(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-14
(45)【発行日】2023-12-22
(54)【発明の名称】現場管理方法及び現場管理システム
(51)【国際特許分類】
G01V 8/10 20060101AFI20231215BHJP
G05B 19/418 20060101ALI20231215BHJP
【FI】
G01V8/10 S
G05B19/418 Z
(21)【出願番号】P 2019234942
(22)【出願日】2019-12-25
【審査請求日】2022-05-23
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002527
【氏名又は名称】弁理士法人北斗特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】是澤 康平
【審査官】前田 敏行
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-201074(JP,A)
【文献】特開2004-193916(JP,A)
【文献】特開2004-280545(JP,A)
【文献】特開2011-139278(JP,A)
【文献】特開2011-175384(JP,A)
【文献】特開2013-080305(JP,A)
【文献】特開昭62-245179(JP,A)
【文献】特開2002-175349(JP,A)
【文献】特開平05-300566(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01V 8/10
G05B 19/418
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
現場において一時的に設置される電気配線に、前記現場における検知対象を検知する検知部を接続する接続工程と、
前記検知部にて前記検知対象を検知する検知工程と、
前記検知部の検知結果を出力する出力工程と、
前記検知部
が揺れていることにより前記検知工程を行えない場合に報知を行う報知工程と、を有する、
現場管理方法。
【請求項2】
前記電気配線から前記検知部を取り外す取り外し工程を更に有する、
請求項1に記載の現場管理方法。
【請求項3】
前記検知部を設置する設置工程を更に有し、
前記設置工程では、少なくとも前記検知部の向きを調整することにより前記検知部の検知範囲を調整する、
請求項1又は2に記載の現場管理方法。
【請求項4】
前記設置工程で設置された前記検知部を移設する移設工程を更に有する、
請求項3に記載の現場管理方法。
【請求項5】
前記検知部が複数設置されており、
前記出力工程では、前記複数の検知部の検知結果を出力する、
請求項1~4のいずれか1項に記載の現場管理方法。
【請求項6】
前記検知部の検知結果を受けて、前記現場の状況に関する現場情報を管理する管理工程を更に有する、
請求項1~5のいずれか1項に記載の現場管理方法。
【請求項7】
前記現場情報は、前記現場における人に関する人情報を含む、
請求項6に記載の現場管理方法。
【請求項8】
前記現場情報は、前記現場で用いられる機材及び前記現場で施工される部材の少なくとも一方に関する物情報を含む、
請求項6又は7に記載の現場管理方法。
【請求項9】
現場において一時的に設置される電気配線に接続され、前記現場における検知対象を検知する
検知工程を行う検知部と、
前記検知部の検知結果を出力する出力部と、
前記検知部
が揺れていることにより前記検知工程を行えない場合に報知を行う報知部と、を備える、
現場管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に現場管理方法及び現場管理システムに関する。より詳細には、本開示は、現場を管理するための現場管理方法及び現場管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、天井材に取り付けられ、検知対象となる人から放射される赤外線に基づいて人の在否及び人の移動状態を検知する人感センサ装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、施工中の現場においても検知対象を検知したいとの要望がある。
【0005】
本開示の目的は、施工中の現場において検知対象を検知することができる現場管理方法及び現場管理システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様に係る現場管理方法は、接続工程と、検知工程と、出力工程と、報知工程と、を有する。前記接続工程は、現場において一時的に設置される電気配線に、前記現場における検知対象を検知する検知部を接続する工程である。前記検知工程は、前記検知部にて前記検知対象を検知する工程である。前記出力工程は、前記検知部の検知結果を出力する工程である。前記報知工程は、前記検知部が揺れていることにより前記検知工程を行えない場合に報知を行う工程である。
【0007】
本開示の一態様に係る現場管理システムは、検知部と、出力部と、報知部と、を備える。前記検知部は、現場において一時的に設置される電気配線に接続され、前記現場における検知対象を検知する検知工程を行う。前記出力部は、前記検知部の検知結果を出力する。前記報知部は、前記検知部が揺れていることにより前記検知工程を行えない場合に報知を行う。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、施工中の現場において検知対象を検知することができる、という効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、実施形態に係る検知装置を備える現場管理システムの適用例を示す全体構成図である。
【
図2】
図2は、同上の現場管理システムの全体構成を示すブロック図である。
【
図3】
図3は、同上の検知装置の適用例を示す図である。
【
図4】
図4Aは、同上の検知装置の一部破断した正面図である。
図4Bは、同上の検知装置の底面図である。
【
図5】
図5Aは、同上の検知装置の調整機構の第1例を示す斜視図である。
図5Bは、同上の検知装置の調整機構の第2例を示す斜視図である。
図5Cは、同上の検知装置の調整機構の第3例を示す斜視図である。
【
図6】
図6は、同上の現場管理方法の第1例を示すフローチャートである。
【
図7】
図7は、同上の現場管理方法の第2例を示すフローチャートである。
【
図8】
図8は、実施形態の変形例1に係る検知装置のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
(実施形態)
以下、実施形態に係る検知装置及び現場管理システムについて説明する。ただし、以下に説明する実施形態及び変形例は、本開示の一例に過ぎず、本開示は、下記の実施形態及び変形例に限定されない。下記の実施形態及び変形例以外であっても、本開示の技術的思想を逸脱しない範囲であれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。
【0011】
また、下記の実施形態等において説明する各図は、模式的な図であり、各図中の各構成要素の大きさ及び厚さそれぞれの比が、必ずしも実際の寸法比を反映しているとは限らない。
【0012】
(1)概要
まず、本実施形態に係る現場管理方法及び現場管理システム10の概要について、
図1及び
図2を参照して説明する。
【0013】
本実施形態に係る現場管理方法は、検知装置1の検知結果に基づいて現場S1(
図3参照)の状況を管理するための方法である。本実施形態に係る現場管理システム10は、検知装置1の検知結果に基づいて現場S1の状況を管理するためのシステムである。検知装置1は、検知対象T1(
図3参照)を検知するための装置である。本実施形態では一例として、検知対象T1は人である。より詳細には、検知対象T1は、現場S1で作業を行っている作業員である。つまり、検知装置1は、施工中の現場S1で作業を行っている作業員を管理するために用いられる。
【0014】
すなわち、本実施形態に係る現場管理方法は、接続工程(
図6の「ST11」に相当)と、検知工程(
図6の「ST13」に相当)と、出力工程(
図6の「ST15」に相当)と、を有する。接続工程は、現場S1において一時的に設置される電気配線L1に、現場S1における検知対象T1を検知する対象検知部(検知部)111を接続する工程である。検知工程は、対象検知部111にて検知対象T1を検知する工程である。出力工程は、対象検知部111の検知結果を出力する工程である。
【0015】
また、本実施形態に係る現場管理システム10は、
図1及び
図2に示すように、対象検知部(検知部)111と、出力部13と、を備える。対象検知部111は、現場S1において一時的に設置される電気配線L1に接続され、現場S1における検知対象T1を検知する。出力部13は、対象検知部111の検知結果を出力する。
【0016】
本実施形態に係る現場管理方法及び現場管理システム10では、電気配線L1に対して対象検知部111を接続することにより、対象検知部111にて検知対象T1を検知することができる。すなわち、本実施形態に係る現場管理方法及び現場管理システム10によれば、施工中の現場S1において検知対象T1を検知することができる。
【0017】
(2)詳細
次に、本実施形態に係る検知装置1及び現場管理システム10の構成について、
図1~
図5Cを参照して詳しく説明する。
【0018】
(2.1)定義
本開示でいう「一時的に設置される電気配線」とは、施設の施工中においてのみ使用するために簡易的に設置される電気配線であって、施工後において撤去されることを前提とする電気配線をいう。したがって、この電気配線は、施工後において使用される電気配線とは異なり、完全には固定されない状態で使用される。
【0019】
本開示でいう「施設」は、オフィス、工場、ビル、店舗、学校、福祉施設又は病院等の非住宅施設、及び戸建住宅、集合住宅、又は集合住宅の各住戸等の住宅施設を含む。また、非住宅施設は、劇場、映画館、公会堂、遊技場、複合施設、飲食店、百貨店、ホテル、旅館、幼稚園、図書館、博物館、美術館、地下街、駅及び空港等も含む。さらには、本開示でいう「施設」は、建物(建造物)だけでなく、球場、庭、駐車場、グランド及び公園等の屋外施設を含む。本実施形態では一例として、検知装置1及び現場管理システム10が適用される施設は、集合住宅であることとして説明する。
【0020】
本開示でいう「現場」とは、施工中の施設をいう。また、本開示でいう「施工」とは、施設の新築、リフォーム、増築、解体、設備の据え付け、設備の取り外し等をいう。
【0021】
本開示でいう「特定領域」とは、対象検知部111としての撮像装置8にて撮像される領域であって、現場S1において作業を行っている作業員が含まれるように設定される領域をいう。
【0022】
本開示でいう「特定条件を満たしている」とは、検知装置1に異常が発生している状態をいう。本実施形態では一例として、現場S1の作業員が検知装置1に接触することにより検知装置1が揺れており、撮像装置8にて特定領域R1を撮像できない状態をいう。
【0023】
(2.2)現場管理システム
以下、本実施形態に係る現場管理システム10の構成について説明する。
【0024】
本実施形態に係る現場管理システム10は、
図1及び
図2に示すように、複数(図示例では4つ)の検知装置1と、管理装置2と、中継装置3と、を備えている。本実施形態では一例として、検知装置1と管理装置2とが中継装置3を介して間接的に通信を行う場合を例として説明するが、検知装置1と管理装置2とが直接的に通信を行うことができる場合には中継装置3を省略することができる。また、本実施形態のように、複数の検知装置1を備えている場合には、各検知装置1を識別できるように、各検知装置1に対して識別情報(例えばアドレス)が割り当てられていることが好ましい。
【0025】
(2.2.1)検知装置の構成
検知装置1は、
図2に示すように、検知部11と、データ処理部12と、出力部13と、通信部14と、電源部15と、報知部30と、を備えている。検知部11は、対象検知部111と、給電状態検知部112と、を含む。
【0026】
本実施形態では一例として、検知装置1の構成要素が全て1つの筐体100(
図1参照)に集約されている。つまり、検知装置1における、検知部11、データ処理部12、出力部13、通信部14、電源部15及び報知部30は、全て1つの筐体100に収容されている。
【0027】
また、本実施形態では、検知装置1は、1以上のメモリ及び1以上のプロセッサを含むコンピュータシステムを主構成とする。言い換えると、コンピュータシステムのメモリに記録されたプログラムを、プロセッサが実行することにより、検知装置1の機能が実現される。特に、検知装置1のうちでも、データ処理部12及び出力部13の機能については、コンピュータシステムが主構成となる。プログラムはメモリに予め記録されていてもよいし、インターネット等の電気通信回線を通して提供されてもよく、メモリカード等の非一時的記録媒体に記録されて提供されてもよい。
【0028】
また、検知装置1は、管理装置2に対して、検知対象T1(
図5参照)に関する対象データを通信にて送信する。そのため、検知装置1は、管理装置2と通信可能に構成されている。本開示でいう「通信可能」とは、有線通信又は無線通信の適宜の通信方式により、直接的又は間接的に信号を授受できることを意味する。本実施形態では一例として、検知装置1は、中継装置3及びネットワーク4を介して間接的に、管理装置2と通信可能に構成されている。
【0029】
(2.2.1.1)検知部
検知部11は、上述したように、対象検知部111と、給電状態検知部112と、を含む。
【0030】
対象検知部111は、現場S1(
図3参照)における検知対象T1を検知する。検知対象T1は、例えば、人(作業員)である。対象検知部111は、例えば、撮像装置8である。撮像装置8は、
図3に示すように、検知装置1が電気配線L1に接続された状態において、特定領域R1を撮像するように構成されている。本実施形態では、検知装置1は、複数(図示例では2つ)の対象検知部111を備えている。そのため、この検知装置1によれば、複数の向きにおいて検知対象T1を検知することが可能である。また、本実施形態では、対象検知部111が撮像装置8であるため、対象検知部111は、データ処理部12に対して、撮像装置8にて撮像された撮像画像のデータを検知結果として出力する。
【0031】
給電状態検知部112は、電気器具7への給電状態に応じて動作するように構成されている。ここで、検知装置1は、
図4A及び
図4Bに示すように、電気配線L1に設けられた配線側プラグ受け200(
図1参照)に接続可能な装置側差込プラグ19と、電気器具7に設けられた器具側差込プラグ71が接続可能な装置側プラグ受け20と、を備えている。したがって、検知装置1は、電気配線L1からの給電を受けて、電気器具7に対して給電を行うことができる。給電状態検知部112は、例えば、バイメタルを含む。給電状態検知部112は、電気器具7に流れる電流によりバイメタルが変形することをもって、電気器具7の過電流を検知する。データ処理部12は、給電状態検知部112が電気器具7の過電流を検知すると、電気器具7への給電を停止する。電気器具7は、例えば、照明器具であるが、発電機、電動工具のような現場S1において使用される電気器具であってもよい。
【0032】
(2.2.1.2)データ処理部
データ処理部12は、上述したように、コンピュータシステムのメモリに記録されたプログラムをプロセッサが実行することにより、その機能が実現される。データ処理部12は、対象検知部111の検知結果に基づいて対象データを作成するデータ処理を実行する。対象データは、検知対象T1に関するデータである。本実施形態では、検知対象T1は作業員であるため、対象データは、作業員に関するデータである。作業員に関するデータは、作業員の人数、位置、滞在時間及び識別等を含む。
【0033】
データ処理部12は、例えば、対象検知部111としての撮像装置8の検知結果である撮像画像から特徴となる形状を抽出し、時系列で連続する2つの形状の移動量が所定値以上の場合に検知装置1が揺れていると判定し、データ処理を停止する。つまり、データ処理部12は、検知装置1が動いているときの対象データを除去するように構成されている。一方、データ処理部12は、時系列で連続する2つの形状の移動量が所定値よりも小さい場合には、検知装置1が正常であると判定し、データ処理を実行する。
【0034】
(2.2.1.3)出力部
出力部13は、上述したように、コンピュータシステムのメモリに記録されたプログラムをプロセッサが実行することにより、その機能が実現される。出力部13は、対象検知部111の検知結果を出力するように構成されている。より詳細には、出力部13は、データ処理部12で作成された対象データを通信部14に出力する。
【0035】
(2.2.1.4)通信部
通信部14は、管理装置2との間で通信可能な通信インターフェースである。通信部14は、中継装置3、及びインターネット等のネットワーク4を介して間接的に、管理装置2と通信可能である。これにより、検知装置1は、管理装置2に対して、データ処理部12で作成した対象データを送信することができる。通信部14は、例えば、1分又は5分ごとに、管理装置2に対して、対象データ及び検知装置1の識別情報を含む通信信号を送信する。したがって、この場合には、検知装置1は、対象データを記録するためのメモリを備えていることが好ましい。
【0036】
(2.2.1.5)電源部
電源部15は、電気配線L1からの給電を受けて、各部(検知部11、データ処理部12、出力部13、通信部14及び報知部30)の動作電源を生成するように構成されている。電源部15は、例えば、AC-DCコンバータを含む。
【0037】
(2.2.1.6)報知部
報知部30は、検知装置1に異常が発生していることを報知するように構成されている。報知部30は、例えば、音声出力部及びブザーを含む。報知部30は、検知装置1が揺れていることによりデータ処理部12がデータ処理を行えない場合に、例えば、「検知装置○○が異常です」等の音声メッセージを出力し、かつブザーを鳴動させる。
【0038】
また、報知部30は、例えば、給電状態検知部112が電気器具7の過電流を検知した場合に、その旨を報知してもよい。
【0039】
(2.2.2)検知装置の構造
検知装置1は、
図2に示すように、調整機構16と、保持機構17と、復帰機構18と、を備えている。さらに、検知装置1は、
図4A及び
図4Bに示すように、装置側差込プラグ19と、装置側プラグ受け20と、筐体100と、を備えている。
【0040】
(2.2.2.1)調整機構
調整機構16は、装置側差込プラグ19に対する筐体100の位置を調整するための機構である。調整機構16は、
図5A~
図5Cに示すように、回転部160を有する。回転部160は、装置側差込プラグ19に対して筐体100を回転させるための機構である。本実施形態では、装置側差込プラグ19に対して筐体100を水平方向に回転させることで、筐体100の位置を調整する場合を例にして説明するが、装置側差込プラグ19に対する筐体100の調整方向(回転方向)は鉛直方向であってもよい。
【0041】
図5Aは、調整機構16の第1例を示す斜視図である。
図5Aの例では、調整機構16は、第1部材161と、第2部材162と、を含む。本実施形態では、第1部材161が装置側差込プラグ19に設けられており、第2部材162が筐体100に設けられているが、その逆でもよい。
【0042】
第1部材161は、例えば、円環状である。第1部材161における第2部材162との対向面(
図5Aの下面)には、複数の突起1611が周方向に沿って等間隔に設けられている。第2部材162は、第1部材161と同様、円環状である。第2部材162における第1部材161との対向面(
図5Aの上面)には、複数の溝1621が周方向に沿って等間隔に設けられている。
【0043】
この調整機構16では、複数の突起1611の各々が、複数の溝1621に対して順番に嵌まり込むことにより、装置側差込プラグ19に対して筐体100を回転させることができる。そして、第1部材161に対する第2部材162の回転量を調整することにより、装置側差込プラグ19に対する筐体100の位置を調整することができる。
【0044】
図5Bは、調整機構16の第2例を示す斜視図である。
図5Bの例では、調整機構16は、第1ギア163と、第2ギア164と、を含む。本実施形態では、第1ギア163が装置側差込プラグ19に設けられており、第2ギア164が筐体100に設けられているが、その逆でもよい。
【0045】
第1ギア163は、例えば、円板状である。第1ギア163の外周縁には、複数の第1歯1631が周方向に沿って等間隔に設けられている。第2ギア164は、例えば、一面(上面)が開口した扁平な円筒状である。第2ギア164の上端縁には、複数の第2歯1641が周方向に沿って等間隔に設けられている。
【0046】
この調整機構16では、第1ギア163の第1歯1631と第2ギア164の第2歯1641とが噛み合うことにより、装置側差込プラグ19に対して筐体100を回転させることができる。そして、第1ギア163に対する第2ギア164の回転量を調整することにより、装置側差込プラグ19に対する筐体100の位置を調整することができる。
【0047】
図5Cは、調整機構16の第3例を示す斜視図である。
図5Cの例では、調整機構16は、歯車165と、爪166と、を含む。調整機構16は、いわゆるラチェット構造を有する。本実施形態では、歯車165が装置側差込プラグ19に設けられており、爪166が筐体100に設けられているが、その逆でもよい。
【0048】
歯車165は、例えば、円板状である。歯車165の外周縁には、複数の歯1651が周方向に沿って等間隔に設けられている。複数の歯1651の各々は、歯車165の回転方向のうち一方の向きである第1向きに傾いた形状である。これにより、歯車165は、第1向きとは反対の向きである第2向きにしか回転することができない。
【0049】
この調整機構16では、隣接する2つの歯1651間に設けられた溝1652内に爪166が入り込むことにより、歯車165は、第2向きへの回転は許容されるが、第1向きへの回転は規制される。また、この調整機構16では、爪166が入り込む溝1652の位置を変えることにより、装置側差込プラグ19に対して筐体100を回転させることができる。そして、歯車165に対する爪166の回転量を調整することにより、装置側差込プラグ19に対する筐体100の位置を調整することができる。
【0050】
ここで、検知装置1に対するストレスが所定値以下となるように、調整機構16の可動範囲(回転範囲)を規制するための規制部が設けられていることが好ましい。この場合において、調整機構16の可動範囲は±180°以下であることが好ましい。
【0051】
(2.2.2.2)保持機構
保持機構17は、調整機構16により装置側差込プラグ19に対する筐体100の位置を調整した後に、装置側差込プラグ19に対する筐体100の位置を保持するための機構である。
【0052】
保持機構17は、例えば、ねじである。この場合、装置側差込プラグ19の一部に通したねじを、筐体100に設けられたねじ孔にねじ込むことにより、装置側差込プラグ19に対して筐体100を固定することができる。言い換えると、保持機構17としてのねじにより、装置側差込プラグ19に対する筐体100の位置を保持することができる。
【0053】
また、保持機構17は、例えば、リング状のクリップであってもよい。この場合、筐体100の一部と共に、装置側差込プラグ19をクリップのリング部分にて挟み込むことにより、装置側差込プラグ19に対して筐体100を固定することができる。言い換えると、保持機構17としてのグリップにより、装置側差込プラグ19に対する筐体100の位置を保持することができる。
【0054】
なお、保持機構17は、装置側差込プラグ19に対して筐体100を保持可能な機構であればよく、例えば、クランプ(clamp)であってもよい。
【0055】
(2.2.2.3)復帰機構
復帰機構18は、装置側差込プラグ19に対する筐体100の位置を元の位置に復帰させるための機構である。復帰機構18は、例えば、モータと、モータからの駆動力にて回転可能なギアと、を含む。ギアは、筐体100に連結されている。例えば、作業員が検知装置1に接触することにより、装置側差込プラグ19に対する筐体100の位置が第1位置から第2位置に変化した場合を想定する。この場合、復帰機構18は、モータからの駆動力にてギアを回転させることにより、筐体100を自動的に第1位置に復帰させることができる。
【0056】
また、復帰機構18は、例えば、硬質ゴムからなる弾性部材であってもよい。弾性部材は、例えば、丸棒状である。弾性部材は、その長さ方向が筐体100と装置側差込プラグ19とが並ぶ方向となるように、筐体100と装置側差込プラグ19とに跨って取り付けられている。この場合、装置側差込プラグ19に対して筐体100が回転することで弾性部材にねじれ力が発生するが、このねじれ力が復元力となって、装置側差込プラグ19に対する筐体100の位置を元の位置(第1位置)に復帰させることができる。
【0057】
(2.2.2.4)装置側差込プラグ
装置側差込プラグ19は、上述したように、筐体100に対して回転可能に構成されている。装置側差込プラグ19は、電気配線L1に設けられた配線側プラグ受け200(
図1参照)に接続可能である。電気配線L1は、施工中の現場S1(
図5参照)において一時的に設置されている電気配線である。そして、配線側プラグ受け200に装置側差込プラグ19を接続することにより、電気配線L1からの電力が検知装置1に供給される。なお、
図3に示すように、天井W1から露出する電気配線L1に対して検知装置1を接続する場合を考慮して、検知装置1が電気配線L1から外れないようにするための抜け止め構造が検知装置1に設けられていることが好ましい。
【0058】
(2.2.2.5)装置側プラグ受け
装置側プラグ受け20は、電気器具7に対して給電するために設けられている。装置側プラグ受け20は、電気器具7に設けられた器具側差込プラグ71が接続可能である。装置側プラグ受け20は、筐体100における装置側差込プラグ19とは反対側の面(
図4Aの下面)に設けられている。そして、装置側プラグ受け20に器具側差込プラグ71を接続することにより、検知装置1から電気器具7に電力を供給することができる。なお、
図3に示すように、天井W1から露出する電気配線L1に対して検知装置1を接続する場合を考慮して、電気器具7が検知装置1から外れないようにするための抜け止め構造が検知装置1に設けられていることが好ましい。
【0059】
(2.2.2.6)筐体
筐体100は、例えば、ABS(Acrylonitrile Butadiene Styrene)樹脂等の合成樹脂により直方体状に形成されている。筐体100は、対象検知部111を保持する。本実施形態では、筐体100は、対象検知部111に加えて、給電状態検知部112、データ処理部12、出力部13、通信部14、電源部15及び報知部30を保持している。また、本実施形態では、筐体100は、調整機構16、保持機構17、復帰機構18、装置側差込プラグ19及び装置側プラグ受け20を保持している。つまり、検知装置1における、検知部11、データ処理部12、出力部13、通信部14、電源部15、調整機構16、保持機構17、復帰機構18、装置側差込プラグ19及び装置側プラグ受け20の全てが1つの筐体100に保持されている。
【0060】
(2.2.3)管理装置
管理装置2は、検知装置1から送られてくる対象データを管理するための装置である。管理装置2は、例えば、サーバである。管理装置2は、
図2に示すように、記憶部21と、通信部22と、を備えている。
【0061】
(2.2.3.1)記憶部
記憶部21は、例えば、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)のような書き換え可能な不揮発性メモリを含む。記憶部21は、対象データを記録する。より詳細には、記憶部21は、複数の検知装置1の各々から送られてくる対象データを、各検知装置1に割り当てられた識別情報(例えばアドレス)に対応付けて記録する。したがって、管理装置2では、各対象データがどの検知装置1に対応するデータであるかを識別することができる。
【0062】
(2.2.3.2)通信部
通信部22は、各検知装置1との間で通信可能な通信インターフェースである。通信部22は、中継装置3、及びインターネット等のネットワーク4を介して間接的に、各検知装置1と通信可能である。これにより、管理装置2は、各検知装置1から送信される対象データを受信することができる。
【0063】
また、通信部22は、
図2に示すように、携帯端末5とも通信可能に構成されている。携帯端末5は、人(作業員)P1が所有するスマートフォン又はタブレット等である。本実施形態では一例として、携帯端末5はスマートフォンである。
【0064】
携帯端末5は、
図2に示すように、通信事業者が提供する携帯電話網6(キャリア網)又は公衆無線LAN(Local Area Network)等を介してネットワーク4に接続されている。携帯電話網6には、3G(第3世代)回線、LTE(Long Term Evolution)回線、4G(第4世代)回線又は5G(第5世代)回線等がある。これにより、携帯端末5は、携帯電話網6に接続可能な環境であれば、携帯電話網6を介してネットワーク4に接続可能となる。
【0065】
管理装置2では、例えば、通信部22が携帯端末5からの要求信号を受信すると、要求信号に含まれている検知装置1の識別情報に基づいて、この識別情報に対応付けられている対象データを記憶部21から読み出す。そして、管理装置2では、記憶部21から読み出した対象データを含む通信信号を通信部22から携帯端末5に送信させる。
【0066】
(2.2.4)中継装置
中継装置3は、各検知装置1と管理装置2との間の通信を中継するための装置である。中継装置3は、各検知装置1との間で無線通信を行うための無線通信部と、管理装置2との間でネットワーク4を介して通信を行うための有線通信部と、を備えている。中継装置3は、無線通信部を介して各検知装置1から受信した対象データを、有線通信部及びネットワーク4を介して管理装置2に送信する。
【0067】
(3)現場管理方法
次に、本実施形態に係る現場管理方法について、
図6及び
図7を参照して説明する。
【0068】
(3.1)第1例
まず、本実施形態に係る現場管理方法の第1例について、
図6を参照して説明する。
【0069】
本実施形態に係る現場管理方法は、接続工程(
図6の「ST11」に相当)と、検知工程(
図6の「ST13」に相当)と、出力工程(
図6の「ST15」に相当)と、を有する。接続工程は、現場S1(
図3参照)において一時的に設置される電気配線L1に、現場S1における検知対象T1を検知する対象検知部111を接続する工程である。検知工程は、対象検知部111にて検知対象T1を検知する工程である。出力工程は、対象検知部111の検知結果を出力する工程である。
【0070】
すなわち、本実施形態に係る現場管理方法は、本実施形態に係る現場管理システム10を用いて、現場S1の状況を管理するための方法である。この現場管理方法では、電気配線L1に対して対象検知部111を接続することにより、対象検知部111にて検知対象T1を検知することができる。つまり、本実施形態に係る現場管理方法によれば、施工中の現場S1において検知対象T1を検知することができる。
【0071】
また、現場管理方法は、設置工程(
図6の「ST12」に相当)を更に有する。設置工程は、対象検知部111を設置する工程である。設置工程では、少なくとも対象検知部111の向きを調整することにより対象検知部111の検知範囲を調整する。この構成によれば、対象検知部111の検知範囲を調整することができる。
【0072】
また、現場管理方法は、管理工程(
図6の「ST16」に相当)を更に有する。管理工程は、対象検知部111の検知結果を受けて、現場S1の状況に関する現場情報を管理する工程である。この構成によれば、現場S1の状況を管理することができる。本実施形態では一例として、現場情報は、現場S1における人(作業員)に関する情報を含む。
【0073】
また、現場管理方法は、報知工程(
図6の「ST17」に相当)を更に有する。報知工程は、対象検知部111の検知結果が特定条件を満たしている場合に報知を行う工程である。この構成によれば、対象検知部111の検知結果に応じた報知を行うことができる。
【0074】
図6は、本実施形態に係る現場管理方法を含む、現場管理システム10の第1動作を表すフローチャートである。
【0075】
施工者は、接続工程において、電気配線L1に対して検知装置1を接続する(ステップST11)。より詳細には、施工者は、電気配線L1に設けられた配線側プラグ受け200に、検知装置1に設けられた装置側差込プラグ19を接続する(差し込む)。これにより、検知装置1が電気配線L1に電気的に接続され、かつ機械的に保持される。
【0076】
次に、施工者は、設置工程において、対象検知部111の検知範囲を調整する(ステップST12)。より詳細には、施工者は、調整機構16を用いて、装置側差込プラグ19に対する筐体100の向きを調整する(ステップST12)。これにより、対象検知部111の検知範囲が調整される。上述のステップST11,ST12により、検知装置1の設置が完了する。
【0077】
次に、検知装置1の対象検知部111は、検知工程において、現場S1における検知対象T1である作業員の検知を開始する(ステップST13)。対象検知部111は、検知結果である撮像画像のデータをデータ処理部12に出力する。
【0078】
データ処理部12は、対象検知部111の検知結果が特定条件を満たしているか否かを判定する(ステップST14)。データ処理部12は、対象検知部111の検知結果が特定条件を満たしていない場合(ステップST14;No)には、出力部13に出力工程を実行させる。
【0079】
出力部13は、出力工程において、データ処理部12が作成した対象データをデータ処理部12から取得し、取得した対象データを通信部14に出力する(ステップST15)。本実施形態では、複数の検知装置1が設けられているため、出力部13は、出力工程において、複数の対象データを通信部14に出力する。通信部14は、出力部13から受け取った対象データ、及び検知装置1の識別情報を含む通信信号を作成し、作成した通信信号を中継装置3及びネットワーク4を介して管理装置2に送信する。
【0080】
管理装置2では、管理工程が実行される。より詳細には、管理装置2の記憶部21は、管理工程において、通信部22が受信した上記通信信号に含まれている対象データと識別情報とを対応付けて記録する(ステップST16)。つまり、管理工程において管理される現場情報は、現場S1における人(作業員)に関する人情報を含む。
【0081】
一方、データ処理部12は、対象検知部111の検知結果が特定条件を満たしている場合(ステップST14;Yes)には、報知部30に報知工程を実行させる。報知部30は、報知工程において、例えば、「検知装置○○が異常です」等の音声メッセージを出力し、かつブザーを鳴動させる(ステップST17)。なお、この場合において、報知部30は、音声メッセージのみを出力してもよいし、ブザーのみを鳴動させてもよい。
【0082】
(3.2)第2例
次に、本実施形態に係る現場管理方法の第2例について、
図7を参照して説明する。
【0083】
本実施形態に係る現場管理方法は、取り外し工程(
図7の「ST21」に相当)を更に有する。取り外し工程は、電気配線L1から対象検知部111を取り外す工程である。この構成によれば、施工後において検知装置1を撤去することができる。
【0084】
また、本実施形態に係る現場管理方法は、移設工程(
図7の「ST22」に相当)を更に有する。移設工程は、上述の設置工程で設置された対象検知部111を移設する工程である。この構成によれば、検知装置1を移設することができる。
【0085】
図7は、本実施形態に係る現場管理方法を含む、現場管理システム10の第2動作を表すフローチャートである。
【0086】
施工者は、取り外し工程において、電気配線L1から検知装置1を取り外す(ステップST21)。より詳細には、施工者は、電気配線L1の配線側プラグ受け200と検知装置1の装置側差込プラグ19との接続を解除する。これにより、電気配線L1から検知装置1を取り外すことができる。
【0087】
次に、施工者は、移設工程において、移設先の電気配線L1に検知装置1を接続する(ステップST22)。より詳細には、施工者は、移設先の電気配線L1に設けられた配線側プラグ受け200に検知装置1の装置側差込プラグ19を接続する(差し込む)。これにより、検知装置1の移設が完了する。なお、検知装置1の移設後においては、
図6のステップST13~ST17が実行される。
【0088】
(4)変形例
上述の実施形態は、本開示の様々な実施形態の一つに過ぎない。上述の実施形態は、本開示の目的を達成できれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。
【0089】
以下、上述の実施形態の変形例を列挙する。以下に説明する変形例は、適宜組み合わせて適用可能である。
【0090】
(4.1)変形例1
検知部11Aは、
図8に示すように、検知装置1Aの姿勢を検知するための姿勢検知部113を更に含んでいてもよい。言い換えると、検知装置1Aは、加速度及び角速度の少なくとも一方を検知する姿勢検知部113を更に備えていてもよい。以下、変形例1に係る検知装置1Aについて、
図8を参照して説明する。なお、姿勢検知部113以外の構成については、上述の実施形態で説明した検知装置1と同様であり、同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
【0091】
姿勢検知部113は、検知装置1の加速度及び角速度の少なくとも一方を検知することにより、検知装置1Aの姿勢を検知するように構成されている。姿勢検知部113は、加速度センサ及び角速度センサの少なくとも一方を含む。本実施形態では、姿勢検知部113は、加速度センサ及び角速度センサの両方を含む。したがって、変形例1に係る検知装置1Aでは、検知装置1Aの加速度及び角速度の両方を検知することができる。姿勢検知部113は、データ処理部12に対して、検知装置1Aの加速度及び角速度を検知結果として出力する。
【0092】
データ処理部12は、姿勢検知部113の検知結果に基づいてデータ処理を実行する。より詳細には、データ処理部12は、例えば、姿勢検知部113の検知結果である検知装置1Aの加速度及び角速度の少なくとも一方が所定値以上の場合に、検知装置1Aが揺れていると判断し、データ処理を停止する。つまり、データ処理部12は、検知装置1Aが動いているときの対象データを除去するように構成されている。一方、データ処理部12は、検知装置1Aの加速度及び角速度の両方が所定値よりも小さい場合に、データ処理を実行する。
【0093】
変形例1に係る検知装置1Aによれば、検知装置1Aが揺れている場合の対象データを除去しているので、正確な対象データのみを取得することができる。
【0094】
(4.2)その他の変形例
以下、その他の変形例を列挙する。
【0095】
本開示における現場管理システム10は、コンピュータシステムを含んでいる。コンピュータシステムは、ハードウェアとしてのプロセッサ及びメモリを主構成とする。コンピュータシステムのメモリに記録されたプログラムをプロセッサが実行することによって、本開示における現場管理システム10としての機能が実現される。プログラムは、コンピュータシステムのメモリに予め記録されてもよく、電気通信回線を通じて提供されてもよく、コンピュータシステムで読み取り可能なメモリカード、光学ディスク、ハードディスクドライブ等の非一時的記録媒体に記録されて提供されてもよい。コンピュータシステムのプロセッサは、半導体集積回路(IC)又は大規模集積回路(LSI)を含む1ないし複数の電子回路で構成される。ここでいうIC又はLSI等の集積回路は、集積の度合いによって呼び方が異なっており、システムLSI、VLSI(Very Large Scale Integration)、又はULSI(Ultra Large Scale Integration)と呼ばれる集積回路を含む。さらに、LSIの製造後にプログラムされる、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、又はLSI内部の接合関係の再構成若しくはLSI内部の回路区画の再構成が可能な論理デバイスについても、プロセッサとして採用することができる。複数の電子回路は、1つのチップに集約されていてもよいし、複数のチップに分散して設けられていてもよい。複数のチップは、1つの装置に集約されていてもよいし、複数の装置に分散して設けられていてもよい。ここでいうコンピュータシステムは、1以上のプロセッサ及び1以上のメモリを有するマイクロコントローラを含む。したがって、マイクロコントローラについても、半導体集積回路又は大規模集積回路を含む1ないし複数の電子回路で構成される。
【0096】
また、現場管理システム10における複数の機能が、1つの筐体内に集約されていることは現場管理システム10に必須の構成ではなく、現場管理システム10の構成要素は、複数の筐体に分散して設けられていてもよい。さらに、現場管理システム10の少なくとも一部の機能、例えば、管理装置2の一部の機能がクラウド(クラウドコンピューティング)等によって実現されてもよい。
【0097】
反対に、上述の実施形態において、複数の装置に分散されている現場管理システム10の少なくとも一部の機能が、1つの筐体内に集約されていてもよい。例えば、検知装置1と管理装置2とに分散されている現場管理システム10の一部の機能が、1つの筐体内に集約されていてもよい。
【0098】
さらに、検知装置1における複数の機能が、1つの筐体内に集約されていることは検知装置1に必須の構成ではなく、検知装置1の構成要素は、複数の筐体に分散して設けられていてもよい。また、検知装置1の少なくとも一部の機能、例えば、データ処理部12の機能がクラウド(クラウドコンピューティング)等によって実現されてもよい。
【0099】
上述の実施形態では、管理装置2はサーバであるが、これに限らない。管理装置2は、例えば、クラウドコンピューティングであってもよい。
【0100】
上述の実施形態では、検知対象T1は人(作業員)であるが、これに限らない。検知対象T1は、例えば、現場S1で用いられる機材(例えば発電機、工具)及び現場S1で施工される部材(例えば壁材)の少なくとも一方であってもよい。すなわち、管理装置2で管理される情報(現場情報)は、現場S1で用いられる機材及び現場S1で施工される部材の少なくとも一方に関する物情報であってもよい。
【0101】
上述の実施形態では、検知装置1は、中継装置3及びネットワーク4を介して管理装置2と通信を行っている。これに対して、検知装置1は電気配線L1に接続されているため、例えば、検知装置1と管理装置2とが電力線搬送通信(PLC:Power Line Communication)を行ってもよい。
【0102】
上述の実施形態では、通信部14は、管理装置2に対して対象データを定期的(1分又は5分ごと)に送信しているが、例えば、管理装置2に対して対象データを常時送信してもよい。この場合、対象データを記録するためのメモリが不要である、という利点がある。
【0103】
上述の実施形態では、対象検知部111が撮像装置8であるが、これに限らない。対象検知部111は、例えば、赤外線センサであってもよいし、屋内位置情報システム(LPS)用のスキャナであってもよい。対象検知部111が上記スキャナの場合、例えば、作業員(人)P1が所持する携帯端末5との間でBLE(Bluetooth(登録商標) Low Energy)に準拠した無線通信を行うことで、作業員の位置を特定することができる。
【0104】
また、対象検知部111は、例えば、地震を検知する感震センサ、火災を検知する火災センサ(火災報知器)、又は浸水を検知する浸水センサのような防災用のセンサであってもよい。さらに、対象検知部111は、音を検知する音センサ、又は振動を検知する振動センサのような防犯用のセンサであってもよい。
【0105】
上述の実施形態では、給電状態検知部112が電気器具7の過電流を検知しているが、これに限らない。給電状態検知部112は、例えば、電気器具7の漏電を検知してもよい。また、この場合において、電気器具7の漏電を検知したことを報知部30に報知させてもよい。
【0106】
上述の実施形態では、管理装置2において、検知装置1からの対象データを記憶部21に記憶させているが、例えば、管理装置2が表示部を備えている場合には対象データを表示部に表示させてもよい。さらに、管理装置2がプリンタを備えている場合には、対象データをプリントアウトしてもよい。また、管理装置2は、検知装置1からの対象データを他の外部装置に転送してもよいし、SDカードのような外部メモリに書き出してもよい。
【0107】
検知装置1は、
図1に示すように、照明装置31を備えていてもよい。これにより、現場S1を照明することができる。この場合において、照明装置31が筐体100の側面に取り付けられている場合には、
図1に示すように、支持部材32により検知装置1を電気配線L1に固定できるようになっていることが好ましい。これにより、照明装置31の突出方向が水平方向となるように検知装置1を電気配線L1に取り付けることができる。また、照明装置31からの光が筐体100内に入射するような構造の場合には、照明装置31と各対象検知部111との間に遮光部材が設けられていることが好ましい。これにより、対象検知部111に対する照明装置31の光の影響を低減することができる。
【0108】
(まとめ)
以上説明したように、第1の態様に係る現場管理方法は、接続工程(
図6の「ST11」に相当)と、検知工程(
図6の「ST13」に相当)と、出力工程(
図6の「ST15」に相当)と、を有する。接続工程は、現場(S1)において一時的に設置される電気配線(L1)に、現場(S1)における検知対象(T1)を検知する検知部(111)を接続する工程である。検知工程は、検知部(111)にて検知対象(T1)を検知する工程である。出力工程は、検知部(111)の検知結果を出力する工程である。
【0109】
この態様によれば、電気配線(L1)に対して検知部(111)を接続することにより検知部(111)にて検知対象(T1)を検知することができる。つまり、この態様によれば、施工中の現場(S1)において検知対象(T1)を検知することができる。
【0110】
第2の態様に係る現場管理方法は、第1の態様において、取り外し工程(
図7の「ST21」に相当)を更に有する。取り外し工程は、電気配線(L1)から検知部(111)を取り外す工程である。
【0111】
この態様によれば、施工後において検知部(111)を撤去することができる。
【0112】
第3の態様に係る現場管理方法は、第1又は第2の態様において、設置工程(
図6の「ST12」に相当)を更に有する。設置工程は、検知部(111)を設置する工程である。設置工程(ST12)では、少なくとも検知部(111)の向きを調整することで検知部(111)の検知範囲を調整する。
【0113】
この態様によれば、検知部(111)の検知範囲を調整することができる。
【0114】
第4の態様に係る現場管理方法は、第3の態様において、移設工程(
図7の「ST22」に相当)を更に有する。移設工程は、設置工程(ST12)で設置された検知部(111)を移設する工程である。
【0115】
この態様によれば、検知部(111)を移設することができる。
【0116】
第5の態様に係る現場管理方法では、第1~第4の態様のいずれか1つにおいて、検知部(111)が複数設置されている。出力工程では、複数の検知部(111)の検知結果を出力する。
【0117】
この態様によれば、複数の検知部(111)の検知結果を出力することができる。
【0118】
第6の態様に係る現場管理方法は、第1~第5の態様のいずれか1つにおいて、管理工程(
図6の「ST16」に相当)を更に有する。管理工程は、検知部(111)の検知結果を受けて、現場(S1)の状況に関する現場情報を管理する工程である。
【0119】
この態様によれば、現場情報を管理することができる。
【0120】
第7の態様に係る現場管理方法では、第6の態様において、現場情報は、現場(S1)における人(P1)に関する人情報を含む。
【0121】
この態様によれば、人情報を管理することができる。
【0122】
第8の態様に係る現場管理方法では、第6又は第7の態様において、現場情報は、現場(S1)で用いられる機材及び現場(S1)で施工される部材の少なくとも一方に関する物情報を含む。
【0123】
この態様によれば、物情報を管理することができる。
【0124】
第9の態様に係る現場管理方法は、第1~第8の態様のいずれか1つにおいて、報知工程(
図6も「ST17」に相当)を更に有する。報知工程は、検知部(111)の検知結果が特定条件を満たしている場合に報知を行う工程である。
【0125】
この態様によれば、検知部(111)の検知結果に応じた報知を行うことができる。
【0126】
第10の態様に係る現場管理システム(10)は、検知部(111)と、出力部(13)と、を備える。検知部(111)は、現場(S1)において一時的に設置される電気配線(L1)に接続され、現場(S1)における検知対象(T1)を検知する。出力部(13)は、検知部(111)の検知結果を出力する。
【0127】
この態様によれば、電気配線(L1)に対して検知部(111)を接続することにより検知部(111)にて検知対象(T1)を検知することができる。つまり、この態様によれば、施工中の現場(S1)において検知対象(T1)を検知することができる。
【0128】
第2~第9の態様に係る構成については、現場管理方法に必須の構成ではなく、適宜省略可能である。
【符号の説明】
【0129】
10 現場管理システム
13 出力部
111 対象検知部(検知部)
L1 電気配線
P1 人
S1 現場
T1 検知対象
ST11 ステップ(接続工程)
ST12 ステップ(設置工程)
ST13 ステップ(検知工程)
ST15 ステップ(出力工程)
ST16 ステップ(管理工程)
ST17 ステップ(報知工程)
ST21 ステップ(取り外し工程)
ST22 ステップ(移設工程)