(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-14
(45)【発行日】2023-12-22
(54)【発明の名称】工具保持具
(51)【国際特許分類】
B23B 31/107 20060101AFI20231215BHJP
B23B 31/117 20060101ALI20231215BHJP
B23Q 3/12 20060101ALI20231215BHJP
【FI】
B23B31/107 D
B23B31/117 610B
B23Q3/12 A
(21)【出願番号】P 2020018203
(22)【出願日】2020-02-05
【審査請求日】2022-11-29
(73)【特許権者】
【識別番号】591033755
【氏名又は名称】エヌティーツール株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】594142207
【氏名又は名称】トヨタ自動車北海道株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003052
【氏名又は名称】弁理士法人勇智国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】石川 均
(72)【発明者】
【氏名】山崎 徹
【審査官】増山 慎也
(56)【参考文献】
【文献】実開昭63-158712(JP,U)
【文献】特開平10-263909(JP,A)
【文献】特開2018-140481(JP,A)
【文献】特開平09-216107(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B23B 31/107
B23B 31/117
B23Q 3/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
軸方向に沿って延在し、工具の工具シャンク部が挿入可能な内側空間を有し、工具着脱時には、前記工具シャンク部を前記内側空間内に挿入可能あるいは前記工具シャンク部を前記内側空間から抜き出し可能であり、工具保持時には、前記内側空間を形成する内周面の少なくとも一部によって前記工具シャンク部を挟持するとともに、抜け止め機構によって前記工具シャンク部の抜けを防止する工具保持具であって、
前記工具シャンク部は、後端側の外周に、周方向に沿って延在する溝を有しており、
前記内周面に設けられた開口部、内周壁および底壁により形成され、径方向に沿って延在する孔を有し、
前記抜け止め機構は、抜け止め部材、ピストン、弾性部材および加圧室により構成され、
前記抜け止め部材は、前記孔の延在方向に沿って移動可能に設けられ、また、前記開口部を介して前記内側空間内に突出可能であるとともに、前記工具シャンク部の前記
溝に係合可能に形成されている突部を有し、
前記ピストンは、前記抜け止め部材より、前記内側空間と反対側に、前記孔の延在方向に沿って移動可能に設けられ、
前記弾性部材は、前記抜け止め部材と前記ピストンを離間させる弾性力を発生し、
前記加圧室は、前記ピストンと前記孔の前記底壁との間に設けられ、
前記工具着脱時には、前記弾性部材の弾性力に抗して、前記工具シャンク部を、前記軸方向に沿って、前記抜け止め部材の前記突部と前記工具シャンク部の前記溝とが係合する位置まで挿入可能あるいは前記抜け止め部材の前記突部と前記工具シャンク部の前記溝とが係合する位置から抜き出し可能であり、前記工具保持時には、前記加圧室内の圧力を、前記抜け止め部材が、前記孔の延在方向に沿って、前記抜け止め部材の前記突部と前記工具シャンク部の前記
溝との係合が解除される位置に移動するのを規制するように設定可能に構成されていることを特徴とする工具保持具。
【請求項2】
請求項1に記載の工具保持具であって、
前記弾性部材は、スプリングにより構成されているとともに、前記抜け止め部材と前記ピストンとの間に圧縮された状態で配置され、
前記抜け止め部材の、前記孔の延在方向に沿った前記内側空間側への移動は、前記突部の、前記内側空間内への突出量が所定値となる位置で規制されることを特徴とする工具保持具。
【請求項3】
請求項1または2に記載の工具保持具であって、
前記内周面の前記少なくとも一部に対応する領域に加圧領域が設けられ、
前記工具保持時には、前記加圧領域内の圧力を、前記内周面の前記少なくとも一部が径方向内側に弾性変形して前記工具シャンク部を挟持するように設定可能に構成され、
前記抜け止め機構の前記加圧室は、前記加圧領域と連通していることを特徴とする工具保持具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、工具を保持する工具保持具に関し、特に、工具の抜けを防止する抜け止め機構を備える工具保持具に関する。
【背景技術】
【0002】
被加工部材(ワーク)を加工する際に、内側空間内に挿入された工具の工具シャンク部を、内側空間を形成する内周面によって挟持する保持機構を有する工具保持具が用いられる。工具シャンク部が内周面によって挟持されている状態において、加工時における切削抵抗等によって工具が内側空間から抜け出るおそれがある。このため、工具の抜けを防止する抜け止め機構を有する工具保持具が用いられている。
抜け止め機構を有する工具保持具は、例えば、特許文献1(特開2014-14926号公報)に開示されている。特許文献1に開示されている工具保持具で用いられている抜け止め機構は、抜け止め部材によって構成されている。抜け止め部材は、内側空間に開口し、径方向に沿って延在している孔にネジ結合されている。工具の工具シャンク部は、後端側の外周に、周方向に沿って延在する平坦面を有している。
工具を取り付ける際には、工具シャンク部を内側空間内に挿入した後、抜け止め部材を回転操作し、抜け止め部材を孔に沿って内側空間側に移動させる。そして、抜け止め部材を、内側空間内に挿入されている工具シャンク部の平坦面に係合させる。工具を取り出す際には、抜け止め部材を逆方向に回転操作し、抜け止め部材を孔に沿って内側空間と反対側に移動させる。。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示されている抜け止め機構は、工具を取り付ける際および工具を取り外す際に、抜け止め部材を回転させる作業が必要がある。このため、工具の取り付け作業および工具の取り外し作業が面倒であり、時間も要する。
本発明は、このような点に鑑みて創案されたものであり、簡単な操作で工具の抜け止めを行うことができる工具保持具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の工具保持具は、内側空間と抜け止め機構を有している。内側空間は、軸方向に沿って延在し、工具の工具シャンク部が挿入可能である。工具着脱時には、工具シャンク部を内側空間内に挿入可能あるいは工具シャンク部を内側空間から抜き出し可能である。また、工具保持時には、内側空間を形成する内周面の少なくとも一部によって工具シャンク部を挟持するとともに、抜け止め機構によって工具シャンク部の抜けを防止する。内側空間を形成する内周面の少なくとも一部によって工具シャンク部を挟持する保持機構としては、公知の種々の構成の保持機構を用いることができる。
本発明の工具保持部で保持される工具の工具シャンク部は、後端側の外周に、周方向に沿って延在する溝を有している。溝の形状は、少なくとも工具シャンク部外周面を切り欠いた形状を有していればよく、適宜変更可能である。また、周方向に沿って全体に形成された溝であってもよいし、周方向に沿った一部に形成された溝であってもよい。
本発明は、内周面に設けられた開口部と、内周壁および底壁により形成され、径方向に沿って延在する孔を有している。孔は、内周面の、工具シャンク部を挟持する少なくとも一部より後端側に設けられる。孔は、好適には、両端に開口部を有する貫通孔の一方端側を塞ぐことによって形成される。
抜け止め機構は、抜け止め部材、ピストン、弾性部材および加圧室により構成されている。抜け止め部材は、孔の延在方向に沿って移動可能に設けられているとともに、内側空間側に突部を有している。抜け止め部材の突部は、孔の開口部を介して内側空間内に突出可能であるとともに、工具シャンク部の溝に係合可能に形成されている。ピストンは、抜け止め部材より、内側空間と反対側に、孔の延在方向に沿って移動可能に設けられている。弾性部材は、抜け止め部材とピストンを離間させる弾性力を発生する。弾性部材としては、好適には、スプリングが用いられるが、これに限定されない。加圧室は、ピストンと孔の底壁との間に設けられている。加圧室には、加圧液体、好適には、油が充填される。加圧室内の圧力は、孔の底壁とピストンを離間させる力として、すなわち、ピストンを内側空間側に移動させる力として作用する。これにより、ピストンは、弾性部材の弾性力による、内側空間と反対側に移動する力と、加圧室内の圧力による、内側空間側に移動する力を受ける。
そして、工具着脱時には、工具シャンク部を、軸方向に沿って、弾性部材の弾性力に抗して、抜け止め部材の突部と工具シャンク部の溝とが係合する位置まで挿入可能あるいは抜け止め部材の突部と工具シャンク部の溝とが係合する位置からの抜き出し可能に構成されている。具体的には、加圧室内の圧力を、弾性部材の弾性力に抗して工具シャンク部を挿入可能あるいは抜き出し可能となるように設定可能に構成されている。また、工具保持時には、抜け止め部材の突部が工具シャンク部の溝と係合するとともに、抜け止め部材が、孔の延在方向に沿って、抜け止め部材の突部と工具シャンク部の溝との係合が解除される位置に移動するのを規制するように構成されている。具体的には、加圧室内の圧力を、抜け止め部材の突部と工具シャンク部の溝との係合が解除される位置に抜け止め部材が移動するのを規制するように設定可能に構成されている。なお、抜け止め部材の突部と工具シャンク部の溝との係合が解除される位置は、抜け止め部材の突部および工具シャンク部の溝の形状によって変化する。
本発明では、抜け止め機構の加圧室内の圧力を設定する操作を行うだけよいため、工具の抜け止めおよび抜け止めの解除を簡単な操作で行うことができる。
本発明の異なる形態では、弾性部材は、スプリングにより構成されているとともに、抜け止め部材とピストンとの間に圧縮された状態で配置されている。また、抜け止め部材の、孔の延在方向に沿った内側空間側への移動は、突部の、内側空間内への突出量が所定値となる位置で規制されている。突部の、内側空間側への移動を規制する方法としては、種々の方法を用いることができる。例えば、抜け止め部材の外周面を形成する抜け止め部材外周面部分と孔の内壁を形成する内壁部分との当接によって規制する方法を用いることができる。
本形態では、簡単な構成で、抜け止め部材の突部を、孔の開口部から内側空間内に突出させることができる。また、抜け止め部材の突部の、内側空間内への突出量を規制しているため、弾性部材の弾性力や圧力室内の圧力を、容易に設定することができる。
本発明の異なる形態では、内周面の少なくとも一部に対応する領域に加圧領域が設けられている。これにより、内周面の少なくとも一部と加圧領域の間に、径方向内側に弾性変形可能な把持部が形成される。加圧領域には、加圧液体、好適には、油が充填される。そして、工具保持時には、加圧領域内の圧力を、内周面の少なくとも一部(把持部に対応する部分)が径方向内側に弾性変形して工具シャンク部を挟持するように設定可能に構成されている。加圧領域内の圧力は、例えば、加圧領域を含む閉空間内に油を充填した状態で、加圧ネジを用いて設定される。
さらに、抜け止め機構の加圧室は、加圧領域と連通している。例えば、加圧領域と加圧室を連通する連通路が設けられる。これにより、工具シャンク部を挟持するために加圧領域内の圧力が高められると、抜け止め機構の加圧室内の圧力も高められる。
本形態では、保持機構の加圧領域と抜け止め機構の加圧室が連通されているため、工具の抜け止めおよび抜け止めの解除をより簡単に行うことができる。
【発明の効果】
【0006】
本発明では、簡単な操作で工具の抜け止めおよび抜け止めの解除を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】本発明の工具保持具の一実施形態を示す図である。
【
図3】
図1に示されている抜け止め機構の拡大図である。
【
図4】一実施形態の工具保持具の動作を説明する図である。
【
図5】
図4に示されている動作状態における抜け止め機構の状態を示す図である。
【
図6】一実施形態の工具ホルダの動作を説明する図である。
【
図7】
図6に示されている動作状態における抜け止め機構の状態を示す図である。
【
図8】一実施形態の工具ホルダの動作を説明する図である。
【
図9】
図8に示されている動作状態における抜け止め機構の状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下に、本発明の実施形態を、図面を参照して説明する。
本明細書では、工具保持具(本体部、スリーブ)の延在方向、すなわち、工具保持具の中心線Pの延在方向(
図1では、左右方向)を「軸方向」という。また、軸方向に直角な断面において、工具保持具の中心線Pを中心点とする円弧に沿った方向を「周方向」といい、中心線Pを通る線の方向を「径方向」という。
また、軸方向に沿って、工具の工具シャンク部が内側空間(本体部内側空間、スリーブ内側空間)に挿入される側(
図1では、右側)を「先端側」といい、工具シャンク部が内側空間に挿入される側と反対側(
図1では、左側)を「後端側」という。なお、工具に関しては、内側空間に挿入される側を「後端側」といい、内側空間に挿入される側と反対側を「先端側」という。また、抜け止め機構に関しては、径方向内側を「先端側」といい、径方向外側を「後端側」という。
【0009】
本発明の工具保持具の一実施形態を、
図1~
図3を参照して説明する。
図1は、一実施形態の工具保持具100を示す図であり、
図2は、
図1の要部を拡大した図である。
図3は、
図1に示されている抜け止め機構200を拡大した図である。
【0010】
先ず、本実施形態の工具保持具100によって、抜け止めされた状態で保持される工具300を、
図1、
図2を参照して説明する。
工具300は、工具後端面300Bを有し、先端側に刃(図示省略)が形成され、後端側に工具シャンク部310が形成されている。
工具外周面312は、工具外周面部分312a~312dを有している。
工具外周面部分312aは、軸方向に直角な断面で見て、円形を有し、工具保持具100によって把持される工具シャンク部外周面を形成する。以下では、工具外周面部分312aを、工具シャンク部外周面312aという。
工具外周面部分312bは、工具シャンク部外周面312aの後端側に配置され、軸方向に沿った断面で見て、中央が径方向内側に窪んでいる溝313を形成する。工具外周面部分312bは、部分312b1~312b3を有している。部分312b1は、溝313の先端側に配置され、先端側から後端側に向かって外径が小さくなるように直線状に傾斜している。部分312b3は、溝313の後端側に配置され、後端側から先端側に向かって外径が小さくなるように直線状に傾斜している。部分312b2は、溝313の中央(部分312b1と312b3の間)に配置され、軸方向に平行に延在している。部分312b2は、溝313の底面を形成する。
工具外周面部分321cは、工具外周面部分312bより後端側に配置され、工具外周面部分312aと同じ外径を有している。
工具外周面部分312dは、工具外周面部分312cより後端側に配置され、後端側から先端側に向かって外径が大きくなるように直線状に傾斜している。
溝313が、本発明の「工具シャンク部の溝」に対応し、工具外周面部分312aが、本発明の「工具シャンク部外周面」に対応する。
【0011】
次に、本実施形態の工具保持具100を説明する。
本実施形態の工具保持具100は、本体部110、スリーブ120、抜け止め機構200等により構成されている。
本体部110、スリーブ120等は、例えば、スチールにより形成される。
【0012】
本体部110は、本体部先端面110A、本体部後端面110B、本体部内周面111および本体部外周面112を有している。本体部内周面111により、先端側および後端側が開口している本体部内側空間110aが形成される。
本体部内周面111は、本体部内周面部分111a~111eを有している。本体部内周面部分111aと111bによって、スリーブ120が挿入される本体部内側空間部分が形成される。
また、本体部110には、後述する、本体部内周面部分111aとスリーブ120のスリーブ外周面部分122bおよび122dとの間に形成される加圧領域124aおよび124bに加圧液体を供給する通路(図示省略)が形成されている。
また、本体部110には、本体部内周面部分111cと本体部外周面112の間を貫通する貫通孔114が形成されている。貫通孔114は、本体部内周面部分111cに形成されている開口部111f、本体部外周面112に形成されている開口部112aおよび内壁を有している。内壁は、内壁部分114a~114mを有している。内壁部分114aには、後述する、抜け止め機構200のボルト240のボルト外周面部分242aに形成されている雄ネジとネジ結合可能な雌ネジが形成されている。内壁部分114bは、軸方向に沿って延在し、内壁部分114aと114cを接続する段差面として形成されている。内壁部分114dは、軸方向に沿って延在し、内壁部分114cと114eを接続する段差面として形成されている。内壁部分114jは、軸方向に沿って延在し、内壁部分114iと114kを接続する段差面として形成されている。内壁部分114lは、軸方向に沿って延在し、内壁部分114kと114mを接続する段差面として形成されている。内壁部分114lは、後述する、抜け止め機構200の抜け止め部材210の抜け止め部材外周面部分212bと当接可能である。
また、本体部110には、後述する、抜け止め機構200の加圧室115と加圧領域124aおよび124bを連通する連通路113が形成されている。
【0013】
スリーブ120は、円筒状に形成され、スリーブ先端面120A、スリーブ後端面120B、スリーブ内周面121およびスリーブ外周面122を有している。スリーブ内周面121により、先端側および後端側が開口しているスリーブ内側空間120aが形成される。
スリーブ外周面122は、スリーブ外周面部分122a~122eを有している。スリーブ外周面部分122aは先端側に配置され、スリーブ外周面部分122eは後端側に配置されている。スリーブ外周面部分122aと122eは、同じ外径を有している。スリーブ外周面部分122cは、スリーブ外周面部分122aと122eの間に配置され、スリーブ外周面部分122aおよび122eの外径より小さい外径を有している。スリーブ外周面部分122bおよび122dは、スリーブ外周面部分122aと122cの間およびスリーブ外周面部分122cと122eの間に配置され、軸方向に沿った断面で見て、径方向内側に窪んでいる断面形状を有している。これにより、スリーブ内周面121とスリーブ外周面部分122bおよび122dとの間に、径方向内側に弾性変形可能な把持部123aおよび124bが形成される。
【0014】
スリーブ120は、本体部内周面部分111aと111bにより形成される本体部内側空間部分内に挿入された後、スリーブ外周面122(詳しくは、スリーブ外周面部分122aと122e)が本体部内周面111(詳しくは、本体部内周面部分111a)にロー付けされる。すなわち、スリーブ外周面部分122aおよび122eが、本体部内周面部分111aに密着固定される。これにより、本体部内周面部分111aとスリーブ外周面部分122bおよび122dとの間に、加圧領域124aおよび124bが形成される。また、本体部内周面部分111aとスリーブ外周面部分122cとの間に、加圧領域124aと124bを連通する連通路124cが形成される。
加圧領域124aおよび124bには、加圧液体が供給され、また、加圧領域124aおよび124b内の圧力を調整する圧力調整装置(図示省略)が設けられる。本実施形態では、加圧液体として油が用いられている。また、圧力調整装置として、加圧領域124a、124bおよび連通路124c等を含む閉空間内に充填されている油の圧力を調整する加圧ネジが用いられている。加圧ネジを用いて圧力を調整する場合、簡単な構成および簡単な操作で圧力を調整することができる。
加圧領域124aおよび124b内の圧力を高くすると、把持部123aおよび123bが径方向内側に弾性変形する。これにより、スリーブ内側空間120a内に挿入された工具シャンク部310の工具シャンク部外周面312aは、把持部123aおよび123b(詳しくは、スリーブ内周面121の、把持部123aおよび124bに対応する部分)によって把持(挟持)される。
【0015】
本体部110にスリーブ120が取り付けられることによって、本体部内側空間110aとスリーブ内側空間120aが連通する。工具300の工具シャンク部310は、スリーブ内側空間120aを介して本体部内側空間110a内に挿入される。
本体部内側空間110aとスリーブ内側空間120aによって、本発明の「内側空間」が形成される。また、本体部内周面部分111c~111eおよびスリーブ内周面121によって、本発明の「内側空間を形成する内周面」が形成され、本体部内周面部分111c~111eおよびスリーブ内周面121が、本発明の「内周面部分」に対応する。本体部外周面112が、本発明の「外周面」に対応する。加圧領域124aおよび124bが、本発明の「加圧領域」に対応し、連通路113が、本発明の「加圧領域と加圧室を連通する連通路」に対応する。
【0016】
次に、抜け止め機構200を説明する。
本実施形態の抜け止め機構200は、抜け止め部材210、ピストン220、スプリング230、ボルト240等により構成されている。
【0017】
抜け止め部材210は、貫通孔114内に、貫通孔114(詳しくは、内壁部分114k)の延在方向に沿って移動可能に配置されている。
抜け止め部材210は、抜け止め部材先端面210A、抜け止め部材後端面210Bおよび抜け止め部材外周面212を有している。また、抜け止め部材210は、抜け止め部材後端面210Bに開口している孔210aを有している。
抜け止め部材外周面212は、抜け止め部材外周面部分212a~212cを有している。
抜け止め部材外周面部分212cは、本体部内周面部分111cに形成されている開口部111fを挿通可能に形成されている。すなわち、抜け止め部材外周面部分212cの外径は、開口部111fの内径より小さく設定されている。
抜け止め部材外周面部分212aの外径は、抜け止め部材外周面部分212cの外径より大きく設定されている。そして、抜け止め部材外周面部分212bは、軸方向に沿って延在し、抜け止め部材外周面部分212aと212cを接続する段差面に形成されている。抜け止め部材210の抜け止め部材外周面部分212bが貫通孔114の内壁部分114lに当接すると、抜け止め部材210の、本体部内側空間110a側への移動が規制される。
抜け止め部材先端面210Aは、抜け止め部材先端面部分213aと213bを有している。抜け止め部材先端面部分213aは、後端側から先端側に向かって外径が小さくなる円錐状に形成されている。抜け止め部材先端面部分213bは、抜け止め部材先端面部分231aの中心に配置され、平坦面に形成されている。
抜け止め部材210の抜け止め部材外周面部分212cと抜け止め部材先端面210Aによって突部214が形成される。突部214の形状(特に、抜け止め部材先端面210Aの形状)は、工具シャンク部310の溝313との係合が可能となるように、溝313を形成する工具外周面部分312bの形状に応じて設定される。
抜け止め部材210の抜け止め部材外周面部分212bと貫通孔114の内壁部分114lによって、「抜け止め部材の、内側空間側への移動を規制する移動規制機構」が構成される。
【0018】
ピストン220は、貫通孔114内に、貫通孔114(詳しくは、内壁部分114g)の延在方向に沿って移動可能に配置されている。
ピストン220は、ピストン先端面220A、ピストン後端面220Bおよびピストン外周面222を有している。また、ピストン220は、ピストン先端面220Aに開口している孔220aを有している。
ピストン外周面222は、ピストン外周面部分222a~222eを有している。ピストン外周面部分222b~222dによって、ピストン220の中心側に窪んでいる凹部が形成される。この凹部には、後述する加圧室115を形成するために、ピストン220と貫通孔114の内壁との間をシールするOリング260が装着される。
【0019】
スプリング230は、抜け止め部材210とピストン220との間に配置される。具体的には、スプリング230の一方側端部が抜け止め部材210の孔210a内に挿入され、他方側端部がピストン220の孔220a内に挿入される。スプリング230は、後述するボルト240によって、抜け止め部材210とピストン220との間に圧縮された状態で配置される。すなわち、スプリング230は、抜け止め部材210とピストン220を離間させる弾性力を発生するように配置される。
【0020】
ボルト240は、ピストン220の、抜け止め部材210と反対側に配置される。
ボルト240は、ボルト先端面240A、ボルト後端面240Bおよびボルト外周面242を有している。
ボルト外周面242は、ボルト外周面部分242a~242cを有している。ボルト外周面部分242aには、貫通孔114の内壁部分114aに形成されている雌ネジとネジ結合可能な雄ネジが形成されている。ボルト外周面部分242bは、ボルト外周面部分242aと242cを接続する段差面に形成されている。ボルト外周面部分242bが貫通孔114の内壁部分114bと当接することにより、ボルト240は位置決めされる。
【0021】
次に、抜け止め機構200を組み付ける動作を説明する。
本体部外周面112に形成されている開口部112aを介して、抜け止め部材210、スプリング230およびピストン220を貫通孔114内に挿入する。この時、ピストン外周面部分222b~222dによって形成される凹部内には、Oリング260が装着される。
そして、ボルト240によって、貫通孔114の、開口部112a側を閉塞する。本実施形態では、ボルト240のボルト外周面部分242aに形成されている雄ネジと貫通孔114の内壁部分114aに形成されている雌ネジとのネジ結合により、ボルト240を貫通孔114内に配置する。この時、ボルト240のボルト外周面部分242b、242cと貫通孔114の内壁部分114c、114dにより形成される空間内にOリング250が装着される。
ここで、ボルト240のボルト先端面240Aがピストン220のピストン後端面220Bと当接することによって、ピストン220は、本体部内側空間110a側に移動する力を受ける。さらに、ピストン220と抜け止め部材210との間に配置されているスプリング230の弾性力によって、抜け止め部材210は、本体部内側空間110a側に移動する力を受ける。抜け止め部材210は、抜け止め部材外周面部分212bが貫通孔114の内壁部分114lと当接することによって、本体部内側空間110a側への移動が規制される。このため、抜け止め部材210、スプリング230、ピストン240およびボルト240は、
図3に示す状態に配置される。
【0022】
抜け止め部材210の抜け止め部材外周面部分212bが貫通孔114の内壁部分114lに当接した状態(移動規制状態)において、抜け止め部材210の突部214は、開口部111fから本体部内側空間110a内に突出するように構成されている。突部214の、本体部内側空間110a内への突出量は、作業員が、工具シャンク部310を、軸方向に沿って、スプリング230の弾性力に抗して、突部214と溝313が係合する位置まで移動させることができるように設定される。
なお、ボルト240の、貫通孔114の延在方向に沿った位置を調整することによって、スプリング230による、抜け止め部材210とピストン220を離間させる弾性力を調整することができる。
【0023】
図3に示されている状態では、貫通孔114は、開口部112a側が閉塞されている。すなわち、本体部内側空間110aに開口している開口部111f、内壁および底壁を有する孔が形成される。この場合、孔の内壁は、貫通孔114の内壁部分114e~114mにより形成され、孔の底壁は、ボルト240のボルト先端面410A、ボルト外周面部分242cおよびOリング250の外周面により形成される。
また、ボルト240(ボルト外周面部分242b、242c)と貫通孔114(内壁部分114c、114d)との間は、Oリング250でシールされ、ピストン220(ピストン外周面部分222b~222d)と貫通孔114(内壁部分114g)との間は、Oリング260でシールされている。これにより、ボルト240とピストン220との間、すなわち、孔の底壁とピストン220との間に密閉された加圧室115が形成される。なお、加圧室115内には、加圧液体、好適には、油が供給される。加圧室115内の圧力が高くなると、ピストン220が、スプリング230の弾性力に抗して、ボルト240に対して本体部内側空間110a側に移動する。これにより、工具300の抜けを確実に防止することができる(詳しくは後述する)。
本実施形態では、加圧室115は、連通路113を介して加圧領域124aおよび124bに連通している。これにより、加圧領域124aおよび124b内の圧力を高くすると、加圧室115内の圧力も高くなる。すなわち、工具300の工具シャンク部310を把持する把持機構と工具300の抜けを防止する抜け止め機構200を連動させることができる。
【0024】
開口部111fと、貫通孔114の内壁部分114e~114mにより形成される内壁と、ボルト240のボルト先端面240A、ボルト外周面部分242cおよびOリング250の外周面により形成される底壁を有する孔が、本発明の「孔」に対応する。また、加圧室115が、本発明の「加圧室」に対応する。
【0025】
次に、本実施形態の工具保持具100の動作を、
図4~
図9を参照して説明する。
図2および
図3に示されている状態で、作業員は、工具シャンク部310を、スリーブ内側空間120aを介して本体部内側空間110a内に挿入する。
この時、先ず、抜け止め部材210の突部214が、工具外周面部分312dに当接する。突部214が工具外周面部分312dに当接した状態で工具シャンク部310をさらに挿入すると、突部214(抜け止め部材210)は、本体部内側空間110aと反対側に移動する力を受ける。これにより、抜け止め部材210は、スプリング230の弾性力に抗して、
図4および
図5に示されているように、抜け止め部材先端面部分213bが工具シャンク部外周面312cに当接する位置まで移動する。
図4および
図5に示されている状態では、ピストン220は、ピストン後端面220Bがボルト先端面240Aに当接する位置に保持されている。一方、抜け止め部材210は、抜け止め部材先端面部分213bが受ける力(太い破線の矢印で示されている)とスプリング230の弾性力がバランスする位置に移動している。
【0026】
工具シャンク部310をさらに挿入すると、
図6および
図7に示されているように、突部214が工具シャンク部310の溝313と係合する。この時、抜け止め部材210は、スプリング230の弾性力により、本体部内側空間110a側に移動する。すなわち、抜け止め部材先端面部分213bが、溝313を形成する工具外周面部分312bの中央の部分312b2と当接する位置に移動する。
図6および
図7に示されている状態では、ピストン220は、ピストン後端面220Bがボルト先端面240Aに当接する位置に保持されている。一方、抜け止め部材210は、抜け止め部材先端面部分213bと工具外周面部分312bの中央の部分312bが当接する位置に移動している。
抜け止め部材先端面部分213bが工具外周面部分312bの中央の部分312b2と当接した位置が、本発明の「抜け止め部材の突部と工具シャンク部の
溝との係合位置」に対応する。
【0027】
図6および
図7に示されている状態では、抜け止め部材210の突部214と工具シャンク部310の溝313との係合によって、工具シャンク部310の抜けを防止することができる。例えば、工具シャンク部310が、
図6および
図7に示されている状態(抜け止め部材外周面部分213bと工具外周面部分312bの中央の部分312b2が当接している状態)から先端側に移動すると、突部214を形成する抜け止め部材先端面部分213aと溝313を形成する工具外周面部分312bの部分312b3が当接することによって、工具シャンク部310の先端側への移動が防止される。
しかしながら、抜け止め部材210が、外力等によって、スプリング230の弾性力に抗して、抜け止め部材210の突部214と溝313との係合が解除される位置に移動するおそれがある。抜け止め部材210の突部214と工具シャンク部310の溝313との係合が解除されると、工具シャンク部310が抜ける。
貫通孔114の延在方向に沿った、抜け止め部材210の突部214と工具シャンク部310の溝313との係合が解除される位置は、例えば、
図9に太い破線で示される位置である。
図9に太い破線で示されている位置は、抜け止め部材先端面部分213bが、工具外周面部分312bの中央の部分312b2と当接する位置から、貫通孔114の延在方向に沿って、本体部内側空間110aと反対側に、溝313の深さDに対応する距離移動した位置である。なお、
図9に太い破線で示されている位置(溝313の深さDに対応する距離移動した位置)は、突部214と溝313との係合が解除される境界位置である。突部214と溝313との係合が解除される位置は、突部214および溝313の形状に応じて変化する。例えば、抜け止め部材210が、貫通孔114の延在方向に沿って、
図9に太い破線で示されている位置に達する前に、突部214と溝313との係合が解除される場合もある。
このため、抜け止め部材210の突部214と工具シャンク部310の溝313とが係合している状態において、抜け止め部材210が、貫通孔114の延在方向に沿って、抜け止め部材210の突部214と工具シャンク部310の溝313との係合が解除される位置に移動しないように規制する必要がある。
【0028】
本実施形態では、
図8および
図9に示されているように、抜け止め部材210の突部214と工具シャンク部310の溝313とが係合した状態で、加圧室115内の圧力を高めている。加圧室115内の圧力を高める方法としては、例えば、前述したように、加圧室115等を含む閉空間内に油を充填し、加圧ネジによって油の圧力を調整する方法を用いることができる。加圧ネジを用いて圧力を調整する場合、簡単な構成および簡単な操作で圧力を調整することができる。
加圧室115内の圧力が高まると、ピストン220が、スプリング230の弾性力に抗して、ボルト240に対して本体部内側空間110a側に移動する。これにより、ピストン220と抜け止め部材210との間の間隔が狭くなり、スプリング230が圧縮されてスプリング230の弾性力が増大する。すなわち、抜け止め部材210は、
図7および
図8に示されている場合に比べて、本体部内側空間110aと反対側に移動し難くなる。
本実施形態では、加圧室115内の圧力を、抜け止め部材210が、外力等によって、抜け止め部材210の突部214と工具シャンク部310の溝313との係合位置から、スプリング230の弾性力に抗して、本体部内側空間110aと反対側に、抜け止め部材210の突部214と工具シャンク部310の溝313との係合が解除される位置に移動するのを規制することができるように設定している。
例えば、加圧室115内の圧力を、抜け止め部材210が、突部214と溝313との係合位置から、本体部内側空間110aと反対側に、溝313の深さD以上移動しないように設定する。すなわち、抜け止め部材210の、突部214と溝313との係合位置からの移動量が、溝313の深さD未満に規制される。
前述したように、抜け止め部材210の突部214と工具シャンク部310の溝313との係合が解除される位置は、突部214および溝313の形状等に応じて変化する。このため、加圧室115内の圧力は、突部214および溝313の形状等に応じて設定される。
勿論、加圧室115内の圧力を、突部214と溝313との係合位置において、抜け止め部材210が、本体部内側空間110aと反対側に移動しないように設定することもできる。
【0029】
加圧室115内の圧力を、把持部123aおよび123bを径方向内側に弾性変形させる際における加圧領域124aおよび124b内の圧力に設定した場合でも、抜け止め部材210が、外力等によって、抜け止め部材210の突部214と工具シャンク部310の溝313との係合位置から、スプリング230の弾性力に抗して、本体部内側空間110aと反対側に、抜け止め部材210の突部214と工具シャンク部310の溝313との係合が解除される位置に移動するのを規制することができる。
本実施形態では、加圧室115を、把持部123aおよび123bを径方向内側に弾性変形させる加圧領域124aおよび124bに連通路113を介して連通している。
これにより、加圧領域124aおよび124b内の圧力を高めることによって、把持部123aおよび123bを径方向内側に弾性変形させて工具シャンク部310を把持することができる。同時に、連通路113を介して加圧領域124aおよび124bに連通している加圧室115内の圧力が高められ、抜け止め部材210が、スプリング230の弾性力に抗して、本体部内側空間110aと反対側に、抜け止め部材210の突部214と工具シャンク部310の溝313との係合が解除される位置に移動するのを規制することができる。
【0030】
本発明は、実施形態で説明した構成に限定されず、種々の変更、追加、削除が可能である。
実施形態では、抜け止め部材先端面部分213bが工具外周面部分312bの中央の部分312b2に当接するように構成したが、抜け止め部材先端面部分213bが工具外周面部分312bの中央の部分312b2と当接すると同時あるいは当接する前に、抜け止め部材210の抜け止め部材外周面部分212bが貫通孔114の内壁部分114lと当接するように構成することもできる。この場合には、抜け止め部材210の抜け止め部材外周面部分212bが貫通孔114の内壁部分114lと当接した位置(抜け止め部材210の、本体部内側空間110a側への移動が規制される位置)が、本発明の「抜け止め部材210の突部214と工具シャンク部310の溝313との係合位置」に対応する。
工具シャンク部の溝の形状は、少なくとも工具シャンク部外周面から切り欠かれた形状であればよい。
抜け止め部材の突部の形状は、工具シャンク部の溝に係合可能な種々の形状に設定することができる。
抜け止め機構の弾性部材としては、抜け止め部材とピストンを離間させる弾性力を発生することができればよく、スプリングに限定されない。
加圧室に供給する加圧液体は、油に限定されない。
抜け止め機構の加圧室と保持機構の加圧領域を、連通路を介して連通したが、連通路を省略し、加圧室と加圧領域それぞれに別経路で加圧液体(好適には、油)を供給するように構成することもできる。
本体内周面とスリーブ外周面の間に加圧領域を形成し、加圧領域内の圧力を高めることによってスリーブ内周面の一部を径方向内側に弾性変形させたが、本体部に加圧領域を形成し、加圧領域内の圧力を高めることによって本体部内周面の一部を径方向内側に弾性変形させるように構成することもできる。
本体部の形状は、実施形態で説明した形状に限定されず、適宜変更可能である。
スリーブの形状は、実施形態で説明した形状に限定されず、適宜変更可能である。
抜け止め機構を挿入する孔を、連通孔の一方端側を閉塞することによって形成したが、孔を形成する方法はこれに限定されない。
抜け止め機構を挿入する孔の形状は、実施形態で説明した構成に限定されず、適宜変更可能である。
抜け止め部材やピストンの形状は、実施形態で説明した形状に限定されず、適宜変更可能である。
【符号の説明】
【0031】
100 工具保持具
110 本体部
110A 本体部先端面
110B 本体部後端面
110a 本体部内側空間
111 本体部内周面
111a~111e 本体部内周面部分
111f 開口部
112 本体部外周面
112a 開口部
113 連通路
114 貫通孔
114a~114m 内壁部分
115 加圧室
120 スリーブ
120A スリーブ先端面
120B スリーブ後端面
120a スリーブ内側空間
121 スリーブ内周面
122 スリーブ外周面
122a~122e スリーブ外周面部分
123a、123b 把持部
124a、124b 加圧領域
124c 連通路
200 抜け止め機構
210 抜け止め部材
210A 抜け止め部材先端面
210B 抜け止め部材後端面
210a 孔
212 抜け止め部材外周面
212a~212c 抜け止め部材外周面部分
213a、213b 抜け止め部材先端面部分
214 突部
220 ピストン
220A ピストン先端面
220B ピストン後端面
220a 孔
222 ピストン外周面
222a~222e ピストン外周面部分
230 バネ(弾性部材)
240 ボルト
240A ボルト先端面
240B ボルト後端面
242 ボルト外周面
242a~242c ボルト外周面部分
250、260 Oリング
300 工具
300B 工具後端面
310 工具シャンク部
312 工具外周面
312a~312d 工具外周面部分
313 溝