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特許7403121生産管理装置、生産管理方法、およびプログラム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-14
(45)【発行日】2023-12-22
(54)【発明の名称】生産管理装置、生産管理方法、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   H05K 13/08 20060101AFI20231215BHJP
   G05B 19/418 20060101ALI20231215BHJP
【FI】
H05K13/08 Z
G05B19/418 Z
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2019218352
(22)【出願日】2019-12-02
(65)【公開番号】P2021089919
(43)【公開日】2021-06-10
【審査請求日】2022-10-17
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109210
【弁理士】
【氏名又は名称】新居 広守
(74)【代理人】
【識別番号】100137235
【弁理士】
【氏名又は名称】寺谷 英作
(74)【代理人】
【識別番号】100131417
【弁理士】
【氏名又は名称】道坂 伸一
(72)【発明者】
【氏名】岩田 維里
(72)【発明者】
【氏名】清水 太一
【審査官】中田 誠二郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-197926(JP,A)
【文献】特開2015-142032(JP,A)
【文献】国際公開第2016/017276(WO,A1)
【文献】特開2017-199074(JP,A)
【文献】特開2018-018416(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 3/30;
13/00-13/08
G05B 19/418
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板に部品を実装することによって実装基板を生産する部品実装装置と、前記実装基板の生産に関する処理を行う処理装置とを有する生産システムにおける前記実装基板の生産を管理する生産管理装置であって、
前記部品実装装置による前記実装基板の生産に使用されたデータであって、少なくとも1種類の部品のそれぞれについて、当該部品を基板に実装するための前記部品実装装置の動作条件である動作パラメータを含む生産データを取得するデータ取得部と、
取得された前記生産データに含まれる少なくとも1つの前記動作パラメータに対するフィルタリングを、前記処理装置から得られるフィルタリング情報を用いて行うことによって、1以上の動作パラメータを選択するフィルタリング部と、
選択された1以上の前記動作パラメータを教師データとして用いた学習によって、部品を基板に実装するための前記部品実装装置の動作条件と前記部品との間の関係性を示す学習モデルの生成または更新を行う学習部と、
を備える生産管理装置。
【請求項2】
前記動作パラメータは、前記部品実装装置による部品の移送、認識、吸着、および装着のうちの少なくとも1つに関するパラメータである、
請求項1に記載の生産管理装置。
【請求項3】
前記生産管理装置は、さらに、
前記学習モデルと、基板に実装される実装対象部品に関する部品情報とに基づいて、前記実装対象部品を基板に実装するための前記部品実装装置の動作条件である動作パラメータを推定するパラメータ推定部を備える、
請求項1または2に記載の生産管理装置。
【請求項4】
前記処理装置は、前記実装基板を検査する検査装置であって、前記実装基板の検査によって、前記実装基板に実装されている少なくとも1種類の部品のそれぞれの品質指数を示す情報を前記フィルタリング情報として出力し、
前記品質指数は、前記品質指数に対応する部品の実装状態が良いほど大きい数値を示し、
前記フィルタリング部は、
前記フィルタリングでは、それぞれ前記フィルタリング情報によって示される前記品質指数が閾値以上の部品の種類に対応する1以上の前記動作パラメータを選択する、
請求項1~3の何れか1項に記載の生産管理装置。
【請求項5】
前記処理装置は、前記生産データを管理するデータ管理装置であって、前記部品実装装置による前記生産データに基づく動作によって、少なくとも1種類の前記部品のそれぞれに対して前記部品実装装置で生じたエラーに関する実装実績指数を示す情報を前記フィルタリング情報として出力し、
前記実装実績指数は、前記エラーが少ないほど小さい数値を示し、
前記フィルタリング部は、
前記フィルタリングでは、それぞれ前記フィルタリング情報によって示される前記実装実績指数が閾値以下の部品の種類に対応する1以上の前記動作パラメータを選択する、
請求項1~3の何れか1項に記載の生産管理装置。
【請求項6】
前記処理装置は、互いに異なる複数種の前記実装基板に対応する複数の前記生産データを管理するデータ管理装置であって、基板の種類を識別するための基板識別情報を前記フィルタリング情報として出力し、
前記フィルタリング部は、
複数の前記生産データからなる生産データ群が前記データ取得部によって取得された場合には、
前記フィルタリングでは、前記生産データ群に含まれる少なくとも1つの前記動作パラメータから、それぞれ前記基板識別情報によって識別される種類の基板に実装される部品の種類に対応する1以上の前記動作パラメータを選択する、
請求項1~3の何れか1項に記載の生産管理装置。
【請求項7】
前記処理装置は、前記生産データを管理するデータ管理装置であって、それぞれ部品の種類を識別するための1以上の部品識別情報を含む前記フィルタリング情報を出力し、
前記フィルタリング部は、
前記フィルタリングでは、前記フィルタリング情報に含まれる1以上の前記部品識別情報のそれぞれによって識別される部品の種類に対応する前記動作パラメータを選択する、
請求項1~3の何れか1項に記載の生産管理装置。
【請求項8】
基板に部品を実装することによって実装基板を生産する部品実装装置と、前記実装基板の生産に関する処理を行う処理装置とを有する生産システムにおける前記実装基板の生産を管理する生産管理方法であって、
前記部品実装装置による前記実装基板の生産に使用されたデータであって、少なくとも1種類の部品のそれぞれについて、当該部品を基板に実装するための前記部品実装装置の動作条件である動作パラメータを含む生産データを取得し、
取得された前記生産データに含まれる少なくとも1つの前記動作パラメータに対するフィルタリングを、前記処理装置から得られるフィルタリング情報を用いて行うことによって、1以上の動作パラメータを選択し、
選択された1以上の前記動作パラメータを教師データとして用いた学習によって、部品を基板に実装するための前記部品実装装置の動作条件と前記部品との間の関係性を示す学習モデルの生成または更新を行う、
生産管理方法。
【請求項9】
前記動作パラメータは、前記部品実装装置による部品の移送、認識、吸着、および装着のうちの少なくとも1つに関するパラメータである、
請求項8に記載の生産管理方法。
【請求項10】
前記生産管理方法では、さらに、
前記学習モデルと、基板に実装される実装対象部品に関する部品情報とに基づいて、前記実装対象部品を基板に実装するための前記部品実装装置の動作条件である動作パラメータを推定する、
請求項8または9に記載の生産管理方法。
【請求項11】
前記処理装置は、前記実装基板を検査する検査装置であって、前記実装基板の検査によって、前記実装基板に実装されている少なくとも1種類の部品のそれぞれの品質指数を示す情報を前記フィルタリング情報として出力し、
前記品質指数は、前記品質指数に対応する部品の実装状態が良いほど大きい数値を示し、
前記フィルタリングでは、
それぞれ前記フィルタリング情報によって示される前記品質指数が閾値以上の部品の種類に対応する1以上の前記動作パラメータを選択する、
請求項8~10の何れか1項に記載の生産管理方法。
【請求項12】
前記処理装置は、前記生産データを管理するデータ管理装置であって、前記部品実装装置による前記生産データに基づく動作によって、少なくとも1種類の前記部品のそれぞれに対して前記部品実装装置で生じたエラーに関する実装実績指数を示す情報を前記フィルタリング情報として出力し、
前記実装実績指数は、前記エラーが少ないほど小さい数値を示し、
前記フィルタリングでは、
それぞれ前記フィルタリング情報によって示される前記実装実績指数が閾値以下の部品の種類に対応する1以上の前記動作パラメータを選択する、
請求項8~10の何れか1項に記載の生産管理方法。
【請求項13】
前記処理装置は、互いに異なる複数種の前記実装基板に対応する複数の前記生産データを管理するデータ管理装置であって、基板の種類を識別するための基板識別情報を前記フィルタリング情報として出力し、
前記フィルタリングでは、
複数の前記生産データからなる生産データ群が取得された場合には、
前記生産データ群に含まれる少なくとも1つの前記動作パラメータから、それぞれ前記基板識別情報によって識別される種類の基板に実装される部品の種類に対応する1以上の前記動作パラメータを選択する、
請求項8~10の何れか1項に記載の生産管理方法。
【請求項14】
前記処理装置は、前記生産データを管理するデータ管理装置であって、それぞれ部品の種類を識別するための1以上の部品識別情報を含む前記フィルタリング情報を出力し、
前記フィルタリングでは、
前記フィルタリング情報に含まれる1以上の前記部品識別情報のそれぞれによって識別される部品の種類に対応する前記動作パラメータを選択する、
請求項8~10の何れか1項に記載の生産管理方法。
【請求項15】
請求項8~14の何れか1項に記載の生産管理生成方法をコンピュータに実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、実装基板の生産を管理する装置、方法およびプログラムなどに関する。
【背景技術】
【0002】
少なくとも1つの部品実装装置を含む部品実装ラインは、基板に部品を実装することによって実装基板を生産する。このとき、部品実装ラインは、生産データに基づいて部品を基板に実装する。生産データは、基板に実装される各部品の識別情報と、それらの部品の実装順序とを含む。また、生産データは、基板に実装される部品ごとの部品データを含む場合がある。部品データは、実装される部品の形状などを示す情報と、その部品を扱う部品実装装置の動作パラメータとを含む。動作パラメータは、例えば部品実装装置が有する実装ヘッドの吸着速度または実装荷重などを含む。
【0003】
例えば、特許文献1の実装基板製造システムでは、その動作パラメータに相当する制御パラメータ(またはマシンパラメータ)を、部品搭載作業の成績に基づいて修正する。これにより、部品データの修正を適切かつ効率的に行うことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2019-4129号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1の実装基板製造システムでは、適切な動作パラメータを設定することが難しい場合があるという課題がある。
【0006】
そこで、本開示は、適切な動作パラメータを設定することができる生産管理装置などを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一態様に係る生産管理装置は、基板に部品を実装することによって実装基板を生産する部品実装装置と、前記実装基板の生産に関する処理を行う処理装置とを有する生産システムにおける前記実装基板の生産を管理する生産管理装置であって、前記部品実装装置による前記実装基板の生産に使用されたデータであって、少なくとも1種類の部品のそれぞれについて、当該部品を基板に実装するための前記部品実装装置の動作条件である動作パラメータを含む生産データを取得するデータ取得部と、取得された前記生産データに含まれる少なくとも1つの前記動作パラメータに対するフィルタリングを、前記処理装置から得られるフィルタリング情報を用いて行うことによって、1以上の動作パラメータを選択するフィルタリング部と、選択された1以上の前記動作パラメータを教師データとして用いた学習によって、部品を基板に実装するための前記部品実装装置の動作条件と前記部品との間の関係性を示す学習モデルの生成または更新を行う学習部と、を備える。
【0008】
なお、これらの包括的または具体的な態様は、システム、方法、集積回路、コンピュータプログラムまたはコンピュータ読み取り可能なCD-ROMなどの記録媒体で実現されてもよく、システム、方法、集積回路、コンピュータプログラムおよび記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。また、記録媒体は、非一時的な記録媒体であってもよい。
【発明の効果】
【0009】
本開示の生産管理装置は、適切な動作パラメータを設定することができる。
【0010】
なお、本開示の一態様における更なる利点および効果は、明細書および図面から明らかにされる。かかる利点および/または効果は、いくつかの実施の形態並びに明細書および図面に記載された特徴によってそれぞれ提供されるが、1つまたはそれ以上の同一の特徴を得るために必ずしも全てが提供される必要はない。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は、実施の形態1における生産システムの構成の一例を示す図である。
図2図2は、実施の形態1における部品実装装置の構成の一例を示す図である。
図3図3は、図2におけるA-A断面の一例を部分的に示す図である。
図4図4は、実施の形態1における生産データ生成装置と部品実装ラインとのそれぞれの機能構成を示すブロック図である。
図5図5は、実施の形態1における部品ライブラリの一例を示す図である。
図6図6は、実施の形態1における生産データの一例を示す図である。
図7A図7Aは、実施の形態1における学習モデル保持部に保持され、時間単位で管理されている複数の学習モデルの一例を示す図である。
図7B図7Bは、実施の形態1における学習モデル保持部に保持され、時間単位で管理されている複数の学習モデルの他の例を示す図である。
図8図8は、実施の形態1における学習モデル保持部に保持され、生産設備単位で管理されている複数の学習モデルの一例を示す図である。
図9A図9Aは、実施の形態1における学習モデル保持部に保持され、生産タイプ単位で管理されている複数の学習モデルの一例を示す図である。
図9B図9Bは、実施の形態1における学習モデル保持部に保持され、生産タイプ単位および生産設備単位で管理されている複数の学習モデルの一例を示す図である。
図10A図10Aは、実施の形態1における動作パラメータの推定処理の概要を説明するための図である。
図10B図10Bは、実施の形態1における動作パラメータモデルの学習処理の概要を説明するための図である。
図11図11は、実施の形態1における全体的な処理の一例を示す図である。
図12図12は、実施の形態1における全体的な処理の他の例を示す図である。
図13図13は、実施の形態1における生産データ生成装置の処理動作を示すフローチャートである。
図14図14は、実施の形態2における生産システムの構成の一例を示す図である。
図15図15は、実施の形態2における生産管理装置と部品実装ラインと処理装置とのそれぞれの機能構成を示すブロック図である。
図16図16は、実施の形態2における全体的な処理の一例を示す図である。
図17A図17Aは、実施の形態2における、実装基板の検査結果に基づいて生成されるフィルタリング情報の一例を示す図である。
図17B図17Bは、実施の形態2における、部品実装ラインの実装実績に基づいて生成されるフィルタリング情報の一例を示す図である。
図18A図18Aは、実施の形態2における、部品の選択によって生成されるフィルタリング情報の一例を示す図である。
図18B図18Bは、実施の形態2における、基板の選択によって生成されるフィルタリング情報の一例を示す図である。
図19図19は、実施の形態2における生産管理装置の処理動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
上述の課題を解決するために、本開示の一態様に係る生産管理装置は、基板に部品を実装することによって実装基板を生産する部品実装装置と、前記実装基板の生産に関する処理を行う処理装置とを有する生産システムにおける前記実装基板の生産を管理する生産管理装置であって、前記部品実装装置による前記実装基板の生産に使用されたデータであって、少なくとも1種類の部品のそれぞれについて、当該部品を基板に実装するための前記部品実装装置の動作条件である動作パラメータを含む生産データを取得するデータ取得部と、取得された前記生産データに含まれる少なくとも1つの前記動作パラメータに対するフィルタリングを、前記処理装置から得られるフィルタリング情報を用いて行うことによって、1以上の動作パラメータを選択するフィルタリング部と、選択された1以上の前記動作パラメータを教師データとして用いた学習によって、部品を基板に実装するための前記部品実装装置の動作条件と前記部品との間の関係性を示す学習モデルの生成または更新を行う学習部と、を備える。例えば、前記動作パラメータは、前記部品実装装置による部品の移送、認識、吸着、および装着のうちの少なくとも1つに関するパラメータであってもよい。
【0013】
これにより、フィルタリングによって選択された1以上の動作パラメータが学習に用いられ、選択されなかった動作パラメータは学習に用いられないため、学習モデルの適正化を図ることができる。その結果、この学習モデルを用いれば、適切な動作パラメータを推定し、その後に部品実装装置で用いられる生産データに設定することができる。したがって、品質の良い実装基板を生産することができる。つまり、実装基板の品質向上を図ることができる。
【0014】
また、前記生産管理装置は、さらに、前記学習モデルと、基板に実装される実装対象部品に関する部品情報とに基づいて、前記実装対象部品を基板に実装するための前記部品実装装置の動作条件である動作パラメータを推定するパラメータ推定部を備えてもよい。
【0015】
これにより、実装対象部品に対して適切な動作パラメータを推定して設定することができる。
【0016】
また、前記処理装置は、前記実装基板を検査する検査装置であって、前記実装基板の検査によって、前記実装基板に実装されている少なくとも1種類の部品のそれぞれの品質指数を示す情報を前記フィルタリング情報として出力し、前記品質指数は、前記品質指数に対応する部品の実装状態が良いほど大きい数値を示し、前記フィルタリング部は、前記フィルタリングでは、それぞれ前記フィルタリング情報によって示される前記品質指数が閾値以上の部品の種類に対応する1以上の前記動作パラメータを選択してもよい。
【0017】
これにより、実装状態が良かった部品の種類に対応する1以上の動作パラメータがフィルタリングによって選択されて学習に用いられ、実装状態が悪かった部品の種類に対応する動作パラメータは学習に用いられない。したがって、良い実装状態を実現するための適切な動作パラメータを推定するための学習モデルを生成することができる。
【0018】
また、前記処理装置は、前記生産データを管理するデータ管理装置であって、前記部品実装装置による前記生産データに基づく動作によって、少なくとも1種類の前記部品のそれぞれに対して前記部品実装装置で生じたエラーに関する実装実績指数を示す情報を前記フィルタリング情報として出力し、前記実装実績指数は、前記エラーが少ないほど小さい数値を示し、前記フィルタリング部は、前記フィルタリングでは、それぞれ前記フィルタリング情報によって示される前記実装実績指数が閾値以下の部品の種類に対応する1以上の前記動作パラメータを選択してもよい。
【0019】
例えば、部品実装装置で生じたエラーは、部品形状を識別できなかったり、装着ヘッドに吸着された部品を落下させたり、フィーダから供給される部品を吸着することができなかった事象などである。本開示の一態様に係る生産管理装置では、部品実装装置でのエラーが少なかった部品の種類に対応する1以上の動作パラメータがフィルタリングによって選択されて学習に用いられ、エラーが多かった部品の種類に対応する動作パラメータは学習に用いられない。したがって、エラーの発生を低減するための適切な動作パラメータを推定するための学習モデルを生成することができる。
【0020】
また、前記処理装置は、互いに異なる複数種の前記実装基板に対応する複数の前記生産データを管理するデータ管理装置であって、基板の種類を識別するための基板識別情報を前記フィルタリング情報として出力し、前記フィルタリング部は、複数の前記生産データからなる生産データ群が前記データ取得部によって取得された場合には、前記フィルタリングでは、前記生産データ群に含まれる少なくとも1つの前記動作パラメータから、それぞれ前記基板識別情報によって識別される種類の基板に実装される部品の種類に対応する1以上の前記動作パラメータを選択してもよい。
【0021】
これにより、基板識別情報によって識別される種類の基板に実装される部品の種類に対応する1以上の動作パラメータがフィルタリングによって選択されて学習に用いられ、他の基板に実装される部品の種類に対応する動作パラメータは学習に用いられない。したがって、特定の基板に対して適切な動作パラメータを推定するための学習モデルを生成することができる。
【0022】
また、前記処理装置は、前記生産データを管理するデータ管理装置であって、それぞれ部品の種類を識別するための1以上の部品識別情報を含む前記フィルタリング情報を出力し、前記フィルタリング部は、前記フィルタリングでは、前記フィルタリング情報に含まれる1以上の前記部品識別情報のそれぞれによって識別される部品の種類に対応する前記動作パラメータを選択してもよい。
【0023】
これにより、部品識別情報によって識別される部品の種類に対応する1以上の動作パラメータがフィルタリングによって選択されて学習に用いられ、他の部品の種類に対応する動作パラメータは学習に用いられない。したがって、特定の部品に対して適切な動作パラメータを推定するための学習モデルを生成することができる。
【0024】
以下、実施の形態について、図面を参照しながら具体的に説明する。
【0025】
なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも包括的または具体的な例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、本開示を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
【0026】
また、各図は、模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。また、各図において、同じ構成部材については同じ符号を付している。
【0027】
(実施の形態1)
[生産システム]
図1は、本実施の形態における生産システムの構成の一例を示す図である。
【0028】
本実施の形態における生産システム1は、3つの部品実装ラインL1~L3と、生産データ生成装置100とを備える。
【0029】
部品実装ラインL1~L3のそれぞれは、実装基板の生産設備の一例であって、上流側から搬入された基板に対してはんだ印刷作業、部品実装作業およびリフロー作業などを行うことによって実装基板を生産し、その生産された実装基板を下流側に搬出する。
【0030】
生産データ生成装置100は、部品実装ラインL1~L3のそれぞれに対して、実装基板を生産するための生産データを生成して出力する。なお、生産データ生成装置100は、無線または有線を介してそれらの部品実装ラインL1~L3と通信してもよい。無線は、Wi-Fi(登録商標)、Bluetooth(登録商標)、ZigBee、または特定小電力無線であってもよい。
【0031】
部品実装ラインL1は、ライン管理装置200と、基板供給装置M1と、基板受渡装置M2と、はんだ印刷装置M3と、部品実装装置M4およびM5と、リフロー装置M6と、基板回収装置M7とを備える。なお、部品実装ラインL1に含まれるライン管理装置200以外の各装置は、基板供給装置M1、基板受渡装置M2、はんだ印刷装置M3、部品実装装置M4およびM5、リフロー装置M6、基板回収装置M7の順に配列され、直列に連結されている。なお、これらのライン管理装置200以外の各装置を、以下、作業装置という。なお、部品実装ラインL1は、基板供給装置M1、少なくとも1つの部品実装装置、および基板回収装置M7を含んでいれば、上記全ての作業装置を含んでいなくてもよい。また、部品実装ラインL1は、上記作業装置の他、基板に半田を塗布する半田塗布装置、ラジアル部品またはアキシャル部品を基板に実装する部品挿入機などを含んでもよい。
【0032】
ライン管理装置200は、生産データ生成装置100によって生成された生産データを、その生産データ生成装置100から取得し、その生産データに基づく実装基板の生産を、部品実装ラインL1に含まれる各作業装置に実行させる。
【0033】
基板供給装置M1は、部品実装ラインL1で生産される実装基板に用いられる基板を、基板受渡装置M2を介してはんだ印刷装置M3に供給する。はんだ印刷装置M3は、上述のはんだ印刷作業を行う。つまり、はんだ印刷装置M3は、その基板受渡装置M2から受け渡された基板にはんだをスクリーン印刷する。
【0034】
部品実装装置M4およびM5のそれぞれは、基板に少なくとも1つの部品を実装する上述の部品実装作業を実行する。なお、部品実装ラインL1は、2台の部品実装装置M4およびM5を備えるが、その台数は2台に限定されることなく、1台であってもよく、3台以上であってもよい。また、これらの部品実装装置M4およびM5による部品実装作業によって実装基板が実質的に生産されるともいえる。
【0035】
リフロー装置M6は、上述のリフロー作業を行う。つまり、リフロー装置M6は、部品実装装置M4およびM5から搬入された、部品が実装された基板を加熱して、基板上のはんだを硬化させ、基板の電極部と部品とを接合する。具体的には、リフロー装置M6は、所定の加熱プロファイルにしたがった加熱を行うことによって、部品接合用のはんだを溶融固化する。これにより部品が基板にはんだ接合される。基板回収装置M7は、そのはんだ接合が行われた基板をリフロー装置M6から回収する。
【0036】
部品実装ラインL2およびL3も、部品実装ラインL1と同様の構成を有する。なお、本実施の形態では、部品実装ラインL1~L3のそれぞれは同一の構成を有するが、互に異なる構成を有していてもよい。また、本実施の形態では、部品実装ラインL1~L3は、ライン管理装置200を備えているが、そのライン管理装置200は、部品実装ラインL1~L3のそれぞれから独立して備えられていてもよく、部品実装ラインL1~L3のそれぞれに組み込まれていてもよい。
【0037】
[部品実装装置]
図2は、部品実装装置M4の構成の一例を示す図である。本実施の形態では、部品実装装置M5も、部品実装装置M4と同様の構成を有する。なお、本実施の形態では、基板Bの搬送方向をX軸方向と称し、そのX軸方向と垂直な方向をY軸方向と称する。X軸方向およびY軸方向は水平面に沿う方向である。さらに、X軸方向およびY軸方向に垂直な方向を、Z軸方向と称する。X軸方向プラス側およびマイナス側は、それぞれ基板Bの搬送方向における下流側および上流側であって、Y軸方向プラス側およびマイナス側は、それぞれ前後方向における後側(または奥側)および前側(または手前側)である。Z軸方向プラス側およびマイナス側は、それぞれ上下方向における上側および下側である。図2では、部品実装装置M4の上面が示されている。
【0038】
部品実装装置M4は、基台4と、基板搬送機構5と、2つの部品供給部6と、2つのX軸ビーム9と、Y軸ビーム8と、2つの実装ヘッド10と、2つの部品認識カメラ11と、2つの基板認識カメラ12とを備える。
【0039】
基板搬送機構5は、X軸方向に沿う2つのレールを備え、基台4の中央には配設されている。基板搬送機構5は、上流側から搬入された基板Bを搬送し、部品実装作業を実行するための位置にその基板Bを位置決めして保持する。
【0040】
2つの部品供給部6は、基板搬送機構5をY軸方向に挟むように配置されている。それぞれの部品供給部6には、複数のフィーダ7がX軸方向に沿って並列に配置されている。フィーダ7は、部品を収納した部品テープをテープ送り方向にピッチ送りすることにより、実装ヘッド10によって部品の取り出しが行われる位置(以下、部品取り出し位置という)に、その部品を供給する。
【0041】
なお、部品供給部6には、トレイフィーダ、スティックフィーダ、またはバルクフィーダなどが配置されてもよい。トレイフィーダは、部品を収納したトレイからその部品を供給する。スティックフィーダは、部品を収納したスティックケースからその部品を供給する。バルクフィーダは、部品を収納したバルクケースからその部品を供給する。
【0042】
Y軸ビーム8は、基台4上面におけるX軸方向の一方側(図2では右側)の端に、Y軸方向に沿うように配設されている。2つのX軸ビーム9は、X軸方向に沿った状態で、Y軸方向に移動自在にY軸ビーム8に結合されている。
【0043】
実装ヘッド10は、2つのX軸ビーム9のそれぞれに、X軸方向に移動自在に装着されている。実装ヘッド10は、部品を吸着して保持しながら昇降可能な複数の吸着ユニット10aを備える。吸着ユニット10aのそれぞれの先端には、吸着ノズル10bが設けられている(図3参照)。
【0044】
2つの実装ヘッド10のそれぞれは、Y軸ビーム8およびX軸ビーム9の駆動によって、X軸方向およびY軸方向に移動する。これにより、2つの実装ヘッド10のそれぞれは、その実装ヘッド10に対応する部品供給部6に配置されたフィーダ7の部品取り出し位置から部品を吸着ノズル10bによって吸着して取り出し、基板搬送機構5に位置決めされた基板Bの実装点(または実装位置)に実装する。
【0045】
2つの部品認識カメラ11のそれぞれは、2つの部品供給部6のうちの一方と基板搬送機構5との間に配設されている。部品認識カメラ11は、部品供給部6から部品を取り出した実装ヘッド10が部品認識カメラ11の上方を移動する際に、その部品を撮像する。つまり、部品認識カメラ11は、実装ヘッド10に保持された状態の部品を撮像することによって、その部品の保持姿勢を認識する。
【0046】
基板認識カメラ12は、実装ヘッド10が取着されているプレート9aに取り付けられている。したがって、基板認識カメラ12は、実装ヘッド10と一体的に移動する。このような基板認識カメラ12は、実装ヘッド10の移動に伴って、基板搬送機構5に位置決めされた基板Bの上方に移動し、基板Bに設けられた基板マーク(図示せず)を撮像して基板Bの位置を認識する。実装ヘッド10による基板Bへの部品の実装では、部品認識カメラ11による部品の認識結果と、基板認識カメラ12による基板Bの位置の認識結果とに基づいて、実装位置の補正が行われる。
【0047】
図3は、図2におけるA-A断面の一例を部分的に示す図である。部品実装装置M4は、部品Pを基板Bに実装する機能を有している。
【0048】
部品供給部6は、図3に示すように、フィーダベース13aと、そのフィーダベース13aに装着された複数のフィーダ7と、フィーダベース13aを支持する台車13とを備える。
【0049】
台車13は、部品実装装置M4、M5に対して着脱自在に構成され、さらに、カセットホルダ15を備えている。カセットホルダ15は、部品リールCを複数個保持可能に構成されている。部品リールCは、部品テープ14を巻回状態で収納する。複数の部品リールCのそれぞれは、カセットホルダ15の上方保持位置Huまたは下方保持位置Hdに保持される。カセットホルダ15が保持する部品リールCから引き出された部品テープ14は、フィーダ7に装着される。なお、フィーダ7は、台車13を用いることなく、基台4上に設けられたフィーダベース13aに配置されていてもよい。また、カセットホルダ15ではなく、台車13が部品リールCを保持してもよい。
【0050】
なお、本実施の形態では、上述のように、部品実装装置M4およびM5はそれぞれ同一の構成を有するが、互に異なる構成を有していてもよい。
【0051】
[生産データ生成装置と部品実装ラインの機能構成]
図4は、生産データ生成装置100と部品実装ラインL1~L3とのそれぞれの機能構成を示すブロック図である。
【0052】
生産データ生成装置100は、制御部101、データ生成部102、モデル選択部103、学習部104、パラメータ推定部105、表示部106、入出力部107、データ取得部108、生産データ保持部DB1、学習モデル保持部DB2、および部品ライブラリ保持部DB3を備える。
【0053】
モデル選択部103は、学習モデル保持部DB2に保持されている複数の学習モデルから、少なくとも1つの学習モデルを選択する。
【0054】
学習モデル保持部DB2は、上述の複数の学習モデルを保持している。これらの複数の学習モデルのそれぞれは、互いに異なるモデルであって、部品Pを基板Bに実装するための部品実装装置M4またはM5の動作条件とその部品Pとの間の関係性を示す。
【0055】
パラメータ推定部105は、部品実装装置M4またはM5の動作条件である動作パラメータを推定する。つまり、パラメータ推定部105は、モデル選択部103によって選択された少なくとも1つの学習モデルと、基板Bに実装される実装対象部品Pに関する部品情報とに基づいて、その実装対象部品Pを基板Bに実装するための動作パラメータを推定する。
【0056】
データ生成部102は、上述の部品情報および動作パラメータを有する部品データを含む生産データを生成する。ここで、生産データは、例えば、基板Bに実装される少なくとも1つの部品Pの実装順と、それらの部品Pが基板Bに実装される位置(すなわち上述の実装位置)とを示すとともに、その少なくとも1つの部品Pのそれぞれの部品データを含む。また、各部品Pの部品データは、部品ライブラリ保持部DB3に保持されている。つまり、部品ライブラリ保持部DB3は、複数種の部品Pのそれぞれの部品データを含む部品ライブラリを保持している。したがって、データ生成部102は、基板Bに実装される部品Pの部品データがその部品ライブラリに含まれていれば、その部品Pの部品データを部品ライブラリから選択し、その選択された部品データを含む生産データを生成する。一方、データ生成部102は、基板Bに実装される部品Pの部品データがその部品ライブラリに含まれていれなければ、その部品Pの部品情報と、上述のように推定された動作パラメータとを有する部品データを含む生産データを生成する。
【0057】
データ生成部102は、このような生産データを部品実装ラインL1~L3のそれぞれに対して生成して出力するとともに、その生産データを生産データ保持部DB1に格納する。
【0058】
データ取得部108は、実装済み部品Pに関する部品情報と、その実装済み部品Pの実装に用いられた動作パラメータとを有する実績部品データを含む、部品実装装置M4またはM5によって使用された実績生産データを取得する。
【0059】
実績生産データは、例えば、データ生成部102によって生成された生産データに対して修正またはチューニングなどが行われたデータである。つまり、部品実装ラインL1~L3のそれぞれに含まれる部品実装装置M4またはM5は、生産データに基づいて部品Pを基板Bに実装するが、その実装によって不良の実装基板が生産される場合がある。このような場合には、部品実装ラインL1~L3のそれぞれでは、不良品の発生頻度が低下するように、生産データに含まれる部品データの修正またはチューニングが行われる。このような修正またはチューニングによって、実績部品データを含む実績生産データが生成される。部品実装ラインL1~L3のそれぞれの部品実装装置M4またはM5は、その実績生産データを用いて部品Pの基板Bへの実装を行う。データ取得部108は、このように生成された実績生産データを部品実装ラインL1~L3のそれぞれから取得する。
【0060】
学習部104は、学習モデルの生成または更新を機械学習によって行う。なお、機械学習を、以下単に、学習という。例えば、学習部104は、学習によって学習モデルを生成し、その生成された学習モデルを学習モデル保持部DB2に格納する。また、学習部104は、学習モデル保持部DB2に保持されている複数の学習モデルから1つの学習モデルを選択し、その選択された学習モデルを学習によって更新する。このような学習部104による学習には、部品実装ラインL1~L3のそれぞれで使用されてデータ取得部108に取得された実績生産データが用いられる。
【0061】
つまり、学習部104は、学習モデル保持部DB2に保持されている複数の学習モデルのうち、データ取得部108によって取得された実績生産データに対応する学習モデルによって示される関係性の更新を行う。このとき、学習部104は、その実績生産データに含まれる実績部品データを教師データとして用いた学習によってその更新を行う。なお、学習モデルは、例えばニューラルネットワークであってもよく、決定木であってもよく、その他のモデルであってもよい。
【0062】
表示部106は、生産データ保持部DB1に保持されている生産データ、および部品ライブラリ保持部DB3に保持されている部品ライブラリなどを表示する。表示部106の具体例は、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、または有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイなどであるが、これらに限定されない。
【0063】
入出力部107は、例えば生産システム1のオペレータによる操作に基づく入力データを受け付け、その入力データを制御部101に出力する。このような、入出力部107は、例えばキーボード、タッチセンサ、タッチパッドまたはマウスなどを有する。また、入出力部107は、部品実装ラインL1~L3へのデータの出力と、部品実装ラインL1~L3からのデータの入力とを行う。データ生成部102によって生成された生産データは、この入出力部107を介して各部品実装ラインL1~L3に出力されてもよい。また、入出力部107は、上述の部品情報をオペレータによる操作に基づいて取得し、パラメータ推定部105に出力してもよい。
【0064】
制御部101は、生産データ生成装置100に含まれる制御部101以外の各構成要素を制御する。例えば、制御部101は、入出力部107によって受け付けられたオペレータの入力データなどに基づいて各構成要素を制御する。
【0065】
生産データ保持部DB1、学習モデル保持部DB2および部品ライブラリ保持部DB3は、生産データ、学習モデルおよび部品ライブラリを保持するための記録媒体である。例えば、このような記録媒体は、ハードディスク、RAM(Read Only Memory)、ROM(Random Access Memory)、または半導体メモリなどである。なお、このような記録媒体は、揮発性であっても不揮発性であってもよい。
【0066】
部品実装ラインL1は、作業制御部211、入出力部212、表示部213、作業機構214、および生産データ保持部DB4を備える。なお、部品実装ラインL1に含まれる作業機構214以外の各構成要素は、ライン管理装置200に備えられていてもよく、ライン管理装置200とは異なる何れかの作業装置に備えられていてもよい。
【0067】
入出力部212は、生産データ生成装置100の入出力部107と同様、例えば生産システム1のオペレータによる操作に基づく入力データを受け付け、その入力データを作業制御部211に出力する。このような、入出力部212は、例えばキーボード、タッチセンサ、タッチパッドまたはマウスなどを有してもよい。また、入出力部212は、生産データ生成装置100へのデータの出力と、生産データ生成装置100からのデータの入力とを行う。例えば、入出力部212は、生産データ生成装置100から生産データを取得して、その生産データを生産データ保持部DB4に格納する。
【0068】
表示部213は、生産データ保持部DB4に保持されている生産データなどを表示する。表示部213の具体例は、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、または有機ELディスプレイなどであるが、これらに限定されない。
【0069】
作業機構214は、実装基板を生産するための実装ヘッド10およびフィーダ7などの機構からなる。
【0070】
作業制御部211は、部品実装ラインL1に含まれる作業制御部211以外の各構成要素を制御する。例えば、作業制御部211は、入出力部212によって受け付けられたオペレータの入力データなどに基づいて各構成要素を制御する。例えば、作業制御部211は、生産データ保持部DB4に保持されている生産データに基づいて、上述のはんだ印刷作業、部品実装作業およびリフロー作業のうちの少なくとも1つの作業を作業機構214に実行させる。また、作業制御部211は、入出力部212によって受け付けられたオペレータの入力データにしたがって、生産データ保持部DB4に保持されている生産データの修正またはチューニングなどを行う。これによって、上述の実績生産データが生成される。作業制御部211は、入出力部212を制御することによって、その実績生産データを入出力部212から生産データ生成装置100に出力させる。
【0071】
生産データ保持部DB4は、生産データを保持するための記録媒体である。例えば、このような記録媒体は、ハードディスク、RAM、ROM、または半導体メモリなどである。なお、このような記録媒体は、揮発性であっても不揮発性であってもよい。
【0072】
[部品ライブラリ]
図5は、部品ライブラリの一例を示す図である。
【0073】
部品ライブラリは、複数の部品データDcからなる。複数の部品データDcのそれぞれは、1種類の部品Pのデータであって、その部品Pの種類を識別するための部品コードに関連付けられている。このような部品データDcは、部品Pに関する部品情報dと、その部品Pを基板Bに実装するための部品実装装置M4またはM5の動作条件である動作パラメータmとを有する。なお、図5に示す部品データDc中の各項目の空欄部分などには、画像、数値または用語等が示されている。
【0074】
部品情報dは、例えば、部品Pの形状図d1、サイズデータd2および部品パラメータd3を含む。
【0075】
形状図d1は、その部品データDcに対応する部品Pの外形を図示する。サイズデータd2は、その部品Pのサイズに関する情報、すなわち、外形寸法、リード数、リードピッチ、リード長さ、リード幅、および部品高さなどを数値で示す。
【0076】
部品パラメータd3は、その部品Pについての属性情報である。このような部品パラメータd3は、部品P自体に関する情報である部品属性d31と、その部品Pをフィーダ7により供給するための部品テープ14に関する情報であるテープ情報d32とを含む。部品属性d31は、例えば、部品Pの極性、極性マーク、マーク位置、部品種別、および形状種別を示す。テープ情報d32は、例えば、部品テープ14のテープ素材と、部品テープ14の幅寸法を示すテープ幅と、フィーダ7による部品テープ14のテープ送りピッチを示す送り間隔と、部品テープ14の色および材質に関する情報とを含む。
【0077】
このように、本実施の形態における部品情報dは、その部品情報dに対応する部品Pの寸法、形状、外観、種別、およびその部品Pを供給するための供給形態のうちの少なくとも1つを示す。なお、供給形態は、例えばテープ情報d32などに相当する。
【0078】
動作パラメータmは、部品実装装置M4またはM5が部品Pを基板Bに実装する際の動作態様を規定するマシンパラメータである。ここに示す例では、動作パラメータmは、その部品実装装置M4またはM5の種類を示す機種情報m1と、使用される吸着ノズル10bの種類を示すノズル設定情報m2とを含む。さらに、動作パラメータmは、スピードパラメータm3、認識情報m4、ギャップ情報m5、吸着情報m6、および装着情報m7などを含む。
【0079】
スピードパラメータm3は、吸着ノズル10bによって部品Pを吸着動作する際の昇降速度と、実装ヘッド10によって部品Pを移送する際の実装速度と、フィーダ7によって部品テープ14を送る際のテープ送り速度とを含む。認識情報m4は、部品認識の態様を規定するパラメータである。具体的には、認識情報m4は、使用される部品認識カメラ11の種類を示すカメラ種別と、部品認識カメラ11による撮像時の照明形態を示す照明モードと、撮像時における実装ヘッド10の移動の速度を示す認識速度とを含む。ギャップ情報m5は、吸着ノズル10bによって部品Pを吸着する際の吸着ギャップと、吸着された部品Pを基板Bに搭載する際の実装ギャップとを含む。
【0080】
吸着情報m6は、吸着ノズル10bによる部品Pの吸着時のオフセット量を示す吸着位置オフセットと、吸着角度とを含む。装着情報m7は、吸着ノズル10bに吸着された部品Pを基板Bに搭載する際の押圧荷重を実装荷重として示す。
【0081】
このように、本実施の形態における動作パラメータmは、部品実装装置M4またはM5による部品Pの移送、認識、吸着、および装着のうちの少なくとも1つに関するパラメータである。
【0082】
なお、図5の部品データDcに含まれる部品情報dおよび動作パラメータmは、それぞれ一例であって、図5に示す情報以外の他の情報を示していてもよく、図5に示す情報と他の情報とを共に示していてもよく、図5に示す情報の一部のみを示していてもよい。また、部品情報dおよび動作パラメータmのそれぞれに含まれる情報の数は、1つであってもよく複数であってもよい。
【0083】
本実施の形態では、データ生成部102は、生産データを生成するときには、部品ライブラリ保持部DB3に保持されている部品ライブラリから、基板Bに実装される部品Pに対応する部品データDcを選択し、その部品データDcを含む生産データを生成する。
【0084】
また、データ生成部102は、基板Bに実装される部品Pに対応する部品データDcが部品ライブラリになければ、部品ライブラリに含まれていない部品データDcを用いて生産データを生成する。例えば、データ生成部102は、入出力部107によって取得された部品情報dと、その部品情報dに対してパラメータ推定部105によって推定された動作パラメータmとを有する部品データDcを用いて生産データを生成する。入出力部107によって取得された部品情報dは、例えば、基板Bに実装される部品Pに関するCAD(Computer Aided Design)の情報から取得された情報であってもよく、オペレータの操作によって入力された情報であってもよい。
【0085】
また、部品ライブラリの部品データDcには、デフォルトの動作パラメータmが設定されている場合がある。データ生成部102は、部品ライブラリから選択された部品データDcにデフォルトの動作パラメータmが設定されていれば、その部品データDcに含まれる部品情報dに対応する動作パラメータmをパラメータ推定部105に推定させてもよい。パラメータ推定部105によって動作パラメータmが推定されると、データ生成部102は、その部品データDcに含まれるデフォルトの動作パラメータmを、パラメータ推定部105によって推定された動作パラメータmに置き換える。そして、データ生成部102は、その動作パラメータmの置き換えが行われた部品データDcを用いて生産データを生成する。
【0086】
なお、部品データDcの動作パラメータmに含まれる全ての情報(すなわちパラメータ)がデフォルトであってもよく、一部のパラメータのみがデフォルトであってもよい。一部のパラメータのみがデフォルトの場合、パラメータ推定部105は、そのデフォルトの一部のパラメータの代わりとなるパラメータを推定してもよい。データ生成部102は、部品データDcに含まれる動作パラメータmのうち、その一部のパラメータを、パラメータ推定部105によって推定されたパラメータに置き換える。そして、データ生成部102は、その一部のパラメータの置き換えが行われた部品データDcを用いて生産データを生成する。
【0087】
[生産データ]
図6は、生産データDpの一例を示す図である。
【0088】
生産データDpには、例えば、基板Bに実装される複数の部品Pのそれぞれの部品名および部品コードが、それらの複数の部品Pの実装順に配列されている。なお、部品Pの部品コードは、部品ライブラリからその部品Pの部品データDcを特定するためのコードである。また、生産データDpは、その複数の部品Pのそれぞれについて、その部品Pの装着座標、装着角度、フィーダ7の識別情報、および実装ヘッド10または吸着ノズル10bの識別情報を示す。部品Pの装着座標は、その部品Pが装着または実装される基板Bにおける位置であって、実装点、装着位置または実装位置ともいう。部品Pの装着角度は、その部品Pを吸着する吸着ノズル10bが、その部品Pを基板Bに実装するために、吸着ノズル10bの中心軸を回転軸にして回転する角度である。部品Pに対応するフィーダ7の識別情報は、その部品Pを供給するフィーダ7を識別するための情報である。部品Pに対応する実装ヘッド10の識別情報は、その部品Pを基板Bに実装するために用いられる実装ヘッド10を識別するための情報である。
【0089】
例えば、生産データDpは、基板Bに最初に実装される部品Pについて、その部品Pの部品名「A部品」、部品コード「C001」、装着座標「x1,y1」、装着角度「θ1」、フィーダ7の識別情報「F2」、および実装ヘッド10の識別情報「H3」を示す。
【0090】
また、本実施の形態における生産データDpは、基板Bに実装される複数の部品Pのそれぞれの部品データDcを含む。例えば、生産データDpは、部品名「A部品」の部品Pが有する部品コード「C001」に対応付けられている部品データDcを含む。
【0091】
[学習モデル]
図7Aおよび図7Bは、学習モデル保持部DB2に保持され、時間単位で管理されている複数の学習モデルの一例を示す図である。なお、本実施の形態における学習モデルを、以下、動作パラメータモデルともいう。
【0092】
例えば、学習モデル保持部DB2に保持されている複数の学習モデルである複数の動作パラメータモデルPm11~Pm14のそれぞれは、図7Aに示すように、時間単位に管理されている。具体的には、動作パラメータモデルPm11は、1990年から1999年の間に使用された実績生産データを用いた学習によって生成されている。同様に、動作パラメータモデルPm12は、2000年から2009年の間に使用された実績生産データを用いた学習によって生成され、動作パラメータモデルPm13は、2010年から現在までの間に使用された実績生産データを用いた学習によって生成されている。また、動作パラメータモデルPm14は、1990年から現在までの間に使用された実績生産データを用いた学習によって生成されている。
【0093】
また、学習モデル保持部DB2に保持されている複数の学習モデルである複数の動作パラメータモデルPm21~Pm25のそれぞれは、図7Bに示すように、時間単位に管理され、さらに、時系列に沿って管理されていてもよい。
【0094】
例えば、動作パラメータモデルPm21は、2019年7月1日に使用された実績生産データを用いた学習によって生成されている。動作パラメータモデルPm22は、その動作パラメータモデルPm21と、2019年7月2日に使用された実績生産データとを用いた学習によって生成されている。つまり、動作パラメータモデルPm22は、2019年の7月1日~2日の間に使用された実績生産データを用いた学習によって生成されている。
【0095】
同様に、動作パラメータモデルPm23は、その動作パラメータモデルPm22と、2019年7月3日に使用された実績生産データとを用いた学習によって生成されている。つまり、動作パラメータモデルPm23は、2019年の7月1日~3日の間に使用された実績生産データを用いた学習によって生成されている。動作パラメータモデルPm24は、その動作パラメータモデルPm22と、2019年7月4日に使用された実績生産データとを用いた学習によって生成されている。つまり、動作パラメータモデルPm24は、2019年の7月1日~2日の間および4日に使用された実績生産データを用いた学習によって生成されている。したがって、動作パラメータモデルPm24には、2019年7月3日に使用された実績生産データは反映されていない。
【0096】
動作パラメータモデルPm25は、その動作パラメータモデルPm24と、2019年7月5日に使用された実績生産データとを用いた学習によって生成されている。つまり、動作パラメータモデルPm25は、2019年の7月1日~2日の間および4日~5日の間に使用された実績生産データを用いた学習によって生成されている。したがって、動作パラメータモデルPm25には、動作パラメータモデルPm24と同様に、2019年7月3日に使用された実績生産データは反映されていない。
【0097】
このように本実施の形態では、複数の学習モデル(すなわち動作パラメータモデル)のそれぞれは互いに異なる期間に対応付けられている。言い換えれば、複数の動作パラメータモデルは時間単位で管理されている。この場合、学習部104は、実績生産データに含まれる実績部品データを教師データとして用いた学習を行うときには、その実績生産データが取得された期間に対応する学習モデルに対して学習を行う。
【0098】
例えば、図7Aに示す例では、生産データ生成装置100のデータ取得部108が実績生産データを2011年に取得すると、学習部104は、その2011年に対応する動作パラメータモデルPm13およびPm14に対して学習を行う。また、図7Bに示す例では、データ取得部108が実績生産データを2019年7月3日に取得すると、学習部104は、その実績生産データが取得された期間に対応する動作パラメータモデルPm22またはPm23に対して学習を行う。
【0099】
図8は、学習モデル保持部DB2に保持され、生産設備単位で管理されている複数の学習モデルの一例を示す図である。
【0100】
例えば、学習モデル保持部DB2に保持されている複数の学習モデルである複数の動作パラメータモデルPm31~Pm34のそれぞれは、図8に示すように、生産設備ごとに管理されていてもよい。具体的には、動作パラメータモデルPm31は、部品実装ラインL1で使用された実績生産データを用いた学習によって生成されている。同様に、動作パラメータモデルPm32は、部品実装ラインL2で使用された実績生産データを用いた学習によって生成され、動作パラメータモデルPm33は、部品実装ラインL3で使用された実績生産データを用いた学習によって生成されている。また、動作パラメータモデルPm34は、全ての部品実装ラインL1~L3のそれぞれで使用された実績生産データを用いた学習によって生成されている。
【0101】
このように本実施の形態では、複数の学習モデル(すなわち動作パラメータモデル)のそれぞれは互いに異なる生産設備に対応付けられている。言い換えれば、複数の動作パラメータモデルは生産設備単位で管理されている。生産設備は、上述のように、部品実装ラインであってもよく、複数の部品実装ラインの集合であってもよい。また、生産設備は、1つまたは複数の部品実装装置であってもよく、複数の部品実装装置または部品実装ラインが配設されているフロアであってもよく、工場であってもよい。この場合、学習部104は、実績生産データに含まれる実績部品データを教師データとして用いた学習を行うときには、その実績生産データを使用した部品実装装置M4またはM5を含む生産設備に対応する学習モデルに対して学習を行う。
【0102】
例えば、図8に示す例では、生産データ生成装置100のデータ取得部108が実績生産データを部品実装ラインL2から取得すると、学習部104は、その部品実装ラインL2に対応する動作パラメータモデルPm32およびPm34に対して学習を行う。
【0103】
図9Aは、学習モデル保持部DB2に保持され、生産タイプ単位で管理されている複数の学習モデルの一例を示す図である。
【0104】
例えば、学習モデル保持部DB2に保持されている複数の学習モデルである複数の動作パラメータモデルPm41~Pm44のそれぞれは、図9Aに示すように、生産タイプごとに管理されていてもよい。生産タイプには、例えば、試作タイプおよび量産タイプがある。試作タイプは、試作品として生産された実装基板のタイプであり、量産タイプは、量産品として生産された実装基板のタイプである。試作タイプでは、量産タイプに比べて品質性を重視した動作パラメータが設定され、量産タイプでは、試作タイプに比べて生産性を重視した動作パラメータが設定される傾向がある。従って、試作タイプおよび量産タイプでは、同じ実装基板であっても設定される動作パラメータが異なるため、生産タイプ別に学習する方が、推定精度が向上する。具体的には、動作パラメータモデルPm41は、試作タイプT1の実装基板の生産に使用された実績生産データを用いた学習によって生成されている。動作パラメータモデルPm42は、試作タイプT1とは異なる試作タイプT2の実装基板の生産に使用された実績生産データを用いた学習によって生成されている。動作パラメータモデルPm43は、量産タイプの実装基板の生産に使用された実績生産データを用いた学習によって生成されている。また、動作パラメータモデルPm44は、全ての生産タイプの実装基板のそれぞれの生産に使用された実績生産データを用いた学習によって生成されている。
【0105】
図9Bは、学習モデル保持部DB2に保持され、生産タイプ単位および生産設備単位で管理されている複数の学習モデルの一例を示す図である。
【0106】
例えば、学習モデル保持部DB2に保持されている複数の学習モデルである複数の動作パラメータモデルPm51~Pm54のそれぞれは、図9Bに示すように、生産タイプおよび生産設備の組み合わせごとに管理されていてもよい。なお、生産タイプ毎に管理するために部品データDcにおいて、生産タイプを設定する項目を設けてもよい。
【0107】
具体的には、動作パラメータモデルPm51は、部品実装ラインL1による試作タイプT1の実装基板の生産に使用された実績生産データを用いた学習によって生成されている。動作パラメータモデルPm52は、部品実装ラインL2による試作タイプT2の実装基板の生産に使用された実績生産データを用いた学習によって生成されている。動作パラメータモデルPm53は、部品実装ラインL3による量産タイプの実装基板の生産に使用された実績生産データを用いた学習によって生成されている。また、動作パラメータモデルPm54は、全ての部品実装ラインL1~L3による全ての生産タイプの実装基板の生産に使用された実績生産データを用いた学習によって生成されている。
【0108】
このように本実施の形態では、複数の学習モデル(すなわち動作パラメータモデル)のそれぞれは互いに異なる実装基板の生産タイプに対応付けられている。言い換えれば、複数の学習モデルは生産タイプ単位で管理されている。この場合、学習部104は、実績生産データに含まれる実績部品データを教師データとして用いた学習を行うときには、その実績生産データを使用して生産された実装基板のタイプに対応する学習モデルに対して学習を行う。
【0109】
例えば、図9Aに示す例では、生産データ生成装置100のデータ取得部108が試作タイプT1の実績生産データを取得すると、学習部104は、その試作タイプT1に対応する動作パラメータモデルPm41およびPm44に対して学習を行う。また、図9Bに示す例では、データ取得部108が試作タイプT2の実績生産データを部品実装ラインL2から取得すると、学習部104は、その試作タイプT2および部品実装ラインL2に対応する動作パラメータモデルPm52およびPm54に対して学習を行う。
【0110】
[処理の概要とフロー]
図10Aは、本実施の形態における動作パラメータmの推定処理の概要を説明するための図である。
【0111】
パラメータ推定部105は、例えば入出力部107から部品Pの部品情報dを取得する。また、モデル選択部103は、学習モデル保持部DB2に保持されている複数の動作パラメータモデルPmから例えば1つの動作パラメータモデルPmを選択する。なお、複数の動作パラメータモデルPmのそれぞれは、図7A図9Bに示す動作パラメータモデルPm11~Pm14、Pm21~Pm25、Pm31~Pm34、Pm41~Pm44、およびPm51~Pm54の何れかであってもよい。パラメータ推定部105は、その取得された部品情報dと、選択された動作パラメータモデルPmとを用いて、その部品情報dによって示される部品Pを基板Bに実装するための部品実装装置M4またはM5の動作条件である動作パラメータmを推定する。そして、パラメータ推定部105は、その推定された動作パラメータmと部品情報dとを含む部品データDcを出力する。
【0112】
例えば、複数の動作パラメータモデルPmが図7Aに示すように時間単位で管理されている場合、モデル選択部103は、部品情報dによって示される部品Pの製造時期に応じて1つの動作パラメータモデルPmを選択してもよい。例えば、その製造時期が1990年代であれば、モデル選択部103は、図7Aに示す動作パラメータモデルPm11を選択してもよい。また、その製造時期が不明であれば、モデル選択部103は、図7Aに示す動作パラメータモデルPm14を選択してもよい。これにより、部品Pに対して動作パラメータmを推定するための適切な動作パラメータモデルPmを選択することができる。
【0113】
また、複数の動作パラメータモデルPmが図7Bに示すように時系列に沿って管理されている場合、モデル選択部103は、最近の日付で更新された1つの動作パラメータモデルPmを選択してもよい。例えば、モデル選択部103は、図7Bに示す動作パラメータモデルPm25を選択してもよい。また、2019年7月3日にその部品Pに類似する部品を用いた実装基板が多く生産されている場合には、モデル選択部103は、図7Bに示す動作パラメータモデルPm23を選択してもよい。これにより、部品Pに対して動作パラメータmを推定するための適切な動作パラメータモデルPmを選択することができる。
【0114】
また、複数の動作パラメータモデルPmが図8に示すように生産設備単位で管理されている場合、モデル選択部103は、部品Pを用いた実装基板の生産を行う生産設備に対応付けられている1つの動作パラメータモデルPmを選択してもよい。例えば、部品Pを用いた実装基板の生産を行う生産設備が部品実装ラインL2である場合、モデル選択部103は、図8に示す動作パラメータモデルPm32を選択してもよい。また、部品Pを用いた実装基板の生産を行う生産設備が部品実装ラインL2だけでない場合には、モデル選択部103は、図8に示す動作パラメータモデルPm34を選択してもよい。これにより、部品Pに対して動作パラメータmを推定するための適切な動作パラメータモデルPmを選択することができる。
【0115】
また、複数の動作パラメータモデルPmが図9Aに示すように生産タイプ単位で管理されている場合、モデル選択部103は、部品Pを用いて生産される実装基板の生産タイプに対応付けられている1つの動作パラメータモデルPmを選択してもよい。例えば、部品Pを用いて生産される実装基板の生産タイプが量産タイプである場合、モデル選択部103は、図9Aに示す動作パラメータモデルPm43を選択してもよい。また、部品Pを用いて生産される実装基板の生産タイプが量産タイプだけない場合には、モデル選択部103は、図9Aに示す動作パラメータモデルPm44を選択してもよい。これにより、部品Pに対して動作パラメータmを推定するための適切な動作パラメータモデルPmを選択することができる。
【0116】
なお、本実施の形態では、モデル選択部103は、1つの動作パラメータモデルPmを選択するが、1つに限らず、互いに異なる動作条件を推定するための複数の動作パラメータモデルPmを選択してもよい。例えば、動作パラメータmは、図5に示すように、スピードパラメータm3および認識情報m4などの互いに異なるパラメータを含む。したがって、モデル選択部103は、例えば、スピードパラメータm3を推定するための動作パラメータモデルPmと、認識情報m4を推定するための動作パラメータモデルPmとを選択してもよい。この場合、パラメータ推定部105は、部品情報dとスピードパラメータm3用の動作パラメータモデルPmとを用いて、スピードパラメータm3を推定し、部品情報dと認識情報m4用の動作パラメータモデルPmとを用いて、認識情報m4を推定してもよい。
【0117】
また、モデル選択部103は、上述のような動作パラメータモデルPmの選択を自動で行ってもよく、オペレータによる入出力部107への操作に応じてその選択を行ってもよい。
【0118】
図10Bは、本実施の形態における動作パラメータモデルPmの学習処理の概要を説明するための図である。
【0119】
学習部104は、例えば、データ取得部108を介して部品実装ラインL1~L3の何れかから実績生産データを取得する。実績生産データは、上述のように、実績部品データDcuを含む。つまり、学習部104は、実績部品データDcuを取得する。実績部品データDcuは、部品実装装置M4またはM5による部品Pの基板Bへの実装に使用された部品データDcであって、その使用によって修正などが行われた部品データDcである。例えば、この実績部品データDcuは、修正された動作パラメータmとして動作パラメータmuを含み、動作パラメータmuでは、動作条件である吸着速度がV1からV2に修正されている。
【0120】
次に、学習部104は、その実績部品データDcuに対応する動作パラメータモデルPmを、学習モデル保持部DB2に保持されている複数の動作パラメータモデルPmから選択する。例えば、学習部104は、図7Aおよび図7Bに示すように、その実績部品データDcuを含む実績生産データが取得された期間に対応する動作パラメータモデルPmを選択する。または、学習部104は、図8に示すように、その実績部品データDcuを含む実績生産データを使用した部品実装装置M4またはM5を含む生産設備に対応する動作パラメータモデルPmを選択する。または、学習部104は、図9Aおよび図9Bに示すように、その実績部品データDcuを含む実績生産データを使用して生産された実装基板の生産タイプに対応する動作パラメータモデルPmを選択する。
【0121】
そして、学習部104は、取得された実績部品データDcuを教師データとして用いた学習によって、選択された動作パラメータモデルPmを更新する。つまり、その動作パラメータモデルPmによって示される部品情報dと動作条件との関係性が更新される。これにより、学習後の動作パラメータモデルPmuが生成される。学習部104は、上述のように選択され、学習モデル保持部DB2に保持されている動作パラメータモデルPmを、その学習後の動作パラメータモデルPmuに置き換える。これにより、学習後の動作パラメータモデルPmuが、新たな動作パラメータモデルPmとして学習モデル保持部DB2に保存される。
【0122】
図11は、本実施の形態における全体的な処理の一例を示す図である。図11に示す例では、学習モデル保持部DB2に保持されている複数の動作パラメータモデルPmは、時間単位または生産タイプ単位で管理されている。
【0123】
パラメータ推定部105は、図10Aに示す例と同様に、モデル選択部103によって選択された動作パラメータモデルPmを用いて部品Pの動作パラメータmを推定し、部品Pの部品情報dとその動作パラメータmとを含む部品データDcを生成する。そして、データ生成部102は、その部品データDcを含む生産データDpを生成し、入出力部107を介してその生産データDpを例えば部品実装ラインL1に出力する。なお、図11に示す例では、生産データDpは部品実装ラインL1に出力されるが、他の部品実装ラインL2またはL3に出力されてもよい。
【0124】
部品実装ラインL1に含まれる部品実装装置M4およびM5は、生産データ生成装置100の入出力部107から生産データDpを取得すると、その生産データDpに基づいて少なくとも1つの部品Pを基板Bに実装することによって、実装基板を生産する。このとき、部品実装ラインL1では、例えば実装基板の不良発生率が低下するように、生産データDpに含まれる部品データDcの修正が行われる。具体的な一例として、部品データDcの動作パラメータmに含まれる吸着速度V1がV2に修正される。その結果、動作パラメータmuを有する実績部品データDcuを含む実績生産データが生成される。実績部品データDcuは、新たな部品データDcとして部品ライブラリ保持部DB3に格納される。具体的には、生産データ生成装置100のデータ取得部108が、部品実装ラインL1から実績生産データを取得し、その実績生産データに含まれる実績部品データDcuを、新たな部品データDcとして部品ライブラリ保持部DB3に格納する。なお、部品実装ラインL1における部品データDcの修正は必ず行われるものではなく、修正がない場合は、部品実装ラインL1は、生産データ生成装置100から取得した部品データDcを実績部品データDcuとして含む実績生産データを生成する。
【0125】
学習部104は、データ取得部108によって実績生産データが取得されると、図10Bに示す例と同様に、その実績生産データに含まれる実績部品データDcuに対応する動作パラメータモデルPmを学習モデル保持部DB2から選択する。そして、学習部104は、選択された動作パラメータモデルPmに対する学習を、その実績部品データDcuを用いて行い、学習後の動作パラメータモデルPmuを学習モデル保持部DB2に格納する。
【0126】
図12は、本実施の形態における全体的な処理の他の例を示す図である。図12に示す例では、学習モデル保持部DB2に保持されている複数の動作パラメータモデルPmは、生産設備単位で管理されている。
【0127】
パラメータ推定部105は、図10Aに示す例と同様に、生産設備ごとに、モデル選択部103によって選択された動作パラメータモデルPmを用いて、部品Pの動作パラメータmを推定し、部品Pの部品情報dとその動作パラメータmとを含む部品データDcを生成する。
【0128】
例えば、パラメータ推定部105は、部品実装ラインL1用の動作パラメータモデルPm、すなわち、図8に示す動作パラメータモデルPm31に基づいて、動作パラメータmを推定して部品データDcを生成する。そして、データ生成部102は、その部品データDcを含む生産データDpを生成し、入出力部107を介してその生産データDpを例えば部品実装ラインL1に出力する。さらに、パラメータ推定部105は、部品実装ラインL2用の動作パラメータモデルPm、すなわち、図8に示す動作パラメータモデルPm32に基づいて、動作パラメータmを推定して部品データDcを生成する。そして、データ生成部102は、その部品データDcを含む生産データDpを生成し、入出力部107を介してその生産データDpを例えば部品実装ラインL2に出力する。さらに、パラメータ推定部105は、部品実装ラインL3用の動作パラメータモデルPm、すなわち、図8に示す動作パラメータモデルPm33に基づいて、動作パラメータmを推定して部品データDcを生成する。そして、データ生成部102は、その部品データDcを含む生産データDpを生成し、入出力部107を介してその生産データDpを例えば部品実装ラインL3に出力する。
【0129】
または、パラメータ推定部105は、部品実装ラインL1~L3用の動作パラメータモデルPm、すなわち、図8に示す動作パラメータモデルPm34に基づいて、動作パラメータmを推定して部品データDcを生成する。そして、データ生成部102は、その部品データDcを含む生産データDpを生成し、入出力部107を介してその生産データDpを例えば部品実装ラインL1~L3のそれぞれに出力する。
【0130】
部品実装ラインL1~L3のそれぞれでは、部品実装装置M4およびM5は、生産データ生成装置100の入出力部107から生産データDpを取得すると、その生産データDpに基づいて少なくとも1つの部品Pを基板Bに実装する。これにより、実装基板が生産される。このとき、部品実装ラインL1~L3のそれぞれでは、例えば実装基板の不良発生率が低下するように、生産データDpに含まれる部品データDcの修正が行われる。その結果、実績部品データDcuを含む実績生産データが生成される。それらの実績部品データDcuは、新たな部品データDcとして部品ライブラリ保持部DB3に格納される。具体的には、生産データ生成装置100のデータ取得部108が、部品実装ラインL1~L3のそれぞれから実績生産データを取得し、それらの実績生産データに含まれる実績部品データDcuを、新たな部品データDcとして部品ライブラリ保持部DB3に格納する。なお、部品実装ラインL1~L3のそれぞれにおける部品データDcの修正は必ず行われるものではない。部品実装ラインL1~L3のそれぞれは、修正がない場合は、生産データ生成装置100から取得した部品データDcを実績部品データDcuとして含む実績生産データを生成する。
【0131】
学習部104は、データ取得部108によって部品実装ラインL1の実績生産データが取得されると、図10Bに示す例と同様に、その実績生産データに含まれる実績部品データDcuに対応する動作パラメータモデルPmを学習モデル保持部DB2から選択する。具体的には、学習部104は、部品実装ラインL1用の動作パラメータモデルPm、すなわち、図8に示す動作パラメータモデルPm31を選択する。そして、学習部104は、選択された動作パラメータモデルPmに対する学習を、その部品実装ラインL1の実績部品データDcuを用いて行う。なお、この実績部品データDcuは、上述のようにデータ取得部108によって部品実装ラインL1から取得されて部品ライブラリ保持部DB3に格納された部品データDcである。その結果、学習部104は、学習モデル保持部DB2に格納されている選択された部品実装ラインL1用の動作パラメータモデルPmを、部品実装ラインL1用の学習後の動作パラメータモデルPmuに更新する。
【0132】
学習部104は、部品実装ラインL2およびL3のそれぞれについても、上述の部品実装ラインL1と同様に、動作パラメータモデルPmの更新を行う。つまり、学習部104は、学習モデル保持部DB2に格納されている部品実装ラインL2用の動作パラメータモデルPmを、部品実装ラインL2用の学習後の動作パラメータモデルPmuに更新する。さらに、学習部104は、学習モデル保持部DB2に格納されている部品実装ラインL3用の動作パラメータモデルPmを、部品実装ラインL3用の学習後の動作パラメータモデルPmuに更新する。
【0133】
また、学習部104は、データ取得部108によって部品実装ラインL1~L3の何れかの実績生産データが取得されると、全ての部品実装ラインL1~L3用の動作パラメータモデルPm、すなわち、図8に示す動作パラメータモデルPm34を選択してもよい。この場合には、学習部104は、選択された動作パラメータモデルPmに対する学習を、その部品実装ラインL1~L3の何れかの実績部品データDcuを用いて行う。なお、この実績部品データDcuは、上述のようにデータ取得部108によって部品実装ラインL1~L3の何れかから取得されて部品ライブラリ保持部DB3に格納された部品データDcである。その結果、学習部104は、学習モデル保持部DB2に格納されている選択された部品実装ラインL1~L3用の動作パラメータモデルPmを、部品実装ラインL1~L3用の学習後の動作パラメータモデルPmuに更新する。
【0134】
なお、本実施の形態におけるデータ生成部102は、生産システム1を有する工場以外の他の工場などの生産設備から生産データDpをインポートしてもよく、他の工場などの生産設備に生産データDpをエクスポートしてもよい。
【0135】
図13は、本実施の形態における生産データ生成装置100の処理動作を示すフローチャートである。
【0136】
生産データ生成装置100の入出力部107は、部品情報dを受け付ける(ステップS11)。この部品情報dは、オペレータによる入出力部107による操作によって生成されて受け付けられてもよく、複数の部品情報dから選択されることによって受け付けられてもよい。また、入出力部107は、部品ライブラリに含まれる複数の部品データDcから、デフォルトの動作パラメータmを有する部品データDcを選択し、その部品データDcから部品情報dを抽出することによって、その部品情報dを受け付けてもよい。なお、部品情報dは、図5に示すとおり、例えばサイズデータd2および部品属性d31などを含む。
【0137】
次に、モデル選択部103は、学習モデル保持部DB2に保持されている複数の動作パラメータモデルPmから少なくとも1つの動作パラメータモデルPmを選択する(ステップS12)。
【0138】
次に、パラメータ推定部105は、ステップS12で選択された少なくとも1つの動作パラメータモデルPmと、ステップS11で受け付けられた部品情報dとに基づいて、動作パラメータmを推定する(ステップS13)。この動作パラメータmは、その部品情報dによって特定される部品Pを基板Bに実装するための部品実装装置M4またはM5の動作条件である。そして、パラメータ推定部105は、その部品情報dおよび動作パラメータmを有する部品データDcを生成する(ステップS14)。
【0139】
次に、データ生成部102は、ステップS14で生成された部品データDcを含む生産データDpを生成する(ステップS15)。そして、データ生成部102は、その生産データDpを部品実装ラインL1~L3のそれぞれに出力する。つまり、部品実装ラインL1~L3のそれぞれは、データ生成部102から生産データDpをダウンロードし、その生産データDpを使用して実装基板の生産を開始する(ステップS16)。
【0140】
そして、学習部104は、部品実装ラインL1~L3のそれぞれで使用された生産データDpに含まれる部品データDc(すなわち実績部品データDcu)を教師データとして用いた動作パラメータモデルPmの再学習を行う(ステップS17)。再学習の対象とされる動作パラメータモデルPmは、例えば、その使用された生産データDp(すなわち実績生産データ)が取得された期間などに対応する動作パラメータモデルPmである。
【0141】
以上のように、本実施の形態における生産データ生成装置100では、複数の動作パラメータモデルPmから、少なくとも1つの動作パラメータモデルPmが選択される。そして、選択された少なくとも1つの動作パラメータモデルPmと、実装対象部品Pの部品情報dとに基づいて、その実装対象部品Pを基板Bに実装するための動作パラメータmが推定される。
【0142】
これにより、複数の動作パラメータモデルPmから少なくとも1つの動作パラメータモデルPmが選択されて動作パラメータmの推定に用いられるため、実装対象部品Pに対して適切な動作パラメータmが推定される可能性を高めることができる。したがって、適切な動作パラメータmを設定することができる。また、このような動作パラメータmおよび部品情報dを有する部品データDcが生産データDpに含められ、その生産データDpが部品実装装置M4またはM5による部品Pの基板Bへの実装に用いられる場合には、品質の良い実装基板を生産することができる。つまり、実装基板の品質向上を図ることができる。
【0143】
また、本実施の形態における生産データ生成装置100では、部品実装装置M4またはM5によって使用された、実績部品データDcuを含む実績生産データが取得される。そして、複数の動作パラメータモデルPmのうち、取得された実績生産データに対応する動作パラメータモデルPmの更新が、その実績部品データDcuを教師データとして用いた学習によって行われる。
【0144】
実績生産データに含まれる実績部品データDcuの動作パラメータmuは、実装済み部品Pの実装に用いられ、その際に、修正などが行われている。つまり、より良い品質の実装基板が生産されるようにその動作パラメータmuは修正されている。したがって、このような動作パラメータmuを有する実績部品データDcuが動作パラメータモデルPmの学習に教師データとして用いられることによって、動作パラメータモデルPmのさらなる適正化を図ることができる。その結果、その動作パラメータモデルPmがモデル選択部103によって選択される場合には、動作パラメータmの推定精度を向上することができる。
【0145】
また、本実施の形態における生産データ生成装置100では、複数の動作パラメータモデルPmのそれぞれは互いに異なる期間に対応付けられ、学習は、実績生産データが取得された期間に対応する動作パラメータモデルPmに対して行われる。
【0146】
例えば、図7Aに示すように、動作パラメータモデルPm11~Pm14のうちの1つの動作パラメータモデルPm14は、全期間(例えば1900年から現在までの全期間)に対応付けられている。そして、残りの動作パラメータモデルPm11~Pm13のそれぞれは互いに異なる年代に対応付けられている。互いに異なる年代は、例えば、1990年代、2000年代、2010年代などの各年代である。これにより、それらの動作パラメータモデルPm11~Pm14から、全期間または何れかの年代に対応付けられている動作パラメータモデルPmが選択されて動作パラメータmの推定に用いられる。したがって、実装対象部品Pに対して期間に応じた適切な動作パラメータmを推定することができる。
【0147】
また、本実施の形態における生産データ生成装置100では、図8に示すように、動作パラメータモデルPm31~Pm34のそれぞれは互いに異なる生産設備に対応付けられている。そして、学習は、実績生産データを使用した部品実装装置M4またはM5を含む生産設備に対応する動作パラメータモデルPmに対して行われる。
【0148】
これにより、動作パラメータモデルPm31~Pm34から、全ての部品実装ラインまたは何れか部品実装ラインに対応付けられている動作パラメータモデルPmが選択されて動作パラメータmの推定に用いられる。したがって、実装対象部品Pに対して生産設備に応じた適切な動作パラメータmを推定することができる。
【0149】
また、本実施の形態における生産データ生成装置100では、図9Aに示すように、動作パラメータモデルPm41~Pm44のそれぞれは互いに異なる実装基板のタイプに対応付けられている。そして、学習は、実績生産データを使用して生産された実装基板のタイプに対応する動作パラメータモデルPmに対して行われる。
【0150】
これにより、動作パラメータモデルPm41~Pm44から、例えば量産タイプまたは試作タイプに対応付けられている動作パラメータモデルPmが選択されて動作パラメータmの推定に用いられる。したがって、実装対象部品Pに対して実装基板のタイプに応じた適切な動作パラメータmを推定することができる。
【0151】
このように本実施の形態では、期間、生産設備または実装基板のタイプなどに特化した動作パラメータモデルPmを利用することができ、その結果、その期間、生産設備または実装基板のタイプに対して適切な動作パラメータmを推定することができる。
【0152】
(実施の形態1の変形例)
上記実施の形態では、図7A図9Bに示すように、時間単位、生産設備単位、または生産タイプ単位で複数の動作パラメータモデルPmが管理されている。しかし、その管理の態様は、これらに限定されることなく、他の単位で複数の動作パラメータモデルPmが管理されていてもよい。また、図9Bに示す例では、生産設備と生産タイプとの組み合わせの単位で複数の動作パラメータモデルPmが管理されているが、その組み合わせは、これに限定されることなく、どのような組み合わせであってもよい。
【0153】
また、上記実施の形態における図7Bに示す例では、モデル選択部103は、最近の日付で更新された1つの動作パラメータモデルPmを選択する。ここで、その動作パラメータモデルPmに基づいて推定された動作パラメータmを含む生産データDpによって生産される実装基板の不良発生率が高い場合には、モデル選択部103は、先に選択された動作パラメータモデルPmを、最近の日付の前に更新された動作パラメータモデルPmに選択し直してもよい。また、図7A図8図9Aおよび図9Bに示す例であっても、モデル選択部103は、例えば不良発生率に応じて、動作パラメータモデルPmを選択し直してもよい。選択し直しは、ランダムに行われてもよく、予め定められた手順にしたがって行われてもよい。
【0154】
また、上記実施の形態における生産データ生成装置100の入出力部107は、学習モデル保持部DB2に保持されている少なくとも1つの動作パラメータモデルPmを、生産システム1を有する施設以外の他の施設にエクスポートしてもよい。施設は、工場であってもよく、フロアであってもよい。さらに、入出力部107は、少なくとも1つの動作パラメータモデルPmを他の施設からインポートして学習モデル保持部DB2に格納してもよい。これにより、動作パラメータモデルPmのさらなる最適化を図ることができる。また、入出力部107は、生産データ保持部DB1に保持されている生産データDpに対するインポートおよびエクスポートを行ってもよく、部品ライブラリ保持部DB3に保持されている部品データDcに対するインポートおよびエクスポートを行ってもよい。
【0155】
また、上記実施の形態における生産データ生成装置100の学習部104は、学習モデル保持部DB2に保持されている複数の動作パラメータモデルPmのうち、データ取得部108によって取得された実績生産データに対応する動作パラメータモデルPmに対する学習を行う。しかし、学習部104は、入出力部107によって受け付けられたオペレータの操作によって、その学習の対象とされる動作パラメータモデルPmを切り換えてもよい。これにより、オペレータによって指定された動作パラメータモデルPmの学習が行われる。
【0156】
また、部品ライブラリの部品データDcに含まれるパラメータ推定部105によって推定された動作パラメータmには、その動作パラメータmの推定に用いられた動作パラメータモデルPmの識別情報と、その推定が行われた日時とが関連付けられていてもよい。これにより、動作パラメータmを適切に管理することができる。
【0157】
また、パラメータ推定部105は、図5に示す部品情報dに含まれる全ての情報を用いることなく、一部の情報のみを用いて動作パラメータmを推定してもよい。例えば、入出力部107は、部品情報dのうちの、動作パラメータmの推定に用いられる一部の情報を、オペレータによる操作に応じて受け付けてもよい。このような一部の情報が受け付けられた場合に、パラメータ推定部105は、その受け付けられた一部の情報のみを用いて動作パラメータmを推定する。さらに、パラメータ推定部105は、図5に示す動作パラメータmに含まれる全てのパラメータを推定することなく、一部のパラメータのみを推定してもよい。例えば、入出力部107は、図5に示す動作パラメータmのうちの推定対象とされる一部のパラメータの指定を、オペレータによる操作に応じて受け付けてもよい。このような一部のパラメータが指定された場合に、パラメータ推定部105は、動作パラメータmのうちその指定された一部のパラメータのみを推定する。また、パラメータ推定部105は、部品情報dに含まれる全ての情報に対して主成分分析を行い、その分析結果に応じて動作パラメータmを推定してもよい。
【0158】
(実施の形態2)
本実施の形態では、部品実装ラインL1~L3のそれぞれから出力される実績生産データに含まれる動作パラメータmuに対するフィルタリングが行われる。
【0159】
[生産システム]
図14は、本実施の形態における生産システムの構成の一例を示す図である。
【0160】
本実施の形態における生産システム2は、3つの部品実装ラインL1~L3と、生産管理装置100aと、データ管理装置300と、3つの検査装置401~403とを備える。つまり、本実施の形態における生産システム2は、基板Bに部品Pを実装することによって実装基板を生産する部品実装装置M4およびM5と、その実装基板の生産に関する処理を行う、データ管理装置300または検査装置401~403などの処理装置とを有する。
【0161】
なお、本実施の形態における各構成要素のうち、実施の形態1と同一の構成要素については、実施の形態1と同一の符号を付し、詳細な説明を省略する。
【0162】
3つの部品実装ラインL1~L3は、実施の形態1における生産システム1の3つの部品実装ラインL1~L3と同一である。
【0163】
生産管理装置100aは、生産システム2における実装基板の生産を管理する。具体的には、生産管理装置100aは、実施の形態1における生産データ生成装置100と同様の機能を備え、さらに、実績生産データに含まれる動作パラメータmuに対してフィルタリングを行う機能を有する。
【0164】
データ管理装置300は、生産管理装置100aと部品実装ラインL1~L3のそれぞれとに接続され、部品実装ラインL1~L3のそれぞれの生産データDpを管理する。この生産データDpは、部品実装ラインL1~L3のそれぞれで使用された実績生産データであってもよい。また、本実施の形態におけるデータ管理装置300は、生産管理装置100aによるフィルタリングに用いられるフィルタリング情報を生成し、そのフィルタリング情報を生産管理装置100aに出力する。
【0165】
検査装置401~403は、部品実装ラインL1~3によって生産される実装基板の検査をそれぞれ行う。つまり、検査装置401は、部品実装ラインL1の実装基板を検査し、検査装置402は、部品実装ラインL2の実装基板を検査し、検査装置403は、部品実装ラインL3の実装基板を検査する。また、本実施の形態における検査装置401~403のそれぞれは、生産管理装置100aに接続され、その実装基板の検査結果に基づいて上述のフィルタリング情報を生成し、そのフィルタリング情報を生産管理装置100aに出力する。
【0166】
なお、本実施の形態におけるデータ管理装置300および検査装置401~403のそれぞれは、実装基板の生産に関する処理を行う処理装置である。
【0167】
[生産管理装置、部品実装ライン、および処理装置の機能構成]
図15は、生産管理装置100aと部品実装ラインL1~L3と処理装置とのそれぞれの機能構成を示すブロック図である。なお、本実施の形態では、図15に示すように、データ管理装置300と検査装置401~403とから処理装置500が構成されている。
【0168】
生産管理装置100aは、実施の形態1の生産データ生成装置100と同様に、制御部101、データ生成部102、モデル選択部103、学習部104、パラメータ推定部105、表示部106、入出力部107、データ取得部108、生産データ保持部DB1、学習モデル保持部DB2、および部品ライブラリ保持部DB3を備える。また、生産管理装置100aは、実績生産データに含まれる動作パラメータmuに対してフィルタリングを行うフィルタリング部109を備える。
【0169】
具体的には、本実施の形態における生産管理装置100aのデータ取得部108は、部品実装装置M4またはM5による実装基板の生産に使用された生産データDp、すなわち実績生産データを、部品実装ラインL1~L3のそれぞれから取得する。この実績生産データは、少なくとも1種類の部品Pのそれぞれについて、当該部品Pを基板Bに実装するための部品実装装置M4またはM5の動作条件である動作パラメータmuを含む。さらに、データ取得部108は、処理装置500からフィルタリング情報を取得する。
【0170】
フィルタリング部109は、その取得された実績生産データに含まれる少なくとも1つの動作パラメータmuに対するフィルタリングを、処理装置500から得られるフィルタリング情報を用いて行うことによって、1以上の動作パラメータmuを選択する。
【0171】
学習部104は、選択された1以上の動作パラメータmuを教師データとして用いた学習によって、学習モデル保持部DB2に保持されている学習モデルである動作パラメータモデルPmの生成または更新を行う。この動作パラメータモデルPmは、部品Pを基板Bに実装するための部品実装装置M4またはM5の動作条件と部品Pとの間の関係性を示す。なお、上述の学習では、具体的には、その選択された1以上の動作パラメータmuのそれぞれについて、その動作パラメータmuを含む実績部品データDcuが教師データとして用いられる。
【0172】
また、本実施の形態におけるパラメータ推定部105は、実施の形態1と同様、未だ実装されていない実装対象部品Pを基板に実装するための部品実装装置M4またはM5の動作条件である動作パラメータmを推定する。この動作パラメータmの推定は、学習モデル保持部DB2に保持されている動作パラメータモデルPmと、基板Bに実装される実装対象部品Pに関する部品情報dとに基づいて行われる。
【0173】
処理装置500は、検査装置401~403と、データ管理装置300とを備える。
【0174】
検査装置401は、検査制御部411、入出力部412、表示部413、検査機構414、および検査データ保持部DB5を備える。
【0175】
入出力部412は、例えば生産システム2のオペレータによる操作に基づく入力データを受け付け、その入力データを検査制御部411に出力する。このような、入出力部412は、例えばキーボード、タッチセンサ、タッチパッドまたはマウスなどを有していてもよい。また、入出力部412は、生産管理装置100aへのデータの出力と、生産管理装置100aからのデータの入力とを行う。
【0176】
検査機構414は、実装基板を検査するための例えばカメラなどを含む機構からなり、その検査結果を示す検査データを検査データ保持部DB5に格納する。
【0177】
検査データ保持部DB5は、検査データを保持するための記録媒体である。例えば、このような記録媒体は、ハードディスク、RAM、ROM、または半導体メモリなどである。なお、このような記録媒体は、揮発性であっても不揮発性であってもよい。
【0178】
表示部413は、検査データ保持部DB5に保持されている検査データなどを表示する。表示部413の具体例は、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、または有機ELディスプレイなどであるが、これらに限定されない。
【0179】
検査制御部411は、入出力部412、表示部413、検査機構414および検査データ保持部DB5のそれぞれを制御する。例えば、検査制御部411は、入出力部412に受け付けられたオペレータによる操作に応じて、検査機構414に実装基板の検査を開始させる。また、本実施の形態における検査制御部411は、フィルタリング情報を生成し、入出力部412を介して生産管理装置100aのデータ取得部108に出力する。
【0180】
検査装置402および403も、上述の検査装置401と同様の構成を有する。
【0181】
データ管理装置300は、データ制御部311、入出力部312、表示部313、およびデータ保持部DB6を備える。
【0182】
入出力部312は、例えば生産システム2のオペレータによる操作に基づく入力データを受け付け、その入力データをデータ制御部311に出力する。このような、入出力部312は、例えばキーボード、タッチセンサ、タッチパッドまたはマウスなどを有していてもよい。また、入出力部312は、生産管理装置100aおよび部品実装ラインL1~L3へのデータの出力と、生産管理装置100aおよび部品実装ラインL1~L3からのデータの入力とを行う。
【0183】
データ保持部DB6は、データを保持するための記録媒体である。例えば、そのデータは、フィルタリング情報である。また、このような記録媒体は、ハードディスク、RAM、ROM、または半導体メモリなどであってもよく、揮発性であっても不揮発性であってもよい。
【0184】
表示部313は、データ保持部DB6に保持されているデータなどを表示する。表示部313の具体例は、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、または有機ELディスプレイなどであるが、これらに限定されない。
【0185】
データ制御部311は、入出力部312、表示部313、およびデータ保持部DB6のそれぞれを制御する。また、本実施の形態におけるデータ制御部311は、上述の検査制御部411と同様に、フィルタリング情報を生成し、入出力部312を介して生産管理装置100aのデータ取得部108に出力してもよい。
【0186】
例えば、本実施の形態におけるデータ制御部311は、基板Bを識別するための基板識別情報をフィルタリング情報として生成してもよい。この場合、互いに異なる複数種の実装基板に対応する複数の実績生産データDpuがそのフィルタリング情報によってフィルタリングされる。したがって、データ管理装置300は、互いに異なる複数種の実装基板に対応する複数の実績生産データDpuを管理する装置と言える。あるいは、データ制御部311は、それぞれ部品Pの種類を識別するための1以上の部品識別情報をフィルタリング情報として生成してもよい。
【0187】
[処理の概要]
図16は、本実施の形態における全体的な処理の一例を示す図である。
【0188】
本実施の形態では、実施の形態1と同様に、少なくとも1つの生産データDpが生成され、その少なくとも1つの生産データDpに基づいて、部品実装ラインL1~L3のそれぞれから実績生産データDpuが出力される。
【0189】
生産管理装置100aのフィルタリング部109は、それらの実績生産データDpuに含まれる少なくとも1つの動作パラメータmuに対するフィルタリングを行う。このとき、フィルタリング部109は、処理装置500からフィルタリング情報Dfを取得し、そのフィルタリング情報Dfに基づいてフィルタリングを行うことによって、1以上の動作パラメータmuを選択する。そして、フィルタリング部109は、その選択された1以上の動作パラメータmuのそれぞれについて、その動作パラメータmuを含む実績部品データDcuを新たな部品データDcとして部品ライブラリ保持部DB3に格納する。
【0190】
[フィルタリング情報]
図17Aは、実装基板の検査結果に基づいて生成されるフィルタリング情報Dfの一例を示す図である。
【0191】
例えば、処理装置500に含まれる検査装置401~403のそれぞれの検査制御部411は、図17Aに示すフィルタリング情報Dfを生成してフィルタリング部109に出力する。
【0192】
つまり、検査制御部411は、検査機構414による実装基板の検査によって、その実装基板に実装されている少なくとも1種類の部品Pのそれぞれの品質指数を示す情報をフィルタリング情報Dfとして生成する。そのフィルタリング情報Dfによって示される品質指数は、実装品質指数とも称され、例えば、その品質指数に対応する部品Pの実装状態が良いほど大きい数値を示す。
【0193】
より具体的には、検査機構414がカメラを含む場合、検査制御部411は、そのカメラによる撮像によって得られた実装基板の画像に基づいて、実装されている部品Pの位置ずれを示す実装品質指数を算出する。部品Pの位置ずれは、その画像によって示される部品Pの基板Bにおける実装位置と、生産データDpによって示される部品Pの装着座標(または実装位置)との差である。例えば、検査制御部411は、部品Pの位置ずれが小さいほど1に近い数値を実装品質指数として算出し、逆に、部品Pの位置ずれが大きいほど0に近い数値を実装品質指数として算出する。つまり、実装品質指数は、0~1の範囲の数値として正規化されていてもよい。なお、実装品質指数は、スコアまたは評価値と称されてもよい。
【0194】
このような実装品質指数の算出によって、検査制御部411は、図17Aに示すように、複数種の部品Pのそれぞれの実装品質指数を示すフィルタリング情報Dfを生成する。このフィルタリング情報Dfは、部品Pの部品名および部品コードごとに、実装品質指数を示す。例えば、フィルタリング情報Dfは、部品名「A部品」および部品コード「C001」によって特定される種類の部品Pの実装品質指数として「0.95」を示す。
【0195】
生産管理装置100aのフィルタリング部109は、図17Aに示すフィルタリング情報Dfを取得すると、そのフィルタリング情報Dfを用いてフィルタリングを行う。つまり、フィルタリング部109は、そのフィルタリングによって、それぞれ実装品質指数が閾値以上の部品Pの種類に対応する1以上の動作パラメータmuを選択する。例えば、フィルタリング部109は、実装品質指数が閾値「0.85」以上の部品Pの種類に対応する1以上の動作パラメータmuを選択する。図17Aに示す例では、フィルタリング部109は、部品名「A部品」および部品コード「C001」の部品Pに対応する動作パラメータmuと、部品名「G部品」および部品コード「C034」の部品Pに対応する動作パラメータmuとを選択する。つまり、フィルタリング部109は、複数の実績生産データDpuのそれぞれから、部品コード「C001」の実績部品データDcuと、部品コード「C034」の実績部品データDcuとを選択する。
【0196】
このように、本実施の形態では、フィルタリングによって、大きい実装品質指数を有する部品Pの種類に対応する動作パラメータmuが選択される。これにより、実装状態が良かった部品Pの種類に対応する1以上の動作パラメータmuがフィルタリングによって選択されて学習に用いられ、実装状態が悪かった部品Pの種類に対応する動作パラメータmuは学習に用いられない。したがって、良い実装状態を実現するための適切な動作パラメータmを推定するための動作パラメータモデルPmを生成することができる。
【0197】
図17Bは、部品実装ラインL1~L3の実装実績に基づいて生成されるフィルタリング情報Dfの一例を示す図である。
【0198】
また、処理装置500に含まれるデータ管理装置300のデータ制御部311は、図17Bに示すフィルタリング情報Dfを生成してフィルタリング部109に出力してもよい。
【0199】
つまり、データ制御部311は、部品実装ラインL1~L3のそれぞれから入出力部312を介して、その部品実装ラインに含まれる部品実装装置M4およびM5の稼働状況を示す情報を取得する。データ制御部311は、その稼働状況を示す情報に基づいて、少なくとも1種類の部品のそれぞれの実装実績指数を示す情報をフィルタリング情報として生成する。実装実績指数は、部品実装装置M4およびM5による実績生産データDpuに基づく動作によって、部品Pに対して部品実装装置M4およびM5で生じたエラーに関する指数であり、例えば、エラーが少ないほど小さい数値を示す。なお、実装実績指数は、スコアまたは評価値と称されてもよい。
【0200】
より具体的には、実装実績指数は、部品実装装置M4およびM5により生じた部品Pの吸着ミス、部品Pの落下、または、フィーダ7から実装ヘッド10への供給ミスなどの、エラーに関する指数である。例えば、データ制御部311は、その実装実績指数を百分率で示す。つまり、データ制御部311は、エラーが少ないほど0%に近い数値を実装実績指数として算出し、逆に、エラーが多いほど100%に近い数値を実装実績指数として算出する。
【0201】
このような実装実績指数の算出によって、データ制御部311は、図17Bに示すように、複数種の部品Pのそれぞれの実装実績指数を示すフィルタリング情報Dfを生成する。このフィルタリング情報Dfは、部品Pの部品名および部品コードごとに、実装実績指数を示す。例えば、フィルタリング情報Dfは、部品名「A部品」および部品コード「C001」によって特定される種類の部品Pの実装品質指数として「0.5%」を示す。
【0202】
生産管理装置100aのフィルタリング部109は、図17Bに示すフィルタリング情報Dfを取得すると、そのフィルタリング情報Dfを用いてフィルタリングを行う。つまり、フィルタリング部109は、そのフィルタリングによって、それぞれ実装実績指数が閾値以下の部品Pの種類に対応する1以上の動作パラメータmuを選択する。例えば、フィルタリング部109は、実装実績指数が閾値「1%」以下の部品Pの種類に対応する1以上の動作パラメータmuを選択する。図17Bに示す例では、フィルタリング部109は、部品名「A部品」および部品コード「C001」の部品Pに対応する動作パラメータmuと、部品名「B部品」および部品コード「C102」の部品Pに対応する動作パラメータmuとを選択する。つまり、フィルタリング部109は、複数の実績生産データDpuから、部品コード「C001」の実績部品データDcuと、部品コード「C102」の実績部品データDcuとを選択する。
【0203】
このように、本実施の形態では、フィルタリングによって、小さい実装実績指数を有する部品Pの種類に対応する動作パラメータmuが選択される。これにより、部品実装装置M4またはM5でのエラーが少なかった部品Pの種類に対応する1以上の動作パラメータmuがフィルタリングによって選択されて学習に用いられ、エラーが多かった部品Pの種類に対応する動作パラメータmuは学習に用いられない。したがって、エラーの発生を低減するための適切な動作パラメータmを推定するための動作パラメータモデルPmを生成することができる。
【0204】
図18Aは、部品Pの選択によって生成されるフィルタリング情報Dfの一例を示す図である。
【0205】
処理装置500に含まれるデータ管理装置300のデータ制御部311は、図18Aの(a)に示すオペレータによる操作結果に応じて、(b)に示すフィルタリング情報Dfを生成してフィルタリング部109に出力してもよい。
【0206】
例えば、データ制御部311は、図18Aの(a)に示す部品選択画面を表示部313に表示する。この部品選択画面には、生産システム2で扱われる各部品Pの部品名、部品コード、および部品情報dの少なくとも一部(例えば、外形寸法およびリード数)などが示されている。オペレータは、この部品選択画面を見ながら、入出力部312を操作することによって、所望の部品Pに対して学習フラグを入力する。例えば、部品Pの実装によって生産された実装基板において、その部品Pの実装状態が良質だった場合には、オペレータは、その部品Pに対して学習フラグを入力する。または、過去に使用された部品Pが例外的な特殊部品である場合には、オペレータは、その部品Pに対して学習フラグを入力しない。また、実績生産データDpuに含まれる部品Pの動作パラメータmuが他の工場で設定されていた場合には、オペレータは、その部品Pに対して学習フラグを入力しない。図18Aの(a)に示す例では、オペレータは、部品名「A部品」、「B部品」、「D部品」および「F部品」のそれぞれの部品Pに対して学習フラグを入力する。そして、オペレータは、さらに入出力部312を操作することによって、その部品選択画面に示される決定ボタンを選択する。その結果、データ制御部311は、部品選択画面に入力された学習フラグに応じて、図18Aの(b)に示すフィルタリング情報Dfを生成する。
【0207】
フィルタリング情報Dfは、オペレータによって入力された学習フラグごとに、その学習フラグに対応する部品Pの部品名および部品コードなどを、その部品Pの部品識別情報として示す。例えば、フィルタリング情報Dfは、4つの部品Pのそれぞれの部品識別情報として、部品名「A部品」および部品コード「C001」と、部品名「B部品」および部品コード「C002」と、部品名「D部品」および部品コード「C003」と、部品名「F部品」および部品コード「C005」とを示す。このように、データ管理装置300は、それぞれ部品Pの種類を識別するための1以上の部品識別情報を含むフィルタリング情報Dfを出力する。
【0208】
生産管理装置100aのフィルタリング部109は、図18Aの(b)に示すフィルタリング情報Dfを取得すると、そのフィルタリング情報Dfを用いてフィルタリングを行う。つまり、フィルタリング部109は、フィルタリングでは、フィルタリング情報Dfによって示される1以上の部品識別情報のそれぞれについて、その部品識別情報によって識別される部品Pの種類に対応する動作パラメータmuを選択する。図18Aの(b)に示す例では、フィルタリング部109は、複数の実績生産データDpuから、部品コード「C001」の実績部品データDcuと、部品コード「C002」の実績部品データDcuと、部品コード「C003」の実績部品データDcuと、部品コード「C005」の実績部品データDcuとを選択する。
【0209】
このように、本実施の形態では、フィルタリングによって、オペレータによる操作によって指定された部品Pの種類に対応する動作パラメータmuが選択される。これにより、オペレータによって指定された部品識別情報によって識別される部品Pの種類に対応する1以上の動作パラメータmuがフィルタリングによって選択されて学習に用いられ、他の部品Pの種類に対応する動作パラメータmuは学習に用いられない。したがって、特定の部品Pに対して適切な動作パラメータmuを推定するための動作パラメータモデルPmを生成することができる。
【0210】
図18Bは、基板Bの選択によって生成されるフィルタリング情報Dfの一例を示す図である。
【0211】
処理装置500に含まれるデータ管理装置300のデータ制御部311は、図18Bの(a)に示すオペレータによる操作結果に応じて、(b)に示すフィルタリング情報Dfを生成してフィルタリング部109に出力してもよい。
【0212】
例えば、データ制御部311は、図18Bの(a)に示す基板選択画面を表示部313に表示する。この基板選択画面には、生産システム2で扱われる各基板Bの基板名、基板コード、および補助情報などが示されている。オペレータは、この基板選択画面を見ながら、入出力部312を操作することによって、所望の基板Bに対して学習フラグを入力する。例えば、オペレータは、基板名「A基板」、「B基板」、「D基板」および「F基板」のそれぞれの基板Bに対して学習フラグを入力する。そして、オペレータは、さらに入出力部312を操作することによって、その基板選択画面に示される決定ボタンを選択する。その結果、データ制御部311は、基板選択画面に入力された学習フラグに応じて、図18Bの(b)に示すフィルタリング情報Dfを生成する。
【0213】
フィルタリング情報Dfは、オペレータによって入力された学習フラグごとに、その学習フラグに対応する基板Bの基板名および基板コードなどを、その基板Bの基板識別情報として示す。例えば、フィルタリング情報Dfは、4つの基板Bのそれぞれの基板識別情報として、基板名「A基板」および基板コード「B001」と、基板名「B基板」および基板コード「B002」と、基板名「D基板」および基板コード「B004」と、基板名「F基板」および基板コード「B006」とを示す。このように、データ管理装置300は、それぞれ基板Bの種類を識別するための1以上の基板識別情報を含むフィルタリング情報Dfを出力する。
【0214】
生産管理装置100aのフィルタリング部109は、図18Bの(b)に示すフィルタリング情報Dfを取得すると、そのフィルタリング情報Dfを用いてフィルタリングを行う。つまり、フィルタリング部109は、複数の実績生産データDpuからなる実績生産データ群がデータ取得部108によって取得された場合には、フィルタリングでは、その実績生産データ群に含まれる少なくとも1つの動作パラメータmuから、1以上の動作パラメータmuを選択する。これらの選択される1以上の動作パラメータmuのそれぞれは、フィルタリング情報Dfに含まれる基板識別情報によって識別される種類の基板Bに実装される部品Pの種類に対応している。
【0215】
図18Bの(b)に示す例では、フィルタリング部109は、実績生産データ群から、基板コード「B001」、「B002」、「B004」および「B006」のそれぞれの基板Bに実装された部品Pの種類に対応する実績部品データDcuを選択する。なお、生産データDpおよび実績生産データDpuには、実装基板の生産に用いられた基板Bの基板コードが示されていてもよい。この場合、フィルタリング部109は、実績生産データ群から、基板コード「B001」、「B002」、「B004」および「B006」のそれぞれを示す実績生産データDpuを選択し、それらの選択された実績生産データDpuから実績部品データDcuを抽出する。
【0216】
このように、本実施の形態では、フィルタリングによって、オペレータから指定された基板Bに実装される部品Pの種類に対応する動作パラメータmuが選択される。つまり、オペレータから指定された基板Bに実装される部品Pの種類に対応する1以上の動作パラメータmuがフィルタリングによって選択されて学習に用いられ、他の基板Bに実装される部品Pの種類に対応する動作パラメータmuは学習に用いられない。したがって、特定の基板Bに対して適切な動作パラメータmuを推定するための動作パラメータモデルPmを生成することができる。
【0217】
[処理フロー]
図19は、本実施の形態における生産管理装置100aの処理動作を示すフローチャートである。
【0218】
生産管理装置100aのデータ取得部108は、部品実装ラインL1~L3から実績生産データDpuを取得する(ステップS21)。さらに、データ取得部108は、処理装置500からフィルタリング情報Dfを取得する(ステップS22)。
【0219】
次に、フィルタリング部109は、ステップS22で取得されたフィルタリング情報Dfを用いて、ステップS21で取得された実績生産データDpuに含まれる各動作パラメータmuに対してフィルタリングを行う(ステップS23)。これにより、実績生産データDpuから学習に用いられる動作パラメータmuが選択される。
【0220】
次に、学習部104は、ステップS23のフィルタリングによって選択された動作パラメータmuを用いた学習によって、動作パラメータモデルPmを生成または更新する(ステップS24)。この学習では、その選択された動作パラメータmuと、その動作パラメータmuと共に実績部品データDcuに含まれている部品情報dとが、教師データとして用いられる。また、動作パラメータモデルPmの更新では、学習モデル保持部DB2に保持されている、その実績生産データDpuに対応する動作パラメータモデルPmが更新される。
【0221】
そして、パラメータ推定部105は、動作パラメータmが未定の部品Pが入出力部107によって選択された場合には、その選択された部品Pの動作パラメータmを、ステップS24で生成または更新された動作パラメータモデルPmを用いて推定する(ステップS25)。
【0222】
以上のように、本実施の形態における生産管理装置100aでは、実績生産データDpuが取得され、その取得された実績生産データDpuに含まれる少なくとも1つの動作パラメータmuに対するフィルタリングが行われる。つまり、処理装置500から得られるフィルタリング情報Dfを用いて、実績生産データDpuから1以上の動作パラメータmuが選択される。そして、選択された1以上の動作パラメータmuを教師データとして用いた学習によって、動作パラメータモデルPmの生成または更新が行われる。
【0223】
これにより、フィルタリングによって選択された1以上の動作パラメータmuが学習に用いられ、選択されなかった動作パラメータmuは学習に用いられないため、動作パラメータモデルPmの適正化を図ることができる。その結果、この動作パラメータモデルPmを用いれば、適切な動作パラメータmuを推定し、その後に部品実装装置M4またはM5で用いられる生産データDpに設定することができる。したがって、品質の良い実装基板を生産することができる。つまり、実装基板の品質向上を図ることができる。
【0224】
つまり、本実施の形態では、学習において教師データとして用いられる動作パラメータmuを制御することができ、ユーザが意図した学習を行わせることができる。
【0225】
また、本実施の形態における生産管理装置100aでは、その生成または更新された動作パラメータモデルPmと部品情報dとに基づいて、実装対象部品Pを基板Bに実装するための動作パラメータmが推定される。これにより、実装対象部品Pに対して適切な動作パラメータmを推定して設定することができる。
【0226】
(実施の形態2の変形例)
上記実施の形態では、図18Aおよび図18Bに示すように、指定された部品Pの種類または基板Bの種類に基づくフィルタリングが行われるが、実装基板の製品シリーズに基づくフィルタリングが行われてもよい。また、実績生産データDpuが取得された日付に基づくフィルタリングが行われてもよい。例えば、最近の日付で取得された実績生産データDpuに含まれる動作パラメータmuだけがフィルタリングによって選択されてもよい。また、指定された部品実装ラインに基づくフィルタリングが行われてもよい。例えば、部品実装ラインL1が指定された場合には、その部品実装ラインL1から取得された実績生産データDpuに含まれる動作パラメータmuだけがフィルタリングによって選択されてもよい。
【0227】
また、図17Aおよび図17Bに示す例では、フィルタリング情報Dfは、実装品質指数または実装実績指数を示すが、これらは一例であって、他の指数を示していてもよい。また、これらの指数は、PPM(parts per million)で表記されていてもよい。
【0228】
また、本実施の形態では、実施の形態1のように、複数の動作パラメータモデルPmから少なくとも1つの動作パラメータモデルPmを選択しなくてもよい。つまり、学習モデル保持部DB2に保持されている動作パラメータモデルPmは1つだけであってもよい。
【0229】
(その他の変形例)
以上、一つまたは複数の態様に係る生産データ生成装置および生産管理装置などについて、実施の形態およびその変形例に基づいて説明したが、本開示は、これらの実施の形態およびその変形例に限定されるものではない。本開示の趣旨を逸脱しない限り、当業者が思いつく各種変形を各実施の形態またはその変形例に施したものや、各実施の形態および各変形例における構成要素を組み合わせて構築される形態も、本開示の範囲内に含まれてもよい。
【0230】
なお、上記各実施の形態およびその変形例において、各構成要素は、専用のハードウェアで構成されるか、各構成要素に適したソフトウェアプログラムを実行することによって実現されてもよい。各構成要素は、CPU(Central Processing Unit)またはプロセッサなどのプログラム実行部が、ハードディスクまたは半導体メモリなどの記録媒体に記録されたソフトウェアプログラムを読み出して実行することによって実現されてもよい。ここで、上記各実施の形態およびその変形例の装置などを実現するソフトウェアは、図13または図19に示すフローチャートに含まれる各ステップをコンピュータに実行させるプログラムである。
【0231】
なお、以下のような場合も本開示に含まれる。
【0232】
(1)上記の各装置は、具体的には、マイクロプロセッサ、ROM、RAM、ハードディスクユニット、ディスプレイユニット、キーボード、マウスなどから構成されるコンピュータシステムである。前記RAMまたはハードディスクユニットには、コンピュータプログラムが記憶されている。前記マイクロプロセッサが、前記コンピュータプログラムにしたがって動作することにより、各装置は、その機能を達成する。ここでコンピュータプログラムは、所定の機能を達成するために、コンピュータに対する指令を示す命令コードが複数個組み合わされて構成されたものである。
【0233】
(2)上記の各装置を構成する構成要素の一部または全部は、1個のシステムLSI(Large Scale Integration:大規模集積回路)から構成されているとしてもよい。システムLSIは、複数の構成部を1個のチップ上に集積して製造された超多機能LSIであり、具体的には、マイクロプロセッサ、ROM、RAMなどを含んで構成されるコンピュータシステムである。前記RAMには、コンピュータプログラムが記憶されている。前記マイクロプロセッサが、前記コンピュータプログラムにしたがって動作することにより、システムLSIは、その機能を達成する。
【0234】
(3)上記の各装置を構成する構成要素の一部または全部は、各装置に脱着可能なICカードまたは単体のモジュールから構成されているとしてもよい。前記ICカードまたは前記モジュールは、マイクロプロセッサ、ROM、RAMなどから構成されるコンピュータシステムである。前記ICカードまたは前記モジュールは、上記の超多機能LSIを含むとしてもよい。マイクロプロセッサが、コンピュータプログラムにしたがって動作することにより、前記ICカードまたは前記モジュールは、その機能を達成する。このICカードまたはこのモジュールは、耐タンパ性を有するとしてもよい。
【0235】
(4)本開示は、上記に示す方法であるとしてもよい。また、これらの方法をコンピュータにより実現するコンピュータプログラムであるとしてもよいし、前記コンピュータプログラムからなるデジタル信号であるとしてもよい。
【0236】
また、本開示は、前記コンピュータプログラムまたは前記デジタル信号をコンピュータ読み取り可能な記録媒体、例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、CD-ROM、MO、DVD、DVD-ROM、DVD-RAM、BD(Blu-ray(登録商標) Disc)、半導体メモリなどに記録したものとしてもよい。また、これらの記録媒体に記録されている前記デジタル信号であるとしてもよい。
【0237】
また、本開示は、前記コンピュータプログラムまたは前記デジタル信号を、電気通信回線、無線または有線通信回線、インターネットを代表とするネットワーク、データ放送等を経由して伝送するものとしてもよい。
【0238】
また、本開示は、マイクロプロセッサとメモリを備えたコンピュータシステムであって、前記メモリは、上記コンピュータプログラムを記憶しており、前記マイクロプロセッサは、前記コンピュータプログラムにしたがって動作するとしてもよい。
【0239】
また、前記プログラムまたは前記デジタル信号を前記記録媒体に記録して移送することにより、または前記プログラムまたは前記デジタル信号を前記ネットワーク等を経由して移送することにより、独立した他のコンピュータシステムにより実施するとしてもよい。
【0240】
(5)上記実施の形態及び上記変形例をそれぞれ組み合わせるとしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0241】
本開示は、部品を基板に実装することによって実装基板を生産するためのシステムなどに利用可能である。
【符号の説明】
【0242】
1、2 生産システム
7 フィーダ
10 実装ヘッド
10a 吸着ユニット
10b 吸着ノズル
11 部品認識カメラ
12 基板認識カメラ
14 部品テープ
100 生産データ生成装置
100a 生産管理装置
101 制御部
102 データ生成部
103 モデル選択部
104 学習部
105 パラメータ推定部
106、213、313、413 表示部
107、212、312、412 入出力部
108 データ取得部
109 フィルタリング部
200 ライン管理装置
211 作業制御部
214 作業機構
300 データ管理装置
311 データ制御部
401~403 検査装置
411 検査制御部
414 検査機構
d 部品情報
DB1、DB4 生産データ保持部
DB2 学習モデル保持部
DB3 部品ライブラリ保持部
DB5 検査データ保持部
DB6 データ保持部
Dc 部品データ
Dcu 実績部品データ
Dp 生産データ
Dpu 実績生産データ
L1~L3 部品実装ライン
m、mu 動作パラメータ
M4、M5 部品実装装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7A
図7B
図8
図9A
図9B
図10A
図10B
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17A
図17B
図18A
図18B
図19