(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-14
(45)【発行日】2023-12-22
(54)【発明の名称】衛生洗浄装置用のノズル
(51)【国際特許分類】
E03D 9/08 20060101AFI20231215BHJP
【FI】
E03D9/08 D
(21)【出願番号】P 2020011117
(22)【出願日】2020-01-27
【審査請求日】2022-11-02
(73)【特許権者】
【識別番号】504163612
【氏名又は名称】株式会社LIXIL
(74)【代理人】
【識別番号】100106002
【氏名又は名称】正林 真之
(74)【代理人】
【識別番号】100165157
【氏名又は名称】芝 哲央
(74)【代理人】
【識別番号】100126000
【氏名又は名称】岩池 満
(74)【代理人】
【識別番号】100160794
【氏名又は名称】星野 寛明
(72)【発明者】
【氏名】田村 秀樹
【審査官】村川 雄一
(56)【参考文献】
【文献】韓国登録特許第10-2028407(KR,B1)
【文献】特開2010-101153(JP,A)
【文献】特開2004-316150(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0298609(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E03D 9/00 - 9/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
衛生洗浄装置に用いられるノズルであって、
ノズルカバー側吐水孔部を有するセラミック製のノズルカバーと、
前記ノズルカバーの内部に配置され、前記ノズルカバー側吐水孔部に連通する流路側吐水孔部を有する先端側流路構成部と、
前記ノズルカバーの軸方向において前記先端側流路構成部の後部側に接続され、前記先端側流路構成部に対して前記ノズルカバーの軸方向の位置を調整可能な後部側流路構成部と、を備え
、
前記ノズルカバーが位置決めされる状態で、前記ノズルカバーの内部に、前記ノズルカバーの軸方向において、前記ノズルカバーの先端の内面と前記先端側流路構成部の先端の端面との間に隙間が形成され、前記先端側流路構成部の軸方向の途中に形成される段差面と前記後部側流路構成部の先端の端面との間に隙間が形成され、前記先端側流路構成部の後端の端面と前記後部側流路構成部の軸方向の途中に形成される段差面との間に隙間が形成される、ノズル。
【請求項2】
連結パイプを備え、
前記連結パイプは、前記先端側流路構成部と前記後部側流路構成部とを接続する、請求項1に記載のノズル。
【請求項3】
前記後部側流路構成部は、後部側流路構成部本体と、前記後部側流路構成部本体の後端に形成されるフランジ部と、を有し、
前記先端側流路構成部及び前記後部側流路構成部本体が前記ノズルカバーの内部に配置される、請求項1又は2に記載のノズル。
【請求項4】
前記先端側流路構成部及び前記後部側流路構成部同士を水密構造でシールする、請求項1~3のいずれかに記載のノズル。
【請求項5】
前記ノズルカバーの内部には、前記ノズルカバーの軸方向において、前記先端側流路構成部及び前記後部側流路構成部の位置を調整可能な隙間が形成される、請求項1
~4のいずれかに記載のノズル。
【請求項6】
前記先端側流路構成部と前記後部側流路構成部とが前記ノズルカバーの軸方向に直交する方向に見た場合に重複する部分において前記先端側流路構成部と前記後部側流路構成部との間をシールする水密構造を備える、請求項1
~5のいずれかに記載のノズル。
【請求項7】
前記先端側流路構成部は、前記ノズルカバーに対して位置決めされる、請求項1~
6のいずれかに記載のノズル。
【請求項8】
前記先端側流路構成部は、前記流路側吐水孔部を有する凸状の吐水部を有し、
前記吐水部は、前記ノズルカバー側吐水孔部に嵌合する、請求項
7に記載のノズル。
【請求項9】
前記後部側流路構成部は、前記ノズルカバーの後部側に形成される基準位置において前記ノズルカバーの軸方向の位置決めがされる、請求項1~
8のいずれかに記載のノズル。
【請求項10】
前記後部側流路構成部は、前記ノズルカバーに固定される、請求項1~
9のいずれかに記載のノズル。
【請求項11】
前記先端側流路構成部が前記ノズルカバーに組み付いた状態において、前記先端側流路構成部と前記ノズルカバーとの間には、前記流路側吐水孔部を前記ノズルカバー側吐水孔部に嵌合させるための嵌合用隙間が形成される、請求項1~
10のいずれかに記載のノズル。
【請求項12】
前記後部側流路構成部は、前記先端側流路構成部に係止される、請求項1~
11のいずれかに記載のノズル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、衛生洗浄装置用のノズルに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、衛生洗浄装置に用いられるノズルが知られている。ノズルにおいて、ノズルカバー側吐水孔部を有する筒状のノズルカバーと、ノズルカバーの内部に配置され流路側吐水孔部を有する流路構成部材と、を備えるものがある(例えば、特許文献1参照)。ノズルカバーの内部に流路構成部材が配置された状態においては、ノズルカバーのノズルカバー側吐水孔部と流路構成部材の流路側吐水孔部とは、ノズルカバーの軸方向において一致する位置に配置されて連通する必要があるため、高い位置決め精度が要求される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ノズルカバーがセラミック製である場合に、製造のバラツキにより、ノズルカバーの寸法のバラツキが生じ易い。そのため、流路構成部材をノズルカバーの内部に配置する場合に、ノズルカバーの軸方向の寸法バラツキにより、流路構成部材の軸方向の位置決めが難しいことがある。
【0005】
本開示は、セラミック製のノズルカバーの内部に配置される流路構成部材を備え、ノズルカバーの軸方向の寸法バラツキがあっても、流路構成部材の軸方向の位置決めを容易に行うことができる衛生洗浄装置用のノズルを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示は、衛生洗浄装置に用いられるノズルであって、ノズルカバー側吐水孔部を有するセラミック製のノズルカバーと、前記ノズルカバーの内部に配置され、前記ノズルカバー側吐水孔部に連通する流路側吐水孔部を有する先端側流路構成部と、前記ノズルカバーの軸方向において前記先端側流路構成部の後部側に接続され、前記先端側流路構成部に対して前記ノズルカバーの軸方向の位置を調整可能な後部側流路構成部と、を備える、ノズルに関する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】第1実施形態のノズルが取り付けられたトイレ装置を示す斜視図である。
【
図2A】ノズル及びノズル支持部を先端側から見た斜視図である。
【
図2B】ノズル及びノズル支持部を基端側から見た斜視図である。
【
図6】ノズルを斜め上方側から見た場合の分解斜視図である。
【
図7】ノズルを斜め下方側から見た場合の分解斜視図である。
【
図8A】ノズルを組み立てる手順を示す図であって、ノズルカバーに吐水側流路構成部を挿入している途中の状態を示す図である。
【
図8B】ノズルを組み立てる手順を示す図であって、吐水側流路構成部を上方側に寄せた状態を示す図である。
【
図8C】ノズルを組み立てる手順を示す図であって、ノズルカバーに導入側流路構成部を挿入している途中の状態を示す図である。
【
図8D】ノズルを組み立てる手順を示す図であって、ノズルカバーに吐水側流路構成部及び導入側流路構成部を挿入した状態を示す図である。
【
図10】第2実施形態のノズルを斜め上方側から見た分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、第1実施形態の衛生洗浄装置1用のノズル2を備えるトイレ装置10について、図面を参照しながら説明する。以下の説明において、便座12に着座した使用者から見た場合の前後方向を前後方向とする。
図1に示すように、本実施形態の衛生洗浄装置1は、トイレ装置10に取り付けられている。トイレ装置10は、便器11と、便座12と、便蓋13と、機能部14と、操作パネル15と、を有する。
【0009】
便器11は、上方に向けて開口して形成され、例えば陶器製である。便座12及び便蓋13は、機能部14の前部に、便器11に対して回動可能に取り付けられる。便座12は、使用者が着座する部分である。便座12は、便器11の開口縁の上に配置される。便座12は、環状の形状に形成される。便蓋13は、便器11及び便座12の開口を開閉可能に覆う蓋である。機能部14には、便座12及び便蓋13が取り付けられるとともに、衛生洗浄装置1が配置される。
【0010】
操作パネル15は、機能部14から延出して便座12の機能部14側の側部に配置される。操作パネル15は、便器11の洗浄動作を行うように操作したり、衛生洗浄装置1における洗浄動作を行うように操作したり、衛生洗浄装置1の洗浄動作の各種操作モードを選択したりすることができるように構成されている。
【0011】
衛生洗浄装置1は、人体の局部を洗浄する装置である。衛生洗浄装置1は、便座12の開口における後方側で、機能部14の前端部側に配置される。衛生洗浄装置1は、
図2A及び
図2Bに示すように、洗浄水を吐出するノズル2と、ノズル2を進退可能に支持するノズル支持部5と、を備える。ノズル2は、衛生洗浄装置1に用いられる。ノズル2は、人体の局部を洗浄する肛門洗浄やビデ洗浄に用いられる。
【0012】
ノズル支持部5は、ノズル2の基端を支持する。ノズル支持部5は、
図3に示すように、洗浄水導入パイプ51と、ノズル取付部52と、後部摺動部53と、を有する。ノズル取付部52は、小径取付部521と、大径後部522と、を有する。
【0013】
小径取付部521は、
図3に示すように、ノズル支持部5の先端側に配置され、円筒状に形成される。小径取付部521の外周面には、
図4に示すように、嵌合突起521bが形成される。嵌合突起521bは、ノズル2のノズル側嵌合凹部21(
図5参照)に嵌合する。小径取付部521の外周面には、Oリング521cが取り付けられる。
【0014】
図4に示すように、小径取付部521の内周面の内側には、洗浄水導入パイプ51が貫通して配置される。小径取付部521の内周面には、複数の延在リブ521aが形成される。複数の延在リブ521aは、周方向に離間して配置され、軸方向に延びる。複数の延在リブ521aは、小径取付部521の内周面に洗浄水導入パイプ51が取り付けられた場合に、洗浄水導入パイプ51の外周面に当接する。これにより、洗浄水導入パイプ51の外周面と小径取付部521の内周面との間には、洗浄水が流通する支持部側隙間流路Faが形成される。
【0015】
洗浄水導入パイプ51は、ノズル2の軸方向に延びる筒状に形成される。洗浄水導入パイプ51は、軸方向の後端側の端部が、ノズル取付部52の大径後部522に圧入により挿入されて接続され、軸方向の途中が、小径取付部521の内部を貫通して配置される。洗浄水導入パイプ51の軸方向の先端側の端部は、ノズル2がノズル支持部5に接続された場合に、ノズル2の導入側流路構成部42の導入側流路内周壁424(
図5参照)(後述)に圧入により挿入されて接続される。
【0016】
洗浄水導入パイプ51の後端は、ノズル取付部52の大径後部522に圧入されており、洗浄水導入パイプ51とノズル取付部52の大径後部522との間をシールする水密構造を構成する。洗浄水導入パイプ51の先端は、ノズル2の導入側流路構成部42の導入側流路内周壁424に圧入されており、洗浄水導入パイプ51とノズル2の導入側流路構成部42の導入側流路内周壁424との間をシールする水密構造を構成する。
【0017】
大径後部522は、
図4に示すように、小径取付部521の基端側に接続され、円筒状に形成される。大径後部522は、前方側に向けて開口する内側筒部523と、内側筒部523の外側に配置される外側筒部524と、を有する。
【0018】
後部摺動部53は、ノズル取付部52の後端に接続される。後部摺動部53は、進退可能に、衛生洗浄装置1に取り付けられる。後部摺動部53の後端には、
図2Bに示すように、中央側洗浄水導入部531と、外側洗浄水導入部532と、が形成される。
【0019】
中央側洗浄水導入部531は、ノズル2の径方向の中央側を軸方向に流通される洗浄水が導入される導入口である。中央側洗浄水導入部531は、
図2Bに示すように、後方側が開放して形成され、
図4に示すように、前方側が、大径後部522の内側筒部523の内側の空間に連通する。外側洗浄水導入部532は、ノズル2の径方向の外側を軸方向に流通される洗浄水が導入される導入口である。外側洗浄水導入部532は、
図2Bに示すように、後方側が開放して形成され、
図4に示すように、前方側が、大径後部522における外側筒部524と内側筒部523との間の空間に連通する。
【0020】
ノズル支持部5の内部には、
図4に示すように、支持部側内側導入流路F11と、支持部側外側導入流路F12と、が形成される。支持部側内側導入流路F11は、中央側洗浄水導入部531を通して流入された洗浄水を、大径後部522の内側筒部523の内側の空間、及び、洗浄水導入パイプ51の内側を流通させて、ノズル2のノズル側導入側内側流路F21(
図5参照)(後述)に洗浄水を導入させる流路である。
【0021】
支持部側外側導入流路F12は、外側洗浄水導入部532を通して流入された洗浄水を、大径後部522の内側筒部523と外側筒部524との間の空間、及び、小径取付部521の内周面と洗浄水導入パイプ51の外周面との間の支持部側隙間流路Faを流通させて、ノズル2のノズル側導入側外側流路F22(
図5参照)(後述)に洗浄水を導入させる流路である。
【0022】
ノズル2は、
図2A及び
図2Bに示すように、基端側が、ノズル支持部5に支持される。ノズル2は、軸方向に延びる長尺の円柱状に形成される。ノズル2の先端側の上面には、第1吐水孔414a及び第2吐水孔415aが軸方向に並んで形成される。第1吐水孔414a及び第2吐水孔415aは、温水供給ユニット(図示省略)によって供給された洗浄水を吐出する。
【0023】
ノズル2は、
図3、
図5~
図7に示すように、筒状のノズルカバー3と、ノズルカバー3の内部に配置される流路構成部材4と、を備える。流路構成部材4は、吐水側流路構成部41(第1流路構成部)と、導入側流路構成部42(後部側流路構成部、第2流路構成部)と、吐水側流路構成部41と導入側流路構成部42とを連結する連結パイプ43(後部側流路構成部)と、を有する。
【0024】
ノズルカバー3は、先端側が先端閉鎖板35により閉鎖されると共に基端側が開放された円筒状に形成される。ノズルカバー3は、セラミック材料で形成されるセラミック製である。吐水側流路構成部41、導入側流路構成部42及び連結パイプ43は、例えば、樹脂材料で形成される。
【0025】
ノズルカバー3の先端側の上面には、第1貫通孔31(ノズルカバー側吐水孔部)と、第2貫通孔32(ノズルカバー側吐水孔部)と、が形成される。ノズルカバー3の先端側の下面には、下面孔33が形成される。下面孔33は、ノズルカバー3の内部の水を外部に排出するための水抜き孔であり、ノズル2を組み立てる場合に、後述する吐水側流路構成部41を上側に寄せる場合に使用する棒状の治具Jを挿入可能な孔としても使用できる(
図8B参照)。
【0026】
第1貫通孔31及び第2貫通孔32は、
図5及び
図6に示すように、ノズルカバー3の先端側の上面において、ノズル2の軸方向に並んで配置される。第1貫通孔31及び第2貫通孔32は、ノズルカバー3を厚さ方向に貫通して形成される。第1貫通孔31及び第2貫通孔32は、ノズルカバー3の厚さの分の長さだけノズルカバー3の径方向に延びる。第1貫通孔31には、ノズルカバー3に収容される流路構成部材4の吐水側流路構成部41の第1吐水凸部414(後述)が嵌合して配置される。第2貫通孔32には、ノズルカバー3に収容される流路構成部材4の吐水側流路構成部41の第2吐水凸部415(後述)が嵌合して配置される。これにより、吐水側流路構成部41は、ノズルカバー3に対して位置決めされる。
【0027】
ノズルカバー3は、基準位置に形成される基準面381(基準位置)と、周方向位置決め凹部382と、を有する。基準面381は、ノズルカバー3の後部側の端面により構成される。基準面381には、後述する導入側流路構成部42のフランジ部426が当接する。周方向位置決め凹部382は、基準面381から先端側に向けて半円形状に窪む形状に形成される。周方向位置決め凹部382には、後述する導入側流路構成部42のフランジ部426の周方向位置決め凸部426aが係合する。
【0028】
図5に示すように、吐水側流路構成部41、導入側流路構成部42及び連結パイプ43は、ノズルカバー3の内部に収容される。吐水側流路構成部41及び導入側流路構成部42は、ノズルカバー3の軸方向に並んで配置される。吐水側流路構成部41は、ノズルカバー3の内部において、ノズル2の軸方向の先端側の上方側に寄せられて配置される。ノズルカバー3の内部における上方側は、ノズルカバー3の内部において、第1貫通孔31及び第2貫通孔32が位置する側である。導入側流路構成部42は、ノズルカバー3の内部においてノズルカバー3の軸方向の基端側に配置される。連結パイプ43は、ノズルカバー3の軸方向に延びる筒状に形成され、吐水側流路構成部41と導入側流路構成部42とを接続する。
【0029】
導入側流路構成部42は、ノズルカバー3の内部において、ノズルカバー3の先端側に配置された吐水側流路構成部41(後述)の基端側(後部側)に配置される。導入側流路構成部42の先端側は、吐水側流路構成部41に係止される。導入側流路構成部42は、ノズルカバー3に固定される。例えば、本実施形態においては、後述する導入側流路構成部42のフランジ部426の前面は、ノズルカバー3の後端側に形成される基準面381においてノズルカバー3の軸方向の位置決めがされて、接着によりノズルカバー3に固定される。他の実施形態においては、当該固定に圧入を用いてもよい。
【0030】
導入側流路構成部42は、
図5~
図7に示すように、導入側流路本体421と、先端側延出部425(隙間配置部分)と、基端側の端部に形成されるフランジ部426と、を有する。先端側延出部425は、導入側流路本体421の先端側の下部から、ノズルカバー3の軸方向に直交する方向に所定幅を有して先端側に延出する。先端側延出部425は、導入側流路構成部42の先端側が吐水側流路構成部41の基端側に接続された場合に、吐水側流路構成部41(後述)の下部とノズルカバー3との間の下部隙間Sa(係止用隙間、嵌合用隙間)に配置される。吐水側流路構成部41の下部は、ノズルカバー3の内部における上方側に配置された吐水側流路構成部41において、ノズルカバー3の第1貫通孔31及び第2貫通孔32が位置する側とは径方向の反対側の下方側の部分である。
【0031】
先端側延出部425の先端には、
図5~
図7に示すように、吐水側流路構成部41側に突出する先端側係止突出部427(第2係止部)が形成される。先端側係止突出部427は、ノズルカバー3の内部において吐水側流路構成部41(後述)に導入側流路構成部42が係止される場合に、吐水側流路構成部41の吐水側係止凹部417(後述)に係止される。先端側係止突出部427は、先端側延出部425の先端の上面から上方側に突出して形成される。先端側係止突出部427は、ノズルカバー3の軸方向に所定幅を有して、ノズルカバー3の軸方向に直交する方向に先端側延出部425の幅と同じ長さで延びる。先端側係止突出部427の上面は、ノズルカバー3の周方向に沿って凹む円弧状に形成される。
【0032】
導入側流路本体421は、外形が略円筒状に形成される。導入側流路本体421は、先端側に形成される導入側流路先端側周壁422と、基端側に形成される導入側流路基端側外周壁423と、導入側流路基端側外周壁423の内側に配置される導入側流路内周壁424と、を有する。
【0033】
導入側流路先端側周壁422は、導入側流路本体421におけるノズルカバー3の先端側の端部側に形成される。導入側流路先端側周壁422は、導入側流路本体421の外周面よりも一段低い円筒状に形成される。導入側流路先端側周壁422は、導入側流路本体421の外周面から、段差端面422bを介して、導入側流路本体421の外周面よりも一段低い位置から先端側に円筒状に延びる。
【0034】
導入側流路先端側周壁422は、吐水側流路構成部41(後述)側に向けて開口する。導入側流路先端側周壁422の外周面には、Oリング422c(水密構造)が取り付けられる。導入側流路構成部42を吐水側流路構成部41に接続する場合には、導入側流路先端側周壁422の外周面には、吐水側流路本体411の吐水側流路外周壁412が取り付けられる。導入側流路先端側周壁422の内周面には、連結パイプ43の後端側が取り付けられる。
【0035】
導入側流路先端側周壁422の内周面には、複数の延在リブ422aが形成される。複数の延在リブ422aは、周方向に離間して配置され、軸方向に延びる。複数の延在リブ422aは、導入側流路先端側周壁422の内周面に連結パイプ43が取り付けられた場合に、連結パイプ43の外周面に当接する。これにより、連結パイプ43の外周面と導入側流路先端側周壁422の内周面との間には、洗浄水が流通するノズル側隙間流路Fbが形成される。連結パイプ43の後端は、導入側流路先端側周壁422の奥側において固定される。
【0036】
導入側流路基端側外周壁423は、導入側流路本体421におけるノズルカバー3の基端側の端部側に形成される。導入側流路基端側外周壁423は、ノズル支持部5側に開口する。導入側流路構成部42をノズル支持部5に接続する場合に、導入側流路基端側外周壁423の内周面には、ノズル支持部5の先端側の端部が取り付けられる。導入側流路基端側外周壁423の外周面には、Oリング423aが取り付けられる。
【0037】
導入側流路内周壁424は、ノズルカバー3の軸方向の途中の導入側流路基端側外周壁423の内部において、導入側流路基端側外周壁423の径よりも小さい径の筒状に形成される。導入側流路内周壁424及び導入側流路基端側外周壁423は、二重管構造に構成される。導入側流路内周壁424は、ノズル支持部5側に向けて開口する。導入側流路内周壁424の内周面には、ノズル支持部5の洗浄水導入パイプ51の先端側の端部が取り付けられる。
【0038】
フランジ部426は、導入側流路構成部42の基端側の端部において、ノズルカバー3の径方向の外側に円環板状に突出して形成される。フランジ部426には、ノズルカバー3の内部に吐水側流路構成部41及び導入側流路構成部42が配置された状態において、ノズルカバー3の後端側に形成される基準面381が当接する。本実施形態においては、フランジ部426の前面は、ノズルカバー3の後端側に形成される基準面381に接着されて固定される。これにより、ノズルカバー3の内部に吐水側流路構成部41及び導入側流路構成部42が配置された状態で、導入側流路構成部42は、ノズルカバー3の軸方向に位置決めされた状態で固定される。
【0039】
フランジ部426の周方向の上部の先端側の面には、先端側に半円形状に突出する周方向位置決め凸部426aが形成される。周方向位置決め凸部426aは、ノズルカバー3の内部に吐水側流路構成部41及び導入側流路構成部42が配置された状態において、ノズルカバー3の周方向位置決め凹部382に係合される。これにより、ノズルカバー3の内部に吐水側流路構成部41及び導入側流路構成部42が配置された状態において、導入側流路構成部42は、ノズルカバー3に対して周方向に位置決めされた状態で固定される。
【0040】
導入側流路本体421の内部には、
図5に示すように、ノズル側導入側内側流路F21と、ノズル側導入側外側流路F22と、が形成される。ノズル側導入側内側流路F21は、ノズル支持部5の支持部側内側導入流路F11により導入された洗浄水を、導入側流路本体421の径方向の中央側の空間及び
連結パイプ43を主に流通させて、吐水側流路本体411のノズル側吐水側内側流路F31へ流通させる流路である。
【0041】
ノズル側導入側外側流路F22は、ノズル支持部5の支持部側外側導入流路F12により導入された洗浄水を、導入側流路本体421の径方向の外側の空間及び連結パイプ43の外周面と導入側流路先端側周壁422の内周面との間のノズル側隙間流路Fbを流通させて、吐水側流路本体411のノズル側吐水側外側流路F32へ流通させる流路である。
【0042】
吐水側流路構成部41は、ノズルカバー3の内部において、ノズル2の軸方向の先端側に配置される。吐水側流路構成部41の基端側は、導入側流路構成部42の先端側に接続される。吐水側流路構成部41がノズルカバー3の内部に配置された状態において、吐水側流路構成部41の先端側の端面41aとノズルカバー3の先端閉鎖板35の内面35aとの間には、隙間S1が形成される。
【0043】
図5~
図7に示すように、吐水側流路構成部41は、吐水側流路本体411と、凸状の第1吐水凸部414(吐水部)と、凸状の第2吐水凸部415(吐水部)と、吐水側係止凹部417(第1係止部)と、を有する。
【0044】
吐水側流路本体411は、先端が閉鎖されると共に、外形が円筒状に形成される。吐水側流路本体411は、吐水側流路外周壁412と、ノズルカバー3の軸方向の中間において吐水側流路外周壁412の内側に配置される吐水側流路内周壁413と、を有する。
【0045】
吐水側流路外周壁412は、略円筒状に形成され、ノズルカバー3の軸方向に延びる。吐水側流路外周壁412は、吐水側流路本体411の外形を構成し、ノズルカバー3の基端側に向けて開口する。吐水側流路外周壁412の内周面には、導入側流路構成部42の先端側の導入側流路先端側周壁422が取り付けられる。
【0046】
吐水側流路構成部41と導入側流路構成部42とは、軸方向の位置を調整可能な状態で、ノズルカバー3の軸方向に直交する方向に見た場合に重複して配置される。Oリング422cは、吐水側流路構成部41と導入側流路構成部42とがノズルカバー3の軸方向に直交する方向に見た場合に重複して配置される部分において、吐水側流路構成部41と導入側流路構成部42との間をシールする水密構造を構成する。
【0047】
図5に示すように、吐水側流路外周壁412の基端側の端面と、導入側流路構成部42の導入側流路先端側周壁422の基端側に形成される段差端面422bとの間には、隙間S3が形成される。吐水側流路外周壁412の先端側の径方向の内側に形成される段差面と、導入側流路構成部42の導入側流路先端側周壁422の先端側の端面との間には、隙間S4が形成される。
【0048】
図5~
図7に示すように、吐水側流路内周壁413は、ノズルカバー3の軸方向の途中の吐水側流路外周壁412の内部において、吐水側流路外周壁412の径よりも小さい径の筒状に形成される。吐水側流路内周壁413及び吐水側流路外周壁412は、二重管構造に構成される。吐水側流路内周壁413は、ノズルカバー3の基端側に向けて開口する。吐水側流路内周壁413の内周面には、連結パイプ43の先端が圧入により取り付けられる。
【0049】
連結パイプ43及び
導入側流路構成部42は、吐水側流路構成部41に対してノズルカバー3の軸方向の位置を調整可能である。連結パイプ43と吐水側流路構成部41とは、軸方向の位置を調整可能な状態で、ノズルカバー3の軸方向に直交する方向に見た場合に重複して配置される。連結パイプ43の先端は、吐水側流路内周壁413の内周面に圧入されている。連結パイプ43の先端は、連結パイプ43と吐水側流路構成部41とがノズルカバー3の軸方向に直交する方向に見た場合に重複して配置される部分において、連結パイプ43と吐水側流路構成部41との間をシールする水密構造を構成する。吐水側流路内周壁413の先端側の段差面と、連結パイプ43の先端側の端面との間には、
図5に示すように、隙間S2が形成される。
【0050】
第1吐水凸部414及び第2吐水凸部415は、
図5~
図7に示すように、吐水側流路本体411の先端側の上面において、ノズルカバー3の軸方向に並んで配置される。第1吐水凸部414及び第2吐水凸部415は、それぞれ、吐水側流路本体411の先端側の上面から、上方側に向けて、円柱状に突出する。
【0051】
第1吐水凸部414は、第1吐水孔414a(流路側吐水孔部)を有する。第1吐水孔414aは、ノズルカバー3の軸方向においてノズルカバー3の第1貫通孔31と一致する位置に形成され、ノズルカバー3の第1貫通孔31に連通する。第1吐水孔414aは、第1吐水凸部414の厚さ方向に対して、第1吐水孔414aの出口側がノズル2の基端側に向かうように傾斜して形成される。
【0052】
第2吐水凸部415は、第2吐水孔415a(流路側吐水孔部)を有する。第2吐水孔415aは、ノズルカバー3の軸方向においてノズルカバー3の第2貫通孔32と一致する位置に形成され、ノズルカバー3の第2貫通孔32に連通する。第2吐水孔415aは、第2吐水凸部415の厚さ方向に対して、第2吐水孔415aの出口側がノズル2の基端側に向かうように傾斜して形成される。
【0053】
第1吐水孔414a及び第2吐水孔415aは、出口側がノズル2の基端側に向かうように傾斜して形成されることで、流路構成部材4を流通される洗浄水が、狙った位置に吐出されるように構成される。
【0054】
第1吐水凸部414は、ノズルカバー3の内部に流路構成部材4が配置された状態において、第1貫通孔31の厚さ部分に嵌合する。第2吐水凸部415は、ノズルカバー3の内部に流路構成部材4が嵌入した状態において、第2貫通孔32の厚さ部分に嵌合する。第1吐水凸部414の表面及び第2吐水凸部415の表面は、ノズルカバー3の表面と略面一に配置される。略面一とは、第1吐水凸部414の表面及び第2吐水凸部415の表面と、ノズルカバー3の表面とが、完全に面一でない場合も含むことを意味する。略面一には、第1吐水凸部414の表面及び第2吐水凸部415の表面が、ノズルカバー3の表面から多少凹んでいる場合も含まれる。そのため、ノズルカバー3の第1貫通孔31は、第1吐水凸部414に塞がれた状態であり、ノズルカバー3の第2貫通孔32は、第2吐水凸部415に塞がれた状態である。第1吐水凸部414の表面及び第2吐水凸部415の表面は、ノズルカバー3の表面から突出して配置されてもよい。
【0055】
吐水側係止凹部417は、吐水側流路構成部41の下部の下面に形成される。吐水側係止凹部417は、吐水側流路構成部41の下面から上方側に凹んで形成され、ノズルカバー3の軸方向に所定幅を有して周方向に所定長さ延びる円弧状の凹溝状に形成される。吐水側係止凹部417は、吐水側流路構成部41の下面から上方側に凹んで形成され、周方向に所定長さ延びる。吐水側係止凹部417は、導入側流路構成部42の先端側延出部425の先端側係止突出部427に係止される。これにより、吐水側流路構成部41及び導入側流路構成部42は、ノズルカバー3の軸方向及び周方向において互いの移動が制限された状態で係止される。
【0056】
吐水側流路構成部41がノズルカバー3に組み付いた状態において、
図5に示すように、ノズルカバー3の径方向(軸方向に直交する方向)において、吐水側流路構成部41の下部とノズルカバー3との間には、下部隙間Saが形成される。下部隙間Saは、第1貫通孔31に第1吐水凸部414を嵌合させると共に第2貫通孔32に第2吐水凸部415を嵌合させる場合に、第1貫通孔31に第1吐水凸部414を嵌合させると共に第2貫通孔32に第2吐水凸部415を嵌合させるための隙間であって、導入側流路構成部42の先端側延出部425の先端側係止突出部427を吐水側流路構成部41の吐水側係止凹部417に係止させるための隙間でもある。
【0057】
吐水側流路構成部41がノズルカバー3に組み付いた状態において、導入側流路構成部42をノズルカバー3に組み付けることで、導入側流路構成部42の先端側延出部425は、下部隙間Saに配置される。導入側流路構成部42の先端側延出部425は、吐水側流路構成部41とノズルカバー3との間の下部隙間Saに配置される。導入側流路構成部42の先端側延出部425の先端側係止突出部427は、吐水側流路構成部41の吐水側係止凹部417に係止される。これにより、吐水側流路構成部41及び導入側流路構成部42は、軸方向に離れないように係止される。先端側延出部425が下部隙間Saに配置されることで、吐水側流路構成部41を下方側から支持できるため、ノズルカバー3の径方向において、吐水側流路構成部41の位置決めを行うことができる。
【0058】
吐水側流路本体411の内部には、
図5に示すように、ノズル側吐水側内側流路F31と、ノズル側吐水側外側流路F32と、が形成される。ノズル側吐水側内側流路F31は、吐水側流路本体411の吐水側流路内周壁413に接続された連結パイプ43を通して流入された洗浄水を、吐水側流路本体411の径方向の中央側を主に流通させて、第1吐水凸部414の第1吐水孔414aに流通させる流路である。
【0059】
ノズル側吐水側外側流路F32は、吐水側流路本体411の基端側の吐水側流路外周壁412に接続された導入側流路構成部42から流入された洗浄水を、吐水側流路本体411の径方向の外側を主に流通させて、第2吐水凸部415の第2吐水孔415aに流通させる流路である。
【0060】
ノズル2を組み立てる手順について説明する。ノズル2を組み立てる場合には、
図8Aに示すように、ノズルカバー3の開放側の端部から、流路構成部材4の吐水側流路構成部41を挿入する。そして、第1貫通孔31に第1吐水凸部414が嵌合すると共に第2貫通孔32に第2吐水凸部415が嵌合する位置まで、吐水側流路構成部41を軸方向の先端側に移動させる。
【0061】
吐水側流路構成部41がノズルカバー3に組み付いた状態において、
図8Bに示すように、ノズルカバー3の径方向において、吐水側流路構成部41の下部とノズルカバー3との間には、下部隙間Saが形成される。下部隙間Saは、第1貫通孔31に第1吐水凸部414を嵌合させると共に第2貫通孔32に第2吐水凸部415を嵌合させる場合に、第1貫通孔31に第1吐水凸部414を嵌合させると共に第2貫通孔32に第2吐水凸部415を嵌合させるための隙間であって、導入側流路構成部42の先端側延出部425の先端側係止突出部427を吐水側流路構成部41の吐水側係止凹部417に係止させるための隙間でもある。
【0062】
その後、
図8Bに示すように、例えば、棒状の治具Jをノズルカバー3の下面孔33から挿入して、吐水側流路構成部41を上方に移動させて、第1吐水凸部414を第1貫通孔31に嵌合させると共に、第2吐水凸部415を第2貫通孔32に嵌合させる。しかし、これに限定されない。ノズルカバー3の開放側の端部から、治具を挿入して、吐水側流路構成部41を上方に移動させて、第1吐水凸部414を第1貫通孔31に嵌合させると共に、第2吐水凸部415を第2貫通孔32に嵌合させてもよい。第1吐水凸部414を第1貫通孔31に嵌合させると共に第2吐水凸部415を第2貫通孔32に嵌合させることで、吐水側流路構成部41は、ノズルカバー3に対して位置決めされる。
【0063】
第1貫通孔31に第1吐水凸部414が嵌合すると共に第2貫通孔32に第2吐水凸部415が嵌合するため、ノズルカバー3の第1貫通孔31の厚さ部分及び第2貫通孔32の厚さ部分が汚れにくい。これにより、メンテナンス作業を低減できる。
【0064】
第1吐水凸部414の表面及び第2吐水凸部415の表面は、ノズルカバー3の表面から引っ込まないように配置される。そのため、ノズルカバー3の第1貫通孔31は、第1吐水凸部414に塞がれた状態であり、ノズルカバー3の第2貫通孔32は、第2吐水凸部415に塞がれた状態である。これにより、第1貫通孔31及び第2貫通孔32において、ノズルカバー3の表面から窪む部分が形成されないため、第1貫通孔31及び第2貫通孔32に汚れが溜まることを抑制できる。
【0065】
次に、
図8Cに示すように、ノズルカバー3の開放側の端部から、連結パイプ43を先端側に接続した導入側流路構成部42を挿入する。そして、
図8Dに示すように、連結パイプ43の先端側を吐水側流路構成部41の吐水側流路内周壁413に圧入すると共に、導入側流路構成部42の導入側流路先端側周壁422を吐水側流路構成部41の吐水側流路外周壁412に挿入する。
【0066】
導入側流路構成部42の先端側延出部425は、吐水側流路構成部41とノズルカバー3との間の下部隙間Saに配置される。導入側流路構成部42の先端側延出部425の先端側係止突出部427は、吐水側流路構成部41の吐水側係止凹部417に係止される。これにより、吐水側流路構成部41及び導入側流路構成部42は、軸方向に離れないように係止される。先端側延出部425が下部隙間Saに配置されることで、吐水側流路構成部41を下方側から支持できるため、ノズルカバー3の径方向において、吐水側流路構成部41の位置決めを行うことができる。
【0067】
導入側流路構成部42の後部側においては、導入側流路構成部42のフランジ部426は、上部において周方向位置決め凸部426aがノズルカバー3の周方向位置決め凹部382に係合された状態で、ノズルカバー3の後端側に形成される基準面381においてノズルカバー3の軸方向の位置決めがされて、接着によりノズルカバー3に強固に固定される。
【0068】
以上のように構成されるノズル2は、吐水側流路構成部41に導入側流路構成部42が係止されているため、吐水側流路構成部41と導入側流路構成部42とを軸方向に離れないように一体化させて、吐水側流路構成部41に導入側流路構成部42を安定して固定できる。これにより、ノズルカバー3の内部において、流路構成部材4を安定して固定できる。
【0069】
ノズルカバー3から流路構成部材4を取り外す場合には、吐水側流路構成部41と導入側流路構成部42とが軸方向に離れないように一体化されているため、ノズルカバー3の開放側の端部から、導入側流路構成部42を軸方向の外側に引っ張り出すことで、吐水側流路構成部41及び導入側流路構成部42を一体的に、ノズルカバー3から流路構成部材4を容易に取り外すことができる。
【0070】
本実施形態においては、吐水側流路構成部41及び導入側流路構成部42は、ノズルカバー3の軸方向及び周方向において互いの移動が制限された状態で係止される。これにより、吐水側流路構成部41及び導入側流路構成部42の軸方向及び周方向の位置がずれないように、吐水側流路構成部41に対して導入側流路構成部42の軸方向及び周方向の位置を容易に位置決めすることができる。
【0071】
本実施形態においては、吐水側流路構成部41がノズルカバー3に組み付いた状態において、吐水側流路構成部41とノズルカバー3との間には、下部隙間Saが形成される。下部隙間Saは、第1貫通孔31に第1吐水凸部414を嵌合させると共に第2貫通孔32に第2吐水凸部415を嵌合させる場合に、第1貫通孔31に第1吐水凸部414を嵌合させると共に第2貫通孔32に第2吐水凸部415を嵌合させるための隙間である。これにより、下部隙間Saを用いて吐水側流路構成部41を移動させることができるため、第1貫通孔31に第1吐水凸部414を嵌合させ易く、第2貫通孔32に第2吐水凸部415を嵌合させ易い。よって、ノズル2を容易に組み立てることができる。
【0072】
下部隙間Saは、導入側流路構成部42の先端側延出部425の先端側係止突出部427を吐水側流路構成部41の吐水側係止凹部417に係止させるための隙間でもある。これによって、導入側流路構成部42の先端側延出部425が下部隙間Saに配置されることで、導入側流路構成部42の先端側延出部425の先端側係止突出部427を吐水側流路構成部41の吐水側係止凹部417に係止させ易い。これにより、吐水側流路構成部41の吐水側係止凹部417に、導入側流路構成部42の先端側係止突出部427が係止されることで、簡易な構成で、吐水側流路構成部41と導入側流路構成部42とを、ノズルカバー3の内部において、軸方向に離れないように係止させることができる。よって、ノズル2を容易に組み立てることができる。
【0073】
導入側流路構成部42は、導入側流路構成部42の先端側延出部425が下部隙間Saに配置されることで、吐水側流路構成部41の位置決めを行うように構成される。これにより、吐水側流路構成部41のノズルカバー3の径方向への位置ずれを抑制して、第1貫通孔31への第1吐水凸部414の嵌合状態を保持でき、第2貫通孔32への第2吐水凸部415の嵌合を保持できる。
【0074】
本実施形態においては、導入側流路構成部42は、接着および圧入の少なくても何れかにより、ノズルカバー3に固定される。これにより、吐水側流路構成部41及び導入側流路構成部42をノズルカバー3に強固に固定できる。
【0075】
以上説明した本実施形態のノズル2によれば、以下のような効果を奏する。本実施形態のノズル2においては、第2貫通孔32を有するセラミック製のノズルカバー3と、ノズルカバー3の内部に配置され第2貫通孔32に連通する第2吐水孔415aを有する吐水側流路構成部41と、ノズルカバー3の軸方向において吐水側流路構成部41の後部側に接続され吐水側流路構成部41に対してノズルカバー3の軸方向の位置を調整可能な後部側流路構成部(導入側流路構成部42、連結パイプ43)と、を備える。
【0076】
そのため、ノズルカバー3がセラミック製であってノズルカバー3の軸方向の寸法に製造のバラツキがあったとしても、軸方向のバラツキを吸収して、流路構成部材4の軸方向の位置決めを容易に行うことができる。更に、吐水側流路構成部41及び導入側流路構成部42の軸方向の寸法に製造のバラツキがあったとしても、軸方向のバラツキを吸収して、流路構成部材4の軸方向の位置決めを容易に行うことができる。よって、ノズル2を容易に組み立てることができる。
【0077】
本実施形態においては、ノズルカバー3の内部には、ノズルカバー3の軸方向において、吐水側流路構成部41、導入側流路構成部42及び連結パイプ43の位置を調整可能な隙間S1,S2,S3,S4が形成されている。そのため、ノズルカバー3、吐水側流路構成部41、導入側流路構成部42及び連結パイプ43の軸方向の寸法に製造のバラツキがあったとしても、軸方向の位置のバラツキを吸収して、流路構成部材4の軸方向の位置決めを容易に行うことができる。これにより、ノズル2を容易に組み立てることができる。
【0078】
本実施形態においては、吐水側流路構成部41と導入側流路構成部42とがノズルカバー3の軸方向に直交する方向に見た場合に重複して配置される部分において、吐水側流路構成部41と導入側流路構成部42との間をシールする水密構造を備える。吐水側流路構成部41と連結パイプ43とがノズルカバー3の軸方向に直交する方向に見た場合に重複して配置される部分において、吐水側流路構成部41と連結パイプ43との間をシールする水密構造を備える。流路構成部材4を2部材以上で構成しても、吐水側流路構成部41、導入側流路構成部42及び連結パイプ43に重複して配置される部分において止水できるため、流路構成部材4における洗浄水の流路としての機能を確保することができる。
【0079】
本実施形態においては、吐水側流路構成部41は、ノズルカバー3に対して位置決めされる。そのため、吐水側流路構成部41をノズルカバー3の軸方向において容易に位置決めすることができる。
【0080】
本実施形態においては、吐水側流路構成部41は、第1吐水孔414aを有する凸状の第1吐水凸部414及び第2吐水孔415aを有する第2吐水凸部415を有し、第1吐水凸部414はノズルカバー3の第1貫通孔31に嵌合すると共に、第2吐水凸部415はノズルカバー3の第2貫通孔32に嵌合する。そのため、吐水側流路構成部41をノズルカバー3の軸方向において容易に位置決めすることができる。
【0081】
本実施形態においては、導入側流路構成部42は、ノズルカバー3の後部側に形成される基準面381においてノズルカバー3の軸方向の位置決めがされる。これにより、導入側流路構成部42が基準面381において軸方向の位置決めがされた状態で、吐水側流路構成部41、導入側流路構成部42及び連結パイプ43が軸方向の位置を調整可能にノズルカバー3の内部に配置されるため、吐水側流路構成部41、導入側流路構成部42及び連結パイプ43をノズルカバー3の軸方向において容易に位置決めすることができる。
【0082】
本実施形態においては、導入側流路構成部42は、ノズルカバー3に固定される。これにより、導入側流路構成部42がノズルカバー3の軸方向の位置決めがされた状態で固定されるため、吐水側流路構成部41、導入側流路構成部42及び連結パイプ43をノズルカバー3の軸方向に位置決めした状態で固定できる。
【0083】
本実施形態においては、吐水側流路構成部41がノズルカバー3に組み付いた状態において、吐水側流路構成部41とノズルカバー3との間には、下部隙間Saが形成される。下部隙間Saは、第1貫通孔31に第1吐水凸部414を嵌合させると共に第2貫通孔32に第2吐水凸部415を嵌合させる場合に、第1貫通孔31に第1吐水凸部414を嵌合させると共に第2貫通孔32に第2吐水凸部415を嵌合させるための隙間である。これにより、下部隙間Saを用いて吐水側流路構成部41を移動させることができるため、第1貫通孔31に第1吐水凸部414を嵌合させ易く、第2貫通孔32に第2吐水凸部415を嵌合させ易い。よって、ノズル2を容易に組み立てることができる。
【0084】
本実施形態においては、導入側流路構成部42は、吐水側流路構成部41に係止される。そのため、吐水側流路構成部41と導入側流路構成部42とを軸方向に離れないように一体化させて、吐水側流路構成部41に導入側流路構成部42を安定して固定できる。これにより、ノズルカバー3の内部において、流路構成部材4を安定して固定できる。ノズルカバー3から流路構成部材4を取り外す場合には、吐水側流路構成部41と導入側流路構成部42とが軸方向に離れないように一体化されているため、ノズルカバー3の開放側の端部から、導入側流路構成部42を軸方向の外側に引っ張り出すことで、吐水側流路構成部41及び導入側流路構成部42を一体的に、ノズルカバー3から流路構成部材4を容易に取り外すことができる。
【0085】
次に、第2実施形態のノズル2Aについて説明する。第2実施形態の説明において、第1実施形態と共通する構成については同様の符号を用いるとともに、その説明を簡略化したり、省略したりする。第2実施形態は、第1実施形態が2つの流路で構成されているのに対して、第2実施形態が1つの流路で構成されている点において、第1実施形態と異なる。第2実施形態のノズル2Aは、流路構成部材4Aが、吐水側流路構成部45及び導入側流路構成部46を備える点において、第1実施形態のノズル2と異なる。
【0086】
図9及び
図10に示すように、ノズル2Aは、筒状のノズルカバー3Aと、ノズルカバー3Aの内部に配置される流路構成部材4Aと、を備える。流路構成部材4Aは、吐水側流路構成部45(先端側流路構成部、第1流路構成部)と、導入側流路構成部46(後部側流路構成部、第2流路構成部)と、を有する。ノズルカバー
3Aの先端側の上面には、第1貫通孔31が形成される。第1貫通孔31には、ノズルカバー
3Aに収容される流路構成部材4の吐水側流路構成部45の第1吐水凸部454(後述)が嵌合して配置される。
【0087】
吐水側流路構成部45及び導入側流路構成部46は、ノズルカバー3Aの内部に収容される。吐水側流路構成部45及び導入側流路構成部46は、ノズルカバー3Aの軸方向に並んで配置される。吐水側流路構成部45は、ノズルカバー3Aの内部において、ノズル2Aの軸方向の先端側において上方側に寄せられて配置される。導入側流路構成部46は、ノズルカバー3Aの内部においてノズルカバー3Aの軸方向の基端側に配置される。
【0088】
導入側流路構成部46は、ノズルカバー3Aの基準面381において、ノズルカバー3Aに接着および圧入の少なくても何れかにより固定される。導入側流路構成部46の先端側は、吐水側流路構成部45の基端側(後部側)に係止される。
【0089】
導入側流路構成部46は、導入側流路本体461と、先端側の下部から先端側に延出する先端側延出部465(隙間配置部分)と、基端側の端部に形成されるフランジ部466と、を有する。先端側延出部465は、導入側流路構成部46の先端側が吐水側流路構成部45の基端側に接続された場合に、吐水側流路構成部45(後述)の下部とノズルカバー3Aとの間の下部隙間Sa(係止用隙間、嵌合用隙間)に配置される。
【0090】
導入側流路本体461は、外形が略円筒状に形成される。導入側流路本体461は、先端側に形成される導入側流路先端側周壁462と、基端側に形成される導入側流路基端側外周壁463と、を有する。
【0091】
導入側流路先端側周壁462は、導入側流路本体461におけるノズルカバー3Aの先端側の端部側に形成される。導入側流路先端側周壁462は、導入側流路本体461の外周面よりも一段低い円筒状に形成される。導入側流路先端側周壁462は、導入側流路本体421の外周面から、段差端面462bを介して、導入側流路本体461の外周面よりも一段低い位置から先端側に円筒状に延びる。
【0092】
導入側流路先端側周壁462は、吐水側流路構成部45(後述)側に向けて開口する。導入側流路先端側周壁462の外周面には、Oリング462cが取り付けられる。導入側流路構成部46を吐水側流路構成部45に接続する場合には、導入側流路先端側周壁462の外周面には、吐水側流路本体451の吐水側流路外周壁452が取り付けられる。
【0093】
導入側流路基端側外周壁463は、導入側流路本体461におけるノズルカバー3Aの基端側の端部側に形成される。導入側流路基端側外周壁463は、ノズル支持部(図示せず)側に開口する。第2実施形態のノズル支持部は、第1実施形態のノズル支持部が2つの流路により洗浄水をノズル2Aに供給するのに対して、1つの流路により洗浄水をノズル2Aに供給する。
【0094】
導入側流路構成部46をノズル支持部(図示せず)に接続する場合に、導入側流路基端側外周壁463の内周面には、ノズル支持部の先端側の端部が取り付けられる。導入側流路基端側外周壁463の外周面には、Oリング463aが取り付けられる。
【0095】
導入側流路本体461の内部には、
図9に示すように、ノズル側導入側流路F4が形成される。ノズル側導入側流路F4は、ノズル支持部(図示せず)から導入された洗浄水を、吐水側流路本体451のノズル側吐水側内側流路F5へ流通させる流路である。
【0096】
吐水側流路構成部45は、ノズルカバー3Aの内部において、ノズル2Aの軸方向の先端側に配置される。吐水側流路構成部45の基端側は、導入側流路構成部46の先端側に接続される。吐水側流路構成部45がノズルカバー3Aの内部に配置された状態において、吐水側流路構成部45の先端側の端面45aとノズルカバー3Aの先端閉鎖板35の内面35aとの間には、隙間S1aが形成される。
【0097】
図9及び
図10に示すように、吐水側流路構成部45は、吐水側流路本体451と、凸状の第1吐水凸部454(吐水部)と、を有する。吐水側流路本体451は、先端が閉鎖されると共に、外形が円筒状に形成される。吐水側流路本体451は、吐水側流路外周壁452を有する。
【0098】
吐水側流路外周壁452は、略円筒状に形成され、ノズルカバー3Aの軸方向に延びる。吐水側流路外周壁452は、吐水側流路本体451の外形を構成し、ノズルカバー3Aの基端側に向けて開口する。吐水側流路外周壁452の内周面には、導入側流路構成部46の先端側の導入側流路先端側周壁462が取り付けられる。
【0099】
吐水側流路構成部45と導入側流路構成部46とは、軸方向の位置を調整可能な状態で、ノズルカバー3Aの軸方向に直交する方向に見た場合に重複して配置される。Oリング462cは、吐水側流路構成部45と導入側流路構成部46とがノズルカバー3Aの軸方向に直交する方向に見た場合に重複して配置される部分において、吐水側流路構成部45と導入側流路構成部46との間をシールする水密構造を構成する。
【0100】
図9に示すように、吐水側流路外周壁452の基端側の端面と、導入側流路構成部46の導入側流路先端側周壁462の基端側に形成される段差端面462bとの間には、隙間S5が形成される。吐水側流路外周壁452の先端側の径方向の内側に形成される段差面と、導入側流路構成部46の導入側流路先端側周壁462の先端側の端面との間には、隙間S6が形成される。
【0101】
第1吐水凸部454は、吐水側流路本体451の先端側の上面に配置される。第1吐水凸部454は、吐水側流路本体451の先端側の上面から、上方側に向けて、円柱状に突出する。
【0102】
第1吐水凸部454は、第1吐水孔454a(流路側吐水孔部)を有する。第1吐水孔454aは、ノズルカバー3Aの軸方向においてノズルカバー3Aの第1貫通孔31と一致する位置に形成され、ノズルカバー3Aの第1貫通孔31に連通する。第1吐水孔454aは、第1吐水凸部454の厚さ方向に対して、第1吐水孔454aの出口側がノズル2Aの基端側に向かうように傾斜して形成される。
【0103】
第1吐水孔454aは、出口側がノズル2Aの基端側に向かうように傾斜して形成されることで、流路構成部材4Aを流通される洗浄水が、狙った位置に吐出されるように構成される。
【0104】
第1吐水凸部454は、ノズルカバー3Aの内部に流路構成部材4Aが配置された状態において、第1貫通孔31の厚さ部分に嵌合する。第1吐水凸部454の表面は、ノズルカバー3Aの表面と略面一に配置される。略面一とは、第1吐水凸部454の表面と、ノズルカバー3Aの表面とが、完全に面一でない場合も含むことを意味する。略面一には、第1吐水凸部454の表面が、ノズルカバー3Aの表面から多少凹んでいる場合も含まれる。そのため、ノズルカバー3Aの第1貫通孔31は、第1吐水凸部454に塞がれた状態である。第1吐水凸部454の表面は、ノズルカバー3Aの表面から突出して配置されてもよい。
【0105】
吐水側流路構成部45がノズルカバー3Aに組み付いた状態において、
図9に示すように、導入側流路構成部46をノズルカバー3Aに組み付けることで、導入側流路構成部46の先端側延出部465は、下部隙間Saに配置される。先端側延出部465が下部隙間Saに配置されることで、ノズルカバー3Aの径方向において、吐水側流路構成部45を下方側から支持することで、吐水側流路構成部45の位置決めを行うことができる
。
【0106】
吐水側流路本体451の内部には、
図9に示すように、ノズル側吐水側内側流路F5が形成される。ノズル側吐水側内側流路F5は、吐水側流路本体451の吐水側流路内周壁453の内側を通して流入された洗浄水を、吐水側流路本体451の径方向の中央側を主に流通させて、第1吐水凸部454の第1吐水孔454aに流通させる流路である。
【0107】
ノズル2Aを組み立てる場合には、ノズルカバー3Aの開放側の端部から、流路構成部材4Aの吐水側流路構成部45を挿入する。第1貫通孔31に第1吐水凸部454が嵌合する位置まで、吐水側流路構成部45を軸方向の先端側に移動させた後に、吐水側流路構成部45を上方に移動させて、第1吐水凸部454を第1貫通孔31に嵌合させる。
【0108】
次に、ノズルカバー3の開放側の端部から、導入側流路構成部46を挿入する。そして、導入側流路構成部46の導入側流路先端側周壁462を吐水側流路構成部45の吐水側流路外周壁452に挿入する。
【0109】
導入側流路構成部46の後部側においては、導入側流路構成部46をノズルカバー3Aに固定する。例えば、本実施形態においては、導入側流路構成部46のフランジ部466の前面は、ノズルカバー3Aの後端側に形成される基準面381においてノズルカバー3Aの軸方向の位置決めがされて、接着によりノズルカバー3Aに固定される。他の実施形態においては、当該固定に圧入を用いてもよい。
【0110】
以上説明した第2実施形態のノズル2Aによれば、以下のような効果を奏する。本実施形態のノズル2Aにおいては、吐水側流路構成部45と導入側流路構成部46とは、ノズルカバー3Aの軸方向の位置を調整可能な状態で、ノズルカバー3Aの軸方向に直交する方向に見た場合に少なくとも一部が重複して配置される。これにより、ノズルカバー3Aがセラミック製であってノズルカバー3Aの軸方向の寸法に製造のバラツキがあったとしても、軸方向のバラツキを吸収して、流路構成部材4Aの軸方向の位置決めを容易に行うことができる。更に、吐水側流路構成部45及び導入側流路構成部46の軸方向の寸法に製造のバラツキがあったとしても、軸方向のバラツキを吸収して、流路構成部材4Aの軸方向の位置決めを容易に行うことができる。よって、ノズル2Aを容易に組み立てることができる。
【0111】
本実施形態においては、ノズルカバー3Aの内部には、ノズルカバー3Aの軸方向において、吐水側流路構成部45及び導入側流路構成部46の位置を調整可能な隙間S5,S6が形成されている。そのため、ノズルカバー3A、吐水側流路構成部45及び導入側流路構成部46の軸方向の寸法に製造のバラツキがあったとしても、軸方向の位置のバラツキを吸収して、流路構成部材4Aの軸方向の位置決めを容易に行うことができる。
【0112】
以上、本開示の好ましい実施形態について説明した。本開示は、上述した実施形態に制限されるものではなく、適宜変更が可能である。
【0113】
例えば、前記第1実施形態において、流路構成部材4を3つの流路構成部(吐水側流路構成部41、導入側流路構成部42、連結パイプ43)により構成した。前記第2実施形態において、流路構成部材4Aを2つの流路構成部(吐水側流路構成部45、導入側流路構成部46)により構成した。これに限定されず、流路構成部材4を、4つ以上の流路構成部により構成してもよい。流路構成部材4を、連結パイプ43を用いない構成としてもよい。
【0114】
前記実施形態においては、吐水側流路構成部41を1つの部材により構成した。これに限定されず、吐水側流路構成部41を複数の部材により構成してもよい。
【0115】
前記実施形態においては、流路構成部材4,4Aにおいて複数の流路F11,F12,F21,F22,F31,F32、F4,F5を形成した。しかし、流路の経路の位置や数や長さは、これに限定されない。
【0116】
前記第1実施形態において、凸状の吐水部(第1吐水凸部414、第2吐水凸部415)を2つ設けると共に、吐水部用孔部(第1貫通孔31、第2貫通孔32)を2つ設けた。前記第2実施形態において、凸状の吐水部(第1吐水凸部454)を1つ設けると共に、吐水部用孔部(第1貫通孔31)を1つ設けた。しかし、これに限定されない。例えば、凸状の吐水部を3つ以上設けると共に、吐水部用孔部を3つ以上設けてもよい。
【0117】
前記実施形態とは異なり、第1吐水凸部414の表面及び第2吐水凸部415の表面を、ノズルカバー3の表面から窪んだ位置に配置してもよい。
【符号の説明】
【0118】
1 衛生洗浄装置、2 ノズル、3 ノズルカバー、4 流路構成部材、31 第1貫通孔(ノズルカバー側吐水孔部)、32 第2貫通孔(ノズルカバー側吐水孔部)、41 吐水側流路構成部(先端側流路構成部)、42 導入側流路構成部(後部側流路構成部)、43 連結パイプ(後部側流路構成部)、45 吐水側流路構成部(先端側流路構成部)、46 導入側流路構成部(後部側流路構成部)、381 基準面(基準位置)、414,454 第1吐水凸部(吐水部)、414a,454a 第1吐水孔(流路側吐水孔部)、415 第2吐水凸部(吐水部)、415a 第2吐水孔(流路側吐水孔部)、S1,S2,S3,S4、S5,S6 隙間