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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-14
(45)【発行日】2023-12-22
(54)【発明の名称】包装箱施蓋装置
(51)【国際特許分類】
   B65B 7/28 20060101AFI20231215BHJP
【FI】
B65B7/28 P
B65B7/28 L
B65B7/28 M
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2019224504
(22)【出願日】2019-12-12
(65)【公開番号】P2021091466
(43)【公開日】2021-06-17
【審査請求日】2022-11-01
(73)【特許権者】
【識別番号】000141886
【氏名又は名称】株式会社京都製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100157325
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 太一
(72)【発明者】
【氏名】臼井 健二郎
【審査官】佐藤 秀之
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-000756(JP,A)
【文献】特開2001-072009(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65B 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
包装箱に蓋体を覆い被せる包装箱施蓋装置であって、
包装体が収容された前記包装箱が、開口を上方に向けた状態で載置される基台と、
吸気孔が開設された吸着面を有し、蓋体を吸着面に吸着した状態で、少なくとも上下方向における前記吸着面の位置を変更する蓋体移送手段と、
平面視において、前記基台に載置された前記包装箱の開口縁の近傍に位置するガイド手段と、
平面視において、前記包装箱の前記開口縁に対し、前記ガイド手段を接離する方向に移動可能に構成されたガイド可動手段とを備え、
前記ガイド可動手段は、前記ガイド手段を前記蓋体の下端縁と前記包装箱の前記開口縁との間に介在させ、当該状態において、前記蓋体移送手段が、前記蓋体の前記下端縁が前記包装箱の前記開口縁よりも少なくとも下方に位置する状態まで前記蓋体を前記包装箱に覆い被せる動作を行うことにより、前記ガイド手段が前記蓋体の前記下端縁が前記包装箱の前記開口縁との隙間から前記蓋体の内方に延伸して、前記ガイド手段が前記蓋体の内方において前記包装箱の前記開口縁の上方を覆い被さった状態を形成する
包装箱施蓋装置。
【請求項2】
前記ガイド可動手段は、さらに、前記包装箱の前記開口縁に対し、前記ガイド手段を上下方向に移動可能に構成されており、
前記蓋体が前記包装箱に覆い被せられた後、前記ガイド可動手段は、前記ガイド手段を前記包装箱の前記開口縁から離れる方向に移動させ、同時に前記ガイド手段を下方に移動させる
請求項1に記載の包装箱施蓋装置。
【請求項3】
前記蓋体移送手段は、前記包装箱の前記開口縁に対し前記蓋体を傾けた状態において、前記蓋体を前記包装箱に覆い被せる
請求項1又は2に記載の包装箱施蓋装置。
【請求項4】
前記蓋体移送手段は、前記包装箱の前記開口縁に対し前記蓋体を傾けた状態において、前記蓋体の一部の下端縁が前記包装箱の前記開口縁よりも下方に位置する状態まで前記蓋体を下方に移送し、
前記蓋体移送手段が前記蓋体を下方に移送した後、前記包装箱の前記開口縁と前記蓋体とを平行な状態として、前記蓋体の残余の下端縁が前記包装箱の前記開口縁よりも下方に位置する状態まで前記蓋体を下方に移送して、前記蓋体を前記包装箱に覆い被せる
請求項に記載の包装箱施蓋装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、包装箱へ蓋体を装着する包装箱施蓋装置に関し、特に、ピロー包装体が収容された包装箱に蓋体を装着する装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、加工食品、菓子、日用品等の製造工程では、被包装物である商品を袋詰して個々の包装体を形成したのち、複数個の包装体をボール紙等からなる包装箱に箱詰して出荷される。この包装体には、長尺筒状の包装部材に被包装物を気体と共に封入し、各被包装物の前後をシールして所定長さに切断したピロー包装体が広く用いられている。このピロー包装体は気体を含み形状が変化するため取り扱いが難しく、例えば、特許文献1には、ピロー包装体の箱詰めを自動的に行う包装箱施蓋装置が開示されている。また、特許文献2には、ピロー包装品などの物品が自動的に箱詰めされた包装箱の蓋板を、自動的に施蓋する装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開平6-199305号公報
【文献】実開平5-003102号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、ピロー包装体は、被包装物の前後の両端部分にエンドシール部を有するために、複数個を包装箱内に並べた状態で収容すると包装の空間容積率が低くなる。そのため、エンドシール部を折り曲げた状態で、ピロー包装体の一部分を積み重ねて包装箱に収容することにより、包装容積の小型化が図られている。この際、エンドシール部の隅部が包装箱からはみ出すおそれがあり、包装箱へ蓋体を装着する際に、エンドシール部の隅部が包装箱と蓋体との間に挟まり、包装箱に蓋体が十分に被せられず、蓋体の浮きが生じる場合があるという課題があった。
【0005】
本開示は上記の問題点に鑑みてなされたものであり、包装体が収容された包装箱に蓋体を良好に装着(施蓋)することを可能とする包装箱施蓋装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様に係る包装箱施蓋装置は、包装箱に蓋体を覆い被せる包装箱施蓋装置であって、ピロー包装体が収容された前記包装箱が、開口を上方に向けた状態で載置される基台と、吸気孔が開設された吸着面を有し、蓋体を吸着面に吸着した状態で、少なくとも上下方向における前記吸着面の位置を変更する蓋体移送手段と、平面視において、前記基台に載置された前記包装箱の開口縁の近傍に位置するガイド手段と、平面視において、前記包装箱の前記開口縁に対し、前記ガイド手段を接離する方向に移動可能に構成されたガイド可動手段とを備え、前記ガイド可動手段は、前記ガイド手段を前記蓋体の下端縁と前記包装箱の前記開口縁との間に介在させ、当該状態において、前記蓋体移送手段が、前記蓋体の前記下端縁が前記包装箱の前記開口縁よりも少なくとも下方に位置する状態まで前記蓋体を前記包装箱に覆い被せる動作を行うことにより、前記ガイド手段が前記蓋体の前記下端縁が前記包装箱の前記開口縁との隙間から前記蓋体の内方に延伸して、前記ガイド手段が前記蓋体の内方において前記包装箱の前記開口縁の上方を覆い被さった状態を形成することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本開示の一態様に係る包装箱施蓋装置によれば、包装体が収容された包装箱に蓋体を良好に装着(施蓋)することを可能とする包装箱施蓋装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施の形態1に係る包装箱施蓋装置1の構成を示す正面図である。
図2】包装箱施蓋装置1において、蓋体移送手段20以外の構成を示す平面図である。
図3】包装箱施蓋装置1の構成を示す左側面図である。
図4】包装箱施蓋装置1の主要部に係る図1におけるA1部の構成を示す正面図である。
図5】制御部52及び駆動部51の構成を示す機能ブロック図である。
図6】(a)、(b)は、包装箱施蓋装置1の動作説明図(正面図)である。
図7】(a)、(b)は、包装箱施蓋装置1の動作説明図(正面図)である。
図8】(a)、(b)は、包装箱施蓋装置1の動作説明図(正面図)である。
図9】(a)、(b)は、包装箱施蓋装置1の動作説明図(正面図)である。
図10】(a)、(b)は、包装箱施蓋装置1の動作説明図(正面図)である。
図11】(a)、(b)は、包装箱施蓋装置1の動作説明図(左側面図)である。
図12】(a)、(b)は、包装箱施蓋装置1の動作説明図(左側面図)である。
図13】(a)、(b)は、包装箱施蓋装置1の動作説明図(左側面図)である。
図14】(a)、(b)は、包装箱施蓋装置1の動作説明図(左側面図)である。
図15】(a)、(b)は、包装箱施蓋装置1の動作説明図(左側面図)である。
図16図7(a)におけるA2部の拡大図である。
図17図8(a)におけるA3部の拡大図である。
図18図8(b)におけるA4部の拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
≪本発明を実施するための形態の概要≫
本開示における実施の形態1に係る包装箱施蓋装置は、包装箱に蓋体を覆い被せる包装箱施蓋装置であって、包装体が収容された前記包装箱が、開口を上方に向けた状態で載置される基台と、吸気孔が開設された吸着面を有し、蓋体を吸着面に吸着した状態で、少なくとも上下方向における前記吸着面の位置を変更する蓋体移送手段と、平面視において、前記基台に載置された前記包装箱の開口縁の近傍に位置するガイド手段と、平面視において、前記包装箱の前記開口縁に対し、前記ガイド手段を接離する方向に移動可能に構成されたガイド可動手段とを備え、前記ガイド手段が前記包装箱の前記開口縁に、翳された状態において、前記包装箱に前記蓋体が覆い被せられることを特徴とする。
【0010】
係る構成により、ピロー包装体が収容された包装箱に蓋体を装着する際に、ピロー包装体のエンドシール部の隅部が包装箱と蓋体との間に挟まるという不具合、および/または、包装箱が、包装体を収容することで平面方向外方に膨らんでしまうことで、包装箱の一部が蓋体より平面方向外方にはみ出してしまうという不具合、を抑制し、もって、包装箱に蓋体が十分に被せられず施蓋できないといった事態を抑止できる。
【0011】
また、別の態様では、上記何れかに記載の態様において、前記ガイド可動手段は、前記ガイド手段を前記蓋体の前記下端縁と前記包装箱の前記開口縁との間に介在させ、当該状態において、前記蓋体移送手段が、前記蓋体の下端縁が前記包装箱の前記開口縁よりも少なくとも下方に位置する状態まで前記蓋体を前記包装箱に覆い被せ、その後、前記ガイド可動手段が、前記ガイド手段を前記開口縁から離れる方向に移動させる構成としてもよい。
【0012】
係る構成により、ガイド手段が蓋体の下端縁が包装箱の開口縁との隙間から蓋体の内方に延伸して、ガイド手段が蓋体の内方において包装箱B開口縁の上方を覆い被さった状態を構成することができ、包装体の一部が蓋体より平面方向外方にはみ出すことを抑止することができる。
【0013】
また、係る構成によれば、包装箱が、包装体を収容することで平面方向外方に膨らんでしまっても、ガイド手段が包装箱の膨らみを矯正するので、包装箱の一部が蓋体より平面方向外方にはみ出してしまうといった事態を抑止することができる。
【0014】
また、別の態様では、上記何れかに記載の態様において、ガイド可動手段は、さらに、前記包装箱の前記開口縁に対し、前記ガイド手段を上下方向に移動可能に構成されており、前記ガイド可動手段は、前記ガイド手段を前記開口縁から離れる方向に移動させるときに、同時に前記ガイド手段を下方に移動させる構成としてもよい。
【0015】
係る構成により、併せて、包装箱の幅方向両側に存する一対のガイド手段を、正面方向から視したときに、ハの字型の構成とすることにより、ガイド手段を延伸方向に移動させて、ガイド手段を蓋体の下端縁と包装箱の開口縁との隙間からスムーズに引き出すことができる。
【0016】
また、別の態様では、上記何れかに記載の態様において、前記蓋体移送手段は、前記包装箱の前記開口縁に対し前記蓋体を傾けた状態において、前記蓋体を前記包装箱に覆い被せる構成としてもよい。また、別の態様では、上記何れかに記載の態様において、前記蓋体移送手段は、前記包装箱の前記開口縁に対し前記蓋体を傾けた状態において、前記蓋体の一部の下端縁が前記包装箱の前記開口縁よりも下方に位置する状態まで前記蓋体を下方に移送し、その後、前記包装箱の前記開口縁と前記蓋体とを平行な状態として、前記蓋体の残余の下端縁が前記包装箱の前記開口縁よりも下方に位置する状態まで前記蓋体を下方に移送して、前記蓋体を前記包装箱に覆い被せる構成としてもよい。
【0017】
係る構成により、包装箱と蓋体との位置ずれに伴う包装箱の開口縁と蓋体の下端縁との嵌合エラーを抑止し、確実に施蓋動作を行うことができる。
【0018】
≪実施の形態≫
実施の形態に係る包装箱施蓋装置1の構成について図面を用いて説明する。ここで、本明細書では、各図におけるX方向、Y方向、Z方向を、それぞれ、幅方向、奥行方向、高さ方向とする場合があり、高さ方向の正方向を「上」方向、負方向を「下」方向とする場合がある。また、各図面における部材の縮尺は必ずしも実際のものと同じであるとは限らない。また、本明細書において、数値範囲を示す際に用いる符号「~」は、その両端の数値を含む。また、本実施形態で記載している、材料、数値等は好ましいものを例示しているだけであり、それに限定されることはない。また、本開示の技術的思想の範囲を逸脱しない範囲で、適宜変更は可能である。また、他の実施形態との構成の一部同士の組み合わせは、矛盾が生じない範囲で可能である。
【0019】
<包装箱施蓋装置1の構成について>
次に、包装箱施蓋装置1の構成について図面を用いて説明する。
【0020】
図1は、実施の形態に係る包装箱施蓋装置1の構成を示す正面図、図2は、包装箱施蓋装置1において、蓋体移送手段20以外の構成を示す平面図、図3は、包装箱施蓋装置1の構成を示す左側面図、図4は、包装箱施蓋装置1の主要部に係る図1におけるA1部の構成を示す正面図である。図5は、制御部52及び駆動部51の構成を示す機能ブロック図である。
【0021】
図1~4に示すように、包装箱施蓋装置1は、包装体Lが収容された包装箱Bを搬送する包装箱搬送手段10、蓋体Cを吸着して移送する蓋体移送手段20、包装体Lが包装箱Bからはみ出すことを規制するガイド手段30.ガイド手段30の位置を変更するガイド可動手段40、および、装置本体部50を有する。
【0022】
以下、各部の構成について説明する。
【0023】
(包装体L、包装ユニットP)
包装箱施蓋装置1に用いる包装体Lの構成について説明する。被包装物である内容物は、例えば、加工食品、菓子、日用品等、一般に流通する商品である。包装体Lは、筒状の包装部材に被包装物を気体が封入された包装体胴部L2とその両端のエンドシール部L1を有するピロー包装体を用いることができる。ピロー包装体は、例えば、樹脂フィルムからなる長尺筒状の包装部材に被包装物を気体と共に封入し、被包装物の前後を、例えば、ヒートシール等により封止した後、シール部分を含む範囲を所定長さに切断することにより形成される。封入気体により適度なクッション性を有し、内容物を振動、衝撃等から保護することができる。
【0024】
製造工程では、被包装物を袋詰して個々の包装体Lを形成したのち、複数個の包装体Lをボール紙等からなる包装箱Bに箱詰して収容した後、包装箱Bの開口縁B1に蓋体Cが覆い被せられることにより包装ユニットPが形成される。このとき、被包装物の前後の両端部分にエンドシール部L1を有するピロー包装体を、複数個、包装箱B内に並べた状態で収容すると、包装の空間容積率が低くなる。そのため、図4に示すように、エンドシール部L1を下方に折り曲げた状態において、図3に示すように包装体Lの一部分を積み重ねた状態で包装箱Bに収容することにより、包装容積の小型化が可能となる。
【0025】
(包装箱搬送手段10)
包装箱搬送手段10は、包装体Lが収容された包装箱Bを包装箱施蓋装置1の幅方向に搬送する機構である。本例では、包装箱Bを幅方向に搬送するコンベアであり、図1における、紙面右側から包装体Lが収容された包装箱Bを供給し、包装箱Bに蓋体Cが被せられた包装体Pを図1における、紙面左側に向けて排出する。包装箱搬送手段10は、基台11と基台移送機構12を有する。基台11は、1以上の包装体Lが収容された包装箱Bが、開口を上方に向けた状態で載置される包装箱Bの置台である。基台移送機構12は、搬送モータを含み、搬送モータは、例えば、モータの回転によりベルトが伝達されるものであってもよく、リニアモータにより駆動されるものでもよい。基台移送機構12は、制御部52の指示に基づき包装箱搬送駆動部51aによって駆動され、基台11を移動させて基台11の幅方向(X方向)の位置を変更することができる。
【0026】
(蓋体移送手段20)
蓋体移送手段20は、保持ユニット21、昇降移動機構22、ガイドレール23、蓋体供給部24を有する機構である。
【0027】
保持ユニット21は、蓋体Cを保持する機構ユニットである。保持ユニット21は、蓋体Cを吸着して保持する吸着部211、吸着部211を支持する保持部212を備える。
【0028】
吸着部211は、保持ユニット21の最下端に位置し、複数の吸気孔が開設された吸着面21aを下方に向けた状態で、上方から保持部212に吊り下げアーム213により懸架されている。吸着部211の複数の吸気孔は、吸気路21bによって互いに連通しており、吸気路21bを介して吸引用ポンプに接続されている。吸着駆動部51cにより吸引用ポンプを動作させて吸気孔から気体を吸引することにより、吸着面21aに蓋体Cを吸着させて保持することができる。実施の形態に係る包装箱施蓋装置1は、2個の包装箱Bに対し同時に施蓋が行われる装置構成を採るため、吸着部211は同時に2個の蓋体Cを吸着面21aに吸着させて保持できる構成としている。
【0029】
保持部212は、吸着部211を懸架して保持し、吸着部211の吸着面21aの傾きを変更する機構である。保持部212は、図1~4に示すように、下方に吸着部211を懸架する複数の吊り下げアーム213を、幅方向及び奥行方向にそれぞれ複数有する。保持部212は、アクチュエータ手段(アーム駆動用モータθ)を含み、制御部52の指示に基づき蓋体移送駆動部51bによって駆動され、奥行方向に並んだ吊り下げアーム213の長さを異ならせることにより、図13(a)に示すように、吸着部211の吸着面21aをY-Z面において、傾かせることができる。
【0030】
昇降移動機構22は、保持ユニット21を高さ方向に移動させてその高さを変更するとともに、保持ユニット21を奥行方向に移動させて奥行方向の位置を変更する機構である。
【0031】
昇降移動機構22は、図1~4に示すように、下方に保持ユニット21を昇降するための昇降アーム221を、幅方向及び奥行方向にそれぞれ複数有する。昇降アーム221には、例えば、ボールねじ及びナット、ラック及びピニオン、あるいは、リニアモータ等の周知の直線運動機構を用いることができる。昇降移動機構22は、アクチュエータ手段(アーム駆動用モータZ)を含み、制御部52の指示に基づき蓋体移送駆動部51bによって駆動され、昇降アーム221を動作させることにより、保持ユニット21の高さ方向の位置を変更することができる。
【0032】
さらに、昇降移動機構22は、奥行方向に延在するガイドレール23に載設され、ガイドレール23上の奥行方向に移動可能に構成されている。昇降移動機構22は、アクチュエータ手段(アーム駆動用モータY)を含み、制御部52の指示に基づき蓋体移送駆動部51bによって駆動され、保持ユニット21の奥行方向の位置を変更することができる。
【0033】
蓋体供給部24は、複数の蓋体Cが積層されて収容されており、昇降移動機構22の下方に位置する。吸着部211により上方から最上段の蓋体Cが取得されると、下方から新たな蓋体Cが順次供給されるよう構成されている。
【0034】
(ガイド手段30)
ガイド手段30は、施蓋の際に包装体Lが収容された包装箱Bの開口縁B1に翳(かざ)される部材である。具体的には、ガイド手段30は、包装箱Bの開口縁B1に蓋体Cが覆い被せられるときに、平面視において基台11上の包装箱Bの開口縁B1近傍であって、蓋体Cの下端縁C1と包装箱Bの開口縁B1との間に翳された状態で介在することで、包装体Lの一部が包装箱Bの開口縁B1より平面方向外方にはみ出してしまうこと、および/または、包装箱Bが包装体Lを収容することで平面方向外方に膨らんでしまうといった変形のため、包装箱Bの一部が蓋体Cより平面方向外方にはみ出してしまうこと、を抑制することで、蓋体が良好に施蓋されることを実現する。
【0035】
本実施の形態では、ガイド手段30は、図1~4に示すように、奥行方向に延在する棒状の支持部32に、板状のガイド部31が放射状に延出されて形成されている。ガイド部31には、例えば、樹脂、ゴム、金属からなる薄板を用いることができる。
【0036】
また、ガイド手段30は、包装箱Bの幅方向両側にそれぞれ配される構成としてもよい。本例では、2個の包装箱Bに同時に施蓋がされるために、2個の包装箱Bの両側に、合計4個のガイド手段30が配された構成を採る。これより、包装箱Bの幅方向両側において、包装体Lの一部が包装箱Bからはみ出してしまう可能性がある場合に包装箱Bの幅方向両側のはみ出してしまうこと、および/または、包装箱が、包装体を収容することで平面方向外方に膨らんでしまう可能性がある場合に、包装箱の一部が蓋体より平面方向外方にはみ出してしまうこと、を矯正することで規制できる。この場合、包装箱Bの幅方向両側に存する一対のガイド部31は、包装箱Bに近い先端側を高く根本側を低くなるよう傾斜して配されており、正面方向から視したときに、いわゆるハの字型を構成する態様とされる。これより、包装箱Bの開口縁B1にガイド手段30を翳(かざ)した状態に介在させることで、包装箱Bに対し蓋体Cを部分的に覆い被せることを可能とする。
【0037】
(ガイド可動手段40)
ガイド可動手段40は、ガイド昇降機構42、ガイド接離機構41を有する。
【0038】
ガイド昇降機構42は、ガイド手段30を奥行方向に移動させて高さを変更する機構であり、図2、3に示すように、包装箱搬送手段10の奥行方向両側に一対が存在する。
【0039】
ガイド接離機構41は、ガイド手段30を幅方向に移動させて幅方向の位置を変更する機構であり、包装箱搬送手段10の奥行方向の両側に存在し、支持部32の奥行方向両端近傍を保持する。本例では、一対のガイド昇降機構42には、支持部32の奥行方向の両端近傍を保持する一対のガイド接離機構41のそれぞれが載設されている。
【0040】
ガイド昇降機構42、ガイド接離機構41は、それぞれ、アクチュエータ手段(ガイド駆動用モータX、Z)を含み、それらが制御部52の指示に基づきガイド駆動部51dによって駆動される。互いに連動して動作することにより、ガイド手段30のX-Z平面内における位置を制御し、施蓋の際にガイド手段30を包装箱Bの開口縁B1に近接させるとともに、施蓋後に開口縁B1からガイド手段30を離間させる機能を有する。
【0041】
包装箱施蓋装置1では、包装箱Bの開口縁B1に蓋体Cが覆い被せられるときに、蓋体Cの下端縁C1が包装箱Bの開口縁B1よりも上方に位置する状態において、ガイド駆動用モータX,Zがガイド昇降機構42、ガイド接離機構41を動作させて、一対のガイド手段30を、蓋体Cの下端縁C1と包装箱Bの開口縁B1との間に介在させた状態を構成して、包装体Lの一部が包装箱Bの開口縁B1より平面方向外方にはみ出すことを規制する。これより、包装箱Bの開口縁B1に蓋体Cが覆い被せられた状態において、例えば、エンドシール部L1の端部L1a等、包装体Lの一部分が蓋体Cより外方にはみ出すことを規制することができる。
【0042】
(装置本体部50)
装置本体部50は、駆動部51と、駆動部51を制御する制御部52を有する装置である。図5は、制御部52及び駆動部51の構成を示す機能ブロック図である。駆動部51は、図5に示すように、包装箱搬送駆動部51a、蓋体移送駆動部51b、吸着駆動部51c、ガイド駆動部51dを含む。
【0043】
包装箱搬送駆動部51aは、制御部52の指示に基づき、基台11の幅方向の位置を変更するために、基台移送機構12を構成する、例えば、モータ等のアクチュエータを動作させる駆動回路である。
【0044】
蓋体移送駆動部51bは、制御部52の指示に基づき、吸着部211の奥行方向、又は、奥行方向並びに幅方向の位置、吸着部211の高さ方向の高さ、吸着部211の傾きを変更するために、昇降アーム221、昇降移動機構22を構成する、例えば、モータ、エアシリンダ等のアクチュエータを動作させる駆動回路である。
【0045】
吸着駆動部51cは、吸着面211aの吸気孔から気体を吸引する吸気手段であり、例えば、吸着用ポンプを用いることができる。さらに、吸着を解除するために送気用ポンプを用いてもよい。
【0046】
ガイド駆動部51dは、制御部52の指示に基づき、包装箱Bとガイド手段30との幅方向及び奥行方向の相対的位置を変更するために、ガイド昇降機構42、ガイド接離機構41を構成するアクチュエータ手段を動作させる駆動回路である。
【0047】
制御部52は、図5に示すように、包装箱搬送駆動部51a、蓋体移送駆動部51b、吸着駆動部51c、ガイド駆動部51dに接続され、制御信号を出力してこれらを制御する。
【0048】
以上の構成を有する包装箱施蓋装置1により、包装箱Bに対し蓋体Cを覆い被せて施蓋を行う、施蓋動作が実施される。
【0049】
<包装箱施蓋装置1の動作>
次に、本実施形態の包装箱施蓋装置1において行われる、包装ユニットPの施蓋動作について説明する。図6(a)、(b)~図10(a)、(b)は正面方向から見た包装箱施蓋装置1の動作説明図、図11(a)、(b)~図15(a)、(b)は左側面方向から見た包装箱施蓋装置1の動作説明図である。
【0050】
包装ユニットPの施蓋工程では、先ず、包装箱Bがガイド可動手段40の下方を通過可能な状態(図6(a))において、包装箱搬送駆動部51aにより搬送モータを駆動して包装箱搬送手段10を動作させて、図6(b)、図11(a)に示すように、包装箱Bが載設された基台11を保持ユニット21の下方に移送する(M1)。本例では、2個の包装箱Bに同時に保持ユニット21の下方に移送される。包装箱Bには、複数の包装体Lが、エンドシール部L1を下方に折り曲げ、一部分を積み重ねた状態で奥行方向に並べて収容されている。
【0051】
次に、蓋体移送駆動部51bによりアーム駆動用モータZを駆動し昇降アーム221を動作させて、蓋体供給部24の上方に位置する保持ユニット21を降下させて(M2)、吸着部211の吸着面21aを蓋体供給部24に収容された蓋体Cの上面に当接させる。そして、吸着駆動部51cにより吸引用ポンプ51cを動作させて吸気孔から気体を吸引することにより、吸着面21aに蓋体Cを吸着させて保持する(図11(b))。
【0052】
次に、昇降アーム221を動作させて保持ユニット21を上昇させた後、駆動用モータYを駆動して昇降移動機構22を奥行方向(Y方向)に移動させ(M3)、蓋体Cを保持した保持ユニット21が、包装箱Bが載設された基台11の上方に位置する状態で停止する(図12(a))。
【0053】
次に、図7(a)、図12(b)に示すように、ガイド駆動部51dによりガイド駆動用モータZを駆動してガイド昇降機構42を動作させて、包装箱Bの開口縁B1にガイド手段30のガイド部31が、翳された状態になるまで、ガイド手段30を降下させる(M4)。
【0054】
図16は、図7(a)におけるA2部の拡大図である。上述のとおり、図11(a)に示すように、包装箱Bには、複数の包装体Lが、エンドシール部L1を下方に折り曲げ、一部分を積み重ねた状態で奥行方向に並べて収容されている。そのため、包装体Lのエンドシール部L1は、この積み重なりによって包装箱Bの開口縁B1に対して高さ方向に傾いた状態となり、高さ方向に高い側のエンドシール部L1の端部L1aが開口縁B1から外方にはみ出すことがあった。
【0055】
また、包装箱Bには、複数の包装体Lが、エンドシール部L1を下方に折り曲げ、一部分を積み重ねた状態で奥行方向に並べて収容されているが、収容された包装箱内で、下方に折り曲げられたエンドシール部L1は元に戻ろうとする、すなわち、拡がろうとする(スプリングバック)ので、包装箱Bの側壁は内部から押圧されることとなり、その結果、包装箱Bの側壁は外方に変形した、すなわち膨らんだ形状となってしまうこともあった。
【0056】
これに対し、包装箱施蓋装置1では、図16に示すように、当該状態において、一対のガイド手段30のガイド部31が、包装箱Bの開口縁B1の上方を覆い被さった状態を構成するので、包装体Lのエンドシール部L1の端部L1a等、包装体Lの一部分が包装箱Bの開口縁B1より平面方向外方にはみ出すことを規制すること、および/または、包装箱Bの膨らんだ形状を矯正すること、ができる。
【0057】
次に、図7(b)に示すように、昇降アーム221を動作させて、蓋体Cの下端縁C1が包装箱Bの開口縁B1と近接した状態となるまで、保持ユニット21を降下させる(M5)。この状態では、蓋体Cの下端縁C1とガイド手段30とは接触していない。
【0058】
次に、図13(a)に示すように、蓋体移送駆動部51bによりアーム駆動用モータθを駆動し吊り下げアーム213を動作させて、吸着部211に保持された蓋体Cの下端縁C11、C12のうち、奥行方向の何れかの下端縁C11を降下させて(M6)、蓋体Cの奥行方向の一方の下端縁C11(本例では、図13(a)左側の下端縁C11)が包装箱Bにおける奥行方向の同じ側の開口縁B11に覆い被さった状態を構成する。この状態では、蓋体Cの奥行方向の一方の下端縁C11は、同じ側の包装箱Bの開口縁B11よりも下方に位置している。
【0059】
次に、図8(a)、図13(b)に示すように、吊り下げアーム213を動作させて、吸着部211に保持された蓋体Cの下端縁C11、C12のうち、奥行方向における残余の下端縁C12を降下させて(M7)、蓋体Cの奥行方向における残余の下端縁C12(本例では、図13(b)右側の下端縁C12)も、包装箱Bにおける奥行方向の同じ側の開口縁B12に覆い被さった状態を構成する。この状態では、蓋体Cの奥行方向における両端の下端縁C11、C12が、包装箱Bの開口縁B11、B12よりも下方に位置している。
【0060】
このように、蓋体Cの奥行方向の一方の下端縁C11/C12(「/」はorを意味する)が包装箱Bの開口縁B11/B12に被せた後に、蓋体Cの奥行方向の他方の下端縁C12/C11を包装箱Bの開口縁B12/B11に被せる構成と採ることにより、包装箱Bと蓋体Cとの位置ずれに伴う、包装箱Bの開口縁B1と蓋体Cの下端縁C1との衝突等による嵌合エラーを抑止し、確実に施蓋動作を行うことができる。
【0061】
図17は、図8(a)におけるA3部の拡大図である。図17に示すように、包装箱施蓋装置1では、ガイド可動手段40が、ガイド手段30のガイド部31を蓋体Cの下端縁C1と包装箱Bの開口縁B1との間に介在させて、包装体Lのエンドシール部L1の端部L1aが包装箱Bの開口縁B1より平面方向外方にはみ出すことを規制した状態、および/または、包装箱Bが平面方向外方に膨らんだ形状を矯正した状態、を構成する。そして、その状態において、蓋体移送手段20が、蓋体Cの下端縁C1が包装箱Bの開口縁B1よりも少なくとも下方に位置する状態まで、蓋体Cを包装箱に覆い被せる動作を行う構成を採る。これにより、ガイド手段30のガイド部31が蓋体Cの下端縁C1が包装箱Bの開口縁B1との隙間から蓋体Cの内方に延伸して、ガイド部31が蓋体Cの内方において包装箱Bの開口縁B1の上方を覆い被さった状態を構成することができる。その結果、包装体Lのエンドシール部L1の端部L1aが蓋体Cより平面方向外方にはみ出すこと、および/または、包装箱Bが蓋体Cより平面方向外方にはみ出すこと、を抑制することができる。
【0062】
次に、図8(b)、図14(a)に示すように、ガイド駆動部51dによりガイド駆動用モータX、Zを駆動してガイド接離機構41及びガイド昇降機構42を動作させて、ガイド手段30を、降下(M8)させつつ、包装箱Bの開口縁B1からガイド部31が蓋体Cと幅方向において干渉しない位置まで離間させる(M9)。
【0063】
図18は、図8(b)におけるA4部の拡大図である。図18に示すように、包装箱Bの幅方向両側に存する一対のガイド部31を、正面方向から視したときに、いわゆるハの字型を構成する態様としたうえで、ガイド手段30を降下させつつ(M8)離間させる(M9)ことにより、ガイド手段30をガイド部31の延伸方向に移動させることができ(M30)、ガイド部31を蓋体Cの下端縁C1と包装箱Bの開口縁B1との隙間から、ひっかりや抵抗なくスムーズに引き出すことが可能となる。
【0064】
次に、昇降アーム221を動作させて、蓋体Cの平面部分が包装箱Bの開口縁B1と接触するまで、保持ユニット21を降下させて施蓋を完了する(図9(a)、図14(b)、M10)。
【0065】
次に、吸引用ポンプ51cの動作を停止して蓋体Cの吸着を解除した後、昇降アーム221を動作させて保持ユニット21を上昇させ(図9(b)、M11)、ガイド昇降機構42を動作させて、包装箱Bが下方を通過可能な状態までガイド手段30を上昇させて退避させる(図10(a)、図15(a)、M12)。次に、包装箱搬送手段10を動作させて、施蓋が完了した包装ユニットPを排出する(M13)とともに、新たな包装箱Bが載設された基台11を保持ユニット21の下方に移送し(図10(b)、M14)、昇降移動機構22を奥行方向に移動させ(図15(b)、M15)、保持ユニット21が蓋体供給部24の上方に位置する状態で停止する。
【0066】
以上の工程により、包装箱施蓋装置1よる包装ユニットPの施蓋動作が完了する。
【0067】
<まとめ>
以上、説明したように、実施の形態に係る包装箱施蓋装置1は、包装体Lが収容された包装箱Bが、開口を上方に向けた状態で載置される基台11と、吸気孔が開設された吸着面211aを有し、蓋体Cを吸着面211aに吸着した状態で、少なくとも上下方向における吸着面211aの位置を変更する蓋体移送手段20と、平面視において、基台11に載置された包装箱Bの開口縁B1の近傍に位置するガイド手段30と、平面視において、包装箱Bの開口縁B1に対し接離する方向に移動可能に構成されたガイド可動手段40とを備え、ガイド手段30が包装箱Bの開口縁B1に、翳された状態において、包装箱Bに蓋体Cが覆い被せられることを特徴とする。
【0068】
係る構成により、包装体Lが収容された包装箱Bに蓋体を装着する際に、包装体Lのエンドシール部L1の端部L1aが包装箱Bと蓋体Cとの間に挟まるという不具合を抑制し、包装箱Bに蓋体Cが十分に被せられない蓋体Cの浮きを抑止できる。具体的には、ガイド可動手段40は、ガイド手段30を蓋体Cの下端縁C1と包装箱Bの開口縁B1との間に介在させ、当該状態において、蓋体移送手段20が、蓋体Cの下端縁C1が包装箱Bの開口縁B1よりも少なくとも下方に位置する状態まで蓋体Cを包装箱Bに覆い被せ、その後、ガイド可動手段40が、ガイド手段30を開口縁B1から離れる方向に移動させる構成としてもよい。
【0069】
係る構成により、ガイド手段30のガイド部31が蓋体Cの下端縁C1が包装箱Bの開口縁B1との隙間から蓋体Cの内方に延伸して、ガイド部31が蓋体Cの内方において包装箱Bの開口縁B1の上方を覆い被さった状態を構成することができ、包装体Lのエンドシール部L1の端部L1aが蓋体Cより平面方向外方にはみ出すこと、および/または、包装箱Bが膨らむといった変形、を抑止できる。
【0070】
また、ガイド可動手段40は、さらに、包装箱Bの開口縁B1に対し、ガイド手段30を上下方向に移動可能に構成されており、ガイド可動手段40は、ガイド手段30を開口縁B1から離れる方向に移動させつつガイド手段30を下方に移動させる構成としてもよい。併せて、包装箱Bの幅方向両側に存する一対のガイド部31を、正面方向から視したときに、いわゆるハの字型の構成を採ることにより、ガイド手段30をガイド部31の延伸方向に移動させることができ、ガイド部31を蓋体Cの下端縁C1と包装箱Bの開口縁B1との隙間から、ひっかりや抵抗なくスムーズに引き出すことが可能となる。
【0071】
また、包装箱施蓋装置1は、蓋体移送手段20は、包装箱Bの開口縁B1に対し蓋体Cを傾けた状態において、蓋体Cを包装箱に覆い被せる構成としてもよい。具体的には、蓋体移送手段20は、包装箱Bの開口縁B1に対し蓋体Cを傾けた状態において、蓋体Cの一部の下端縁C1が包装箱Bの開口縁B1よりも下方に位置する状態まで蓋体Cを下方に移送し、その後、包装箱Bの開口縁B1と蓋体Cとを平行な状態として、蓋体Cの残余の下端縁C1が包装箱Bの開口縁B1よりも下方に位置する状態まで蓋体Cを下方に移送して、蓋体Cを包装箱Bに覆い被せる構成としてもよい。
【0072】
係る構成により、包装箱Bと蓋体Cとの位置ずれに伴う包装箱Bの開口縁B1と蓋体Cの下端縁C1との嵌合エラーを抑止し、確実に施蓋動作を行うことができる。
【0073】
≪変形例≫
実施の形態に係る包装箱施蓋装置を説明したが、本開示は、その本質的な特徴的構成要素を除き、以上の実施の形態1に何ら限定を受けるものではない。例えば、実施の形態に対して当業者が思いつく各種変形を施して得られる形態や、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で各実施の形態1における構成要素及び機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本開示に含まれる。以下では、そのような形態の一例として、吸着ヘッドの変形例を説明する。
【0074】
(1)上記実施の形態では、取り扱う包装体Lとして、長尺筒状の包装部材に被包装物を気体と共に封入し、各被包装物の前後をシールして所定長さに切断したピロー包装体を用いた構成を示した。しかしながら、本発明に用いる包装体は、施蓋の際に、例えば、エンドシール部等、蓋体からはみ出す可能性がある部分を有する形態のもの、および/または、包装箱を側壁部を膨らませるように変形させるもの、であればよく、ピロー包装体に限定されないことは言うまでもない。
【0075】
(2)上記実施の形態に係る包装箱施蓋装置では、吸着部211は幅方向に同時に2個の蓋体Cを吸着面21aに吸着させて保持し、2個の包装箱Bに同時に施蓋がされる構成とした。しかしながら、吸着部211は同時に保持可能な蓋体Cの数量は上記に限定されず、包装ユニットPの幅方向及び奥行き方向のサイズに応じて適宜変更することができる。例えば、吸着部211は同時に奥行き方向に2個の蓋体Cを吸着面21aに吸着させて、奥行き方向に2個の包装箱Bに同時に施蓋がされる構成としてもよい。
【0076】
(3)上記実施の形態に係る包装箱施蓋装置では、蓋体Cの奥行方向の一方の下端縁C11/C12(「/」はorを意味する)が包装箱Bの開口縁B11/B12に被せた後に、蓋体Cの奥行方向の他方の下端縁C12/C11を包装箱Bの開口縁B12/B11に被せる構成した。しかしながら、蓋体Cの奥行方向の一方の下端縁C11/C12が包装箱Bの開口縁B11/B12に被せ、その後に、蓋体を他端C12/C11の方向に漸動させて、蓋体Cの奥行方向の他方の下端縁C12/C11を包装箱Bの開口縁B1に2被せる構成としてもよい。より一層、包装箱Bと蓋体Cとの位置ずれマージンを拡大することができ、包装箱Bの開口縁B1と蓋体Cの下端縁C1との衝突に伴う嵌合エラーを抑止して施蓋をより一層安定化させることができる。
【0077】
(4)上記実施の形態では、昇降移動機構22は、保持ユニット21を高さ方向に移動させてその高さを変更するとともに、保持ユニット21を奥行方向に移動させて奥行方向の位置を変更する構成とした。しかしながら、昇降移動機構22は、さらに、保持ユニット21を幅方向に移動させて幅方向の位置を変更する構成としてもよい。蓋体Cを保持した保持ユニット21を、包装箱搬送手段10による包装箱Bを幅方向への搬送と並走させた状態で、包装箱Bへの蓋体Cの施蓋動作や、吸着面211aによる蓋体Cの吸着の解除等の動作を行うことができ、施蓋に要する動作時間をより一層、短縮することができる。
【0078】
(5)上記実施の形態では、ガイド手段30は、包装箱Bの幅方向両側にそれぞれ配される構成とした。しかしながら、包装箱B内の包装体Lの配置により、包装箱Bの幅方向片側においてのみ、包装体Lの一部が包装箱Bからはみ出す、および/または、包装箱Bを膨らませるように変形させる、可能性がある場合には、ガイド手段30は、当該片側のみに配される態様としてもよい。
【0079】
(6)上記実施の形態では、ガイド手段30は、包装箱Bの幅方向に配される構成とした。しかしながら、包装箱B内の包装体Lの配置により、包装箱Bの奥行方向の両側又は片側において、包装体Lの一部が包装箱Bからはみ出す、および/または、包装箱Bを膨らませるように変形させる可能性がある場合には、ガイド手段30は、包装箱Bの奥行方向の両側又は片側に配される態様としてもよい。あるいは、ガイド手段30は、包装箱Bの幅方向と奥行方向との両法に配される構成としてもよい。
【0080】
(7)上記実施の形態では、ガイド手段30のガイド部31が、吸着面211aに対し傾斜を有した状態で互いに吸着面211aと平行な幅方向に接離するとともに、ガイド部31が吸着面211aと垂直な高さ方向に平行移動する構成とした。しかしながら、さらに、一対のガイド手段30のガイド部31は、揺動することにより、少なくとも先端部が、それぞれ幅方向、奥行方向に互いに接近するように構成してもよい。ガイド手段30が、吸着面211aと平行な幅方向に包装箱Bから離間する際の、退避に必要な移動量を縮減して、施蓋に要する動作時間をより一層、短縮することができる。
【0081】
≪補足≫
以上で説明した実施の形態1は、いずれも本発明の好ましい一具体例を示すものである。実施の形態1で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、工程、工程の順序などは一例であり、本発明を限定する主旨ではない。また、実施の形態1における構成要素のうち、本発明の最上位概念を示す独立請求項に記載されていないものについては、より好ましい形態を構成する任意の構成要素として説明される。
【0082】
また、上記の方法が実行される順序は、本発明を具体的に説明するために例示するためのものであり、上記以外の順序であってもよい。また、上記方法の一部が、他の方法と同時(並列)に実行されてもよい。
【0083】
また、発明の理解の容易のため、上記各実施の形態1で挙げた各図の構成要素の縮尺は実際のものと異なる場合がある。また本発明は上記各実施の形態1の記載によって限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。
【0084】
また、各実施の形態及びその変形例の機能のうち少なくとも一部を組み合わせてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0085】
本開示の一態様に係る吸着ヘッド及びそれを用いた包装箱施蓋装置は、包装体の施蓋装置に利用可能である。また、包装体により包装された、例えば、飲料、食品、調味料、化粧品、洗剤等を箱詰して施蓋するための包装装置として好適に利用可能である。
【符号の説明】
【0086】
1 包装箱施蓋装置
10 包装箱搬送手段
11 基台
12 基台移送機構
20 蓋体移送手段
21 保持ユニット
211 吸着部
211a 吸着面
211b 吸気路
212 保持部
213 吊り下げアーム
22 昇降移動機構
221 昇降アーム
23 ガイドレール
24 蓋体供給部
30 ガイド手段
31 ガイド部
32 支持部
40 ガイド可動手段
41 ガイド接離機構
42 ガイド昇降機構
50 装置本体
51 駆動部
51a 包装箱搬送駆動部
51b 蓋体移送駆動部
51c 吸着駆動部
51d ガイド駆動部
52 制御部
L 包装体
L0 胴部
L1 エンドシール部
L1a 端部
P 包装ユニット
B 包装箱
C 蓋体
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18