(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-13
(45)【発行日】2023-12-21
(54)【発明の名称】外科用インプラント伸長部のための横方向連結器
(51)【国際特許分類】
A61B 17/70 20060101AFI20231214BHJP
【FI】
A61B17/70
(21)【出願番号】P 2021559907
(86)(22)【出願日】2020-04-09
(86)【国際出願番号】 EP2020060205
(87)【国際公開番号】W WO2020216634
(87)【国際公開日】2020-10-29
【審査請求日】2023-03-27
(32)【優先日】2019-04-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】502154016
【氏名又は名称】アエスキュラップ アーゲー
【住所又は居所原語表記】Am Aesculap-Platz, 78532 Tuttlingen Germany
(74)【代理人】
【識別番号】110000110
【氏名又は名称】弁理士法人 快友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ジェイコブ パーク
(72)【発明者】
【氏名】アンドリュー ダウスター
【審査官】木村 立人
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-355252(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0262810(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2015/0066088(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 17/00 ― 17/94
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のインプラント伸長
部を第2のインプラント伸長
部に接続するための横方向連結
器であって、前記横方向連結器は、
第1の開
口を画定する第1のスリーブであって、前記第1の開
口を通って前記第1のインプラント伸長
部を軸方向に受容するように前記第1の開
口が適合されている、前記第1のスリー
ブと、
第2の開
口を画定する第2のスリーブであって、前記第2の開
口を通って前記第2のインプラント伸長
部を軸方向に受容するように前記第2の開
口が適合されている、前記第2のスリー
ブと、
中央ハウジン
グと、
前記第1のスリー
ブを前記中央ハウジン
グに接続する第1のシャフ
トと、
前記第2のスリー
ブを前記中央ハウジン
グに接続する第2のシャフ
トと、
を備え、
前記第1のシャフ
トおよび前記第2のシャフ
トの少なくとも一方が、前記中央ハウジン
グの可動ジョイントによって前記中央ハウジン
グに接続されて
おり、
前記中央ハウジン
グは、第1のジョイン
トおよび第2のジョイン
トを備えており、
前記第1のシャフ
トは、前記第1のスリー
ブを前記中央ハウジン
グの前記第1のジョイン
トに接続し、
前記第2のシャフ
トは、前記第2のスリー
ブを前記中央ハウジン
グの前記第2のジョイン
トに接続
し、
前記第1のジョイン
トは、前記中央ハウジン
グに対して旋回可能なユニバーサルボールジョイ
ントを備え
、
前記ユニバーサルボールジョイン
トは、長手方向通
路と、前記長手方向通
路の周囲に延在する複数のバネ
部と、を備える、
横方向連結
器。
【請求項2】
前記第1のシャフ
トは、前記第1のジョイン
トの前記長手方向通
路を通って軸方向に移動可能である、
請求項
1に記載の横方向連結
器。
【請求項3】
前記第1のシャフ
トは、前記第1のスリー
ブに取り付けられた第1のスリーブ端
部と、前記第1のスリーブ端
部の反対側の第1の自由端
部と、を備えており、
前記第1の自由端
部は、前記長手方向通
路を通る前記第1のシャフ
トの軸方向移動を制限する第1のストッ
パを備えており、および/または、
前記第1のシャフ
トは、前記第1のジョイン
トの前記長手方向通
路内で回転可能であり、および/または、
前記第1のシャフ
トは、第1の当接
面を有する第1のシャフト断面を備えており、
前記長手方向通
路は、第1の当接エッ
ジを有する通路断面を備えており、
前記第1の当接エッ
ジは、前記第1のシャフ
トが前記長手方向通
路に対して回転する間に、前記第1の当接
面に当接するように構成されているとともに、前記第1のシャフ
トの回転範囲を制限するように構成されている、
請求項
1に記載の横方向連結
器。
【請求項4】
前記第2のジョイン
トは、前記中央ハウジン
グを通る円筒形のスルーボ
アを備える、
請求項1~
3の何れか1項に記載の横方向連結
器。
【請求項5】
前記第2のシャフ
トは、前記第2のジョイン
トの前記スルーボ
アを通って軸方向に移動可能であり、および/または、
前記第2のシャフ
トは、前記第2のスリー
ブに取り付けられた第2のスリーブ端
部と、前記第2のスリーブ端
部の反対側の第2の自由端
部と、を備えており、
前記第2の自由端
部は、前記第2のジョイン
トの前記スルーボ
アを通る前記第2のシャフ
トの軸方向移動を制限する第2のストッ
パを備えており、および/または、
前記第2のシャフ
トは、前記第2のジョイン
トの前記スルーボ
ア内で回転可能であり、および/または、
前記第2のシャフ
トは、第2の当接面を有する第2のシャフト断面を備えており、
前記スルーボ
アは、第2の当接エッジを有するスルーボア断面を備えており、
前記第2の当接エッジは、前記第2のシャフ
トが前記長手方向通
路に対して回転する間に、前記第2の当接面に当接するように構成されているとともに、前記第2のシャフ
トの回転範囲を制限するように構成されている、
請求項
4に記載の横方向連結
器。
【請求項6】
前記中央ハウジン
グは、上
部と、前記上
部から分離した下
部と、前記上
部および前記下
部を通って延びる調整ね
じと、を備える、
請求項1~
5の何れか1項に記載の横方向連結
器。
【請求項7】
中央ハウジン
グの前記上
部および前記下
部が、前記第1のシャフ
トを前記第1のジョイン
トに解放可能に固定するとともに前記第2のシャフ
トを前記第2のジョイン
トに解放可能に固定する調節可能なクランプを形成しており、および/または、
前記調整ね
じは、外側ねじ
山を備えており、
前記中央ハウジン
グの前記下
部は、内側ねじ
山を有するボアを画定しており、
前記外側ねじ
山は前記内側ねじ
山とかみ合う、
請求項
6に記載の横方向連結
器。
【請求項8】
前記クランプは、前記調整ね
じの回転に応じてロック状態に調整可能であり、
前記中央ハウジン
グの前記上
部および前記下
部は、前記ロック状態において一緒に引き締められて前記第1のジョイン
トおよび前記第2のジョイン
トを圧縮するとともに、前記中央ハウジン
グに対する前記第1のシャフ
トおよび前記第2のシャフ
トの位置をロックし、および/または、
前記クランプは、前記調整ね
じの回転に応じてロック解除状態に調整可能であり、
前記中央ハウジン
グの前記上
部および前記下
部は、前記ロック解除状態において離れて広がることで、前記第1のシャフ
トおよび前記第2のシャフ
トを前記中央ハウジン
グに対して移動可能にする、
請求項
7に記載の横方向連結
器。
【請求項9】
前記第1のスリー
ブおよび前記第2のスリー
ブのうちの少なくとも1つが、スリーブ
軸およびチャン
バを画定している、
請求項1~
8の何れか1項に記載の横方向連結
器。
【請求項10】
前記第1のスリー
ブおよび前記第2のスリー
ブのうちの少なくとも1つは、ロックリング
軸を画定するロックリン
グを備えており、
前記ロックリン
グは、前記スリーブ
軸を横切る方向に前記チャン
バ内で移動可能である、
請求項
9に記載の横方向連結
器。
【請求項11】
前記ロックリン
グは、前記ロックリング
軸が前記スリーブ
軸から第1の距
離だけオフセットされるロック位置と、前記ロックリング
軸が前記スリーブ
軸から第2の距
離だけオフセットされる解除位置との間で、前記第1のスリー
ブおよび前記第2のスリー
ブのうちの少なくとも1つに対して移動可能であり、前記第1の距
離は前記第2の距
離よりも大きく、および/または、
前記第1のスリー
ブおよび前記第2のスリー
ブのうちの少なくとも1つは、前記ロックリン
グを前記ロック位置に向かって付勢するために前記ロックリン
グに付勢力を及ぼすバネ要
素を、チャン
バ内に備えており、および/または、
前記ロックリン
グは、前記開
口内に半径方向内向きに延びる突
起を備えており、前記突
起は、前記ロックリン
グが前記ロック位置にあるとき、前記第1のインプラント伸長
部および前記第2のインプラント伸長
部のうちの1つに解放可能に係合するように前記開
口内に配置されており、および/または、
前記ロックリン
グは、前記ロックリング
軸から離れるように半径方向外向きに延びるリリースラ
グを備えており、前記第1のスリー
ブおよび前記第2のスリー
ブのうちの少なくとも1つは、リリースラ
グが延びている貫通スロッ
トを画定しており、
前記リリースラ
グは、前記貫通スロッ
トを通って露出位置に突出しており、前記露出位置において前記リリースラ
グは、前記ロックリングを前記解除位置に向かって移動させるために、前記バネ要
素の前記付勢力に抗して押し下げ可能とされている、
請求項
10に記載の横方向連結
器。
【請求項12】
第3の開口を画定する第3のスリーブであって、前記第3の開口を通って第3のインプラント伸長部を軸方向に受容するように前記第3の開口が適合されている、前記第3のスリー
ブと、
前記第3のスリーブを前記中央ハウジン
グに接続する第3のシャフ
トと、
をさらに備える、請求項1~
10の何れか1項に記載の横方向連結
器。
【請求項13】
第4の開口を画定する第4のスリーブであって、前記第4の開口を通って第4のインプラント伸長部を軸方向に受容するように前記第4の開口が適合されている、前記第4のスリーブと、
前記第4のスリーブを前記中央ハウジングに接続する第4のシャフトと、
をさらに備える、請求項12に記載の横方向連結器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、外科用器具に関する。より詳細には、2つの外科用インプラント伸長部の間を接続する横方向連結器に関する。
【背景技術】
【0002】
外科的処置は、骨インプラントの使用を必要とすることがある。骨インプラントの一部は、切開部の内側の骨に取り付けられる。骨インプラントの一部は、切開部を通って患者の身体の外側に延びる。例えば、骨インプラントは、切開部の内側の骨に取り付けることができ、何らかのタイプのインプラント伸長部は、切開部の外側に延在することができる。本明細書で使用される「伸長部」という用語は、処置が完了した後にインプラントから切り離されるように設計されたインプラントの長い部分、または骨インプラントに取り外し可能に接続されたチューブなどの別個の取り付け具を含むが、これらに限定されない。患者の身体の外側の骨インプラントから突出する、任意の細長い本体を指すことができる。伸長部の1つの目的は、インプラントおよびインプラントが固定されている骨に力を分配することができる構造を提供することである。例えば、力印加器具を伸長部に取り付け、伸長部および骨インプラントを通して骨に力を印加するように何らかの方法で操作することができる。このような力は、他の骨に対する当該骨の位置または向きを矯正するために、伸長部およびインプラントに印加され得る。
【0003】
伸長部を有する骨インプラントは、脊椎の異常な湾曲を矯正するための処置において使用され得る。脊椎手術では、「椎弓根スクリュー」と呼ばれる一対の骨アンカーが、椎体の各側に取り付けられる。椎体を固定ロッドなどの固定要素に接続するだけでなく、椎体に力を加えるために、椎弓根スクリューを使用することができる。同時に複数の椎弓根スクリューに力を加えることによって、脊椎の異常な湾曲を矯正する必要がある場合が多い。例えば、脊椎の同一高さ(single level)に取り付けられた複数の椎弓根スクリューに矯正力を加える必要がある場合がある。他の場合には、同時に複数の高さに、1つまたは複数の補正力を加える必要があるかもしれない。後者の場合、ある高さで一対の椎弓根スクリューに1つの力を加え、同時に別の高さで別の一対の椎弓根スクリューに別の力を加える必要があるかもしれない。
【0004】
協調された方法で複数の伸長部に力を加えることは、非常に困難であり得る。各伸長部は、患者からそれぞれ固有の角度および向きで延びている。したがって、各伸長部は、隣接する伸長部とは異なる特定の方向に加えられる調整力を必要とする場合がある。伸長部間の間隔も非常に限定され、各伸長部に別個の器具を取り付けることを困難にする。さらに、同時に複数の高さを調整する手順は、4つ以上の伸長部に同時に異なる力を加える必要がある。その場合、2人以上の外科医が注意深く協調された方法で一緒に作業する必要があり得るので、非常に困難であり得る。米国特許出願公開第2017/0112541A1号は、ユニバーサルジョイントを備える横方向連結器を開示している。例えば、米国特許出願公開第2015/0164569A1号または米国特許第9480504B1号明細書には、特定の回転自由度のみのためのジョイントを備える横方向連結器が示されている。
【発明の概要】
【0005】
本発明者らは、外科医が、協調されているが単純化された態様で、複数の骨インプラントに力を印加することを可能にする器具を開発した。これは、複数の伸長部を一緒に相互接続する横方向連結器または横方向ブリッジによって達成される。横方向連結器は、複数の伸長部に取り外し可能に接続することができ、協調した態様で、調整力が複数の骨インプラントに印加されることを可能にする。これにより外科医は、横方向連結器を介して、複数の骨インプラントに同時に単一の調整力を加えることができる。
【0006】
本開示の1つの有益な態様では、横方向連結器は、第1のインプラント伸長部を第2のインプラント伸長部に接続するように構成される。横方向連結器は、第1のスリーブ、第2のスリーブ、及び中央ハウジングを含む。第1のスリーブは、第1の開口を通って第1のインプラント伸長部を軸方向に受容するように適合された第1の開口を画定する。第2のスリーブは、第2の開口を通って第2のインプラント伸長部を軸方向に受容するように適合された第2の開口を画定する。第1のシャフトが第1のスリーブを中央ハウジングに接続し、第2のシャフトが第2のスリーブを中央ハウジングに接続する。
【0007】
中央ハウジングは、第1のジョイントおよび第2のジョイントを含む。この配置では、第1のシャフトは、第1のスリーブを中央ハウジングの第1のジョイントに接続し、第2のシャフトは、第2のスリーブを中央ハウジングの第2のジョイントに接続する。
【0008】
第1のジョイントは、中央ハウジングに対して旋回可能なユニバーサルボールジョイントを含む。
【0009】
ユニバーサルボールジョイントは、長手方向通路と、該長手方向通路の周囲に延在する複数のバネ部と、を含む。
【0010】
第1のシャフトは、第1のジョイントの長手方向通路を介して軸方向に移動可能である。
【0011】
本開示の別の有益な態様では、第1のシャフトは、第1のスリーブに取り付けられた第1のスリーブ端部と、第1のスリーブ端部の反対側の第1の自由端部とを含む。第1の自由端部は、長手方向通路を通る第1のシャフトの軸方向移動を制限するための第1のストッパを含む。
【0012】
本開示の別の有益な態様では、第1のシャフトは、第1のジョイントの長手方向通路内で回転可能である。
【0013】
本開示の別の有益な態様では、第1のシャフトは、第1の当接面を有する第1のシャフト断面を含む。長手方向通路は、第1の当接エッジを有する通路断面を含む。第1の当接エッジは、第1のシャフトが長手方向通路に対して回転する間に、第1の当接面に当接し、第1のシャフトの回転範囲を制限するように構成されている。
【0014】
本開示の別の有益な態様では、第2のジョイントは、中央ハウジングを通る円筒形のスルーボアを含む。
【0015】
本開示の別の有益な態様では、第2のシャフトは、第2ジョイントのスルーボアを介して軸方向に移動可能である。
【0016】
本開示の別の有益な態様では、第2のシャフトは、第2のスリーブに取り付けられた第2のスリーブ端部と、第2のスリーブ端部の反対側の第2の自由端部と、を含む。第2の自由端部は、第2のジョイントのスルーボアを通る第2のシャフトの軸方向移動を制限する第2のストッパを含む。
【0017】
本開示の別の有益な態様では、第2のシャフトは、第2ジョイントのスルーボア内で回転可能である。
【0018】
本開示の別の有益な態様では、第2のシャフトは、第2の当接面を有する第2のシャフト断面を含む。スルーボアは、第2の当接エッジを有するスルーボア断面を含む。第2の当接エッジは、第2のシャフトが長手方向通路に対して回転する間に、第2の当接面に当接し、第2のシャフトの回転範囲を制限するように構成されている。
【0019】
本開示の別の有益な態様では、中央ハウジングは、上部と、上部から分離した下部と、上部および下部を通って延びる調整ねじと、を含む。
【0020】
本開示の別の有益な態様では、中央ハウジングの上部および下部は、第1のジョイント内で第1のシャフトを解放可能に固定し、第2のジョイント内で第2のシャフトを解放可能に固定する、調節可能なクランプを形成する。
【0021】
本開示の別の有益な態様では、クランプは、調整ねじの回転に応じてロック状態に調整可能である。中央ハウジングの上部と下部は、ロック状態において一緒に引き締められて第1のジョイントおよび第2のジョイントを圧縮し、第1のシャフトおよび第2のシャフトの位置を中央ハウジングに対してロックする。
【0022】
本開示の別の有益な態様では、クランプは、調整ねじの回転に応じてロック解除状態に調節可能である。中央ハウジングの上部と下部は、ロック解除状態において離れて広がることで、第1のシャフトおよび第2のシャフトを中央ハウジングに対して移動可能にする。
【0023】
本開示の別の有益な面では、調整ねじは、外側ねじ山を含む。中央ハウジングの下部は、内側ねじ山を有するボアを画定する。外側ねじ山は、内側ねじ山と嵌合する。
【0024】
本開示の別の有益な態様では、第1のスリーブおよび第2のスリーブのうちの少なくとも一方は、スリーブ軸およびチャンバを画定する。
【0025】
本開示の別の有益な態様では、第1のスリーブおよび第2のスリーブのうちの少なくとも1つは、ロックリング軸を画定するロックリングを含む。ロックリングは、スリーブ軸を横切る方向にチャンバ内で移動可能である。
【0026】
本開示の別の有益な態様では、ロックリングは、ロックリング軸がスリーブ軸から第1の距離だけオフセットされるロック位置と、ロックリング軸がスリーブ軸から第2の距離だけオフセットされる解除位置との間で、第1のスリーブおよび第2のスリーブのうちの少なくとも1つに対して移動可能である。第1の距離は第2の距離よりも大きい。
【0027】
本開示の別の有益な態様では、第1のスリーブおよび第2のスリーブのうちの少なくとも1つは、ロックリングに付勢力を作用させて、ロックリングをロック位置に向かって付勢するバネ要素を、チャンバ内に含む。本開示の別の有益な態様では、ロックリングは、開口内に半径方向内向きに延びる突起を含む。突起は、ロックリングがロック位置にあるときに、第1のインプラント伸長部および第2のインプラント伸長部のうちの1つと解放可能に係合するように開口内に配置されている。
【0028】
本開示の別の有益な態様では、ロックリングは、ロックリング軸から離れるように半径方向外向きに延びるリリースラグを含む。第1のスリーブおよび第2のスリーブのうちの少なくとも1つは、リリースラグが延びている貫通スロットを画定する。
【0029】
本開示の別の有益な態様では、リリースラグは、貫通スロットを通って露出位置に突出している。露出位置においてリリースラグは、ロックリングを解除位置に向かって移動させるために、バネ要素の付勢力に抗して押し下げ可能とされている。
【0030】
本開示の別の有益な態様では、横方向連結器は、第1のインプラント伸長部を第2のインプラント伸長部に接続するように構成される。横方向連結器は、第1のスリーブ、第2のスリーブ、及び中央ハウジングを含む。第1のスリーブは、第1の開口を通って第1のインプラント伸長部を軸方向に受容するように適合された、第1の開口を画定する。第2のスリーブは、第2の開口を通って第2のインプラント伸長部を軸方向に受容するように適合された、第2の開口を画定する。第1のシャフトが第1のスリーブを中央ハウジングに接続し、第2のシャフトが第2のスリーブを中央ハウジングに接続する。第1のシャフト及び第2のシャフトの少なくとも一方は、中央ハウジング上の可動ジョイントによって中央ハウジングに連結されている。
【0031】
本開示の別の有益な態様では、横方向連結器は、第3の開口を通って第3のインプラント伸長部を軸方向に受容するように適合された第3の開口を画定する、第3のスリーブを含む。また、横方向連結器は、第3のスリーブを中央ハウジングに接続する第3のシャフトを含む。
【0032】
本開示の別の有益な態様では、横方向連結器は、第4の開口を通って第4のインプラント伸長部を軸方向に受容するように適合された第4の開口を画定する、第4のスリーブを含む。また、横方向連結器は、第4のスリーブを中央ハウジングに連結する第4のシャフトを含む。
【図面の簡単な説明】
【0033】
概要および詳細な説明のセクションは、図面と併せて検討されると、より良く理解されるであろう。図面は、本発明の例示的かつ非限定的な実施形態を示している。また図面は、示された態様で、または、当業者によって企図される任意の他の組み合わせおよび/または配置のいずれかで、組み合わされ配置され得る要素を示している。
【
図1】骨に固定された2つの骨インプラントにそれぞれ取り付けられた2つの伸長部に取り付けられた横方向連結器を示す、本開示の一例による横方向連結器の立面図である。
【
図4】
図1の横方向連結器の構成要素の分解立面図である。
【
図5】
図4の横方向連結器の構成要素のサブアセンブリの斜視図である。
【
図6】第1の調整位置に示された、
図1の横方向連結器の構成要素の断面図である。
【
図7】第2の調整位置に示された、
図6の横方向連結器の構成要素の断面図である。
【
図8】第1の動作状態で示された、
図1の横方向連結器のスリーブの上面図である。
【
図10】第2の動作状態で示された、
図8のスリーブの上面図である。
【
図11】第1の動作状態におけるロック要素を示す、
図1の横方向連結器の断面における拡大斜視図である。
【
図12】第2の動作状態におけるロック要素を示す、
図1の横方向連結器の断面の別の拡大斜視図である。
【
図13】本開示の別の例による横方向連結器の斜視図である。
【
図15】本開示の別の例による横方向連結器の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
本開示による横方向連結器は、上記で説明したように、椎弓根スクリューに取り付けられた2つ以上の伸長部に取り付けることができる。例えば、単一の横方向連結器を椎体に取り付けられた一対の伸長部に取り付けて、「同一高さの減捻(single level derotation)」と呼ばれる手順で椎体を操縦することができる。あるいは、第1の横方向連結器は、第1の椎体に取り付けられた第1の対の伸長部に取り付けることができ、第2の横方向連結器は、第2の椎体に取り付けられた第2の対の伸長部に取り付けることができる。次に、第1の力を第1の横方向連結器を通して第1の対の伸長部に加え、第2の力を第2の横方向連結器を通して第2の対の伸長部に同時に加えて、第1および第2の椎体を同一高さの減捻で互いに対して調整することができる。さらに、横方向連結器は、2つ以上の椎体のブロックに取り付けられて、「一括」減捻で椎体のブロックを調節することができる。
【0035】
次に図面(具体的には
図1)を参照すると、横方向連結器100が、一例として示されている。横方向連結器100は、種々の異なる骨インプラントおよび伸長部に、着脱可能に取り付け可能である。上述のように、伸長部は、外科用器具などのインプラント自体の一部であってもよく、またはインプラントに取り付けられる別個の構成要素であってもよい。本実施例では、横方向連結器100は、第1の脊椎ロッドパーシュエーダ(spinal rod persuader)20の形をした第1の伸長部と、第2の脊椎ロッドパーシュエーダ20’の形をした第2の伸長部との組み合わせで説明される。第1の脊椎ロッドパーシュエーダ20は、第1の椎弓根スクリュー30に取り付けられる。第2の脊椎ロッドパーシュエーダ20’は、第2の椎弓根スクリュー30’に取り付けられる。
【0036】
第1の椎弓根スクリュー30は、第1切開部Iを通して椎体Bの第1椎弓根Pに固定される。同様に、第2の椎弓根スクリュー30’は、第2切開部I’を通して椎体Bの第2の椎弓根P’に固定される。この構成では、横方向連結器100は、力付与器具50から調整力Fを受け取り、第1および第2の脊椎ロッドパーシュエーダ20、20’および第1および第2の椎弓根スクリュー30、30’を通して椎体Bに調整力を伝達することができる。横方向連結器100、ロッドパーシュエーダ20、およびロッドパーシュエーダ20’は、集合的に剛性構造体を形成する。調整力は、この構造体に直接加えるか、または、この構造体に取り付けられた他の器具によって加えることができる。例えば、横方向連結器100は、ロッドパーシュエーダ20、20’の一方または両方に直接に力を加えることによって、調整力を受けることができる。あるいは、横方向連結器100は、横方向連結器上の調整ねじ260に力を加えることによって、調整力を受けることができる。力は、調整ねじ上の中央ノブ261に取り付ける力付与器具を通して、調整ねじ260に加えることができる。
【0037】
第1および第2の椎弓根スクリュー30、30’は、間隔を置いて配置され、それぞれの切開部I、I’から異なる軌道で延びる。その結果、第1および第2の脊椎ロッドパーシュエーダ20、20’もまた、間隔を置いて配置され、それぞれの切開部I、I’から異なる軌道で延在する。第1および第2の脊椎ロッドパーシュエーダ20、20’の近位端は、固有の間隔Sによって分離される。第1および第2の脊椎ロッドパーシュエーダの異なる軌道は、それぞれの長手方向軸X、X’の間に、角度オフセットαを画定する。横方向連結器100は、第1および第2のロッドパーシュエーダ20、20’の間の間隔Sおよび角度オフセットαの両方に適応するために、複数の調整可能な構成要素を有する。これらの調整可能な構成要素は、より詳細に説明されるが、無限数の間隔および伸長部間の角度オフセットに適応するために、1つ以上の自由度を介して互いに対して移動可能である。
【0038】
図2~4を参照すると、横方向連結器100は、中央ハウジング200、第1の取り付けアセンブリ300、および第2の取り付けアセンブリ400を含んでいる。第1の取り付けアセンブリ300は、第1の脊椎ロッドパーシュエーダ20に脱着可能に取り付けることができる。第2の取り付けアセンブリ400は、第2の脊椎ロッドパーシュエーダ20’に脱着可能に取り付けることができる。中央ハウジング200は、第1の取り付けアセンブリ300と第2の取り付けアセンブリ400とを、調節可能な構成で相互接続する。調節可能な構成によって、横方向結合は、伸長部間の異なる間隔および角度オフセットに適合することができる。
【0039】
第1の取り付けアセンブリ300は、第1の開口312を画定する第1のスリーブ310を含んでいる。第1の開口312は、第1の開口を介して第1のロッドパーシュエーダ20を軸方向に受け入れるようになっている。横方向連結器100はまた、第2の開口を通して第2のロッドパーシュエーダ20’を軸方向に受け入れるように適合された第2の開口412を画定する、第2のスリーブ410を含んでいる。中央ハウジング200は、上部ハウジング部210と下部ハウジング部220とを含んでいる。上部ハウジング部210と下部ハウジング部220とは、クランプ配置で互いに連結されている。このクランプ配置では、上部ハウジング部210及び下部ハウジング部220は、第1のジョイント230及び第2のジョイント240を画定する。
【0040】
第1の取り付けアセンブリ300は、第1のスリーブ310から外側に向かって遠ざかるように延びる第1のシャフト320を含んでいる。第1のジョイント230は、第1のシャフト320を中央ハウジング200に摺動自在に連結している。同様の構成では、第2の取り付けアセンブリ400は、第2のスリーブ410から外側に向かって遠ざかるように延びる第2のシャフト420を含んでいる。第2のジョイント240は、第2のシャフト420を中央ハウジング200に摺動自在に連結している。
【0041】
第1のジョイント230は、中央ハウジング200に対して旋回可能なユニバーサルボールジョイント232を備えている。。ボールジョイント232は、ボールジョイントを通って延びる長手方向通路234を画定する。長手方向通路234は、直線的な摺動関係で第1の取り付けアセンブリ300の第1のシャフト320を受け入れる。この直線的な摺動関係により、第1のシャフト320は、中央ハウジング200に対して第1自由度に沿った長手方向通路234を介して、軸方向に変位可能である。第1のシャフト320はまた、第2自由度で長手方向通路234に対して、軸方向に回転可能である。
【0042】
ボールジョイント232は、中央ハウジング200の上部ハウジング部210と下部ハウジング部220との間に挟持されている。上部ハウジング部210は、凹状のベアリング面212を有している。下部ハウジング部220は、凹状のベアリング面212に対向する、凹状のベアリング面222を有している。ボールジョイント232は、上下のハウジング部210、220の間の決まった場所で旋回するように、ベアリング面212、222と摺動可能に係合する。この配置では、ボールジョイント232は、上下のハウジング部210、220の間で旋回することができる。第1のシャフト320が長手方向通路234内に受け入れられると、第1のシャフトは、中央ハウジング200に対して(第1及び第2の自由度から独立した)第3の自由度で旋回することができる。
【0043】
上下のハウジング部210、220は、第1のジョイント230内の第1のシャフト320の変位を制御するために、クランプの2つの半分を形成する。特に、上部及び下部ハウジング部210、220は、ボールジョイント232に圧縮力を加えるために、一緒にクランプすることができる。長手方向通路234は、第1の端部236と、第1の端部の反対側の第2の端部238とを有する。スロット233の第1のアレイは、長手方向通路234の第1の端部236と交差する。スロット235の第2のアレイは、第2の端部238と交差する。スロット233、235は、長手方向通路234を取り囲む可撓性バネ部237を形成する。バネ部237は、ロック状態で貯蔵されたエネルギーの下で圧縮可能である。ロック状態では、第1のシャフト320は、長手方向通路234を通って軸方向に移動または回転することができず、ボールジョイント232は、上下のハウジング部210、220の間で旋回することができない。ボールジョイント232上の圧縮力の一部が除去されると、バネ部237内に蓄積されたエネルギーが解放され、バネ部を半径方向外方に拡張させる。バネ部237が外側に拡張すると、それらは緩和状態に向かって移動し、その状態では、第1のシャフト上の少なくともある程度の締め付け力が除去される。このクランプ力の除去によって、第1のシャフト320は、長手方向通路234を通って軸方向に移動することができる。また、ボールジョイント232上の圧縮力の除去により、ボールジョイントは、中央ハウジング200の上部ハウジング部210と下部ハウジング部220との間で再び旋回することができる。
【0044】
第1のシャフト320は、第1のスリーブ310に取り付けられた第1のスリーブ端部322を有する。また、第1のシャフト320は、第1のスリーブ端部322に対向する第1の自由端部324を有する。第1の自由端部324は、長手方向通路234を通る第1のシャフト320の軸方向変位を制限するための第1のストッパ326を含む。
【0045】
第1のシャフト320は、長手方向通路234の長手方向軸に平行な第1のシャフト軸321を画定する。第1のシャフト320がボールジョイント232にクランプされていないとき、第1のシャフトは、第2の自由度で長手方向通路234内でその長手方向軸321を中心に回転可能である。
【0046】
第2のジョイント240は、上部ハウジング部210と下部ハウジング部220との間に画定された円筒状スルーボア244を備える。上部ハウジング部210は、凹状チャネル面214を形成する。下部ハウジング部220は、凹状チャネル面224を形成する。凹状チャネル面214、224は、スルーボア244の2つの半分を形成し、上部ハウジング部210及び下部ハウジング部220が互いに接続されるとき、スルーボアを形成する。第2のシャフト420は、長手方向通路234内の第1のシャフト320と同様に、第1の自由度で第2のジョイント240のスルーボア244を介して軸方向に変位可能である。さらに、第2のシャフト420は、スルーボア244の長手方向軸に平行な第2のシャフト軸421を画定する。かくして、第2のシャフト420は、第2の自由度でスルーボア内で第2のシャフト軸421を中心として回転可能である。
【0047】
第2のシャフト420は、第2のスリーブ410に取り付けられた第2のスリーブ端部422と、第2のスリーブ端部に対向する第2の自由端部424とを有する。第2の自由端部424は、第2のジョイント240のスルーボア244を通る第2のシャフト420の軸方向変位を制限するための第2のストッパ426を含む。
【0048】
本開示によるシャフトは、第1のそれぞれのスリーブの向きを調整するために、必要に応じて、その長手方向軸を中心にして完全に360度回転させることができる。しかしながら、スリーブを広い範囲にわたって回転させる必要がないので、多くの用途において、完全な360度の回転は必要ではない。したがって、本開示による取り付けアセンブリは、シャフトの軸方向回転の範囲を制限するための回転リミッタを特徴とすることができる。
【0049】
次に、
図5~
図7を参照すると、第2のシャフト420とスルーボア244との間に、回転リミッタの一例が示されている。第2のシャフト420は、第1の円筒面423および第1の当接面425を画定する切頭円筒形状を有する。第1の円筒面423および第1の当接面425は、切頭円形または「D形状」の形状の軸断面427を形成する。スルーボア244は、第1の円筒状エッジ253および第1の当接エッジ255を有する、同様のD字状断面251を有する。第1の当接面425は、スルーボア244に対する第2のシャフト420の回転中に、第1の当接エッジ255に当接するように構成される。第1の当接面425が第1の当接エッジ255に当接するとき、第1の当接エッジは、第2のシャフト420が、その回転方向にそれ以上回転することを防止する。
【0050】
第1の当接面425は、
図6および
図7に示される2つの相対的な向きで第1の当接エッジ255に当接することができる。
図6および
図7の向きは、40度離れているが、第2のシャフト420の軸方向回転の限界を表している。図示されていないが、第1のシャフト320および長手方向通路234は、それぞれ、40度の範囲を超える第1のシャフトの相対回転を制限する、同一または類似の当接面および当接エッジを有することができることが理解されよう。また、本開示による回転リミッタは、軸方向回転のより小さいまたはより大きな範囲を許容するように構成することもでき、回転を40度に制限する必要はないことが理解されよう。
【0051】
本開示によるスリーブおよびシャフトは、シャフトに対してスリーブの向きを固定する固定ジョイントで相互接続することができる。あるいは、本開示によるスリーブおよびシャフトは、スリーブが1つまたは複数の自由度で軸に対して可動に接続することを可能にする、1つまたは複数の可動ジョイントと相互接続することができる。可動ジョイントは、スリーブが、そのそれぞれの軸に対して1つ以上の平面内で傾斜または旋回されることを可能にし、ロックリング開口部を伸長部の位置および角度により容易に適合させる。本例では、第1のスリーブ310は、ピン接続部343で第1のシャフト320のスリーブ端部322に接続されている。第2のスリーブ410は、クレビスジョイント(clevis joint)441によって第2のシャフト420のスリーブ端部422に接続され、次いで、ピン接続部443によって第2のスリーブに接続される。また、第1のシャフト320のスリーブ端部322は、第1のシャフトの自由端部324と第1のスリーブ310との間に固定された角度オフセットを提供する、曲がり325を有する。
【0052】
上部ハウジング部210と下部ハウジング部220とは、上部ハウジング部と下部ハウジング部とを一緒にクランプ配置で保持する留め具によって、相互接続されている。本開示による横方向連結器は、クランプ配置において上下のハウジング部を相互接続するために、種々の留め具を利用することができる。クランプ配置は、ねじ付きボルト、カムボルト、上下のハウジング部を一緒に引き締めるとともにそれらを離して広げるのに適した他のコネクタを含むが、これに限定されない。この例では、上部ハウジング部210及び下部ハウジング部220は、
図4に最も良く示されているように、調整ねじ260によって相互接続されている。調整ねじ260は、上部ハウジング部210を貫通して延在する上部ボア211を貫通して延びている。上部ボア211は、上方のハウジング部及び下部ハウジング部が組み立てられるとき、下部ハウジング部220内の下部ボア221と軸方向に整列する。下部ボア221は、調整ねじ260上の外側ねじ山263と嵌合する内側ねじ山223を有する。この構成では、調整ねじ260は、外側ねじ山263が下穴の内側ねじ山223と係合するまで、上部ボア211を通って下部ボア221に軸方向に自由に挿入可能である。次いで、調整ねじ260を回転させて、外側ねじ山263を内側ねじ山223と係合させ、調整ねじを下部ボア内に軸方向に前進させることができる。
【0053】
図3に示す上面図を参照すると、調整ねじ260を時計回り方向に回転させて、上部及び下部ハウジング部210、220を一緒に引き締め、クランプ状態にすることができる。クランプ状態では、第1及び第2のシャフト320、420は、中央ハウジング200に対する全ての動きが完全に固定される。すなわち、上部および下部ハウジング部210、220は、第1のシャフト320がボールジョイント232内で摩擦係止され、ボールジョイントに対して軸方向に移動したり、任意の方向に回転したりできないように、一緒に引き締められる。さらに、ボールジョイント232は、ボールジョイントが凹状のベアリング面212、222の間で摩擦係止され、上下のハウジング部の間で任意の方向に旋回できないように、上下のハウジング部210、220によって圧縮される。さらに、第2のシャフト420は、凹状チャネル面214と凹状チャネル面224との間で摩擦係止されている。そのため第2のシャフト420は、軸方向に移動したり、中央ハウジング200に対して任意の方向に回転したりすることができない。
【0054】
また、調整ねじ260を反時計回りに回転させて上下のハウジング部210、220間の接続を緩め、上下のハウジング部が緩和状態になるようにすることもできる。緩和状態では、ボールジョイント232、第1のシャフト320及び第2のシャフト420に対する摩擦力が最小となるとともに、中央ハウジング200に対してそれらを動かすために軸に手動力を加えることによって摩擦力に打ち勝つように、上部及び下部ハウジング部210、220は、より自由に広がって離れる。
【0055】
本開示による横方向連結器は、上部ハウジングおよび下部ハウジングがクランプ状態にないときに、下部ハウジング部および調整スクリューに対して、上部ハウジング部がトグルしたり緩く移動したりしないように、1つまたは複数の構成要素を好ましくは含んでいる。本例では、調整ねじ260と上部ハウジング部210との間に、波形バネ270が挿入されている。波形バネ270は、蓄積されたエネルギーを受けて、調整ねじ260と上部ハウジング部210との間で圧縮される。波形バネ270に蓄積されたエネルギーは、下部ハウジング部220の方向の一定の圧力を上部ハウジング部210に加えて、上部ハウジング部の第1のシャフト320および第2のシャフト420への常時接触を維持する。この常時接触は、調整ねじが緩められ、上部ハウジングおよび下部ハウジングが緩和状態にあるときであっても、上部ハウジング部210が調整ねじ260の周りを緩くトグルしたり、ばたばた動いたり、または他の方法で動くことを防止する。
【0056】
また、本開示による横方向連結器は、アセンブリを固定するとともに構成要素の分解を防止するための、様々な構成要素を有することができる。本例では、上部ハウジング部210及び下部ハウジング部220の他の構成要素からの分解を防止するために、調整ねじ260の狭い端部にナット280が取り付けられている。
図2及び
図4に示すナット280は、溶接によって調整ねじ260の狭い端部に取り付けられている。種々のタイプの留め具を使用して、分解を防止することができることが理解されるであろう。これらの留め具は、溶接、ねじ込み接続、ロッキングピン又は種々の他のタイプの接続によって、調整ねじに接続することができる。
【0057】
次に、
図8~
図12を参照して、第1および第2のスリーブ310、410をより詳細に説明する。スリーブ310、410は、一対の伸長部上にはめられ、これらの伸長部にロックされて、伸長部を1つのユニットとして相互接続するように設計されている。本開示によるスリーブは、異なるタイプの伸長部、異なるタイプのロック機構、または他の設計変数に対応するために、1つまたは複数の設計フィーチャーを有することができる。この例では、第1および第2のスリーブ310、410は同一であり、同じ構成要素の多くが両方のスリーブの図面に見られる。したがって、スリーブ310の特徴のみを説明するが、スリーブ410にも同じ特徴が存在することを理解されたい。
【0058】
第1のスリーブ310は、上部ハウジングセクション313と下部ハウジングセクション319とを有する、中空ハウジング311を含む。上部及び下部ハウジングセクション313、319は、一緒に接続されて、ハウジングセクション間に中空チャンバ314を画定する。中空チャンバ314は、第1のスリーブ310の周囲に実質的に囲まれているが、第1の開口312に向かって開口している。第1の開口312は、円に従う周囲を有し、円の中心を通るスリーブ軸316を画定する。
【0059】
第1のスリーブ310は、チャンバ314の内部に収容されたフローティングロックリング330を有する。ロックリング330は、第1のスリーブ310を伸長部にロックするためのロック位置と、第1のスリーブが伸長部を上下にスライドできるようにするための解除位置との間で、チャンバ314の内側で平行移動可能である。ロックリング330は、円に従う周囲を有する開口331と、円の中心を通るロックリング軸332と、を画定する。ロックリング軸332は、スリーブ軸316と平行である。
【0060】
ロックリング330は、スリーブ軸316を横切る方向に、チャンバ314内で移動可能である。ロック位置において、ロックリング軸332は、
図8に示される第1の距離D1だけ、スリーブ軸316からオフセットされる。解除位置において、ロックリング軸332は、
図10に示される第2の距離D2だけスリーブ軸316からオフセットされる。ロックリング330がロック位置に移動されると、開口331は、第1の開口312との一致が少なくなる。ロックリング330が解除位置に移動されると、開口331は、中央ハウジング200に向かって内側に移動され、開口部が第1の開口312とより一致するようになる。言い換えれば、ロック位置に関連する第1の距離D1は、解除位置に関連する第2の距離D2よりも大きい。必要に応じて、ロックリングが解除位置に移動されたときに、ロックリング軸332がスリーブ軸316と同軸に整列するように、ロックリング330を第1のスリーブ310内に配置することができる。この場合、第2の距離D2はゼロでである。ロックリング軸332がスリーブ軸よりも中央ハウジング200に近い位置に配置されるようにスリーブ軸316を通過して移動するように、ロックリング330を第1のスリーブ310内に配置することができる。この場合、D2は負の値となる。これらの配置のいずれも、ロックリング310の解除位置への移動が、突起をスリーブ軸316から遠ざけるとともに中央ハウジング200に向かって移動させる限り、好適である。第1のスリーブ310は、チャンバ311内にバネ要素318を含んでいる。バネ要素318は、ロックリング330とチャンバ311の内壁315との間で圧縮状態に保持される。この配置では、バネ要素318は、スリーブ軸316に向かって半径方向内側に向けられた付勢力を及ぼし、ロックリングをロック位置に向かって付勢する。本開示によるスリーブは、ロックリングに付勢力を及ぼす種々のバネ要素を含むことができる。バネ要素は、コイルバネ、ディスクバネ、および板バネを含むが、これに限定されない。この例では、バネ要素318は波形バネである。ロックリング330は、開口331の半径方向内方に延びている突起334を含んでいる。突起334は、突起がロック位置にあるときに、(ロック凹部または戻り止めなどの)伸長部上のロック機構に解放可能に係合するように、配置されている。突起334は、前エッジ335、後エッジ336、および前エッジと後エッジとの間のスライドエッジ337を有する。エッジ334、335および336の各々は、伸長部から第1のスリーブ310をロックおよびロック解除する役割を果たす。前エッジ335は、第1のスリーブ310が最初に伸長部の頂部を覆って配置されるときに、伸長部のトップエッジと接触するように設計される。初期配置の間、ロックリング330は、スプリング要素318によってロック位置に付勢され、突起334が第1の開口312内に突出する。前エッジ335は、第1のスリーブ310が伸長部上に下降するときに伸長部の上エッジに当接する、面取り面339を有する。面取りされた面339の方向およびロックリング330の浮遊配置によって、第1のスリーブ310が伸長部の下方に進められるときに、バネ要素318の付勢力に抗して、中央ハウジング200に向かってロックリングが片寄せられる。これにより、突起334が、一時的にロック位置からロック解除位置に移動する。ロックリング330は、スライドエッジ337が伸長部の外側形状に接触するまで片寄せられる。
図11は、伸長部Eの下方に進んでいる第1のスリーブ310およびロックリング330を示しており、伸長部の外側にスライドエッジ337が当接している。
【0061】
伸長部の外側形状が第1のスリーブをそれ以上進ませないようにするまで、第1のスリーブ310を伸長部の外側形状の周囲で下方に進ませることができる。例えば、伸長部の外側形状は、ロックリング330の開口331を通して嵌合することができない拡幅された断面を有していてもよい。したがって、拡幅された断面は、第1のスリーブ310がさらに伸長部下方に移動することを固定することができる。伸長部は、第1のスリーブ310が不用意に反転したり、伸長部を後退させたりすることを防止するために、突起334と係合するように配置された切り欠き又はウインドウを更に含むことができる。このような設計では、第1のスリーブ310は、ロックリング330が拡幅された形状に係合するまで伸長部を下方に進み、その位置で、突起334が切り欠き又はウインドウと整列する。切り欠きまたはウインドウの寸法は、突起がバネ要素318に蓄積されたエネルギーが解放されるように切り欠きまたはウインドウにスナップできるように、突起334の寸法と同じか、またはそれよりわずかに大きい。突起334が切り欠きまたはウインドウに入ると、後エッジ336がウインドウの上エッジに当接し、ロックリング330および第1のスリーブ310が伸長部を上に逆行することを防止する。
図12は、伸長部Eの下方へさらに進ませた第1のスリーブ310及びロックリング330を示している。
図12では、突起334がウインドウW内にスナップしており、後エッジ336がウインドウの上エッジに当接することで、第1のスリーブが反転して伸長部を上方に移動するのを防止している。
【0062】
本開示によるスリーブは、ロックリングをロック位置から移動させ、スリーブを伸長部から取り外すことを可能にする、1つ以上の解放機構を有することができる。本例では、ロックリング330は、ロックリング軸332から半径方向外側に離れて延在するリリースラグ338を含んでいる。スリーブハウジング311は、リリースラグ338が延びる貫通スロット317を画定する。リリースラグ338は、第1のスリーブ310の外側の露出位置に、貫通スロット317から突出する。この露出位置では、リリースラグ338は、ロックリング330をリリース位置に向かって変位させるために、バネ要素318の付勢力に抗して押し下げ可能とされている。これは、突起334を伸長部内のウインドウ又は切り欠きから移動させ、第1のスリーブ310がもはや伸長部から持ち上げられて取り出されることを妨げないようにする。伸長部から第1のスリーブ310を取り外すために、ユーザは、リリースラグ338をスリーブ軸316に向かって内側に押し下げるとともに保持し、突起334がウインドウまたは切り欠きの上に来るまで第1のスリーブを持ち上げることができる。いったん突起334がウインドウ又は切り欠きの上方にあると、第1のスリーブ310が伸長部から持ち上げられるときに、ユーザはリリースラグ338を押し下げ続けることができる。あるいは、ユーザは、リリースラグ338を放すことができる。このとき、スライドエッジ337は、伸長部の外側に当接し、第1のスリーブ310が取り外されるまで、伸長部の外側形状に沿ってスライドするであろう。
本開示は、特定の実施形態に関連するが、本開示は、示された詳細に限定されることを意図しない。むしろ、様々な修正、組み合わせ、置換、および/または再配置が、本明細書に示される構成要素およびそれらの特徴に関してなされ得る。任意のそのような修正、組み合わせ、置換、および/または再配置が、特許請求の範囲の均等物の範囲内で、かつ本開示から逸脱することなく企図される。
【0063】
例えば、本開示による横方向連結器は、
図2および
図3に横方向連結器100で示されるように、中央ハウジングによって相互接続された関連する軸を有する、単一ペアのスリーブを特徴とすることができる。あるいは、本開示による横方向連結器は、中央ハウジングによって相互接続された関連する軸を有する、スリーブの2つ以上のペアを特徴とすることができる。関連する軸および中央ハウジングを有する、スリーブの2つ以上のペアを有する実施形態は、平行に一緒に取り付けられた複数の横方向連結器100として出現しうる。平行配置では、
図3に示す横方向連結器100を、図においてその上方に現れるであろう第2の横方向連結器に取り付けることができるとともに、図においてその下方にある第3の横方向連結器に取り付けることができる。3つの横方向連結器は、調整ねじ又は横方向連結器の他の部分を相互接続するコネクタによって、互いに相互接続することができる。
【0064】
また、本開示による横方向連結器は、
図3に示すように単一の中央ハウジングを特徴とすることができるが、中央ハウジングに接続された3つ以上の取り付けアセンブリを含む。
【0065】
例えば、
図13および
図14は、中央ハウジング2000に接続されている、第1の取り付けアセンブリ3000(第1のスリーブ3100および第1のシャフト3200を有する)、第2の取り付けアセンブリ4000(第2のスリーブ4100および第2のシャフト4200を有する)、および第3の取り付けアセンブリ5000(第3のスリーブ5100および第3のシャフト5200を有する)を有する横方向連結器1000を示している。第1、第2、および第3の取り付けアセンブリ3000、4000、および5000は、中央ハウジングを3つの異なるインプラントまたは伸長部に接続するために、中央ハウジング2000の周りに配置される。
図15および
図16は、中央ハウジング2000’に連結されている、第1の取り付けアセンブリ3000’(第1のスリーブ3100’および第1のシャフト3200’を有する)、第2の取り付けアセンブリ4000’(第2のスリーブ4100’および第2のシャフト4200’を有する)、第3の取り付けアセンブリ5000’(第3のスリーブ5100’および第3のシャフト5200’を有する)、および第4の取り付けアセンブリ6000’(第4のスリーブ6100’および第4のシャフト6200’を有する)を有する、別の横方向連結器1000’を示す。第1、第2、第3および第4の取り付けアセンブリ3000’、4000’、5000’および6000’は、中央ハウジングを4つの異なるインプラントまたは伸長部に接続するために、中央ハウジング2000’の周りに配置される。
【0066】
本開示による実施例は、単一の中央ハウジングに取り付けられた5つ以上の取り付けアセンブリを含むことができることが理解されるであろう。さらに、本開示による実施例は、中央ハウジングに取り外し可能に接続される1つまたは複数の取り付けアセンブリを有することができることが理解されるであろう。中央ハウジングから取り外し可能な取り付けアセンブリは、単一のハウジングへの結合を必要とするインプラントまたは伸長部の数に、横方向連結器を変更して適合させることができる。
【0067】
本発明の第1の態様は、第1のインプラント伸長部20を第2のインプラント伸長部20’に接続するための横方向連結器100;1000;1000’を参照する。横方向連結器100;1000;1000’は、第1の開口312を画定する第1のスリーブであって、第1の開口312を通って第1のインプラント伸長部20を軸方向に受容するように第1の開口312が適合されている、第1のスリーブ310;3100;3100’を備える。横方向連結器100;1000;1000’は、第2の開口412を画定する第2のスリーブであって、第2の開口412を通って第2のインプラント伸長部20’を軸方向に受容するように第2の開口412が適合されている、第2のスリーブ410;4100;4100’を備える。横方向連結器100;1000;1000’は、第1のジョイント230および第2のジョイント240を備える中央ハウジング200;2000;2000’を備える。第1のシャフト320;3200;3200’は、第1のスリーブ310;3100;3100’を中央ハウジング200;2000;2000’の第1のジョイント230に接続する。第2のシャフト420;4200;4200’は、第2のスリーブ410;4100;4100’を中央ハウジング200;2000;2000’の第2のジョイント240に接続する。
【0068】
本発明の第2の態様によれば、第1の態様による横方向連結器100;1000;1000’は、第1のジョイント230が、中央ハウジング200;2000;2000’に対して旋回可能なユニバーサルボールジョイント232を備えることをさらに特徴とする。
【0069】
本発明の第3の態様によれば、第2の態様による横方向連結器100;1000;1000’は、ユニバーサルボールジョイント232が、長手方向通路234と、長手方向通路234の周囲に延在する複数のバネ部237と、を備えることをさらに特徴とする。
【0070】
本発明の第4の態様によれば、第3の態様による横方向連結器100;1000;1000’は、第1のシャフト320;3200;3200’が第1のジョイント230の長手方向通路234を介して軸方向に移動可能であることをさらに特徴とする。
【0071】
本発明の第5の態様によれば、第3または第4の態様による横方向連結器100;1000;1000’は、第1のシャフト320;3200;3200’が、第1のスリーブ310;3100;3100’に取り付けられた第1のスリーブ端部322と、第1のスリーブ端部322とは反対側の第1の自由端部324とを備え、第1の自由端部324が、長手方向通路234を通る第1のシャフト320;3200;3200’の軸方向移動を制限する第1のストッパ326を備えることをさらに特徴とする。
【0072】
本発明の第6の態様によれば、第3、第4または第5の態様による横方向連結器100;1000;1000’は、第1のシャフト320;3200;3200’が、第1のジョイント230の長手方向通路234内で回転可能であることをさらに特徴とする。
【0073】
本発明の第7の態様によれば、第3、第4、第5または第6の態様による横方向連結器100;1000;1000’は、第1のシャフト320;3200;3200’が、第1の当接面425を有する第1のシャフト断面を備え、長手方向通路234が、第1の当接エッジ255を有する通路断面を備え、第1の当接エッジ255が、第1のシャフト320;3200;3200’が長手方向通路234に対して回転する間に第1の当接面425に当接するように構成されているとともに、第1のシャフト320;3200;3200’の回転範囲を制限するように構成されていることをさらに特徴とする。
【0074】
本発明の第8の態様によれば、第1~第7の態様の1つによる横方向連結器100;1000;1000’は、第2のジョイント240が、中央ハウジング200;2000;2000’を貫通する円筒形のスルーボア244をさらに含むことを特徴とする。
【0075】
本発明の第9の態様によれば、第8の態様による横方向連結器100;1000;1000’は、第2のシャフト420;4200;4200’が、第2のジョイント240のスルーボア244を介して軸方向に移動可能であることをさらに特徴とする。
【0076】
本発明の第10の態様によれば、第8または第9の態様による横方向連結器100;1000;1000’は、第2のシャフト420;4200;4200’が、第2のスリーブ410;4100;4100’に取り付けられた第2のスリーブ端部422と、第2のスリーブ端部422の反対側の第2の自由端部424と、を備え、第2の自由端部424が、第2のジョイント240のスルーボア244を通る第2のシャフト420;4200;4200’の軸方向移動を制限する第2のストッパ426を備えることをさらに特徴とする。
【0077】
本発明の第11の態様によれば、第8、第9または第10の態様による横方向連結器100;1000;1000’は、第2のシャフト420;4200;4200’が第2のジョイント240のスルーボア244内で回転可能であることをさらに特徴とする。
【0078】
本発明の第12の態様によれば、第8、第9、第10または第11の態様による横方向連結器100;1000;1000’は、第2のシャフト420;4200;4200’が、第2の当接面を有する第2のシャフト断面を備え、スルーボア244が、第2の当接エッジを有するスルーボア断面を備え、第2の当接エッジが、第2のシャフト420;4200;4200’が長手方向通路234に対して回転する間に第2の当接面に当接するように構成されているとともに、第2のシャフト420;4200;4200’の回転範囲を制限するように構成されていることをさらに特徴とする。
【0079】
本発明の第13の態様によれば、第1~第12の態様の1つによる横方向連結器100;1000;1000’は、中央ハウジング200;2000;2000’が、上部210と、上部210から分離した下部220と、上部210および下部220を通って延びる調整ねじ260と、を備えることをさらに特徴とする。
【0080】
本発明の第14の態様によれば、第13の態様による横方向連結器100;1000;1000’は、中央ハウジング200;2000;2000’の上部210および下部220が、第1のジョイント230内の第1のシャフト320;3200;3200’を解放可能に固定し、第2のジョイント240内の第2のシャフト420;4200;4200’を解放可能に固定する調節可能なクランプを形成することをさらに特徴とする。
【0081】
本発明の第15の態様によれば、第14の態様による横方向連結器100;1000;1000’は、クランプが、調整ねじ260の回転に応じてロック状態に調整可能であり、中央ハウジング200;2000;2000’の上部210および下部220が、ロック状態において一緒に引き締められて第1のジョイント230および第2のジョイント240を圧縮するとともに、中央ハウジング200;2000;2000’に対する第1のシャフト320;3200;3200’および第2のシャフト420;4200;4200’の位置をロックすることをさらに特徴とする。
【0082】
本発明の第16の態様によれば、第14または第15の態様による横方向連結器100;1000;1000’は、クランプが、調整ねじ260の回転に応じてロック解除条件に調整可能であり、中央ハウジング200;2000;2000’の上部210および下部220がロック解除状態において離れて広がることで、第1のシャフト320;3200;3200’および第2のシャフト420;4200;4200’を中央ハウジング200;2000;2000’に対して移動可能にすることをさらに特徴とする。
【0083】
本発明の第17の態様によれば、第13、第14、第15または第16の態様による横方向連結器100;1000;1000’では、調整ねじ260が外側ねじ山263を備えており、中央ハウジング200;2000;2000’の下部220が、内側ねじ山223を有するボア221を画定しており、外側ねじ山263が内側ねじ山223と嵌合することをさらに特徴とする。
【0084】
本発明の第18の態様によれば、第1~第17の態様の1つによる横方向連結器100;1000;1000’は、第1のスリーブ310;3100;3100’および第2のスリーブ410;4100;4100’のうちの少なくとも1つが、スリーブ軸316およびチャンバ314を画定することをさらに特徴とする。
【0085】
本発明の第19の態様によれば、第18の態様による横方向連結器100;1000;1000’は、第1のスリーブ310;3100;3100’および第2のスリーブ410;4100;4100’のうちの少なくとも1つが、ロックリング軸332を画定するロックリング330を備え、ロックリング330は、スリーブ軸316を横切る方向にチャンバ314内で移動可能であることをさらに特徴とする。
【0086】
本発明の第20の態様によれば、第1~第19の態様の1つによる横方向連結器100;1000;1000’は、ロックリング330が、ロックリング軸332がスリーブ軸316から第1の距離D1だけオフセットされるロック位置と、ロックリング軸332がスリーブ軸316から第2の距離D2だけオフセットされる解除位置との間で、第1のスリーブ310;3100;3100’および第2のスリーブ410;4100;4100’のうちの少なくとも1つに対して移動可能であり、第1の距離D1が第2の距離D2より大きいことをさらに特徴とする。
【0087】
本発明の第21の態様によれば、第19または第20の態様による横方向連結器100;1000;1000’は、第1のスリーブ310;3100;3100’および第2のスリーブ410;4100;4100’のうちの少なくとも1つが、ロックリング330をロック位置に向かって付勢するためにロックリング330に付勢力を及ぼすバネ要素318をチャンバ314内に備えることをさらに特徴とする。
【0088】
本発明の第22の態様によれば、第19、第20または第21の態様による横方向連結器100;1000;1000’は、ロックリング330が、開口312内に半径方向内向きに延びる突起334を備え、突起334は、ロックリング330がロック位置にあるとき、第1のインプラント伸長部20および第2のインプラント伸長部20’のうちの1つと解放可能に係合するように開口312内に配置されることをさらに特徴とする。
【0089】
本発明の第23の態様によれば、第19、第20、第21または第22の態様による横方向連結器100;1000;1000’は、ロックリング330が、ロックリング軸332から離れるように半径方向外向きに延びるリリースラグ338を備え、第1のスリーブ310;3100;3100’および第2のスリーブ410;4100;4100’のうちの少なくとも1つが、リリースラグ338が延びている貫通スロット317を画定することをさらに特徴とする。
【0090】
本発明の第24の態様によれば、第23の態様による横方向連結器100;1000;1000’は、リリースラグ338が貫通スロット317を通って露出位置に突出しており、露出位置においてリリースラグ338が、ロックリング330を解除位置に向かって移動させるために、バネ要素318の付勢力に抗して押し下げ可能とされていることをさらに特徴とする。
【0091】
代替的な第25の態様によれば、本発明は、第1のインプラント伸長部20を第2のインプラント伸長部20’に接続するための横方向連結器100;1000;1000’を参照する。横方向連結器は、第1の開口312を画定する第1のスリーブであって、第1の開口312を通って第1のインプラント伸長部20を軸方向に受容するように第1の開口312が適合されている、第1のスリーブ310;3100;3100’と、第2の開口412を画定する第2のスリーブであって、第2の開口412を通って第2のインプラント伸長部20’を軸方向に受容するように第2の開口412が適合されている、第2のスリーブ410;4100;4100’と、中央ハウジング(200;2000;2000’)と、第1のスリーブ310;3100;3100’を中央ハウジング200;2000;2000’に接続する第1のシャフト320;3200;3200’と、第2のスリーブ410;4100;4100’を中央ハウジング200;2000;2000’に接続する第2のシャフト420;4200;4200’と、を備える。第1のシャフト320;3200;3200;3200’および第2のシャフト4200;4200;4200;4200’の少なくとも一方が、中央ハウジング200;2000;2000’の可動ジョイントによって中央ハウジング200;2000;2000’に接続されている。
【0092】
第26の態様によれば、第25の態様による横方向連結器1000;1000’では、第3のスリーブ5100;5100’が、第3の開口を通って第3のインプラント伸長部を軸方向に受容するように適合されている第3の開口を画定しており、第3のシャフト5200;5200’が、第3のスリーブを中央ハウジング2000;2000’に接続することをさらに特徴とする。
【0093】
第27の態様によれば、第26の態様による横方向連結器1000’は、第4のスリーブ6100’が、第4の開口を通って第4のインプラント伸長部を軸方向に受容するように適合されたている第4の開口を画定しており、第4のシャフト6200’が、第4のスリーブを中央ハウジング2000’に接続することをさらに特徴とする。