(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-13
(45)【発行日】2023-12-21
(54)【発明の名称】応答玩具および主玩具体
(51)【国際特許分類】
A63H 33/26 20060101AFI20231214BHJP
A63H 3/04 20060101ALI20231214BHJP
A63H 5/00 20060101ALI20231214BHJP
A63H 33/00 20060101ALI20231214BHJP
A63H 33/22 20060101ALI20231214BHJP
【FI】
A63H33/26 A
A63H3/04 A
A63H5/00 C
A63H33/00 P
A63H33/22 A
(21)【出願番号】P 2022122927
(22)【出願日】2022-08-01
(62)【分割の表示】P 2021116698の分割
【原出願日】2014-03-31
【審査請求日】2022-08-24
(73)【特許権者】
【識別番号】000135748
【氏名又は名称】株式会社バンダイ
(72)【発明者】
【氏名】餘目 淳史
【審査官】柳 重幸
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-004316(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63H 1/00-37/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
使用者によって把持可能な主玩具体、及び識別情報を有する副玩具体を備え、
前記主玩具体は、
第一形態と第二形態とに可逆的に形態変化可能に構成されており、
前記副玩具体から前記識別情報を取得する取得部と、
演出を出力する演出部と、
前記演出部に出力させる演出データを記憶した記憶部と、
操作部と、
制御部と、
を有しており、
前記演出データは、前記識別情報毎に、且つ前記第一形態及び前記第二形態の形態毎に設定された第一演出データ
と、前記第一形態及び前記第二形態の形態毎に設定された通常演出データを含み、
前記制御部は、前記取得部にて前記識別情報が取得されるまでの間に前記操作部に対する操作を検出した場合、前記主玩具体の形態に対応する通常演出データを前記記憶部から読み出し、読み出した前記通常演出データに基づいて前記演出部を動作させ、
前記制御部は、前記取得部によって取得された前記識別情報を第一識別情報として認識し、前記第一識別情報及び前記主玩具体の形態の組み合わせに対応する第一演出データを前記記憶部から読み出し、読み出した第一演出データに基づいて前記演出部を動作させ、
また、前記第一演出データは、前半演出データと後半演出データとに分割されており、
前記制御部は、前記前半演出データに基づいて前記演出部を動作させた後、前記操作部に対する操作を検出した場合に、前記後半演出データに基づいて前記演出部を動作させる応答玩具。
【請求項2】
請求項1記載の応答玩具であって、
前記演出データは、二つの識別情報の組み合わせ毎に設けられた第二演出データを含み、
前記制御部は、前記第一識別情報に続けて前記取得部によって取得された前記識別情報を第二識別情報として認識し、前記第一識別情報及び前記第二識別情報の組み合わせに対応する第二演出データを前記記憶部から読み出し、読み出した第二演出データに基づいて前記演出部を動作させる応答玩具。
【請求項3】
請求項2記載の応答玩具であって、
前記第二演出データは、さらに前記第一形態及び前記第二形態の形態毎に設けられており、
前記制御部は、前記第一識別情報及び前記第二識別情報並びに前記主玩具体の形態の組み合わせに対応する第二演出データを前記記憶部から読み出し、読み出した第二演出データに基づいて前記演出部を動作させる応答玩具。
【請求項4】
請求項2又は3記載の応答玩具であって、
前記第二演出データは、前半演出データと後半演出データとに分割されており、
前記制御部は、前記第二演出データの前記前半演出データに基づいて前記演出部を動作させた後、前記操作部に対する操作を検出した場合に、前記第二演出データの前記後半演出データに基づいて前記演出部を動作させる応答玩具。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか一項記載の応答玩具であって、
前記演出部は、発光又は発音の少なくともいずれか一つによる演出を出力する応答玩具。
【請求項6】
使用者によって把持可能な主玩具体、及び識別情報を有する副玩具体とからなる応答玩具における主玩具体であって、
第一形態と第二形態とに可逆的に形態変化可能に構成されており、
前記副玩具体から前記識別情報を取得可能な取得部と、
演出を出力する演出部と、
前記演出部に出力させる演出データを記憶した記憶部と、
操作部と、
制御部と、
を有しており、
前記演出データは、前記識別情報毎に、且つ前記第一形態及び前記第二形態の形態毎に設けられた第一演出データ
と、前記第一形態及び前記第二形態の形態毎に設定された通常演出データを含み、
前記制御部は、前記取得部にて前記識別情報が取得されるまでの間に前記操作部に対する操作を検出した場合、前記主玩具体の形態に対応する通常演出データを前記記憶部から読み出し、読み出した前記通常演出データに基づいて前記演出部を動作させ、
前記制御部は、前記取得部によって取得された前記識別情報を第一識別情報として認識し、前記第一識別情報及び前記主玩具体の形態の組み合わせに対応する第一演出データを前記記憶部から読み出し、読み出した第一演出データに基づいて前記演出部を動作させ、
また、前記第一演出データは、前半演出データと後半演出データとに分割されており、
前記制御部は、前記前半演出データに基づいて前記演出部を動作させた後、前記操作部に対する操作を検出した場合に、前記後半演出データに基づいて前記演出部を動作させる主玩具体。
【請求項7】
請求項6記載の主玩具体であって、
前記演出データは、二つの識別情報の組み合わせ毎に設けられた第二演出データを含み、
前記制御部は、前記第一識別情報に続けて前記取得部によって取得された前記識別情報を第二識別情報として認識し、前記第一識別情報及び前記第二識別情報の組み合わせに対応する第二演出データを前記記憶部から読み出し、読み出した第二演出データに基づいて前記演出部を動作させる主玩具体。
【請求項8】
請求項7記載の主玩具体であって、
前記第二演出データは、さらに前記第一形態及び前記第二形態の形態毎に設けられており、
前記制御部は、前記第一識別情報及び前記第二識別情報並びに前記主玩具体の形態の組み合わせに対応する第二演出データを前記記憶部から読み出し、読み出した第二演出データに基づいて前記演出部を動作させる主玩具体。
【請求項9】
請求項7又は8記載の主玩具体であって、
前記第二演出データは、前半演出データと後半演出データとに分割されており、
前記制御部は、前記前半演出データに基づいて前記演出部を動作させた後、前記操作部に対する操作を検出した場合に、前記後半演出データに基づいて前記演出部を動作させる主玩具体。
【請求項10】
請求項6から9のいずれか一項記載の主玩具体であって、
前記演出部は、発光又は発音の少なくともいずれか一つによる演出を出力する主玩具体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、応答玩具および当該応答玩具における主玩具体に関する。
【背景技術】
【0002】
主玩具体及び副玩具体を備え、副玩具体に付された識別情報を主玩具体によって取得し、取得した識別情報に対応する演出を主玩具体から出力するよう構成された応答玩具が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1に記載された応答玩具では、ベルトとして構成された主玩具体のバックルに対して、指輪として構成された副玩具体を接近させることにより、副玩具体に設けられているRFIDタグに保持された識別情報が主玩具体によって取得される。
【0004】
副玩具体及び副玩具体に付される識別情報は、第一グループ及び第二グループに大別されている。主玩具体は、バックルが第一形態と第二形態とで回転可能となっており、バックルが第一形態にある場合に第一グループに属する副玩具体の識別情報に対応する演出を出力可能に、また、バックルが第二形態にある場合に第二グループに属する副玩具体の識別情報に対応する演出を出力可能に構成されている。
【0005】
そして、主玩具体は、バックルの形態に対して取得した副玩具体の識別情報の属性が相違する場合、例えばバックルが第二形態にある場合に第一グループに属する副玩具体の識別情報を取得した場合に、取得した識別情報にかかわらずバックルの形態を変化させるよう促す演出を出力する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1に記載された応答玩具では、一つの副玩具体に対応する主玩具体の演出が一種類に限られていた。本発明は、一つの副玩具体に対して主玩具体から出力される演出を多様化させることが可能な応答玩具を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る応答玩具は、使用者の身体に装着可能又は使用者によって把持可能な主玩具体、及び使用者の身体に装着可能又は使用者によって把持可能な副玩具体を備え、前記副玩具体は識別情報を有しており、前記主玩具体は、第一形態と第二形態とに可逆的に形態変化可能に構成されており、前記副玩具体から前記識別情報を取得する取得部と、演出を出力する演出部と、前記演出部に出力させる演出データを記憶した記憶部と、制御部と、を有しており、前記演出データは、前記識別情報毎に、且つ前記第一形態及び前記第二形態の形態毎に設けられた第一演出データを含み、前記制御部は、前記取得部によって取得された前記識別情報を第一識別情報として認識し、前記第一識別情報及び前記主玩具体の形態の組み合わせに対応する第一演出データを前記記憶部から読み出し、読み出した第一演出データに基づいて前記演出部を動作させる。また、本発明に係る応答玩具は、使用者によって把持可能な主玩具体、及び識別情報を有する副玩具体を備え、前記主玩具体は、第一形態と第二形態とに可逆的に形態変化可能に構成されており、前記副玩具体から前記識別情報を取得する取得部と、演出を出力する演出部と、前記演出部に出力させる演出データを記憶した記憶部と、操作部と、制御部と、を有しており、前記演出データは、前記識別情報毎に、且つ前記第一形態及び前記第二形態の形態毎に設定された第一演出データを含み、前記制御部は、前記取得部によって取得された前記識別情報を第一識別情報として認識し、前記第一識別情報及び前記主玩具体の形態の組み合わせに対応する第一演出データを前記記憶部から読み出し、読み出した第一演出データに基づいて前記演出部を動作させ、また、前記第一演出データは、前半演出データと後半演出データとに分割されており、前記制御部は、前記前半演出データに基づいて前記演出部を動作させた後、前記操作部に対する操作を検出した場合に、前記後半演出データに基づいて前記演出部を動作させる。また、本発明に係る応答玩具は、使用者によって把持可能な主玩具体、及び識別情報を有する副玩具体を備え、前記主玩具体は、第一形態と第二形態とに可逆的に形態変化可能に構成されており、前記副玩具体から前記識別情報を取得する取得部と、演出を出力する演出部と、前記演出部に出力させる演出データを記憶した記憶部と、操作部と、制御部と、を有しており、前記演出データは、前記識別情報毎に、且つ前記第一形態及び前記第二形態の形態毎に設定された第一演出データと、前記第一形態及び前記第二形態の形態毎に設定された通常演出データを含み、前記制御部は、前記取得部にて前記識別情報が取得されるまでの間に前記操作部に対する操作を検出した場合、前記主玩具体の形態に対応する通常演出データを前記記憶部から読み出し、読み出した前記通常演出データに基づいて前記演出部を動作させ、前記制御部は、前記取得部によって取得された前記識別情報を第一識別情報として認識し、前記第一識別情報及び前記主玩具体の形態の組み合わせに対応する第一演出データを前記記憶部から読み出し、読み出した第一演出データに基づいて前記演出部を動作させ、また、前記第一演出データは、前半演出データと後半演出データとに分割されており、前記制御部は、前記前半演出データに基づいて前記演出部を動作させた後、前記操作部に対する操作を検出した場合に、前記後半演出データに基づいて前記演出部を動作させる。
【0009】
また、本発明に係る応答玩具においては、前記主玩具体は、操作部をさらに有しており、前記第一演出データは、前半パートと後半パートとに二分割されており、前記制御部は、前記第一演出データの前半パートに基づいて前記演出部を動作させた後、前記操作部に対する操作を検出した場合に、前記第一演出データの前記後半パートに基づいて前記演出部を動作させるようにしてもよい。
【0010】
また、本発明に係る応答玩具においては、前記演出データは、二つの前記識別情報の組み合わせ毎に設けられた第二演出データを含み、前記制御部は、前記第一識別情報に続けて前記取得部によって取得された前記識別情報を第二識別情報として認識し、前記第一識別情報及び前記第二識別情報の組み合わせに対応する第二演出データを前記記憶部から読み出し、読み出した第二演出データに基づいて前記演出部を動作させるようにしてもよい。
【0011】
また、本発明に係る応答玩具においては、前記第二演出データは、さらに前記第一形態及び前記第二形態の形態毎に設けられており、前記制御部は、前記第一識別情報及び前記第二識別情報並びに前記主玩具体の形態の組み合わせに対応する第二演出データを前記記憶部から読み出し、読み出した第二演出データに基づいて前記演出部を動作させるようにしてもよい。
【0012】
また、本発明に係る応答玩具においては、前記主玩具体は、操作部をさらに有しており、前記第二演出データは、前半パートと後半パートとに二分割されており、前記制御部は、前記第二演出データの前半パートに基づいて前記演出部を動作させた後、前記操作部に対する操作を検出した場合に、前記第二演出データの前記後半パートに基づいて前記演出部を動作させるようにしてもよい。また、本発明に係る応答玩具においては、前記第二演出データは、前半演出データと後半演出データとに分割されており、前記制御部は、前記第二演出データの前記前半演出データに基づいて前記演出部を動作させた後、前記操作部に対する操作を検出した場合に、前記第二演出データの前記後半演出データに基づいて前記演出部を動作させてもよい。
【0013】
また、本発明に係る応答玩具においては、前記演出部は、発光又は発音の少なくともいずれか一つによる演出を出力するようにしてもよい。
【0014】
また、本発明に係る応答玩具における主玩具体は、使用者の身体に装着可能又は使用者によって把持可能な主玩具体、及び使用者の身体に装着可能又は使用者によって把持可能であり、かつ、識別情報を有する副玩具体とからなる応答玩具における主玩具体であって、第一形態と第二形態とに可逆的に形態変化可能に構成されており、前記副玩具体から前記識別情報を取得可能な取得部と、演出を出力する演出部と、前記演出部に出力させる演出データを記憶した記憶部と、制御部と、を有しており、前記演出データは、前記識別情報毎に、且つ前記第一形態及び前記第二形態の形態毎に設けられた第一演出データを含み、前記制御部は、前記取得部によって取得された前記識別情報を第一識別情報として認識し、前記第一識別情報及び前記主玩具体の形態の組み合わせに対応する第一演出データを前記記憶部から読み出し、読み出した第一演出データに基づいて前記演出部を動作させることができる。また、本発明に係る応答玩具における主玩具体は、使用者によって把持可能な主玩具体、及び識別情報を有する副玩具体とからなる応答玩具における主玩具体であって、第一形態と第二形態とに可逆的に形態変化可能に構成されており、前記副玩具体から前記識別情報を取得可能な取得部と、演出を出力する演出部と、前記演出部に出力させる演出データを記憶した記憶部と、操作部と、制御部と、を有しており、前記演出データは、前記識別情報毎に、且つ前記第一形態及び前記第二形態の形態毎に設けられた第一演出データを含み、前記制御部は、前記取得部によって取得された前記識別情報を第一識別情報として認識し、前記第一識別情報及び前記主玩具体の形態の組み合わせに対応する第一演出データを前記記憶部から読み出し、読み出した第一演出データに基づいて前記演出部を動作させ、また、前記第一演出データは、前半演出データと後半演出データとに分割されており、前記制御部は、前記前半演出データに基づいて前記演出部を動作させた後、前記操作部に対する操作を検出した場合に、前記後半演出データに基づいて前記演出部を動作させる。また、本発明に係る応答玩具における主玩具体は、使用者によって把持可能な主玩具体、及び識別情報を有する副玩具体とからなる応答玩具における主玩具体であって、第一形態と第二形態とに可逆的に形態変化可能に構成されており、前記副玩具体から前記識別情報を取得可能な取得部と、演出を出力する演出部と、前記演出部に出力させる演出データを記憶した記憶部と、操作部と、制御部と、を有しており、前記演出データは、前記識別情報毎に、且つ前記第一形態及び前記第二形態の形態毎に設けられた第一演出データと、前記第一形態及び前記第二形態の形態毎に設定された通常演出データを含み、前記制御部は、前記取得部にて前記識別情報が取得されるまでの間に前記操作部に対する操作を検出した場合、前記主玩具体の形態に対応する通常演出データを前記記憶部から読み出し、読み出した前記通常演出データに基づいて前記演出部を動作させ、前記制御部は、前記取得部によって取得された前記識別情報を第一識別情報として認識し、前記第一識別情報及び前記主玩具体の形態の組み合わせに対応する第一演出データを前記記憶部から読み出し、読み出した第一演出データに基づいて前記演出部を動作させ、また、前記第一演出データは、前半演出データと後半演出データとに分割されており、前記制御部は、前記前半演出データに基づいて前記演出部を動作させた後、前記操作部に対する操作を検出した場合に、前記後半演出データに基づいて前記演出部を動作させる。
【0015】
また、操作部をさらに有しており、前記第一演出データは、前半パートと後半パートとに二分割されており、前記制御部は、前記第一演出データの前半パートに基づいて前記演出部を動作させた後、前記操作部に対する操作を検出した場合に、前記第一演出データの前記後半パートに基づいて前記演出部を動作させることができるようにしてもよい。
【0016】
また、前記演出データは、二つの識別情報の組み合わせ毎に設けられた第二演出データを含み、前記制御部は、前記第一識別情報に続けて前記取得部によって取得された前記識別情報を第二識別情報として認識し、前記第一識別情報及び前記第二識別情報の組み合わせに対応する第二演出データを前記記憶部から読み出し、読み出した第二演出データに基づいて前記演出部を動作させることができるようにしてもよい。
【0017】
また、前記第二演出データは、さらに前記第一形態及び前記第二形態の形態毎に設けられており、前記制御部は、前記第一識別情報及び前記第二識別情報並びに前記主玩具体の形態の組み合わせに対応する第二演出データを前記記憶部から読み出し、読み出した第二演出データに基づいて前記演出部を動作させることができるようにしてもよい。
【0018】
また、操作部をさらに有しており、前記第二演出データは、前半パートと後半パートとに二分割されており、前記制御部は、前記第二演出データの前半パートに基づいて前記演出部を動作させた後、前記操作部に対する操作を検出した場合に、前記第二演出データの前記後半パートに基づいて前記演出部を動作させることができるようにしてもよい。また、本発明に係る応答玩具における主玩具体においては、前記第二演出データは、前半演出データと後半演出データとに分割されており、前記制御部は、前記前半演出データに基づいて前記演出部を動作させた後、前記操作部に対する操作を検出した場合に、前記後半演出データに基づいて前記演出部を動作させてもよい。
【0019】
また、前記演出部は、発光又は発音の少なくともいずれか一つによる演出を出力するようにしてもよい。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、一つの副玩具体に対して主玩具体から出力される演出を多様化させることが可能な応答玩具を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】本発明の実施形態を説明するための、応答玩具の一例の構成を示す図である。
【
図2】(A)は
図1の主玩具体の第一形態を示し、(B)は主玩具体の第二形態を示す図である。
【
図3】
図1の主玩具体の機能ブロックを示す図である。
【
図4】
図1の主玩具体の第一形態における動作フローを示す図である。
【
図5】
図1の主玩具体の第二形態における動作フローを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
図1は、本発明の実施形態を説明するための、応答玩具の一例の構成を示す。また、
図2(A)は、
図1の応答玩具の主玩具体の第一形態を示し、
図2(B)は主玩具体の第二形態を示す。
【0023】
応答玩具1は、主玩具体2と、副玩具体3とで構成される。
【0024】
主玩具体2は、図示の例では、全体としてガン(銃)を模した形状をしており、バレル部10と、グリップ部11と、トリガー部12とを有し、使用者によって把持可能に構成されている。
【0025】
グリップ部11は、バレル部10の基端部に回転可能に連結されており、グリップ部11の回転軸A1はバレル軸芯A2に対して斜交している。グリップ部11が回転軸A1まわりに回転されると、グリップ部11は概ねバレル軸芯A2に沿って配置され、主玩具体2は全体としてワンド(杖)を模した形状に変形される。
【0026】
主玩具体2は、グリップ部11の回転を伴い、
図2(A)に示す第一形態としてのガン形態と、
図2(B)に示す第二形態としてのワンド形態とに可逆的に形態変化可能となっている。
【0027】
副玩具体3は、図示の例では、種々のキャラクタの形状をしており、使用者によって把持可能に構成されている。そして、副玩具体3には、種別毎に固有の識別情報IDが付されている。
【0028】
主玩具体2は、副玩具体3に付された識別情報IDを取得する取得部13を有し、取得部13によって取得した識別情報に応じた演出を出力する。本例では、主玩具体2は、発光及び発音による演出を出力する。
【0029】
副玩具体3に付される識別情報IDは、例えばバーコードやドットコードなどの光学的に読み取られる形態で保持されていてもよく、RFID(Radio Frequency Identification)などの電磁波を用いて読み取られる形態で保持されていてもよい。また、光学読取及び電磁波読取はいずれも非接触での読み取りであるが、副玩具体3に付される識別情報IDは、例えば凹凸によるキーなどの有接触で読み取られる形態で保持されていてもよい。主玩具体2の取得部13には、副玩具体3における識別情報IDの保持形態に応じた読取手段が設けられる。
【0030】
そして、主玩具体2には、ガン形態での動作モード(ガンモード)と、ワンド形態での動作モード(ワンドモード)とが用意されており、主玩具体2は、一つの識別情報に対して動作モード毎に、つまりは形態毎に異なる演出を出力する。
【0031】
【0032】
主玩具体2は、操作部としてのトリガー部12と、副玩具体3に付された識別情報IDを取得する取得部13と、演出を出力する演出部としての発光部14及び発音部15と、動作モード切替部16と、記憶部17と、制御部18とを備える。
【0033】
動作モード切替部16は、主玩具体2の形態を検出し、制御部18の動作モードを検出した形態に対応する動作モードに設定する。動作モード切替部16は、例えばガン形態とワンド形態との形態変化において回転されるグリップ部11の回転に連動して開閉されるスイッチによって構成することができる。
【0034】
記憶部17は、例えばROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)などの記憶媒体を含んで構成され、制御部18によって実行されるプログラムや、発光部14及び発音部15に出力させる演出データを記憶している。
【0035】
制御部18は、例えばマイクロプロセッサなどの処理装置を含み、記憶部17に記憶されたプログラムに従って動作する。そして、制御部18は、取得部13によって取得された識別情報を認識し、認識した識別情報に応じた演出データを記憶部17から読み出し、読み出した演出データに基づいて発光部14及び発音部15を動作させる。
【0036】
演出データには、識別情報毎に、且つガンモード及びワンドモードの動作モード毎に設けられた第一演出データが含まれる。制御部18は、認識した識別情報と、設定されている動作モードとの組み合わせに対応する第一演出データを記憶部17から読み出し、読み出した第一演出データに基づいて発光部14及び発音部15を動作させる。それにより、一つの副玩具体3に対し、ガンモードとワンドモードとで異なる演出が主玩具体2から出力される。
【0037】
また、本応答玩具1では、動作モードがワンドモードに設定されている場合に、制御部18は二つの識別情報を継続処理する。即ち、第一識別情報に対して第一演出データに基づく上記の演出処理を実行し、第一識別情報に続けて認識した第二識別情報に対しては、第一識別情報との関係で演出処理を実行する。なお、ガンモードにおいても二つの識別情報を継続処理するように制御部18を構成してもよい。
【0038】
以上の継続処理に対して、演出データには、第一識別情報及び第二識別情報の組み合わせ毎に設けられた第二演出データが含まれる。制御部18は、ワンドモードにおいて、第一識別情報と第二識別情報との組み合わせに対応する第二演出データを記憶部17から読み出し、読み出した第二演出データに基づいて発光部14及び発音部15を動作させる。それにより、一つの副玩具体3に対し、他の副玩具体3との組み合わせによって異なる演出が主玩具体2から出力される。なお、第一識別情報及び第二識別情報の組み合わせにおいて、第一識別情報及び第二識別情報の順序を区別してもよし、区別しなくてもよい。
【0039】
また、ガンモードにおいても二つの識別情報を継続処理するように制御部18が構成される場合に、第二演出データは、第一識別情報及び第二識別情報の組み合わせ毎に、且つガンモード及びワンドモードの動作モード毎に設けられることが好ましい。それによれば、第一識別情報と第二識別情報と制御部18に設定されている動作モードとの組み合わせに対応する第二演出データに基づいて発光部14及び発音部15を動作させ、一つの副玩具体3に対する演出を一層多様化することができる。
【0040】
そして、本応答玩具1では、第一演出データ及び第二演出データは、いずれも前半パートと後半パートとに二分割されており、制御部18は、前半パートに基づいて発光部14及び発音部15を動作させた後、トリガー部12に対する操作を検出した場合に、後半パートに基づいて発光部14及び発音部15を動作させる。
【0041】
図4は、ガンモードにおける主玩具体2の動作フローを示す。
【0042】
ガンモードに設定された制御部18は、まず、記憶部17に記憶されているガンモードでの待機演出データを読み出し、読み出した待機演出データに基づいて発光部14及び発音部15を動作させ(ステップS1)、取得部13によって副玩具体3の識別情報が取得されまでの間(ステップS2-No)、待機演出データに基づいて発光部14及び発音部15を動作させる処理を繰り返す。
【0043】
そして、制御部18は、待機演出データに基づく処理を繰り返す間にトリガー部12に対する操作を検出した場合には(ステップS3-Yes)、記憶部17に記憶されているガンモードでの通常演出データを読み出し、読み出した通常演出データに基づいて発光部14及び発音部15を動作させる(ステップS4)。
【0044】
取得部13によって副玩具体3の識別情報が取得されると(ステップS2-Yes)、制御部18は、取得された識別情報を認識し(ステップS5)、認識した識別情報と設定されている動作モードであるガンモードとの組み合わせに対応する第一演出データを記憶部17から読み出し(ステップS6)、読み出した第一演出データの前半パートに基づいて発光部14及び発音部15を動作させる(ステップS7)。
【0045】
そして、制御部18は、第一演出データの前半パートに基づいて発光部14及び発音部15を動作させた後、トリガー部12に対する操作を検出した場合に(ステップS8-Yes)、第一演出データの後半パートに基づいて発光部14及び発音部15を動作させる(ステップS9)。
【0046】
図5は、ワンドモードにおける主玩具体2の動作フローを示す。
【0047】
制御部18は、動作モードがワンドモードに設定されている場合に、上記のとおり二つの識別情報を継続処理する。
【0048】
ワンドモードに設定された制御部18は、まず、記憶部17に記憶されているワンドモードでの待機演出データを読み出し、読み出した待機演出データに基づいて発光部14及び発音部15を動作させ(ステップSS1)、取得部13によって副玩具体3の識別情報が取得されまでの間(ステップSS2-No)、待機演出データに基づいて発光部14及び発音部15を動作させる処理を繰り返す。
【0049】
そして、制御部18は、待機演出データに基づく処理を繰り返す間にトリガー部12に対する操作を検出した場合には(ステップSS3-Yes)、記憶部17に記憶されているワンドモードでの通常演出データを読み出し、読み出した通常演出データに基づいて発光部14及び発音部15を動作させる(ステップSS4)。
【0050】
取得部13によって副玩具体3の識別情報が取得されると(ステップSS2-Yes)、制御部18は、取得された識別情報を第一識別情報として認識し(ステップSS5)、認識した第一識別情報と設定されている動作モードであるワンドモードとの組み合わせに対応する第一演出データを記憶部17から読み出し(ステップSS6)、読み出した第一演出データの前半パートに基づいて発光部14及び発音部15を動作させる(ステップSS7)。
【0051】
そして、制御部18は、第一演出データの前半パートに基づいて発光部14及び発音部15を動作させた後、トリガー部12に対する操作を検出した場合に(ステップSS8-Yes)、第一演出データの後半パートに基づいて発光部14及び発音部15を動作させる(ステップSS9)。
【0052】
第一演出データに基づいて発光部14及び発音部15を動作させた後、取得部13によって副玩具体3の識別情報が取得されると(ステップSS10-Yes)、制御部18は、取得された識別情報を第二識別情報として認識し(ステップSS11)、認識した第一識別情報と第二識別情報との組み合わせに対応する第二演出データを記憶部17から読み出し(ステップSS12)、読み出した第二演出データの前半パートに基づいて発光部14及び発音部15を動作させる(ステップSS13)。
【0053】
そして、制御部18は、第二演出データの前半パートに基づいて発光部14及び発音部15を動作させた後、トリガー部12に対する操作を検出した場合に(ステップSS14-Yes)、第二演出データの後半パートに基づいて発光部14及び発音部15を動作させる(ステップSS15)。
【0054】
このように、本応答玩具1によれば、一つの副玩具体3に対し、ガンモードとワンドモードとで異なる演出が主玩具体2から出力され、ワンドモードでは他の副玩具体3との組み合わせによって異なる演出が主玩具体2から出力され、一つの副玩具体3に対して主玩具体2から出力される演出を多様化させることができる。
【0055】
また、本応答玩具1によれば、一つの副玩具体3に対し異なる演出を出力させるための動作モードの切替えが、主玩具体2の形態を変化させる遊びの中で行われる。そのため、スイッチ操作等により動作モードを切り替える場合と比較して、使用者が意識することなく、主玩具体2の形態変化遊びを通じて自然に動作モードの切替えが行われ、異なる演出が出力されるようにすることができる。
【0056】
なお、主玩具体2及び副玩具体3はいずれも使用者によって把持可能に構成されているものとして説明したが、例えばベルトや指輪のように使用者の身体に装着可能に構成されていてもよい。また、主玩具体2の形態変化については、ガンモードとワンドモードで説明をしたが、例えば剣モードと銃モード、ステッキモードと弓矢モード、ロボットモードと飛行機モード、のような形態変化をする玩具で構成してもよい。
【符号の説明】
【0057】
1 応答玩具
2 主玩具体
3 副玩具体
10 バレル部
11 グリップ部
12 トリガー部(操作部)
13 取得部
14 発光部(演出部)
15 発音部(演出部)
16 動作モード切替部
17 記憶部
18 制御部