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特許7402972流体エネルギー含有量のライブ決定のためのシステムおよび方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-13
(45)【発行日】2023-12-21
(54)【発明の名称】流体エネルギー含有量のライブ決定のためのシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
   G01N 9/00 20060101AFI20231214BHJP
   G01N 33/22 20060101ALI20231214BHJP
【FI】
G01N9/00 E
G01N33/22 B
G01N33/22 E
【請求項の数】 86
(21)【出願番号】P 2022515468
(86)(22)【出願日】2019-09-09
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-11-21
(86)【国際出願番号】 US2019050145
(87)【国際公開番号】W WO2021050033
(87)【国際公開日】2021-03-18
【審査請求日】2022-05-06
(73)【特許権者】
【識別番号】500205770
【氏名又は名称】マイクロ モーション インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000556
【氏名又は名称】弁理士法人有古特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】マクドナルド, ジョージ アレクサンダー
【審査官】外川 敬之
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2013/0138361(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 9/00
G01N 33/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
メモリ(220)に記憶されたデータに基づいてコマンドを実行するように構成されたプロセッサ(210)を有するコンピュータ(200)を使用し、前記プロセッサ(210)が、前記メモリ(220)に記憶された推論モジュール(204)のステップを実施する、推論されたエネルギー含有量と少なくとも1つの測定量との間の推論的関係を決定するための方法であって、前記推論的関係が、推論されたエネルギー含有量をもたらし、
前記推論モジュール(204)によって、少なくとも1つの流体の少なくとも1つの測定されたエネルギー含有量の既知の測定値と、前記少なくとも1つの測定された量と同じタイプの少なくとも1つの対応する測定値との間の関係を分析することによって前記推論的関係を決定することを含み、
前記推論的関係が密度項(B)を有し、前記少なくとも1つの測定量のうちの1つが測定密度(ρ)であり、前記密度項(B)が逆密度(1/ρ)を有し、前記密度項(B)が密度(ρ)と前記推論されたエネルギー含有量との間の逆関係を表し、前記測定密度(ρ)が空気の密度(ρair)ではなく、
前記少なくとも1つの測定量のうちの別の測定量が測定粘度(η)であり、前記推論的関係がシフト項(A)および粘度項(C)をさらに含み、前記粘度項(C)が前記測定粘度(η)を説明する、方法。
【請求項2】
前記推論モジュール(204)が、前記密度項(B)における粘度(η)、比重、および空気の前記密度(ρair)のいずれも考慮しない、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記推論モジュール(204)が、熱容量、熱伝導率、誘電率、屈折率、熱拡散率、層抵抗、および乱流抵抗のいずれも考慮せずに前記推論的関係を決定する、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記推論的関係が、前記シフト項(A)、前記密度項(B)、および前記粘度項(C)の合計である、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記粘度項(C)が粘度(η)を有し、前記粘度項(C)が粘度(η)と前記推論されたエネルギー含有量との間の直接的な関係を表す、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記少なくとも1つの測定値が、測定温度(T)および測定圧力(P)をさらに含み、前記シフト項(A)が、対応する温度および圧力依存シフト項係数(k1(P,T))を含み、前記密度項(B)が、対応する温度および圧力依存密度項係数(k2(P,T))を含み、前記粘度項(C)が、対応する温度および圧力依存粘度項係数(k3(P,T))を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記密度項(B)が、前記密度項係数(k2(P,T))に前記逆密度(1/ρ)を乗算したものである、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記粘度項(C)が、前記粘度項係数(k3(P,T))に前記粘度(η)を乗算したものである、請求項6又は7に記載の方法。
【請求項9】
前記シフト項(A)が、前記シフト項係数(k1(P,T))である、請求項6から8のいずれかに記載の方法。
【請求項10】
前記推論的関係が、式

【数36】
によって表される、請求項6から9のいずれかに記載の方法。
【請求項11】
前記シフト項係数(k1(P,T))、前記密度項係数(k2(P,T))、および粘度項係数(k3(P,T))が、前記少なくとも1つの流体に関連する対応する係数定数(例えば、a1-a4、b1-b4、c1-c4、d1-d4)を使用して導出される、請求項6から10のいずれかに記載の方法。
【請求項12】
前記シフト項係数(k1(P,T))が、前記測定圧力(P)、前記測定温度(T)、および前記係数定数(例えば、a1-a4、b1-b4、c1-c4、d1-d4)の少なくとも1つのシフト係数定数(例えば、a1-a4)の間の関係に依存し、前記密度項係数(k2(P,T))が、前記測定圧力(P)、前記測定温度(T)、および前記係数定数(例えば、a1-a4、b1-b4、c1-c4、d1-d4)の少なくとも1つの密度係数定数(例えばb1-b4)の間の関係に依存し、前記粘度項係数(k3(P,T))が、前記測定圧力(P)、前記測定温度(T)、および前記係数定数(例えば、a1-a4、b1-b4、c1-c4、d1-d4)の少なくとも1つの粘度係数定数(例えば、c1-c4)の間の関係に依存する、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記測定圧力(P)、前記測定温度(T)、および前記少なくとも1つのシフト係数定数(例えば、a1-a4)の間の関係が、式
【数37】
によって表され、前記測定圧力(P)、前記測定温度(T)、および前記少なくとも1つの密度係数定数(例えばb1-b4)の間の関係が、式
【数38】
によって表され、前記測定圧力(P)、前記測定温度(T)、および前記少なくとも1つの粘度係数定数(例えば、c1-c4)の間の関係が、式
【数39】
によって表される、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記推論的関係が、不活性項(D)をさらに含み、前記不活性項が、二酸化炭素のパーセント組成(%CO2)を占め、前記不活性項(D)が、温度(T)および圧力(P)に依存する不活性項係数(k4(P,T))を有し、前記不活性項係数(k4(P,T))が、不活性項係数定数(例えば、d1-d4)を使用して決定される、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
前記不活性項係数(k4(P,T))が、関係
【数40】
から決定され、前記推論的関係が
【数41】
である、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記推論モジュール(204)によって分析することが、前記係数定数(例えば、a1-a4、b1-b4、c1-c4、d1-d4)を、前記少なくとも1つの流体のうちの1つ以上がメンバである流体の少なくとも1つのクラスと関連付けることをさらに含む、請求項11から13のいずれかに記載の方法。
【請求項17】
前記流体の少なくとも1つのクラスが、燃料ガス、天然ガス、フレアガス、液化天然ガス、バイオガス、シェールガス、および地理的領域に関連する流体のクラスのうちの1つ以上である、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記推論的関係が、前記少なくとも1つの測定値と同じタイプのライブ測定を行いながらライブで決定される推論されたエネルギー含有量のライブ推論的決定において前記係数定数が所定の係数定数(例えば、a1-a4、b1-b4、c1-c4、d1-d4)として使用されることができるように、前記係数定数(例えば、a1-a4、b1-b4、c1-c4、d1-d4)によって特徴付けられることができる、請求項11から13及び16から17のいずれかに記載の方法。
【請求項19】
前記推論エネルギー含有量が推論された発熱量である、請求項1から18のいずれかに記載の方法。
【請求項20】
推論されたエネルギー含有量と流体の少なくとも1つの測定量との間の推論的関係を使用するための方法であって、前記所定の推論的関係が、推論されたエネルギー含有量をもたらし、前記方法が、メモリ(220)に記憶されたデータに基づいてコマンドを実行するように構成されたプロセッサ(210)を有するコンピュータ(200)を使用し、前記プロセッサ(210)が、前記メモリ(220)に記憶された推論モジュール(204)のステップを実施し、前記方法が、
前記推論モジュール(204)によって、前記少なくとも1つの測定量のタイプの少なくとも1つの測定値を受信することと、
前記推論モジュール(204)によって、前記推論的関係および前記少なくとも1つの測定量から前記推論されたエネルギー含有量を推論することと、を含み、
前記推論的関係が密度項(B)を有し、前記少なくとも1つの測定値のうちの1つが測定密度(ρ)であり、前記密度項(B)が逆密度(1/ρ)を有し、前記密度項(B)が前記測定密度(ρ)と前記推論されたエネルギー含有量との間の逆関係を表し、前記測定密度(ρ)が空気の密度(ρair)ではなく、
前記少なくとも1つの測定量のうちの別の測定値が測定粘度(η)であり、前記推論的関係がシフト項(A)および粘度項(C)をさらに含み、前記粘度項(C)が前記測定粘度(η)を説明する、方法。
【請求項21】
前記推論モジュール(204)が、前記密度項(B)における粘度(η)、比重、および空気の前記密度(ρair)のいずれも考慮しない、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記推論モジュール(204)が、熱容量、熱伝導率、誘電率、屈折率、熱拡散率、層状抵抗、および乱流抵抗のいずれも考慮することなく、前記推論されたエネルギー含有量を推論する、請求項20又は21に記載の方法。
【請求項23】
前記推論的関係が、前記シフト項(A)、前記密度項(B)、および前記粘度項(C)の合計である、請求項20に記載の方法。
【請求項24】
前記粘度項(C)が粘度(η)を有し、前記粘度項(C)が粘度(η)と前記推論されたエネルギー含有量との間の直接的な関係を表す、請求項20又は23に記載の方法。
【請求項25】
前記少なくとも1つの測定値が、測定温度(T)および測定圧力(P)をさらに含み、前記シフト項(A)が、対応する温度および圧力依存シフト項係数(k1(P,T))を含み、前記密度項(B)が、対応する温度および圧力依存密度項係数(k2(P,T))を含み、前記粘度項(C)が、対応する温度および圧力依存粘度項係数(k3(P,T))を含む、請求項20から24のいずれかに記載の方法。
【請求項26】
前記密度項(B)が、前記密度項係数(k2(P,T))に前記逆密度(1/ρ)を乗算したものである、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記粘度項(C)が、前記粘度項係数(k3(P,T))に前記粘度(η)を乗算したものである、請求項25又は26に記載の方法。
【請求項28】
前記シフト項(A)が、前記シフト項係数(k1(P,T))である、請求項25から27のいずれかに記載の方法。
【請求項29】
前記推論的関係が、式
【数42】
によって表される、請求項25から28のいずれかに記載の方法。
【請求項30】
前記シフト項係数(k1(P,T))、前記密度項係数(k2(P,T))、および粘度項係数(k3(P,T))が、前記流体に関連する対応する所定の係数定数(例えば、a1-a4、b1-b4、c1-c4、d1-d4)を使用して評価される、請求項25から29のいずれかに記載の方法。
【請求項31】
前記シフト項係数(k1(P,T))が、前記測定圧力(P)、前記測定温度(T)、および前記所定の係数定数(例えば、a1-a4、b1-b4、c1-c4、d1-d4)の少なくとも1つの所定のシフト係数定数(例えば、a1-a4)の間の関係を使用して前記推論モジュール(204)によって評価され、前記密度項係数(k2(P,T))が、前記測定圧力(P)、前記測定温度(T)、および前記所定の係数定数(例えば、a1-a4、b1-b4、c1-c4、d1-d4)の少なくとも1つの所定の密度係数定数(例えばb1-b4)の間の関係を使用して前記推論モジュール(204)によって評価され、前記粘度項係数(k3(P,T))が、前記測定圧力(P)、前記測定温度(T)、および前記所定の係数定数(例えば、a1-a4、b1-b4、c1-c4、d1-d4)の少なくとも1つの所定の粘度係数定数(例えば、c1-c4)の間の関係を使用して前記推論モジュール(204)によって評価される、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
前記測定圧力(P)、前記測定温度(T)、および前記少なくとも1つの所定のシフト係数定数(例えば、a1-a4)の間の関係が、式
【数43】
によって表され、前記測定圧力(P)、前記測定温度(T)、および前記少なくとも1つの所定の密度係数定数(例えばb1-b4)の間の関係が、式
【数44】
によって表され、前記測定圧力(P)、前記測定温度(T)、および前記少なくとも1つの所定の粘度係数定数(例えば、c1-c4)の間の関係が、式
【数45】
によって表される、請求項31に記載の方法。
【請求項33】
前記少なくとも1つの測定値が、測定された不活性含有量をさらに含み、前記測定された不活性含有量が、体積による二酸化炭素のパーセント組成(%CO2)であり、前記推論的関係が、不活性項(D)をさらに有し、前記不活性項(D)が、二酸化炭素のパーセント組成(%CO2)を占め、前記不活性項(D)が、温度(T)および圧力(P)依存性の不活性項係数(k4(P,T))を有し、前記不活性項係数(k4(P,T))が、不活性項係数定数(例えば、d1-d4)を使用して決定される、請求項20に記載の方法。
【請求項34】
前記不活性項係数(k4(P,T))が、関係
【数46】
から決定され、前記推論的関係が
【数47】
である、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
前記推論モジュール(204)によって前記推論することが、前記少なくとも1つの流体のうちの1つ以上がメンバである流体の少なくとも1つのクラスに関連付けられた所定の係数定数(例えば、a1-a4、b1-b4、c1-c4、d1-d4)を使用して、前記流体の前記推論されたエネルギー含有量を推論することを含む、請求項30から32のいずれかに記載の方法。
【請求項36】
前記流体の少なくとも1つのクラスが、燃料ガス、天然ガス、フレアガス、液化天然ガス、バイオガス、シェールガス、および地理的領域に関連する流体のクラスのうちの1つ以上である、請求項35に記載の方法。
【請求項37】
前記流体が振動センサ(5)と相互作用している間に、前記振動センサ(5)によって少なくとも1つの生データ信号を測定することと、
前記振動センサ(5)によって前記少なくとも1つの生データ信号を測定モジュール(202)に供給することと、
前記測定モジュール(202)によって前記少なくとも1つの生データ信号を処理して、前記少なくとも1つの測定値のうちの1つ以上を表すデータを決定することと、をさらに含み、
前記推論モジュール(204)によって前記受信することが、前記測定モジュール(202)から前記少なくとも1つの測定値のうちの1つ以上を表す前記データを受信することを含む、
請求項30から32及び35から36のいずれかに記載の方法。
【請求項38】
前記少なくとも1つの測定値のうちの前記1つ以上が前記測定密度(ρ)を含む、請求項37に記載の方法。
【請求項39】
圧力センサ(150)によって前記測定圧力(P)を測定することをさらに含み、前記推論モジュール(204)によって前記測定圧力(P)を前記受信することが、前記測定圧力(P)を受信することを含む、請求項30から32及び35から38のいずれかに記載の方法。
【請求項40】
前記測定された温度(T)および前記測定された圧力(P)のうちの1つ以上が一貫していると仮定される、請求項30から32及び35から39のいずれかに記載の方法。
【請求項41】
前記推論されたエネルギー含有量が発熱量である、請求項30から32及び35から40のいずれかに記載の方法。
【請求項42】
推論されたエネルギー含有量と流体の少なくとも1つの測定量との間の推論的関係を使用するための装置であって、前記推論的関係が推論されたエネルギー含有量をもたらし、前記装置が、メモリ(220)に記憶されたデータに基づいてコマンドを実行するように構成されたプロセッサ(210)を有するコンピュータ(200)を有し、前記プロセッサ(210)が、前記メモリ(220)に記憶された推論モジュール(204)のステップを実施し、前記推論モジュール(204)が、
少なくとも1つの測定量のタイプの少なくとも1つの測定値を受信し、
前記推論的関係および前記少なくとも1つの測定量から前記推論されたエネルギー含有量を推論する、ように構成され、
前記推論的関係が密度項(B)を有し、前記少なくとも1つの測定値のうちの1つが測定密度(ρ)であり、前記密度項(B)が逆密度(1/ρ)を有し、前記密度項(B)が前記測定密度(ρ)と前記推論されたエネルギー含有量との間の逆関係を表し、前記測定密度(ρ)が空気の密度(ρair)ではなく、
前記少なくとも1つの測定値のうちの別の測定値が、測定された粘度(η)であり、前記推論的関係が、シフト項(A)および粘度項(C)をさらに含み、前記粘度項(C)が、前記測定された粘度(η)を説明する、装置。
【請求項43】
前記推論モジュール(204)が、前記密度項(B)における粘度(η)、比重、および空気の前記密度(ρair)のいずれも考慮しない、請求項42に記載の装置。
【請求項44】
前記推論モジュール(204)が、熱容量、熱伝導率、誘電率、屈折率、熱拡散率、層抵抗、および乱流抵抗のいずれも考慮せずに、前記推論されたエネルギー含有量を推論する、請求項42又は43に記載の装置。
【請求項45】
前記推論的関係が、前記シフト項(A)、前記密度項(B)、および前記粘度項(C)の合計である、請求項42に記載の装置。
【請求項46】
前記粘度項(C)が粘度(η)を有し、前記粘度項(C)が粘度(η)と前記推論されたエネルギー含有量との間の直接的な関係を表す、請求項42に記載の装置。
【請求項47】
前記少なくとも1つの測定値が、測定温度(T)および測定圧力(P)をさらに含み、前記シフト項(A)が、対応する温度および圧力依存シフト項係数(k1(P,T))を含み、前記密度項(B)が、対応する温度および圧力依存密度項係数(k2(P,T))を含み、前記粘度項(C)が、対応する温度および圧力依存粘度項係数(k3(P,T))を含む、請求項42に記載の装置。
【請求項48】
前記密度項(B)が、前記密度項係数(k2(P,T))に前記逆密度(1/ρ)を乗算したものである、請求項47に記載の装置。
【請求項49】
前記粘度項(C)が、前記粘度項係数(k3(P,T))に前記粘度(η)を乗算したものである、請求項47又は48に記載の装置。
【請求項50】
前記シフト項(A)が、前記シフト項係数(k1(P,T))である、請求項47から49のいずれかに記載の装置。
【請求項51】
前記推論的関係が、式
【数48】
によって表される、請求項47から50のいずれかに記載の装置。
【請求項52】
前記シフト項係数(k1(P,T))、前記密度項係数(k2(P,T))、および粘度項係数(k3(P,T))が、前記流体に関連する対応する所定の係数定数(例えば、a1-a4、b1-b4、c1-c4、d1-d4)を使用して評価される、請求項47から51のいずれかに記載の装置。
【請求項53】
前記シフト項係数(k1(P,T))が、前記測定圧力(P)、前記測定温度(T)、および前記所定の係数定数(例えば、a1-a4、b1-b4、c1-c4、d1-d4)の少なくとも1つの所定のシフト係数定数(例えば、a1-a4)の間の関係を使用して前記推論モジュール(204)によって評価され、前記密度項係数(k2(P,T))が、前記測定圧力(P)、前記測定温度(T)、および前記所定の係数定数(例えば、a1-a4、b1-b4、c1-c4、d1-d4)の少なくとも1つの所定の密度係数定数(例えばb1-b4)の間の関係を使用して前記推論モジュール(204)によって評価され、前記粘度項係数(k3(P,T))が、前記測定圧力(P)、前記測定温度(T)、および前記所定の係数定数(例えば、a1-a4、b1-b4、c1-c4、d1-d4)の少なくとも1つの所定の粘度係数定数(例えば、c1-c4)の間の関係を使用して前記推論モジュール(204)によって評価される、請求項52に記載の装置。
【請求項54】
前記測定圧力(P)、前記測定温度(T)、および前記少なくとも1つの所定のシフト係数定数(例えば、a1-a4)の間の関係が、式
【数49】
によって表され、前記測定圧力(P)、前記測定温度(T)、および前記少なくとも1つの所定の密度係数定数(例えばb1-b4)の間の関係が、式
【数50】
によって表され、前記測定圧力(P)、前記測定温度(T)、および前記少なくとも1つの所定の粘度係数定数(例えば、c1-c4)の間の関係が、式
【数51】
によって表される、請求項53に記載の装置。
【請求項55】
前記推論的関係が、不活性項(D)をさらに含み、前記不活性項が、二酸化炭素のパーセント組成(%CO2)を占め、前記不活性項(D)が、温度(T)および圧力(P)に依存する不活性項係数(k4(P,T))を有し、前記不活性項係数(k4(P,T))が、不活性項係数定数(例えば、d1-d4)を使用して決定される、請求項42に記載の装置。
【請求項56】
前記不活性項係数(k4(P,T))が、関係
【数52】
から決定され、前記推論的関係が
【数53】
である、請求項55に記載の装置。
【請求項57】
前記推論モジュール(204)によって前記推論することが、前記少なくとも1つの流体のうちの1つ以上がメンバである流体の少なくとも1つのクラスに関連付けられた所定の係数定数(例えば、a1-a4、b1-b4、c1-c4、d1-d4)を使用して、前記流体の前記推論されたエネルギー含有量を推論することを含む、請求項52から54のいずれかに記載の装置。
【請求項58】
前記少なくとも1つのクラスの流体が、燃料ガス、天然ガス、フレアガス、液化天然ガス、シェールガス、バイオガス、および地理的地域からの流体のクラスのうちの1つ以上である、請求項57に記載の装置。
【請求項59】
前記測定温度(T)および前記測定圧力(P)のうちの1つ以上が、前記測定温度(T)および前記測定圧力(P)のうちの前記1つ以上が動作条件において十分に一貫しているという前記推論モジュール(204)による決定に基づいて、定数である、請求項47に記載の装置。
【請求項60】
前記メモリ(220)に記憶された測定モジュール(202)をさらに備え、前記測定モジュールが、
前記測定モジュール(202)によって、少なくとも1つの生データ信号を受信し、
前記測定モジュール(202)によって、前記少なくとも1つの生データ信号を処理して、前記少なくとも1つの測定値のうちの1つ以上を表すデータを決定する、ように構成され、
前記推論モジュール(204)によって前記受信することが、前記測定モジュール(202)から前記少なくとも1つの測定値のうちの前記1つ以上を表す前記データを受信することを含む、請求項52から54及び57から58のいずれかに記載の装置。
【請求項61】
前記装置が、振動センサ(5)であり、前記装置が、前記流体と相互作用するように構成され、前記コンピュータ(200)が、前記振動センサ(5)によって行われた測定に基づいて前記少なくとも1つの測定値のうちの1つ以上を決定するように構成されたメータ電子機器(20)である、請求項52から54、57から58及び60のいずれかに記載の装置。
【請求項62】
前記流体と相互作用する第1の歯(104a)および第2の歯(104b)と、
前記コンピュータ(200)から駆動信号を受信し、前記駆動信号に基づいて前記第1の歯(104a)の動きを駆動するドライバ(102)と、
前記第2の歯(104b)の応答運動を表す応答信号を生成し、前記応答信号を前記メータ電子機器(20)に送信するように構成された応答センサ(106)と、を備え、
前記メータ電子機器(20)が、前記駆動信号および前記応答信号のうちの1つ以上から前記少なくとも1つの測定値のうちの前記1つ以上を決定するように構成されている、
請求項61に記載の装置。
【請求項63】
前記少なくとも1つの測定値のうちの前記1つ以上が前記測定密度(ρ)を含む、請求項61又は62に記載の装置。
【請求項64】
前記推論されたエネルギー含有量が発熱量である、請求項52から54、57から58及び60から62のいずれかに記載の装置。
【請求項65】
推論されたエネルギー含有量と少なくとも1つの測定量との間の推論的関係を決定するための装置であって、前記推論的関係が推論されたエネルギー含有量をもたらし、前記装置が、プロセッサ(210)およびメモリ(220)を有するコンピュータ(200)を有し、前記プロセッサ(210)が、前記メモリ(220)に記憶されたデータに基づいてコマンドを実行するように構成され、前記プロセッサ(210)が、前記メモリ(220)に記憶された推論モジュール(204)を実行し、前記推論モジュール(204)が、
少なくとも1つの流体の少なくとも1つの測定されたエネルギー含有量の既知の測定値と、前記少なくとも1つの測定された量と同じタイプの少なくとも1つの対応する測定値との間の関係を分析することによって前記推論的関係を決定するように構成され、
前記推論的関係が密度項(B)を有し、前記少なくとも1つの測定量のうちの1つが測定密度(ρ)であり、前記密度項(B)が逆密度(1/ρ)を有し、前記密度項(B)が密度(ρ)と前記推論されたエネルギー含有量との間の逆関係を表し、前記測定密度(ρ)が空気の密度(ρair)ではなく、
前記少なくとも1つの測定量のうちの別の測定量が、測定された粘度(η)であり、前記推論的関係が、シフト項(A)および粘度項(C)をさらに含み、前記粘度項(C)が、前記測定された粘度(η)を説明する、装置。
【請求項66】
前記推論モジュール(204)が、前記密度項(B)における粘度(η)、比重、および空気の前記密度(ρair)のいずれも考慮しない、請求項65に記載の装置。
【請求項67】
前記推論モジュール(204)が、熱容量、熱伝導率、誘電率、屈折率、熱拡散率、層抵抗、および乱流抵抗のいずれも考慮せずに前記推論的関係を決定する、請求項65又は66に記載の装置。
【請求項68】
前記推論的関係が、前記シフト項(A)、前記密度項(B)、および前記粘度項(C)の合計である、請求項65に記載の装置。
【請求項69】
前記粘度項(C)が粘度(η)を有し、前記粘度項(C)が粘度(η)と前記推論されたエネルギー含有量との間の直接的な関係を表す、請求項65に記載の装置。
【請求項70】
前記少なくとも1つの測定値が、測定温度(T)および測定圧力(P)をさらに含み、前記シフト項(A)が、対応する温度および圧力依存シフト項係数(k1(P,T))を含み、前記密度項(B)が、対応する温度および圧力依存密度項係数(k2(P,T))を含み、前記粘度項(C)が、対応する温度および圧力依存粘度項係数(k3(P,T))を含む、請求項65に記載の装置。
【請求項71】
前記密度項(B)が、前記密度項係数(k2(P,T))に前記逆密度(1/ρ)を乗算したものである、請求項70に記載の装置。
【請求項72】
前記粘度項(C)が、前記粘度項係数(k3(P,T))に前記粘度(η)を乗算したものである、請求項70又は71に記載の装置。
【請求項73】
前記シフト項(A)が、前記シフト項係数(k1(P,T))である、請求項70から72のいずれかに記載の装置。
【請求項74】
前記推論的関係が、式
【数54】
によって表される、請求項70から73のいずれかに記載の装置。
【請求項75】
前記シフト項係数(k1(P,T))、前記密度項係数(k2(P,T))、および粘度項係数(k3(P,T))が、前記少なくとも1つの流体に関連する対応する係数定数(例えば、a1-a4、b1-b4、c1-c4、d1-d4)を使用して導出される、請求項70から74のいずれかに記載の装置。
【請求項76】
前記シフト項係数(k1(P,T))が、前記測定圧力(P)、前記測定温度(T)、および前記係数定数(例えば、a1-a4、b1-b4、c1-c4、d1-d4)の少なくとも1つのシフト係数定数(例えば、a1-a4)の間の関係に依存し、前記密度項係数(k2(P,T))が、前記測定圧力(P)、前記測定温度(T)、および前記係数定数(例えば、a1-a4、b1-b4、c1-c4、d1-d4)の少なくとも1つの密度係数定数(例えばb1-b4)の間の関係に依存し、前記粘度項係数(k3(P,T))が、前記測定圧力(P)、前記測定温度(T)、および前記係数定数(例えば、a1-a4、b1-b4、c1-c4、d1-d4)の少なくとも1つの粘度係数定数(例えば、c1-c4)の間の関係に依存する、請求項75に記載の装置。
【請求項77】
前記測定圧力(P)、前記測定温度(T)、および前記少なくとも1つのシフト係数定数(例えば、a1-a4)の間の関係が、式
【数55】
によって表され、前記測定圧力(P)、前記測定温度(T)、および前記少なくとも1つの密度係数定数(例えばb1-b4)の間の関係が、式
【数56】
によって表され、前記測定圧力(P)、前記測定温度(T)、および前記少なくとも1つの粘度係数定数(例えば、c1-c4)の間の関係が、式
【数57】
によって表される、請求項76に記載の装置。
【請求項78】
前記推論的関係が、不活性項(D)をさらに含み、前記不活性項が、二酸化炭素のパーセント組成(%CO2)を占め、前記不活性項(D)が、温度(T)および圧力(P)に依存する不活性項係数(k4(P,T))を有し、前記不活性項係数(k4(P,T))が、不活性項係数定数(例えば、d1-d4)を使用して決定される、請求項65に記載の装置。
【請求項79】
前記不活性項係数(k4(P,T))が、関係
【数58】
から決定され、前記推論的関係が
【数59】
である、請求項78に記載の装置。
【請求項80】
前記推論モジュール(204)によって前記分析することが、前記係数定数(例えば、a1-a4、b1-b4、c1-c4、d1-d4)を、前記少なくとも1つの流体のうちの1つ以上がメンバである流体の少なくとも1つのクラスと関連付けることをさらに含む、請求項75から77のいずれかに記載の装置。
【請求項81】
前記流体の少なくとも1つのクラスが、燃料ガス、天然ガス、フレアガス、液化天然ガス、シェールガス、バイオガス、および地理的領域に関連する流体のクラスのうちの1つ以上である、請求項80に記載の装置。
【請求項82】
前記推論的関係が、前記少なくとも1つの測定値と同じタイプのライブ測定を行いながらライブで決定される推論されたエネルギー含有量のライブ推論的決定において前記係数定数が所定の係数定数(例えば、a1-a4、b1-b4、c1-c4、d1-d4)として使用されることができるように、前記係数定数(例えば、a1-a4、b1-b4、c1-c4、d1-d4)によって特徴付けられることができる、請求項76から77及び80から81のいずれかに記載の装置。
【請求項83】
前記装置が振動センサ(5)であり、前記コンピュータ(200)がメータ電子機器(20)である、請求項65から77及び80から82のいずれかに記載の装置。
【請求項84】
前記装置が、前記少なくとも1つの測定値のうちの1つ以上を決定し、前記装置が、前記少なくとも1つの測定値のうちの前記1つ以上を、前記推論されたエネルギー含有量の前記推論に使用するために、前記推論モジュール(204)に提供する、請求項83に記載の装置。
【請求項85】
前記少なくとも1つの測定値のうちの前記1つ以上が、前記測定密度(ρ)および前記測定粘度(η)を含む、請求項84に記載の装置。
【請求項86】
前記推論されたエネルギー含有量が推論された発熱量である、請求項65から77及び80から85のいずれかに記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
以下に記載される実施形態は、流動流体の特性を決定することに関し、より詳細には、様々な組成を有する流動流体の特性を決定することに関する。
【背景技術】
【0002】
流体の組成が変化すると予想されるシステムにおいて流動流体のエネルギー含有量を動的に決定することは、困難な問題である。流動流体のエネルギー含有量を測定するための既存のシステムは、多くの場合面倒であり、ライブ測定が必要とされる状況において展開することが困難である。
【0003】
流動流体のエネルギー含有量は、例えばガスおよび石油用途において、流動流体の金銭的価値に影響を及ぼすことが多い。エネルギー含有量の一般的な測定基準は、例えば、発熱量(以下、「CV」)およびウォッベ指数を含む。ウォッベ指数を含むエネルギー含有量メトリックは、当該技術分野に存在する方法を使用してCVから容易に決定されることができるため、本明細書は、エネルギー含有量のメトリックとしてCVの使用を強調している。CVは、キロジュール/キログラム(すなわち、「質量基準」)の単位またはキロジュール/標準立方メートル(ベース条件20℃および1.013バール)の単位で表されることができる。他の単位系が考えられ、例えば、キロジュール/キログラムの代わりにポンドあたりの英国熱単位が使用されてもよく、キロジュール/標準立方メートルの代わりに立方フィートあたりの英国の熱単位が使用されてもよい。
【0004】
本明細書は、CVの決定に限定されず、任意の他のエネルギー含有量メトリックがCVから決定または導出されることができる。CVは、いくつかの方法で決定されることができる。CVの1つの既知の式は、式(1)として提示されるAGA5式である:
【数1】
【0005】
ここで、SGは比重、%CO2は二酸化炭素の体積パーセント組成、%N2は窒素の体積パーセント組成である。提示された式は、最も主要な不活性原因である二酸化炭素および窒素ガスを説明するが、流動流体中のさらなる物質、例えば、酸素、ヘリウム、一酸化炭素、硫化水素、水(おそらく蒸気)、および水素が考慮されることができる。これらのあまり顕著でない物質のAGA 5式の係数は決定されており、当該技術分野において十分に確立されているが、簡潔にするために省略されている。式(1)は、立方フィートあたりの英国熱単位の単位でCV値を与える。
【0006】
エネルギー含有量を直接決定するための1つの既知のシステムは、熱量計で燃料を燃焼させ、放出されたエネルギーを測定することである。これらの測定をライブで適用することができる既存のシステムはほとんどなく、ライブガスラインで使用されると危険になる可能性がある。また、インラインシステムでのライブ測定は、燃焼および測定のプロセスの遅延に依然として悩まされている。いくつかの方法は、ラインから燃料を除去し、システムからのライブフィードを有しない熱量計で使用される。これらの方法は、サンプリング、燃焼、および測定を行う時間を待たなければならないため、エネルギー含有量の決定が遅延するという問題がある。
【0007】
エネルギー含有量を決定する別の方法は、燃料の組成を決定し、次いで組成の各成分の発熱量の組成加重平均に基づいて全体的なエネルギー含有量値を決定することである。これは、流れる流体の組成をそれが流れるときに決定することが困難であるため、ライブまたはインラインで達成することが困難である。また、流動する流体の組成が変化するシステムでは、流体組成の決定に関連する遅延があり、ライブエネルギー含有量の決定を妨げる。
【0008】
エネルギー含有量を決定するために使用される方法の別のセットは、推論的方法のセットである。これらの方法は、ライブ測定を使用して関心のある値を推論することができるという利点を有する。存在する推論的方法は、考慮されるいくつかの要因を決定する際の不正確さおよび/または問題を被る。例えば、多くは、熱伝導率または熱容量の知識を必要とする。ガスおよびオイル用途で一般的であるように、流動流体の組成が時間とともに変化する用途では、ライブ測定値を導出するために組成が決定される必要がある。
【0009】
既存のシステムはまた、測定された密度と対応する決定されたCVとの間の直接的な関係に依存するという問題を抱えている。CVを密度との直接的な関係を有するものとしてモデル化する場合、関係は、変数とCVとの間の逆関係を示すように見える要素を有することが理解されることができる。また、多くの方法は、測定された粘度値が測定された密度値と乗算されるCV決定の項を有することを被る。さらに、既存の方法は、典型的には、測定された圧力および粘度を決定するために温度依存性を使用するが、本方法は、測定された密度および測定された粘度項の係数の温度および/または圧力依存性を考慮していない。さらに、これらの温度および/または圧力に依存する項は、ガスの特定の分類の決定に起因することができる一定の値を有していない。
【0010】
したがって、ライブで測定されることができる量からエネルギー含有量を迅速に推論的に決定するためのシステムおよび方法が必要とされている。
【発明の概要】
【0011】
推論されたエネルギー含有量と少なくとも1つの測定量との間の推論的関係を決定するための方法が開示される。推論的関係は、推論されたエネルギー含有量をもたらす。本方法は、メモリ(220)に記憶されたデータに基づいてコマンドを実行するように構成されたプロセッサ(210)を有するコンピュータ(200)を使用し、プロセッサ(210)が、メモリ(220)に記憶された推論モジュール(204)のステップを実施し、本方法が、推論モジュール(204)によって、少なくとも1つの流体の少なくとも1つの測定エネルギー含有量の既知の測定値と、少なくとも1つの測定量と同じタイプの少なくとも1つの対応する測定値との間の関係を分析することによって推論的関係を決定するステップであって、推論的関係が密度項(B)を有し、少なくとも1つの測定量のうちの1つが測定密度(ρ)であり、密度項(B)は逆密度(1/ρ)を有し、密度項(B)が密度(ρ)と推論エネルギー含有量との間の逆関係を表し、測定密度(ρ)が空気の密度(ρair)ではない、決定するステップを含む。
【0012】
推論されたエネルギー含有量と流体の少なくとも1つの測定量との間の推論的関係を使用するための方法が開示される。所定の推論的関係は、推論されたエネルギー含有量をもたらす。本方法は、メモリ(220)に記憶されたデータに基づいてコマンドを実行するように構成されたプロセッサ(210)を有するコンピュータ(200)を使用し、プロセッサ(210)が、メモリ(220)に記憶された推論モジュール(204)のステップを実施する。本方法は、推論モジュール(204)によって、少なくとも1つの測定量のタイプの少なくとも1つの測定値を受信するステップと、推論モジュール(204)によって、推論的関係および少なくとも1つの測定量から推論されたエネルギー含有量を推論するステップであって、推論的関係が密度項(B)を有し、少なくとも1つの測定値のうちの1つが測定密度(ρ)であり、密度項(B)が逆密度(1/ρ)を有し、密度項(B)が測定密度(ρ)と推論されたエネルギー含有量との間の逆関係を表し、測定密度(ρ)が空気の密度(ρair)ではない、推論するステップと、を含む。
【0013】
推論されたエネルギー含有量と流体の少なくとも1つの測定量との間の推論的関係を使用するための装置が開示される。推論的関係は、推論されたエネルギー含有量をもたらす。装置は、メモリ(220)に記憶されたデータに基づいてコマンドを実行するように構成されたプロセッサ(210)を有するコンピュータ(200)を有し、プロセッサ(210)が、メモリ(220)に記憶された推論モジュール(204)のステップを実施し、推論モジュール(204)が、少なくとも1つの測定量のタイプの少なくとも1つの測定値を受信し、推論的関係および少なくとも1つの測定量から推論されたエネルギー含有量を推論するように構成され、推論的関係が密度項(B)を有し、少なくとも1つの測定値のうちの1つが測定密度(ρ)であり、密度項(B)が逆密度(1/ρ)を有し、密度項(B)が測定密度(ρ)と推論されたエネルギー含有量との間の逆関係を表し、測定密度(ρ)が空気の密度(ρair)ではない。
【0014】
推論されたエネルギー含有量と少なくとも1つの測定量との間の推論的関係を決定するための装置が開示される。推論的関係は、推論されたエネルギー含有量をもたらす。装置は、プロセッサ(210)およびメモリ(220)を有するコンピュータ(200)を有し、プロセッサ(210)が、メモリ(220)に記憶されたデータに基づいてコマンドを実行するように構成され、プロセッサ(210)が、メモリ(220)に記憶された推論モジュール(204)を実行し、推論モジュール(204)が、少なくとも1つの流体の少なくとも1つの測定されたエネルギー含有量の既知の測定値と、少なくとも1つの測定された量と同じタイプの少なくとも1つの対応する測定値との間の関係を分析することによって推論的関係を決定するように構成され、推論的関係が密度項(B)を有し、少なくとも1つの測定された量のうちの1つが測定された密度(ρ)であり、密度項(B)が逆密度(1/ρ)を有し、密度項(B)が密度(ρ)と推論されたエネルギー含有量との間の逆関係を表し、測定された密度(ρ)が空気の密度(ρair)ではない。
【0015】
[態様]
態様によれば、推論されたエネルギー含有量と少なくとも1つの測定量との間の推論的関係を決定するための方法が開示される。推論的関係は、推論されたエネルギー含有量をもたらす。本方法は、メモリ(220)に記憶されたデータに基づいてコマンドを実行するように構成されたプロセッサ(210)を有するコンピュータ(200)を使用し、プロセッサ(210)が、メモリ(220)に記憶された推論モジュール(204)のステップを実施し、本方法が、推論モジュール(204)によって、少なくとも1つの流体の少なくとも1つの測定エネルギー含有量の既知の測定値と、少なくとも1つの測定量と同じタイプの少なくとも1つの対応する測定値との間の関係を分析することによって推論的関係を決定するステップであって、推論的関係が密度項(B)を有し、少なくとも1つの測定量のうちの1つが測定密度(ρ)であり、密度項(B)は逆密度(1/ρ)を有し、密度項(B)が密度(ρ)と推論エネルギー含有量との間の逆関係を表し、測定密度(ρ)が空気の密度(ρair)ではない、決定するステップを含む。
【0016】
好ましくは、推論モジュール(204)は、密度項(B)における粘度(η)、比重、および空気の密度(ρair)のいずれも考慮しない。
【0017】
好ましくは、推論モジュール(204)は、熱容量、熱伝導率、誘電率、屈折率、熱拡散率、層状抵抗、および乱流抵抗のいずれも考慮せずに推論的関係を決定する。
【0018】
好ましくは、少なくとも1つの測定量の別のものは、測定された粘度(η)であり、推論的関係は、シフト項(A)および粘度項(C)をさらに含み、粘度項(C)が、測定された粘度(η)を説明する。
【0019】
好ましくは、推論的関係は、シフト項(A)、密度項(B)、および粘度項(C)の合計である。
【0020】
好ましくは、粘度項(C)は、粘度(η)を有し、粘度項(C)は、粘度(η)と推論されたエネルギー含有量との間の直接的な関係を表す。
【0021】
好ましくは、少なくとも1つの測定値は、測定温度(T)および測定圧力(P)をさらに含み、シフト項(A)が、対応する温度および圧力依存シフト項係数(k1(P,T))を含み、密度項(B)が、対応する温度および圧力依存密度項係数(k2(P,T))を含み、粘度項(C)が、対応する温度および圧力依存粘度項係数(k3(P,T))を含む。
【0022】
好ましくは、密度項(B)は、密度項係数(k2(P,T))に逆密度(1/ρ)を乗算したものである。
【0023】
好ましくは、粘度項(C)は、粘度項係数(k3(P,T))に粘度(η)を乗算したものである。
【0024】
好ましくは、シフト項(A)は、シフト項係数(k1(P,T))である。
【0025】
好ましくは、推論的関係は、式
【数2】
によって表される。
【0026】
好ましくは、シフト項係数(k1(P,T))、密度項係数(k2(P,T))、および粘度項係数(k3(P,T))は、少なくとも1つの流体に関連する対応する係数定数(例えば、a1-a4、b1-b4、c1-c4、d1-d4)を使用して導出される。
【0027】
好ましくは、シフト項係数(k1(P,T))は、測定圧力(P)、測定温度(T)、および係数定数(例えば、a1-a4、b1-b4、c1-c4、d1-d4)の少なくとも1つのシフト係数定数(例えば、a1-a4)の間の関係に依存し、密度項係数(k2(P,T))は、測定圧力(P)、測定温度(T)、および係数定数(例えば、a1-a4、b1-b4、c1-c4、d1-d4)の少なくとも1つの密度係数定数(例えばb1-b4)の間の関係に依存し、粘度項係数(k3(P,T))は、測定圧力(P)、測定温度(T)、および係数定数(例えば、a1-a4、b1-b4、c1-c4、d1-d4)の少なくとも1つの粘度係数定数(例えば、c1-c4)の間の関係に依存する。
【0028】
好ましくは、測定圧力(P)、測定温度(T)、および少なくとも1つのシフト係数定数(例えば、a1-a4)の間の関係は、式
【数3】
によって表され、測定圧力(P)、測定温度(T)、および少なくとも1つの密度係数定数(例えばb1-b4)の間の関係は、式
【数4】
によって表され、測定圧力(P)、測定温度(T)、および少なくとも1つの粘度係数定数(例えば、c1-c4)の間の関係は、式
【数5】
によって表される。
【0029】
好ましくは、推論的関係は、不活性項(D)をさらに含み、不活性項は、二酸化炭素のパーセント組成(%CO2)を占め、不活性項(D)は、温度(T)および圧力(P)に依存する不活性項係数(k4(P,T))を有し、不活性項係数(k4(P,T))は、不活性項係数定数(例えば、d1-d4)を使用して決定される。
【0030】
好ましくは、不活性項係数(k4(P,T))は、関係
【数6】
から決定され、推論的関係は
【数7】
である。
【0031】
好ましくは、推論モジュール(204)によって分析することは、係数定数(例えば、a1-a4、b1-b4、c1-c4、d1-d4)を、少なくとも1つの流体のうちの1つ以上がメンバである流体の少なくとも1つのクラスと関連付けることをさらに含む。
【0032】
好ましくは、流体の少なくとも1つのクラスは、燃料ガス、天然ガス、フレアガス、液化天然ガス、バイオガス、シェールガス、および地理的領域に関連する流体のクラスのうちの1つ以上である。
【0033】
好ましくは、推論的関係は、少なくとも1つの測定値と同じタイプのライブ測定を行いながらライブで決定される推論されたエネルギー含有量のライブ推論的決定において係数定数が所定の係数定数(例えば、a1-a4、b1-b4、c1-c4、d1-d4)として使用されることができるように、係数定数(例えば、a1-a4、b1-b4、c1-c4、d1-d4)によって特徴付けられてもよい。
【0034】
好ましくは、推論されたエネルギー含有量は、推論された発熱量である。
【0035】
態様によれば、推論されたエネルギー含有量と流体の少なくとも1つの測定量との間の推論的関係を使用するための方法が開示される。所定の推論的関係は、推論されたエネルギー含有量をもたらす。本方法は、メモリ(220)に記憶されたデータに基づいてコマンドを実行するように構成されたプロセッサ(210)を有するコンピュータ(200)を使用し、プロセッサ(210)が、メモリ(220)に記憶された推論モジュール(204)のステップを実施する。本方法は、推論モジュール(204)によって、少なくとも1つの測定量のタイプの少なくとも1つの測定値を受信するステップと、推論モジュール(204)によって、推論的関係および少なくとも1つの測定量から推論されたエネルギー含有量を推論するステップであって、推論的関係が密度項(B)を有し、少なくとも1つの測定値のうちの1つが測定密度(ρ)であり、密度項(B)が逆密度(1/ρ)を有し、密度項(B)が測定密度(ρ)と推論されたエネルギー含有量との間の逆関係を表し、測定密度(ρ)が空気の密度(ρair)ではない、推論するステップと、を含む。
【0036】
好ましくは、推論モジュール(204)は、密度項(B)における粘度(η)、比重、および空気の密度(ρair)のいずれも考慮しない。
【0037】
好ましくは、推論モジュール(204)は、熱容量、熱伝導率、誘電率、屈折率、熱拡散率、層状抵抗、および乱流抵抗のいずれも考慮せずに、推論されたエネルギー含有量を推論する。
【0038】
好ましくは、少なくとも1つの測定値の別のものは、測定された粘度(η)であり、推論的関係は、シフト項(A)および粘度項(C)をさらに含み、粘度項(C)は、測定された粘度(η)を説明する。
【0039】
好ましくは、推論的関係は、シフト項(A)、密度項(B)、および粘度項(C)の合計である。
【0040】
好ましくは、粘度項(C)は、粘度(η)を有し、粘度項(C)は、粘度(η)と推論されたエネルギー含有量との間の直接的な関係を表す。
【0041】
好ましくは、少なくとも1つの測定値は、測定温度(T)および測定圧力(P)をさらに含み、シフト項(A)が、対応する温度および圧力依存シフト項係数(k1(P,T))を含み、密度項(B)が、対応する温度および圧力依存密度項係数(k2(P,T))を含み、粘度項(C)が、対応する温度および圧力依存粘度項係数(k3(P,T))を含む。
【0042】
好ましくは、密度項(B)は、密度項係数(k2(P,T))に逆密度(1/ρ)を乗算したものである。
【0043】
好ましくは、粘度項(C)は、粘度項係数(k3(P,T))に粘度(η)を乗算したものである。
【0044】
好ましくは、シフト項(A)は、シフト項係数(k1(P,T))である。
【0045】
好ましくは、推論的関係は、式
【数8】
によって表される。
【0046】
好ましくは、シフト項係数(k1(P,T))、密度項係数(k2(P,T))、および粘性項係数(k3(P,T))は、流体に関連する対応する所定の係数定数(例えば、a1-a4、b1-b4、c1-c4、d1-d4)を使用して評価される。
【0047】
好ましくは、シフト項係数(k1(P,T))は、測定圧力(P)、測定温度(T)、および所定の係数定数(例えば、a1-a4、b1-b4、c1-c4、d1-d4)の少なくとも1つの所定のシフト係数定数(例えば、a1-a4)の間の関係を使用して推論モジュール(204)によって評価され、密度項係数(k2(P,T))は、測定圧力(P)、測定温度(T)、および所定の係数定数(例えば、a1-a4、b1-b4、c1-c4、d1-d4)の少なくとも1つの所定の密度係数定数(例えばb1-b4)の間の関係を使用して推論モジュール(204)によって評価され、粘度項係数(k3(P,T))は、測定圧力(P)、測定温度(T)、および所定の係数定数(例えば、a1-a4、b1-b4、c1-c4、d1-d4)の少なくとも1つの所定の粘度係数定数(例えば、c1-c4)の間の関係を使用して推論モジュール(204)によって評価される。
【0048】
好ましくは、測定圧力(P)、測定温度(T)、および少なくとも1つの所定のシフト係数定数(例えば、a1-a4)の間の関係は、式
【数9】
によって表され、測定圧力(P)、測定温度(T)、および少なくとも1つの所定の密度係数定数(例えばb1-b4)の間の関係は、式
【数10】
によって表され、測定圧力(P)、測定温度(T)、および少なくとも1つの所定の粘度係数定数(例えば、c1-c4)の間の関係は、式
【数11】
によって表される。
【0049】
好ましくは、少なくとも1つの測定値は、測定された不活性含有量をさらに含み、測定された不活性含有量は、体積による二酸化炭素のパーセント組成(%CO2)であり、推論的関係は、不活性項(D)をさらに有し、不活性項(D)は、二酸化炭素のパーセント組成(%CO2)を占め、不活性項(D)は、温度(T)および圧力(P)依存性の不活性項係数(k4(P,T))を有し、不活性項係数(k4(P,T))は、不活性項係数定数(例えば、d1-d4)を使用して決定される。
【0050】
好ましくは、不活性項係数(k4(P,T))は、関係
【数12】
から決定され、推論的関係は
【数13】
である。
【0051】
好ましくは、推論モジュール(204)によって推論することは、少なくとも1つの流体のうちの1つ以上がメンバである流体の少なくとも1つのクラスに関連付けられた所定の係数定数(例えば、a1-a4、b1-b4、c1-c4、d1-d4)を使用して、流体の推論されたエネルギー含有量を推論することを含む。
【0052】
好ましくは、流体の少なくとも1つのクラスは、燃料ガス、天然ガス、フレアガス、液化天然ガス、バイオガス、シェールガス、および地理的領域に関連する流体のクラスのうちの1つ以上である。
【0053】
好ましくは、本方法は、流体が振動センサ(5)と相互作用している間に、振動センサ(5)によって少なくとも1つの生データ信号を測定するステップと、振動センサ(5)によって少なくとも1つの生データ信号を測定モジュール(202)に供給するステップと、測定モジュール(202)によって少なくとも1つの生データ信号を処理して、少なくとも1つの測定値のうちの1つ以上を表すデータを決定するステップと、をさらに含み、推論モジュール(204)によって受信することは、測定モジュール(202)から少なくとも1つの測定値のうちの1つ以上を表すデータを受信することを含む。
【0054】
好ましくは、少なくとも1つの測定値のうちの1つ以上は、測定された密度(ρ)を含む。
【0055】
好ましくは、本方法は、圧力センサ(150)によって測定圧力(P)を測定することをさらに含み、推論モジュール(204)によって受信することは、測定圧力(P)を受信することを含む。
【0056】
好ましくは、測定された温度(T)および測定された圧力(P)のうちの1つ以上は、一貫していると仮定される。
【0057】
好ましくは、推論されたエネルギー含有量は発熱量である。
【0058】
態様によれば、推論されたエネルギー含有量と流体の少なくとも1つの測定量との間の推論的関係を使用するための装置が開示される。推論的関係は、推論されたエネルギー含有量をもたらす。装置は、メモリ(220)に記憶されたデータに基づいてコマンドを実行するように構成されたプロセッサ(210)を有するコンピュータ(200)を有し、プロセッサ(210)が、メモリ(220)に記憶された推論モジュール(204)のステップを実施し、推論モジュール(204)が、少なくとも1つの測定量のタイプの少なくとも1つの測定値を受信し、推論的関係および少なくとも1つの測定量から推論されたエネルギー含有量を推論するように構成され、推論的関係が密度項(B)を有し、少なくとも1つの測定値のうちの1つが測定密度(ρ)であり、密度項(B)が逆密度(1/ρ)を有し、密度項(B)が測定密度(ρ)と推論されたエネルギー含有量との間の逆関係を表し、測定密度(ρ)が空気の密度(ρair)ではない。
【0059】
好ましくは、推論モジュール(204)は、密度項(B)における粘度(η)、比重、および空気の密度(ρair)のいずれも考慮しない。
【0060】
好ましくは、推論モジュール(204)は、熱容量、熱伝導率、誘電率、屈折率、熱拡散率、層状抵抗、および乱流抵抗のいずれも考慮せずに、推論されたエネルギー含有量を推論する。
【0061】
好ましくは、少なくとも1つの測定値の別のものは、測定された粘度(η)であり、推論的関係は、シフト項(A)および粘度項(C)をさらに含み、粘度項(C)は、測定された粘度(η)を説明する。
【0062】
好ましくは、推論的関係は、シフト項(A)、密度項(B)、および粘度項(C)の合計である。
【0063】
好ましくは、粘度項(C)は、粘度(η)を有し、粘度項(C)は、粘度(η)と推論されたエネルギー含有量との間の直接的な関係を表す。
【0064】
好ましくは、少なくとも1つの測定値は、測定温度(T)および測定圧力(P)をさらに含み、シフト項(A)が、対応する温度および圧力依存シフト項係数(k1(P,T))を含み、密度項(B)が、対応する温度および圧力依存密度項係数(k2(P,T))を含み、粘度項(C)が、対応する温度および圧力依存粘度項係数(k3(P,T))を含む。
【0065】
好ましくは、密度項(B)は、密度項係数(k2(P,T))に逆密度(1/ρ)を乗算したものである。
【0066】
好ましくは、粘度項(C)は、粘度項係数(k3(P,T))に粘度(η)を乗算したものである。
【0067】
好ましくは、シフト項(A)は、シフト項係数(k1(P,T))である。
【0068】
好ましくは、推論的関係は、式
【数14】
によって表される。
【0069】
好ましくは、シフト項係数(k1(P,T))、密度項係数(k2(P,T))、および粘性項係数(k3(P,T))は、流体に関連する対応する所定の係数定数(例えば、a1-a4、b1-b4、c1-c4、d1-d4)を使用して評価される。
【0070】
好ましくは、シフト項係数(k1(P,T))は、測定圧力(P)、測定温度(T)、および所定の係数定数(例えば、a1-a4、b1-b4、c1-c4、d1-d4)の少なくとも1つの所定のシフト係数定数(例えば、a1-a4)の間の関係を使用して推論モジュール(204)によって評価され、密度項係数(k2(P,T))は、測定圧力(P)、測定温度(T)、および所定の係数定数(例えば、a1-a4、b1-b4、c1-c4、d1-d4)の少なくとも1つの所定の密度係数定数(例えばb1-b4)の間の関係を使用して推論モジュール(204)によって評価され、粘度項係数(k3(P,T))は、測定圧力(P)、測定温度(T)、および所定の係数定数(例えば、a1-a4、b1-b4、c1-c4、d1-d4)の少なくとも1つの所定の粘度係数定数(例えば、c1-c4)の間の関係を使用して推論モジュール(204)によって評価される。
【0071】
好ましくは、測定圧力(P)、測定温度(T)、および少なくとも1つの所定のシフト係数定数(例えば、a1-a4)の間の関係は、式
【数15】
によって表され、測定圧力(P)、測定温度(T)、および少なくとも1つの所定の密度係数定数(例えばb1-b4)の間の関係は、式
【数16】
によって表され、測定圧力(P)、測定温度(T)、および少なくとも1つの所定の粘度係数定数(例えば、c1-c4)の間の関係は、式
【数17】
によって表される。
【0072】
好ましくは、推論的関係は、不活性項(D)をさらに含み、不活性項は、二酸化炭素のパーセント組成(%CO2)を占め、不活性項(D)は、温度(T)および圧力(P)に依存する不活性項係数(k4(P,T))を有し、不活性項係数(k4(P,T))は、不活性項係数定数(例えば、d1-d4)を使用して決定される。
【0073】
好ましくは、不活性項係数(k4(P,T))は、関係
【数18】
から決定され、推論的関係は
【数19】
である。
【0074】
好ましくは、推論モジュール(204)によって推論することは、少なくとも1つの流体のうちの1つ以上がメンバである流体の少なくとも1つのクラスに関連付けられた所定の係数定数(例えば、a1-a4、b1-b4、c1-c4、d1-d4)を使用して、流体の推論されたエネルギー含有量を推論することを含む。
【0075】
好ましくは、流体の少なくとも1つのクラスは、燃料ガス、天然ガス、フレアガス、液化天然ガス、シェールガス、バイオガス、および地理的地域からの流体のクラスのうちの1つ以上である。
【0076】
好ましくは、測定温度(T)および測定圧力(P)のうちの1つ以上は、測定温度(T)および測定圧力(P)のうちの1つ以上が動作条件において十分に一貫しているという推論モジュール(204)による決定に基づいて、定数である。
【0077】
好ましくは、装置は、メモリ(220)に記憶された測定モジュール(202)をさらに備え、測定モジュールは、測定モジュール(202)によって、少なくとも1つの生データ信号を受信し、測定モジュール(202)によって、少なくとも1つの生データ信号を処理して、少なくとも1つの測定値のうちの1つ以上を表すデータを決定するように構成され、推論モジュール(204)によって受信することは、測定モジュール(202)から少なくとも1つの測定値のうちの1つ以上を表すデータを受信することを含む。
【0078】
好ましくは、装置は、振動センサ(5)であり、装置は、流体と相互作用するように構成され、コンピュータ(200)は、振動センサ(5)によって行われた測定に基づいて少なくとも1つの測定値のうちの1つ以上を決定するように構成されたメータ電子機器(20)である。
【0079】
好ましくは、装置は、流体と相互作用する第1の歯(104a)および第2の歯(104b)と、コンピュータ(200)から駆動信号を受信し、駆動信号に基づいて第1の歯(104a)の運動を駆動するドライバ(102)と、第2の歯(104b)の応答運動を表す応答信号を生成し、応答信号をメータ電子機器(20)に送信するように構成された応答センサ(106)とを備え、メータ電子機器(20)は、駆動信号および応答信号のうちの1つ以上から少なくとも1つの測定値のうちの1つ以上を決定するように構成される。
【0080】
好ましくは、少なくとも1つの測定値のうちの1つ以上は、測定された密度(ρ)を含む。
【0081】
好ましくは、推論されたエネルギー含有量は発熱量である。
【0082】
態様によれば、推論されたエネルギー含有量と少なくとも1つの測定量との間の推論的関係を決定するための装置が開示される。推論的関係は、推論されたエネルギー含有量をもたらす。装置は、プロセッサ(210)およびメモリ(220)を有するコンピュータ(200)を有し、プロセッサ(210)が、メモリ(220)に記憶されたデータに基づいてコマンドを実行するように構成され、プロセッサ(210)が、メモリ(220)に記憶された推論モジュール(204)を実行し、推論モジュール(204)が、少なくとも1つの流体の少なくとも1つの測定されたエネルギー含有量の既知の測定値と、少なくとも1つの測定された量と同じタイプの少なくとも1つの対応する測定値との間の関係を分析することによって推論的関係を決定するように構成され、推論的関係が密度項(B)を有し、少なくとも1つの測定された量のうちの1つが測定された密度(ρ)であり、密度項(B)が逆密度(1/ρ)を有し、密度項(B)が密度(ρ)と推論されたエネルギー含有量との間の逆関係を表し、測定された密度(ρ)が空気の密度(ρair)ではない。
【0083】
好ましくは、推論モジュール(204)は、密度項(B)における粘度(η)、比重、および空気の密度(ρair)のいずれも考慮しない。
【0084】
好ましくは、推論モジュール(204)は、熱容量、熱伝導率、誘電率、屈折率、熱拡散率、層状抵抗、および乱流抵抗のいずれも考慮せずに推論的関係を決定する。
【0085】
好ましくは、少なくとも1つの測定量の別のものは、測定された粘度(η)であり、推論的関係は、シフト項(A)および粘度項(C)をさらに含み、粘度項(C)が、測定された粘度(η)を説明する。
【0086】
好ましくは、推論的関係は、シフト項(A)、密度項(B)、および粘度項(C)の合計である。
【0087】
好ましくは、粘度項(C)は、粘度(η)を有し、粘度項(C)は、粘度(η)と推論されたエネルギー含有量との間の直接的な関係を表す。
【0088】
好ましくは、少なくとも1つの測定値は、測定温度(T)および測定圧力(P)をさらに含み、シフト項(A)が、対応する温度および圧力依存シフト項係数(k1(P,T))を含み、密度項(B)が、対応する温度および圧力依存密度項係数(k2(P,T))を含み、粘度項(C)が、対応する温度および圧力依存粘度項係数(k3(P,T))を含む。
【0089】
好ましくは、密度項(B)は、密度項係数(k2(P,T))に逆密度(1/ρ)を乗算したものである。
【0090】
好ましくは、粘度項(C)は、粘度項係数(k3(P,T))に粘度(η)を乗算したものである。
【0091】
好ましくは、シフト項(A)は、シフト項係数(k1(P,T))である。
【0092】
好ましくは、推論的関係は、式
【数20】
によって表される。
【0093】
好ましくは、シフト項係数(k1(P,T))、密度項係数(k2(P,T))、および粘度項係数(k3(P,T))は、少なくとも1つの流体に関連する対応する係数定数(例えば、a1-a4、b1-b4、c1-c4、d1-d4)を使用して導出される。
【0094】
好ましくは、シフト項係数(k1(P,T))は、測定圧力(P)、測定温度(T)、および係数定数(例えば、a1-a4、b1-b4、c1-c4、d1-d4)の少なくとも1つのシフト係数定数(例えば、a1-a4)の間の関係に依存し、密度項係数(k2(P,T))は、測定圧力(P)、測定温度(T)、および係数定数(例えば、a1-a4、b1-b4、c1-c4、d1-d4)の少なくとも1つの密度係数定数(例えばb1-b4)の間の関係に依存し、粘度項係数(k3(P,T))は、測定圧力(P)、測定温度(T)、および係数定数(例えば、a1-a4、b1-b4、c1-c4、d1-d4)の少なくとも1つの粘度係数定数(例えば、c1-c4)の間の関係に依存する。
【0095】
好ましくは、測定圧力(P)、測定温度(T)、および少なくとも1つのシフト係数定数(例えば、a1-a4)の間の関係は、式
【数21】
によって表され、測定圧力(P)、測定温度(T)、および少なくとも1つの密度係数定数(例えばb1-b4)の間の関係は、式
【数22】
によって表され、測定圧力(P)、測定温度(T)、および少なくとも1つの粘度係数定数(例えば、c1-c4)の間の関係は、式
【数23】
によって表される。
【0096】
好ましくは、推論的関係は、不活性項(D)をさらに含み、不活性項は、二酸化炭素のパーセント組成(%CO2)を占め、不活性項(D)は、温度(T)および圧力(P)に依存する不活性項係数(k4(P,T))を有し、不活性項係数(k4(P,T))は、不活性項係数定数(例えば、d1-d4)を使用して決定される。
【0097】
好ましくは、不活性項係数(k4(P,T))は、関係
【数24】
から決定され、推論的関係は
【数25】
である。
【0098】
好ましくは、推論モジュール(204)によって分析することは、係数定数(例えば、a1-a4、b1-b4、c1-c4、d1-d4)を、少なくとも1つの流体のうちの1つ以上がメンバである流体の少なくとも1つのクラスと関連付けることをさらに含む。
【0099】
好ましくは、流体の少なくとも1つのクラスは、燃料ガス、天然ガス、フレアガス、液化天然ガス、シェールガス、バイオガス、および地理的領域に関連するガスのクラスのうちの1つ以上である。
【0100】
好ましくは、推論的関係は、少なくとも1つの測定値と同じタイプのライブ測定を行いながらライブで決定される推論されたエネルギー含有量のライブ推論的決定において係数定数が所定の係数定数(例えば、a1-a4、b1-b4、c1-c4、d1-d4)として使用されることができるように、係数定数(例えば、a1-a4、b1-b4、c1-c4、d1-d4)によって特徴付けられてもよい。
【0101】
好ましくは、装置は、振動センサ(5)であり、コンピュータ(200)は、メータ電子機器(20)である。
【0102】
好ましくは、装置は、少なくとも1つの測定値のうちの1つ以上を決定し、装置は、推論されたエネルギー含有量の推論に使用するために、少なくとも1つの測定値のうちの1つ以上を推論モジュール(204)に提供する。
【0103】
好ましくは、少なくとも1つの測定値のうちの1つ以上は、測定密度(ρ)および測定粘度(η)を含む。
【0104】
好ましくは、推論されたエネルギー含有量は、推論された発熱量である。
【図面の簡単な説明】
【0105】
同じ参照符号は、全ての図面において同じ要素を表す。図面は、必ずしも縮尺どおりにではないことを理解されたい。
図1】流動流体のエネルギー含有量を決定するためのシステム100の実施形態のブロック図を示している。
図2】コンピュータ200の実施形態のブロック図を示している。
図3】測定されたパラメータと流体エネルギー含有量との間の推論的関係を使用するための方法300の実施形態のフローチャートを示している。
図4】測定されたパラメータと流動流体エネルギー含有量との間の推論的関係を決定するための方法400の実施形態のフローチャートを示している。
図5】測定されたパラメータと流動流体エネルギー含有量との間の推論的関係を決定するための方法500の別の実施形態のフローチャートを示している。
図6】測定されたパラメータと流動流体エネルギー含有量との間の推論的関係を決定するための方法600のさらに別の実施形態のフローチャートを示している。
図7】測定されたパラメータからエネルギー含有量を推論するための方法700の実施形態のフローチャートを示している。
図8】測定されたパラメータからエネルギー含有量を推論するための方法800の別の実施形態のフローチャートを示している。
図9】測定されたパラメータからエネルギー含有量を推論するための方法900のさらに別の実施形態のフローチャートを示している。
図10】質量単位を使用して導出された推論エネルギー含有量値と直接法から決定されたエネルギー含有量との間の比較の実施形態のグラフ1000を示している。
図11】直接決定された発熱量に対する推論された発熱量の誤差の実施形態のグラフ1100を示している。
図12】標準条件で推論された推論エネルギー含有量値と直接法から決定されたエネルギー含有量との間の比較の実施形態のグラフ1200を示している。
図13】直接決定された発熱量に対する推論された発熱量の誤差の実施形態のグラフ1300を示している。
【発明を実施するための形態】
【0106】
図1図13および以下の説明は、流体のエネルギー含有量を決定するためのシステムおよび方法の実施形態の最良の態様を製造および使用する方法を当業者に教示するための特定の例を示している。発明の原理を教示する目的で、いくつかの従来の態様は、単純化または省略されている。当業者は、本明細書の範囲内に含まれるこれらの例の変形を理解するであろう。当業者であれば、以下に説明する特徴を様々な方法で組み合わせて、流動流体のエネルギー含有量を決定するためのシステムおよび方法の複数の変形形態を形成することができることを理解するであろう。結果として、以下に説明する実施形態は、以下に説明する特定の例に限定されるものではなく、特許請求の範囲およびその均等物によってのみ限定される。
【0107】
図1は、流動流体のエネルギー含有量を決定するためのシステム100の実施形態のブロック図を示している。システムは、振動センサ5、圧力センサ150、および流導管160を有することができる。このシステムでは、流体は、流導管160を通って流れることができ、振動センサ5および圧力センサ150との界面で測定される。流動流体は、石油、燃料ガス、または天然ガス流体とすることができることを理解されたい。例えば、流動流体は、天然ガス(天然ガスは天然源に直接由来するガスである)、バイオガス、および燃料ガス(燃料ガスは石油製品から抽出された人工的に抽出されたガスである)のうちの1つ以上であってもよい。
【0108】
流動流体は、任意の数の物質、例えば、石油系物質、アルカン、可燃性物質、不活性物質、酸素などのうちの1つ以上から構成されてもよい。石油系物質は、メタン、エタン、プロパン、プロピレン、イソブタン、ブタンなどを含むことができる。可燃性物質は、例えば、水素、メタン、エタン、プロパン、プロピレン、イソブタン、ブタン、硫化水素などのうちの1つ以上を含むことができる。不活性物質は、例えば、二酸化炭素、窒素、ヘリウム、一酸化炭素、水などのうちの1つ以上を含むことができる。最も一般的な不活性物質は、二酸化炭素および窒素とすることができる。実施形態では、流体は、いくらかの空気を有してもよいが、流体の密度が空気の密度とは異なるように、流体は、完全にまたは大部分が空気ではない流体であってもよい。例えば、流体は、空気の半分未満、空気の4分の1未満、空気の10分の1未満、空気の10分の1未満、または空気の4分の3未満であってもよい。
【0109】
推論された発熱量を決定するとき、流体の流れに関する測定値、例えば、温度(T)、圧力(P)、粘度(η)、および密度(ρ)を使用することが有用であり得る。当該技術分野に存在する任意の方法が、これらの値を測定するために企図され、本明細書は、これらの測定を行うための物理センサおよび他の構成の例を提示するにすぎない。ガスライン内の典型的な要素である測定されたパラメータからエネルギー含有量を推論することが望ましく、特に、(測定を行うために必要な量を超えて)圧力(P)または温度(T)を大幅に変化させること、試験される個別の体積を分離すること、または流体要素を燃焼させることを伴わないパラメータが望ましい。流体の流れの典型的な測定値は、例えば、温度(T)、圧力(P)、粘度(η)、および密度(ρ)のうちの1つ以上を含むことができる。これらのパラメータを測定する実施態様は、既存の流体流ライン上に見出すことができ、したがって、既存の要素を使用してエネルギー含有量、例えばCV値の推論を推論することができれば、大きな利点である。エネルギー含有量の決定は、メータ電子機器20などのコンピュータ200によって行われてもよく、温度(T)または圧力(P)の低下を引き起こすために構成要素を追加することのうちの1つ以上なしに、層状抵抗を決定することなく、熱容量を決定することなく、熱伝導率を決定することなく、音速(SOS)効果を決定することなく、熱拡散率を決定することなく、比重を決定することなく、誘電率(絶縁定数)を決定することなく、屈折率を決定することなく、および/または同様のことを決定することなく、行うことができる。本明細書に提示された方法を使用するときにこれらの要素の多くが無視されることができる理由は、分析がそれらの他の手順およびパラメータの根本的な影響を説明できるためである。
【0110】
振動センサ5は、流動流体の特性を測定するセンサである。様々な実施形態では、振動センサ5は、コリオリセンサ、フォークメータ、フォーク密度計、フォーク粘度計などであってもよい。振動センサ5は、特性評価される流体に少なくとも部分的に浸漬されてもよい。流体は、液体または気体を含むことができる。あるいは、流体は、同伴気体、同伴固体、複数の液体、またはそれらの組み合わせを含む液体または気体などの多相流体を含むことができる。振動センサ5は、パイプまたは導管、タンク、容器、または他の流体容器に取り付けられることができる。振動センサ5はまた、流体の流れを導くためにマニホールドまたは同様の構造に取り付けられることができる。しかしながら、他の取り付け構成も企図され、本明細書および特許請求の範囲の範囲内である。
【0111】
振動センサ5は、メータ電子機器20、ドライバ102、第1の歯104a、第2の歯104b、応答センサ106、温度センサ108、および通信リンク26を有することができる。振動センサ5は、流体測定値を提供するように動作する。振動センサ5は、例えば、流動または非流動流体を含む流体の流体密度(ρ)、流体温度(T)、流体粘度(η)、質量流量、体積流量、および圧力(P)のうちの1つ以上を含む流体測定値を提供することができる。このリストは、網羅的ではなく、振動センサ5は、他の流体特性を測定または決定することができる。
【0112】
メータ電子機器20は、測定値を取得するための生信号データを処理し、および/またはプログラミングモジュールを処理する処理回路である。メータ電子機器20は、図2に示すコンピュータ200の実施形態であってもよい。メータ電子機器20は、振動センサ5のドライバ102および応答センサ106の動作を制御し、ドライバ102および応答センサ106に電力を供給することができる。例えば、メータ電子機器20は、駆動信号を生成し、生成された駆動信号をドライバ102に提供して、第1の歯104aに振動を生成することができる。生成された駆動信号は、第1の歯104aの振動振幅および周波数を制御することができる。生成された駆動信号はまた、振動持続時間および/または振動タイミングを制御することができる。
【0113】
ドライバ102は、動作を駆動する要素である。第1の歯104aは、振動して流体と相互作用する要素である。ドライバ102は、メータ電子機器20から駆動信号を受信して、第1の歯104aを振動させることができる。第2の歯104bは、結果として第1の歯104aの振動と位相がずれた振動を有する別の浸漬要素である。第2の歯104bは、第2の歯104bの振動応答と第1の歯104aを駆動するドライバ102に印加されるドライバ信号との間の関係が流体の特性を表すように、第2の歯104bの振動応答を測定する応答センサに結合される。これらの振動は、流量流体および/または流体流量の測定値がメータ電子機器20によって決定されることを可能にするように駆動されてもよい。温度センサ108は、温度を測定する装置である。流体および/または流体の流れの測定値は、温度依存性を有する可能性があるため、温度センサ108は、測定に使用するために温度データをメータ電子機器20に提供することができる。
【0114】
メータ電子機器20は、第2の歯104bの動きおよび/または振動を検出する応答センサ106から振動信号または複数の振動信号を受信することができる。実施形態では、メータ電子機器20は、ドライバ102に提供される指令信号および応答センサ106から受信される応答信号が位相ロックされるように、振動素子を位相ロックにおいて駆動することができる。メータ電子機器20は、例えば、密度(ρ)測定値を生成するために振動信号または複数の振動信号を処理することができる。メータ電子機器20は、応答センサ106から受信された振動信号を処理して、信号の周波数を決定する。さらに、または加えて、メータ電子機器20は、振動信号または複数の振動信号を処理して、粘度(η)などの流体の他の特性を決定する。メータ電子機器はまた、例えば、流体流量を決定するために処理されることができる信号間の位相差を決定することができる。理解されることができるように、位相差は、通常、度またはラジアンなどの空間単位で測定または表現されるが、時間ベースの単位などの任意の適切な単位が使用されることができる。時間ベースの単位が使用される場合、位相差は、振動信号と駆動信号との間の時間遅延として当業者によって参照されることができる。他の振動応答特性および/または流体測定値も企図され、本明細書および特許請求の範囲内である。
【0115】
メータ電子機器20は、通信リンク26にさらに結合されることができる。メータ電子機器20は、通信リンク26を介して振動信号を通信することができる。メータ電子機器20はまた、受信した振動信号を処理して測定値を生成することができ、通信リンク26を介して測定値を通信することができる。さらに、メータ電子機器20は、通信リンク26を介して情報を受信することができる。例えば、メータ電子機器20は、通信リンク26を介して、コマンド、更新、動作値もしくは動作値の変更、および/またはプログラミング更新もしくは変更を受信することができる。
【0116】
振動センサ5は、閉ループ回路を使用して運転者に駆動信号を提供することができる。駆動信号は、典型的には、受信した振動信号に基づく。閉ループ回路は、振動信号または振動信号のパラメータを駆動信号に修正または組み込むことができる。例えば、駆動信号は、受信された振動信号の増幅、変調、または他の方法で修正されたバージョンであってもよい。したがって、受信された振動信号は、閉ループ回路が目標周波数または位相差を達成することを可能にするフィードバックを含むことができる。フィードバックを使用して、閉ループ回路は、駆動周波数を増分的に変更し、目標位相に達するまで振動信号を監視し、その結果、駆動周波数および振動信号は目標位相または目標位相付近で位相ロックされる。
【0117】
流体の粘度(η)および密度(ρ)などの流体特性は、駆動信号と振動信号との間の位相差が135°および45°である周波数から決定されることができる。第1のオフ共振位相差φ1および第2のオフ共振位相差φ2として示されるこれらの所望の位相差は、半出力または3dB周波数に対応することができる。第1のオフ共振周波数ω1は、第1のオフ共振位相差φ1が135°となる周波数として定義される。第2のオフ共振周波数ω2は、第2のオフ共振位相差φ2が45°となる周波数として定義される。第2のオフ共振周波数ω2で行われる密度(ρ)測定は、流体粘度(η)とは無関係とすることができる。したがって、第2のオフ共振位相差φ2が45°である場合に行われる密度(ρ)測定は、他の位相差で行われる密度(ρ)測定よりも正確とすることができる。
【0118】
いくつかの実施形態では、振動センサ5は、密度(ρ)および粘度(η)の一方を決定するだけでよく、別の実装が密度(ρ)および粘度(η)の他方を決定し、別の実装はおそらく異なる振動計である。
【0119】
一実施形態では、振動センサ5は、不活性物質の組成パーセント、例えば二酸化炭素の体積パーセント組成(%CO2)を測定する不活性センサを有することができる。別の実施形態では、システムは、異なる装置から%CO2値を受信することができる。%CO2は、記載された他のパラメータとの推論的関係で使用されることができる。
【0120】
代替的な実施形態では、振動センサ5は、図1に示す振動センサ5とは異なっていてもよい。例えば、他の実施形態では、振動センサ5は、歯を有するフォークメータでなくてもよい。代替的な実施形態では、振動センサ5は、歯ではなく振動シリンダを有するガス密度計であってもよい。密度(ρ)および粘度(η)のうちの1つ以上を決定することができる任意の振動センサ5が使用されることができる。
【0121】
圧力センサ150は、流動流体の圧力(P)を求めるセンサである。圧力センサ150の例は、例えば、圧電センサ、歪みゲージなどを含むことができる。圧力センサ150は、おそらくメータ電子機器20のデータリンク26を介して、圧力(P)測定値を表すデータまたは圧力(P)測定値を決定する際に使用される生データを振動センサ5に送信するように構成されることができる。実施形態では、圧力センサ150は、温度(T)、圧力(P)、密度(ρ)、および粘度(η)の測定値が測定時に流動流体の単一の部分に関連することを確実にするために、振動センサ5に非常に近接しており、その結果、流体流の特定の部分の温度(T)、圧力(P)、密度(ρ)、および粘度(η)が本質的に同時に測定される。圧力センサ150は、通信リンク26および/またはインターフェース230のうちの1つ以上を介して、振動センサ5および/またはメータ電子機器20のうちの1つ以上に通信可能に結合されることができる。一実施形態では、圧力センサ150は、任意の測定値および決定値がメータ電子機器20によって処理されることができるように、振動計に統合されてもよい。
【0122】
導管160は、流動流体導管である。振動センサ5および/または圧力センサ150は、導管160内を流れる流体が振動センサ5および/または圧力センサ150の要素と相互作用することを可能にするために、導管160の表面に埋め込まれるかまたは取り付けられてもよく、または導管160と直列に接続される導管要素を有してもよい。実施形態では、導管160は、異なる導管からのバイパスラインまたはサイドチャネルであってもよく、おそらく振動センサ5および圧力センサ150が異なる導管を流れる流体と相互作用する場合よりも測定値が流体の流れに影響を及ぼすことを可能にする。
【0123】
図2は、コンピュータ200の実施形態のブロック図を示している。実施形態では、コンピュータ200は、メータ電子機器、例えば、メータ電子機器20とすることができる。様々な実施形態では、コンピュータ200は、特定用途向け集積回路から構成されてもよく、または個別のプロセッサおよびメモリ要素を有してもよく、プロセッサ要素は、メモリ要素からのコマンドを処理し、メモリ要素にデータを記憶する。コンピュータ200は、分離された物理システム、仮想マシンであってもよく、および/またはクラウドコンピューティング環境において確立されてもよい。コンピュータ200は、本明細書に提示された任意の方法ステップ、例えば、推論モジュール204の手順および能力のいずれか、ならびに、例えば、係数定数を決定および/または使用するなど、推論的関係を決定および/または使用するための本明細書の任意のステップを達成するように構成されることができる。
【0124】
コンピュータシステムは、プロセッサ210、メモリ220、インターフェース230、および通信カプラ240を有することができる。メモリ220は、例えば、測定モジュール202、推論モジュール204、および応答モジュール206を表す集積回路を記憶および/または有することができる。様々な実施形態では、コンピュータシステム200は、記載された要素に統合された、または記載されたコンピュータ要素に加えてもしくはそれと通信する他のコンピュータ要素、例えばバス、他の通信プロトコルなどを有することができる。
【0125】
プロセッサ210は、データ処理要素である。プロセッサ210は、中央処理装置、特定用途向け集積回路、他の集積回路、アナログコントローラ、グラフィックス処理装置、フィールドプログラマブルゲートアレイ、これらまたは他の一般的な処理要素の任意の組合せなどの処理に使用される任意の要素とすることができる。プロセッサ210は、処理データを記憶するためのキャッシュメモリを有することができる。プロセッサ210は、本明細書の方法から利益を得ることができ、その理由は、方法が計算の分解能を向上させ、提示された本発明の手順を使用してそれらの計算の誤差を低減することができるためである。
【0126】
メモリ220は、電子記憶装置である。メモリ220は、任意の非一時的記憶媒体であってもよく、ハードドライブ、ソリッドステートドライブ、揮発性メモリ、集積回路、フィールドプログラマブルゲートアレイ、ランダムアクセスメモリ、読み出し専用メモリ、ダイナミックランダムアクセスメモリ、消去可能プログラマブル読み出し専用メモリ、電気的消去可能プログラマブル読み出し専用メモリ、キャッシュメモリなどのうちの1つ、いくつか、または全てを含んでもよい。プロセッサ210は、メモリ220からのコマンドを実行し、メモリに記憶されたデータを利用することができる。
【0127】
コンピュータシステム200は、測定モジュール202、推論モジュール204、および/または応答モジュール206によって使用される任意のデータを記憶するように構成されることができ、測定モジュール202、推論モジュール204、および/または応答モジュール206によって受信または使用された任意のパラメータを表す任意の時間量の履歴データを、場合によってはデータが取得または決定されたときを表すタイムスタンプとともにメモリ220に記憶することができる。コンピュータシステム200はまた、任意の中間体の決定を表す任意のデータをメモリ220に記憶することができる。測定モジュール202、推論モジュール204、および/または応答モジュール206は、3つの別個の個別のモジュールとして表示されているが、本明細書では、本明細書で表される方法を達成するために協調して動作する任意の数(指定されたように1つまたは3つであってもよい)および様々なモジュールを企図している。
【0128】
測定モジュール202は、データを受信し、流動測定値を決定するために使用されるモジュールである。流体測定は、密度(ρ)、温度(T)、圧力(P)、および粘度(η)のうちの1つ以上を含むことができる。測定モジュール202は、駆動周波数を決定し、関連する測定値に処理されるデータ応答を受信することができる。いくつかの実施形態では、測定モジュール202は、流量センサ5および/または圧力センサ150の要素からデータを受信することができる。データは、生信号データおよび/または導関数測定値の形態をとることができる。例えば、圧力センサ150によって決定された生データまたは圧力(P)値を表すデータを圧力センサ150から受信することができる。これらの測定値は、エネルギー含有量の推論的決定、場合によっては推論的決定を行うために、推論モジュール204に送信されてもよい。
【0129】
推論モジュール204は、測定値から推論的決定を行うためのモジュールである。推論モジュール204は、流動流体の推論されたエネルギー含有量を含む任意の数の推論的決定を行うために使用されることができる。エネルギー含有量は、任意のメトリック、例えばCVおよびウォッベ指数によって表されることができる。本明細書における開示の目的のために、CVおよびエネルギー含有量は交換可能に使用されてもよく、CVの決定が言及される場合、他のエネルギー含有量測定基準の実施形態が企図される。しかしながら、特許請求の範囲において、発熱量(CV)が指定されている場合、それは具体的には発熱量(CV)を指すにすぎず、他のエネルギー含有量メトリックを指すのではない。
【0130】
実施形態では、推論モジュール204は、推論的関係に関して使用される係数の係数定数を決定することによって、推論的関係を決定するためのパラメータを決定することができる。推論モジュール204は、予め確立されたデータを使用して推論的関係の要素を決定するようになっていてもよく、および/または推論モジュール204は、予め確立されたまたは所定のパラメータを使用してライブ測定からCVを推論してもよい。所定のパラメータは、係数定数を含んでもよい。係数定数は、特定の流体または特定のクラスの流体、例えば、燃料ガス、天然ガス、フレアガス、液化天然ガス、バイオガス、および地理的領域に関連する流体のクラスのうちの1つ以上の係数定数であってもよい。実施形態では、推論モジュール204は、ライブ推論CV推論を行うために後でまたは別の装置によって使用される推論的関係のパラメータのみを決定することができる。別の実施形態では、推論モジュール204は、流動流体のライブの推論されたCVを生成するために所定の係数定数を単に使用することができる。さらに別の実施形態では、推論モジュール204は、既存のデータから所定の係数定数を決定し、所定の係数定数をライブ測定に適用して、推論されたCVのライブ推論を行うことができる。
【0131】
推論モジュール204は、パラメータの温度(T)および圧力(P)依存性ならびにそれらのCVとの関係を考慮することによってCV推論を行うことができる。例えば、CVは、密度(ρ)および粘度(η)の温度(T)および/または圧力(P)依存性を考慮することによって決定されることができる。密度(ρ)および粘度(η)は、温度(T)および圧力(P)の影響を考慮するために、測定モジュール202および推論モジュール204のうちの1つ以上によって調整されることができる。推論モジュール204は、CVと密度(ρ)および粘度(η)のうちの1つ以上との間の関係を、CVと推論的関係の項との間の関係として表すことができる。推論的関係の項は、シフト項(A)、密度項(B)、および/または粘度項(C)のうちの1つ以上を含むことができる。推論されたCVと推論的関係項との間の関係は、CVが推論的関係項のうちの1つ以上の合計として推論されることであってもよい。推論モジュール204は、密度(ρ)および粘度(η)測定値に関連するパラメータを調整することによって、例えば、CV決定の少なくとも1つの密度項(B)、少なくとも1つの粘度項(C)、および/または少なくとも1つのシフト項(A)のうちの1つ以上について温度(T)および圧力(P)依存係数を確立することによって、CV値を推論することができる。推論モジュール204は、温度(T)および/または圧力(P)依存係数を決定するために使用される係数定数(例えば、a1-a4、b1-b4、c1-c4、および/またはd1-d4)を決定および/または記憶することができる。これらの係数定数は、特定のパラメータ、例えば、流動流体中の物質の1つ以上、流動流体中の物質のクラスなどに依存することができる。係数定数(例えば、a1-a4、b1-b4、c1-c4、および/またはd1-d4)は、分析技術、例えば回帰または確率的または統計的方法を使用して、異なる温度および圧力条件にわたって多数の異なる混合物組成物を使用して決定されることができる。係数定数(例えば、a1-a4、b1-b4、c1-c4、および/またはd1-d4)は、これらの技術を使用して実質的に同時に決定されることができる。
【0132】
実施形態では、係数定数は、パラメータ、例えば、流れの既知の要素または係数定数が対応する流体のクラスに基づいて既に決定されてもよい。係数定数が既に決定されている実施形態では、それらは所定の係数定数と呼ばれることがある。推論モジュール204は、所定の係数定数を使用して、おそらくは流体または流体がメンバである流体のクラスに関連する所定の係数定数を使用して、推論されたエネルギー含有量を推論することができる。物質のクラスは、燃料ガス、天然ガス、フレアガス、液化天然ガス、シェールガス、バイオガス、および地理的領域に関連する流体のクラスのうちの1つ以上を含むことができる。地理的領域は、例えば、特定の大陸、特定の国、特定の都市、特定の郡などを含むことができる。例えば、流体のクラスは、天然ガスであってもよい。別の実施形態では、流体のクラスは、北米などの地域からの天然ガスであってもよい。
【0133】
推論モジュール204は、温度(T)、圧力(P)、密度(ρ)、および粘度(η)の値のうちの1つ以上の間の関係を使用することができる。温度(T)、圧力(P)、密度(ρ)、および粘度(η)の値のうちの1つ以上は、例えば、図1に示す振動センサ5または圧力センサ150のうちの1つ以上によって測定された測定値であってもよい。様々な実施形態では、プロセス制御は、温度(T)、圧力(P)、密度(ρ)、および粘度(η)の値のうちの1つ以上における一貫性を可能にするため、推論モジュール204は、特定のパラメータ値を仮定することができる場合がある。例えば、実施形態では、圧力(P)および温度(T)のうちの1つ以上は、圧力(P)および温度(T)のうちの1つ以上の一定値が測定の代わりに使用されることができるように、十分に一貫していると決定されることができる。
【0134】
推論モジュール204は、密度項(B)、粘度項(C)、および/またはシフト項(A)のうちの1つ以上を考慮および/または決定することによってCV値を推論することができる。実施形態では、CVを推論するための推論的関係は、以下とすることができる:
CV= A+B+C (2)
【0135】
密度項(B)は、CV推論に対する流動流体の密度(ρ)効果を説明する。密度項(B)は、密度項(B)および/または密度(ρ)のうちの1つ以上の増加が、密度(ρ)がCVに及ぼす影響を減少させ、増加した密度(ρ)から推論されるCVを減少させるように、CVと逆関係を有することができる。密度項(B)は、流体とは別に純空気または環境空気(ρair)の密度を考慮しなくてもよい。また、測定された密度(ρ)は、純空気の密度(ρair)の測定値でなくてもよい。また、推論的関係は、純空気または環境空気(ρair)の密度の測定を考慮しなくてもよい。密度項(B)は、おそらく導出された定数または所定の定数、例えば密度係数定数(b1-b4)を使用して動的に決定および/または適用されることができる温度(T)および/または圧力(P)依存の密度項係数(k2(P,T))を有することができる。密度項(B)は、粘度(η)または粘度(η)と密度(ρ)との間の関係を考慮しないように、粘度項(C)とは別個であってもよい。さらに、密度項(B)は、密度(ρ)が粘度(η)に関連するいかなる量によっても乗算も除算もされないようなものであってもよい。実施形態では、密度項(B)の粘度(η)への依存性の欠如は、温度(T)および/または圧力(P)に依存する密度項係数(k2(P,T))として表されることができ、温度(T)および/または圧力(P)に依存する密度項係数(k2(P,T))を粘度(η)で乗算または除算することなく、推論的関係(または、おそらく、式)が表されることができるように、密度(ρ)に適用されることができる。実施形態では、密度項(B)は、以下とすることができる:
【数26】
【0136】
実施形態では、温度(T)および/または圧力(P)に依存する密度項係数(k2(P,T))は、密度係数定数(b1-b4)との温度依存関係として表されることができる。実施形態では、温度(T)および/または圧力(P)に依存する密度項係数(k2(P,T))は、以下のように表されることができる:
【数27】
【0137】
粘度項(C)は、CV推論に対する流動流体の粘度(η)効果を説明する。粘度項(C)は、粘度(η)の増加および/または粘度項(C)のうちの1つ以上が、粘度(η)がCVに及ぼす影響を増加させ、増加した粘度(η)から推論されるCVを増加させるように、CVと直接的な関係を有することができる。粘度項(C)は、場合によっては導出された定数または所定の定数、例えば粘度係数定数(c1-c4)を使用して動的に決定されることができる温度(T)および/または圧力(P)依存粘度項係数(k3(P,T))を有することができる。実施形態では、粘度項(C)は、以下とすることができる:
【数28】
【0138】
実施形態では、温度(T)および/または圧力(P)に依存する粘度項係数(k3(P,T))は、粘度係数定数(c1-c4)との温度依存関係として表されることができる。実施形態では、温度(T)および/または圧力(P)に依存する粘度項係数(k3(P,T))は、以下のように表されることができる:
【数29】
【0139】
シフト項(A)は、CVのベースライン値である項である。シフト項(A)は、温度(T)および/または圧力(P)に依存することができる。シフト項は、推論的関係に基づいて決定されたCVに直接関連することができる。シフト項(A)は、例えば、温度(T)および/または圧力(P)に依存するシフト項係数(k1(P,T))を含むことができる。異なる実施形態では、シフト項(A)は、係数(本質的に、1の値を乗算する)のみであってもよく、または他の測定パラメータに適用されてもよい。実施形態では、シフト項(A)は、以下とすることができる:
【数30】
【0140】
実施形態では、温度(T)および/または圧力(P)に依存するシフト項係数(k1(P,T))は、シフト係数定数(a1-a4)との温度依存関係として表されることができる。実施形態では、温度(T)および/または圧力(P)に依存するシフト項係数(k1(P,T))は、以下のように表されることができる:
【数31】
【0141】
推論モジュール204は、CV値を推論的に決定するために式(2)-(8)で表される関係のいずれを使用してもよい。実施形態では、式(2)、(3)、(5)、および(7)が組み合わせられて、CVと密度および粘度の双方との間の推論的関係の実施形態を形成することができ、この実施形態はおそらく、以下である:
【数32】
【0142】
実施形態では、温度(T)および/または圧力(P)依存係数k1(P,T)、k2(P,T)、およびk3(P,T)は、それぞれ、式(8)、(4)、(6)で表される関係を使用してエネルギー含有量を推論するために決定または使用されることができる。
【0143】
実施形態では、推論モジュール204は、既知の値および/または流動流体の関係を使用し、回帰分析を実行することによって係数定数を決定することができる。例えば、係数定数は、1つ以上の流動流体の既知の値に基づいて回帰分析を実行することによって決定されることができる。既知の値は、特定の依存性パラメータにおける測定されたCV値を含むことができ、依存性パラメータは、例えば、流体の同一性および/またはクラス、流体の(異なる物質の)相対組成、温度(T)、圧力(P)、密度(ρ)、および/または粘度(η)のうちの1つ以上をおそらく含む。依存性パラメータは、依存性パラメータの離散値の代わりに、またはそれに加えて、依存性パラメータを関連付ける関係または方程式として表されることができる。実施形態では、流体のクラス内の物質の特性が、クラス内の全ての流体に1組の係数定数を適用するのに十分に類似した特性を有することができるように、いくつかの異なる測定CV値および対応する依存性パラメータが流体のクラスによって分類されることができる。例えば、流体のクラスは、燃料ガス、天然ガス、フレアガス、液化天然ガス、および/またはバイオガスのうちの1つ以上を含むことができる。推論モジュール204は、クラス固有の係数定数を決定するために、クラスで特徴付けられた物質のうちの1つ以上に対するCV値および対応する依存性パラメータに対する回帰分析を実行することができる。実施形態では、推論モジュール204は、CVが推論されるべき期間中に使用するための所定のクラス固有および/または物質固有の係数定数を記憶することができる。
【0144】
実施形態では、推論モジュール204は、係数定数を決定することができる。別の実施形態では、推論モジュール204は、おそらく予想される流体流物質またはクラスによって識別される所定の係数定数を使用することができる。推論モジュール204は、クラス固有の係数定数を決定することができ、および/または推論モジュール204は、所定のクラス固有の係数定数を使用することができる。
【0145】
動作の実施形態では、推論モジュール204は、係数定数を使用して、流動流体の推論されたCVを決定することができる。例えば、CVは、係数定数と、例えば、式(2)-(13)で表される関係のうちの1つ以上など、測定された温度(T)、測定された圧力(P)、測定された密度(ρ)、および測定された粘度(η)のうちの少なくとも1つとの間の少なくとも1つの関係を適用することによって推論的に決定されることができる。他の実施形態では、圧力および温度のうちの1つ以上は、測定される代わりに範囲内にあると仮定または仮定されてもよい。様々な実施形態では、推論モジュール204は、温度(T)または圧力(P)の低下をもたらすために成分を追加すること、層抵抗を決定すること、熱容量を決定すること、熱伝導率を決定すること、熱拡散率を決定すること、比重を決定することなどのうちの1つ以上なしにCV値を推論するように構成されてもよい。推論モジュール124はまた、粘度(η)を考慮せずに、および/または密度項(B)内の粘度(η)によって密度(ρ)を乗算または除算することなく、密度項(B)を評価することができる。
【0146】
別の実施形態では、さらなる項が推論的関係に組み込まれることができる。AGA 5式に見られるように、不活性濃度は、有意な効果を有することができる。実施形態では、システムは、特定の不活性物質、例えば二酸化炭素(%CO2)および窒素(%N2)のうちの1つ以上の組成(おそらく体積または質量による)パーセンテージを測定するようにさらに構成されてもよい。この実施形態では、式(2)および(13)は、不活性項(D)のさらなる和によって増強されることができる。不活性項(D)は、不活性項係数定数(d1-d4)から決定される温度(T)および圧力(P)依存係数(k4(P,T))を有することができる。不活性項(D)は、式(10)の形式をとることができる。
【数33】
【0147】
例えば、推論的関係は、式(11)の形式をとることができる。
CV= A+B+C+D (11)
【0148】
実施形態では、式(11)は、式(12)として表されることができる。
【数34】
【0149】
不活性項係数(k4(P,T))を決定する式の例は、式13である。
【数35】
【0150】
(A、B、C、および/またはD)という項は、任意の順序で決定されてもよく、または分析技術、例えば回帰もしくは確率的もしくは統計的方法を使用して実質的に同時に決定されることができる。
【0151】
応答モジュール206は、測定モジュール202および/または推論モジュール204の決定および動作に応答して動作を行うモジュールである。例えば、推論的CVの決定に応答して、応答モジュール206は、CVを表すデータをメモリ220に送信するか、またはCVを表すデータをメモリ220に記憶することができる。応答モジュール206は、CVを表すデータを外部構成要素、例えばディスプレイまたは他の計算装置に送信することができる。応答モジュール206によって、または応答モジュール206が推論されたCVを送信する計算装置によってとられることができる他の応答動作は、例えば、推論されたCVに基づいて価格を決定すること、分布内のガスを調整すること(例えば、CV値が低すぎる場合にプロパンを添加する)、および/またはバーナー制御を調整することのうちの1つ以上を含むことができる。当該技術分野で知られている他の応答動作は、応答モジュール206によって行われてもよく、本明細書によって企図される。
【0152】
測定モジュール202、推論モジュール204、および/または応答モジュール206の能力が企図され、提示されたフローチャートで実行される方法を反映する。本明細書の全ての方法は、指定された各フローチャートおよび順序に関して、または順序が重要ではないと指定された場合にはフローチャートに通知することが企図されるが、測定モジュール202、推論モジュール204、および/または応答モジュール206の全ての方法および能力は、以下のフローチャートおよび/または方法の請求項の任意のステップの目的のために企図される。
【0153】
インターフェース230は、コンピュータ200と外部の要素との間の通信を可能にする入出力装置である。インターフェース230は、例えば、ユニバーサルシリアルバス、シリアル通信、シリアルアドバンストテクノロジーアタッチメントなどの既知の技術を使用して、コンピュータシステム200を外部要素に接続することができる。インターフェース230は、通信カプラ240を有することができる。実施形態では、通信カプラ240は、通信リンク26であってもよく、または通信リンク26に通信可能に結合されてもよい。インターフェース230が結合されることができる外部要素は、ドライバ102、応答センサ106、温度センサ108、および/または外部計算装置のうちの1つ以上を含む。
【0154】
[フローチャート]
図3図9は、流動流体のライブの推論されたCV値を推論するために推論的関係を決定および/または使用する方法の実施形態のフローチャートを示している。フローチャートに開示されている方法は、網羅的ではなく、単にステップおよび順序の潜在的な実施形態を示すものである。本方法は、図1および図2に開示された振動センサ5、圧力センサ150、メータ電子機器20、コンピュータ200、測定モジュール202、推論モジュール204、および/または応答モジュール206の説明に開示された要素を含む本明細書全体の文脈で企図される。
【0155】
図3は、測定されたパラメータと流体エネルギー含有量との間の推論的関係を使用するための方法300の実施形態のフローチャートを示している。方法300で参照される振動センサ5、圧力センサ150、導管160、測定モジュール202、推論モジュール204、および応答モジュール206は、図1および図2に開示されているような振動センサ5、圧力センサ150、導管160、測定モジュール202、推論モジュール204、および応答モジュール206であってもよいが、代替実施形態では任意の適切な代替物が使用されてもよい。振動センサ5、圧力センサ150、導管160、測定モジュール202、推論モジュール204、および応答モジュール206の全ての機能を含む、本明細書に開示されているこれらのステップを達成するための全ての方法が企図される。
【0156】
ステップ302は、任意に、流体が導管160を通って流れることを可能にすることである。流体は、流動流体の流動流体が振動センサ5および/または圧力センサ150と相互作用するように、導管160を通って流れることができる。
【0157】
ステップ304は、任意に、測定モジュール202によって、流動流体のパラメータの測定値を測定することである。これらの測定パラメータは、おそらくは推論モジュール204によって、測定パラメータから流動流体のエネルギー含有量を決定するために推論的関係を決定および/または使用する際に使用されることができる。測定パラメータは、温度(T)、圧力(P)、密度(ρ)、および/または粘度(η)のうちの1つ以上を含むことができる。実施形態では、測定パラメータは、別のプロセスまたは入力から受信され、パラメータを所定のパラメータにすることができる。これらの所定の測定パラメータは、ガス含有量と所定の測定パラメータとの間の関係を確立するために、制御された環境で決定された所定のエネルギー含有量値とともに使用されることができる。別の実施形態では、測定モジュール202は、おそらく振動センサ5のメータ電子機器20から入力を受信することによって、測定パラメータを決定することができる。これらの測定パラメータは、振動センサ5を使用して流動流体の測定を行うことに関して述べた方法から、メータ電子機器20および/または圧力センサ150によって決定されていてもよい。
【0158】
ステップ306は、任意に、推論モジュール204によって、エネルギー含有量と測定パラメータとの間の推論的関係を決定することである。推論モジュール204は、本明細書で述べる推論モジュール204のありとあらゆる能力を使用して、測定されたパラメータとエネルギー含有量との間の推論的関係を決定することができる。例えば、推論モジュール204は、おそらく式(2)-(13)によって表される関係の要素を使用して、回帰を実行して推論的関係を決定するために、既知のエネルギー含有量値に相関する既存のデータを使用することができる。
【0159】
ステップ308は、推論モジュール204によって、測定されたパラメータから流動流体の推論されたエネルギー含有量を推論することである。推論モジュール204は、測定されたパラメータからエネルギー含有量を推論するために、推論モジュール204の能力として表される任意のおよび全ての関係および手順を使用することができる。例えば、推論モジュールは、流動流体のエネルギー含有量を推論するために式(2)-(13)によって表される関係を使用することができる。推論モジュール204は、ステップ304における(または別のソースから提供される)パラメータの測定値を使用することができ、ステップ306における(または別のソースから提供される)関係および対応するパラメータを使用して、推論されたエネルギー含有量を決定することができる。
【0160】
ステップ310は、任意に、応答モジュール206によって、エネルギー含有量の推論的関係の決定および/または推論に応答することである。本明細書で表される応答モジュール206による任意の応答が企図される。例えば、応答モジュール206は、パラメータを記憶もしくは送信すること、パラメータ間の関係を記憶もしくは送信すること、係数定数を記憶もしくは送信すること、推論されたエネルギー含有量値を記憶もしくは送信すること、推論されたCVに基づいて価格を決定すること、推論されたCVに基づいて価格を記憶もしくは送信すること、配電網内のガスを調整すること(例えば、CV値が低すぎる場合にプロパンを添加する)、および/またはバーナー制御を調整することのうちの1つ以上によって応答することができる。
【0161】
実施形態では、図3に示す方法の各ステップは、別個のステップである。別の実施形態では、図3において別個のステップとして示されているが、ステップ302~310は、別個のステップでなくてもよい。他の実施形態では、図3に示す方法は、上記のステップの全てを有しなくてもよく、および/または上記に列挙されたものに加えて、またはその代わりに他のステップを有してもよい。図3に示す方法のステップは、別の順序で実行されてもよい。図3に示された方法の一部として上に列挙されたステップのサブセットは、それら自体の方法を形成するために使用されることができる。方法300のステップは、例えば、一貫したエネルギー含有量値を提供するために連続的にループするなど、任意の組み合わせおよび順序で任意の回数繰り返されることができる。
【0162】
図4は、測定されたパラメータと流動流体エネルギー含有量との間の推論的関係を決定するための方法400の実施形態のフローチャートを示している。方法300で参照される振動センサ5、圧力センサ150、導管160、測定モジュール202、推論モジュール204、および応答モジュール206は、図1および図2に開示されているような振動センサ5、圧力センサ150、導管160、測定モジュール202、推論モジュール204、および応答モジュール206であってもよいが、代替実施形態では任意の適切な代替物が使用されてもよい。振動センサ5、圧力センサ150、導管160、測定モジュール202、推論モジュール204、および応答モジュール206の全ての機能を含む、本明細書に開示されているこれらのステップを達成するための全ての方法が企図される。実施形態では、方法400のステップは、方法400で使用される要素による測定を行う必要なしに、既存のデータを受信するコンピュータ200によって実行されてもよい。
【0163】
ステップ402は、推論モジュール204によって、エネルギー含有量と逆密度(1/ρ)を有する密度項(B)との間の推論的関係を決定することである。この関係は、推論されたエネルギー含有量をもたらすことができる。密度項(B)に逆密度(1/ρ)を使用することは、より一貫した結果を提供することができる。密度項(B)は、粘度(η)とは関係なく表されることができるようなものとすることができる。密度項(B)は、比重とは関係なく表されることができるようなものとすることができる。密度項(B)は、流体とは別に純空気または環境空気(ρair)の密度を考慮しなくてもよい。また、測定された密度(ρ)は、純空気の密度(ρair)の測定値でなくてもよい。また、推論的関係は、純空気または環境空気(ρair)の密度の測定を考慮しなくてもよい。推論モジュール204は、エネルギー含有量と逆密度を有する密度項(B)との間の推論的関係の決定を達成するために、本明細書で表される推論モジュール204の任意の能力を使用することができる。関係の決定は、関係を特徴付ける係数定数をもたらすことができ、例えば、ライブ測定値を関連付ける関係に所定の係数定数を入力して推論されるライブエネルギー含有量値を生成することによって、ライブエネルギー含有量決定における所定の係数定数として使用されることができる。ステップ402は、ステップ306の実施形態とすることができる。
【0164】
他の実施形態では、図4に示す方法は、上記のステップに加えて、またはその代わりに、他のステップを有してもよい。図4に示す方法の一部として上に列挙したステップのサブステップが使用されて、独自の方法を形成することができる。方法400のステップは、例えば、異なる流動流体および/または流動流体のクラスのエネルギー含有量を決定するために、任意の回数繰り返されることができる。
【0165】
図5は、測定されたパラメータと流動流体エネルギー含有量との間の推論的関係を決定するための方法500の別の実施形態のフローチャートを示している。方法300で参照される振動センサ5、圧力センサ150、導管160、測定モジュール202、推論モジュール204、および応答モジュール206は、図1および図2に開示されているような振動センサ5、圧力センサ150、導管160、測定モジュール202、推論モジュール204、および応答モジュール206であってもよいが、任意の適切な測定モジュール202、推論モジュール204、および応答モジュール206が、代替的な実施形態において使用されてもよい。振動センサ5、圧力センサ150、導管160、測定モジュール202、推論モジュール204、および応答モジュール206の全ての機能を含む、本明細書に開示されているこれらのステップを達成するための全ての方法が企図される。実施形態では、方法500のステップは、方法500で使用される要素による測定を行う必要なしに、既存のデータを受信するコンピュータ200によって実行されてもよい。
【0166】
ステップ502は、推論モジュール204によって、エネルギー含有量と、粘度(η)ではなく密度(ρ)を考慮し、推論されたエネルギー含有量をもたらす密度項(B)との間の関係を決定することである。密度項(B)は、おそらく逆密度(1/ρ)によって密度(ρ)を組み込むようなものであってもよく、粘度(η)とは何ら関係なく表されることができる。密度項(B)は、比重とは関係なく表されることができるようなものとすることができる。密度項(B)は、流体とは別に純空気または環境空気(ρair)の密度を考慮しなくてもよい。また、測定された密度(ρ)は、純空気の密度(ρair)の測定値でなくてもよい。また、推論的関係は、純空気または環境空気(ρair)の密度の測定を考慮しなくてもよい。推論モジュール204は、エネルギー含有量と逆密度(1/ρ)を有する密度項(B)との間の関係の決定を達成するために、本明細書で表される推論モジュール204の任意の能力を使用することができる。関係の決定は、関係を特徴付ける係数定数をもたらすことができ、例えば、ライブ測定値を関連付ける関係に所定の係数定数を入力して推論されるライブエネルギー含有量値を生成することによって、ライブエネルギー含有量決定における所定の係数定数として使用されることができる。ステップ502は、ステップ306の実施形態とすることができる。
【0167】
他の実施形態では、図5に示す方法は、上記のステップに加えて、またはその代わりに、他のステップを有してもよい。図5に示された方法の一部として上に列挙されたステップのサブステップは、それら自体の方法を形成するために使用されることができる。方法500のステップは、例えば、異なる流動流体および/または流動流体のクラスのエネルギー含有量を決定するために、任意の回数繰り返されることができる。
【0168】
図6は、測定されたパラメータと流動流体エネルギー含有量との間の推論的関係を決定するための方法600のさらに別の実施形態のフローチャートを示している。方法300で参照される振動センサ5、圧力センサ150、導管160、測定モジュール202、推論モジュール204、および応答モジュール206は、図1および図2に開示されているような振動センサ5、圧力センサ150、導管160、測定モジュール202、推論モジュール204、および応答モジュール206であってもよいが、任意の適切な測定モジュール202、推論モジュール204、および応答モジュール206が、代替的な実施形態において使用されてもよい。振動センサ5、圧力センサ150、導管160、測定モジュール202、推論モジュール204、および応答モジュール206の全ての機能を含む、本明細書に開示されているこれらのステップを達成するための全ての方法が企図される。実施形態では、方法600のステップは、方法600で使用される要素による測定を行う必要なしに、既存のデータを受信するコンピュータ200によって実行されてもよい。
【0169】
ステップ602は、推論モジュール204によって、測定されたエネルギー含有量と対応する測定された依存性パラメータとの間の相関を表すデータを受信することである。依存性パラメータは、例えば、流体の同一性および/またはクラス、流体の(異なる物質の)相対組成、温度(T)、圧力(P)、密度(ρ)、および/または粘度(η)のうちの1つ以上を含むことができる。推論モジュール204の全ての能力は、ステップ602を実行するために企図される。
【0170】
ステップ604は、推論モジュール204によって、測定されたエネルギー含有量と依存性パラメータとの間の推論的関係を決定するための分析を実行することである。この関係は、推論されたエネルギー含有量をもたらすことができる。実施形態では、分析は回帰であってもよい。分析は、測定されたエネルギー含有量を依存性パラメータと関連付ける関係項を出力することができる。関係の決定は、関係を特徴付ける係数定数をもたらすことができ、例えば、ライブ測定値を関連付ける関係に所定の係数定数を入力して推論されるライブエネルギー含有量値を生成することによって、ライブエネルギー含有量決定における所定の係数定数として使用されることができる。推論モジュール204の全ての能力は、ステップ604を実行するために企図される。ステップ602および604が組み合わせられて、ステップ306の実施形態とすることができる。
【0171】
ステップ606は、任意に、推論モジュール204または応答モジュール206によって、ライブの推論されたエネルギー含有量値をもたらすためにライブ測定によって決定されることができる依存性パラメータとエネルギー含有量を関連付けるために使用される決定された関係項を記憶することである。推論モジュール204および/または応答モジュール206の全ての能力は、ステップ606を実行するために考慮される。実施形態では、モジュールは、推論されたエネルギー含有量値を外部装置にさらに送信することができる。ステップ606は、ステップ310の実施形態とすることができる。
【0172】
実施形態では、図6に示す方法の各ステップは、別個のステップである。別の実施形態では、図6において別個のステップとして示されているが、ステップ602~606は、別個のステップでなくてもよい。他の実施形態では、図6に示す方法は、上記のステップの全てを有しなくてもよく、および/または上記に列挙されたものに加えて、またはその代わりに他のステップを有してもよい。図6に示す方法のステップは、別の順序で実行されてもよい。図6に示された方法の一部として上に列挙されたステップのサブセットは、それら自体の方法を形成するために使用されることができる。方法600のステップは、例えば、異なる流動流体および/または流動流体のクラスについて異なる関係値を計算するために、任意の組み合わせおよび順序で任意の回数繰り返されることができる。
【0173】
図7は、測定されたパラメータからエネルギー含有量を推論するための方法700の実施形態のフローチャートを示している。方法300で参照される振動センサ5、圧力センサ150、導管160、測定モジュール202、推論モジュール204、および応答モジュール206は、図1および図2に開示されているような振動センサ5、圧力センサ150、導管160、測定モジュール202、推論モジュール204、および応答モジュール206であってもよいが、代替実施形態では任意の適切な代替物が使用されてもよい。振動センサ5、圧力センサ150、導管160、測定モジュール202、推論モジュール204、および応答モジュール206の全ての機能を含む、本明細書に開示されているこれらのステップを達成するための全ての方法が企図される。
【0174】
ステップ702は、推論モジュール204によって、エネルギー含有量と逆密度(1/ρ)を有する密度項(B)との間の関係に基づいて、推論されたエネルギー含有量を推論することである。この関係は、推論されたエネルギー含有量をもたらすことができる。密度項(B)に逆密度(1/ρ)を使用することは、より一貫した結果を提供することができる。密度項(B)は、粘度とは関係なく表されることができるようなものとすることができる。密度項(B)は、流体とは別に純空気または環境空気(ρair)の密度を考慮しなくてもよい。また、測定された密度(ρ)は、純空気の密度(ρair)の測定値でなくてもよい。また、推論的関係は、純空気または環境空気(ρair)の密度の測定を考慮しなくてもよい。推論モジュール204は、エネルギー含有量と逆密度を有する密度項(B)との間の関係の推論を達成するために、本明細書で表される推論モジュール204の任意の能力を使用することができる。推論モジュールは、関係が測定値および所定の係数定数に基づいて推論されたエネルギー含有量を推論することができるように、所定の係数定数を関係に組み込むことによって推論されたエネルギー含有量を推論することができる。ステップ702は、ステップ308の実施形態とすることができる。
【0175】
他の実施形態では、図7に示す方法は、上記のステップに加えて、またはその代わりに、他のステップを有してもよい。図7に示された方法の一部として上に列挙されたステップのサブセットは、それら自体の方法を形成するために使用されることができる。方法700のステップは、例えば、異なる流動流体および/または流動流体のクラスのエネルギー含有量を決定するために、任意の回数繰り返されることができる。
【0176】
図8は、測定されたパラメータからエネルギー含有量を推論するための方法800の別の実施形態のフローチャートを示している。方法300で参照される振動センサ5、圧力センサ150、導管160、測定モジュール202、推論モジュール204、および応答モジュール206は、図1および図2に開示されているような振動センサ5、圧力センサ150、導管160、測定モジュール202、推論モジュール204、および応答モジュール206であってもよいが、任意の適切な測定モジュール202、推論モジュール204、および応答モジュール206が、代替的な実施形態において使用されてもよい。振動センサ5、圧力センサ150、導管160、測定モジュール202、推論モジュール204、および応答モジュール206の全ての機能を含む、本明細書に開示されているこれらのステップを達成するための全ての方法が企図される。
【0177】
ステップ802は、推論モジュール204によって、エネルギー含有量と、粘度(η)ではなく密度(ρ)を説明する密度項(B)との間の推論的関係に基づいて、推論されたエネルギー含有量を推論することである。推論的関係は、エネルギー含有量をもたらすことができる。密度項(B)は、密度(ρ)、場合によっては逆密度(1/ρ)を組み込んだものであってもよく、粘度(η)とは何ら関係なく表されることができる。密度項(B)は、流体とは別に純空気または環境空気(ρair)の密度を考慮しなくてもよい。また、測定された密度(ρ)は、純空気の密度(ρair)の測定値でなくてもよい。また、推論的関係は、純空気または環境空気(ρair)の密度の測定を考慮しなくてもよい。推論モジュール204は、関係が測定値および所定の係数定数に基づいて推論されたエネルギー含有量を推論することができるように、所定の係数定数を関係に組み込むことによって推論されたエネルギー含有量を推論することができる。推論モジュール204は、ステップ802を達成するために、本明細書で表現された推論モジュール204の任意の能力を使用することができる。ステップ802は、ステップ308の実施形態とすることができる。
【0178】
他の実施形態では、図8に示す方法は、上記のステップに加えて、またはその代わりに、他のステップを有してもよい。図8に示された方法の一部として上に列挙されたステップのサブセットは、それら自体の方法を形成するために使用されることができる。方法800のステップは、例えば、異なる流動流体および/または流動流体のクラスのエネルギー含有量を決定するために、任意の回数繰り返されることができる。
【0179】
図9は、測定されたパラメータからエネルギー含有量を推論するための方法900のさらに別の実施形態のフローチャートを示している。方法300で参照される振動センサ5、圧力センサ150、導管160、測定モジュール202、推論モジュール204、および応答モジュール206は、図1および図2に開示されているような振動センサ5、圧力センサ150、導管160、測定モジュール202、推論モジュール204、および応答モジュール206であってもよいが、代替実施形態では任意の適切な代替物が使用されてもよい。振動センサ5、圧力センサ150、導管160、測定モジュール202、推論モジュール204、および応答モジュール206の全ての機能を含む、本明細書に開示されているこれらのステップを達成するための全ての方法が企図される。実施形態では、方法900のステップは、方法900で使用される要素による測定を行う必要なしに、既存のデータを受信するコンピュータ200によって実行されてもよい。
【0180】
ステップ901は、任意に、振動センサ5および圧力センサ150のうちの1つ以上によって、温度(T)、圧力(P)、密度(ρ)、および/または粘度(η)を測定することである。ステップ901は、ステップ304の実施形態とすることができる。測定ステップは、流体が振動センサ5および圧力センサ150のうちの1つ以上と相互作用することを可能にされるものである。実施形態では、流体は、導管160に導入され、流体は、振動センサ5および圧力センサ150のうちの1つ以上と相互作用するように流れる。実施形態では、振動センサ5は、流体と直接相互作用することができる浸漬要素を有する。本明細書に開示されているように、振動センサ5および圧力センサ150のうちの1つ以上に関連する流体の測定可能な量を測定するための全ての方法が、ステップ901を実行するように企図される。
【0181】
ステップ902は、推論モジュール204によって、測定された依存関係パラメータを表すデータを受信することである。依存性パラメータは、例えば、流体の同一性および/またはクラス、流体の(異なる物質の)予想されたまたは推論された相対組成、温度(T)、圧力(P)、密度(ρ)、および/または粘度(η)のうちの1つ以上を含むことができる。様々な実施形態では、振動センサ5が使用されて測定を行い、依存性パラメータのうちの1つ以上を提供することができる。例えば、振動センサ5は、温度(T)、圧力(P)、密度(ρ)、および/または粘度(η)を測定するように構成されてもよい。
【0182】
別個の圧力センサ150が使用される実施形態では、圧力センサ150は、圧力(P)測定値、および場合によっては温度(T)測定値を表すデータ(または圧力(P)および/または温度(T)測定値を決定するために受信された信号を表す生データ)を、処理のためにコンピュータ200(または場合によっては振動センサ5のメータ電子機器20)に送信することができる。この実施形態では、1つ以上の振動センサ5は、流動流体の密度(ρ)および粘度(η)を決定することができる。振動センサはまた、温度(T)を測定することができる。振動センサによって取得された測定値は、コンピュータ200(またはおそらく振動センサ5の内部メータ電子機器20)に送信されてもよい。ステップ902を実行するために、測定モジュール202、コンピュータ200、振動センサ5、および圧力センサ150の全ての機能が考えられる。
【0183】
実施形態では、ユーザは、物質の同一性、例えば流体の同一性および/またはクラス、または流体の(異なる物質の)予想されたもしくは推論された相対組成に関連する依存性パラメータを指定することができる。この明細書は、コンピュータ200(またはメータ電子機器20)によって受信されてもよい。
【0184】
ステップ904は、推論モジュール204によって、測定されたエネルギー含有量と測定された依存性パラメータとの間の所定の関係に基づいて、流動流体の推論されたエネルギー含有量を推論することである。所定の関係は、コンピュータ200(またはメータ電子機器20)に記憶されてもよく、測定されたエネルギー含有量を依存性パラメータと関連付ける所定の関係項を有してもよい。例えば、推論モジュール204は、エネルギー含有量と依存性パラメータとの間の所定の関係に入力されるようにコンピュータ200(またはメータ電子機器20)に記憶された所定の係数定数を使用して、依存性パラメータのうちの1つ以上に基づいて推論されたエネルギー含有量を生成することができる。これを行う際に、コンピュータ200(またはメータ電子機器20)は、流体の流れに一般的に適用される測定値(例えば、温度(T)、圧力(P)、密度(ρ)、および/または粘度(η)の測定値)を使用してエネルギー含有量を決定することができる。
【0185】
実施形態では、所定の関係は、式(2)-(13)によってモデル化される。推論モジュール204の全ての能力は、ステップ904を実行するために企図される。ステップ902および904は、組み合わせて、ステップ308の実施形態とすることができる。
【0186】
ステップ906は、任意に、推論モジュール204または応答モジュール206によって、推論されたエネルギー含有量をメモリ220に記憶することである。推論モジュール204および/または応答モジュール206の全ての能力は、ステップ906を実行するために考慮される。ステップ906は、ステップ310の実施形態とすることができる。
【0187】
実施形態では、図9に示す方法の各ステップは、別個のステップである。別の実施形態では、図9において別個のステップとして示されているが、ステップ902~906は、別個のステップでなくてもよい。他の実施形態では、図9に示す方法は、上記のステップの全てを有しなくてもよく、および/または上記に列挙されたものに加えて、またはその代わりに他のステップを有してもよい。図9に示す方法のステップは、別の順序で実行されてもよい。図9に示された方法の一部として上に列挙されたステップのサブセットは、それら自体の方法を形成するために使用されることができる。方法900のステップは、例えば、異なる流動流体および/または流動流体のクラスについて異なる関係値を計算するために、任意の組み合わせおよび順序で任意の回数繰り返されることができる。
【0188】
[グラフ]
図10図13は、本明細書に記載の推論されたエネルギー含有量と直接決定されたエネルギー含有量との間の比較の実施形態のグラフを示している。
【0189】
測定モジュール202、推論モジュール204、および/または応答モジュール206によって実行される推論方法の例示的な実施形態は、最初にCV推論的関係における値の決定を示し、次いで、推論されたCVを決定するための関係の使用を示すことによって示されることができる。
【0190】
この例示的な実施形態では、試験ケースが提示される。試験ケースでは、ISO10723にしたがって、異なる組成の200の流体が使用されて、式(2)-(13)で表される関係の係数を決定する。流動流体内の物質の相対組成は、表1に記載の組成範囲を有していた。
【0191】
【表1】
【0192】
NIST Refpropデータベース23バージョン9.1を使用して、これらのガスの特性を、1から3バールの圧力(P)範囲および20℃から30℃の温度(T)範囲にわたって決定した。このデータに対して回帰を行うと、本明細書に開示されているように、測定されたパラメータのセットに動的に適用されることができる係数定数のセットが得られた。質量ベースの単位は、キロジュール/キログラム(kJ/kg)とすることができる。この試験ケースで得られた質量単位のガス混合物に関して決定された係数定数を表2に示す。
【0193】
【表2】
【0194】
式(2)-(13)によって表される関係において、質量単位量から決定された係数定数を使用した結果を、図10図11に見ることができる定数が決定されたのと同じパラメータ内の200の他のランダムガス混合物に適用した。図10図11で使用されるエネルギー含有量メトリックは発熱量である。
【0195】
図10は、質量単位を使用して導出された推論エネルギー含有量値と直接法から決定されたエネルギー含有量との間の比較の実施形態のグラフ1000を示している。グラフ1000は、kJ/kg単位の直接決定された発熱量を表す横軸1002と、kJ/kg単位の推論発熱量を表す縦軸1004と、推論発熱量と決定された発熱量との比較を表すトレンドライン1006と、推論発熱量と決定された発熱量との比較を表す複数の点1008とを有する。図から分かるように、結果は比較的良好に追跡する。トレンドライン1006は、
(推論された発熱量)=(直接決定された発熱量)×1.0065-347.3
として決定される。測定された量の1パーセント未満の切片を有する傾きが1に近いトレンドライン1006は、非常に強い相関を示す。トレンドラインのR二乗値は.989であり、推論された発熱量と直接決定された発熱量との間にも強い相関が見られた。
【0196】
図11は、直接決定された発熱量に対する推論された発熱量の誤差の実施形態のグラフ1100を示している。グラフ1100は、kJ/kg単位の直接決定された発熱量の値を表す横軸1102と、推論された発熱量と直接決定された発熱量との間のパーセント誤差を表す縦軸1104と、ゼロ誤差基準1106と、直接決定された発熱量と、推論された発熱量と直接決定された発熱量との間の誤差との比較を表す複数の点1108とを有する。結果は、0.60%の標準偏差で誤差を生じた。評価された200のガスのうち、5のガスは、残りのガスよりも顕著に高い誤差を与え、ほとんどのガスの発熱量を推論するための誤差が前述の標準偏差よりも大幅に小さいことを示唆している。
【0197】
別の実施形態では、係数定数は、20℃および1.013バールの基本条件(以下、「標準条件」という)で、キロジュール/標準立方メートル(kJ/stdm3)の単位で決定されることができる。標準条件としての量の分析は、質量単位係数定数の決定に適用される分析と同様に行った。この決定によって得られた定数を表3に示す。
【0198】
【表3】
【0199】
式(2)-(13)によって表される関係において、標準状態量から決定された係数定数を使用した結果を、図12図13に見ることができる定数が決定されたのと同じパラメータ内の200の他のランダムガス混合物に適用した。図12図13において使用されるエネルギー含有量メトリックは発熱量である。
【0200】
図12は、標準条件で推論された推論エネルギー含有量値と直接法から決定されたエネルギー含有量との間の比較の実施形態のグラフ1200を示している。グラフ1200は、kJ/stdm3単位の直接発熱量を表す横軸1202と、kJ/stdm3単位の推論発熱量を表す縦軸1204と、推論発熱量と確定発熱量との比較を表すトレンドライン1206と、推論発熱量と確定発熱量との比較を表す複数の点1208とを有する。図から分かるように、結果は比較的良好に追跡する。トレンドライン1206は、
(推論された発熱量)=(直接決定された発熱量)×.981+626.17
として決定される。傾きが1に近いトレンドライン1206は、非常に強い相関を示す。トレンドラインのR二乗値は.9847であり、推論された発熱量と直接に求めた発熱量との間にも強い相関が見られた。
【0201】
図13は、直接決定された発熱量に対する推論された発熱量の誤差の実施形態のグラフ1300を示している。グラフ1300は、kJ/stdm3単位の直接確定発熱量の値を表す横軸1302と、推論発熱量と直接確定発熱量とのパーセント誤差を表す縦軸1304と、ゼロ誤差基準1306と、直接決定された発熱量と、推論された発熱量と直接決定された発熱量との間の誤差との比較を表す複数の点1308とを有する。結果は、0.54%の標準偏差で誤差を生じた。
【0202】
グラフ1000~1300は、測定された温度(T)、圧力(P)、密度(ρ)、および粘度(η)測定に基づく発熱量の推論的決定、ならびに本明細書で表される関係(例えば、式(2)-(13))を使用することが、あまり一般的ではない測定流動流体ラインを必要とする従来の直接的な方法から直接決定される発熱量に近似していることを示している。
上記の実施形態の詳細な説明は、本発明が本説明の範囲内にあると想定される全ての実施形態の網羅的な説明ではない。実際に、当業者は、上述した実施形態の特定の要素が様々に組み合わせられてまたは排除されて、さらなる実施形態を形成することができ、そのようなさらなる実施形態は、本説明の範囲および教示の範囲内にあることを認識するであろう。上述した実施形態が全体的または部分的に組み合わせられて、本説明の範囲および教示の範囲内で追加の実施形態を形成することができることも当業者にとって明らかであろう。パラメータ値を表す特定の数が指定される場合、それらの数の全ての間の範囲、ならびにそれらの数の上の範囲および下の範囲が企図され、開示される。
【0203】
したがって、特定の実施形態が例示の目的で本明細書に記載されているが、関連技術分野の当業者が認識するように、本説明の範囲内で様々な同等の変更が可能である。本明細書で提供される教示は、上記および添付の図面に示された実施形態だけでなく、発熱量を推論するための他の方法および装置に適用されることができる。したがって、上述した実施形態の範囲は、以下の特許請求の範囲から決定されるべきである。
図1
図2
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図11
図12
図13