IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ダート インダストリーズ インコーポレイテッドの特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-13
(45)【発行日】2023-12-21
(54)【発明の名称】部分分配容器
(51)【国際特許分類】
   A47J 47/04 20060101AFI20231214BHJP
【FI】
A47J47/04 A
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2022116259
(22)【出願日】2022-07-21
(65)【公開番号】P2023016764
(43)【公開日】2023-02-02
【審査請求日】2022-07-21
(31)【優先権主張番号】17/381,765
(32)【優先日】2021-07-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】591038831
【氏名又は名称】ダート インダストリーズ インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【弁理士】
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100144451
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 博子
(72)【発明者】
【氏名】アレック ヴェルクリュイセン
【審査官】高橋 武大
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第04166487(US,A)
【文献】米国特許第05236022(US,A)
【文献】実開昭55-133326(JP,U)
【文献】実開昭52-045543(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47J 47/04
B65D 83/06
G01F 11/00、11/18、11/40
A47G 19/34
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
部分分配容器であって、該部分分配容器は、
プラットホーム、前記プラットホームの下方で延び、閉鎖端に終わるカップスロット、および、自由端を有する少なくとも1つのカム棚部を有するベースと、
前記ベース上に支持されているホッパであって、前記ホッパは、貯蔵および分配のために乾燥食品を保持するようになっており、前記ホッパは、前記乾燥食品を分配するための孔手段に向かって繋がる漏斗として形成された底壁を含む、ホッパと、
スライダと、を含み、前記スライダは、スライドノッチであって、該スライドノッチの閉鎖端に向かって延びるスライドノッチを有するブロック用プレートと、前記ブロック用プレートから延びるカップストップと、弛緩位置と圧縮位置の間の付勢された運動のためのカムクランプを有する少なくとも1つのガイドブロックと、を含み、前記スライダは、貯蔵位置と分配位置の間の往復運動のために前記ベース内に取り付けられており、前記ブロック用プレートは、前記プラットホーム上でスライドし、前記ガイドブロックは、前記カム棚部に受け入れられ、前記孔手段は、前記貯蔵位置で前記カップスロットの上方に位置し、前記ブロック用プレートは、前記分配位置で前記孔手段を閉鎖し、
前記貯蔵位置と前記貯蔵位置の間の往復運動のために前記カップスロット内に受け入れるように寸法決めされたカップであって、該カップは、前記乾燥食品を受け入れるためのキャビティを含み、前記キャビティは、前記貯蔵位置で前記孔手段の下方に位置する、カップと、をさらに含む、部分分配容器。
【請求項2】
前記孔手段は、円形であり、前記スライドノッチの前記閉鎖端は、半円形である、請求項1に記載の部分分配容器
【請求項3】
前記カムクランプは、前記貯蔵位置で前記カム棚部内に位置し、前記カム棚部によって前記圧縮位置に付勢され、前記カムクランプは、前記分配位置で前記カム棚部の前記自由端位置し、前記弛緩位置に解放される、請求項1に記載の部分分配容器
【請求項4】
前記圧縮位置にある前記カムクランプは、前記カムクランプと前記カップストップの間に前記キャビティを取り付けるように位置している、請求項3に記載の部分分配容器
【請求項5】
前記少なくとも1つのカム棚部は、2つの前記カム棚部を含み、前記少なくとも1つのガイドブロックおよびカムクランプは、2つの前記ガイドブロックおよびカムクランプを含む、請求項4に記載の部分分配容器
【請求項6】
前記孔手段は、減少された厚さと増大された可撓性を有するスクレーパ部分を含み、前記スクレーパ部分は、前記孔手段が前記ブロック用プレートによって十分に閉鎖されているときに、前記スライドノッチの前記閉鎖端と相互作用するように位置決めされている、請求項1に記載の部分分配容器
【請求項7】
前記孔手段は、前記ホッパに取り付けられたホッパキャップをさらに含む、請求項6に記載の部分分配容器
【請求項8】
前記カムクランプは、前記貯蔵位置で前記カム棚部内に位置し、前記カム棚部によって前記圧縮位置に付勢され、前記カムクランプは、前記分配位置で前記カム棚部の前記自由端位置し、前記弛緩位置に解放される、請求項7に記載の部分分配容器
【請求項9】
前記圧縮位置にある前記カムクランプは、前記カムクランプと前記カップストップの間で前記キャビティを取り付けるように位置する、請求項8に記載の部分分配容器
【請求項10】
前記少なくとも1つのカム棚部は、2つの前記カム棚部を含み、前記少なくとも1つのガイドブロックおよびカムクランプは、2つの前記ガイドブロックおよびカムクランプを含む、請求項9に記載の部分分配容器
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願に対する相互参照
本願は、出典を明示することによって本願の一部とされる、同時係属中の代理人参照番号132122-D200に関連している。
【0002】
連邦政府後援研究
適用なし。
【0003】
本発明は、一般的には、ディスペンサとして一般的に知られている乾燥食品のための部分分配容器に関し、特に、米のような粒状乾燥食品のための分配器に関する。
【0004】
一家のために、時間に亘る消費のために大量に乾燥食品を貯蔵することが一般的である。この目的のために、貯蔵容器を提供することが知られている。また、多くのかかる食品のために、予めセットされた分量のような特定の単位で貯蔵から食品を取り出すことが好ましい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、乾燥食品貯蔵分配器を提供することである。
【0006】
本発明のもう1つの目的は、予めセットされた分量で食品を分配する乾燥食品貯蔵分配器を提供することである。
【0007】
本発明のさらに別の目的は、射出成形を使用して容易に製造される乾燥食品貯蔵分配器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
これらの、および、他の目的は、乾燥食品貯蔵分配器によって達成される。乾燥食品貯蔵分配器は、食品を保持するためのホッパを支持するベースを含み、カバーがホッパを封止する。カップが、ベース内に挿入され、ベースから取り出されることができ、各挿入のときにカップ内に所定量の食品を分配するためにスライダと相互作用する。ホッパは、分配中にホッパからの食品の流れを閉鎖するのを補助するためのスクレーパ部分を含むことができる。
【0009】
上記の本発明の目的および特徴は、同じ参照番号が同じ要素を示している以下の図面を参照して、より詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】作動構成の本発明による部分分配容器の頂面斜視図である。
図2】本発明による部分分配容器の分解頂面斜視図である。
図3図1の線3-3に沿った側面横断面図。
図4】ベースの頂面図である。
図5図4の線5-5に沿った横断面図である。
図6図4の線6-6に沿った横断面図である。
図7】ベースの頂部斜視図である。
図8】ベースの底部斜視図である。
図9】カップの頂部斜視図である。
図10】カップの底部斜視図である。
図11】スライダの頂面図である。
図12】スライダの頂部斜視図である。
図13】スライダの底部斜視図である
図14】係合されていないスライダおよびカップの詳細底部斜視図である。
図15】係合されているスライダおよびカップの詳細底部斜視図である。
図16】ホッパの底部斜視図である。
図17】スクレーパの頂面図である。
図18図17の線18-18に沿った横断面図である。
図19】スクレーパの頂部斜視図である。
図20】スクレーパの底部斜視図である。
図21】貯蔵位置にあるスライダおよびカップの詳細頂面図である。
図22】貯蔵位置にあるスクレーパを示す詳細横断面図である。
図23】部分的に開放した位置にあるスライダおよびカップの詳細頂面図である。
図24】分配位置にあるスライダおよびカップの詳細頂面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図1を参照すると、本発明による部分分配容器(簡略化のため、本願では「分配器」とも呼ばれる)が、全体的に参照番号10によって指示されている。図3を参照すると、分配器10は、一般的に、ベース12、カバー16を備えたホッパ14、並びに、スライダ18、カップ20、および、スクレーパ22を含む。これらの要素は、乾燥食品24を安全に貯蔵し、かつ、分配するように、一緒に働く(図24)。一般的に、乾燥食品24は、ホッパ14内に貯蔵されるようになり、カバー16は、汚染を防止する。ホッパ14は、ベース12によって支持されるが、ベース12はまた、ホッパ14からセットされた量の乾燥食品24を分配するように、スライダ18、カップ20、および、スクレーパ22と一緒に働く。
【0012】
図7および図8を参照すると、ベース12は、底壁26、および、底壁26の周囲から上方に延びる少なくとも1つの側壁28を含む。側壁28は、リム30に向かって延び、側壁28はまた、カップ開口部32の形態の孔を含む。種々の形状が可能であるけれども、ベース12の好ましい形態は、4つの側壁28、および、長手方向端壁の1つを通して延びるカップ開口部32を備えた概して矩形の底壁26として示されている。
【0013】
ベース12の内部は、分配器10の作動のためにスライダ18およびカップ20と協働する。ベース12の内部は、カップ開口部32の上縁と同じ高さに近い高さにプラットホーム34を含む。出発点をしてカップ開口部32を取り、カップ開口部32からベース12の内方に移動すると、カップ20がカップ開口部32を通して受け入れられるときにカップ20を受け入れるように寸法決めされたカップスロット36がある。したがって、カップスロット36は、カップ開口部32の底縁と同じ高さに近い高さにその下端を有する。カップスロット36はまた、カップ20のかなりの部分(好ましくは、実質的にその全体)が受け入れられ、カップスロット36内に貯蔵されることができるように位置決めされた内側閉鎖端38を有する。示されている好ましい実施形態では、(以下により詳細に説明される)同様に形状決めされたカップ20を近接的に受け入れるように、カップスロットは、半円形底を有し、閉鎖端38もまた、半円形である。
【0014】
カップスロット36の少なくとも一方の側では、カップスロット36とプラットホーム34の交差部に、カム棚部40が形成されている。示されている好ましい実施形態では、カップスロット36の各側に1つずつ、2つのカム棚部40がある。さらに、示されている実施形態では、カム棚部は、プラットホーム34から下向きに延びているが、他の構成も可能である。図4および図5に最もよく示されているように、少なくとも1つのカム棚部40は、自由端42で外方に開放することによってカップスロット36の手前で終端する。示されている実施形態では、自由端42は、カム棚部40の鉛直方向壁の横方向開口部によって形成されているが、カム棚部の水平方向壁の鉛直方向開口部のような他の構成も、代替的に、または追加的に使用されることができるであろう。
【0015】
ベース12の種々の他の詳細、またはオプションが可能である。ベース12は、使用者が分配器10の全体を手動で持ち上げることを可能にするための1つまたはそれ以上のハンドル44を含むことができる。ベース12(およびホッパ14)は、ホッパ14がベース12に解放可能にラッチ止めされることを可能にし、ひっくり返る可能性を減少させるためのいくつかの組み合うスロットおよびデテント46を含むことができる。ベース12は、正しい組み立てを確保すべく、ホッパ14とベース12との正しい整合を必要とするように配置された種々の整合リブ48を含むことができる。同様に、ベース12(或いはホッパ14のような他の構成要素)は、正しい整合を示すしるし50を含むことができる。最後に、好ましい形態では、プラットホーム34、カップスロット36、カム棚部40、ハンドル44のような、すべてのその特徴を含むベース12はすべて、射出成形によってモノリシックに形成され、これは、図5図6、および、図8に最もよく示されている。これは好ましいけれども、必要ではなく、プラットホーム34、カップスロット36等は、ベース12に保持され、またはベース12内に保持される1つまたはそれ以上の別個の要素として形成されることもできるであろう。
【0016】
図9および図10を参照して、カップ20が説明される。カップ20は、上向きに開放するキャビティ52、および、キャビティ52から延びるハンドル54を含む。考えられることができるように、キャビティ52は、所定量の乾燥食料24を受け入れ、ハンドル54が、使用者がカップ20を把持し、カップ20を操作することを可能にすることになる。安定のために、ハンドル54は、傾くことなく平らな表面上に載置することを助けるようにカップ20を支持するためにキャビティ52から間隔を隔てて配置されたフット56を含むことが好ましい(が、必要ではない)。示されている好ましい実施形態では、フット56は、カップスロット36内に移動し、或いはカップスロット36から外に移動する間に、カップを直立位置に維持するのを助けるためのスライドリブ58をさらに含む。気づかれるように、好ましい形態では、キャビティ52は、示されているように、半球形であり、かくして、カップスロット36および閉鎖端38は、それらの組み合い半円形形状を取る。キャビティ52(、並びに、かくしてカップスロット36および閉鎖端38)は、矩形、台形等のような他の形状を取ることができる。
【0017】
スライダ18が、図11図13を参照して詳細に説明される。スライダ18は、細長いプレートの形態のブロック用プレート60を含む。ガイド壁62が、ブロック用プレート60の長手方向側部から、また、ブロック用プレート60の後端から上向きに延びている。ブロック用プレート60の前端は、閉鎖端66まで内方に延びるスライドノッチ64を含む。カップストップ68が、スライドノッチ64の閉鎖端66の内方に間隔を隔てた位置でブロック用プレート60から下向きに延びる。スライダ18は、ブロック用プレート60の横方向側部から延びる少なくとも1つのガイドブロック70をさらに含む。ガイドブロック70は、カップストップ68の前方に延びる付勢されたカムクランプ72を取り付け、ガイドブロック70は、カップストップ68と同様にブロック用プレート60の下方で延びている。
【0018】
示されている好ましい実施形態では、少なくとも1つのガイドブロック70は、ブロック用プレート60の各横方向側部から延びる1対のガイドブロック70であり、ガイドブロック70は、ガイドブロック70が、スライダ18が、貯蔵位置と分配位置の間でカップ開口部32に近づくように、およびカップ開口部32から遠ざかるように移動するときにカム棚部40内で、かつカム棚部に沿ってスライド往復するためにカム棚部40に受け入れられるように寸法決めされ、位置決めされる。付勢されたカムクランプ72は、それらの弛緩状態(図11図14)で、カムクランプ72が横方向外方に延びるが、圧縮状態(図15)で横方向内方に弾性的に付勢されることができるように形成されている。示されている好ましい実施形態では、スライダ18は、モノリシックな射出成形された部品として形成されており、スライダ18を形成するために使用される弾性性質は、スライドブロック70とカムクランプ72の間にリビングヒンジを創り出す。図14図15の比較によって示されているように、カップストップ68およびカムクランプ72は、キャビティ52がカップストップ68に当接した状態で、カムクランプ72がカップ20のキャビティ52を部分的に取り囲むことができるように構成されている(図15)。
【0019】
ホッパ14は、図2図3、および、図16に最もよく示されている。ホッパ14は、底壁74、および、底壁から上方に延びる1つまたはそれ以上の側壁76を含む概して凹形の貯蔵ビンであり、側壁76は、リム78に終端している。カバー16は、このリム78上に載置する(、或いはより好ましくは、このリム78に封止されるようになる)。ベース12についてあるように、好ましい形態では、底壁74は、概して矩形の周囲を有し、4つの側壁76があるが、他の構成も可能である。側壁76の少なくとも一部は、図1および図3に示されているように、ベース12上にホッパ14を支持すべく、ベース12のリム30に係合するための棚部78を含むことができる。
【0020】
図3および図18に最もよく示されているように、底壁74は、孔80に下向きに繋がる漏斗として形成されており、孔80は、乾燥食品24が重力によって通過して流れることを十分に可能にするように寸法決めされている。底壁74の漏斗の深さは、(図1および図3にあるように)組み立てられたときに、孔80が、該孔80を十分にブロックすることができるスライダ18のブロック用プレート60に当たる摺接嵌合部を有するようにセットされている。特に、この嵌合部は、ブロック用プレート60によって十分にブロックされたときに乾燥食品24が孔80から出るのを実質的に防止するようになっている。孔80はまた、カップ20がその貯蔵位置(図3図21、および、図22)でベース12内に作動的に挿入されるときに、カップ20のキャビティ52上に横たわるように形成されている。同様に、スライダ18のスライドノッチ64は、孔80の幅ときわめて同様な幅を有し、このスライドノッチは、スライダ18が貯蔵位置にあるときに孔80の下にある位置でブロック用プレート60上に置かれる。図21に最もよく示されているように、スライドノッチ64の閉鎖端66はまた、スライダ18が貯蔵位置にあるときに孔80に隣接して位置する。
【0021】
分配器10の作動を、図3および図21図24を参照して説明する。分配器10およびその構成要素の貯蔵位置が、図3図21、および、図22に示されている。この貯蔵位置で、スライダ18は、ベース12内に十分に挿入されており、ガイドブロック70およびカムクランプ72は、それらの関連したカム棚部40に受け入れられており、カップストップ68は、カップスロット36またはその近くにある。他の構成要素が使用されることができるであろうが、スライダ18は、1)ガイドブロック70がカム棚部40の端に衝合する、2)カムストップ68が閉鎖端38に衝合する、或いは3) 1)および2)の両方によってさらなる内方への移動が防止される(かくして、貯蔵位置で停止される)ことが好ましい。スライドノッチ64および閉鎖端は、ホッパ14の孔80を近接して取り囲むが、実質的にブロックしない。
【0022】
カップ20はまた、この貯蔵位置でカップスロット36内の最大挿入位置にある。示されている好ましい実施形態では、カップ20のハンドル54の長さは、美的目的のためにこの貯蔵位置でカップ開口部32と整合するように寸法決めされる。カップ20のキャビティ52は、孔80の下に位置する。そのようにして、図22に示されているように、乾燥食料24は、ホッパ14からスライドノッチ64を通してカップ20のキャビティ52内に自由に流入することができる。キャビティ52が乾燥食品24で充填されるときに、カップ20内にすでに分配された乾燥食品24は、乾燥食品24が孔80を通してさらに流れるのをブロックするのに役立つようになる。そのようにして、図22に示されているように、ホッパ14からスライドノッチ64を通ってカップ20のキャビティ内に自由に流入することができる。キャビティ52が乾燥食品24で充填されると、カップ20内にすでに分配された乾燥食品24は、孔80を通って乾燥食品24がさらに流れることをブロックするのに役立つようになる。そのようにして、貯蔵位置にあるときに、乾燥食品24は、図22に示されているように、部分的にだけキャビティ52を充填するようになる。
【0023】
図3に示されているように、カップ20は、スライダ18のカップストップ68に衝合しているか、或いは近接的に隣接している。スライダ18に対するこの位置で、かつ、カム棚部20によりカムクランプ72が圧縮状態にあるときに、カップ20は、図15に示されているように、スライダ18によって保持されるようになる。特に、スライダ18に対するカップ20の内方への移動は、カップストップ68によってブロックされ、スライダ18に対するカップ20の外方への移動は、カムクランプ72によってブロックされる。そのようにして、カップ20およびスライダ18は、この位置でユニットとして移動するようになる。使用者が、ハンドル54を手動で外方に引くと、カップ20およびスライダ18は、ユニットとして共に一緒に外方にスライドするようになる。特に、カップ20は、カムクランプ72に衝合し、カップ20の外方への運動は、同様にカムクランプ72(および、かくしてスライダ18)を外方に押しやる。
【0024】
この外方へのスライド中の中間位置が、図23に示されている。ここで、カップ20は、カムクランプ72がカム棚部40内になお位置決めされており、かくして、キャビティ52のまわりでそれらの圧縮状態に押しやられているときには、スライダ18によってなお保持されている。カップ20のハンドル54は、カップ開口部32から部分的に延びている。スライダ18の運動に伴い、スライドノッチ64の閉鎖端66は、孔80の周囲内に移動されており、そのようにして、ブロック用プレート60は、孔80を部分的に閉鎖している。考えられるように、さらに外方に移動されると、閉鎖端66は、孔80の反対側の周囲にますます近づき、遂には、閉鎖端66は、孔80を越えて通過し、ブロック用プレート60は、ホッパ14の孔80を十分に閉鎖し、ホッパからの分配を防止する。
【0025】
分配位置が、図24に示されている。カップ20を手動でさらに外方に移動させると、カップ20は、スライダ18を、カムクランプ72がカム棚部40の自由端42に入る箇所まで外に引き出し、カムクランプ72は、それらの弛緩状態(図14)まで拡張する。カムクランプ72が弛緩され、拡張すると、カムクランプ72は、もはやカップ20に衝合せず、カップ20は、もはやユニットとしてスライダ18に連結されない。図24に示されているように、スライダ18は、かくして外方への移動をやめるようになる。スライダ18のこの分配位置で、ブロック用プレート60は、ホッパ14の孔80を十分に閉鎖し、乾燥食品24の流れを防止する。ブロック用プレート60の表面上に不意に逃げた乾燥食品24はいずれも、ガイド壁62によって収容されるようになる。ハンドル54をさらに手動で移動させることにより、かくして、カップ20は、図24に示されているように、自身で外方に引き出されるようになる。手動による移動を継続すると、カップ20は、ベース12から十分に取り出され、キャビティ52は、乾燥食品24で充填される。この箇所で、使用者は、手動で乾燥食品を、調理ポット、ミキシングボウル、サービングボウル等に注ぎ入れることができる。
【0026】
分配位置から貯蔵位置に戻る移動は、一般的に上記の移動と反対である。使用者は、手動でカップ20をカップスロット32内に挿入し、カップ20を、図24に対応する、カップスロット36に挿入することを始める。継続的挿入により、カップ20は、最終的にスライダ18上でカップストップ68に衝合する。この箇所から、カップ20をさらに手動で挿入すると、またスライダ18を内方に押すようになる。スライダ18が内方に移動するときに、カムクランプ72は、自由端42から出て、カム棚部40に入るようになる。これにより、カムクランプ72は、図23に示されているように、弛緩状態から圧縮状態に移動させられる。スライダ18のこの移動中に、ブロック用プレート60は、孔80の下にスライドされたこととなる。最終的に、スライドノッチ64の閉鎖端66は、孔80の周囲を横切り、孔80は、図23に再び示されているように、開放され始めるようになる。カップ20のキャビティ52は、この箇所ですでに孔80の下に位置決めされており、そのようにして、乾燥食品24は、再び空のキャビティ52に流入するようになる。
【0027】
スライダ18とカップ20の組み合わせユニットが継続的に挿入されることで、最終的に、スライダ18またはカップ20は、衝合部に係合されるようになり、さらなる挿入を防止する。留意されるように、これは、カップストップ68がカップスロット34の閉鎖端66に衝合することであるか、或いは、ガイドブロック70がカム棚部40の閉鎖端に衝合することであるか、或いは、カップ20自身がいくつかの仕方で(例えば、フット56がカップスロット36の組み合い部分に衝合することによって)ベース12に衝合することであり得るであろう。この時点で、スライダ18は、貯蔵位置内に十分に挿入されるようになり、そのようにして、閉鎖端66は孔80を越えて通過したこととなり、孔80は、スライドノッチ64によって十分に取り囲まれ、かくして、分配のために十分に開放することになる。上記したように、カップ20中への乾燥食品24の流入が、最終的に、乾燥食品自身の蓄積によってブロックされるようになる。このようにして、反復可能な量の乾燥食品24がカップ20によって分配されることができる。
【0028】
この説明は、実施例を提供するけれども、望ましいことができるこの基本的な発明に対するいくつかの改良がある。第1は、孔80、および、スライドノッチ64の閉鎖端66の形状である。一般的に説明したように、孔は、正方形、六角形等を含む種々の形状を取ることができるであろう。考えられるように、孔80は、正方形として形成され、閉鎖端66は、スライドノッチ64と垂直なマッチングする平らな壁である。閉鎖端66が分配位置に向かって移動し、孔80を閉鎖するときに、一緒になるこれらの2つの平らな縁はこれらの要素の間に乾燥食品24をクランプする傾向があり得る。これは、閉鎖をブロックし、或いは、乾燥食品24のブロックを生じさせてスライダ18のさらなる移動を強いることがあるであろう。しかしながら、好ましい実施形態は、示されているものであり、孔80のためには円形であり、閉鎖端66のためには半円形である。このように孔80と閉鎖端66を形成することにより、これらの2つの要素は、図23に示されているように、孔80の閉鎖中にレンズ形状を創出するようにされる。孔80が閉鎖されているときのこれらの要素の角度的および湾曲された出会い箇所は、乾燥食品24の粒をホッパ14またはカップ20に導くことに役立ち、より円滑な閉鎖を提供することができる。そのようにして、これらの円形形態が、好ましい。
【0029】
もう1つの潜在的な改良は、孔80にスクレーパ部分82を設けることである。スクレーパ部分82は、ワイパーブレードと同様に、減少された厚さと増大された可撓性をもつことになる。スクレーパ部分82は、該スクレーパ部分82が、スライダ18が貯蔵位置から分配位置に移動するときに閉鎖端66によって遭遇される孔80の最終位置であるように、カップ開口部32に隣接して位置するようになる。スクレーパ部分は、ホッパ14とモノリシカルに形成されることができる(図示せず)。好ましい実施形態では、スクレーパ部分82は、孔80においてホッパ14によって取り付けられたホッパキャップ84によって創出される。かくして、ホッパキャップ84は、シリコーンまたは可撓性ポリプロピレンのようなホッパ14のために使用される材料と異なるより柔軟な材料で形成されることができる。図17図20および図22に示されているように、ホッパキャップ84は、例えば、ねじ山(図示せず)または圧力摩擦嵌めによって、ホッパ14に対する確実な嵌合部を密接に受け入れ、形成する形状を有する。
【0030】
ホッパキャップ84は、掃除のためにホッパキャップ84を容易に取り外すためのタブ86のような使用の容易さのための種々の特徴を含むことができる。ホッパキャップ84はまた、増大された高さの領域88を含むことができ、および/または、ホッパキャップ84を取り付けるための種々の組み合いタブ/スロット組み合わせ90が、正しい位置に取り付けられることができる。円形孔80のこの好ましい形態では、スクレーパ部分は、約60°を覆い、図23の孔80を閉鎖するレンズ領域と比較すると、スクレーパ部分84は、孔の閉鎖中閉鎖端66と相互作用するための孔の最後の部分となることがわかる。スクレーパ部分84の増大された可撓性と減少された厚さは、孔80の閉鎖を改善するために、乾燥食品24をどかせるよう移動させるのを助けるようになる。スクレーパ部分82およびホッパキャップ84が各々独立的に任意であるならば、用語「孔手段」は、これを一般的に言及するために使用することとなる。特に、用語「孔手段」は、スクレーパ部分82を含む或いは含まない孔80、ホッパキャップ84を備えない孔80、孔80に取り付けるホッパキャップ84、および、スクレーパ部分82を備えるまたは備えないホッパキャップ84を包含することを意図している。
【0031】
以上から、本発明は、その構造内に固有であるその他の利点と一緒に上記のすべての目的を達成するのによく適していることがわかるであろう。
【0032】
いくつかの特徴およびサブコンビネーションは、有用性を有し、他の特徴およびサブコンビネーションを参照することなく採用されることができることが理解されるであろう。これは、特許請求の範囲によって考えられ、特許請求の範囲の範囲内にある。
【0033】
多くの可能な実施形態が、本発明の範囲から逸脱することなく本発明で作られることができるので、添付の図面に示されている本願のすべての主題は、制限的な仕方でなく、例示的なものとして解釈されるべきであることが理解されるべきである。
【符号の説明】
【0034】
10 分配器
12 ベース
14 ホッパ
16 カバー
18 スライダ
20 カップ
22 スクレーパ
24 乾燥食品
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24