(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-14
(45)【発行日】2023-12-22
(54)【発明の名称】提示システム、提示方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/06 20120101AFI20231215BHJP
【FI】
G06Q50/06
(21)【出願番号】P 2019068220
(22)【出願日】2019-03-29
【審査請求日】2022-01-17
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002527
【氏名又は名称】弁理士法人北斗特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】山本 悠斗
【審査官】永野 一郎
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2011/086754(WO,A1)
【文献】特開2014-102221(JP,A)
【文献】特開2008-247317(JP,A)
【文献】特開2018-190249(JP,A)
【文献】特開2011-150639(JP,A)
【文献】特開2012-139008(JP,A)
【文献】特開2014-228429(JP,A)
【文献】特開2012-185716(JP,A)
【文献】特開2011-141272(JP,A)
【文献】特開2012-189466(JP,A)
【文献】特開2002-139334(JP,A)
【文献】特開2016-021249(JP,A)
【文献】特開2013-240242(JP,A)
【文献】特開2009-038895(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
動力源が電力である移動体の所定期間における移動距離及び使用電力量に関する情報を取得する取得部と、
前記使用電力量と電気料金単価とから、前記使用電力量に対応する電気料金を算出する第1算出部と、
動力源が燃料である比較移動体の燃料消費率と前記移動距離とから、前記比較移動体が前記移動距離を移動するのにかかる燃料費を算出する第2算出部と、
前記電気料金と、前記燃料費とに関する比較情報を提示する提示部と、
を備え、
前記取得部は、前記所定期間における前記移動体の駆動用の蓄電池の充電電力量に関する情報を前記使用電力量に関する情報として取得するように構成され、
前記充電電力量は、前記蓄電池の充電に使用した電力量である、
提示システム。
【請求項2】
前記取得部は、前記移動体から前記移動距離に関する情報を取得するように構成される、
請求項1の提示システム。
【請求項3】
前記取得部は、前記使用電力量と前記移動体の電力量消費率とから前記移動距離に関する情報を取得するように構成される、
請求項1又は2の提示システム。
【請求項4】
前記第2算出部は、前記移動体のボディタイプ、前記移動体のサイズと、前記比較移動体の燃料種別の少なくとも一つを利用して前記比較移動体の燃料消費率を決定するように構成される、
請求項1~3のいずれか一つの提示システム。
【請求項5】
前記比較情報は、前記電気料金と前記燃料費との関係を示すグラフである、
請求項1~4のいずれか一つの提示システム。
【請求項6】
コンピュータシステムにより実行される提示方法であって、
動力源が電力である移動体の所定期間における移動距離及び使用電力量に関する情報を取得する取得ステップと、
前記使用電力量と電気料金単価とから、前記使用電力量に対応する電気料金を算出する第1算出ステップと、
動力源が燃料である比較移動体の燃料消費率と前記移動距離とから、前記比較移動体が前記移動距離を移動するのにかかる燃料費を算出する第2算出ステップと、
前記電気料金と、前記燃料費とに関する比較情報を提示する提示ステップと、
を含み、
前記取得ステップでは、前記所定期間における前記移動体の駆動用の蓄電池の充電電力量に関する情報を前記使用電力量に関する情報として取得し、
前記充電電力量は、前記蓄電池の充電に使用した電力量である、
提示方法。
【請求項7】
1以上のプロセッサに、請求項6の提示方法を実行させるための、
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に提示システム、提示方法、及びプログラムに関し、より詳細には、動力源が電力である移動体に関する情報の提示を行う提示システム(情報提示システム)、提示方法(情報提示方法)、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、充電システムを開示する。特許文献1の充電システムは、共通の電力源(商用電源)から複数台の電気自動車やプラグインハイブリッド自動車等の電動車両に充電することが可能な充電ステーションにおいて、充電スケジュールを設定して複数台の電動車両に充電するシステムである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の充電システムでは、電動車両の充電は可能であるが、電動車両の充電にかかった費用(電気料金)を把握することはできない。
【0005】
課題は、動力源が電力である移動体の費用対効果の評価を可能にする、提示システム、提示方法、及びプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様に係る提示システムは、取得部と、第1算出部と、第2算出部と、提示部とを備える。前記取得部は、動力源が電力である移動体の所定期間における移動距離及び使用電力量に関する情報を取得するように構成される。前記第1算出部は、前記使用電力量と電気料金単価とから、前記使用電力量に対応する電気料金を算出する。前記第2算出部は、動力源が燃料である比較移動体の燃料消費率と前記移動距離とから、前記比較移動体が前記移動距離を移動するのにかかる燃料費を算出する。前記提示部は、前記電気料金と、前記燃料費とに関する比較情報を提示するように構成される。前記取得部は、前記所定期間における前記移動体の駆動用の蓄電池の充電電力量に関する情報を前記使用電力量に関する情報として取得するように構成される。前記充電電力量は、前記蓄電池の充電に使用した電力量である。
【0007】
本開示の一態様に係る提示方法は、コンピュータシステムにより実行される提示方法である。前記提示方法は、取得ステップと、第1算出ステップと、第2算出ステップと、提示ステップとを含む。前記取得ステップは、動力源が電力である移動体の所定期間における移動距離及び使用電力量に関する情報を取得するステップである。前記第1算出ステップは、前記使用電力量と電気料金単価とから、前記使用電力量に対応する電気料金を算出するステップである。前記第2算出ステップは、動力源が燃料である比較移動体の燃料消費率と前記移動距離とから、前記比較移動体が前記移動距離を移動するのにかかる燃料費を算出するステップである。前記提示ステップは、前記電気料金と、前記燃料費とに関する比較情報を提示するステップである。前記取得ステップでは、前記所定期間における前記移動体の駆動用の蓄電池の充電電力量に関する情報を前記使用電力量に関する情報として取得する。前記充電電力量は、前記蓄電池の充電に使用した電力量である。
【0008】
本開示の一態様に係るプログラムは、1以上のプロセッサに、前記提示方法を実行させるための、プログラムである。
【発明の効果】
【0009】
本開示の態様によれば、動力源が電力である移動体の費用対効果の評価が可能になる、という利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1は、一実施形態の提示システムを含む充電制御システムのブロック図である。
【
図2】
図2は、上記充電制御システムを含む全体システムのブロック図である。
【
図3】
図3は、上記提示システムで提示される比較情報の一例のグラフである。
【
図4】
図4は、上記提示システムの動作のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
1.実施形態
1.1 概要
図1は、充電制御システム10を示す。充電制御システム10は、例えば、戸建住宅若しくは集合住宅等の住宅の施設、又は、事務所、店舗若しくは介護施設等の非住宅の施設に導入され、これらの施設における、車両3の駆動用の蓄電池31の充電を制御する。
【0012】
充電制御システム10は、蓄電池31の充電を制御するシステムである。充電制御システム10は、
図1に示すように、充電システム2と、提示システム18とを含む。
【0013】
提示システム18は、取得部181と、提示部182とを備える。取得部181は、動力源が電力である移動体である車両3の所定期間における移動距離及び使用電力量に関する情報を取得するように構成される。提示部182は、前記使用電力量に対応する電気料金と、動力源が燃料である比較移動体が前記移動距離を移動するのにかかる燃料費とに関する比較情報(
図3参照)を提示するように構成される。
【0014】
以上述べた提示システム18は、動力源が電力である移動体(車両3)での移動にかかる料金(電気料金)を、移動体(車両3)の代わりに動力源が燃料である比較移動体を利用した場合にかかる料金(燃料費)と比較して提示する。つまり、動力源が異なる移動体で同じ距離を移動するために必要な費用(電気料金及び燃料費)の比較が可能である。そのため、提示システム18によれば、動力源が電力である移動体(車両3)の費用対効果の評価が可能になる。
【0015】
1.2 詳細
1.2.1 充電制御システム
充電制御システム10は、
図2に示すように、戸建住宅である住宅H1に導入されている。充電制御システム10は、住宅H1に付設されているガレージに駐車されている車両3の蓄電池31の充電に用いられる。蓄電池31は、車両3の動力源として用いられる電力を蓄えるために用いられる。
【0016】
車両3は、動力源が電力である移動体である。車両3は、蓄電池31から出力される電力(電気エネルギ)を、電動機等で機械エネルギ(駆動力)に変換し、この機械エネルギを利用して移動する。この種の移動体においては、蓄電池31に蓄積されている電気エネルギは、移動体の移動に伴って消費するため、移動体を継続的に使用するためには、随時、蓄電池31の充電が必要となる。車両3は、少なくとも蓄電池31を有し、蓄電池31に蓄積された電気エネルギを用いて走行する電動車両である。本開示でいう「電動車両」は、原動機として少なくとも電動機を含む車両を意味する。つまり、「電動車両」は、原動機として内燃機関も含み得る。電動車両の例としては、電動機の出力によって走行する電気自動車、又はエンジン(内燃機関)の出力と電動機の出力とを組み合わせて走行するプラグインハイブリッド車等がある。また、電動車両は、シニアカー、二輪車(電動バイク)、三輪車又は電動自転車等であってもよい。車両3は、蓄電池31に加えて、充電回路32を更に有している。充電回路32は、充電設備2から電力の供給を受けて、蓄電池31の充電を実行する回路である。
【0017】
充電制御システム10は、
図1及び
図2に示すように、機器制御装置1と、充電システム2と、を備えている。言い換えれば、機器制御装置1は、充電システム2と共に充電制御システム10を構成している。本実施形態では、機器制御装置1と充電システム2とが互いに連携して、充電制御システム10としての機能を実現する。
【0018】
そのため、機器制御装置1と充電システム2とは互いに通信可能に構成されている。本開示において「通信可能」とは、有線通信又は無線通信の適宜の通信方式により、直接的、又はネットワーク若しくは中継器等を介して間接的に、情報を授受できることを意味する。すなわち、機器制御装置1と充電システム2とは、互いに情報を授受することができる。本実施形態では、機器制御装置1と充電システム2とは、互いに双方向に通信可能であって、機器制御装置1から充電システム2への情報の送信、及び充電システム2から機器制御装置1への情報の送信の両方が可能である。
【0019】
機器制御装置1は、住宅H1の内部に設置されている。機器制御装置1は、少なくとも充電システム2を含む、種々の制御対象となる機器(設備を含む)を制御する装置である。機器制御装置1は、少なくとも充電システム2に対しては、充電の開始を指示するための「充電指令」、及び充電の停止を指示するための「停止指令」を出力することで、充電システム2を制御し、充電システム2による蓄電池31の充電を制御する。
【0020】
充電システム2は、住宅H1の外壁又は支柱等に取り付けられることにより、住宅H1の外部(屋外)に設置されている。充電システム2は、蓄電池31に接続可能な接続部26を有しており、接続部26には充電ケーブル8が電気的に接続されている。充電ケーブル8は、その先端部にプラグ81を有している。プラグ81は、車両3に対して取外し可能に接続される。充電システム2は、プラグ81が車両3に接続されている状態で、充電ケーブル8を介して車両3と電気的に接続されるので、充電ケーブル8を介して車両3に電力を供給可能になり、蓄電池31の充電が可能になる。
【0021】
充電制御システム10では、機器制御装置1は、充電設備2以外の種々の機器(設備を含む)を制御可能である。具体的には、機器制御装置1は、
図2に示すように、住宅H1に設置されている分電盤61、照明器具及び空調機器等の電気機器からなる負荷62、及び太陽光発電設備7と通信可能に構成されている。ここでは、機器制御装置1は、ルータ64に接続されており、分電盤61及び負荷62等と、直接的に又はルータ64を介して間接的に通信する。これにより、機器制御装置1は、負荷62の状態(例えば、照明器具であれば点灯/消灯等)に関する情報を負荷62から取得したり、負荷62を制御するための情報を負荷62に送信したりすることが可能である。
【0022】
分電盤61には、充電システム2が電気的に接続されており、負荷62が更に電気的に接続されている。また、分電盤61には、商用電源等の電力系統63、及び太陽光発電設備7が更に電気的に接続されている。これにより、分電盤61は、電力系統63又は太陽光発電設備7から供給される電力を、充電システム2、及びその他の負荷62に供給することが可能である。
【0023】
太陽光発電設備7は、太陽電池71に加えて、蓄電装置72及びパワーコンディショナ73を有している。太陽電池71は、太陽電池71に対する日射量に応じた電力を、発電電力として出力する。蓄電装置72は、太陽電池71の発電電力、及び電力系統63からの供給される電力を蓄積可能に構成されている。蓄電装置72は、蓄電装置72に蓄積された電力(電気エネルギ)を放電電力として出力する。パワーコンディショナ73は、太陽電池71の発電電力、又は蓄電装置72の放電電力を、交流電力に変換して分電盤61に出力する。これにより、太陽光発電設備7から出力される電力は、分電盤61を介して、充電システム2、及びその他の負荷62に供給可能となる。
【0024】
分電盤61は、電力系統63からの供給電力、太陽光発電設備7からの供給電力、及び負荷62等(充電設備2及び太陽光発電設備7を含む)での消費電力等を、電流センサ等により計測する機能を有している。そのため、機器制御装置1は、分電盤61との通信により、電力系統63からの供給電力、太陽光発電設備7からの供給電力、及び負荷62等での消費電力等に関する情報を、分電盤61から適宜取得可能である。
【0025】
また、機器制御装置1は、ルータ64を介して、インターネット等のネットワーク65に接続されている。これにより、機器制御装置1は、ルータ64を介して情報端末41と通信可能であり、ルータ64及びネットワーク65を介して情報端末42と通信可能になる。情報端末41は住宅H1内にあるスマートフォン又はタブレット端末等の端末であって、情報端末42は住宅H1外にあるスマートフォン又はタブレット端末等の端末である。以下、情報端末41,42を特に区別しない場合には、これら情報端末41,42をまとめて単に「情報端末4」という。ネットワーク65には、サーバ5が更に接続されている。これにより、機器制御装置1は、情報端末4及びサーバ5と通信可能になる。
【0026】
1.2.2 機器制御装置
機器制御装置1は、充電システム2と共に充電制御システム10を構成しているのであって、充電制御システム10の一部である。機器制御装置1は、
図1に示すように、通信部(第1通信部)11、設定部12、制御部13、表示制御部14、入力インタフェース15、表示部16、外部通信部17、及び提示システム18を有している。
【0027】
機器制御装置1は、1以上のメモリ及び1以上のプロセッサを含むコンピュータシステムにより実現され得る。すなわち、コンピュータシステムの1以上のメモリに記録されたプログラムを、1以上のプロセッサが実行することにより、機器制御装置1の各部(設定部12、制御部13、表示制御部14、及び提示システム18)の機能が実現される。プログラムはメモリに予め記録されていてもよいし、インターネット等の電気通信回線を通して提供されてもよく、メモリカード等の非一時的記録媒体に記録されて提供されてもよい。
【0028】
第1通信部11は、直接的、又はネットワーク若しくは中継器等を介して間接的に、充電システム2と通信する。第1通信部11と充電システム2との間の通信方式としては、無線通信又は有線通信の適宜の通信方式が採用される。本実施形態では一例として、第1通信部11と充電システム2との間の通信方式は、有線LAN(Local Area Network)等の通信規格に準拠した有線通信である。第1通信部11と充電システム2との間の通信における通信プロトコルは、例えば、Ethernet(登録商標)、又はECHONET Lite(登録商標)等である。
【0029】
設定部12は、充電スケジュールを設定する機能を有している。充電スケジュールは、時間帯ごとの動作状態を規定するスケジュールである。設定部12にて設定された充電スケジュールは、機器制御装置1のメモリ、又はサーバ5等に記憶される。設定部12は、充電スケジュールの少なくとも一部の時間帯における動作状態を、複数の状態の中から選択可能である。ここでいう複数の状態は、充電状態と、停止状態と、を含んでいる。充電状態は、蓄電池31を充電する状態である。停止状態は、蓄電池31を充電しない状態である。
【0030】
また、設定部12は、ユーザの操作を受け付ける入力インタフェース15からの操作信号に基づいて、充電スケジュールを設定する。すなわち、設定部12は、入力インタフェース15から出力される操作信号に基づいて充電スケジュールを設定することにより、ユーザにおいては充電スケジュールを手動で設定可能となる。本開示でいう「ユーザ」は、充電制御システム10を使用する人であって、一例として、住宅H1の住人であって、かつ車両3の使用者である。ここで、ユーザは1人に限らず、複数人であってもよい。例えば、住宅H1の住人が複数人であって、車両3の使用者が1人である場合に、住宅H1の複数人の住人のうち、車両3の使用者以外の住人も、ユーザとなり得る。なお、設定部12は、例えば、電気料金プラン、ユーザの行動パターン(生活パターンを含む)及び車両3の使用計画等の情報に従って、自動的に充電スケジュールを設定してもよい。
【0031】
制御部13は、蓄電池31の充電を制御する機能を有している。制御部13は、設定部12にて設定された充電スケジュールに従って、蓄電池31の充電を制御する。つまり、制御部13は、充電スケジュールで規定されている時間帯ごとに、充電状態と停止状態とを含む複数の状態のうちのいずれかの動作状態で動作し、蓄電池31の充電を制御する。言い換えれば、充電スケジュールにより、いずれかの動作状態が時間帯ごとに割り当てられているため、各時間帯に割り当てられた動作状態に従って、制御部13が蓄電池31の充電を制御することになる。本実施形態では、実際に蓄電池31の充電を制御するのは、充電システム2であるので、制御部13は、充電システム2を制御することにより、間接的に蓄電池31の充電を制御する。
【0032】
具体的には、制御部13は、少なくとも充電設備2に対して、充電の開始を指示するための「充電指令」、及び充電の停止を指示するための「停止指令」を出力することで、充電システム2を制御し、充電システム2による蓄電池31の充電を制御する。例えば、制御部13は、充電状態の時間帯には、充電指令を出力して蓄電池31を充電し、停止状態の時間帯には、停止指令を出力して蓄電池31の充電を停止する。
【0033】
制御部13は、充電状態においては、蓄電池31を充電する。すなわち、充電スケジュールで充電状態が指定(選択)されている時間帯については、制御部13は、蓄電池31の充電を行う。また、制御部13は、停止状態においては、蓄電池31を充電しない。すなわち、充電スケジュールで停止状態が指定(選択)されている時間帯については、制御部13は、蓄電池31の充電を行わない。
【0034】
表示制御部14は、種々の画面を表示部16に表示するための制御を行う。つまり、表示制御部14は、表示部16に表示させる画面を生成し、表示部16を制御することで種々の画面を表示部16に表示する。本開示でいう「画面」は、表示部16に映し出される画像(種々のオブジェクト及び文字等を含む)を意味する。表示制御部14は、表示部16に代えて又は表示部16と共に、情報端末4等の外部機器の表示部にこれらの画面を表示させてもよい。
【0035】
入力インタフェース15は、ユーザの操作を受け付けて、ユーザの操作に応じた操作信号を出力する。本開示でいうユーザの「操作」は、タッチパネル若しくはメカニカルスイッチ等に対する操作、音声入力又はジェスチャ等による操作を含む。そのため、入力インタフェース15は、例えば、タッチパネルディスプレイ、メカニカルスイッチ、音声入力部又はカメラ等で実現される。または、入力インタフェース15は、情報端末4等の外部機器に対するユーザの操作を、外部機器との通信により間接的に受け付けてもよい。あるいは、入力インタフェース15は情報端末4等の外部機器に設けられていてもよい。
【0036】
表示部16は、表示制御部14にて生成される画面を表示する。表示部16は、例えば、液晶ディスプレイ又は有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイ等のディスプレイで実現される。表示部16は、表示制御部14から出力される映像信号に従って画面を表示する。
【0037】
本実施形態では、機器制御装置1はタッチパネルディスプレイを搭載しており、タッチパネルディスプレイが入力インタフェース15及び表示部16として機能する。ただし、入力インタフェース15は、タッチパネルディスプレイに限らず、例えば、キーボードやポインティングデバイス、メカニカルスイッチ等であってもよい。
【0038】
外部通信部17は、直接的、又はネットワーク若しくは中継器等を介して間接的に、情報端末4及びサーバ5等の外部機器と通信する。本開示でいう「外部機器」は、充電制御システム10の構成要素に含まれない機器であって、一例として、情報端末4及びサーバ5以外に、分電盤61、負荷62及び太陽光発電設備7を含む。外部通信部17と外部機器との間の通信方式としては、無線通信又は有線通信の適宜の通信方式が採用される。本実施形態では一例として、外部通信部17は、Wi-Fi(登録商標)、Bluetooth(登録商標)、ZigBee(登録商標)又は免許を必要としない小電力無線(特定小電力無線)等の規格に準拠した、電波を通信媒体として用いる無線通信を採用する。
【0039】
なお、充電制御システム10は、あくまで蓄電池31の充電を制御するだけであるので、動作状態の通りに、蓄電池31が充電されることは必須でない。例えば、充電状態の時間帯においては、充電制御システム10は、蓄電池31を充電するような制御を行うものの、例えば、蓄電池31が満充電である等、そもそも蓄電池31が充電できない状況にあるような場合には、当然ながら蓄電池31は充電されない。
【0040】
1.2.3 充電システム
充電システム2は、充電設備であって、車両3(電動車両)の蓄電池31の充電に用いられる。充電設備には、大別して、普通充電と急速充電との2種類の設備がある。本実施形態では、充電システム2は、200V(又は100V)の単相交流の供給を受けて、蓄電池31の充電を行う普通充電用の充電設備である。また、普通充電のモードは、充電制御方式によって、「Mode1」、「Mode2」及び「Mode3」に分類される(IEC61851-1)。「Mode1」は、制御回路を持たない充電設備から車両に電力供給を行う方式である。「Mode2」は、充電ケーブルに制御回路を内蔵している方式である。「Mode3」は、充電設備に制御回路を内蔵している方式である。充電システム2は、「Mode3」の方式を採用していることとする。
【0041】
充電システム2は、機器制御装置1と共に充電制御システム10を構成しているのであって、充電制御システム10の一部である。充電システム2は、
図1に示すように、通信部(第2通信部)21、制御部(通電制御部)22、リレー23、保護回路24、車両通信部25、及び接続部26を有している。
【0042】
接続部26は、プラグ81を有する充電ケーブル8が電気的に接続される接続端子を含む。接続部26は、充電ケーブル8のプラグ81を車両3に電気的に接続することで、蓄電池31に電気的に接続される。このように、充電システム2は、プラグ81が車両3に接続されている状態で、充電ケーブル8を介して車両3と電気的に接続される。これにより、充電システム2は、充電ケーブル8を介して、車両3(蓄電池31)に電力を供給可能になり、かつ車両3と通信可能になる。
【0043】
リレー23は、蓄電池31に接続される接続部26への電力の供給路に挿入されている。具体的には、充電システム2のうち、分電盤61との接続端子(電源に接続される電源接続部)と、充電ケーブル8との接続端子(蓄電池31に接続される接続部26)と、の間にリレー23が挿入されている。これにより、リレー23がオン(導通状態)であれば、分電盤61と車両3との間が電気的に接続され、電力供給源(電力系統63又は太陽光発電設備7)から車両3(蓄電池31)への電力の供給が可能になる。一方、リレー23がオフ(遮断状態)であれば、分電盤61と車両3との間が電気的に切り離され、電力供給源(電力系統63又は太陽光発電設備7)から車両3(蓄電池31)への電力が供給されなくなる。リレー23は、通電制御部22によって制御可能であればよく、機械接点を有するメカニカルリレー、及び機械接点を有しない半導体リレーのいずれであってもよい。本実施形態では一例として、リレー23はメカニカルリレーにて実現されている。
【0044】
保護回路24は、例えば、漏電又は過電流等の異常の検出時に、リレー23をオフすることにより、車両3及び充電制御システム10を保護する回路である。保護回路24は、リレー23とは別に、車両3への電力の供給を遮断する素子を有していてもよい。
【0045】
車両通信部25は、直接的、又はネットワーク若しくは中継器等を介して間接的に、車両3と通信する。車両通信部25と車両3との間の通信方式としては、無線通信又は有線通信の適宜の通信方式が採用される。本実施形態では一例として、車両通信部25は、充電ケーブル8を通じて、少なくともCPLT(Control Pilot)信号により、充電設備2と車両3との接続確認、及び車両3の状態確認等ための通信を行う。
【0046】
第2通信部21は、直接的、又はネットワーク若しくは中継器等を介して間接的に、機器制御装置1(第1通信部11)と通信する。第2通信部21と機器制御装置1(第1通信部11)との間の通信方式としては、無線通信又は有線通信の適宜の通信方式が採用される。本実施形態では一例として、第2通信部21と機器制御装置1との間の通信方式は、有線LAN(Local Area Network)等の通信規格に準拠した有線通信である。第2通信部21と機器制御装置1との間の通信における通信プロトコルは、例えば、Ethernet(登録商標)、又はECHONET Lite(登録商標)等である。
【0047】
通電制御部22は、充電システム2から車両3への通電を制御する。通電制御部22は、第1モードと、第2モードとを有する。第1モードは、接続部26に接続された蓄電池31の充電を許可するモード(許可モード)である。第1モードでは、通電制御部22は、リレー23をオン(導通状態)にして、充電設備2から車両3への通電を行うことで、蓄電池31の充電を許可する。第2モードは、接続部26に接続された蓄電池31の充電を許可しないモード(不許可モード)である。第2モードでは、通電制御部22は、リレー23をオフ(遮断状態)にして、充電システム2から車両3への通電を停止することで、蓄電池31の充電を許可しない。
【0048】
通電制御部22は、1以上のメモリ及び1以上のプロセッサを含むコンピュータシステムにより実現され得る。すなわち、コンピュータシステムの1以上のメモリに記録されたプログラムを、1以上のプロセッサが実行することにより、通電制御部22の機能が実現される。プログラムはメモリに予め記録されていてもよいし、インターネット等の電気通信回線を通して提供されてもよく、メモリカード等の非一時的記録媒体に記録されて提供されてもよい。
【0049】
1.2.4 提示システム
提示システム18は、機器制御装置1に設けられている。つまり、機器制御装置1が提示システム18として機能している。提示システム18は、取得部181と、提示部182と、第1算出部183と、第2算出部184とを備える。
【0050】
取得部181は、動力源が電力である移動体(車両3)の所定期間における移動距離及び使用電力量に関する情報を取得するように構成される。つまり、取得部181は、動力源が電力である移動体(車両3)の所定期間における移動距離及び使用電力量に関する情報を取得する取得ステップを実行する。ここで、移動距離(移動体の所定期間における移動距離)は、移動体が所定期間において移動した距離(総距離)を意味する。使用電力量(移動体の所定期間における使用電力量)は、移動体が所定期間において使用した電力量を意味する。したがって、使用電力量は、移動体が移動距離だけ移動する際に消費された電力量であるといえる。所定期間は、特に限定されないが、一例としては、1か月に相当する期間であり得る。もちろん、所定期間は、一日、一週間、一年等の期間であってもよく、適宜変更され得る。
【0051】
ここで、取得部181は、種々の方式により、移動距離及び使用電力量を取得することができる。例えば、取得部181は、移動距離と使用電力量との両方を外部装置から取得してよい。あるいは、取得部181は、移動距離と使用電力量との一方を外部装置から取得し、他方を前記一方から算出してよい。
【0052】
より詳細には、取得部181は、移動体(車両3)から移動距離に関する情報を取得してよい。一例として、取得部181は、充電システム2又はサーバ5を通じて、車両3から移動距離に関する情報を取得することができる。また、取得部181は、所定期間における移動体(車両3)の消費電力量に関する情報を使用電力量に関する情報として取得してよい。つまり、移動体の消費電力量を、使用電力量として採用してよい。一例として、取得部181は、充電システム2又はサーバ5を通じて、車両3から消費電力量に関する情報を取得することができる。あるいは、取得部181は、所定期間における充電電力量に関する情報を使用電力量に関する情報として取得してよい。つまり、移動体の充電電力量を、使用電力量として採用してよい。充電電力量は、充電システム2が車両3の充電に使用した電力量であってよい。これは、車両3が消費した電力量だけ、充電システム2が車両3を充電したという仮定に基づいている。一例として、取得部181は、充電システム2又は分電盤61から、充電電力量に関する情報を取得することができる。
【0053】
また、取得部181は、移動距離と使用電力量との一方から、他方を算出してもよい。例えば、取得部181は、使用電力量を外部装置(充電システム2又は分電盤61)から取得した場合には、使用電力量と移動体(車両3)の電力量消費率とから移動距離に関する情報を取得してよい。移動距離をD、使用電力量Ue、電力量消費率をCeとすれば、Dは、Ce×Ueで与えられる。逆に、取得部181は、移動距離を車両3から取得した場合には、移動距離と移動体(車両3)の電力量消費率とから使用電力量に関する情報を取得してよい。移動距離をD、使用電力量Ue、電力量消費率をCeとすれば、Ueは、D/Ceで与えられる。なお、電力量消費率は、移動体に関して予め定められた値(例えば、車両3のメーカが公表している値)であってもよいし、実測値(所定期間における電力量消費率の平均値)であってもよい。
【0054】
提示部182は、電気料金と燃料費とに関する比較情報を提示するように構成される。ここで、電気料金は、使用電力量(取得部181で取得された使用電力量)に対応する電気料金を意味する。燃料費は、動力源が燃料である比較移動体が移動距離(取得部181で取得された移動距離)を移動するのにかかる燃料費を意味する。本実施形態では、電気料金は、第1算出部183により算出される。また、燃料費は、第2算出部184により算出される。
【0055】
第1算出部183は、使用電力量と電気料金単価とから電気料金を算出するように構成される。一例として、使用電力量をUe、電気料金単価をRe、電気料金をPeとすれば、Peは、Ue×Reで与えられる。電気料金単価Reは、提示システム18の製造時に予め入力されていてもよいし、ユーザにより入力インタフェース15や情報端末4を用いて入力されてよいし、第1算出部183が電気料金の算出時にサーバ5から取得してもよい。
【0056】
第2算出部184は、比較移動体の燃料消費率と移動距離とから燃料費を算出するように構成される。一例として、燃料消費率をCf、移動距離をD、燃料単価Rf、燃料費をPfとすれば、Pfは、Rf×D/Cfで与えられる。なお、燃料単価Rfは、提示システム18の製造時に予め入力されていてもよいし、ユーザにより入力インタフェース15や情報端末4を用いて入力されてよいし、第2算出部184が燃料費Pfの算出時にサーバ5から取得してもよい。
【0057】
比較移動体は、移動体との比較のための仮想的な移動体である。比較移動体は、動力源が電力である移動体とは異なり、動力源が燃料である移動体を想定している。比較移動体の例としては、内燃機関を備える移動体(ガソリン車、ディーゼル車、LPGガス車等)、及び、燃料電池車が挙げられる。
【0058】
第2算出部184は、移動体のボディタイプ、移動体のサイズと、比較移動体の燃料種別の少なくとも一つを利用して比較移動体の燃料消費率Cfを決定する。ボディタイプの例としては、セダン、クーペ、SUV、バン(ワゴン)等が挙げられる。サイズの例としては、軽、コンパクト、普通(小)、普通(中)、普通(大)が挙げられる。燃料種別の例としては、ガソリン、軽油が挙げられる。なお、ガソリンは、オクタン価に関する基準に基づいて複数種類に分類され得る。日本工業規格(JIS)では、ガソリンは、レギュラーガソリンとハイオクガソリンとに分類され得る。本実施形態では、第2算出部184は、移動体の情報(主要諸元等)から、移動体のボディタイプ、移動体のサイズと、比較移動体の燃料種別とを決定する。第2算出部184は、比較移動体のボディタイプを移動体のボディタイプと同じとし、比較移動体のサイズを移動体のサイズと同じとする。そして、第2算出部184は、比較移動体のボディタイプ、サイズ、及び燃料種別の組み合わせから、燃料消費率Cfを決定する。一例として、第2算出部184は、比較移動体のボディタイプ、サイズ、及び燃料種別の組み合わせと燃料消費率Cfとの対応関係を有し、この対応関係から燃料消費率Cfを決定する。
【0059】
提示部182は、第1算出部183で算出された電気料金、及び、第2算出部184で算出された燃料費に基づいて、比較情報を生成する。
図3は、比較情報の一例である、電気料金と燃料費との関係を示すグラフ(棒グラフ)である。
図3では、G10は電気料金を示し、G11は燃料費を示している。また、
図3の棒グラフは、矢印A10を含む。矢印A10は、その長さにより電気料金と燃料費との差を表し、その向きにより電気料金が燃料費よりも安いことを表している。提示部182は、比較情報を、表示部16に表示することでユーザに提示してもよいし、外部通信部17を通じて情報端末4又はサーバ5に送信することでユーザに提示してもよい。
【0060】
1.3 動作
次に、提示システム18の動作の一例について、
図4のフローチャートを参照して説明する。
【0061】
まず、提示システム18は、車両3の所定期間における移動距離D及び使用電力量Ueを取得する(S11)。次に、提示システム18は、使用電力量Ueに基づき、電気料金Peを算出する(S12)。また、提示システム18は、車両3に相当する比較移動体の燃料消費率Cfを決定し、移動距離D及び燃料消費率Cfとから、燃料費Pfを算出する(S13)。そして、提示システム18は、電気料金Peと燃料費Pfとから、比較情報を生成し、提示する(S14)。
【0062】
なお、
図4のフローチャートはあくまでも、提示システム18の動作の一例である。例えば、ステップS12とステップS13との順番は逆でもよいし、ステップS12とステップ13とは並列的に実行されてもよい。
【0063】
1.4 まとめ
以上述べたように、提示システム18は、取得部181と、提示部182とを備える。取得部181は、動力源で電力である移動体3の所定期間における移動距離及び使用電力量に関する情報を取得するように構成される。提示部182は、前記使用電力量に対応する電気料金と、動力源が燃料である比較移動体が前記移動距離を移動するのにかかる燃料費とに関する比較情報を提示するように構成される。この提示システム18によれば、動力源が電力である移動体(車両3)の費用対効果の評価が可能になる。
【0064】
換言すれば、提示システム18は、下記の方法(提示方法)を実行しているといえる。提示方法は、取得ステップと、提示ステップとを含む。取得ステップは、動力源で電力である移動体3の所定期間における移動距離及び使用電力量に関する情報を取得するステップである。提示ステップは、前記使用電力量に対応する電気料金と、動力源が燃料である比較移動体が前記移動距離を移動するのにかかる燃料費とに関する比較情報を提示するステップである。このような提示方法によれば、提示システム18と同様に、動力源が電力である移動体(車両3)の費用対効果の評価が可能になる。
【0065】
提示システム18は、コンピュータシステムを利用して実現されている。つまり、提示システム18が実行する方法(提示方法)は、コンピュータシステムがプログラムを実行することにより実現され得る。このプログラムは、1以上のプロセッサに、提示方法を実行させるためのコンピュータプログラムである。このようなプログラムによれば、提示システム18と同様に、動力源が電力である移動体(車両3)の費用対効果の評価が可能になる。
【0066】
2.変形例
本開示の実施形態は、上記実施形態に限定されない。上記実施形態は、本開示の目的を達成できれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。以下に、上記実施形態の変形例を列挙する。
【0067】
一変形例では、取得部181は、移動体3から取得した移動距離に基づいて使用電力量を算出し、更に、充電システム2及び/又は分電盤61から使用電力量を取得してよい。取得部181は、これら使用電力量の代表値(平均値)を用いてよい。また、取得部181は、充電システム2及び/又は分電盤61から取得した使用電力量に基づいて移動距離を算出し、更に、移動体3から移動距離を取得してよい。取得部181は、これら移動距離の代表値(平均値等)を用いてよい。
【0068】
一変形例では、提示部182は、最新の比較情報に加えて、過去の比較情報の提示を行ってもよい。つまり、提示部182は、比較情報の履歴(電気料金と燃料費との履歴)を提示してもよい。
【0069】
上記実施形態では、比較情報は、一つの比較移動体の燃費を示しているが、もちろん、複数の比較移動体の燃料費を示していてもよい。この場合、複数の比較移動体は、一例として、ボディタイプ、サイズ、及び燃料種別の少なくとも一つが異なるように決定される。
【0070】
上記実施形態では、比較情報は、棒グラフにより電気料金と燃料費との関係を表しているが、これに限定されない。比較情報は、棒グラフ以外のグラフ(折れ線グラフ、円グラフ、面グラフ等)であってもよい。また、比較情報は、グラフではなく、単なる表であってもよい。
【0071】
一変形例では、第1算出部183は、電気料金を、住宅H1についての電気料金プランに基づいて決定してよい。これは、実際には、電気料金の算出は、電力会社との契約内容によって決まるためである。第1算出部183は、電気料金プランについての情報を取得し、電気料金プランに従って電気料金単価を決定し、この電気料金単価と使用電力量とから電気料金を算出してよい。電気料金プランは、ユーザにより入力インタフェース15や情報端末4を用いて入力されてよいし、第1算出部183がサーバ5から取得してもよい。
【0072】
一変形例では、第2算出部184は、比較移動体のボディタイプ、サイズ、及び燃料種別の候補を提示して、ユーザに選択させてよい。この場合、第2算出部184は、ユーザにより選択されたボディタイプ、サイズ、及び燃料種別の組み合わせに対応する燃料消費率を利用して、燃料費を算出する。また、第2算出部184は、必ずしも燃料消費率Cfの算出を実行する必要はない。一例として、第2算出部184は、燃料消費率Cfの候補を提示してユーザに選択させてもよいし、燃料消費率Cfをユーザに入力させてもよい。
【0073】
一変形例では、充電システム2は、複数の接続部26を有していてよく、これによって、複数の蓄電池31の充電を制御可能であってよい。
【0074】
上記実施形態では、充電システム2は、普通充電用の充電設備であるが、この例に限らず、充電システム2は、普通充電に比べて短時間で充電を行うことができる急速充電用の充電設備であってもよい。この場合、充電システム2への電力供給は、例えば、200Vの三相交流により行われる。
【0075】
上記実施形態では、充電システム2に充電ケーブル8が接続されており、充電ケーブル8を介して充電システム2が車両3に接続される。しかしながら、この例に限らず、例えば、充電システム2はコンセント型であってもよい。この場合、車両3側の車載ケーブルを使用して、車載ケーブルのプラグを充電システム2のコンセント(Outlet)に接続することで、充電システム2が車両3に接続される。つまり、充電システム2は、必ずしも、充電ケーブル8及びプラグ81を備えていなくてもよい。
【0076】
上記実施形態では、充電システム2は、「Mode3」の方式を採用しているが、この例に限らず、例えば、「Mode2」等の「Mode3」以外の方式を採用してもよい。
【0077】
提示システム18は、必ずしも機器制御装置1に設けられている必要はなく、例えば、情報端末4、サーバ5、又は、その他の装置に設けられていてもよい。
【0078】
移動体は、車両3に限らず、例えば、ドローン、航空機又は船舶等であってもよい。さらに、上記実施形態では、蓄電池31は、移動体(車両3)に搭載された状態で充電される場合について説明したが、この構成に限らず、蓄電池31は移動体(車両3)から取り外し可能であってもよい。この場合、充電制御システム10は、取り外された状態の蓄電池31の充電の制御に用いられる。
【0079】
充電制御システム10は、蓄電池31の放電を制御する機能を有していてもよい。この場合、車両3の蓄電池31の放電電力を、住宅H1の分電盤61に出力することで、V2H(Vehicle To Home)のシステムを構築可能である。
【0080】
本開示における提示システム18は、例えば、コンピュータシステムを含んでいる。コンピュータシステムは、ハードウェアとしてのプロセッサ及びメモリを主構成とする。コンピュータシステムのメモリに記録されたプログラムをプロセッサが実行することによって、本開示における提示システム18としての機能が実現される。プログラムは、コンピュータシステムのメモリに予め記録されてもよく、電気通信回線を通じて提供されてもよく、コンピュータシステムで読み取り可能なメモリカード、光学ディスク、ハードディスクドライブ等の非一時的記録媒体に記録されて提供されてもよい。コンピュータシステムのプロセッサは、半導体集積回路(IC)又は大規模集積回路(LSI)を含む1ないし複数の電子回路で構成される。ここでいうIC又はLSI等の集積回路は、集積の度合いによって呼び方が異なっており、システムLSI、VLSI(Very Large Scale Integration)、又はULSI(UltraLarge Scale Integration)と呼ばれる集積回路を含む。さらに、LSIの製造後にプログラムされる、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、又はLSI内部の接合関係の再構成若しくはLSI内部の回路区画の再構成が可能な論理デバイスについても、プロセッサとして採用することができる。複数の電子回路は、1つのチップに集約されていてもよいし、複数のチップに分散して設けられていてもよい。複数のチップは、1つの装置に集約されていてもよいし、複数の装置に分散して設けられていてもよい。ここでいうコンピュータシステムは、1以上のプロセッサ及び1以上のメモリを有するマイクロコントローラを含む。したがって、マイクロコントローラについても、半導体集積回路又は大規模集積回路を含む1ないし複数の電子回路で構成される。
【0081】
また、提示システム18における複数の機能が、1つの筐体内に集約されていることは提示システム18に必須の構成ではなく、提示システム18の構成要素は、複数の筐体に分散して設けられていてもよい。さらに、提示システム18の少なくとも一部の機能、例えば、提示部182の一部の機能がクラウド(クラウドコンピューティング)等によって実現されてもよい。
【0082】
3.態様
上記実施形態及び変形例から明らかなように、本開示は、下記の態様を含む。以下では、実施形態との対応関係を明示するためだけに、符号を括弧付きで付している。
【0083】
第1の態様は、提示システム(18)であって、取得部(181)と、提示部(182)とを備える。前記取得部(181)は、動力源が電力である移動体(3)の所定期間における移動距離(D)及び使用電力量(Ue)に関する情報を取得するように構成される。前記提示部(182)は、前記使用電力量(Ue)に対応する電気料金(Pe)と、動力源が燃料である比較移動体が前記移動距離(D)を移動するのにかかる燃料費(Pf)とに関する比較情報を提示するように構成される。この態様によれば、動力源が電力である移動体(車両3)の費用対効果の評価が可能になる。
【0084】
第2の態様は、第1の態様の提示システム(18)に基づく。第2の態様では、前記取得部(181)は、前記移動体(3)から前記移動距離(D)に関する情報を取得するように構成される。この態様によれば、移動距離(D)に関する情報の取得が容易になる。
【0085】
第3の態様は、第2の態様の提示システム(18)に基づく。第3の態様では、前記取得部(181)は、前記移動距離(D)と前記移動体(3)の電力量消費率(Ce)とから前記使用電力量(Ue)に関する情報を取得するように構成される。この態様によれば、移動距離(D)に関する情報を取得できれば、使用電力量(Ue)に関する情報を取得できる。
【0086】
第4の態様は、第1の態様の提示システム(18)に基づく。第4の態様では、前記取得部(181)は、前記所定期間における前記移動体(3)の消費電力量に関する情報、又は、前記所定期間における前記移動体(3)の駆動用の蓄電池(31)の充電電力量に関する情報を、前記使用電力量(Ue)に関する情報として取得するように構成される。この態様によれば、使用電力量(Ue)に関する情報の取得が容易になる。
【0087】
第5の態様は、第4の態様の提示システム(18)に基づく。第5の態様では、前記取得部(181)は、前記使用電力量(Ue)と前記移動体(3)の電力量消費率(Ce)とから前記移動距離(D)に関する情報を取得するように構成される。この態様によれば、使用電力量(Ue)に関する情報を取得できれば、移動距離(D)に関する情報を取得できる。
【0088】
第6の態様は、第1~第5の態様のいずれか一つの提示システム(18)に基づく。第6の態様では、前記提示システム(18)は、前記使用電力量(Ue)と電気料金単価(Re)とから前記電気料金(Pe)を算出する第1算出部(183)を更に備える。この態様によれば、電気料金(Pe)に関する情報を容易に取得できる。
【0089】
第7の態様は、第1~第6の態様のいずれか一つの提示システム(18)に基づく。第7の態様では、前記提示システム(18)は、前記比較移動体の燃料消費率(Cf)と前記移動距離(D)とから前記燃料費(Pf)を算出する第2算出部(184)を更に備える。この態様によれば、燃料費(Pf)に関する情報の取得が容易になる。
【0090】
第8の態様は、第7の態様の提示システム(18)に基づく。第8の態様では、前記第2算出部(184)は、前記移動体(3)のボディタイプ、前記移動体(3)のサイズと、前記比較移動体の燃料種別の少なくとも一つを利用して前記比較移動体の燃料消費率(Cf)を決定するように構成される。この態様によれば、移動体(3)の電気料金(Pe)と比較により適した燃料費(Pf)の算出が可能となる。
【0091】
第9の態様は、第1~第8の態様のいずれか一つの提示システム(18)に基づく。第9の態様では、前記比較情報は、前記電気料金(Pe)と前記燃料費(Pf)との関係を示すグラフである。この態様によれば、動力源が電力である移動体(車両3)の費用対効果の評価がより容易に行える。
【0092】
第10の態様は、提示方法であって、取得ステップと、提示知ステップとを含む。前記取得ステップは、動力源が電力である移動体(3)の所定期間における移動距離(D)及び使用電力量(Ue)に関する情報を取得するステップである。前記提示ステップは、前記使用電力量(Ue)に対応する電気料金と、動力源が燃料である比較移動体が前記移動距離(D)を移動するのにかかる燃料費とに関する比較情報を提示するステップである。この態様によれば、動力源が電力である移動体(車両3)の費用対効果の評価が可能になる。
【0093】
第11の態様は、1以上のプロセッサに、第10の態様の提示方法を実行させるための、プログラムである。この態様によれば、動力源が電力である移動体(車両3)の費用対効果の評価が可能になる。
【符号の説明】
【0094】
18 提示システム
181 取得部
182 提示部
183 第1算出部
184 第2算出部
3 車両(移動体)
31 蓄電池
D 移動距離
Ue 使用電力量
Ce 電力量消費率
Cf 燃料消費率
Pe 電気料金
Pf 燃料費