(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-13
(45)【発行日】2023-12-21
(54)【発明の名称】液体容器とマニホルドとの間の改良された封止部を含むシステム
(51)【国際特許分類】
G01N 35/02 20060101AFI20231214BHJP
B65D 45/32 20060101ALI20231214BHJP
G01N 35/10 20060101ALI20231214BHJP
【FI】
G01N35/02 E
B65D45/32
G01N35/10 A
(21)【出願番号】P 2022527110
(86)(22)【出願日】2020-11-10
(86)【国際出願番号】 US2020059883
(87)【国際公開番号】W WO2021096885
(87)【国際公開日】2021-05-20
【審査請求日】2022-08-10
(32)【優先日】2019-11-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】508147326
【氏名又は名称】シーメンス・ヘルスケア・ダイアグノスティックス・インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100127926
【氏名又は名称】結田 純次
(74)【代理人】
【識別番号】100140132
【氏名又は名称】竹林 則幸
(72)【発明者】
【氏名】ハイコ・カルブフェル
(72)【発明者】
【氏名】ヨアヒム・ベルンハルト
【審査官】森口 正治
(56)【参考文献】
【文献】特開昭62-087860(JP,A)
【文献】実開昭58-194153(JP,U)
【文献】国際公開第2013/002213(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0340202(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2007/0292574(US,A1)
【文献】特開2013-036600(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 35/00-37/00
B65D 45/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
システムであって:
液体を保持するように構成された液体容器と、
液体が液体容器に供給される、および液体容器から取り出されるマニホルドであって、外周封止面を有する円錐形状を有する
周方向封止突起を含むマニホルドとを含み、
ここで、液体容器は、開口部と、該開口部の直径が液体容器の内部に向かって減少するように該開口部を囲む円錐形のリムとを含み、連結状態で、マニホルドは開口部に位置し、液体を液体容器に供給し、および液体容器から取り出し、円錐形のリムは内周支持面を含み、連結状態で、外周封止面は内周支持面と接触し、
該システムはさらに、ユーザによって閉位置と開位置との間で移動されるように構成され、第1の周方向圧力印加面および第2の周方向圧力印加面を含む圧力発生要素を含み、液体容器は、容器圧力露出面をさらに含み、マニホルドは、マニホルド圧力露出面を含み、
ここで、開位置では、第1の圧力印加面は容器圧力露出面に接触し、第2の圧力印加面はマニホルド圧力露出面に接触し、閉位置では、マニホルドは液体容器に固定して連結され、第1の圧力印加面は、容器圧力露出面に第1の力を加えるように構成され、第2の圧力印加面は、マニホルド圧力露出面に第2の力を加えるように構成されて、マニホルドの外周封止面を液体容器の内周支持面に押し付け、液体容器とマニホルドとの封止連結を
得、内周支持面が外周封止面と接触する接触領域には、エラストマー材料が実質的にない、前記システム。
【請求項2】
外周封止面および内周支持面は射出成形材料から作られ、射出成形材料は互いに直接接触して、マニホルドと液体容器との封止連結を提供する、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
マニホルドは、連結状態で開口部を覆う底板を含み、底板は、容器
および開口部の中心を通る中心中
軸に垂直に延びる第1の軸に平行に延び、底板は、底板の外縁部の方向に板の厚さが減少するベベル付き縁部分を含み、該ベベル付き縁部分はマニホルド圧力露出面である、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
圧力発生要素は、連結状態でベベル付き縁部分に面する内周傾斜面を含み、内周傾斜面は第2の圧力印加面である、請求項
3に記載のシステム。
【請求項5】
圧力発生要素は、ヒンジ部分によって連結された2部品要素であり、閉位置で、圧力発生要素は、円錐形のリムを取り囲む、請求項
3に記載のシステム。
【請求項6】
圧力発生要素は、ヒンジ部分によってリングセクションの第1の端部で連結された第1のリングセクションおよび第2のリングセクションを含むクランプリングとして構成されたリング形状の要素であり、各リングセクションは、第1の圧力印加面および第2の圧力印加面によってリング形状の要素の軸方向で区切られた内側凹領域を含み、第1および第2のリングセクションの第2の端部は、閉位置でロッキングラッチによって互いに連結される、請求項
5に記載のシステム。
【請求項7】
クランプリングがユーザによって閉位置に移動されるとき、クランプリングの直径が減少され、第2の圧力印加面は、外周封止面を内周支持面に押し付けるためにベベル付き縁部分に接して摺動するように構成される、請求項
6に記載のシステム。
【請求項8】
第1の圧力印加面と、クランプリングの中心を通る中心中軸に垂直に延びる第1の軸とが成す第1の角度の絶対値は、第2の圧力印加面と第1の軸とが成す第2の角度の絶対値に
一致する、請求項
6に記載のシステム。
【請求項9】
液体容器は、その外面に、開口部とは逆に面する第1の表面を有する周方向突起を含み、第1の表面は容器圧力露出面である、請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
圧力発生要素は、ヒンジ部分によってリングセクションの第1の端部で連結された第1のリングセクションおよび第2のリングセクションを含むねじ付リングを含み、リングセクションの第2の端部は、閉状態で互いに接触して、マニホルド圧力露出面を受け入れるための凹部を提供する、請求項
5に記載のシステム。
【請求項11】
凹部は第2の圧力印加面を含み、閉状態で、ねじ付リングは、第1の圧力印加面を提供するねじ付周方向部分を含む、請求項
10に記載のシステム。
【請求項12】
請求項1に記載のシステム
を含む、自動分析器。
【請求項13】
液体容器用の1つの受入れ位置または液体容器用の複数の受入れ位置をさらに含む、請求項
12に記載の自動分析器。
【請求項14】
1つのロボットにより変位可能な移送アームまたは複数のロボットにより変位可能な移送アームをさらに含む、請求項
12に記載の自動分析器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2019年11月12日に出願された「SYSTEM WITH IMPROVED SEAL BETWEEN A LIQUID CONTAINER AND A MANIFOLD」という名称の米国仮特許出願第62/934,470号の優先権を主張し、その開示全体を、あらゆる目的で参照によって本明細書に組み入れる。
【0002】
本出願は、液体を保持するように構成された液体容器と、液体が液体容器に供給される、および液体容器から取り出されるマニホルドとを含むシステムに関する。
【背景技術】
【0003】
当技術分野において、分析予定の液体を保持する液体容器が提供された分析システムが知られている。例えば、液体容器は、血液凝固の決定に関連して使用することができる。これらの液体容器は洗浄する必要があり、各液体容器は、マニホルドを介して様々な洗浄液に接続される。一般に、マニホルドは、上部にバルブおよびバルクボトルを保持する。バルブは、バルクボトルからマニホルドを通って液体容器への流体の流れを制御する。マニホルドと液体容器との連結は、液体容器が動いているとき、例えば液体容器が提供されている引出しが開閉されるときでさえ、防漏性である必要がある。さらに、マニホルドに対する液体容器の向きは、防漏性連結を損なうことなく調整可能である必要がある。さらに、防漏性連結を片手のみで着脱できることが望ましい。
【0004】
当技術分野では、液体容器とマニホルドとの防漏性連結を形成するために、弾性シーリングが使用されている。関係する流体の腐食性に応じて、弾性シーリングは、より高いグレードである必要がある。弾性シーリングは圧縮されて封止部として機能し、圧縮は通常、ねじ山によって実現される。所定の圧縮を得るには、所定のトルクが必要とされる。関連する部品の公差に応じて、このトルクは、液体容器とマニホルドとの間で異なる角度で実現される。したがって、これは、マニホルドおよび液体容器が回転対称性を有さない場合には、互いに隣接して配置された複数の液体容器の不均一な組立てにつながる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、上で特定した欠点を克服し、マニホルドと液体容器との間の封止部が改良され、異なる腐食性を有する異なる液体に対して液体容器とマニホルドとの封止連結を提供するシステムを提供することが求められている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この必要性は、独立請求項の構成によって満たされる。さらなる態様は、従属請求項に記載されている。
【0007】
第1の態様によれば、液体を保持するように構成された液体容器を含むシステムが提供される。システムは、液体が液体容器に供給される、および液体容器から取り出されるマニホルドをさらに含む。マニホルドは、外周封止面を有する円錐形状を有する封止突起を含む。液体容器は、開口部と、開口部の直径が液体容器の内部に向かって減少するように開口部を囲む円錐形のリムとを含む。システムの連結状態では、マニホルドは、開口部に位置し、液体を液体容器に供給し、および液体容器から取り出す。円錐形のリムは内周支持面を含み、連結状態では、外周封止面が内周支持面に接触する。システムは、ユーザによって閉位置と開位置との間で移動されるように構成され、第1の周方向圧力印加面および第2の周方向圧力印加面を含む圧力発生要素をさらに含む。液体容器は容器圧力露出面を含み、マニホルドはマニホルド圧力露出面を含む。圧力発生要素の開位置では、第1の圧力印加面は容器圧力露出面に接触し、第2の圧力印加面はマニホルド圧力露出面に接触する。閉位置では、マニホルドは、液体容器に固定して連結される。したがって、第1の圧力印加面は、容器圧力露出面に第1の力を加えるように構成され、第2の圧力印加面は、マニホルド圧力露出面に第2の力を加えるように構成される。これは、マニホルドの外周封止面を液体容器の内周支持面に押し付け、液体容器とマニホルドとの封止連結を得る。
【0008】
好ましくは、外周封止面および内周支持面は、どちらも射出成形材料から作られ、射出成形材料が互いに直接接触して、マニホルドと液体容器との封止連結を提供する。好ましくは、内周支持面が外周封止面と接触する接触領域には、エラストマー材料が実質的にない。
【0009】
マニホルドおよび液体容器での圧力発生要素、圧力印加面、および圧力露出面により、内周支持面および外周封止面で密着連結が得られる。
【0010】
間にエラストマー材料がなく互いに直接接触する射出成形材料が使用されるとき、経時的に劣化しない長期的な封止部が得られ、したがって異なる腐食性の値を有する異なる液体に対して使用することができる。
【0011】
本発明は、本発明による少なくとも1つのシステムを含む自動分析器をさらに提供する。好ましくは、自動分析器は、生体液の試料、特に血液試料のインビトロ分析用の自動分析器である。
【0012】
好ましい実施形態では、自動分析器は、液体容器用の1つの受入れ位置、または液体容器用の複数の受入れ位置を含む。
【0013】
好ましい実施形態では、自動分析器は、1つのロボットにより変位可能な移送アームまたは複数のロボットにより変位可能な移送アームを含む。
【0014】
本発明は、自動分析器における本発明による少なくとも1つのシステムの使用をさらに提供する。
【0015】
「生体液」という用語は、ヒトまたは動物の体液を表し、血液であり得るが、血液に限定されない。
【0016】
本発明のこれらおよび他の目的は、本発明の好ましい実施形態の詳細な説明および以下の図面から当業者によって把握および理解される。図面中、同様の参照番号は同様の要素を表す。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本発明の構成を組み込む、ボトルからの液体がマニホルドおよびバルブを通して液体容器に供給されるシステムの概略図である。
【
図2】マニホルドが液体容器に連結されるときの、ボトルを有さないシステムの概略斜視図である。
【
図4】マニホルドが配置される容器開口部の拡大斜視図である。
【
図6】第1の実施形態による、液体容器へのマニホルドの連結の拡大断面図である。
【
図8】
図4~7に関連して示されるシステムの上面斜視図である。
【
図9】
図4~8に関連して述べる実施形態のシステムの拡大側面図である。
【
図10】さらなる実施形態によるシステムの拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態を詳細に述べる。実施形態の以下の説明は、限定として解釈すべきではないことを理解されたい。本発明の範囲は、図面により本明細書で以下に述べる実施形態によって限定されることを意図されていない。
【0019】
図面は概略図とみなすべきであり、図面に示されている要素は、原寸に比例して示されていない。むしろ、様々な要素は、それらの機能および全般的な目的が当業者に明らかになるように表されている。図面に示され、本明細書で以下に述べる物理的または機能的ユニットの構成要素または機能的ブロックどうしの連結または結合は、間接的な連結または結合によって成される。
【0020】
図1は、ボトル50からバルブ60を通して液体容器300への洗浄液などの液体の供給を制御するためにマニホルド100が液体容器300に配置されているシステムの概略図を示す。バルブ60を通して容器を充填するために、容器300に充填予定の液体は、充填ストロー101を使用して容器300に供給され、液体は、吸引ストロー102を使用して、および吸引ライン70が連結された吸引ライン連結103を使用して容器300から取り出すことができる。さらに、空気交換のための通気口104が設けられている。
【0021】
以下でさらに詳細に説明するように、圧力発生要素200は、マニホルド100と液体容器300との密な封止連結があることを保証する。
【0022】
図2は、クランプリングの形での圧力発生要素200の第1の実施形態における容器300およびマニホルド100を含む概略斜視図を示す。
図3も参照すると、マニホルド100は、ボトル50をマニホルド100に配置および保持することができる支持構造110を含む。マニホルド100は底板120をさらに含み、底板120は、
図4および5にさらに詳細に示される液体容器300の開口部310に配置される。底板120は、液体容器300の開口部310に面する下面に、円錐形状を有して外周封止面131を含む周方向封止突起130を含む。この面131は、液体容器300の開口部310に設けられた支持面に配置される。
【0023】
図4および5に示されるように、液体容器は、マニホルド100を受け入れるための開口部310を含む。液体容器300はリム320を含み、リム320によって開口部310が画定される。リム320は、円錐形状の上端部321を含み、リム320の内周面に傾斜面322が設けられる。この内周支持面322は、マニホルド100を開口部に配置するための支持部を提供する。リム320は、その外面に、リム320の外面325に延びる周方向突起330をさらに含む。突起330は、開口部310とは逆に面する第1の表面331を提供し、また、開口部310が提供される方向に面する第2の表面332を提供する。図示される実施形態での開口部310は円形であり、中心中軸Aを含む。マニホルド100も、
図3に示される中軸Bを含む。マニホルド100が開口部310に配置されるとき、開口部の中軸Aは、マニホルド100の中軸Bと一致する。圧力発生要素200は、マニホルド100を液体容器300の開口部310に同心状に配置するのに役立つ。
【0024】
図2および6~9に示される実施形態では、圧力発生要素200はクランプリングとして設計される。
図8および9でより詳細に示されるように、クランプリングは、リング形状の要素であり、第1のリングセクション210および第2のリングセクション230を有する2部片要素として設計される。2つのリングセクションは、ヒンジ部分240によって結合される。マニホルド100が開口部310に配置されるとき、クランプリングは、マニホルド100の底板120に被さるように、および開口部310のリム320に被さるようにユーザが片手で押すことができるように設計され、クランプリングは、液体容器300の突起330をさらに覆う。リングセクション210および230の自由端は、ロッキングラッチ250によって互いに連結され、ロッキングラッチ250は、リングセクションの一方に提供される突起251を含み、突起251は、クランプリングの閉位置で、リングセクションの他方に提供される接触面231に接触する。ロッキングラッチ250および突起251は、一方のリングセクションの自由端に設けられ、接触面231は、他方のリングセクションの自由端に設けられる。クランプリングは、開位置(図示せず)から
図8および9に示される閉位置に移動させることができ、リング200の直径は、クランプリング200がすでに開口部に位置しているがロッキングラッチ250によって開端部がまだロックされていない開位置と比較して小さい。
【0025】
マニホルド100と液体容器300との封止連結の形成を、
図6および7に関連してさらに詳細に説明する。
図6および7に示されるように、クランプリング200は、液体容器300の周方向突起330および底板120が延びる内側凹領域256を含む。凹領域256は、第1の圧力印加面253および第2の圧力印加面252によって区切られる。圧力印加面253および252は、
図3~5に示される中心軸AおよびBに垂直な軸Cに対して角度を付けられた斜面である。クランプリング200が閉位置に移動されるとき、圧力印加面253および252は、
図7に示される矢印Dの方向に移動し、したがってクランプリング200の中心の方向に移動する。凹領域の幅が減少する、したがって圧力印加面間の距離が減少することにより、圧力印加面は中心軸の方向に移動する。底板120は、底板の外縁部に向かって厚さが減少するベベル付き縁部分121を含む。ベベル付き縁部分は、マニホルド圧力露出面122を含む。したがって、クランプリング200が閉じられるとき、第2の圧力印加面252は、マニホルド圧力露出面122と接触し、ベベル付き縁部分121の厚さが増加する方向に摺動する。したがって、力は、第2の圧力印加面252を介してマニホルド圧力露出面122に加えられ、マニホルド100は、矢印E(
図7に示される)の方向で開口部310に押し付けられる。リム320が内周支持面322を含むので、外周封止面131は、この内周支持面322に押し付けられる。さらに、第1の圧力印加面253は、突起330の表面331に接触し、容器300をマニホルド100の方向に押す。接触領域410は、マニホルド100と液体容器300との間に封止部を提供する。図面から分かるように、封止部にはエラストマー材料が提供されない。マニホルド100は、例えば射出成形によってプラスチック材料から作ることができ、液体容器も射出成形によって材料から生成される。封止縁部には弾性材料が提供されない。
【0026】
図7に示されるように、第1の圧力印加面と中心軸に垂直な軸CまたはC’とが成す角度は、マニホルド100が開口部310に押し付けられる力を決定する。軸Cと第2の圧力印加面252とが成す角度の量は、軸C’と第1の圧力印加面253とが成す角度と同じでよい。この角度は、5°~15°の間、好ましくは7°~12°の間、さらに好ましくは約10°であり得る。したがって、角度が第2の圧力印加面252に対して+10°である場合、第1の圧力印加面253に対しては-10°であり得る。
【0027】
図10および11は、マニホルドが同じであるさらなる実施形態を示す。しかし、クランプリングを使用する代わりに、ねじ付リング200aが使用される。ねじ付リング200aは、底板120のベベル付き縁部分を受け入れるための凹部260aを含む。マニホルド100は、
図2~9に関連して述べたマニホルドに対応する。しかし、圧力発生要素は、ねじ付リング200aとして実装され、ここでも第1のリングセクションおよび第2のリングセクションを有する2部片要素として実装され、リングセクションは連結端部で連結される。2つのリングセクションの他の自由端は、ロッキング構造(図示せず)によって互いに連結される。凹部260aは傾斜面261aを含み、傾斜面261aは、第2の圧力印加面の役割を果たし、ベベル付き縁部分に接して摺動する。液体容器300aは、少なくとも2つのねじ要素351aおよび352aを有する雄ねじ部分350aを含む。2部片ねじ付リング200aは、底板および中実部分に被せて移動させることもでき、自由端が連結された後、ねじ付リングを中実部分350aに螺着することができる。ねじ付リング200aは、2つの圧力印加面271aおよび272aを有する雌ねじ部分270aを含む。ねじ付リング200aがハウジング開口部に螺着されると、圧力印加面261aは、(
図7に示されるのと同様に)底板、したがって外周封止面131を内周支持面322に押し付ける。2つの圧力印加面271aおよび272aは、液体容器300a、特に内周支持面をマニホルド100の方向に押し付け、したがって、ここでも、内周支持面が外周封止面131に押し付けられる、またはその逆に押し付けられる領域で封止連結が得られる。この実施形態では、マニホルドはねじ付部分を有さず、ユニオンナット(ねじ付リング)を使用してねじ連結を締め、容器300aをマニホルド100に引き付ける。それでも、これは、加えられるトルクとは関係なく、液体容器300aに対するマニホルド100の向きの調整を可能にする。マニホルド100が液体容器300aに直接螺着される場合、部品またはねじ山の公差により、同じトルクを加えたときに容器300aに対するマニホルド100の向きの相違が生じるため、ねじ連結は不利である。
【0028】
上述した2つの実施形態では、高い封止効果作用が得られ、液体容器およびマニホルドは、効果的な封止を得るために必要とされる締結構造とは独立して向きを定められる。したがって、複数の液体容器を並べて配置することができる。ねじ付リングまたはクランプリングのいずれかによって実装された2部片要素としての圧力発生要素の構造により、マニホルドと容器との連結は、ユーザが片手で容易に実現することができる。さらに、圧力発生要素の2つのセクションを一体に保つ掛止機構を開くことによって、封止連結を片手で簡単に解放することができる。
【0029】
上記の説明から、いくつかの結論を引き出すことができる。外周封止面131および内周支持面322は、どちらも射出成形材料から作ることができ、射出成形材料が互いに直接接触して、マニホルドと液体容器との封止連結を提供する。さらに、内周支持面が外周封止面と接触する接触領域には、エラストマー材料が実質的にない。
【0030】
マニホルドは、連結状態で開口部310を覆う底板120をさらに含むことができる。したがって、底板は、容器および開口部の中心を通る中心軸Aに垂直に延びる第1の軸Cに平行に延びる。底板120は、底板120の外縁部の方向に板の厚さが減少するベベル付き縁部分121を含む。ベベル付き縁部分は、マニホルドが開口部の方向に押されるマニホルド圧力露出面である。
【0031】
圧力発生要素200は、連結状態でベベル付き縁部分に面する内周傾斜面、例えば
図7に示される圧力印加面252を含むことができる。この内周傾斜面は、第2の圧力印加面である。
【0032】
圧力発生要素200は、ヒンジ部分によって連結された2部品要素であり得る。閉位置では、圧力発生要素200は、液体容器の円錐形のリム320および底板120を取り囲む。
【0033】
圧力発生要素200は、ヒンジ部分によって両リングセクションの第1の端部で連結された第1のリングセクションおよび第2のリングセクションを含むクランプリングとして構成されたリング形状の要素として実装される。各リングセクションは、第1の圧力印加面および第2の圧力印加面によってリング形状の要素の軸方向で区切られた内側凹領域を含むことができる。第1および第2のリングセクションの2つの端部は、閉位置でロッキングラッチによって互いに連結される。さらに、クランプリングがユーザによって閉位置に移動されると、クランプリングの直径が減少され、第2の圧力印加面は、外周封止面を内周支持面に押し付けるために、ベベル付き縁部分に接して摺動するように構成される。
【0034】
図7に関連して論じたように、第1の圧力印加面と、クランプリングの中心を通る中心中軸に垂直に延びる第1の軸とが成す第1の角度の絶対値は、第2の圧力印加面と第1の軸とが成す第2の角度の絶対値に対応する。この角度は、液体容器とマニホルドとの圧力露出面に加えられる圧力を決定する。
【0035】
液体容器は、その外面に、開口部とは逆に面する第1の表面を有する周方向突起をさらに含むことができ、この第1の表面は、容器の圧力露出面である。圧力発生要素は、ヒンジ部分によってリングセクションの第1の端部で連結された第1のリングセクションおよび第2のリングセクションを含むねじ付リングとしても実装される。リングの第2の端部は、閉状態で互いに接触し、マニホルド圧力露出面を受け入れるための凹部を提供する。
【0036】
凹部は第2の圧力印加面をさらに含み、閉状態で、ねじ付リングは、第1の圧力印加面を提供するねじ付周方向部分を含む。