(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-14
(45)【発行日】2023-12-22
(54)【発明の名称】独立速度可変周波数交流発電機
(51)【国際特許分類】
H02P 9/00 20060101AFI20231215BHJP
【FI】
H02P9/00 E
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2018211001
(22)【出願日】2018-11-09
【審査請求日】2021-11-05
(32)【優先日】2017-11-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】500520743
【氏名又は名称】ザ・ボーイング・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】The Boeing Company
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】ガオ, リジュン
(72)【発明者】
【氏名】リウ, ションイー
【審査官】安池 一貴
(56)【参考文献】
【文献】特表昭62-501188(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0244303(US,A1)
【文献】特開2003-299395(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0365814(US,A1)
【文献】特開平05-207684(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02P 9/00
H02P 103/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
独立速度可変周波数交流電流(AC)発電装置(100)であって、
ステータ(104)及び前記ステータに対して回転するように構成されたロータ(102)と、
前記ロータに取り付けられて前記ロータの回転時に第1の回転磁場を生成するように構成され、前記第1の回転磁場の回転数は、前記ロータの回転数に依存する磁場源(120)と、
前記ロータに取り付けられて前記ロータの前記回転時に第2の回転磁場を生成するように構成され、前記第2の回転磁場の回転数は、前記ロータの前記回転数に依存しない、3相以上の巻線である、ロータ主巻線(134)と、
前記第2の回転磁場をAC電力信号に変換するように構成されたステータ主巻線(138)と、
前記ロータに取り付けられ、直流電力信号を主場AC電力信号に変換するように構成されたインバータ(132)であって、前記ロータ主巻線が前記主場AC電力信号で駆動されて、前記ロータに対して回転する磁場を生成するインバータ(132)と、
前記インバータに連結された発電機制御部(124)であって、前記主場AC電力信号を制御し、それによって前記ロータに対する前記第2の回転磁場の回転速度、方向、振幅またはこれらの任意の組み合わせを制御するように構成され、前記発電機制御部は、前記ステータに取り付けられた制御回路及び前記ロータに取り付けられた制御回路を含む、
装置。
【請求項2】
前記磁場源が永久磁石を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記ステータに取り付けられて前記第1の回転磁場をAC電力信号に変換するように構成されたパイロット巻線(122)
を更に含む、請求項1又は2に記載の装置。
【請求項4】
前記ステータから前記ロータへ高周波AC電力信号を伝送するように構成された高周波変圧器(126,128)を更に含む、請求項1から3の何れか一項に記載の装置。
【請求項5】
前記ロータに取り付けられて高周波AC電力信号を直流電力信号に変換するように構成された整流器(130)を更に含む、請求項1から4の何れか一項に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、広くは交流電流(AC)発電機の分野に関し、より詳細には、独立速度可変周波数AC発電機に関する。
【背景技術】
【0002】
航空機やその他の輸送体は典型的に、AC電源を利用するシステムを含む。通常の航空機では、発電機に取り付けられた一次移動子の回転によってAC電力が生成され得る(例えば、永久磁石発電機)。発電機では、一次移動子によって回転させられた磁場を三相電力巻線を用いてAC電力信号に変換し得る。したがって、典型的な単一の発電機が生成した電力の周波数、振幅、及び位相は、一次移動子の回転数に依存し得る。
【0003】
非依存型又は周波数可変のAC電源を作成するためには、航空機の典型的な電気推進トレインが、生成したAC電力信号をまず直流(DC)電力信号へ、次にDC電力信号を非依存周波数AC電力信号へ、という二段階の電力変換を含むことがある。このAC電力信号が推進モータの駆動や輸送体内の他のAC電力利用デバイスで用いられる。変換段が2つあることでAC発電の効率が落ち、航空機システムの重量が大幅に増すことがある。その他不利な点が存在することもあろう。
【発明の概要】
【0004】
上記で挙げた不利な点のうちの少なくとも1つを克服し得るシステム及び方法を開示する。例えば、独立速度可変周波数AC発電装置は、ロータ及びステータを含み得る。ロータの主巻線に関連する回転磁場の回転数は、ロータの回転数に依存しない。
【0005】
ある実施形態で、独立速度可変周波数AC発電装置は、ロータ及びステータを含み、ロータはステータに対して回転するように構成されている。装置は、ロータに取り付けられてロータの回転時に第1の回転磁場を生成するように構成された、磁場源を更に含む。第1の回転磁場の回転数は、ロータの回転数に依存する。装置は、ロータに取り付けられてロータの回転時に第2の回転磁場を生成するように構成された、ロータ主巻線も含む。第2の回転磁場の回転数は、ロータの回転数に依存しない。
【0006】
ある実施形態で、磁場源は永久磁石を含む。ある実施形態で、装置は、ステータに取り付けられて第1の回転磁場をAC電力信号へ変換するように構成された、パイロット巻線を含む。
【0007】
ある実施形態で、装置は、AC電力信号を変調して、ロータへの伝送のための高周波AC電力信号を生成するように構成された、発電機制御部を含む。高周波AC電力信号の周波数は、ロータの回転数よりも大きい。ある実施形態で、装置は、ステータからロータへ高周波AC電力信号を伝送するように構成された、高周波変圧器を含む。ある実施形態で、高周波変圧器は、ステータに取り付けられた第1の電力変圧器巻線、及び、ロータに取り付けられた第2の電力変圧器巻線を含む。第1の電力変圧器巻線は、高周波AC電力信号を第2の電力変圧器巻線へ転送するように構成されている。ある実施形態では、高周波変圧器により、ステータとロータの間の接触式の送電機構が省略される。
【0008】
ある実施形態で、装置は、ロータに取り付けられて高周波AC電力信号をDC電力信号に変換するように構成された、整流器を含む。ある実施形態で、装置は、ロータに取り付けられてDC電力信号を主場AC電力信号へ変換するように構成されたインバータを含む。ロータ主場巻線は主場AC電力信号によって駆動される。ある実施形態で、装置は、インバータに接続されて主場AC電力信号を制御するように構成された発電機制御部を含む。これにより、ロータに対する第2の回転磁場の回転速度、方向、振幅、又はそれらの任意の組み合わせを制御する。ある実施形態で、発電機制御部は、ステータに取り付けられた制御回路とロータに取り付けられた制御回路とを含む。ロータに取り付けられた制御回路は、少なくとも1つの比例・積分・微分(PID)コントローラを含む。ある実施形態では、少なくとも1つのPIDコントローラがインバータに接続されて、第2の回転磁場の周波数を制御する。ロータに取り付けられた制御回路は、インバータに接続されて第2の回転磁場の大きさを制御する、追加のPIDコントローラを含む。ある実施形態で、ステータに取り付けられた制御回路は、ロータに取り付けられた制御回路と、制御信号カプラを介して通信可能に接続される。制御信号カプラは、ステータに取り付けられた少なくとも1つの第1の通信ディスクと、ロータに取り付けられた少なくとも1つの第2の通信ディスクとを含む。ある実施形態で、第1の通信ディスクは光信号源を含み、第2の通信ディスクはフォトトランジスタを含む。ある実施形態で、装置は、第2の回転磁場をAC電力信号へ変換するように構成された、ステータ主巻線を含む。
【0009】
ある実施形態で、独立速度可変周波数AC発電方法は、ロータに取り付けられた磁場源において、ロータの回転時に第1の回転磁場を生成することを含む。第1の回転磁場の回転数は、ロータの回転数に依存する。方法は、ロータに取り付けられたロータ主巻線において、ロータの回転時に第2の回転磁場を生成することを更に含む。第2の回転磁場の回転数は、ロータの回転数に依存しない。方法は、ステータに取り付けられたステータ主巻線において、第2の回転磁場をAC電力信号へ変換することも含む。
【0010】
ある実施形態で、方法は、第1の回転磁場をAC電力信号へ変換することと、AC電力信号を変調して高周波AC電力信号を生成することと、ステータからロータへ高周波AC電力信号を伝送することと、高周波AC電力信号をDC電力信号へ変換することと、DC電力信号を主場AC電力信号へ変換することと、を含む。ロータ主巻線は主場AC電力信号によって駆動される。ある実施形態で、方法は、発電機制御部から基準周波数信号を受信することと、基準周波数信号とロータの回転数に関連するロータ周波数信号との差である第1の中間周波数信号を生成することと、第1の中間周波数信号とロータに対する第2の回転磁場の回転数に関連した主場周波数信号との差である第2の中間周波数信号を生成することと、第2の中間周波数信号を、ロータに対する第2の回転磁場の回転速度を上げるか或いは下げるために主場AC電力信号を変化させるようインバータに指示するインバータ制御信号へ、変換することと、を含む。
【0011】
ある実施形態で、第1の中間周波数信号は、制御信号カプラを介して、ステータからロータへ送られる。制御信号カプラは、ステータに取り付けられた少なくとも1つの第1の通信ディスクと、ロータに取り付けられた少なくとも1つの第2の通信ディスクとを含む。ある実施形態で、第2の回転磁場を生成することは、第1の中間周波数信号の符号を決定することと、第2のインバータ制御信号であって、中間信号の符号に対応する方向に第2の回転磁場をロータに対して回転させるようインバータに指示する第2のインバータ制御信号を生成することと、を更に含む。ある実施形態で、方法は、発電機制御部から基準電圧信号を受信することと、基準電圧信号とAC電力信号に関連する電圧信号との差である中間電圧信号を生成することと、中間電圧信号を、第2の回転磁場の大きさを増大或いは低下させるために主場AC電力信号を変更するようインバータに指示するインバータ制御信号へ、変換することと、を含む。
【0012】
ある実施形態で、AC発電機ロータデバイスは、ロータの回転時に第1の回転磁場を生成するように構成された、磁場源を含む。第1の回転磁場の回転数は、ロータの回転数に依存する。デバイスは、ロータの回転時に第2の回転磁場を生成するように構成された、ロータ主巻線を更に含む。第2の回転磁場の回転数は、ロータの回転数に依存しない。
【0013】
ある実施形態で、デバイスは、高周波AC電力信号を受信するように構成された電力変圧器巻線と、高周波AC電力信号をDC電力信号へ変換するように構成された整流器と、DC電力信号を主場AC電力信号に変換するように構成されたインバータと、を更に含む。ロータ主巻線は主場AC電力信号により駆動される。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】独立速度可変周波数AC発電装置の実施形態の概略図である。
【
図2】独立速度可変周波数AC発電機の信号制御システムの実施形態を示すブロック図である。
【
図3】独立可変周波数周波数AC発電装置の制御信号カプラの実施形態を示す図である。
【
図4】独立速度可変周波数AC発電方法の実施形態を示すフロー図である。
【
図5】独立速度可変周波数AC発電の回転磁場を制御する方法の実施形態を示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本開示は様々な修正形態や代替形態を適用しやすいものであるが、図面には例示のため特定の実施形態を示し、それらを下記の詳細な説明で詳しく説明する。しかしながら、本開示は記載されている特定の形態に限定されるものではないことを理解されたい。むしろすべての修正形態、均等物、及び代替形態が本開示の範囲に包含されるよう意図されている。
【0016】
図1を参照すると、独立速度可変周波数AC発電装置100の実施形態が示されている。装置100は、ロータ102及びステータ104を含み得る。
図1は、AC発電の種々の段階にあるロータ102及びステータ104の特徴を示す。例えば、ロータ102及びステータ104の構成要素は、パイロット永久磁石発電機(PMG)段106、高周波(HF)変圧段108、場の制御段110、及び主マシン段112に対応し得る。
【0017】
ロータ102は一次移動子118によって回転し得る。例えば、一次移動子は、タービンエンジン、或いは回転を生じさせる他の機構であってもよい。ロータ102は磁場源120を含み得る。ある実施形態で、磁場源120は永久磁石であり得る。装置100は、ステータ104上に位置するパイロット巻線122を更に含み得る。
【0018】
パイロットPMG段106の間、一次移動子118は、ロータ102をステータ104に対して回転させ得る。ロータ102が回転すると、磁場源120とそれに関連した磁場も、ロータ102に固定されているので、回転し得る。パイロット巻線122は、磁場源120の回転が三相AC電力信号を生成するように構成され得る。この三相AC電力信号は、ロータ102の回転数に対応し且つ依存する周波数を有し得る。
【0019】
装置100は、発電機制御部124を更に含み得る。発電機制御部124は、装置100内で複数の制御機能を実施し得る。それら機能を実施するために、発電機制御部124は電力変調回路(図示せず)を含み得る。発電機制御部124は、制御信号を生成するように構成されたプロセッサ(図示せず)も含み得る。発電機制御部124は例えば、中央演算処理装置(CPU)、グラフィック処理装置(GPU)、デジタル信号処理装置(DSP)、ペリフェラルインターフェース制御装置(PIC)、他のタイプのマイクロプロセッサ、及び/又はそれらの組み合わせを含み得る。集積回路、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、特定用途集積回路(ASIC)、論理ゲート回路の組み合わせ、他のタイプのデジタルのもしくはアナログ電気コンポーネント、又はそれらの組み合わせとして実装されてもよい。
【0020】
装置100は、ステータ104上に位置する第1のHF変圧器巻線126とロータ102上に位置する第2のHF変圧器巻線128とを含み得る。HF変圧器巻線126,128は、ステータ104からロータ102へ電力を伝送するHF変圧器を形成し得る。HF変圧段108の間、発電機制御部124は、パイロット巻線122から受信した三相AC電力信号を変調して、HF三相AC電力信号を生成し得る。本書において、高周波とは、信号の周波数がロータ102の回転数よりも大きいことを意味する。HF三相電力信号の周波数が増大すると、ロータ102の回転の影響が低減する。これにより、ロータ102の回転により生じる大きな干渉や電力ロスなしに、第1のHF変圧器巻線126から第2のHF変圧器巻線128へとHF三相電力信号の伝送が可能となる。電力はHF変圧器巻線126,128を通じて伝送されるので、HF変圧段108では、ステータ104とロータ102との間の接触式送電機構が省略され得る。例えば、典型的な送電機構はスリップリング又は同様の接触式送電機構を含むことがあるが、装置100ではそのような接触式機構を省略することができる。ステータ104とロータ102との間の接触をなくすことで、アーク放電、摩耗、及び接触抵抗等の性能上の課題が回避できる。これにより信頼性が高まる一方で維持コストが下がり、ダウンタイムや電力ロスが減ることとなる。他の利点も考えられ得る。
【0021】
装置100は、整流器130及びインバータ132も含み得る。発電機制御部124は、制御信号カプラ136を介してインバータ132と通信し得る。場の制御段110の間、HF三相電力信号は第2のHF変圧器巻線128から整流器130へ伝送され得る。整流器130はHF三相AC電力信号をDC電力信号へ変換し得る。次いでDC電力信号がインバータ132へ伝送され得る。インバータ132は、発電機制御部124から制御信号カプラ136を介して制御信号を受信するように構成され得る。制御信号を介して発電機制御部124により設定されたスイッチングパラメータに基づき、インバータ132はDC電力信号を三相AC電力信号へ変換し得る。インバータ132内でスイッチングを制御することで、発電機制御部124は、周波数、位相、振幅、及び/又は三相AC電力信号のその他の属性を制御し得る。
【0022】
装置100は、ロータ主巻線134及びステータ主巻線138を含み得る。主マシン段112の間、インバータ132からの三相AC電力信号がロータ主場巻線134を駆動して、ロータ102に対して回転する磁場を生成し得る。発電機制御部124は、三相AC電力信号を制御することで、ロータ102に対する磁場の方向、回転数、振幅、及び/又は位相を制御し得る。ロータ102の追加の回転により、回転磁場が、ロータ102の回転数に依存しない回転数で生成され得る。したがって、ステータ主巻線138で生成された三相AC電力信号の周波数もまた、ロータ102の回転数に依存しないこととなる。ロータ主場巻線134を三相巻線として記載したが、本開示により利益を享受する当業者は、ロータ102に対して回転する磁場を生成するのに三相よりも多い代替的な巻線セットアップを用いてもよいことを理解するであろう。
【0023】
装置100は、システム及び/又はデバイス(図示せず)に給電する配電線140を含み得る。ある実施形態で、配電線140は、例えば非限定的に、航空機又は宇宙機などの輸送体に給電し、推進モータの駆動に用いられ得る。
【0024】
装置100の利点は、ロータ102に対して回転する磁場をロータ主場巻線134において作り出すことで、ステータ主巻線138において、ロータ102の回転数や位相に依存せずロータ102に取り付けられた永久磁石の強度に依存しない周波数、位相、及び強度を有した三相AC電力信号を生成し得ることである。他の利点も考えられ得る。
【0025】
図2を参照すると、独立速度可変周波数AC発電機の制御信号システム200が示されている。制御信号システム200は加算部206,218,244、絶対値関数212,234、及び符号関数250を含むことが機能的に図示されている。これら要素は機能的に図示されているが、それぞれ構造的要素を用いて実装されてもよい。例えば、第1の加算部206は、発電機制御部124(
図1に示す)内で動作するロジックハードウェア(デジタル論理ゲートやアナログ比較回路)、又はソフトウェアのいずれとして実装されてもよい。第2の加算部218は、ロータ102に取り付けられたロジックハードウェア及び/又はプロセッサを用いて実装されてもよい。同様に、第3の加算部244が、発電機制御部124内で動作するロジックハードウェア及び/又はソフトウェアとして実装されてもよい。絶対値関数212,234、及び符号関数250もまた、ロータ102に取り付けられたプロセッサで動作するロジックハードウェア及び/又はソフトウェアとして実装されてもよい。
【0026】
図1では発電機制御部124がステータ104に取り付けられて示されているが、複数の制御コンポーネントがロータ102に取り付けられていてもよい。例えば、加算部218、絶対値関数212,234、及び符号関数250は、発電機制御部124の部分とされてもよいが、ロータ102に取り付けられた回路として実装されてもよい。
【0027】
システム200は、基準周波数信号202を受信し得る。基準周波数信号202は、AC電源の所望の周波数を表し得る。具体的には、AC電源は、推進モータ及び/又は他のシステムやデバイスに給電するために航空宇宙の用途に使用され得る。基準周波数信号202は、発電機制御部124に「組み込まれた(hardwired)」一定の入力信号であるか、或いは調整可能な入力であり得る。例えば、システム200は、特定の負荷のニーズを満たす可変周波数を出力するように構成され得る。一定の周波数が望ましい場合には固定周波数を出力できる。他の場合、例えば負荷がモータである場合、システム200は、速度変更のニーズを満たす可変周波数を出力できる。基準周波数信号202は、プロセッサ(例えば、発電機制御部124のプロセッサ)で動作するソフトウェアを通じて、或いは他のロジック及び/又はハードウェアを通じて、生成され得る。例示的実施形態では、基準周波数信号202が400Hzに等しいことがある。この周波数はあくまで例示である。上述のように、基準周波数信号202は静的でも動的でもよく、特定の負荷に基づいて改変されてもよい。
【0028】
基準周波数信号202は、第1の加算部206においてロータ周波数信号204と合算され、基準周波数信号202とロータ周波数信号204との差を表す第1の中間信号208を生成し得る。第1の中間信号208は概念上、回転磁場の回転数の、測定されたロータ102回転数からの所望の変更を表し得る。上記の例についていえば、ロータ周波数信号204が300Hzに等しい場合、第1の中間信号208は、ロータ102の回転数(すなわち、300Hz)が基準周波数信号202(すなわち、400Hz)と等しくなるために望ましい周波数増大を表す100Hzに等しくなるであろう。第1の中間信号208は、ステータ(例えば、ステータ104)から、制御信号カプラ136を介してロータ102へ伝送され得る。
【0029】
ロータ102では第1の中間信号208が絶対値関数212に入力され、第1の中間信号208の強度信号214が生成され得る。第2の加算部218において、第1の中間信号208の強度信号214が主場周波数信号232の強度信号216と合算されて、第2の中間信号220が生成され得る。第2の中間信号220は、第1の中間信号208の強度と主場周波数信号232の強度の差を表し得る。換言すれば、第2の中間信号220は、主回転磁場の回転数の、ロータ主場巻線134における主回転磁場の現在の回転数に対する、所望の変更を表し得る。上記の例に続き、主場周波数信号232が90Hzに等しい場合には、第2の中間信号220が10Hzに等しいであろう。第2の中間信号220は、ロータ102に対する回転磁場の回転数の所望の変更を表す。
【0030】
換言すれば、例示的実施形態において、主回転磁場がロータ102に対して90Hzの周波数で回転し、ロータ102がステータ104に対して300Hzの周波数で回転し得る。したがって、主回転磁場はステータ104に対して390Hzの周波数で回転し得る。周波数400Hzの電力信号を生成するには、回転磁場の回転数は10Hz増大する必要があろう。したがって、この例では第2の中間信号220が10Hzに等しくなるであろう。
【0031】
第2の中間信号220は第1の比例・積分・微分(PID)コントローラ222に供給され得る。第1のPIDコントローラ222は、第2の中間信号220をインバータ制御信号224に変換し得る。インバータ制御信号224は、ロータ主場巻線134に供給される三相電流228を調整するようインバータ132を指示する。ロータ主場巻線134を通過した三相電流228は回転磁場を作り出し、回転磁場の周波数、大きさ、及び位相は、三相電流228の周波数、大きさ、及び位相に依存する。三相電流228を調整することで、インバータ132は、ロータ102に対する回転磁場の回転を制御し、これにより回転磁場の回転数がロータ102の回転数から分離される。第1のPIDコントローラ222は発電機制御部124の部分であってよく、ロータ102に接続されていてもよい。
【0032】
三相電流228から主場周波数信号232が測定、導出されて、第2の加算部218でフィードバック信号として用いられ得る。主場周波数信号232は絶対値関数234を通過し、第2の加算部218で用いる主場周波数信号232の強度信号216を生成し得る。同様に、ロータ102の回転数に基づき、ロータ速度エンコーダがロータ周波数信号204を測定、導出し得る。ロータ速度エンコーダは、ロータに取り付けられた第1の部分236、及びステータに取り付けられた第2の部分237を含み得る。ある実施形態で、第1の部分は磁場源又は光源であり、第2の部分237は、磁場源又は光源から受信した信号に基づきロータ102の回転数を算出するように構成された検出器であり得る。ロータ周波数信号204は、第1の加算部206で用いるフィードバック信号として供給され得る。
【0033】
第1の中間信号208は、符号関数250にも送られ得る。符号関数250は、第1の中間信号208を方向信号252に変換し得る。方向信号252は、ロータ102に対する回転磁場の所望の回転方向を示し得る。負の方向信号は、所望の回転数がロータ102の回転数よりも小さいことを示し得る。正の方向信号は、所望の回転数がロータ102の回転数よりも大きいことを示し得る。方向信号252は、ロータ102に対する回転磁場の所望の回転方向を実現するよう三相電流228を制御するために、インバータ132で用いられ得る。
【0034】
システム200はさらに、基準電圧信号238を受信し得る。基準電圧信号238は、AC電源の所望の電圧を表し得る。具体的には、AC電源は、推進モータ及び/又は他のシステムやデバイスに給電するために航空宇宙の用途に使用され得る。基準電圧信号238は、発電機制御部124に「組み込まれた(hardwired)」一定の入力信号であるか、或いは調整可能な入力であり得る。これはプロセッサ(例えば、発電機制御部124のプロセッサ)で動作するソフトウェアを通じて、或いは他のロジック及び/又はハードウェアを通じて、生成され得る。例示的実施形態では、基準電圧信号238が105VAC又は230VACに等しいことがある。
【0035】
基準電圧信号238は、第3の加算部244でステータ出力電圧信号242と合算され、基準電圧信号238とステータ出力電圧信号242の差を表す第3の中間信号240を生成し得る。第3の中間信号240は概念上、ロータ主場巻線134における回転磁場によって主段ステータ巻線138で生成される、所望の電圧変化を表し得る。第3の中間信号240は、制御信号カプラ136を介して、ステータ(例えば、ステータ104)からロータ102に伝送され得る。
【0036】
第3の中間信号240が第2のPIDコントローラ246に供給され得る。第2のPIDコントローラ246は、第3の中間信号240をインバータ制御信号248に変換し得る。インバータ制御信号248は、ロータ主場巻線134に供給される三相電流228を調整するようインバータ132に指示する。具体的には、回転磁場の大きさを増大又は低減させるよう、三相電流228の大きさが調整されることにより、結果としてより大きな又はより小さな電圧が主段ステータ巻線138で生成され得る。第1のPIDコントローラ222と同様、第2のPIDコントローラ246は発電機制御部124の部分であってよく、ロータ102に接続されていてもよい。
【0037】
システム200の利点は、主段ステータ巻線138においてロータ102の周波数に依存しない周波数、位相、及び電圧を有したAC電源を生成するために、回転磁場の位相、大きさ、及び周波数のそれぞれがロータ主場巻線134で制御されることである。他の利点も考えられ得る。
【0038】
図3を参照すると、独立可変周波数周波数AC発電装置の制御信号カプラ136の実施形態が示されている。制御信号カプラ136は、第1の送受信機302及び第2の送受信機304を含み得る。ある実施形態で、制御信号カプラ136は一方向通信するように構成され得る。その場合、第1の送受信機302は実際には送信機であり、一方第2の送受信機304は実際には受信機であり、逆の場合もあり得る。
【0039】
制御信号カプラ136は、ステータ(例えば、ステータ104)に取り付けられ得る第1の通信ディスク306、及び、ロータ102に取り付けられ得る一又は複数の第2の通信ディスク308を更に含み得る。ある実施形態で、第1の通信ディスク306は光源(例えば、エミッタ)を含み、第2の通信ディスク308は光検出器(例えば、フォトトランジスタ)を含み得る。
【0040】
動作中、制御信号310が第1の送受信機302に送られ得る。ロータ102が回転している間、第1の送受信機302は、第1の通信ディスク306から一又は複数の第2の通信ディスク308へデータを伝送し得る。伝送は、一又は複数の第2の通信ディスク308が第1の通信ディスク306に対向している間に発生するようタイミングされ得る。一又は複数の第2の通信ディスク308は対向していない間は、伝送が停止され得る。
図3には第2の通信ディスク308が4つ示されているが、4つよりも多いか或いは少なくてもよい。第2の通信ディスク308がさらに多ければ、通信の中断が低減され得る。
【0041】
制御信号カプラ136の利点は、接触式信号カプラに比べて摩擦が少ないことである。これにより装置100における電力ロスが少なくなる。本明細書で説明するように、ステータ104とロータ102の接触をなくすことで、アーク放電、摩耗、及び接触抵抗などの性能上の課題が避けられ得る。これにより信頼性が高まる一方で維持コストが下がり、ダウンタイムや電力ロスが減ることとなる。他の利点も考えられ得る。
【0042】
図4を参照すると、独立速度可変周波数AC発電の方法400の実施形態が示されている。方法400は、402で、ロータに取り付けられた磁場源において、ロータの回転時に第1の回転磁場を生成することを含み、第1の回転磁場の回転数はロータの回転数に依存し得る。例えば、ロータ102が回転すると磁場源120で第1の回転磁場が生成され得る。
【0043】
方法400は、404で、第1の回転磁場をAC電力信号に変換することを更に含み得る。例えば、パイロット巻線122が第1の回転磁場を、発電機制御部124へ送られるAC電力信号に変換するように構成され得る。
【0044】
方法400は、406で、AC電力信号を変調して高周波AC電力信号を生成することも含み得る。例えば、発電機制御部124は、AC電力信号を変調して、第1のHF変圧器巻線126に送られるHF三相AC電力信号を生成し得る。
【0045】
方法400は、408で、ステータからロータへ高周波AC電力信号を伝送することを含み得る。例えば、第1のHF変圧器巻線126は、HFAC電力信号を第2のHF変圧器巻線128へ伝送し得る。
【0046】
方法400は、410で、高周波AC電力信号をDC電力信号に変換することを更に含み得る。例えば、整流器130は、HFAC電力信号を、インバータ132へ伝送されるDC電力信号に変換し得る。
【0047】
方法400は、412で、DC電力信号を主場AC電力信号に変換することも含み得る。ロータに取り付けられたロータ主巻線が主場AC電力信号で駆動され得る。例えば、インバータ132はDC電力信号を、ロータ主巻線134を駆動する主場AC電力信号へ変換し得る。
【0048】
方法400は、414で、ロータ主巻線において、ロータの回転時に第2の回転磁場を生成することを含み得る。第2の回転磁場の回転数は、ロータの回転数に依存しない。例えば、主場AC電力信号に基づき、ロータ主巻線134は、ロータ102とは独立して回転する第2の回転磁場を生成し得る。
【0049】
方法400は、416で、ステータに取り付けられたステータ主巻線において、第2の回転磁場をAC電力信号に変換することも含み得る。例えば、ステータ主巻線138は、第2の回転磁場を、様々なACシステムへ配電するAC電力信号に変換し得る。
【0050】
方法400の利点は、ロータ102とは独立して回転する第2の回転磁場を生成することで、ACシステムの電力信号の周波数、位相、及び強度がロータ102の回転数とは独立し得ることである。更に、発電するために追加の段階を含む典型的な定速発電システムと比べて、必要な電力変換段が少なく済み得る。必要な変換段がより少ないことで、方法400では効率が上がりかつ重量上の要件が低くなり得る。他の利点も考えられ得る。
【0051】
図5を参照すると、独立速度可変周波数AC発電において回転磁場を制御する方法500が示されている。方法500は、
図4の方法400と併用されるか或いはその一部であってもよい。
【0052】
方法500は、502で、発電機制御部から基準周波数信号を受信することを含み得る。例えば、基準周波数信号202は、発電機制御部124で受信され得る。
【0053】
方法500は、504で、基準周波数信号とロータの回転数に関連するロータ周波数信号との差である第1の中間周波数信号を生成することを更に含み得る。例えば、第1の中間信号208が生成され得る。
【0054】
方法500は、506で、ステータから制御信号カプラを介してロータへ第1の中間周波数信号を送ることも含み得る。制御信号カプラは、ステータに取り付けられた少なくとも1つの第1の通信ディスク及びロータに取り付けられた少なくとも1つの第2の通信ディスクを含む。例えば、第1の中間信号208が、制御信号カプラ136を介してロータ102に送られ得る。制御信号カプラ136は、第1の通信ディスク306と少なくとも1つの第2の通信ディスク308とを含み得る。
【0055】
方法500は、508で、第1の中間周波数信号とロータに対する第2の磁場の回転数に関連した主場周波数信号との差である第2の中間周波数信号を生成することも含み得る。例えば、第2の中間信号220が生成され得る。
【0056】
方法500は、510で、第2の中間周波数信号を、ロータに対する第2の回転磁場の回転速度を上げるか或いは下げるために主場AC電力信号を変化させるようにインバータに指示するインバータ制御信号へ、変換することを含み得る。例えば、第1のPIDコントローラ222において、第2の中間信号220はインバータ制御信号224に変換され得る。
【0057】
方法500は、512で、第1の中間信号の符号を決定することと、中間信号の符号に対応する方向に第2の回転磁場をロータに対して回転させるようインバータに指示する第2のインバータ制御信号を、生成することとを更に含み得る。例えば、第1の中間信号208の符号は、符号関数250で決定され、インバータ132に送られ得る。
【0058】
方法500は、514で、発電機制御部から基準電圧信号を受信することも含み得る。例えば、発電機制御部124から基準電圧信号238が受信され得る。
【0059】
方法500は、516で、基準電圧信号とAC電力信号に関連する電圧信号との差である中間電圧信号を生成することを含み得る。例えば、中間電圧信号240が生成され得る。
【0060】
方法500は、518で、中間電圧信号を、第2の回転磁場の大きさを増大又は低減させるために主場AC電力信号を変化させるようインバータを指示するインバータ制御信号に、変換することを更に含み得る。例えば、中間電圧信号240がインバータ制御信号248に変換され得る。
【0061】
更に、本発明は下記の条項に記載の実施形態を含む。
【0062】
条項1
ロータ及びステータと、ロータに取り付けられてロータの回転時に第1の回転磁場を生成するように構成された磁場源と、ロータに取り付けられてロータの回転時に第2の回転磁場を生成するように構成されたロータ主巻線と、を含む、独立速度可変周波数交流電流(AC)発電装置であって、ロータはステータに対して回転するように構成されており、第1の回転磁場の回転数がロータの回転数に依存し、第2の回転磁場の回転数がロータの回転数に依存しない、装置。
【0063】
条項2
磁場源が永久磁石を含む、条項1に記載の装置。
【0064】
条項3
ステータに取り付けられて第1の回転磁場をAC電力信号に変換するように構成されたパイロット巻線を更に含む、条項1に記載の装置。
【0065】
条項4
AC電力信号を変調して、ロータへ伝送するための高周波AC電力信号を生成するように構成された、発電機制御部を更に含み、高周波AC電力信号の周波数がロータの回転数よりも大きい、条項3に記載の装置。
【0066】
条項5
ステータからロータへ高周波AC電力信号を伝送するように構成された高周波変圧器を更に含む、条項1に記載の装置。
【0067】
条項6
高周波変圧器が、ステータに取り付けられた第1の電力変圧器巻線と、ロータに取り付けられた第2の電力変圧器巻線とを含み、第1の電力変圧器巻線が高周波AC電力信号を第2の電力変圧器巻線に転送するように構成されている、条項5に記載の装置。
【0068】
条項7
高周波変圧器により、ステータとロータの間の接触式送電機構が省略される、条項5に記載の装置。
【0069】
条項8
ロータに取り付けられて高周波AC電力信号を直流電力信号に変換するように構成された整流器を更に含む、条項1に記載の装置。
【0070】
条項9
ロータに取り付けられて直流電力信号を主場AC電力信号に変換するように構成されたインバータを更に含み、ロータ主場巻線が主場AC電力信号によって駆動される、条項1に記載の装置。
【0071】
条項10
インバータに接続されて、主場AC電力信号を制御することによりロータに対する第2の回転磁場の回転速度、方向、振幅、又はそれらの任意の組み合わせを制御するように構成された、発電機制御部を更に含む、条項9に記載の装置。
【0072】
条項11
発電機制御部が、ステータに取り付けられた制御回路とロータに取り付けられた制御回路とを含み、ロータに取り付けられた制御回路が少なくとも1つの比例・積分・微分(PID)コントローラを含む、条項10に記載の装置。
【0073】
条項12
少なくとも1つのPIDコントローラは、インバータに接続されて第2の回転磁場の周波数を制御し、ロータに取り付けられた制御回路は、インバータに接続されて第2の回転磁場の大きさを制御する追加のPIDコントローラを含む、条項11に記載の装置。
【0074】
条項13
ステータに取り付けられた制御回路が、ロータに取り付けられた制御回路に、制御信号カプラを介して通信可能に接続されており、制御信号カプラは、ステータに取り付けられた少なくとも1つの第1の通信ディスクとロータに取り付けられた少なくとも1つの第2の通信ディスクとを含む、条項11に記載の装置。
【0075】
条項14
第1の通信ディスクが光信号源を含み、第2の通信ディスクがフォトトランジスタを含む、条項13に記載の装置。
【0076】
条項15
第2の回転磁場をAC電力信号に変換するように構成されたステータ主巻線を更に含む、条項1に記載の装置。
【0077】
条項16
独立速度可変周波数交流電流(AC)を生成する方法であって、ロータに取り付けられた磁場源においてロータの回転時に第1の回転磁場を生成することと、ロータに取り付けられたロータ主巻線においてロータの回転時に第2の回転磁場を生成することと、ステータに取り付けられたステータ主巻線において第2の回転磁場をAC電力信号に変換することと、を含み、第1の回転磁場の回転数がロータの回転数に依存し、第2の回転磁場の回転数がロータの回転数に依存しない、方法。
【0078】
条項17
第1の回転磁場をAC電力信号に変換することと、AC電力信号を変調して高周波AC電力信号を生成することと、ステータからロータへ高周波AC電力信号を伝送することと、高周波AC電力信号を直流(DC)電力信号に変換することと、DC電力信号を主場AC電力信号に変換することと、を更に含み、ロータ主巻線が主場AC電力信号で駆動される、条項16に記載の方法。
【0079】
条項18
第2の回転磁場を生成することが、発電機制御部から基準周波数信号を受信することと、基準周波数信号とロータの回転数に関連するロータ周波数信号との差である第1の中間周波数信号を生成することと、第1の中間周波数信号とロータに対する第2の回転磁場の回転数に関連した主場周波数信号との差である第2の中間周波数信号を生成することと、第2の中間周波数信号を、ロータに対する第2の回転磁場の回転速度を上げるか或いは下げるために主場AC電力信号を変化させるようインバータを指示するインバータ制御信号に、変換することと、を含む、条項16に記載の方法。
【0080】
条項19
第1の中間周波数信号が、ステータに取り付けられた少なくとも1つの第1の通信ディスクとロータに取り付けられた少なくとも1つの第2の通信ディスクとを含む制御信号カプラを介して、ステータからロータへ送られる、条項18に記載の方法。
【0081】
条項20
第2の回転磁場を生成することが、第1の中間周波数信号の符号を決定することと、中間信号の符号に対応する方向に第2の回転磁場をロータに対して回転させるようインバータを指示する第2のインバータ制御信号を、生成することと、を更に含む、条項18に記載の方法。
【0082】
条項21
発電機制御部から基準電圧信号を受信することと、基準電圧信号とAC電力信号に関連する電圧信号との差である中間電圧信号を生成することと、中間電圧信号を、第2の回転磁場の大きさを増大又は低減するために主場AC電力信号を変化させるようインバータに指示するインバータ制御信号に、変換することと、を更に含む、条項18に記載の方法。
【0083】
条項22
交流電流(AC)発電機ロータデバイスであって、ロータの回転時に第1の回転磁場を生成するように構成された磁場源と、ロータの回転時に第2の回転磁場を生成するように構成されたロータ主巻線と、を含み、第1の回転磁場の回転数がロータの回転数に依存し、第2の回転磁場の回転数がロータの回転数に依存しない、デバイス。
【0084】
条項23
高周波AC電力信号を受信するように構成された電力変圧器巻線と、高周波AC電力信号を直流(DC)電力信号に変換するように構成された整流器と、DC電力信号を主場AC電力信号に変換するように構成されたインバータと、を更に含み、ロータ主巻線が主場AC電力信号で駆動される、条項22に記載のデバイス。
【0085】
様々な実施形態を図示及び記載したが本開示はそれらに限定されるものでなく、当業者にとっては自明であろう変更や変形形態がすべて含まれることを理解されたい。