IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 有限会社HOSMEDICの特許一覧

<>
  • 特許-フィットネスクラブ管理システム 図1
  • 特許-フィットネスクラブ管理システム 図2
  • 特許-フィットネスクラブ管理システム 図3
  • 特許-フィットネスクラブ管理システム 図4
  • 特許-フィットネスクラブ管理システム 図5
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-14
(45)【発行日】2023-12-22
(54)【発明の名称】フィットネスクラブ管理システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/00 20230101AFI20231215BHJP
   G07B 15/00 20110101ALI20231215BHJP
【FI】
G06Q10/00
G07B15/00 M
G07B15/00 501
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2018150143
(22)【出願日】2018-08-09
(65)【公開番号】P2020027318
(43)【公開日】2020-02-20
【審査請求日】2021-04-15
【審判番号】
【審判請求日】2023-01-20
(73)【特許権者】
【識別番号】516186382
【氏名又は名称】有限会社HOSMEDIC
(74)【代理人】
【識別番号】100090985
【弁理士】
【氏名又は名称】村田 幸雄
(72)【発明者】
【氏名】深川 圭子
【合議体】
【審判長】佐藤 智康
【審判官】松田 直也
【審判官】木方 庸輔
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-108705(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
G07B 15/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
フィットネスクラブの施設1の運営を、ICTを用いて運営するフィットネスクラブ管理システムであって、
フィットネスクラブの施設1と、
前記フィットネスクラブの施設1の運営を管理する施設管理サーバー3と、
前記フィットネスクラブの施設1の利用者の入退会と会費管理の業務を実行する入退会・会費管理サイト7と、
前記フィットネスクラブの施設1への前記利用者の入退出管理を実行する施設入退出管理サイト4と、
当該施設の内外に設置された監視カメラ、音声採取プローブ、振動センサー、不審物センサーを含むセキュリティー部材で構成されて前記フィットネスクラブの施設のセキュリティーの監視業務を実行するセキュリティーサイト5と、
前記利用者への運動関連商品の提供業務を実行する物販管理サイト6と、
前記入退会・会費管理サイト7、前記施設入退出管理サイト4、前記セキュリティーサイト5、及び前記物販管理サイト6を前記施設管理サーバー3に接続するネットワーク10とからなり、
前記施設管理サーバー3は、入会/ビジター処理部31、パーソナルトレーナー予約部32、認証部33、データ処理部34を有し、
前記入会/ビジター処理部31は、ネットワーク10あるいはフロント11からアクセスされる利用者のデータを取り込む利用者受入れI/F311、ビジター利用やパーソナルトレーナー予約などのチケットデータを携帯情報端末8などに発行するチケット発行部312、会費や料金の前処理を行う入出金処理部313、物販管理部314で構成され、
前記パーソナルトレーナー予約部32は、施設運営日程表やパーソナルトレーナーのス ケジュール等を管理するスケジュール管理部321、スケジュール管理部をバックアップするカレンダー表示制御部322、パーソナルトレーナーの予約を管理する予約管理部323、パーソナルトレーナーの在籍、勤務、体調、適性などを管理するパーソナルトレーナー管理部324で構成され、
前記認証部33は、施設利用の申込者受入れ項目を検証し、利用許諾や利用拒否を行う認証部331、利用許可された者に施設利用が許可されたことを示すURLと施設入出のためのキーコードの発行を行うID発行部332、施設の出入り口(メインゲート)やロッカールームの開閉を監視する施設出入口制御部333、予約したパーソナルトレーナーの利用権を売買するパーソナルトレーニング権利の売買部334で構成され、
前記データ処理部34は、XML対応部341、運営実務データを前記施設入退出管理 サイト4、前記セキュリティーサイト5、前記物販管理サイト6、前記入退会・会費管理サイト7に委託する統括制御部342、会員名簿やパーソナルトレーナー名簿などの施設の基本的なデータを格納する記憶部343を有し、
前記施設管理サーバー3は、前記入会/ビジター処理部31、パーソナルトレーナー予約部32、認証部33、データ処理部34で得られた前記フィットネスクラブの運営に係る各業務の実行に関するデータを前記ネットワークを介して前記入退会・会費管理サイト7、前記施設入退出管理サイト4、前記セキュリティーサイト5、及び前記物販管理サイト6に振り分けると共に、前記各サイトからの処理結果を受けて当該フィットネスクラブを管理することを特徴とするフィットネスクラブ管理システム
【請求項2】
前記フィットネスクラブの施設1に、利用者IDを認識する非接触リーダー/ライター12を備えた無人のフロント11とメインゲート2を有し、
入退出する利用者の持つ携帯情報端末8にインストールされたIDを認識して前記メイ ンゲート2を開閉することを特徴とする請求項1に記載のフィットネスクラブ管理システム
【請求項3】
前記フィットネスクラブの施設1に非接触リーダー/ライター12を備えた男女別のロッカールームが設置されており、男子ロッカールーム15と女子ロッカールーム16は前記携帯情報端末8にインストールされたIDを有し、前記IDは前記メインゲート2の通 過済データの付加が開扉許諾条件として記録されるレコードを前記非接触リーダー/ライター12での認識で開閉するサブゲート2m,2fを備えたことを特徴とする請求項2に 記載のフィットネスクラブ管理システム
【請求項4】
前記ロッカールームに設置された各ロッカーに非接触リーダー/ライター12を備えて前記携帯情報端末8にインストールされたIDの認識で開閉する男子ロッカードア2m1,・・、女子ロッカードア2f1,・・を有することを特徴とする請求項3に記載のフィットネスクラブ管理システム
【請求項5】
前記フィットネスクラブの施設1に、当該フィットネスクラブの施設の状況を検知するための複数の監視手段を具備することを特徴とする請求項1に記載のフィットネスクラブ管理システム
【請求項6】
前記監視手段は、ビデオカメラ、音声採取プローブ、振動センサーを含むことを特徴とする請求項5に記載のフィットネスクラブ管理システム
【請求項7】
前記フィットネスクラブの施設1に物販棚18を有し、飲料の販売、予約した物品の受け取りのサービスを行うことを特徴とする請求項1に記載のフィットネスクラブ管理システム
【請求項8】
前記フィットネスクラブの施設1の室内に内部モニター20を、前記無人のフロント11近傍に外部モニター21を備え、パーソナルトレーナーのタイムテーブルを含む施設の運営情報の表示を行うことを特徴とする請求項2に記載のフィットネスクラブ管理システム
【請求項9】
前記管理サーバー3は、前記入会/ビジター処理部31、利用者とパーソナルトレーナーの予約スケジュールを設定するパーソナルトレーナー予約部32、前記フィットネスクラブの施設1への入館に係る認証とパーソナルトレーナー利用権の売買管理を行う認証部33、及び当該管理サーバー3の業務に係るデータを処理するデータ処理部34で構成したことを特徴とする請求項1に記載のフィットネスクラブ管理システム
【請求項10】
前記データ処理部34に、前記ネットワーク10で接続される前記入退会・会費管理サイト7、前記施設入退出管理サイト4、前記セキュリティーサイト5、及び前記物販管理サイト6の異なるプラットフォーム上のアプリケーションを統合するWEBサービスを行うためのXML対応プログラムを有するXML対応部341を備えたことを特徴とする請求項9に記載のフィットネスクラブ管理システム
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、施設の管理、特に会員制を基本として一時的な使用を希望するビジターにも施設の利用を提供できる、所謂スポーツクラブ(あるいはフィットネスクラブ)等の運営を、ICT(Information and Communication Technology)を利用して管理するフィットネスクラブ管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年の健康指向の意識の高まりでフィットネスクラブ、スポーツクラブやジム、スポーツセンター等が広く利用されるようになった。特に、専門のインストラクターを配置し、効果的なトレーニング方法を提供する複合型の運動施設であるフィットネスクラブ(スポーツクラブ)の普及が目覚ましい。
本発明は、総務省による日本標準産業分類で定義される運動施設の運営に係るもので、この運動施設を本明細書及び図面ではフィットネスクラブ(=スポーツクラブ)として説明する。このフィットネスクラブを単に「施設」とも称する。
【0003】
フィットネスクラブの施設の運営には、基本的には、フロント、その施設の保守・管理・セキュリティー確保、職員やインストラクター等の人員の管理に限らず、会員やビジター等の入退館管理、会費の徴収管理、ビジターの利用料金等の管理、あるいは物販の管理など、様々な業務を行うための総合的な管理手段が必要になる。
【0004】
この種のフィットネスクラブの施設の管理に関連する従来技術としては特許文献1、特許文献2、特許文献3などを挙げることができる。特許文献1は利用時間に応じて料金が変動する施設の利用に対して効率よく課金を処理できる自動課金システムを開示する。
【0005】
具体的には、特許文献1は、複数の施設の各入退場口近傍にそれぞれアンテナを設置し、施設利用者は無線タグを所持する。そして、通過する当該施設利用者の無線タグから識別情報を読取る無線通信装置を備え、無線通信装置は複数の施設毎に利用時間に応じて設定される課金情報を記憶する課金情報記憶部と、無線通信装置で識別情報を読取った事象に基づいてその識別情報で特定される施設利用者の施設毎の利用時間を検出する利用時間検出手段とを有する。また、時間検出手段により検出される施設毎の利用時間で課金情報記憶部を検索し、その利用時間に応じた課金情報から施設利用者への課金金額を施設毎に
求める課金金額取得手段を備え、課金金額取得手段により求められる施設毎の課金金額を施設利用者毎に累積する課金金額累積手段を備えている。
【0006】
特許文献2は、健康管理対象者の健康管理対象者情報と、スポーツ施設に設置された検知端末情報及び前記スポーツ施設内の設備情報を含む施設情報とを記憶する記憶部と、無線通信によって前記検知端末の識別情報を受け取った前記端末から、当該識別情報を受信する受信部と、健康管理対象者情報と識別情報に対応する検知端末に関連付けられた設備情報とに基づいて、メニューを生成するメニュー生成部と、生成された前記メニューを前記端末に送信する送信部とを備え、指導のためのメッセージの作成及び送信にあたって、クライアントの生体情報、食事及び健康状態等から、対象のクライアントの健康状態等に最も適したアドバイスを提供する支援ができる健康管理サーバーを開示する。
【0007】
特許文献3は、フィットネスクラブにより運営される施設のスタッフによる施設の利用者への声掛けを効率良く行い、利用者の退会抑制を図る声掛け支援システムを開示する。
このシステムは、利用者情報に含まれる来館履歴に基づいて、来館頻度が減少傾向を示すほど値が高くなるように各利用者の優先度を算出し、利用者情報の優先度の項目に書き込む優先度算出部を備える。
【0008】
また、利用者情報に書き込まれた来館中情報を基に、現在、施設に来館している来館利用者を特定する特定部、来館利用者の中から優先度が高い順に規定人数の来館利用者を声掛け対象者として抽出する抽出部、抽出部により抽出された声掛け対象者を示す声掛け対象者情報を生成し、通信部を制御してスタッフ端末3に送信する通信制御部、サーバーから送信された声掛け対象者情報により示される声掛け対象者をスタッフに報知するスタッフ端末で構成される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【文献】特開2010-176196号公報
【文献】特開2017-224267号公報
【文献】特開2011-39719号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
フィットネスクラブは会員制で運用しているのが一般的で、施設によってはビジターの利用も容認している。会員数やビジターの数が多くなると、施設への入館、退館の管理、パーソナルトレーナーの予約とスケジュール管理、飲料やウエアなどの物品の販売、会費や料金の徴収・督促などに多くの職員が必要になる。
どのような組織でも、その運営では、人件費が占める割合は大きい。特に、フィットネスクラブの施設では、トレーニングマシンと利用者の指導・安全監視のために多くの職員を配置する必要がある。
これからのフィットネスクラブの施設の運営では、インターネットやスマートフォンなどの情報機器を上手に利用して経営者と利用者が共に快適な施設運営とその利用ができることが望ましい。
【0011】
本発明の目的は、フィットネスクラブの施設の運営の効率化を実現することにあり、ICTを最大限に利用して既存の各種サービスサイトと連携することで、管理に要する装置負荷の最小化を図った運動施設管理システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的を達成するための本発明の代表的な特徴を以下に記述する。なお、構成の理解を容易にするため、本発明の主要な構成に後述する実施例での符号を併記してある。
【0013】
本発明は、フィットネスクラブの施設の運営を、ICTを用いて行うフィットネスクラブ管理システムであり、次のような構成とした。
(1)フィットネスクラブの施設1と、前記フィットネスクラブの施設1の運営を統括する施設管理サーバー3と、前記フィットネスクラブの施設1の利用者の入退会と会費管理の業務を実行する入退会・会費管理サイト7と、前記フィットネスクラブの施設1への前記利用者の入退出管理を実行する入退出管理サイト4と、当該施設の内外に設置された監視カメラ、音声採取プローブ、振動センサー、不審物センサーを含むセキュリティー部材で構成されて前記フィットネスクラブの施設1のセキュリティーの監視業務を実行するセキュリティーサイト5と、前記利用者への運動関連商品の提供業務を実行する物販管理
サイト6と、前記入退会・会費管理サイト7、前記施設入退出管理サイト4、前記セキュリティーサイト5、及び前記物販管理サイト6を前記施設管理サーバー3に接続するネットワーク10とからなる。
前記施設管理サーバー3は、入会/ビジター処理部31、パーソナルトレーナー予約部32、認証部33、データ処理部34を有し、
前記入会/ビジター処理部31は、ネットワーク10あるいはフロント11からアクセスされる利用者のデータを取り込む利用者受入れI/F311、ビジター利用やパーソナルトレーナー予約などのチケットデータを携帯情報端末8などに発行するチケット発行部312、会費や料金の前処理を行う入出金処理部313、物販管理部314で構成される。
前記パーソナルトレーナー予約部32は、施設運営日程表やパーソナルトレーナーのスケジュール等を管理するスケジュール管理部321、スケジュール管理部をバックアップするカレンダー表示制御部322、パーソナルトレーナーの予約を管理する予約管理部323、パーソナルトレーナーの在籍、勤務、体調、適性などを管理するパーソナルトレーナー管理部324で構成され、
前記認証部33は、施設利用の申込者受入れ項目を検証し、利用許諾や利用拒否を行う認証部331、利用許可された者に施設利用が許可されたことを示すURLと施設入出のためのキーコードの発行を行うID発行部332、施設の出入り口(メインゲート)やロッカールームの開閉を監視する施設出入口制御部333、予約したパーソナルトレーナーの利用権を売買するパーソナルトレーニング権利の売買部334で構成され、
前記データ処理部34は、XML対応部341、運営実務データを前記施設入退出管理サイト4、前記セキュリティーサイト5、前記物販管理サイト6、前記入退会・会費管理サイト7に委託する統括制御部342、会員名簿やパーソナルトレーナー名簿などの施設の基本的なデータを格納する記憶部343を有する。
前記管理サーバーは、前記の入会/ビジター処理部31、パーソナルトレーナー予約部32、認証部33、データ処理部34で得られた前記フィットネスクラブの施設1の運営に係る業務の実行に関するデータを、前記ネットワーク10を介して前記入退会・会費管理サイト7、前記施設入退出管理サイト4、前記セキュリティーサイト5、及び前記物販管理サイト6に振り分けると共に、前記各サイトからの処理結果を受けて当該フィットネスクラブの施設を管理することを特徴とする。
【0014】
(2)前記フィットネスクラブの施設1に、利用者IDを認識する非接触リーダー/ライター12を備えた無人のフロント11とメインゲート2を有し、入退出する利用者の持つ携帯情報端末8にインストールされたIDを認識して前記メインゲート2を開閉することを特徴とする。
(3)前記フィットネスクラブの施設1に非接触リーダー/ライター12を備えた男女別のロッカールームが設置されており、男子ロッカールーム15と女子ロッカールーム16は前記携帯情報端末8にインストールされたIDを有し、前記IDは前記メインゲート2の通過済データの付加が開扉許諾条件として記録されるレコードを前記非接触リーダー/ライター12による認識で開閉するサブゲート2m,2fを備えたことを特徴とする。
【0015】
(4)前記ロッカールームに設置された各ロッカーに非接触リーダー/ライター12を備えて、前記携帯情報端末8にインストールされたIDの認識で開閉する男子ロッカードア2m1,・・、女子ロッカードア2f1,・・を有することを特徴とする。
(5)前記フィットネスクラブの施設1に、当該フィットネスクラブの施設1の状況を検知するための複数の監視手段を具備することを特徴とする。
(6)前記監視手段は、ビデオカメラ、音声採取プローブ、振動センサーを含むことを特徴とする。
(7)前記フィットネスクラブの施設1に物販棚18を有し、飲料の販売、予約した物品の受け取りのサービスを行うことを特徴とする。
(8)前記フィットネスクラブの施設1の室内に内部モニター20を備え、また前記無人のフロント11近傍に外部モニター21を備え、パーソナルトレーナーのタイムテーブルを含む施設の運営情報の表示を行うことを特徴とする。
【0016】
(9)前記管理サーバー3は、前記入会/ビジター処理部31、利用者とパーソナルトレーナーの予約スケジュールを設定するパーソナルトレーナー予約部32、運動施設への入館に係る認証とパーソナルトレーナー利用権の売買管理を行う認証部33、及び当該管理サーバー3の業務に係る諸データを処理するデータ処理部34で構成したことを特徴とする。
(10)前記データ処理部34に、前記ネットワーク10で接続される前記入退会・会費管理サイト7、前記施設入退出管理サイト4、前記セキュリティーサイト5、及び前記物販管理サイト6の異なるプラットフォーム上のアプリケーションを統合するWEBサービスを行うためのXML対応プログラムを有するXML対応部341を備えたことを特徴とする。
【0017】
本発明は、上記の構成及び後述する実施例の構成に限定されるものではなく、本発明の技術思想の範囲内で種々の変形が可能であることは言うまでもない。
【発明の効果】
【0018】
ICTを最大限に利用し、利用者は自身のスマートフォンやパソコンからフィットネスクラブに入会し、あるいは退会の手続きをし、フィットネスクラブの一時的な利用を希望する、所謂ビジターの事務処理、パーソナルトレーナーの予約・解約・権利譲渡などの処理を、インターネットを典型とするネットワークを介して行うことで、利用者の利便性が向上する。
一方、フィットネスクラブの施設の管理者(運営者)にとっては、入会や退会、一時的利用希望の手続きあるいは物販を含めたフィットネスクラブの運用に係る業務を外部にある適宜のサービスサイトを利用することで、自身の管理業務の実行に係る負担が軽減でき、最小人員での経営が可能となって、業績向上を図ることができる。このシステムは、AI技術の積極的な取り込みを行うことで、究極には無人のフィットネスクラブの運営が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明に係るフィットネスクラブ管理システムの基本構成を説明するブロック図
図2図1におけるフィットネスクラブの施設管理サーバーの構成例を説明するブロック図
図3】本発明に係るフィットネスクラブの施設の具体例を説明する模式平面図
図4】本発明に係るフィットネスクラブの施設の利用に関する手続きの流れ図
図5】本発明に係るフィットネスクラブの施設の利用に関する会費・料金・物販代金処理手続きの流れ図
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施の形態を実施例の図面を参照して詳細に説明する。
【実施例1】
【0021】
図1は、本発明に係るフィットネスクラブの施設管理システムの基本構成を説明するブロック図であり、フィットネスクラブの施設の運営に関連する外部サービスサイトとの連携を説明する本発明の基本的な概念図である。
図1において、参照符号1は会員制のフィットネスクラブの施設を示し、その内部には筋トレ用のマシーン、ストレッチマット、スタジオなどのスポーツクラブとしての各種設備を配置してある。なお、この施設1は一つの部屋に限るものではなく、建物自体で構成されるものも含む。したがって、ここでは、この施設を室とも、あるいは館とも言い、そこに出入りすることを入退室、あるいは入退館というが、これらは同意語である。また、施設を店舗と称する場合もある。
この施設1には、利用者、トレーナー、関係者が入退室するためのメインゲート2を有している。また、メインゲート2の近傍には、非接触リーダー/ライター12を有する無人のフロント11(以下、単にフロントとも称する)が配置されている。フロント11は将来的にはAI化することもできる。入室する者は携帯情報機器8を非接触リーダー/ライター12にかざして開錠することができる。携帯情報機器8には許可された利用者のURL、開錠キー(キーコード)が格納されている。
【0022】
携帯情報機器8として、以下の実施例では携帯端末の代表であるスマートフォン(略称スマホ)を用いるものとして説明するが、タブレット81、従来からの携帯(所謂、フューチャーフォン)82、NFC型のICカード83、データ送受信可能なトークン84なども使用可能である。なお、自宅等での施設とは離れた場所からネットワーク10を介在しての施設利用の入会/退会などの申し込み、会費/料金の支払い、予約、予約解除、店舗変更等の施設との認証データ等の交換は基本的にはスマートフォン8などで行うが、パソコン9も使用可能である。パソコン9での認証が設定された後は、そのデータを上記スマートフォンなどの携帯情報端末に転送すればよい。
【0023】
フィットネスクラブの施設1の無人のフロント11で上記した入会/退会などの申し込み、予約、予約解除、店舗変更等の施設との認証データ等の交換を行うこともできる。飲料などの物販はこの無人フロント11にある物販棚(図3で後述)で利用できる。予約した物品の受け取り、貸出しも可能である。
フィットネスクラブの施設1には、当該フィットネスクラブの施設1を直接管理する施設管理サーバー3が接続されている。施設管理サーバー3はメインゲート2、フロント11との間の各種管理データの送受信、ネットワーク10を介した外部サービスサイトとのデータ振分け、データ送受信を行う。
施設管理サーバー3は、上記したメインゲート2とのデータ送受信に加えて監視(セキュリティー)データ、物販関連データ、モニターデータの処理などの送受信を行う。これについては、後述する。
【0024】
本実施例における外部サービスサイトとしては、施設の入退室管理の実務を行うための入退室管理サイト4、施設のセキュリティー実務を行うセキュリティーサイト5、入退会会費や一時使用者(ビジター)の料金処理を行う入退会会費管理サイト6、物販データ実務を行う物販管理サイト7を利用する。これらの外部サービスサイトはネットワーク10で施設管理サーバー3に接続されている。
施設管理サーバー3は、施設1の運用データの処理実務に係る各種のデータを外部サービスサイトに振分け、外部サービスサイトが処理した結果データを受けて施設の管理を行う構成であるため、自身の負担を最小限に留めることができ、小規模なサーバーで足りる。
【0025】
図2は、図1における施設管理サーバーの構成例を説明するブロック図である。施設管理サーバー3は、大まかに分けて、入会/ビジター処理部31、パーソナルトレーナー予約部32、認証部33、データ処理部34を有し、これらはバスライン35で接続されている。なお、図2に示した施設1には監視カメラ17、不法侵入センサー19が設置されていることを示している。この他に、種々の設備が設置されているが、それについては図3で説明する。
【0026】
入会/ビジター処理部31はネットワーク10あるいはフロント11からアクセスされる利用者(会員、ビジター)のデータをとりこむ利用者受入れI/F311、ビジター利用やパーソナルトレーナー予約などのチケットデータをスマートフォンなどに発行するチケット発行部312、会費や料金の前処理を行う入出金処理部313、物販管理部314で構成される。
パーソナルトレーナー予約部32は、施設運営日程表(タイムテーブル)やパーソナルトレーナーのスケジュール等を管理するスケジュール管理部321、スケジュール管理部をバックアップするカレンダー表示制御部322、パーソナルトレーナーの予約を管理する予約管理部323、パーソナルトレーナーの在籍、勤務、体調、適性などを管理するパーソナルトレーナー管理部324で構成される。
【0027】
認証部33は施設利用の申込者(新規会員、一時利用希望者:ビジター)受入れ項目(氏名・年齢・住所・連絡先・クレジットカードデータ、その他施設利用に必要な項目)を検証し、利用許諾や利用拒否を行う認証部331、利用許可された者に施設利用が許可されたことを示すURLと施設入出のためのキーコードの発行を行うID発行部332、施設の出入り口(メインゲート)やロッカールームの開閉を監視する施設出入口制御部333、予約したパーソナルトレーナーの利用権を売買するパーソナルトレーニング権利の売買部334で構成される。
【0028】
データ処理部34は施設管理サーバー3内部でのデータ処理を行う部分で、運営実務データの殆どは統括制御部342が外部サービスサイト(4,5,6,7)に委託する。
会員名簿やパーソナルトレーナー名簿などの施設の基本的なデータは記憶部343に格納される。記憶部343に格納されたデータは、関連する外部サービスサイトに反映される。モニター344、プリンター345、入出力デバイス346などは一般的なパソコンの機能部である。なお、XML対応部341はネットワーク10で接続される外部サービスサイトが異なるプラットフォーム上のアプリケーションである場合に、それらを施設管理サーバー3のアプリケーションとして統合するプログラムを備えたWEBサービス部である。
【0029】
図3は、本発明に係るフィットネスクラブの施設の具体例を説明する模式平面図である。
このフィットネスクラブの施設1は、筋トレ用のマシーン、ストレッチマット、スタジオなどの設備を有している。また、内部には男子用と女子用に分離されたロッカールーム15、16を有し、男子用ロッカールーム15と女子用ロッカールーム16にそれぞれサブゲート2m、2fが設けられ、メインゲート2を開閉するものと同じ非接触リーダー/ライター12が取り付けられている。各ロッカールームにある個別のロッカーにも扉2ml~2mn、扉2fl~2fnを有し、上記と同様に非接触リーダー/ライター12が取り付けられている。利用者は、自身のスマートフォンでメインゲート2、ロッカールームのサブゲート2m、2f、個別ロッカーの扉2ml~2mn、2fl~2fnを開錠できるようになっている。
【0030】
施設1のフロント11が配置されるメインゲート2近傍には、物販棚18が設置されている。この物販棚18は飲料などの販売、予約品の引き取り、シューズなどの貸出し品の出し入れを行える。物販棚18の開錠も上記と同様の非接触リーダー/ライター12で行う。
施設1の内外には、監視カメラや音声採取プローブ、振動センサー、不審物センサーなどの各種セキュリティー部材が設置されている。特に施設1の内部には、壁面13や天井14に複数の監視カメラ17で終日監視できるように構成されている。
施設の内壁、外壁またはそれらの近傍にはモニター20、21が設置されている。このモニターには、施設1の稼働状況、パーソナルトレーナーのタイムテーブル、その他の施設サービスで利用者に周知させる各種の情報を表示するようになっている。
【0031】
図4は、本発明に係るフィットネスクラブの施設1の利用に関する手続きの流れ図で、本管理システムで行う各種手続きの代表例を示す。施設の利用を希望する申込者は、先ずスマートフォンやパソコンに本施設のホームページを表示するアプリをダウンロードする(ステップ1、以下S-1のように表記する)。ここでは、スマートフォンを用いる場合について説明するが、利用者が自宅でパソコンを用いて操作してもよいことは前記したとおりである。
申込者は、入会(又は一時利用)に応じたボタン等をタップ(あるいはクリック)する(S-2)。本システムは、入会希望なのか一時利用(ビジター)希望なのかを判断し(S-3)、入会である場合は入会に係る必要項目を表示し、申込者に入力を促す(S-4)。全項目に入力がなされたか否かを判断し(S-5)、OKならば入会申込者データとしてシステム自身の記憶部に保存すると共に、入退会・会費管理サイトに登録する(S-7)。この登録に従って、URLコードと合鍵データを発行する(S-8)。URLコードは会員資格証明で、合鍵は施設の利用キーであり、これらのデータは当該申込者のスマートフォンに転送される。
【0032】
上記の(S-5)で入力項目が不備と判断された場合は、その未完項目が何であるかを画面(モニター)に表示し、入力を促す(S-6)。決められた回数(n)の入力不備が発生した場合(S-14)は、その旨を表示して操作を中断させ、終了する。nは、例えば「3」とする。
上記の(S-3)で、申込者がビジターである場合、ビジター登録に係る項目を表示して入力を促す(S-9)。各項目すべてが入力されたと判断された場合(S-10でY:Yes)はビジターデータとしてシステム自身の記憶部に保存すると共に、入退会・会費管理サイトに登録する(S-12)。この登録に従って、URLコードと合鍵データを発行する(S-13)。URLコードはビジター承認資格証明であり、合鍵は施設用キーで、これらのデータは当該申込者のスマートフォンに転送される。
上記の(S-10)で入力項目が不備と判断された場合は、その未完項目が何であるかを画面に表示し、入力を促す(S-11)。決められた回数(n)の入力不備が発生した場合(S-14)は、その旨を表示して操作を中断させ、終了する。nは入会処理と同じく、例えば「3」とする。
【0033】
図5は、本発明に係る運動施設の利用に関する会費・料金・物販代金処理手続きの流れ図である。この処理は図4の会費管理、料金管理のサブルーチンに相当し、図1の入退会管理サイト6と物販管理サイト7に関連する手順である。
なお、以下における「他施設」とは、別地域にある同一系列の施設や提携施設を意味する。
図5における申し込み手続きとして、当該施設1の会員(申込者)が(a)パーソナルトレーナーの申し込み、(b)他施設利用の申し込み、(c)物品の注文の何れかを行う場合で説明する。申込者はスマートフォンのアプリあるいはパソコンのホームページから上記(a)(b)(c)の手続きフォーマットのリンクに入る(S-21)。
【0034】
次に、料金あるいは代金の支払い方法を選択して確認(設定)する(S-22)。申込者が希望した上記(a)(b)(c)の何れかについての支払うべき料金あるいは代金が申込者のスマートフォンあるいはパソコンに表示される。申込者は設定した支払方法で決済する(S-26)。クレジットカード決済などの即時決済方法で決済が完了すると(S-27のY)、パーソナルトレーナーのスケジュールを参照して(S-28)、パーソナルトレーナーと日時が選定できる。そして、選択した内容がスマートフォンあるいはパソコンの画面を介して申込者に提示される(S-29)。
この提示には複数の選択肢が含まれる。申込者が何れかのスケジュールのパーソナルトレーナーを選択し、同意すれば(S-30)、申込者のスマートフォンあるいはパソコンにパーソナルトレーニングチケットを発行する(S-31)。(S-30)で、申込者の同意が得られない場合はやり直しとされる。
【0035】
(S-26)で、支払方法がコンビニ支払や現金振り込みのような即時決済でない場合(S-37)は、仮予約として所定猶予期間の間、決済を待つ(S-38)。上記の所定猶予期間の設定は当該施設のトレーナー数、その回転数などを考慮して決定する。所定猶予期間内に支払があれば、(S-28)に行く。
物販の場合は、料金(代金)決済の確認で物品取引許可データを申込者のスマートフォンあるいはパソコンに発行する(S-35)。また、他施設利用の場合は他施設利用許可データを申込者のスマートフォンあるいはパソコンに発行する(S-36)。
上記(S-27)で代金や料金の決済が猶予期間内に決済されない場合は、督促メールを送り(S-32)、決済があれば(S-28)、(S-35)、(S-36)に進む。督促メールでも決済がされないときは申し込みを取り消す(S-34)。
【0036】
図4図5で説明した手順は一例であり、図2に示した本発明の構成例を用いる他の手順も種々考えられる。フロントの無人化に至る過程で、施設に有人フロントを置いて入退会や一時利用の申し込み受付け、物販などの業務を行うこともできる。また、施設のさらなるセキュリティーを確保するために、あるいは突発的な事象の発生に対処するため、監視員を駐在させることも可能である。
【産業上の利用可能性】
【0037】
本発明はフィットネスクラブなどの施設の運営システムではあるが、このような施設以外で本発明と同様の目的を持つ施設にも適用できる。
【符号の説明】
【0038】
1・・・フィットネスクラブの施設
2・・・メインゲート
2m・・・男子ロッカールームのサブゲート
2f・・・女子ロッカールームのサブゲート
2m1,2m2,・・・2mn・・・男子ロッカードア
2f1,2f2,・・・2fn・・・女子ロッカードア
3・・・施設管理サーバー
31・・・入会/ビジター処理部
32・・・パーソナルトレーナー予約部
33・・・認証部
34・・・データ処理部
35・・・バスライン
4・・・入退室管理サイト
5・・・セキュリティーサイト
6・・・物販管理サイト
7・・・入退会・会費/管理サイト
8・・・携帯情報端末(スマートフォン等)
9・・・パソコン
10・・・ネットワーク
11・・・フロント
12・・・非接触リーダー/ライター
13・・・壁面
14・・・天井
15・・・男子ロッカールーム
16・・・女子ロッカールーム
17・・・監視カメラ
18・・・物販棚(現物、予約、貸出し)
19・・・不法侵入センサー
20・・・内部モニター
21・・・外部モニター
31・・・入会/ビジター処理部
32・・・パーソナルトレーナー予約部
33・・・パーソナルトレーナー利用権の売買管理を行う認証部
34・・・データ処理部
35・・・バスライン
図1
図2
図3
図4
図5