(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-13
(45)【発行日】2023-12-21
(54)【発明の名称】エネルギー貯蔵システム用放熱装置およびエネルギー貯蔵システム放熱方法
(51)【国際特許分類】
H01M 10/6566 20140101AFI20231214BHJP
H01M 10/613 20140101ALI20231214BHJP
H01M 50/204 20210101ALI20231214BHJP
H01M 10/6556 20140101ALI20231214BHJP
H01M 10/651 20140101ALI20231214BHJP
H01M 10/6563 20140101ALN20231214BHJP
【FI】
H01M10/6566
H01M10/613
H01M50/204 401H
H01M10/6556
H01M10/651
H01M10/6563
(21)【出願番号】P 2021578228
(86)(22)【出願日】2021-07-27
(86)【国際出願番号】 CN2021108549
(87)【国際公開番号】W WO2022166130
(87)【国際公開日】2022-08-11
【審査請求日】2021-12-28
(31)【優先権主張番号】202110145288.1
(32)【優先日】2021-02-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】522001345
【氏名又は名称】パイロン テクノロジーズ カンパニー リミテッド
【住所又は居所原語表記】5th Floor, No. 71-72, Lane 887, Zu Chongzhi Road, China (Shanghai) Pilot Free Trade Zone, Shanghai 201203 CHINA
(74)【代理人】
【識別番号】110003339
【氏名又は名称】弁理士法人南青山国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】シー,ルー
(72)【発明者】
【氏名】チェン,バイシュアン
(72)【発明者】
【氏名】ユー,シーキャン
【審査官】岩井 一央
(56)【参考文献】
【文献】中国実用新案第212366085(CN,U)
【文献】中国特許出願公開第111697287(CN,A)
【文献】中国実用新案第211605363(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 10/52-10/667
H01M 50/20-50/298
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハウジングを備え、
前記ハウジング内に少なくとも1つのフレームが設置され、前記少なくと
も1つのフレーム内にエネルギー貯蔵システムが配置され、前記少なくとも1つのフレームの頂部に曲面ガイド板が設置され、前記ハウジングの外部に少なくとも1つのエアコンが掛けて設置され、各エアコンの冷風出口が前記曲面ガイド板と接続され、
前記曲面ガイド板の凹面と前記少なくとも1つのフレームとの間にガイドキャビティが形成され、前記ガイドキャビティ内に、前記ガイドキャビティ内の気体の流れ方向を調整するように構成される分流板が設置され
、
前記曲面ガイド板の断面は、扇形を呈する
ことを特徴とするエネルギー貯蔵システム用放熱装置。
【請求項2】
前記エネルギー貯蔵システムは、少なくとも1つの電池モジュールを備える
ことを特徴とする請求項1に記載の放熱装置。
【請求項3】
各フレームに、前記各フレームを貫通する少なくとも1つの電池収容部が設けられ、前記少なくとも1つの電池収容部が、前記少なくとも1つの電池モジュールを配置するように構成される
ことを特徴とする請求項2に記載の放熱装置。
【請求項4】
各フレームに設けられた前記少なくとも1つの電池収容部は、前記各フレームにおいてマトリックス状に配置される
ことを特徴とする請求項3に記載の放熱装置。
【請求項5】
前記曲面ガイド板は、前記少なくとも1つのフレームの長辺の一側に沿って設置される
ことを特徴とする請求項2に記載の放熱装置。
【請求項6】
前記扇形の中心角の範囲は、60°~100°である
ことを特徴とする請求項
1に記載の放熱装置。
【請求項7】
前記扇形の中心角は、90°である
ことを特徴とする請求項
1に記載の放熱装置。
【請求項8】
前記曲面ガイド板と前記少なくとも1つのエアコンの冷風出口との間に通風仕切板が設置され、前記通風仕切板が前記少なくとも1つのフレームの縁部から突出して設置され、
前記通風仕切板に少なくとも1つの冷風口および少なくとも1つの通風口が設けられ、各エアコンの冷風出口が1つの冷風口と接続される
ことを特徴とする請求項1~
7のいずれか1項に記載の放熱装置。
【請求項9】
前記少なくとも1つの冷風口と前記少なくとも1つの通風口とが交互に設けられる
ことを特徴とする請求項
8に記載の放熱装置。
【請求項10】
各通風口に通風口スライド板が可動に設置され、前記通風口スライド板のスライドにより前記各通風口の開放度合を調整するように構成される
ことを特徴とする請求項
8に記載の放熱装置。
【請求項11】
各フレームと前記ハウジングの側壁との間の距離の範囲は、100mm~200mmである
ことを特徴とする請求項1
0に記載の放熱装置。
【請求項12】
前記少なくとも1つのフレームの第1端および第2端にそれぞれ風壁板が設置され、前記ハウジングと、前記風壁板と、前記通風仕切板との間に熱風通路が形成される
ことを特徴とする請求項1
1に記載の放熱装置。
【請求項13】
前記風壁板に風壁板口が開設される
ことを特徴とする請求項1
2に記載の放熱装置。
【請求項14】
前記風壁板口は、前記少なくとも1つのフレームの頂部に近い側に開設される
ことを特徴とする請求項1
3に記載の放熱装置。
【請求項15】
前記風壁板口に風壁板口スライド板が可動に設置され、前記風壁板口スライド板のスライドにより前記風壁板口の開放度合を調整するように構成される
ことを特徴とする請求項1
3に記載の放熱装置。
【請求項16】
前記通風口スライド板および前記風壁板口スライド板のそれぞれに伝動部材が設置され、前記通風口スライド板の伝動部材が、前記通風口スライド板のスライドを駆動可能に構成され、前記風壁板口スライド板の伝動部材が、前記風壁板口スライド板のスライドを駆動可能に構成される
ことを特徴とする請求項1
5に記載の放熱装置。
【請求項17】
ハウジングの、前記熱風通路に位置する側壁に、少なくとも1つの熱風出口が開設される
ことを特徴とする請求項1
2~1
6のいずれか1項に記載の放熱装置。
【請求項18】
熱風出口のそれぞれに、エアコンの還気ファンが1つ設置される
ことを特徴とする請求項1
7に記載の放熱装置。
【請求項19】
前記少なくとも1つのフレームは、対称に設置される2組のフレームを含み、前記2組のフレームの間に冷風通路が形成され、前記曲面ガイド板は2つ有し、各組のフレームの頂部にそれぞれ1つの曲面ガイド板が設置され、前記1つの曲面ガイド板の凹面と前記各組のフレームとの間にそれぞれ1つのガイドキャビティが形成され、2つのガイドキャビティの開口側が対向して設けられる
ことを特徴とする請求項1~1
8のいずれか1項に記載の放熱装置。
【請求項20】
前記分流板は2つ有し、各ガイドキャビティ内にそれぞれ1つの分流板が設置され、前記1つの分流板が前記各ガイドキャビティのそれぞれに傾斜して設置される
ことを特徴とする請求項
19に記載の放熱装置。
【請求項21】
各分流板が位置する平面は、前記2組のフレームの頂面に垂直である
ことを特徴とする請求項2
0に記載の放熱装置。
【請求項22】
各曲面ガイド板の凹面の側にガイドレールが設置され、前記ガイドレールが前記各曲面ガイド板の長手方向に沿って配置され、前記各曲面ガイド板により形成されるガイドキャビティ内の分流板が前記ガイドレールにスライド可能に設置される
ことを特徴とする請求項2
0に記載の放熱装置。
【請求項23】
各分流板に駆動部材が設置され、前記駆動部材が、前記各分流板の、それぞれが位置するガイドレールに沿うスライドを駆動するように構成される
ことを特徴とする請求項2
2に記載の放熱装置。
【請求項24】
ハウジングの、前記熱風通路に位置する側壁に、少なくとも1つの熱風出口が開設され、熱風出口のそれぞれに、エアコンの還気ファンが1つ設置され、
前記少なくとも1つのフレームは、対称に設置される2組のフレームを含み、前記2つのフレームの間に冷風通路が形成され、前記曲面ガイド板は2つ有し、各組のフレームの頂部にそれぞれ1つの曲面ガイド板が設置され、前記1つの曲面ガイド板の凹面と前記各組のフレームとの間にそれぞれ1つのガイドキャビティが形成され、2つのガイドキャビティの開口側が対向して設けられ、
前記分流板は2つ有し、各ガイドキャビティ内にそれぞれ1つの分流板が設置され、前記1つの分流板が前記各ガイドキャビティのそれぞれに傾斜して設置され、
各曲面ガイド板の凹面の側にガイドレールが設置され、前記ガイドレールが前記各曲面ガイド板の長手方向に沿って配置され、前記各曲面ガイド板により形成されるガイドキャビティ内の分流板が前記ガイドレールにスライド可能に設置され、
各分流板に駆動部材が設置され、前記駆動部材が、前記各分流板の、それぞれが位置するガイドレールに沿うスライドを駆動するように構成され、
前記少なくとも1つのフレームに少なくとも1つの温度センサが均等に配置され、前記少なくとも1つの温度センサが、前記エネルギー貯蔵システムの温度を測定するように構成され、
前記放熱装置は、各温度センサ、前記駆動部材、前記伝動部材および各エアコンのそれぞれと独立して電気的に接続される制御装置をさらに備え、前記制御装置が、前記少なくとも1つの温度センサから送信されるフィードバック信号を受信し、前記フィードバック信号に基づいて、前記駆動部材の回動、各エアコンの冷凍パラメータおよび前記伝動部材の伸長を制御するように構成され、各エアコンの冷凍パラメータが、前記各エアコンの冷風の量および冷風の温度を調整するためのものであり、前記各エアコンの還気ファンの回転速度が、前記各エアコンの冷風の量に基づいて調整される
ことを特徴とする請求項1
6に記載の放熱装置。
【請求項25】
請求項1~2
4のいずれか1項に記載のエネルギー貯蔵システム用放熱装置を利用するエネルギー貯蔵システム放熱方法であって、
前記少なくとも1つのエアコン内の冷風を、前記曲面ガイド板経由で前記ハウジング内に吹き込み、前記分流板により前記冷風の流れ方向を調整し、エネルギー貯蔵システムに対して冷却、放熱を行うことを含む
ことを特徴とするエネルギー貯蔵システム放熱方法。
【請求項26】
前記少なくとも1つのエアコン内の冷風を、前記曲面ガイド板経由で前記ハウジング内に吹き込み、前記分流板により前記冷風の流れ方向を調整し、前記エネルギー貯蔵システムに対して冷却、放熱を行うことは、
前記少なくとも1つのエアコンにより発生した冷風を、前記曲面ガイド板および前記分流板によりガイドし、冷風通路に吹き込んで前記少なくとも1つのフレームにおけるエネルギー貯蔵システムに対して冷却、放熱を行い、前記冷風を、前記エネルギー貯蔵システムと熱交換させて、そして熱風通路に進入させて少なくとも1つの還気ファンにより排出するステップと、
少なくとも1つの温度センサにより前記エネルギー貯蔵システムの温度が第1温度閾値より高いと検出したとき、制御装置により、冷風の量を増やし、前記冷風の温度を下げ、少なくとも1つの還気ファンの回転速度を上げるように少なくとも1つのエアコンを調整し、前記少なくとも1つの温度センサにより前記エネルギー貯蔵システム内の温度が不均一になったと検出したとき、前記制御装置により駆動部材を制御して前記分流板のガイドレールに沿うスライドを駆動して、冷風の分布を調整するステップと、含む
ことを特徴とする請求項2
5に記載の放熱方法。
【請求項27】
前記第1温度閾値の範囲は、55℃~65℃である
ことを特徴とする請求項2
6に記載の放熱方法。
【請求項28】
前記第1温度閾値の範囲は、45℃~55℃である
ことを特徴とする請求項2
6に記載の放熱方法。
【請求項29】
各エアコンの冷風の量の範囲は、1000m
3/h~2000m
3/hである
ことを特徴とする請求項2
7に記載の方法。
【請求項30】
各エアコンの冷風の量の範囲は、500m
3/h~7000m
3/hである
ことを特徴とする請求項2
7に記載の方法。
【請求項31】
各エアコンの冷風の温度の範囲は、15℃~20℃である
ことを特徴とする請求項2
7に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2021年02月02日に中国専利局に提出された、出願番号が202110145288.1である中国出願に基づいて優先権を主張し、その内容のすべては本出願に参照として取り込まれる。
【0002】
本出願は、エネルギー貯蔵技術の分野に属し、例えば、エネルギー貯蔵システム用放熱装置およびエネルギー貯蔵システム放熱方法に関する。
【背景技術】
【0003】
コンテナ型エネルギー貯蔵システムは、主にコンテナ型マシンルーム、電池パック、バッテリー管理システム(Battery Management System、BMS)、電力変換システム(Power Conversion System、PCS)および補助制御システムなどを含み、補助制御システムとしてほとんどが温度制御システムや消火システムなどである。コンテナ型エネルギー貯蔵システムは、敷地面積が小さく、取付と輸送が便利で、建設周期が短く、環境適応能力が強く、インテリジェント化の程度が高いなどの利点を有する。コンテナ型エネルギー貯蔵システムは、ネットワーク型マイクログリッド、独立型マイクログリッド、分散型発電およびスマートグリッドなどに利用でき、風力や光などの再生可能エネルギーの大規模な利用にサポートできるとともに、移動式非常用電源としても使用できる。
【0004】
実際の作動状況が複雑でありながら不確定であるため、作動状態の複数の単電池間に差があり、電池の作動温度の一致性を確保することが困難である。複数の電池間の温度差が大きくなる場合、電池モジュールの性能および使用寿命が影響され、安全上のリスクを招くこともある。
【0005】
CN109638379Aにおいて、エネルギー貯蔵ユニット用向流型二重ダクト冷却システムが開示された。該システムは、筐体と、ドラフト装置と、エネルギー貯蔵ユニットと、放熱装置とを備える。ドラフト装置、エネルギー貯蔵ユニットおよび放熱装置が前記筐体内に設置され、エネルギー貯蔵ユニットが放熱装置に設置される。筐体に吸気口と吹出口とが設けられ、エネルギー貯蔵ユニットが複数の単セルを含み、単セルの間に隙が設けられ、隙が、空気が流れるための第1風路として形成し、第1風路が、筐体の吸気口および筐体の吹出口と連通する。放熱装置の内部に、第1風路と逆方向の空気の流れの第2風路が設けられ、第2風路が、筐体の吸気口および筐体の吹出口と連通する。第1風路および第2風路による向流型二重風路の冷却システムを形成する。この出願において、向流型二重風路によりエネルギー貯蔵モジュールを冷却すれば、温度均一効果が優れる。しかし、該冷却システムは、異なる作動状態のセルに対して温度均一に制御することを保証できない。
【0006】
CN109037542Aにおいて、放熱性に優れる移動式エネルギー貯蔵電池キャビネットが開示された。該電池キャビネットは、キャビネット本体と、ベースと、液体貯蔵箱とを備え、キャビネット本体がベースの上方に設置されるとともに、キャビネット本体とベースとの接続箇所に1枚の断熱板が設置され、液体貯蔵箱がベースの下に固定され、キャビネット本体とベースの右側とが液体進入管を介して連通し、キャビネット本体とベースの左側とが液体排出管を介して連通する。該出願において、ポンプを利用して液体貯蔵箱内の冷却液を吸い上げてキャビネット本体内部の複数の冷却管路に送入し、アルミニウム製の冷却管路経由でキャビネット本体内部の熱を迅速に吸収し、熱を冷却管路の内部を流れる冷却液に伝達して、キャビネット本体の迅速冷却を実現し、放熱効率が高い。該電池キャビネットにも、電池温度均一性が悪い問題がある。
【0007】
CN111029496Aにおいて、効率よく放熱可能なエネルギー貯蔵電池放熱サポータが開示された。該放熱サポータは、サポータ本体と、強制通風モジュール、水冷放熱シャーシモジュールと、流れ場制御装置モジュールとを備える。強制通風モジュールは、少なくとも1つの通風管路、吸気口および吹出口を含む。各通風管路内にそれぞれ1つの前記流れ場制御装置モジュールが接続され、水冷放熱シャーシモジュールがサポータ本体の底部に設置される。該放熱サポータにおいて、空冷と水冷との2種の冷却モードを結合し、冷却効果が向上し、通風管路とサポータ本体とが一体化され、風路を別途に設けることが不要になるが、該放熱サポータの構造が複雑である。
【0008】
放熱装置は、構造が複雑で、適応性と電池の温度均一性が劣るなどの問題があるため、如何にして放熱装置の構造のシンプルを保証しながらエネルギー貯蔵モジュール内の電池の高い温度均一性および適応性を保証するかという問題の解決が急務になっている。
【発明の概要】
【0009】
本出願は、エネルギー貯蔵システム用放熱装置およびエネルギー貯蔵システム放熱方法を提供し、曲面ガイド板と分流板との結合により、エアコンの冷風の分布を効果的に調整し、エネルギー貯蔵モジュールの温度均一性を保証する。該エネルギー貯蔵システム用放熱装置は、構造がシンプルで、適応性が優れ、放熱効率が高いなどの利点を有する。
【0010】
本出願に係るエネルギー貯蔵システム用放熱装置は、ハウジングを備え、前記ハウジング内に少なくとも1つのフレームが設置され、前記少なくと1つのフレーム内にエネルギー貯蔵システムが配置され、前記少なくとも1つのフレームの頂部に曲面ガイド板が設置され、前記ハウジングの外部に少なくとも1つのエアコンが掛けて設置され、各エアコンの冷風出口が前記曲面ガイド板と接続され、
【0011】
前記曲面ガイド板の凹面と前記少なくとも1つのフレームとの間にガイドキャビティが形成され、前記ガイドキャビティ内に、ガイドキャビティ内の気体の流れ方向を調整するように構成される分流板が設置される。
【0012】
任意選択で、前記エネルギー貯蔵システムは、少なくとも1つの電池モジュールを備える。
【0013】
任意選択で、各フレームに、前記各フレームを貫通する少なくとも1つの電池収容部が設けられ、前記電池モジュールが前記電池収容部内に配置される。
【0014】
任意選択で、各フレームに設けられた前記少なくとも1つの電池収容部は、前記各フレームにおいてマトリックス状に配置される。
【0015】
任意選択で、前記曲面ガイド板は、前記少なくとも1つのフレームの長辺の一側に沿って設置される。
【0016】
任意選択で、前記曲面ガイド板の断面は、扇形を呈する。
【0017】
任意選択で、前記扇形の中心角の範囲は、60°~100°である。例えば、中心角が、60°、65°、70°、75°、80°、85°、90°、95°または100°である。
【0018】
任意選択で、扇形の中心角は、90°である。
【0019】
任意選択で、前記曲面ガイド板と前記少なくとも1つのエアコンの冷風出口との間に通風仕切板が設置され、前記通風仕切板が前記少なくとも1つのフレームの縁部から突出して設置され、前記通風仕切板に少なくとも1つの冷風口および少なくとも1つの通風口が設けられ、各エアコンの冷風出口が1つの冷風口と接続される。
【0020】
任意選択で、前記少なくとも1つの冷風口と少なくとも1つの通風口とが交互に設けられる。
【0021】
任意選択で、各通風口に通風口スライド板が可動に設置され、前記通風口スライド板のスライドにより前記各通風口の開放度合を調整するように構成される。
【0022】
任意選択で、前記フレームとハウジングの側壁との間の距離の範囲は、100mm~200mmであり、例えば、距離が100mm、110mm、120mm、130mm、140mm、150mm、160mm、170mm、180mm、190mmまたは200mmである。
【0023】
任意選択で、前記少なくとも1つのフレームの第1端および第2端にそれぞれ風壁板が設置され、前記ハウジングと、風壁板と、通風仕切板との間に熱風通路が形成される。
【0024】
任意選択で、前記風壁板に風壁板口が開設される。
【0025】
任意選択で、前記風壁板口は、前記少なくとも1つのフレームの頂部に近い側に開設される。
【0026】
任意選択で、前記風壁板口に風壁板口スライド板が可動に設置され、風壁板口スライド板のスライドにより風壁板口の開放度合を調整するように構成される。
【0027】
任意選択で、前記通風口スライド板および風壁板口スライド板のそれぞれに伝動部材が設置され、前記通風口スライド板の伝動部材が、通風口スライド板のスライドを駆動可能に構成され、風壁板口スライド板の伝動部材が、風壁板口スライド板のスライドを駆動可能に構成される。
【0028】
任意選択で、ハウジングの、前記熱風通路に位置する側壁に、少なくとも1つの熱風出口が開設される。
【0029】
任意選択で、熱風出口のそれぞれに、エアコンの還気ファンが1つ設置される。
【0030】
任意選択で、少なくとも1つのフレームは、対称に設置された2組のフレームを含み、前記2組のフレームの間に冷風通路が形成され、前記曲面ガイド板は2つ有し、各組のフレームの頂部にそれぞれ1つの曲面ガイド板が設置され、前記1つの曲面ガイド板の凹面と前記各組のフレームとの間にそれぞれ1つのガイドキャビティが形成され、2つのガイドキャビティの開口側が対向して設けられる。
【0031】
任意選択で、前記分流板は2つ有し、各ガイドキャビティ内にそれぞれ1つの分流板が設置され、前記1つの分流板が前記各ガイドキャビティのそれぞれに傾斜して設置される。
【0032】
任意選択で、各分流板が位置する平面は、前記2組のフレームの頂面に垂直である。
【0033】
任意選択で、各曲面ガイド板の凹面の側にガイドレールが設置され、前記ガイドレールが各曲面ガイド板の長手方向に沿って配置され、前記各曲面ガイド板により形成されるガイドキャビティ内の分流板が前記ガイドレールにスライド可能に設置される。
【0034】
任意選択で、各分流板に駆動部材が設置され、前記駆動部材が、前記各分流板の、それぞれが位置するガイドレールに沿うスライドを駆動するように構成される。
【0035】
任意選択で、前記少なくとも1つのフレームに少なくとも1つの温度センサが均等に配置され、前記少なくとも1つの温度センサが、エネルギー貯蔵システムの温度を測定するように構成され、
【0036】
前記放熱装置は、各温度センサ、駆動部材、伝動部材および各エアコンのそれぞれと独立して電気的に接続される制御装置をさらに備え、前記制御装置が、前記少なくとも1つの温度センサから送信されるフィードバック信号を受信し、フィードバック信号に基づいて、駆動部材の回動、各エアコンの冷凍パラメータおよび伝動部材の伸長を制御するように構成され、各エアコンの冷凍パラメータが、前記各エアコンの冷風の量および冷風の温度を調整するためのものであり、前記各エアコンの還気ファンの回転速度が、前記各エアコンの冷風の量に基づいて調整される。
【0037】
本出願は、上記のエネルギー貯蔵システム用放熱装置を利用するエネルギー貯蔵システム放熱方法を提供する。前記放熱方法は、少なくとも1つのエアコン内の冷風を、曲面ガイド板経由でハウジング内に吹き込み、分流板により冷風の流れ方向を調整し、エネルギー貯蔵システムに対して冷却、放熱を行うことを含む。
【0038】
任意選択で、少なくとも1つのエアコン内の冷風を、曲面ガイド板経由でハウジング内に吹き込み、分流板により冷風の流れ方向を調整し、エネルギー貯蔵システムに対して冷却、放熱を行うことは、
【0039】
少なくとも1つのエアコンにより発生した冷風を、曲面ガイド板および分流板によりガイドし、冷風通路に吹き込んで少なくとも1つのフレームにおけるエネルギー貯蔵システムに対して冷却、放熱を行い、冷風を、エネルギー貯蔵システムと熱交換させて、そして熱風通路に進入させて少なくとも1つの還気ファンにより排出するステップと、
【0040】
少なくとも1つの温度センサによりエネルギー貯蔵システムの温度が第1温度閾値より高いと検出したとき、制御装置により、冷風の量を増やし、冷風の温度を下げ、少なくとも1つの還気ファンの回転速度を上げるように少なくとも1つのエアコンを調整し、少なくとも1つの温度センサによりエネルギー貯蔵システム内の温度が不均一になったと検出したとき、制御装置により駆動部材を制御して分流板をガイドレールに沿うスライドを駆動して、冷風の分布を調整するステップと、を含む。
【0041】
任意選択で、前記第1温度閾値の範囲は、55℃~65℃であり、例えば、第1温度閾値が、55℃、56℃、57℃、58℃、59℃、60℃、61℃、62℃、63℃、64℃または65℃である。
【0042】
任意選択で、各エアコンの冷風の量の範囲は、1000m3/h~2000m3/hであり、例えば、冷風の量が、1000m3/h、1100m3/h、1200m3/h、1300m3/h、1400m3/h、1500m3/h、1600m3/h、1700m3/h、1800m3/h、1900m3/hまたは2000m3/hである。
【0043】
任意選択で、各エアコンの冷風の温度の範囲は、15℃~20℃であり、例えば、温度が、15℃、16℃、17℃、18℃、19℃または20℃である。
【0044】
任意選択で、前記システムは、設備システム、装置システムまたは製造装置を指す。
【0045】
本出願に記載の数値範囲は、上記列挙された値を含むだけでなく、上記数値範囲内の任意の列挙されていない値も含み、文章の長さと簡明の点から考慮して、本出願において、前記範囲に含まれる値をすべて列挙しない。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【
図1】本出願の具体的な一実施形態によるエネルギー貯蔵システム用放熱装置の外観を示す模式図である。
【
図2】本出願の具体的な一実施形態によるエネルギー貯蔵システム用放熱装置のハウジングの内部を示す模式的構成図である。
【
図3】本出願の具体的な一実施形態による通風仕切板の構成模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0047】
本出願の説明において、「中心」、「縦方向」、「横方向」、「上」、「下」、「前」、「後」、「左」、「右」、「鉛直」、「水平」、「頂」、「底」「内」、「外」等の用語で表される方向又は位置関係は、図面に基づくものであり、本出願を簡単および簡略に説明するためのものにすぎず、該当装置又は要素が、必ず特定の方向を有したり、特定の方向に構成されたり、操作されたり、することを明示又は暗示するものではないため、本出願を限定するものではないと理解すべきである。
【0048】
本出願の説明において、明確な定義や限定がない限り、用語の「取付」、「連係」、「接続」を、広義に理解すべきである。例えば、固定接続でもよいし、取外し可能な接続でもよいし、一体的な接続でもよい。そして、機械的な接続でもよいし、電気的な接続でもよい。また、直接接続してもよいし、中間物を介して間接的に接続してもよいし、2つの素子の内部が連通してもよい。当業者は、本出願における上記用語の具体的な意味を、具体的な状況に応じて理解することができる。以下、具体的な実施形態を用いて本出願の技術案を説明する。
【0049】
具体的な一実施形態において、本出願は、エネルギー貯蔵システム用放熱装置を提供する。
図1および
図2に示すように、前記放熱装置は、ハウジング1を備え、ハウジング1内に少なくとも1つのフレーム4が設置され、フレーム4内にエネルギー貯蔵システムが配置され、フレーム4の頂部に曲面ガイド板5が設置され、ハウジング1の外部に少なくとも1つのエアコン2が掛けて設置され、各エアコン2の冷風出口が曲面ガイド板5と接続され、曲面ガイド板5の凹面とフレーム4との間にガイドキャビティが形成され、ガイドキャビティ内に、ガイドキャビティ内の気体の流れ方向を調整するように構成される分流板6が設置される。
【0050】
本出願において、フレーム4の頂部に曲面ガイド板5および分流板6を設置することにより、エアコン2の冷風をフレーム4の頂部から進入させて合理的に分配し、温度の比較的高い箇所に、より多くの冷風を分配するようにして、エネルギー貯蔵システム全体の温度分布を均一にさせ、したがって、電池に良好な作動環境を提供し、エネルギー貯蔵システムの使用寿命を延ばすことができる。該エネルギー貯蔵システム用放熱装置は、構造がシンプルで、適応性が強く、放熱効率が高く、エネルギー貯蔵モジュールの温度均一性が優れるなどの利点を有する。
【0051】
エネルギー貯蔵システムは、少なくとも1つの電池モジュールを備え、フレーム4内に、フレーム4を貫通する少なくとも1つの電池収容部7が設けられ、電池モジュールが電池収容部7に配置される。電池収容部7がフレーム4においてマトリックス状に配置される。
【0052】
曲面ガイド板5は、フレーム4の長辺の一側に沿って設置され、曲面ガイド板5の断面は、扇形を呈する。扇形の中心角の範囲は、60°~100°である。任意選択で、扇形の中心角は、90°である。
【0053】
曲面ガイド板5とエアコン2の冷風出口との間に通風仕切板9が設置され、通風仕切板9がフレーム4の縁部から突出して設置される。
【0054】
図3に示すように、通風仕切板9に少なくとも1つの冷風口10および少なくとも1つの通風口11が設けられ、エアコン2の冷風出口が冷風口10と接続される。冷風口10と通風口11とが交互に設けられる。通風口11に通風口スライド板が可動に設置され、通風口スライド板のスライドにより通風口11の開放度合を調整する。本出願において、通風口11を設けることにより、エアコン2の冷風の量が不足な場合、通風口11により一部の熱風と冷風とを混合して風量を補う。通風口スライド板を設置することにより通風口11の開放度合を制御して、通風口11に入る熱風の量を調整する。
【0055】
フレーム4とハウジング1の側壁との間の距離の範囲は、100mm~200mmである。フレーム4の第1端および第2端にそれぞれ風壁板8が設置され、ハウジング1と、風壁板8と、通風仕切板9との間に熱風通路が形成される。風壁板8に風壁板口が開設され、風壁板口が、風壁板8の、フレーム4の頂部に近い側に開設される。風壁板口に風壁板口スライド板が可動に設置され、風壁板口スライド板のスライドにより風壁板口の開放度合を調整する。通風口スライド板および風壁板口スライド板のそれぞれに伝動部材が設置され、通風口スライド板の伝動部材が、通風口スライド板のスライドを駆動可能に構成され、風壁板口スライド板の伝動部材が、風壁板口スライド板のスライドを駆動可能に構成される。
【0056】
本出願において、冷風によりエネルギー貯蔵システムに対して対流伝熱を行ったあと、冷風が加熱されて熱風になって熱風通路に進入し、風壁板8により、熱風と冷風とが「風壁」を形成し、これよって、熱風の還流が減少し、熱風の大部分がエアコン2の還気により排出される。風壁板口スライド板を設置することにより、熱風の還流比を調整する。
【0057】
ハウジング1の、熱風通路に位置する側壁に、熱風出口が開設される。熱風出口のそれぞれの箇所に、エアコンの還気ファン3が1つ設置される。
【0058】
ハウジング1内に、2組のフレーム4が対称に設置され、2組のフレーム4の間に冷風通路が形成され、2つのガイドキャビティの開口側が対向して設けられる。本出願において、2組のフレーム4を対称に設置するとともに、2つのガイドキャビティの開口側を対向して設けることにより、2組のフレーム4におけるガイドキャビティ内の冷風が2組のフレーム4の間の冷風通路に吹き込み、冷風の分布と対流が向上し、スペース利用効率、および放熱効率を向上させることができる。
【0059】
分流板6は、ガイドキャビティ内に傾斜して設置される。分流板6が位置する平面は、フレームの頂面に垂直である。曲面ガイド板5の凹面の側にガイドレールが設置され、ガイドレールが曲面ガイド板5の長手方向に沿って配置され、分流板6がガイドレールにスレイド可能に設置される。分流板6に駆動部材が設置され、駆動部材が、分流板6のガイドレールに沿うスライドを駆動するように構成される。
【0060】
本出願において、分流板6をガイドレールに設置し、分流板6をスライドさせて調整することにより冷風の分布を制御し、温度の比較的に高い部分に対して分流板6を利用して該部分の冷風の量を増やすように、エネルギー貯蔵モジュールの温度均一性を向上させる。
【0061】
フレーム4に少なくとも1つの温度センサが均等に配置され、温度センサが、エネルギー貯蔵システムの温度を測定するように構成される。放熱装置は、温度センサ、駆動部材、伝動部材、およびエアコン2のそれぞれと独立して電気的に接続される制御装置をさらに備える。制御装置は、温度センサから送信されるフィードバック信号を受信し、フィードバック信号に基づいて、駆動部材の回動、エアコン2の冷凍パラメータおよび伝動部材の伸長を制御するように構成される。各エアコンの冷凍パラメータは、前記各エアコンの冷風の量および冷風の温度を調整するためのものであり、前記各エアコンの還気ファンの回転速度は、前記各エアコンの冷風の量に基づいて調整される。
【0062】
他の具体的な一実施形態において、本出願は、上記のエネルギー貯蔵システム用放熱装置を利用してエネルギー貯蔵システムに対して放熱を行う方法を提供する。前記方法は、下記のステップを含む。
【0063】
(I)エアコン2により発生した冷風を、曲面ガイド板5および分流板6によりガイドし、冷風通路に吹き込んでフレーム4におけるエネルギー貯蔵システムに対して冷却、放熱を行い、冷風を、エネルギー貯蔵システムと熱交換させて、そして熱風通路に進入させて還気ファン3により排出する。
【0064】
(II)温度センサによりエネルギー貯蔵システムの温度が第1温度閾値より高いと検出したとき、制御装置により、冷風の量を増やし、冷風の温度を下げ、還気ファン3の回転速度を上げるようにエアコン2を調整し、温度センサによりエネルギー貯蔵システム内の温度が不均一になったと検出したとき、制御装置により駆動部材を制御して分流板6のガイドレールに沿うスライドを駆動して、冷風の分布を調整する。第1温度閾値の範囲は、55℃~65℃である。
【0065】
各エアコンの冷風の量の範囲が1000m3/h~2000m3/hであり、冷風の温度の範囲が15℃~20℃である。
【0066】
実施例1
本実施例によるエネルギー貯蔵システム用放熱装置は、具体的な一実施形態に記載のエネルギー貯蔵システム用放熱装置をもとにしたものであり、ハウジング1内に、2組のフレーム4が対称に設置され、2組のフレーム4の間に冷風通路が形成され、2つのガイドキャビティの開口側が対向して設けられる。ハウジング1の外部に6つのエアコン2が掛けて設置され、各組のフレーム4が、それぞれ3つのエアコン2に対応する。曲面ガイド板の断面は、扇形を呈し、扇形の中心角が90°である。フレーム4とハウジング1の側壁との間の距離は、150mmである。
【0067】
本実施例による上記のエネルギー貯蔵システム用放熱装置を利用してエネルギー貯蔵システムに対して放熱を行う方法は、下記のステップを含む。
【0068】
(I)エアコン2により発生した冷風を、曲面ガイド板5および分流板6によりガイドし、冷風通路に吹き込んでフレーム4におけるエネルギー貯蔵システムに対して冷却、放熱を行い、冷風を、エネルギー貯蔵システムと熱交換させて、そして熱風通路に進入させて還気ファン3により排出する。
【0069】
(II)温度センサによりエネルギー貯蔵システムの温度が第1温度閾値より高いと検出したとき、制御装置により、冷風の量を増やし、冷風の温度を下げ、還気ファン3の回転速度を上げるようにエアコン2を調整し、温度センサによりエネルギー貯蔵システム内の温度が不均一になったと検出したとき、制御装置により駆動部材を制御して分流板6のガイドレールに沿うスライドを駆動して、冷風の分布を調整する。第1温度閾値は、60℃である。
【0070】
各エアコンの冷風の量が1500m3/hであり、冷風の温度が18℃である。
【0071】
実施例2
本実施例によるエネルギー貯蔵システム用放熱装置は、実施例1に記載のエネルギー貯蔵システム用放熱装置に対して、ハウジング1の外部に8つのエアコン2が掛けて設置され、各組のフレーム4が、それぞれ4つのエアコン2に対応する。曲面ガイド板の断面は、扇形を呈し、扇形の中心角が60°である。フレーム4とハウジング1の側壁との間の距離は、100mmである。
【0072】
本実施例による上記のエネルギー貯蔵システム用放熱装置を利用してエネルギー貯蔵システムに対して放熱を行う方法は、下記のステップを含む。
【0073】
(I)エアコン2により発生した冷風を、曲面ガイド板5および分流板6によりガイドし、冷風通路に吹き込んでフレーム4におけるエネルギー貯蔵システムに対して冷却、放熱を行い、冷風を、エネルギー貯蔵システムと熱交換させて、そして熱風通路に進入させて還気ファン3により排出する。
【0074】
(II)温度センサによりエネルギー貯蔵システムの温度が第1温度閾値より高いと検出したとき、制御装置により、冷風の量を増やし、冷風の温度を下げ、還気ファン3の回転速度を上げるようにエアコン2を調整し、温度センサによりエネルギー貯蔵システム内の温度が不均一になったと検出したとき、制御装置により駆動部材を制御して分流板6のガイドレールに沿うスレイドを駆動して、冷風の分布を調整する。第1温度閾値は、65℃である。
【0075】
各エアコンの冷風の量が2000m3/hであり、冷風の温度が20℃である。
【0076】
実施例3
本実施例によるエネルギー貯蔵システム用放熱装置は、実施例1に記載のエネルギー貯蔵システム用放熱装置に対して、ハウジング1の外部に4つのエアコン2が掛けて設置され、各組のフレーム4が、それぞれ2つのエアコン2に対応する。曲面ガイド板の断面は、扇形を呈し、扇形の中心角が100°である。フレーム4とハウジング1の側壁との間の距離は、200mmである。
【0077】
本実施例による上記のエネルギー貯蔵システム用放熱装置を利用してエネルギー貯蔵システムに対して放熱を行う方法は、下記のテップを含む。
【0078】
(I)エアコン2により発生した冷風を、曲面ガイド板5および分流板6によりガイドし、冷風通路に吹き込んでフレーム4におけるエネルギー貯蔵システムに対して冷却、放熱を行い、冷風を、エネルギー貯蔵システムと熱交換させて、そして熱風通路に進入させて還気ファン3により排出する。
【0079】
(II)温度センサによりエネルギー貯蔵システムの温度が第1温度閾値より高いと検出したとき、制御装置により、冷風の量を増やし、冷風の温度を下げ、還気ファン3の回転速度を上げるようにエアコン2を調整し、温度センサによりエネルギー貯蔵システム内の温度が不均一になったと検出したとき、制御装置により駆動部材を制御して分流板6のガイドレールに沿うスライドを駆動して、冷風の分布を調整する。第1温度閾値は、55℃である。
【0080】
各エアコンの冷風の量が1000m3/hであり、冷風の温度が15℃である。
【0081】
本出願において、フレーム4の頂部に曲面ガイド板5および分流板6を設置することにより、エアコン2の冷風をフレーム4の頂部から進入させて合理的に分配し、温度の比較的高い箇所に、より多くの冷風を分配するようにして、エネルギー貯蔵システムの温度分布を均一にさせ、したがって、電池に良好な作動環境を提供し、エネルギー貯蔵システムの使用寿命を延ばすことができる。該エネルギー貯蔵システム用放熱装置は、構造がシンプルで、適応性が強く、放熱効率が高く、エネルギー貯蔵モジュールの温度均一性が優れるなどの利点を有する。
【符号の説明】
【0082】
1…ハウジング
2…エアコン
3…還気ファン
4…フレーム
5…曲面ガイド板
6…分流板
7…電池収容部
8…風壁板
9…通風仕切板
10…冷風口
11…通風口。