(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-13
(45)【発行日】2023-12-21
(54)【発明の名称】圧縮構成を有する軟質アクチュエータ
(51)【国際特許分類】
H02N 11/00 20060101AFI20231214BHJP
【FI】
H02N11/00 Z
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022091629
(22)【出願日】2022-06-06
(62)【分割の表示】P 2019213882の分割
【原出願日】2019-11-27
【審査請求日】2022-07-21
(32)【優先日】2018-12-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】507342261
【氏名又は名称】トヨタ モーター エンジニアリング アンド マニュファクチャリング ノース アメリカ,インコーポレイティド
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】マイケル・ポール・ロー
【審査官】津久井 道夫
(56)【参考文献】
【文献】特開2001-331249(JP,A)
【文献】特開平07-303381(JP,A)
【文献】特開2007-097292(JP,A)
【文献】特開2017-022926(JP,A)
【文献】特開2013-201798(JP,A)
【文献】特開2014-150600(JP,A)
【文献】米国特許第06477029(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02N 11/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
アクチュエータであって、
中央ブラダを備え、前記中央ブラダは、可撓性ケーシングを含み且つ中央流体チャンバを画定し、前記中央流体チャンバは、誘電性流体を含み、
前記中央ブラダの第1の部分に動作可能に接続された第1の導体と、
前記中央ブラダの前記第1の部分と反対側の第2の部分に動作可能に接続された第2の導体とを備え、前記第1の導体および前記第2の導体は、電源から電気エネルギーを受け取るように動作可能に接続され、
前記アクチュエータは、前記第1の導体および前記第2の導体に電気エネルギーが供給されない非作動モードであるときには少なくとも前記第1の導体と前記第2の導体との間に位置する領域において前記中央ブラダが圧縮構成になるように構成され、
前記アクチュエータは、前記第1の導体および前記第2の導体に電気エネルギーが供給されている作動モードであるときには少なくとも前記第1の導体と前記第2の導体との間に位置する領域において前記中央ブラダが非圧縮構成になるように構成されて
おり、
前記中央流体チャンバは、粒状材料を含み、
前記粒状材料は、前記非作動モードでは前記中央ブラダが前記圧縮構成になることを促進する、アクチュエータ。
【請求項2】
第1の外側ブラダをさらに備え、前記第1の外側ブラダは、可撓性ケーシングを含み且つ第1の外側流体チャンバを画定し、前記第1の外側流体チャンバは、誘電性流体を含み、
前記第1の外側ブラダの第1の部分に動作可能に接続された第3の導体をさらに備え、
前記第1の導体は、前記第1の外側ブラダの第2の部分に動作可能に接続され、前記第2の部分は、前記第1の部分の反対側に位置する、請求項1に記載のアクチュエータ。
【請求項3】
第2の外側ブラダをさらに備え、前記第2の外側ブラダは、可撓性ケーシングを含み且つ第2の外側流体チャンバを画定し、前記第2の外側流体チャンバは、誘電性流体を含み、
前記第2の外側ブラダの第1の部分に動作可能に接続された第4の導体をさらに備え、
前記第2の導体は、前記第2の外側ブラダの第2の部分に動作可能に接続され、前記第2の部分は、前記第1の部分の反対側に位置し、前記第1の外側ブラダと前記第2の外側ブラダは、前記中央ブラダの両側に配置されている、請求項2に記載のアクチュエータ。
【請求項4】
アクチュエータであって、
中央ブラダを備え、前記中央ブラダは、可撓性ケーシングを含み且つ中央流体チャンバを画定し、前記中央流体チャンバは、誘電性流体を含み、
前記中央ブラダの第1の部分に動作可能に接続された第1の導体と、
前記中央ブラダの前記第1の部分と反対側の第2の部分に動作可能に接続された第2の導体とを備え、前記第1の導体および前記第2の導体は、電源から電気エネルギーを受け取るように動作可能に接続され、
前記アクチュエータは、前記第1の導体および前記第2の導体に電気エネルギーが供給されない非作動モードであるときには少なくとも前記第1の導体と前記第2の導体との間に位置する領域において前記中央ブラダが圧縮構成になるように構成され、
前記アクチュエータは、前記第1の導体および前記第2の導体に電気エネルギーが供給されている作動モードであるときには少なくとも前記第1の導体と前記第2の導体との間に位置する領域において前記中央ブラダが非圧縮構成になるように構成されており、
第1の外側ブラダをさらに備え、前記第1の外側ブラダは、可撓性ケーシングを含み且つ第1の外側流体チャンバを画定し、前記第1の外側流体チャンバは、誘電性流体を含み、
前記第1の外側ブラダの第1の部分に動作可能に接続された第3の導体をさらに備え、
前記第1の導体は、前記第1の外側ブラダの第2の部分に動作可能に接続され、前記第2の部分は、前記第1の部分の反対側に位置し、
第2の外側ブラダをさらに備え、前記第2の外側ブラダは、可撓性ケーシングを含み且つ第2の外側流体チャンバを画定し、前記第2の外側流体チャンバは、誘電性流体を含み、
前記第2の外側ブラダの第1の部分に動作可能に接続された第4の導体をさらに備え、
前記第2の導体は、前記第2の外側ブラダの第2の部分に動作可能に接続され、前記第2の部分は、前記第1の部分の反対側に位置し、前記第1の外側ブラダと前記第2の外側ブラダは、前記中央ブラダの両側に配置されており、
前記中央ブラダの前記可撓性ケーシングは、前記第1の外側ブラダの前記可撓性ケーシングおよび前記第2の外側ブラダの前記可撓性ケーシングよりも強度の高い材料から作られている
、アクチュエータ。
【請求項5】
前記中央ブラダの前記可撓性ケーシング、前記第1の外側ブラダの前記可撓性ケーシング、および前記第2の外側ブラダの前記可撓性ケーシングは、絶縁性エラストマーから作られている、請求項3に記載のアクチュエータ。
【請求項6】
前記粒状材料は、前記中央ブラダの前記可撓性ケーシングに少なくとも部分的に埋め込まれている、請求項
1に記載のアクチュエータ。
【請求項7】
システムであって、
アクチュエータを備え、
前記アクチュエータは、
中央ブラダを含み、前記中央ブラダは、可撓性ケーシングを含み且つ中央流体チャンバを画定し、前記中央流体チャンバは、誘電性流体を含み、
前記中央ブラダの両側に動作可能に配置された第1の導体および第2の導体を含み、
電気エネルギーを前記第1の導体および前記第2の導体に供給するように動作可能に接続された電源と、
前記電源から前記アクチュエータへの電気エネルギーの供給を選択的に制御するように動作可能に接続された1つ以上のプロセッサとを備え、
前記アクチュエータは、前記第1の導体および前記第2の導体に前記電源からの電気エネルギーが供給されていない非作動モードであるときには少なくとも前記第1の導体と前記第2の導体との間に位置する領域においては前記中央ブラダが圧縮構成になるように構成され、
前記アクチュエータは、前記第1の導体および前記第2の導体に電気エネルギーが供給されている作動モードであるときには少なくとも前記第1の導体と前記第2の導体との間に位置する領域においては前記中央ブラダが非圧縮構成になるように構成されて
おり、
前記アクチュエータは、前記中央ブラダの前記可撓性ケーシングに少なくとも部分的に埋め込まれた粒子材料をさらに含む、システム。
【請求項8】
入力インターフェイスをさらに含み、
前記電源から前記アクチュエータへの電気エネルギーの供給は、前記入力インターフェイスを介して受信された入力によって制御可能である、請求項
7記載のシステム。
【請求項9】
前記1つ以上のプロセッサに動作可能に接続された1つ以上のセンサをさらに含み、
前記電源から前記アクチュエータへの電気エネルギーの供給は、前記1つ以上のセンサによって取得されたセンサデータに基づいて制御可能である、請求項
7に記載のシステム。
【請求項10】
システムであって、
アクチュエータを備え、
前記アクチュエータは、
中央ブラダを含み、前記中央ブラダは、可撓性ケーシングを含み且つ中央流体チャンバを画定し、前記中央流体チャンバは、誘電性流体を含み、
前記中央ブラダの両側に動作可能に配置された第1の導体および第2の導体を含み、
電気エネルギーを前記第1の導体および前記第2の導体に供給するように動作可能に接続された電源と、
前記電源から前記アクチュエータへの電気エネルギーの供給を選択的に制御するように動作可能に接続された1つ以上のプロセッサとを備え、
前記アクチュエータは、前記第1の導体および前記第2の導体に前記電源からの電気エネルギーが供給されていない非作動モードであるときには少なくとも前記第1の導体と前記第2の導体との間に位置する領域においては前記中央ブラダが圧縮構成になるように構成され、
前記アクチュエータは、前記第1の導体および前記第2の導体に電気エネルギーが供給されている作動モードであるときには少なくとも前記第1の導体と前記第2の導体との間に位置する領域においては前記中央ブラダが非圧縮構成になるように構成されており、
第1の外側ブラダをさらに含み、前記第1の外側ブラダは、可撓性ケーシングを含み且つ第1の外側流体チャンバを画定し、前記第1の外側流体チャンバは、誘電性流体を含み、
第3の導体をさらに含み、前記第3の導体および前記第1の導体は、前記第1の外側ブラダの両側に動作可能に配置され、
前記電源は、前記作動モードでは、前記第1の導体および前記第3の導体が反対の電荷を有し、前記第1の導体および前記第3の導体が互いに吸引するように、電気エネルギーを前記第3の導体に供給する
、システム。
【請求項11】
第2の外側ブラダをさらに含み、前記第2の外側ブラダは、可撓性ケーシングを含み且つ第2の外側流体チャンバを画定し、前記第2の外側流体チャンバは、誘電性流体を含み、
第4の導体をさらに含み、前記第4の導体および前記第2の導体は、前記第2の外側ブラダの両側に動作可能に配置され、
前記電源は、作動モードでは、前記第2の導体および前記第4の導体が反対の電荷を有し、前記第2の導体および前記第4の導体が互いに吸引するように、電気エネルギーを前記第4の導体に供給し、
前記第1の外側ブラダおよび前記第2の外側ブラダは、前記中央ブラダの両側に配置されている、請求項
10に記載のシステム。
【請求項12】
前記中央ブラダの前記可撓性ケーシングは、前記第1の外側ブラダの前記可撓性ケーシングおよび前記第2の外側ブラダの前記可撓性ケーシングよりも強度の高い材料から作られている、請求項
11に記載のシステム。
【請求項13】
アクチュエータであって、
中央ブラダを備え、前記中央ブラダは、可撓性ケーシングを含み且つ中央流体チャンバを画定し、前記中央流体チャンバは、誘電性流体を含み、
前記中央ブラダの第1の部分に動作可能に接続された第1の導体と、
前記中央ブラダの前記第1の部分と反対側の第2の部分に動作可能に接続された第2の導体とを備え、前記第1の導体および前記第2の導体は、前記中央ブラダによって分離され、前記第1の導体および前記第2の導体は、電源から電気エネルギーを受け取るように動作可能に接続され、
第1の外側ブラダをさらに備え、前記第1の外側ブラダは、可撓性ケーシングを含み且つ第1の外側流体チャンバを画定し、前記第1の外側流体チャンバは、誘電性流体を含み、
前記第1の外側ブラダの第1の部分に動作可能に接続された第3の導体をさらに備え、
前記第1の導体は、前記第1の外側ブラダの前記第1の部分と反対側の第2の部分に動作可能に接続され、前記第1の導体および前記第3の導体は、前記第1の外側ブラダによって分離され、
第2の外側ブラダをさらに備え、前記第2の外側ブラダは、可撓性ケーシングを含み且つ第2の外側流体チャンバを画定し、前記第2の外側流体チャンバは、誘電性流体を含み、
前記第2の外側ブラダの第1の部分に動作可能に接続された第4の導体をさらに備え、
前記第2の導体は、前記第2の外側ブラダの前記第1の部分と反対側の第2の部分に動作可能に接続され、前記第2の導体および前記第4の導体は、前記第2の外側ブラダによって分離され、
前記第1の外側ブラダおよび前記第2の外側ブラダは、前記中央ブラダの両側に配置され、
非作動構成においては、前記第1の外側流体チャンバおよび前記第2の外側流体チャンバは中立構成または非圧縮構成になるように構成され、前記中央流体チャンバは圧縮構成になるように構成され、
作動構成においては、前記第1の外側流体チャンバおよび前記第2の外側流体チャンバは圧縮構成になるように構成され、前記中央流体チャンバは非圧縮構成になるように構成される、アクチュエータ。
【請求項14】
前記アクチュエータは、前記第1の導体および前記第2の導体に電気エネルギーが供給されていない非作動モードでは前記中央ブラダが圧縮構成となるように構成され、
前記アクチュエータは、前記第1の導体および前記第2の導体に電気エネルギーが供給されている作動モードでは前記中央ブラダが非圧縮構成になるように構成されている、請求項
13に記載のアクチュエータ。
【請求項15】
粒状材料をさらに含み、
前記粒状材料は、前記中央ブラダの前記可撓性ケーシングに少なくとも部分的に埋め込まれることによって、前記非作動モードでは前記中央ブラダが前記圧縮構成になることを促進する、請求項
14に記載のアクチュエータ。
【請求項16】
前記第3の導体および前記第4の導体の露出部分を実質的に覆う絶縁材料をさらに含む、請求項
13に記載のアクチュエータ。
【請求項17】
前記中央ブラダの前記可撓性ケーシングは、前記第1の外側ブラダの前記可撓性ケーシングおよび前記第2の外側ブラダの前記可撓性ケーシングよりも強度の高い材料から作られている、請求項
13に記載のアクチュエータ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
分野
本明細書に記載の主題は、一般的にアクチュエータに関し、より具体的には軟質アクチュエータに関する。
【背景技術】
【0002】
背景
アクチュエータは、別の素子またはシステムと相互作用するおよび/またはそれらを制御するために、様々な用途に使用されている。アクチュエータは、油圧アクチュエータ、空気圧アクチュエータ、電気アクチュエータ、機械アクチュエータを含み、様々な種類がある。従来の多くのアクチュエータは、剛性材料から作られるまたは剛性構造を含む。最近では、軟質アクチュエータの分野では新たな進歩がある。最近の進展の一例として、液圧増幅自己修復静電アクチュエータと呼ばれているものが挙げられる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
概要
一局面において、本明細書に開示された主題は、アクチュエータに関する。このアクチュエータは、中央ブラダを含む。中央ブラダは、可撓性ケーシングを含み、中央流体チャンバを画定する。中央流体チャンバは、誘電性流体を含む。第1の導体は、中央ブラダの第1の部分に動作可能に接続することができ、第2の導体は、中央ブラダの第1の部分と反対側の第2の部分に動作可能に接続することができる。第1の導体および第2の導体は、電源から電気エネルギーを受け取るように動作可能に接続することができる。アクチュエータは、第1の導体および第2の導体に電気エネルギーが供給されない非作動モードでは中央ブラダが圧縮構成になるように構成されてもよい。また、アクチュエータは、第1の導体および第2の導体に電気エネルギーが供給されている作動モードでは中央ブラダが非圧縮構成になるように構成されてもよい。
【0004】
別の局面において、本明細書に開示された主題は、システムに関する。このシステムは、アクチュエータと、電源と、1つ以上のプロセッサとを含む。1つ以上のプロセッサは、電源からアクチュエータへの電気エネルギーの供給を選択的に制御するように動作可能に接続されている。アクチュエータは、中央ブラダを含む。中央ブラダは、可撓性ケーシングを含むことができ、中央流体チャンバを画定することができる。中央流体チャンバは、誘電性流体を含むことができる。アクチュエータは、中央ブラダの両側に動作可能に配置された第1の導体および第2の導体を含むことができる。電源は、電気エネルギーを第1の導体および第2の導体に供給するように動作可能に接続することができる。アクチュエータは、電源からの電気エネルギーが第1の導体および第2の導体に供給されていない非作動モードでは中央ブラダが圧縮構成になるように構成されてもよい。また、アクチュエータは、第1の導体および第2の導体に電気エネルギーが供給されている作動モードでは中央ブラダが非圧縮構成になるように構成されてもよい。
【0005】
さらに別の局面において、本明細書に開示された主題は、アクチュエータに関する。このアクチュエータは、中央ブラダと、第1の外側ブラダと、第2の外側ブラダとを含む。第1の外側ブラダおよび第2の外側ブラダは、中央ブラダの両側に配置されてもよい。中央ブラダは、中央の流体チャンバを画定する可撓性ケーシングを含む。中央流体チャンバは、誘電性流体を含むことができる。第1の導体は、中央ブラダの第1の部分に動作可能に接続でき、第2の導体は、中央ブラダの第1の部分と反対側の第2の部分に動作可能に
接続することができる。第1の導体および第2の導体は、中央ブラダによって分離されてもよい。第1の導体および第2の導体は、電源から電気エネルギーを受け取るように動作可能に接続することができる。第1の外側ブラダは、可撓性ケーシングを含むことができ、第1の外側流体チャンバを画定することができる。第1の外側流体チャンバは、誘電性流体を含むことができる。第3の導体は、第1の外側ブラダの第1の部分に動作可能に接続することができる。第1の導体は、第1の外側ブラダの第1の部分と反対側の第2の部分に動作可能に接続することができる。したがって、第1の導体および第3の導体は、第1の外側ブラダによって分離されてもよい。第2の外側ブラダは、可撓性ケーシングを含むことができ、第2の外側流体チャンバを画定することができる。第2の外側流体チャンバは、誘電性流体を含むことができる。第4の導体は、第2の外側ブラダの第1の部分に動作可能に接続することができる。第2の導体は、第2の外側ブラダの第1の部分と反対側の第2の部分に動作可能に接続することができる。第2の導体および第4の導体は、第2の外側ブラダによって分離されてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】非作動モードのアクチュエータを示す断面図である。
【
図2】作動モードのアクチュエータを示す断面図である。
【
図4】アクチュエータを使用する方法の一例である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
詳細な説明
本明細書に記載の装置は、作動されていないときに圧縮構成または収縮構成になるように構成された軟質アクチュエータに関する。アクチュエータは、作動されているときに非圧縮または膨張構成になるように構成されてもよい。このようなアクチュエータの利点は、少なくとも、アクチュエータを圧縮構成または収縮構成に維持するために電気エネルギーを供給する必要がないことである。
【0008】
詳細な実施形態は、本明細書に開示される。しかしながら、理解すべきことは、開示された実施形態は、例示のみを意図していることである。したがって、本明細書に開示された特定の構造および機能の詳細は、限定として解釈すべきではなく、単に本明細書の様々な態様を実質的に任意の適切な詳細構造に適用するように当業者に教示するための特許請求の基礎および代表的な基礎として解釈すべきである。また、本明細書に使用された用語および語句は、限定することを意図しておらず、可能な実現例の理解可能な説明を提供することを意図している。
図1~4は、様々な実施形態を示しているが、実施形態は、図示された構造または用途に限定されない。
【0009】
なお、図示を簡単および明瞭にするために、必要に応じて、同様または類似の要素を示す参照番号は、異なる図面に使用される。また、本明細書に記載の実施形態の完全な理解を提供するために、多くの特定の詳細が記載されている。しかしながら、理解すべきことは、当業者は、これらの特定の詳細がなくても、本明細書に記載の実施形態を実施することができることであろう。
【0010】
図1および2を参照して、アクチュエータ100の例が示されている。アクチュエータ100は、少なくとも大部分が軟質の可撓性材料から作られた本体を有することができる。
【0011】
アクチュエータ100は、中央ブラダ112を含むことができる。中央ブラダ112は、中央ケーシング114を含むことができる。中央ケーシング114は、一枚の材料、または互いに接合された複数の別体の材料から作ることができる。中央ケーシング114の
内面115は、中央流体チャンバ116を画定することができる。1つ以上の構成において、中央ブラダ112および/または中央流体チャンバ116は、流体不透過性であってもよい。
【0012】
中央ブラダ112は、任意の適切な材料から作ることができる。例えば、中央ブラダ112は、絶縁材料から作ることができる。絶縁材料は、可撓性であってもよい。絶縁材料は、ポリマーおよび/またはエラストマーポリマー(エラストマー)であってもよい。ポリマーまたはエラストマーは、本質的に、天然または合成であってもよい。1つ以上の構成において、絶縁材料は、シリコーンゴムであってもよい。絶縁材料の追加例は、ニトリル、エチレンプロピレンジエンモノマー(EPDM)、フルオロシリコーン(FVMQ)、フッ化ビニリデン(VDF)、ヘキサフルオロプロピレン(HFP)、テトラフルオロエチレン(TFE)、パーフルオロメチルビニルエーテル(PMVE)、ポリジメチルシロキサン(PDMS)、天然ゴム、ネオプレン、ポリウレタン、シリコーン、またはそれらの組み合わせを含む。
【0013】
アクチュエータ100は、第1の外側ブラダ118および第2の外側ブラダ124を含むことができる。第1の外側ブラダ118および第2の外側ブラダ124は、中央ブラダ112の両側または対向部分に配置することができる。第1の外側ブラダ118および第2の外側ブラダ124は、中央ブラダ112に動作可能に接続することができる。
【0014】
第1の外側ブラダ118は、第1のケーシング120を含むことができる。第1のケーシング120の内面121は、第1の外側流体チャンバ122を画定することができる。1つ以上の構成において、第1の外側ブラダ118および/または第1の外側流体チャンバ122は、流体不透過性であってもよい。第2の外側ブラダ124は、第2のケーシング126を含むことができる。第2のケーシング126の内面127は、第2の外側流体チャンバ128を画定することができる。1つ以上の構成において、第2の外側ブラダ124および/または第2の外側流体チャンバ128は、流体不透過性であってもよい。
【0015】
第1の外側ブラダ118および第2の外側ブラダ124は、絶縁材料から作ることができる。上記で中央ブラダ112に関連して説明した絶縁材料は、第1の外側ブラダ118および第2の外側ブラダ124に同様に適用することができる。第1の外側流体チャンバ122、第2の外側流体チャンバ128および中央流体チャンバ116は、同様の材料から作られてもよい。代替的には、第1の外側流体チャンバ122、第2の外側流体チャンバ128および中央流体チャンバ116のうちの少なくとも1つは、異なる材料から作られてもよい。
【0016】
絶縁材料は、付随の強度を有することができる。1つ以上の構成において、中央ブラダ112を画定する絶縁材料の強度は、第1の外側ブラダ118および第2の外側ブラダ124を画定する絶縁材料の強度よりも大きくてもよい。
【0017】
第1の外側流体チャンバ122、第2の外側流体チャンバ128および中央流体チャンバ116は、実質的に同じサイズ、形状および/または構成を有することができる。代替的には、流体チャンバ116、122、128のうちの1つ以上は、他の流体チャンバ116、122、128とは異なるサイズ、形状および/または構成を有することができる。
【0018】
誘電性流体130、132および134は、中央流体チャンバ116、第1の外側流体チャンバ122および第2の外側流体チャンバ128に各々配置することができる。誘電性流体130、132および134は、任意の適切な材料であってもよい。1つ以上の構成において、誘電性流体130、132および134は、エチレングリコールであっても
よい。誘電性流体130、132および134の追加例は、変圧器油または鉱油を含む。1つ以上の構成において、誘電性流体130、132および134は、脂質系流体、例えば植物油系誘電性流体であってもよい。
【0019】
誘電性流体130、132および134は、様々な付随の特性を有することができる。誘電性流体130、132および134は、付随の誘電率を有することができる。一実施形態において、誘電性流体130、132および134は、1以上、2以上、3以上、4以上、5以上、6以上、7以上、8以上、9以上、10以上、20以上、30以上、40以上、50以上、またはそれ以上の誘電率を有することができる。
【0020】
1つ以上の構成において、誘電性流体130、132および134は、電気破壊耐性を有する流体であってもよい。1つ以上の構成において、誘電性流体130、132および134は、電気絶縁性を提供することができる。1つ以上の構成において、誘電性流体130、132および134は、周囲の導体間のアーク放電を防ぐことができる。
【0021】
1つ以上の構成において、第1の外側流体チャンバ122内の誘電性流体132、第2の外側流体チャンバ128内の誘電性流体134、および中央流体チャンバ116内の誘電性流体130は、同じであってもよい。1つ以上の構成において、1つの流体チャンバ116、122および128に使用された誘電性流体130、132および134は、1つ以上の他の流体チャンバ116、122および128に使用された誘電性流体130、132および134と異なっていてもよい。例えば、中央流体チャンバ116に使用された誘電性流体130は、第1の外側流体チャンバ122に使用された誘電性流体132および第2の外側流体チャンバ128に使用された誘電性流体134と異なっていてもよい。
【0022】
中央ブラダ112は、粒状材料140を含む。一例として、粒状材料140は、内面115または内面115の近くで、少なくとも部分的に中央ケーシング114に埋め込まれてもよい。別の例として、粒状材料140は、任意の適切な方法で、例えば1つ以上の接着剤によって、内面115に接着されてもよい。さらなる例として、粒状材料140は、代替的にまたは追加的に、誘電性流体130に含まれてもよい。
【0023】
粒状材料140のサイズおよび/または組成は、実質的に均一であってもよい。代替的には、粒状材料140のサイズおよび/または組成は、異なってもよい。粒状材料140は、非導電性であってもよい。1つ以上の構成において、粒状材料140は、粒状ガラス、二酸化ケイ素、炭化物、砂および/または砂利を含むことができる。粒状材料140は、中央流体チャンバ116の内面115を粗くすることができる。したがって、内面115の対向部分が近づく(例えば、直接に接触するまたは実質的に隣接する)ときに、内面115の対向部分上の粒状材料140は、互いに係合することによって、内面115の対向部分を一体に維持することができる。以下でより詳細に説明するように、このような相互作用は、中央流体チャンバ116を圧縮状態に維持することを促進することができる。
【0024】
アクチュエータ100は、複数の導体を含むことができる。
図1および2に示す例において、アクチュエータは、第1の導体150と、第2の導体152と、第3の導体154と、第4の導体156とを含むことができる。導体150、152、154および156は、電気エネルギーを伝導することができる。導体150、152、154および156は、任意の適切な材料、例えば、導電性エラストマーから作ることができる。1つ以上の構成において、導体150、152、154および156は、カーボンまたは他の導電性粒子を天然ゴムの全体に分散することによってから作られてもよい。全ての導体150、152、154および156は、同じ材料から作られてもよく、または1つ以上の導体150、152、154および156は、異なる材料から作られてもよい。1つ以上の導体
150、152、154および156は、単一の連続構造によって形成されてもよく、または1つ以上の導体150、152、154および156は、複数の別体構造によって形成されてもよい。
【0025】
第1の導体150および第2の導体152は、中央ブラダ112の両側または対向部分に配置されてもよい。したがって、第1の導体150および第2の導体152は、中央ブラダ112によって分離される。第1の導体150および/または第2の導体152は、任意の適切な方法で中央ブラダ112に動作可能に接続されてもよい。「動作可能に接続される」という用語は、本明細書に使用された場合、直接接続または直接的な物理接触を有しない接続を含む間接接続を含むことができる。第1の導体150および/または第2の導体152は、対応する中央ブラダ112の側面または部分の全体または一部を覆うことができる。
【0026】
第1の導体150および第3の導体154は、第1の外側ブラダ118の両側または対向部分に配置されてもよい。したがって、第1の導体150および第3の導体154は、第1の外側ブラダ118によって分離される。第1の導体150および/または第3の導体154は、任意の適切な方法で第1の外側ブラダ118に動作可能に接続されてもよい。第1の導体150および/または第3の導体154は、対応する第1の外側ブラダ118の側面の全てまたは一部を覆うことができる。
【0027】
第2の導体152および第4の導体156は、第2の外側ブラダ124の両側または対向部分に配置されてもよい。したがって、第2の導体152および第4の導体156は、第2の外側ブラダ124によって分離される。導体152および/または第4の導体156は、任意の適切な方法で第2の外側ブラダ124に動作可能に接続されてもよい。第2の導体152および/または第4の導体156は、対応する第2の外側ブラダ124の側面または部分の全体または一部を覆うことができる。
【0028】
導体150、152、154および156の各々は、電源から電気エネルギーを受け取るように電源に動作可能に接続することができる。したがって、電気エネルギーを各導体に選択的に供給することができる。
【0029】
第1の導体150は、中央ブラダ112と第1の外側ブラダ118との間に動作可能に配置されてもよい。1つ以上の構成において、第1の導体150は、中央ブラダ112および第1の外側ブラダ118によって実質的に封入されてもよい。第2の導体152は、中央ブラダ112と第2の外側ブラダ124との間に動作可能に配置されてもよい。1つ以上の構成において、第2の導体152は、中央ブラダ112および第2の外側ブラダ124によって実質的に封入されてもよい。
【0030】
第3の導体154は、第1の外側ブラダ118と第1の絶縁材料160との間に動作可能に配置されてもよい。第1の絶縁材料160は、第1の導体150の露出部分、例えば、第1の外側ブラダ118によって被覆されていない第1の導体150の部分を実質的に覆うことができる。第4の導体156は、第2の外側ブラダ124と第2の絶縁材料162との間に動作可能に配置されていない。第2の絶縁材料162は、第4の導体156の露出部分、例えば、第2の外側ブラダ124によって被覆されていない第4の導体156の部分を実質的に覆うことができる。第1の絶縁材料160および第2の絶縁材料162は、同じ材料から作られてもよく、異なる材料から作られてもよい。1つ以上の構成において、第1の絶縁材料160および第2の絶縁材料162は、絶縁性エラストマーから作られてもよい。したがって、理解すべきことは、少なくともいくつかの例において、第1の絶縁材料160および第2の絶縁材料162は、アクチュエータの外面を画定することができることである。
【0031】
アクチュエータ100は、任意の適切なサイズおよび/または形状を有することができる。1つ以上の構成において、
図1および2に示されたように、アクチュエータは、全体として、実質的に円形の断面形状を有する実質的に円筒形の形状を有することができる。なお、他の形状も可能である。「実質的に」という用語は、本明細書に使用された場合、この用語が修飾しているもの自身およびその微小変動を含む。したがって、「実質的に円形」という用語は、正確に円形および円形の微小変動を意味する。この特定の例において、微小変動は、通常の製造公差以内、約10°%以内、約5°%以内、約4°%以内、約3°%以内、約2°%以内、または約1°%以内を含むことができる。
【0032】
アクチュエータ100は、非作動モードと作動モードとを有することができる。以下、各モードを順番に説明する。
【0033】
図1は、非作動モードの一例を示している。非作動モードにおいて、電力は、アクチュエータ100の導体150、152、154および156に供給されない。中央流体チャンバ116および/またはアクチュエータ100は、圧縮状態にある。「圧縮状態」とは、アクチュエータおよび/または中央流体チャンバが挟まれ、圧縮されまたは収縮されること、および/または中央流体チャンバの内壁の対向側または部分が中立位置から互いに近接することを意味する。
【0034】
中央流体チャンバ116の圧縮状態は、少なくとも部分的に、中央ブラダ112を画定する材料の強度によるものである。このような材料は、他の力を受けないときに収縮する性質がある。したがって、中央流体チャンバ116内の誘電性流体は、横方向の外側に圧迫される。少なくともいくつかの例において、
図1に示すように、中央流体チャンバ116の1つ以上の側面は、横方向の外側に膨らむことができる。さらに、中央流体チャンバ116の内面115に粒状材料140を設けることによって、内面115の対向部分のロックを促進することができる。
【0035】
非作動モードにおいて、第1の外側流体チャンバ122および第2の外側流体チャンバ128は、例えば、中央流体チャンバ116の収縮によって、中立状態またはわずかに膨張した状態にある。
【0036】
図2は、作動モードの一例を示している。作動モードにおいて、アクチュエータ
100に電力を供給することができる。その結果、第1の導体150および第2の導体152を正に帯電することができ、第3の導体154および第4の導体156を負に帯電することができる。代替的には、第1の導体150および第2の導体152を負に帯電することができ、第3の導体154および第4の導体156を正に帯電することができる。一実施形態において、正の電気エネルギーを第1の導体150および第2の導体152に供給することができ、負の電気エネルギーを第3の導体154および第4の導体156に供給することができる。代替的には、負の電気エネルギーを第1の導体150および第2の導体152に供給することができ、正の電気エネルギーを第3の導体154および第4の導体156に供給することができる。
【0037】
したがって、第1の導体150および第2の導体152は、同様の電荷を有する。その結果、第1の導体150および第2の導体152は、互いに反発する。これにより、中央流体チャンバ116の対向部分が互いに離れるように移動する。この動作によって、中央流体チャンバ116内の誘電性流体130に対する圧力を軽減することができる。また、第1の導体150および第3の導体154は、反対に帯電している。その結果、第1の導体150および第3の導体154は、互いに吸引する。同様に、第2の導体152および第4の導体156は、反対に帯電されている。その結果、第2の導体152および第4の
導体156は、互いに吸引する。第1の導体150と第3の導体154との間の引力および第2の導体152と第4の導体156との間の引力は、第1の導体150と第2の導体152とを互いに離れるようにさらに引き離す傾向がある。したがって、中央流体チャンバ116は、非圧縮状態にある。
【0038】
非圧縮状態は、中央流体チャンバ116の中立状態および/または膨張状態を含むことができる。中央ブラダ112は、横方向の内側に収縮することができる。この場合、中央ブラダ112の側面は、横方向の外側に膨張しない。第1の外側流体チャンバ122および第2の外側流体チャンバ128は、圧縮状態にある。その結果、
第1の外側流体チャンバ122および第2の外側流体チャンバ128内の誘電性流体は、横方向の外側に圧迫される。少なくともいくつかの例において、
図1に示すように、
第1の外側流体チャンバ122および第2の外側流体チャンバ128の1つ以上の側面は、横方向の外側に膨張することができる。
【0039】
アクチュエータ100への電気エネルギーの供給を停止すると、アクチュエータ100は、
図1の圧縮状態に戻ることができる。少なくともいくつかの例において、アクチュエータ100の全体の高さは、非作動モードの場合よりも作動モードの方が大きくなる可能性がある。
【0040】
図3を参照して、1つ以上のアクチュエータ100を含むシステム300が示されている。システム300のいくつかの可能な要素は、
図1に示されており、これから説明する。システム300は、1つ以上の電源310、1つ以上のプロセッサ320、1つ以上のデータストア330、1つ以上のセンサ340、1つ以上の入力インターフェイス350、1つ以上のアクチュエータモジュール360、および/または1つ以上のアクチュエータ100を含むことができる。これらの様々なコンポーネントは、任意の適切な方法で互いに動作可能に接続することができる。
【0041】
理解すべきことは、システム300は、
図1に示されたまたは本明細書に記載された全ての要素を含む必要がないことである。システム300は、
図1に示された様々な要素の任意の組み合わせを含むことができる。また、システム300は、
図1に示された要素のほかに、追加の要素を含むことができる。いくつかの構成において、システム300は、
図1に示された1つ以上の要素を含まなくてもよい。さらに、システム300内の要素は、大きな距離で物理的に分離されてもよい。なお、特定の要素が別々に画定されているが、各要素もしくはその一部またはいずれかの要素もしくはその一部は、ハードウェアおよび/またはソフトウェアを介して合併されてもよく、分離されてもよい。
【0042】
システム300の様々なコンポーネントは、1つ以上の通信ネットワークを介して通信可能にリンクされてもよい。本明細書に使用された「通信可能にリンクされる」という用語は、通信チャネルもしくは経路または別のコンポーネントもしくはシステムを介した直接または間接接続を含むことができる。「通信ネットワーク」とは、1つのソースから別のソースに情報を送信および/または受信するように設計された1つ以上のコンポーネントを意味する。システム300の1つ以上の要素は、適切な通信ソフトウェアを含むおよび/または実行することができる。これによって、様々な要素は、通信ネットワークを介して互いに通信することができ、本明細書に開示された機能を実行することができる。
【0043】
1つ以上の通信ネットワークは、ワイドエリアネットワーク(WAN)、ローカルエリアネットワーク(LAN)、公衆交換電話網(PSTN)、無線ネットワーク、モバイルネットワーク、仮想プライベートネットワーク(VPN)、インターネット、および/または1つ以上のイントラネットとして実装されてもよく、またはこれらを含むがこれらに限定されない。また、通信ネットワークは、1つ以上の短距離無線ネットワークまたは長距離無線ネットワークとして実装されてもよく、またはそれを含んでもよい。短距離無線
ネットワークの場合、例えば、通信ネットワークは、ブルートゥース(登録商標)または1つのIEEE802無線通信プロトコル、例えば802.11a/b/g/i、802.15、802.16、802.20、WPA(Wi-Fi(登録商標) Protected Access)またはWPA2を用いて構築されたローカル無線ネットワークを含むことができる。長距離無線ネットワークの場合、通信ネットワークは、モバイル無線ネットワーク、セルラ無線ネットワークおよび/または衛星無線ネットワークを含むことができ、音声、動画、テキストおよび/またはそれらの任意の組み合わせをサポートすることができる。長距離無線ネットワークの例は、GSM(登録商標)、TDMA、CDMA、WCDMA(登録商標)ネットワークなどを含むことができる。通信ネットワークは、有線通信リンクおよび/または無線通信リンクを含むことができる。通信ネットワークは、上記のネットワークおよび/または他の種類のネットワークの任意の組み合わせを含むことができる。通信ネットワークは、例えば、1つ以上のルータ、1つ以上のスイッチ、1つ以上のアクセスポイント、1つ以上の無線アクセスポイント、1つ以上の送信機、1つ以上の受信機、1つ以上の送受信機および/またはその他を含むことができる。
【0044】
上述したように、システム300は、1つ以上の電源310を含むことができる。電源310は、アクチュエータにエネルギーを与えることができる電源および/またはアクチュエータにエネルギーを与えるように構成された電源であってもよい。例えば、電源310は、1つ以上の電池、1つ以上の燃料電池、1つ以上の発電機、1つ以上の交流発電機、1つ以上の太陽電池、およびそれらの組み合わせを含むことができる。いくつかの構成において、電源310は、正の電気エネルギーおよび/または負の電気エネルギーを供給するように構成されてもよい。
【0045】
システム300は、1つ以上のプロセッサ320を含むことができる。「プロセッサ」とは、本明細書に記載のいずれかのプロセスを実行するまたはこのようなプロセスを実行するまたは実行させる任意の命令を実行するように構成されたコンポーネントまたはコンポーネントのグループを意味する。プロセッサ320は、1つ以上の汎用プロセッサおよび/または1つ以上の専用プロセッサとして実装されてもよい。適切なプロセッサの例として、ソフトウェアを実行できるマイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、DSPプロセッサおよび他の回路を含む。適切なプロセッサのさらなる例として、中央処理装置(CPU)、アレイプロセッサ、ベクトルプロセッサ、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、プログラマブルロジックアレイ(PLA)、特定用途向け集積回路(ASIC)、プログラマブルロジック回路、およびコントローラを含むがこれらに限定されない。プロセッサ320は、プログラムコード内の命令を実行するように構成された少なくとも1つのハードウェア回路(例えば、集積回路)を含むことができる。複数のプロセッサ320を含む構成において、これらのプロセッサは、互いに独立して動作することができ、または1つ以上のプロセッサが互いに組み合わせて動作することができる。
【0046】
プロセッサ320を動作可能に接続することによって、電源310とシステム300のアクチュエータ100および/または他の要素との間の電気エネルギーの供給を制御することができる。プロセッサ320は、電源310とアクチュエータ100との間の電気エネルギーの供給を選択的に調整することができる。電気エネルギーの供給の制御および/または調整は、(例えば、入力インターフェイス350からの)ユーザ入力および/または(例えば、センサ340またはアクチュエータモジュール360からの)自動入力に応じて実行されてもよい。
【0047】
システム300は、一種類以上のデータを格納するための1つ以上のデータストア330を含むことができる。データストア330は、揮発性メモリおよび/または不揮発性メモリを含むことができる。適切なデータストア330の例として、RAM(ランダムアク
セスメモリ)、フラッシュメモリ、ROM(読取専用メモリ)、PROM(プログラム可能な読取専用メモリ)、EPROM(消去可能プログラム可能な読取専用メモリ)、EEPROM(電気的消去可能プログラム可能な読取専用メモリ)、レジスタ、磁気ディスク、光ディスク、ハードドライブ、他の適切な記憶媒体、またはそれらの組み合わせを含む。データストア330は、プロセッサ320のコンポーネントであってもよく、またはデータストア330は、プロセッサ320に動作可能に接続され、プロセッサ320によって使用されてもよい。
【0048】
システム300は、1つ以上のセンサ340を含むことができる。「センサ」とは、何かを直接的または間接的に検出、決定、評価、測定、定量、取得および/または感知することができる任意の装置、素子および/またはシステムを意味する。センサ340は、リアルタイムで情報を検出、決定、評価、測定、定量化および/または感知するように構成することができる。「リアルタイム」という用語は、本明細書に使用された場合、ユーザまたはシステムが特定のプロセスまたは決定を行うために十分に速いスピードで感知する応答レベル、またはプロセッサが外部プロセスに追従することができる応答レベルを意味する。システム300が複数のセンサ340を含む構成において、センサ340は、互いに独立して動作することができ、または1つ以上のセンサが互いに組み合わせて動作することができる。
【0049】
システム300は、1つ以上の入力インターフェイス350を含むことができる。「入力インターフェイス」とは、情報、データ、指令および/または命令を機械に入力することを可能にする任意の装置、コンポーネント、システム、要素または設備、またはそれらの組み合わせを含む。入力インターフェイス350は、ユーザから入力を受け取るように構成することができる。入力インターフェイス350は、例えば、キーパッド、ディスプレイ、タッチスクリーン、マルチタッチスクリーン、ボタン、スイッチ、ダイヤル、ジョイスティック、マウス、トラックボール、マイク、および/またはそれらの組み合わせを含む1つ以上のユーザインターフェイス要素を含むことができる。1つ以上の構成において、入力インターフェイス350は、アクチュエータ100に関連するユーザ入力を受け取るように構成することができる。1つ以上の構成において、入力インターフェイス350は、アクチュエータ100および他のものに関連するユーザ入力を受け取るように構成することができる。
【0050】
上述したように、システム300は、1つ以上のアクチュエータ100を含むことができる。1つ以上のアクチュエータ100は、様々な目的に使用することができる。本明細書に記載のアクチュエータ100に加えて、システム300は、いくつかの可能な例として、モータ、空気圧アクチュエータ、油圧ピストン、リレー、ソレノイド、および/または圧電アクチュエータなどの他の種類のアクチュエータを含んでもよい。
【0051】
システム300は、1つ以上のモジュールを含むことができる。本明細書は、1つ以上のモジュールの少なくとも一部を説明する。モジュールは、プロセッサによって実行されると、本明細書に記載の1つ以上の様々なプロセスを実施するコンピュータ可読プログラムコードとして実装されてもよい。1つ以上のモジュールは、プロセッサ320のコンポーネントであってもよい。また、1つ以上のモジュールは、プロセッサ320に動作可能に接続された他の処理システム上で実行および/または分散されてもよい。モジュールは、1つ以上のプロセッサ320によって実行可能な命令(例えば、プログラムロジック)を含むことができる。代替的にまたは追加的には、1つ以上のデータストア330は、これらの命令を格納することができる。1つ以上の構成において、本明細書に記載された1つ以上のモジュールは、例えば、ニューラルネットワーク、ファジ論理(fuzzy logic)または他の機械学習アルゴリズムなどの人工知能要素または計算知能要素を含むことができる。また、1つ以上の構成において、1つ以上のモジュールは、本明細書に記載された複数のモジュールの間に分配されてもよい。
【0052】
システム300は、1つ以上のアクチュエータモジュール360を含むことができる。アクチュエータモジュール360は、アクチュエータ100を作動する時間を検出および/または決定するように構成することができる。作動時間の検出および/または決定は、入力、条件および/またはイベントに基づいて実行されてもよい。一例として、アクチュエータモジュールは、アクチュエータ100の作動を示す入力インターフェイス上の入力を検出することができる。例えば、ユーザは、アクチュエータ100専用のユーザインターフェイス要素を利用することができる。代替的には、アクチュエータモジュールは、1つ以上のセンサ340によって検出された状態またはイベントに基づいて、アクチュエータ100を作動する時間を決定することができる。また、アクチュエータモジュール360は、電源310からアクチュエータ100への電気エネルギーの供給を制御するように構成することができる。
【0053】
上記で様々な可能のシステム、装置、要素および/または構成要素を説明した。以下、様々な方法を説明する。以下、方法の様々な可能なステップを説明する。以下に説明される方法は、上記で
図1~3に関連して説明した構成に適用することができる。理解すべきことは、これらの方法は、他の適切なシステムおよび構成を用いて実行することもできることである。また、方法は、本明細書に記載されていない他のステップを含んでもよい。実際に、方法は、本明細書に記載された全てのステップを含むことに限定されない。方法の一部を示すブロックは、特定の時系列順序に限定されない。実際に、いくつかのブロックは、図示された順序とは異なる順序で実行されてもよく、および/または少なくとも一部のブロックは、同時に実行されてもよい。
【0054】
説明のために、方法400は、
図1に示すように、アクチュエータ100が非作動モードにあるときから開始することができる。非作動モードにおいて、電気エネルギーは、電源310からアクチュエータ100に供給されない。その結果、中央流体チャンバ116は、圧縮状態にある。一般的に、方法400は、電力を1つ以上のアクチュエータ100に選択的に供給することによって、アクチュエータ100の中央流体チャンバ116を非作動モード時の圧縮構成と作動モード時の非圧縮構成との間に選択的に変形させることを含むことができる。
【0055】
ブロック410において、アクチュエータ100を作動する信号を受信したか否かを判断することができる。この信号は、例えば入力インターフェイス350からのユーザ入力に応答して生成されてもよい。代替的には、この信号は、アクチュエータモジュール360、プロセッサ320および/または1つ以上のセンサ340によって検出されたイベント、条件、または他のパラメータに応答して生成されてもよい。
【0056】
アクチュエータ100を作動する信号を受信しなかった場合、方法400は、終了してブロック410に戻るまたは他のブロックに進むことができる。一方、アクチュエータ100を作動する信号を受信した場合、方法は、ブロック420に進むことができる。ブロック420において、アクチュエータ100を作動することができる。したがって、アクチュエータモジュール360および/またはプロセッサ320は、電源310からアクチュエータ100への電気エネルギーの供給を開始することができる。
【0057】
その結果、第1の導体150および第2の導体152は、同じ電荷に帯電され、互いに反発する。この反発は、反対の電荷を有することによって生じた第1の導体150と第3の導体154との間の引力および第2の導体152と第4の導体156との間の引力によってさらに促進される。その結果、アクチュエータ100の中央流体チャンバ116は、非作動時の圧縮状態から非圧縮状態に膨張することができる。例として、
図2に示すよう
に、非圧縮状態は、ニュートラル状態または膨張状態を含むことができる。この方法は、ブロック430に進むことができる。
【0058】
ブロック430において、アクチュエータ100を停止する信号を受信したか否かを判断することができる。この信号は、例えば入力インターフェイス350からのユーザ入力に応答して生成されてもよい。代替的には、この信号は、アクチュエータモジュール360、プロセッサ320および/または1つ以上のセンサ340によって検出されたイベント、条件、または他のパラメータに応答して生成されてもよい。
【0059】
アクチュエータ100を停止する信号を受信しなかった場合、方法400は、終了してブロック430に戻るまたは他のブロックに進むことができる。一方、アクチュエータ100を停止する信号を受信した場合、方法は、ブロック440に進むことができる。ブロック440において、アクチュエータ100を停止することができる。したがって、アクチュエータモジュール360および/またはプロセッサ320は、電源310からアクチュエータ100への電気エネルギーの供給を停止することができる。
【0060】
方法400は、終了することができる。代替的には、方法400は、ブロック410または他のブロックに戻ることができる。
【0061】
本明細書に記載のアクチュエータは、車両用途および非車両用途を含む様々な用途に使用することができる。理解すべきことは、本明細書に記載の構成は、本明細書に言及された1つ以上の利点を含む多くの利点を提供できることである。例えば、本明細書に記載の構成は、通常圧縮状態にある中央流体チャンバを備えるアクチュエータを提供することができる。したがって、圧縮状態を達成および維持するためにアクチュエータに電力を供給する必要がないため、エネルギーを節約するこができる。
【0062】
図中のフローチャートおよびブロック図は、様々な実施形態に係るシステム、方法およびコンピュータプログラム製品の可能な実装例のアーキテクチャ、機能および動作を示している。したがって、フローチャートまたはブロック図の各ブロックは、特定の論理機能を実現するための1つ以上の実行可能な命令を含むモジュール、セグメント、またはコードの一部を表すことができる。また、いくつかの代替的な実現例において、ブロックに記載されている機能は、図面に記載されている順序とは異なる順序で発生する場合がある。例えば、実際には、関連する機能に応じて、図示されている2つの連続ブロックは、実質的に同時に実行されてもよく、または逆の順序で実行されてもよい。
【0063】
上述したシステム、コンポーネントおよび/またはプロセスは、ハードウェアまたはハードウェアとソフトウェアの組み合わせで実現することができ、1つの処理システムに集中する集中方式で、または異なる要素をいくつかの相互に接続されている処理システムに分散する分散方式で実現することができる。本明細書に記載の方法を実行するように構成されたあらゆる種類の処理システムまたは他の装置を適切に使用することができる。ハードウェアとソフトウェアの典型的な組み合わせは、コンピュータ利用可能なプログラムコードを含む処理システムであってもよい。これらのプログラムコードは、処理システムにロードされ、実行されると、本明細書に記載の方法を実行するように処理システムを制御する。システム、コンポーネントおよび/またはプロセスは、コンピュータ読取可能なストレージ、例えば、コンピュータプログラム製品または他のデータプログラムストレージ装置に格納され、機械によって読み出されると、機械によって実行可能なプログラム命令を具体化することによって、本明細書に記載の方法およびプロセスを実行することができる。これらの要素は、本明細書に記載の方法の実装を可能にする全ての機能を含み、処理システムにロードされるとこれらの方法を実行できるアプリケーション製品に組み込むこともできる。
【0064】
さらに、本明細書に記載の装置は、コンピュータ可読プログラムコードが具現化または格納または記憶する1つ以上のコンピュータ可読媒体に具現化されたコンピュータプログラム製品の形を有してもよい。1つ以上のコンピュータ可読媒体の任意の組み合わせを利用してもよい。コンピュータ可読媒体は、コンピュータ可読信号媒体であってもよく、またはコンピュータ可読記憶媒体であってもよい。「コンピュータ可読記憶媒体」という用語は、非一時的な記憶媒体を意味する。コンピュータ可読記憶媒体は、例えば、電子システム、設備または装置、磁気システム、設備または装置、光学システム、設備または装置、電磁システム、設備または装置、赤外線システム、設備または装置、または半導体システム、設備または装置、またはこれらの任意の適切な組み合わせを含むがこれらに限定されない。コンピュータ可読記憶媒体のより具体的な例(非網羅的なリスト)は、1つ以上のワイヤを備えた電気接続、ポータブルコンピュータディスケット、ハードディスクドライブ(HDD)、ソリッドステートドライブ(SSD)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読取専用メモリ(ROM)、消去可能プログラマブル読取専用メモリ(EPROMまたはフラッシュメモリ)、光ファイバ、ポータブルコンパクトディスク読取専用メモリ(CD-ROM)、デジタル多用途ディスク(DVD)、光学記憶装置、磁気記憶装置、またはこれらの任意の適切な組み合わせを含む。本明細書の文脈において、コンピュータ可読記憶媒体は、命令を実行するためのシステム、設備または装置によって使用されるまたはそれらに関連して使用されるプログラムを含むまたは格納することができる任意の有形媒体であってもよい。
【0065】
コンピュータ可読媒体に具体化されたプログラムコードは、例えば、無線、有線、光ファイバ、ケーブル、RF、またはこれらの任意の適切な組み合わせを含むがこれらに限定されない任意の適切な媒体を用いて送信されてもよい。本構成の態様の動作を実行するためのコンピュータプログラムコードは、Java(登録商標)、スモールトーク(Smalltalk)、C++などのオブジェクト指向プログラミング言語、およびCプログラミング言
語または類似のプログラミング言語などの従来の手続き型プログラミング言語を含む1つ以上のプログラミング言語の任意の組み合わせで書いたものであってもよい。プログラムコードは、スタンドアロンソフトウェアパッケージとして、全てがユーザのコンピュータ上で実行されまたは一部がユーザのコンピュータ上で実行されてもよく、または一部がユーザのコンピュータ上で実行され、一部がリモートコンピュータ上で実行されてもよく、または全てがリモートコンピュータまたはサーバ上で実行されてもよい。後者のシナリオにおいて、リモートコンピュータは、ローカルエリアネットワーク(LAN)またはワイドエリアネットワーク(WAN)を含む任意のネットワークを介して、ユーザのコンピュータに接続されてもよく、または(例えば、インターネットサービスプロバイダーを使用したインターネット経由して)外部コンピュータに接続されてもよい。
【0066】
「a」および「an」という用語は、本明細書に使用された場合、1つまたは2つ以上のものを定義する。「複数」という用語は、本明細書に使用された場合、2つまたは3つ以上のものを定義する。「別の」という用語は、本明細書に使用された場合、少なくとも第2のものまたは更なるものを定義する。「含む」および/または「有する」という用語は、本明細書に使用された場合、含む(すなわち、非限定用語)として定義される。「・・・および・・・の少なくとも1つ」という語句は、本明細書に使用された場合、列挙された1つ以上の項目のあらゆる組み合わせおよび全ての組み合わせを指すまたは包含する。例として、「A、BおよびCの少なくとも1つ」という語句は、Aのみ、Bのみ、Cのみ、またはそれらの任意の組み合わせ(例えば、AB、AC、BCまたはABC)を含む。
【0067】
本発明の態様は、本発明の精神または本質的な性質から逸脱することなく、他の形態で実施することができる。したがって、本発明の範囲を示すものとして、前述の明細書では
なく、以下の特許請求の範囲を参照すべきである。