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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-13
(45)【発行日】2023-12-21
(54)【発明の名称】ゲーム装置及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   A63F 13/825 20140101AFI20231214BHJP
   A63F 13/58 20140101ALI20231214BHJP
   A63F 13/533 20140101ALI20231214BHJP
   A63F 13/69 20140101ALI20231214BHJP
【FI】
A63F13/825
A63F13/58
A63F13/533
A63F13/69
【請求項の数】 20
(21)【出願番号】P 2022180504
(22)【出願日】2022-11-10
【審査請求日】2022-11-10
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 ▲1▼ウェブサイトの掲載日:令和4年 7月29日 ウェブサイトのアドレス: https://digimon.net/topic/detail.php?id=1080 公開者:株式会社バンダイ ▲2▼ウェブサイトの掲載日:令和4年 7月29日 ウェブサイトのアドレス https://www.youtube.com/watch?v=H_0K37s2iN4 https://www.youtube.com/watch?v=faAQWZyeJ5c 公開者:株式会社バンダイ ▲3▼ ウェブサイトの掲載日:令和4年 7月29日 ウェブサイトのアドレス https://toy.bandai.co.jp/series/vitalbraceletbe/topics/detail/2644/ 公開者:株式会社バンダイ
(73)【特許権者】
【識別番号】000135748
【氏名又は名称】株式会社バンダイ
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】弁理士法人大塚国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】笹田 光太郎
【審査官】鈴木 崇雅
(56)【参考文献】
【文献】特開2022-059470(JP,A)
【文献】ポケットモンスター ハートゴールド ポケットモンスター ソウルシルバー 最速!! ジョウト冒険ガイド ,第14巻, 第11号,株式会社毎日コミュニケーションズ,2009年09月24日,4,7-9
【文献】「バイタルブレス デジタルモンスター」開発者インタビュー,HOBBY Watch [online],2020年12月19日,<インターネット URL:https://hobby.watch.impress.co.jp/docs/interview/1295018.html>,[検索日:2023年8月1日]
【文献】[PR]「オデスト」,貴重な全体回復キャラ「ロゼット」加入の第1章クリアまでを攻略。船長が膝を屈してしまう前にやるべきこと,4Gamer.net [online],2018年01月13日,<インターネット URL:https://www.4gamer.net/games/357/G035723/20180110100/>,[検索日:2023年8月1日]
【文献】ペルソナQ2 ニュー シネマ ラビリンス 公式コンプリートガイド 初版 PERSONA Q2 NEW CINEMA LABYRINTH OFFICIAL COMPLETE GUIDE,第1版,株式会社KADOKAWA,2018年12月21日,第59頁
【文献】イースvs.空の軌跡 オルタナティブ・サーガ,電撃PlayStation ,株式会社アスキー・メディアワークス,2010年06月25日,第16巻 第22号,第39頁
【文献】バイタルブレスBEデジモン25thの続報でたヨ,バイタルブレスのあれやこれや [online],2022年07月29日,<インターネット URL:https://visi0826.livedoor.blog/archives/15084637.html>,[検索日:2023年8月1日]
【文献】モンモンメモ!! Vol.90 「VITAL BRACELET BE デジタルモンスター 25th Anniversary set」予約受付開始!,デジモンウェブ [online],2022年07月29日,<インターネット URL:https://digimon.net/topic/detail.php?id=1080>,[検索日:2023年8月1日]
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 13/00-98
A63F 9/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
キャラクタを育成する第1種別のゲームを実行するゲーム装置であって、
育成対象である第1のキャラクタを設定する設定手段と、
前記第1のキャラクタとは異なる第2のキャラクタであって、前記設定手段で育成対象として設定可能な第2のキャラクタを、育成対象とせずに保持する保持手段と、
前記第1種別のゲームとは異なる、前記第1のキャラクタを参加させた第2種別のゲームを実行する実行手段と、
所定の条件が満たされた場合に、前記保持手段に保持されている前記第2のキャラクタを前記第2種別のゲームに参加させるよう制御する制御手段と、
を備え
前記所定の条件は、前記保持手段により前記第2のキャラクタが保持されていることを含むゲーム装置。
【請求項2】
前記所定の条件は、前記第2のキャラクタが前記第1のキャラクタと同一分類のキャラクタであることを含む請求項1に記載のゲーム装置。
【請求項3】
前記同一分類のキャラクタとは、対応するコンテンツが共通であるキャラクタである請求項に記載のゲーム装置。
【請求項4】
前記同一分類のキャラクタとは、共通の属性が定められたキャラクタである請求項に記載のゲーム装置。
【請求項5】
前記所定の条件は、前記第2種別のゲームの進行状況についての条件を含む請求項1に記載のゲーム装置。
【請求項6】
前記所定の条件は、前記第2種別のゲームにおける前記第1のキャラクタのパラメータが、前記第2種別のゲームの進行において不利な状態であることを含む請求項に記載のゲーム装置。
【請求項7】
前記所定の条件は、前記第2種別のゲームにおける前記第1のキャラクタの行動が成功することを含む請求項に記載のゲーム装置。
【請求項8】
前記所定の条件は、前記第2種別のゲームにまだ前記第2のキャラクタが参加していないことを含む請求項に記載のゲーム装置。
【請求項9】
前記保持手段は、複数の前記第2のキャラクタを保持可能に構成され、
前記ゲーム装置は、前記保持手段に複数の前記第2のキャラクタが保持されている場合に、前記第2種別のゲームに参加させる1体の前記第2のキャラクタを選択する選択手段をさらに備える
請求項1に記載のゲーム装置。
【請求項10】
前記選択手段は、前記保持手段に保持されている複数の前記第2のキャラクタのうちの、ユーザによる選択操作に基づいて指定された前記1体の第2のキャラクタを選択する請求項に記載のゲーム装置。
【請求項11】
前記保持手段に保持されている複数の前記第2のキャラクタを表示装置に表示させる表示制御手段をさらに備え、
前記表示制御手段は、複数の前記第2のキャラクタのうちの前記選択手段により選択された前記1体の第2のキャラクタを識別可能に表示させる
請求項に記載のゲーム装置。
【請求項12】
前記選択手段は、前記設定手段により前記第1のキャラクタが変更されたことを条件として、前記1体の第2のキャラクタを再選択する請求項に記載のゲーム装置。
【請求項13】
前記保持手段は、前記設定手段により前記第1のキャラクタが変更された場合に、変更前のキャラクタを前記第2のキャラクタとして保持する請求項1に記載のゲーム装置。
【請求項14】
前記保持手段は、外部装置から取得したキャラクタを前記第2のキャラクタとして保持する請求項1に記載のゲーム装置。
【請求項15】
前記制御手段は、前記第2種別のゲームにおいて、前記第2のキャラクタに所定の行動を実行させるよう制御する請求項1に記載のゲーム装置。
【請求項16】
前記所定の行動は、前記第2種別のゲームの進行を有利にせしめる行動である請求項1に記載のゲーム装置。
【請求項17】
前記第2種別のゲームは、対戦ゲームであり、
前記所定の行動は、前記対戦ゲームにおける相手キャラクタへの攻撃行動である
請求項1に記載のゲーム装置。
【請求項18】
前記制御手段は、前記第2のキャラクタに前記所定の行動を実行させた際の前記第2種別のゲームにおける効果を、当該第2のキャラクタのパラメータに応じて異ならせることを特徴とする請求項1に記載のゲーム装置。
【請求項19】
前記第2のキャラクタの前記第2種別のゲームへの参加は、当該第2種別のゲームの実行中において、前記第1のキャラクタ及び当該第2のキャラクタを表示装置に表示させることを含む請求項1に記載のゲーム装置。
【請求項20】
コンピュータを、請求項1乃至19のいずれか1項に記載のゲーム装置の各手段として機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲーム装置及びプログラムに関し、特にキャラクタの育成機能を有する電子ゲームに関する。
【背景技術】
【0002】
キャラクタの育成機能を有する電子ゲームを実行可能なゲーム装置がある(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2022-088274号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1のようなゲーム装置では、常時1体のキャラクタのみを育成可能に構成されるため、対戦ゲーム等における戦略性が限定され得るものであった。
【0005】
本発明は、戦略性の高い対戦ゲームを実現するゲーム装置及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様は、キャラクタを育成する第1種別のゲームを実行するゲーム装置であって、育成対象である第1のキャラクタを設定する設定手段と、第1のキャラクタとは異なる第2のキャラクタであって、設定手段で育成対象として設定可能な第2のキャラクタを、育成対象とせずに保持する保持手段と、第1種別のゲームとは異なる、第1のキャラクタを参加させた第2種別のゲームを実行する実行手段と、所定の条件が満たされた場合に、保持手段に保持されている第2のキャラクタを第2種別のゲームに参加させるよう制御する制御手段と、を備える。
本発明の別の一態様は、キャラクタを育成する第1種別のゲームを実行するゲーム装置であって、育成対象である第1のキャラクタを設定する設定手段と、第1のキャラクタとは異なる第2のキャラクタであって、設定手段で育成対象として設定可能な第2のキャラクタを、育成対象とせずに保持する保持手段と、第1種別のゲームとは異なる、第1のキャラクタを参加させた第2種別のゲームを実行する実行手段と、所定の条件が満たされた場合に、保持手段に保持されている第2のキャラクタを第2種別のゲームに参加させるよう制御する制御手段と、を備え、所定の条件は、保持手段により第2のキャラクタが保持されていることを含む。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、戦略性の高い対戦ゲームを実現することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の実施形態及び変形例に係るゲーム装置100の外観構成を例示した図
図2】本発明の実施形態及び変形例に係るゲーム装置100の機能構成を例示した図
図3】本発明の実施形態に係るサポートキャラクタの指定を説明するための図
図4】本発明の実施形態及び変形例に係るゲーム装置100において実行される対戦ゲーム処理を例示したフローチャート
図5】本発明の実施形態に係るゲーム装置100において実行される判定処理を例示したフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0009】
[実施形態]
以下、添付図面を参照して実施形態を詳しく説明する。なお、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではなく、また実施形態で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明に必須のものとは限らない。実施形態で説明されている複数の特徴のうち二つ以上の特徴は任意に組み合わされてもよい。また、同一若しくは同様の構成には同一の参照番号を付し、重複した説明は省略する。
【0010】
以下に説明する一実施形態は、ゲーム装置の一例としての、ユーザが身体に装着して使用する、キャラクタを育成する電子ゲームを実行可能なゲーム装置に、本発明を適用した例を説明する。しかし、本発明は、キャラクタを育成する電子ゲームを実行することが可能な任意の機器に適用可能である。
【0011】
《ゲーム装置の構成》
以下、本実施形態のゲーム装置100の構成について、図1及び2を参照して説明する。
【0012】
図1は、本実施形態のゲーム装置100の外観を例示した図である。ゲーム装置100は、例えばユーザの手首に装着可能なブレスレット状に構成されている。ゲーム装置100は、着用状態においてユーザの活動状態を検出及び計測可能な各種センサを備え、種々の項目を計測可能である。本実施形態では、ユーザによるゲーム装置100が備える後述の表示部120の表示内容の確認を容易ならしめるべく、ゲーム装置100の装着箇所が手首であるものとして説明する。しかしながら、本発明の実施はこれに限られるものではなく、ゲーム装置100の装着部位は、指、上腕、腰、脚部等、ユーザの身体のいずれであってもよい。
【0013】
ゲーム装置100は、本発明に係る第1種別のゲームとしての、キャラクタの育成に係る電子ゲーム(育成ゲーム)を実行可能に構成されており、起動中において、活動状態の計測結果に応じて育成ゲームの進行制御を行う。育成ゲームについての詳細は後述するが、本発明の実施においてキャラクタを育成するための入力が活動状態の計測結果に限定されるものではないことは言うまでもない。本実施形態に示すゲーム装置100の形態、育成ゲームを進行させるための要素はあくまでも例示である。
【0014】
〈ゲーム装置の構成〉
図2は、本実施形態のゲーム装置100の機能構成を例示したブロック図である。
【0015】
制御部101は、例えばマイクロコンピュータであり、ゲーム装置100の各ブロックの動作を制御する。具体的には制御部101は、記憶装置102に記録された各ブロックの動作プログラムを読み出し、メモリ103に展開して実行することにより各ブロックの動作を制御する。
【0016】
記憶装置102は、例えば不揮発性メモリ等の、恒久的にデータを保持可能な装置である。記憶装置102は、ゲーム装置100が有する各ブロックの動作プログラムに加え、各ブロックの動作において必要となるパラメータ等を記憶する。また記憶装置102には、現在育成ゲームにおいて育成中のキャラクタや、ゲーム装置100において育成可能なキャラクタの各種情報が保持される領域も含まれる。メモリ103は、例えば揮発性メモリ等の一時的なデータ記憶に使用される記憶装置である。メモリ103は、各ブロックの動作プログラムの展開領域としてだけでなく、各ブロックの動作において出力されたデータ等を一時的に記憶する格納領域としても用いられる。
【0017】
検出部104は、センサ110を用いてユーザの活動状態を示す各種情報を検出し、検出結果を出力する。センサ110は、例えば加速度センサや心拍センサであってよく、ゲーム装置100に生じた移動、ユーザの心拍の情報を、活動状態の情報として検出する。センサ110は、予め定められた時間間隔で検出結果を出力するよう構成され、各出力タイミングにおいて、直近の出力後に検出された歩数及び心拍数等の情報を出力するものであってよい。
【0018】
取得部105は、ゲーム装置100に装着された不図示のメモリカードから、育成ゲームに係る種々の情報を取得する。本実施形態のゲーム装置100では、複数種類のキャラクタを育成することが可能に構成される。ゲーム装置100には、予め一部の種類のキャラクタの情報が記憶装置102に記憶され、育成対象として選択可能、あるいは条件を満たすことで育成対象として選択して育成ゲームを開始することができる。一方で、残りの種類のキャラクタの情報については、興趣要素の拡張のために、メモリカードを装着させることで取得部105を介して取得可能に構成される。
【0019】
表示制御部106は、ゲーム装置100における情報表示の制御を司る。表示制御部106は、育成中のキャラクタについて記憶装置102に記録されている表示用情報を用いて、例えばLCD等であってよい表示部120に表示させる育成ゲームに係る各種画面を構成する。
【0020】
操作入力部107は、物理的な操作部材(ボタン)等の、ゲーム装置100が有するユーザインタフェースである。操作入力部107は、操作部材に対する操作入力がなされたことを検出すると、該操作入力に対応する制御信号を制御部101に出力する。
【0021】
通信部108は、ゲーム装置100が備える外部装置との情報通信を行うための通信インタフェースである。通信部108は、常時通信接続を行う状態にある必要はなく、育成ゲームの過程で移行される、あるいはユーザによるメニュー選択等を契機として移行される一部のモードにおいて通信接続を行う状態に遷移するよう構成されていればよい。通信部108の通信方式は、例えば近距離無線通信や近接無線通信を含むことができる。
【0022】
《育成ゲームの概要》
以下、このような構成を有する本実施形態のゲーム装置100において実行される育成ゲームについて、概要を説明する。
【0023】
育成ゲームは、一時に1体のキャラクタを育成対象として設定し、当該キャラクタの育成体験を提供するよう構成される。本発明に係る第1のキャラクタとしての育成対象となるキャラクタは、例えば選択可能なキャラクタのうちから抽選処理によって、または、ゲーム装置100の利用中に満たされた条件に基づいて選択されるものであってよい。あるいは、育成対象となるキャラクタの選択は、ユーザによる操作入力や、取得部105がメモリカードから該当の情報を取得したことに応じてなされるものであってもよい。
【0024】
育成対象のキャラクタが設定されると、育成ゲームが開始される。育成ゲームが開始されると、ゲーム装置100を着用したユーザの活動状態に応じてキャラクタの育成が行われる。例えば、ユーザが所定の運動を繰り返し行うことで、キャラクタが成長し、体力や持久力のパラメータが更新される。
【0025】
また育成ゲームの興趣性を高めるべく、どのような活動状態の遷移をユーザが示したかによって、キャラクタの成長や進化の態様は異なるよう、育成ゲームが構成されるものとする。この他、同一の活動状態の遷移をユーザが示したとしても、キャラクタの種類や性格等の個体差に応じて成長や進化の態様が異なるよう、育成ゲームは構成される。従って、ゲーム装置100において実行される育成ゲームでは、一時に育成可能なキャラクタは1体のみに設定されている。つまり、ユーザは、育成対象のキャラクタを所望の状態に成長や進化させるためには、当該キャラクタの性質を見極めながら、適宜該当する運動を検討して実施することが必要になる。
【0026】
このような構成とすることで、本実施形態のゲーム装置100では、ユーザの運動意欲を惹起させつつ、興趣性の高い育成ゲームのプレイ体験を提供することができる。
【0027】
〈バックアップ機能〉
ところで、育成ゲームによりユーザが育成したキャラクタは、ユーザにとって愛着のある存在になり得るため、育成した状態で残しておきたいという需要がある。また、キャラクタの育成途中で他のキャラクタの育成に切り替えたいという場合にも、育成中のキャラクタを後に育成を再開できるように保存しておきたいという需要がある。このため、本実施形態のゲーム装置100では、育成対象として設定しているキャラクタとは別に、所定数(本実施形態では3体)のキャラクタを保持しておくバックアップ機能を備える。当該バックアップ機能によれば、本発明に係る第2のキャラクタとしての所定数のキャラクタを育成対象には設定しない状態で、その情報を記憶装置102に保持しておくことができる。つまり、バックアップ機能により情報が保持されたキャラクタは、育成ゲームには登場しない状態となるが、育成ゲームの育成対象として設定可能な状態で情報を保持しておくことができる。
【0028】
バックアップ機能により保持されたキャラクタは、所定の操作入力を行うことで育成対象として選択可能に構成される。即ち、ユーザは、バックアップ機能を使用することで、中途段階まで育成したキャラクタの情報を一度保持して他のキャラクタを育成した後、再度当該中途段階から育成を再開することができる。バックアップ機能は、育成が完了したキャラクタの情報の保持に使用することもでき、ユーザは、任意のタイミングで当該キャラクタを育成対象に設定し、(成長や進化はしないが)育成ゲームを実行させることもできる。この他、例えばメモリカードから取得した新規のキャラクタを、育成をせずにバックアップ機能を用いて保持させることも可能であってよい。
【0029】
このように、本実施形態のゲーム装置100ではバックアップ機能により、任意の状態のキャラクタの情報を育成対象とせずに保持し、所望のタイミングで対応するキャラクタを現在の育成対象のキャラクタに代えて育成対象に設定可能に構成される。このとき、育成対象であったキャラクタは、バックアップ機能により、その情報が記憶装置102に格納されて保持される。
【0030】
以下の説明では、育成対象に設定されたキャラクタとバックアップ機能により情報が保持されているキャラクタとを峻別するために、それぞれ「対象キャラクタ」、「バックアップキャラクタ」として言及する場合がある。
【0031】
〈対戦ゲーム〉
また本実施形態のゲーム装置100は、育成ゲームの他、本発明の第2種別のゲームとしての、ユーザが育成ゲームにより育成したキャラクタを参加させた対戦ゲームを実行可能に構成される。対戦ゲームは、通信部108を介して通信接続した他のゲーム装置100との間で、それぞれの装置の対象キャラクタを対戦させるゲームである。即ち、対戦ゲームは、育成ゲームについて対象キャラクタが設定されていることを条件として実行されるゲームであり、育成ゲームの過程において、あるいは育成ゲームを一時中断して実行される。対戦ゲームの開始は、例えばユーザによる対戦ゲームに係るメニューの選択がなされたことを契機としてなされるものであってもよいし、他のゲーム装置100との通信接続要求が受信されたことを契機としてなされるものであってもよい。あるいは、所定のイベントが発生したことを契機として、対戦ゲームは開始されてもよい。
【0032】
対戦ゲームでは、本実施形態では、ゲーム装置100の対象キャラクタと接続相手のゲーム装置100の対象キャラクタが交互に行動を行うターン制のバトルゲームであるものとして説明する。各対象キャラクタは、各ターンにおいて対戦相手のキャラクタに対する攻撃行動を行い、対戦ゲームは、いずれか一方の対象キャラクタの体力が0になったこと、または所定数(本実施形態では5)のターンが経過したことを条件として終了する。対戦ゲームは、どのようなものであってもよいが、本実施形態では開始時に先攻後攻が決定され、各ターンにつき、先攻のキャラクタの攻撃行動→後攻のキャラクタの攻撃行動の順で行動解決の処理がなされるものとする。ここで、各攻撃行動の成否は、抽選処理によって決定されるものであってよい。攻撃行動の成功時に発動する効果(被撃キャラクタの体力減少量)は、各対象キャラクタのパラメータに応じて定まる。一般に、より好適に育成されたパラメータを有するキャラクタの方が、対戦ゲームにて有利になり得る。
【0033】
従って、対戦ゲームの進行は、本実施形態では基本的には開始確認に係る操作以降はオートで行われる。対戦ゲームは、基本的には対象キャラクタの現在のパラメータに応じて制御されるものであり、ユーザによる他の操作入力を要することなく進行する。つまり、育成ゲームがユーザの活動状態を参照して制御されるゲームであるのに対し、対戦ゲームがユーザの活動状態を参照することなく制御されるゲームである点で異なる。換言すれば、ゲーム装置100は種別の異なる少なくとも2種類のゲームを実行可能に構成され、1つの種別のゲーム(対戦ゲーム)に、他の種別のゲーム(育成ゲーム)で育成した対象キャラクタを参加させることで、育成ゲームに限られない興趣性を提供する。
【0034】
このように、本実施形態の対戦ゲームでは、育成ゲームの対象キャラクタを行動主体として参加させるよう構成されるため、ユーザは、対戦ゲームの開始前にバックアップ機能を利用して所望のキャラクタを育成対象に設定しておくことで、対戦ゲームに参加するキャラクタを調整することができる。即ち、ユーザは、育成対象として設定中のキャラクタと、バックアップキャラクタとして記憶装置102に保持されているキャラクタのうちから、任意のキャラクタを対象キャラクタに変更して対戦ゲームを実行させるように調整することができる。
【0035】
〈バックアップキャラクタによるサポート〉
ところで、対戦ゲームの進行を対象キャラクタのパラメータのみに依存する態様とした場合、キャラクタの育成状況によっては結果(勝敗)が固定的になり得る。例えば、対象キャラクタの育成状況に差がある場合には、一方のキャラクタのパラメータが対戦ゲームの進行に絶対的に有利な値となり得るため、行動の成否を抽選する要素を含んだとしても当該キャラクタの勝利する確率が高くなりやすい。このように、対戦ゲームの展開が一方のユーザにとって有利になる場合、ユーザの関心を低減させる虞がある。
【0036】
このため、本実施形態のゲーム装置100では、対戦ゲーム時にバックアップキャラクタが存在している場合、即ち、バックアップ機能により記憶装置102にキャラクタの情報が保持されている場合、当該バックアップキャラクタが対戦ゲームに参加して対象キャラクタをサポートする機能が設けられている。より詳しくは、制御部101は、対戦ゲームにおいて所定の条件が満たされた場合に、バックアップキャラクタを対戦ゲームに参加させ、対戦ゲームの進行を(ユーザにとって)有利にせしめる行動を行わせるよう制御する。本実施形態では、バックアップキャラクタが行う、対戦ゲームの進行を有利にせしめる行動は、相手キャラクタへの攻撃行動であるものとして説明するが、相手キャラクタの攻撃を代わりに受ける、対象キャラクタの体力を回復させる等、種々の態様を含むことができる。
【0037】
ゲームバランスを考慮し、対戦ゲームに参加させるバックアップキャラクタは、1ゲームにつき1回(1ターンの行動)、1体のみに制限されるものであってよい。ここで、バックアップキャラクタとして複数のキャラクタの情報が保持されている場合には、いずれのバックアップキャラクタをサポートとして参加させるかは、ユーザによる選択操作に基づいて指定されるものとする。
【0038】
参加させるバックアップキャラクタ(以下、サポートキャラクタとして言及)は、例えば、育成ゲームのオプションメニューから遷移可能な、図3に示されるようなバックアップキャラクタの一覧画面において指定することが可能に構成される。図3(a)の例では、最大3体のバックアップキャラクタを保持可能な記憶装置102の領域に、2体のバックアップキャラクタの情報が保持されている場合の一覧画面を示している。ユーザは、当該一覧画面の表示中に操作入力部107の移動用操作部材を操作することで選択枠301を移動させ、さらに決定用操作部材を操作することで、当該選択枠301で囲まれたバックアップキャラクタを、条件が満たされた場合に対戦ゲームに参加させるサポートキャラクタとして指定することができる。サポートキャラクタの指定後は、図3(b)に示されるバックアップキャラクタの一覧画面のように、サポートキャラクタにはアイコン302が付され、サポートキャラクタであることが識別可能に表示される。
【0039】
なお、サポートキャラクタのユーザによる指定は必須ではない。ユーザによりサポートキャラクタが指定されていない状態では、例えば最後に情報が保持されたキャラクタ、所定のパラメータが最も高いキャラクタ等、制御部101が所定のルールに基づいて、あるいはランダムに、サポートキャラクタを指定するものであってよい。
【0040】
サポートキャラクタが対戦ゲームに参加して攻撃行動を行う条件には、対戦ゲーム中に1回のみの条件に加え、本実施形態では以下の3つを含むものとする。
(1)対象キャラクタの攻撃行動が発動すること
(2)対象キャラクタの攻撃行動の効果が通常よりも大きくなる効果が生じないこと
(3)対象ゲームの勝敗が決し得る状況にあること
【0041】
1つ目は、対象キャラクタの行う攻撃行動の成否判断が成功であり、当該攻撃行動が発動することである。本実施形態の対戦ゲームでは、サポートキャラクタによる攻撃行動は、対象キャラクタとの連携攻撃として発動するため、演出上、対象キャラクタの攻撃行動が行われることが必須となる。連携攻撃は、表示部120への対象キャラクタ及びサポートキャラクタの表示演出を含んでユーザに提示される。連携攻撃が発動することで、対象キャラクタの攻撃行動とサポートキャラクタの攻撃行動とが行われるため、対象キャラクタのみが攻撃行動を行う場合よりも相手キャラクタの体力を多く減らすことができる。
【0042】
2つ目は、所謂クリティカル攻撃であり、対象キャラクタの攻撃行動の発動により相手キャラクタに与えられるダメージ量が、通常よりも大きくなるタイミングでないことである。対象キャラクタの攻撃行動がクリティカル攻撃となるか否かは、制御部101による抽選処理によって決定されるものであってよい。このようなクリティカル攻撃が発動すると、相手キャラクタの体力が通常の攻撃行動よりも多く減少することになる。故に、クリティカル攻撃とともに連携攻撃を発動可能とすると、連携攻撃が発動したユーザが極端に有利になる状況を招き得る。従って、本実施形態のゲーム装置100では、対象キャラクタの攻撃行動としてクリティカル攻撃が発生しないことを定める2つ目の条件が、サポートキャラクタの攻撃行動の発動について設定される。
【0043】
3つ目は、対象キャラクタの体力が所定値を下回り、相手キャラクタの攻撃行動によって対戦ゲームの勝敗が決し得る状況にあることである。上述したように、連携攻撃を発動させることで、相手キャラクタの体力には、対象キャラクタの攻撃行動のみによって生じるものよりも大きな減少効果が生じる。より詳しくは、相手キャラクタの体力には、対戦ゲームの攻撃行動による減少効果に加えて、サポートキャラクタの攻撃行動による減少効果が生じることになる。故に、このような効果の適用は、対戦ゲームの進行を早め、また対戦ゲームの形勢を決し得るため、対戦ゲームの序盤で行われた場合にはユーザの対戦ゲーム自体への関心を低減し得る。従って、連携攻撃の発動は、対戦ゲームの終盤に差し掛かり、かつ、対象キャラクタの残り体力が例えば後続の2ターンにおいて相手キャラクタの攻撃行動が発動した場合に0になり得る状況にあることを条件として行われる。即ち、連携攻撃は、発動すれば対戦ゲームの形勢を覆し得る状況であることを条件に発動するよう制御される。本実施形態のゲーム装置100では、本条件に該当するか否かの判断を、対象キャラクタの残り体力が最大値の半分以下であるか否かにより行う。
【0044】
なお、サポートキャラクタの攻撃行動に起因する効果の程度(相手キャラクタの体力の減少量)は、当該サポートキャラクタについて保持されているパラメータに応じて決定されるものであってよい。
【0045】
《対戦ゲーム処理》
以下、本実施形態のゲーム装置100において対戦ゲームが行われる際に実行される対戦ゲーム処理について、図4のフローチャートを用いて具体的な処理を説明する。該フローチャートに対応する処理は、制御部101が、例えば記憶装置102に記憶されている対応する処理プログラムを読み出し、メモリ103に展開して実行することにより実現することができる。
【0046】
なお、本対戦ゲーム処理は、例えば対戦ゲームを伴うイベントが発生した際に開始されるものとして説明する。また以下の説明では発明の理解を容易にするため、対戦ゲームは2台のゲーム装置100間で行われるものとし、このうちの1台のゲーム装置100において本対戦ゲーム処理が実行され、都度演算結果が他方のゲーム装置100にも共有されるものとして説明する。しかしながら、本発明の実施はこれに限られるものではなく、対戦ゲーム処理は、外部のサーバ等で実行され、対戦ゲームに関与する複数のゲーム装置100の各々に演算結果が共有される態様であってもよい。
【0047】
また本実施形態の対戦ゲーム処理では、対戦ゲームの表示に関する処理については説明を省略するが、対戦ゲームの進行に係る情報の変化(各キャラクタの状態変化等)に応じて、表示制御部106による表示制御が行われ、表示部120には対戦ゲームに係るゲーム画面が表示されるものとする。
【0048】
S401で、制御部101は、対戦ゲームに参加するキャラクタの情報を取得する。より詳しくは制御部101は、現在育成対象として設定している対象キャラクタ及びサポートキャラクタの情報と、対戦相手のゲーム装置100において育成対象として設定されている対象キャラクタ及びサポートキャラクタの情報を取得する。なお、サポートキャラクタの情報は、ゲーム装置100においてバックアップキャラクタの情報が保持されておらず、サポートキャラクタが存在しない場合には、その旨の情報が取得されるものとする。
【0049】
S402で、制御部101は、対戦ゲームに関与するゲーム装置100のそれぞれについて先攻後攻のいずれとするかを決定する。以下の説明では、本ステップの処理において先攻に決定されたゲーム装置100の対象キャラクタを「先攻キャラクタ」、当該ゲーム装置100のサポートキャラクタを「先攻サポートキャラクタ」、後攻に決定されたゲーム装置100の対象キャラクタを「後攻キャラクタ」、当該ゲーム装置100のサポートキャラクタを「後攻サポートキャラクタ」として言及する。
【0050】
S403で、制御部101は、本ターンに係る先攻キャラクタの攻撃行動を成功させるか否かを判断する。より詳しくは、制御部101は、先攻キャラクタの攻撃行動の成否を抽選処理によって決定し、その抽選結果がいずれであるかを判断する。ここで、対戦ゲーム処理の開始後、本ステップの処理が最初に実行される際には、本ターンは初回のターンを指す。制御部101は、先攻キャラクタの攻撃行動を成功させると判断した場合は処理をS404に移し、成功させない、即ち失敗させると判断した場合は処理をS409に移す。
【0051】
S404で、制御部101は、本ターンに係る先攻キャラクタの攻撃行動においてクリティカル攻撃を発生させるか否かを決定する。本実施形態では、クリティカル攻撃を発生させるか否かは抽選処理によって決定されるものとして説明するが、本発明の実施はこれに限られるものではない。キャラクタの攻撃傾向について性質(タイプ)がパラメータとして定められる態様では、当該パラメータと現在のターン数に基づいてクリティカル攻撃を発生させるか否かを決定するものとしてもよい。例えば、活発な性質のキャラクタである場合には、対戦ゲームの開始2ターン目においてクリティカル攻撃を発生させる、あるいは発生しやすいように制御されるものであってもよい。
【0052】
S405で、制御部101は、本ターンの先攻キャラクタの攻撃行動において、先攻サポートキャラクタの連携攻撃を発動させるか否かを判定する判定処理を実行する。より詳しくは、制御部101は、判定対象のキャラクタを先攻キャラクタとして判定処理を実行する。
【0053】
〈判定処理〉
ここで、本ステップにおいて実行される判定処理について、図5のフローチャートを参照して詳細を説明する。
【0054】
S501で、制御部101は、判定対象のキャラクタについてサポートキャラクタが設定されているか否かを判断する。本ステップの判断は、対戦ゲーム処理のS401において取得されたキャラクタの情報に基づいて行われる。制御部101は、判定対象のキャラクタについてサポートキャラクタが設定されていると判断した場合は処理をS502に移し、設定されていないと判断した場合は処理をS506に移す。
【0055】
S502で、制御部101は、判定対象のキャラクタの残り体力が当該キャラクタの最大体力値の半分以下であるか否かを判断する。制御部101は、判定対象のキャラクタの残り体力が最大体力値の半分以下であると判断した場合は処理をS503に移し、半分を上回ると判断した場合は処理をS506に移す。
【0056】
S503で、制御部101は、本ターンの判定対象のキャラクタの攻撃行動においてクリティカル攻撃を発生させるか否かを判断する。本ステップの判断は、対戦ゲーム処理のS404の決定内容に基づいて行われる。制御部101は、本ターンの判定対象のキャラクタの攻撃行動においてクリティカル攻撃を発生させると判断した場合は処理をS506に移し、発生させないと判断した場合は処理をS504に移す。
【0057】
S504で、制御部101は、既に行われたターンの判定対象のキャラクタの攻撃行動において、サポートキャラクタの連携攻撃を発動させたか否かを判断する。制御部101は、既にサポートキャラクタの連携攻撃を発動させたと判断した場合は処理をS506に移し、発動させていないと判断した場合は処理をS505に移す。
【0058】
S505で、制御部101は、判定結果として連携攻撃を発動させることを示す情報を返す。
【0059】
一方、S506では、制御部101は、判定結果として連携攻撃を発動させないことを示す情報を返す。
【0060】
このようにして判定処理の判定結果が得られると、制御部101は対戦ゲーム処理をS406に移す。
【0061】
S406で、制御部101は、判定処理の判定結果が連携攻撃の発動を示すか否かを判断する。制御部101は、判定結果が連携攻撃の発動を示すと判断した場合は処理をS407に移し、連携攻撃の発動を示さないと判断した場合は処理をS408に移す。
【0062】
S407で、制御部101は、先攻キャラクタと先攻サポートキャラクタによる連携攻撃の発動に係る効果(後攻キャラクタの体力の減少量)を導出し、後攻キャラクタのパラメータを更新する。
【0063】
一方、S408では、制御部101は、先攻キャラクタによる攻撃行動(通常攻撃)の発動に係る効果を導出し、後攻キャラクタのパラメータを更新する。
【0064】
S409で、制御部101は、S407またはS408におけるパラメータ更新の結果、後攻キャラクタの体力が0になったか否かを判断する。制御部101は、後攻キャラクタの体力が0になったと判断した場合は処理をS418に移し、なっていないと判断した場合は処理をS410に移す。
【0065】
続いてS410で、制御部101は、本ターンに係る後攻キャラクタの攻撃行動を成功させるか否かを判断する。制御部101は、後攻キャラクタの攻撃行動を成功させると判断した場合は処理をS411に移し、成功させない、即ち失敗させると判断した場合は処理をS416に移す。
【0066】
S411で、制御部101は、本ターンに係る後攻キャラクタの攻撃行動においてクリティカル攻撃を発生させるか否かを決定する。
【0067】
S412で、制御部101は、本ターンの後攻キャラクタの攻撃行動において、後攻サポートキャラクタの連携攻撃を発動させるか否かを判定する判定処理を実行する。より詳しくは、制御部101は、判定対象のキャラクタを後攻キャラクタとして判定処理を実行する。
【0068】
S413で、制御部101は、判定処理の判定結果が連携攻撃の発動を示すか否かを判断する。制御部101は、判定結果が連携攻撃の発動を示すと判断した場合は処理をS414に移し、連携攻撃の発動を示さないと判断した場合は処理をS415に移す。
【0069】
S414で、制御部101は、後攻キャラクタと後攻サポートキャラクタによる連携攻撃の発動に係る効果(先攻キャラクタの体力の減少量)を導出し、先攻キャラクタのパラメータを更新する。
【0070】
一方、S415では、制御部101は、後攻キャラクタによる攻撃行動(通常攻撃)の発動に係る効果を導出し、後攻キャラクタのパラメータを更新する。
【0071】
S416で、制御部101は、S414またはS415におけるパラメータ更新の結果、先攻キャラクタの体力が0になったか否かを判断する。制御部101は、先攻キャラクタの体力が0になったと判断した場合は処理をS418に移し、なっていないと判断した場合は処理をS417に移す。
【0072】
S417で、制御部101は、本ターンが最終ターンであったか否かを判断する。制御部101は、本ターンが最終ターンであったと判断した場合は処理をS418に移し、最終ターンではないと判断した場合はターン数を1増加させて処理をS403に戻す。
【0073】
S418で、制御部101は、対戦ゲームの結果を出力して本対戦ゲーム処理を完了する。対戦ゲームの結果は、先攻キャラクタと後攻キャラクタのいずれかの体力が0である場合には、体力が残存しているキャラクタの勝利、両キャラクタの体力が0ではない場合には、残りの体力が多いキャラクタの勝利となる。
【0074】
以上説明したように、本実施形態のゲーム装置によれば、バックアップ機能により育成対象でないキャラクタの情報が保持されている場合に、育成対象のキャラクタを参加させるゲームに、保持されているキャラクタを参加させるよう制御することができる。これにより、ゲームの戦略性の幅が広がり、興趣性を高めることができる。
【0075】
なお、本実施形態ではゲーム装置100と他のゲーム装置100とが通信接続された場合に対戦ゲーム処理が実行されるものとして説明したが、対戦ゲーム処理の実行は当該態様に限られるものではない。対戦ゲームは、ユーザ間で育成したキャラクタ同士を対戦させるものに限られず、ゲーム装置100の対象キャラクタと非プレイヤキャラクタ(NPC:Non-Player Character)とを対戦させるものであってもよい。この場合、ゲーム装置同士の通信を要件とせずに対戦ゲームを実現することができ、予め定められたパラメータを有するNPCと対象キャラクタの間で対戦ゲームが実行される。NPCとの対戦ゲームは、例えばゲーム装置100が所定の機器に近接したことによって行われた近接無線通信を契機として、当該ゲーム装置100において実行されるものであってもよい。あるいは、例えば育成ゲーム内で発生した特定のイベントにおいて所定の発生条件(例えば活動状態において所定数の歩行が検出された等)が満たされた場合に、対象キャラクタと当該イベントに係るNPCとの対戦ゲームが実行されるものであってもよい。
【0076】
またゲーム装置100の通信を行わない対戦ゲームの態様として、他のゲーム装置において育成対象のキャラクタとサポートキャラクタの情報をメモリカードに記憶させ、当該メモリカードから取得部105が情報を取得したことを契機として行われるものも含むことができる。この場合に行われる対戦ゲームは、メモリカードから取得された情報と、ゲーム装置100の対象キャラクタ及びサポートキャラクタの情報とを用いて、図4のフローチャートに示した対戦ゲーム処理が実行されることにより実現されればよい。
【0077】
[変形例1]
上述した実施形態では、ゲーム装置100において育成対象として設定していたキャラクタ、あるいはメモリカードから情報が取得されたキャラクタを、バックアップ機能により情報を保持可能であるものとして説明したが、本発明の実施はこれに限られるものではない。ユーザが情報を保持しておきたいと考えるキャラクタの数は、記憶装置102に情報を保持可能な数を上回り得る。このため、例えばゲーム装置100において育成されたキャラクタの情報は、任意の記憶サーバ等の外部装置に記憶され、任意のタイミングでバックアップキャラクタとしてゲーム装置100にダウンロード可能に構成されるものであってもよい。ゲーム装置100へのキャラクタの情報のダウンロードは、通信部108を介してゲーム装置100と記憶サーバが直接通信接続することにより実現されるものであってもよいし、ゲーム装置100と通信接続可能なスマートフォン等の任意の端末を介して行われるものであってもよい。
【0078】
[変形例2]
上述した実施形態では、バックアップ機能により複数のキャラクタが保持されている場合に、ユーザがこのうちの任意の1体のキャラクタをサポートキャラクタとして指定可能である態様を説明したが、本発明の実施はこれに限られるものではない。サポートキャラクタは、育成対象として設定されているキャラクタと同一分類のキャラクタに限定して指定可能に構成されるものであってもよい。
【0079】
例えば、ゲーム装置100が、複数種類のコンテンツのキャラクタを育成可能に構成される態様では、サポートキャラクタとして指定可能なキャラクタは、育成対象として設定されているキャラクタと、対応するコンテンツが共通であるキャラクタに限定されてよい。当該態様によれば、異なるコンテンツのキャラクタが連携することによってコンテンツの世界観が損なわれることを回避することができる。
【0080】
また例えば、コンテンツのストーリーにおいて定められたチームや役割等、育成対象として設定されているキャラクタと共通の属性が定められたキャラクタを、サポートキャラクタとして指定可能なように制限するものであってもよい。
【0081】
これらサポートキャラクタとして指定可能なキャラクタが制限される態様では、育成対象のキャラクタが変更された場合には、対象キャラクタとサポートキャラクタ間の関係が変化し得る。このため、対象キャラクタが変更されたことを条件として、サポートキャラクタの再選択を要求するように構成してもよいし、変更後の対象キャラクタに合致するバックアップキャラクタをサポートキャラクタとして制御部101が選択するよう構成してもよい。
【0082】
[変形例3]
上述した実施形態では、サポートキャラクタが対戦ゲームに参加する条件が複数種類定められている態様を説明したが、これらの条件は全てが必須ではないことは容易に理解されよう。例えば、他の条件を含むものであってもよいし、一部の条件のみが採用されるものであってもよい。例えば、サポートキャラクタが対戦ゲームに参加する条件は、単にバックアップ機能によりキャラクタの情報が保持されていることのみとすることもできる。
【0083】
[変形例4]
上述した実施形態では、サポートキャラクタが対戦ゲームに参加した際に発生する効果を、サポートキャラクタのパラメータに応じて異ならせるものとして説明したが、本発明の実施はこれに限られるものではない。発生する効果は、例えばサポートキャラクタのパラメータに依らず一定であってもよいし、抽選処理等によって決定されるものであってもよい。
【0084】
[変形例5]
上述した実施形態では、サポートキャラクタが対戦ゲームに参加した際には、対戦ゲームの進行を有利にせしめる行動をとるものとして説明したが、本発明の実施はこれに限られるものではない。即ち、サポートキャラクタがとる行動は、必ずしも有利な効果を発生させるものである必要はなく、例えば画面表示の賑やかし等、演出上の効果を発生させるもの等であってもよい。
【0085】
[変形例6]
上述した実施形態では、育成ゲーム(第1種別のゲーム)とは別に実行される、育成対象として設定したキャラクタを登場させるゲーム(第2種別のゲーム)が対戦ゲームであるものとして説明したが、本発明の実施はこれに限られるものではない。第2種別のゲームは、他のジャンルのゲームであってもよく、その場合、サポートキャラクタを参加させたことにより生じる効果は、当該ゲームのジャンルに応じて変更されるものであってよいことは容易に理解されよう。
【0086】
[変形例7]
上述した実施形態では、対戦ゲームは他のゲーム装置100との間で通信接続することにより実現されるものとして説明したが、本発明の実施はこれに限られるものではない。即ち、本発明は、育成ゲームの育成対象には設定されないサポートキャラクタが、異なる種別のゲームには参加可能に構成されるものであれば実施可能であり、当該異なる種別のゲームの実現に他の装置との通信要素は必須ではない。
【0087】
[実施形態のまとめ]
上記実施形態は以下のゲーム装置及びプログラムを少なくとも開示する。
【0088】
(1) キャラクタを育成する第1種別のゲームを実行するゲーム装置であって、
育成対象である第1のキャラクタを設定する設定手段と、
前記第1のキャラクタとは異なる第2のキャラクタであって、前記設定手段で育成対象として設定可能な第2のキャラクタを、育成対象とせずに保持する保持手段と、
前記第1種別のゲームとは異なる、前記第1のキャラクタを参加させた第2種別のゲームを実行する実行手段と、
所定の条件が満たされた場合に、前記保持手段に保持されている前記第2のキャラクタを前記第2種別のゲームに参加させるよう制御する制御手段と、
を備えるゲーム装置。
【0089】
(2) 前記所定の条件は、前記保持手段により前記第2のキャラクタが保持されていることを含む(1)に記載のゲーム装置。
【0090】
(3) 前記所定の条件は、前記第2のキャラクタが前記第1のキャラクタと同一分類のキャラクタであることを含む(1)または(2)に記載のゲーム装置。
【0091】
(4) 前記同一分類のキャラクタとは、対応するコンテンツが共通であるキャラクタである(3)に記載のゲーム装置。
【0092】
(5) 前記同一分類のキャラクタとは、共通の属性が定められたキャラクタである(3)または(4)に記載のゲーム装置。
【0093】
(6) 前記所定の条件は、前記第2種別のゲームの進行状況についての条件を含む(1)乃至(5)のいずれか1つに記載のゲーム装置。
【0094】
(7) 前記所定の条件は、前記第2種別のゲームにおける前記第1のキャラクタのパラメータが、前記第2種別のゲームの進行において不利な状態であることを含む(6)に記載のゲーム装置。
【0095】
(8) 前記所定の条件は、前記第2種別のゲームにおける前記第1のキャラクタの行動が成功することを含む(6)または(7)に記載のゲーム装置。
【0096】
(9) 前記所定の条件は、前記第2種別のゲームにまだ前記第2のキャラクタが参加していないことを含む(6)乃至(8)のいずれか1つに記載のゲーム装置。
【0097】
(10) 前記保持手段は、複数の前記第2のキャラクタを保持可能に構成され、
前記ゲーム装置は、前記保持手段に複数の前記第2のキャラクタが保持されている場合に、前記第2種別のゲームに参加させる1体の前記第2のキャラクタを選択する選択手段をさらに備える、(1)乃至(9)のいずれか1つに記載のゲーム装置。
【0098】
(11) 前記選択手段は、前記保持手段に保持されている複数の前記第2のキャラクタのうちの、ユーザによる選択操作に基づいて指定された前記1体の第2のキャラクタを選択する(10)に記載のゲーム装置。
【0099】
(12) 前記保持手段に保持されている複数の前記第2のキャラクタを表示装置に表示させる表示制御手段をさらに備え、
前記表示制御手段は、複数の前記第2のキャラクタのうちの前記選択手段により選択された前記1体の第2のキャラクタを識別可能に表示させる、(10)または(11)に記載のゲーム装置。
【0100】
(13) 前記選択手段は、前記設定手段により前記第1のキャラクタが変更されたことを条件として、前記1体の第2のキャラクタを再選択する(10)乃至(12)のいずれか1つに記載のゲーム装置。
【0101】
(14) 前記保持手段は、前記設定手段により前記第1のキャラクタが変更された場合に、変更前のキャラクタを前記第2のキャラクタとして保持する(1)乃至(13)のいずれか1つに記載のゲーム装置。
【0102】
(15) 前記保持手段は、外部装置から取得したキャラクタを前記第2のキャラクタとして保持する(1)乃至(14)のいずれか1つに記載のゲーム装置。
【0103】
(16) 前記制御手段は、前記第2種別のゲームにおいて、前記第2のキャラクタに所定の行動を実行させるよう制御する(1)乃至(15)のいずれか1つに記載のゲーム装置。
【0104】
(17) 前記所定の行動は、前記第2種別のゲームの進行を有利にせしめる行動である(16)に記載のゲーム装置。
【0105】
(18) 前記第2種別のゲームは、対戦ゲームであり、
前記所定の行動は、前記対戦ゲームにおける相手キャラクタへの攻撃行動である、(17)に記載のゲーム装置。
【0106】
(19) 前記制御手段は、前記第2のキャラクタに前記所定の行動を実行させた際の前記第2種別のゲームにおける効果を、当該第2のキャラクタのパラメータに応じて異ならせることを特徴とする(17)または(18)に記載のゲーム装置。
【0107】
(20) 前記第2のキャラクタの前記第2種別のゲームへの参加は、当該第2種別のゲームの実行中において、前記第1のキャラクタ及び当該第2のキャラクタを表示装置に表示させることを含む(1)乃至(19)のいずれか1つに記載のゲーム装置。
【0108】
(21) コンピュータを、(1)乃至(20)のいずれか1つに記載のゲーム装置の各手段として機能させるためのプログラム。
【0109】
[その他の実施形態]
発明は上記の実施形態に制限されるものではなく、発明の要旨の範囲内で、種々の変形・変更が可能である。
【符号の説明】
【0110】
100:ゲーム装置、101:制御部、102:記憶装置、103:メモリ、104:検出部、110:センサ、105:取得部、106:表示制御部、120:表示部、107:操作入力部、108:通信部
【要約】
【課題】戦略性の高い対戦ゲームを実現する。
【解決手段】キャラクタを育成する第1種別のゲームを実行するゲーム装置であって、育成対象である第1のキャラクタを設定する設定手段と、第1のキャラクタとは異なる第2のキャラクタであって、設定手段で育成対象として設定可能な第2のキャラクタを、育成対象とせずに保持する保持手段と、第1種別のゲームとは異なる、第1のキャラクタを参加させた第2種別のゲームを実行する実行手段と、所定の条件が満たされた場合に、保持手段に保持されている第2のキャラクタを第2種別のゲームに参加させるよう制御する制御手段と、を備える。
【選択図】図5
図1
図2
図3
図4
図5