IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ シーメンス・ヘルスケア・ダイアグノスティックス・インコーポレイテッドの特許一覧

特許7402890流体デバイスにおけるバブルトラップのための装置および方法
<>
  • 特許-流体デバイスにおけるバブルトラップのための装置および方法 図1
  • 特許-流体デバイスにおけるバブルトラップのための装置および方法 図2
  • 特許-流体デバイスにおけるバブルトラップのための装置および方法 図3
  • 特許-流体デバイスにおけるバブルトラップのための装置および方法 図4
  • 特許-流体デバイスにおけるバブルトラップのための装置および方法 図5
  • 特許-流体デバイスにおけるバブルトラップのための装置および方法 図6
  • 特許-流体デバイスにおけるバブルトラップのための装置および方法 図7
  • 特許-流体デバイスにおけるバブルトラップのための装置および方法 図8
  • 特許-流体デバイスにおけるバブルトラップのための装置および方法 図9
  • 特許-流体デバイスにおけるバブルトラップのための装置および方法 図10
  • 特許-流体デバイスにおけるバブルトラップのための装置および方法 図11
  • 特許-流体デバイスにおけるバブルトラップのための装置および方法 図12
  • 特許-流体デバイスにおけるバブルトラップのための装置および方法 図13
  • 特許-流体デバイスにおけるバブルトラップのための装置および方法 図14
  • 特許-流体デバイスにおけるバブルトラップのための装置および方法 図15
  • 特許-流体デバイスにおけるバブルトラップのための装置および方法 図16
  • 特許-流体デバイスにおけるバブルトラップのための装置および方法 図17
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-13
(45)【発行日】2023-12-21
(54)【発明の名称】流体デバイスにおけるバブルトラップのための装置および方法
(51)【国際特許分類】
   G01N 35/08 20060101AFI20231214BHJP
   G01N 37/00 20060101ALI20231214BHJP
   B81B 1/00 20060101ALI20231214BHJP
   B81C 99/00 20100101ALI20231214BHJP
   B01D 19/00 20060101ALI20231214BHJP
【FI】
G01N35/08 A
G01N37/00 101
B81B1/00
B81C99/00
B01D19/00 B
【請求項の数】 18
(21)【出願番号】P 2021556436
(86)(22)【出願日】2020-02-25
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-05-17
(86)【国際出願番号】 US2020019656
(87)【国際公開番号】W WO2020190461
(87)【国際公開日】2020-09-24
【審査請求日】2021-12-15
(31)【優先権主張番号】62/819,965
(32)【優先日】2019-03-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/863,546
(32)【優先日】2019-06-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】508147326
【氏名又は名称】シーメンス・ヘルスケア・ダイアグノスティックス・インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100127926
【弁理士】
【氏名又は名称】結田 純次
(74)【代理人】
【識別番号】100140132
【弁理士】
【氏名又は名称】竹林 則幸
(72)【発明者】
【氏名】サペ・デ・フリーズ
【審査官】前田 敏行
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-007592(JP,A)
【文献】特開2015-166707(JP,A)
【文献】特表2017-523435(JP,A)
【文献】特開2016-165704(JP,A)
【文献】特開2004-093558(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 35/08
G01N 37/00
B81B 1/00
B81C 99/00
B01D 19/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体デバイス用の基板であって:
上面(102)及び底面104
流体を輸送する第1のチャネル(154)と;
該第1のチャネル(154)に連結され、該第1のチャネルから流体を受けるチャンバ(700)であって、上部および底部を含むチャンバ(700)と;
該チャンバ(700)に連結され、該チャンバ(700)から流体を受ける第2のチャネル(156)と;
チャンバ(700)の上部に隣接し、流体中のバブルが第2のチャネル(156)に入るのを阻止する複数のバリアと
を含み、
チャンバ(700)は、複数の内部表面(712、722、724、726)によって囲まれて、表面712は、チャンバ(700)の上流側の端部を成し、表面722は、チャンバの下流側の端部を成し、表面(724、726)は、チャンバ(700)の側面を成し、
チャンバ(700)は、基板(100)の厚さを通って上面(102)から底面(104)まで延びて、チャンバの上部は、基板の上面(102)と同じ平面内にあることを特徴とする、
前記基板。
【請求項2】
基板は一体型の本体である、請求項1に記載の基板。
【請求項3】
第2のチャネル(156)は、チャンバ(700)の底部に近接した位置でチャンバ(700)に連結され、および/または、
第1のチャネル(154)は、チャンバ(700)の底部に近接した位置でチャンバに(700)連結されている、請求項1に記載の基板。
【請求項4】
チャンバ(700)の断面積は、第1のチャネル(154)の断面積および第2のチャネル(156)の断面積よりも大きく、チャンバ、第1のチャネルおよび第2のチャネル
の断面積は、流体の流れ方向に対して直交して測定される、請求項1に記載の基板。
【請求項5】
複数のバリアは、流体の流れ方向に対して実質的に直交して延びる横ビームを含み、
横ビームは、チャンバ(700)の上部と横ビームとの間で少なくとも1つのバブルを捕捉するように構成され、および/または、
横ビームの上流側の表面はチャンバ(700)の上部に対して実質的に直交し、横ビームの下流側の表面はチャンバ(700)の上部に対して傾斜している、請求項1に記載の基板。
【請求項6】
複数のバリアは、チャンバ(700)の内壁を含む、請求項1に記載の基板。
【請求項7】
複数のバリアは、流体の流れ方向に対して実質的に直交して延びる横ビームを含む、、請求項6に記載の基板。
【請求項8】
チャンバ(700)の高さは、複数のバリアのうちの少なくとも1つのバリアの高さよりも大きく、チャンバ(700)の高さは、チャンバ(700)の上部からチャンバ(700)の底部までの距離として測定され、少なくとも1つのバリアの高さは、少なくとも1つのバリアがチャンバ(700)の上部からチャンバ(700)の底部に向かって延びる距離として測定される、請求項1に記載の基板。
【請求項9】
少なくとも1つのバリアの高さは、チャンバの高さの少なくとも半分である、請求項8に記載の基板。
【請求項10】
流体デバイスであって:
請求項1~9のいずれか1項に記載の基板と;
第1のチャネル(154)と流体連通し、第1のチャネル(154)の上流にある流体の供給源と;
基板の底面に連結され、チャンバ(700)の底部を封止する下部カバー層と
を含む前記流体デバイス。
【請求項11】
基板の上面に連結され、チャンバの上部を封止する上部カバー層をさらに含む、請求項10に記載の流体デバイス。
【請求項12】
上部カバー層および下部カバー層は、接着剤を含む、請求項11に記載の流体デバイス。
【請求項13】
第2のチャネル(156)と流体連通し、第2のチャネル(156)の下流にあるセンサをさらに含む、請求項10に記載の流体デバイス。
【請求項14】
請求項10に記載された流体デバイスを製造する方法であって:
請求項1に記載された基板を形成し、
下部カバー層を基板の底面に適用し、チャンバの底部を封止することを含む、前記方法。
【請求項15】
基板を形成することは、基板を成形することを含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
上部カバー層を基板の上面に適用し、チャンバの上部を封止することをさらに含む、請求項14に記載の方法。
【請求項17】
請求項10に記載された流体デバイスの流体中に混入したバブルを捕捉する方法であっ
て:
流体を、流体デバイスの第1のチャネル(154)を介し、該第1のチャネル(154)から流体を受ける流体デバイスのチャンバ(700)を介し、該チャンバ(700)から流体を受ける流体デバイスの第2のチャネル(156)内に圧送することを含み、チャンバ(700)の上部に隣接した複数のバリアは、流体中のバブルが第2のチャネル(156)に入るのを阻止する、前記方法。
【請求項18】
流体を第1のチャネル(154)に圧送することは、所定の速度で流体を第1のチャネル(154)に圧送して、バブルがチャンバ(700)の上部に向かって上昇し、複数のバリアによって捕捉されることを可能にするチャンバ(700)内の流体の流速を誘導することを含む、請求項17に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
主題出願は、米国特許法第119条(e)項に基づき2019年3月18日出願の米国仮出願第62/819,965号および2019年6月19日出願の米国仮出願第62/863,546号の利益を主張する。上記で参照される特許出願の全文は、明示的に参照することにより本明細書に組み入れられる。
【0002】
本出願は、一般に流体デバイス、特に、流体デバイスのためのバブルトラップに関する。
【背景技術】
【0003】
流体デバイスは、多様な用途のいずれかのために流体を制御および/または操作するために使用される。流体デバイスは、デバイス内の流体の流れを制限するチャネルを備えることができる。チャネルの寸法が、毛細管力が流体の流れを支配するような十分に小さい場合、そのチャネルは微小チャネルと考えることができる。さらに、またはその代わりに、チャネルの少なくとも1つの寸法(例えば、半径、幅または高さ)がサブミリメートルである場合、および/またはチャネルがサブミリリットルの体積の流体を運ぶ場合、チャネルは微小チャネルと考えることができる。微小チャネルおよび/または他の微小規模の構成部品を備えた流体デバイスは、微小流体デバイスと考えることができる。
【0004】
流体デバイスは、感知機能を提供するために1つまたはそれ以上のセンサを組み込むことができ、かつ/またはそれらと連結できる。例えば、サンプル流体は、流体デバイス内のチャネルを通ってセンサへ圧送することができ、センサは、流体の1つまたはそれ以上の特性を測定できる。1つまたはそれ以上のセンサを組み込んだ流体デバイスは、診断デバイスとして使用することができる。医療診断デバイスの関連では、流体デバイスは、体液の1つまたはそれ以上の特性を測定するために使用することができる。例えば、血液サンプルは、血液中の特定の分析物の濃度を測定するために、流体デバイスに加えられる。測定の効率、信頼性および再現性を向上させることは、診断デバイスの設計において、重要な検討事項である。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の一態様によれば、流体デバイス用の基板であって、基板は、流体を輸送する第1のチャネルと;第1のチャネルから流体を受けるように第1のチャネルに連結され、上部および底部を備えたチャンバと;チャンバに連結され、チャンバから流体を受ける第2のチャネルと;チャンバの上部に隣接し、流体中のバブルが第2のチャネルに入るのを阻止する複数のバリアとを備えた基板が提供される。
【0006】
いくつかの実施形態では、基板は一体型の本体である。
【0007】
いくつかの実施形態では、第2のチャネルは、チャンバの底部に近接した位置でチャンバに連結されている。
【0008】
いくつかの実施形態では、第1のチャネルは、チャンバの底部に近接した位置でチャンバに連結されている。
【0009】
いくつかの実施形態では、チャンバの断面積は、第1のチャネルの断面積および第2のチャネルの断面積よりも大きく、チャンバ、第1のチャネルおよび第2のチャネルの断面積は、流体の流れ方向に対して直交して測定される。
【0010】
いくつかの実施形態では、複数のバリアは、チャンバの内壁を備える。
【0011】
いくつかの実施形態では、複数のバリアは、流体の流れ方向に対して実質的に直交して延びる横ビームを備える。
【0012】
いくつかの実施形態では、横ビームは、チャンバの上部と横ビームとの間で少なくとも1つのバブルを捕捉するように構成されている。
【0013】
いくつかの実施形態では、ビームの上流側の表面はチャンバの上部に対して実質的に直交し、ビームの下流側の表面はチャンバの上部に対して傾斜している。
【0014】
いくつかの実施形態では、複数のバリアは、チャンバの内壁と、流体の流れ方向に対して実質的に直交して延びる複数の横ビームとを備える。
【0015】
いくつかの実施形態では、チャンバの高さは、複数のバリアのうちの少なくとも1つのバリアの高さよりも大きく、チャンバの高さは、チャンバの上部からチャンバの底部までの距離として測定され、少なくとも1つのバリアの高さは、少なくとも1つのバリアがチャンバの上部からチャンバの底部に向かって延びる距離として測定される。
【0016】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つのバリアの高さは、チャンバの高さの少なくとも半分である。
【0017】
本開示の別の態様によれば、本明細書に開示されている基板と;第1のチャネルと流体連通し、第1のチャネルの上流にある流体の供給源と;基板の底面に連結され、チャンバの底部を封止する下部カバー層とを備えた流体デバイスが提供される。
【0018】
いくつかの実施形態では、流体デバイスは、基板の上面に連結され、チャンバの上部を封止する上部カバー層をさらに備える。
【0019】
いくつかの実施形態では、上部カバー層および下部カバー層は、接着剤を含む。
【0020】
いくつかの実施形態では、流体デバイスは、第2のチャネルと流体連通し、第2のチャネルの下流にあるセンサをさらに備える。
【0021】
本開示のさらに別の態様によれば、流体デバイスを製造する方法であって、流体を輸送する第1のチャネルと;第1のチャネルから流体を受けるように第1のチャネルに連結され、上部および底部を備えたチャンバと;チャンバに連結され、チャンバから流体を受ける第2のチャネルと;チャンバの上部に隣接し、流体中のバブルが第2のチャネルに入るのを阻止する複数のバリアとを備えた基板を形成することを含む方法が提供される。
【0022】
いくつかの実施形態では、基板を形成することは、基板を成形することを含む。
【0023】
いくつかの実施形態では、本方法は、下部カバー層を基板の底面に適用し、チャンバの底部を封止することをさらに含む。
【0024】
いくつかの実施形態では、本方法は、上部カバー層を基板の上面に適用し、チャンバの上部を封止することをさらに含む。
【0025】
本開示のさらなる態様によれば、流体デバイス内の流体に混入したバブルを捕捉する方法であって、流体を流体デバイス内の第1のチャネル、第1のチャネルから流体を受ける流体デバイス内のチャンバを介して、チャンバから流体を受ける流体デバイス内の第2のチャネル内に圧送することを含み、チャンバの上部に隣接した複数のバリアは、流体中のバブルが第2のチャネルに入るのを阻止する方法が提供される。
【0026】
いくつかの実施形態では、流体を第1のチャネルに圧送することは、所定の速度で流体を第1のチャネルに圧送して、バブルがチャンバの上部に向かって上昇し、複数のバリアによって捕捉されることを可能にするチャンバ内の流体の流速を誘導することを含む。
【0027】
本開示の実施形態の他の態様および構成は、以下の記述を検討することにより当業者に明らかになるであろう。
【0028】
前述の概要ならびに本出願の例示的実施形態の以下の発明を実施するための形態は、添付の図面と併せて読むとより良く理解されるであろう。本出願を例示するために、本開示の例示的実施形態が図面に示されている。しかし、本出願は、図示されている正確な構成および手段に限定されないことを理解すべきである。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1】例示的基板の上部の等角図である。
図2図1の基板の底部の等角図である。
図3図1の基板の上部の平面図である。
図4図1の基板の底部の平面図である。
図5図1の基板を組み込んだ例示的流体デバイスの上部の平面図である。
図6図5の流体デバイスの底部の平面図である。
図7図1の基板内のバブルトラップの上部の平面図である。
図8図7のバブルトラップの底部の平面図である。
図9図7のバブルトラップの上部の等角図である。
図10図7のバブルトラップの底部の等角図である。
図11図3に示す線に沿ってとられた、図7のバブルトラップの断面図である。
図12図5に示す線に沿ってとられた、図5の流体デバイス内のバブルトラップの断面図である。
図13】別の例示的流体デバイス内のバブルトラップの断面図である。
図14】さらに別の例示的流体デバイス内のバブルトラップの断面図である。
図15】さらなる例示的流体デバイス内のバブルトラップの断面図である。
図16】流体デバイスを製造するための例示的方法を示すフローチャートである。
図17】流体デバイス内の流体に混入したバブルを捕捉するための例示的方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0030】
流体デバイス内に広がり、かつ/または収納される流体は、混入した気泡を含むことがある。これらの気泡は、様々に生じ得る。流体が流体デバイスに収納されている場合、気泡は、例えば、流体デバイスが振られたり、かつ/または落とされることによって流体デバイスが揺り動かされたときに形成される。液体が使用前に流体デバイスに送達される場合、流体は、混入した気泡が存在する状態で流体デバイスに送達されるか、または送達方法によって混入した気泡が生じ得る。さらに、または代わりに、バブルは、流体が流体デバイスを流れるときに形成される。例えば、流体が流体デバイスを流れるときに、空気が流体と混ざり合ってバブルを形成し得る。どのように生じるかにかかわらず、気泡は流体デバイスにおいて望ましくないものとすることができる。例えば、気泡は流体デバイス内のチャネルを詰まらせたり、または塞いだりして、流体の流れを阻害し得る。流体デバイスがセンサを備える場合、さらに、または代わりに、気泡はこれらのセンサ上に引っかかり得る。気泡がセンサを塞ぎ、流体がセンサの少なくとも一部と接触することを阻害し得る。このように、気泡は、流体デバイス内のセンサの適切な応答を妨げる可能性がある。流体中のバブルを遮り、かつ/または捕捉するための1つまたはそれ以上の構造を有する流体デバイスが必要とされている。例えば、気泡が流体デバイスの感知領域に到達する前に、気泡を遮り、かつ/または捕捉することができる。
【0031】
本開示は、部分的には、混入したバブルの広がりを阻止する構成部品または構造を備えた流体デバイスに関する。本明細書に記載のいくつかの流体デバイスは、気泡の広がりを阻止するために流体流路内に配置された1つまたはそれ以上のバリアを備える。例として、気泡の広がりを阻止することは、気泡を運ぶ流体の動きに対して、気泡の動きを遅くするか、または少なくとも一時的に停止させることを含むことができる。さらに、バリアは、バブル捕捉の一形態を提供し得る。バブル捕捉は、気泡を特定の場所に保持することを含む。一般的に、バブル捕捉は、気泡の広がりを阻止する1つの方法である。
【0032】
いくつかの実施形態では、流体デバイスは、例えば、血液検査および/または分析のための診断カードまたは検査カードの形など、診断用消耗品の形態で実現される。流体デバイスは、内部にチャネルおよび/または他の流体構成部品が形成された基板を備えることができる。カバー層は、基板に適用されて基板の上面および底面を封止することができる。基板は、1つまたはそれ以上のセンサを備えた感知領域を含み、かつ/またはそれに連結させることができる。これらのセンサは、感知領域に導入される血液サンプル中の特定の分析物の濃度を測定することができる。測定を行うために、流体デバイスは、診断カードリーダモジュールなどの機器に挿入することができる。次に、血液サンプルを流体デバイスに挿入することができる。次に、カードリーダモジュールは、流体デバイスを使用および/または制御して、血液サンプルの測定を行うことができる。流体デバイスとカードリーダモジュールとの組み合わせは、血液分析システムと考えることができる。いくつかの実施形態では、これらの流体デバイスは、微小流体デバイスである。
【0033】
図1図4は、流体デバイス用の例示的基板100を示す。図1および図2は基板100の等角図であり、図3および図4は基板の平面図である。図1および図2は、基板100の上面102の図であり、図2および図4は、基板の底面104の図である。用語「上面」および「底面」は、単に参照を容易にするために本明細書で使用されており、基板100の特定の向きを必要としたり、または示唆したりするものではない。基板100は、上面102が垂直方向上方を向き、底面104が垂直方向下方を向いた状態で動作するように設計されるが、すべての実施態様においてそうでなくてもよい。さらに、基板100の上面102および底面104の向きが基板の製造、収納および/または輸送に与え得る影響は最小限であるか、または全くない。
【0034】
基板100は、およそクレジットカードのサイズおよび形状の直角プリズムであるものとして図示されているが、これは一例に過ぎない。さらに、またはその代わりに、基板100は、例えば、三角形または円形などの他の形状とすることができる。基板100は、例えば、プラスチック、セラミック、ガラスおよび/または金属で作製される。基板100は、単一の一体的な本体または部材であり得る。基板100の寸法は、任意の特定の範囲または値に限定されない。基板100の長さおよび幅は、上面102および底面104の面積を画成すると考えられる。いくつかの実施態様では、基板100の長さおよび/または幅は、メートルのオーダーである。いくつかの実施態様では、基板100の長さおよび/または幅は、センチメートルのオーダーである。いくつかの実施態様では、基板100の長さおよび/または幅は、ミリメートルのオーダーである。基板100の他の長さおよび/または幅も可能である。基板100の厚さは、基板の上面102と底面104との間の距離として測定される。いくつかの実施態様において、基板100の厚さは、センチメートルのオーダーである。いくつかの実施態様において、基板100の厚さは、ミリメートルのオーダーである。いくつかの実施態様において、基板100の厚さは、マイクロメートルのオーダーである。基板100の他の厚さも可能である。基板100の上面102および底面104は、実質的に平坦であるものとして図示されているが、すべての実施形態においてそうでなくてもよい。さらに、またはその代わりに、例えば、基板の上面および/または底面は、三角形、円錐形および/または半球形の形状とすることができる。したがって、基板の厚さは、その長さおよび/または幅に沿って変化し得る。基板100は透明であるものとして図示されているが、さらに、またはその代わりに、基板は、全体的または部分的に、半透明または不透明とすることができる。
【0035】
基板100は、サンプル流体入力ポート106、サンプル流体リザーバ108、較正用流体リザーバ110、弁孔112、2つのバブルトラップ114、116、感知領域118、廃液リザーバ120、複数のポンプ連結ポート122、123、複数のビア124、126、128、130、132、134、136、および複数のチャネル138、140、142、144、146、148、150、152、154、156、158、160、162、複数の通気孔164、166、168、170、172、174、182、および充填孔180を備える。基板100は、光感知領域176と、較正用流体パック領域178とをさらに含む。図1図4では、実線を用いて、各図において直接見える構成部品を示し、破線を用いて、基板100の少なくとも一部によって隠れている構成部品を示す。
【0036】
チャネル138、140、142、144、146、148、150、152、154、156、158、160、162は、基板100内の1つまたはそれ以上の流体を輸送するために設けられている。チャネル140、142、148、152、158は、基板100の上面102にあるトレンチまたは溝である。チャネル140、142、148、152、158は、図1および図3において、基板100の上面102で開いているものとして図示されている。同様に、チャネル138、144、146、150、154、156、160、162は、基板100の底面104にあるトレンチまたは溝であり、図2および図4において、基板の底面で開いている。チャネル140、142、148、152、158の高さは、各チャネルが上面102から基板100の厚さへと延びる距離として測定することができ、チャネル138、144、146、150、154、156、160、162の高さは、各チャネルが底面104から基板の厚さへと延びる距離として測定することができる。チャネル138、140、142、144、146、148、150、152、154、156、158、160、162の幅は、各チャネルが上面102および/または底面104に平行でチャネル内の流体が流れる方向に垂直な方向に延びる距離として測定することができる。チャネル138、140、142、144、146、148、150、152、154、156、158、160、162のいずれかまたはすべてが、微小流体チャネルであり得る。例えば、チャネル138、140、142、144、146、148、150、152、154、156、158、160、162のいずれかまたはすべての幅および/または高さは、マイクロメートルのオーダーであり得る。さらに、または代わりに、チャネル138、140、142、144、146、148、150、152、154、156、158、160、162のいずれかまたはすべてのチャネルの幅および/または高さは、ミリメートルまたはセンチメートルのオーダーとすることができる。チャネルまたは他の流体構成部品の断面積は、一般に、流体の流れの方向に垂直なチャネルの内部面積として測定される。チャネル138、140、142、144、146、148、150、152、154、156、158、160、162は図1図4では矩形断面で図示されているが、これらのチャネルは、例えば半円または三角形などの他の断面形状をすることもできる。
【0037】
ビア124、126、128、130、132、134、136は、基板100の厚さを通って延びる貫通孔またはボアである。ビアを用いて、基板100の2つ以上の構成部品を流体連結することができる。例えば、ビア126は、チャネル138とチャネル140とを流体連結し、ビア128は、チャネル140とチャネル144とを流体連結し、ビア130は、チャネル152とチャネル154とを流体連結し、ビア132は、チャネル148とチャネル156とを流体連結し、ビア134は、チャネル146とチャネル148とを流体連結し、ビア136は、チャネル160と廃液リザーバ120とを流体連結する。さらに、またはその代わりに、ビアを用いて、基板100の構成部品を基板の上面102および/または底面104に流体連結することができる。例えば、ビア124は、サンプル流体リザーバ108を基板100の底面104に流体連結する。円形孔として図示されているが、さらに、またはその代わりに、ビア124、126、128、130、132、134、136は、例えば、矩形または三角形などの他の形状とすることができる。ビア124、126、128、130、132、134、136の直径は、各ビアが連結する1つまたはそれ以上の構成部品の幅と同様であり得る。例えば、ビア126の直径は、チャネル138および/またはチャネル140の幅と同様であり得る。しかしながら、ビア124、126、128、130、132、134、136の直径は、各ビアが連結する構成部品の幅とは異なり得る。
【0038】
サンプル流体入力ポート106は、サンプル流体を基板100に送達するために設けられている。この意味では、サンプル流体入力ポート106は、基板100用のサンプル流体の供給源であると考えることができる。サンプル流体は、基板100を用いて測定および/または検査される任意の流体とすることができる。場合によっては、サンプル流体は、血液サンプルである。サンプル流体入力ポート106は、基板100の上面102の円錐形または円筒形の開口部である。サンプル入力ポート106は、チャネル138に連結されている。サンプル入力ポート106は、シリンジまたは毛細管(図示せず)などの、サンプル流体を送達するサンプル送達デバイスの端部と係合するようなサイズおよび形状であるガスケット(図示せず)に連結するようなサイズおよび形状とすることができる。例えば、シリンジの場合、サンプル入力ポート106とシリンジとの間のこの係合は、サンプル流体がシリンジから推進または圧送されたときに、サンプル流体がチャネル138内に押し込まれ、サンプル入力ポートからこぼれないような封止を形成し得る。
【0039】
サンプル流体リザーバ108は、チャネル140に連結された比較的幅広の長いチャネルまたはチャンバであり得る。サンプル流体リザーバ108は、矩形の断面で図示されているが、他の断面形状も可能である。サンプル流体リザーバ108は、基板100内に送達された後のサンプル流体を収納するために設けられる。ビア124は、サンプル流体の添加によって変位されたときに、空気をサンプル流体リザーバ108から逃がすための空気抜きとして機能し得る。動作中、サンプル流体は、例えば、ミリ秒、秒、または分のオーダーである時間の間、サンプル流体リザーバ108内に留まることができる。
【0040】
較正用流体リザーバ110は、チャネル150に連結された比較的幅広の長いチャネルまたはチャンバとすることができる。較正用流体リザーバ110は、半円形の断面を有するU字形チャネルとして図示されているが、他の幾何形状も可能である。較正用流体リザーバ110は、較正用流体および/または較正用流体を封止する較正用流体パックを収納するために設けられる。較正用流体パックは、較正用流体パック領域178によって提供される浅い凹みに位置し得る。較正用流体を用いて、基板100に含まれ、かつ/または連結される1つまたはそれ以上のセンサを較正できる。較正用流体は、既知の濃度の1つまたはそれ以上の分析物を有する流体を含み得る。これらの分析物は、基板100を用いて測定されるサンプル流体中の分析物に対応し得る。通気孔164、166、168、170、172、174は、較正用流体パックの製造中に較正用流体リザーバ110から空気を逃がすために設けられたビアまたはボアである。通気孔164、166、168、170、172は、較正用流体リザーバ110を基板100の上面102に連結し、孔174は、チャネル150を上面に連結する。充填孔180および通気孔182は、較正用流体リザーバ110に較正用流体を充填するために使用されるビアまたはボアである。充填および通気孔180、182は、較正用流体パック領域を基板100の上面102に連結する。
【0041】
弁孔112は、基板100の厚さを通って延びるビアまたはボアであり得る。チャネル150およびチャネル152は、弁孔112によって流体連結される。弁孔112は、弁(図示せず)を収容し、かつ/または連結するようなサイズおよび形状であり得る。この弁は、チャネル150からチャネル152への較正用流体の流れを制御できる。弁が閉じているとき、チャネル150とチャネル152との間の流体の流れを遮断できる。弁が開いているとき、チャネル150とチャネル152との間の流体の流れが可能になる。いくつかの実施態様では、弁は、弁の封止が裂けて較正用流体がチャネル152に流入するまで、閉じることができる。
【0042】
2つのバブルトラップ114、116は、基板100内でのバブルの動きを抑制するために設けられている。バブルトラップ114、116のいずれかに入る各バブルは、バブルトラップ内の1つまたはそれ以上のバリアによって、さらに下流に移動することが防止される。したがって、バブルトラップ114、116を出る流体は、気泡を含み得ない。バブルトラップ114は、チャネル144、146を流体連結する。流体がチャネル144からバブルトラップ114内に流れるとき、流体中の任意のまたはすべてのバブルは、バブルトラップ内で遮られ、かつ/または捕捉されるため、バブルがチャネル146に入ることを防止される。同様のコメントが、チャネル154、156を流体連結するバブルトラップ116にも当てはまる。バブルトラップの作動方法および構造については、図7図15を参照して以下でさらに詳細に説明する。
【0043】
感知領域118は、チャネル148およびチャネル158に連結されたチャネルを備える。感知領域118は、基板100の厚さを通って延び、したがって、図1図4において、基板の上面102および底面104で開いているものとして図示されている。感知領域118は、感知領域内の流体の特性を測定する1つまたはそれ以上のセンサを備え、かつ/または連結される。例えば、センサは、チャネル148からチャネル158に流れる流体中の1つまたはそれ以上の分析物の濃度を測定し得る。さらに、またはその代わりに、感知領域118は、アッセイ領域と呼ぶことができる。
【0044】
廃液リザーバ120は、チャネル158に流体連結されており、感知領域118を通って流れた流体を収納する。廃液リザーバ120は、図1図4では、矩形の断面を有する蛇行したチャネルとして図示されているが、廃液リザーバの他の幾何形状も可能である。
【0045】
ポンプ連結ポート122、123は、1つまたはそれ以上の外部圧送システムへの連結を提供する。例えば、これらの圧送システムは、診断用カードリーダモジュールに設けられる。チャネル160は、ポンプ連結ポート122に流体連結され、チャネル162は、ポンプ連結ポート123に流体連結される。圧送システムは、ポンプ連結ポート122、123に流体連結するチャネルまたはチューブを備え得る。いくつかの実施形態では、圧送システムは、基板100の1つまたはそれ以上のチャネル内の流体をポンプ連結ポート122、123に向かって引っ張る真空圧送システムを備え得る。
【0046】
光感知またはアッセイ領域176は、基板100を組み込んだ流体デバイスに別の感知機能を提供することができる。チャネル142は、チャネル140を光感知領域176に流体連結し、チャネル162は、光感知領域をポンプ連結ポート123に流体連結する。作動中、血液サンプルの少なくとも一部は、チャネル142へと向けられ、光感知領域176において測定される。いくつかの実施形態では、例えば、血液サンプル中の総ヘモグロビン(tHb)、オキシヘモグロビン(O2HB)、カルボキシヘモグロビン(COHb)、メトヘモグロビン(MetHb)、デオキシヘモグロビン(HHb)、酸素飽和度(SO2)および/または総ビリルビン(tBili)の濃度を測定するために、光感知領域176において吸光度測定を行うことができる。
【0047】
基板100は、流体デバイスおよび/または診断デバイスで使用することができる。図5および図6は、基板100を組み込んだ例示的流体デバイス500の平面図を示す。流体デバイス500は、血液分析および/または検査のための組み立てられた診断カードまたは試験カードと考えることができる。いくつかの実施態様では、流体デバイス500は、微小流体デバイスである。流体デバイス500は、例えば、診断カードリーダモジュール(図示せず)によって受けるようなサイズおよび形状であることによって構成される。図5は、流体デバイス500の上面502の図であり、図6は、流体デバイスの底面504の図である。基板100に加えて、デバイス500は、上部カバー層506、下部カバー層508、センサアレイ510、較正用流体パック512(平行ハッチングを用いて示す)、および弁514(クロスハッチングを用いて示す)を備える。基板100の多くの構成部品は、明確にするために、図5および図6では標識付けされていない。
【0048】
基板100の上面102および底面104の少なくとも一部は、それぞれ上部カバー層506および下部カバー層508を用いて封止される。上部および下部カバー層506、508は、液密(および場合によっては気密)封止を提供するために、液体(および場合によっては気体)に対して不透過性であり得る。いくつかの実施態様では、上部および下部カバー層506、508は、接着剤を使用して基板100に接着されるプラスチック、金属および/またはセラミックフィルムを備え得る。例えば、いくつかの実施態様では、上部カバー層506および/または下部カバー層508は、接着ラベルまたはステッカーとして実現される。接着剤の非限定的例としては、アクリル接着剤およびシリカ接着剤が挙げられる。上部および下部カバー層506、508は、基板100の1つまたはそれ以上の構成部品の周りに封止を形成し得る。例えば、上部カバー層506は、サンプル流体リザーバ108、バブルトラップ114、116、感知領域118、廃液リザーバ120、およびチャネル140、142、148、152、158を少なくとも部分的に封止し得る。下部カバー層508は、サンプル入力ポート106、較正用流体リザーバ110、バブルトラップ114、116、およびチャネル138、144、146、150154、156、160、162を、少なくとも部分的に封止し得る。さらに、上部および下部カバー層506、508は、少なくとも部分的に、ビア124、126、128、130、132、134、136を封止することができる。上部カバー層506は実質的に透明であるものとして図示され、下部カバー層508は実質的に不透明であるものとして図示されているが、これは一例に過ぎない。一般的には、上部カバー層506および下部カバー層508のいずれかまたは両方が、透明、半透明、不透明、またはそれらの組み合わせとすることができる。図5では、破線を用いて、上部カバー層506により隠れる構成部品を示す。
【0049】
電極モジュールとも呼ばれるセンサアレイ510が、基板100の底面104に接着されている。センサアレイ510は、感知領域118の少なくとも一部に重なり、封止する。下部カバー層508は、センサアレイ510と重ならない。センサアレイ510は、スマートカードのチップモジュール技術を用いて作製される。センサアレイ510は、任意の接着剤でエポキシ箔要素516に積層された金被覆銅金属箔を含む。金属箔は、電極要素518のアレイに形成される。各電極要素518は、例えば、カードリーダモジュール内の測定回路への電気接続を形成する接続端部を有することができる。電極要素518の接続端部は、明確にするために標識付けされていない。金属箔は、カードリーダモジュール内のヒータに物理的に接触するために、電極素子518から電気的に絶縁されたヒータ接点(図示せず)をさらに備えることができる。エポキシ箔要素516は、電極素子518の各々の位置に貫通孔を有する。複数のセンサ520は、エポキシ箔要素516内のこれらの貫通孔を介して電極素子518に連結されている。センサ520は各々、基板100の感知領域118の上に位置する。使用時には、センサ520を用いて、感知領域118内の較正用流体および/またはサンプル流体の1つまたはそれ以上の特性を測定することができる。センサ520は、ガス、電解質および/または代謝産物の濃度を測定するために使用される電気化学センサとすることができる。センサ520は、例えば、ナトリウム、カリウム、イオン化カルシウム、塩化物、尿素、TCO、pH値および/もしくはCO分圧を測定する電位差センサ;O分圧、グルコース、クレアチニンおよび/もしくは乳酸を測定する電流測定センサ;ならびに/またはヘマトクリット値を測定する電気伝導度センサを備え得る。電極518およびセンサ520の数および幾何形状は、単なる例として提供されている。同じモジュール作製技術を用いて、多くの異なる電極/センサの数および幾何形状を有するセンサアレイを作製することができる。
【0050】
較正用流体パック512は、流体デバイス500用の較正用流体の供給源と考えることができる。較正用流体パック512は、基板100の較正用流体パック領域178と下部カバー層508との間に挟まれている。較正用流体パック512は、較正用流体リザーバ110およびチャネル150を満たすことができる。較正用流体パック512は、経時的に較正用流体の安定性を向上させるために、較正用流体を封止して収納するために設けられる。例えば、較正用流体パック512は、二酸化炭素などの気体が較正用流体の中および/または外に浸透するのを阻止することができる。いくつかの実施態様では、較正用流体パック512は、較正用流体を封止する2つの金属箔要素から形成される。第1の金属箔要素は、金属の片面に感圧接着剤を、他方の面にポリエチレンコーティングを含むことができる。組み立て中、第1の金属箔要素をシートから打ち抜き、接着面を下にして基板100の較正用流体パック領域178に配置することができる。図5に示すように、第1の金属箔要素は、較正用流体リザーバ110、チャネル150および弁孔112の上に延びることができる。高い空気圧が第1の金属箔要素に適用されると、第1の金属箔要素は基板100の底面104の輪郭に適合し得る。この金属箔の変形手順は、例えば、吹込成形プロセスに類似し得る。さらに、または代わりに、液圧成形プロセスを用いることができる。通気孔164、166、168、170、172、174は、金属箔変形手順の間、空気を較正用流体リザーバ110から逃がすことができる。
【0051】
第1の金属箔要素の成形に次いで、第1の金属箔要素は、基板100の充填および通気孔180、182を貫通することができ、充填および通気孔180、182は後に較正用流体パック512を充填するために使用される。
【0052】
破裂栓は、弁孔112によって形成される凹み内の第1の金属箔要素のポリエチレンコーティング面に配置することができる。破裂栓は、例えばプラスチックで作られる剛性ディスクとすることができ、これは基板100とおよそ同じ厚さである。破裂栓は、弁孔112よりもわずかに小さい直径であるため、破裂栓はその中で軸方向運動可能になる。破裂栓と第1の金属箔要素との組み合わせは、弁514を形成すると考えることができる。
【0053】
較正用流体パック512を封止するために、第2のポリエチレンコーティング金属箔要素を第1の金属箔要素の上に積層することができ、ここで、第2の金属箔要素のポリエチレンコーティングは、第1の金属箔要素のポリエチレンコーティングに対向している。較正用流体リザーバ110、チャネル150、および弁孔112の周辺の2つのポリエチレンコーティング層を融着させることによって、2つの金属箔要素の間にヒートシールを形成することができる。この段階で、ここでのフォイルクラッド較正用流体パック512は、充填および通気孔180、182を除いて実質的に封止されている。較正用流体は、較正用流体リザーバ110とチャネル150とによって画成される体積内で、充填孔180を介して較正用流体パック512に導入される。空気は、通気孔182を介して、較正用流体パック512から排出される。較正用流体パック512が充填されると、次に充填および通気孔180、182が二次ヒートシールプロセスで封止され、これにより較正用流体が2つの金属箔要素の間に封止される。
【0054】
基板100の上面102は、サンプル入力ポート106の位置に対応する孔522と、光感知領域176の位置に対応する孔536を除いて、上部カバー層506によって実質的に封止されている。この孔522により、サンプル流体を収容したシリンジまたは毛細管などのサンプル送達デバイスをサンプル入力ポート106に連結することができる。基板100の底面104は、下部カバー層508によって実質的に封止されているが、ただし、センサアレイ510、光感知領域176およびビア124は下部カバー層によって封止されていない。下部カバー層508は、切れ目または裂け目524、526を備える。裂け目524、526は、下部カバー層508を、裂け目に近接した領域において、より可鍛性および加工性を高くするために設けられる。裂け目524の位置は、弁514の位置に対応している。裂け目524は、弁514に隣接する下部カバー層508の部分をより柔軟にすることができ、したがって、弁をより容易に操作することを可能にできる。裂け目526の位置は、較正用流体リザーバ110の位置に対応している。裂け目526は、較正用流体リザーバ110に隣接する下部カバー層508の部分をより柔軟にすることができ、したがって、較正用流体パック512をより容易に操作することを可能にできる。下部カバー層508は、ポンプ孔528、530をさらに備える。ポンプ孔528、530の位置は、ポンプ連結ポート122、123の位置に対応する。ポンプ連結ポート122、123は、ポンプ孔528、530を介して、カードリーダモジュール内のポンプに連結される。ポンプとポンプ連結ポート122、123との間に封止を形成するために、それぞれのゴムガスケット(図示せず)は、孔がゴムガスケットの開口部の内側になるように、ポンプ孔528、530の上に配置される。ゴムガスケットは、ポンプとポンプ孔528、530との間に封止を形成するようなサイズおよび形状とすることができる。下部カバー層は、光感知領域176に重なる孔532をさらに備える。1次元バーコード534が下部カバー層508に印刷されている。バーコード534は、流体デバイスがカードリーダモジュールに挿入されたときに、カードリーダモジュールによって読み取られる。バーコード534は、流体デバイス500を認証し、および/または流体デバイスに関する情報を提供し得る。例えば、バーコード534は、流体デバイス500の有効期限、ロット番号、カードシリアル番号および/またはカードの種類を示すことができる。バーコード534は、下部カバー層508に印刷される機械可読コードの一例である。機械可読コードの他の例としては、2次元バーコードが挙げられる。さらに、または代わりに、無線識別(RFID)チップまたはタグが使用できる。
【0055】
いくつかの実施形態では、流体デバイス500は以下のように操作される。第一に、流体デバイス500は、カードリーダモジュールの対応するスロットに挿入される。カードリーダモジュールは、流体デバイス500を認証するためにバーコード534をスキャンしてもよい。さらに、カードリーダモジュールは、アクチュエータを用いて、電気コネクタおよび/またはヒータを押してエポキシ箔要素516に接触させることができる。さらに、または代わりに、アクチュエータは、ゴムガスケットを下部カバー層508に対して、ポンプ孔528、530上に押し付けて、カードリーダモジュールの圧送システムをポンプ連結ポート122、123に連結することができる。第二に、較正用流体パック512に収納されている較正用流体は、感知領域118に推進または圧送される。この工程は、カードリーダモジュールが、第1のアクチュエータ要素を使用して、裂け目524に近接した領域で下部カバー層508を押すことによって、弁514を操作することを含むことができる。弁514の操作は、弁内の破裂栓を破裂させるか、または第1の金属箔要素を破ることができ、これにより弁を開く。次に、較正用流体の少なくとも一部が、較正用流体パック512から、チャネル150、弁112、チャネル152、ビア130、チャネル154、バブルトラップ116、チャネル156、ビア132、チャネル148を通って、感知領域118内に押し出されるか、または圧送される。較正用流体を較正用流体パック512から押し出すことは、カードリーダモジュール内のプランジャなどの第2のアクチュエータ要素を使用して、裂け目526に近接した領域で下部カバー層508を圧縮することによって実行される。較正用流体が感知領域118にあるとき、較正用流体はセンサ520の1つまたはそれ以上と接触し得る。カードリーダモジュールは、電極518に接触する回路を備えることができ、これはセンサ520から較正用流体の測定値を返す。これらの測定値を用いて、流体デバイス500のセンサ520を較正し、それによって異なる流体デバイス間の変動を補償することができる。第1のアクチュエータ要素および第2のアクチュエータ要素は、カードリーダモジュール内のモータ駆動システムによって制御される。カードリーダモジュールはまた、温度制御の形態、例えば、感知領域118内の流体の温度を調整するためにセンサアレイ510と接触しているヒータもさらに備えることができる。この温度制御は、センサ520によって行われる測定に一貫性を与えるのに役立ち得る。いくつかの実施態様では、感知領域118内の流体の温度は、およそ体温に維持される。
【0056】
較正後、カードリーダモジュールは、血液サンプルをサンプル流体入力ポート106に注入するようにユーザに指示することができる。血液サンプルの少なくとも一部は、チャネル138、ビア126、チャネル140を通って、サンプル流体収納リザーバ108内に流れることができる。カードリーダモジュール内の真空ポンプは、ポンプ孔528を介してポンプ連結ポート122に連結される。この真空ポンプがオンになると、真空ポンプは、較正用流体を感知領域118から廃液リザーバ120に引き込むことができる。さらに、真空ポンプは、サンプル流体リザーバ108および/またはチャネル140から、ビア128、チャネル144、バブルトラップ114、チャネル146、ビア134、チャネル148を通って、感知領域118内に血液サンプルを引き込むことができる。次に、カードリーダモジュールおよびセンサ520は、例えば、血液サンプルの測定を実行して、血液サンプル中の特定の分析物の濃度を決定することができる。
【0057】
いくつかの実施形態では、後続の測定が流体デバイス500内の血液サンプルに対してさらに実行される。例えば、ポンプ孔530を介してポンプ連結ポート123に連結されているカードリーダモジュール内の真空ポンプを用いて、ポンプ連結ポート123に真空圧を印加して、サンプル流体リザーバ108および/またはチャネル140から、チャネル142を介して、光感知領域176内に血液サンプルの一部を引き込むことができる。いくつかの実施形態では、血液が光感知領域176に到達する前に、血液に対して前処理(例えば、溶血)が行われる。次に、カードリーダモジュール内の光源および検出器が、孔532、536を介して光感知領域176内の血液サンプルに対して行うことができる。これにより、流体デバイス500を用いて行われる検査が完了し得る。流体デバイス500は、使用後に廃棄される使い捨ての診断デバイスとすることができる。しかし、再利用可能なデバイスも企図されている。
【0058】
上述したように、流体デバイス内を流れる流体中に混入したバブルの存在は、流体デバイスの性能に不利益であり得る。図5および図6に示した流体デバイス500の実施例では、気泡はサンプル流体および/または較正用流体に存在し得る。場合によっては、サンプル流体は、混入した気泡が既に存在している流体デバイス500に注入される。同様に、較正用流体は、混入したバブルが存在する状態で較正用流体パック512に加えられる。さらに、または代わりに、気泡は、例えば、サンプル流体および/または較正用流体が流体デバイス500の1つまたはそれ以上の構成要素を流れるときに形成される。さらに、較正用流体パックに加えられたときに較正用流体にバブルがなかったとしても、較正用流体が較正用流体パック512に収納されている間に気泡が形成される可能性がある。例えば、流体デバイス500が落とされたり、または振られたりすると、気泡が形成される可能性がある。サンプル流体および/または較正用流体中の気泡が感知領域118へと広がると、これらの気泡は1つまたはそれ以上のセンサ520上に引っかかり、その結果、これらのセンサの適切な応答を妨げ得る。これは、流体デバイス500によって行われる測定の信頼性および再現性を低下させる可能性があり、流体デバイスを使用不能にし得る。カードリーダモジュールは、気泡により測定が損なわれたときに検出し、新たな流体デバイスを用いて測定を繰り返すようにユーザに指示することが可能であってもよい。しかし、このプロセスは、追加の流体デバイスとより多量のサンプル流体を使用する可能性があるため、効率を低下させ、かつ/または運用コストを増加させる。したがって、流体デバイス500は、サンプル流体中の混入したバブルの広がりを阻止するバブルトラップ114と、較正用流体中の混入したバブルの広がりを阻止するバブルトラップ116とを備える。バブルトラップ114、116は、サンプル流体および/または較正用流体中に混入した気泡がセンサ520に到達するのを防ぐのに役立ち得る。バブルトラップ116の構造および作動方法については、以下で詳細に説明する。バブルトラップ114の構造および作動方法は、バブルトラップ116と同様であり得る。
【0059】
図7図11は、基板100のバブルトラップ116の拡大図である。図7は、上から見たバブルトラップ116の平面図であり、図8は、下から見たバブルトラップの平面図であり、図9は、上から見たバブルトラップの等角図であり、図10は、下から見たバブルトラップの等角図であり、図11は、図3に示す線に沿ってとられたバブルトラップの断面図である。図7図11に示すように、バブルトラップ116は、チャンバ700と、複数の横ビーム702、704と、複数のバブルトラップセクション706、708、710とを備える。チャンバ700、横ビーム702、704およびバブルトラップセクション706、708、710は、基板100に形成されている。
【0060】
チャンバ700は、複数の内壁または表面712、722、724、726によって囲まれている。表面712は、チャンバ700の上流側の端部を成し、表面722は、チャンバの下流側の端部を成し、表面724、726は、チャンバ700の側面を成している。チャンバ700は、上部および底部を有すると考えることもできる。チャンバ700の高さは、チャンバの上部からチャンバの底部までの距離として測定される。チャンバ700の上部は、基板100の上面102に垂直方向に最も近いチャンバの部分とすることができる。同様に、チャンバ700の底部は、基板100の底面104に垂直方向に最も近いチャンバの部分とすることができる。本実施例では、基板100は、チャンバ700の上面または底面に壁または表面を備えていない。したがって、本実施例では、チャンバ700は、基板100の厚さを通って上面102から底面104まで延びている。したがって、チャンバ700の上部は、基板100の上面102と同じ平面内にあると考えられ、チャンバの底部は、基板の底面104と同じ平面内にあると考えられる。チャンバ700は、図7図11において、上面102および底面104で開いている。他の実施形態では、バブルトラップのチャンバは、基板の厚さを通って延びていないことがある。例えば、バブルトラップのチャンバは、上面または底面のいずれかから、基板の厚さの一部のみを通って延びることもできる。これらの実施形態では、チャンバの上部またはチャンバの底部は、基板の上面または底面と同じ平面にないこともある。
【0061】
チャンバ700は、チャネル154、156に連結されている。チャネル154は、表面712のポートまたは開口部を介してチャンバ700に連結され、チャネル156は、表面722のポートまたは開口部を介してチャンバに連結される。チャネル154、156は、チャンバ700に比べて比較的浅い。チャネル154、156の上部は、図11に示されている表面736、738のそれぞれの壁によって画成される。チャネル154、156の底部は、基板100の底面104によって画成される。そのため、チャネル154、156は、チャンバの底部に近接した位置でチャンバ700に連結されている。しかし、チャネル154、156のいずれかまたは両方は、代わりに、チャンバの上部に近接しているか、またはチャンバの上部と下部の間など、他の位置でチャンバ700に連結される。チャンバ700の断面積は、チャネル154、156の断面積よりも大きいが、これはすべての実施形態においてそうではなくてもよい。例えば、バブルトラップのチャンバに連結されたチャネルのいずれかまたはすべてが、実質的にチャンバの断面積以上の断面積を有することができる。
【0062】
横ビーム702、704は各々、チャンバ700の上部に隣接しており、較正用流体の流れ方向に対して実質的に直交して延びている。ビーム702、704は、チャンバ700の内部でバブルを捕捉するために設けられたバッフルまたはリブとして機能する。図11に示すように、ビーム702は、上面728および底面732を備える。同様に、ビーム704は、上面730および底面734を備える。上面728、730は、チャンバ700の上面および基板100の上面102と実質的に同一平面上にある。ビーム702、704は、チャンバ700の上部および上面728、730に対して実質的に直交するそれぞれの上流側の壁または表面714、718をさらに備える。ビーム702、704は、チャンバ700の上部に対して勾配が付いているか、または傾斜しているそれぞれの下流側の壁または表面716、720をさらに備える。下流側の表面716、720は、ビーム702、704の上面728、730と鋭角を成す。チャンバの高さは、ビーム702、704のそれぞれの高さよりも大きく、各ビームの高さは、各ビームの上面728、730と底面732、734との間の距離として測定される。ビーム702、704の高さは、各ビームがチャンバ700の上部からチャンバの底部に向かって延びる距離として測定することもできる。ビーム702、704の底面732、734とチャンバ700の底面との間にギャップがあることにより、流体がビームの下を流れてチャネル156に到達できる。
【0063】
バブルトラップセクション706、708、710は、チャンバ700に入る任意のまたはすべてのバブルを閉じ込め、かつ/または部分的に囲むことができる、チャンバ700の別個の体積である。バブルトラップセクション706、708、710の幅は、チャンバ700の幅と実質的に同様である。この場合、基板100の上面102に対応するチャンバ700の上部は、バブルトラップセクション706、708、710の上部境界を画成する。表面712は、バブルトラップセクション706の上流側の境界を画成し、表面716は、バブルトラップセクション708の上流側の境界を画成し、表面720は、バブルトラップセクション710の上流側の境界を画成する。表面714は、バブルトラップセクション706の下流側の境界を画成し、表面718は、バブルトラップセクション708の下流側の境界を画成し、表面722は、バブルトラップセクション710の下流側の境界を画成している。表面714、718、722は各々、チャンバ700の上部に隣接し、上部に対して直交する。しかしながら、表面714、718、722のいずれかまたはすべては、代わりに、チャンバ700の上部と鋭角を成すように傾斜し得る。表面714、718、722の各々の高さは、チャンバ700の高さの少なくとも半分とすることができ、表面の高さは、各表面がチャンバの上部からチャンバの底部に向かって延びる距離として測定される。バブルトラップセクション706、708、710のそれぞれの底部境界は、それぞれの下流側の境界がチャンバ700の上部からチャンバの底部に向かって延びる距離によって画成される。例えば、バブルトラップセクション706の底部境界は、表面732の平面によって画成され、バブルトラップセクション708の底部境界は、表面734の平面によって画成され、バブルトラップセクション710の底部境界は、表面738の平面によって画成される。
【0064】
次に図12を参照すると、図5に示す線に沿ってとられた、流体デバイス500のバブルトラップ116の断面図が示されている。図12図11と同様であり、上部カバー層506および下部カバー層508が追加されている。上部カバー層506は、基板100の上面102に連結され、チャンバ700の上部を封止または閉鎖する。同様に、下部カバー層508は、基板100の底面104に連結され、チャンバ700の底部を封止または閉鎖する。
【0065】
使用時には、較正用流体は、較正用流体パック512の下流に流体連通しているチャネル154を介してバブルトラップ116に入る。図12は、較正用流体中の複数の気泡1200、1202、1204、1206、1208、1210を示す。気泡1200は、チャネル154からチャンバ700に入っている気泡の一例である。気泡がチャンバ700に入ると、その浮力によって上方に上昇し始める可能性がある。図12では、流体デバイス500は、上面502が垂直方向上方を向き、底面504が垂直方向下方を向いて配向されている。したがって、気泡は、図12において、チャンバ700の上部に向かって上昇することになる。これは、較正用流体がチャンバを通って流れるときに、較正用流体を介してチャンバ700の上部に向かって上昇している気泡1202、1204によって示されている。気泡1206、1208、1210は、チャンバ700の上部に向かって上昇した気泡の例である。気泡1206はバブルトラップセクション706内にあり、気泡1208はバブルトラップセクション708内にあり、気泡1210はバブルトラップセクション710内にある。
【0066】
表面714、718、722は、較正用流体中のバブルがチャネル156に入るのを阻止または防止するように構成されたバリアである。表面714、718は、ビーム702、704の一部であり、したがって、これらのビームも、較正用流体中のバブルがチャネル156に入るのを阻止または防止するバリアとみなすことができる。有利には、バブルトラップ116内のこれらのバリアは、較正用流体中のバブルが、チャネル156の下流に流体連通する感知領域118へと流れることを阻止できる。
【0067】
気泡がチャンバ700に入り、チャンバの上部に向かって上昇すると、チャンバを通る流体の流れによってかかる圧力により、気泡が表面714、718、722に衝突し得る。表面714、718、722は各々、流体流れの方向に対して実質的に直交するため、これらの表面は、気泡のさらなる動きを阻止できる。気泡の浮力および/またはチャンバ700を流れる流体の力によって、表面714、718、722とチャンバの上部との間に気泡を捕捉できる。例えば、気泡1206は、表面714と衝突してバブルトラップセクション706に閉じ込められ、気泡1208は、表面718と衝突してバブルトラップセクション708に閉じ込められ、気泡1210は、表面722と衝突してバブルトラップセクション710に閉じ込められている。較正用流体トラップ116からセンサ520に流れる較正用流体は、実質的に気泡を含まないことができる。
【0068】
バブルが捕捉される特定のバブルトラップセクションは、種々の要因のいずれかに依存し得る。予想される要因の1つは、気泡のサイズである。小さな気泡ほど浮力が小さいため、それらは、バブルトラップセクション706、708、710のうちの1つに閉じ込められるのに十分な距離上昇する前に、チャンバ700をさらに流れ得る。そのため、バブルトラップセクション708、710は、バブルトラップセクション706よりも多くの小さなバブルを捕捉することができる。しかし、これは常にそうであるとは限らない。例えば、小さいバブルほど、チャンバ700を通って流れる流体からの抗力が小さくなり得るため、チャンバ内をよりゆっくりと移動し、その浮力の減少による影響をいくらか相殺し得る。バブルが捕捉される場所に影響を与え得る別の考えられる要因は、チャンバ700内に存在する気泡の総数である。バブルトラップセクション706の体積が実質的に気泡で満たされていれば、チャンバ700に入るさらなるバブルはすべてバブルトラップセクション708、710内へとオーバーフローし得る。場合によっては、バブルトラップセクション706に捕捉されたバブルが、例えば、流体デバイス500が揺り動かされた場合に逃げる可能性がある。しかし、これらのバブルは、チャネル156に到達する前に、バブルトラップセクション708、710で依然として捕捉することができる。この意味で、バブルトラップセクション708、710は、バブルトラップセクション706のバックアップとして機能し得る。
【0069】
バブルトラップ116の幾何形状は、較正用流体がバブルトラップを通って流れるときに、較正用流体中でのバブルの形成を低減するのに役立つことができる。例えば、傾斜した表面716、720は、層流を促進し、気泡を生み出す可能性のあるチャンバ700内での空気と較正用流体との混合を低減するのに役立つことができる。
【0070】
バブルトラップの1つまたはそれ以上の特性は、バブルトラップを通って流れる流体の予想される特性に基づいて、設計、調整、および/または構成される。例えば、バブルトラップの幾何形状は、バブルトラップを流れる流体中の予想されるバブルの数(または密度)、予想されるこれらのバブルのサイズ(またはサイズの範囲)、および/または予想される流体の粘度に基づいて構成される。
【0071】
バブルトラップ116を通って流れる較正用流体中の予想されるバブルの数およびサイズは、バブルトラップセクション706、708、710のいずれかまたはすべての体積を決定するときに考慮される。比較的多数のバブルが流体中に存在する場合、および/またはこれらのバブルの平均サイズが比較的大きい場合、バブルがバブルトラップセクション706、708、710を満たし得る可能性がある。気泡の一定の総体積を超えると、バブルトラップセクション706、708、710は、チャンバ700に入るさらなる気泡を収容する余裕がなくなり得る。これにより、気泡がチャネル156内にオーバーフローし、バブルトラップ116の効果が低下する可能性がある。この状況は、過充填不良と呼ぶことができる。過充填不良を軽減または防止するために、バブルトラップセクション706、708、710の総体積は、少なくとも予想される気泡の総体積を収めるように設計される。チャンバ700は、基板100の上面102から底面104まで延びているため、チャンバ700は、基板の厚さ全体を利用している。このことは、基板の厚さ全体を通って延びていないバブルトラップチャンバと比較して、バブルトラップセクション706、708、710で利用可能な体積の増加をもたらすことができる。バブルトラップセクション706、708、710で利用可能な体積をさらに増加させるために、基板100の厚さは、チャンバ700の高さとともに増加させることができる。バブルトラップセクション706、708、710の体積を増加させるための別の可能な方法は、端面712、722の間の距離を増加させることによって、チャンバ700の長さを増加させることである。バブルトラップセクション706、708、710の体積を増加させるためのさらに別の可能な方法は、側面724、726の間の距離を増加させることによってチャンバ700の幅を増加させることである。バブルトラップセクション706、708、710の体積を増加させるためのさらに可能な方法は、例えば、表面728、730および/または表面732、734の長さを減少させることによって、ビーム702、704の幅を減少させることである。バブルトラップセクション706、708、710の体積を増加させるためのさらに別の可能な方法は、流体がバリア702、704の下を通ってチャネル156内に流れるための十分な空間を残しつつ、表面714、718、722の長さを増加させることである。いくつかの実施形態では、バブルトラップのバブルトラップセクションで利用可能な体積は、通気性膜を使用して効果的に増加させることができる。図12では、例えば、上部カバー層506を、チャンバ700の上部に上昇する気泡が膜を通ってチャンバ700の外に拡散することを可能にする通気性膜で置き換えることができる。これは、バブルトラップセクション706、708、710内のいくらかの体積を解放することによって、これらのバブルトラップセクションが追加の気泡を捕捉することを可能にし得る。通気性膜は、使い捨てではない、および/または繰り返しもしくは継続的に使用される流体デバイス内でのバブルトラップとともに使用するのに特に有利であり得る。
【0072】
バブルトラップ内の流体の流速を決定するとき、バブルトラップを流れる流体の予想される粘度および/またはその流体中に混入したバブルの予想されるサイズを考慮に入れることができる。流体の粘度が高いほど、バブルがバブルトラップの上部に向かって上昇する速度を低下させ得る。したがって、より粘度が高い流体では、気泡が上昇するのにより時間がかかり得る。これは、比較的小さな気泡に特に当てはまり得るが、これは、より大きな気泡よりも浮力が小さく、より遅い速度で上昇し得る。バブルトラップの流速が、バブルがバブルトラップの上部に向かって上昇する時間に比べて高すぎる場合、気泡がバリアによって遮られるほど十分な距離上昇する前にバブルトラップの端部に到達し得るため、バブルがバブルトラップから逃げることが可能である。このような状況は、高流速不良と呼ぶことができる。高流速不良を防止または軽減する手助けをするために、バブルトラップ内の流体の流速は、バブルが上昇してバリアによって遮られるのに十分な時間があるように決定および/または制御される。図12に示すバブルトラップ116の実施例では、これは種々の異なる方法のいずれかで行うことができる。気泡がチャンバ700に確実に捕捉されることを手助けする可能な方法は、チャンバを通る流速を低下させるために、チャンバの断面を大きくすることである。チャンバ700内に気泡が確実に捕捉されることを手助けする別の可能な方法は、チャンバ内の流速を制御するために、較正用流体パック512から較正用流体が圧送される速度を制御または制限することである。較正用流体が較正用流体パック512から圧送される速度を制限することは、例えば、カードリーダモジュールによって制御される。気泡がチャンバ700内に確実に捕捉されることを手助けするさらに別の可能な方法は、表面714、718、722によって設けられるバリアが、気泡が遮られるのに十分な距離上昇することが期待されるように、チャンバの底部に向かって十分な距離延びることを保証することである。気泡がチャンバ700に確実に捕捉されることを手助けするさらに可能な方法は、チャンバの長さを増大させることであり、それにより、バブルがチャンバの上部に向かって上昇しなければならない時間を長くすることができる。
【0073】
上述のように、バブルトラップ114は、バブルトラップ116と作動方法および構造が同様であり得る。しかしながら、バブルトラップ114は、本実施例では全血サンプルとすることができるサンプル流体中のバブルを捕捉するが、流体トラップ116は、較正用流体中のバブルを捕捉する。いくつかの実施態様では、血液などのサンプル流体の粘度は、較正用流体の粘度よりも高くなり得る。したがって、バブルトラップ114は、上記で概略を述べたように、血液のより高い粘度を考慮して、バブルを効果的に捕捉するように設計、調整および/または構成される。
【0074】
バブルトラップ114、116の構造は、例として提供されている。さらに、または代わりに、他のバブルトラップ構造が流体デバイスで使用される。例えば、バブルトラップは、3つ以上の横ビームまたは1つ以下の横ビームを有することができる。図13は、流体デバイス1300の別の例示的バブルトラップの断面図である。流体デバイス1300は、微小流体デバイスとすることができる。流体デバイス1300は、基板1302と、上部カバー層1304と、下部カバー層1306とを備える。基板1302は、入力チャネル1310および出力チャネル1312に連結されたチャンバ1308を備える。チャンバ1308は、単一の横ビーム1314と、2つのバブルトラップセクション1316、1318とを備える。ビーム1314の壁または表面1320は、バブルトラップセクション1316の下流側の境界を成し、チャンバ1308の壁または表面1322は、バブルトラップセクション1318の下流側の境界を成す。表面1320、1322およびビーム1314のいずれかまたはすべては、チャンバ1308を通って流れる流体中のバブルがチャネル1312に入るのを阻止するバリアとみなすことができる。図12に示す流体デバイス500のバブルトラップ116と比較すると、流体デバイス1300のバブルトラップは、2つではなく1つのビームを含むことにより、バブルトラップの他のすべての寸法が等しければより大きな総捕捉体積を有すると考えることができる。
【0075】
図14は、流体デバイス1400のさらに別の例示的バブルトラップの断面図である。流体デバイス1400は、微小流体デバイスとすることができる。流体デバイス1400は、基板1402と、上部カバー層1404と、下部カバー層1406とを備える。基板1402は、入力チャネル1410および出力チャネル1412に連結されたチャンバ1408を備える。チャンバ1408は、横ビームを備えていない。したがって、チャンバ1408は、単一のバブルトラップセクションであると考えることができる。チャンバ1408の壁または表面1414は、バブルトラップセクションの下流側の境界を成す。表面1414は、チャンバ1408を通って流れる流体中のバブルがチャネル1412に入るのを阻止する単一のバリアとみなすことができる。
【0076】
図15は、流体デバイス1500のさらなる例示的バブルトラップの断面図である。流体デバイス1500は、微小流体デバイスとすることができる。流体デバイス1500は、基板1502と、下部カバー層1504とを備える。基板1502は、入力チャネル1508および出力チャネル1510に連結されたチャンバ1506を備える。チャンバ1506は、2つの横ビーム1512、1514と、3つのバブルトラップセクション1516、1518、1520とを備える。例えば、図7図12のチャンバ700とは対照的に、チャンバ1506は、基板1502の厚さを通って延びていない。むしろ、チャンバ1506は、基板1502の底面に形成され、基板の厚さを通って部分的にだけ延びている。他の実施形態では、チャンバは、基板の上面に形成され、基板の厚さを通って部分的にだけ延びることができる。
【0077】
上記実施形態は、主に流体デバイスに関する。方法を含む他の実施形態も企図されている。
【0078】
図16は、例えば、流体デバイスを製造するための例示的方法1600を示すフローチャートである。いくつかの実施態様では、方法1600を用いて製造される流体デバイスは、微小流体デバイスとすることができる。方法1600は、複数の工程1602、1604、1606、1608、1610を含む。
【0079】
工程1602は、チャンバと、チャンバに連結された第1および第2のチャネルと、第1のチャネルから受けた流体中のバブルが第2のチャネルに入るのを阻止するためにチャンバの上部に隣接する複数のバリアとを備える流体デバイス用の基板を形成することを含む。この基板は、例えば、上記で詳細に説明した基板100、1302、1402および/または1502と同様であり得る。基板は、単一の一体的な本体または部材として形成される。換言すれば、基板は、接着または他の方法で連結された複数の構成部品を使用して作製されなくてもよい。基板を形成することは、基板を成形することを含むことができる。さらに、または代わりに、基板を形成することは、ブランク材料から基板をフライス加工および/またはエッチングすることを含むことができる。成形の例としては、射出成形、圧縮成形、および熱成形が挙げられる。基板用の鋼製の型は、例えば、射出成形プロセスで使用される。有利には、射出成形は、本明細書に開示されるバブルトラップ構造を備えた基板を、比較的迅速かつ安価に形成することができる。対照的に、バブルトラップが別個の部材として基板に追加された場合、バブルトラップは、部材を入手するためのコスト(例えば、バブルトラップの購入、バブルトラップの検査、在庫管理およびサプライチェーン管理)、およびバブルトラップを基板に接着するためのコスト(例えば、接着プロセスの開発、接着機器の購入、接着オペレータのトレーニングおよび文書の維持)を招く可能性がある。
【0080】
工程1604は、センサアレイを基板に適用することを含む任意の工程である。このセンサアレイは、例えば、図6のセンサアレイ510と同様であり得る。センサアレイは、基板内の感知領域の上に適用される。センサアレイを基板に適用することは、センサアレイを感知領域と整列させることと、次いで、センサアレイを基板に連結することを含むことができる。接着剤を用いて、センサアレイを基板に連結することができる。
【0081】
工程1606は、較正用流体パックを基板に適用することを含む任意の工程である。較正用流体パックは、基板で組み立てられた2つの金属箔要素を備えることができる。工程1606は、この較正用流体パックを較正用流体で充填すること、および/または較正用流体パックからの較正用流体の流れを制御する弁を組み立てることも含むことができる。この較正用流体パックおよび弁は、例えば、図5の較正用流体パック512および弁514と同様であり得る。較正用流体パック512および弁514の組み立てについては、本明細書の別の箇所で説明する。
【0082】
工程1608および1610は、基板に上部カバー層および下部カバー層を適用して基板の上面および底面を封止することを含む任意の工程である。これらの上部および下部カバー層は、例えば、図5図6および図12の上部および下部カバー層506、508と同様であり得る。上部および下部カバー層を適用することは、上部および下部カバー層を基板の適切な部分と整列させることと、接着剤を用いてカバー層を基板に接着することとを含むことができる。さらに、または代わりに、上部および下部カバー層は、プラスチック溶接プロセスを用いて基板に接着することができる。有利には、基板に上部および/または下部カバー層を適用することにより、一回限りのコストで、基板内の任意の数の流体構成部品を閉鎖または封止することができる。換言すれば、基板の流体構成部品を封止するためのコストは、基板における構成部品の数とともに増加しないことがある。上部カバー層を適用することにより、基板内の1つまたはそれ以上のバブルトラップチャンバの上部を封止することができる。同様に、下部カバー層を適用することにより、1つまたはそれ以上のバブルトラップチャンバの底部を封止することができる。
【0083】
図16に示す工程1602、1604、1606、1608、1610の順序は一例に過ぎない。これらの工程は、異なる順序で実行することもできる。例えば、工程1608は、工程1604および/または工程1606の前に実行することができる。
【0084】
図17は、流体デバイスの流体中の混入したバブルを捕捉するための例示的な方法1700を示すフローチャートである。この流体デバイスは、例えば、流体デバイス500、1300、1400および/または1500と同様であり得る。方法1700は、複数の工程1702、1704、1706を含む。
【0085】
工程1702は、流体デバイスの弁を開いて流体デバイス内の流体の流れを可能にすることを含む任意の工程である。図5図6および図12の流体デバイス500の実施例では、工程1702は、裂け目524に近接した領域で下部カバー層508を押すことによって弁514を操作することを含むことができ、これにより弁を開くことができる。
【0086】
工程1704は、流体デバイスの第1のチャネル、チャンバの上部に隣接する複数のバリアを備えた流体デバイスのチャンバを通して、チャンバから流体を受ける流体デバイスの第2のチャネル内に、流体を圧送することを含む。チャンバの上部に隣接する複数のバリアは、流体中のバブルが第2のチャネルに入ることを阻止できる。流体デバイス500の実施例を再び参照すると、流体を圧送することは、較正用流体パック512から較正用流体を圧送すること、および/またはサンプル流体入力ポート106にサンプル流体を注入することを含むことができる。いくつかの実施態様では、流体を第1のチャネルに圧送することは、所定の速度で流体を第1のチャネルに圧送して、バブルがチャンバの上部に向かって上昇し、複数のバリアによって捕捉されることを可能にするチャンバ内の流体の流速を誘導することを含む。
【0087】
工程1706は、流体を測定することを含む任意の工程である。流体の測定は、例えば、図5のセンサ520などの1つまたはそれ以上のセンサによって行うことができる。
【0088】
本開示は、主に、血液分析システムなどの診断システム用の流体デバイスに関するものであるが、さらに、または代わりに、本明細書に記載された実施形態は、流体デバイスのための他の用途に関することができる。特に、本明細書に記載されているバブルトラップは、流体の流れにおいて混入したバブルを捕捉することが有利となる種々の用途のいずれかに用いることができる。
【0089】
本明細書に開示された発明概念は、本明細書に記載された、または図面に図示された構成の詳細および構成部品の配置への適用に限定されない。本明細書に開示される発明概念は、他の実施形態が可能であり、種々の方法で実施または実行することができる。また、本明細書で用いられている表現または用語は、説明のためのものであり、決して本明細書で開示され特許請求される発明概念を限定するものとして考えるべきではないと理解すべきである。
【0090】
加えて、多数の具体的詳細は、発明概念の完全な理解をもたらすために記述される。しかしながら、本開示内の発明概念がこれらの具体的詳細なしに実施されることは当業者にとって明らかであろう。他の例では、周知の構成は、本開示を不必要に複雑にすることを避けるために、詳細に記載されていない。
【0091】
本明細書で使用する場合、用語「含む(comprises、comprising)」、「備える、含む(includes、including)」、「有する(has、having)」またはこれらの任意の他の変形は、非排他的包含を網羅するように意図される。例えば、要素のリストを含む組成、プロセス、方法、物品または装置は必ずしもそれらの要素に限定されておらず、明示的に列挙されていないか、またはこれらに固有に存在していない他の要素を含んでもよい。
【0092】
本明細書で使用する場合、用語「およそ(approximately)」、「約(about)」、「実質的に(substantially)」およびこれらの変形は、当該用語で修飾された正確な値だけでなく、そこからのわずかな逸脱、例えば、測定誤差、製造公差、構成部品または構造への磨損、構造に及ぼされる応力、およびこれらの組み合わせによって生じる逸脱も含むことを意図される。
【0093】
明示的に相反する記載がない限り、「または」は包含的なまたはを意味し、排他的なまたはを意味するものではない。例えば、条件AまたはBは以下のいずれか1つにより満たされる:Aは真であり(または存在する)、かつBは偽である(または存在しない)、Aは偽であり(または存在しない)、かつBは真である(または存在する)、およびAとBの両方は真である(または存在する)。包括的なまたはは、条件AまたはBのうちの少なくとも1つと等しいものとして理解される。
【0094】
加えて、「1つの(aまたはan)」の使用は、本明細書の実施形態の要素および構成部品を記述するために利用される。これは単に便宜上なされており、発明概念の一般的な意味を示すためになされている。この記述は、1つまたは少なくとも1つを包含するものとして読まれるべきであり、単数はまた、明らかにそうではないことを意味していない限り、複数を包含する。
【0095】
「一実施形態」または「実施形態」へのいかなる参照も、その実施形態に関連して説明される特定の要素、構成、構造または特性が少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。本明細書の様々な箇所における表現「一実施形態では」の出現は、必ずしもすべてが同一の実施形態に言及するものではない。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17