(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-14
(45)【発行日】2023-12-22
(54)【発明の名称】非水電解質二次電池の充電方法、及び非水電解質二次電池の充電システム
(51)【国際特許分類】
H01M 10/48 20060101AFI20231215BHJP
H01M 10/44 20060101ALI20231215BHJP
H01M 10/058 20100101ALI20231215BHJP
H01M 10/052 20100101ALI20231215BHJP
H01M 4/587 20100101ALI20231215BHJP
H01M 4/48 20100101ALI20231215BHJP
H01M 4/36 20060101ALI20231215BHJP
H02J 7/10 20060101ALI20231215BHJP
【FI】
H01M10/48 P
H01M10/44 A
H01M10/058
H01M10/052
H01M4/587
H01M4/48
H01M4/36 E
H02J7/10 C
H02J7/10 H
(21)【出願番号】P 2020522106
(86)(22)【出願日】2019-05-20
(86)【国際出願番号】 JP2019019820
(87)【国際公開番号】W WO2019230464
(87)【国際公開日】2019-12-05
【審査請求日】2022-03-18
(31)【優先権主張番号】P 2018102450
(32)【優先日】2018-05-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】弁理士法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】堀内 優努
(72)【発明者】
【氏名】山本 泰右
【審査官】早川 卓哉
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-056683(JP,A)
【文献】特開2015-165482(JP,A)
【文献】国際公開第2011/033700(WO,A1)
【文献】特開2000-106219(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M10/42-10/48
G01R31/36-31/396
H01M4/00-4/62
H01M10/05-10/0587
H02J7/00-7/12
H02J7/34-7/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
負極活物質として炭素材料及びSi含有化合物を含む負極を備えた非水電解質二次電池の充電方法であって、
電池容量Qの変化量に対する前記Si含有化合物の容量Q
Siの変化量の割合dQ
Si/dQが、所定の閾値以上となる容量範囲
である第1容量Q
1stを第1定電流値I
1stで充電する第1充電ステップと、
前記第1充電ステップ終了後、前記第1定電流値よりも大きな第2定電流値で第2容量を充電する第2充電ステップと、
前記電池容量Qの変化量に対する開放電圧の変化量の割合dV/dQ、及びdQ
Si/dQの少なくとも一方を取得する検出ステップと、
充放電サイクル数の増加に伴うdV/dQ又はdQ
Si/dQの経時変化に基づいて、前記第1充電ステップと前記第2充電ステップの切り替えのタイミング、及び前記第1定電流値I
1stの少なくとも一方を変更する変更ステップと、
を有する、非水電解質二次電池の充電方法。
【請求項2】
前記検出ステップでは、電池の充電時又は放電時に前記開放電圧を測定してdV/dQを取得する、請求項1に記載の非水電解質二次電池の充電方法。
【請求項3】
前記変更ステップでは、dV/dQ又はdQ
Si/dQの経時変化に基づいて、前記第1充電ステップと前記第2充電ステップの切り替えのタイミング、及び前記第1定電流値I
1stを変更する、請求項1又は2に記載の非水電解質二次電池の充電方法。
【請求項4】
前記第2充電ステップ終了後、前記第2定電流値よりも大きな第3定電流値で第3容量を充電する第3充電ステップを有し、
前記変更ステップは、dV/dQ又はdQ
Si/dQの経時変化に基づいて、前記第2充電ステップと前記第3充電ステップの切り替えのタイミング、及び前記第2定電流値の少なくとも一方を変更する、請求項1~3のいずれか1項に記載の非水電解質二次電池の充電方法。
【請求項5】
初期の前記第1容量Q
1stは、定格容量Qpに対する前記Si含有化合物の容量Q
Siの比率をx(0.1≦x≦0.5)としたとき、下記式を満たす値に設定される、請求項1~4のいずれか1項に記載の非水電解質二次電池の充電方法。
式:0.38x-0.063-α1≦Q
1st/Q≦0.38x+0.163+α1
ここで、α1は0.1である。
【請求項6】
初期の前記第1定電流値I
1stは、定格容量Qpに対する前記Si含有化合物の容量Q
Siの比率をx(0.1≦x≦0.5)としたとき、下記式を満たす値に設定される、請求項1~5のいずれか1項に記載の非水電解質二次電池の充電方法。
式:82/(81.8x+64)×(0.3/0.7)-α3
≦I
1st/I
max≦82/(81.8x+64)×(0.3/0.7)+α3
ここで、α3は0.3である。
【請求項7】
負極活物質として炭素材料及びSi含有化合物を含む負極を備えた非水電解質二次電池を充電する充電システムであって、
請求項1~6のいずれか1項に記載の充電方法を実行する充電制御装置を備えた、非水電解質二次電池の充電システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、非水電解質二次電池の充電方法、及び非水電解質二次電池の充電システムに関する。
【背景技術】
【0002】
Si含有化合物は、黒鉛などの炭素材料と比べて単位体積当りに多くのリチウムイオンを吸蔵できることが知られている。例えば、特許文献1には、負極活物質として黒鉛及びSi含有化合物を用いた非水電解質二次電池が開示されている。また、特許文献2には、充放電サイクルの初期不可逆容量の低減を目的とした二次電池の充電方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2010-212228号公報
【文献】特開2000-106219号公報
【発明の概要】
【0004】
ところで、Si含有化合物を含む負極を備えた非水電解質二次電池において、充電電流を増大させると、例えばSi含有化合物の割れが発生して劣化が進み、良好なサイクル特性を確保することが難しくなる。他方、充電電流を低く抑えると、長い充電時間が必要となる。本開示の目的は、炭素材料及びSi含有化合物を含む負極を備えた非水電解質二次電池において、良好なサイクル特性を確保しつつ、効率の良い充電を可能とする充電方法を提供することである。
【0005】
本開示の一態様である非水電解質二次電池の充電方法は、負極活物質として炭素材料及びSi含有化合物を含む負極を備えた非水電解質二次電池の充電方法であって、電池容量Qの変化量に対する前記Si含有化合物の容量QSiの変化量の割合dQSi/dQが、所定の閾値以上となる容量範囲を含む第1容量Q1stを第1定電流値I1stで充電する第1充電ステップと、前記第1充電ステップ終了後、前記第1定電流値よりも大きな第2定電流値で第2容量を充電する第2充電ステップと、前記電池容量Qの変化量に対する開放電圧の変化量の割合dV/dQ、及びdQSi/dQの少なくとも一方を取得する検出ステップと、dV/dQ又はdQSi/dQの経時変化に基づいて、前記第1充電ステップと前記第2充電ステップの切り替えのタイミング、及び前記第1定電流値I1stの少なくとも一方を変更する変更ステップとを有する。
【0006】
本開示の一態様である非水電解質二次電池の充電システムは、負極活物質として炭素材料及びSi含有化合物を含む負極を備えた非水電解質二次電池を充電する充電システムであって、上記充電方法を実行する充電制御装置を備えることを特徴とする。
【0007】
本開示の一態様によれば、炭素材料及びSi含有化合物を含む負極を備えた非水電解質二次電池において、良好なサイクル特性を確保しつつ、効率の良い充電を可能とする充電方法を提供できる。つまり、本開示に係る充電方法によれば、短時間での充電が可能でありながら、サイクル特性の低下を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】実施形態の一例である非水電解質二次電池の充電システムの構成を示すブロック図である。
【
図2】実施形態の一例である非水電解質二次電池の断面図である。
【
図3】実施形態の一例である非水電解質二次電池の充電方法を説明するための図である。
【
図4】実施形態の一例である非水電解質二次電池の充電方法を説明するための図である。
【
図5】実施形態の一例である非水電解質二次電池の充電方法を説明するための図である。
【
図6】実施形態の一例である非水電解質二次電池の充電方法を説明するための図である。
【
図7】非水電解質二次電池の充電制御手順の一例を示すフローチャートである。
【
図8】非水電解質二次電池の充電制御手順の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
炭素材料及びSi含有化合物を含む負極を備えた非水電解質二次電池において、短時間で効率良く充電でき、かつサイクル特性の劣化を抑えることが可能な充電方法を提供することは重要な課題である。本発明者らは、電池の充電時においてSi含有化合物に由来する容量変化が大きな領域、即ちSi含有化合物にリチウムイオンが吸蔵され易い領域を明らかにし、当該領域のみに緩和された充電条件を適用することで、サイクル特性の劣化を効率良く抑制することに成功した。
【0010】
一方、充放電サイクルに伴う炭素材料とSi含有化合物の劣化の早さは異なる。本開示に係る充電方法によれば、上記dV/dQ又はdQSi/dQの経時変化に基づいて、上記第1充電ステップと第2充電ステップの切り替えのタイミング、及び上記第1定電流値I1stの少なくとも一方を変更することで、サイクル特性の劣化をさらに抑制できる。
【0011】
以下、本開示の実施形態の一例について詳細に説明する。以下では、巻回型の電極体14が円筒形状の電池ケース15に収容された円筒形電池を例示するが、電池ケースは円筒形に限定されず、例えば角形であってもよく、金属層及び樹脂層を含むラミネートシートで構成された電池ケースであってもよい。また、電極体は、複数の正極と複数の負極がセパレータを介して交互に積層された積層型であってもよい。なお、本開示に係る充電方法が適用できる非水電解質二次電池は、負極活物質として炭素材料及びSi含有化合物を含む負極を備えた電池であればよい。
【0012】
図1は、実施形態の一例である非水電解質二次電池の充電システム1の構成を示すブロック図である。
図1に例示するように、充電システム1は、非水電解質二次電池10の充電を制御する充電制御装置2と、電池の充電状態を監視する電池監視ユニット30とを備える。非水電解質二次電池10は、負荷101に接続され、蓄えた電力を負荷101に供給する。充電システム1は、複数の非水電解質二次電池10が直列、並列、又は直並列接続された組電池(電池パック、又は電池モジュールとも呼ばれる)を備えていてもよい。
【0013】
充電システム1は、負極活物質として炭素材料及びSi含有化合物を含む非水電解質二次電池の充電装置、充電設備に広く適用でき、例えば電気自動車、ハイブリッド自動車等の車両、車両用充電設備、蓄電設備、電動工具用充電器など、種々の装置、設備に適用できる。充電制御装置2は、電池モジュールに組み込まれていてもよく、充電システム1が搭載される車両等の装置、設備の制御装置の一部として構成されていてもよい。
【0014】
充電制御装置2は、後述の充電方法を実行する装置である。充電制御装置2は、電池を充電する際に、電池監視ユニット30から取得した電池の充電状態に基づいて電池の充電条件を決定する。詳しくは後述するが、充電制御装置2は、第1充電ステップを実行する第1充電制御手段3、第2充電ステップを実行する第2充電制御手段4、第3充電ステップを実行する第3充電制御手段5、及び定電圧充電ステップを実行する定電圧充電制御手段6を有する。また、充電制御装置2は、検出ステップを実行する検出手段7、及び変更ステップを実行する変更手段8を有する。充電制御装置2は、例えば整流回路を有し、電源100の交流電力を所定の直流電力に変換して非水電解質二次電池10に供給する。
【0015】
充電制御装置2は、例えばICチップ、LSIチップ等の集積回路で構成され、演算処理部であるCPUと、記憶部9とを有する。CPUは、記憶部9に予め記憶されたプログラム等を読み出して実行する機能を有する。記憶部9は、読み出したプログラム、処理データ等を一時的に記憶する機能と、制御プログラム、閾値等を記憶する機能とを有する。上記各充電制御手段の機能は、例えば記憶部9に記憶された制御プログラムを実行することで実現される。
【0016】
また、充電制御装置2は、所定の電流値の直流電力が電池に供給されるように充電電流を制御する定電流回路、所定の電圧値の直流電力が電池に供給されるように充電電圧を制御する定電圧回路等を有する。なお、整流回路、定電流回路、定電圧回路等の充電回路は、充電制御装置2と別の装置として構成されていてもよい。充電制御装置2は、電池監視ユニット30から取得した電池の充電状態に基づいて充電回路を制御し、非水電解質二次電池10の充電を実行する。
【0017】
電池監視ユニット30は、例えば非水電解質二次電池10に供給される充電電流、及び電池電圧を検出する。充電制御装置2は、電池監視ユニット30により取得された電池電圧から充電率(SOC)を推定し、SOCに基づいて充電制御を実行する。なお、充放電電流と充放電時間からSOCを推定することもできる。SOCの推定方法には、従来公知の手法を適用できる。充電制御装置2は、例えば電池電圧が所定の電圧に達するまでは複数のステップを含む定電流充電(CC充電)を行い、その後、定電圧充電(CV充電)を行う。
【0018】
[非水電解質二次電池]
図2は、実施形態の一例である非水電解質二次電池10の断面図である。
図2に例示するように、非水電解質二次電池10は、電極体14と、非水電解質(図示せず)と、電極体14及び非水電解質を収容する電池ケース15とを備える。電極体14は、正極11と負極12がセパレータ13を介して巻回されてなる巻回構造を有する。電池ケース15は、有底筒状の外装缶16と、外装缶16の開口部を塞ぐ封口体17とで構成される。また、非水電解質二次電池10は、外装缶16と封口体17との間に配置される樹脂製のガスケット28を備える。
【0019】
非水電解質は、非水溶媒と、非水溶媒に溶解した電解質塩とを含む。非水溶媒には、例えばエステル類、エーテル類、ニトリル類、アミド類、及びこれらの2種以上の混合溶媒等を用いてもよい。非水溶媒は、これら溶媒の水素の少なくとも一部をフッ素等のハロゲン原子で置換したハロゲン置換体を含有していてもよい。なお、非水電解質は液体電解質に限定されず、ゲル状ポリマー等を用いた固体電解質であってもよい。電解質塩には、例えばLiPF6等のリチウム塩が使用される。
【0020】
電極体14は、長尺状の正極11と、長尺状の負極12と、長尺状の2枚のセパレータ13と、正極11に接合された正極タブ20と、負極12に接合された負極タブ21とで構成される。負極12は、リチウムの析出を防止するために、正極11よりも一回り大きな寸法で形成される。即ち、負極12は、正極11より長手方向及び幅方向(短手方向)に長く形成される。2枚のセパレータ13は、少なくとも正極11よりも一回り大きな寸法で形成され、例えば正極11を挟むように配置される。
【0021】
電極体14の上下には、絶縁板18,19がそれぞれ配置される。
図2に示す例では、正極11に取り付けられた正極タブ20が絶縁板18の貫通孔を通って封口体17側に延び、負極12に取り付けられた負極タブ21が絶縁板19の外側を通って外装缶16の底部側に延びている。正極タブ20は封口体17の底板であるフィルタ23の下面に溶接等で接続され、フィルタ23と電気的に接続された封口体17の天板であるキャップ27が正極端子となる。負極タブ21は外装缶16の底部内面に溶接等で接続され、外装缶16が負極端子となる。
【0022】
外装缶16は、例えば有底円筒形状の金属製容器である。上述のように、外装缶16と封口体17との間にはガスケット28が設けられ、電池ケース15の内部空間が密閉される。外装缶16は、例えば側面部を外側からプレスして形成された、封口体17を支持する溝入部22を有する。溝入部22は、外装缶16の周方向に沿って環状に形成されることが好ましく、その上面で封口体17を支持する。また、外装缶16の上端部は、内側に折り曲げられ封口体17の周縁部に加締められている。
【0023】
封口体17は、電極体14側から順に、フィルタ23、下弁体24、絶縁部材25、上弁体26、及びキャップ27が積層された構造を有する。封口体17を構成する各部材は、例えば円板形状又はリング形状を有し、絶縁部材25を除く各部材は互いに電気的に接続されている。下弁体24と上弁体26は各々の中央部で互いに接続され、各々の周縁部の間には絶縁部材25が介在している。異常発熱で電池の内圧が上昇すると、下弁体24が上弁体26をキャップ27側に押し上げるように変形して破断することにより、下弁体24と上弁体26の間の電流経路が遮断される。さらに内圧が上昇すると、上弁体26が破断し、キャップ27の開口部からガスが排出される。
【0024】
[正極]
正極11は、正極集電体と、正極集電体の両面に形成された正極合材層とを有する。正極集電体には、アルミニウムなど正極11の電位範囲で安定な金属の箔、当該金属を表層に配置したフィルム等を用いることができる。正極合材層は、正極活物質、導電材、及び結着材を含む。正極11は、例えば正極集電体上に正極活物質、導電材、及び結着材等を含む正極合材スラリーを塗布し、塗膜を乾燥させた後、圧縮して正極合材層を正極集電体の両面に形成することにより作製できる。
【0025】
正極活物質は、リチウム金属複合酸化物を主成分として構成される。リチウム金属複合酸化物に含有される金属元素としては、Ni、Co、Mn、Al、B、Mg、Ti、V、Cr、Fe、Cu、Zn、Ga、Sr、Zr、Nb、In、Sn、Ta、W等が挙げられる。好適なリチウム金属複合酸化物の一例は、Ni、Co、Mn、Alの少なくとも1種を含有する複合酸化物である。なお、リチウム金属複合酸化物の粒子表面には、酸化アルミニウム、ランタノイド含有化合物等の無機化合物粒子などが固着していてもよい。
【0026】
正極合材層に含まれる導電材としては、カーボンブラック、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、黒鉛等の炭素材料が例示できる。正極合材層に含まれる結着材としては、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)等のフッ素樹脂、ポリアクリロニトリル(PAN)、ポリイミド樹脂、アクリル樹脂、ポリオレフィン樹脂などが例示できる。これらの樹脂と、カルボキシメチルセルロース(CMC)又はその塩等のセルロース誘導体、ポリエチレンオキシド(PEO)等が併用されてもよい。
【0027】
[負極]
負極12は、負極集電体と、負極集電体の両面に形成された負極合材層とを有する。負極集電体には、銅など負極12の電位範囲で安定な金属の箔、当該金属を表層に配置したフィルム等を用いることができる。負極合材層は、負極活物質、及び結着材を含む。負極12は、例えば負極集電体上に負極活物質、及び結着材等を含む負極合材スラリーを塗布し、塗膜を乾燥させた後、圧縮して負極合材層を負極集電体の両面に形成することにより作製できる。
【0028】
負極合材層には、負極活物質として、リチウムイオンを可逆的に吸蔵、放出する炭素材料及びSi含有化合物が含まれる。好適な炭素材料は、天鱗片状黒鉛、塊状黒鉛、土状黒鉛等の天然黒鉛、塊状人造黒鉛(MAG)、黒鉛化メソフェーズカーボンマイクロビーズ(MCMB)等の人造黒鉛などの黒鉛である。負極合材層におけるSi含有化合物の含有量は、負極活物質の総質量に対して、例えば1~15質量%であり、好ましくは5~10質量%である。Si含有化合物と黒鉛との混合比率は、例えば質量比で1:99~15:85であり、好ましくは5:95~10:90である。
【0029】
なお、負極活物質には、Si以外のリチウムと合金化する金属、当該金属を含有する合金、当該金属を含有する化合物等が用いられてもよい。負極活物質としてチタン酸リチウム等の導電性の低い材料を用いる場合は、負極合材層にカーボンブラック等の導電材を添加してもよい。
【0030】
Si含有化合物としては、SiOxで表される化合物が例示される。Si含有化合物は、例えばSiOx(0.5≦x≦1.6)であり、非晶質のSiO2マトリックス中にSiの微粒子が分散した構造を有する。Si含有化合物は、リチウムシリケート(Li2ySiO(2+y)(0<y<2))相中にSiの微粒子が分散した化合物(LSi)であってもよい。負極合材層には、SiOx及びLSiが含まれていてもよい。
【0031】
Si含有化合物の粒子表面には、Si含有化合物よりも導電性の高い材料で構成される導電被膜が形成されていることが好ましい。導電被膜の構成材料としては、炭素材料、金属、及び金属化合物から選択される少なくとも1種が例示できる。中でも、非晶質炭素等の炭素材料が好ましい。炭素被膜は、例えばアセチレン、メタン等を用いたCVD法、石炭ピッチ、石油ピッチ、フェノール樹脂等をSi含有化合物粒子と混合し、熱処理を行う方法などで形成できる。また、カーボンブラック等の導電フィラーを結着材を用いてSi含有化合物の粒子表面に固着させることで導電被膜を形成してもよい。導電被膜は、例えばSi含有化合物粒子の質量に対して0.5~10質量%で形成される。
【0032】
負極合材層に含まれる結着材には、正極11の場合と同様に、フッ素樹脂、PAN、ポリイミド樹脂、アクリル樹脂、ポリオレフィン樹脂等を用いてもよいが、好ましくはスチレン-ブタジエンゴム(SBR)又はその変性体を用いる。負極合材層には、例えばSBR等に加えて、CMC又はその塩、ポリアクリル酸(PAA)又はその塩、ポリビニルアルコールなどが含まれていてもよい。
【0033】
[セパレータ]
セパレータ13には、イオン透過性及び絶縁性を有する多孔性シートが用いられる。多孔性シートの具体例としては、微多孔薄膜、織布、不織布等が挙げられる。セパレータ13の材質としては、ポリエチレン、ポリプロピレン等のオレフィン樹脂、セルロースなどが好適である。セパレータ13は、単層構造、積層構造のいずれであってもよい。セパレータ13の表面には、耐熱層などが形成されていてもよい。
【0034】
以下、
図3~
図6を適宜参照しながら、非水電解質二次電池10の充電方法について詳説する。
【0035】
図3~
図6は、電池容量と、充電電流、電池容量Qの変化量に対するSi含有化合物の容量Q
Siの変化量の割合dQ
Si/dQ、及び電池の開放電圧OCVとの関係を示すグラフである。ここで、Qは電池容量(Q
Si+炭素材料に由来する容量Q
Gr)、Q
SiはSi含有化合物に由来する容量を意味する。一般的に、非水電解質二次電池10では、負極12が容量規制極となるので、負極容量が電池容量となる。本充電方法は、後述のI
3rdが0.5C以上、又は0.7C以上である場合に特に好適である。なお、非水電解質二次電池10の定格容量Qpは、例えば3000mAh~6000mAhである。
【0036】
非水電解質二次電池10の充電方法は、下記のステップを有する。
(1)dQSi/dQが所定の閾値以上となる容量範囲を含む第1容量Q1stを第1定電流値I1stで充電する第1充電ステップ。
(2)第1充電ステップ終了後、第1定電流値よりも大きな第2定電流値で第2容量Q2ndを充電する第2充電ステップ。
(3)電池容量Qに対する開放電圧OCVの変化量の割合dV/dQ、及びdQSi/dQの少なくとも一方を取得する検出ステップ。
(4)dV/dQ又はdQSi/dQの経時変化に基づいて、第1充電ステップと第2充電ステップの切り替えのタイミング、及び第1定電流値I1stの少なくとも一方を変更する変更ステップ。
【0037】
本実施形態では、第2充電ステップ終了後、第2定電流値I2ndよりも大きな第3定電流値I3rdで第3容量Q3rdを充電する第3充電ステップが設けられる。第3定電流値I3rdは、各充電ステップで最大の充電電流(Imax)である。この場合、変更ステップは、dV/dQ又はdQSi/dQの経時変化に基づいて、第2充電ステップと第3充電ステップの切り替えのタイミング、及び第2定電流値I2ndの少なくとも一方を変更する。本実施形態では、3段階の定電流充電ステップを例示するが、定電流充電ステップは2段階であってもよく、4段階以上であってもよい。
【0038】
第1充電ステップは、dQ
Si/dQが所定の閾値以上となる容量範囲を含む第1容量Q
1stについて実行される。同様に、第2充電ステップは、dQ
Si/dQが所定の閾値以上となる容量範囲を含む第2容量Q
2ndについて実行される。
図3に例示するdQ
Si/dQには2つのピークが存在する。第1容量Q
1stの範囲は1つ目のピーク幅に対応し、第2容量Q
2ndの範囲は2つ目のピーク幅に対応する。上記閾値は、例えば0.1~0.5、又は0.1~0.4、又は0.1~0.3の範囲で設定され、dQ
Si/dQのピークに対応する各容量範囲で異なっていてもよい。
【0039】
図3に示すように、第1容量Q
1stの充電領域では、電池容量Qの変化量に対するSi含有化合物に由来する容量Q
Siの変化量dQ
Si/dQが大きく、黒鉛よりもSi含有化合物にリチウムイオンが吸蔵され易い。当該領域において充電電流を低く抑えた定電流充電を実行することで、Si含有化合物の割れを抑制でき、良好なサイクル特性を維持できる。他方、第2容量Q
2ndの充電領域では、第3容量Q
3rdの充電領域よりもdQ
Si/dQが大きく、第1容量Q
1stの充電領域よりもdQ
Si/dQが小さいので、充電電流をI
1st<I
2nd<I
3rdとして、Si含有化合物の劣化を抑制しつつ充電効率を高めることが好ましい。
【0040】
初期の第1容量Q1stは、定格容量Qpに対するSi含有化合物の容量の比率をx(0.1≦x≦0.5)としたとき、下記式1を満たす値に設定されることが好ましい。Si含有化合物の容量比率xは、dV/dQから求められる。式1は、定格容量Qpに対するSi容量比率xを変更した際に得られる各OCVに基づくdQSi/dQから求められた実験式である。なお、第1容量Q1stは変更ステップにより経時的に変更されることが好ましい。
【0041】
式1:0.38x-0.063-α1≦Q1st/Qp≦0.38x+0.163+α1
ここで、α1は0.1が好ましく、0.05がより好ましい。
【0042】
初期の第2容量Q2ndは、下記式2を満たす値に設定されることが好ましい。式2は、式1と同様の実験式である。なお、第2容量Q2ndは変更ステップにより経時的に変更されることが好ましい。
【0043】
式2:0.13x+0.173-α2≦Q2nd/Qp≦0.13x+0.173+α2
ここで、α2は0.1が好ましく、0.05がより好ましい。
【0044】
初期の第1定電流値I1stは、定格容量Qpに対するSi含有化合物の容量の比率をx(0.1≦x≦0.5)としたとき、式3を満たす値に設定されることが好ましい。式3は、式1,2と同様の実験式である。なお、第1定電流値I1stは変更ステップにより経時的に変更されることが好ましい。
【0045】
式3:82/(81.8x+64)×(0.3/0.7)-α3
≦I1st/Imax≦82/(81.8x+64)×(0.3/0.7)+α3
ここで、α3は0.3が好ましく、0.2がより好ましい。
【0046】
初期の第2定電流値I2ndは、下記式4を満たす値に設定されることが好ましい。式4は、式1~3と同様の実験式である。なお、第2定電流値I2ndは変更ステップにより経時的に変更されることが好ましい。
【0047】
式4:36/(122.4x+10.9)×(0.5/0.7)-α4
≦I2nd/Imax≦36/(122.4x+10.9)×(0.5/0.7)+α4
ここで、α4は0.3が好ましく、0.2がより好ましい。
【0048】
本充電方法では、上述のように、電池容量がQ2ndに達したときに、第3定電流値I3rd(本実施形態では最大電流Imax)で充電する第3充電ステップを実行する。dQSi/dQが上記閾値未満となるQSiの変化が小さな充電領域では、充電電流を増大させてI3rdで充電することにより、充電時間の短縮を図ることができる。定電流充電は、電池電圧が所定の閾値(例えば、4.2V)に達したときに終了する。その後、所定の電池電圧(例えば、4.2V)で電流が所定の閾値に達するまでCV充電(定電圧充電ステップ)を実行する。
【0049】
図4は、充放電サイクルを繰り返したときのdQ
Si/dQ曲線(T2~T4)を示す。なお、充放電サイクル数はT1(初期)<T2<T3<T4である。
図4に示すように、dQ
Si/dQ曲線は、充放電サイクル数の増加に伴って変化する。具体的には、dQ
Si/dQ曲線のピークが低容量側にシフトする。また、dQ
Si/dQ曲線のピークの高さが低くなる。この変化は、充放電による材料の劣化の早さが炭素材料とSi含有化合物とで異なることに起因すると考えられる。
【0050】
非水電解質二次電池10の充電方法は、上述の通り、検出ステップと、変更ステップとを有する。dQSi/dQは充放電サイクルに伴って変化するので、充放電サイクル初期に設定された第1容量Q1st、第1定電流値I1st、第2容量Q2nd、及び第2定電流値I2ndは、充放電サイクル数が増えると、好適な条件から外れる場合がある。そこで、所定の充放電サイクル毎にdQSi/dQの変化を検出し、その変化に基づいて第1充電ステップ、第2充電ステップ、及び第3充電ステップの切り替えのタイミングを変更する。即ち、第1容量Q1st及び第2容量Q2ndを変更することが好ましい。加えて、第1定電流値I1st及び第2定電流値I2ndを変更することが好ましい。これにより、充放電サイクル数が増えても好適な充電条件を維持でき、サイクル特性の劣化をさらに抑制できる。
【0051】
検出ステップは、電池の充電時又は放電時に、電池の開放電圧OCVを測定してdV/dQを取得する。OCVがΔV変化するときのΔQSi及びΔQGrは分かっているので、dV/dQからdQSi/dQを算出できる。具体的には、ΔV変化するときのΔQSi及びΔQGr(dQSi/dV及びdQGr/dV)をテーブルとして保持し、取得したdV/dQを用いて、(dQSi/dV)/(dV/dQ)=dQSi/dQとして算出する。
【0052】
図5は、電池のOCVと容量の関係を示す充電曲線である。
図5に例示する充電曲線には、複数の変曲点が存在する。充電曲線の変曲点は、負極における充電状態の変化、特にSi含有化合物の充電状態の変化を示す。そして、充電曲線から得られるdV/dQ曲線には、当該変曲点に対応するピークが表れる。また、dV/dQの解析から得られるdQ
Si/dQ曲線にも、dV/dQ曲線と同様のピークが表れる。このため、dQ
Si/dQの代わりにdV/dQを用いて変更ステップを実行できる。なお、電池の放電曲線にも、Si含有化合物の充電状態の変化を示す変曲点が表れる。
【0053】
検出ステップは、所定の充放電サイクル毎に実行される。検出ステップは、充電条件を変更すべき時期に実行されるが、実行のタイミングは特に限定されない。例えば、充電制御装置2は、電池の充放電サイクル数を記憶部9に記憶し、充放電サイクル数が予め定められた所定数を超えたときに検出ステップを実行する。なお、検出ステップを実行する所定のサイクル数は一定でなくてもよく、例えば3ヶ月、2年など、所定の期間毎に検出ステップを実行してもよい。
【0054】
検出ステップは、自動で実行されてもよいし、手動で実行されてもよい。但し、OCVを測定する際には、通常の使用状態よりも低レートで充電又は放電を行うことが好ましい。低レートで充放電することにより、充放電曲線の変曲点を検知し易くなる。即ち、Si含有化合物の充電状態の変化を捉えることが容易になる。このため、充電条件を変更すべき時期であることを警告表示等によりユーザーに報知し、ユーザーの実行承認操作に基づいて検出ステップを実行してもよい。
【0055】
図6に示すように、変更ステップは、検出ステップで取得されるdV/dQ又はdQ
Si/dQの経時変化に基づいて、各充電ステップの切り替えのタイミング、及び第1定電流値I
1st及び第2定電流値I
2ndを変更することが好ましい。各充電ステップの切り替えのタイミングのみ、又は充電電流のみを変更してもよいが、
図4に示すように、dQ
Si/dQ曲線のピーク位置は低容量側にシフトし、ピークの高さは低くなるので、両方とも変更することが好ましい。
【0056】
変更ステップは、例えばdV/dQ曲線又はdQSi/dQ曲線のピーク位置のシフト量、又はピーク高さの変化量に応じて、第1充電ステップを実行する第1容量Q1stを減少させ、第1充電ステップの時間を短くする。即ち、第1充電ステップと第2充電ステップの切り替えのタイミングを早くする。例えば、2つのピークの間隔が初期状態から10%小さくなった場合に、第1容量Q1stを10%減少させてもよい。
【0057】
さらに、変更ステップは、dV/dQ曲線又はdQSi/dQ曲線のピーク位置のシフト量、又はピーク高さの変化量に応じて、第1定電流値I1stを低減する。第2容量Q2nd及び第2定電流値I2ndについても、dV/dQ曲線又はdQSi/dQ曲線のピーク位置のシフト量、又はピーク高さの変化量に基づいて変更できる。
【0058】
図7は、上記充電方法における制御手順の一例を示すフローチャートである。ここでは、非水電解質二次電池10の残容量がCV充電の開始レベルよりも少ない場合を例に挙げて充電制御の具体例を説明する。
【0059】
図7に例示するように、電池の充電を行う際には、まず電池の残容量を確認する(S10,S11)。例えば、充電制御装置2は、電池監視ユニット30により取得された電池電圧等の検出情報から電池のSOC(残容量)を推定する。そして、電池の残容量が第1容量Q
1st以下である場合、電池容量がQ
1stに達するまで第1定電流値I
1stで充電する第1充電ステップを実行する(S12)。第1容量Q
1stは、dQ
Si/dQが所定の閾値(例えば、0.1)以上となる容量範囲であって、上記式1により設定される。また、第1定電流値I
1stは、上記式3により設定される。第1充電ステップは、第1充電制御手段3の機能により実行される。
【0060】
他方、電池の残容量が第1容量Q1st以上第2容量Q2nd以下である場合は、電池容量がQ2ndに達するまで第2定電流値I2ndで充電する第2充電ステップを実行する(S13)。第2容量Q2ndは、dQSi/dQが所定の閾値(例えば、0.1)以上となる容量範囲であって、上記式2により設定される。また、第2定電流値I2ndは、上記式4により設定される。第2充電ステップは、第2充電制御手段4の機能により実行される。そして、電池の残容量がQ2ndに達したことを条件として、電池電圧が所定の閾値に達するまで第3定電流値I3rd(Imax)で充電する第3充電ステップを実行する(S14,S15)。第3充電ステップは、第3充電制御手段5の機能により実行される。
【0061】
即ち、本実施形態では、電池電圧が所定の閾値に達するまで、3段階のCC充電を実行する。電池電圧が所定の閾値に達した場合、電流が所定の閾値に達するまでCV充電する定電圧充電ステップを実行する(S16)。定電圧充電ステップは、定電圧充電制御手段6の機能により実行される。
【0062】
図8は、上記充電方法による制御手順の一例を示すフローチャートであって、各充電制御ステップの切り替えのタイミング、及び充電電流の変更手順を示す。
【0063】
図8に例示するように、予め定められた所定の充放電サイクルが行われたときに(S20)、電池のOCVを測定し(S21)、dV/dQを算出する(S22)。さらに、
図8に示す例では、dV/dQの解析によりdQ
Si/dQを算出している(S23)。dV/dQ曲線及びdQ
Si/dQ曲線には、Si含有化合物の充電状態の変化を示す同様のピークが表れるので、dV/dQに基づいて変更ステップを実行してもよい。S20~S23の検出ステップは、検出手段7の機能により実行される。
【0064】
次に、検出ステップで取得されたdQSi/dQに基づいて、第1容量Q1st、第1定電流値I1st、第2容量Q2nd、及び第2定電流値I2ndを変更する(S24,S25)。即ち、各充電ステップの切り替えのタイミング、及び第1充電ステップ及び第2充電ステップにおける充電電流を変更する。上述のように、サイクル数の増加に伴いdQSi/dQ曲線のピーク位置は低容量側にシフトし、ピークの高さは低くなるので、第1容量Q1st、第1定電流値I1st、第2容量Q2nd、及び第2定電流値I2ndはいずれも低減される。S24及びS25の変更ステップは、変更手段8の機能により実行される。
【0065】
以上のように、上述の充電方法によれば、良好なサイクル特性を確保しつつ、効率の良い充電が可能となる。
【符号の説明】
【0066】
1 充電システム
2 充電制御装置
3 第1充電制御手段
4 第2充電制御手段
5 第3充電制御手段
6 定電圧充電制御手段
7 検出手段
8 変更手段
9 記憶部
10 非水電解質二次電池
11 正極
12 負極
13 セパレータ
14 電極体
15 電池ケース
16 外装缶
17 封口体
18,19 絶縁板
20 正極タブ
21 負極タブ
22 溝入部
23 フィルタ
24 下弁体
25 絶縁部材
26 上弁体
27 キャップ
28 ガスケット
30 電池監視ユニット
100 電源
101 負荷