(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-14
(45)【発行日】2023-12-22
(54)【発明の名称】空間浄化装置
(51)【国際特許分類】
F24F 8/24 20210101AFI20231215BHJP
F24F 6/00 20060101ALI20231215BHJP
F24F 8/80 20210101ALI20231215BHJP
A61L 9/14 20060101ALI20231215BHJP
A61L 9/01 20060101ALI20231215BHJP
【FI】
F24F8/24
F24F6/00 E
F24F8/80 150
A61L9/14
A61L9/01 F
(21)【出願番号】P 2022570653
(86)(22)【出願日】2022-03-25
(86)【国際出願番号】 JP2022014377
(87)【国際公開番号】W WO2022239531
(87)【国際公開日】2022-11-17
【審査請求日】2022-12-13
(31)【優先権主張番号】P 2021082041
(32)【優先日】2021-05-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106116
【氏名又は名称】鎌田 健司
(74)【代理人】
【識別番号】100131495
【氏名又は名称】前田 健児
(72)【発明者】
【氏名】小原 弘士
(72)【発明者】
【氏名】中川 貴司
(72)【発明者】
【氏名】佐々井 真弓
(72)【発明者】
【氏名】木下 剛
(72)【発明者】
【氏名】神原 雄一
(72)【発明者】
【氏名】吉田 真司
(72)【発明者】
【氏名】林 智裕
(72)【発明者】
【氏名】水野 裕貴
【審査官】伊藤 紀史
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2020/158850(WO,A1)
【文献】特開2017-029625(JP,A)
【文献】特開2020-048855(JP,A)
【文献】特開2012-172923(JP,A)
【文献】特開2019-072359(JP,A)
【文献】特許第6448781(JP,B2)
【文献】特開2022-103769(JP,A)
【文献】特開2022-145989(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24F 8/24
F24F 6/00
F24F 8/80
A61L 9/14
A61L 9/01
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
次亜塩素酸水を生成する次亜塩素酸水生成部と、
前記次亜塩素酸水生成部から混合槽に前記次亜塩素酸水を供給する次亜塩素酸水供給部と、
前記混合槽に水を供給する水供給部と、
前記混合槽の水量を検知する水量検知部と、
前記混合槽に貯められた前記次亜塩素酸水と前記水との混合水を微細化して空気中に放出する加湿浄化部と、
前記次亜塩素酸水供給部と前記水供給部と前記加湿浄化部とを制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、単位時間あたりの加湿水量に含まれる次亜塩素酸量を一定に近づけるように、前記加湿浄化部による加湿量に応じて、前記次亜塩素酸水供給部による前記次亜塩素酸水の供給タイミングを、動的に制御する空間浄化装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記加湿浄化部による加湿量が多い場合に、前記加湿浄化部による加湿量が少ない場合よりも前記次亜塩素酸水を供給してから次に前記次亜塩素酸水を供給するまでの時間を長くする請求項1に記載の空間浄化装置。
【請求項3】
前記制御部は、加湿量と、前記加湿量に対応した前記次亜塩素酸水の供給タイミングとを関連付けて記憶するタイミングテーブルを備え、
前記タイミングテーブルは、前記加湿量が多いほど前記次亜塩素酸水を次に供給する前記供給タイミングが遅く設定され、
前記制御部は、前記加湿浄化部による加湿量と前記タイミングテーブルとに基づいて前記次亜塩素酸水の供給タイミングを決定する請求項1または2に記載の空間浄化装置。
【請求項4】
前記制御部は、
決定された前記次亜塩素酸水の供給タイミングで前記水量検知部が検知する前記混合槽の水量が前記次亜塩素酸水の供給可能水量以下であれば、決定された前記次亜塩素酸水の供給タイミングで、前記次亜塩素酸水供給部により前記次亜塩素酸水を前記混合槽に供給し、
決定された前記次亜塩素酸水の供給タイミングで前記水量検知部が検知する前記混合槽の水量が前記供給可能水量以下でなければ、前記混合槽の水量が前記供給可能水量になった際に前記次亜塩素酸水供給部により前記次亜塩素酸水を前記混合槽に供給する請求項3に記載の空間浄化装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記次亜塩素酸水が供給されてから所定の時間経過後に、次回の前記次亜塩素酸水の供給タイミングを決定する請求項4に記載の空間浄化装置。
【請求項6】
前記制御部は、前記混合槽の減少水量に基づいて前記加湿浄化部による加湿量を算出する請求項1から5のいずれかに記載の空間浄化装置。
【請求項7】
前記制御部は、温度と、湿度と、前記加湿浄化部に供給される風量とに基づいて前記加湿浄化部による加湿量を算出する請求項1から5のいずれかに記載の空間浄化装置。
【請求項8】
前記温度を測定する温度センサと、
前記湿度を測定する湿度センサと、を備え、
前記温度センサと前記湿度センサは、前記加湿浄化部の上流に備えられる請求項7に記載の空間浄化装置。
【請求項9】
前記制御部は、前記水量検知部が検知する前記混合槽の水量が渇水水量以下であれば、前記水供給部により前記混合槽に水を供給する請求項1から8のいずれかに記載の空間浄化装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、空間浄化技術に関し、特に次亜塩素酸水を含む水を噴霧する空間浄化装置に関する。
【背景技術】
【0002】
空間除菌脱臭装置は、対象とする領域を殺菌するために、薬剤などの微細水粒子、例えば次亜塩素酸水を散布する。例えば、空間除菌脱臭装置の液体微細化室は、貯水部に貯留された次亜塩素酸水溶液から水滴を放出する。水滴は、送風部による通風によって、空気風路を通って吹出口から対象領域に放出される(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【0004】
空気調和装置と空間浄化装置とが組み合わされることによって、温度の調節がなされながら湿度も調節される。空間浄化装置が所定濃度の次亜塩素酸水を用いて水滴を放出する場合、単位時間当たりに放出される水滴の量、即ち加湿量が多いほど、単位時間当たりに放出される次亜塩素酸の量も多くなる。そのため、加湿量に応じて対象領域の次亜塩素酸の濃度が変化してしまう。
【0005】
本開示は、加湿量によらず対象領域の次亜塩素酸の濃度を安定させることができる技術を提供することを目的とする。
【0006】
本開示の一態様の空間浄化装置は、次亜塩素酸水を生成する次亜塩素酸水生成部と、次亜塩素酸水生成部から混合槽に次亜塩素酸水を供給する次亜塩素酸水供給部と、混合槽に水を供給する水供給部と、混合槽の水量を検知する水量検知部と、混合槽に貯められた次亜塩素酸水と水との混合水を微細化して空気中に放出する加湿浄化部と、次亜塩素酸水供給部と水供給部と加湿浄化部とを制御する制御部と、を備える。制御部は、単位時間あたりの加湿水量に含まれる次亜塩素酸量を一定に近づけるように、加湿浄化部による加湿量に応じて、次亜塩素酸水供給部による次亜塩素酸水の供給タイミングを、動的に制御する。
【0007】
なお、以上の構成要素の任意の組合せ、本開示の表現を方法、装置、システムなどの間で変換したものもまた、本開示の態様として有効である。
【0008】
本開示によれば、加湿量によらず対象領域の次亜塩素酸の濃度を安定させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、本開示の実施の形態に係る空間浄化システムの構成を示す図である。
【
図2】
図2は、本開示の実施の形態に係る空間浄化装置の構成を示す図である。
【
図3】
図3は、本開示の実施の形態に係る空間浄化装置の
図2に示すA-A線に沿った概略的な縦断面図である。
【
図4】
図4は、本開示の実施の形態に係る空間浄化装置の内部構成を示す斜視図である。
【
図5】
図5は、本開示の実施の形態に係る空間浄化装置が備える加湿浄化部、次亜塩素酸水生成部、及びそれらの周辺構成を示す図である。
【
図6】
図6は、本開示の実施の形態に係る空間浄化装置で用いるタイミングテーブルの一例を示す図である。
【
図7】
図7は、本開示の実施の形態に係る空間浄化装置が備える混合槽の水量変化の一例を説明する図である。
【
図8】
図8は、本開示の実施の形態に係る空間浄化装置が備える混合槽の水量変化の別の例を説明する図である。
【
図9】
図9は、本開示の実施の形態に係る空間浄化装置における暖房時の風の経路と風量の例を示す図である。
【
図10】
図10は、本開示の実施の形態に係る空間浄化装置における冷房時の風の経路と風量の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本開示の実施の形態を具体的に説明する前に、実施の形態の概要を説明する。本実施の形態は、室内に対して、温度及び湿度を調節するとともに、空気浄化を行う成分(以下、「空気浄化成分」という)を含む水を噴霧する空間浄化システムに関する。空間浄化システムは、空調制御を実行する空気調和装置と、湿度調節と空気浄化成分を含む水の噴霧とを実行する空間浄化装置とを備える。空気浄化成分には、例えば、殺菌性あるいは脱臭性を備えた次亜塩素酸が用いられる。これにより、室内の殺菌あるいは脱臭を行う。
【0011】
空間浄化装置は、混合槽に次亜塩素酸水を供給する次亜塩素酸水供給部と、混合槽に水を供給する水供給部と、混合槽に貯められた次亜塩素酸水と水との混合水を微細化して空気中に噴霧する加湿浄化部とを備える。混合槽に貯められた混合水の次亜塩素酸の濃度が一定の場合、既述のように、加湿量に応じて対象領域の次亜塩素酸の濃度が変化する。例えば、冬季のように湿度が低い場合には夏季のように湿度が高い場合より加湿量が多いため、室内の次亜塩素酸の濃度が高くなる。そのため、冬季には室内で次亜塩素酸の臭いが強くなる可能性があり、夏季には要求される次亜塩素酸の濃度を満たせない可能性がある。
【0012】
そこで本実施の形態では、単位時間あたりの加湿水量に含まれる次亜塩素酸量を一定に近づけるように、加湿浄化部による加湿量に応じて、混合槽への次亜塩素酸水の供給タイミングを制御する。単位時間あたりの加湿水量に含まれる次亜塩素酸量、即ち単位時間当たりの揮発した次亜塩素酸量を一定に近づけることで、加湿量が変化しても対象領域の次亜塩素酸の濃度を安定させることができる。
【0013】
以下に説明する実施の形態は、いずれも本開示の好ましい一具体例を示す。よって、以下の実施の形態で示される、数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、並びに、ステップ(工程)及びステップの順序などは、一例であって本開示を限定する主旨ではない。したがって、以下の実施の形態における構成要素のうち、本開示の最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。また、各図において、実質的に同一の構成に対しては同一の符号を付しており、重複する説明は省略または簡略化する。
【0014】
図1は、実施の形態の空間浄化システム100の構成を示す。空間浄化システム100は、屋内空間62(「室内」ともいう)の空気を循環させる際に、屋内空間62からの空気(RA)に対して必要に応じて冷却処理(除湿処理)または加熱処理を行うとともに、内部を流通する空気に対して微細化された水とともに空気浄化成分を含ませる装置である。空間浄化システム100は、内部を流通した空気(SA)を屋内空間62に供給することで、屋内空間62の殺菌と脱臭を行う。
【0015】
空間浄化システム100は、空間浄化装置10、空気調和装置50、室外機60、操作装置70、ダクト64a、ダクト64b、ダクト64c、低反応性ダクト67a、及び高反応性ダクト67bを備える。
【0016】
空気調和装置50は、例えば、屋内空間62の天井等に埋め込まれた4方向カセットエアコンである。空気調和装置50は、天井裏に位置する本体部51と、本体部51の屋内空間62側に配置された化粧パネル52とを備える。化粧パネル52には吸込口53及び吹出口54が設けられている。化粧パネル52には4つの吹出口54が設けられるが、そのうち2つは閉じられて空気を送出しないように構成される。そこで、
図1では閉じられた吹出口54の図示を省略し、1つの吹出口54を示す。空気調和装置50は、本体部51の側面にも吹出口55が設けられる。なお、化粧パネル52の4つの吹出口54が空気を送出できてもよいし、4つの吹出口54がすべて閉じられて空気を送出しないようにしてもよい。
【0017】
空気調和装置50は、空気の加熱と冷却の少なくとも一方を実行可能である。空気調和装置50は、屋内空間62から吸込口53を介して吸い込んだ空気8b(RA)に対して空調制御を実行し、空調制御した空気のうち一部の空気8d(AC)を吹出口55から空間浄化装置10に送出し、空調制御した空気のうち残りの空気8eを2つの吹出口54から屋内空間62に送出する。
【0018】
空気調和装置50には室外機60が接続されている。室外機60は、屋外空間に設置される室外ユニットである。室外機60には、一般的な構成のものを用いるので、詳細な説明は省略する。
【0019】
図1に加え
図2から
図4も参照して、空間浄化システム100の構成をさらに説明する。
図2は、空間浄化装置10の構成を示す。
図2は、空間浄化装置10の内部を上面側から見た概略図である。
図3は、空間浄化装置10の
図2に示すA-A線に沿った概略的な縦断面図である。なお、
図3では一部の構成の図示を省略している。
図4は、空間浄化装置10の内部構成を示す斜視図である。なお、
図4は、空間浄化装置10の筐体の上面側を取り除いた状態を示す。
【0020】
図2に示すように、空間浄化装置10は、筐体1、浄化風路5a、非浄化風路5b、加湿浄化部14、次亜塩素酸水生成部19、次亜塩素酸水供給部28、水供給部32、第1HEPA(High Efficiency Particulate Air)フィルタ11a、第2HEPAフィルタ11b、浄化搬送ファン12a、非浄化搬送ファン12b、第1温湿度センサ40a、第2温湿度センサ40b、及び浄化制御部41を含む。浄化制御部41は、制御部42と、水量算出部43とを含む。
【0021】
筐体1は、
図2~
図4に示すように、空間浄化装置10の外郭を形成する。筐体1は、吸込口2a、吸込口2b、吸込口2c、吹出口3a、吹出口3b、隔壁6、第1ダンパー7a、第2ダンパー7b、第3ダンパー7c、及び第4ダンパー7dを有する。吸込口2a、吸込口2b、及び吸込口2cを総称して吸込口2と呼び、吹出口3a及び吹出口3bを総称して吹出口3と呼ぶ。第1ダンパー7a、第2ダンパー7b、第3ダンパー7c、及び第4ダンパー7dを総称してダンパー7と呼ぶ。
【0022】
図2及び
図4に示すように、吸込口2a、吸込口2b、及び吸込口2cは、筐体1の一方の側面に配置される。吸込口2aと吸込口2cとの間に吸込口2bが配置される。吹出口3a及び吹出口3bは、筐体1の他方の側面(筐体1の一方の側面と対向する側面)に配置される。
【0023】
吸込口2a及び吸込口2cは、屋内空間62から取得された筐体1外の空気8a及び空気8cをそれぞれ空間浄化装置10に取り入れる取入口である。屋内空間62から取得された空気8a及び空気8cは、筐体1外の温度調節されていない非温調空気とも呼べる。吸込口2a及び吸込口2cは、非温調空気吸込口とも呼べる。
【0024】
図1に示すように、吸込口2aは、屋内空間62の天井等に設けられた屋内吸込口65aとの間でダクト64aを介して連通されている。吸込口2cは、屋内空間62の天井等に設けられた屋内吸込口65cとの間でダクト64cを介して連通されている。これにより、吸込口2aは、屋内吸込口65aから空間浄化装置10内に屋内空間62の空気8aを吸い込むことができる。吸込口2cは、屋内吸込口65cから空間浄化装置10内に屋内空間62の空気8cを吸い込むことができる。
【0025】
なお、屋内吸込口65cを設けなくてもよく、この場合、ダクト64aの一端を屋内吸込口65aに接続し、ダクト64aの他端側を分岐させて吸込口2aと吸込口2cとに接続してもよい。
【0026】
吸込口2bは、空気調和装置50からの空気8d、即ち筐体1外にて空気調和装置50により温度調節された温調空気を空間浄化装置10に取り入れる取入口である。吸込口2bは、温調空気吸込口とも呼べる。吸込口2bは、空気調和装置50の吹出口55との間でダクト64bを介して連通されている。
【0027】
吹出口3aは、空間浄化装置10内を流通した空気9a(SA)を屋内空間62に吐き出す吐出口である。空気9aは、微細化された次亜塩素酸水を含む。吹出口3bは、空間浄化装置10内を流通した空気9b(SA)を屋内空間62に吐き出す吐出口である。
【0028】
図1に示すように、吹出口3aは、屋内空間62の天井等に設けられた屋内吹出口68aとの間で低反応性ダクト67aを介して連通されている。吹出口3bは、屋内空間62の天井等に設けられた屋内吹出口68bとの間で高反応性ダクト67bを介して連通されている。これにより、吹出口3aは、屋内吹出口68aから屋内空間62に向けて、空間浄化装置10内を流通した空気9aを吹き出すことができる。吹出口3bは、屋内吹出口68bから屋内空間62に向けて、空間浄化装置10内を流通した空気9bを吹き出すことができる。
【0029】
低反応性ダクト67aは、浄化風路5aの下流に接続された、次亜塩素酸水との反応に乏しい低反応性素材を内壁に用いたダクトである。低反応性素材は、例えば、ポリオレフィン系素材である。ポリオレフィン系素材は、例えば、ポリエチレンとポリプロピレンの少なくとも一方を含む。
【0030】
高反応性ダクト67bは、非浄化風路5bの下流に接続された、低反応性素材よりも次亜塩素酸水との反応に富む高反応性素材を内壁に用いたダクトである。高反応性素材は、例えば、ポリエチレンテレフタレートである。高反応性素材の比表面積は、低反応性素材の比表面積より大きい。
【0031】
図2に示すように、浄化風路5aは、筐体1内に設けられ、吸込口2a及び吸込口2bと、吹出口3aとを連通する。非浄化風路5bは、筐体1内に浄化風路5aとは独立して設けられ、吸込口2c及び吸込口2bと、吹出口3bとを連通する。
【0032】
隔壁6は、吸込口2の下流から吹出口3までの間で浄化風路5aと非浄化風路5bとを分離する。浄化風路5aと非浄化風路5bとは、互いに並列に配置されている。
【0033】
ダンパー7は、吸込口2の下流にて浄化風路5aと非浄化風路5bとに空気を分配する。ダンパー7は、温調空気と非温調空気の少なくとも一方を浄化風路5aと非浄化風路5bとに分配する。
【0034】
ダンパー7は、開閉度を調整することで、吸込口2から筐体1内に流通させる空気の風量を増減させる。より詳細には、第1ダンパー7aは、吸込口2aから浄化風路5a内に流通させる空気8aの風量を増減させる。第2ダンパー7bは、吸込口2bから浄化風路5a内に流通させる空気8dの風量を増減させる。第3ダンパー7cは、吸込口2bから非浄化風路5b内に流通させる空気8dの風量を増減させる。第4ダンパー7dは、吸込口2cから非浄化風路5b内に流通させる空気8cの風量を増減させる。ダンパー7による空気の分配の詳細は後述する。
【0035】
第1温湿度センサ40aは、吸込口2bの下流に配置され、吸込口2bから流入した空気8dの温度及び湿度を計測し、計測値を制御部42に出力する。
【0036】
浄化風路5aは、ダンパー7の開閉度に応じて空気8a及び空気8dの少なくとも一方が流通する風路である。浄化風路5aには、その風路内に第1HEPAフィルタ11a、浄化搬送ファン12a、及び加湿浄化部14が上流側から下流側に向けてこの順に設けられている。また、浄化風路5aにおける浄化搬送ファン12aと加湿浄化部14との間、即ち加湿浄化部14の上流に第2温湿度センサ40bが設けられている。第2温湿度センサ40bは、温度センサ44と湿度センサ45とを含む。第2温湿度センサ40bは、浄化搬送ファン12aと加湿浄化部14との間の空気、即ち加湿浄化部14で加湿される直前の空気の温度及び湿度を計測し、計測値を制御部42に出力する。
【0037】
非浄化風路5bは、ダンパー7の開閉度に応じて空気8c及び空気8dの少なくとも一方が流通する風路である。非浄化風路5bには、その風路内に第2HEPAフィルタ11b、非浄化搬送ファン12b、及び次亜塩素酸水生成部19が上流側から下流側に向けてこの順に設けられている。非浄化風路5bには、さらに次亜塩素酸水供給部28、水供給部32、ストレーナ36、排水ポンプ38、及び排水ドレン39が非浄化搬送ファン12bの下流であって次亜塩素酸水生成部19の近くに設けられている。非浄化風路5bでは、加湿浄化部14の次亜塩素酸水による空気の浄化は行われないが、第2HEPAフィルタ11bによる空気の浄化は行われる。
【0038】
このように、浄化搬送ファン12a、非浄化搬送ファン12b、次亜塩素酸水生成部19、次亜塩素酸水供給部28、水供給部32、ストレーナ36、排水ポンプ38、排水ドレン39、及び第2温湿度センサ40bは、加湿浄化部14の下流に配置されない。
【0039】
第1HEPAフィルタ11a及び第2HEPAフィルタ11bは、エアフィルタであり、空間浄化装置10に流入された空気中からゴミ、塵埃などを取り除き、清浄された空気を出力する。
【0040】
浄化搬送ファン12aは、第1HEPAフィルタ11aを通過した空気を浄化風路5aに沿って吹出口3aに搬送するための装置である。浄化搬送ファン12aは、浄化風路5aの空気の流れを生成する。
【0041】
非浄化搬送ファン12bは、第2HEPAフィルタ11bを通過した空気を非浄化風路5bに沿って吹出口3bに搬送するための装置である。非浄化搬送ファン12bは、非浄化風路5bの空気の流れを生成する。
【0042】
浄化搬送ファン12a及び非浄化搬送ファン12bのそれぞれでは、制御部42からの出力信号に応じて風量、つまり回転数が制御される。浄化搬送ファン12aが運転動作することにより、加湿浄化部14に対して風が送られる。非浄化搬送ファン12bが運転動作することにより、次亜塩素酸水生成部19に対して風が送られる。
【0043】
図5は、加湿浄化部14、次亜塩素酸水生成部19、及びそれらの周辺構成を示す。
図5は、浄化制御部41の機能ブロックも示す。加湿浄化部14は、浄化風路5a内部に取り入れた空気を加湿するためのユニットであり、加湿の際に、空気に対して微細化された水とともに空気浄化成分として次亜塩素酸を含ませる。加湿浄化部14は、次亜塩素酸水生成部19が生成した次亜塩素酸水を遠心破砕により微細化して空気中に放出する。微細化された次亜塩素酸水は、液体成分が蒸発した状態で筐体1外へ放出される。
【0044】
加湿浄化部14は、
図5に示すように、遠心破砕ユニット15、混合槽16、及び水量検知部17を有する。加湿浄化部14は、図示しない加湿モータを用いて遠心破砕ユニット15を回転させ、混合槽16に貯水されている次亜塩素酸水を遠心力で吸い上げて周囲(遠心方向)に飛散・衝突・破砕させ、通過する空気に水分を含ませる遠心破砕式の構成をとる。
【0045】
加湿浄化部14は、制御部42からの出力信号に応じて加湿モータの回転数を変化させ、加湿能力(加湿量)を調整する。加湿量は、空気に対して空気浄化成分を付加する付加量ともいえる。制御部42は、屋内空間62の空気の温度及び湿度を計測する第3温湿度センサ72で検出された温度計測値と湿度計測値に基づいて、遠心破砕ユニット15の回転数を制御する。
【0046】
水量検知部17は、混合槽16の次亜塩素酸水の水量を検知する。水量検知部17は、第1水量センサ17aと、第2水量センサ17bと、水量算出部43とを有する。第1水量センサ17aは、混合槽16に設置され、混合槽16内の次亜塩素酸水の水量が満水水量以上であるか否かを検出し、検出結果を制御部42に出力する。第2水量センサ17bは、混合槽16に設置され、混合槽16内の次亜塩素酸水の水量が渇水水量以下であるか否かを検出し、検出結果を制御部42に出力する。第1水量センサ17aおよび第2水量センサ17bとして、水位センサを利用できる。水量算出部43については後述する。
【0047】
次亜塩素酸水生成部19は、電解槽20、電極21、電磁弁22、塩水タンク23、塩水搬送ポンプ24、及び逆止弁25を含む。
【0048】
塩水タンク23は、塩水(塩化ナトリウム水溶液)を貯めており、制御部42からの出力信号に応じて、塩水搬送ポンプ24と逆止弁25を介して電解槽20に塩水を供給する。電解槽20は、塩水タンク23から供給された電気分解対象である塩水を貯める。電解槽20には、制御部42からの出力信号に応じて、水道等の給水管からストレーナ36と電磁弁22を介して水道水も供給され、供給された水道水と塩水とが混合され、予め定められた濃度の塩水が貯められる。電極21は、電解槽20内に配置され、制御部42からの出力信号に応じて、通電により塩水の電気分解を行い、所定の濃度の次亜塩素酸水を生成する。所定の濃度は、実験やシミュレーションにより適宜定めることができる。
【0049】
つまり、電解槽20は、一対の電極間で、電解質として塩化物水溶液(例えば、塩水)を電気分解することで次亜塩素酸水を生成する。電解槽20には、一般的な装置が使用されるので、詳細な説明は省略する。ここで、電解質は、次亜塩素酸水を生成可能な電解質であり、少量でも塩化物イオンを含んで入れば特に制限はなく、例えば、溶質として塩化ナトリウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウム等を溶解した水溶液が挙げられる。また、塩酸でも問題ない。本実施の形態では、電解質として、水に対して塩化ナトリウムを加えた塩化物水溶液(塩水)を使用している。
【0050】
次亜塩素酸水供給部28は、制御部42からの出力信号に応じて、電解槽20から加湿浄化部14の混合槽16に所定量の次亜塩素酸水を供給する。所定量は、例えば電解槽20の容量であり、本実施の形態では0.5(L)であると想定する。次亜塩素酸水供給部28は、次亜塩素酸水搬送ポンプ29と送水管30とを有する。次亜塩素酸水搬送ポンプ29は、制御部42からの出力信号に応じて電解槽20の次亜塩素酸水を送水管30に送り出す。送水管30は、次亜塩素酸水搬送ポンプ29と混合槽16との間に接続され、次亜塩素酸水を混合槽16に向けて送水する。
【0051】
水供給部32は、制御部42からの出力信号に応じて、混合槽16に水を供給する。水供給部32は、電磁弁33と送水管34とを有する。電磁弁33は、制御部42からの出力信号に応じて、空間浄化装置10の外部の水道管からストレーナ36を介して供給される水を送水管34に流すか否か制御する。送水管34は、電磁弁33と混合槽16との間に接続され、水を混合槽16に向けて送水する。
【0052】
このようにして、加湿浄化部14の混合槽16で次亜塩素酸水と水とが混合される。次亜塩素酸水と水との混合水も次亜塩素酸水と呼べる。加湿浄化部14は、混合槽16に貯められた次亜塩素酸水と水との混合水を遠心破砕することによって、次亜塩素酸水を屋内空間62に対して噴霧する。
【0053】
ドレンパン37は、
図3及び
図5に示すように、加湿浄化部14、次亜塩素酸水生成部19(電解槽20、塩水タンク23)、次亜塩素酸水供給部28、及び水供給部32の下に配置され、これらから落下する水を受ける。排水ポンプ38は、ドレンパン37内の水位が所定値に達した場合、ドレンパン37内の水を排水ドレン39に流して排水する。
【0054】
制御部42は、単位時間あたりの加湿水量に含まれる次亜塩素酸量を一定に近づけるように、加湿浄化部14による加湿量に応じて、次亜塩素酸水供給部28による所定量の次亜塩素酸水の供給タイミングを動的に制御する。具体的には、制御部42は、加湿浄化部14による加湿量が相対的に多い場合に、加湿浄化部14による加湿量が相対的に少ない場合よりも次亜塩素酸水を供給してから次に次亜塩素酸水を供給するまでの時間を長くする。所定の濃度、かつ、所定量の次亜塩素酸水の供給タイミングを制御することで、混合槽16の混合水における次亜塩素酸の濃度を制御できる。
【0055】
制御部42は、温度センサ44により測定された温度と、湿度センサ45により測定された湿度と、加湿浄化部14に供給される風量とに基づいて、以下の式(1)に従い加湿浄化部14による加湿量W(g/h)を算出する。
【0056】
【0057】
式(1)では、Xは加湿後絶対湿度を表し、Xinは加湿前絶対湿度を表し、Qは風量(m3/h)を表し、ρは空気密度(kg/m3)を表す。制御部42は、あるタイミングにおいて温度センサ44と湿度センサ45で測定された温度と湿度に基づいて加湿前絶対湿度Xinを算出し、当該タイミングより後のタイミングにおいて温度センサ44と湿度センサ45で測定された温度と湿度に基づいて加湿後絶対湿度Xを算出する。
【0058】
制御部42は、加湿量と、加湿量に対応した供給タイミングとを関連付けて記憶するタイミングテーブルを備える。制御部42は、加湿浄化部14による加湿量とタイミングテーブルとに基づいて次亜塩素酸水の供給タイミングを決定する。
【0059】
制御部42は、次亜塩素酸水が混合槽16に供給されてから所定の時間経過後に、次回の次亜塩素酸水の供給タイミングを決定する。所定の時間は、実験やシミュレーションにより適宜定めることができ、本実施の形態では60分であると想定する。
【0060】
図6は、実施の形態において制御部42が備えるタイミングテーブル46の一例を示す。タイミングテーブル46は、加湿量が多いほど次回の次亜塩素酸水の供給タイミングが遅く設定される。次回の次亜塩素酸水の供給タイミングとして、チャージフラグをセットするタイミングが用いられる。チャージフラグとは、次回の次亜塩素酸水の供給が必要なことを示すフラグである。例えば、0から500(cc/h)の加湿量には0(分後)、即ち即時のタイミングが関連付けられ、501から1000(cc/h)の加湿量には10(分後)のタイミングが関連付けられ、1001から1500(cc/h)の加湿量には20(分後)のタイミングが関連付けられている。1501から2000(cc/h)の加湿量には20(分後)のタイミングが関連付けられ、2001から2500(cc/h)の加湿量には30(分後)のタイミングが関連付けられ、2501(cc/h)以上の加湿量には30(分後)のタイミングが関連付けられている。タイミングテーブル46は、実験やシミュレーションにより適宜定めることができる。
【0061】
制御部42は、次亜塩素酸水が混合槽16に供給されてから、既述の式(1)により加湿量を一定時間毎に定期的に算出し、算出した加湿量を水量算出部43に出力する。水量算出部43は、制御部42から供給された加湿量をもとに一定時間毎の混合槽16の混合水の減少水量を算出し、算出した減少水量を積算する。一定時間は、例えば、1分から数分でよい。水量算出部43は、満水水量から減少水量の積算値を減算し、減算結果を混合水の水量として算出し、算出した水量を制御部42に出力する。この処理は、水量算出部43が混合槽16の水量を検知することに相当する。
【0062】
制御部42は、決定された次亜塩素酸水の供給タイミングで水量算出部43が検知した混合槽16の水量が次亜塩素酸水の供給可能水量以下であれば、決定された次亜塩素酸水の供給タイミングで、次亜塩素酸水供給部28により所定量の次亜塩素酸水を混合槽16に供給する。次亜塩素酸水の供給可能水量は、所定量の次亜塩素酸水を供給しても混合槽16が溢れない水量である。
【0063】
制御部42は、決定された次亜塩素酸水の供給タイミングで水量算出部43が検知した混合槽16の水量が供給可能水量以下でなければ、混合槽16の水量が供給可能水量になった際に次亜塩素酸水供給部28により所定量の次亜塩素酸水を混合槽16に供給する。
【0064】
制御部42は、所定量の次亜塩素酸水を混合槽16に供給する場合、水供給部32により混合槽16に水も供給する。制御部42は、水供給部32により混合槽16に水を供給した場合、第1水量センサ17aが検知した混合槽16の水量が満水水量に達すれば、水供給部32による水の供給を停止する。
【0065】
制御部42は、第2水量センサ17bが検知した混合槽16の水量が渇水水量以下であれば、満水水量に達するまで水供給部32により混合槽16に水を供給する。
【0066】
図7と
図8を参照して、加湿中に次亜塩素酸水と水を混合槽16に供給する具体例を説明する。混合槽16の容量を3(L)、満水水量を2.8(L)、次亜塩素酸水の供給可能水量を1.8(L)、渇水水量を0.8(L)と想定する。
【0067】
図7は、混合槽16の水量変化の一例を説明する図である。
図7では、縦軸は混合水の水量であり、横軸は時間であり、加湿量は相対的に多い約2.0(L/h)であると想定する。
【0068】
まず、混合水の水量がゼロである状態で、制御部42は、水供給部32により混合槽16に水を供給し、次亜塩素酸水供給部28により混合槽16に所定量の次亜塩素酸水を供給し、混合水が満水水量に達した時刻t0で水の供給を停止する。次亜塩素酸水の供給による混合水の水量増加を破線で示す。時刻t0までに、水供給部32により2.3(L)の水が供給され、次亜塩素酸水供給部28により0.5(L)の次亜塩素酸水が供給される。
【0069】
時刻t0以降、加湿により混合水は減少する。時刻t0以降、制御部42は、加湿量を一定時間毎に算出し、水量算出部43は、算出された加湿量をもとに一定時間毎の混合水の減少水量を算出し、算出した減少水量を積算する。水量算出部43は、満水水量から減少水量の積算値を減算して得られた混合水の水量を制御部42に出力する。制御部42は、水量算出部43から供給された混合水の水量が次亜塩素酸水の供給可能水量以下になったか否か判定し、混合水の水量が次亜塩素酸水の供給可能水量以下になった時刻t1にて、給水フラグF1をセットする。制御部42は、時刻t1以降も加湿量を一定時間毎に算出する。
【0070】
制御部42は、時刻t0から所定の時間(即ち60分)経過した時刻t2にて、この60分間の加湿量と、タイミングテーブル46とに基づいて、チャージフラグF2をセットするタイミングを決定する。制御部42は、60分間に複数回算出した加湿量の平均値などの統計値を60分間の加湿量とすることができる。所定の時間の間の加湿量を用いるので、加湿量の精度を高くできる。ここでは、加湿量が2.0(L/h)であるため、チャージフラグF2をセットするタイミングは、時刻t2から20分後に決定される。制御部42は、給水フラグF1とチャージフラグF2の両方がセットされている場合に限り、次亜塩素酸水を供給する。
【0071】
時刻t2にて、水量検知部17により混合槽16の水量が渇水水量に達したことが検知されることで、制御部42は、給水フラグF1をリセットし、水供給部32により混合槽16に水を供給する。これにより、安定的に加湿を継続できる。時刻t2では、チャージフラグF2がセットされていないため、制御部42は次亜塩素酸水を混合槽16に供給しない。制御部42は、混合水が満水水量に達した時刻t3で水の供給を停止する。時刻t3以降、水量算出部43は、再度、混合水の水量を算出する。
【0072】
時刻t2から20分後の時刻t4に、即ちチャージフラグF2をセットするタイミングに、制御部42はチャージフラグF2をセットする。
【0073】
制御部42は、混合水の水量が次亜塩素酸水の供給可能水量に達した時刻t5にて、給水フラグF1をセットし、チャージフラグF2も既にセットされているため、次亜塩素酸水供給部28により混合槽16に所定量の次亜塩素酸水を供給する。これにより、所定量の次亜塩素酸水を供給しても混合槽16から混合水を溢れさせないようにできる。また、制御部42は、水供給部32により混合槽16に水を供給し、給水フラグF1とチャージフラグF2をリセットし、混合水が満水水量に達した時刻t6で水供給部32による水の供給を停止する。
【0074】
時刻t6以降の処理は、以上の処理と同様である。制御部42は、時刻t7にて給水フラグF1をセットし、時刻t8にて混合槽16に水を供給し、給水フラグF1をリセットし、時刻t9に満水水量に達する。制御部42は、時刻t6から60分後の時刻t10にて、この60分間の加湿量と、タイミングテーブルとに基づいて、チャージフラグF2をセットするタイミングを20分後に決定する。制御部42は、時刻t11にチャージフラグF2をセットし、時刻t12に給水フラグF1をセットし、所定量の次亜塩素酸水と水を供給し、給水フラグF1とチャージフラグF2をリセットする。
【0075】
図8は、混合槽16の水量変化の別の例を説明する図である。
図8では、加湿量は相対的に少ない約1.0(L/h)であると想定する。時刻t20までの動作は
図7の時刻t0までの動作と同じである。
【0076】
時刻t20以降、制御部42は、加湿量を一定時間毎に算出し、水量算出部43は、算出された加湿量をもとに一定時間毎の混合水の減少水量を算出し、算出した減少水量を積算する。水量算出部43は、満水水量から減少水量の積算値を減算して得られた混合水の水量を制御部42に出力する。制御部42は、水量算出部43から供給された混合水の水量が次亜塩素酸水の供給可能水量以下になった時刻t21にて、給水フラグF1をセットする。
【0077】
また、制御部42は、この時刻t21にて、時刻t20から所定の時間(即ち60分)経過したため、この60分間の加湿量と、タイミングテーブルとに基づいて、チャージフラグF2をセットするタイミングを時刻t21から10分後に決定する。
【0078】
時刻t21から10分後の時刻t22に、制御部42は、チャージフラグF2をセットし、給水フラグF1も既にセットされているため、次亜塩素酸水供給部28により混合槽16に所定量の次亜塩素酸水を供給する。また、制御部42は、水供給部32により混合槽16に水を供給し、給水フラグF1とチャージフラグF2をリセットし、混合水が満水水量に達した時刻t23で水の供給を停止する。
【0079】
時刻t23以降の処理は、以上の処理と同様である。制御部42は、時刻t24にて給水フラグF1をセットし、チャージフラグF2をセットするタイミングを時刻t24から10分後に決定し、時刻t25にチャージフラグF2をセットし、所定量の次亜塩素酸水と水を供給し、給水フラグF1とチャージフラグF2をリセットする。
【0080】
このように、加湿量が相対的に少ない
図8の例では、混合槽16の水量が渇水水量に達することがなく、加湿量が相対的に多い
図7の例と比較して、次亜塩素酸水を供給してから次に次亜塩素酸水を供給するまでの時間が短いため、混合槽16の次亜塩素酸水の濃度を高くできる。よって、
図7と
図8のそれぞれの例において、単位時間あたりの加湿水量に含まれる次亜塩素酸量を一定量に近づけることができる。これにより、加湿浄化部14による加湿量が変化しても、屋内空間62の次亜塩素酸の濃度を安定させることができる。
【0081】
屋内空間62の壁面には、
図1に示すように、操作装置70が設置される。操作装置70は、ユーザが操作可能なユーザインターフェースを備え、ユーザから温度設定値、湿度設定値、及び運転モードの設定を受けつける。運転モードは、脱臭モード、殺菌モード、通常モードなどの空気中の次亜塩素酸量を指定するモードを含む。操作装置70には、第3温湿度センサ72が含まれており、第3温湿度センサ72は、屋内空間62の空気の温度及び湿度を計測する。第3温湿度センサ72における温度及び湿度の計測には公知の技術が使用されればよいので、ここでは説明を省略する。
【0082】
操作装置70は、制御部42に対して有線あるいは無線で接続されており、温度設定値、湿度設定値、温度計測値、湿度計測値、及び運転モード情報を制御部42に送信する。制御部42は、受信した情報を空気調和装置50に転送する。これらの情報は、すべてまとめて送信されてもよく、任意の2つ以上がまとめて送信されてもよく、それぞれが個別に送信されてもよい。また、操作装置70は、制御部42及び空気調和装置50に対して情報を送信してもよい。
【0083】
空気調和装置50は、温度設定値と温度計測値とを受けつけ、温度計測値が温度設定値に近づくように、運転モードを暖房モードまたは冷房モードに切り替え、空気8bの加熱または冷却を実行する。
【0084】
制御部42は、ダンパー7、浄化搬送ファン12a、及び非浄化搬送ファン12bも制御する。制御部42は、次亜塩素酸水生成部19による次亜塩素酸水の生成中は非浄化搬送ファン12bを動作させ続け、停止しない。制御部42は、電解槽20に次亜塩素酸水が残っている間、非浄化搬送ファン12bを動作させ続けてもよい。
【0085】
制御部42は、空気調和装置50の運転モードと温調空気吸込口(吸込口2b)から取り入れる空気の温度との少なくとも一方に基づいてダンパー7による空気の分配を制御する。
【0086】
制御部42は、浄化風路5aと非浄化風路5bとを通る風量比を制御する。制御部42は、温調空気吸込口(吸込口2b)から取り入れる温調空気が温風の場合、ダンパー7を制御して、浄化風路5aを通る温調空気の量を、非浄化風路5bを通る温調空気の量よりも増加させる。ここで、温調空気吸込口(吸込口2b)から取り入れる空気が温風の場合とは、空気調和装置50が暖房モードの場合、または、温調空気吸込口(吸込口2b)から取り入れる空気の温度が非温調空気吸込口(吸込口2a、吸込口2c)から取り入れる空気の温度より高い場合に相当する。温調空気吸込口(吸込口2b)から取り入れる空気の温度は、第1温湿度センサ40aの温度計測値である。非温調空気吸込口(吸込口2a、吸込口2c)から取り入れる空気の温度は、第3温湿度センサ72の温度計測値である。なお、温調空気吸込口(吸込口2b)から取り入れる空気の温度は、空気調和装置50に対する設定温度によって推定した温度値としてもよい。
【0087】
制御部42は、ダンパー7の開度と非浄化搬送ファン12bの出力と浄化搬送ファン12aの出力とに基づいて、浄化風路5a及び非浄化風路5bにおける、温調空気と非温調空気の風量及び温調空気と非温調空気の混合比を制御する。
【0088】
図9は、空間浄化装置10における暖房時の風の経路と風量の例を示す。制御部42は、第2ダンパー7b及び第4ダンパー7dの開度を最大に制御し、第3ダンパー7c及び第1ダンパー7aを閉じる。つまり、第1ダンパー7aは、吸込口2aから浄化風路5a内に流通させる空気8aの風量をゼロとする。第2ダンパー7bは、吸込口2bから浄化風路5a内に流通させる空気8dの風量を最大とする。第3ダンパー7cは、吸込口2bから非浄化風路5b内に流通させる空気8dの風量をゼロとする。第4ダンパー7dは、吸込口2cから非浄化風路5b内に流通させる空気8cの風量を最大とする。
【0089】
よって、風量「350」の温風である空気8dが浄化風路5aを通り、この空気8dが加湿浄化部14で微細化された次亜塩素酸水により加湿され、吹出口3aから風量「350」の空気9aとして吹き出される。空気調和装置50で加熱された空気8dの温度は、屋内空間62の空気8aの温度より高いため、空気8aに対して加湿する場合よりも次亜塩素酸水による加湿量を高めることができる。風量「350」は、空気調和装置50により定められる。浄化搬送ファン12aも風量「350」に相当する回転数で動作する。
【0090】
また、風量「400」の空気8cが非浄化風路5bを通り、吹出口3bから風量「400」の空気9bとして吹き出される。風量「400」は、非浄化搬送ファン12bの回転数により定められる。
【0091】
一方、制御部42は、温調空気吸込口(吸込口2b)から取り入れる温調空気が冷風であり、次亜塩素酸水の放出を除湿よりも優先する場合、非浄化風路5bを通る温調空気の量を、浄化風路5aを通る温調空気の量よりも増加させる。ここで、温調空気吸込口(吸込口2b)から取り入れる空気が冷風の場合とは、空気調和装置50が冷房モードの場合、または、温調空気吸込口(吸込口2b)から取り入れる空気の温度が非温調空気吸込口(吸込口2a、吸込口2c)から取り入れる空気の温度より低い場合に相当する。
【0092】
図10は、空間浄化装置10における冷房時の風の経路と風量の例を示す。制御部42は、第1ダンパー7a、第3ダンパー7c、及び第4ダンパー7dの開度を最大に制御し、第2ダンパー7bを閉じる。つまり、第1ダンパー7aは、吸込口2aから浄化風路5a内に流通させる空気8aの風量を最大とする。第2ダンパー7bは、吸込口2bから浄化風路5a内に流通させる空気8dの風量をゼロとする。第3ダンパー7cは、吸込口2bから非浄化風路5b内に流通させる空気8dの風量を最大とする。第4ダンパー7dは、吸込口2cから非浄化風路5b内に流通させる空気8cの風量を最大とする。
【0093】
よって、風量「350」の空気8aが浄化風路5aを通り、この空気8aが加湿浄化部14で微細化された次亜塩素酸水により加湿され、吹出口3aから風量「350」の空気9aとして吹き出される。空気8aの温度は、温調空気(空気8d)の温度より高いため、冷却された空気8dに対して加湿する場合よりも次亜塩素酸水による加湿量を高めることができる。風量「350」は、浄化搬送ファン12aの回転数により定められる。
【0094】
また、風量「350」の冷風である空気8d及び風量「50」の空気8cが非浄化風路5bを通り、吹出口3bから風量「400」の空気9bとして吹き出される。空気調和装置50で冷却された空気8dは、加湿浄化部14による加湿がなされずに排出されるため、屋内空間62に供給される空気9aと空気9bにより全体としては除湿できる。空気8cの風量「50」は、非浄化搬送ファン12bの回転数により定められる風量「400」と、空気調和装置50により定められる空気8dの風量「350」との差である。
【0095】
なお、制御部42は、温調空気吸込口(吸込口2b)から取り入れる温調空気が冷風であり、除湿を次亜塩素酸水の放出よりも優先する場合、浄化風路5aを通る温調空気の量を、非浄化風路5bを通る温調空気の量よりも増加させてもよい。この場合、例えば、冷房時にも
図9と同じダンパー7の制御が実行され、空気の経路も
図9と同じとなってよい。浄化風路5aに冷風を通すことで、加湿浄化部14による加湿量を減らすことができる。
【0096】
本開示における装置、システム、または方法の主体は、コンピュータを備えている。このコンピュータがプログラムを実行することによって、本開示における装置、システム、または方法の主体の機能が実現される。コンピュータは、プログラムにしたがって動作するプロセッサを主なハードウェア構成として備える。プロセッサは、プログラムを実行することによって機能を実現することができれば、その種類は問わない。プロセッサは、半導体集積回路(IC)、またはLSI(Large Scale Integration)を含む1つまたは複数の電子回路で構成される。複数の電子回路は、1つのチップに集積されてもよいし、複数のチップに設けられてもよい。複数のチップは1つの装置に集約されていてもよいし、複数の装置に備えられていてもよい。プログラムは、コンピュータが読み取り可能なROM(Read Only Memory)、光ディスク、ハードディスクドライブなどの非一時的記録媒体に記録される。プログラムは、記録媒体に予め格納されていてもよいし、インターネット等を含む広域通信網を介して記録媒体に供給されてもよい。
【0097】
本実施の形態によれば、単位時間あたりの加湿水量に含まれる次亜塩素酸量、即ち単位時間当たりの揮発した次亜塩素酸量を一定に近づけることで、加湿浄化部14による加湿量によらず対象領域の次亜塩素酸の濃度を安定させることができる。そのため、例えば、加湿浄化部14による加湿量が相対的に多い日本における冬季の場合には次亜塩素酸の臭いが強くなり過ぎることを抑制でき、加湿浄化部14による加湿量が相対的に少ない日本における夏季の場合には要求される次亜塩素酸の濃度を満たすことができる。
【0098】
また、空気調和装置50は、空調制御した空気のうち一部の空気8dを空間浄化装置10に送出し、空調制御した空気のうち残りの空気8eを屋内空間62に送出するので、空気8eを空間浄化装置10で加湿せずに室内に送出できる。よって、暖房時に加湿に伴う室内の空気の温度低下を抑制できる。冷房時に室内の空気の湿度上昇を抑制できる。
【0099】
また、次亜塩素酸水生成部19は、非浄化風路5bに配置され、加湿浄化部14は、浄化風路5aに配置されるので、次亜塩素酸水生成部19から次亜塩素酸水(または気化した次亜塩素酸)が漏れた場合、非浄化風路5bを通過する空気により、漏れ出た次亜塩素酸水を筐体1外に排出し、空間浄化装置10の内部の腐食を抑制できる。次亜塩素酸水生成部19を浄化風路5aに設けたと仮定すると、微細化された次亜塩素酸水が次亜塩素酸水生成部19に付着しやすいため次亜塩素酸水生成部19自体も耐腐食性を高める必要があるが、本実施の形態の構成では次亜塩素酸水生成部19の耐腐食性を不要にできるか、または、低くできる。
【0100】
また、次亜塩素酸水生成部19による次亜塩素酸水の生成中、非浄化搬送ファン12bが回転し続けることで非浄化風路5bの空気の流れが生成され続けるので、より確実に筐体1内の腐食を抑制できる。
【0101】
さらに、浄化搬送ファン12a、非浄化搬送ファン12b、次亜塩素酸水生成部19、次亜塩素酸水供給部28、水供給部32、ストレーナ36、排水ポンプ38、排水ドレン39、及び第2温湿度センサ40bは、加湿浄化部14の下流に配置されないので、加湿浄化部14から放出された微細化された次亜塩素酸水によるこれらの構成要素の腐食を抑制できる。よって、これらの構成要素の耐腐食性を不要にできるか、または、低くできる。
【0102】
また、次亜塩素酸水生成部19から非浄化風路5bに漏れ出た次亜塩素酸水を高反応性ダクト67bの高反応性素材により吸収または吸着することで、漏れ出た次亜塩素酸水の室内への到達を抑制できる。高反応性素材の比表面積は、低反応性素材の比表面積より大きいため、高反応性素材は次亜塩素酸水を吸収または吸着しやすい。よって、室内の次亜塩素酸の量を精度よく制御しやすい。室内の次亜塩素酸の量を精度よく制御するためには、非浄化風路5bに漏れ出た次亜塩素酸水は室内に放出されないことが望ましい。
【0103】
一方、浄化風路5aを通った空気9aに含まれる次亜塩素酸水に対しては、低反応性ダクト67aの低反応性素材により反応、吸収、または吸着を抑制することで、低反応性ダクト67aの通過による次亜塩素酸濃度の低下を抑制できる。
【0104】
また、混合槽16に次亜塩素酸水と水を供給するので、混合水の濃度を調整しやすい。よって、空気中に放出される次亜塩素酸の濃度を調節しやすい。
【0105】
また、ダンパー7により温調空気と非温調空気の少なくとも一方を浄化風路と非浄化風路とに分配するので、暖房時及び冷房時のそれぞれで温調空気と非温調空気の分配を調整することで、次亜塩素酸水による加湿をより適切に実行できる。
【0106】
以上、本開示を実施の形態をもとに説明した。この実施の形態は例示であり、それらの各構成要素あるいは各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本開示の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
【0107】
例えば、水量検知部17は、水量算出部43の代わりに、混合槽16の混合水の減少水量を検知する水量センサを有してもよい。制御部42は、水量検知部17で検知された、次亜塩素酸水が混合槽16に供給されてから所定の時間が経過するまでの減少水量に基づいて、加湿浄化部14による加湿量を算出してもよい。この変形例では、既述の式(1)により加湿量を算出する必要がない。なお、所定の時間が経過するまでに混合水が渇水水量に達した場合、制御部42は、混合水が渇水水量に達するまでの減少水量と、渇水後に供給された水により混合水が満水水量に達してから所定の時間経過後の時刻までの減少水量との和を、次亜塩素酸水が混合槽16に供給されてから所定の時間が経過するまでの減少水量とする。この変形例では、空間浄化装置10の構成の自由度を向上できる。
【0108】
また、水量検知部17は、水量算出部43の代わりに、混合槽16の混合水の水量が次亜塩素酸水の供給可能水量以下であるか否かを検知する水量センサを有してもよい。この変形例でも、空間浄化装置10の構成の自由度を向上できる。
【0109】
本開示の一態様の概要は、次の通りである。本開示の一態様の空間浄化装置(10)は、次亜塩素酸水を生成する次亜塩素酸水生成部(19)と、次亜塩素酸水生成部(19)から混合槽(16)に次亜塩素酸水を供給する次亜塩素酸水供給部(28)と、混合槽(19)に水を供給する水供給部(32)と、混合槽(16)の水量を検知する水量検知部(17)と、混合槽(16)に貯められた次亜塩素酸水と水との混合水を微細化して空気中に放出する加湿浄化部(14)と、次亜塩素酸水供給部(28)と水供給部(32)と加湿浄化部(14)とを制御する制御部(42)と、を備える。制御部(42)は、単位時間あたりの加湿水量に含まれる次亜塩素酸量を一定に近づけるように、加湿浄化部(14)による加湿量に応じて、次亜塩素酸水供給部(28)による次亜塩素酸水の供給タイミングを、動的に制御する。
【0110】
制御部(42)は、加湿浄化部(14)による加湿量が多い場合に、加湿浄化部(14)による加湿量が少ない場合よりも次亜塩素酸水を供給してから次に次亜塩素酸水を供給するまでの時間を長くしてもよい。
【0111】
制御部(42)は、加湿量と、加湿量に対応した次亜塩素酸水の供給タイミングとを関連付けて記憶するタイミングテーブル(46)を備えてもよい。タイミングテーブル(46)は、加湿量が多いほど次に次亜塩素酸水を供給する供給タイミングが遅く設定されてもよい。制御部(42)は、加湿浄化部(14)による加湿量とタイミングテーブル(46)とに基づいて次亜塩素酸水の供給タイミングを決定してもよい。
【0112】
制御部(42)は、決定された次亜塩素酸水の供給タイミングで水量検知部(17)が検知する混合槽(16)の水量が次亜塩素酸水の供給可能水量以下であれば、決定された次亜塩素酸水の供給タイミングで、次亜塩素酸水供給部(28)により次亜塩素酸水を混合槽(16)に供給し、決定された次亜塩素酸水の供給タイミングで水量検知部(17)が検知する混合槽(16)の水量が供給可能水量以下でなければ、混合槽(16)の水量が供給可能水量になった際に次亜塩素酸水供給部(28)により次亜塩素酸水を混合槽(16)に供給してもよい。
【0113】
制御部(42)は、次亜塩素酸水が供給されてから所定の時間経過後に、次回の次亜塩素酸水の供給タイミングを決定してもよい。
【0114】
制御部(42)は、混合槽(16)の減少水量に基づいて加湿浄化部(14)による加湿量を算出してもよい。
【0115】
制御部(42)は、温度と、湿度と、加湿浄化部(14)に供給される風量とに基づいて加湿浄化部(14)による加湿量を算出してもよい。
【0116】
空間浄化装置(10)は、温度を測定する温度センサ(44)と、湿度を測定する湿度センサ(45)と、を備えてもよい。温度センサ(44)と湿度センサ(45)は、加湿浄化部(14)の上流に備えられてもよい。
【0117】
制御部(42)は、水量検知部(17)が検知する混合槽(16)の水量が渇水水量以下であれば、水供給部(32)により混合槽(16)に水を供給してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0118】
本開示に係る空間浄化装置は、次亜塩素酸水を微細化して空気中に放出するものであり、対象空間の空気を除菌または脱臭する装置として有用である。
【符号の説明】
【0119】
1 筐体
2,2a,2b,2c 吸込口
3,3a,3b 吹出口
5a 浄化風路
5b 非浄化風路
6 隔壁
7 ダンパー
7a 第1ダンパー
7b 第2ダンパー
7c 第3ダンパー
7d 第4ダンパー
8a,8b,8c,8d,8e,9a,9b 空気
10 空間浄化装置
11a 第1HEPAフィルタ
11b 第2HEPAフィルタ
12a 浄化搬送ファン
12b 非浄化搬送ファン
14 加湿浄化部
15 遠心破砕ユニット
16 混合槽
17 水量検知部
17a 第1水量センサ
17b 第2水量センサ
19 次亜塩素酸水生成部
20 電解槽
21 電極
22 電磁弁
23 塩水タンク
24 塩水搬送ポンプ
25 逆止弁
28 次亜塩素酸水供給部
29 次亜塩素酸水搬送ポンプ
30 送水管
32 水供給部
33 電磁弁
34 送水管
36 ストレーナ
37 ドレンパン
38 排水ポンプ
39 排水ドレン
40a 第1温湿度センサ
40b 第2温湿度センサ
41 浄化制御部
42 制御部
43 水量算出部
44 温度センサ
45 湿度センサ
46 タイミングテーブル
50 空気調和装置
51 本体部
52 化粧パネル
53 吸込口
54 吹出口
55 吹出口
60 室外機
62 屋内空間
64a,64b,64c ダクト
65a,65c 屋内吸込口
67a 低反応性ダクト
67b 高反応性ダクト
68a,68b 屋内吹出口
70 操作装置
72 第3温湿度センサ
100 空間浄化システム