(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-13
(45)【発行日】2023-12-21
(54)【発明の名称】液体農薬組成物
(51)【国際特許分類】
A01N 51/00 20060101AFI20231214BHJP
A01N 25/02 20060101ALI20231214BHJP
A01P 7/00 20060101ALI20231214BHJP
A01N 31/14 20060101ALI20231214BHJP
【FI】
A01N51/00
A01N25/02
A01P7/00
A01N31/14
(21)【出願番号】P 2022531931
(86)(22)【出願日】2021-06-18
(86)【国際出願番号】 JP2021023159
(87)【国際公開番号】W WO2021261388
(87)【国際公開日】2021-12-30
【審査請求日】2022-07-25
(31)【優先権主張番号】P 2020107698
(32)【優先日】2020-06-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】303020956
【氏名又は名称】三井化学クロップ&ライフソリューション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100110928
【氏名又は名称】速水 進治
(72)【発明者】
【氏名】江崎 竜太郎
【審査官】水島 英一郎
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2018/079565(WO,A1)
【文献】国際公開第2018/074525(WO,A1)
【文献】特表2018-516246(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01N,A01P
CAplus(STN)
REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
a)ジノテフラン、
b)下記一般式(1)で表される、溶剤、
c)以下のグリコールエーテル系溶剤、および
d)水
を含み、
c)グリコールエーテル系溶剤は、エチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、およびジエチレングリコールから選択される少なくとも1種であり、
a)ジノテフランの含有量(重量部)に対するb)溶剤の含有量(重量部)の比(b/a)が0.2~10、
b)溶剤(重量部)に対するc)グリコールエーテル系溶剤(重量部)の混合比(c/b)が0.05~5、さらに
d)水の含有量(重量部)に対する、b)溶剤およびc)グリコールエーテル系溶剤の合計量(重量部)の比((b+c)/d)が0.5~8である、液体農薬組成物。
【化1】
(一般式(1)中、Aは-CH
2-、-C
2H
4-、-CH(CH
3)-、-OC
2H
4-、-CH
2OC
2H
4-、-OCH
2CH(CH
3)-、-OCH(CH
3)CH
2-から選択される。)
【請求項2】
前記比(b/a)が1~10、前記混合比(c/b)が0.1~1.5、さらに比((b+c)/d)が1.5~8である、請求項1に記載の液体農薬組成物。
【請求項3】
さらに、e)界面活性剤を含む、請求項1または2に記載の液体農薬組成物。
【請求項4】
e)界面活性剤が、エーテル型非イオン界面活性剤、エステル型非イオン界面活性剤、エステルエーテル型非イオン界面活性剤、含窒素型非イオン界面活性剤、カルボン酸塩型アニオン界面活性剤、スルホン酸塩型アニオン界面活性剤、硫酸エステル塩型アニオン界面活性剤、リン酸エステル塩型アニオン界面活性剤、重合型高分子型アニオン界面活性剤、重縮合型高分子型アニオン界面活性剤、アミン塩型陽イオン界面活性剤、第四級アンモニウム塩型陽イオン界面活性剤、およびポリエチレンポリアミン誘導体型陽イオン界面活性剤から選択される少なくとも1種である、請求項3に記載の液体農薬組成物。
【請求項5】
e)界面活性剤が、ポリオキシエチレンアリルフェニルエーテルサルフェートアンモニウム塩、およびポリオキシエチレンアリルフェニルエーテルから選択される少なくとも1種である、請求項3または4に記載の液体農薬組成物。
【請求項6】
さらに、f)25℃における水溶解度が100mg/L以下の有効成分を含む、請求項1ないし5のいずれかに記載の液体農薬組成物。
【請求項7】
さらに、g)25℃において水に不溶または難溶の芳香族系溶剤(ただし、b)溶剤を除く)を含む、請求項1ないし6のいずれかに記載の液体農薬組成物。
【請求項8】
f)25℃における水溶解度が100mg/L以下の有効成分がピレスロイド系殺虫成分である請求項
6に記載の液体農薬組成物。
【請求項9】
f)25℃における水溶解度が100mg/L以下の有効成分がエトフェンプロックスである請求項8に記載の液体農薬組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は液体農薬組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
農薬製剤において、水を含む製剤は非水系の液体製剤と比較して環境に対する負荷が少なく、使用者にとっても引火性が無いなど安全な製剤である。一般に、水を含む液体製剤の製造方法としては、農薬成分を微粉砕して懸濁状製剤とする手法が知られている。しかし、水への溶解度が一定以上の農薬成分は懸濁状製剤とすることが難しく、そのような場合は水に農薬成分の溶解度の高い液体成分を添加し、その液体成分に有効成分を溶解させて液剤とする必要がある。例えば、特許文献1には、農薬成分と、溶媒および水の混合溶剤とを含有する液剤が開示されており、当該混合溶剤の農薬成分の溶解度は、溶媒または水の農薬成分の溶解度よりも高いことが示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1記載の技術を用いた場合であっても、保管中に農薬有効成分の結晶が析出してしまう場合があった。
そこで、本発明は、保管中において農薬有効成分の結晶析出が抑制された、保存安定性に優れる液体農薬組成物を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決すべく発明者が鋭意検討を行ったところ、ある特定の化学構造を有する溶剤とグリコールエーテル系溶剤を組み合わせた場合に、農薬有効成分の結晶析出が抑制され保存安定性に優れることを見出した。
すなわち、本発明は以下のとおりである。
【0006】
[1]a)25℃における水溶解度が1g/L以上100g/L以下の有効成分、
b)下記一般式(1)で表される、溶剤、
c)以下のグリコールエーテル系溶剤、および
d)水
を含み、
c)グリコールエーテル系溶剤は、エチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、ポリエチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、プロピレングリコール、ジエチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノイソブチルエーテル、ジエチレングリコールモノイソブチルエーテル、エチレングリコールモノアリルエーテル、ジエチレングリコールモノベンジルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコール、エチレングリコール、およびプロピレングリコールから選択される少なくとも1種である、液体農薬組成物。
【化1】
(一般式(1)中、Aは-CH
2-、-C
2H
4-、-CH(CH
3)-、-OC
2H
4-、-CH
2OC
2H
4-、-OCH
2CH(CH
3)-、-OCH(CH
3)CH
2-、-OC
2H
4-OC
2H
4-から選択される。)
[2] さらに、e)界面活性剤を含む、[1]に記載の液体農薬組成物。
[3] さらに、f)25℃における水溶解度が100mg/L以下の有効成分を含む、[1]または[2]に記載の液体農薬組成物。
[4] さらに、g)25℃において水に不溶または難溶の芳香族系溶剤(ただし、b)溶剤を除く)を含む、[1]ないし[3]のいずれかに記載の液体農薬組成物。
[5] a)25℃における水溶解度が1g/L以上の有効成分がネオニコチノイド系殺虫成分である、[1]ないし[4]のいずれかに記載の液体農薬組成物。
[6] a)25℃における水溶解度が1g/L以上の有効成分がジノテフランである、[1]ないし[5]のいずれかに記載の液体農薬組成物。
[7] c)グリコールエーテル系溶剤は、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコール、ジエチレングリコールモノイソプロピルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコール、プロピレングリコール、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコール、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ポリエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールモノアリルエーテル、およびエチレングリコールモノメチルエーテルから選択される少なくとも1種である、[1]ないし[6]のいずれかに記載の液体農薬組成物。
[8] f)25℃における水溶解度が100mg/L以下の有効成分がピレスロイド系殺虫成分である[3]ないし[7]のいずれかに記載の液体農薬組成物。
[9] f)25℃における水溶解度が100mg/L以下の有効成分がエトフェンプロックスである[3]ないし[8]のいずれかに記載の液体農薬組成物。
【発明の効果】
【0007】
本発明の液体農薬組成物は、保管中において農薬有効成分の結晶析出等が抑制されており、保存安定性に優れる。また、本発明の液体農薬組成物は、水で希釈して使用する場合においても、希釈液中において結晶の析出等が抑制されている。さらに、本発明によれば、引火等の危険性が低く、安全性に優れた液体農薬組成物を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の液体農薬組成物を実施の形態に基づいて説明する。なお、「~」は特に断りがなければ「以上」から「以下」を表す。
本実施形態の液体農薬組成物は、
a)25℃における水溶解度が1g/L以上100g/L以下の有効成分、
b)下記一般式(1)で表される溶剤、
c)グリコールエーテル系溶剤、および
d)水、を含む。
【0009】
本実施形態の液体農薬組成物に使用する、a)25℃における水溶解度が1g/L以上100g/L以下の有効成分としては、有害生物に効果がある成分であればその種類を問わない。
好適にはネオニコチノイド系殺虫剤が挙げられ、そのなかでもアセタミプリド(4.25g/L)、ジノテフラン(39.8g/L)、ニテンピラム(590g/L)、チアメトキサム(4.1g/L)等が好ましく、特にジノテフランが好ましい。
a)有効成分の配合割合は特に限定されないが、有効成分濃度が低いと実際の処理時に水希釈する倍率が低くなり、輸送や倉庫保管時のコストが上昇する。従って液体農薬組成物100重量%に対して、通常4~40重量%、より好適には5~30重量%、中でも7~20重量%が好適である。
【0010】
本発明の液体農薬組成物は、特に、農薬有効成分を高濃度で含んだときの低温時の保存安定性に優れる。つまり、a)有効成分が上記範囲で配合されていても、低温時においてa)有効成分の結晶析出等が抑制されており保存安定性に優れる。低温とは、液体農薬組成物が晒される可能性のある冬期の気温であり、具体的には-20℃~5℃の温度範囲を意味する。
【0011】
本実施形態の液体農薬組成物は、b)下記一般式(1)に示される溶剤を含む。
【0012】
【0013】
一般式(1)中、Aは-CH2-、-C2H4-、-CH(CH3)-、-OC2H4-、-CH2OC2H4-、-OCH2CH(CH3)-、-OCH(CH3)CH2-、-OC2H4-OC2H4-から選択される。
本実施形態において、Aは-CH2-、-C2H4-、-OC2H4-、-OCH2CH(CH3)-、-OCH(CH3)CH2-から選択されることが好ましい。
b)溶剤は、一般式(1)に示される溶剤から選択される1種または2種以上を含むことができる。
【0014】
b)溶剤は、本発明の効果の観点から、液体農薬組成物100重量%に対して、通常5~50重量%、より好適には8~40重量%、中でも10~35重量%が好適である。
本発明の効果の観点から、a)有効成分の含有量(重量部)に対するb)溶剤の含有量(重量部)の比(b/a)は、通常0.2~10、より好適には0.5~8、中でも1~5が好適である。
【0015】
本実施形態の液体農薬組成物は、c)グリコールエーテル系溶剤を含む。
c)グリコールエーテル系溶剤としては、例えばエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、ポリエチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、ジプロピレングリコール、ジエチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノイソブチルエーテル、ジエチレングリコールモノイソブチルエーテル、エチレングリコールモノアリルエーテル、ジエチレングリコールモノベンジルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコール、エチレングリコール、プロピレングリコールが挙げられる。
【0016】
中でも、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコール、ジエチレングリコールモノイソプロピルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコール、プロピレングリコール、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコール、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ポリエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノアリルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルが好ましい。
c)グリコールエーテル系溶剤は、これらから選択される1種または2種以上を用いることができる。
【0017】
c)グリコールエーテル系溶剤は、本発明の効果の観点から、液体農薬組成物100重量%に対して、通常1~50重量%、より好適には2~40重量%、中でも3~35重量%が好適である。
本発明の効果の観点から、a)有効成分の含有量(重量部)に対するc)グリコールエーテル系溶剤の含有量(重量部)の比(c/a)は、通常0.1~10、より好適には0.2~5、中でも0.3~3が好適である。
【0018】
本実施形態の液体農薬組成物は、溶剤として、b)一般式(1)に示される溶剤と、c)グリコールエーテル系溶剤とを含むことにより、液体農薬組成物中におけるa)有効成分の結晶析出を抑制することができ、特に、農薬有効成分を高濃度で含んだときの低温時の保存安定性に優れる。さらに、液体農薬組成物を水で希釈して使用する場合においても、希釈液中において結晶の析出等が抑制される。
【0019】
そのような観点から、a)有効成分の含有量(重量部)に対する、b)溶剤およびc)グリコールエーテル系溶剤の合計量(重量部)の比((b+c)/a)は、通常0.5~15、より好適には1~10、中でも2~8が好適である。
さらに、b)溶剤(重量部)に対するc)グリコールエーテル系溶剤(重量部)の混合比(c/b)は、通常0.05~5、より好適には0.08~2、中でも0.1~1.5が好適である。
【0020】
本実施形態の液体農薬組成物に使用されるd)水は、地下水、水道水、イオン交換水、蒸留水等種類を問わない。
また、水の配合割合は特に限定されないが、配合割合が低すぎると保管中に25℃における水溶解度が1g/L以上100g/L以下の有効成分の結晶が析出する場合がある。また引火性の問題が生じる場合がある。また、配合割合が高すぎると液体農薬組成物の他の溶剤等の成分の割合を減らすことになるため、保管中の結晶が析出する場合がある。従って、水の配合割合は液体農薬組成物100重量%に対して、通常1~50重量%、より好適には2~30重量%、中でも4~25重量%が好適である。
【0021】
本発明の効果の観点から、a)有効成分の含有量(重量部)に対するd)水の含有量(重量部)の比(d/a)は、通常0.2~10、より好適には0.5~5、中でも0.8~3が好適である。
d)水の含有量(重量部)に対する、b)溶剤およびc)グリコールエーテル系溶剤の合計量(重量部)の比((b+c)/d)は、通常0.5~8、より好適には1~5、中でも1.5~3が好適である。
【0022】
本実施形態の液体農薬組成物は、さらにe)界面活性剤を含むことができる。e)界面活性剤を含むことにより、有効成分の結晶析出や液体農薬組成物における分離をより抑制することができ、特に農薬有効成分を高濃度で含んだときの低温時の保存安定性により優れる。
e)界面活性剤としては、通常農薬に使用される非イオン性界面活性剤、陰イオン性界面活性剤、陽イオン性界面活性剤、両性界面活性剤から選ばれる1つ以上を組み合わせて用いることができる。中でも非イオン性界面活性剤、陰イオン性界面活性剤を組み合わせて使用することが好ましい。
【0023】
非イオン界面活性剤としてはエーテル型、エステル型、エステルエーテル型、含窒素型などが挙げられる。エーテル型非イオン界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンポリスチリルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、ポリオキシエチレンアリルフェニルエーテルなどを挙げることができる。エステル型非イオン界面活性剤としては、グリセリン脂肪酸部分エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ペンタエリスリトール脂肪酸エステル、プロピレングリコールモノ脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステルなどを挙げることができる。
【0024】
エステルエーテル型非イオン界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸部分エステル、ポリオキシエチレン硬化ひまし油などを挙げることができる。
【0025】
含窒素型非イオン界面活性剤としては、例えば、脂肪酸ジエタノールアミド、N,N-ビス-2-ヒドロキシアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミン、トリエタノールアミン脂肪酸エステル、トリアルキルアミンオキシドなどを挙げることができる。
【0026】
陰イオン性界面活性剤としてはカルボン酸塩型、スルホン酸塩型、硫酸エステル塩型、リン酸エステル塩型、重合型高分子型、重縮合型高分子型などがある。カルボン酸塩型アニオン界面活性剤としては、例えば、脂肪族モノカルボン酸塩、N-ラウロイルサルコシン塩、N-ラウロイル-β-アラニン塩、N-ラウロイルグルタミン酸塩、アビエチン酸塩などが挙げられる。
【0027】
スルホン酸塩型アニオン界面活性剤としては、ジアルキルスルホこはく酸塩、アルカンスルホン酸塩、ヒドロキシアルカンスルホン酸塩、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキル(分岐鎖)ベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、アルキルフェノキシポリオキシエチレンプロピルスルホン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルフェノールスルホン酸塩、ナフタレンスルホン酸塩-ホルムアルデヒド縮合物、N-メチル-N-オレイルタウリンナトリウム、N-アルキルスルホこはく酸塩モノアミド二ナトリウム塩、石油スルホン酸塩などが挙げられる。
【0028】
硫酸エステル塩型アニオン界面活性剤としては、例えば、硫酸化ひまし油、硫酸化牛脚油、脂肪酸アルキルエステルの硫酸エステル塩、アルキル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩、脂肪酸モノグリセリド硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキロイルアミド硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンスチリルフェニルエーテル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンアリルフェニルエーテル硫酸エステル塩などが挙げられる。
【0029】
リン酸エステル塩型アニオン界面活性剤としては、例えば、アルキルりん酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルりん酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルりん酸エステル塩などが挙げられる。重合型高分子型および重縮合型高分子型アニオン界面活性剤としてはスチレン-無水マレイン酸共重合物の部分けん化物、オレフィン-無水マレイン酸共重合物の部分けん化物、ナフタレンスルホン酸塩-ホルマリン縮合物などが挙げられる。
【0030】
陽イオン界面活性剤としてはアミン塩型、第四級アンモニウム塩型、ポリエチレンポリアミン誘導体型などがある。アミン塩型陽イオン界面活性剤としては、例えばアルキルアミン塩、ジアルキルアミン塩などがある。
【0031】
第四級アンモニウム塩型陽イオン界面活性剤としては、例えば、テトラアルキルアンモニウム塩、トリアルキルベンジルアンモニウム塩、アルキルピリジニウム塩、2-アルキル-1-アルキル-1-ヒドロキシエチルイミダゾリニウム塩、N,N-ジアルキルモルホリニウム塩などが挙げられる。
【0032】
ポリエチレンポリアミン誘導体型陽イオン界面活性剤としては、例えば、ポリエチレンポリアミン脂肪酸アミド塩、ポリエチレンポリアミン脂肪酸アミドの尿素縮合物の塩、ポリエチレンポリアミン脂肪酸アミド尿素縮合物の第四級アンモニウム塩などが挙げられる。
【0033】
両性界面活性剤としては、カルボキシベタイン型、アミノカルボン酸型、スルホベタイン型、アミノ硫酸エステル型、イミダゾリン型などがある。カルボキシベタイン型両イオン界面活性剤としては、例えば、N,N-ジメチル-N-アルキル-N-カルボキシアルキレンアンモニウムベタインなどが挙げられる。アミノカルボン酸型両イオン界面活性剤としては、例えば、N,N-ジアルキルアミノアルキレンカルボン酸塩などが挙げられる。アミノカルボン酸型両イオン界面活性剤としては、例えば、N,N,N-トリアルキル-N-スルホアルキレンアンモニウムベタインなどが挙げられる。
【0034】
スルホベタイン型両イオン界面活性剤としては、例えば、N-アルキル-N,N-ビスポリオキシエチレン硫酸エステル塩などが挙げられる。イミダゾリン型両イオン界面活性剤としては、例えば、2-アルキル-1-ヒドロキシエチル-1-カルボキシメチルイミダゾリニウム塩などが挙げられる。
e)界面活性剤は、上述の界面活性剤から選択される1種または2種以上を用いることができる。
【0035】
本実施形態の液体農薬組成物におけるe)界面活性剤の配合割合は特に限定されないが、配合割合が低すぎると製剤が保管中に分離したり、希釈使用時にオイル成分が分離したりして均一性が損なわれる場合がある。また、配合割合が高すぎると液体農薬組成物の他の溶剤等の成分の割合を減らすことになるため、保管中の結晶が析出する場合がある。従って、各界面活性剤の配合割合の和は液体農薬組成物100重量%に対して、通常5~50重量%、より好適には10~30重量%である。
【0036】
本実施形態の液体農薬組成物は、さらにf)25℃における水溶解度が100mg/L以下の有効成分を含むことができる。
f)有効成分としては、有害生物に効果がある成分であればその種類を問わない。好適にはピレスロイド系殺虫剤が挙げられ、そのなかでもアクリナトリン(0.0022mg/L)、エトフェンプロックス(0.0225mg/L)、シクロプロトリン(0.32mg/L)、シハロトリン(0.0042mg/L)、シフルトリン(0.0039mg/L)、シペルメトリン(0.0106mg/L未満)、シラフルオフェン(0.001mg/L)、トラロメトリン(0.08mg/L)、ビフェントリン(0.001mg/L未満)、フェンバレレート(0.01mg/L未満)、フェンプロパトリン(0.0141mg/L)、フルシトリネート(0.096mg/L)、フルバリネート(0.001mg/L)、ペルメトリン(0.006mg/L)等が好ましく、特にエトフェンプロックスが好ましい。本有効成分の配合割合は特に限定されないが、液体農薬組成物100重量%に対して、通常1~40重量%、より好適には5~30重量%、中でも7~20重量%が好適である。
【0037】
本実施形態の液体農薬組成物は、本発明の効果の観点から、さらにg)25℃において水に不溶または難溶の芳香族系溶剤を含むことができる。
g)芳香族系溶剤としては、アミルベンゼン、イソプロピルベンゼン、エチルベンゼン、キシレン、C9アルキルベンゼン、C10アルキルベンゼン、C11アルキルベンゼン、ジイソプロピルナフタレン、1,2-ジエチルベンゼン、1,3-ジエチルベンゼン、1,4-ジエチルベンゼン、1,2-ジメチル-4-エチルベンゼン、1-(エチルフェニル)-1-フェニルエタン、1-キシリル-1,3-ジフェニルブタン、トリメチルベンゼン、2,6-ジメチルナフタレン、p-シメン、シクロヘキシルベンゼン、スチレン、ドデシルベンゼン、トルエン、ナフタレン、メチルナフタレン、ヘキシルナフタレン、デシルナフタレン、テトラリン、ピフェニル、1-フェニル-1-キシリルエタン、ソルベントナフサ、ヘキサデシルベンゼン、ジC10-13アルキルフタレート、ジノルマルデシルフタレート、ジノルマルオクチルフタレート、ジトリデシルフタレート、ジ2-エチルヘキシルフタレート、ジイソノニルフタレートである。
好ましくは、キシレン、トリメチルベンゼン、C9アルキルベンゼン、C10アルキルベンゼン、C11アルキルベンゼン、1-フェニル-1-キシリルエタンである。更に好ましくは、C9アルキルベンゼン、C10アルキルベンゼン、C11アルキルベンゼン、1-フェニル-1-キシリルエタンである。
g)芳香族系溶剤は、これらから選択される1種または2種以上を用いることができる。
なお、本実施形態において、「25℃において水に不溶または難溶」とは「25℃における水溶解度が1g/L以下である」ことを意味する。
g)芳香族系溶剤は、本発明の効果の観点から、液体農薬組成物100重量%に対して、通常1~40重量%、より好適には2~30重量%、中でも5~20重量%が好適である。
【0038】
本実施形態の液体農薬組成物は、更にもう1種類以上の公知の農薬、例えば、除草剤、殺虫剤、殺ダニ剤、殺線虫剤、殺菌剤及び殺バクテリア剤等を配合することもでき、それ自体の物理的性状に特に限定はない。本実施形態の組成物は、これらの一種または農薬活性成分の種類を越えて二種以上の農薬活性成分を含有することができる。以下に、農薬活性成分を具体的に例示するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0039】
前記の除草剤としては、例えば、ブトロキシジム、プロフォキシジム、クレトジム、テプラロキシジム、トラルコキシジム、セトキシジム、シクロキシジム、プロパキザホップ、キザロホップ、ハロキシホップ、フルアジホップブチル、フルアジホップ-P-ブチル、シハロホップブチル、クロジナホッププロパルギル、ジクロホップメチル、フェノキサプロップ-P-エチル、アミドスルフロン、アジムスルフロン、トリフロキシスルフロン、ベンスルフロンメチル、シクロスルファムロン、フルピルスルフロンメチル、フォーラムスルフロン、クロリムロンエチル、エタメトスルフロンメチル、ハロスルフロンメチル、ニコスルフロン、クロルスルフロン、エトキシスルフロン、イマゾスルフロン、オキサスルフロン、ピラゾスルフロンエチル、トリトスルフロン、シノスルフロン、フラザスルフロン、ヨードスルフロンメチル、プリミスルフロンメチル、リムスルフロン、チフェンスルフロンメチル、メソスルフロンメチル、メトスルフロンメチル、プロスルフロン、トリアスルフロン、トリフルスルフロンメチル、スルホスルフロン、トリベヌロンメチル、トリフロキシスルフロン、フルカルバゾン、プロポキシカルバゾン、ビスピリバック、ピリベンゾキシム、ピリチオバック、ピリフタリド、ピリミノバックメチル、クロランスラムメチル、ジクロスラム、フロラスラム、フルメトスラム、メトスラム、ペノキススラム、イマザピック、イマザピル、イマザメタベンズメチル、イマザキン、イマザモックス、イマゼタピル、デスメディファム、フェンメディファム、ブロマシル、レナシル、ターバシル、メタベンチアズロン、クロロトルロン、フルオメツロン、イソプロツロン、イソウロン、ジウロン、リニュロン、テブチウロン、ヘキサジノン、メタミトロン、メトリブジン、アメトリン、アトラジン、ジメタメトリン、シアナジン、プロメトリン、シマジン、シメトリン、パラコート、ジクワット、アシフルオフェン、ビフェノックス、ホメサフェン、ラクトフェン、オキシフルオルフェン、カルフェントラゾンエチル、スルフェントラゾン、オキサジアルギル、オキサジアゾン、ブタフェナシル、サフルフェナシル、ピラゾレート、ピラゾキシフェン、ベンゾフェナップ、トプラメゾン、ピラスルフォトール、トルピラレート、メソトリオン、スルコトリオン、ベンゾビシクロン、テフリルトリオン、テンボトリオン、ビシクロピロン、フェンキノトリオン、ランコトリオン、グリホサート、グルホシネート、ビアラホス、ベンフルラリン、エタルフルラリン、ペンディメタリン、ブトラリン、オリザリン、トリフルラリン、アセトクロール、ブタクロール、アラクロール、ジメタクロール、ジメテナミド、プロパクロール、テニルクロール、メタザクロール、メトラクロール、S-メトラクロール、プレチラクロール、ペトキサミド、ベンチオカーブ、ブチレート、エスプロカルブ、モリネート、ジメピペレート、オルベンカルブ、プロスルホカルブ、トリアレート、トリクロピル、クロピラリド、フルロキシピル、ピクロラム、キンクロラック、キンメラック、クロメプロップ、MCPA、MCPB、2,4-DB、アイオキシニル、ブロモキシニル、ジクロベニル、アミカルバゾン、クロリダゾン、ベンタゾン、カルブチレート、プロパニル、ピリデート、ピラフルフェンエチル、シニドンエチル、フルミクロラックペンチル、フルミオキサジン、ピコリナフェン、アクロニフェン、フルリドン、ノルフルラゾン、ジフルフェニカン、ベフルブタミド、フルロクロリドン、フルルタモン、イソキサフルトール、クロマゾン、アシュラム、ジチオピル、チアゾピル、ジカンバ、ベナゾリン、ジフルフェンゾピル、ナプタラム、ナプロパミド、テトラピオン、ピノキサデン、ピロキサスルホン、フェノキサスルホン、イプフェンカルバゾン、インダジフラム、アミノシクロピラクロール、ハラウキシフェンメチル、フロルピラウキシフェンベンジル、チアフェナシル、トリフルジモキサジン、シクロピリモレート等を挙げることができる。
【0040】
前記の殺虫剤、殺ダニ剤及び殺線虫剤としては、例えば、ホスホカルブ、アラニカルブ、ブトカルボキシム、ブトキシカルボキシム、チオジカルブ、チオファノックス、アルジカルブ、ベンジオカルブ、ベンフラカルブ、カルバリル、カルボフラン、カルボスルファン、エチオフェンカルブ、フェノブカルブ、ホルメタネート、フラチオカルブ、イソプロカルブ、メチオカルブ、メソミル、オキサミル、ピリミカルブ、プロポキスル、トリメタカルブ、XMC、アリキシカルブ、アルドキシカルブ、ブフェンカルブ、ブタカルブ、カーバノレート、メトルカルブ、キシリルカルブ、フェノチオカルブ、アセフェート、アザメチホス、アジンホス-メチル、アジンホス-エチル、エセフォン、カズサホス、クロルエトキシホス、クロルフェンビンホス、クロルメホス、クロルピリホス、クロルピリホス-メチル、クマホス、シアノホス、デメトン-S-メチル、ダイアジノン、ジクロフェンチオン、ジクロルボス、ジクロトホス、ジメトエート、ジメチルビンホス、ジスルホトン、O-エチル O-4-ニトロフェニル フェニルホスホノチオアート、エチオン、エトプロホス、ファムフール、フェナミホス、フェニトロチオン、フェンチオン、ホスチアゼート、ヘプテノホス、イソフェンホス-メチル、イソカルボホス、イソキサチオン、マラチオン、メカルバム、メタミドホス、メチダチオン、メビンホス、モノクロトホス、ナレッド、オメトエート、オキシデメトン-メチル、パラチオン、パラチオン-メチル、フェントエート、ホレート、ホサロン、ホスメット、ホスファミドン、ホキシム、ピリミホス-メチル、プロフェノホス、プロペタンホス、プロチオホス、ピラクロホス、ピリダフェンチオン、キナルホス、スルホテップ、テブピリムホス、テメホス、テルブホス、チオメトン、トリアゾホス、トリクロルホン、バミドチオン、クロルチオン、ブロムフェンビンホス、ブロモホス、ブロモホス-エチル、ブタチオホス、カルボフェノチオン、クロルホキシム、スルプロホス、ジアミダホス、テトラクロルビンホス、プロパホス、メスルフェンホス、ジオキサベンゾホス、エトリムホス、オキシデプロホス、ホルモチオン、フェンスルホチオン、イサゾホス、イミシアホス、イサミドホス、チオナジン、ホスチエタン、クロルデン、エンドスルファン、リンデン、ジエノクロル、エチプロール、フィプロニル、アセトプロール、アレスリン[(1R)-アイソマー]、ビオアレスリン、ビオアレスリン S-シクロペンテニル アイソマー、ビオレスメトリン、ベータ-シフルトリン、ガンマ-シハロトリン、ラムダ-シハロトリン、アルファ-シペルメトリン、ベータ-シペルメトリン、セタ-シペルメトリン、ゼダ-シペルメトリン、シフェノトリン[(1R)-トランス-アイソマー]、デルタメトリン、エンペントリン[(EZ)-(1R)-アイソマー]、エスフェンバレレート、フルメトリン、タウ-フルバリネート、ハルフェンプロックス、イミプロトリン、メトトリン、メトフルトリン、イプシロン-メトフルトリン、モンフルオロトリン、イプシロン-モンフルオロトリン、フェノトリン[(1R)-トランス-アイソマー]、プラレトリン、レスメトリン、カデトリン、テフルトリン、テトラメトリン、テトラメトリン[(1R)-アイソマー]、トランスフルトリン、ZXI8901、バイオペルメトリン、フラメトリン、プロフルトリン、フルブロシトリネート、ジメフルトリン、DDT、メトキシクロル、フェノトリン、クロチアニジン、イミダクロプリド、チアクロプリド、ニコチン、硫酸ニコチン、スルホキサフロル、フルピラジフロン、トリフルメゾピリム、スピノサド、スピネトラム、アバメクチン、エマメクチン安息香酸塩、レピメクチン、ミルベメクチン、ヒドロプレン、キノプレン、メトプレン、フェノキシカルブ、ピリプロキシフェン、臭化メチル、クロルピクリン、クリオライト、フッ化スルフリル、ホウ砂、ホウ酸、オクタホウ酸ニナトリウム塩、メタホウ酸ナトリウム塩、吐酒石、ダゾメット、メタム、カーバムナトリウム塩、ピメトロジン、ピリフルキナゾン、クロフェンテジン、ジフロビダジン、ヘキシチアゾクス、エトキサゾール、ジアフェンチウロン、アゾシクロチン、シヘキサチン、フェンブタチンオキシド、「c-12.5」プロパルギット、「c-12.6」テトラジホン、クロルフェナピル、DNOC、ビナパクリル、スルフルラミド、ベンスルタップ、カルタップ塩酸塩、チオシクラム、モノスルタップ、ビストリフルロン、クロルフルアズロン、ジフルベンズロン、フルシクロクスロン、フルフェノクスロン、ヘキサフルムロン、ルフェヌロン、ノバルロン、ノビフルムロン、テフルベンズロン、トリフルムロン、ブプロフェジン、シロマジン、クロマフェノジド、ハロフェノジド、メトキシフェノジド、テブフェノジド、アミトラズ、ヒドラメチルノン、アセキノシル、フルアクリピリム、ビフェナゼート、フェナザキン、フェンピロキシメート、ピリダベン、ピリミジフェン、テブフェンピラド、トルフェンピラド、ロテノン、インドキサカルブ、メタフルミゾン、スピロジクロフェン、スピロメシフェン、スピロテトラマト、リン化アルミニウム、リン化カルシウム、リン化水素、リン化亜鉛、シアン化カルシウム、シアン化ナトリウム、シアン化カリウム、シエノピラフェン、シフルメトフェン、ピフルブミド、クロラントラニリプロール、シアントラニリプロール、フルベンジアミド、フロニカミド、アザジラクチン、ベンゾキシメート、フェニソブロモレート、キノメチオナート、ジコホル、ピリダリル、ブロモプロピレート、トリアザメート、ジシクラニル、ジノブトン、ジノカップ、シアン化水素、ヨウ化メチル、カランジン、塩化水銀、メチルイソチオシアネート、ペンタクロロフェノール、ホスフィン、ピペロニル ブトキシド、ポリナクチン複合体、サバディラ、スルコフロン塩(スルコフロン-ナトリウム)、トリブホス、アルドリン、アミジチオオン、アミドチオエート、アミノカルブ、アミトン、アラマイト、アチダチオン、アゾトエート、ポリスルフィドバリウム、ベンクロチアズ、5-(1,3-ベンゾジオキソール-5-イル)-3-ヘキシルシクロヘキサ-2-エノン、1,1-ビス(4-クロロフェニル)-2-エトキシエタノール、ブトネート、ブトピロノキシル、2-(2-ブトキシエトキシ)エチル チオシアナート、カンフェクロル、クロルベンシド、クロルデコン、クロルジメホルム、クロルフェネトール、クロルフェンソン、フルアズロン、メタアルデヒド、ビアラホス、塩酸レバミゾール、アミドフルメト、ピラフルプロール、ピリプロール、トラロピリル、フルピラゾフォス、ジオフェノラン、クロルベンジレート、フルフェンジン、ベンゾメート、フルフェネリム、アルベンダゾール、オキシベンダゾール、フェンベンダゾール、メタム・ナトリウム、1,3-ジクロロプロペン、フロメトキン、シクラニリプロール、テトラトラニリプロール、ブロフラニリド、ジクロロメゾチアズ、エチレンジブロマイド、アクリロニトリル、ビス(2-クロロエチル)エーテル、1-ブロモ-2-クロロエタン、3-ブロモ-1-クロロプロパ-1-エン、ブロモシクレン、二硫化炭素、四塩化炭素、ネマデクチン、シミアゾール、カルシウム ポリスルフィド、サイトカイニン、2-(オクチルチオ)エタノール、オレイン酸カリウム、オレイン酸ナトリウム、マシン油、タール油、アナバシン、酒石酸モランテル、除虫菊(ピレトリン)、ナタネ油、ダイズレチシン、デンプン、ヒドロキシプロピルデンプン、脂肪酸グリセリド、プロピレングリコールモノ脂肪酸エステル、ケイソウ土、アフォキソラネル、フルアザインドリジン、アフィドピロペン、シハロジアミド、チオキサザフェン、フルヘキサフォン、フルララネル、フルキサメタミド、テトラクロラントラニリプロール、サロラネル、ロチラネル、シクロキサプリド、フルエンスルホン、TPIC、D-D、ペルオキソカルボナート、MB-599、ビス(2,3,3,3-テトラクロロプロピル)エーテル、DCIP、ENT-8184、Bayer 22408、Bayer 32394、BAI-1602、BAI-1603、S-1587、クロロプラレスリン、ベンズピリモキサン、アシノナピル、スピロピジオン、フルピリミン、チクロピラゾフロル等を挙げることができる。
【0041】
前記の殺菌剤及び殺バクテリア剤としては、例えば、ベナラキシル、ベナラキシルMまたはキララキシル、オキサジキシル、フララキシル、メタラキシル、メタラキシルMまたはメフェノキサム、オフラセ、ベノミル、カルベンダジム、フベリダゾール、チアベンダゾール、チオファネート、チオファネートメチル、ジエトフェンカルブ、ゾキサミド、エタボキサム、ペンシクロン、フルオピコリド、フェナマクリル、ベノダニル、ベンゾビンジフルピル、ビキサフェン、ボスカリド、カルボキシン、フェンフラム、フルオピラム、フルトラニル、フルキサピロキサド、フラメトピル、イソフェタミド、イソピラザム、メプロニル、オキシカルボキシン、ペンチオピラド、ペンフルフェン、ピジフルメトフェン、セダキサン、チフルザミド、ピラジフルミド、アゾキシストロビン、クモキシストロビン、ジモキシストロビン、エノキサストロビン、ファモキサドン、フェンアミドン、フェナミンストロビン、フルフェノキシストロビン、フルオキサストロビン、クレソキシムメチル、マンデストロビン、メトミノストロビン、オリサストロビン、ピコキシストロビン、ピラクロストロビン、ピラメトストロビン、ピラオキシストロビン、ピリベンカルブ、トリクロピリカルブ、トリフロキシストロビン、シアゾファミド、アミスルブロム、ビナパクリル、メプチルジノカップ、ジノカップ、フルアジナム、アメトクトラジン、シプロジニル、メパニピリム、ピリメタニル、ストレプトマイシン、ブラストサイジンS、カスガマイシン、オキシテトラサイクリン、フェンピクロニル、フルジオキソニル、キノキシフェン、プロキナジド、クロゾリネート、ジメタクロン、イプロジオン、プロシミドン、ビンクロゾリン、エジフェンホス、イプロベンホス、ピラゾホス、イソプロチオラン、ビフェニル、クロロネブ、ジクロラン、キントゼン、テクナゼン、トルクロホスメチル、エトリジアゾール、ヨードカルブ、プロパモカルブ、プロチオカルブ、アザコナゾール、ビテルタノール、ブロムコナゾール、シプロコナゾール、ジフェノコナゾール、ジニコナゾール、ジニコナゾールM、エポキシコナゾール、エタコナゾール、フェナリモル、フェンブコナゾール、フルキンコナゾール、キンコナゾール、フルシラゾール、フルトリアホール、ヘキサコナゾール、イマザリル、イミベンコナゾール、イプコナゾール、メトコナゾール、ミクロブタニル、ヌアリモール、オキスポコナゾール、オキスポコナゾールフマル酸塩、ペフラゾエート、ペンコナゾール、プロクロラズ、プロピコナゾール、プロチオコナゾール、ピリフェノックス、ピリソキサゾール、シメコナゾール、テブコナゾール、テトラコナゾール、トリアジメホン、トリアジメノール、トリフルミゾール、トリホリン、トリチコナゾール、メフェントリフルコナゾール、イプフェントリフルコナゾール、アルジモルフ、ドデモルフ、フェンプロピモルフ、トリデモルフ、フェンプロピジン、ピペラリン、スピロキサミン、フェンヘキサミド、フェンピラザミン、ピリブチカルブ、ナフチフィン、テルビナフィン、ポリオキシン類、ジメトモルフ、フルモルフ、ピリモルフ、ベンチアバリカルブ、ベンチアバリカルブイソプロピル、イプロバリカルブ、マンジプロパミド、バリフェナレート、フサライド、ピロキロン、トリシクラゾール、カルプロパミド、ジクロシメット、フェノキサニル、トルプロカルブ、アシベンゾラルSメチル、プロベナゾール、チアジニル、イソチアニル、ラミナリン、マンコゼブまたはマンゼブ、マンネブ、メチラム、プロピネブ、チウラム、ジネブ、ジラム、フェルバム、キャプタン、キャプタホール、ホルペット、フルオロホルペット、グアザチン、イミノクタジン、イミノクタジンアルベシル酸塩、イミノクタジン三酢酸塩、塩基性塩化銅、水酸化第二銅、塩基性硫酸銅、有機銅化合物、ドデシルベンゼンスルホン酸ビスエチレンジアミン銅錯塩[II]、硫黄、フルオルイミド、クロロタロニル、ジクロフルアニド、トリルフルアニド、アニラジン、ジチアノン、キノメチオナート、ハウチワマメ苗木の子葉からの抽出物(BLAD)、ジクロベンチアゾクス、フェンピコキサミド、ジピメチトロン、ブピリメート、ジメチリモール、エチリモール、酢酸トリフェニルスズ、塩化トリフェニルスズ、水酸化トリフェニルスズ、オキソリニック酸、ヒメキサゾール、オクチリノン、ホセチル、亜リン酸、亜リン酸のナトリウム塩、亜リン酸のアンモニウム塩、亜リン酸のカリウム塩、テクロフタラム、トリアゾキシド、フルスルファミド、ジクロメジン、シルチオファム、ジフルメトリム、メタスルホカルブ、シフルフェナミド、メトラフェノン、ピリオフェノン、ドジン、フルチアニル、フェリムゾン、オキサチアピプロリン、テブフロキン、ピカルブトラゾクス、バリダマイシン類、シモキサニル、キノフメリン、NC-241、NF-180、S-2190、S-2367、インピルフルキサム、フルインダピル、イソフルシプラム、アミノピリフェン等を挙げることができる。
【0042】
本実施形態の液体農薬組成物には、その効果を妨げない範囲内において、任意の成分を添加しても良い。任意の成分としては、例えば、着色剤、溶剤類・オイル類、糖類、水溶性高分子類、防腐剤・防黴剤、無機塩類、紫外線遮蔽剤、ラテックス類・エマルジョン類、消泡剤、pH調整剤、香料類等を挙げることができる。
【0043】
前記の溶剤類・オイル類としては、例えば、エタノール、イソプロパノール、1-ブタノール、酢酸、無水酢酸、アセトフェノン、オレイン酸メチル、ヤシ油、ナタネ油、大豆油、ひまし油、アマニ油、パラフィン油、ケロシン、高級アルコール、シクロヘキサノール、γ-ブチロラクトン、脂肪酸メチルエステル、メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド、クロロベンゼン、クロロトルエン、ジクロロアニリン、ノルマルパラフィン、フタル酸ジメチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジブチル、シクロヘキサノン、アセトニトリル、灯油、マシン油等を挙げることができる。
【0044】
前記の糖類としては、例えば、α-含水乳糖、α-無水乳糖、β-無水乳糖、ジオール化合物、グリセリンとその誘導体、ペンタエリスリトール、ソルビトール、キシリトール、ショ糖、ブドウ糖、果糖等を挙げることができる。
【0045】
前記の水溶性高分子類としては、例えば、キサンタンガム、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルアルコール、デンプン、デキストリン、ポリビニルピロリドン等を挙げることができる。
【0046】
前記の防腐剤・防黴剤としては、例えば、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、パラクロロメタキシレノール、デヒドロ酢酸ナトリウム、ポリへサメチレンビグアニジドハイドロクロライド、1,2-ベンゾチアゾリン-3-オン、メチルパラヒドロキシベンゾエート、エチルパラヒドロキシベンゾエート、プロピルパラヒドロキシベンゾエート、ブチルパラヒドロキシベンゾエート、ヘプチルパラヒドロキシベンゾエート、ベンジルパラヒドロキシベンゾエート、パラオキシ安息香酸エステル、オルソフェニルフェノール、ソディウムオルソフェニルフェネート、グルタルジアルデヒド、第四級アンモニウム化合物、トリ-(N-クロロヘキシルジアゼニウムジオキシ)-アルミニウム、テトラヒドロ-3,5-ジメチル-2H-1,3,5-チアジアジン-2-チオン、2,5-ジメトキシテトラヒドロフラン、ジメチロール尿素、N-メチルジチオカルバミン酸ナトリウム、フェノキシエタノール、グリオキサール、グルタルアルデヒド、1,3,5-トリス(2-ヒドロキシエチル)-1,3,5-ヘキサヒドロトリアジン、塩化ベンザルコニウム、フェノキシプロパノール、テトラメチルアセチレンジ尿素、ポビドンイオディン、2-ブロモ-2-ニトロプロパン-1,3-ジオール、チアゾロン等を挙げることができる。
【0047】
前記の無機塩類としては、例えば、珪酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、硫酸アンモニウム、硫酸ナトリウム、硫酸マグネシウム、リン酸水素二アンモニウム、リン酸二水素アンモニウム、塩化カリウム等を挙げることができる。
【0048】
前記の紫外線遮蔽剤としては、例えば、サリチル酸系紫外線遮蔽剤、ベンゾフェノン系紫外線遮蔽剤等を挙げることができる。
【0049】
前記のラテックス類・エマルジョン類としては、例えば、スチレン-ブタジエン共重合体、スチレン-アクリル共重合体、メチルメタクリレート-ブタジエン共重合体、エチレン-酢酸ビニル共重合体、エチレン-アクリル共重合体、シリコーン-アクリル共重合体、ポリウレタン、ポリウレア等のラテックス類やエマルジョン類等を挙げることができる。
【0050】
前記の消泡剤としては、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、sec-ブタノール、ブタノール等の低級アルコール系消泡剤、アミルアルコール、ジイソブチルカルビトール、トリブチルフォスフェート、オレイン酸、トール油、金属セッケン、ソルビタンラウリン酸モノエステル、ソルビタンラウリン酸トリエステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、プルロニック型非イオン界面活性剤、アセチレングリコール誘導体等の有機極性化合物系消泡剤、シリコーン樹脂、シリコーン樹脂の界面活性剤配合品、シリコーン樹脂の無機粉末配合品等のシリコーン樹脂系消泡剤等を挙げることができる。
【0051】
前記のpH調整剤としては、例えば、リン酸等の無機酸、クエン酸、フタル酸、コハク酸等の有機酸、クエン酸ナトリウム、フタル酸水素カリウム等の有機金属塩、リン酸水素二ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム、リン酸水素二カリウム、リン酸二水素カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、ホウ酸ナトリウム等の無機金属塩、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の水酸化物、トリエタノールアミン等の有機アミン類等を挙げることができる。
【0052】
前記の香料類としては、例えば、ラベンダー油、ジャスミン油、ローズ油、レモン油、オレンジ油、ハッカ油、タイム油、ショウブ油、ウイキョウ油、スギ油、ヒバ油、ヒノキ油、ユーカリ油、カンファー、ペパーミント油、スペアミント油、ゲラニオール、シトロネラール、オイゲノール、リモネン、ミカン油、トウヒ、シトロネロール等を挙げることができる。
【0053】
本実施形態の液体農薬組成物は、従来公知の方法により、各成分を混合して得ることができる。
具体的には、a)有効成分と、b)一般式(1)で表される溶剤と、c)グリコールエーテル系溶剤と、d)水とを混合し、a)有効成分を溶解させる。次いで、必要に応じて他の成分を混合して本実施形態の液体農薬組成物を調製することができる。また、a)有効成分と、b)一般式(1)で表される溶剤と、c)グリコールエーテル系溶剤と、とを混合し、a)有効成分を溶剤(b)成分およびc)成分)に溶解させた後、得られた混合溶液と水とを混合し、次いで、必要に応じて他の成分を混合することもできる。
【0054】
以上、本発明の実施形態について述べたが、これらは本発明の例示であり、本発明の効果を損なわない範囲で、上記以外の様々な構成を採用することができる。
【実施例】
【0055】
以下に実施例、比較例及び試験例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらに何ら限定されるものではない。尚ここで示す配合割合はすべて重量部とする。
なお、実施例および比較例で用いた成分の25℃における水溶解度は以下のとおり。
ジノテフラン:39.8g/L
エトフェンプロックス:0.0225mg/L
[実施例1]
ジノテフラン10部、ベンジルアルコール(一般式(1)におけるAが-CH2-)25部、プロピレングリコール25部、イオン交換水16部を容器に入れ、ジノテフランが溶解するまで混合した。混合物にニューカルゲンFS-75PG(ポリオキシエチレンアリルフェニルエーテルサルフェートアンモニウム塩、竹本油脂(株))9部、ニューカルゲンC-173(ポリオキシエチレンアリルフェニルエーテル、竹本油脂(株))15部を入れ、均一になるまで混合し実施例1の組成物を得た。
【0056】
[実施例2]
ジノテフラン10部、フェニルエタノール(一般式(1)におけるAが-C2H4-)25部、プロピレングリコール21部、イオン交換水20部を容器に入れ混合した。混合物にニューカルゲンFS-75PG 9部、ニューカルゲンC-173 15部を入れ、均一になるまで混合し実施例2の組成物を得た。
【0057】
[実施例3]
ジノテフラン10部、プロピレングリコールモノフェニルエーテル(一般式(1)におけるAが-OCH2CH(CH3)-)25部、ジエチレングリコールジメチルエーテル5部、イオン交換水16部を容器に入れ混合した。混合物にT-SOL150 FLUID(C9~C11アルキルベンゼンの混合物、JXTGエネルギー(株))10部、エトフェンプロックス10部、ニューカルゲンFS-75PG 9部、ニューカルゲンC-173 15部を入れ、均一になるまで混合し実施例3の組成物を得た。
【0058】
[実施例4]
ジノテフラン10部、エチレングリコールモノフェニルエーテル(一般式(1)におけるAが-OCH2CH2-)25部、ジエチレングリコールジメチルエーテル7部、イオン交換水16部を容器に入れ混合した。混合物に1-フェニル-1-キシリルエタン 8部、エトフェンプロックス10部、ニューカルゲンFS-75PG 9部、ニューカルゲンC-173 15部を入れ、均一になるまで混合し実施例4の組成物を得た。
【0059】
[比較例1]
ジノテフラン10部、3-メトキシ-3-メチル-1-ブタノール 23部、イオン交換水23部を容器に入れ混合した。混合物にフェニルキシリルエタン 10部、エトフェンプロックス10部、ニューカルゲンFS-75PG 9部、ニューカルゲンC-173 15部を入れ、均一になるまで混合し比較例1の組成物を得た。
【0060】
[比較例2]
ジノテフラン10部、ベンジルアルコール(一般式(1)におけるAが-CH2-)30部、プロピレングリコール16部を容器に入れ混合した。混合物に1-フェニル-1-キシリルエタン 10部、エトフェンプロックス10部、ニューカルゲンFS-75PG 9部、ニューカルゲンC-173 15部を入れ、均一になるまで混合し比較例2の組成物を得た。
【0061】
[比較例3]
ジノテフラン10部、ベンジルアルコール(一般式(1)におけるAが-CH2-)25部、イオン交換水21部を容器に入れ混合した。混合物に1-フェニル-1-キシリルエタン 10部、エトフェンプロックス10部、ニューカルゲンFS-75PG 9部、ニューカルゲンC-173 15部を入れ、均一になるまで混合し比較例3の組成物を得た。
【0062】
[試験例1(低温保管試験)]
実施例1から4、比較例1から3に記載の組成物100gをガラス瓶に入れ、温度-5℃で72時間保管した。保管後、室温に1時間放置し外観を観察した。結果を表1に示す。
【0063】
[試験例2(希釈安定性試験)]
実施例1から4、比較例1~3に記載の組成物10gと硬度50mg/Lの水70gをガラス瓶に入れ、激しく振り混ぜて混合した。25℃で2時間放置後、外観を観察した。結果を表1に示す。
【0064】
【0065】
表1に示すとおり、本発明の組成物は試験例1と試験例2の両方で優れた結果が得られたが、比較例1~3は試験例1において結晶析出、分離などが生じた。
【0066】
[試験例3(引火性試験)]
日本工業規格JIS K 2265-4に従い、クリーブランド開放法引火点試験器を用いて実施例1から4、比較例2の引火点を測定した。結果を表2に示す。100℃で沸騰現象がみられたものは、引火点なしと記載した。実施例に記載の組成物はいずれも引火点がなかったが、比較例の組成物は引火点が観測された。
【0067】
【0068】
この出願は、2020年6月23日に出願された日本出願特願2020-107698号を基礎とする優先権を主張し、その開示の全てをここに取り込む。