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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-14
(45)【発行日】2023-12-22
(54)【発明の名称】照明器具
(51)【国際特許分類】
   F21V 17/00 20060101AFI20231215BHJP
   F21S 8/02 20060101ALI20231215BHJP
   F21V 29/503 20150101ALI20231215BHJP
   F21V 29/76 20150101ALI20231215BHJP
   F21V 23/00 20150101ALI20231215BHJP
   F21V 15/01 20060101ALI20231215BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20231215BHJP
【FI】
F21V17/00 200
F21S8/02 420
F21V29/503
F21V29/76
F21V23/00 160
F21V15/01 310
F21Y115:10 300
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2019190094
(22)【出願日】2019-10-17
(65)【公開番号】P2021064588
(43)【公開日】2021-04-22
【審査請求日】2022-03-24
(73)【特許権者】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】390014546
【氏名又は名称】三菱電機照明株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001461
【氏名又は名称】弁理士法人きさ特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】森本 喬太
(72)【発明者】
【氏名】神野 昌幸
(72)【発明者】
【氏名】臼井 昭男
【審査官】野木 新治
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-021422(JP,A)
【文献】特開2009-252517(JP,A)
【文献】特開2016-207374(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21V 17/00
F21S 8/02
F21V 29/503
F21V 29/76
F21V 23/00
F21V 15/01
F21Y 115/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光を照射する光源ユニットと、
前記光源ユニットの下部に設けられ、該光源ユニットを保持する枠部材と、を備え、
前記光源ユニットは、
光を発光する光源部と、
前記光源部が発光した光の配光を制御するレンズと、を有し、
前記枠部材は、
照射側に向かって拡がる筒状の反射部と、
前記反射部の開口縁に沿って設けられ、該反射部の上面から前記光源ユニットに向かって立ち上がる筒状の内筒部と、を有し、
前記レンズは、前記内筒部の筒内に収容され、前記内筒部の下端部から開口に向かって突き出した前記反射部の開口縁に載置された状態で、上端縁が前記光源部に押さえ付けられて位置が固定されており、
前記光源部は、発光基板と、前記発光基板の周囲を囲って保持するソケットと、を有し、
前記内筒部には、上端縁の一部に前記ソケットの外周面に面接触する凸壁部が形成されており、
前記光源部は、前記凸壁部と前記ソケットの前記外周面とが面接触することによって、前記内筒部へ誘導されて前記レンズを押さえ付ける構成である、照明器具。
【請求項2】
前記光源ユニットは、前記光源部から発生する熱を放熱するヒートシンクを更に有し、
前記枠部材は、前記内筒部の外周に設けられ、前記反射部の上面から前記光源ユニットに向かって立ち上がる筒状の外筒部を更に有しており、
前記ヒートシンクは、前記光源部を取り付ける平板状のベース部を有し、
前記外筒部は、上端縁が前記内筒部の上端縁よりも前記光源ユニットに向かって突き出し、上端縁で前記ベース部を載置させて支持する構成とされ、
前記ベース部と前記内筒部との間には、電線を通すための隙間が形成されている、請求項1に記載の照明器具。
【請求項3】
前記ベース部には、外周縁の一部を切り欠いた切り欠き部が形成されており、
前記外筒部には、上端縁の一部に前記切り欠き部に嵌まる凸部が形成されており、
前記切り欠き部と前記凸部は、前記外筒部の上端縁に前記ベース部を支持させる際の位置決め機構となる、請求項に記載の照明器具。
【請求項4】
光を照射する光源ユニットと、
前記光源ユニットの下部に設けられ、該光源ユニットを保持する枠部材と、を備え、
前記光源ユニットは、
光を発光する光源部と、
前記光源部が発光した光の配光を制御するレンズと、を有し、
前記枠部材は、
照射側に向かって拡がる筒状の反射部と、
前記反射部の開口縁に沿って設けられ、該反射部の上面から前記光源ユニットに向かって立ち上がる筒状の内筒部と、を有し、
前記レンズは、前記内筒部の筒内に収容され、前記内筒部の下端部から開口に向かって突き出した前記反射部の開口縁に載置された状態で、上端縁が前記光源部に押さえ付けられて位置が固定されており、
前記光源ユニットは、前記光源部から発生する熱を放熱するヒートシンクを更に有し、
前記枠部材は、前記内筒部の外周に設けられ、前記反射部の上面から前記光源ユニットに向かって立ち上がる筒状の外筒部を更に有しており、
前記ヒートシンクは、前記光源部を取り付ける平板状のベース部を有し、
前記外筒部は、上端縁が前記内筒部の上端縁よりも前記光源ユニットに向かって突き出し、上端縁で前記ベース部を載置させて支持する構成とされ、
前記ベース部と前記内筒部との間には、電線を通すための隙間が形成されており、
前記ベース部には、外周縁の一部を切り欠いた切り欠き部が形成されており、
前記外筒部には、上端縁の一部に前記切り欠き部に嵌まる凸部が形成されており、
前記切り欠き部と前記凸部は、前記外筒部の上端縁に前記ベース部を支持させる際の位置決め機構となる、照明器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、天井等の被取付部に取り付けられる照明器具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、天井等の被取付部に取り付けられる照明器具が知られている。例えば特許文献1には、照明モジュールと、照明モジュールを天井等の裏側で支持する器具本体と、を有した照明器具が開示されている。照明モジュールは、ヒートシンクと、LED光源と、ヒートシンクに取り付けられた筒状の取付プレートと、取付プレートに接続され、LED光源の周囲を覆うレンズと、を有している。ヒートシンクには、器具本体に向かって突き出す突出部が設けられている。LED光源は、突出部の先端面に取り付けられている。
【0003】
取付プレートは、レンズが固定される第1平板部と、ヒートシンクの突出部を嵌め込む第2平板部と、第1平板部と第2平板部との間に配置された第3平板部と、の3段構造で構成されている。第1平板部の外周面には、レンズを接合するための係合溝が形成されている。レンズは、湾曲面からなるレンズ部と、レンズ部の外周縁から立ち上がる筒部と、筒部の上面に設けられた取付部と、を有している。取付部は、環状の側壁部と、側壁部に切り欠いて形成された3つの係合部と、を有している。レンズは、係合部を係合溝に係合させることで、取付プレートの第1平板部に取り付けられる。つまり、レンズは、取付プレートを介してヒートシンクに取り付けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2019-21504号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1の照明装置では、レンズとヒートシンクとの間に3段構造の取付プレートを介在させる構成なので、レンズをヒートシンクに取り付ける構造が複雑となり、組立作業に手間と時間を要する。また、この照明装置では、3段構造の取付プレートを必要とする分だけ部材点数が増えるし、レンズと取付プレートとを係合させる構造を形成する必要があるので、製造コストが嵩むおそれがある。
【0006】
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、組立作業の作業性の向上させることができる照明器具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る照明器具は、光を照射する光源ユニットと、前記光源ユニットの下部に設けられ、該光源ユニットを保持する枠部材と、を備え、前記光源ユニットは、光を発光する光源部と、前記光源部が発光した光の配光を制御するレンズと、を有し、前記枠部材は、照射側に向かって拡がる筒状の反射部と、前記反射部の開口縁に沿って設けられ、該反射部の上面から前記光源ユニットに向かって立ち上がる筒状の内筒部と、を有し、前記レンズは、前記内筒部の筒内に収容され、前記内筒部の下端部から開口に向かって突き出した前記反射部の開口縁に載置された状態で、上端縁が前記光源部に押さえ付けられて位置が固定されており、前記光源部は、発光基板と、前記発光基板の周囲を囲って保持するソケットと、を有し、前記内筒部には、上端縁の一部に前記ソケットの外周面に面接触する凸壁部が形成されており、前記光源部は、前記凸壁部と前記ソケットの前記外周面とが面接触することによって、前記内筒部へ誘導されて前記レンズを押さえ付ける構成であるものである。
また、本発明に係る照明器具は、光を照射する光源ユニットと、前記光源ユニットの下部に設けられ、該光源ユニットを保持する枠部材と、を備え、前記光源ユニットは、光を発光する光源部と、前記光源部が発光した光の配光を制御するレンズと、を有し、前記枠部材は、照射側に向かって拡がる筒状の反射部と、前記反射部の開口縁に沿って設けられ、該反射部の上面から前記光源ユニットに向かって立ち上がる筒状の内筒部と、を有し、前記レンズは、前記内筒部の筒内に収容され、前記内筒部の下端部から開口に向かって突き出した前記反射部の開口縁に載置された状態で、上端縁が前記光源部に押さえ付けられて位置が固定されており、前記光源ユニットは、前記光源部から発生する熱を放熱するヒートシンクを更に有し、前記枠部材は、前記内筒部の外周に設けられ、前記反射部の上面から前記光源ユニットに向かって立ち上がる筒状の外筒部を更に有しており、前記ヒートシンクは、前記光源部を取り付ける平板状のベース部を有し、前記外筒部は、上端縁が前記内筒部の上端縁よりも前記光源ユニットに向かって突き出し、上端縁で前記ベース部を載置させて支持する構成とされ、前記ベース部と前記内筒部との間には、電線を通すための隙間が形成されており、前記ベース部には、外周縁の一部を切り欠いた切り欠き部が形成されており、前記外筒部には、上端縁の一部に前記切り欠き部に嵌まる凸部が形成されており、前記切り欠き部と前記凸部は、前記外筒部の上端縁に前記ベース部を支持させる際の位置決め機構となるものである。
【発明の効果】
【0008】
本発明の照明器具によれば、レンズは、枠部材の内筒部に収容され、反射部の開口縁に載置された状態で、上端縁が光源部に押さえ付けられてその位置が固定される。よって、組立作業の作業性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】実施の形態に係る照明器具を示した斜視図である。
図2】実施の形態に係る照明器具を分解して示した斜視図である。
図3】実施の形態に係る照明器具であって、光源ユニットと枠部材とを分離させて示した斜視図である。
図4】実施の形態に係る照明器具であって、レンズを枠部材の内筒部に収容した状態を模式的に示した説明図である。
図5】実施の形態に係る照明器具のヒートシンクを示した平面図である。
図6図5に示したヒートシンクに電源装置を挿入した状態を示した平面図である。
図7】実施の形態に係る照明器具の枠部材を示した斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。なお、各図中、同一又は相当する部分には、同一符号を付して、その説明を適宜省略又は簡略化する。また、各図に記載の構成について、その形状、大きさ、及び配置等は、本発明の範囲内で適宜変更することができる。
【0011】
実施の形態.
図1は、実施の形態に係る照明器具を示した斜視図である。図2は、実施の形態に係る照明器具を分解して示した斜視図である。図3は、実施の形態に係る照明器具であって、光源ユニットと枠部材とを分離させて示した斜視図である。図4は、実施の形態に係る照明器具であって、レンズを枠部材の内筒部に収容した状態を模式的に示した説明図である。図5は、実施の形態に係る照明器具のヒートシンクを示した平面図である。図6は、図5に示したヒートシンクに電源装置を挿入した状態を示した平面図である。図6では、電源装置4が位置する部分をドットにより示している。図7は、実施の形態に係る照明器具の枠部材を示した斜視図である。
【0012】
図1に示した照明器具100は、例えば天井等の被取付部に形成された小径の埋込穴に挿入されるダウンライトである。小径の埋込穴とは、例えば直径が75mm~85mm程度の円形状の穴である。なお、埋込穴が四角形の場合では、対角線の長さが75mm~85mm程度である。この照明器具100は、光を照射する光源ユニット10と、光源ユニット10の下部に設けられ、該光源ユニット10を保持する枠部材20と、を備えている。
【0013】
光源ユニット10は、室内等に向かって光を照射するものである。光源ユニット10は、枠部材20によって保持されている。光源ユニット10は、図1及び図2に示すように、光源部1と、レンズ2と、ヒートシンク3と、電源装置4と、端子台5と、を有している。
【0014】
光源部1は、光を発光するものである。光源部1は、図2図4に示すように、発光基板1aと、ソケット1bと、遮光シート1cと、絶縁シート1dと、を有している。発光基板1aは、発光素子が実装された基板である。発光素子は、例えばCOB(Chip On Board)-LEDである。ソケット1bは、中央に開口を有しており、中央の開口部分に嵌め込んだ発光基板1aを保持するものである。発光素子から発光された光は、ソケット1bの開口を通って照射される。ソケット1bには、電源装置4に接続された電線(図示省略)が接続されている。光源部1は、当該電線を介して電源装置4と発光基板1aとが電気的に接続されている。遮光シート1cは、発光素子から発光された光がレンズ2へ入光する際に、周囲に漏れないようにするために設けられている。遮光シート1cは、円環状であり、開口縁がソケット1bの下面とレンズ2の上部縁との間に挟まれて配置されている。絶縁シート1dは、平板状であり、発光基板1aとヒートシンク3との間に配置され、発光基板1aとヒートシンク3とを絶縁するために設けられている。
【0015】
レンズ2は、図2図4に示すように、照射側に向かって拡がる円錐台形状に構成されている。レンズ2は、発光素子から発光された光が目標の方向に照射されるように配光を制御する。レンズ2の照射側である底面縁には、外側に向かって突出するフランジ部2aが設けられている。レンズ2の上面には、発光素子から発光された光を内部に入光させる入射凹部2bが形成されている。なお、レンズ2は、図示した形状に限定されず、他の形状でもよい。
【0016】
ヒートシンク3は、図1図3に示すように、円板状のベース部30と、ベース部30の上面から立ち上がる円筒状の筒部31と、筒部31の外周面から径方向に突き出す複数枚のフィン32と、を有している。ヒートシンク3は、例えばアルミニウム合金等の熱伝導率の高い金属を鋳造用金型に押し込んで成形される。ヒートシンク3は、ベース部30の下面に取り付けられた光源部1から伝わった熱をフィン32から空気中に放出するものである。
【0017】
ベース部30には、図5に示すように、光源部1を取り付けるための接続孔30aが形成されている。光源部1は、図2に示すように、絶縁シート1dをベース部30の下面に当接させ、ソケット1bと絶縁シート1dに形成された貫通孔に共通に通したネジ等の接合部材8を接続孔30aにねじ込んで、ベース部30に固定される。
【0018】
また、ベース部30には、図5に示すように、電源装置4から発光基板1aに電源を供給するための出力電線(図示省略)を通す電線孔30bが形成されている。電線孔30bは、筒部31に囲まれた範囲内に形成されている。また、ベース部30には、光源ユニット10を枠部材20に固定させるための取付孔30cが形成されている。取付孔30cは、筒部31の外側に形成されている。取付孔30cには、図2に示すネジ等の接合部材9の軸部が通される。また、図5に示すように、ベース部30には、外周縁の一部を切り欠いた切り欠き部30dが形成されている。
【0019】
筒部31は、図5に示すように、内面側から外面側に向かって突き出す同一形状の湾曲面によって周方向に沿った波形状をなす波形状壁面部31a及び31bを有している。波形状壁面部31a及び31bは、筒部31の径方向に対向させて形成されるように、筒部31の周方向に間隔をあけて2箇所に形成されている。図示例の場合では、一方の波形状壁面部31aに湾曲面が2つ形成され、他方の波形状壁面部31bに湾曲面が3つ形成されている。筒部31は、周方向において波形状壁面部31a及び31bの間に、波形状とされていない壁面が設けられている。
【0020】
対向する波形状壁面部31a及び31bは、波形の頂部同士が対向しないように湾曲面の位置をずらして形成されている。これは、電源装置4の外面と波形状壁面部31a及び31bの内側の突出した部位とが接触する箇所を、一部に偏ることなく周方向に分散させて、電源装置4の外側面を波形状壁面部31a及び31bの内側面で均等に挟持するためである。つまり、照明器具100は、ヒートシンク3の筒部31の内部で電源装置4をしっかりと保持することができる。なお、対向する波形状壁面部31a及び31bは、図5に示すように、湾曲面を半円弧ずらして形成することが望ましいが、これに限定するものではない。
【0021】
フィン32は、光源部1から発生する熱を放熱するために設けられている。フィン32は、図5に示すように、波形状壁面部31a及び31bに設けられている。図示例の場合では、一例として、湾曲面を2つ有する波形状壁面部31aにフィン32が5つ設けられ、湾曲面を3つ有する波形状壁面部31bにフィン32が6つ設けられている。なお、フィン32の枚数は、図示例に限定されるものではない。
【0022】
フィン32は、ベース部30の上面に対して、略垂直な面を有する板状であり、筒部31の周方向に間隔をあけて設けられている。フィン32は、図5に示す平面的に見て、波形状壁面部31a及び31bからベース部30の外縁部まで形成されている。なお、取付孔30cが形成された箇所に位置するフィン32は、取付孔30cに挿入される接合部材9を考慮した長さで形成されている。また、複数のフィン32のうち少なくとも一部は、波形状壁面部31a及び31bにおける湾曲面の頂部から外方へ向かって突き出している。これにより、フィン32を電源装置4からできるだけ遠ざけた位置に設けることができるので、フィン32が電源装置4の発生する熱の影響を受け難くなり、光源部1から発生する熱を効果的に外部へ放出させることができる。なお、フィン32は、光源部1の明るさ、即ち光源部1が発する熱量によって、枚数を変更してもよいし、面積を変更して設けてもよい。
【0023】
電源装置4は、端子台5を介して外部から供給される電力を変化させ、光源部1の発光基板1aに電力を供給するものである。電源装置4は、図2に示すように、例えば筒状のハウジング4bに電源基板4aが覆われて保護された構成である。ハウジング4bは、例えば樹脂製である。電源装置4は、図6に示すように、ヒートシンク3の筒部31の内部に挿入されて収容され、ハウジング4bの外面が波形状壁面部31a及び31bの内側の突出した部位と接触する。ハウジング4bの外面と、波形状壁面部31a及び31bの湾曲面との間には、ヒートシンク3から電源装置4に伝達される熱を抑制するための空間が形成される。照明器具100は、電源装置4をヒートシンク3の筒部31の内部に収容することで、電源装置4を別置きする等の必要がなくなり、小型化を実現できる。
【0024】
また、電源装置4と光源部1は、ベース部30に形成された電線孔30bに通した出力電線(図示省略)で、電気的に接続されている。この照明器具100では、電源装置4と光源部1とが、ベース部30を挟んで対向して配置されているので、出力電線を短くすることができ、ノイズの影響を受け難くすることができる。
【0025】
端子台5は、図1図3に示すように、商用電源に接続された電線(図示省略)が接続され、商用電源から電力が供給される端子を有するものである。端子台5は、商用電源から供給された電力を電源装置4へ供給する。端子台5は、ヒートシンク3の筒部31の上端面にネジ等の接合部材50aで固定された平板状の支持部材50に、ネジ等の接合部材5aで取り付けられている。支持部材50は、ヒートシンク3の筒部31の上部開口を塞ぐ蓋体としても機能する。
【0026】
枠部材20は、図3及び図7に示すように、発光素子から発光された光が目標の方向に照射されるように配光を制御するリフレクタ6と、照明器具100を天井等の被取付部に固定する取付ばね7と、を有している。
【0027】
リフレクタ6は、照射側に向かって拡がる円錐で筒状の反射部60と、反射部60の外周縁から径方向に向かって突き出す円環状の鍔部61と、反射部60の開口縁に沿って設けられ、反射部60の上面から光源ユニット10に向かって立ち上がる筒状の内筒部62と、内筒部62の外周に設けられ、反射部60の上面から光源ユニット10に向かって立ち上がる筒状の外筒部63と、を有している。
【0028】
反射部60は、発光素子から発光された光が目標の方向に照射されるように配光を制御するものである。
【0029】
鍔部61は、光源ユニット10が埋込穴に挿入された状態で天井の下面に当接し、埋込穴の縁部を覆うものである。
【0030】
内筒部62は、図4及び図7に示すように、レンズ2のフランジ部2aの外径よりも若干大きな内径で形成されている。内筒部62の筒内には、光源ユニット10のレンズ2が収容される。レンズ2は、内筒部62の上端開口から収容され、反射部60の開口縁にフランジ部2aが載置される。内筒部62に収容されたレンズ2は、光源ユニット10のヒートシンク3を枠部材20に取り付けると、遮光シート1cを介してソケット1bに入射凹部2bの上端縁が押さえ付けられて動きが規制され、その位置が固定される。このため、照明器具100は、レンズ2を取り付ける構造が簡易であり、組立作業の作業性を向上させることができる。また、照明器具100は、レンズ2に特殊な加工を施す必要もないため、製造が容易となり、製造コストの削減に寄与することができる。
【0031】
また、内筒部62には、図7に示すように、上端縁から光源ユニット10に向かって突き出し、光源部1のソケット1bの外周面と面接触する凸壁部62aが設けられている。凸壁部62aは、一例として内筒部62の上端縁のうち、円周の1/3程度の範囲に設けられている。凸壁部62aは、光源ユニット10を枠部材20に取り付ける際に、光源部1を内筒部62へ誘導するために設けられている。つまり、照明器具100は、光源ユニット10を枠部材20に取り付ける際に、内筒部62へ誘導された光源部1によって、レンズ2の上端縁を確実に押さえ付けることができるので、組立作業の作業性を向上させることができ、且つ品質向上に寄与することができる。
【0032】
外筒部63は、図7に示すように、内筒部62の内径よりも大きい内径を有しており、内筒部62の外周面を覆うように設けられている。外筒部63の内周面と内筒部62の外周面の間の空間は、ベース部30に形成された電線孔30bの位置に対応している。当該空間には、ベース部30の電線孔30bに通した出力電線が収納される。これにより、照明器具100は、出力電線を外部から保護できると共に、出力電線が露出しない見た目の良い外観を呈することができる。
【0033】
また、外筒部63は、図4及び図7に示すように、上端縁が内筒部62の上端部よりも光源ユニット10に向かって突き出している。外筒部63は、光源ユニット10を枠部材20に取り付ける際に、上端縁にベース部30を載置させて支持する構成とされている。ベース部30の下面と内筒部62の上端縁との間には、出力電線を通すための隙間が形成される。ベース部30の電線孔30bに通した出力電線は、当該隙間を通って光源部1の発光基板1aに接続される。また、当該隙間を形成することによって、光源ユニット10を枠部材20に取り付ける際に、出力電線がベース部30と内筒部62との間に誤って挟まれる事態を防止することができる。出力電線がベース部30と内筒部62との間に誤って挟まれてしまうと、光源ユニット10を枠部材20に取り付ける作業に支障を来たし、また出力電線が損傷するおそれもある。
【0034】
また、外筒部63の上端縁には、径方向の内方へ向かって突き出す突起部63bが、周方向に間隔をあけて2つ設けられている。突起部63bには、接合部材9の軸部を通す係合孔63cが形成されている。係合孔63cは、ヒートシンク3のベース部30に形成された取付孔30cに対応する位置に形成されている。つまり、照明器具100は、ヒートシンク3のベース部30の下面を外筒部63の上端縁に当接させ、取付孔30cと係合孔63cに接合部材9をねじ込むことで、光源ユニット10が枠部材20に取り付けられる。
【0035】
また、外筒部63には、上端縁の一部に、ヒートシンク3のベース部30の切り欠き部30dに嵌まる凸部63dが形成されている。ベース部30の切り欠き部30dと外筒部63の凸部63dは、外筒部63の上端縁にベース部30を支持させる際の位置決め機構となる。つまり、照明器具100は、光源ユニット10を枠部材20に取り付ける際に、凸部63dと切り欠き部30dとを嵌め合わせることで、光源ユニット10の位置決めを容易に行うことができ、組立作業の作業性を向上させることができる。
【0036】
更に、外筒部63には、図1図2及び図7に示すように、取付ばね7の一端を嵌め込んで固定するための取付溝63aが外側面に設けられている。取付溝63aは、周方向に間隔をあけて3つ設けられている。
【0037】
取付ばね7は、例えばステンレス等の弾性を有する材質であり、帯状の板材を湾曲させて形成した板ばねである。取付ばね7は、図7に示すように、基端部が外筒部63の取付溝63aに取り付けられ、外筒部63の径方向の外側に向かって突き出している。取付ばね7は、照明器具100を側面方向から見ると、上側に向かって凸となるように弓形に反った形状を有する。取付ばね7は、図示例の場合、外筒部63の周方向に間隔をあけて3個設けられている。
【0038】
取付ばね7は、光源ユニット10側に弾性変形させた後に、光源ユニット10と共に天井等に形成された埋込穴へ挿入される。そして、取付ばね7は、弾性変形が解除されると、天井等に向かって生じる反り力(復元力)によって、その反作用として光源ユニット10を上方へ引き上げる3点の力が生じる。光源ユニット10は、取付ばね7の反り力と共に、リフレクタ6の鍔部61が天井等に当接することによって固定される。
【0039】
以上のように、本実施の形態に係る照明器具100は、光を照射する光源ユニット10と、光源ユニット10の下部に設けられ、該光源ユニット10を保持する枠部材20と、を備えている。光源ユニット10は、光を発光する光源部1と、光源部1が発光した光の配光を制御するレンズ2と、を有している。枠部材20は、照射側に向かって拡がる筒状の反射部60と、反射部60の開口縁に沿って設けられ、該反射部60の上面から光源ユニット10に向かって立ち上がる筒状の内筒部62と、を有している。レンズ2は、内筒部62の筒内に収容され、反射部60の開口縁に載置された状態で、上端縁が光源部1に押さえ付けられて位置が固定されている。
【0040】
よって、本実施の形態に係る照明器具100は、レンズ2を取り付ける構造が簡易なので、組立作業の作業性を向上させることができ、且つレンズ2に特殊な加工を施す必要もないため、製造が容易となり、製造コストの削減に寄与することもできる。
【0041】
また、光源部1は、発光基板1aと、発光基板1aの周囲を囲って保持するソケット1bと、を有している。内筒部62には、ソケット1bの外周面に面接触する凸壁部62aが形成されている。光源部1は、凸壁部62aとソケット1bの外周面とが面接触することによって、内筒部62へ誘導されてレンズ2を押さえ付ける構成である。よって、本実施の形態に係る照明器具100は、光源ユニット10を枠部材20に取り付ける際に、内筒部62へ誘導された光源部1によって、レンズ2の上端縁を確実に押さえ付けることができるので、組立作業の作業性を向上させることができ、且つ品質向上に寄与することができる。
【0042】
また、光源ユニット10は、光源部1から発生する熱を放熱するヒートシンク3を有している。枠部材20は、内筒部62の外周に設けられ、反射部60の上面から光源ユニット10に向かって立ち上がる筒状の外筒部63を有している。ヒートシンク3は、光源部1を取り付ける平板状のベース部30を有している。外筒部63は、上端縁が内筒部62の上端縁よりも光源ユニット10に向かって突き出し、上端縁にベース部30を載置させて支持する構成とされている。ベース部30と内筒部62との間には、電線を通すための隙間が形成されている。
【0043】
よって、本実施の形態に係る照明器具100は、例えばベース部30の電線孔30bに通した出力電線を、当該隙間を通って光源部1の発光基板1aに接続することができる。また、当該隙間を形成することによって、光源ユニット10を枠部材20に取り付ける際に、出力電線がベース部30と内筒部62との間に誤って挟まれる事態を防止することができる。
【0044】
また、ベース部30には、外周縁の一部を切り欠いた切り欠き部30dが形成されている。外筒部63には、上端縁の一部に切り欠き部30dに嵌まる凸部63dが形成されている。切り欠き部30dと凸部63dは、外筒部63の上端縁にベース部30を支持させる際の位置決め機構となる。
【0045】
よって、本実施の形態に係る照明器具100は、光源ユニット10を枠部材20に取り付ける際に、凸部63dと切り欠き部30dとを嵌め合わせることで、光源ユニット10の位置決めを容易に行うことができ、組立作業の作業性を向上させることができる。
【0046】
以上に、照明器具100を実施の形態に基づいて説明したが、照明器具100は上述した実施の形態の構成に限定されるものではない。例えば、照明器具100は、天井以外の被取付部に取り付けてもよい。また、図示した照明器具100は、一例であって、他の構成要素を含んでもよい。また、波形状壁面部31a及び31bは、筒部31の全周に亘って設けてもよいし、一部にのみ設けてもよい。要するに、照明器具100は、その技術的思想を逸脱しない範囲において、当業者が通常に行う設計変更及び応用のバリエーションの範囲を含むものである。
【符号の説明】
【0047】
1 光源部、1a 発光基板、1b ソケット、1c 遮光シート、1d 絶縁シート、2 レンズ、2a フランジ部、2b 入射凹部、3 ヒートシンク、4 電源装置、4a 電源基板、4b ハウジング、5 端子台、5a 接合部材、6 リフレクタ、7 取付ばね、8、9 接合部材、10 光源ユニット、20 枠部材、30 ベース部、30a 接続孔、30b 電線孔、30c 取付孔、30d 切り欠き部、31 筒部、31a、31b 波形状壁面部、32 フィン、50 支持部材、50a 接合部材、60 反射部、61 鍔部、62 内筒部、62a 凸壁部、63 外筒部、63a 取付溝、63b 突起部、63c 係合孔、63d 凸部、100 照明器具。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7