(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-13
(45)【発行日】2023-12-21
(54)【発明の名称】半導体レンズの製造の最適化
(51)【国際特許分類】
G02B 3/00 20060101AFI20231214BHJP
【FI】
G02B3/00 Z
G02B3/00 A
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021195716
(22)【出願日】2021-12-01
(62)【分割の表示】P 2018554755の分割
【原出願日】2017-04-14
【審査請求日】2021-12-20
(32)【優先日】2016-04-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】516360454
【氏名又は名称】ルメンタム・オペレーションズ・リミテッド・ライアビリティ・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】Lumentum Operations LLC
(74)【代理人】
【識別番号】100101454
【氏名又は名称】山田 卓二
(74)【代理人】
【識別番号】100189555
【氏名又は名称】徳山 英浩
(74)【代理人】
【識別番号】100189544
【氏名又は名称】柏原 啓伸
(72)【発明者】
【氏名】リチャード・エフ・カーソン
(72)【発明者】
【氏名】ジョン・アール・ジョセフ
(72)【発明者】
【氏名】マイアル・イー・ウォーレン
(72)【発明者】
【氏名】トーマス・エイ・ウィルコックス
【審査官】池田 博一
(56)【参考文献】
【文献】特表2015-514965(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2012/0169669(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 3/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光学装置であって、
複数のレンズを含むレンズアレイと、
複数のレーザと、を備え、
前記レンズアレイは、第1のレンズセットを有する内側部分と第2のレンズセットを有する外側部分とを含み、前記第2のレンズセットは、前記第1のレンズセットに隣接して位置決められてそれを囲み、前記第1のレンズセットは、前記第1のレンズセットまたは前記第2のレンズセットのいずれかのレンズによって取り囲まれており、
前記複数のレーザのうちそれぞれのレーザは、前記複数のレーザのそれぞれのビームが前記第1のレンズセットのそれぞれのレンズに入射するように、前記第1のレンズセットのそれぞれのレンズと位置合わせされまたは位置をずらされており、
どのレーザも、前記第2のレンズセットのどのレンズとも物理的に位置合わせされ
ておらずまたは位置をずらされていない、
光学装置。
【請求項2】
前記レンズアレイは、円形の構成である、請求項1に記載の光学装置。
【請求項3】
前記複数のレーザは、前記レンズアレイから基板の反対側に位置決めされる、請求項1に記載の光学装置。
【請求項4】
前記基板は、厚い材料で堆積され、前記厚い材料は、保護する高さの障壁として機能し、傷を防止する厚さを有する、請求項3に記載の光学装置。
【請求項5】
前記複数のレーザのうち、第1のレーザは、前記第1のレンズセットからの第1のレンズの中心に位置合わせされ、前記複数のレーザのうち、第2のレーザは、前記第1のレンズセットからの第2のレンズの中心から外れるように位置合わせされる、請求項1に記載の光学装置。
【請求項6】
前記第1のレンズセットの各レンズは、同一の曲率半径(ROC)を有する、請求項1に記載の光学装置。
【請求項7】
前記第2のレンズセットの各レンズは、前記第1のROCとは異なる第2のROCを有する、請求項6に記載の光学装置。
【請求項8】
前記第1のレンズセットの各レンズは、前記レンズアレイの基板の境界から少なくとも2つのレンズの長さになるように構成される、請求項1に記載の光学装置。
【請求項9】
前記第1のレンズセットまたは前記第2のレンズセットのうちのいずれかのレンズの中心から、任意の隣接するレンズの中心までの距離は、同じである、請求項1に記載の光学装置。
【請求項10】
前記第1のレンズセットの第1のレンズは、前記第1のレンズセットの第2のレンズよりも小さいピッチを有する、請求項1に記載の光学装置。
【請求項11】
光学装置であって、
複数の垂直キャビティ面発光レーザ(VCSEL)と、
複数のレンズ
を含むレンズアレイと、を備え、
前記レンズアレイは、第1のレンズセットを有する内側部分と第2のレンズセットを有する外側部分とを含み、前記第2のレンズセットは、前記第1のレンズセットに隣接して位置決められてそれを囲み、前記第1のレンズセットは、前記第1のレンズセットまたは前記第2のレンズセットのいずれかのレンズによって取り囲まれており、
前記第1のレンズセットのそれぞれは、複数のVCSELのそれぞれのビームが前記第1のレンズセットのそれぞれのレンズに入射するように、前記複数のVCSELのそれぞれのVCSELと位置合わせされまたは位置をずらされるように構成されており、
前記第2のレンズセットは、レーザが物理的に位置合わせされ
ておらずまたは位置をずらされることのない非機能性レンズを含む、
光学装置。
【請求項12】
前記レンズアレイは、円形の構成である、請求項11に記載の光学装置。
【請求項13】
前記レンズアレイは、前記複数のVCSELから基板の反対側に位置決めされるように構成される、請求項11に記載の光学装置。
【請求項14】
前記レンズアレイは、厚い材料を有する基板をさらに含み、前記厚い材料は、保護する高さの障壁として機能し、傷を防止する厚さを有する、請求項11に記載の光学装置。
【請求項15】
前記第1のレンズセットの第1のレンズの中心は、前記複数のVCSELのうちの第1のVCSELと位置合わせされるように構成され、前記第1のレンズセットの第2のレンズは、前記複数のVCSELのうちの第2のVCSELとの中心から外れて位置合わせされるように構成される、請求項11に記載の光学装置。
【請求項16】
前記第1のレンズセットの各レンズは、同一の曲率半径(ROC)を有する、請求項11に記載の光学装置。
【請求項17】
前記第2のレンズセットの各レンズは、前記第1のROCとは異なる第2のROCを有する、請求項16に記載の光学装置。
【請求項18】
前記第1のレンズセットの各レンズは、前記レンズアレイの基板の境界から少なくとも2つのレンズの長さになるように構成される、請求項11に記載の光学装置。
【請求項19】
前記第1のレンズセットまたは前記第2のレンズセットのうちのいずれかのレンズの中心から、任意の隣接するレンズの中心までの距離は、同じである、請求項11に記載の光学装置。
【請求項20】
前記第1のレンズセットの第1のレンズは、前記第1のレンズセットの第2のレンズよりも小さいピッチを有する、請求項11に記載の光学装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2016年4月19日に出願された米国特許出願第15/133,094号の利益を主張する。
【0002】
実施形態は、レーザを放射させるレンズアレイを製造することによって生成されるシステムを含む。レンズアレイは、レーザを製造するために使用される半導体基板に製造してもよく、またはレーザに位置合わせされる他の透明材料の別個の基板であってもよい。いくつかの実施形態では、最終的にレーザによって使用されるレンズよりも多くのレンズを作り得る。基板の内側部分は、レーザを放射するために使用されるレンズでエッチングされ得、基板の外側部分は、レーザを放射するために使用しないレンズでエッチングされ得る。むしろ、それらの付加的なレンズをエッチングすることを通して、より良質な内側レンズを作成し得る。
【背景技術】
【0003】
レンズ-光を透過および屈折させる光学デバイス-またはレンズアレイは、後方放射用のVCSEL(垂直キャビティ面発光レーザ)またはVECSEL VCSEL(垂直(拡張または外部)キャビティ面発光レーザ)の設計の半導体レーザ基板の背面に製作し得る。VCSELは、上面から垂直にレーザビームを放射する、半導体レーザダイオードの一種である。対照的に、従来の端面放射型半導体レーザは、個々のチップをウェーハから劈開することによって形成された表面から放射する。したがって、VECSELは、ウェーハの外側にキャビティを拡張するように再構成された、VCSELの一種である。別のアプローチでは、レンズアレイは、ガラスや透明ポリマーのような異なる材料で別々に製造してもよい。レンズアレイは、アセンブリまたは製造プロセスの機械的手段によって、レーザに位置合わせするように構成し得る。このようなレンズアレイの製造は、一般に、エッチングによってフォトレジストから基板の表面にパターンを転写することによって行われ得る。エッチングされたレンズは、そのそれぞれの曲率または曲率半径(ROC)によって特徴付けられてもよく、またその曲率は、レンズの性能の重要な側面であり得る。また、エッチングされたレンズは、従来のレンズと同様の光の位相の遅延を生じるパターンによって光が制御されるフレネルまたは回折構造であってもよい。この場合、フォトレジスト(または電子ビームレジスト、または物理的インプリントまたはスタンピングによってパターン化されたレジスト)からのパターンもまた、エッチングによって基板材料の表面に転写され得る。
【図面の簡単な説明】
【0004】
【
図1】機能性レンズがレーザに位置合わせされた、エッチングされたレンズアレイの例示的な実施形態を示す。
【
図2】機能性レンズが意図的にレーザに対して位置がずれている(偏心)ようにされた、エッチングされたレンズアレイの例示的な実施形態を示す。
【
図3】詳細に示された機能性レンズが、外側の非機能性レンズによって取り囲まれた、エッチングされたレンズアレイの例示的な実施形態を示す。
【
図4】エッチングによってフォトレジストから基板にパターンを転写する方法の例示的な実施形態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0005】
エッチングは、一般に、1つ以上の層を除去するための、基板を製造すべく化学物質を使用するプロセスであり、エッチングに耐性のあるマスキング材料に被覆されているときに基板の諸々の部分を特定のエッチングの反復には曝さないものであり得る。レンズ製造プロセスは、フォトレジスト構造の形状が基板内に転写されるように、フォトレジストの漸進的なエッチングまたはエロージョンを必要とする。このレンズ製造プロセスの速度は、さらにゆっくりとしたフォトレジスト材料のエッチングプロセスほど、エッチングのプロセスで化学反応種を早く消費しないものである。したがって、フォトレジスト材料に対する基板の材料のエッチングの比は、理想的には、エッチングプロセスを通して一定であるべきである。レンズアレイを基板にエッチングする際の問題は、このようにすることが、エッチング材料の領域と、よりゆっくりとエッチングされる材料またはフォトレジストの領域との比から、異なる位置で異なるエッチング速度を生じるローディング効果を引き起こす可能性があることである。これは、基板のより多くの領域がエッチングに際してフォトレジストによって被覆されていなければ、該当する局所的な領域でエッチングするために使用する化学反応種の利用可能性が低くなることに起因して、速度が遅くなるからである。化学反応種の利用可能性は、複雑なガスの流れおよび組成の実験、電気バイアスの調整、またはこれらの2つの技術の組み合わせによって調整し得る。しかし、エッチングの結果は本質的に複雑であり、また非常に多くの変数のデコンヴォルーションをすることは、解決が困難な問題である。
【0006】
この問題に対する解決法は、十分な数よりも多くの数のレンズを作成して、機能性のある(すなわち、光がレンズを通るよう導かれる)レンズをアレイの内側部分に都合の良いように位置決めして、アレイにわたるフォトレジストの材料の領域に対する被覆されていない基板の材料の比が同一であるようにすることを含み得る。このような外側の非機能性(すなわち、光がレンズを通るよう導かれない)レンズを介して、エッチングされないフォトレジスト材料の領域に対する露出された基板の材料の領域のこの同一比率が、達成され得る。なぜなら、これらの外側レンズが、まさに機能性レンズのようにエッチングされた材料を含むからである。したがって、各機能性レンズは、同数の隣接するレンズにより囲まれていてもよい(また、これらの隣接するレンズは、他の機能性レンズであってもよく、または機能性レンズと非機能性レンズとの組み合わせであってもよい)。任意の機能性レンズの中心と任意の隣接するレンズの中心(それが機能性レンズであろうと非機能性レンズであろうと)との距離は同じにし得る。同様に、任意のレンズの中心から任意の隣接するレンズの中心の距離は同一にし得、一方のレンズが機能性で他方が機能性ではないか、両方のレンズが機能性か、または両方のレンズが機能性ではないかにかかわらず、任意の2つの隣接するレンズ間の距離が同じであるようにする。これらの内側レンズは、エッチングパラメータの特徴付けに使用されてもよく、アレイの外側レンズは、非エッチング領域またはパターン化領域に対するエッチング領域の比が異なってもよい。
【0007】
いくつかの実施形態では、上記の解決策は、システムによって実行されてもよい。システム自体は一般に、プロセッサと、プロセッサで実行するときにレンズを製造するための動作を実行するように構成される命令を含むプログラムを含む1つ以上のメモリとを含み得る。例えば、コンピュータシステムを使用して、レンズのレイアウトを設計し、レンズを製造する機器に指示し得る。
【0008】
これらのレンズアレイは、湿式エッチング、異方性湿式エッチング、およびプラズマエッチングなどによる、外側レンズおよび内側レンズを製造するための様々なプロセスで、製造し得る。また、グレースケールリソグラフィプロセスを用いて、内側レンズおよび外側レンズを製造し得る。内側の機能性レンズは、基板の境界から数レンズ周期後方にあってもよい。非機能性の外側レンズは、均一な内側レンズを製造する際に位置決め機能を有するための非機能性の保護としてもよい。
【0009】
いくつかの実施形態では、基板がそのレンズ側に至った場合にレンズに傷がつかないように、保護する高さの障壁として機能するべく厚い材料を基板に堆積させ得る。
【0010】
図1は、機能性レンズ102が基板の縁部まで延在するエッチングされたレンズアレイ100の例示的な実施形態を示す。レンズアレイ100は、(非機能性レンズとは対照的に)機能性レンズ102のみを含む。これらのレンズは、レーザ放射の透過のために設計されているので、機能性であると考えられ得る。図示されたレンズ102のすべてが機能性であることが認められる。なぜなら、各機能性レンズは、基板の反対側にあり、レンズに位置合わせされている(または意図的に位置をずらしている;
図2参照)対応するレーザ104を備えるからである。このアレイでは、アレイ100の中央にあるレンズ102aはVCSELに位置合わせするように構成され得るが、隣の環状のレンズ102bは、レンズ102aより小さいピッチを有するように意図的に設計され得、それが均一に分岐するビームを作り出す。いくつかの実施形態では、レンズの傷を防止するために、蒸着材料106が存在して、レンズアレイ100の上部および周囲に構築または構成されてもよい。
【0011】
いくつかの実施形態では、エッチングプロセスは、レンズ102aがレンズ102bの曲率半径(ROC)とは異なるROCまたは様々な寸法を有するようにし得ることが理解されよう。これは、被覆されていない基板の材料と、レンズ102aおよびレンズ102bを取り囲む、よりゆっくりとエッチングされたフォトレジスト材料との比が異なり得るためである。レンズ102a自体は、フォトレジスト材料を含み、レンズ102bによって取り囲まれており、それは同様にフォトレジスト材料を含む。レンズの間および周囲の材料は、マスクされていない基板の表面であり、プロセスの開始時から激しい勢いでエッチングされ得る。対照的に、レンズ102bはフォトレジスト材料を含むが、他のフォトレジスト材料によって完全に囲まれていなくてもよい。レンズ102bのレンズがレンズ102bの他のレンズまたはレンズ102aに隣接している場合、その隣接する材料も徐々にエッチングされるフォトレジスト材料である。しかし、基板の外縁部に向かって、レンズ102bはフォトレジスト材料を含まなくてもよい。したがって、ローディング効果を、レンズ102bとレンズ102aとで異なるものにし得る。これは、フォトレジストで被覆された領域に対する被覆されていない基板材料の領域の比が、レンズ102b(フォトレジスト材料を含むレンズによって囲まれていない)のレンズとレンズ102a(フォトレジスト材料を含む他のレンズによって取り囲まれている)との間で異なるということを意味する。言い換えれば、フォトレジストのレンズのパターンによって被覆された領域に対する被覆されていない基板の領域のこの比は、102bのレンズと102aのレンズとの間で異なるので、102bのレンズは、レンズ102aのROCと異なるROCを有し得る。
【0012】
図2は、エッチングされたレンズアレイ200の別の例示的な実施形態を示し、その中で機能性レンズ202が基板の縁部まで延在している。しかし、図示された各機能性レンズ102がその対応するレーザ104と位置合わせされていることから図示されたレンズ102が機能性である
図1とは異なり、
図2は、レンズ202aを除くすべての機能性レンズ202bが、それらの対応するレーザ204の各々から意図的に位置をずらし(偏心)得ることを示している。レンズ202bを対応するレーザ204のそれぞれから偏心させて位置決めまたは配置することにより、レーザから放射されるビームを都合よく所望の収束、発散および/または特定の方向に向け得る。
【0013】
図3は、エッチングされたレンズアレイ300の例示的な実施形態を示しており、完全に破線の内側にある機能性レンズ305が、破線の下および外のレンズである外側の非機能性レンズ310によって取り囲まれている。機能性レンズはさらに、詳細に細分化されている。このような方法でレンズを製造する場合、
図2のレンズアレイ200とは対照的に、ローディング効果が低減され、またより均一なレンズが形成され得る。レンズアレイ300は、ここでは実質的に円形であるように描かれているが、異なる形状のレンズアレイを形成する実施形態が存在することが理解されよう。
図3は、基板にエッチングされる環状の外側非機能性レンズ310がある点で、
図2とは異なる。したがって、ここでは、レンズアレイ300は、機能性レンズ305と非機能性レンズ310の両方を含む。各機能性レンズ305は、基板の反対側にあり、レンズに位置合わせされている(または意図的に位置をずらしている)対応するレーザ306を有するため、機能性レンズ305は機能性であると考えられ得る。このレンズアレイ300では、アレイ300の中央のレンズ302aがVCSELに位置合わせされるが、隣の環状のレンズ302bは、レンズ302aよりもピッチが小さくなるように意図的に設計され得、それは均一に分岐するビーム、またはレンズ302aのレーザとレンズ302bのレーザとの間における異なる位置合わせを生み出す。次に、基板上にエッチングされて機能性レンズ305へのローディング効果を減少させる外側の非機能性レンズ310がある。また、レンズの傷を防止するために、レンズアレイ300の上部および周囲に構築される蒸着材料350が存在してもよい。
【0014】
さらに、
図3に示すように、各機能性レンズ305の中心とその周囲の隣接するレンズの中心(機能性レンズ305であろうと非機能性レンズ310であろうと)との間の距離は、隣接する任意の2つのレンズの中心間での距離と同一であり得る。例えば、機能性レンズ302aの中心と隣接する機能性レンズ302bの中心との間の距離は、非機能性レンズ310aの中心と隣接する非機能性レンズ310bの中心との間の距離と同一であり得る。言い換えると、任意のレンズの中心(機能性または非機能性)から隣接するレンズの中心(機能性または非機能性)までの距離はすべて同じである。
【0015】
レンズ102b、202b、102aおよびレンズ202aが異なるローディング効果を経る、
図1のレンズアレイ100および
図2のレンズアレイ200とは対照的に、ここでは、すべての機能性レンズ305は実質的に同様のローディング効果を経るため、すべての機能性レンズ305が実質的に同様のROCを有する。これらの実質的に同様なローディング効果は、部分的に、機能性レンズ305のアレイを取り囲む非機能性レンズ310の存在に起因する。
図1および
図2のレンズとは対照的に、ここでは、各機能性レンズは同数の他の(機能または非機能)レンズによって取り囲まれているため、各機能性レンズはエッチングされる材料とエッチングされない材料との同じ比率を経る。機能性レンズ310の各機能性レンズは、急速にエッチングされた材料とその周辺のゆっくりエッチングされた材料とが同一比率であるので、他の機能性レンズと同じローディング効果を経ることから、すべての機能性レンズ305が実質的に同じROCで製造される。
【0016】
レンズアレイ300または他の光学的な表面のこの設計は、レンズアレイ300の内側レンズ305が、均一な内側レンズ305を製造するための位置決め機能を有するための非機能性の保護であるレンズアレイ300の外側レンズ310と比較して、より優れた機能性のためにより高い均一性を有することができるように、エッチングの限界を克服し得る。さらに、レンズアレイ300の光学的な表面のこのアレイは、レンズアレイ300の外側(非機能性)レンズ310、および機能性レンズ305を外側レンズ310から緩衝する他の非機能性レンズアレイとは対照的に、レンズアレイ300の内側レンズ305がより優れた機能性のためにより高い均一性を有することができるように、エッチングの限界を克服し得る。
【0017】
さらに、上述のように、
図3に示すように、レンズ302aを除くレンズアレイ300内の機能性レンズ305は、それぞれのレーザ306の位置合わせから偏心されて、指定された方向にビームを向け得る。位置をずらしているビームと位置合わせされたビームとの組み合わせは機能性であり得、機能性レンズ305へのローディング効果を低減するためにエッチングされる非機能性レンズを有し得る。
【0018】
材料の厚い堆積は、レンズ305(
図3には示されていないが、
図1および
図2に示されている)および/または310(材料350)、または各々の組み合わせの周りに、またはそれにわたって堆積され得、その結果レンズ305または310を傷つけないように、保護する高さが構築される。
【0019】
図4は、エッチングによってフォトレジスト405から基板410にパターンを転写する方法の例示的な実施形態を示す。
図4のフローまたはプロセス400は、基板410上に溶融され得るフォトレジスト構造405を示す。いったん基板410上に溶融されるか、フォトレジストを基板410に転写する当業者に知られている異なる技術を利用して、基板410上に丸い形状を形成する。基板410上のこの丸い形状は、エッチングプロセスに曝されてもよい。露出した丸い形状では、エッチングプロセスは、より迅速にかつ垂直方向性でエッチングされ得る。エッチングプロセスはまた、フォトレジストの周りの露出した基板材料の量を含む多くの要因の影響を受けやすい可能性がある。エッチングプロセスの終了時に、特定の形状を基板410に完全に転写し得る。
図4は、基板410に転写された単一のフォトレジストの例示的な実施形態を示す。しかし、同時に複数のまたは1つを超えるフォトレジストを基板410に転写し得る。
【0020】
別の実施形態は、グレースケールリソグラフィのようなプロセスによって、フォトレジストに直接レンズの形状を形成することを含む。したがって、これらの形状はレンズとして使用し得る。あるいは、形状のパターンは、基板材料内にエッチングされてもよい。
【0021】
1つの実施形態では、レンズを製造する方法は、基板にわたりフォトレジストの層をエッチングして複数のレンズを有するレンズアレイを形成すること、ここでレンズアレイが第1のレンズセットを有する内側部分と第2のレンズセットを有する外側部分とをさらに含み、第2のレンズセットが第1のレンズセットに隣接して位置決められてそれを囲み、第1のレンズセットの各レンズが第1のレンズセットまたは第2のレンズセットのいずれかの同じ数のレンズによって取り囲まれ、第1のレンズセットの各レンズに対応する複数のレーザの間で各レーザを位置決めし、第2のレンズセットのレンズのいずれかに対応するレーザがないよう位置決めすることを含む。この実施形態では、フォトレジストの層をエッチングすることは、ウェットエッチングプロセス、異方性ウェットエッチングプロセス、プラズマエッチングプロセス、およびドライエッチングプロセスのうちの少なくとも1つによって達成される。この実施形態では、層をエッチングすることは、レンズアレイのパターンをフォトレジストから基板に転写することを含む。この実施形態では、レンズアレイは円形の構成である。この実施形態では、複数のレーザが、レンズアレイから基板の反対側に位置決めされ、各レーザは、第1のレンズセットの各レンズに光を放射するように構成される。この実施形態では、第1のレーザが第1のレンズセット由来の第1のレンズの中心に位置合わせされ、第2のレーザが第1のレンズセット由来の第2のレンズの中心外に位置合わせされる。この実施形態では、保護する高さの障壁として機能し、傷を防止するために、基板を厚い材料で堆積する。この実施形態では、第1のレンズセットの各レンズは、実質的に同様の曲率半径(ROC)を含み、第1のレンズセットの各レンズは、基板の境界に由来する数本のレンズの長さであるように構成される。この実施形態では、第1のレンズセットまたは第2のレンズセットのうちのいずれかのレンズの中心から、任意の隣接するレンズの中心までの距離が同じである。この実施形態では、第2のレンズセットの第1のレンズは、第2のレンズセットの第2のレンズよりも小さいピッチを含む。
【0022】
1つの実施形態では、レンズを製造するためのシステムは、プロセッサ;およびシステムが動作しているときにプロセッサと通信する1つ以上のメモリであって、プロセッサがシステムに少なくとも、複数のレンズを有するレンズアレイを形成すること、ここでレンズアレイが第1のレンズセットを有する内側部分と第2のレンズセットを有する外側部分とをさらに含み、第2のレンズセットが第1のレンズセットに隣接して位置決められてそれを囲み、第1のレンズセットの各レンズが第1のレンズセットまたは第2のレンズセットのいずれかの同じ数のレンズによって取り囲まれ、第1のレンズセットの各レンズに対応する複数のレーザの間で各レーザを位置決めし、第2のレンズセットのレンズのいずれかに対応するレーザがないよう位置決めすることを実行させる命令を内部に記憶している1つ以上のメモリを含む。この実施形態では、システムにレンズアレイを形成させる命令によって、システムはレンズアレイを形成するために基板にわたってフォトレジストの層をエッチングし、当該エッチングは、ウェットエッチングプロセス、異方性ウェットエッチングプロセス、プラズマエッチングプロセス、およびドライエッチングプロセスの少なくとも1つにより達成させる。この実施形態では、システムにレンズアレイを形成するために層をエッチングさせる命令によって、システムはフォトレジストから基板にパターンを転写する。この実施形態では、レンズアレイは円形の構成である。この実施形態では、複数のレーザが、レンズアレイから基板の反対側に位置決めされ、各レーザは、第1のレンズセットの各レンズに光を放射するように構成される。この実施形態では、第1のレーザが第1のレンズセット由来の第1のレンズの中心に位置合わせされ、第2のレーザが第1のレンズセット由来の第2のレンズの中心外に位置合わせされる。この実施形態では、保護する高さの障壁として機能し、傷を防止するために、基板を厚い材料で堆積する。この実施形態では、第1のレンズセットの各レンズは、実質的に同様の曲率半径(ROC)を含み、第1のレンズセットの各レンズは、基板の境界に由来する数本のレンズの長さであるように構成される。この実施形態では、第1のレンズセットまたは第2のレンズセットのうちのいずれかのレンズの中心から、任意の隣接するレンズの中心までの距離が同じである。この実施形態では、第2のレンズセットの第1のレンズは、第2のレンズセットの第2のレンズよりも小さいピッチを含む。この実施形態では、システムにレンズアレイを形成させる命令は、グレースケールフォトリソグラフィプロセスを制御する。この実施形態では、システムにレンズアレイを形成させる命令によって、システムはレンズ形状のパターンを基板に転写させる。
【0023】
1つの実施形態では、レンズを製造する方法は、複数のレンズを有するレンズアレイを形成すること、ここでレンズアレイが第1のレンズセットを有する内側部分と第2のレンズセットを有する外側部分とをさらに含み、第2のレンズセットが第1のレンズセットに隣接して位置決められてそれを囲み、第1のレンズセットの各レンズが第1のレンズセットまたは第2のレンズセットのいずれかの同じ数のレンズによって取り囲まれ、第1のレンズセットの各レンズに対応する複数のレーザの間で各レーザを位置決めし、第2のレンズセットのレンズのいずれかに対応するレーザがないよう位置決めすることを含む。この実施形態では、レンズアレイを形成することは、グレースケールフォトリソグラフィによって達成される。この実施形態では、レンズアレイを形成することは、レンズ形状のパターンを基板に転写することを含む。この実施形態では、レンズ形状のパターンを転写することは、フォトレジストの層および基板をエッチングすることを含む。この実施形態では、フォトレジストの層をエッチングすることは、ウェットエッチングプロセス、異方性ウェットエッチングプロセス、プラズマエッチングプロセス、およびドライエッチングプロセスのうちの少なくとも1つを含む。この実施形態では、レンズアレイは円形の構成である。この実施形態では、複数のレーザが、レンズアレイから基板の反対側に位置決めされ、各レーザは、第1のレンズセットの各レンズに光を放射するように構成される。この実施形態では、第1のレーザが第1のレンズセット由来の第1のレンズの中心に位置合わせされ、第2のレーザが第1のレンズセット由来の第2のレンズの中心外に位置合わせされる。この実施形態では、保護する高さの障壁として機能し、傷を防止するために、基板を厚い材料で堆積する。この実施形態では、第1のレンズセットの各レンズは、実質的に同様の曲率半径(ROC)を含み、第1のレンズセットの各レンズは、基板の境界に由来する数本のレンズの長さであるように構成されている。この実施形態では、第1のレンズセットまたは第2のレンズセットのうちのいずれかのレンズの中心から、任意の隣接するレンズの中心までの距離が同じである。この実施形態では、第2のレンズセットの第1のレンズは、第2のレンズセットの第2のレンズよりも小さいピッチを含む。
【0024】
本発明は、好ましい実施形態および代替形態に関して本明細書に例示および記載されているが、本明細書に記載の技術は、多数の追加の用途および適用を有することができることを理解されたい。したがって、本発明は、本発明の原理の好ましい実施形態および適用を単に例示するだけの本明細書に含まれる特定の説明および様々な図面にまさに限定されるべきではない。