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特許7403194工事写真台帳作成支援システムおよび工事写真台帳作成支援プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-14
(45)【発行日】2023-12-22
(54)【発明の名称】工事写真台帳作成支援システムおよび工事写真台帳作成支援プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/08 20120101AFI20231215BHJP
【FI】
G06Q50/08
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2023004976
(22)【出願日】2023-01-17
【審査請求日】2023-01-18
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】523019538
【氏名又は名称】verbal and dialogue株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100134669
【弁理士】
【氏名又は名称】永井 道彰
(72)【発明者】
【氏名】森川 善基
【審査官】岡北 有平
(56)【参考文献】
【文献】特開2021-140322(JP,A)
【文献】特開2014-157596(JP,A)
【文献】特開2016-012201(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0258858(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
工事の開始前に、当該工事にかかる施工図データおよび工程表データの入力を受ける工事データ入力部と、
工事写真台帳の内容の設定担当者による前記施工図データをもとにした工事現場の撮影ポイントおよび撮影対象物の設定入力と前記工程表データをもとにした撮影日時の設定入力を受ける撮影内容指定部と、
前記撮影内容指定部の入力にしたがって前記工事写真台帳において所定の写真画像データが埋設される埋設フレームが集まったブランク台帳を作成するブランク台帳作成部を備えた工事写真台帳計画構築部と、
前記工事中に、写真撮影担当者により撮影装置または撮影機能付きの通信機器で撮影された写真画像データを受け、前記ブランク台帳の中の該当する前記埋設フレームに埋設して前記工事写真台帳を作成する工事写真台帳作成部を備え、
前記工事写真台帳の作成を支援する工事写真台帳作成支援システム。
【請求項2】
前記工事中に、前記撮影装置または前記撮影機能付きの通信機器の表示部に、前記撮影内容指定部から指定された所定の前記撮影日時、所定の前記撮影ポイントおよび前記撮影対象物の写真撮影の指示内容を表示して前記写真撮影を支援する写真撮影支援部を備えたことを特徴とする請求項1に記載の工事写真台帳作成支援システム
【請求項3】
前記工事写真台帳作成部がコンピューターネットワーク上のクラウドシステムに設けられており、
前記工事写真台帳作成部が、前記コンピューターネットワークを介した前記クラウドシステムへのアップロードにより前記写真画像データを受け取る通信機能を備えていることを特徴とする請求項1に記載の工事写真台帳作成支援システム。
【請求項4】
前記工事写真台帳計画構築部が、前記ブランク台帳の各々の前記埋設フレームにそれぞれユニークなフレームIDを付与し、
前記工事写真台帳計画構築部が、前記撮影日時、前記撮影ポイントおよび前記撮影対象物に対してユニークに割り当てた写真IDを付与し、
前記撮影装置または前記通信機器が前記指示内容に従って撮影した各々の前記写真画像データに前記写真IDを紐づける写真IDデータ付与部を備え
前記工事写真台帳作成部が、前記フレームIDに対応する前記写真IDとの対応関係データを保持しており、
前記工事写真台帳作成部が、アップロードされた前記写真画像データを受け、前記写真IDに基づいて前記ブランク台帳のうち対応する前記フレームIDをもつ前記埋設フレームに埋設してゆくことを特徴とする請求項2に記載の工事写真台帳作成支援システム。
【請求項5】
複数の標準化された前記工事に関する前記工事写真台帳の前記ブランク台帳を格納した標準ブランク台帳データベースと、
前記標準ブランク台帳データベースから適切な前記標準ブランク台帳を選択し、当該選択にかかる前記標準ブランク台帳に対して、特定の前記工事にかかる前記施工図データおよび前記工程表データに基づいた必要なチューニングを行って当該特定の前記工事にかかる前記ブランク台帳を作成するブランク台帳作成部を備えたことを特徴とする請求項に記載の工事写真台帳作成支援システム。
【請求項6】
前記ブランク台帳作成部が、前記工事開始後において、当該工事にかかる前記施工図データまたは前記工程表データの変更があった場合に、当該変更後の前記施工図データまたは前記工程表データに基づいた必要な前記撮影ポイントまたは前記撮影日時のチューニングを行って前記ブランク台帳を変更し編集する編集機能を備えたことを特徴とする請求項に記載の工事写真台帳作成支援システム。
【請求項7】
前記撮影内容指定部による指定が、前記撮影ポイントの設定入力として撮影場所、撮影方向および撮影角度の設定入力、前記撮影対象物の設定入力として前記撮影対象物の撮影姿勢および前記撮影対象物の蓋や部品の展開状態の設定入力が可能であることを特徴とする請求項に記載の工事写真台帳作成支援システム。
【請求項8】
前記工事中に、前記撮影装置または前記撮影機能付きの通信機器の表示部に、前記撮影内容指定部から指定された所定の前記撮影日時、所定の前記撮影ポイントおよび前記撮影対象物の写真撮影の指示内容を表示して前記写真撮影を支援する写真撮影支援部を備え、前記写真撮影支援部が、前記撮影装置または前記通信機器との通信により、前記施工図の表示とともに、前記撮影場所、前記撮影方向、前記撮影角度、前記撮影対象物の前記撮影姿勢および前記撮影対象物の蓋や部品の前記展開状態に関する情報も表示することを特徴とする請求項に記載の工事写真台帳作成支援システム。
【請求項9】
前記写真撮影担当者による付加情報をテキスト入力または音声入力できる編集入力部を備えていることを特徴とする請求項に記載の工事写真台帳作成支援システム。
【請求項10】
前記工事中に、前記撮影装置または前記撮影機能付きの通信機器の表示部に、前記撮影内容指定部から指定された所定の前記撮影日時、所定の前記撮影ポイントおよび前記撮影対象物の写真撮影の指示内容を表示して前記写真撮影を支援する写真撮影支援部を備え、前記写真撮影支援部が、直近の前記撮影ポイントでの前記撮影対象物にかかる前記写真画像データを、前記写真撮影担当者が保持する前記撮影装置または前記通信機器の前記表示部に対して表示するか、または、前記撮影装置または前記通信機器が通信ネットワークを介して直近の前記工事写真台帳を閲覧できることを可能とした直近写真画像データ確認機能を備えたことを特徴とする請求項に記載の工事写真台帳作成支援システム。
【請求項11】
コンピューターに、
工事の開始前に、当該工事にかかる施工図データおよび工程表データの入力を受ける工事データ入力ステップと、工事写真台帳の内容の設定担当者による前記施工図データをもとにした工事現場の撮影ポイントおよび撮影対象物の設定入力と前記工程表データをもとにした撮影日時の設定入力を受ける撮影内容指定ステップと、前記撮影内容指定ステップの入力にしたがって前記工事写真台帳において所定の写真画像データが埋設される埋設フレームが集まったブランク台帳を作成するブランク台帳作成ステップを備えた工事写真台帳計画構築処理ステップと、
前記工事中に、写真撮影担当者により撮影装置または撮影機能付きの通信機器で撮影された写真画像データを受け、前記ブランク台帳の中の該当する前記埋設フレームに埋設して前記工事写真台帳を作成する工事写真台帳作成処理ステップを実行させるための前記工事写真台帳の作成を支援する工事写真台帳作成支援プログラム。
【請求項12】
コンピューターに、
前記工事中に、写真撮影担当者が携帯している撮影装置または撮影機能付きの通信機器の表示部に、前記撮影内容指定部から指定された所定の前記撮影日時、所定の前記撮影ポイントおよび前記撮影対象物の写真撮影の指示内容を表示して前記写真撮影を支援する写真撮影支援処理ステップを実行させることを特徴とする請求項11に記載の工事写真台帳作成支援プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マンション、オフィスビル、トンネル、橋梁、道路、港湾、駅などの構造物に関する建設工事や土木工事、船舶やタービン等の大規模機械装置の製作などにおいて報告書に含まれる工事写真台帳の作成を支援するための工事写真台帳作成支援システムおよび工事写真台帳作成支援プログラムに関する。
本発明の工事写真台帳作成支援システムが適用され得る工事とは、建設工事に限らず、大規模機械装置の組み立てや設置など、事前に工程が計画的に立案され得るものであれば広く適用することができる。
【背景技術】
【0002】
建設工事や土木工事や道路工事や大規模機械装置の組み立てや設置などにおいて、工事の途中の各段階で現場の工事状況の写真を撮影し、その各々の写真画像データを日時などのデータと関連付けて記録しておき、報告書を作成するときは、進捗日時、現場の撮影箇所などのデータを入力すると共に、その各写真の説明文を入力することにより、写真付きの工事管理台帳を作成し、これらを纏めて報告書を提出することが求められている。
【0003】
従来の工事現場などでは、工事名、工種、測点略図、工事の進行状況などを黒板に記述し、現場のシーンに黒板を含ませるように撮影を行い、撮影を行うことにより得られた画像によりどの工事現場のどの撮影写真であるかを確認していることが多かった。つまり、工事現場は類似するシーンが多く、かつ、工事現場では仕分けできないため、何の手掛かりもなく漫然と現場での写真画像を撮影してしまうと後日に写真画像に写り込んだものが何時のどのシーンか分かりづらく不明確になるおそれがあるので、写真画像中に一緒に写り込ませた黒板に記述された内容を手掛かりに確認することにより、撮影画像の日時や内容を特定していた。
このように写真画像中に一緒に写り込ませた黒板に記述された内容を手掛かりに撮影画像の日時や内容を特定し、それらの写真を現像して手作業にて貼り付けることにより工事写真台帳を作成し、報告書としてまとめていた。
【0004】
このように工事写真台帳の作成作業はいわゆる後作業となり、工事現場から事務所に戻った現場監督や担当者が、現場で撮影してカメラ内に保存されている写真画像から該当する写真画像を探し当て、その写真画像に対して種々の情報を付随させて編集を行って工事写真台帳(工事写真アルバム)を作成し、作成された工事写真台帳に基づいて工事内容の報告などを行っていた。
従来技術において、工事現場における施工状況の写真撮影を支援し、撮り忘れの防止などを通知するシステムはあるが、最終的に作成すべき工事写真台帳の作成作業を当初から意図して工事現場において撮影すべき施工状況を計画的にスケジュールすることについて明に示したものはない。特に、施主の希望や、設計に携わった者の設計思想や、設計図を基に、設計段階から最終的に作成すべき工事写真台帳の作成作業を当初から見込んで撮影すべき施工状況を計画的にスケジュールするものはなかった。
【0005】
【文献】特開2000-165786号公報
【文献】特開2013-125535号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、一般に建設工事現場における工程は数百工程に及び施工図も多数に及ぶため、現場作業者が各工程における施工現場で撮影すべき写真画像を漏れなく撮影することは困難である。建設工事現場において複数の工程が同日に同時進行することも多く、新たな鉄筋の敷設、新たな型枠の搬入、新たなコンクリートやセメント資材の打設、新たな装備品の設置などがあり得るので作業中および作業後の写真を漫然と撮影するだけでは、画像データが乱雑になり、撮り忘れ、二重撮影などのミスが起こりやすい。
また、工事現場毎に工程あるいは工種が種々変化し得ることを考えると、現場作業者が全ての工事現場において全ての工程における工事現場画像を漏れなく撮影することは極めて困難である。
【0007】
また、工事写真台帳の作成作業は工事現場から事務所に戻った現場監督や担当者によるいわゆる後作業であり、画像中に写り込んでいる黒板の内容を手掛かりとして、カメラ内に保存されている現場で撮影された写真画像から該当する写真画像を探し当て、その写真画像に対して種々の情報を付随させて編集を行って工事写真台帳を作成することは時間がかかり、負荷が大きいものであった。つまり、写真画像データを工事段階に応じて適切に仕分けする作業に膨大な人的労力が必要になってしまう。
また、これら作業を現場監督や担当者に任せるとしても、工事現場の各工程や施工図を把握できる能力を有するとともに、コンピュータおよびデジタルカメラの写真画像データの加工作業にも精通する人材を確保することは難しい。このように現場監督や担当者の力量に依存した状況を放置すれば、一定の品質を保った工事写真台帳の作成、報告書の作成が担保できない。
【0008】
現在は工事現場において、作業に従事する工事作業者の人員確保が大変となっており、今後ますます人材不足に陥ることが危惧されている。少ない人員で作業をこなすため現場監督、工事作業者、撮影担当者が過重労働となっている現実がある。
そこで、少しでも現場監督、工事作業者、担当者の負荷を軽減することが要求されている。この後作業となる工事写真台帳の作成作業の負荷が軽減されることは重要である。
【0009】
次に、施主の希望や、設計に携わった者の設計思想や、設計図を基に各々の施工図を作成して各工程の工程表を展開した工程管理者の管理思想に基づいて必要となる写真画像データ群と、工事の施工現場での施工工事を担当する現場監督や撮影担当者が撮影する写真画像データ群とが合致しておらず、報告された工事写真台帳や報告書が、施主や設計者や工事管理者が求めている内容とは一部乖離してしまうこともあった。つまり、工事請負会社の現場監督や撮影担当者が撮影目的や撮影の意図が十分に理解できていないと、施主や工事設計者や工程管理者が要求している工事写真台帳とならない可能性もある。
【0010】
また、ある施工現場のある個所の写真を撮影するのを忘れてしまうと、現場の工事が日々進行してしまうので、必要な写真を撮り直すことができないという問題が発生する。
さらに、撮影された写真画像を後作業で編集する際には、実際に写真を撮影した撮影者がその場で感じた注意事項や申し送り事項を付したい場合があり、その場でそれら注意事項や申し送り事項を付すことが出来なければ、後編集を行う際に、実際に撮影を行った者に確認しないと報告書上の重要事項が分からないという事態も生じ得るため、工事写真台帳を外注にて編集させる行うことが困難となる場合もあり得る。
【0011】
本発明は、上記問題に鑑み、施主や設計者や工程管理者が求めている内容の工事写真台帳を作成するため、設計図や施工図の作成時に工事写真台帳に求める内容を明確化するとともに、また、工事現場で指定された写真を撮影するだけで工事写真台帳が自動的に生成され、現場監督、工事作業者の負荷を軽減できる工事写真台帳作成支援システムおよび工事写真台帳作成支援プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的を達成するため、本発明の工事写真台帳作成支援システムは、工事の開始前に、当該工事にかかる施工図データおよび工程表データの入力を受ける工事データ入力部と、工事写真台帳の内容の設定担当者による前記施工図データをもとにした工事現場の撮影ポイントおよび撮影対象物の設定入力と前記工程表データをもとにした撮影日時の設定入力を受ける撮影内容指定部と、前記撮影内容指定部の入力にしたがって前記工事写真台帳において所定の写真画像データが埋設される埋設フレームが集まったブランク台帳を作成するブランク台帳作成部を備えた工事写真台帳計画構築部と、前記工事中に、写真撮影担当者により撮影装置または撮影機能付きの通信機器で撮影された写真画像データを受け、前記ブランク台帳の中の該当する前記埋設フレームに埋設して前記工事写真台帳を作成する工事写真台帳作成部を備え、前記工事写真台帳の作成を支援する工事写真台帳作成支援システムである。
上記構成において、前記工事中に、写真撮影担当者が携帯している撮影装置または撮影機能付きの通信機器の表示部に、前記撮影内容指定部から指定された所定の前記撮影日時、所定の前記撮影ポイントおよび前記撮影対象物の写真撮影の指示内容を表示して前記写真撮影を支援する写真撮影支援部を備えた構成とすることも好ましい。
上記構成により、工事開始前にすでに作成すべき工事写真台帳としての写真画像データの埋設フレームが集まったブランク台帳が得られることとなり、工事現場では、日々の施工において指定されている撮影を行うだけで写真画像データがブランク台帳の中の該当する埋設フレームに埋設されてゆき、工事写真台帳が自動的に作成されてゆく。現場の現場監督や撮影担当者の負荷が大きく低減され、さらに、あらかじめ撮影ポイント、撮影日時、撮影対象が計画されており、それらが現場の現場監督や撮影担当者がそれら計画内容を的確に確認しながら撮影するため、いわゆる撮り忘れや撮り漏れなどがなくなる。
【0013】
ここで、工事写真台帳作成支援システムの上記構成において、前記工事写真台帳作成部がコンピューターネットワーク上のクラウドサーバーに設けられており、前記写真撮影支援部が前記撮影にかかる前記写真画像データを前記コンピューターネットワーク上の前記クラウドサーバーにアップロードする通信機能を備えている構成が可能である。
上記構成により、現場監督、撮影担当者、工事作業者は、所定の撮影ポイントで写真を撮影するだけで良く、写真画像データがネットワーク上のクラウドサーバーにアップロードされ、逐次、自動的に写真画像データがブランク台帳の中の該当する埋設フレームに埋設されてゆく。つまり、後作業というものがなくなる。
なお、撮影に際して付したい注意事項や申し送り事項などのコメントも撮影現場でテキスト入力または音声入力できることも好ましい。
【0014】
ここで、工事写真台帳の自動作成において、撮影した写真画像データを効率的で正確にブランク台帳の中の該当する埋設フレームに埋設する処理に資するものとして、前記工事写真台帳計画構築部が、前記ブランク台帳の各々の前記埋設フレームにそれぞれユニークなフレームIDを付与し前記撮影日時、前記撮影ポイントおよび前記撮影対象物に対してユニークに割り当てた写真IDを付与し、前記撮影装置または前記通信機器が前記指示内容に従って撮影した各々の前記写真画像データに前記写真IDを紐づける写真IDデータ付与部を備え、前記工事写真台帳作成部が、前記フレームIDに対応する前記写真IDとの対応関係データを保持しており、前記工事写真台帳作成部が、アップロードされた前記写真画像データを受け、前記写真IDに基づいて前記ブランク台帳のうち対応する前記フレームIDをもつ前記埋設フレームに埋設してゆくことができる。
上記構成により、工事写真台帳作成部が保持している対応関係データをもとに、埋設フレームのフレームIDと写真画像データの写真IDを手掛かりに両者を合致させれば、あらかじめ計画されたとおりに撮影した写真画像データを効率的で正確にブランク台帳の中の該当する埋設フレームに埋設できる。
なお、従来から良く用いられているような、工事名、工種、測点略図、工事の進行状況などを書いた黒板などを写真撮影時に一緒に撮影し、写真画像中に含ませることも排除しない。そのようなアナログデータも写真画像の確認において役立つことも想定される。
【0015】
ここで、本発明の工事写真台帳作成支援システムの上記の工事写真台帳計画構築部の構成として、前記工事写真台帳の作成依頼にかかる特定の工事の前記施工図データおよび前記工程表データを入力する工事データ入力部と、前記施工図データをもとに前記施工図内に前記撮影ポイントおよび撮影対象物の設定入力、および前記工程表データをもとに時系列の撮影日時の設定入力を受ける入力部を備え、前記撮影対象物、前記撮影ポイントおよび前記撮影日時を指定する撮影内容指定部と、複数の標準化された前記工事に関する前記工事写真台帳の前記ブランク台帳を格納した標準ブランク台帳データベースと、前記標準ブランク台帳データベースから適切な前記標準ブランク台帳を選択し、当該選択にかかる前記標準ブランク台帳に対して、前記特定の工事にかかる前記施工図データおよび前記工程表データに基づいた必要なチューニングを行って前記特定の工事にかかる前記ブランク台帳を作成するブランク台帳作成部を備えた構成とすることができる。
上記構成により、工事の開始前に施主や設計者や工程管理者が求めている内容を直接に反映すべく、施工図内に工事写真台帳として要求する具体的な撮影ポイントおよび撮影対象物を指定することができ、工事写真台帳に求める内容が明確化される。
【0016】
なお、前記撮影内容指定部による指定が、前記撮影ポイントの設定入力として撮影場所、撮影方向および撮影角度の設定入力、前記撮影対象物の設定入力として前記撮影対象物の撮影姿勢および前記撮影対象物の蓋や部品の展開状態の設定入力が可能であることが好ましい。ある装置の扉を開いた内部の写真記録が必要なのに扉を閉じたまま写真であれば、予定されている工事写真台帳としては不具合があるからである。
撮影内容指定部を介してこれらの指定が可能となると、工事の開始前に施主や設計者や工程管理者が求めている内容を、より細かく具体的に反映することができる。
【0017】
なお、ここで、上記の工事写真台帳作成支援システムにおいて、工事開始後において、当該工事にかかる前記施工図データまたは前記工程表データの変更があった場合でも柔軟に対応できることが好ましい。それはブランク台帳作成部が、当該変更後の前記施工図データまたは前記工程表データに基づいた必要な前記撮影ポイントまたは前記撮影日時のチューニングを行って前記ブランク台帳を変更し編集するブランク台帳編集機能を備えた構成がある。
上記構成により、工事開始後において当該工事にかかる施工図データや工程表データの変更があった場合でも、ブランク台帳作成部がブランク台帳編集機能を介して撮影ポイントや撮影日時のチューニングや変更を行うこととすれば対応可能となる。
なお、これらの変更が反映される場合は、現時点よりも将来の施工で用いる資材の変更など軽微な変更もあり得るが、一部の施工のやり直しなどの重大な変更も想定され得る。なお、これら変更の影響が写真画像データとして記録されてゆくことも重要である。
【0018】
上記の工事写真台帳作成支援システムにおいて、工事現場での撮影についても支援することが好ましい。そこで、前記撮影担当者が保持する撮影機器または手持ちの通信機器において、写真撮影部と撮影内容指示表示部を備えた構成とし、前記撮影内容指示表示部が、前記写真撮影支援部との通信により、前記施工図の表示とともに、前記撮影場所、前記撮影方向、前記撮影角度、前記撮影対象物の前記撮影姿勢および前記撮影対象物の蓋や部品の前記展開状態に関する情報も表示する構成とすればよい。
上記構成により、工事現場での撮影についても撮影者に対して十分な情報を与えて必要な写真画像の撮影を支援できる。
【0019】
また、撮影者の負荷を軽減することが好ましい。そこで、前記写真撮影担当者による付加情報をテキスト入力または音声入力できる編集入力部を備えていることが好ましい。
上記構成により、工事現場で写真撮影する撮影者は、撮影するだけで写真画像データに対して必要な情報をテキスト入力や音声入力で入力することが可能となる
【0020】
なお、撮影者の撮影ポイントの間違い、撮影方向や撮影角度などの間違いを効率的に防止することが必要である。そこで、前記写真撮影支援部が、直近の前記撮影ポイントでの前記撮影対象物にかかる前記写真画像データを、前記写真撮影担当者が保持する前記撮影機器または前記通信機器の前記表示部に対して表示するか、または、前記撮影装置または前記通信機器が通信ネットワークを介して直近の前記工事写真台帳を閲覧できることを可能とした直近写真画像データ確認機能を備えた構成が好ましい。
上記構成により、直近(例えば前日)に撮影された画像を確認することにより、自分が今から撮影しようとしている撮影ポイント、撮影方向、撮影角度などが合致しているかを目視することができ、誤った写真撮影を大幅に低減することが可能となる。
【0021】
上記本発明の目的を達成するため、本発明の工事写真台帳作成支援プログラムは、工事の開始前に、当該工事にかかる施工図データおよび工程表データから前記工事に関して作成すべき工事写真台帳としての埋設フレームが集まったブランク台帳を構築する工事写真台帳計画構築処理ステップと、前記工事中に、撮影装置によって所定日時に前記工事現場の所定の撮影ポイントでの写真撮影を支援する写真撮影支援処理ステップと、前記写真撮影後に、前記撮影装置で撮影した写真画像データを前記ブランク台帳の中の該当する前記埋設フレームに埋設して前記工事写真台帳を作成する工事写真台帳作成処理ステップを備えたプログラムとする。
なお、上記本発明にかかる工事写真台帳作成支援プログラムは、ネットワークからダウンロードして利用するものでも良く、クラウド上のサーバー上で利用するものでも良い。
上記構成により、工事の開始前にすでに作成すべき工事写真台帳としての写真画像データの埋設フレームが集まったブランク台帳が得ることができ、工事現場では、日々の施工において指定されている撮影を行うだけで写真画像データがブランク台帳の中の該当する埋設フレームに埋設されてゆく処理を実行でき、工事写真台帳が自動的に作成されるプログラムとすることができる。
【発明の効果】
【0022】
本発明の工事写真台帳作成支援システムによれば、工事の開始前にすでに作成すべき工事写真台帳としての写真画像データの埋設フレームが集まったブランク台帳が得られることとなり、工事現場では、日々の施工において指定されている撮影を行うだけで写真画像データがブランク台帳の中の該当する埋設フレームに埋設されてゆき、工事写真台帳が自動的に作成できる。
現場監督や工事作業員や撮影担当者の負荷を低減し、一定の品質を保った工事写真台帳の作成、報告書の作成を担保できる。
施主や設計者や工程管理者が要求している工事写真台帳を作成し、報告書を作成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】本発明の工事写真台帳作成支援システム1の構成例を示す図である。
図2】工事写真台帳作成支援システム1の処理の流れの大枠を示した図である。
図3】工事データ入力部111を介して入力された今回の工事にかかる施工図データや工程表データのごく簡単な例を示す図である。
図4図3の施工図データや工程表データをベースとして、撮影内容指定部112を介して、撮影内容の指定処理を行った様子を示す図である。
図5】ある標準ブランク台帳データ300の写真一覧モードの参考図である。
図6】ある標準ブランク台帳データ300の帳票イメージの目次の参考図である。
図7】ある標準ブランク台帳データ300の帳票イメージの写真台帳ページの参考図である。
図8】ブランク台帳データ400の写真一覧モードの参考図である。
図9】ブランク台帳データ400の帳票イメージの目次の参考図である。
図10】ブランク台帳データ400の帳票イメージの写真台帳ページの参考図である。
図11】クライアント200の撮影内容指示表示部220に表示された撮影内容の支援表示例を示す図である。
図12】工事写真台帳作成部140により作成された工事写真台帳データ500の例についてごく一部のみ示したものである。
図13】工事写真台帳作成支援システム1の処理の流れ1を示す図である。
図14】工事写真台帳作成支援システム1の処理の流れ2を示す図である。
図15】工事写真台帳作成支援システム1の処理の流れ3を示す図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下、図面を参照しつつ、本発明の工事写真台帳作成支援システムの実施例を説明する。ただし、本発明の範囲は以下の実施例に示した具体的な用途などには限定されないことは言うまでもない。
なお、本発明の工事写真台帳作成支援システムが適用される工事は、建設工事に限らず、道路工事、大規模機械装置の現地組み立て設置など、事前に工程が計画的に立案され得るものであれば広く適用することができるものであるが、説明の便宜上、主に建設工事への適用について実施例を記載するが、大規模機械装置の現地組み立て設置など、事前に工程が計画的に立案され得るものであれば同様に適用できることは理解されよう。
【実施例1】
【0025】
以下、本発明の工事写真台帳作成支援システム1の構成例を説明する。
図1は、本発明の工事写真台帳作成支援システム1の構成例を示す図である。
図2は、工事写真台帳作成支援システム1の処理の流れの大枠を示した図である。
図1に示すように、この実施例1にかかる図1に示す工事写真台帳作成支援システム1は、ネットワークを介して接続されているサーバー100とクライアント200を備えたクライアントサーバーシステムにて構築されている。クラウドシステムでも良い。ここではクラウド上のクラウドサーバーと現場に持ち込むスマートフォンをクライアント端末とする構成とする。
【0026】
図1に示すように、サーバー100は、工事写真台帳計画構築部110、標準ブランク台帳データベース120、写真撮影支援部130、工事写真台帳作成部140、工事写真台帳データベース150、通信I/F160を備えた構成となっている。また、図示はしていないが、クラウドサーバーが一般的に備えている制御装置やメモリや入出力装置などは省略している。
なお、この構成例では、工事写真台帳計画構築部110は、工事データ入力部111、撮影内容指定部112、ブランク台帳作成部113を備えて構成となっている。
サーバー100の運営主体は、特に限定されないが、ここでは、工事写真台帳作成支援システムの管理者とする。
【0027】
図1に示すように、クライアント200は、写真撮影部210、撮影内容指示表示部220、通信I/F230を備えた構成となっている。
クライアント200の構成はハード的には汎用的なパソコンでも良く、スマートフォンのような携帯型通信機器でも良く、デジタルカメラ機器でも良い。ネットワーク経由で撮影内容指示表示部220の機能を提供するアプリケーションをダウンロードすることにより、それら機器上で構成することでも良い。写真撮影部210を必要とするので、デジタルカメラ機器やスマートフォンなどが想定される。
クライアント200の使用主体は、特に限定されないが、ここでは、工事現場の現場監督や撮影担当者として説明する。
なお、クライアント200はネットワーク上に複数台存在していることが想定され、各々のクライアント200からの写真画像データを受け取ってクラウドサーバー100上で工事写真台帳を作成する。
【0028】
以下、先にサーバー100の各構成について説明し、クライアント200の各構成について説明する。なお、図2を用いた工事写真台帳作成支援システム1の処理の流れの大枠については後述する。
まず、サーバー100の各構成要素を説明する。
サーバー100は、上記したように、工事写真台帳計画構築部110、標準ブランク台帳データベース120、写真撮影支援部130、工事写真台帳作成部140、工事台帳データベース150、通信I/F160を備えた構成となっている。
【0029】
工事写真台帳計画構築部110は、工事の開始前に、工事にかかる入力された工事データ、例えば、施工図データおよび工程表データから、工事に関して作成すべき工事写真台帳の写真画像データの埋設フレームが集まったブランク台帳データ400を構築する部分である。
【0030】
ブランク台帳データ400とは、今回の特定工事の報告に求められるであろう工事写真台帳データ500の完成予定物に合わせ、あらかじめ、具体的な写真画像が貼付されていない状態の写真画像が無いブランクの工事写真台帳データであり、本発明では、これをブランク台帳データ400と呼ぶ。
本実施例1にかかる工事写真台帳作成支援システム1では、このブランク台帳データ400の作成が重要であると捉え、このブランク台帳データ400の作成が間違っていたり不正確であったりすると、工事が始まった後や工事終了箇所について、写真撮影のやり直しや変更作業が多くなり工事写真台帳作成の効率を低下させてしまうおそれがある。そこで、工事写真台帳計画構築部110は、正確かつ好ましいブランク台帳データ400を効率的かつ簡易に作成する諸機能を持っている。
【0031】
工事写真台帳計画構築部110は、工事データ入力部111,撮影内容指定部112,ブランク台帳作成部113を備えている。
【0032】
工事データ入力部111は、工事開始前の段階で先に今回の工事にかかる施工図データや工程表データの入力を受ける部分である。工事データ入力部111を介して、実際に工事を担当する工事施工会社や下請会社に対して、施主、設計会社、一次請負会社などから工事にかかる施工図データや工程表データを受け取る。
【0033】
工事に関する「施工図」は、設計図(実施設計図、構造図、設備図など)から作成されたもので、一般的には、平面詳細図、躯体図、総合図(電気図、空調図、給排水衛生図、ガス衛生図)などが含まれている。ここでいう施工図データは、それら施工図をデータとしてコンピュータ処理が可能としたものである。建設工事以外の工事、例えば、大規模機械装置の現地組み立て設置などの他の工事では施工図データは上記のものに限らず様々なものがあり得る。
【0034】
工事に関する「工程表」は、工事の各工程とその完成時期(納期)までの期間をまとめた表であり、例えば、全体工程表、細部工程表、月間工程表、週間工程表などがあり得る。ここでいう工程表データは、それら工程表をデータとしてコンピュータ処理が可能としたものである。工事の各工程を具体的に把握することができるため、現場監督など施工管理者にとって人員の配置や作業時間進捗状況の把握が容易となる。
工程表データには、バーチャート工程表データ、ガンチャート工程表データ、ネットワーク式工程表データなど多様なものがある。
【0035】
図3は、工事データ入力部111を介して入力された今回の特定工事にかかる施工図データや工程表データのごく簡単な例を示す図である。図3は、施工図として1つの平面詳細図しか図示しておらず、工程表として1つのバーチャート工程表しか図示していない。実際の工事では大規模な工事になると、施工図だけでも数百枚から数千枚におよぶものもあり得るし、工程表も工事区間や工事単位が多岐にわたり、数百枚から数千枚におよぶものもあり得る。ここでは、発明の説明のためごく一部のもののみを示している。
【0036】
撮影内容指定部112は、受け取った施工図データや工程表データを基に、撮影内容の指定処理を実行する部分である。
施工図データは、平面詳細図、躯体図、総合図などを示す画像データ等であるが、従来技術においては、今回の特定工事において、最終的に工事写真台帳を作成するにあたり「一体どの位置から撮影を行えば適切な工事写真台帳となるのか」という観点の情報が含まれていない。そこで、本発明の工事写真台帳作成支援システム1では、工事施工前の段階で先に撮影ポイントを指定し、所定の日時や所定工事の段階において、どのような内容の撮影を行うのかを計画し、撮影内容指定部112を介して設定を可能とする。
撮影内容指定部112を介した撮影内容の指定は、表示されている施工図データや工程表データを参照しつつ工事写真台帳の内容を決める権限者または権限者から指示を受けた担当者など人手で行っても良い。指定を行うため利便性のあるGUIが用意されていることが好ましく、例えば、マウスによる指定とプルダウンメニューによる選択やキーボードを介した数値の入力など多様な入力方法を組み合わせた指定方法がある。また、近年普及してきた人工知能による支援を介して撮影内容指定部112が自動的に初期設定し、必要に応じて権限者や担当者によるチューニングを受ける方法もあり得る。
【0037】
撮影内容指定部112による指定は、撮影ポイントの設定入力として撮影場所、撮影方向および撮影角度の設定入力、撮影対象物の設定入力として撮影対象物、その撮影姿勢、撮影対象物の蓋や部品の展開状態の設定入力などが可能であるものとする。
【0038】
図4は、図3の施工図データや工程表データをベースとして、撮影内容指定部112を介して、撮影内容の指定処理を行った様子を示す図である。
図4に示すように、施工図データに対して、撮影ポイントの設定入力として撮影場所、撮影方向および撮影角度の設定入力、撮影対象物の設定入力として撮影対象物、その撮影姿勢、撮影対象物の蓋や部品の展開状態の指定コメントなどが設定されている。図4では、カメラ撮影位置と撮影方向が記号で示されている。三角の頂点方向が撮影方向である。この例では撮影角度は床面からの角度として数値が記入されている。また、撮影対象物、その撮影姿勢や撮影対象物の展開状態などが引き出し線の先に指定コメントして記入されている例となっている。
つまり、従来から用いられ、今回の工事でも用意されている施工図データにおいて、撮影内容データが付与されているものとなっている。
【0039】
また、撮影日時の指定については、工程表データに対して、それぞれの工程における撮影ポイントとその日時が指定されており、現場監督や撮影担当者にいつ、どこで、何を撮影して写真画像データを取得するかという計画が明確に分かりやすいようになっている。
つまり、従来から用いられ、今回の工事でも用意されている工程表データにおいて、撮影内容データが付与されているものとなっている。
【0040】
ブランク台帳作成部113は、撮影内容指定部112を介して指定された撮影内容による作成すべき工事写真台帳となるベースのブランク台帳、つまり、作成すべき工事写真台帳として写真画像データが埋め込まれる埋設フレームが集まったブランク台帳を構築する部分である。
ブランク台帳作成部113は、ブランク台帳を効率的に構成するため、工事内容のカテゴリーごとの標準的なブランク台帳のデータベース(標準ブランク台帳データベース120)を用意しておき、その標準的なブランク台帳をチューニングすることで、特定の工事向けのブランク台帳を作成する機能を備えている。
【0041】
標準ブランク台帳データベース120は、工事写真台帳作成支援システム1が、最終的に作成する工事写真が貼付整理された工事写真台帳データ500のベースとなる標準的なデータを蓄積しているデータベースである。ここでは、このベースとなる標準的なデータを「標準ブランク台帳データ300」と呼ぶ。つまり、施工図および工程表に沿って進む工事の各々の撮影ポイントの写真画像を貼付する箇所がブランクとなっているもので、あらかじめ施工図、工程表に沿って撮影が予定される撮影ポイントでの写真画像とその貼付箇所が計画された「計画化写真画像台紙」のようなものとも言える。
【0042】
現実の工事としては1つ1つの工事内容にはバリエーションがあり多種多様なものではあるが、工事対象によって、ある程度はカテゴリー化、パターン化できるものと考えられる。標準ブランク台帳データ300は、カテゴリー化され、パターン化された工事対象の「標準的」な工程表に従って作成される「標準的」な工事写真台帳で、写真画像をまだ貼付整理していないブランク状態の「標準的」なデータを「標準ブランク台帳データ300」とし、標準ブランク台帳データベース120は、それらを多種多様なものを収集蓄積している。
【0043】
図5から図7は、標準ブランク台帳データベース120内に蓄積されている「標準ブランク台帳データ300」のごく一部を示した図である。実際の工事では多数の撮影ポイントの何日にもわたる期間の進捗を記録してゆくので、図5から図7に示したものはそのうちのごく一部に過ぎないものであることは理解されよう。
図5は、ある標準ブランク台帳データ300の写真一覧モードの参考例である。
図6は、ある標準ブランク台帳データ300の帳票イメージの目次の参考例である。
図7は、ある標準ブランク台帳データ300の帳票イメージの写真台帳ページの参考例である。
図5から図7の標準ブランク台帳データ300においては、ごく一部を示しているに過ぎないものであり、実際の工事にかかる工事写真台帳は撮影ポイントも多く、撮影延べ日数も多く、写真画像も多いものと想定される。図5から図7は、工事前の計画段階であるので写真画像はまだ貼付整理されておらず、すべてブランクとなっている。
【0044】
ブランク台帳作成部113は、今回の特定の工事の施工図、工程表から工事のカテゴリーに合わせて、標準ブランク台帳データベース120から標準的な標準ブランク台帳データを取り出し、その標準的なブランク台帳をチューニングすることで、特定の工事向けのブランク台帳を作成する。
ブランク台帳作成部113は、取り出した標準的なブランク台帳から、図4で指定されたそれぞれの工事と撮影ポイントから作成すべき必要な数の写真画像データが埋め込まれる埋設フレームを展開するものとする。ここでは、図4のように指定された一連の撮影内容データが与えられれば、図5から図7に示した標準ブランク台帳データ300が展開され、写真一覧モードデータ、帳票イメージの目次データ、帳票イメージの写真台帳ページデータが得られるが、各々に埋設される写真画像がフレームのみでブランクとなっている。
【0045】
ブランク台帳作成部113を操作する工事写真台帳の内容を決める権限者または担当者は、図5から図7の標準ブランク台帳データ300をもとに今回の特定の工事の内容に沿ってチューニングを行ってゆき、ブランク台帳データ400を完成させる。ここで、将来的に人工知能技術が発展してゆけば、ブランク台帳作成部113が人工知能を用いて、自動的にブランク台帳データ400を完成させても良い。
【0046】
図8から図10は、チューニングされたブランク台帳データ400のごく一部を示した図である。実際の工事では多数の撮影ポイントの何日にもわたる期間の進捗を記録してゆくので、図8から図10に示したものはそのうちのごく一部に過ぎないものであることは理解されよう。
図8は、ブランク台帳データ400の写真一覧モードの参考例である。
図9は、ブランク台帳データ400の帳票イメージの目次の参考例である。
図10は、ブランク台帳データ400の帳票イメージの写真台帳ページの参考例である。
図8から図10においては、ごく一部を示しているに過ぎないものであり、実際の工事にかかる工事写真台帳は撮影ポイントも多く、撮影延べ日数も多く、写真画像も多いものと想定される。図8から図10は、工事前の着手前であるので写真画像はまだ貼付整理されておらず、すべてブランクとなっている。
【0047】
写真撮影支援部130は、工事中に、現場監督または写真撮影担当者の所有する端末に対して、撮影内容(所定日時に工事現場の所定の撮影ポイント)に従った写真撮影を支援する部分である。この例では、クライアント200がスマートフォンのような後述する通信機能(通信I/F230)と表示部(撮影内容指示表示部220)とカメラ部(写真撮影部210、カメラ部211)を備えたものであり、写真撮影支援部130は、クライアント200の撮影内容指示表示部220に対して撮影内容の表示を介して写真撮影を支援する。また、後述するがクライアント200の写真撮影部210が写真IDデータ付与部213を備えた構成であれば、撮影した写真に対して付与すべき写真画像IDデータを通知する機能も備えていることが好ましい。
【0048】
図11は、クライアント200の撮影内容指示表示部220に表示された撮影内容の支援表示例を示す図である。
図11の例は一例であり、様々な撮影内容の支援表示例が可能であり、図11に示す表示例に限定されないことは言うまでもない。
図11に示す例では、スマートフォンを前提とした通信端末の表示部への表示となっている。つまり、サーバー100はクラウド上にあり、スマートフォンであるクライアント200との間でデータがやり取りされる例となっている。
【0049】
図11左側図に示すように、現場監督や写真撮影担当者が日付カラムに日付を入力、またはスマートフォンの時計機能から日付が自動的に入力されると、当該日付に予定されている各工程がスマートフォンの画面にリストアップされる(ここでは令和4年12月15日の例となっている)。いわゆるToDoリストのように表示され、この表示画面では、予定されている各工程がタップにより指定可能なボタン形式で表示されている。現場監督や写真撮影担当者が担当の工程についてタップした例となっている。
【0050】
次に、図11中央図に示すように、タップされた工程において予定されている撮影内容が表示される。ここでは、選択した工程において2つの撮影ポイント(撮影ポイント4と撮影ポイント5)が撮影予定であることが表示されている。この撮影予定についてもタップにより指定可能なボタン形式で表示されている。この例では、現場監督や写真撮影担当者がこの2つの撮影ポイントのうち撮影ポイント5が選択されてタップされた例となっている。
【0051】
次に、図11右側図に示すように、タップされた撮影ポイント5において予定されている撮影内容が表示される。ここでは、施工図と施工図上に撮影ポイント5がどこにあるかが表示され、指定コメントなどがあれば、併せて表示される。
なお、撮影内容の支援としては他にも様々な工夫があり得る。たとえば、ここでは図示しないが、直近撮影画像の表示ボタンがあり、直近撮影画像の表示ボタンをタップすると、直近の撮影画像が表示される機能も可能である(ここでは前日の令和4年12月14日に撮影された写真画像を表示させるなどが可能となる)。
【0052】
現場監督や写真撮影担当者は、撮影内容の支援表示に従って各々の撮影ポイントにおいて所定の写真撮影を行う。つまり、写真撮影支援部130の支援に従って撮影すれば、計画段階でスケジューリングされたとおりの所望の写真撮影データが確実に得られ、撮影漏れなどの事態が防止できる。なお、予定通りに撮影された写真画像データのクラウド上のサーバー100への送信は、工事現場にてオンライン送信しても良く、もちろん後でまとめて一括してバッチ処理で送信しても良い。
なお、従来から良く用いられているような、工事名、工種、測点略図、工事の進行状況などを書いた黒板などを写真撮影時に一緒に撮影し、写真画像中に含ませても良い。そのようなアナログデータも写真画像の確認において役立つことも想定される。
後述するように、クライアント200で得られる写真撮影データには撮影時にそれぞれ写真撮影支援部130から通知されている写真ID情報が紐づけられ、クラウド上のサーバー100の工事写真台帳作成部140に送信される。
なお、スマートフォンの画面にリストアップされている当該日付に予定されている写真撮影が実行されていない場合、作業員のスマートフォンにリマインダー(備忘連絡、注意喚起)が表示される機能があれば、撮影忘れや撮影漏れが防止できる。
【0053】
工事写真台帳作成部140は、クライアント200の撮影装置で撮影された写真画像データを受け、ブランク台帳の中の該当する埋設フレームに埋設して工事写真台帳データ500を作成してゆく部分である。ここで、工事写真台帳作成部140は、フレームIDに対応する写真IDとの対応関係データを保持している。
つまり、工事写真台帳計画構築部110が作成したブランク台帳400の各々の埋設フレームにはそれぞれフレームIDが設けられているところ、写真撮影支援部部130により支援されて撮影された各々の写真画像データには写真IDデータが設けられてアップロードされてくる。工事写真台帳作成部140は、アップロードされた写真画像データを受け、フレームID-写真IDの対応関係データに基づいて、写真IDに合致するフレームIDの埋設フレームに埋設してゆけば工事写真台帳データ500を作成することができる。
【0054】
図12は、工事写真台帳作成部140により作成された工事写真台帳データ500の例についてごく一部のみ示したものである。この図12の例は参考例に過ぎずこの例に限定されない。多様な形式の工事写真台帳データ500が可能である。
このように、工事写真台帳作成部140が保持している対応関係データをもとに、埋設フレームのフレームIDと写真画像データの写真IDに従って両者を合致させてゆけば、撮影した写真画像データを効率的で正確にブランク台帳の中の該当する埋設フレームに埋設でき、日々刻々とスケジュール通りに進捗する工事内容をあらかじめ計画された工事写真台帳データ500を作成することができる。
【0055】
工事写真台帳データベース150は、工事写真台帳作成部140により日々刻々と作成されてゆく工事写真台帳データ500を保存してゆく記録装置である。なお、日々刻々と作成されてゆく経時的な途中データも蓄積保存しても良し、上書きしてゆく保存形式でも良い。
【0056】
通信I/F160は、一般的にサーバーシステムに装備されていることが多く、ここでの説明は省略する。また、制御部、入出力部、モニタを装備していても良く、ここでの説明は省略する。なお、後述するデータの流れを示す図において、制御部、入出力部、モニタ、通信I/F160が稼働していないように図示されていても技術常識の範囲で稼働しデータ処理を実行しているものとする。
【0057】
次に、現場監督や写真撮影担当者が操作するクライアント200を説明する。
クライアント200は、上記したように、写真撮影部210、撮影内容指示表示部220、通信I/F230を備えた構成となっている。この例ではスマートフォンを前提とし、スマートフォンにアプリケーションをダウンロードすることで構成された例となっている。
【0058】
写真撮影部210は、この構成例では、カメラ部211、編集入力部212、写真IDデータ付与部213を備えた構成となっている。
カメラ部211は写真画像を行う撮影装置である。ここでは、スマートフォンに搭載されているカメラ装置を適用するものとする。
編集入力部212は、撮影者による付加情報をテキスト入力または音声入力できる部分である。工事現場において工事の進捗において気付きがあれば、その内容を付加情報として残しておいたり、次の写真撮影時に参照すべき申し送り事項として入力したりできれば至便である。この編集入力部212を介して撮影した写真画像データに対して付加情報を入力する。ここでは、入力自体はスマートフォンに搭載されているテキスト入力手段や音声入力手段を用いることもできる。写真撮影部210はこれらの入力されたデータを撮影した写真画像データに付与する。
【0059】
写真IDデータ付与部213は、所定の撮影ポイントでの写真撮影時に、写真撮影にかかる写真画像データに対して、写真ID情報を付与する部分である。写真ID情報は工事写真台帳計画構築部110においてあらかじめ計画されていた撮影日時情報、撮影ポイントおよび撮影対象物にユニークに割り付けられたものであり、写真IDデータ付与部213はサーバー100の写真撮影支援部130を介してこの写真ID情報が通知され、写真撮影時に写真画像データに対してこの写真ID情報を紐づけてサーバー100に送信する。
【0060】
撮影内容指示表示部220は、写真撮影支援部130から、施工図の表示とともに、撮影内容情報(撮影場所、撮影方向、撮影角度、撮影対象物の撮影姿勢、撮影対象物の蓋や部品の展開状態などに関する情報)を表示する部分である。つまり、写真撮影支援部130から工事現場で撮影すべき撮影内容に関する情報を得て表示し、現場監督や撮影担当者に表示して撮影を支援する。この例ではスマートフォンを前提とし、スマートフォンの画面に表示すれば良い。
【0061】
通信I/F230は、一般的にクライアント200に装備されていることが多く、ここでの説明は省略する。ここでは、クライアント200としてスマートフォンを前提としているので、通信I/F230を持つ機器である。
【0062】
以下、本発明の工事写真台帳作成支援システム1の処理の流れの一例を図13図15を参照しつつまとめておく。以下の処理の流れは一例であり、処理の順番が入れ替わっても良い。
以下の流れにおいて、クラウド上のサーバー100の操作者としては、工事写真台帳計画構築部110は主に工事発注会社や設計事務所などの工事を計画・管理する者が操作することを前提としている。写真撮影支援部130はおよび工事写真台帳作成部140は、工事現場にいる現場監督や撮影担当者などとのやりとりを通じて操作入力される。また、クライアント200は、工事現場にいる現場監督や撮影担当者などが保持するスマートフォンなどの携帯型端末またはクライアント200の機能を搭載したデジタルカメラ装置を前提とし、操作者は工事現場にいる現場監督や撮影担当者自身を前提としている。
【0063】
[工事写真台帳作成支援システム1の処理の流れ1:工事開始前の流れ]
工事発注会社や設計事務所の端末(図示せず)から、特定の工事に関する施工図データ、工程表データを含む工事データが、工事写真台帳計画構築部110の工事データ入力部111に入力される(図13ステップS1)。
ここでは、例えば、図3に示した施工図データ、工程表データを含む工事データが入力される。
【0064】
次に、入力された施工図データ、工程表データを含む工事データは、撮影内容指定部112に渡され(図13ステップS2)、工事発注会社や設計事務所の端末(図示せず)に表示された施工図データ、工程表データを含む工事データに対して、撮影ポイントの設定入力(撮影場所、撮影方向、撮影角度の設定入力)、撮影対象物の設定入力(撮影対象物、その撮影姿勢、撮影対象物の蓋や部品の展開状態の設定入力)などの撮影内容が、工事発注会社や設計事務所のスタッフによって設定される(図13ステップS3)。
ここでは、例えば、図4に示したように、施工図データに対して、撮影ポイントの設定入力(撮影場所、撮影方向、撮影角度の設定入力)、撮影対象物の設定入力(撮影対象物、その撮影姿勢、撮影対象物の蓋や部品の展開状態の指定コメントの設定入力)などが実行される。
【0065】
次に、撮影内容指定部112を介した撮影内容の指定を受け、撮影内容が指定された施工図データ、工程表データを含む工事データがブランク台帳作成部113に渡され(図13ステップS4)、ブランク台帳作成部113は、標準ブランク台帳データベース120から今回の特定工事のカテゴリーについて適切な標準ブランク台帳データ300を選択する(図13ステップS5)。なお、この選択は、ブランク台帳作成部113を操作する工事発注会社や設計事務所のスタッフの選択操作によって行っても良し、ブランク台帳作成部113が自動的に抽出する形で行っても良い。
ここでは、例えば、図5から図7に示したように、標準ブランク台帳データ300が選択されたものとする。
【0066】
次に、ブランク台帳作成部113を操作する工事発注会社や設計事務所のスタッフの操作によって、今回の特定の工事に適合するように、標準ブランク台帳データ300をチューニングし、標準ブランク台帳データ300において不足している必要な情報を書き込んだり、不足している撮影予定の写真画像の貼付ページを増設したり、不要な撮影予定の写真画像の貼付ページを削除したりする(図13ステップS6)。
【0067】
次に、ブランク台帳作成部113は、工事発注会社や設計事務所のスタッフによってチューニングされた標準ブランク台帳データ300をブランク台帳データ400として決定し、貼付されるべき写真画像の埋設箇所にフレームIDも確定させ、その確定したブランク台帳データ400を写真撮影支援部130に渡す(図13ステップS7)。
ここでは、例えば、図8から図10に示したようなブランク台帳データ400が決定されたものとする。
ここまでの流れの中で、工事写真台帳計画構築部110を中心とした工事写真台帳計画が構築され、その結果として、ブランク台帳データ400が得られる。
なお、特定工事が進展する中、計画の一部が見直されたり、変更されたりする事態は実際にあり得るが、それら部分的な見直しや変更があれば、上記の図13ステップS1からS7までが随時、適宜繰り返されることにより、部分的な見直しや変更が反映されたブランク台帳データ400が得られる。
【0068】
[工事写真台帳作成支援システム1の処理の流れ2:工事中の流れ]
次に、工事が開始された後の、工事現場での処理の流れの説明に移る。
クラウドサーバー100の写真撮影支援部130とクライアント200の撮影内容表示部220はネットワークを介してデータをやりとりして連携し合い、写真撮影が支援される。例えば、現場監督や写真撮影担当者のスマートフォンから工事日に予定されている各工程、各工事において、どのような撮影内容が設定されているかを問い合わせると、写真撮影支援部130が設定されている撮影内容に関する指示データを送信してクライアント200の撮影内容表示部220に表示する(図14ステップS8)。なお、ここでは、撮影した写真画像に付与すべき写真IDデータが写真IDデータ付与部213に渡される(図14ステップS9)。
この例は、例えば、令和4年12月15日に予定されている写真撮影が問い合わされ、図11に示したような撮影内容の指示が表示されたものとする。写真撮影の撮影内容が正しく伝わるように分かりやすい表示が好ましい。ここでは、施工図上において撮影ポイントが指示され、どのような角度で何を撮影するかが表示される。さらに、従来と同様、アナログ的な工事黒板とともに撮影するよう指示を出しても良い。
なお、直近の工事写真台帳に貼付記録された写真画像を閲覧できることも好ましい。自分が今から行おうとする写真撮影が間違っていないかビジュアルで視認できるからである。
【0069】
現場監督や写真撮影担当者はクライアント200であるスマートフォンを操作して、写真撮影部210を操作し、カメラ部211を介した写真撮影(図14ステップS10)、編集入力部212を介したコメントや申し送り事項の入力(図14ステップS11)を行う。写真IDデータ付与部213は、撮影画像データに写真IDデータを紐づける(図14ステップS12)。
撮影されたそれぞれの写真データはそれぞれの写真IDデータとともに、クライアント200の写真撮影部210からクラウドサーバー100の工事写真台帳作成部140に送信される(図14ステップS13)。
【0070】
[工事写真台帳作成支援システム1の処理の流れ3:工事中の流れ]
工事写真台帳作成部140は、受け取ったそれぞれの写真データについて、それぞれの写真IDデータと対応付けられているフレームIDの箇所に埋設・貼付してゆき、工事写真台帳データ500を作成してゆく(図15ステップS14)。ここでは、この工事写真台帳データ500の作成はクライアント200から写真データが送られてくるたびにその都度行なうものとする。バッチ処理である程度まとめて行うこともあり得る。
工事写真台帳作成部140は、写真画像データを埋設・貼付した結果をクライアント200の撮影内容指示表示部220に表示し、現場監督や写真撮影担当者にその結果を確認させる(図15ステップS15)。なお、確認処理は、クラウドサーバー100を操作する権限をもつ工事発注会社や設計事務所のスタッフが行っても良い。
【0071】
工事写真台帳作成部140は、確認処理が終了した工事写真台帳データ500を工事写真台帳データベース150に格納・記録する(図15ステップS16)。なお、この格納は上書きによって格納・記録しても良いし、経時的な履歴を残すために上書き保存せずに日付データとともに工事写真台帳データベース150内に追加していっても良い。
【0072】
以上、本発明の工事写真台帳作成支援システム1を用いることにより、工事開始前にすでに作成すべき工事写真台帳としての写真画像データの埋設フレームが集まったブランク台帳が得られることとなり、工事現場では、日々の施工において指定されている撮影を行うだけで写真画像データがブランク台帳の中の該当する埋設フレームに埋設されてゆき、工事写真台帳が自動的に作成されてゆく。現場の現場監督や撮影担当者の負荷が大きく低減され、さらに、あらかじめ撮影ポイント、撮影日時、撮影対象が計画されており、それらが現場の現場監督や撮影担当者がそれら計画内容を的確に確認しながら撮影するため、いわゆる撮り忘れや撮り漏れなどがなくなる。
【0073】
以上、本発明の工事写真台帳作成支援システムの構成例における好ましい実施例を図示して説明してきたが、本発明の技術的範囲を逸脱することなく種々の変更が可能であることは理解されるであろう。
【産業上の利用可能性】
【0074】
本発明の工事写真台帳作成支援システムは、施主や工事発注会社や工事設計者や工程管理者が求めている内容の工事写真台帳の作成を支援し、工事現場で指定された写真を撮影するだけで工事写真台帳が自動的に生成される工事写真台帳作成支援システムおよび工事写真台帳作成支援プログラムとして広く適用することができる。
なお、本発明の工事写真台帳作成支援システムが適用される工事は、建設工事に限らず、土木工事、道路工事、大規模機械装置の現地組み立て設置など、事前に工程が計画的に立案され得るものであれば広く適用することができる。
【符号の説明】
【0075】
1 工事写真台帳作成支援システム
100 サーバー
110 工事写真台帳計画構築部
120 標準ブランク台帳データベース
130 写真撮影支援部
140 工事写真台帳作成部
150 制御部
160 入出力部
170 通信I/F
200 クライアント
210 写真撮影部
220 撮影内容指示表示部
230 通信I/F

【要約】
【課題】 工事の設計図や施工図や工程表の作成時に工事写真台帳に求める内容を明確化するとともに工事現場で写真を撮影するだけで工事写真台帳を自動生成する。
【解決手段】 工事写真台帳作成支援システム1は、工事開始前に施工図データおよび工程表データから作成すべき工事写真台帳の写真画像データの埋設フレームが集まったブランク台帳400を構築する工事写真台帳計画構築部110と、工事中に写真撮影を支援する写真撮影支援部130と、現場で撮影された写真画像データをブランク台帳の中の該当する埋設フレームに埋設して工事写真台帳500を作成する工事写真台帳作成部140を備える。ブランク台帳400の各々の埋設フレームにはそれぞれユニークなフレームIDが設けられており、写真撮影支援部130が撮影時に紐づけられる写真ID情報を通知し、工事写真台帳作成部140がそれらを対応付けて工事写真台帳500を作成する。
【選択図】 図1
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