(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-14
(45)【発行日】2023-12-22
(54)【発明の名称】情報表示方法、プログラム、及び移動体
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/10 20120101AFI20231215BHJP
【FI】
G06Q50/10
(21)【出願番号】P 2019152368
(22)【出願日】2019-08-22
【審査請求日】2022-07-19
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002527
【氏名又は名称】弁理士法人北斗特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】栗原 博志
(72)【発明者】
【氏名】加茂 広之
(72)【発明者】
【氏名】米田 優也
【審査官】星野 裕
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-162163(JP,A)
【文献】特開2009-015703(JP,A)
【文献】国際公開第2018/079156(WO,A1)
【文献】特開2018-148317(JP,A)
【文献】特開2003-288664(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの移動体から、
前記移動体に関する情報である移動体情報を取得する取得ステップと、
前記取得ステップにて取得した前記移動体情報を含む画面を、端末装置に表示させる表示ステップと、を有
し、
前記移動体情報は、前記移動体の走行距離に関する情報を含み、
前記移動体の走行距離に関する情報は、前記移動体の使用を開始してから現在までの前記移動体の積算走行距離である、
情報表示方法。
【請求項2】
少なくとも1つの移動体から、前記移動体に関する情報である移動体情報を取得する取得ステップと、
前記取得ステップにて取得した前記移動体情報を含む画面を、端末装置に表示させる表示ステップと、を有し、
前記表示ステップでは、前記移動体の位置に関する情報である位置情報を含む画面を前記端末装置に表示させ、
前記位置情報は、前記移動体を表すアイコンを含み、
前記移動体の利用状態に応じて前記アイコンの形状を異ならせることで、前記位置情報の表示態様が異なる、
情報表示方法。
【請求項3】
少なくとも1つの移動体から、前記移動体に関する情報である移動体情報を取得する取得ステップと、
前記取得ステップにて取得した前記移動体情報を含む画面を、端末装置に表示させる表示ステップと、を有し、
前記移動体は、前記移動体を制御する制御システムとの間で通信を行う通信装置を有しており、
前記移動体情報は、前記通信装置の通信状態に関する情報である状態情報を含み、
前記表示ステップでは、前記通信装置の通信状態に応じて前記状態情報を表す文字の太さを異ならせることで、前記状態情報の表示態様を異ならせる、
情報表示方法。
【請求項4】
少なくとも1つの移動体から、前記移動体に関する情報である移動体情報を取得する取得ステップと、
前記取得ステップにて取得した前記移動体情報を含む画面を、端末装置に表示させる表示ステップと、を有し、
前記移動体は複数であり、
前記端末装置は、前記複数の移動体を管理するために用いられ、
前記表示ステップでは、前記複数の移動体とそれぞれ対応する複数の前記移動体情報を含む画面を前記端末装置に表示させ、
前記複数の移動体の各々は、前記複数の移動体のうち対応する移動体に対して施錠を行う錠装置を有しており、
前記複数の移動体情報の各々は、前記複数の錠装置のうち対応する錠装置が施錠状態か開錠状態かを示す情報を含む、
情報表示方法。
【請求項5】
前記表示ステップでは、前記移動体情報を含む画面である第1画面とは異なる第2画面として、前記位置情報に基づく前記移動体の位置を地図上に示している画面を前記端末装置に表示させる、
請求項2に記載の情報表示方法。
【請求項6】
前記表示ステップでは、前記端末装置の使用者が特定操作を行うことにより、前記第1画面から前記第2画面に切り替えられる、
請求項5に記載の情報表示方法。
【請求項7】
前記端末装置の使用者の認証に用いられる認証情報の入力を促す画面を、前記端末装置に表示させる認証画面表示ステップを更に有し、
前記認証画面表示ステップを経て前記使用者の認証に成功した場合に、前記表示ステップを実行する、
請求項1~6のいずれか1項に記載の情報表示方法。
【請求項8】
前記表示ステップでは、前記移動体に対して個別に割り当てられている識別情報と前記移動体情報とを対応付けて前記端末装置に表示させる、
請求項1~7のいずれか1項に記載の情報表示方法。
【請求項9】
前記移動体情報は、前記移動体が利用されているか否かを示す情報を含む、
請求項1~8のいずれか1項に記載の情報表示方法。
【請求項10】
前記移動体は、前記移動体の制御用電源として用いられるバッテリを有しており、
前記移動体情報は、前記バッテリの残量に関する情報を含む、
請求項1~9のいずれか1項に記載の情報表示方法。
【請求項11】
前記移動体は、自転車である、
請求項1~10のいずれか1項に記載の情報表示方法。
【請求項12】
請求項1~11のいずれか1項に記載の情報表示方法を1以上のプロセッサに実行させるためのプログラム。
【請求項13】
請求項1~11のいずれか1項に記載の情報表示方法における前記取得ステップにて取得される前記移動体情報を出力する、
移動体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に情報表示方法、プログラム、及び移動体に関する。より詳細には、本開示は、端末装置に情報を表示させるための情報表示方法、プログラム、及び移動体に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、自転車レンタルシステムが記載されている。特許文献1に記載の自動車レンタルシステムでは、ユーザは、携帯電話のGPS(Global Positioning System)機能等を用いて現在位置を把握した後に、携帯電話の基地局等を経由してレンタルホストへアクセスする。レンタルホストからは、ユーザの位置情報に応じた駐輪場マップが送付される。これにより、自転車の予約、返却場所の予約が行える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示の目的は、移動体の状態を容易に確認することができる情報表示方法、プログラム、及び移動体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の一態様に係る情報表示方法は、取得ステップと、表示ステップと、を有する。前記取得ステップは、少なくとも1つの移動体から、前記移動体に関する情報である移動体情報を取得するステップである。前記表示ステップは、前記取得ステップにて取得した前記移動体情報を含む画面を、端末装置に表示させるステップである。前記移動体情報は、前記移動体の走行距離に関する情報を含む。前記移動体の走行距離に関する情報は、前記移動体の使用を開始してから現在までの前記移動体の積算走行距離である。
本開示の別の一態様に係る情報表示方法は、取得ステップと、表示ステップと、を有する。前記取得ステップは、少なくとも1つの移動体から、前記移動体に関する情報である移動体情報を取得するステップである。前記表示ステップは、前記取得ステップにて取得した前記移動体情報を含む画面を、端末装置に表示させるステップである。前記表示ステップでは、前記移動体の位置に関する情報である位置情報を含む画面を前記端末装置に表示させる。前記位置情報は、前記移動体を表すアイコンを含む。前記移動体の利用状態に応じて前記アイコンの形状を異ならせることで、前記位置情報の表示態様が異なる。
本開示の別の一態様に係る情報表示方法は、取得ステップと、表示ステップと、を有する。前記取得ステップは、少なくとも1つの移動体から、前記移動体に関する情報である移動体情報を取得するステップである。前記表示ステップは、前記取得ステップにて取得した前記移動体情報を含む画面を、端末装置に表示させるステップである。前記移動体は、前記移動体を制御する制御システムとの間で通信を行う通信装置を有している。前記移動体情報は、前記通信装置の通信状態に関する情報である状態情報を含む。前記表示ステップでは、前記通信装置の通信状態に応じて前記状態情報を表す文字の太さを異ならせることで、前記状態情報の表示態様を異ならせる。
本開示の別の一態様に係る情報表示方法は、取得ステップと、表示ステップと、を有する。前記取得ステップは、少なくとも1つの移動体から、前記移動体に関する情報である移動体情報を取得するステップである。前記表示ステップは、前記取得ステップにて取得した前記移動体情報を含む画面を、端末装置に表示させるステップである。前記移動体は複数である。前記端末装置は、前記複数の移動体を管理するために用いられる。前記表示ステップでは、前記複数の移動体とそれぞれ対応する複数の前記移動体情報を含む画面を前記端末装置に表示させる。前記複数の移動体の各々は、前記複数の移動体のうち対応する移動体に対して施錠を行う錠装置を有している。前記複数の移動体情報の各々は、前記複数の錠装置のうち対応する錠装置が施錠状態か開錠状態かを示す情報を含む。
【0006】
本開示の一態様に係るプログラムは、前記情報表示方法を、1以上のプロセッサに実行させるためのプログラムである。
【0007】
本開示の一態様に係る移動体は、前記情報表示方法における前記取得ステップにて取得される前記移動体情報を出力する。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、移動体の状態を容易に確認することができる、という効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、一実施形態に係る情報表示方法が用いられる端末装置、制御システム、及び電動自転車の概要を示すブロック図である。
【
図3】
図3は、同上の情報表示方法を示すフローチャートである。
【
図4】
図4は、同上の情報表示方法が用いられる端末装置、制御システム、及び電動自転車の動作を示すシーケンス図である。
【
図5】
図5は、同上の端末装置に表示される認証画面の説明図である。
【
図6】
図6は、同上の端末装置に表示される第1画面の説明図である。
【
図7】
図7は、同上の端末装置に表示される第2画面の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、実施形態に係る情報表示方法、プログラム、及び移動体について、図面を参照して説明する。
【0011】
(実施形態)
(1)概要
まず、本実施形態に係る情報表示方法、プログラム、及び移動体2の概要について、図面を参照して説明する。本実施形態では、移動体2は、自転車である。具体的には、本実施形態では、移動体2は、電動自転車である。したがって、以下では、特に断りのない限り、「移動体2」を「電動自転車2」として説明する。
【0012】
本実施形態に係る情報表示方法は、例えば、複数の電動自転車2(
図1及び
図2参照)を管理する際に用いられる。本実施形態では、電動自転車2は、レンタルサービス事業者により管理されており、レンタルサービス事業者との間で契約を結んだ、電動自転車2の利用者に対して一時的に貸し出される。電動自転車2は、未使用状態においては、原則としてレンタルサービス事業者が用意した駐輪場に駐輪されている。
【0013】
情報表示方法は、例えば、レンタルサービス事業者の従業員である管理者が、駐輪場の管理室等に設けられた端末装置1(
図1参照)にインストールされているブラウザを起動させ、かつ、専用のウェブサイトにアクセスすることにより実行される。本実施形態では、上述の管理者が端末装置1の使用者である。なお、情報表示方法は、例えば、管理者が端末装置1にインストールされている専用のアプリケーションを起動させることにより実行されてもよい。
【0014】
情報表示方法は、
図3に示すように、少なくとも取得ステップS3と、表示ステップS4と、を有する。
【0015】
取得ステップS3は、少なくとも1つの電動自転車(移動体)2から、移動体情報I1(
図6参照)を取得するステップである。本実施形態では、取得ステップS3において、複数の電動自転車2から移動体情報I1を取得する。移動体情報I1は、電動自転車(移動体)2に関する情報である。
【0016】
表示ステップS4は、取得ステップS3にて取得した移動体情報I1を含む画面(第1画面P2(
図6参照))を端末装置1に表示させるステップである。端末装置1は、例えば、複数の電動自転車(移動体)2を管理するために用いられる機器である。端末装置1は、例えば、駐輪場の管理室等に設けられたパーソナルコンピュータである。
【0017】
本実施形態に係る情報表示方法では、取得ステップS3にて取得した移動体情報I1を含む第1画面P2を、表示ステップS4にて端末装置1に表示させている。そのため、管理者は、端末装置1に表示させた移動体情報I1により電動自転車(移動体)2の状態を容易に確認することができる。
【0018】
(2)構成
次に、本実施形態に係る情報表示方法が用いられる端末装置1、電動自転車2、及び制御システム3の各々の構成について、
図1を参照して説明する。
【0019】
(2.1)端末装置
端末装置1は、例えば、複数の電動自転車2のレンタルサービスを行うレンタルサービス事業者の従業員である管理者(使用者)が使用する機器である。端末装置1は、例えば、パーソナルコンピュータである。端末装置1は、
図1に示すように、処理部11と、通信部12と、表示部13と、操作部14と、を備える。
【0020】
(2.1.1)処理部
処理部11は、例えば、コンピュータシステムを含んでいる。コンピュータシステムは、ハードウェアとしてのプロセッサ及びメモリを主構成とする。コンピュータシステムのメモリに記録されたプログラムをプロセッサが実行することによって、処理部11としての機能が実現される。プログラムは、コンピュータシステムのメモリに予め記録されてもよく、電気通信回線を通じて提供されてもよく、コンピュータシステムで読み取り可能なメモリカード、光学ディスク、ハードディスクドライブ等の非一時的記録媒体に記録されて提供されてもよい。
【0021】
処理部11は、通信部12、表示部13、及び操作部14を制御することにより、情報表示方法を実行する。本実施形態では、処理部11は、上述の取得ステップS3及び表示ステップS4の他、認証画面表示ステップS1(
図3参照)を実行する。なお、各ステップについては、後述の「(4)動作」にて詳細に説明する。
【0022】
(2.1.2)通信部
通信部12は、制御システム3との通信を行うための通信インタフェースであって、無線通信モジュールを有する。通信部12は、無線通信モジュールにより、例えば、赤外線若しくは可視光等の光を媒体とする光無線通信、又は電波を媒体とする無線通信にて、インターネット等のネットワークN1を介して制御システム3の通信部32(後述する)と通信する。通信部12は、例えば、ルータ等の通信機器を介してネットワークN1に接続されてもよい。
【0023】
(2.1.3)表示部
表示部13は、例えば、液晶ディスプレイ又は有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイである。本実施形態では、表示部13には、ネットワークN1を介して取得した上述の専用のウェブサイトのコンテンツが表示される。なお、情報表示方法が専用のアプリケーションにより実行される場合、表示部13には、このアプリケーションにより端末装置1のメモリから読み出されるコンテンツが表示される。
【0024】
(2.1.4)操作部
操作部14は、例えば、端末装置1に接続されるキーボード及びマウスを含む。したがって、管理者(使用者)は、キーボード及びマウスを用いて特定操作を含む種々の操作を行うことができる。本実施形態では、特定操作は、後述の第1画面P2(
図6参照)から第2画面P3(
図7参照)に切り替えるための操作であり、例えば、電動自転車2の識別情報(自転車ID(Identification))I2(
図6参照)をマウスにて選択する操作である。
【0025】
(2.2)電動自転車
電動自転車2は、
図1に示すように、制御部21と、通信部22と、操作装置23と、バッテリユニット4と、モータ51と、サークル錠(錠装置)6と、を備える。つまり、複数の電動自転車(移動体)2の各々は、電動自転車2を制御する制御システム3との間で通信を行う通信部(通信装置)22を有する。また、複数の電動自転車2の各々は、電動自転車2に対して施錠を行うサークル錠(錠装置)6を有する。なお、モータ51及びサークル錠6については、後述の「(3)電動自転車の構造」にて詳細に説明する。
【0026】
(2.2.1)制御部
制御部21は、例えば、コンピュータシステムを含んでいる。コンピュータシステムは、ハードウェアとしてのプロセッサ及びメモリを主構成とする。コンピュータシステムのメモリに記録されたプログラムをプロセッサが実行することによって、制御部21としての機能が実現される。プログラムは、コンピュータシステムのメモリに予め記録されてもよく、電気通信回線を通じて提供されてもよく、コンピュータシステムで読み取り可能なメモリカード、光学ディスク、ハードディスクドライブ等の非一時的記録媒体に記録されて提供されてもよい。
【0027】
制御部21は、駆動処理と、送信処理と、錠制御処理と、を実行する機能を有する。
【0028】
駆動処理は、モータ51を制御(駆動)する処理である。具体的には、制御部21は、駆動処理において、所定の回転速度でモータ51が回転するように、モータ51に駆動制御信号を出力して、モータ51を制御する。例えば、制御部21は、所定の速度で電動自転車2の利用者の踏力を補助するように、モータ51を制御する。
【0029】
送信処理は、制御システム3から送信される要求情報(後述する)を通信部22が受信した場合に、移動体情報I1(
図6参照)を制御システム3へ送信する処理である。つまり、電動自転車(移動体)2は、上述の情報表示方法における取得ステップS3にて取得される移動体情報I1を出力する。移動体情報I1は、電動自転車(移動体)2に関する情報である。移動体情報I1は、例えば、通信部22の通信状態に関する情報である状態情報I11を含む。また、移動体情報I1は、例えば、サークル錠(錠装置)6が施錠状態か開錠状態かを示す施錠情報I12を含む。また、移動体情報I1は、例えば、電動自転車(移動体)2が利用されているか否かを示す利用情報I13を含む。また、移動体情報I1は、例えば、後述のバッテリ41の残量に関する情報である残量情報I14を含む。また、移動体情報I1は、例えば、電動自転車(移動体)2の走行距離に関する情報である距離情報I15を含む。本実施形態では、距離情報I15は、例えば、電動自転車2の使用を開始してから現在までの積算走行距離である。
【0030】
状態情報I11の場合、制御部21は、例えば、一定時間(例えば45分)前までに通信部22が制御システム3の通信部32と通信できていれば、通信部22の通信状態がよいと判断する。また、制御部21は、例えば、一定期間(例えば1日)が経過しても通信部22が制御システム3の通信部32と通信できなければ、通信部22の通信状態が悪いと判断する。そして、制御部21は、送信処理において、状態情報I11として、上記判断結果を制御システム3へ送信する。
【0031】
施錠情報I12の場合、制御部21は、例えば、操作装置23からの起動信号(後述する)又は停止信号(後述する)によって、サークル錠6が施錠状態か開錠状態かを判断する。具体的には、制御部21は、操作装置23からの起動信号を受け付けるとサークル錠6が開錠状態であると判断し、操作装置23からの停止信号を受け付けるとサークル錠6が施錠状態であると判断する。そして、制御部21は、送信処理において、施錠情報I12として、上記判断結果を制御システム3へ送信する。
【0032】
利用情報I13の場合、制御部21は、例えば、サークル錠6が施錠状態か否かによって、電動自転車(移動体)2が利用されているか否かを判断する。具体的には、制御部21は、サークル錠6が施錠状態にあれば電動自転車2が利用されていないと判断し、サークル錠6が開錠状態にあり、かつモータ51が回転していれば電動自転車2が利用されていると判断する。そして、制御部21は、送信処理において、利用情報I13として、上記判断結果を制御システム3へ送信する。なお、制御部21は、サークル錠6が開錠状態にあることをもって電動自転車2が利用されていると判断してもよい。
【0033】
残量情報I14の場合、制御部21は、送信処理において、バッテリユニット4のバッテリ制御部42から残量情報を取得し、取得した残量情報を制御システム3へ送信する。なお、制御部21がバッテリ制御部42から定期的に残量情報を取得してメモリに記憶する場合、制御部21は、メモリに記憶している最新の残量情報を制御システム3へ送信してもよい。
【0034】
距離情報I15の場合、制御部21は、例えば、電動自転車2の前輪88(後述する)の周長及び回転数に基づいて走行距離を算出する。そして、制御部21は、送信処理において、距離情報I15として、上記走行距離の積算値を制御システム3へ送信する。本開示でいう「回転数」とは、走行距離を算出する処理を開始してから現在までに前輪88が回転した回数をいう。
【0035】
錠制御処理は、制御システム3との間で通信することにより、サークル錠6を制御してサークル錠6を施錠状態から開錠可能状態へ、又は開錠可能状態から施錠状態へ移行させる処理を含む。また、錠制御処理は、サークル錠6が開錠可能状態にある場合に操作装置23からの起動信号(後述する)を受け付けると、サークル錠6を開錠可能状態から開錠状態へ移行させる処理を含む。つまり、本実施形態では、制御部21は、サークル錠6が施錠状態にある場合に操作装置23からの起動信号を受け付けても、サークル錠6を開錠状態へと移行させず、サークル錠6を施錠状態に維持させる。本開示でいう「施錠状態」とは、サークル錠6が施錠されている状態をいう。また、本開示でいう「開錠可能状態」とは、サークル錠6は施錠されているが、電動自転車2の利用者の操作により開錠することが可能な状態をいう。また、本開示でいう「開錠状態」とは、サークル錠6が開錠されている状態をいう。
【0036】
(2.2.2)通信部
通信部22は、制御システム3との通信を行うための通信インタフェースであって、無線通信モジュールを有する。通信部22は、無線通信モジュールにより、例えば、赤外線若しくは可視光等の光を媒体とする光無線通信、又は電波を媒体とする無線通信にて、インターネット等のネットワークN1を介して制御システム3の通信部32(後述する)と通信する。通信部22は、例えば、ルータ等の通信機器を介してネットワークN1に接続されてもよい。
【0037】
(2.2.3)操作装置
操作装置23は、電動自転車2のハンドル83(後述する)に取り付けられている。操作装置23は、電動自転車2の利用者により押操作される電源スイッチを有する。操作装置23は、電動自転車2が停止している(起動していない)状態で電源スイッチが押操作されると、起動信号を制御部21へ送信する。また、操作装置23は、電動自転車2が起動している状態で電源スイッチが押操作されると、停止信号を制御部21へ送信する。さらに、操作装置23は、モータ51による、電動自転車2の利用者の踏む力(踏力)を補助する度合いを変更するための入力を受け付けるスイッチ、及びバッテリ41の残量等のパラメータを表示するディスプレイを更に有する。
【0038】
(2.2.4)バッテリユニット
バッテリユニット4は、バッテリ41と、バッテリ制御部42と、を備える。
【0039】
バッテリ41は、モータユニット5(
図2参照)のモータ51に電力を供給する。また、バッテリ41は、モータ51に加えて、例えば、ヘッドライト及び操作装置23に電力を供給する。バッテリ41は、シートチューブ73(後述する)に対して取外し可能に取り付けられている。つまり、複数の電動自転車(移動体)2の各々は、電動自転車2の制御用電源として用いられるバッテリ41を有する。
【0040】
バッテリ制御部42は、電動自転車2が使用されるごとに、電動自転車2の走行時(使用時)にバッテリ41で消費された電力量(バッテリ消費電力量)を求める。バッテリ消費電力量を表す消費電力量情報は、バッテリ制御部42から制御部21に出力される。また、バッテリ制御部42は、バッテリ41の残量を管理する。具体的には、バッテリ制御部42は、使用前のバッテリ41の残量とバッテリ消費電力量との差分を新たなバッテリ41の残量として求める。バッテリ41の残量を表す残量情報I14は、バッテリ制御部42から制御部21に出力される。
【0041】
なお、バッテリ41の残量は、バッテリ41の劣化を考慮して補正される。バッテリ41の劣化は、バッテリ41の充放電を表す充放電履歴により、求めることができる。充放電履歴は、バッテリ41のID(Identification)と共に保存される。充放電履歴は、通信機能を有する場合は、サーバ等の外部装置に保存されてもよい。
【0042】
(2.3)制御システム
制御システム3は、例えば、電動自転車2から離れた遠隔地にあるサーバ等である。制御システム3は、
図1に示すように、制御部31と、通信部32と、記憶部33と、を備える。
【0043】
(2.3.1)制御部
制御部31は、例えば、コンピュータシステムを含んでいる。コンピュータシステムは、ハードウェアとしてのプロセッサ及びメモリを主構成とする。コンピュータシステムのメモリに記録されたプログラムをプロセッサが実行することによって、制御部31としての機能が実現される。プログラムは、コンピュータシステムのメモリに予め記録されてもよく、電気通信回線を通じて提供されてもよく、コンピュータシステムで読み取り可能なメモリカード、光学ディスク、ハードディスクドライブ等の非一時的記録媒体に記録されて提供されてもよい。
【0044】
制御部31は、認証処理と、取得処理と、開錠処理と、を実行する機能を有する。
【0045】
認証処理は、端末装置1から送信される認証情報を通信部32が取得した場合に、記憶部33に記憶されているデータベースに認証情報が含まれているか否か、つまり、認証情報に基づく管理者が登録されているか否かを判定する処理である。認証処理に成功した場合、つまり管理者が登録されている場合、制御部31は、認証処理に成功したことを表す応答情報を端末装置1へ送信する。一方、認証処理に失敗した場合、つまり管理者が登録されていない、又は管理者が入力した認証情報が間違っている場合、制御部31は、認証処理に失敗したことを表す応答情報を端末装置1へ送信する。
【0046】
取得処理は、制御システム3が複数の電動自転車2の各々との間で通信することにより、各電動自転車2から移動体情報I1を取得する処理である。制御部31は、端末装置1にて管理される複数の電動自転車2に対して、移動体情報I1を要求する要求情報を送信する。
【0047】
開錠処理は、複数の電動自転車2のうち、電動自転車2の利用者によって選択された電動自転車2との間で通信することにより、この電動自転車2のサークル錠6を遠隔制御することで、電動自転車2を施錠状態から開錠可能状態へと移行させる処理である。ここで、開錠処理は、あくまで電動自転車2を施錠状態から開錠可能状態へ移行させる処理であって、電動自転車2を施錠状態から開錠状態へ移行させる処理ではない。したがって、制御システム3の制御部21にて開錠処理が行われた後、電動自転車2の利用者が操作装置23の電源スイッチを押操作することによって、サークル錠6が開錠状態になる。
【0048】
(2.3.2)通信部
通信部32は、端末装置1又は電動自転車2との通信を行うための通信インタフェースであって、無線通信モジュールを有する。通信部32は、無線通信モジュールにより、例えば、赤外線若しくは可視光等の光を媒体とする光無線通信、又は電波を媒体とする無線通信にて、インターネット等のネットワークN1を介して端末装置1の通信部12又は電動自転車2の通信部22と通信する。通信部32は、例えば、ルータ等の通信機器を介してネットワークN1に接続されてもよい。
【0049】
(2.3.3)記憶部
記憶部33は、例えば、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)等の電気的に書換え可能な不揮発性メモリ、及びRAM(Random Access Memory)等の揮発性メモリ等を備える。記憶部33は、例えば、管理者の認証情報を含むデータベースを記憶する。また、記憶部33は、レンタルサービス事業者により管理されている複数の電動自転車2の識別子を含むデータベースを記憶する。各電動自転車2の識別子は、例えば、各電動自転車2のリアフェンダー93(後述する)に貼付されたシール931(
図2参照)に記されている二次元バーコードである。
【0050】
(3)電動自転車の構造
次に、電動自転車2の構造について、
図2を参照して説明する。下記の実施形態等において参照する
図2は、模式的な図であり、図中の各構成要素の大きさや厚さそれぞれの比が、必ずしも実際の寸法比を反映しているとは限らない。
【0051】
また、以下では、特に断りのない限り、走行面100(
図2参照)は水平面であるとして説明する。ただし、実際は、走行面100は水平面である必要はなく、水平面に対して傾斜していてもよいし、凹凸のある面であってもよい。
【0052】
さらに、以下では、電動自転車2が進む方向を「前方向」とし、前方向と反対の方向を「後方向」とし、前方向及び後方向を併せて「前後方向」として定義する。また、前後方向に直交し、かつ水平面に垂直な互いに反対向きの2方向を「上下方向」として定義する。また、前後方向に直交し、かつ水平面に沿う互いに反対向きの2方向を「左右方向」として定義する。ただし、これらの方向の定義は、電動自転車2の使用態様を限定する趣旨ではない。また、図面中の各方向を示す矢印は、説明のために表記しているにすぎず、実体を伴わない。
【0053】
電動自転車2は、電気的な動力によって、走行面100を走行可能な自転車である。本実施形態では、電動自転車2は、電動自転車2の利用者の踏む力(踏力)をモータ51によって補助する電動アシスト自転車である。
【0054】
電動自転車2は、
図2に示すように、モータユニット5と、フレーム7と、を備える。また、電動自転車2は、複数(
図2では2つ)の車輪81と、フロントフォーク82と、ハンドル83と、サドル84と、一対(
図2では1つ)のクランクアーム85と、一対(
図2では1つ)のペダル86と、動力伝達体87と、バッテリ41と、を備える。さらに、電動自転車2は、サークル錠6と、バスケット91と、フロントフェンダー92と、リアフェンダー93と、を備える。
【0055】
(3.1)車輪
複数の車輪81は、フレーム7を走行面100の上に支える部材である。本実施形態では、電動自転車2は、複数の車輪81として、前輪88と、後輪89と、を備える。前輪88は、中心にハブ881を有し、後輪89は、中心にハブ891を有する。複数の車輪81は、フレーム7に取り付けられており、電動自転車2の利用者の踏力及びモータ51から出力された動力により回転する。
【0056】
前輪88は、前後方向に並ぶ2つの車輪81のうちの前側の車輪である。前輪88は、一対(
図2では1つ)のレッグ821によって、左右方向に沿った軸回りに回転し得るように支持される。本実施形態では、前輪88は、モータユニット5から動力の伝達を受けない車輪である。
【0057】
前輪88の上方には、前輪88の周方向に沿って湾曲したフロントフェンダー92が設けられている。フロントフェンダー92は、電動自転車2の走行中において、前輪88により跳ね上げられた水飛沫又は泥等が、電動自転車2の利用者に向かって飛散するのを防ぐ泥除けとして機能する。
【0058】
後輪89は、前後方向に並ぶ2つの車輪81のうちの後側の車輪である。後輪89は、2つのチェーンステー75によって、左右方向に沿った軸回りに回転可能に支持される。後輪89は、ハブ891と同心状で、かつハブ891に対して一体的に取り付けられたリアスプロケット892を備える。リアスプロケット892は、モータユニット5の駆動スプロケット(後述する)に対し、動力伝達体87を介して連結されている。これにより、モータユニット5から出力された動力は、後輪89に伝達される。
【0059】
後輪89の上方には、後輪89の周方向に沿って湾曲したリアフェンダー93が設けられている。リアフェンダー93は、電動自転車2の走行中において、後輪89により跳ね上げられた水飛沫又は泥等が、電動自転車2の利用者に向かって飛散するのを防ぐ泥除けとして機能する。本実施形態では、リアフェンダー93には、
図2に示すように、識別子としての二次元コードが記されたシール931が貼付されている。
【0060】
また、後輪89には、サークル錠6が取り付けられている。サークル錠6は、施錠状態と、開錠状態と、開錠可能状態とのいずれかの状態をとり得る。施錠状態は、後輪89の回転を規制することにより電動自転車2の走行を禁止する状態である。開錠状態は、後輪89の回転を規制せずに電動自転車2の走行を許容する状態である。開錠可能状態は、後輪89の回転を規制することにより電動自転車2の走行を禁止しているが、操作装置23での操作を受け付けると施錠状態から開錠状態へと切り替えられる状態である。つまり、施錠状態においては、サークル錠6は、電動自転車2の利用者が操作装置23を操作しても開錠状態へと切り替えられないが、開錠可能状態においては、サークル錠6は、電動自転車2の利用者が操作装置23を操作すると開錠状態へと切り替えられる。本実施形態では、電動自転車2の未使用状態においては、サークル錠6は、原則として施錠状態にある。
【0061】
(3.2)フロントフォーク
フロントフォーク82は、前輪88を支える。フロントフォーク82は、一対のレッグ821と、クラウン822と、ステアリングコラム823と、を備える。クラウン822は、一対のレッグ821の上端をつなぐ。ステアリングコラム823は、クラウン822から突出する。一対のレッグ821には、ハブ881に通されたシャフトを介して、前輪88が回転可能に取り付けられている。前輪88の回転軸は、走行面100に対して平行である。ステアリングコラム823の突出方向(長手方向)は、クラウン822から、上方向に行くに従って後方向に行くように延びており、走行面100に対して傾いている。
【0062】
(3.3)ハンドル
ハンドル83は、ステアリングコラム823の上端に取り付けられており、フロントフォーク82に対して固定されている。ステアリングコラム823は、後述のフレーム7のヘッドチューブ71に通されており、フレーム7に回転可能に取り付けられている。ステアリングコラム823の回転軸は、ステアリングコラム823の長手方向に略平行である。したがって、ハンドル83は、ステアリングコラム823の長手方向に沿う軸を回転軸として、前輪88を回転させることができる。
【0063】
ハンドル83とステアリングコラム823との接続部分の上方には、電動自転車2の利用者の所持物等を収容するバスケット91が取り付けられている。また、ハンドル83には、操作装置23が取り付けられている。
【0064】
(3.4)フレーム
フレーム7は、複数の車輪81、フロントフォーク82、ハンドル83、サドル84、バッテリ41及びモータユニット5が取り付けられる骨組みである。フレーム7の材料は、例えば、アルミニウムを主成分とするアルミニウム合金である。ただし、フレーム7の材料は、アルミニウム合金に限らず、例えば、鉄、クロムモリブデン鋼、ハイテンスチール、チタン、又はマグネシウムであってもよい。また、フレーム7の材料は、金属に限らず、例えば、カーボン、木材、竹、又は繊維強化合成樹脂(例えば、CFRP;Carbon Fiber Reinforced Plastics)であってもよい。
【0065】
本実施形態では、フレーム7は、複数のパイプとして、ヘッドチューブ71と、ダウンチューブ72と、シートチューブ73と、一対(
図2では1つ)のシートステー74と、一対(
図2では1つ)のチェーンステー75と、を備える。また、フレーム7は、ブラケット76を備える。本開示でいう「パイプ」とは、細長くて中空な部材を意味する。本開示のパイプの断面形状は、例えば、円形状(正円、長円及び楕円を含む)、長方形状(正方形を含む)、六角形状、又は八角形状であってもよい。フレーム7には、モータ51及びバッテリ41が取り付けられている。
【0066】
(3.4.1)ヘッドチューブ
ヘッドチューブ71は、フロントフォーク82を支えるパイプである。ヘッドチューブ71の中心軸は、上方向に行くに従って後方向に行くように、走行面100に対して傾いている。ヘッドチューブ71には、ヘッドチューブ71の中心軸とステアリングコラム823の中心軸とが沿うように、ステアリングコラム823が通されている。これによって、ヘッドチューブ71は、ステアリングコラム823を回転可能に支える。ステアリングコラム823の回転軸は、本実施形態では、ヘッドチューブ71の中心軸と同じである。
【0067】
(3.4.2)ダウンチューブ
ダウンチューブ72は、ヘッドチューブ71とシートチューブ73とをつなぐパイプである。ダウンチューブ72の長手方向の前端は、ヘッドチューブ71に接続されている。ダウンチューブ72の長手方向の後端は、シートチューブ73に接続されている。本実施形態では、ダウンチューブ72の長手方向は、後方向に行くに従って下方向に行くように、走行面100に対して傾いている。
【0068】
(3.4.3)シートチューブ
シートチューブ73は、サドル84を保持するパイプである。シートチューブ73の長手方向の下端は、ブラケット76に接続されている。シートチューブ73の中心軸は、下端から上方向に行くに従って後方向に行くように、走行面100に対して傾いている。シートチューブ73の下端には、ダウンチューブ72の長手方向の後端が接続されている。本実施形態では、シートチューブ73には、バッテリ41が取外し可能に取り付けられている。
【0069】
(3.4.4)チェーンステー
一対のチェーンステー75は、後輪89のシャフトを支えるパイプである。チェーンステー75の長手方向の前端は、ブラケット76に接続されている。チェーンステー75の長手方向の後端は、シートステー74の後端に接続されている。一対のチェーンステー75は、左右方向に離れており、一対のチェーンステー75の後端部には、ハブ891に通されたシャフトを介して、後輪89が回転可能に取り付けられている。後輪89の回転軸は、走行面100に対して略平行であり、後輪89を支えるシャフトの中心軸と同じである。
【0070】
(3.4.5)シートステー
一対のシートステー74は、チェーンステー75とシートチューブ73とをつなぐパイプである。本実施形態では、シートステー74の長手方向の後端は、チェーンステー75の長手方向の後端に接続されている。シートステー74の長手方向の前端は、シートチューブ73の中間部分に接続されている。ここでいう「シートチューブ73の中間部分」とは、シートチューブ73の長手方向のうちの下端と上端とを除く部分を意味する。
【0071】
(3.4.6)ブラケット
ブラケット76は、モータユニット5が取り付けられている部分である。ブラケット76には、ダウンチューブ72の長手方向の後端、シートチューブ73の長手方向の下端及びチェーンステー75の長手方向の前端が接続されている。これによって、ダウンチューブ72の長手方向の後端、シートチューブ73の長手方向の下端及びチェーンステー75の長手方向の前端は、互いに固定されている。
【0072】
(3.5)サドル
サドル84は、シートピラー841を有する。シートピラー841は、シートチューブ73の中心軸に沿うようにして、シートチューブ73に通されている。シートピラー841は、サドル84においてユーザが座る部分から下側に突出している。本実施形態では、シートピラー841は、下方向に行くに従って前方向に行くように、走行面100に対して傾斜している。シートピラー841は、シートチューブ73に対し、シートチューブ73の中心軸に沿って移動可能に取り付けられている。
【0073】
(3.6)ペダル
ペダル86は、各クランクアーム85の長手方向の端部のうち、クランク軸(後述する)側とは反対側の端部に取り付けられている。ペダル86は、クランクアーム85に対して、回転可能に取り付けられている。ペダル86の回転軸は、クランク軸の回転軸に対して略平行である。
【0074】
(3.7)動力伝達体
動力伝達体87は、モータユニット5から出力された動力を、複数の車輪81のうちの少なくとも1つに伝達する。本実施形態では、動力伝達体87は、モータユニット5の駆動スプロケットと後輪89のリアスプロケット892との間で動力伝達可能に架けられるチェーンである。なお、動力伝達体87は、例えば、ベルト、シャフト、ワイヤ、又はギヤであってもよい。
【0075】
(3.8)モータユニット
モータユニット5は、
図1及び
図2に示すように、制御部21と、通信部22と、モータ51と、クランク軸と、駆動スプロケットと、を備える。クランク軸及び駆動スプロケットについては、図示を省略している。モータユニット5は、駆動補助出力を出力可能な装置である。本実施形態では、モータユニット5は、人力駆動力である踏力に駆動補助出力を加えて、動力伝達体87を介して、後輪89に伝達する。
【0076】
モータユニット5のクランク軸には、
図2に示すように、一対のクランクアーム85が取り付けられている。クランクアーム85の長手方向は、クランク軸の回転軸に対して交差する(ここでは、直交する)。一対のクランクアーム85は、クランク軸の回転軸方向に見て一直線上に並ぶ。
【0077】
駆動スプロケットは、例えば、複数のスプロケットで構成されており、リアスプロケット892と共に変速機を構成する。この変速機の変速位置を変えることにより、電動自転車2の変速が可能となる。
【0078】
モータ51は、電動自転車2の車輪81に回転動力を与えるように構成されている。モータ51は、電動自転車2のクランク軸の近傍に設けられており、バッテリ41からの電力によって駆動し、クランク軸に動力を伝達する。
【0079】
(4)画面
次に、端末装置1の表示部13に表示される認証画面P1、第1画面P2及び第2画面P3について、
図5~
図7を参照して説明する。
【0080】
(4.1)認証画面
認証画面P1には、
図5に示すように、管理者を認証するために必要な認証情報の入力を促す文字列が表示される。また、認証画面P1には、管理者の識別番号を入力するためのテキストボックスP11、管理者の暗証番号を入力するためのテキストボックスP12、入力の完了を受け付けるアイコンP13、及び認証画面P1の表示を終了させるためのアイコンP14が表示される。つまり、本実施形態に係る情報表示方法は、端末装置1の使用者(管理者)の認証に用いられる認証情報の入力を促す画面(認証画面P1)を、端末装置1に表示させる認証画面表示ステップS1(
図3参照)を更に有する。テキストボックスP11,P12にそれぞれ識別番号及び暗証番号が入力された後、アイコンP13が選択されると、第1画面P2が表示部13に表示される(
図6参照)。また、認証画面P1に表示されているアイコンP14が選択されると、表示部13は認証画面P1の表示を終了する。
【0081】
(4.2)第1画面
第1画面P2には、
図6に示すように、複数の電動自転車2の各々について移動体情報I1が表示される。具体的には、第1画面P2には、複数の電動自転車2の各々に対して個別に割り当てられている識別情報I2と移動体情報I1とが対応付けて表示される。言い換えると、表示ステップS4(
図3参照)では、複数の電動自転車(移動体)2の各々に対して個別に割り当てられている識別情報I2と移動体情報I1とを対応付けて端末装置1に表示させる。識別情報I2は、
図6に示すように、例えば、複数の英数字を組み合わせて構成される自転車IDである。なお、自転車IDは、英数字だけでなく、文字列を組み合わせてもよいし、図形を組み合わせてもよい。
【0082】
また、第1画面P2には、第1画面P2に表示されている移動体情報I1を更新する際に選択される更新用のアイコンP21、及び第1画面P2の表示を終了させるアイコンP22が表示される。さらに、第1画面P2には、位置情報I3が表示される。位置情報I3は、電動自転車2の位置に関する情報であって、
図6に示す例では、電動自転車2を使用予定の電動自転車2の利用者から電動自転車2までの直線距離である。言い換えると、表示ステップS4(
図3参照)では、移動体情報I1とは別の情報であって電動自転車(移動体)2の位置に関する情報である位置情報I3を含む画面(第1画面P2)を端末装置1に表示させる。
【0083】
ここで、
図6に示す例では、状態情報I11として、通信部22の通信状態がよい場合に「可」、通信部22の通信状態が悪い場合に「不可」を表示している。また、
図6に示す例では、通信部22の通信状態がよいことを示す「可」を細字、通信部22の通信状態が悪いことを示す「不可」を太字で表示している。つまり、表示ステップS4(
図3参照)では、通信部(通信装置)22の通信状態に応じて状態情報I11の表示態様を異ならせている。また、
図6に示す例では、施錠情報I12として、サークル錠6が施錠状態にある場合に「閉」、サークル錠6が開錠状態にある場合に「開」を表示している。また、
図6に示す例では、利用情報I13として、電動自転車2が利用されていない場合に「停」、電動自転車2が利用されている場合に「動」を表示している。
【0084】
例えば、識別情報(自転車ID)I2が「A1111」の電動自転車2では、
図6に示すように、通信部22の通信状態はよく、サークル錠6は施錠されており、電動自転車2の利用者が利用していない。さらに、この電動自転車2では、バッテリ41の残量が67%で、積算走行距離は44.3kmである。
【0085】
また、識別情報I2が「E1111」の電動自転車2では、
図6に示すように、通信部22の通信状態は悪く、サークル錠6が開錠されており、電動自転車2の利用者が利用中である。さらに、この電動自転車2では、バッテリ41の残量が25%で、積算走行距離が0.0kmである。ここで、積算走行距離は、電動自転車2の利用を終了した時点で算出されるため、
図6に示す例では0.0kmとなっている。
【0086】
また、
図6に示す第1画面P2には、マークM1,M2が更に表示される。マークM1は、識別情報(自転車ID)I2に対応付けられており、管理者がマークM1を選択することにより、識別情報I2によって移動体情報I1及び位置情報I3を整列(sort)させることができる。
図6に示す状態でマークM1が選択されると、例えば、「G1111」が一番上に表示され、「A1111」が一番下に表示されるように、順番が入れ替えられる。また、マークM2は、各移動体情報I1に対応付けられており、管理者がマークM2を選択することにより、マークM2に対応付けられている移動体情報I1の内容によって移動体情報I1及び位置情報I3を整列させることができる。
図6に示す状態で「電池残量」に対応付けられているマークM2が選択されると、例えば、電池残量の少ない順番で上側から表示される。
【0087】
ここで、第1画面P2において、複数の識別情報I2のうちいずれかの識別情報I2が選択されると、この識別情報I2に対応付けられている電動自転車2の位置情報を表示するための第2画面P3が表示部13に表示される。つまり、表示ステップS4(
図3参照)では、端末装置1の使用者である管理者が特定操作を行うことにより、第1画面P2から第2画面P3に切り替えられる。また、第1画面P2においてアイコンP22が選択されると、表示部13は第1画面P2の表示を終了する。
【0088】
(4.3)第2画面
第2画面P3には、
図7に示すように、第1画面P2において選択された識別情報I2に対応付けられている電動自転車2の位置を示すアイコンP30が表示される。具体的には、第2画面P3では、電動自転車2の位置を含むように選択された地図上において、電動自転車2の位置を示すようにアイコンP30が配置される。言い換えると、表示ステップS4(
図3参照)では、移動体情報I1を含む画面である第1画面P2とは異なる第2画面P3として、位置情報に基づく電動自転車2の位置を地図上に示している画面を端末装置1に表示させる。
図7に示す例では、第1画面P2において、複数の識別情報I2のうち「A1111」の識別情報I2が選択されており、この識別情報I2に対応付けられている電動自転車2のアイコンP30が中心となるように、第2画面P3が設定されている。また、
図7に示す例では、第2画面P3には、アイコンP30として、駐輪場に駐輪されている複数台(
図7では3台)の電動自転車2と対応する複数の第1アイコンP301と、利用中の電動自転車2と対応する第2アイコンP302とが表示されている。
【0089】
また、第2画面P3には、第1画面P2に戻るためのアイコンP31、及び第2画面P3の表示を終了するためのアイコンP32が表示される。第2画面P3においてアイコンP31が選択されると、表示部13に表示される画面が第2画面P3から第1画面P2に切り替えられる。また、第2画面P3においてアイコンP32が選択されると、表示部13は第2画面P3の表示を終了する。
【0090】
ここで、本実施形態に係る情報表示方法では、
図7に示すように、第1アイコンP301と第2アイコンP302とで表示態様を異ならせている。つまり、本実施形態に係る情報表示方法では、電動自転車(移動体)2の利用状態に応じて、位置情報(第1アイコンP301、第2アイコンP302)の表示態様を異ならせている。具体的には、第1アイコンP301は、自転車のみのアイコンであり、第2アイコンP302は、人が自転車に乗っているアイコンである。これにより、管理者(使用者)は、第1アイコンP301及び第2アイコンP302から、電動自転車2の位置だけでなく、電動自転車2の利用状態についても知ることができる。
【0091】
(5)動作
次に、端末装置1、電動自転車2、及び制御システム3の動作を交えて、本実施形態に係る情報表示方法について
図3~
図7を参照して説明する。
【0092】
まず、端末装置1の使用者である管理者が端末装置1を用いて専用のウェブサイトにアクセスすると、端末装置1は、
図5に示す認証画面P1を表示部13に表示させる(S1(S101))。
【0093】
認証画面P1を見た管理者は、端末装置1の操作部14を操作してテキストボックスP11,P12にそれぞれ識別番号及び暗証番号を入力した後(つまり、認証情報を入力した後)、アイコンP13を選択する(S102)。これにより、端末装置1は、制御システム3へ認証情報を送信する(S103)。
【0094】
認証情報を受信すると、制御システム3は、受信した認証情報を用いて認証処理を実行する(S104)。認証に成功した場合(S2:Yes)、制御システム3は、認証処理に成功したことを表す応答情報を端末装置1へ送信する(S105)。応答情報を受信した端末装置1は、移動体情報I1を要求する要求情報を制御システム3へ送信する(S106)。端末装置1からの要求情報を受信すると、制御システム3は、取得処理を実行する。具体的には、制御システム3は、移動体情報I1を要求する要求情報を電動自転車2へ送信する(S107)。
【0095】
制御システム3からの要求情報を受信すると、電動自転車2は、送信処理を実行することにより、移動体情報I1を制御システム3へ送信する(S108)。取得処理により移動体情報I1を取得すると、制御システム3は、移動体情報I1を端末装置1へ送信する(S109)。これにより、端末装置1は、電動自転車(移動体)2に関する情報である移動体情報I1を取得する(S3:Yes)。一方、端末装置1は、制御システム3から移動体情報I1を取得するまで待機する(S3:No)。そして、移動体情報I1を取得した端末装置1は、
図6に示す第1画像P2を表示部13に表示させる(S4(S110))。つまり、認証画面表示ステップS1(S101)を経て管理者の認証に成功した場合に、第1画面P2を表示部13に表示させる表示ステップS4(S110)を実行する。
【0096】
一方、認証処理に失敗した場合(S2:No)、制御システム3は、認証処理に失敗したことを表す応答情報を端末装置1へ送信する。この応答情報を受信した端末装置1は、例えば、認証画面P1を表示部13に再度表示させ(S1)、かつ、認証処理に失敗したことを表す文字列を表示部13に表示させる。この場合、管理者は、認証情報を再度入力してもよいし、電動自転車2の使用を断念してもよい。
【0097】
第1画面P2において、管理者が端末装置1の操作部14を操作してアイコンP22を選択すると(S5:Yes)、端末装置1は、表示部13への第1画面P2の表示を終了させる(S9)。一方、第1画面P2において、管理者が操作部14を操作していずれかの識別情報I2を選択すると(S5:No、S6:Yes)、端末装置1は、この識別情報I2に対応付けられた電動自転車2の位置情報を含む第2画面P3を表示部13に表示させる(S7)。ここでいう「位置情報」は、例えば、電動自転車2の位置を示すアイコンP30である。なお、第1画面P2において、管理者がアイコンP22を選択せず、かついずれの識別情報I2も選択しなければ(S5:No、S6:No)、端末装置1は、第1画面P2を表示部13に表示させ続ける(S4)。
【0098】
第2画面P3において、管理者が操作部14を操作してアイコンP32を選択すると(S8:Yes)、端末装置1は、表示部13への第2画面P3の表示を終了させる(S9)。一方、第2画面P3において、管理者がアイコンP32を選択しなければ(S8:No)、端末装置1は、第2画面P3を表示部13に表示させ続ける(S7)。
【0099】
(6)利点
本実施形態に係る情報表示方法では、取得ステップS3において、複数の電動自転車(移動体)2の各々から移動体情報I1を取得している。そして、情報表示方法では、表示ステップS4において、取得ステップS3にて取得した移動体情報I1を含む第1画面P2を端末装置1に表示させている。そのため、管理者(使用者)は、端末装置1に表示させた移動体情報I1により複数の電動自転車(移動体)2を容易に管理することができる。
【0100】
(7)変形例
上述の実施形態は、本開示の様々な実施形態の一つに過ぎない。上述の実施形態は、本開示の目的を達成できれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。また、上述の実施形態に係る情報表示方法と同様の機能は、コンピュータプログラム、又はコンピュータプログラムを記録した非一時的記録媒体等で具現化されてもよい。一態様に係るプログラムは、上述の情報表示方法を、1以上のプロセッサに実行させるためのプログラムである。
【0101】
以下、上述の実施形態の変形例を列挙する。以下に説明する変形例は、適宜組み合わせて適用可能である。
【0102】
本開示における情報表示方法では、端末装置1(又は制御システム3)がコンピュータシステムを含んでいる。コンピュータシステムは、ハードウェアとしてのプロセッサ及びメモリを主構成とする。コンピュータシステムのメモリに記録されたプログラムをプロセッサが実行することによって、本開示における端末装置1(又は制御システム3)としての機能が実現される。プログラムは、コンピュータシステムのメモリに予め記録されてもよく、電気通信回線を通じて提供されてもよく、コンピュータシステムで読み取り可能なメモリカード、光学ディスク、ハードディスクドライブ等の非一時的記録媒体に記録されて提供されてもよい。コンピュータシステムのプロセッサは、半導体集積回路(IC)又は大規模集積回路(LSI)を含む1ないし複数の電子回路で構成される。ここでいうIC又はLSI等の集積回路は、集積の度合いによって呼び方が異なっており、システムLSI、VLSI(Very Large Scale Integration)、又はULSI(Ultra Large Scale Integration)と呼ばれる集積回路を含む。更に、LSIの製造後にプログラムされる、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、又はLSI内部の接合関係の再構成若しくはLSI内部の回路区画の再構成が可能な論理デバイスについても、プロセッサとして採用することができる。複数の電子回路は、1つのチップに集約されていてもよいし、複数のチップに分散して設けられていてもよい。複数のチップは、1つの装置に集約されていてもよいし、複数の装置に分散して設けられていてもよい。ここでいうコンピュータシステムは、1以上のプロセッサ及び1以上のメモリを有するマイクロコントローラを含む。したがって、マイクロコントローラについても、半導体集積回路又は大規模集積回路を含む1ないし複数の電子回路で構成される。
【0103】
また、端末装置1における複数の機能が、1つの筐体内に集約されていることは、端末装置1に必須の構成ではない。つまり、端末装置1の構成要素は、複数の筐体に分散して設けられていてもよい。また、制御システム3における複数の機能が、1つの筐体内に集約されていることは、制御システム3に必須の構成ではない。つまり、制御システム3の構成要素は、複数の筐体に分散して設けられていてもよい。さらに、制御システム3の少なくとも一部の機能がクラウド(クラウドコンピューティング)等によって実現されてもよい。反対に、上述の実施形態のように、制御システム3の全ての機能が、1つの筐体に集約されていてもよい。
【0104】
上述の実施形態では、端末装置1と制御システム3との通信、及び電動自転車(移動体)2と制御システム3との通信の組み合わせにより、端末装置1が電動自転車2から移動体情報I1を取得する処理を実行している。これに対して、例えば、端末装置1と電動自転車2との通信により、端末装置1が電動自転車2から移動体情報I1を取得する処理を実行してもよい。
【0105】
上述の実施形態において、管理者(使用者)の認証に用いる認証情報は、管理者ごとに固有の情報であればよく、例えば管理者の生体的な特徴(指紋、静脈、又は虹彩等)に関する情報であってもよい。この場合、端末装置1は、指紋読取器等の管理者の生体的な特徴に関する情報を取得可能な装置を備えていればよい。
【0106】
上述の実施形態では、モータユニット5は、一軸式のモータユニットであるが、二軸式のモータユニットであってもよい。また、上述の実施形態では、モータユニット5はセンタユニット方式のモータユニットであるが、モータユニット5は、例えば、前輪88のハブ881にモータが取り付けられたフロントハブユニット方式のモータユニットであってもよい。また、例えば、モータユニット5は、後輪89のハブ891にモータが取り付けられたリアハブユニット方式のモータユニットであってもよい。
【0107】
上述の実施形態では、電動自転車2は、電動自転車2の利用者の踏力をモータ51によって補助する電動アシスト自転車である。これに対して、電動自転車2は、例えば、踏力により車輪81に動力を与える駆動系(人力駆動系)と、モータ51により車輪81に動力を与える駆動系(モータ駆動系)とが独立している自転車(モータ51から出力された動力のみで走行可能な自転車)でもよい。要するに、電動自転車2は、電動アシスト自転車であってもよいし、モータ51から出力された動力のみで走行可能な自転車であってもよい。
【0108】
上述の実施形態では、電動自転車2は、1つの前輪88及び1つの後輪89を備える二輪自転車であるが、電動自転車2は、例えば、1つの前輪88及び2つの後輪89を備える三輪自転車であってもよい。または、電動自転車2は、2つの前輪88及び1つの後輪89を備える三輪自転車であってもよい。また、電動自転車2は、2つの前輪88及び2つの後輪89を備える四輪自転車であってもよい。
【0109】
上述の実施形態では、移動体2は電動自転車であるが、移動体2は、例えば、モータ51及びバッテリ41を有していない自転車であってもよい。また、例えば、移動体2は、モータ51を有しておらず、通信機能及びバッテリ41を有している自転車であってもよい。
【0110】
上述の実施形態では、移動体2は自転車であるが、移動体2は、施錠状態、開錠状態、及び開錠可能状態をとり得る態様であれば、自動車、自動二輪車、又は船舶等であってもよい。
【0111】
上述の実施形態では、電動自転車2の制御部21は、電動自転車2の通信部22と制御システム3の通信部32とが通信できるまでの時間(期間)によって通信部22の通信状態を判断している。これに対して、制御部21は、例えば、通信部22が受信する受信信号の受信信号強度(RSSI;Received Signal Strength Indicator)に基づいて、通信部22の通信状態を判断してもよい。例えば、制御部21は、上記受信信号強度が所定の閾値以上であれば通信部22の通信状態がよいと判断し、上記受信信号強度が所定の閾値よりも小さければ通信部22の通信状態が悪いと判断する。
【0112】
また、上述の実施形態では、状態情報I11が2段階(可及び不可)に分類されているが、3段階(例えば、優、良、可、不可)以上に分類されてもよい。この場合、状態情報I11を判別しやすいように、状態情報I11の表示態様を異ならせることが好ましい。表示態様としては、状態情報I11の形状を異ならせてもよいし、状態情報I11の色を異ならせてもよい。
【0113】
上述の実施形態では、第2画面P3において、電動自転車(移動体)2の利用状態に応じてアイコンP30(位置情報)の形状を異ならせているが、アイコンP30の色を異ならせてもよい。
【0114】
上述の実施形態では、電動自転車2の制御部21は、操作装置23からの操作信号(起動信号又は停止信号)によりサークル錠6が施錠状態か開錠状態かを判断しているが、例えば、センサ等を用いてサークル錠6が施錠状態か開錠状態かを判断してもよい。
【0115】
上述の実施形態では、距離情報I15が積算走行距離であるが、距離情報I15は、例えば、電動自転車2の利用者が電動自転車2をレンタルした際の走行距離であってもよい。
【0116】
上述の実施形態では、端末装置1がパーソナルコンピュータであるが、端末装置1は、情報表示方法によって認証画面P1等を表示可能であればよく、例えば、タブレットであってもよいし、スマートフォンであってもよい。
【0117】
上述の実施形態では、端末装置1の使用者がレンタルサービス事業者の従業員である管理者であるが、上記使用者は管理者に限らず、例えば、電動自転車2の利用者であってもよい。つまり、上述の実施形態に係る情報表示方法は、管理者が電動自転車2を管理する際の管理者画面だけでなく、電動自転車2の利用者が電動自転車2を利用する際の利用者画面に適用してもよい。
【0118】
上述の実施形態では、移動体としての電動自転車2が複数である場合を例示しているが、電動自転車2は少なくとも1つであればよい。したがって、電動自転車2は1つであってもよいし、2つ以上であってもよい。
【0119】
(まとめ)
以上説明したように、第1の態様に係る情報表示方法は、取得ステップ(S3)と、表示ステップ(S4)と、を有する。取得ステップ(S3)は、少なくとも1つの移動体(2)から、移動体(2)に関する情報である移動体情報(I1)を取得するステップである。表示ステップ(S4)は、取得ステップ(S3)にて取得した移動体情報(I1)を含む画面(P2)を、端末装置(1)に表示させるステップである。
【0120】
この態様によれば、端末装置(1)に表示させた移動体情報(I1)により移動体(2)の状態を容易に確認することができる。
【0121】
第2の態様に係る情報表示方法は、第1の態様において、認証画面表示ステップ(S1)を更に有する。認証画面表示ステップ(S1)は、端末装置(1)の使用者の認証に用いられる認証情報の入力を促す画面(P1)を、端末装置(1)に表示させるステップである。情報表示方法では、認証画面表示ステップ(S1)を経て使用者の認証に成功した場合に、表示ステップ(S4)を実行する。
【0122】
この態様によれば、第三者によって移動体(2)の状態が確認されることを回避しやすい、という利点がある。
【0123】
第3の態様に係る情報表示方法では、第1又は2の態様において、表示ステップ(S4)では、移動体(2)に対して個別に割り当てられている識別情報(I2)と移動体情報(I1)とを対応付けて端末装置(1)に表示させる。
【0124】
この態様によれば、移動体情報(I1)を見やすい、という利点がある。
【0125】
第4の態様に係る情報表示方法では、第1~3のいずれかの態様において、移動体(2)は、通信装置(22)を有している。通信装置(22)は、移動体(2)を制御する制御システム(3)との間で通信を行う。移動体情報(I1)は、通信装置(22)の通信状態に関する情報である状態情報(I11)を含む。
【0126】
この態様によれば、状態情報(I11)によって通信装置(22)と制御システム(3)との間の通信状態を知ることができる。
【0127】
第5の態様に係る情報表示方法では、第4の態様において、表示ステップ(S4)では、通信装置(22)の通信状態に応じて状態情報(I11)の表示態様を異ならせる。
【0128】
この態様によれば、通信装置(22)の通信状態に応じて状態情報(I11)の表示態様を異ならせているので、通信装置(22)の通信状態を判別しやすい、という利点がある。
【0129】
第6の態様に係る情報表示方法では、第1~5のいずれかの態様において、移動体(2)は、移動体(2)に対して施錠を行う錠装置(6)を有している。移動体情報(I1)は、錠装置(6)が施錠状態か開錠状態かを示す情報(I12)を含む。
【0130】
この態様によれば、情報(I12)によって錠装置(6)が施錠状態か開錠状態かを知ることができる。
【0131】
第7の態様に係る情報表示方法では、第1~6のいずれかの態様において、移動体情報(I1)は、移動体(2)が利用されているか否かを示す情報(I13)を含む。
【0132】
この態様によれば、情報(I13)によって移動体(2)が利用されているか否かを知ることができる。
【0133】
第8の態様に係る情報表示方法では、第1~7のいずれかの態様において、移動体(2)は、移動体(2)の制御用電源として用いられるバッテリ(41)を有している。移動体情報(I1)は、バッテリ(41)の残量に関する情報(I14)を含む。
【0134】
この態様によれば、情報(I14)によって移動体(2)のバッテリ(41)の残量を知ることができる。
【0135】
第9の態様に係る情報表示方法では、第1~8のいずれかの態様において、移動体情報(I1)は、移動体(2)の走行距離に関する情報(I15)を含む。
【0136】
この態様によれば、情報(I15)によって移動体(2)の走行距離を知ることができる。
【0137】
第10の態様に係る情報表示方法では、第1~9のいずれかの態様において、表示ステップ(S4)では、位置情報(例えば、アイコンP30)を含む画面(P3)を端末装置(1)に表示させる。位置情報は、移動体(2)の位置に関する情報である。
【0138】
この態様によれば、位置情報によって移動体(2)の位置を知ることができる。
【0139】
第11の態様に係る情報表示方法では、第10の態様において、表示ステップ(S4)では、第2画面(P3)として、位置情報に基づく移動体(2)の位置を地図上に示している画面(P3)を端末装置(1)に表示させる。第2画面(P3)は、移動体情報(I1)を含む画面である第1画面(P2)とは異なる画面である。
【0140】
この態様によれば、第2画面(P3)によって移動体(2)の位置をより正確に知ることができる。
【0141】
第12の態様に係る情報表示方法では、第11の態様において、表示ステップ(S4)では、端末装置(1)の使用者が特定操作を行うことにより、第1画面(P2)から第2画面(P3)に切り替えられる。
【0142】
この態様によれば、使用者の意思によって第1画面(P1)から第2画面(P2)に切り替えることができる。
【0143】
第13の態様に係る情報表示方法では、第10~12のいずれかの態様において、移動体(2)の利用状態に応じて、位置情報(例えば、アイコンP30)の表示態様が異なる。
【0144】
この態様によれば、位置情報によって移動体(2)の位置及び利用状態を知ることができる。
【0145】
第14の態様に係る情報表示方法では、第1~13のいずれかの態様において、移動体(2)は、自転車である。
【0146】
第15の態様に係る情報表示方法では、第1~14のいずれかの態様において、移動体(2)は複数である。
【0147】
この態様によれば、複数の移動体(2)の状態を容易に確認することができる。
【0148】
第16の態様に係る情報表示方法では、第15の態様において、端末装置(1)は、複数の移動体(2)を管理するために用いられる。
【0149】
この態様によれば、複数の移動体(2)を容易に管理することができる。
【0150】
第17の態様に係るプログラムは、第1~16のいずれかの態様に係る情報表示方法を1以上のプロセッサに実行させるためのプログラムである。
【0151】
この態様によれば、端末装置(1)に表示させた移動体情報(I1)により移動体(2)の状態を容易に確認することができる。
【0152】
第18の態様に係る移動体(2)は、第1~16のいずれかの態様に係る情報表示方法における取得ステップ(S4)にて取得される移動体情報(I1)を出力する。
【0153】
この態様によれば、端末装置(1)に表示させた移動体情報(I1)により移動体(2)の状態を容易に確認することができる。
【0154】
第2~16の態様に係る構成については、情報表示方法に必須の構成ではなく、適宜省略可能である。
【符号の説明】
【0155】
1 端末装置
2 移動体
3 制御システム
6 サークル錠(錠装置)
22 通信部(通信装置)
41 バッテリ
I1 移動体情報
I2 識別情報
I11 状態情報(移動体情報)
I12 施錠情報(移動体情報)
I13 利用情報(移動体情報)
I14 残量情報(移動体情報)
I15 距離情報(移動体情報)
P1 認証画面(画面)
P2 第1画面(画面)
P3 第2画面
P30 アイコン(位置情報)
S1 認証画面表示ステップ
S3 取得ステップ
S4 表示ステップ