(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-13
(45)【発行日】2023-12-21
(54)【発明の名称】ロータリーカッターユニット
(51)【国際特許分類】
B26F 1/38 20060101AFI20231214BHJP
B26F 1/44 20060101ALI20231214BHJP
B26D 7/00 20060101ALN20231214BHJP
F16F 7/00 20060101ALN20231214BHJP
F16F 9/04 20060101ALN20231214BHJP
【FI】
B26F1/38 A
B26F1/44 H
B26D7/00 B
F16F7/00 Z
F16F9/04
(21)【出願番号】P 2023070596
(22)【出願日】2023-04-24
【審査請求日】2023-05-26
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000229173
【氏名又は名称】日本タングステン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001601
【氏名又は名称】弁理士法人英和特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】辻 康範
(72)【発明者】
【氏名】本石 藍子
【審査官】豊島 唯
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-268650(JP,A)
【文献】米国特許第05174185(US,A)
【文献】特開2017-177300(JP,A)
【文献】特開2017-159413(JP,A)
【文献】特開2011-156623(JP,A)
【文献】特開2012-218149(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2002/0144580(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B26F 1/38 - 1/44
B26D 7/00
F16F 7/00
F16F 9/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
円周面を備えた胴部、及び当該円周面に位置し切断形状を備えた切断刃を有するカッターロールと、
前記カッターロールと平行に配置され、前記切断刃を受ける円周面を備えた胴部を有するアンビルロールと、
前記カッターロール及び前記アンビルロールの両端にそれぞれ配置された回転支持部と、
前記カッターロール及び前記アンビルロールの二つのロールを挟む向きに前記それぞれの回転支持部を加圧する一対の空気ばねA及び一対のアクチュエータBと、を備え、
前記空気ばねAは、前記二つのロールのうち一方のロールの回転支持部を加圧し、
前記アクチュエータBは、前記二つのロールのうち他方のロールの回転支持部を前記空気ばねAの加圧方向と対向するように加圧し、
前記二つのロールのそれぞれの回転支持部は、前記空気ばねA及び前記アクチュエータBが加圧減圧する方向にスライド可能である、ロータリーカッターユニット。
【請求項2】
前記カッターロールの回転支持部と前記アンビルロールの回転支持部との間に配置され、前記カッターロール及び前記アンビルロールのうち少なくとも一方のロールの回転支持部を、前記空気ばねAが加圧減圧する方向に沿った方向に加圧する一対の空気ばねCをさらに備えた、請求項1に記載のロータリーカッターユニット。
【請求項3】
前記アクチュエータBは空気ばねよりなる、請求項1に記載のロータリーカッターユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、不織布やフィルムなどの薄い帯状の素材を連続的に所定の形状に切断するロータリーカッターユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
薄い帯状の素材を所定の形状に切断するためには、一般的にロータリーカッターユニットが使用される。ロータリーカッターユニットは、切断形状を備えた切断刃を有するカッターロールと切断刃の受けを有するアンビルロールを含んでなる。カッターロール及びアンビルロールは平行に配置され、これら二つのロールが近接あるいは接触した状態で互いに逆向きに回転することで、連続的に素材を押切ることができる。
【0003】
このようなロータリーカッターユニットは、運転時に二つのロールが衝突することにより振動が発生してしまうため、振動を抑制する手段を講じることがある。例えば特許文献1には、弾性部材として受動ダンパを具備する振動減衰手段を用いてアンビルドラム又はカッタドラムなどのドラムの衝撃に起因する振動を減少させる回転式切断装置が開示されている。また特許文献2には、切断ユニットの外部にアクチュエータを設けることで振動を抑制するとともに、切断ユニットのフレーム高さ寸法を小さく、重心を低くすることができ、容易に切断ユニットを交換することが可能なロータリ加工装置が示されている。
【0004】
一方、圧力の調整や位置を調節するために、空気ばねを切断装置に用いることが知られている。例えば特許文献3には、圧力の微調整を目的とした空気ばねを使用した印刷切断装置が開示されている。また特許文献4及び特許文献5には、ナイフロータとプレンロータの位置調整を目的としたロータリーカッターのための空気ばねが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2012-218149号公報
【文献】特開2011-156623号公報
【文献】米国特許第4531929号明細書
【文献】特開平08-112798号公報
【文献】特開平10-138196号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に開示される回転式切断装置に用いられる受動ダンパは、可動ロールが固定ロールに衝突したときの衝撃によって引き起こされた振動を迅速に減少させることはできるが、衝撃の発生自体を抑制させることはできず、さらに、外部振動を抑えることはできない。また、受動ダンパとして複数の弾性部材を用いるなど多くの部材を用いているために構造が複雑となり、ロール交換のときの組み換え作業が煩雑になるだけでなく、コストも高くなる可能性がある。
【0007】
また特許文献2では、切断ユニットの外部に設けられたアクチュエータを用いて、可動ロールを固定ロールに接触させることで振動を抑制することはできるが、衝撃の発生そのものは抑制することができず、切断刃が欠ける可能性がある。また、切断ユニットで発生する外部振動は、アクチュエータで全て吸収することはできない。
【0008】
そこで本発明では、カッターロール及びアンビルロールの二つのロールが受ける衝撃を抑制し、外部からの振動を二つのロールが直接受けることなく、構造を簡素化したロータリーカッターユニットを提供することで、カッターロールの切断刃の刃先のチッピング及びアンビルロール表面の損傷を防ぎ、切断性能を長期にわたり維持することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明では、次のロータリーカッターユニットを提供することで、上記課題を解決した。
円周面を備えた胴部、及び当該円周面に位置し切断形状を備えた切断刃を有するカッターロールと、
前記カッターロールと平行に配置され、前記切断刃を受ける円周面を備えた胴部を有するアンビルロールと、
前記カッターロール及び前記アンビルロールの両端にそれぞれ配置された回転支持部と、
前記カッターロール及び前記アンビルロールの二つのロールを挟む向きに前記それぞれの回転支持部を加圧する一対の空気ばねA及び一対のアクチュエータBと、を備え、
前記空気ばねAは、前記二つのロールのうち一方のロールの回転支持部を加圧し、
前記アクチュエータBは、前記二つのロールのうち他方のロールの回転支持部を前記空気ばねAの加圧方向と対向するように加圧し、
前記二つのロールのそれぞれの回転支持部は、前記空気ばねA及び前記アクチュエータBが加圧減圧する方向にスライド可能である、ロータリーカッターユニット。
【0010】
本発明では、このロータリーカッターユニットに、カッターロールの回転支持部とアンビルロールの回転支持部との間に配置され、カッターロール及びアンビルロールのうち少なくとも一方のロールの回転支持部を、空気ばねAが加圧減圧する方向に沿った方向に加圧する一対の空気ばねCを備えた構成としてもよい。また、本発明においてアクチュエータBは空気ばねとしてもよい。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、空気ばね及びアクチュエータを用いて二つのロールを挟む向きに回転支持部を加圧することで、二つのロールが受ける衝撃を抑制することができる。また、ロール同士の衝突等による衝撃も抑制することができる。さらに外部からの振動を二つのロールが直接受けることもない。これにより、カッターロールの切断刃の刃先のチッピング及びアンビルロール表面の損傷を防ぐことができ、切断性能を長期にわたり維持することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1A】本発明の第1の実施形態に係るロータリーカッターユニットの構成例を模式的に示す正面図である。
【
図1B】
図1Aのロータリーカッターユニットの模式的な斜視図である。
【
図2】回転支持部の構成例を模式的に示す斜視図である。
【
図3】本発明の第2の実施形態に係るロータリーカッターユニットの構成例を模式的に示す正面図である。
【
図4】本発明の第3の実施形態に係るロータリーカッターユニットの構成例を模式的に示す正面図である。
【
図5】従来のロータリーカッターユニットの構成例を模式的に示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明は下記の構成を有する。
円周面を備えた胴部、及び当該円周面に位置し切断形状を備えた切断刃を有するカッターロールと、
前記カッターロールと平行に配置され、前記切断刃を受ける円周面を備えた胴部を有するアンビルロールと、
前記カッターロール及び前記アンビルロールの両端にそれぞれ配置された回転支持部と、
前記カッターロール及び前記アンビルロールの二つのロールを挟む向きに前記それぞれの回転支持部を加圧する一対の空気ばねA及び一対のアクチュエータBと、を備え、
前記空気ばねAは、前記二つのロールのうち一方のロールの回転支持部を加圧し、
前記アクチュエータBは、前記二つのロールのうち他方のロールの回転支持部を前記空気ばねAの加圧方向と対向するように加圧し、
前記二つのロールのそれぞれの回転支持部は、前記空気ばねA及び前記アクチュエータBが加圧減圧する方向にスライド可能である、ロータリーカッターユニット。
【0014】
以下に主として
図1A及び
図1Bを参照しつつ本発明のロータリーカッターユニットの構成の詳細を示す。
カッターロール1は、円周面111を備えた胴部11と、この円筒面111に位置し所望の切断形状を備えた切断刃12を有するロールである。また、カッターロール1は、切断刃12を挟んで一対のガイドリング13を有する。それぞれのガイドリング13の高さは、円周面111から切断刃12の刃先までとほぼ同じとする。
アンビルロール2は、円周面211を有する胴部21を有するロールである。アンビルロール2をカッターロール1と平行に配置することで、アンビルロール2の円周面211はカッターロール1の切断刃12を受けることができる。
回転支持部31はカッターロール1の両端を回転可能に保持するために設け、回転支持部32はアンビルロール2の両端を回転可能に保持するために保持するために設ける。
駆動装置4は、カッターロール1及びアンビルロール2のうち少なくとも一方のロール(
図1Aではカッターロール1の一端(一方の端部))を回転駆動する。駆動装置4は、例えばサーボモータである。なお、
図1Bでは駆動装置4を省略している。
一対の空気ばねAは、二つのロール1,2のうち駆動装置4で回転駆動される一方のロール1の回転支持部31を、二つのロール1,2の中心が直線的に接近又は接触する向きに加圧するように設置する。なお、
図1Aにおいて一対の空気ばねAは、二つのロール1,2のうち駆動装置4で回転駆動される一方のロール1の回転支持部31を加圧するように設置したが、二つのロール1,2のうち駆動装置4で回転駆動されない他方のロール2の回転支持部32を加圧するように設置してもよい。また、二つのロール1,2がいずれも駆動装置4で回転駆動される場合、空気ばねAは二つのロール1,2うちいずれか一方のロールの両端の回転支持部を加圧するように設置する。このような構成とすることで、空気ばねAは二つのロール1,2を加圧することができる。また、空気ばねAは、外力に応じて変形することで、振動を減衰することができる。
一対のアクチュエータBは、空気ばねAを設置していない他方のロール2の回転支持部32を空気ばねAの加圧方向と対向するように加圧する。アクチュエータBは、油圧シリンダーやエアシリンダー、あるいは空気ばねであってもよい。
そして、カッターロール1の両端を回転可能に保持する回転支持部31、及びアンビルロール2の両端を回転可能に保持するために保持する回転支持部32は、空気ばねA及びアクチュエータBが加圧減圧する方向にスライド可能である。
【0015】
このように一対の空気ばねA及び一対のアクチュエータBを用いて二つのロール1,2を挟む向きに回転支持部31,32を加圧し、かつ回転支持部31,32を、空気ばねA及びアクチュエータBが加圧減圧する方向にスライド可能に設置することで、二つのロール1,2間で発生した振動を一対の空気ばねA及び一対のアクチュエータBが減衰することができる。
すなわち、本発明のロータリーカッターユニットが振動を受けたとしても、一対の空気ばねA及び一対のアクチュエータBでスライド可能な二つのロール1,2を挟むことで、二つのロール1,2は離れることなく同じ方向に振動するため、ロール同士の衝突を抑制することができ、外部振動が直接ロールに伝わることがない。また、振動が発生したときにロールが一対の空気ばねAを押すことで、空気ばねAの振動減衰効果を得ることができる。空気ばねの振動減衰効果は、一般的なアクチュエータ(油圧シリンダーやエアシリンダー)の振動減衰効果よりも高い。このため、カッターロール1の切断刃12の刃先のチッピング及びアンビルロール2表面の損傷の程度を小さくすることができる。なお、アクチュエータBが油圧シリンダーやエアシリンダーであったとしても、外力に応じてわずかに収縮することで、空気ばねAには劣るが振動を減衰することはできる。一方、アクチュエータBの振動減衰効果を高める観点からは、アクチュエータBを空気ばねとすることができる。
【0016】
ここで、二つのロールを挟む向きに回転支持部を加圧するとは、カッターロール及びアンビルロールが直線的に接近又は接触する方向に、一対の空気ばねAと一対のアクチュエータBが二つのロールの回転支持部を加圧することをいう。
また、空気ばねA及びアクチュエータBが加圧減圧する方向にスライド可能であるとは、空気ばねA及びアクチュエータBを加圧又は減圧したときに二つのロールが直線的に接近又は遠ざかる方向に移動できることをいう。
【0017】
本発明のロータリーカッターユニットは、上述の構成に加えて、カッターロール1の回転支持部31とアンビルロール2の回転支持部32との間に配置され、カッターロール1及びアンビルロール2のうち少なくとも一方のロールの回転支持部を、空気ばねAが加圧減圧する方向に沿った方向に加圧する一対の空気ばねCを備えていてもよい。このような構成とすることで、運転時のロール同士の衝撃の抑制や、外部振動の減衰効果が高くなる。
【0018】
一方で、
図5に示したように、固定ロールであるカッターロール1に向かって可動ロールであるアンビルロール2を押す一対のアクチュエータBのみを用いた従来のロータリーカッターユニットでは、運転時にカッターロール1の切断刃12とアンビルロール2が衝突することで振動が発生すると、アクチュエータBが振動をわずかに減衰するが、可動ロールであるアンビルロール2を押し続ける。そのため、カッターロール1の切断刃12の刃先がチッピングするだけでなく、アンビルロール2の表面が損傷する。また、固定ロールであるカッターロール1は装置フレーム5に固定されているため、このカッターロール1から外部振動が伝わり、その結果、ロール同士の衝撃は大きくなる。
このように二つのロールのうち一方を装置フレームに固定した従来のロータリーカッターユニットでは、振動が発生したときに固定ロールに可動ロールが衝突したり、可動ロールに固定ロールが衝突する。また、固定ロールに外部振動が伝わるため、ロール同士の衝撃が大きくなり、カッターロールの切断刃の刃先のチッピング及びアンビルロール表面の損傷を防ぐことができない。
【0019】
次に、本発明の実施形態についてさらに詳しく説明する。
<第1の実施形態>
図1Aは本発明の第1の実施形態に係るロータリーカッターユニットの構成例を模式的に示す正面図、
図1Bはその模式的な斜視図である。
第1の実施形態のロータリーカッターユニットは、装置フレーム5と、カッターロール1と、アンビルロール2と、回転支持部31,32と、駆動装置4と、一対の空気ばねAと、一対のアクチュエータBとからなる。装置フレーム5は、天板51、底板52及び柱53から構成され、装置フレーム5内にカッターロール1及びアンビルロール2を配置した。回転支持部31,32はベアリングボックスよりなり、カッターロール1とアンビルロール2に対してそれぞれ一対ずつ設けた。一対の空気ばねAと一対のアクチュエータBは、二つのロール1,2を挟む向きに回転支持部としてのベアリングボックスを加圧するように設けた。具体的に一対の空気ばねAは、駆動装置4を有するカッターロール1の両端のベアリングボックス31を加圧するように設け、一対のアクチュエータBは、アンビルロール2の両端のベアリングボックス32を加圧するように設けた。このアクチュエータBは、空気ばねAが加圧する方向と対向する方向にベアリングボックス32を加圧するように設けた。
【0020】
ベアリングボックス31,32は、空気ばねA及びアクチュエータBが加圧減圧する方向にスライド可能に設けた。具体的には
図2に示したように、ベアリングボックス31,32は装置フレーム5の柱53に沿ってスライド可能に設けた。なお、
図2において符号1a、2aは、それぞれカッターロール1の端部、アンビルロール2の端部を示す。ここで、
図2には示していないが、ベアリングボックス31,32がスライドする上限位置及び下限位置を規定するために、それぞれ上限ストッパー及び下限ストッパーを設けてもよい。
【0021】
本実施形態のロータリーカッターユニットと
図5の従来のロータリーカッターユニットの回転支持部(ベアリングボックス)に加速度センサの振動計を取り付けて1分間振動を測定した。本実施形態のロータリーカッターユニットは
図5の構造のロータリーカッターユニットと比較して、振幅の最大値が30%減少した。また、二つのロール1,2を一対の空気ばねAと一対のアクチュエータBを用いて加圧した状態で、素材を挟むことなく2千万回転させた後の
図5のカッターロール1及びアンビルロール2を確認したところ、カッターロール1の切断刃12の刃先はチッピングし、アンビルロール2の表面は損傷していた。これに対して、本実施形態のカッターロール1の切断刃12やアンビルロール2の表面には、目立った損傷がなかった。
【0022】
<第2の実施形態>
図3は本発明の第2の実施形態に係るロータリーカッターユニットの構成例を模式的に示す正面図である。本実施形態では、第1の実施形態の構成に加えて一対の空気ばねCを設けた。この一対の空気ばねCは、カッターロール1の回転支持部31とアンビルロール2の回転支持部32との間に配置され、これらの回転支持部31,32を、空気ばねAが加圧減圧する方向に沿った方向に加圧する。なお、本実施形態において空気ばねCは、回転支持部31及び回転支持部32の両方を加圧するが、回転支持部31及び回転支持部32の少なくとも一方を加圧することもできる。このように本実施形態では、一対の空気ばねA及び一対のアクチュエータBに加えて一対の空気ばねCを設けたことで、振動減衰効果を高めることができる。
【0023】
本実施形態のロータリーカッターユニットと
図5の従来のロータリーカッターユニットの回転支持部(ベアリングボックス)に加速度センサの振動計を取り付けて1分間振動を測定したところ、本実施形態のロータリーカッターユニットは
図5の構造のロータリーカッターユニットと比較して、振幅の最大値が40%減少した。
【0024】
<第3の実施形態>
図4は本発明の第3の実施形態であるロータリーカッターユニットの構成を模式的に示す正面図である。本実施形態は、一対のアクチュエータBを一対の空気ばねCに変更した点で第1の実施形態と異なる。すなわち、第1の実施形態では一対のアクチュエータBとして油圧シリンダーを用いたが、本実施形態ではこれを空気ばねに変更した。このように一対のアクチュエータを空気ばねとしたことで、振動減衰効果を高めることができる。
【0025】
本実施形態のロータリーカッターユニットと
図5の従来のロータリーカッターユニットの回転支持部(ベアリングボックス)に加速度センサの振動計を取り付けて1分間振動を測定したところ、本実施形態のロータリーカッターユニットは
図5の構造のロータリーカッターユニットと比較して、振幅の最大値が50%減少した。
【符号の説明】
【0026】
1 カッターロール
1a カッターロールの端部
11 胴部
111 円周面
12 切断刃
13 ガイドリング
2 アンビルロール
2a アンビルロールの端部
21 胴部
211 円周面
31、32 回転支持部(ベアリングボックス)
4 駆動装置
5 装置フレーム
51 天板
52 底板
53 柱
A 空気ばね
B アクチュエータ
C 空気ばね
【要約】
【課題】二つのロールが受ける衝撃を抑制し、外部からの振動を二つのロールが直接受けることなく、構造を簡素化したロータリーカッターユニットを提供する。
【解決手段】カッターロール1と、カッターロール1と平行に配置されたアンビルロール2と、これら二つのロール1,2の両端にそれぞれ配置された回転支持部31,32と、二つのロール1,2を挟む向きにそれぞれの回転支持部31,32を加圧する一対の空気ばねA及び一対のアクチュエータBとを備え、空気ばねAは、二つのロール1,2のうち一方のロール1の回転支持部31を加圧し、アクチュエータBは、他方のロール2の回転支持部32を空気ばねAの加圧方向と対向するように加圧し、それぞれの回転支持部31,32は、空気ばねA及びアクチュエータBが加圧減圧する方向にスライド可能である。
【選択図】
図1A