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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-14
(45)【発行日】2023-12-22
(54)【発明の名称】無給電動力伝達装置
(51)【国際特許分類】
   F16H 21/18 20060101AFI20231215BHJP
【FI】
F16H21/18
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2023137457
(22)【出願日】2023-08-25
【審査請求日】2023-08-25
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】501095048
【氏名又は名称】菅原 文雄
(73)【特許権者】
【識別番号】523325635
【氏名又は名称】菅原 よし子
(74)【代理人】
【識別番号】100161355
【弁理士】
【氏名又は名称】野崎 俊剛
(72)【発明者】
【氏名】菅原 文雄
【審査官】津田 真吾
(56)【参考文献】
【文献】特開昭58-166158(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16H 21/16
F02B 61/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
部材を支持するハウジングフレームと、
前記ハウジングフレームに設けられ外部からの回転力を揺動運動に変換するスロットクランク機構と、
前記ハウジングフレームに揺動可能に設けられると共に前記スロットクランク機構に接続され揺動するスライド揺動機構と、
前記ハウジングフレームに設けられたガイド棒と、
前記ガイド棒にスライド可能に設けられると共に前記スライド揺動機構に接続され往復運動する往復プレートと、
前記往復プレートに揺動可能に設けられたコンロッドと、
前記ハウジングフレームに回転可能に設けられると共に前記コンロッドに接続され回転するクランクシャフトと、
前記ハウジングフレームに設けられると共に前記クランクシャフトに接続され回転力を出力する出力機構と、
前記出力機構に接続され始動時に前記出力機構を介して前記クランクシャフトの回転方向を誘導する回転方向誘導モータ機構と、
前記出力機構に接続され発電する発電機構と、
前記発電機構で発電された電力を蓄電すると共に前記回転方向誘導モータ機構に給電する蓄電池と、を備えていることを特徴とする無給電動力伝達装置。
【請求項2】
請求項1記載の無給電動力伝達装置であって、
前記スロットクランク機構は、前記ハウジングフレームに回転可能に設けられ外部からの回転力により駆動するクランク回転部材と、前記クランク回転部材に回転軸方向と平行に設けられたロッドと、前記ハウジングフレームに揺動可能に設けられ前記ロッドを摺動可能に収納するスロットが形成されたスロット揺動部材と、を備え、
スライド揺動機構は、前記ハウジングフレームに揺動可能に設けられ鞘状に形成された鞘部を有する揺動鞘部材と、前記鞘部にスライド可能に収納されると共に前記スロット揺動部材に接続された摺動部材と、を備えていることを特徴とする無給電動力伝達装置。
【請求項3】
請求項2記載の無給電動力伝達装置であって、
前記スロットクランク機構の前記スロット揺動部材は、前記ロッドが摺動する方向である前記スロット揺動部材の長手方向の寸法よりも、前記ロッドが延びる方向である前記スロット揺動部材の幅方向の寸法が大きく形成され、
前記スライド揺動機構の前記摺動部材は、前記摺動部材の摺動する方向である長手方向の寸法よりも、前記摺動部材の幅方向の寸法が大きく形成されていることを特徴とする無給電動力伝達装置。
【請求項4】
請求項1又は請求項2記載の無給電動力伝達装置であって、
前記出力機構は、前記クランクシャフトに接続され回転する駆動かさ歯車と、前記ハウジングフレームに回転可能に設けられた第1回転軸と、前記第1回転軸に固定され駆動かさ歯車に噛み合う第1かさ歯車と、前記第1回転軸に固定された第1平歯車と、前記第1回転軸と平行に前記ハウジングフレームに回転可能に設けられた第2回転軸と、前記第2回転軸に固定され第1平歯車に噛み合う第2平歯車と、前記第2回転軸に固定された第2かさ歯車と、前記ハウジングフレーム回転可能に設けられた出力軸と、前記出力軸に固定され前記第2かさ歯車に噛み合う出力かさ歯車と、を備えていることを特徴とする無給電動力伝達装置。
【請求項5】
請求項記載の無給電動力伝達装置であって、
前記回転方向誘導モータ機構は、一方向のみに回転力を伝達するワンウェイクラッチを備えていることを特徴とする無給電動力伝達装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トルクを増幅させて効率よく動力を伝達する無給電動力伝達装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から様々なエネルギーロスが課題となっており、その解決に貢献する一策として、各種機械の動力を効率よく伝達することが挙げられる。また、今般、大きな問題になっている、地球温暖化がここ数年異常な速度で進み、気候変動が日本を始め世界中に起きている。世界は経済競争の中、地球の自然環境に化石燃料の燃焼等による二酸化炭素を排出し続けており、それによる地球温暖化等の大きな災害が日本を始め世界で発生している。
【0003】
それに関し、各国、企業などが地球温暖化を止める対策を打ち始めているが、このままでは長い年月を要するものと考えられる。そのため、化石燃料の消費を抑える対策が必要であるところ、火力発電による電力がなくなると、現状では原子力、水力、風力、太陽光等の発電による電力だけでは需要に供給が全く追いつかない電力不足の状態になると考えられる。また、化石燃料はエンジンで動く自動車でも多く消費されており、エンジン自動車による化石燃料の消費を抑えるために電気自動車の開発も進められているが、電力を火力発電所で賄っているようでは化石燃料の消費は抑えられない
【0004】
そこで、自動車や機械設備などにおいて、効率よく動力を伝達することでエネルギーロスを抑え、ひいては化石燃料の消費を抑えることに貢献できる動力伝達機構が必要となる。動力伝達機構として、特許文献1、特許文献2に開示された技術が知られている。
【0005】
特許文献1のエンジン始動発電ユニットは、ハウジング相当部材の内側に配置され、入出力軸と回転電機のモータ軸との間にクラッチ手段を介して接続された不思議遊星歯車機構を含む。クラッチ手段は、モータ軸から入出力軸に対しエンジン始動用の動力が伝達される場合に、不思議遊星歯車機構を用いて、モータ軸に比べて入出力軸が所定の減速比で減速されるように、入出力軸と第1インターナルギヤとを接続し、エンジンが始動した後、入出力軸からモータ軸に対し発電用の動力が伝達される場合に、不思議遊星歯車機構の一部の構成要素を用いて、入出力軸に比べてモータ軸が減速比の値より低い増速比で増速されるように、入出力軸とキャリアとを接続する。
【0006】
しかし、特許文献1のエンジン始動発電ユニットは、入力された動力を歯車及びクラッチ手段のみで伝達しているだけであり、出力部分に大きなトルクを必要とする場合であっても動力の入力部分を高速回転にする必要がある。
【0007】
特許文献2の力増幅装置は、動力軸を介して、回転力と回転数を有して回転している動力変換回転体と、適宜の長さの無端チェーン又は無端ベルト又はラック等を有する索道機構に歯合又は接合して、該動力変換回転体の回転力と回転数とが楕円回転又は振り子自在の該動力変換索道機構又は索道機構に伝達され、該索道機構の索道に第1梃子梁の一方端をピン連結し、支点を挟んで反対側の第1 梃子梁の他方端に往復運動又は梃子梁運動自在となった梃子梁と、必要に応じて設けるアームとを、適宜の方法で産業利用機構又は利用機器等に接続したものである。
【0008】
しかし、特許文献2の力増幅装置は、やはり、入力された動力を歯車及びリンクで伝達しているだけであり、出力部分に大きなトルクを必要とする場合であっても動力の入力部分にも大きなトルクを必要とし、大きなトルクで効率よく動力を伝達できない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【文献】特開2009-113195号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、以上の点に鑑み、力の入力部分に対して出力部分のトルクを増幅させて効率よく動力を伝達できる無給電動力伝達装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
[1]部材を支持するハウジングフレームと、
前記ハウジングフレームに設けられ外部からの回転力を揺動運動に変換するスロットクランク機構と、
前記ハウジングフレームに揺動可能に設けられると共に前記スロットクランク機構に接続され揺動するスライド揺動機構と、
前記ハウジングフレームに設けられたガイド棒と、
前記ガイド棒にスライド可能に設けられると共に前記スライド揺動機構に接続され往復運動する往復プレートと、
前記往復プレートに揺動可能に設けられたコンロッドと、
前記ハウジングフレームに回転可能に設けられると共に前記コンロッドに接続され回転するクランクシャフトと、
前記ハウジングフレームに設けられると共に前記クランクシャフトに接続され回転力を出力する出力機構と、
前記出力機構に接続され始動時に前記出力機構を介して前記クランクシャフトの回転方向を誘導する回転方向誘導モータ機構と、
前記出力機構に接続され発電する発電機構と、
前記発電機構で発電された電力を蓄電すると共に前記回転方向誘導モータ機構に給電する蓄電池と、を備えていることを特徴とする。
【0012】
かかる構成によれば、無給電動力伝達装置は、ハウジングフレームに設けられ外部からの回転力を揺動運動に変換するスロットクランク機構と、ハウジングフレームに揺動可能に設けられると共にスロットクランク機構に接続され揺動するスライド揺動機構とを備えているので、従来技術のような歯車及びクラッチ手段のみや、歯車及びリンクのみの動力伝達と異なり、本発明では揺動運動の力を利用して、力の入力部分に対して出力部分のトルクを増幅させて効率よく動力を伝達できる。
【0013】
[2]好ましくは、前記スロットクランク機構は、前記ハウジングフレームに回転可能に設けられ外部からの回転力により駆動するクランク回転部材と、前記クランク回転部材に回転軸方向と平行に設けられたロッドと、前記ハウジングフレームに揺動可能に設けられ前記ロッドを摺動可能に収納するスロットが形成されたスロット揺動部材と、を備え、
スライド揺動機構は、前記ハウジングフレームに揺動可能に設けられ鞘状に形成された鞘部を有する揺動鞘部材と、前記鞘部にスライド可能に収納されると共に前記スロット揺動部材に接続された摺動部材と、を備えている。
【0014】
かかる構成によれば、スロットクランク機構は、外部からの回転力により駆動するクランク回転部材と、クランク回転部材に回転軸方向と平行に設けられたロッドと、ロッドを摺動可能に収納するスロットが形成されたスロット揺動部材と、を備え、スライド揺動機構は、揺動可能に設けられ鞘状に形成された鞘部を有する揺動鞘部材と、鞘部にスライド可能に収納されると共にスロット揺動部材に接続された摺動部材と、を備えている。スロット揺動部材の揺動運動を摺動部材に伝達し、摺動部材が鞘部を摺動しつつ揺動鞘部材を揺動させるので、揺動運動を効率よく伝達し、スライド揺動機構の揺動力で大きなトルクを発生させ、力の入力部分に対して出力部分のトルクを増幅させて効率よく動力を伝達できる。
【0015】
[3]好ましくは、前記スロットクランク機構の前記スロット揺動部材は、前記ロッドが摺動する方向である前記スロット揺動部材の長手方向の寸法よりも、前記ロッドが延びる方向である前記スロット揺動部材の幅方向の寸法が大きく形成され、
前記スライド揺動機構の前記摺動部材は、前記摺動部材の摺動する方向である長手方向の寸法よりも、前記摺動部材の幅方向の寸法が大きく形成されている。
【0016】
かかる構成によれば、スロット揺動部材は、ロッドが摺動する方向であるスロット揺動部材の長手方向の寸法よりも、ロッドが延びる方向であるスロット揺動部材の幅方向の寸法が大きく形成されているので、揺動時にスロット揺動部材を曲げる方向に大きな力が加わっても幅広の部材により剛性が高く、大きな力が加わっても撓まずに良好に揺動することができる。また、スライド揺動機構の摺動部材は、摺動部材の摺動する方向である長手方向の寸法よりも、摺動部材の幅方向の寸法が大きく形成されているので、揺動時に摺動部材を曲げる方向に大きな力が加わっても幅広の部材により剛性が高く、大きな力が加わっても撓まずに良好に揺動することができる。この結果、スライド揺動機構の揺動力で大きなトルクを発生させ、力の入力部分に対して出力部分のトルクを増幅させて効率よく動力を伝達できる。
【0017】
[4]好ましくは、前記出力機構は、前記クランクシャフトに接続され回転する駆動かさ歯車と、前記ハウジングフレームに回転可能に設けられた第1回転軸と、前記第1回転軸に固定され駆動かさ歯車に噛み合う第1かさ歯車と、前記第1回転軸に固定された第1平歯車と、前記第1回転軸と平行に前記ハウジングフレームに回転可能に設けられた第2回転軸と、前記第2回転軸に固定され第1平歯車に噛み合う第2平歯車と、前記第2回転軸に固定された第2かさ歯車と、前記ハウジングフレーム回転可能に設けられた出力軸と、前記出力軸に固定され前記第2かさ歯車に噛み合う出力かさ歯車と、を備えている。
【0018】
かかる構成によれば、ハウジングフレームに回転可能に設けられた第1回転軸と、ハウジングフレームに回転可能に設けられた第2回転軸と、ハウジングフレームに回転可能に設けられた出力軸と、を備えているので、出力を1つ以上、3つ以下まで設定でき、また、例えば出力を2つ、補助の回転力の入力を1つに設定するなど、設計の自由度を向上させたうえで、大きなトルクを発生させ、力の入力部分に対して出力部分のトルクを増幅させて効率よく動力を伝達できる。
【0021】
]好ましくは、前記回転方向誘導モータ機構は、一方向のみに回転力を伝達するワンウェイクラッチを備えている。
【0022】
かかる構成によれば、第1回転軸に接続され入力モータ機構の始動時に第1回転軸を介してクランクシャフトの回転方向を誘導する回転方向誘導モータ機構は、一方向のみに回転力を伝達するワンウェイクラッチを備えているので、特別な機構や制御機構を必要とせずに、クランクシャフトの回転方向を決めて始動させ、部品コストを抑えることができる。さらに、クランクシャフトの回転方向が決まって始動した後は、回転方向誘導モータ機構の給電を停止しても第1回転軸の回転に影響することがないので、回転方向誘導モータ機構への余分な給電を必要とせず、大きなトルクを発生させ、力の入力部分に対して出力部分のトルクを増幅させて効率よく動力を伝達できる。
【発明の効果】
【0023】
力の入力部分に対して出力部分のトルクを増幅させて効率よく動力を伝達できる無給電動力伝達装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】本発明に係る発電機構、入力モータ機構、蓄電池等の周辺機器を備えた無給電動力伝達装置を説明する図である。
図2】本発明に係る無給電動力伝達装置の平面図である。
図3】本発明に係る無給電動力伝達装置の正面図である。
図4図2の無給電動力伝達装置に発電機構を備えた状態の正面図である。
図5図2の無給電動力伝達装置に入力モータ機構及び回転方向誘導モータ機構を備えた状態の背面図である。
図6】本発明に係る無給電動力伝達装置の内部の平面図である。
図7図6の無給電動力伝達装置の7-7線断面図である。
図8図7の無給電動力伝達装置の8-8線断面図である。
図9図7の無給電動力伝達装置の9-9線断面図である。
図10】本発明に係るスロットクランク機構のスライド揺動機構の分解平面図である。
図11】本発明に係るスロットクランク機構のスライド揺動機構の正面図である。
図12】本発明に係るスロットクランク機構の説明図である。
図13】本発明に係るスロットクランク機構を構成する回転部材及びロッドの説明図である。
図14】本発明に係るスライド揺動機構の説明図である。
図15】本発明に係るスライド揺動機構の摺動方向から見た説明図である。
図16】スロットクランク機構のスライド揺動機構の接続部分の説明図である。
図17】本発明に係るコンロッドの説明図である。
図18】本発明に係るクランクシャフトの説明図である。
図19】本発明に係る無給電動力伝達装置の正面側断面の作用図である。
図20】本発明に係る無給電動力伝達装置の側面側断面の作用図である。
図21】本発明に係る無給電動力伝達装置の平面側断面の作用図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
本発明の実施の形態を添付図に基づいて以下に説明する。なお、図面は、本発明に係る無給電動力伝達装置の一実施形態を示し、概念的(模式的)に示す図面も含むものとする。
【実施例
【0026】
図1図5に示されるように、無給電動力伝達装置10は、部材を支持するハウジングフレーム20と、入力としての回転力を与える入力モータ機構30と、出力の回転方向を誘導する回転方向誘導モータ機構40と、出力の一部の回転力を利用して発電する発電機構50と、出力の回転力が伝達される動力本体11と、発電機構50で発電された電力を蓄電すると共に入力モータ機構30及び回転方向誘導モータ機構40に給電する蓄電池12と、この蓄電池12に接続され蓄電池12の過充電を防止する過充電防止用機器13と、を備えている。装置内の蓄電池12を最初に満タンであるので、絶えず装置内の発電機構50(具体的には低圧発電機52)により蓄電池12に電気を補給することにより、電気を外部より一切入れなくても電力の消耗を極力抑え、効率よく動力を伝達し続けることができる無給電動力伝達装置10である。
【0027】
次にハウジングフレーム20について説明する。
ハウジングフレーム20は、上方が開口された箱状の下部ハウジングフレーム21と、この下部ハウジングフレーム21の開口部分を塞ぐ上部ハウジングフレーム22と、この上部ハウジングフレーム22に設けられ潤滑オイルを投入するオイル投入口を開閉可能に塞ぐオイルキャップ23と、下部ハウジングフレーム21に上部ハウジングフレーム22を締結する締結部材24と、オイルを排出するドレンを塞ぐドレンキャップ25と、を備えている。下部ハウジングフレーム21は、後述する歯車等を収納すると共に支持する機能の他に、オイルパンとしての機能も有する。
【0028】
次に入力モータ機構30について説明する。
入力モータ機構30は、蓄電池12に接続され直流、交流を変換するインバーター31と、このインバーター31に接続され入力用の回転力を発生する減速モータ32と、この減速モータ32の回転軸に設けられた駆動プーリ33と、この駆動プーリ33にベルト34を介して接続された従動プーリ35と、を備えている。また、ハウジングフレーム20に回転可能に入力軸36が設けられており、この入力軸36に従動プーリ35が固定されている。入力モータ機構30は、スロットクランク機構60(図6図7参照)に接続されスロットクランク機構60に回転力を与えるものである。
【0029】
次に回転方向誘導モータ機構40について説明する。
回転方向誘導モータ機構40は、蓄電池12に接続され直流、交流を変換するインバーター41と、このインバーター41に接続され出力の回転方向を誘導するためのスタートモータ42と、このスタートモータ42の回転軸に設けられた駆動プーリ43と、この駆動プーリ43にタイミングベルト44を介して接続された従動プーリ45と、を備えている。また、ハウジングフレーム20に回転可能に第1回転軸92が設けられており、この第1回転軸92に従動プーリ45が固定されている。回転方向誘導モータ機構40は、第1回転軸92に接続され入力モータ機構30の始動時に第1回転軸92を介してクランクシャフト83の回転方向を誘導するものである。また、回転方向誘導モータ機構40は、一方向のみに回転力を伝達するワンウェイクラッチ46を備えている。
【0030】
次に発電機構50について説明する。
発電機構50は、蓄電池12に接続されたコンバーター56と、このコンバーター56に接続され直流、電圧を変換する変圧器51と、この変圧器51に接続され低圧電流を発電する低圧発電機52と、この低圧発電機52の回転軸に設けられた従動プーリ53と、この従動プーリ53にベルト54を介して接続された駆動プーリ55と、を備えている。また、ハウジングフレーム20に回転可能に第2回転軸92が設けられており、この第2回転軸92に駆動プーリ55が固定されている。発電時は、第2回転軸92が回転駆動することで、駆動プーリ55、ベルト54、従動プーリ53、低圧発電機52へと回転力が伝達されて発電する。発電機構50は、第2回転軸に接続され発電するものである。
【0031】
次にハウジングフレーム20内部の機構について説明する。
図6図9に示されるように、無給電動力伝達装置10は、部材を支持するハウジングフレーム20と、このハウジングフレーム20に設けられ外部である入力モータ機構30からの回転力を揺動運動に変換するスロットクランク機構60と、ハウジングフレーム20に揺動可能に設けられると共にスロットクランク機構60に接続され揺動するスライド揺動機構70と、ハウジングフレーム20に設けられた2本のガイド棒80と、これらのガイド棒80にスライド可能に設けられると共にスライド揺動機構70に接続され往復運動する往復プレート81と、この往復プレート81に揺動可能に設けられたコンロッド(コネクティングロッド)82と、ハウジングフレーム20に回転可能に設けられると共にコンロッド82に接続され回転するクランクシャフト83と、ハウジングフレーム20に設けられると共にクランクシャフト83に接続され回転力を出力する出力機構90と、を備えている。
【0032】
次にスロットクランク機構60について説明する。
図6図9図10図13も併せて参照する。スロットクランク機構60は、ハウジングフレーム20に回転可能に設けられた入力軸36と、この入力軸36に設けられ外部からの回転力により駆動するクランク回転部材61と、このクランク回転部材61に回転軸方向と平行に設けられたロッド62と、ハウジングフレーム62に設けられた軸63と、この軸63に揺動可能に設けられロッド62を摺動可能に収納するスロット64が形成されたスロット揺動部材65と、を備えている。
【0033】
また、スロット揺動部材65の軸63の反対側には、スライド揺動機構70と接続する平面視T字状の接続部66が設けられている。クランク回転部材61は、スロット揺動部材65を幅方向から挟むように2つ設けられている。また、クランク回転部材61は、円盤状に形成されており、その外周部分に切り欠き溝61aが設けられている。ロッド62の端部には切り欠き溝61aに嵌る形状の嵌め込み部62aが設けられており、ロッド62はクランク回転部材61に、締結部材67により締結されている。なお、ロッド62のクランク回転部材61への接続方法は、上記以外でもよく、例えばクランク回転部材61に孔を設け、この孔にロッド62を差し込み支持する等でもよく、固定方法は問わない。
【0034】
また、スロットクランク機構60のスロット揺動部材65は、ロッド62が摺動する方向であるスロット揺動部材65の長手方向の寸法よりも、ロッド62が延びる方向であるスロット揺動部材65の幅方向の寸法が大きく形成されている。また、スロット揺動部材65には、長手方向に加わる力に対しての剛性を補強するためのリブ68が設けられている。
【0035】
次にスライド揺動機構70について説明する。
図6図9図10図11図14図16も併せて参照する。
スライド揺動機構70は、ハウジングフレーム20に揺動可能に設けられ鞘状に形成された鞘部71を有する揺動鞘部材72と、鞘部71にスライド可能に収納されると共にスロット揺動部材65の接続部66に接続された摺動部材73と、を備えている。詳しくは、摺動部材73にも平面視U字状(コ字状)の接続部74が設けられており、摺動部材73のU字状の接続部74がスロット揺動部材65のT字状の接続部66に若干の隙間を空けて嵌め込まれると共に揺動可能にボルト75及びナット76によって締結され、割ピン69によりボルト75が外れないように構成されている。また、摺動部材73は、この摺動部材73の前後方向(摺動方向)の寸法よりも幅方向の寸法が大きくなるように、幅方向が広く構成されている。摺動部材73を幅方向に広く構成することで、より大きなトルクを発生させることができる。そして、大きなトルクを発生する無給電動力伝達装置10を色々な分野に応用することができる。例えば、自動車、機械設備、発電装置など、動力を要する機械装置であれば、いずれの機械装置に使用してもよい。
【0036】
鞘部71は、断面L字形状の2つの部材が、摺動部材73の摺動する隙間が空くようにスペーサー77を介して対向して配置され、ボルト75a及びナット76aで締結されている。さらに、鞘部71は、断面L字形状の2つの部材が揺動鞘部材72に複数のボルト75bによって締結されている。また、鞘部71は、剛性を補強するためのリブ71aが設けられている。リブ71aは、鞘部71に溶接されている。
【0037】
また、揺動鞘部材72には、ハウジングケース20に揺動可能に支持される軸部78が設けられている。揺動鞘部材72の鞘部71の反対側には、長孔79aが形成された2つの接続部79が設けられている。
【0038】
また、スライド揺動機構70の摺動部材73は、摺動部材73の摺動する方向である長手方向の寸法よりも、摺動部材73の幅方向の寸法が大きく形成されている。なお、図11に示すように、軸63からロッド62までの距離をL1、ロッド62から接続部66の回転中心までの距離をL2、接続部66(接続部74)の回転中心から軸部78までの距離をL3、軸部78からコンロッド82との接続部79までの距離をL4とする。
【0039】
次にコンロッド82周辺の部材について説明する。
図6図9図17図18も併せて参照する。
ハウジングフレーム20に設けられた2本のガイド棒80と、これらのガイド棒80にスライド可能に設けられると共にスライド揺動機構70の接続部79に接続され往復運動する往復プレート81と、この往復プレート81に揺動可能に設けられたコンロッド82と、ハウジングフレーム20に回転可能に設けられると共にコンロッド82に接続され回転するクランクシャフト83と、を備えている。
【0040】
ガイド棒80の下端部にはネジが形成され、このネジがハウジングフレーム20の底部に設けられた台座部80aに螺合され、さらにナット80bによりナット締めされている。
【0041】
往復プレート81の両端部には、ガイド棒80に対して往復プレートを90度の角度を保ち平行移動させるためのガイド摺動部81aが設けられている。往復プレート81の途中部分の上面には、スライド揺動機構70の接続部79に接続される上接続部81bが設けられ、締結部材84により締結されている。往復プレート81の途中部分の下面には、コンロッド82に接続される下接続部81cが設けられ、締結部材85により締結されている。
【0042】
コンロッド82の一端は下接続部81cに接続され、コンロッド82の他端にはクランクシャフト83に接続するための別体のコンロッドキャップ82aが設けられ、コンロッドキャップ82aはコンロッド82にボルト82bにより締結されている。また、コンロッド82には、補強のためのリブ82cが形成されている。
【0043】
クランクシャフト83は、回転軸となるメインシャフト83aと、このメインシャフト83aに設けられたカウンターウェイト83bと、カウンターウェイト83b、83b間に設けられコンロッド82を回転可能に支持するクランクピン83cと、を備えている。メインシャフト83aは、ハウジングフレーム20の底に設けられた軸受け部83dに回転可能に支持されている。
【0044】
次に出力機構90について説明する。
図6図9図18も併せて参照する。
出力機構90は、クランクシャフト83のクランクピン83cに接続され回転する駆動かさ歯車91と、ハウジングフレーム20に回転可能に設けられた第1回転軸92と、この第1回転軸92に固定され駆動かさ歯車91に噛み合う第1かさ歯車93と、第1回転軸92に固定された第1平歯車94と、第1回転軸と92平行にハウジングフレーム20に回転可能に設けられた第2回転軸95と、この第2回転軸95に固定され第1平歯車94に噛み合う第2平歯車96と、第2回転軸95に固定された第2かさ歯車97と、ハウジングフレーム20回転可能に設けられた出力軸98と、この出力軸98に固定され第2かさ歯車97に噛み合う出力かさ歯車99と、を備えている。
【0045】
第1回転軸92は、ハウジングフレーム20の側壁に設けられた軸受92aに回転可能に支持されている。第2回転軸95は、ハウジングフレーム20の側壁に設けられた軸受95aに回転可能に支持されている。出力軸98は、ハウジングフレーム20の底に設けられた軸受け部98a及びハウジングフレーム20の側壁に設けられた軸受98bに回転可能に支持されている。
【0046】
なお、一例として、駆動かさ歯車91の歯数を40、第1かさ歯車93の歯数を60、第1平歯車94の歯数を25、第2平歯車96の歯数を65、第2かさ歯車97の歯数を16、出力かさ歯車99の歯数を96、としてもよい。
【0047】
次に無給電動力伝達装置10の作用について説明する。
図19図21を参照する。図19(A)、図20(A)、図21(A)に示されるように、スロットクランク機構60は上向きに傾斜した位置にある。クランク回転部材61のロッド62は、スロット揺動部材65のスロット64の中央部に位置している。スライド揺動機構70はコンロッド82側に向かって下向きに傾斜している。コンロッド82及びクランクピン83cは最下部に位置している。この位置から、入力される回転力により、クランク回転部材61を矢印(1)のように回転させる。
【0048】
これに伴い、スロットクランク機構60が矢印(2)のように移動し、スライド揺動機構70が揺動し、摺動部材73が矢印(3)のように鞘部71に収納される方向に移動し、コンロッド82が矢印(4)のように移動する。
【0049】
すると、図19(B)、図21(B)に示されるように、スロットクランク機構60は略水平に位置する。クランク回転部材61のロッド62は、スロット揺動部材65のスロット64の端部に位置している。スライド揺動機構70も略水平に位置し、摺動部材73が鞘部71に収納される。スライド揺動機構70の接続部79の長孔79aにより、コンロッド82は正面視で左右方向には移動せず、上下方向にのみ移動する。この位置から、クランク回転部材61を矢印(5)のように回転させる。
【0050】
これに伴い、スロットクランク機構60が矢印(6)のように移動し、スライド揺動機構70が揺動し、摺動部材73が矢印(7)のように鞘部71から出る方向に移動し、コンロッド82が矢印(8)のように移動する。
【0051】
すると、図19(C)、図20(B)に示されるように、スロットクランク機構60は下向きに傾斜した位置にある。クランク回転部材61のロッド62は、スロット揺動部材65のスロット64の中央部に位置する。スライド揺動機構70は、コンロッド82側に向かって上向きに傾斜する。コンロッド82は最上部に位置する。このように、外部からの入力(回転力)により、クランク回転部材61が連続して回転し、スロットクランク機構60及びスライド揺動機構70が揺動し、コンロッド82が上下運動してクランクシャフト83が回転し、出力機構90の出力軸98が回転して出力される。このとき、動力の一部が発電機構50で発電され、蓄電池12を介して回転方向誘導モータ機構30等に給電される(図1図7も併せて参照)。
【0052】
以上に述べた無給電動力伝達装置10の効果を以下に説明する。
【0053】
本発明の実施例の構成において、無給電動力伝達装置10は、ハウジングフレーム20に設けられ外部からの回転力を揺動運動に変換するスロットクランク機構60と、ハウジングフレーム20に揺動可能に設けられると共にスロットクランク機構60に接続され揺動するスライド揺動機構70とを備えているので、従来技術のような歯車及びクラッチ手段のみや、歯車及びリンクのみの動力伝達と異なり、本発明では揺動運動の力を利用して、力の入力部分に対して出力部分のトルクを増幅させて効率よく動力を伝達できる。
【0054】
さらに、スロットクランク機構60は、外部からの回転力により駆動するクランク回転部材61と、クランク回転部材61に回転軸方向と平行に設けられたロッド62と、ロッド62を摺動可能に収納するスロット64が形成されたスロット揺動部材65と、を備え、スライド揺動機構70は、揺動可能に設けられ鞘状に形成された鞘部71を有する揺動鞘部材72と、鞘部71にスライド可能に収納されると共にスロット揺動部材65に接続された摺動部材73と、を備えている。スロット揺動部材65の揺動運動を摺動部材73に伝達し、摺動部材73が鞘部71を摺動しつつ揺動鞘部材72を揺動させるので、揺動運動を効率よく伝達し、スライド揺動機構70の揺動力で大きなトルクを発生させ、力の入力部分に対して出力部分のトルクを増幅させて効率よく動力を伝達できる。
【0055】
さらに、スロット揺動部材65は、ロッド62が摺動する方向であるスロット揺動部材65の長手方向の寸法よりも、ロッド62が延びる方向であるスロット揺動部材65の幅方向の寸法が大きく形成されているので、揺動時にスロット揺動部材65を曲げる方向に大きな力が加わっても幅広の部材により剛性が高く、大きな力が加わっても撓まずに良好に揺動することができる。また、スライド揺動機構70の摺動部材73は、摺動部材73の摺動する方向である長手方向の寸法よりも、摺動部材73の幅方向の寸法が大きく形成されているので、揺動時に摺動部材73を曲げる方向に大きな力が加わっても幅広の部材により剛性が高く、大きな力が加わっても撓まずに良好に揺動することができる。この結果、スライド揺動機構70の揺動力で大きなトルクを発生させ、力の入力部分に対して出力部分のトルクを増幅させて効率よく動力を伝達できる。
【0056】
さらに、ハウジングフレーム20に回転可能に設けられた第1回転軸92と、ハウジングフレーム20に回転可能に設けられた第2回転軸95と、ハウジングフレーム20に回転可能に設けられた出力軸98と、を備えているので、出力を1つ以上、3つ以下まで設定でき、また、例えば出力を2つ、補助の回転力の入力を1つに設定するなど、設計の自由度を向上させたうえで、大きなトルクを発生させ、力の入力部分に対して出力部分のトルクを増幅させて効率よく動力を伝達できる。
【0057】
さらに、スロットクランク機構60に接続されスロットクランク機構60に回転力を与える入力モータ機構30と、第2回転軸95に接続され発電する発電機構50と、発電機構50で発電された電力を蓄電すると共に入力モータ機構30に給電する蓄電池12と、を備えているので、発電機構50で発電した電力を回収して蓄電池12を介して入力モータ機構30に給電するので、エネルギーロスを極力低減させて効率よく動力を伝達することができる。
【0058】
さらに、第1回転軸92に接続され入力モータ機構30の始動時に第1回転軸92を介してクランクシャフト83の回転方向を誘導する回転方向誘導モータ機構40は、一方向のみに回転力を伝達するワンウェイクラッチ46を備えているので、特別な機構や制御機構を必要とせずに、クランクシャフト83の回転方向を決めて始動させ、部品コストを抑えることができる。さらに、クランクシャフト83の回転方向が決まって始動した後は、回転方向誘導モータ機構40の給電を停止しても第1回転軸92の回転に影響することがないので、回転方向誘導モータ機構40への余分な給電を必要とせず、大きなトルクを発生させ、力の入力部分に対して出力部分のトルクを増幅させて効率よく動力を伝達できる。
【0059】
尚、本発明は、実施例では各部品の材質を、例えばS45C等の機械構造用炭素鋼や、モリブデン、ステンレス鋼等、適宜、適切な材質を使用してよい。
【0060】
また、実施例では、スロットクランク機構60の接続部66とスライド揺動機構70の接続部74の締結に割ピン75を使用したが、これに限定されず、他の接続部分、締結部分、ボルト及びナット部分においても、締結部材及びナットが外れないように割ピンを使用してもよい。
【0061】
また、実施例では入力モータ機構30により回転力を入力したが、これに限定されず、水力、風力などの自然エネルギーを変換した回転力を入力としてもよい。また、無給電動力伝達装置10は、動力伝達のみならず、入力モータ機構30等と組み合せて動力発生装置として使用してもよい。
【0062】
即ち、本発明の作用及び効果を奏する限りにおいて、本発明は、実施例に限定されるものではない。
【産業上の利用可能性】
【0063】
本発明は、トルクを増幅させて効率よく動力を伝達する無給電動力伝達装置に好適である。
【符号の説明】
【0064】
10…無給電動力伝達装置、11…動力本体、12…蓄電池、20…ハウジングフレーム、30…入力モータ機構、32…減速モータ、36…入力軸、40…回転方向誘導モータ機構、42…スタートモータ、46…ワンウェイクラッチ、50…発電機構、52…低圧発電機、60…スロットクランク機構、61…クランク回転部材、62…ロッド、64…スロット、65…スロット揺動部材、66…接続部、69…割ピン、70…スライド揺動機構、71…鞘部、72…揺動鞘部材、73…摺動部材、74…接続部、79…接続部、79a…長孔、80…ガイド棒、81…往復プレート、82…コンロッド、83…クランクシャフト、90…出力機構、91…駆動かさ歯車(フライホイール)、92…第1回転軸、93…第1かさ歯車、94…第1平歯車、95…第2回転軸、96…第2平歯車、97…第2かさ歯車、98…出力軸、99…出力かさ歯車。
【要約】
【課題】力の入力部分に対して出力部分のトルクを増幅させて効率よく動力を伝達できる無給電動力伝達装置を提供すること。
【解決手段】無給電動力伝達装置10は、ハウジングフレーム20に設けられ外部からの回転力を揺動運動に変換するスロットクランク機構60と、ハウジングフレーム20に揺動可能に設けられると共にスロットクランク機構60に接続され揺動するスライド揺動機構70と、ガイド棒80にスライド可能に設けられると共にスライド揺動機構70に接続され往復運動する往復プレート81と、往復プレート81に揺動可能に設けられたコンロッド82と、ハウジングフレーム20に回転可能に設けられると共にコンロッド82に接続され回転するクランクシャフト83と、ハウジングフレーム20に設けられると共にクランクシャフト83に接続され回転力を出力する出力機構90と、を備えている。
【選択図】図7

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
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図10
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図18
図19
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