(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-14
(45)【発行日】2023-12-22
(54)【発明の名称】集塵装置、及び、ノズルユニット
(51)【国際特許分類】
A47L 9/02 20060101AFI20231215BHJP
A47L 9/06 20060101ALI20231215BHJP
A47L 5/24 20060101ALI20231215BHJP
【FI】
A47L9/02 A
A47L9/06 Z
A47L5/24 A
(21)【出願番号】P 2020113591
(22)【出願日】2020-06-30
【審査請求日】2023-03-13
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002527
【氏名又は名称】弁理士法人北斗特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】外山 一人
(72)【発明者】
【氏名】工藤 敏男
【審査官】東 勝之
(56)【参考文献】
【文献】特開平02-052618(JP,A)
【文献】特開2008-212223(JP,A)
【文献】特開2020-018668(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47L 9/00 - 9/32
A47L 5/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ノズル部を有し、ごみを吸引する吸引風を発生させて前記ノズル部を介してごみを吸引する集塵装置であって、
前記ノズル部は、形状が異なる前端部を有する第1ノズル及び第2ノズルを有し、
前記第2ノズルは、前記第1ノズルの軸に沿って第1位置と第2位置との間で相対的に移動可能であり、
前記第1位置及び前記第2位置は、前記第1ノズルの前端部と前記第2ノズルの前端部との位置関係が異な
り、
前記第1ノズルは、前記第2ノズルの内側にあり、
前記第1ノズルは、外面に第1係止部を有し、
前記第2ノズルは、内面に第2係止部を有し、
前記第1係止部と前記第2係止部とは、前記第1位置及び前記第2位置において、前記第1ノズルと前記第2ノズルの軸が平行している場合に、互いに結合し、
前記第1係止部と前記第2係止部とは、前記第1位置及び前記第2位置において、前記第1ノズルと前記第2ノズルの軸が交差している場合に、互いに結合せず、
前記第1ノズル及び前記第2ノズルは、前記第1ノズルの前記軸周りの前記第2ノズルの回転を規制する突起を更に有する、
集塵装置。
【請求項2】
前記第2ノズルは、前端部にブラシ部を有し、
前記第1ノズルは、前端部にブラシ部を有していない、
請求項1の集塵装置。
【請求項3】
前記第1位置は、前記第1ノズルの前端部が前記第2ノズルの前端部より前にある位置であり、
前記第2位置は、前記第2ノズルの前端部が前記第1ノズルの前端部より前にある位置である、
請求項2の集塵装置。
【請求項4】
前記第2ノズルは、
前記第2ノズルの軸に沿って延びる第1壁部と、
前記第2ノズルの軸に対して前記第1壁部と反対側にある第2壁部と、を有し、
前記第2ノズルは、前記第1壁部で、前記第1ノズルに、前記第1ノズルの軸に交差する揺動軸の周りに基準位置と傾倒位置との間で揺動可能に支持され、
前記基準位置は、前記第1ノズルと前記第2ノズルの軸が平行する位置であり、
前記傾倒位置は、前記第1ノズルと前記第2ノズルの軸が交差する位置であり、
前記第2係止部は、前記第2ノズルの第2壁部にある、
請求項1~3のいずれか一つの集塵装置。
【請求項5】
前記第1ノズルは、外面に第1補助係止部を有し、
前記第2ノズルは、内面に第2補助係止部を有し、
前記第1補助係止部と前記第2補助係止部とは、前記第1位置及び前記第2位置において、前記第1ノズルと前記第2ノズルの軸が平行している場合に、互いに結合し、
前記第1補助係止部と前記第2補助係止部とは、前記第1位置及び前記第2位置において、前記第1ノズルと前記第2ノズルの軸が交差している場合に、互いに結合せず、
前記第2ノズルは、前記第1壁部と前記第2壁部とをつなぐ一対の側壁部を有し、
前記第2補助係止部は、前記第2ノズルの一対の側壁部の少なくとも一方にある、
請求項4の集塵装置。
【請求項6】
ノズル部を有し、ごみを吸引する吸引風を発生させて前記ノズル部を介してごみを吸引する集塵装置であって、
前記ノズル部は、形状が異なる前端部を有する第1ノズル及び第2ノズルを有し、
前記第2ノズルは、前記第1ノズルの軸に沿って第1位置と第2位置との間で相対的に移動可能であり、
前記第1位置及び前記第2位置は、前記第1ノズルの前端部と前記第2ノズルの前端部との位置関係が異なり、
前記第2ノズルは、前端部にブラシ部を有し、
前記第1ノズルは、前端部にブラシ部を有しておらず、
前記第1ノズルは、前記第2ノズルの内側にあり、
前記第1ノズルは、外面に第1係止部を有し、
前記第2ノズルは、内面に第2係止部を有し、
前記第1係止部と前記第2係止部とは、前記第1位置及び前記第2位置において、前記第1ノズルと前記第2ノズルの軸が平行している場合に、互いに結合し、
前記第1係止部と前記第2係止部とは、前記第1位置及び前記第2位置において、前記第1ノズルと前記第2ノズルの軸が交差している場合に、互いに結合せず、
前記第2ノズルは、
前記第2ノズルの軸に沿って延びる第1壁部と、
前記第2ノズルの軸に対して前記第1壁部と反対側にある第2壁部と、を有し、
前記第2ノズルは、前記第1壁部で、前記第1ノズルに、前記第1ノズルの軸に交差する揺動軸の周りに基準位置と傾倒位置との間で揺動可能に支持され、
前記基準位置は、前記第1ノズルと前記第2ノズルの軸が平行する位置であり、
前記傾倒位置は、前記第1ノズルと前記第2ノズルの軸が交差する位置であり、
前記第2係止部は、前記第2ノズルの第2壁部にあり、
前記第1ノズルは、外面に第1補助係止部を有し、
前記第2ノズルは、内面に第2補助係止部を有し、
前記第1補助係止部と前記第2補助係止部とは、前記第1位置及び前記第2位置において、前記第1ノズルと前記第2ノズルの軸が平行している場合に、互いに結合し、
前記第1補助係止部と前記第2補助係止部とは、前記第1位置及び前記第2位置において、前記第1ノズルと前記第2ノズルの軸が交差している場合に、互いに結合せず、
前記第2ノズルは、前記第1壁部と前記第2壁部とをつなぐ一対の側壁部を有し、
前記第2補助係止部は、前記第2ノズルの一対の側壁部の少なくとも一方にある、
集塵装置。
【請求項7】
前記第2補助係止部は、突起であり、
前記第1補助係止部は、
前記第1ノズルの軸に沿って並び前記突起が嵌る一対の凹部と、
前記一対の凹部間で前記突起が摺動するガイド溝と、
を含む、
請求項5又は6の集塵装置。
【請求項8】
前記一対の側壁部は弾性を有し、
前記一対の側壁部は、前記傾倒位置では、前記第1ノズルによって互いに離れるように変形されて元の形状に戻ろうとする復帰力を生じる、
請求項5~7のいずれか一つの集塵装置。
【請求項9】
前記吸引風を発生させる吸引部と、
ダストボックスが取り付けられるダストボックス取付部と、
前記吸引風で吸引されたごみを前記吸引風から分離して前記ダストボックスに集積する分離部と、
を更に備える、
請求項1~8のいずれか一つの集塵装置。
【請求項10】
前記吸引部を駆動する電力を前記吸引部に供給する電池パックが取り付けられる電池パック取付部を更に備える、
請求項9の集塵装置。
【請求項11】
集塵装置に用いられるノズルユニットであって、
前記集塵装置は、前端部に吸入口を有し、ごみを吸引する吸引風を発生させて前記吸入口を介してごみを吸引する本体ユニットを有し、
前記ノズルユニットは、前記本体ユニットの前端部に取り付けられ、
前記ノズルユニットは、形状が異なる前端部を有する第1ノズル及び第2ノズルを有し、
前記第2ノズルは、前記第1ノズルの軸に沿って第1位置と第2位置との間で相対的に移動可能であり、
前記第1位置及び前記第2位置は、前記第1ノズルの前端部と前記第2ノズルの前端部との位置関係が異なり、
前記第1ノズルは、前記第2ノズルの内側にあり、
前記第1ノズルは、外面に第1係止部を有し、
前記第2ノズルは、内面に第2係止部を有し、
前記第1係止部と前記第2係止部とは、前記第1位置及び前記第2位置において、前記第1ノズルと前記第2ノズルの軸が平行している場合に、互いに結合し、
前記第1係止部と前記第2係止部とは、前記第1位置及び前記第2位置において、前記第1ノズルと前記第2ノズルの軸が交差している場合に、互いに結合せず 、
前記第1ノズル及び前記第2ノズルは、前記第1ノズルの前記軸周りの前記第2ノズルの回転を規制する突起を更に有する、
ノズルユニット。
【請求項12】
集塵装置に用いられるノズルユニットであって、
前記集塵装置は、前端部に吸入口を有し、ごみを吸引する吸引風を発生させて前記吸入口を介してごみを吸引する本体ユニットを有し、
前記ノズルユニットは、前記本体ユニットの前端部に取り付けられ、
前記ノズルユニットは、形状が異なる前端部を有する第1ノズル及び第2ノズルを有し、
前記第2ノズルは、前記第1ノズルの軸に沿って第1位置と第2位置との間で相対的に移動可能であり、
前記第1位置及び前記第2位置は、前記第1ノズルの前端部と前記第2ノズルの前端部との位置関係が異なり、
前記第2ノズルは、前端部にブラシ部を有し、
前記第1ノズルは、前端部にブラシ部を有しておらず、
前記第1ノズルは、前記第2ノズルの内側にあり、
前記第1ノズルは、外面に第1係止部を有し、
前記第2ノズルは、内面に第2係止部を有し、
前記第1係止部と前記第2係止部とは、前記第1位置及び前記第2位置において、前記第1ノズルと前記第2ノズルの軸が平行している場合に、互いに結合し、
前記第1係止部と前記第2係止部とは、前記第1位置及び前記第2位置において、前記第1ノズルと前記第2ノズルの軸が交差している場合に、互いに結合せず、
前記第2ノズルは、
前記第2ノズルの軸に沿って延びる第1壁部と、
前記第2ノズルの軸に対して前記第1壁部と反対側にある第2壁部と、を有し、
前記第2ノズルは、前記第1壁部で、前記第1ノズルに、前記第1ノズルの軸に交差する揺動軸の周りに基準位置と傾倒位置との間で揺動可能に支持され、
前記基準位置は、前記第1ノズルと前記第2ノズルの軸が平行する位置であり、
前記傾倒位置は、前記第1ノズルと前記第2ノズルの軸が交差する位置であり、
前記第2係止部は、前記第2ノズルの第2壁部にあり、
前記第1ノズルは、外面に第1補助係止部を有し、
前記第2ノズルは、内面に第2補助係止部を有し、
前記第1補助係止部と前記第2補助係止部とは、前記第1位置及び前記第2位置において、前記第1ノズルと前記第2ノズルの軸が平行している場合に、互いに結合し、
前記第1補助係止部と前記第2補助係止部とは、前記第1位置及び前記第2位置において、前記第1ノズルと前記第2ノズルの軸が交差している場合に、互いに結合せず、
前記第2ノズルは、前記第1壁部と前記第2壁部とをつなぐ一対の側壁部を有し、
前記第2補助係止部は、前記第2ノズルの一対の側壁部の少なくとも一方にある、
ノズルユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、集塵装置及びノズルユニットに関する。より詳細には、本開示は、ごみを収集する吸入口を有するノズルを備える集塵装置及びノズルユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、捕集機(集塵装置)を開示する。特許文献1の捕集機は、駆動ユニットと、ダストユニットとを備える。ダストユニットは、ダストケースと、フィルタユニットと、振るい部とを有する。ダストケースは、中空の略直方体形状に形成された集塵部と、集塵部の前面に一体に形成されたノズルと、を備える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1のような捕集機(集塵装置)では、ブラシ付きノズル及びブラシレスノズル等の様々な種類のノズルを用途に応じて着脱して交換することが一般的である。しかし、このようなノズルの着脱による交換は手間であり、使用していないノズルを紛失する可能性がある。
【0005】
課題は、ノズルの着脱をしなくても異なる種類のノズルを利用できる集塵装置、及び、ノズルユニットを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様に係る集塵装置は、ノズル部を有し、ごみを吸引する吸引風を発生させて前記ノズル部を介してごみを吸引する集塵装置である。前記ノズル部は、形状が異なる前端部を有する第1ノズル及び第2ノズルを有する。前記第2ノズルは、前記第1ノズルの軸に沿って第1位置と第2位置との間で相対的に移動可能である。前記第1位置及び前記第2位置は、前記第1ノズルの前端部と前記第2ノズルの前端部との位置関係が異なる。前記第1ノズルは、前記第2ノズルの内側にある。前記第1ノズルは、外面に第1係止部を有する。前記第2ノズルは、内面に第2係止部を有する。前記第1係止部と前記第2係止部とは、前記第1位置及び前記第2位置において、前記第1ノズルと前記第2ノズルの軸が平行している場合に、互いに結合する。前記第1係止部と前記第2係止部とは、前記第1位置及び前記第2位置において、前記第1ノズルと前記第2ノズルの軸が交差している場合に、互いに結合しない。前記第1ノズル及び前記第2ノズルは、前記第1ノズルの前記軸周りの前記第2ノズルの回転を規制する突起を更に有する。
本開示の一態様に係る集塵装置は、ノズル部を有し、ごみを吸引する吸引風を発生させて前記ノズル部を介してごみを吸引する集塵装置である。前記ノズル部は、形状が異なる前端部を有する第1ノズル及び第2ノズルを有する。前記第2ノズルは、前記第1ノズルの軸に沿って第1位置と第2位置との間で相対的に移動可能である。前記第1位置及び前記第2位置は、前記第1ノズルの前端部と前記第2ノズルの前端部との位置関係が異なる。前記第2ノズルは、前端部にブラシ部を有する。前記第1ノズルは、前端部にブラシ部を有していない。前記第1ノズルは、前記第2ノズルの内側にある。前記第1ノズルは、外面に第1係止部を有する。前記第2ノズルは、内面に第2係止部を有する。前記第1係止部と前記第2係止部とは、前記第1位置及び前記第2位置において、前記第1ノズルと前記第2ノズルの軸が平行している場合に、互いに結合する。前記第1係止部と前記第2係止部とは、前記第1位置及び前記第2位置において、前記第1ノズルと前記第2ノズルの軸が交差している場合に、互いに結合しない。前記第2ノズルは、前記第2ノズルの軸に沿って延びる第1壁部と、前記第2ノズルの軸に対して前記第1壁部と反対側にある第2壁部と、を有する。前記第2ノズルは、前記第1壁部で、前記第1ノズルに、前記第1ノズルの軸に交差する揺動軸の周りに基準位置と傾倒位置との間で揺動可能に支持される。前記基準位置は、前記第1ノズルと前記第2ノズルの軸が平行する位置である。前記傾倒位置は、前記第1ノズルと前記第2ノズルの軸が交差する位置である。前記第2係止部は、前記第2ノズルの第2壁部にある。前記第1ノズルは、外面に第1補助係止部を有する。前記第2ノズルは、内面に第2補助係止部を有する。前記第1補助係止部と前記第2補助係止部とは、前記第1位置及び前記第2位置において、前記第1ノズルと前記第2ノズルの軸が平行している場合に、互いに結合する。前記第1補助係止部と前記第2補助係止部とは、前記第1位置及び前記第2位置において、前記第1ノズルと前記第2ノズルの軸が交差している場合に、互いに結合しない。前記第2ノズルは、前記第1壁部と前記第2壁部とをつなぐ一対の側壁部を有する。前記第2補助係止部は、前記第2ノズルの一対の側壁部の少なくとも一方にある。
【0007】
本開示の一態様に係るノズルユニットは、集塵装置に用いられるノズルユニットである。前記集塵装置は、前端部に吸入口を有し、ごみを吸引する吸引風を発生させて前記吸入口を介してごみを吸引する本体ユニットを有する。前記ノズルユニットは、前記本体ユニットの前端部に取り付けられる。前記ノズルユニットは、形状が異なる前端部を有する第1ノズル及び第2ノズルを有する。前記第2ノズルは、前記第1ノズルの軸に沿って第1位置と第2位置との間で相対的に移動可能である。前記第1位置及び前記第2位置は、前記第1ノズルの前端部と前記第2ノズルの前端部との位置関係が異なる。前記第1ノズルは、前記第2ノズルの内側にある。前記第1ノズルは、外面に第1係止部を有する。前記第2ノズルは、内面に第2係止部を有する。前記第1係止部と前記第2係止部とは、前記第1位置及び前記第2位置において、前記第1ノズルと前記第2ノズルの軸が平行している場合に、互いに結合する。前記第1係止部と前記第2係止部とは、前記第1位置及び前記第2位置において、前記第1ノズルと前記第2ノズルの軸が交差している場合に、互いに結合しない。前記第1ノズル及び前記第2ノズルは、前記第1ノズルの前記軸周りの前記第2ノズルの回転を規制する突起を更に有する。
本開示の一態様に係るノズルユニットは、集塵装置に用いられるノズルユニットである。前記集塵装置は、前端部に吸入口を有し、ごみを吸引する吸引風を発生させて前記吸入口を介してごみを吸引する本体ユニットを有する。前記ノズルユニットは、前記本体ユニットの前端部に取り付けられる。前記ノズルユニットは、形状が異なる前端部を有する第1ノズル及び第2ノズルを有する。前記第2ノズルは、前記第1ノズルの軸に沿って第1位置と第2位置との間で相対的に移動可能である。前記第1位置及び前記第2位置は、前記第1ノズルの前端部と前記第2ノズルの前端部との位置関係が異なる。前記第2ノズルは、前端部にブラシ部を有する。前記第1ノズルは、前端部にブラシ部を有していない。前記第1ノズルは、前記第2ノズルの内側にある。前記第1ノズルは、外面に第1係止部を有する。前記第2ノズルは、内面に第2係止部を有する。前記第1係止部と前記第2係止部とは、前記第1位置及び前記第2位置において、前記第1ノズルと前記第2ノズルの軸が平行している場合に、互いに結合する。前記第1係止部と前記第2係止部とは、前記第1位置及び前記第2位置において、前記第1ノズルと前記第2ノズルの軸が交差している場合に、互いに結合しない。前記第2ノズルは、前記第2ノズルの軸に沿って延びる第1壁部と、前記第2ノズルの軸に対して前記第1壁部と反対側にある第2壁部と、を有する。前記第2ノズルは、前記第1壁部で、前記第1ノズルに、前記第1ノズルの軸に交差する揺動軸の周りに基準位置と傾倒位置との間で揺動可能に支持される。前記基準位置は、前記第1ノズルと前記第2ノズルの軸が平行する位置である。前記傾倒位置は、前記第1ノズルと前記第2ノズルの軸が交差する位置である。前記第2係止部は、前記第2ノズルの第2壁部にある。前記第1ノズルは、外面に第1補助係止部を有する。前記第2ノズルは、内面に第2補助係止部を有する。前記第1補助係止部と前記第2補助係止部とは、前記第1位置及び前記第2位置において、前記第1ノズルと前記第2ノズルの軸が平行している場合に、互いに結合する。前記第1補助係止部と前記第2補助係止部とは、前記第1位置及び前記第2位置において、前記第1ノズルと前記第2ノズルの軸が交差している場合に、互いに結合しない。前記第2ノズルは、前記第1壁部と前記第2壁部とをつなぐ一対の側壁部を有する。前記第2補助係止部は、前記第2ノズルの一対の側壁部の少なくとも一方にある。
【発明の効果】
【0008】
本開示の態様によれば、ノズルの着脱をしなくても異なる種類のノズルを利用できる、という効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、本開示の一実施形態に係る集塵装置の斜視図である。
【
図2】
図2は、前記集塵装置の要部の分解斜視図である。
【
図3】
図3は、前記集塵装置のノズルユニットの動作の説明図である。
【
図4】
図4は、前記ノズルユニットの第1状態の断面図である。
【
図5】
図5は、前記ノズルユニットの第2状態の断面図である。
【
図6】
図6は、前記ノズルユニットの第3状態の断面図である。
【
図7】
図7は、前記ノズルユニットの第4状態の断面図である。
【
図8】
図8は、前記ノズルユニットの分解斜視図である。
【
図9】
図9は、前記ノズルユニットの別の分解斜視図である。
【
図10】
図10は、前記ノズルユニットの第2ノズルの底面図である。
【
図12】
図12は、前記ノズルユニットの第1ノズルの底面図である。
【
図13】
図13は、前記ノズルユニットの第1状態の別の断面図である。
【
図14】
図14は、前記ノズルユニットの第4状態の別の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、場合によって図面を参照しながら、本開示の実施形態について説明する。ただし、以下の実施形態は、本開示を説明するための例示であり、本開示を以下の内容に限定する趣旨ではない。上下左右等の位置関係は、特に断らない限り、図面に示す位置関係に基づくものとする。以下の実施形態において説明する各図は、模式的な図であり、各図中の各構成要素の大きさ及び厚さそれぞれの比が、必ずしも実際の寸法比を反映しているとは限らない。また、各要素の寸法比率は図面に図示された比率に限られるものではない。
【0011】
本開示において、集塵装置(捕集機)は、ごみを吸引するために用いられる。すなわち、集塵装置は、清掃用途に用いられる。集塵装置は、ハンディタイプの装置である。すなわち、集塵装置は、ユーザが片手で持ち歩きながら清掃に用いることが可能な寸法及び重量に設計されている。集塵装置は、例えば、住宅等の施設の建設工事若しくは改修工事、又は工場での工程において、木材又はコンクリート等の部材に切断加工又は穴あけ加工等を行うことで生じる切粉及び破片等のごみを吸引するために用いられる。
【0012】
(1)実施形態
(1-1)概要
図1及び
図2は、本実施形態の集塵装置10を示す。集塵装置10は、ノズル部30を有し、ごみを吸引する吸引風を発生させてノズル部30を介してごみを吸引する。
図3に示すように、ノズル部30は、形状が異なる前端部41a,51aを有する第1ノズル40及び第2ノズル50を有する。
図3~
図7に示すように、第2ノズル50は、第1ノズル40の軸A40に沿って第1位置(
図3のノズル部30A,30Bにおける第2ノズル50の位置)と第2位置((
図3のノズル部30C,30Dにおける第2ノズル50の位置))との間で相対的に移動可能である。第1位置及び第2位置は、第1ノズル40の前端部41aと第2ノズル50の前端部51aとの位置関係が異なる。
【0013】
本実施形態の集塵装置10では、ノズル部30は、形状が異なる前端部41a,51aを有する第1ノズル40及び第2ノズル50を有する。ノズル部30では、第2ノズル50を第1ノズル40に対して第1位置と第2位置との間で移動させることで、第1ノズル40の前端部41aと第2ノズル50の前端部51aとの位置関係を異ならせることができる。そのため、本実施形態によれば、ノズルの着脱をしなくても異なる種類のノズルを利用できる。したがって、集塵装置10の使い勝手が向上する。
【0014】
(1-2)詳細
以下、集塵装置10について図面を参照してより詳細に説明する。集塵装置10は、本体ユニット20と、ノズル部30と、ダストボックス60と、を備える。
【0015】
本体ユニット20は、
図2に示すように、前端部21に吸入口210を有し、ごみを吸引する吸引風を発生させて吸入口210を介してごみを吸引する。本体ユニット20は、
図1に示すように、吸引部22と、フィルタ部23と、ダストボックス取付部24と、分離部25と、電池パック取付部26と、グリップ27と、を備える。
【0016】
前端部21は、
図3に示すように、吸入口210となる開口を有する筒状である。前端部21は、外周面に一対の突起部211を有する。
【0017】
吸引部22は、吸引風を発生させる。吸引部22は、モータと、ファンと、を含む。モータがファンを回転させ、これにより、ごみを吸引する吸引風が発生する。
【0018】
フィルタ部23は、吸引風中のごみを捕捉する1以上のフィルタを備える。例えば、1以上のフィルタは、直径が所定の大きさ(15~45μm程度)以上の物体(例えば石膏粉)を捕捉し、かつ空気を通過させる。
【0019】
ダストボックス取付部24は、ダストボックス60が取り付けられる部位である。ダストボックス取付部24は、開口部240と、開口部240の縁に形成された一対の凹部241と、有する。ダストボックス60は、ごみを集積させるためのボックスである。ダストボックス60は、例えば、光透過性材料により形成されている。光透過性材料としては、アクリル樹脂等が挙げられる。ダストボックス60は、有底筒状である。より詳細には、ダストボックス60は、有底円筒状である。ダストボックス60は、底壁61と、底壁61の外縁から突出する筒状の周壁62と、周壁62の外縁に形成された一対の凸部621と、を有する。ダストボックス60は、一対の凸部621がダストボックス取付部24の一対の凹部241と嵌まり合うことにより、ダストボックス60がダストボックス取付部24に取り付けられる。
【0020】
分離部25は、吸引風で吸引されたごみを吸引風から分離してダストボックス60に集積する。本実施形態では、分離部25は、吸引風に渦流を発生させ、吸引風中のごみを遠心力により取り出しダストボックス60に集積する。このような分離部25は、サイクロン部(渦流発生ユニット)ともいわれる。
【0021】
電池パック取付部26は、電池パック70が取り付けられる部位である。電池パック取付部26は、電池パック70を機械的に接続するための機械接続部と、電池パック70の端子に電気的に接続されるコネクタと、を備える。機械接続部と電池パック70とは、例えば、凹凸の嵌め合いにより機械的に接続される。電池パック70は、充電式の電池パックである。電池パック70は、複数の二次電池(例えば、リチウムイオン電池)を直列接続して構成された組電池と、組電池を収容した電池パックケースと、を備える。電池パック70は、吸引部22を駆動する電力を吸引部22(のモータ)に供給する。電池パック70は、集塵装置10の構成要素ではない。ただし、集塵装置10は、電池パック70を備えていてもよい。
【0022】
グリップ27は、ユーザが本体ユニット20を握るための握り手である。グリップ27の形状は、弧状である。グリップ27は、本体ユニット20の後部に設けられている。
【0023】
以上述べた本体ユニット20は、従来周知の構造を有していてよいから、詳細な説明は省略する。
【0024】
ノズル部30は、本体ユニット20の前端部21に取り付けられる。ノズル部30は、本体ユニット20の前端部21の吸入口210につながる吸引風の流路を構成する。本実施形態では、ノズル部30は、圧入により本体ユニット20の前端部21に取り付けられる。
【0025】
ノズル部30は、
図8及び
図9に示すように、第1ノズル40と、第2ノズル50と、を備える。第1ノズル40と第2ノズル50は、異なる形状の前端部41a,51aを有している。本実施形態では、第1ノズル40は、ブラシ部を有していない。第1ノズル40は、いわゆるブラシレスノズルである。第2ノズル50は、ブラシ部520を有している。第2ノズル50は、いわゆるブラシ付きノズルである。ノズル部30では、用途に応じて、第1ノズル40と第2ノズル50とのいずれを使用するかを選択可能である。この態様によれば、ノズルの着脱をしなくても異なる種類のノズルを利用できる。
【0026】
第1ノズル40は、本体ユニット20の前端部21に取り付けられる。第1ノズル40は、筒状である。本実施形態では、第1ノズル40は、円筒状である。
図8、
図9及び
図12に示すように、第1ノズル40は、本体部41と、一対の支持部42と、第1係止部43と、一対の第1補助係止部44と、一対の第1規制部45と、一対の穴部46と、を備える。
【0027】
本体部41は、第1ノズル40の主体であり、第1ノズル40の全体的な形状を規定する。本体部41は、軸A40(
図3参照)を有する筒状である。特に、本体部41は、前端側が円筒状である。軸A40は、中心軸である。軸A40は、本体部41の前後方向に沿っている。軸A40は、本体部41の長さ軸でもある。本体部41は、前端部41a及び後端部41bを有する。前端部41a及び後端部41bは、本体部41の軸A40方向の両端部である。前端部41a及び後端部41bは、第1ノズル40の前端部及び後端部を規定する。本体部41は、前端部41a及び後端部41bにそれぞれ前端開口410及び後端開口411を有する。後端開口411は、本体ユニット20の前端部21を本体部41内に圧入可能な大きさである。前端部41aの前端面は平坦であり、軸A40に対して直交せず傾斜している。
【0028】
一対の支持部42は、本体部41の外面(つまりは第1ノズル40の外面)に設けられる。一対の支持部42は、軸A40の方向に沿って間隔を空けて並んでいる。一対の支持部42は、前端部41aよりも後端部41b側に位置する。これによって、第1ノズル40の前端部41a側において、第1ノズル40と第2ノズル50との間に空間を形成している。本実施形態では、一対の支持部42は、軸A40に延びる矩形状の突起である。詳しくは後述するが、一対の支持部42は、第2ノズル50を第1ノズル40の軸A40に交差する(本実施形態では、直交する)揺動軸の周りに基準位置と傾倒位置との間で揺動可能に支持する。基準位置は、
図3において符号30A,30Dで示すように、第1ノズル40と第2ノズル50の軸A40,A50が平行する位置である。傾倒位置は、
図3において符号30B,30Cで示すように、第1ノズル40と第2ノズル50の軸A40,A50が交差する位置である。本実施形態では、一対の支持部42のうち前側のものが、第2ノズル50を揺動可能に支持している。
【0029】
第1係止部43は、第2ノズル50の後述する第2係止部53とともに第2ノズル50を第1ノズル40の軸A40に沿った方向において第1位置又は第2位置に位置決めする係止機構を構成する。詳しくは後述するが、第1位置及び第2位置は、第1ノズル40の前端部41aと第2ノズル50の前端部41aとの位置関係が異なる。第1係止部43は、本体部41の外面(つまりは第1ノズル40の外面)に設けられる。本実施形態では、第1係止部43は、軸A40に対して一対の支持部42とは反対側にある。第1係止部43は、後述する第2係止部53が嵌る一対の凹部431,432を有する。一対の凹部431,432は、軸A40の方向に沿って間隔を空けて並んでいる。一対の凹部431,432は、後端部41bよりも前端部41a側に位置する。より詳細には、本体部41において、一対の凹部431,432は、一対の支持部42よりも前端部41a側に位置する。凹部432は凹部431より前端部41a側にある。
【0030】
一対の第1補助係止部44は、第2ノズル50の後述する第2補助係止部54とともに、第2ノズル50を第1ノズル40の軸A40に沿った方向において第1位置又は第2位置に位置決めする係止機構を構成する。一対の第1補助係止部44は、本体部41の外面(つまりは第1ノズル40の外面)に設けられる。本実施形態では、一対の第1補助係止部44は、一対の支持部42と第1係止部43とが対向する方向及び軸A40それぞれに直交する方向(
図12の左右方向)において本体部41の両側にある。一対の第1補助係止部44は、軸A40に対して一対の支持部42とは反対側にある。一対の第1補助係止部44は、前端部41aよりも後端部41b側に位置する。第1補助係止部44は、第2補助係止部54が嵌る一対の凹部441,442と、一対の凹部441,442間で第2補助係止部54が摺動するガイド溝443と、を含む。一対の凹部441,442は、第1ノズル40の軸A40に沿って(間隔を空けて)並ぶ。一対の凹部441,442は、ガイド溝443より少なくとも一部が一対の支持部42とは反対側に延びている。凹部442は凹部441より前端部41a側にある。ガイド溝443は、一対の凹部441,442よりも浅い。
【0031】
一対の第1規制部45は、第2ノズル50の後述する一対の第2規制部55とともに一対の支持部42による第2ノズル50の揺動軸の周りの移動を規制する規制機構を構成する。一対の第1規制部45は、第2ノズル50を基準位置に保持する。一対の第1規制部45は、本体部41の外面(つまりは第1ノズル40の外面)に設けられる。本実施形態では、一対の第1規制部45は、一対の支持部42と第1係止部43とが対向する方向及び軸A40それぞれに直交する方向(
図12の左右方向)において本体部41の両側にある。
【0032】
一対の穴部46は、本体ユニット20に対する第1ノズル40の位置決めに用いられる。本実施形態では、一対の穴部46は、一対の支持部42と第1係止部43とが対向する方向及び軸A40それぞれに直交する方向(
図12の左右方向)において本体部41の両側にある。本体ユニット20の前端部21を本体部41の後端開口411から本体部41内に圧入した際に、本体ユニット20の前端部21の一対の突起部211が一対の穴部46にそれぞれ嵌る。これによって、本体ユニット20に対して第1ノズル40が位置決めされる。そのため、本体ユニット20に対する第1ノズル40の回転止めが可能となる。
【0033】
第1ノズル40は、絶縁性を有する。第1ノズル40は、絶縁性を有する樹脂材料により形成される。第1ノズル40は、絶縁性を有する樹脂材料の成形品である。本実施形態では、本体部41と、一対の支持部42と、一対の第1規制部45とは連続一体に形成されている。
【0034】
第2ノズル50は、第1ノズル40に取り付けられる。特に、第2ノズル50は、
図3に示すように、第1ノズル40の軸A40に沿って第1位置と第2位置との間で相対的に移動可能に、第1ノズル40に取り付けられる。第2ノズル50は、筒状である。本実施形態では、第2ノズル50は、円筒状である。
図8、
図9、
図10及び
図11に示すように、第2ノズル50は、本体部51と、一対の回転規制突起52と、第2係止部53と、一対の第2補助係止部54と、一対の第2規制部55と、一対の当接部56と、一対の指標部571,572と、を備える。第2ノズル50は、ブラシ部520を備える。ブラシ部520は、人工毛(合成繊維)で構成されてもよいし、天然毛で構成されてもよい。なお、図示の簡略化のために、
図3、
図10、
図11、
図13及び
図14では、ブラシ部520の図示を省略している。
【0035】
本体部51は、第2ノズル50の主体であり、第2ノズル50の全体的な形状を規定する。本体部51は、軸A50(
図3参照)を有する筒状である。特に、本体部51は、全体的に円筒状である。本体部51は、第1ノズル40を内側に収容できる大きさである。本実施形態では、本体部51の内径は、第1ノズル40の本体部41の外径より大きい。軸A50は、中心軸である。軸A50は、本体部51の前後方向に沿っている。軸A50は、本体部51の長さ軸でもある。本体部51は、前端部51a及び後端部51bを有する。前端部51a及び後端部51bは、本体部51の軸A50方向の両端部である。前端部51a及び後端部51bは、第2ノズル50の前端部及び後端部を規定する。本体部51は、前端部51a及び後端部51bにそれぞれ前端開口510及び後端開口511を有する。後端開口511は、第1ノズル40の前端部41aを第2ノズル50の本体部51内に挿入可能な大きさである。前端部51aの前端面にはブラシ部520が取り付けられる。第2ノズル50は、前端部51aにブラシ部520を有する。そのため、第2ノズル50の前端部51aは、第1ノズル40の前端部41aとは異なり、ブラシ部520を取り付け可能な形状となっている。前端部51aの前端面は、軸A50に対して直交せず傾斜している。本体部51は、後端開口511につながる底部開口512を有する。
【0036】
本体部51は、第1壁部513と、一対の側壁部514と、第2壁部515とに分けられる。第1壁部513は、第2ノズル50の軸A50に沿って延びる。第2壁部515は、第2ノズル50の軸A50に対して第1壁部513と反対側にある。本実施形態では、第1壁部513は第2ノズル50の表面側の壁部であり、第2壁部515は第2ノズル50の裏面側の壁部である。一対の側壁部514は、第1壁部513と第2壁部515とをつなぐ。より詳細には、一対の側壁部514は、第1壁部513の幅方向の両端と第2壁部515の幅方向の両端とをつなぐ(
図11参照)。したがって、一対の側壁部514は、第1壁部513と第2壁部515とが対向する方向及び軸A50それぞれに直交する方向(
図11の左右方向)の両側にある。
図10に示すように、第2壁部515は、前端部51aの一部を構成し、前端開口510を規定する。第2壁部515より後端部51b側には後端開口511が形成されている。そのため、本体部51の後端部51b側において、一対の側壁部514は互いに離れるように変形可能となっている。
【0037】
一対の回転規制突起52は、
図9~
図11に示すように、本体部51の内面(つまりは第2ノズル50の内面)に設けられる。一対の回転規制突起52は、第1壁部513にある。一対の回転規制突起52は、第1壁部513と第2壁部515とが対向する方向及び軸A50それぞれに直交する方向(
図11の左右方向)で並ぶ。一対の回転規制突起52は、第1ノズル40の一対の支持部42を両側から挟むことで、第2ノズル50の第1ノズル40に対する回転を規制する(
図4及び
図7参照)。
【0038】
第2係止部53は、第1ノズル40の第1係止部43とともに第2ノズル50を第1ノズル40の軸A40に沿った方向において第1位置又は第2位置に位置決めする係止機構を構成する。第1係止部43と第2係止部53とは、第1位置及び第2位置において、第1ノズル40と第2ノズル50の軸A40,A50が平行している場合(基準位置)に、互いに結合する。第1係止部43と第2係止部53とは、第1位置及び第2位置において、第1ノズル40と第2ノズル50の軸A40,A50が交差している場合(傾倒位置)に、互いに結合しない。つまり、第2ノズル50を基準位置から傾倒位置にすることで、係止機構によるロックの解除が可能である。第2係止部53は、本体部51の内面(つまりは第2ノズル50の内面)に設けられる。本実施形態では、第2係止部53は、軸A50に対して第1壁部513とは反対側にある。第2係止部53は、後端部51bよりも前端部51aに近い。第2係止部53は、第2壁部515にある。第2係止部53は、突起である。第2係止部53は、第1係止部43の一対の凹部431,432に嵌る大きさである。
【0039】
一対の第2補助係止部54は、第1ノズル40の一対の第1補助係止部44とともに、第2ノズル50を第1ノズル40の軸A40に沿った方向において第1位置又は第2位置に位置決めする補助係止機構を構成する。第1補助係止部44と第2補助係止部54とは、第1位置及び第2位置において、第1ノズル40と第2ノズル50の軸A40,A50が平行している場合(基準位置)に、互いに結合する。第1補助係止部44と第2補助係止部54とは、第1位置及び第2位置において、第1ノズル40と第2ノズル50の軸A40,A50が交差している場合(傾倒位置)に、互いに結合しない。つまり、第2ノズル50を基準位置から傾倒位置にすることで、補助係止機構によるロックの解除が可能である。一対の第2補助係止部54は、本体部51の内面(つまりは第2ノズル50の内面)に設けられる。本実施形態では、一対の第2補助係止部54は、第1壁部513と第2壁部515とが対向する方向及び軸A50それぞれに直交する方向(
図11の左右方向)において本体部51の両側にある。一対の第2補助係止部54は、軸A50に対して第1壁部513とは反対側にある。一対の第2補助係止部54は、一対の側壁部514それぞれにある。一対の第2補助係止部54は、前端部51aよりも後端部51b側に位置する。一対の第2補助係止部54の各々は、突起である。第2補助係止部54は、第1補助係止部44の一対の凹部441,442に嵌る大きさである。
【0040】
一対の第2規制部55は、第1ノズル40の一対の第1規制部45とともに一対の支持部42による第2ノズル50の揺動軸の周りの移動を規制する規制機構を構成する。一対の第2規制部55は、第2ノズル50を基準位置に保持する。本実施形態では、一対の第2規制部55は、第1壁部513と第2壁部515とが対向する方向及び軸A50それぞれに直交する方向(
図11の左右方向)において本体部51の両側にある。一対の第2規制部55は、軸A50に対して第1壁部513とは反対側にある。一対の第2規制部55は、一対の側壁部514それぞれにある。
【0041】
一対の当接部56は、第2ノズル50の揺動軸の周りの移動を規制する。一対の当接部56は、第2ノズル50を基準位置に保持する。本実施形態では、一対の当接部56は、第1壁部513と第2壁部515とが対向する方向及び軸A50それぞれに直交する方向(
図11の左右方向)において本体部51の両側にある。一対の当接部56は、軸A50に対して第1壁部513と同じ側にある。一対の当接部56は、一対の側壁部514それぞれにある。
【0042】
一対の指標部571,572は、第2ノズル50を第1ノズル40に対して相対的に移動させる際の押圧位置を示す。より詳細には、一対の指標部571,572は、第2ノズル50を基準位置から傾倒位置にするために第2ノズル50を押圧する場所を示す。一対の指標部571,572は、本体部51の外面(つまりは第2ノズル50の外面)に設けられる。一対の指標部571,572は、第1壁部513にある。一対の指標部571,572は、軸A50の方向に沿って間隔を空けて並んでいる。一対の指標部571,572は、後端部51bよりも前端部51a側に位置する。一対の指標部571,572は、回転規制突起52よりも前端部51a側にある。指標部571は指標部572より前端部51a側にある。指標部571は本体部51の前端部51aを指す三角形状である。指標部572は本体部51の後端部51bを指す三角形状である。本体部51において一対の指標部571,572の間の押圧部位573が、第2ノズル50を押圧する場所である。
【0043】
第2ノズル50は、絶縁性を有する。第2ノズル50は、絶縁性を有する樹脂材料により形成される。第2ノズル50は、絶縁性を有する樹脂材料の成形品である。第2ノズル50は、少なくとも、一対の側壁部514が弾性を有するように形成されている。本実施形態では、本体部51と、一対の回転規制突起52と、第2係止部53と、一対の第2補助係止部54と、一対の第2規制部55と、一対の当接部56と、一対の指標部571,572とは連続一体に形成されている。
【0044】
ノズル部30では、第1ノズル40は、第2ノズル50の内側に配置される。例えば、第1ノズル40は、前端部41aから第2ノズル50の後端開口511を通して第2ノズル50内に収容される。ここで、第1ノズル40の一対の支持部42は、第2ノズル50の第1壁部513の内面に当たる。第1ノズル40の一対の支持部42は、第2ノズル50の一対の回転規制突起52で挟まれる。上述したように、一対の支持部42は、前端部41aよりも後端部41b側に位置する。これによって、第1ノズル40の前端部41a側において、第1ノズル40と第2ノズル50との間に空間を形成している。そのため、第2ノズル50は、第1壁部513で、第1ノズル40(の一対の支持部42)に、第1ノズル40の軸A40に交差する揺動軸の周りに基準位置と傾倒位置との間で揺動可能に支持される(
図3参照)。
【0045】
ノズル部30では、第2ノズル50は、第1ノズル40の軸A40に沿って第1位置と第2位置との間で相対的に移動可能である(
図3参照)。第1位置及び第2位置は、第1ノズル40の前端部41aと第2ノズル50の前端部41aとの位置関係が異なる。
【0046】
第1位置は、第1ノズル40の利用が可能な位置である。第1位置は、
図13に示すように、第1ノズル40の前端部41aが第2ノズル50の前端部51aより前にある位置である。なお、第1位置では、第1ノズル40の前端部41aがブラシ部520の先端よりも前にあることまでは必須ではない。つまり、ブラシ部520の先端が多少前端部51aより前に出ていても、第1ノズル40の使用に支障がないためである。第1位置では、第1ノズル40の利用が可能である。第1位置では、第2係止部53は、第1係止部43の凹部431に嵌合可能な位置にある。第1位置では、第2補助係止部54は、第1補助係止部44の凹部441に嵌合可能な位置にある。第1位置で、第2ノズル50が基準位置であれば、第2係止部53が第1係止部43の凹部431に嵌り、第2補助係止部54は第1補助係止部44の凹部441に嵌る。つまり、第1係止部43と第2係止部53とが互いに結合し、第1補助係止部44と第2補助係止部54とが互いに結合する。これによって、第2ノズル50は第1位置に位置決めされる。一方、第1位置で、第2ノズル50が傾倒位置であれば、第2係止部53が第1係止部43の凹部431に嵌らず、第2補助係止部54は第1補助係止部44の凹部441に嵌らない。つまり、第1係止部43と第2係止部53とが互いに結合せず、第1補助係止部44と第2補助係止部54とが互いに結合しない。これによって、第2ノズル50は第1ノズル40の軸A40に沿って移動可能である。
【0047】
第2位置では、第2ノズル50の利用が可能な位置である。第2位置は、
図14に示すように、第2ノズル50の前端部51aが第1ノズル40の前端部41aより前にある位置である。つまり、第2位置は、第2ノズル50を第1位置から第1ノズル40に対して軸A40に沿って前側に移動させた位置である。第2位置では、第2係止部53は、第1係止部43の凹部432に嵌合可能な位置にある。第2位置では、第2補助係止部54は、第1補助係止部44の凹部442に嵌合可能な位置にある。第2位置で、第2ノズル50が基準位置であれば、第2係止部53が第1係止部43の凹部432に嵌り、第2補助係止部54は第1補助係止部44の凹部442に嵌る。つまり、第1係止部43と第2係止部53とが互いに結合し、第1補助係止部44と第2補助係止部54とが互いに結合する。これによって、第2ノズル50は第1位置に位置決めされる。一方、第2位置で、第2ノズル50が傾倒位置であれば、第2係止部53が第1係止部43の凹部432に嵌らず、第2補助係止部54は第1補助係止部44の凹部442に嵌らない。つまり、第1係止部43と第2係止部53とが互いに結合せず、第1補助係止部44と第2補助係止部54とが互いに結合しない。これによって、第2ノズル50は第1ノズル40の軸A40に沿って移動可能である。
【0048】
(1-3)ノズル部の動作
以下、
図3~
図7、
図13及び
図14を参照して、ノズル部30において使用するノズルを変更する際の操作について説明する。
図3~
図7では、第1ノズル40と第2ノズル50との位置関係に応じて、ノズル部30に異なる符号30A~30Dを付している。
図3の左上及び
図4に示すノズル部30Aでは、第2ノズル50は第1位置かつ基準位置にある(第1状態)。
図3の右上及び
図5に示すノズル部30Bでは、第2ノズル50は第1位置かつ傾倒位置にある(第2状態)。
図3の左下及び
図6に示すノズル部30Cでは、第2ノズル50は第2位置かつ傾倒位置にある(第3状態)。
図3の右下及び
図7に示すノズル部30Dでは、第2ノズル50は第2位置かつ基準位置にある(第4状態)。
【0049】
(1-3-1)第1位置から第2位置への移動
まず、第1位置から第2位置への移動について説明する。最初は、ノズル部30は第1状態(30A)であるとする。第2ノズル50は第1位置かつ基準位置にある。第1状態(30A)では、第2ノズル50が基準位置であるから、第2係止部53が第1係止部43の凹部431に嵌り、第2補助係止部54が第1補助係止部44の凹部441に嵌っている(
図3及び
図4参照)。よって、第2ノズル50の第1ノズル40の軸A40に沿った移動が規制されて、第2ノズル50が第1位置に位置決めされている。そのため、第2ノズル50を第1位置から第2位置に移動させるためには、まず、第2ノズル50を基準位置から傾倒位置にする。一例としては、ユーザは第2ノズル50の一対の指標部571,572を目印にして、押圧部位573を押圧して、第2ノズル50の第1壁部513の前側が第1ノズル40に近付き、第2ノズル50の第1壁部513の後側が第1ノズル40から離れるように、第2ノズル50を第1ノズル40に対して傾ける。これによって、第2ノズル50の第2壁部515は第1ノズル40から離れるため、第2壁部515にある第2係止部53が第1係止部43の凹部431から抜ける。また、相対的に第1ノズル40が第2ノズル50の後端開口511より外方に出ようとする。そのため、一対の側壁部514は、第1ノズル40によって互いに離れるように変形される。これによって、第2補助係止部54が第1補助係止部44の凹部441から抜けてガイド溝443に移動する。このようにして、ノズル部30は第2状態(30B)になる。第2状態(30B)では、第2係止部53が第1係止部43の凹部431に嵌っておらず、第2補助係止部54は第1補助係止部44の凹部441に嵌っていない(
図3及び
図5参照)。よって、第2ノズル50の第1ノズル40の軸A40に沿った移動が可能となる。
【0050】
この後に、第2ノズル50を傾倒位置にしたまま前方に移動させて、第2位置まで移動させる。これによって、ノズル部30は第3状態(30C)になる。ここでは、第2係止部53が第1係止部43の凹部432に嵌っておらず、第2補助係止部54は第1補助係止部44の凹部442に嵌っていない(
図3及び
図6参照)。よって、第2ノズル50の第1ノズル40の軸A40に沿った移動が可能なままである。そのため、第2ノズル50を傾倒位置から基準位置にする。本実施形態では、一対の側壁部514は、弾性を有し、傾倒位置では、第1ノズル40によって互いに離れるように変形される。そのため、傾倒位置では、一対の側壁部514は元の形状(つまり、基準位置での形状)に戻ろうとする復帰力を生じる。そのため、ユーザが押圧部位573の押圧をやめると、この復帰力によって、第1ノズル40は第2ノズル50の後端開口511から出ないように第2ノズル50の内側に押し戻される。このとき、第2ノズル50の一対の第2規制部55が第1ノズル40の一対の第1規制部45に当たるか、第1ノズル40の本体部41が第2ノズル50の一対の当接部56に当たることで、第2ノズル50の移動が規制されて、基準位置に位置することになる(
図7参照)。つまり、一対の側壁部514の復帰力を用いても第2ノズル50を正しく基準位置まで復帰させることができる。このようにして、第2ノズル50は傾倒位置から基準位置に戻る。これにより、ノズル部30は第4状態(30D)になる。第4状態(30D)では、第2ノズル50が基準位置であるから、第2係止部53が第1係止部43の凹部432に嵌り、第2補助係止部54が第1補助係止部44の凹部442に嵌っている(
図3及び
図7参照)。よって、第2ノズル50の第1ノズル40の軸A40に沿った移動が規制されて、第2ノズル50が第2位置に位置決めされる。
【0051】
このように、第2ノズル50が
図3に矢印F11,F12,F13で示すように移動して、ノズル部30は、第1状態(30A)から第4状態(30D)に遷移する。第4状態では、第2ノズル50は第2位置かつ基準位置にある。そのため、第2ノズル50が利用可能である。また、第2ノズル50は係止機構及び補助係止機構によって第1ノズル40に対して第2位置に位置決めされている。
【0052】
(1-3-2)第2位置から第1位置への移動
次に、第2位置から第1位置への移動について説明する。最初は、ノズル部30は第4状態(30D)であるとする。第2ノズル50は第2位置かつ基準位置にある。第4状態(30D)では、第2ノズル50が基準位置であるから、第2係止部53が第1係止部43の凹部432に嵌り、第2補助係止部54が第1補助係止部44の凹部442に嵌っている(
図3及び
図7参照)。よって、第2ノズル50の第1ノズル40の軸A40に沿った移動が規制されて、第2ノズル50が第2位置に位置決めされている。そのため、第2ノズル50を第2位置から第1位置に移動させるためには、まず、第2ノズル50を基準位置から傾倒位置にする。一例としては、ユーザは第2ノズル50の一対の指標部571,572を目印にして、押圧部位573を押圧して、第2ノズル50の第1壁部513の前側が第1ノズル40に近付き、第2ノズル50の第1壁部513の後側が第1ノズル40から離れるように、第2ノズル50を第1ノズル40に対して傾ける。これによって、第2ノズル50の第2壁部515は第1ノズル40から離れるため、第2壁部515にある第2係止部53が第1係止部43の凹部432から抜ける。また、相対的に第1ノズル40が第2ノズル50の後端開口511より外方に出ようとする。そのため、一対の側壁部514は、第1ノズル40によって互いに離れるように変形される。これによって、第2補助係止部54が第1補助係止部44の凹部442から抜けてガイド溝443に移動する。このようにして、ノズル部30は第3状態(30C)になる。第3状態(30C)では、第2係止部53が第1係止部43の凹部432に嵌っておらず、第2補助係止部54は第1補助係止部44の凹部442に嵌っていない(
図3及び
図6参照)。よって、第2ノズル50の第1ノズル40の軸A40に沿った移動が可能となる。
【0053】
この後に、第2ノズル50を傾倒位置にしたまま後方に移動させて、第1位置まで移動させる。これによって、ノズル部30は第2状態(30B)になる。ここでは、第2係止部53が第1係止部43の凹部431に嵌っておらず、第2補助係止部54は第1補助係止部44の凹部441に嵌っていない(
図3及び
図5参照)。よって、第2ノズル50の第1ノズル40の軸A40に沿った移動が可能なままである。そのため、第2ノズル50を傾倒位置から基準位置にする。本実施形態では、一対の側壁部514は、弾性を有し、傾倒位置では、第1ノズル40によって互いに離れるように変形される。そのため、傾倒位置では、一対の側壁部514は元の形状(つまり、基準位置での形状)に戻ろうとする復帰力を生じる。そのため、ユーザが押圧部位573の押圧をやめると、この復帰力によって、第1ノズル40は第2ノズル50の後端開口511から出ないように第2ノズル50の内側に押し戻される。このとき、第2ノズル50の一対の第2規制部55が第1ノズル40の一対の第1規制部45に当たるか、第1ノズル40の本体部41が第2ノズル50の一対の当接部56に当たることで、第2ノズル50の移動が規制されて、基準位置に位置することになる(
図4参照)。つまり、一対の側壁部514の復帰力を用いても第2ノズル50を正しく基準位置まで復帰させることができる。このようにして、第2ノズル50は傾倒位置から基準位置に戻る。これにより、ノズル部30は第1状態(30A)になる。第1状態(30A)では、第2ノズル50が基準位置であるから、第2係止部53が第1係止部43の凹部431に嵌り、第2補助係止部54が第1補助係止部44の凹部441に嵌っている(
図3及び
図4参照)。よって、第2ノズル50の第1ノズル40の軸A40に沿った移動が規制されて、第2ノズル50が第1位置に位置決めされる。
【0054】
このように、第2ノズル50が
図3に矢印F21,F22,F23で示すように移動して、ノズル部30は、第4状態(30D)から第1状態(30A)に遷移する。第1状態では、第2ノズル50は第1位置かつ基準位置にある。そのため、第1ノズル40が利用可能である。また、第2ノズル50は係止機構及び補助係止機構によって第1ノズル40に対して第1位置に位置決めされている。
【0055】
以上述べたように、本実施形態の集塵装置10では、ノズル部30において、第2ノズル50を第1ノズル40に対して第1ノズル40の軸A40に沿って移動させるたけで、使用するノズルを選択可能である。よって、本実施形態の集塵装置10によれば、ノズルの着脱をしなくても異なる種類のノズルを利用できる。したがって、集塵装置10の使い勝手が向上する。特に、第2ノズル50を第1ノズル40に対して傾けるだけで、第2ノズル50の第1位置又は第2位置での位置決めを解除することができる。
【0056】
(2)変形例
本開示の実施形態は、上記実施形態に限定されない。上記実施形態は、本開示の課題を達成できれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。以下に、上記実施形態の変形例を列挙する。以下に説明する変形例は、適宜組み合わせて適用可能である。
【0057】
一変形例では、第1ノズル40及び第2ノズル50の形状は、上記実施形態と異なっていてよい。例えば、第1ノズル40の本体部41及び第2ノズル50の本体部51は、円筒状ではなく、断面が多角形の角筒状であってもよい。第1ノズル40及び第2ノズル50は、絶縁性を有する樹脂材料ではなく、一部又は全部を金属で形成されていてもよい。第2ノズル50が第1ノズル40の内側にあってもよい。第2ノズル50が本体ユニット20に取り付けられて、第1ノズル40が第2ノズル50に対して相対的に移動可能であってよい。
【0058】
一変形例では、ノズル部30は、本体ユニット20に連続一体に設けられていてもよい。より詳細には、ノズル部30の第1ノズル40は、本体ユニット20に連続一体に設けられていてもよい。つまり、ノズル部30が本体ユニット20から分離可能であることは必須ではない。
【0059】
一変形例では、第1ノズル40は、ブラシ付きノズルであってよい。この場合、第1ノズル40と第2ノズル50とでブラシの用途、長さ、硬さ、細さ、材質の少なくとも一つが異なっていれば、第1ノズル40及び第2ノズル50が形状の異なる前端部41a,51aを有するといえる。第2ノズル50は、ブラシレスノズルであってよい。この場合、第1ノズル40と第2ノズル50とでノズルの用途、長さ、硬さ、細さ、材質の少なくとも一つが異なっていれば、第1ノズル40及び第2ノズル50が形状の異なる前端部41a,51aを有するといえる。
【0060】
一変形例では、第1位置は、第1ノズル40の前端部41aがブラシ部520の先端よりも前にある位置であってもよい。第2位置は、第1ノズル40の前端部41aが第2ノズル50の前端部51aよりも前であるが、ブラシ部520の先端よりも後ろである位置であってもよい。要するに、第2位置は、第2ノズル50の利用が可能な位置であればよい。
【0061】
一変形例では、第1ノズル40において、支持部42の数は2つではなく、1つであってもよいし、3以上であってもよい。第1ノズル40は、支持部42を有していなくてもよい。第2ノズル50が支持部42と同様の構造を有してもよい。
【0062】
一変形例では、第2ノズル50において、回転規制突起52の数は2つではなく、1つであってもよいし、3以上であってもよい。第2ノズル50は、回転規制突起52を有していなくてもよい。第1ノズル40が回転規制突起52と同様の構造を有してもよい。
【0063】
一変形例では、第1係止部43及び第2係止部53の数は2つではなく、1つであってもよいし、3以上であってもよい。係止機構(第1係止部43及び第2係止部53)は必須ではない。第1係止部43が突起であり、第2係止部53が凹部を有していてもよい。
【0064】
一変形例では、第1補助係止部44及び第2補助係止部54の数は2つではなく、1つであってもよいし、3以上であってもよい。補助係止機構(第1補助係止部44及び第2補助係止部54)は必須ではない。第1補助係止部44が突起であり、第2補助係止部54が凹部を有していてもよい。上記実施形態では、第1補助係止部44及び第2補助係止部54と呼称しているが、ここでの「補助」には技術的な意味はなく、単に第1係止部43及び第2係止部53と名称を区別するためのラベルに過ぎない。
【0065】
一変形例では、第1ノズル40において、第1規制部45の数は2つではなく、1つであってもよいし、3以上であってもよい。第2ノズル50において、第2規制部55の数は2つではなく、1つであってもよいし、3以上であってもよい。第1ノズル40は、第1規制部45を有していなくてもよい。第2ノズル50は、第2規制部55を有していなくてもよい。
【0066】
一変形例では、第1ノズル40は、本体ユニット20に取り外し可能に取り付けられてもよい。つまり、本体ユニット20とノズル部30とは、分離可能であってよい。ノズル部30は、本体ユニット20とは独立したユニットを構成してよい。この場合、ノズル部30は、ノズルユニットとも呼ばれ得る。また、上述したように、第1ノズル40は、本体ユニット20の前端部21に一体に形成されていてもよい。つまり、第1ノズル40が前端部21を構成していてもよい。
【0067】
一変形例では、第2ノズル50において、当接部56の数は2つではなく、1つであってもよいし、3以上であってもよい。第2ノズル50は、当接部56を有していなくてもよい。第1ノズル40が当接部56と同様の構造を有してもよい。
【0068】
一変形例では、第2ノズル50において、指標部571,572の数は2つではなく、1つであってもよいし、3以上であってもよい。一変形例では、指標部571,572は、本体部51とは別部材であってもよい。一例として、指標部571,572は、印刷物であってもよい。
【0069】
(3)態様
上記実施形態及び変形例から明らかなように、本開示は、下記の態様を含む。以下では、実施形態との対応関係を明示するためだけに、符号を括弧付きで付している。
【0070】
第1の態様は、集塵装置(10)であって、ノズル部(30)を有し、ごみを吸引する吸引風を発生させて前記ノズル部(30)を介してごみを吸引する。前記ノズル部(30)は、形状が異なる前端部(41a,51a)を有する第1ノズル(40)及び第2ノズル(50)を有する。前記第2ノズル(50)は、前記第1ノズル(40)の軸(A40)に沿って第1位置と第2位置との間で相対的に移動可能である。前記第1位置及び前記第2位置は、前記第1ノズル(40)の前端部(41a)と前記第2ノズル(50)の前端部(41a)との位置関係が異なる。この態様によれば、ノズルの着脱をしなくても異なる種類のノズルを利用できる。
【0071】
第2の態様は、第1の態様に基づく集塵装置(10)である。第2の態様では、前記第2ノズル(50)は、前端部(51a)にブラシ部(520)を有する。前記第1ノズル(40)は、前端部(41a)にブラシ部(520)を有していない。この態様によれば、ノズルの着脱をしなくてもブラシの利用が可能となる。
【0072】
第3の態様は、第2の態様に基づく集塵装置(10)である。第3の態様では、前記第1位置は、前記第1ノズル(40)の前端部(41a)が前記第2ノズル(50)の前端部(51a)より前にある位置である。前記第2位置は、前記第2ノズル(50)の前端部(51a)が前記第1ノズル(40)の前端部(41a)より前にある位置である。この態様によれば、ブラシ部(520)の使用/不使用を容易に選択することが可能となる。
【0073】
第4の態様は、第2又は第3の態様に基づく集塵装置(10)である。第4の態様では、前記第1ノズル(40)は、前記第2ノズル(50)の内側にある。この態様によれば、ブラシ部(520)を有する第2ノズル(50)が第1ノズル(40)の外側にあるため、第1位置と第2位置とが視覚的に判別しやすくなる。
【0074】
第5の態様は、第4の態様に基づく集塵装置(10)である。第5の態様では、前記第1ノズル(40)は、外面に第1係止部(43)を有する。前記第2ノズル(50)は、内面に第2係止部(53)を有する。前記第1係止部(43)と前記第2係止部(53)とは、前記第1位置及び前記第2位置において、前記第1ノズル(40)と前記第2ノズル(50)の軸(A40,A50)が平行している場合に、互いに結合する。前記第1係止部(43)と前記第2係止部(53)とは、前記第1位置及び前記第2位置において、前記第1ノズル(40)と前記第2ノズル(50)の軸(A40,A50)が交差している場合に、互いに結合しない。この態様によれば、第2ノズル(50)を第1位置又は第2位置に安定して位置させることが可能となる。
【0075】
第6の態様は、第5の態様に基づく集塵装置(10)である。第6の態様では、前記第2ノズル(50)は、前記第2ノズル(50)の軸(A50)に沿って延びる第1壁部(513)と、前記第2ノズル(50)の軸(A50)に対して前記第1壁部(513)と反対側にある第2壁部(515)と、を有する。前記第2ノズル(50)は、前記第1壁部(513)で、前記第1ノズル(40)に、前記第1ノズル(40)の軸(A40)に交差する揺動軸の周りに基準位置と傾倒位置との間で揺動可能に支持される。前記基準位置は、前記第1ノズル(40)と前記第2ノズル(50)の軸(A40,A50)が平行する位置である。前記傾倒位置は、前記第1ノズル(40)と前記第2ノズル(50)の軸(A40,A50)が交差する位置である。前記第2係止部(53)は、前記第2ノズル(50)の第2壁部(515)にある。この態様によれば、第2ノズル(50)全体を動かして基準位置から傾倒位置にするだけで第1係止部(43)と第2係止部(53)との結合を解除して、第1ノズル(40)に対する第2ノズル(50)の相対移動を可能とすることができる。
【0076】
第7の態様は、第6の態様に基づく集塵装置(10)である。第7の態様では、前記第1ノズル(40)は、外面に第1補助係止部(44)を有する。前記第2ノズル(50)は、内面に第2補助係止部(54)を有する。前記第1補助係止部(44)と前記第2補助係止部(54)とは、前記第1位置及び前記第2位置において、前記第1ノズル(40)と前記第2ノズル(50)の軸(A40,A50)が平行している場合に、互いに結合する。前記第1補助係止部(44)と前記第2補助係止部(54)とは、前記第1位置及び前記第2位置において、前記第1ノズル(40)と前記第2ノズル(50)の軸(A40,A50)が交差している場合に、互いに結合しない。前記第2ノズル(50)は、前記第1壁部(513)と前記第2壁部(515)とをつなぐ一対の側壁部(514)を有する。前記第2補助係止部(54)は、前記第2ノズル(50)の一対の側壁部(514)の少なくとも一方にある。この態様によれば、第2ノズル(50)を第1位置又は第2位置に安定して位置させることが可能となる。また、この態様によれば、第2ノズル(50)全体を動かして基準位置から傾倒位置にするだけで第1補助係止部(44)と第2補助係止部(54)との結合を解除して、第1ノズル(40)に対する第2ノズル(50)の相対移動を可能とすることができる。
【0077】
第8の態様は、第7の態様に基づく集塵装置(10)である。第8の態様では、前記第2補助係止部(54)は、突起である。前記第1補助係止部(44)は、前記第1ノズル(40)の軸(A40)に沿って並び前記突起が嵌る一対の凹部(441,442)と、前記一対の凹部(441,442)間で前記突起が摺動するガイド溝(443)と、を含む。この態様によれば、第1ノズル(40)に対する第2ノズル(50)の相対移動が容易に行えるようになる。
【0078】
第9の態様は、第7又は第8の態様に基づく集塵装置(10)である。第9の態様では、前記一対の側壁部(514)は弾性を有する。前記一対の側壁部(514)は、前記傾倒位置では、前記第1ノズル(40)によって互いに離れるように変形されて元の形状に戻ろうとする復帰力を生じる。この態様によれば、第2ノズル(50)が自身の復帰力によって傾倒位置から基準位置に戻るから、集塵装置(10)の利便性が向上する。
【0079】
第10の態様は、第1~第9の態様のいずれか一つに基づく集塵装置(10)である。第10の態様では、前記集塵装置(10)は、前記吸引風を発生させる吸引部(22)と、ダストボックス(60)が取り付けられるダストボックス取付部(24)と、前記吸引風で吸引されたごみを前記吸引風から分離して前記ダストボックス(60)に集積する分離部(25)と、を更に備える。この態様によれば、ごみ捨てが容易に行えるようになる。
【0080】
第11の態様は、第10の態様に基づく集塵装置(10)である。第11の態様では、前記集塵装置(10)は、前記吸引部(22)を駆動する電力を前記吸引部(22)に供給する電池パック(70)が取り付けられる電池パック取付部(26)を更に備える。この態様によれば、商用電源から電力を得られない場所でも、集塵装置(10)を使用できる。
【0081】
第12の態様は、集塵装置(10)に用いられるノズルユニット(30)である。前記集塵装置(10)は、前端部(21)に吸入口(210)を有し、ごみを吸引する吸引風を発生させて前記吸入口(210)を介してごみを吸引する本体ユニット(20)を有する。前記ノズルユニット(30)は、前記本体ユニットの前端部(21)に取り付けられる。前記ノズルユニット(30)は、形状が異なる前端部(41a,51a)を有する第1ノズル(40)及び第2ノズル(50)を有する。前記第2ノズル(50)は、前記第1ノズル(40)の軸(A40)に沿って第1位置と第2位置との間で相対的に移動可能である。前記第1位置及び前記第2位置は、前記第1ノズル(40)の前端部(41a)と前記第2ノズル(50)の前端部(51a)との位置関係が異なる。この態様によれば、ノズルの着脱をしなくても異なる種類のノズルを利用できる。
【符号の説明】
【0082】
10 集塵装置
20 本体ユニット
21 前端部
210 吸入口
22 吸引部
24 ダストボックス取付部
25 分離部
30 ノズル部(ノズルユニット)
40 第1ノズル
41a 前端部
43 第1係止部
44 第1補助係止部
441,442 凹部
443 ガイド溝
50 第2ノズル
51a 前端部
513 第1壁部
514 側壁部
515 第2壁部
520 ブラシ部
53 第2係止部
54 第2補助係止部
60 ダストボックス
70 電池パック
A40 軸
A50 軸