(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-14
(45)【発行日】2023-12-22
(54)【発明の名称】空気入りタイヤ
(51)【国際特許分類】
B60C 13/00 20060101AFI20231215BHJP
B60C 13/02 20060101ALI20231215BHJP
【FI】
B60C13/00 D
B60C13/02
(21)【出願番号】P 2019236090
(22)【出願日】2019-12-26
【審査請求日】2022-10-13
(73)【特許権者】
【識別番号】000003148
【氏名又は名称】TOYO TIRE株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000729
【氏名又は名称】弁理士法人ユニアス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】佐野 伸悟
【審査官】松岡 美和
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-039362(JP,A)
【文献】米国特許第06533007(US,B1)
【文献】米国特許出願公開第2021/0170802(US,A1)
【文献】特開2009-149181(JP,A)
【文献】特開2016-155448(JP,A)
【文献】特開2016-137865(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0290497(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60C 13/00-13/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
タイヤ径方向に延びるサイドウォール部を備え、
前記サイドウォール部は、タイヤ周方向に並ぶ複数のサイドブロックを備え、
前記複数のサイドブロックは、前記タイヤ周方向で隣接する第1サイドブロック及び
前記第1サイドブロックの形状と異なる形状である第2サイドブロックを含み、
前記第1サイドブロックは、
タイヤ幅方向に突出する第1本体部と、前記第1
本体部の前記タイヤ周方向の端縁から離れた位置に、
前記第1本体部から凹む凹部
とを備え、
前記第2サイドブロックは、
前記タイヤ幅方向に突出する第2本体部と、前記第2
本体部の前記タイヤ周方向の端縁から離れた位置に、
前記第2本体部から突出する凸部
とを備える、空気入りタイヤ。
【請求項2】
前記凹部の少なくとも一部と前記凸部の少なくとも一部とは、タイヤ径方向の同じ位置に配置される、請求項1に記載の空気入りタイヤ。
【請求項3】
前記第1
本体部の前記タイヤ周方向の前記端縁が前記タイヤ径方向に対して傾斜する角度は、前記第2
本体部の前記タイヤ周方向の前記端縁が前記タイヤ径方向に対して傾斜する角度よりも、小さい、請求項1又は2に記載の空気入りタイヤ。
【請求項4】
前記第1サイドブロックは、タイヤ径方向の外側を向く外向面を備える、請求項1~3の何れか1項に記載の空気入りタイヤ。
【請求項5】
前記第1サイドブロックは、前記タイヤ径方向の外側を向く第1外向面及び第2外向面を備え、
前記第1外向面は、前記第2外向面と前記タイヤ径方向で離れる、請求項4に記載の空気入りタイヤ。
【請求項6】
前記第2サイドブロックは、前記第2
本体部の前記タイヤ周方向の端縁から離れた位置に、前記タイヤ幅方向に凹む凹部を備える、請求項1~5の何れか1項に記載の空気入りタイヤ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、空気入りタイヤに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば、空気入りタイヤにおいては、サイドウォール部は、タイヤ周方向に並ぶ複数のサイドブロックを備えている(例えば、特許文献1)。そして、砂地、岩場、泥濘地といった悪路において、複数のサイドブロックによるトラクション(滑らずに引っ掛かる力)が生じるため、悪路における走行性能を向上させることができる。ところで、近年、走行路の状況(例えば、砂地、岩場、泥濘地等の種類)に関わらず、バランスよくトラクションが生じる空気入りタイヤが要望されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
そこで、本開示の目的は、走行路の状況に関わらず、バランスよくトラクションを生じさせることができる空気入りタイヤを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
空気入りタイヤは、タイヤ径方向に延びるサイドウォール部を備え、前記サイドウォール部は、タイヤ周方向に並ぶ複数のサイドブロックを備え、前記複数のサイドブロックは、前記タイヤ周方向で隣接する第1サイドブロック及び第2サイドブロックを含み、前記第1サイドブロックは、前記第1サイドブロックの前記タイヤ周方向の端縁から離れた位置に、タイヤ幅方向に凹む凹部を備え、前記第2サイドブロックは、前記第2サイドブロックの前記タイヤ周方向の端縁から離れた位置に、前記タイヤ幅方向に突出する凸部を備える。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】一実施形態に係る空気入りタイヤのタイヤ子午面における要部断面図
【
図2】同実施形態に係る空気入りタイヤの要部斜視図
【
図3】同実施形態に係る空気入りタイヤの要部側面図(タイヤ幅方向視図)
【
図4】
図3のIV-IV線の要部拡大断面図(タイヤ子午面断面図)
【
図5】
図3のV-V線の要部拡大断面図(タイヤ子午面断面図)
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、空気入りタイヤにおける一実施形態について、
図1~
図5を参照しながら説明する。なお、各図において、図面の寸法比と実際の寸法比とは、必ずしも一致しておらず、また、各図面の間での寸法比も、必ずしも一致していない。
【0008】
図1に示すように、空気入りタイヤ(以下、単に「タイヤ」ともいう)1は、ビード11aを有する一対のビード部11と、各ビード部11からタイヤ径方向D2の外側に延びるサイドウォール部12と、一対のサイドウォール部12の各々のタイヤ径方向D2の外側端に連接され、地面と接するトレッド面13aをタイヤ径方向D2の外側に有するトレッド部13とを備えている。なお、タイヤ1は、リム(図示していない)に装着される。
【0009】
また、タイヤ1は、一対のビード11a,11aの間に架け渡されるカーカス層14と、カーカス層14の内側に配置され、空気が充填されるタイヤ1の内部空間に面するインナーライナー層15とを備えている。カーカス層14及びインナーライナー層15は、ビード部11、サイドウォール部12、及びトレッド部13に亘って、タイヤ内周に沿って配置されている。
【0010】
各図において、第1の方向D1は、タイヤ回転軸と平行であるタイヤ幅方向D1であり、第2の方向D2は、タイヤ1の直径方向であるタイヤ径方向D2であり、第3の方向D3は、タイヤ回転軸周りの方向であるタイヤ周方向D3である。また、タイヤ赤道面S1とは、タイヤ回転軸に直交する面で且つタイヤ幅方向D1の中心に位置する面であり、タイヤ子午面とは、タイヤ回転軸を含む面であって、タイヤ赤道面S1と直交する面である。
【0011】
なお、タイヤ幅方向D1において、内側とは、タイヤ赤道面S1に近い側のことであり、外側とは、タイヤ赤道面S1から遠い側のことである。また、タイヤ径方向D2において、内側とは、タイヤ回転軸に近い側のことであり、外側とは、タイヤ回転軸から遠い側のことである。
【0012】
ビード11aは、環状に形成されるビードコア11bと、ビードコア11bのタイヤ径方向D2の外側に配置されるビードフィラー11cとを備えている。例えば、ビードコア11bは、ゴム被覆されたビードワイヤ(例えば、金属線)を積層して形成され、ビードフィラー11cは、硬質ゴムを、タイヤ径方向D2の外側に向けてテーパ状にして形成されている。
【0013】
ビード部11は、リムに接触する外表面を構成すべく、カーカス層14のタイヤ幅方向D1の外側に配置されるリムストリップゴム11dを備えている。サイドウォール部12は、外表面を構成すべく、カーカス層14のタイヤ幅方向D1の外側に配置されるサイドウォールゴム12aを備えている。
【0014】
トレッド部13は、トレッド面13aを構成するトレッドゴム13bと、トレッドゴム13bとカーカス層14との間に配置されるベルト部13cとを備えている。ベルト部13cは、複数(
図1においては、4つ)のベルトプライ13dを備えている。例えば、ベルトプライ13dは、平行配列した複数本のベルトコード(例えば、有機繊維や金属)と、ベルトコードを被覆するトッピングゴムとを備えている。
【0015】
カーカス層14は、少なくとも1つ(
図1においては、2つ)のカーカスプライ14aで構成されている。カーカスプライ14aは、ビード11aを巻き込むようにビード11aの周りで折り返されている。また、カーカスプライ14aは、タイヤ周方向D3に対して略直交する方向に配列した複数のプライコード(例えば、有機繊維や金属)と、プライコードを被覆するトッピングゴムとを備えている。
【0016】
インナーライナー層15は、空気圧を保持するために、気体の透過を阻止する機能に優れている。なお、サイドウォール部12において、インナーライナー層15は、カーカス層14の内周側に密接しており、インナーライナー層15及びカーカス層14間には、他の部材は介在していない。
【0017】
例えば、最も内周側に配置されるカーカスプライ14aとタイヤ内周面(インナーライナー層15の内周面)との間の距離において、サイドウォール部12の当該距離は、トレッド部13の当該距離の90%~180%である。より具体的には、サイドウォール部12の当該距離は、トレッド部13の当該距離の120%~160%である。
【0018】
なお、サイドウォール部12は、タイヤ最大幅となる位置(具体的には、カーカス層14のタイヤ幅方向D1の外側同士間の距離W1のうち、最大距離となる位置)とタイヤ径方向D2で同じ位置12bを、外表面に備えている。以下、当該位置12bを、タイヤ最大幅位置12bという。
【0019】
また、サイドウォール部12は、ビードフィラー11cのタイヤ径方向D2の外側端11eと、タイヤ径方向D2で同じ位置12cを、外表面に備えている。以下、当該位置12cを、ビード端位置12cという。
【0020】
図2及び
図3に示すように、トレッド部13は、タイヤ幅方向D1の外側端まで延びる複数の溝13eと、複数の溝13eに区画される複数のトレッドブロック13fとを備えている。複数のトレッドブロック13fは、タイヤ周方向D3に並ぶように配置されている。
【0021】
サイドウォール部12は、タイヤ幅方向D1に突出する複数のサイドブロック2,3と、タイヤ幅方向D1に突出し、タイヤ周方向D3に延びる環状突起部4とを備えている。サイドブロック2,3は、タイヤ周方向D3に並ぶように配置されており、環状突起部4は、タイヤ周方向D3で隣接されるサイドブロック2,3同士を接続している。なお、サイドウォール部12は、環状突起部4を備えていない、という構成でもよい。
【0022】
サイドブロック2,3は、面やエッジの成分を備えている。そして、泥、砂、岩に接地する部分に、凹凸形状が形成されることにより、泥、砂、岩に接地する面積が、大きくなったり、また、その凹凸形状による面やエッジが、さまざまな位置の泥、砂、岩に接地し易くなったりする。このように、泥、砂、岩に接地する部分に、凹凸形状が形成されることで、トラクション性能が向上する。
【0023】
そして、サイドブロック2,3は、サイドウォール部12の少なくともタイヤ径方向D2の外側に配置されている。特に限定されないが、例えば、サイドブロック2,3は、サイドウォール部12のビード端位置12c(
図1参照)よりも、タイヤ径方向D2の外側に配置されていてもよい。また、例えば、サイドブロック2,3は、サイドウォール部12のタイヤ最大幅位置12b(
図1参照)よりも、タイヤ径方向D2の外側に配置されていてもよい。
【0024】
これにより、サイドブロック2,3は、泥濘地や砂地において、車両の重みによりタイヤ1が沈降し、泥や砂に埋没した状態で接地したり、また、岩場において、凹凸の岩に接地したりできる。即ち、サイドブロック2,3は、泥濘地、砂地、及び岩場といった悪路において、接地する。なお、サイドブロック2,3は、平坦な道路において、通常走行時に接地しない。
【0025】
また、サイドウォール部12は、サイドブロック2,3間に、サイドブロック2,3によって構成される隙間部5を備えている。そして、隙間部5は、溝13eと連接されている。これにより、サイドブロック2,3の少なくとも一部とトレッドブロック13fの少なくとも一部とは、タイヤ周方向D3の同じ位置に配置されている。特に限定されないが、本実施形態においては、サイドブロック2,3の個数は、トレッドブロック13fの個数と、同数である。
【0026】
複数のサイドブロック2,3は、タイヤ周方向D3で隣接する第1サイドブロック2と第2サイドブロック3とを含んでいる。第1サイドブロック2と第2サイドブロック3とは、タイヤ周方向D3において、交互に配置されている。そして、サイドブロック2,3は、環状突起部4よりもタイヤ径方向D2の外側に配置される外側部2a,3aと、環状突起部4よりもタイヤ径方向D2の内側に配置される内側部2b,3bとを備えている。
【0027】
ここで、第1サイドブロック2の構成について、
図2~
図4を参照しながら説明する。
【0028】
図2~
図4に示すように、第1サイドブロック2は、第1サイドブロック2のタイヤ周方向D3の端縁2cから離れた位置に、タイヤ幅方向D1に凹む複数の凹部2d,2eを備えている。具体的には、第1サイドブロック2は、タイヤ幅方向D1に突出する本体部2fと、本体部2fのタイヤ周方向D3の端縁2cから離れた位置に、本体部2fから凹む凹部2d,2eとを備えている。
【0029】
そして、複数の凹部2d,2eは、第1サイドブロック2の内側部2bに配置される第1凹部2dと、第1サイドブロック2の外側部2aに配置される第2凹部2eとを含んでいる。また、特に限定されないが、本実施形態においては、凹部2d,2eは、第1サイドブロック2のタイヤ径方向D2の内側の端縁2gから離れた位置に、配置されている。なお、特に限定されないが、本実施形態においては、本体部2fは、タイヤ径方向D2の内側の端部に、タイヤ周方向D3に突出する突出部2h,2hを備えている。
【0030】
また、第1サイドブロック2は、タイヤ径方向D2の外側を向く複数の外向面2i,2j,2kを備えている。複数の外向面2i,2j,2kは、第1サイドブロック2の内側部2bに配置される第1外向面2i及び第2外向面2jと、第1サイドブロック2の外側部2aに配置される第3外向面2kとを含んでいる。
【0031】
第1外向面2iは、突出部2hのタイヤ径方向D2の外側の端部に配置され、第2外向面2jは、第1凹部2dのタイヤ径方向D2の内側の端部に配置され、第3外向面2kは、第2凹部2eのタイヤ径方向D2の内側の端部に配置されている。なお、特に限定されないが、本実施形態においては、第1外向面2iは、第1サイドブロック2のタイヤ周方向D3の端縁2cに連接されており、第2外向面2j及び第3外向面2kは、第1サイドブロック2のタイヤ周方向D3の端縁2cから離れている。
【0032】
そして、第1外向面2i、第2外向面2j及び第3外向面2kは、それぞれ互いにタイヤ径方向D2で離れている。即ち、第1外向面2i、第2外向面2j及び第3外向面2kは、それぞれタイヤ径方向D2の異なる位置に配置されている。なお、特に限定されないが、タイヤ子午面の断面において、タイヤ幅方向D1に対する外向面2i,2j,2kの傾斜角度θ3,θ4,θ5は、例えば、45°以下としてもよく、また、例えば、30°以下としてもよく、また、例えば、15°以下としてもよい。
【0033】
次に、第2サイドブロック3の構成について、
図2、
図3及び
図5を参照しながら説明する。
【0034】
図2、
図3及び
図5に示すように、第2サイドブロック3は、第2サイドブロック3のタイヤ周方向D3の端縁3cから離れた位置に、タイヤ幅方向D1に突出する複数の凸部3d,3eを備えている。具体的には、第2サイドブロック3は、タイヤ幅方向D1に突出する本体部3fと、本体部3fのタイヤ周方向D3の端縁3cから離れた位置に、本体部3fから突出する凸部3d,3eを備えている。
【0035】
複数の凸部3d,3eは、第2サイドブロック3の内側部3bに配置される第1凸部3dと、第2サイドブロック3の外側部3aに配置される第2凸部3eとを含んでいる。なお、特に限定されないが、本実施形態においては、凸部3d,3eは、第2サイドブロック3のタイヤ径方向D2の内側の端縁3gから離れた位置に、配置されている。
【0036】
また、第2サイドブロック3は、第2サイドブロック3のタイヤ周方向D3の端縁3cから離れた位置に、タイヤ幅方向D1に凹む凹部3hを備えている。凹部3hは、本体部3fから凹んでいる。そして、凹部3hは、第2サイドブロック3のタイヤ径方向D2の内側の端縁3gから離れた位置に、配置されている。
【0037】
具体的には、凹部3hは、第2サイドブロック3の外側部3aに配置されている。そして、凹部3hは、凸部3d,3eよりも、タイヤ径方向D2の外側に配置されている。なお、特に限定されないが、本実施形態においては、凹部3hは、第2凸部3eのタイヤ径方向D2の外側の端部に連接されている。
【0038】
次に、第1サイドブロック2及び第2サイドブロック3の構成について、
図3~
図5を参照しながら説明する。
【0039】
図3に示すように、凹部2d,2eの少なくとも一部と凸部3d,3eの少なくとも一部とは、タイヤ径方向D2の同じ位置に配置されている。具体的には、第1凸部3dは、第1凹部2dの一部と、タイヤ径方向D2の同じ位置に配置されており、第2凸部3eは、第2凹部2eの一部と、タイヤ径方向D2の同じ位置に配置されている。
【0040】
また、第1サイドブロック2(内側部2b)のタイヤ周方向D3の端縁2cは、タイヤ径方向D2に対して第1傾斜角度θ1で傾斜しており、第2サイドブロック3(内側部3b)のタイヤ周方向D3の端縁3cは、タイヤ径方向D2に対して第2傾斜角度θ2で傾斜している。なお、基準となるタイヤ径方向D2は、端縁2c,3cのタイヤ径方向D2の内側端を通る(含む)タイヤ径方向D2とする。
【0041】
そして、第1傾斜角度θ1,θ1は、第2傾斜角度θ2よりも、小さくなっている。なお、特に限定されないが、第1傾斜角度θ1は、例えば、15°以下としてもよく、また、例えば、10°以下としてもよく、また、例えば、5°以下としてもよい。また、特に限定されないが、第2傾斜角度θ2は、例えば、15°以下としてもよく、また、例えば、10°以下としてもよい。
【0042】
また、特に限定されないが、本実施形態においては、隙間部5のタイヤ径方向D2の内端部は、タイヤ径方向D2の内側に向けて、幅広となるように形成されている。具体的には、隙間部5のうち、第1サイドブロック2の突出部2hの端縁2cと、第2サイドブロック3の端縁3cとによって形成される部分は、タイヤ径方向D2の内側に向けて、幅広となるように形成されている。
【0043】
また、特に限定されないが、本実施形態においては、第1サイドブロック2の本体部2fは、第2サイドブロック3の本体部3fよりも、タイヤ幅方向D1の外側に位置している。即ち、第1サイドブロック2の本体部2fがプロファイル面(基準面)S2から突出する量は、第2サイドブロック3の本体部3fがプロファイル面S2から突出する量よりも、大きい。なお、
図4及び
図5(
図1も同様)において、プロファイル面S2は、2点鎖線で示している。
【0044】
また、特に限定されないが、本実施形態においては、第1サイドブロック2の凹部2d,2eが本体部2fから凹む量は、第2サイドブロック3の凸部3d,3eが本体部3fから突出する量よりも、大きくなっている。具体的には、第1サイドブロック2の凹部2d,2eが本体部2fから凹む量の最大値は、第2サイドブロック3の凸部3d,3eが本体部3fから突出する量の最大値よりも、大きくなっている。
【0045】
なお、上述した各寸法値、位置関係及び大小関係等は、タイヤ1を正規リムに装着して正規内圧を充填した無負荷の正規状態で測定したものである。正規リムは、タイヤ1が基づいている規格を含む規格体系において、当該規格がタイヤ1ごとに定めるリムであり、例えば、JATMAであれば標準リム、TRA及びETRTOであれば「Measuring Rim」となる。
【0046】
また、正規内圧は、タイヤ1が基づいている規格を含む規格体系において、各規格がタイヤ1ごとに定めている空気圧であり、JATMAであれば最高空気圧、TRAであれば表「TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES」に記載の最大値、ETRTOであれば「INFLATIONPRESSURE」である。
【0047】
本実施形態に係る空気入りタイヤ1の構成については以上の通りであり、次に、本実施形態に係る空気入りタイヤ1の作用について説明する。
【0048】
例えば、砂地、泥濘地で、サイドブロック2,3にトラクションを生じさせるためには、流動し易い砂、泥を剪断する必要がある。それに対して、第1サイドブロック2が、凹部2d,2eを備えているため、例えば、一部の砂、泥は、凹部2d,2eの内部に入る。これにより、砂、泥が第1サイドブロック2の凹部2d,2eによって剪断されるため、第1サイドブロック2にトラクションを生じさせることができる。
【0049】
しかも、第1サイドブロック2の端縁2cがタイヤ径方向D2に対して傾斜する角度(即ち、第1傾斜角度)θ1が、小さいため、一部の砂、泥は、端縁2cに引っ掛けられる。これにより、砂、泥が第1サイドブロック2の端縁2cによって剪断されるため、第1サイドブロック2にトラクションをさらに生じさせることができる。
【0050】
さらに、隙間部5のタイヤ径方向D2の内端部が、タイヤ径方向D2の内側に向けて、幅広であるため、第1サイドブロック2の端縁2cで引っ掛けられた砂、泥を、隙間部5のタイヤ径方向D2の内端部から効果的に排出することができる。特に、第2サイドブロック3の端縁3cがタイヤ径方向D2に対して傾斜する角度(即ち、第2傾斜角度)θ2が、大きくなっているため、隙間部5の内部の砂、泥を、隙間部5のタイヤ径方向D2の内端部から確実に排出することができる。
【0051】
これにより、例えば、砂、泥が第1サイドブロック2の端縁2cによって次々に剪断されるため、第1サイドブロック2にトラクションを生じさせることができる。このように、例えば、砂地、泥濘地等を走行した場合に、第1サイドブロック2の凹部2d,2e及び端縁2cが砂、泥を剪断するため、第1サイドブロック2にトラクションを効率的に生じさせることができる。
【0052】
一方、第2サイドブロック3が、端縁3cだけでなく、凸部3d,3eも備えているため、例えば、岩場を走行した場合に、端縁3cだけでなく、凸部3d,3eも、岩に引っ掛かる。これにより、第2サイドブロック3にトラクションを生じさせることができる。なお、第2サイドブロック3の端縁3cがタイヤ径方向D2に対して傾斜する角度(即ち、第2傾斜角度)θ2が、大きいため、第2サイドブロック3の端縁3cの長さは、長くなっている。
【0053】
このように、例えば、岩場を走行した場合に、第2サイドブロック3の凸部3d,3e及び端縁3cが岩に引っ掛かるため、第2サイドブロック3にトラクションを効率的に生じさせることができる。したがって、砂地、泥濘地等を走行した場合に、第1サイドブロック2にトラクションを効率的に生じさせることができ、且つ、岩場を走行した場合に、第2サイドブロック3にトラクションを効率的に生じさせることができる。
【0054】
加えて、凸部3d,3eが、凹部2d,2eの一部と、タイヤ径方向D2の同じ位置に配置されているため、タイヤ1が接地した際に、路面に対して同じ高さに、凹部2d,2e及び凸部3d,3eが配置されることになる。したがって、走行路の種類(例えば、砂地、泥濘地、岩場)、地面からの位置(例えば、砂の深さ、泥の深さ、岩の高さ)といった走行路の状況に関わらず、バランスよくトラクションを生じさせることができる。
【0055】
ところで、第1サイドブロック2は、それぞれ互いにタイヤ径方向D2で離れる複数の外向面2i,2j,2kを備えているため、タイヤ1が接地した際に、路面に対して異なる高さに、複数の外向面2i,2j,2kが配置されることになる。これにより、例えば、岩場を走行した場合に、第1サイドブロック2の外向面2i,2j,2kが、さまざまな高さの岩に引っ掛かるため、第1サイドブロック2にトラクションを効率的に生じさせることができる。
【0056】
したがって、第1サイドブロック2においては、例えば、砂地、泥濘地等を走行した場合に、凹部2d,2e及び端縁2cによって、トラクションを効率的に生じさせることができ、また、例えば、岩場等を走行した場合に、外向面2i,2j,2kによって、トラクションを効率的に生じさせることができる。よって、走行路の種類(例えば、砂地、泥濘地、岩場)といった走行路の状況に関わらず、第1サイドブロック2に対して、バランスよくトラクションを生じさせることができる。
【0057】
一方で、第2サイドブロック3が、凸部3d,3eだけでなく、凹部3hを備えているため、例えば、一部の砂、泥は、凹部3hの内部に入る。しかも、第2サイドブロック3においては、凹部3hが、凸部3d,3eよりもタイヤ径方向D2の外側に配置されているため、タイヤ1が接地した際に、凹部3hは、路面の近くに配置されることになる。そして、例えば、砂地、泥濘地を走行した場合に、砂、泥が凹部3hによって剪断されるため、第2サイドブロック3にトラクションを効率的に生じさせることができる。
【0058】
したがって、第2サイドブロック3においては、例えば、岩場等を走行した場合に、凸部3d,3e及び端縁3cによって、トラクションを効率的に生じさせることができ、また、例えば、砂地、泥濘地等を走行した場合に、凹部3hによって、トラクションを効率的に生じさせることができる。よって、走行路の種類(例えば、砂地、泥濘地、岩場)といった走行路の状況に関わらず、第2サイドブロック3に対して、バランスよくトラクションを生じさせることができる。
【0059】
なお、上記した作用は、一例であって、タイヤ1の作用は、上記作用に限定されない。例えば、砂地、泥濘地等を走行した場合に、第1サイドブロック2の外向面2i,2j,2k、第2サイドブロック3の凸部3d,3e及び端縁3cによって、サイドブロック2,3にトラクションが効率的に生じてもよい。また、例えば、岩場等を走行した場合に、第1サイドブロック2の凹部2d,2e及び端縁2c、第2サイドブロック3の凹部3hによって、サイドブロック2,3にトラクションが効率的に生じてもよい。
【0060】
以上より、本実施形態に係る空気入りタイヤ1は、タイヤ径方向D2に延びるサイドウォール部12を備え、前記サイドウォール部12は、タイヤ周方向D3に並ぶ複数のサイドブロック2,3を備え、前記複数のサイドブロック2,3は、前記タイヤ周方向D3で隣接する第1サイドブロック2及び第2サイドブロック3を含み、前記第1サイドブロック2は、前記第1サイドブロック2の前記タイヤ周方向D3の端縁2cから離れた位置に、タイヤ幅方向D1に凹む凹部2d,2eを備え、前記第2サイドブロック3は、前記第2サイドブロック3の前記タイヤ周方向D3の端縁3cから離れた位置に、前記タイヤ幅方向D1に突出する凸部3d,3eを備える。
【0061】
斯かる構成によれば、例えば、砂地、泥濘地等を走行した場合に、凹部2d,2eによって第1サイドブロック2にトラクションが生じ易くなる。また、例えば、岩場等を走行した場合に、凸部3d,3eによって第2サイドブロック3にトラクションが生じ易くなる。したがって、走行路の状況に関わらず、バランスよくトラクションを生じさせることができる。
【0062】
また、本実施形態に係る空気入りタイヤ1においては、前記凹部2d,2eの少なくとも一部と前記凸部3d,3eの少なくとも一部とは、タイヤ径方向D2の同じ位置に配置される、という構成である。
【0063】
斯かる構成によれば、タイヤ1が接地した際に、路面に対して同じ高さに、第1サイドブロック2の凹部2d,2eと第2サイドブロック3の凸部3d,3eとは、配置されることになる。したがって、走行路の状況に関わらず、さらにバランスよくトラクションを生じさせることができる。
【0064】
また、本実施形態に係る空気入りタイヤ1においては、前記第1サイドブロック2の前記タイヤ周方向D3の前記端縁2cが前記タイヤ径方向D2に対して傾斜する角度θ1は、前記第2サイドブロック3の前記タイヤ周方向D3の前記端縁3cが前記タイヤ径方向D2に対して傾斜する角度θ2よりも、小さい、という構成である。
【0065】
斯かる構成によれば、第1サイドブロック2のタイヤ周方向D3の端縁2cがタイヤ径方向D2に対して傾斜する角度θ1が、小さいため、端縁2cによって第1サイドブロック2にトラクションが生じ易くなる。一方で、第2サイドブロック3のタイヤ周方向D3の端縁3cがタイヤ径方向D2に対して傾斜する角度θ2が、大きいため、第2サイドブロック3の端縁3cの長さを、長くすることができる。
【0066】
また、本実施形態に係る空気入りタイヤ1においては、前記第1サイドブロック2は、タイヤ径方向D2の外側を向く外向面2i,2j,2kを備える、という構成である。
【0067】
斯かる構成によれば、例えば、岩場等を走行した場合に、外向面2i,2j,2kによって第1サイドブロック2にトラクションが生じ易くなる。これにより、走行路の状況に関わらず、第1サイドブロック2に対して、バランスよくトラクションを生じさせることができる。
【0068】
また、本実施形態に係る空気入りタイヤ1においては、前記第1サイドブロック2は、前記タイヤ径方向D2の外側を向く第1外向面2i(2j;2k)及び第2外向面2j,2k(2k,2i;2i,2j)を備え、前記第1外向面2i(2j;2k)は、前記第2外向面2j,2k(2k,2i;2i,2j)と前記タイヤ径方向D2で離れる、という構成である。
【0069】
斯かる構成によれば、タイヤ1が接地した際に、路面に対して異なる高さに、第1外向面2i(2j;2k)及び第2外向面2j,2k(2k,2i;2i,2j)が配置されることになる。これにより、例えば、岩場等を走行した場合に、外向面2i,2j,2kによって第1サイドブロック2にトラクションがさらに生じ易くなる。これにより、走行路の状況に関わらず、第1サイドブロック2に対して、さらにバランスよくトラクションを生じさせることができる。
【0070】
また、本実施形態に係る空気入りタイヤ1においては、前記第2サイドブロック3は、前記第2サイドブロック3の前記タイヤ周方向D3の端縁3cから離れた位置に、前記タイヤ幅方向D1に凹む凹部3hを備える、という構成である。
【0071】
斯かる構成によれば、例えば、砂地、泥濘地等を走行した場合に、凹部3hによって第2サイドブロック3にトラクションが生じ易くなる。これにより、走行路の状況に関わらず、第2サイドブロック3に対して、バランスよくトラクションを生じさせることができる。
【0072】
なお、空気入りタイヤ1は、上記した実施形態の構成に限定されるものではなく、また、上記した作用効果に限定されるものではない。また、空気入りタイヤ1は、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。例えば、下記する各種の変更例に係る構成や方法等を任意に一つ又は複数選択して、上記した実施形態に係る構成や方法等に採用してもよいことは勿論である。
【0073】
(1)上記実施形態に係る空気入りタイヤ1においては、第1サイドブロック2の凹部2d,2eの少なくとも一部と第2サイドブロック3の凸部3d,3eの少なくとも一部とは、タイヤ径方向D2の同じ位置に配置される、という構成である。しかしながら、空気入りタイヤ1は、斯かる構成に限られない。
【0074】
例えば、第1サイドブロック2の凹部2d,2eと第2サイドブロック3の凸部3d,3eとは、タイヤ径方向D2の異なる位置に配置されている、という構成でもよい。具体的には、第1サイドブロック2の凹部2d,2eは、第2サイドブロック3の凸部3d,3eと、タイヤ径方向D2で離れている、という構成でもよい。
【0075】
(2)また、上記実施形態に係る空気入りタイヤ1においては、第2サイドブロック3の凸部3d,3eは、第1サイドブロック2の凹部2d,2eの一部と、タイヤ径方向D2の同じ位置に配置されている、という構成である。しかしながら、空気入りタイヤ1は、斯かる構成に限られない。
【0076】
例えば、第1サイドブロック2の凹部2d,2eは、第2サイドブロック3の凸部3d,3eの一部と、タイヤ径方向D2の同じ位置に配置されている、という構成でもよい。また、例えば、第2サイドブロック3の凸部3d,3eは、第1サイドブロック2の凹部2d,2eの全体と、タイヤ径方向D2の同じ位置に配置されている、という構成でもよい。
【0077】
(3)また、上記実施形態に係る空気入りタイヤ1においては、第1サイドブロック2のタイヤ周方向D3の端縁2cがタイヤ径方向D2に対して傾斜する第1傾斜角度θ1は、第2サイドブロック3のタイヤ周方向D3の端縁3cがタイヤ径方向D2に対して傾斜する第2傾斜角度θ2よりも、小さい、という構成である。しかしながら、空気入りタイヤ1は、斯かる構成に限られない。例えば、当該第1傾斜角度θ1は、当該第2傾斜角度θ2よりも、大きい、という構成でもよい。
【0078】
(4)また、上記実施形態に係る空気入りタイヤ1においては、第1サイドブロック2は、タイヤ径方向D2の外側を向く外向面2i,2j,2kを複数備えている、という構成である。しかしながら、空気入りタイヤ1は、斯かる構成に限られない。第1サイドブロック2は、例えば、外向面2i,2j,2kを一つ備えている、という構成でもよく、また、例えば、外向面2i,2j,2kを備えていない、という構成でもよい。
【0079】
(5)また、上記実施形態に係る空気入りタイヤ1においては、所定の外向面2i(2j;2k)は、少なくとも一つの他の外向面2j,2k(2k,2i;2i,2j)とタイヤ径方向D2で離れている、という構成である。しかしながら、空気入りタイヤ1は、斯かる構成に限られない。例えば、全ての外向面2i,2j,2kは、タイヤ径方向D2の同じ位置に配置されている、という構成でもよい。
【0080】
(6)また、上記実施形態に係る空気入りタイヤ1においては、第2サイドブロック3は、第2サイドブロック3のタイヤ周方向D3の端縁3cから離れた位置に、タイヤ幅方向D1に凹む凹部3hを備えている、という構成である。しかしながら、空気入りタイヤ1は、斯かる構成に限られない。例えば、第2サイドブロック3は、凹部3hを備えていない、という構成でもよい。
【0081】
また、例えば、凹部3hは、第2サイドブロック3のタイヤ周方向D3の端縁3cに連接されている、という構成でもよい。また、例えば、凹部3hは、第2サイドブロック3のタイヤ径方向D2の内側の端縁3gに連接されている、という構成でもよい。また、例えば、凹部3hは、凸部3d,3eよりも、タイヤ径方向D2の内側に配置されている、という構成でもよい。
【0082】
(7)また、空気入りタイヤ1においては、第1サイドブロック2と第2サイドブロック3とは、タイヤ周方向D3において、交互に配置されている、という構成である。しかしながら、空気入りタイヤ1は、斯かる構成に限られない。
【0083】
例えば、一部の第1サイドブロック2,2同士(又は、一部の第2サイドブロック3,3同士)がタイヤ周方向D3で隣接されている、という構成でもよい。また、例えば、複数のサイドブロック2,3は、第1サイドブロック2及び第2サイドブロック3の形状と異なる形状である別のサイドブロックを含んでいる、という構成でもよい。
【0084】
(8)また、空気入りタイヤ1においては、第1及び第2サイドブロック2,3は、一方側のサイドウォール部12にのみ備えられている、という構成でもよく、両方のサイドウォール部12に備えられている、という構成でもよい。特に限定されないが、例えば、第1及び第2サイドブロック2,3は、一対のサイドウォール部12のうち、車両装着時に外側に配置されるサイドウォール部12に、少なくとも備えられている、という構成としてもよい。
【符号の説明】
【0085】
1…空気入りタイヤ、2…第1サイドブロック、2a…外側部、2b…内側部、2c…端縁、2d…第1凹部、2e…第2凹部、2f…本体部、2g…端縁、2h…突出部、2i…第1外向面、2j…第2外向面、2k…第3外向面、3…第2サイドブロック、3a…外側部、3b…内側部、3c…端縁、3d…第1凸部、3e…第2凸部、3f…本体部、3g…端縁、3h…凹部、4…環状突起部、5…隙間部、11…ビード部、11a…ビード、11b…ビードコア、11c…ビードフィラー、11d…リムストリップゴム、11e…外側端、12…サイドウォール部、12a…サイドウォールゴム、12b…タイヤ最大幅位置、12c…ビード端位置、13…トレッド部、13a…トレッド面、13b…トレッドゴム、13c…ベルト部、13d…ベルトプライ、13e…溝、13f…トレッドブロック、14…カーカス層、14a…カーカスプライ、15…インナーライナー層、D1…タイヤ幅方向、D2…タイヤ径方向、D3…タイヤ周方向、S1…タイヤ赤道面