と比較して、環境に優しい。
・大電流のデバイスにおける優れた性能。
・あらゆる種類のデバイスに適する。
・可能な限り最高の性能をもたらすインテリジェントな調整された出力。
・電池充電器の種類または電池充電器によって供給される(例えばNiMH/NiCD/Li-ion充電器などの既存の電池充電器などからの)電圧を感知し、Li-ionセルなどの内部セルまたは充電式電源を充電するように電圧を調節するインテリジェントな電子装置。
・電池が、フラットになるまで継続的な高出力をもたらす。
・1つの随意による選択肢において、特別な電池充電器は不要であり、電池を市販のあらゆるNiMH/NiCD/Li-ion電池充電器で充電することができる。例えば、本発明の電池の内部の高度な電子装置は、NiMH電池充電器によって供給される電圧を昇圧して、Li-ionセルのための調整された安全な充電を提供する。
【0242】
他の利点として、以下が挙げられる。
・本発明の電池の内部のLi-ionセルなどの電源は、容量の有意な低下を生じることなく1000回もの充電が可能である。これは、1週間に1回電池を充電した場合、約20年後に元の容量の80%を依然として有することを意味する。その後、電力容量が小さくなるだけで、さらに何年も長持ちする。
・2100mAhのAA型NiMH電池の定格が、2520mWh(1.2V×2100mAh)である一方で、本発明のAA型電池の定格は、2900mWhである。したがって、本発明のこの電池は、2100mAhのNiMH電池よりも多くの電力を含んでいる。使用可能な容量は、ユーザの電子デバイスが必要とする最低電圧に依存する。また、放電率に依存してわずかに変化する。ユーザの電子デバイス/製品が動作に少なくとも1.1Vを必要とする場合、本発明の電池は、約2400mAhのNiMH電池とほぼ同等である。ユーザの電子装置が動作に少なくとも1.15Vを必要とする場合、本発明の電池は、おおむね2600mAH~2700mAHのNiMH電池と同等である。
・本発明の電池の内部の電子装置は、常にオンであるように意図されている。電子装置が休止時に取り出す電流は、比較的少ない30μAであり、自己放電率よりも少ない電力しか消費しない。
30μA=0.03mA
12ヵ月=365日×24時間/日=8760時間
1年間に取り出されるmAh=8760×0.03=262.8mAh
Li-ionセルなどの電源の1年間の自己放電は、約20%である。したがって、12ヵ月後に残る総電力は、本発明のAA型電池において依然として1000mAh超である。
・本発明の電池の電源は、完全にはフラットにならない。安全な低電圧に達すると、電池内の電子装置が出力をオフにすることで、Li-ionセルなどの電源を保護する。
【0243】
変種
当然ながら、以上が本発明の実例となる例によって与えられているが、当業者にとって明らかであると考えられるそのようなおよび他のあらゆる変更および変形が、上述した本発明の広い範囲および領域に包含されるとみなされることを、理解できるであろう。
【0244】
AA型/AAA型電池を参照して本発明を説明してきたが、本発明の電池は、これらに限られるわけではないがAA型、AAA型、C型、D型、9V、ランタン電池、など、任意の種類またはサイズであってよい。
【0245】
図面を参照して上述したような電圧調整回路は、当業者であれば同一または実質的に同様の目的に使用されると考えるであろういくつかの可能な電圧調整回路の例にすぎない。
【0246】
同様に、図面を参照して上述したような電圧調整回路のいくつかのコンポーネントは、必ずしも図面に示した構成に似ている必要はなく、これらのコンポーネントの各々は、当業者であれば同じまたは実質的に同様の目的の提供に適すると考えるであろう任意の適切な同等のコンポーネントで置き換え可能である。
【0247】
プログラムされたマイクロプロセッサ、特定用途向け集積回路(ASIC)、プログラマブルロジックアレイ(PLA)、フィールドプログラミングゲートアレイ(FPGA)、あるいは目的に適したその他の形態の電子もしくは論理回路またはプログラマブル論理素子、など、電子コントローラのいくつかの他の代案の形態を電圧調整回路に実装できることを、当業者であれば理解できるであろう。そのような電子コントローラを、入力および出力信号を送信および受信することによって、プログラムされた可変のレベルにおいて出力電圧を感知および調整するために、電圧調整装置の他の電子コンポーネントのうちの1つ以上へと動作可能に接続することができる。
【0248】
内部電源は、Li-ionセルに限られる必要はなく、目的に適した電源であってよい。基本的な電子設計は、異なる電源でも同じままであると考えられ、特定の電源の出力電圧および充電要件に適合するように変更することができる。Li-ionが電源として好ましいが、使用可能な他の可能な電源は、NiMHまたはNiCDである。薄膜リチウムなど、新興の最先端技術の充電式セルも、使用することができる。
【0249】
本発明の電池は、既存の充電器を使用して充電することができ、特別な充電器を必要としないことを、理解すべきである。しかしながら、本発明の電池のために特別な充電器を開発することも可能である。
【0250】
また、本明細書に記載され、あるいは特許請求の範囲において請求される製品、方法、またはプロセスが、未完成の状態で、個々のコンポーネントとして、あるいは「部品のキット」として販売される場合、そのような利用が本発明の範囲に包含されることも、理解できるであろう。
【0251】
以上の説明の目的において、「上方」、「下方」、「右」、「左」、「垂直」、「水平」、「上」、「下」、「横」、「縦」、「側方」、「前」、および「後ろ」といった用語、ならびにその派生語は、図面/図における本発明の向きに関する。しかしながら、本発明が、そのようでないと明示的に指定されている場合を除いて、さまざまな代案の変形例を想定できることを、理解すべきである。また、添付の図面に示され、本明細書に記載された特定の装置は、本発明の単なる例示的な実施形態にすぎないことも、理解されたい。したがって、本明細書に開示の実施形態に関する特定の寸法および他の物理的特性は、本発明を限定するものとみなされるべきではない。