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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-13
(45)【発行日】2023-12-21
(54)【発明の名称】探索空間監視
(51)【国際特許分類】
   H04W 72/232 20230101AFI20231214BHJP
   H04W 16/28 20090101ALI20231214BHJP
【FI】
H04W72/232
H04W16/28
【請求項の数】 10
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021183386
(22)【出願日】2021-11-10
(62)【分割の表示】P 2019561309の分割
【原出願日】2018-05-04
(65)【公開番号】P2022031702
(43)【公開日】2022-02-22
【審査請求日】2021-12-09
(31)【優先権主張番号】62/505,553
(32)【優先日】2017-05-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】598036300
【氏名又は名称】テレフオンアクチーボラゲット エルエム エリクソン(パブル)
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】弁理士法人大塚国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】パークヴァル, ステファン
(72)【発明者】
【氏名】クーラパティ, ハヴィシュ
(72)【発明者】
【氏名】ラーション, ダニエル
【審査官】伊東 和重
(56)【参考文献】
【文献】ZTE,SS Splitting among Different CORESETs and Blind Decoding[online],3GPP TSG RAN WG1 #89,3GPP,2017年05月06日,R1-1707161,検索日[2023.01.05],Internet<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_89/Docs/R1-1707161.zip>
【文献】Huawei, HiSilicon,Configuration of control resource set[online],3GPP TSG RAN WG1 #89,3GPP,2017年05月08日,R1-1706943,検索日[2023.01.05],Internet<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_89/Docs/R1-1706943.zip>
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24-7/26
H04W 4/00-99/00
3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4
CT WG1,4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
探索空間を監視するための方法であって、前記方法は、ワイヤレス・デバイスによって実行され、前記方法は、
ダウンリンク制御情報を搬送するように構成されたリソース要素の制御リソース集合、CORESET、内の物理ダウンリンク制御チャネル(PDCCH)を受信することであって、前記CORESETは、前記CORESETにおけるブラインド検出に影響する属性を有する、ことと、
前記CORESETにおけるブラインド検出に影響する前記属性に基づいて、前記ワイヤレス・デバイスに関連する制御メッセージを検出するために少なくとも1つの探索空間を監視することと、
前記CORESETと前記少なくとも1つの探索空間とのうちの少なくとも1つに対する前記制御メッセージの第1位置について、前記制御メッセージの前記第1位置に基づいて、前記ワイヤレス・デバイスについての第1仮定疑似共同位置と第1ビーム・ペア・リンクとのうちの少なくとも1つを決定することと、
前記CORESETと前記少なくとも1つの探索空間とのうちの少なくとも1つに対する制御メッセージの第2位置であって、前記第1位置とは異なる第2位置について、前記制御メッセージの前記第2位置に基づいて、前記ワイヤレス・デバイスについての第2仮定疑似共同位置と第2ビーム・ペア・リンクとのうちの少なくとも1つを決定することと、を有する、方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法であって、監視する探索空間の取りうる集合は、相異なる集約レベルの探索空間を含み、前記方法は、
前記CORESETの前記属性に基づいて、探索空間の前記取りうる集合の部分集合を選択することであって、前記部分集合は、前記CORESETの前記属性に基づく集約レベルの分布で選択される、ことと、
探索空間の前記取りうる集合の前記選択された部分集合を監視することと、をさらに有する方法。
【請求項3】
請求項2に記載の方法であって、前記属性は、前記リソース要素のためのトランスポート・ブロック・サイズと変調次数とのうちの少なくとも1つを規定する変調符号化方式を識別する、方法。
【請求項4】
請求項1に記載の方法であって、監視する探索空間の取りうる集合は、相異なる集約レベルの探索空間を含み、前記方法は、
比較的高い集約レベルの探索空間に対して比較的大きな割合のブラインド検出試行を実行することと、
比較的低い集約レベルの探索空間に対して比較的小さな割合のブラインド検出試行を実行することと、をさらに有する方法。
【請求項5】
請求項1に記載の方法であって、監視する探索空間の集合は、相異なる集約レベルの組成を有し、相異なる集約レベルの前記組成は、前記CORESETの前記属性を表す、方法。
【請求項6】
請求項1に記載の方法であって、
前記制御メッセージの前記第1位置と前記第2位置とのうちの少なくとも1つに基づいて、前記ワイヤレス・デバイスに関連する前記制御メッセージ内の少なくとも1つのビットフィールドの長さを導出することをさらに有する方法。
【請求項7】
請求項6に記載の方法であって、
前記第1位置と前記第2位置とのうちの少なくとも1つがスロットの先頭にあるように確立されるならば、前記制御メッセージ内の前記少なくとも1つのビットフィールドの少なくとも1つの長さを、比較的長くなるように導出することと、
前記第1位置と前記第2位置とのうちの少なくとも1つが前記スロットの先頭にないように確立されるならば、前記制御メッセージ内の前記少なくとも1つのビットフィールドの少なくとも1つの長さを、比較的短くなるように導出することと、を有する方法。
【請求項8】
請求項1に記載の方法であって、
前記制御メッセージの前記第1位置に基づいて、物理ダウンリンク共有チャネル、PDSCH、を第1スロットにスケジューリングすることと、
前記制御メッセージの前記第2位置に基づいて、前記PDSCHを第2スロットにスケジューリングすることと、を有する方法。
【請求項9】
請求項1に記載の方法であって、
前記制御メッセージがCORESETと探索空間とのうちの特定の少なくとも1つ内に位置するならば、その場合に限り、スケジューリングとハイブリッド自動再送要求フィードバックとのうちの1つのためにコンベンション・ベース許可手順を採用することをさらに有する方法。
【請求項10】
処理回路及び通信インタフェースを備えるワイヤレス・デバイスであって、前記処理回路は、前記ワイヤレス・デバイスに、
ダウンリンク制御情報を搬送するように構成されたリソース要素の制御リソース集合、CORESET、内の物理ダウンリンク制御チャネル(PDCCH)を受信することであって、前記CORESETは、前記CORESETにおけるブラインド検出に影響する属性を有する、ことと、
前記CORESETにおけるブラインド検出に影響する前記属性に基づいて、前記ワイヤレス・デバイスに関連する制御メッセージを検出するために少なくとも1つの探索空間を監視することと、
前記CORESETと前記少なくとも1つの探索空間とのうちの少なくとも1つに対する前記制御メッセージの第1位置について、前記制御メッセージの前記第1位置に基づいて、前記ワイヤレス・デバイスについての第1仮定疑似共同位置と第1ビーム・ペア・リンクとのうちの少なくとも1つを決定することと、
前記CORESETと前記少なくとも1つの探索空間とのうちの少なくとも1つに対する制御メッセージの第2位置であって、前記第1位置とは異なる第2位置について、前記制御メッセージの前記第2位置に基づいて、前記ワイヤレス・デバイスについての第2仮定疑似共同位置と第2ビーム・ペア・リンクとのうちの少なくとも1つを決定することと、を行わせるように構成される、ワイヤレス・デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本書で提示される実施形態は、探索空間を監視するための方法、ワイヤレス・デバイス、無線アクセス・ネットワーク・ノード、コンピュータ・プログラム及びコンピュータ・プログラム製品に関する。
【背景技術】
【0002】
ニュー・ラジオ(NR)は、ダウンリンクにおいて直交周波数分割多重(OFDM)を使用する。よって、基本的なNRダウンリンク物理リソースを時間‐周波数グリッドと見なすことができ、各リソース要素は、1つのOFDMシンボル間隔の1つのOFDMサブキャリアに対応する。NRでは、複数のサブキャリア間隔、例えば15kHz、30kHz又は60kHzがサポートされる。
【0003】
物理ダウンリンク制御チャネル(PDCCH)は、NRにおいて、ダウンリンク制御情報(DCI)のため、例えばダウンリンク・スケジューリング割り当て及びアップリンク・スケジューリング許可のために使用される。PDCCHは一般に、スロットの先頭で送信され、同じスロット又は後のスロット内のデータに関連するが、ユーザ機器(UE)は原則として、例えばミニ・スロット・ベースの送信を処理するために、スロット当たり1回よりも頻繁にPDCCHを監視するように構成されうる。(NRスロットは7個又は14個のOFDMシンボルに対応してもよく、15kHzのサブキャリア間隔では7個のOFDMシンボルを有するスロットが0.5msを占有することが思い起こされる。一般的に、NR用語に関して、3GPP TR 38.802v14.0.0以降のバージョンを参照されたい。)相異なるDCIペイロード・サイズ及び相異なるアグリゲーション・レベルを処理するために、PDCCHの相異なるフォーマット(サイズ)が可能である(すなわち、所与のペイロード・サイズについて相異なるコード・レート)。UEは、相異なるアグリゲーション・レベル及びDCIペイロード・サイズのうちの複数のPDCCH候補をブラインド監視(又は探索)するように(暗黙的に及び/又は明示的に)構成される。有効なDCIメッセージを検出すると(すなわち、候補の復号が成功であり、DCIがUEの識別子(ID)を含むことを監視するように指示されると)、UEはDCIに従う(例えば、対応するダウンリンク・データを受信するか、又はアップリンクで送信する)。ブラインド復号プロセスは、UEにおいて複雑さを犠牲にするが、様々なDCIペイロード・サイズの柔軟なスケジューリング及び処理を提供するために必要とされる。
【0004】
DCIは、送信又は受信に必要な量をシグナリングするために、無線リソース制御(RRC)シグナリングと組み合わせて使用されうる。一例は、ハイブリッド自動再送要求(HARQ)確認応答のような、アップリンクにおけるフィードバック・シグナリングのために使用されるリソースのシグナリングである。アップリンクにおける完了位置を示すことは、過度に大きなDCIオーバヘッドをもたらしうる。その代わりに、2ビットのインデックスをDCIの一部として送信し、テーブルへのインデックスとして使用して、4つの事前構成された(又は事前規定された)エントリのうちの1つを選択できる。
【0005】
このようにして、DCIは、送信又は受信に必要な量をシグナリングするために、RRCシグナリングと組み合わせて使用されうる。一例は、HARQ確認応答のような、アップリンクにおけるフィードバック・シグナリングのために使用されるリソースのシグナリングである。アップリンクにおける完了位置を示すことは、過度に大きなDCIオーバヘッドをもたらしうる。その代わりに、2ビットのインデックスをDCIの一部として送信し、テーブルへのインデックスとして使用して、4つの事前構成された(又は事前規定された)エントリのうちの1つを選択できる。このようにして、DCIオーバヘッドを小さく保つことができ、同時に、様々なデプロイメント・シナリオ及び動作条件を処理するためのかなりの量の柔軟性を可能にする。原則として、任意の制御情報に対して、すなわち、アップリンクにおいて使用されるHARQリソースだけでなく、同じアプローチが使用されうる。図7参照。
【0006】
NRでは、UEがPDCCH送信を監視できる制御リソース領域をどのように構成するか、及びUEが複数の制御リソース領域でどのように構成されうるかについて、現在議論がある。これらの制御領域の一部は、複数のUEを対象とする共通制御メッセージを送信するために使用されてもよく、一部は、UE固有制御メッセージを対象としてもよい。制御領域は、共通制御メッセージ及びUE固有制御メッセージの両方にサービスを提供できる。第3世代パートナーシップ・プロジェクト・ロング・ターム・エボリューション(LTE)とのNRの1つの違いは、キャリア帯域幅がより大きくなる可能性があり、それゆえ、キャリアの帯域幅全体に及ばない制御領域において見られる利点が存在することである。よって、制御領域が時間及び周波数において制限されることが予期される。
【0007】
制御領域は一般に、複数のUEが領域内でシグナリングされうることを保証するように寸法決めされる必要がある。これを行うために、制御メッセージを探索するために制御領域に割り当てられるUEの数が制御領域において利用可能なリソースよりもはるかに多いという統計的多重化原理が使用される。したがって、任意の特定のUEがスケジュールされる必要がある場合に、ブロッキング確率を最小化するために統計的多重化が使用されうるように、様々なUEのための探索空間がランダム化される。したがって、制御領域は、複数のUEがPDCCHを同時にシグナリングすることを可能にするように寸法決めされることが予期されうる。さらに、制御領域を監視するために割り当てられているUEの数は、同時にシグナリングされうるUEの数よりも多いことが予期されうる。
【0008】
以下において、CORESETとは、UEに構成されている制御リソース集合のことである。CORESETは、周波数における物理リソースブロック(PRB)と、時間におけるOFDMシンボルとの集合にわたるリソース要素(Res)の集合である。UEは、1つ以上のPDCCHの潜在的な受信について1つ以上のCORESETを監視するように構成されてもよい。1つのUE又は様々なUEのためのCORESETは、原則として(部分的に)重畳しうる。簡単にするために、図2では、CORESETが部分的に重畳していないと仮定する。
【0009】
1つ以上の探索空間を使用するCORESETブラインド復号によって規定されたリソースを使用して、存在するならば、有効なPDCCHの検出が実行されうる(図2を参照)。CORESET内の複数のリソースは、制御チャネル要素(CCE)を形成する。UEは、これらのCCEのうちの1つ以上を使用してPDCCHをブラインド復号することを試みる。典型的に、相異なる探索空間が相異なる集約レベルを使用し、ここで、集約レベルとは、PDCCH候補によって使用されるCCEの数のことである。例えば、集約レベル1上の探索空間は単一のCCEからなるPDCCH候補を監視し、集約レベル2上の探索空間は、CCEのペアからなるPDCCH候補を監視する。各探索空間においてPDCCH候補を構成するCCE(又はCCEの集合)がどれであるかをルールが決定する。ルールは、(例えば、ネットワーク標準仕様を介して)送信者間で事前に合意されてもよく、又はシグナリングによって事前に示されてもよい。
【0010】
しかし、動的に搬送される制御情報の量を増加させることは、オーバヘッドの増加をもたらすので、問題である。実装に応じて、全シグナリング・オーバヘッドは、DCIペイロードの増加に敏感でありうる。オーバヘッドの増加は線形でありうる。したがって、DCIを効率的に搬送することが望ましい。
【発明の概要】
【0011】
したがって、本開示の目的は上記の問題を軽減し、改善された効率の探索空間監視を提供することである。
【0012】
本開示によれば、CORESETは、探索空間におけるブラインド検出の処理に影響を及ぼしうる特定の属性に関連付けられる。
【0013】
特に、本開示の1つの側面によれば、ワイヤレス・デバイスによって実行される方法は、ダウンリンク・スロット内で直交周波数分割多重化、OFDM、シンボルを受信することであって、OFDMシンボルは、制御情報を搬送するように構成されたリソース要素の制御リソース集合、CORESET、に含まれ、CORESETは、少なくとも1つの属性にさらに関連付けられる、ことと、CORESETの少なくとも1つの属性のうちの少なくとも1つの第1属性を識別することと、CORESETの識別された少なくとも1つの第1属性に基づいて、ワイヤレス・デバイスに関連する制御メッセージについて少なくとも1つの特定の探索空間を監視することと、CORESETと探索空間とのうちの少なくとも1つに対して制御メッセージの位置を確立することと、制御メッセージについて第1位置が確立されるならば、ワイヤレス・デバイスについて、第1仮定疑似共同位置と第1ビーム・ペア・リンクとのうちの少なくとも1つを決定することと、制御メッセージについて第1位置とは異なる第2位置が確立されるならば、ワイヤレス・デバイスについて、第2仮定疑似共同位置と第2ビーム・ペア・リンクとのうちの少なくとも1つを決定することと、を有する。
【0014】
本開示の別の態様によれば、探索空間を監視するための方法は、ワイヤレス・デバイスによって同様に実行される。ここで、監視すべき探索空間の潜在的な集合は、相異なる集約レベルの探索空間を含み、方法はダウンリンク・スロットにおいてOFDMシンボルを受信することであって、OFDMシンボルは、制御情報を搬送するように構成されたリソース要素のCORESETに含まれ、CORESETは、少なくとも1つの属性にさらに関連付けられる、ことと、CORESETの少なくとも1つの属性のうちの少なくとも1つの第1属性を識別することと、ワイヤレス・デバイスに関連する制御メッセージについて1つの特定の探索空間を監視することとを含み、特定の探索空間は、集約レベルの分布を有し、CORESETの識別された少なくとも1つの第1属性に基づいて選択される。
【0015】
上記の戦略は、ダウンリンク制御シグナリング・オーバヘッドを低減するので有利である。ブラインド検出の管理もより効率的になる。
【0016】
さらなる利点、有益な特徴及び応用は、以下の説明及び従属請求項から明らかになるだろう。
【図面の簡単な説明】
【0017】
ここで、提案されるソリューションは、例として開示される好ましい実施形態によって、添付の図面に関連して、より詳細に説明される。
図1】本開示の実施形態による通信ネットワークを概略的に説明する。
図2】本開示の1つの実施形態によるサブフレーム構造を説明する。
図3】本開示の1つの実施形態により、検索空間がどのように監視されるかを説明する。
図4】本開示の1つの実施形態により、ダウンリンク制御情報に関連するパラメータがどのように導出されうるかを説明する。
図5】フロー図によって、本開示の1つの実施形態による方法を説明する。
図6】本開示の実施形態による、コンピュータ可読媒体を含むコンピュータ・プログラム製品の概略例を示す。
図7】パラメータ値の動的及び準静的シグナリングの組み合わせを記載する。
図8】本開示の1つの実施形態により、パラメータがどのように導出されうるかを説明する。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本開示は、各CORESETが1つ以上の属性に関連付けられるべきであることを提案する。これに換えて又はこれに加えて、第1CORESETの属性は、第2CORESETの対応する属性とは特徴的に異なる。特に、第1CORESETはパラメータ又は変数の第1値に関連付けられてもよく、第2CORESETは同じパラメータ又は変数の第2値に関連付けられてもよく、第1値と第2値とは特徴的に異なる。第1又は第2CORESETを復号しようと試みるUEは、パラメータ又は変数の値を突き止め、それに応じて自身の挙動を選定できる。UEは、CORESETの属性によって示されるように、異なるCORESETを復号するならば、異なるように挙動できる。UEの挙動は、CORESET復号そのもの、又は無線動作タスクのような動作タスクに関係してもよい。当該特性は、多くの方法で使用されうる。
【0019】
1つの実施形態で、CORESETの属性は、当該CORESET内のPDCCH候補のブラインド復号に影響を及ぼす。例えば、1つのCORESETに対して、別のCORESETよりも多くのブラインド復号試行が費やされうる。別の可能性は、ブラインド復号を、様々なCORESET内の探索空間にわたって分布させることである。例えば、1つのCORESETでは、低い集約レベルよりも多くのブラインド復号が高い集約レベルに費やされ、別のCORESETでは、分布が異なりうる。この例で、複数のユーザに到達することが意図されるこのようなブロードキャスト制御情報が送信されるCORESETを使用して探索空間上で高い集約レベルにより多くのブラインド復号試行を費やすことは意味がありえるが、専用スケジューリング制御情報が送信されるCORESETでは低い集約レベルにより多くのブラインド復号試行を使用するインセンティブがあってもよい。
【0020】
別の実施形態で、所与のCORESETにおいて実行されるブラインド復号の数は、UEが構成されるすべてのCORESETにおけるCCEの総数に対する当該CORESETにおけるCCEの数の比率に比例して決定されてもよい。この実施形態の別の変形例で、このアプローチが、固定数のブラインド復号試行を有する共通の探索空間を搬送するCORESETを有するすべてのUE固有のCORESETにわたってのみ使用されてもよい。
【0021】
CORESETの属性(及び/又は探索空間の属性)のいくつかを使用する別の方法は、ダウンリンク制御情報の一部を搬送するために利用することであり、PDCCHが見つけられるCORESETは、制御情報の一部を搬送するためにも使用されうる。DCIを含む有効なPDCCHを検出すると、UEは以下を知る。
・どの探索空間でPDCCHが検出されたか。及び/又は
・(少なくともCORESETが重畳していないならば)どのCORESETでPDCCHが検出されたか。
【0022】
この情報は(図4に示されるように)直接的に、又は(図8に示されるように)間接的に、ダウンリンク制御情報をUEに搬送するために使用されうる。図8のテーブルは、例えばRRC又はMACシグナリングを介して、事前規定されるか、又は(準静的に)構成されうる。
【0023】
これに換えて又はこれに加えて、この情報の変動性は、UEに様々な方法でDCIを解釈させる。言い換えれば、DCIにおけるシグナリングの基本的な意味は、特定の属性に関連付けられたCORESETにおいてDCIが受信されるならば、さらなる意味で上書きされてもよい。
【0024】
探索空間及び/又はCORESETを介して間接的にダウンリンク制御情報の一部を提供する一般的なアプローチは、複数の方法で使用されうる。
【0025】
探索空間は、どの変調符号化方式(MCS)テーブルを使用するかに影響を及ぼしうる。高い集約レベル(例えば、8CCE)を有する探索空間は、カバレッジ制限シナリオ(したがって、データレートが低い)においてデータをスケジューリングする際に主に有用であり、一方、低い集約レベル(例えば、単一CCE)は、カバレッジ問題が少ない(それゆえ、データレートが高い)場合に主に有用である。これは、トランスポート・ブロック・サイズ及び変調次数について2つの異なるテーブルの間で選択するために使用されうる。高い集約レベルの場合のための低いデータレート/小さいトランスポート・ブロック・サイズをサポートするテーブルと、低い集約レベルの場合のための高いデータレート/大きいトランスポート・ブロック・サイズをサポートするテーブル。テーブル選択はまた、PDCCHが共通の探索空間において検出されたか又はUE固有の探索空間において検出されたかに基づくことができ、共通の探索空間は、ブロードキャストされた同じ情報を受信する多くのユーザに対処するために使用され、この場合、データレートはUE固有の探索空間と比較して低い。
【0026】
別の実施形態は、物理ダウンリンク共有チャネル(PDSCH)又は物理アップリンク共有チャネル(PUSCH)の先頭ポジショニング及び末尾ポジショニングを与えるビットフィールド内のビットの意味の構成であり、UEがDCIメッセージを検出するどのCORESET又は探索空間に依存しうる(又は、少なくともいくつかの値がビットフィールド全体と比較してビットフィールド内で異なってもよい)。
【0027】
別の実施形態は、CORESETの位置に基づくDCIメッセージ内のビットフィールドの長さの構成である。CORESETが時間内のスロットの先頭にないならば、ビットフィールドのうちの少なくともいくつかは、CORESETがスロットの先頭にある場合よりも、PDSCH/PUSCHのインジケーションのために短い長さを有してもよい。
【0028】
別の実施形態で、クロス・スロット・スケジューリングは、DCIメッセージが位置するCORESET/探索空間に基づく。DCIメッセージが何らかのCORESETに位置するならば、PDSCHは同じスロットにスケジュールされ、別のCORESETであるならば、PDSCHは、DCIが位置するスロットに先行する後続のスロットに入る。CORESETのこの属性は、CORESETのRRC構成の一部として規定されうる。
【0029】
別の実施形態で、UEが行うQCL仮定又はビーム・ペア・リンク仮定は、DCIメッセージが位置するCORESET/探索空間に応じて異なる。
【0030】
別の実施形態で、DCIメッセージが所与の探索空間又はCORESET内に位置するならば、UEは、スケジューリング又はHARQフィードバックのいずれかのために、コンベンション・ベース許可(CBG)ベースの情報を使用する。
【0031】
図1は、本開示の1つの実施形態による通信ネットワークを概略的に示す。ここで、例えば、NR基地局又はgNB(次世代ノードB)を実装する無線アクセス・ネットワーク・ノードBSは、探索空間の監視を可能にするように構成される。無線アクセス・ネットワーク・ノードBSは、無線基地局ネットワーク130に通信可能に接続され、無線基地局ネットワーク130は一般ネットワーク140にさらに接続されてもよい。いずれの場合も、無線アクセス・ネットワーク・ノードBSは、処理回路及び通信インタフェースを含む。続いて、処理回路は、無線アクセス・ネットワーク・ノードBSに、ダウンリンク・スロットにおいてOFDMシンボルを送信させるように構成される。OFDMシンボルは、制御リソース集合、CORESETに含まれる。図2で、参照番号210、220及び230は、サブフレーム構造内のこのようなリソース要素を例示し、このリソース要素は制御情報を搬送するように構成される。CORESETは、ワイヤレス・デバイスに関連する制御メッセージを探索する際に、ワイヤレス・デバイスが監視する少なくとも1つの特定の探索空間の基礎を形成するように構成された少なくとも1つの属性に関連付けられる。図1は、UE1、UE2及びUE3の形態のこのようなワイヤレス・デバイスをそれぞれ示し、これらは、例えば、携帯電話、ハンドセット、端末などによって表されてもよい。
【0032】
図3は、本開示の1つの実施形態により、どのように探索空間が監視されるかを説明する。より正確には、CORESETによって規定されたリソースを使用して、任意の有効なPDCCHを検出するために1つ以上の探索空間においてブラインド復号が適用される。
【0033】
ここで、CORESET210内の複数のリソースが、制御チャネル要素CCEを形成するものとする。ワイヤレス・デバイスは、これらのCCE、CCE0、…、CCEN-1の1つ以上を用いてPDCCHをブラインド復号しようとするように制御される。典型的に、異なる探索空間が異なる集約レベルを使用する。集約レベルは、PDCCH候補によって使用されるCCEの数である。例えば、第1集約レベルでは、PDCCH候補を監視する探索空間が単一のCCEを含んでもよい。第2集約レベルでは、その代わりに、PDCCH候補を監視する探索空間が、探索空間MまでのCCEのペアなどを含んでもよく、各探索空間においてPDCCH候補を構成するCCE又はCCEの集合は、ワイヤレス・デバイスによって知られているルールによって与えられる。図3で、これはREGからCCEへのマッピングによって説明される。
【0034】
ここで、ワイヤレス・デバイス内の探索空間を監視するための本開示の1つの実施形態による方法を説明するために、図5のフロー図を参照する。
【0035】
ここで、第1ステップ510において、OFDMシンボルがダウンリンク・スロットで受信される。OFDMシンボルは、制御情報を搬送するように構成されたリソース要素のCORESETに含まれる。さらに、CORESETは少なくとも1つの属性に関連付けられると仮定する。
【0036】
後続のステップ520で、CORESETの少なくとも1つの属性の少なくとも1つの第1属性が識別される。
【0037】
その後、ステップ530で、ワイヤレス・デバイスに関連する制御メッセージについて、少なくとも1つの特定の探索空間が監視される。監視は、ステップ520で識別されたCORESETの少なくとも1つの第1属性に基づく。
【0038】
本開示の1つの側面によれば、制御メッセージの位置は、CORESET及び/又は探索空間に関して確立される。この側面によれば、制御メッセージについて第1位置が確立されるならば、ワイヤレス・デバイスについて第1仮定疑似共同位置(quasi-co-location)及び/又は第1ビーム・ペア・リンクも決定される。
【0039】
さらに、本方法は、制御メッセージについて第1位置とは異なる第2位置が確立されるならば、ワイヤレス・デバイスについて第2仮定疑似共同位置及び/又は第2ビーム・ペア・リンクを決定することを含む。
【0040】
図5のプロセス・ステップの全ては、少なくとも1つのプログラムされたプロセッサによって制御されてもよい。さらに、図面を参照して上述した本開示の実施形態は、プロセッサ及び少なくとも1つのプロセッサにおいて実行されるプロセスを含むが、よって、本開示は、本開示を実施するように適合されたコンピュータ・プログラム、特にキャリア上又はキャリア内のコンピュータ・プログラムにも及ぶ。プログラムは、ソース・コード、オブジェクト・コード、部分的にコンパイルされた形態のようなコード中間ソース及びオブジェクト・コードの形態、又は本開示によるプロセスの実施に使用するのに適した任意の他の形態であってもよい。プログラムは、オペレーティング・システムの一部であってもよいし、別個のアプリケーションであってもよい。キャリアは、プログラムを搬送できる任意のエンティティ又はデバイスであってもよい。例えば、キャリアは、フラッシュ・メモリ、ROM(リード・オンリ・メモリ)、例えばDVD(デジタル・ビデオ/多用途ディスク)、CD(コンパクト・ディスク)又は半導体ROM、EPROM(消去可能プログラマブル・リード・オンリ・メモリ)、EEPROM(電気的消去可能プログラマブル・リード・オンリ・メモリ)又は磁気記録媒体、例えばフロッピー(登録商標)ディスク又はハードディスクなどの記憶媒体を含んでもよい。さらに、キャリアは、電気又は光ケーブルを介して、又は無線によって、又は他の手段によって搬送されうる、電気又は光信号などの伝送可能なキャリアであってもよい。ケーブル又は他のデバイス又は手段によって直接搬送されうる信号でプログラムが実施される場合に、キャリアは、そのようなケーブル、デバイス又は手段によって構成されてもよい。これにかえて、キャリアは、プログラムが埋め込まれた集積回路であってもよく、集積回路は、関連するプロセスを実行するために又は関連するプロセスの実行に使用するために適合される。
【0041】
図6は、少なくとも1つのプロセッサで実行された場合に、提案された方法を実行するように構成されたコンピュータ・プログラム620を含む、例えばCD ROM(コンパクト・ディスク・リード・オンリ・メモリ)又はDVD(デジタル多用途ディスク)などのコンピュータ可読記憶媒体640の形態のコンピュータ・プログラム製品600の概略例を示す。
【0042】
この明細書で使用される場合に、「備える/備える」との用語は、記載された特徴、整数、ステップ又は構成要素の存在を指定するために採用される。しかし、この用語は、1つ以上の追加の特徴、整数、ステップ若しくは構成要素又はこれらのグループの存在又は追加を排除するものではない。
【0043】
本開示は、図面に記載された実施形態に限定されず、特許請求の範囲内で自由に変更されてもよい。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8