(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-14
(45)【発行日】2023-12-22
(54)【発明の名称】エレベータガイドレールの設置方法および装置
(51)【国際特許分類】
B66B 7/02 20060101AFI20231215BHJP
【FI】
B66B7/02 E
(21)【出願番号】P 2020120395
(22)【出願日】2020-07-14
【審査請求日】2023-01-26
(32)【優先日】2019-07-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】591159044
【氏名又は名称】コネ コーポレイション
【氏名又は名称原語表記】KONE CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】110001151
【氏名又は名称】あいわ弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】ハルリ マキネン
(72)【発明者】
【氏名】ミカエル ハーグ
【審査官】長尾 裕貴
(56)【参考文献】
【文献】特開平05-338955(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0177120(US,A1)
【文献】特開2019-014558(JP,A)
【文献】特表2011-506222(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0170712(US,A1)
【文献】特開平05-178561(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B66B 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エレベータガイドレールの設置方法において、該方法は、
第1の巻上機によってシャフト内を上下に移動可能に配設された運搬台に載置された測定装置を用いて前記シャフトを測定して、該シャフトの形状および該シャフトの高さに沿って設けられた前記ガイドレールの締結点の位置を測定結果に基づいて判定し、
所定の長さのガイドレール要素の端部同士を連結することにより前記ガイドレールを形成可能なガイドレール
要素に調整可能な締結ブラケットを取り付け、前記ガイドレールを前記シャフトに設置する前に測定段階で得られた情報に基づいて前記締結ブラケットを調整することによって、該締結ブラケットを備えたガイドレール要素を、シャフト内で吊り上げ、締結ブラケットをさらに調整することなく前記シャフトの壁の締結点に取付けできることを特徴とするエレベータガイドレールの設置方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法において、該方法はさらに、相互に調整可能な2つのブラケット部品を含む締結ブラケットを用い、第1のブラケット部品は前記ガイドレール要素に取付け可能であり、第2のブラケット部品は前記シャフト内の壁に取付け可能であり、第1のブラケット部品を前記ガイドレール要素の適切な高さ位置に取付けた後に、前記2つのブラケット部品を前記測定段階で得られた情報に基づいて相互に調整することを特徴とする方法。
【請求項3】
請求項1または2に記載の方法において、該方法はさらに、
前記ガイドレール要素の最下端部となる区間部を前記シャフト内の各壁に設置して、
第2の巻上機によって上下に移動可能な運搬装置を前記シャフト内に配設して該シャフト内でガイドレール要素を吊り上げ、前記運搬装置は第2の巻上機に連結されたフック装置と該フック装置に連結されたレバー装置とを含み、
前記運搬装置にガイドレール要素を連結して、該ガイドレール要素の上端部を前記フック装置に連結して、該ガイドレール要素の下端部は前記レバー装置に支持され、
第2の巻上機によって前記運搬装置、さらには前記ガイドレール要素も上昇させて、前記レバー装置を設置済みのガイドレール要素列上で滑動させ、
前記ガイドレール要素を前記設置済みのガイドレール要素列の上端部に連結して、
前記運搬台から前記ガイドレール要素の締結ブラケットを前記シャフトの壁に取り付け、
前記運搬装置を第2の巻上機によって下降させて別のガイドレール要素を取り込む際に、前記レバー装置は前記設置済みのガイドレール要素列上を滑動することを特徴とする方法。
【請求項4】
請求項1または2に記載の方法において、該方法はさらに、前記ガイドレールを前記シャフト内に設置する前に、前記ガイドレール要素の下端部に第1の結合クランプを取り付けるとともに前記ガイドレール要素の上端部に第2の結合クランプを取り付け、これによって該結合クランプおよび前記締結ブラケットが備えられたガイドレール要素を前記シャフト内で吊り上げて該シャフトに設置できるようにして、
第1の結合クランプおよび第2の結合クランプは、第1の結合クランプと第2の結合クランプが相互に連結されると、第1の結合クランプと第2の結合クランプの間に、さらには2つの連続するガイドレール要素の間に、差込み式継手を形成することを特徴とする方法。
【請求項5】
請求項4に記載の方法において、第1の結合クランプは少なくとも1つの雄結合要素を含むとともに第2の結合クランプは少なくとも1つの雌結合要素を含み、または、第1の結合クランプは少なくとも1つの雌結合要素を含むとともに第2の結合クランプは少なくとも1つの雄結合要素を含み、前記雄結合要素および前記雌結合要素は、第1の結合クランプと第2の結合クランプが相互に連結されると、第1の結合クランプおよび第2の結合クランプの間に、さらには2つの連続するガイドレール要素の間に、前記差込み式継手を形成することを特徴とする方法。
【請求項6】
請求項5に記載の方法において、前記雄結合要素はピンにより形成され、前記雌結合要素は前記ピンを収容する孔により形成されることを特徴とする方法。
【請求項7】
請求項4ないし6のいずれか1項に記載の方法において、該方法はさらに、
前記ガイドレール要素の最下端部となる区間部を手作業で前記シャフト内の各壁に設置し、
第2の巻上機によって上下に移動可能な運搬装置を前記シャフト内に取り付けて該シャフト内でガイドレール要素を吊り上げ、前記運搬装置は、第2の巻上機に連結されたフック装置と該フック装置に連結されたレバー装置とを含み、
ガイドレール要素を、該ガイドレール要素の上端部にある第2の結合クランプを前記フック装置に連結し該ガイドレール要素の下端部を前記レバー装置に連結することによって前記運搬装置に連結し、
前記運搬装置、さらには前記ガイドレール要素を第2の巻上機により上昇させて、前記レバー装置を設置済みのガイドレール要素列上で滑動させ、
前記ガイドレール要素を、第1の結合クランプおよび第2の結合クランプにより構成された前記差込み式継手を用いて前記設置済みのガイドレール要素列の上端部に連結して、
前記運搬台から前記ガイドレール要素の前記ブラケットを前記シャフトの壁に取り付け、
前記運搬装置を第2の巻上機によって下降させて別のガイドレール要素を取り込む際に、前記フック装置および前記レバー装置は前記設置済みのガイドレール要素列上を滑動することを特徴とする方法。
【請求項8】
請求項3
または7に記載の方法において、前記レバー装置は、
上側レバー部と、下側レバー部と、前記上側レバー部に枢動可能に取り付けられた第1の端部および前記下側レバー部に枢動可能に取り付けられた第2の反対側端部を含むレバーアームとを有し、前記下側レバー部は前記設置済みのガイドレール要素列上に滑動可能に支持され、前記ガイドレール要素の下端部は前記上側レバー部に支持されることを特徴とする方法。
【請求項9】
請求項8に記載の方法において、前記レバーアームは該レバーアームが傾斜する第1の動作位置をとり、第1の動作位置をとると前記上側レバー部および前記下側レバー部が相互にずれて配置され、これによって前記上側レバー部は前記設置済みのガイドレール要素列から水平方向に離れ、第1の結合クランプによって前記ガイドレール要素の下端部に空間を確保し、
前記レバーアームはさらに該レバーアームが直立する第2の動作位置をとり、第2の動作位置をとると前記上側レバー部および前記下側レバー部が互いに一列に並ぶことを特徴とする方法。
【請求項10】
請求項9に記載の方法において、前記ガイドレール要素が前記設置済みのガイドレール要素列に沿って上昇するとき、前記レバーアームは第1の動作位置にあることを特徴とする方法。
【請求項11】
請求項4を間接的に引用する請求項9または10に記載の方法において、前記レバーアームは、前記下側レバー部が前記設置済みのガイドレール要素列の上端部に到達すると第2の動作位置に移動して、第1の結合クランプおよび第2の結合クランプを互いに一列に並ばせ、これにより、前記ガイドレール要素を下げると第1および第2の結合クランプ間の前記差込み式継手が閉じ合い、前記ガイドレール要素を前記設置済みのガイドレール要素列の最上部にあるガイドレール要素に結合することを特徴とする方法。
【請求項12】
エレベータガイドレールの設置装置において、該装置は、
第1の巻上機によってシャフト内を上下に移動する運搬台を有し、
前記シャフトは前記運搬台に載置された測定装置によって測定され、
該測定で得られた情報を用いて、前記シャフトの形状およびシャフトの高さに沿って設けられたガイドレールの締結点の位置を判定し、
前記シャフト内に前記ガイドレールを設置する前に、調整可能な締結ブラケットは前記ガイドレールに取り付けられて前記測
定で得られた情報に基づいて調整され、これによって、前記締結ブラケットが備えられた前記ガイドレールはシャフト内で吊り上げられ、前記締結ブラケットはさらに調整することなく前記シャフトの壁に設けられた前記締結点に取り付けられることを特徴とするエレベータガイドレールの設置装置。
【請求項13】
請求項12に記載の装置において、前記締結ブラケットは相互に調整可能な2つのブラケット部品を含み、第1のブラケット部品は前記ガイドレールに取付け可能であり、第2のブラケット部品は前記シャフト内の壁に取付け可能であり、第1のブラケット部品が前記ガイドレールの適切な高さ位置に取り付けられた後に、2つのブラケット部品は前記測
定で得られた情報に基づいて相互に調整されることを特徴とする装置。
【請求項14】
請求項12または13に記載の装置において、
ガイドレール要素の最下端部となる区間部は、前記シャフト内の各壁に手作業で設置され、
運搬装置は第2の巻上機によって前記シャフト内を上下移動可能に配設されて前記シャフト内でガイドレール要素を吊り上げ、前記運搬装置は、第2の巻上機に連結されたフック装置と該フック装置に連結されたレバー装置とを含み、
前記運搬装置にガイドレール要素が連結され、該ガイドレール要素の上端部は前記フック装置に連結され、前記ガイドレール要素の下端部は前記レバー装置に支持され、
前記運搬装置、ひいてはガイドレール要素が第2の巻上機により上昇すると、前記レバー装置は設置済みのガイドレール要素の列上を滑動し、
前記ガイドレール要素は、前記設置済みのガイドレール要素列の上端部に連結され、
前記ガイドレール要素の前記締結ブラケットは、前記運搬台から前記シャフトの壁に取り付けられ、
前記運搬装置が第2の巻上機によって下降して別のガイドレール要素を取り込む際に、前記レバー装置は前記設置済みのガイドレール要素列上を滑動することを特徴とする装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エレベータガイドレールの設置方法および装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
エレベータは、乗りかご、シャフト、巻上機、ロープおよびカウンタウェイトを有し得る。乗りかごは、独立型または一体型の乗りかごフレームで囲繞されている場合もある。
【0003】
巻上機は、シャフト内に配設されてもよい。巻上機は、駆動装置、電気モータ、トラクションシーブおよび機械ブレーキを備えていてもよい。巻上機は、乗りかごをシャフト内で上昇および下降させることができる。機械ブレーキは、トラクションシーブの回転を停止させることにより、エレベータ乗りかごの移動を停止させることができる。
【0004】
乗りかごフレームは、ロープによってトラクションシーブを介してカウンタウェイトに連結されてもよい。乗りかごフレームはさらに、シャフト内を垂直方向に延びているガイドレールに滑動手段を用いて支持されてもよい。ガイドレールは、締結ブラケットを用いてシャフト内の側壁構造体に取り付けられてもよい。滑動手段は、乗りかごがシャフト内を上昇および下降する際に、乗りかごの水平面を所定に維持する。乗りかごフレームと同様の方式で、カウンタウェイトはシャフトの壁構造体に取り付けられたガイドレールに支持されてもよい。
【0005】
乗りかごは、人間および/または貨物を建物の乗り場間において運搬することができる。シャフトの壁構造体は、固体壁、露出している梁構造体またはこれらの任意の組合せの形態を採るものでもよい。
【0006】
ガイドレールは、所定の長さのガイドレール要素で形成してもよい。ガイドレール要素は、設置段階において、エレベータシャフト内に端部同士を次々に連結してもよい。ガイドレール要素は、2つの連続するガイドレール要素の終端部間に延びる連結板によって互いに取り付けてもよい。連結板は、連続するガイドレール要素に取り付けてもよい。ガイドレールの端部は何らかの形状固定手段を備えていてもよく、これによってガイドレールを正確な相互関係にて配置することができる。ガイドレールは、支持手段によって、ガイドレールの高さ沿いにある支持点でエレベータシャフトの壁に取り付けてもよい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
エレベータを設置する際、従来技術に係る方法でのガイドレールの設置では、ガイドレールの運搬、吊上げおよび位置決めを含み相当に複雑な作業を伴う。また、従来技術の方法によるガイドレールの設置には多くの時間がかかる。これらは、現代の高層建物ではより重大な問題となる。
【0008】
本発明はこのような課題に鑑み、改良したエレベータガイドレールの設置方法および装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係るエレベータガイドレールの設置方法は、請求項1で定義される。
【0010】
本発明に係るエレベータガイドレールの設置装置は、請求項12で定義される。
【0011】
まずは測定装置を用いてシャフトを測定し、測定結果に基づいて、シャフトの形状と、シャフトの高さに沿って設けられたガイドレールの締結点の位置とを判定する。
【0012】
次に、調整可能な締結ブラケットをガイドレールに取り付け、締結ブラケットを測定段階で得られた情報に基づいて調整する。このような調整は、ガイドレールをシャフト内に設置する前に行ってもよい。
【0013】
本発明は、締結ブラケットが設けられたガイドレール要素をガイドレールの設置工程においてシャフト内で吊り上げ、締結ブラケットをさらに調整することなくシャフトの壁の締結点に取付け可能であるというものである。
【0014】
一実施形態において、ガイドレール要素は、フック装置およびレバー装置を備えた運搬装置に連結された巻上機によって、シャフト内で上方に吊り上げられる。フック装置は、ガイドレール要素の上端部に取り付けてもよく、ガイドレール要素の下端部は、レバー装置によって設置済みガイドレール要素列上を滑動可能に支持され得る。このように、制御された方法でガイドレール要素を吊り上げることができる。すなわち、ガイドレールは吊上げ中に揺れない。
【0015】
運搬装置を下降させて別のガイドレール要素を取り込む作業も、制御された方法で行われる。レバー装置もまた、下降するときに設置済みのガイドレール要素列上を滑動できるように支持され得る。
【0016】
一実施形態において、フック装置は、設置済みのガイドレール要素列に連結されずにシャフト内を上昇および下降することができる。本実施形態では、レバー装置だけが、シャフト内での上下動中に設置済みのガイドレール要素列上を滑動することができる。
【0017】
あるいは、フック装置もまた、ガイドレール要素列上を滑動可能に支持されてよい。本実施形態では、フック装置は、シャフト内を下降するときに設置済みのガイドレール要素列上を滑動することができる。本実施形態におけるフック装置は、シャフト内を上昇するときに、設置済みのガイドレール要素列に連結されていなくてもよい。
【0018】
いずれの実施形態においても、フック装置は、ガイドレール要素の吊上げに際してガイドレール要素の上端部に固定して取り付けることができる。
【0019】
巻上機によってシャフト内を上下動可能な運搬台を、ガイドレールの設置前に行われるシャフトを測定する際、および/または、ガイドレール要素の最下部となる第1の区間部を手作業で設置する際、および/または、ガイドレールを設置する際に使用して、ガイドレール要素をシャフトの壁に取り付けてもよい。ガイドレール要素は、技術者により手作業で、あるいはロボットにより自動的にシャフトの壁に取り付けてもよい。
【0020】
一実施形態において、ガイドレール要素の各端部はさらに、複数の結合クランプを備えていてもよい。結合クランプは、各結合クランプが、さらには2つの連続するガイドレール要素が相互に連結されると、結合クランプ間において、さらには2つの連続するガイドレール要素間に差込み式継手を形成することができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、ガイドレールの設置後に締結ブラケットをシャフト内のガイドレール要素に取り付けて調整する従来の技術方式と比べて、ガイドレールの設置が簡易になり、設置に要する時間が短縮される。
【図面の簡単な説明】
【0022】
以下、本発明について、好適な実施形態を用いて図面を参照しながらより詳細に述べる。
【
図7】様々な位置にある運搬装置のレバー装置を示す図である。
【
図8】様々な位置にある運搬装置のレバー装置を示す図である。
【
図9】様々な位置にある運搬装置のレバー装置を示す図である。
【
図13】シャフトの測定例を示すシャフトの垂直断面図である。
【
図14】シャフトの測定例を示すシャフトの水平断面図である。
【
図15】締結ブラケットをガイドレールに取り付ける様子を示す図である。
【
図16】締結ブラケットを調整する様子を示す図である。
【
図17】ガイドレールの事前設置作業台の第1の実施形態を示す図である。
【
図18】ガイドレールの事前設置作業台の第2の実施形態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
図1はエレベータの側面を示し、
図2はエレベータの水平断面を示す。
【0024】
エレベータは、乗りかご10、エレベータシャフト20、巻上機30、ロープ42およびカウンタウェイト41を備える。独立型または一体型の乗りかごフレーム11が乗りかご10を囲繞していてもよい。
【0025】
巻上機30は、シャフト20内に配設されてもよい。巻上機は、駆動装置31、電気モータ32、トラクションシーブ33および機械ブレーキ34を備えていてもよい。巻上機30は、乗りかご10を、垂直に延びているエレベータシャフト20内で垂直方向Zに上昇および下降させることができる。機械ブレーキ34は、トラクションシーブ33の回転を停止させることで、エレベータ乗りかご10の移動を停止させることができる。
【0026】
乗りかごフレーム11は、ロープ42によって、トラクションシーブ33を介してカウンタウェイト41に連結してもよい。乗りかごフレーム11はさらに、滑動手段27によって、シャフト20内で垂直方向に延びているガイドレール25に支持されてもよい。滑動手段27は、乗りかご10がエレベータシャフト20内を上下動している際にガイドレール25上で回転するロールまたはガイドレール25上で滑動する滑動シューを備えていてもよい。ガイドレール25は、締結ブラケット50を用いて、エレベータシャフト20内の側壁構造体21に取り付けられてもよい。滑動手段27は、乗りかご10がエレベータシャフト20内を上下動する際に、乗りかご10の水平面を適切に維持する。乗りかご10と同様の方式により、カウンタウェイト41は、シャフト20の壁構造体21に取り付けられたガイドレールに支持されてもよい。
【0027】
シャフト20の壁構造体21は、固体壁21もしくは露出している梁構造体、またはこれらの任意の組合せで形成してもよい。よって、壁の1枚以上を固体壁にしてもよく、壁の1枚以上を露出している梁構造体で形成してもよい。シャフト20は、前壁21A、後壁21Bおよび2枚の対向する側壁21C、21Dを含んでいてよい。シャフトには乗りかご10用に2本のガイドレール25を設けてもよい。2本の乗りかご用ガイドレール25は、対向する壁21C、21Dに配設してもよい。シャフトにはさらに、カウンタウェイト41用に2本のガイドレール25を設けてもよい。2本のカウンタウェイト用ガイドレール25は、後壁21Bに配設してもよい。
【0028】
ガイドレール25は、エレベータシャフト20の高さ方向に沿って垂直に延びていてもよい。したがって、ガイドレール25は、所定の長さ、例えば5mのガイドレール要素で形成してもよい。ガイドレール要素25は、各端部上に次々と設置することができる。ガイドレール要素25は、2つの連続するガイドレール要素25の終端部間に延びる連結板を用いて相互に取り付けてもよい。連結板は、連続するガイドレール要素25に取り付けることができる。ガイドレール25の端部は何らかの形状固定手段を備えていてもよく、これにより、ガイドレール25を互いに対し正確に位置決めできる。ガイドレール25は、支持手段によって、ガイドレール25の高さ方向に沿った支持点でエレベータシャフト20の壁21に取り付けられてもよい。
【0029】
乗りかご10は、建物の乗り場間において人間および/または貨物を運搬することができる。
【0030】
図2では、シャフト20内の測鉛線PL1、PL2を示している。測鉛線は、エレベータを設置する前にシャフト20の測量によって生成するものでよい。測鉛線PL1、PL2は、従来型のワイヤまたは光源、例えば測鉛線PL1、PL2に沿って上方に向かう光線を含むレーザにより生成してもよい。通常は、1本の測鉛線とジャイロスコープ、または2本の測鉛線がシャフト20全体の測定基準のために必要となる。
【0031】
図1は、エレベータシャフト20内の垂直方向である第1の方向Zを示す。
図2は、ガイドレール間の方向(DBG)である第2の方向Xおよびシャフト20内の後壁から前壁の方向(BTF)である第3の方向Yを示す。第2の方向Xは、第3の方向Yに対して垂直である。第2の方向Xおよび第3の方向Yは、第1の方向Zに対して垂直である。
【0032】
【0033】
本図ではシャフト20における5つの乗り場L1~L5を示しているが、当然ながらシャフト20の乗り場の数は任意に選択可能である。
【0034】
第1の巻上機H1はシャフト20に配設して、運搬台500をシャフト20内で上下動させてもよい。第1の巻上機H1は、シャフト20の天井から吊架してもよい。
【0035】
第2の巻上機H2はシャフト20に配設して、運搬装置600をシャフト20内で上下動させてもよい。第2の巻上機H2は、シャフト20の天井から吊架してもよい。
【0036】
運搬台500は、ローラによって、シャフト20内で対向し合う固体壁21に支持されてもよい。また、運搬台500は、ガイドレール25に連結させなくてもよい。運搬台500を使用して、1人以上の技術者ならびに/または1台以上のロボットおよび/もしくは工具をシャフト20内で運搬することができる。運搬台500の水平断面は、ガイドレール25用の通路を含んでいてもよい。運搬台500は、エレベータの設置前にシャフト20を測定する際、および/またはガイドレールをシャフト20の壁21に設置する際、および/またはエレベータの設置後にガイドレール25の位置調整をする際に使用することができる。
【0037】
保管場所SAを、第1の乗り場L1に配設してもよい。当然ながら、保管場所SAは、ガイドレールの設置を行う作業層の下方にある任意の位置に配することができる。保管場所SAは、最初は第1の乗り場L1に配置し、その後は設置の進行に合わせて上階の乗り場に再度配置することも可能である。ガイドレール要素25は、保管場所SAに保管し、運搬装置600で吊り上げてもよい。ガイドレール要素25は、運搬装置600に手作業で積載してもよい。
【0038】
最初に、運搬台500に配設された測定装置800によってシャフト20を測定してもよい。次に、測定結果を用いて、シャフト20の形状およびシャフト20の高さに沿って設けられたガイドレール25の締結点の位置を判定してもよい。
【0039】
その後、測定段階で取得した情報に基づいて、調整可能な締結ブラケット50をガイドレール25に取り付けてもよい。さらに、測定段階で取得した情報に基づいて締結ブラケット50を調整してもよい。
【0040】
シャフト20の測定、ならびに締結ブラケット50の取付けおよび調整は、シャフト20内にガイドレール25を設置する前に行ってもよい。締結ブラケット50のガイドレール要素25への締結および調整は、エレベータの設置現場で行ってもよい。締結ブラケット50を備えたガイドレール要素25に印を付けておくと、後にガイドレール要素25の設置を開始する際に当該ガイドレール要素25を識別することができる。締結ブラケット50が設けられたガイドレール要素25は、特定のガイドレール要素25の列に属し、当該特定のガイドレール要素25の列における特定の高さに位置する。
【0041】
ガイドレール25の最下端部となる第1の区間部は、手作業でシャフト20に設置してもよい。運搬台500は、ガイドレール25の第1の区間部を手作業でシャフト20に設置する際に使用してもよい。
【0042】
本図は、ガイドレール25の第2の区間部となる第1のガイドレール25が、第2の巻上機H2に連結された運搬装置600によってシャフト20内を吊り上げられる状態を示している。運搬装置600は、第2の巻上機H2に連結されたフック装置300およびフック装置300に連結されたレバー装置400を備えていてもよい。フック装置300は、第1のワイヤ350を用いて第2の巻上機H2に連結してもよい。レバー装置400は、第2のワイヤ360を用いてフック装置300に連結してもよい。レバー装置400は、上側レバー部410および下側レバー部420を含んでいてもよい。上側レバー部410および下側レバー部420は、レバーアーム430を用いて相互に連結してもよい。
【0043】
ガイドレール要素25の上端部をフック装置300に取り付けることで、第2の巻上機H2に取り付けてもよい。
【0044】
吊り上げるガイドレール要素25の下端部は、上側レバー部410に取り付けてもよい。下側レバー部420は、設置済みのガイドレール要素25の列に滑動可能に支持されるものでもよい。
【0045】
このように、ガイドレール要素25は、第2の巻上機H2および運搬装置600によって、設置済みガイドレール要素25の列に沿って吊り上げられる。ガイドレール要素25の上端部は、フック装置300に堅固に取り付けてもよい。これにより、吊上げ力は、第2の巻上機H2からフック装置300に、さらにガイドレール要素25に伝達される。ガイドレール要素25の下端部は、上側レバー部410に取り付けてもよい。下側レバー部420は、設置済みガイドレール要素25の列上を滑動する。下側レバー部420は、上昇する際に設置済みガイドレール要素25の列に滑動できるように連結してもよい。
【0046】
ガイドレール要素25は、設置済みガイドレール要素25の列に沿って、下側レバー部420が設置済みガイドレール要素25の列の上端部に到達する高さまで吊り上げてもよい。
【0047】
その後、ガイドレール要素25は、レバー装置400から取り外されてもよい。ガイドレール要素25の下端部は、その後、設置済みガイドレール要素25の列の上端部に取り付けてもよい。ガイドレール要素25は、最終的にはシャフト20の壁21に取り付けてもよい。
【0048】
その後、運搬装置600を、第2の巻上機H2によって設置済みガイドレール要素25の列に沿って下降させてもよい。レバー装置400は、下降する際、設置済みガイドレール要素25の列上を滑動してもよい。レバー装置400は、設置済みガイドレール要素25の列に接しながら滑動できるように支持されてもよい。実施形態によっては、フック装置300は、フック装置300がシャフト20内を下降するときに設置済みガイドレール要素25の列上を滑動可能に支持されてもよい。
【0049】
制御部700を用いて測定を制御し、測定で取得された情報を記憶し、測定で取得された情報に基づいて計算を実行してもよい。制御部700はさらに、測定で取得された情報を表示装置に送信してもよい。ガイドレール要素25に対する締結ブラケットの取付けおよび位置合わせは、表示された情報に基づいて行うことができる。
【0050】
【0051】
本図は、ガイドレール要素25に設けられた結合クランプ100、200を使用して2つの連続するガイドレール要素25を結合可能な1つの手法を示す。本図は、上部ガイドレール要素25の下端部分および下部ガイドレール要素25の上端部分を示す。2つのガイドレール要素25は、相互に結合される。
【0052】
ガイドレール要素25の断面は、平坦な底部25Aおよび底部25Aの中央部から外方に突き出る平坦な支持部25Bを有するT字型であってもよい。ガイドレール要素25は、締結ブラケットを用いて、ガイドレール要素25の底部25Aからシャフト20の壁21に取り付けてもよい。ガイドレール要素25の支持部25Bは、乗りかご10の支持シューまたはカウンタウェイト41用となる2つの対向する側部支持面および1つの端部支持面を形成していてもよい。支持シューには、ガイドレール要素25の支持部25Bの支持面上で作動する滑動面またはローラを設けてもよい。
【0053】
各ガイドレール要素25には、ガイドレール要素25の第1の端部に取り付けられた第1の結合クランプ100およびガイドレール要素25の第2の反対側端部に取り付けられた第2の結合クランプ200を設けてもよい。ガイドレール要素25の第1の端部はガイドレール要素25の下端部でよく、ガイドレール要素25の第2の端部はガイドレール要素25の上端部でよい。本図は、上部ガイドレール要素25の下端部に設けられた第1の結合クランプ100および下部ガイドレール要素25の上端部に設けられた第2の結合クランプ200を示す。
【0054】
各ガイドレール要素25は、ガイドレール要素25の各端部において、ガイドレール要素25の底部に横断貫通孔を設けてもよい。これに対し、第1の結合クランプ100および第2の結合クランプ200に、対応するねじ穴を設けてもよい。ボルトは、ガイドレール要素25の底部の孔を通過して、第1および第2の結合クランプ100、200のねじ穴に貫入してもよい。これによって、第1および第2の結合クランプ100、200をガイドレール要素25のそれぞれの端部に取り付けることができる。このために結合クランプ100、200は、ガイドレール25の底部の、ガイドレール25の支持部に対して反対側の面に配される。
【0055】
第1の結合クランプ100の第1の外端部は、ガイドレール要素25の下端部と実質的に同一の高さにあってもよい。第1の結合クランプ100は、第1の結合クランプ100の第1の端部から長手方向外方に延びている複数の雄結合要素110を備えていてもよい。長手方向は、ガイドレール要素25の長手方向と一致してもよい。雄結合要素110は、第2の結合クランプ200にある対応する雌結合要素210に貫入するように構成してもよい。各雄結合要素110の軸長B1は等しくてもよい。あるいは、各雄結合要素110の軸長B1は異なっていてもよい。軸長B1が異なる雄結合要素110を使用する利点は、第1の結合クランプ100および第2の結合クランプ200を、同時かつ同一方向において互いに対して適切な位置に案内できることにある。第1の結合クランプ100および第2の結合クランプ200は、シャフト20内に設置する前に、ガイドレール要素25の適切な位置に予め設置してもよい。軸長B1が等しい雄結合要素110を使用するときには、予め設置しておくと有利になる。
【0056】
雄結合要素110は、ピンの形態を採ってもよい。ピンの横断面は、円形でもよい。雌結合要素210は、孔の形態を採ってもよい。孔の横断面は、ピンの横断面に対応する。
【0057】
雄結合要素110の数および雌結合要素210の数は、本実施形態では3つである。しかしながら、第1の結合クランプ100の雄結合要素110および第2の結合クランプ200にある対応する雌結合要素210の数は任意に定めることができる。したがって、第1の結合クランプ100の雄結合要素110を少なくとも1つ、および第2の結合クランプ200の雌結合要素210を少なくとも1つ設けることができる。3つの雄結合要素110および3つの雌結合要素210を、三角形の頂点状に配置してもよい。
【0058】
第1の結合クランプ100の雄結合要素110の数および第2の結合クランプ200の雌結合要素210の数は、同じでよい。
【0059】
第1の結合クランプ100および第2の結合クランプ200は、2つの連続するガイドレール要素25間の差込み式継手を形成してもよい。
【0060】
第1の結合クランプ100は、第1の結合クランプ100の長手方向に貫通孔を穿孔することによって製造してもよい。続けて、雄結合要素110を貫通孔に挿入して、圧力継手によって孔内に取り付ける。よって、第1の結合クランプ100には、第2の内端部から第1の結合クランプ100内で延びている止まり穴が残ることになる。
【0061】
第2の結合クランプ200の第1の外端部は、ガイドレール要素25の上端部と実質的に同一の高さにあってもよい。第2の結合クランプ200は、第2の結合クランプ200の第1の端部から第2の結合クランプ200に、長手方向に進む孔210を含んでいてもよい。長手方向は、ガイドレール要素25の長手方向と一致していてもよい。孔210は、第2の結合クランプ200を貫通する貫通孔でよい。
【0062】
第1の結合クランプ100のピン110が第2の結合クランプ200の孔210に完全に押し込まれると、2つの連続するガイドレール要素25は相互関係にて適切な位置に配される。これにより、第1の結合クランプ100の第1の端部面および第2の結合クランプ200の第1の端部面は、互いに接して配置される。2つの連続するガイドレール要素25の対向し合う面も、この位置で互いに接して配置される。
【0063】
1または複数の上部ガイドレール要素25の重量によって、第1の結合クランプ100および第2の結合クランプ200が結束される。ガイドレール要素25も、締結ブラケットによって必然的にシャフト20の壁21に取り付けることになるため、ガイドレール要素25のどの方向へも動かなくなる。これにより、第1の結合クランプ100と第2の結合クランプ200の間を別途に固定する必要がなくなる。当然のことながら、必要に応じて、第1の結合クランプ100と第2の結合クランプ200の間を別途に固定することもできる。第1の結合クランプ100と第2の結合クランプ200の間のスナップロックとして固定をすることもできよう。
【0064】
別の実施可能な方式として、例えば、ねじ切り部付きの中間ピン110を設けることもできる。中間ピン110を十分な長さにすることで、第1の結合クランプ100および第2の結合クランプ200が相互に結合されたときに、ピンの外端部は第2の結合クランプ200の反対側端部から外方に突出する。次にナットを中間ピン110のねじ切り部に螺入して、2つの結合クランプ100、200を1つに締結させる。
【0065】
2つの連続するガイドレール要素25の対向する端面ではさらに、形状固定を行ってもよい。一方の端部面に溝を設け、他方の端部面には溝に収まる突出部を備えていてもよい。
【0066】
第1の結合クランプ100および第2の結合クランプ200は、鋳鉄またはアルミニウム製であってもよい。
【0067】
第1の結合クランプ100のピン110は、冷間引抜き鋼棒から製造されるものでよい。あるいは、ピン110は合成樹脂製でもよい。
【0068】
第1の結合クランプ100のピン110の外端部を面取りすると、第2の結合クランプ200の孔210に挿入するピン110の位置合わせが容易になる。
【0069】
【0070】
フック装置300は、本体部310および本体部310に枢動可能に取り付けられた2つの固定部材320、330を備えていてもよい。各固定部材320、330は、相互に距離を隔てて設けられた2本の平行ロッカアームを備えていてもよい。ロッカアームは、本体部310の第1の心棒311を介して枢動可能に支持されてもよい。第2の心棒312は、ロッカアームの外端部間を通り抜けてもよい。第2の心棒312は、上部ロッカアームから上方に突き出ていてもよい。ロッカアームは、ばねを装填していてもよい。固定部材320、330は、図では開放位置にある。第1の巻上機H1を通過する第1のワイヤ350に張力がかかると、固定部材320、330は固定位置に変わる。これにより、第2の心棒312を備えた固定部材320、330の外端部は互いに向かって回転し、第2の心棒312の外端部はガイドレール要素25の端部に取り付けられた第2の結合クランプ200の各孔211、212内に突き出る。
【0071】
第1の巻上機H1を通過する第1のワイヤ350にかかる張力が解放されると、固定部材320、330は、図示する開放位置に変わる。フック300が下降することで、固定部材320、330の第2の心棒312の外端部は第2の結合クランプ200のそれぞれの孔211、212から抜け出る。次に、ばね手段によって固定部材320、330が図示する開放位置に押される。
【0072】
フック装置300は、固定部材320、330が解放位置にある場合、第1の巻上機H1が第1の巻上機H1を通過してフック300に向かう第1のワイヤ350を巻き戻すと、ガイドレール25に沿って下方に滑動することができる。フック装置300の重量により、第1のワイヤ350が第1の巻上機H1から巻き戻される際に、フック装置300はガイドレール25に沿って確実に下方に滑動できる。
【0073】
【0074】
レバー装置400は、上側レバー部410および下側レバー部420を含む。下側レバー部420は、設置済のガイドレール25上を滑動する。上側レバー部410は、吊り上げるガイドレール要素25の下端部を支える。上側レバー部410は、レバーアーム430を介して下側レバー部420に連結される。
【0075】
図6は、ガイドレール要素25を吊り上げるときのレバー装置400を示す。レバー装置400の下側レバー部420は、シャフト20の壁21に設置済みのガイドレール25上を滑動する。吊り上げるガイドレール要素25の下端部は、レバー装置400の上側レバー部410に支持される。レバーアーム430は、レバー装置400の上側レバー部410および下側レバー部420に枢動可能に取り付けられる。レバーアーム430は、第1の動作位置となる傾斜位置にある状態で図示されている。このような第1の動作位置にレバーアーム430を固定することで、吊り上げるガイドレール要素25を、シャフト20の壁21に設置済みのガイドレール25から離れた位置に保持する。上側レバー部410は、設置済みのガイドレール要素25の列から距離A1を隔てた位置にある。距離A1によって第1の結合クランプ100を備えたガイドレール要素25用の空間が確保され、ガイドレール要素25を吊り上げる際に、吊り上げるガイドレール要素25は設置済みのガイドレール要素25の列の外側を通過することができる。
【0076】
図7ないし
図9は、様々な位置における運搬装置のレバー装置を示す。
【0077】
第2の巻上機H2は、第1のワイヤ350によって運搬装置600に、すなわち運搬装置600の上端に位置する運搬装置600のフック装置300に連結してもよい。運搬装置600のレバー装置400は、第2のワイヤ360によってフック装置300に連結してもよい(
図3を参照)。
【0078】
図7は、設置済みのガイドレール要素25の列の上端部にちょうど到達した時の位置におけるレバー装置400を示す。
【0079】
図8は、設置済みのガイドレール要素25の列の上端部でレバー装置の下側レバー部420が停止している位置におけるレバー装置400を示す。レバーアーム430の固定が解かれ、レバーアーム430は設置済みガイドレール要素25の列の長手方向に対して一直線になる位置に延びている。
【0080】
図9は、レバー装置400が下方に動き、第1の結合クランプ100のピン110が第2の結合クランプ200のそれぞれの孔210に押し込まれた位置におけるレバー装置400を示す。
【0081】
【0082】
ガイドレール要素25の断面は、平坦な底部25Aおよび底部25Aの中央部から外方に突き出る平坦な支持部25Bを有するT字型であってもよい。ガイドレール要素25は、締結ブラケットを用いて、ガイドレール要素25の底部25Aからシャフト20の壁21に取り付けてもよい。ガイドレール要素25の支持部25Bは、乗りかご10の支持シューまたはカウンタウェイト41に対し、2つの対向する側部支持面25B1、25B2および1つの端部支持面25B3を形成していてもよい。支持シューには、ガイドレール要素25の支持部25Bの支持面25B1、25B2、25B3に作用する滑動面またはローラが設けられていてもよい。
【0083】
フック装置300ならびにレバー装置400、すなわち上側レバー部410および下側レバー部420には、ガイドレール25の支持部25Bの内側にある薄肉部25B4上を回動または滑動するローラ441、442または滑動シューを備えていてもよい。ローラ441、442または滑動シューは、ガイドレール25の支持部25Bの内側の薄肉部25B4と外側の厚肉部25B5との間にある肉厚変化部に配置してもよい。フック装置300のローラ441、442は、フック装置300が設置済みガイドレール要素25の列上を下降するとき、フック装置300をガイドレール25に確実に保持する。下側レバー部420のローラ441、442は、レバー装置400が設置済みガイドレール要素25の列上を上下移動するとき、レバー装置400をガイドレール25に確実に保持する。上側レバー部410のローラ441、442は、運搬装置600がガイドレール25上を上昇するとき、ガイドレール要素25の下端部を上側レバー部410に確実に保持する。
【0084】
ローラ441、442は、フック装置300およびレバー装置400において可動支持されてもよい。ローラ441、442は、図に示すように、ローラ441、442がガイドレール25と接する第1の位置と、ローラ421、422がガイドレール25と接しない第2の位置との間を移動することができる。フック装置300およびレバー装置400は、ローラ441、442が第2の位置にあるとき、ガイドレール25から取り外すことができる。
【0085】
【0086】
運搬台500は、底部面510および底部面510の上方に垂直方向に間隔をあけて配設された天井面520を備えていてもよい。底部面510は、1人以上の技術者および/または1台以上のロボット用の作業面を形成してもよい。垂直支持バー530は、底部面510と天井面520との間に延びていてもよい。2つの支持ローラ540が、運搬台500の各面510、520の両端部に設けられている。支持ローラ540は、シャフト20の対向する壁21において運搬台500を支持する。支持ローラ540は、運搬台500がシャフト20内で上昇および下降する際に、運搬台500を実質的に水平に保持する。運搬台500はさらに、運搬台をシャフト20の壁21に固定する固定手段を備えていてもよい。固定手段は、シャフト20内にある2枚の対向する壁21に抗して働く油圧シリンダによって具現化されてもよい。
【0087】
さらに、ガイドレール25の設置時に吊上げるガイドレール要素25のバイパス路550、551を、運搬台500に設けてもよい。バイパス路550、551は、運搬台500の周縁部から内側にせり出すくぼみの形状であってもよい。また、バイパス路550、551は、運搬台500を避ける測鉛線PL1、PL2用空間を確保する。
【0088】
運搬台500は、シャフト20の形状、および/またはシャフト20内のガイドレール25用の締結点の位置、および/またはシャフト20内での運搬台500の位置を測定する測定装置を備えていてもよい。運搬台500は、シャフト20に対する運搬台500の位置を測定する測定装置MD10、MD11、MD12、MD13を備えていてもよい。測定装置MD10、MD11、MD12、MD13は、運搬台500がシャフト20に固定されると、シャフト20内の運搬台500の位置を測鉛線PL1、PL2に基づいて判定することができる。測定装置MD10、MD11、MD12、MD13は、ワイヤで形成される測鉛線PL1、PL2の位置に接することなく測定を行うセンサに基づくものでよい。他の実現可能な方式として、例えばエレベータシャフトの底部に設けられ、運搬台500の測定装置MD10、MD11、MD12、MD13によって測定可能な上方向への光線を発生させるレーザなどの光源を使用することができる。測定装置MD10、MD11、MD12、MD13は、光源から発生する光線の命中点を判断する光感応性センサまたはデジタル画像装置でもよい。光源はロボティックトータルステーションでもよく、その場合、測定装置MD10、MD11、MD12、MD13は、光線を反射してロボティックトータルステーションに戻す反射器となり得る。これにより、ロボティックトータルステーションは、測定装置MD10、MD11、MD12、MD13の位置を判断する。
【0089】
運搬台500はさらに、シャフト20内の運搬台500の垂直位置、すなわち高さ位置を判定する距離測定装置MD15、MD16を備えていてもよい。距離測定は、レーザ測定に基づくものでよい。
【0090】
【0091】
締結ブラケット50は、相互に可動するよう取り付けられた2つの独立したブラケット部品60、70で形成してもよい。第1のブラケット部品60は、垂直部分61および水平部分62を有するL字形状でよい。第2のブラケット部品70も、垂直部分71および水平部分72を有するL字形状でよい。第1のブラケット部品60はガイドレール25に取り付けてもよく、第2のブラケット部品70はシャフト20内の壁21に取り付けてもよい。2つのブラケット部品60、70の水平部分62、72は、互いに対して調節可能に取り付けてもよい。
【0092】
クランプ65およびボルト66を用いて、第1のブラケット部品60の垂直部分61をガイドレール25の底部25Aに取り付けてもよい。
【0093】
第2のブラケット部品70の垂直部分71は、アンカボルト76を用いてシャフト20の壁21に取り付けてもよい。第2のブラケット部品70の垂直部分71は、第2のブラケット部品70の垂直部分71の下端部で開口している長円形の開口部75を含んでいてもよい。アンカボルト76用の穴は、ガイドレール25の設置を始める前に、シャフト20の壁21における所定の位置に穿設してもよい。アンカボルト76は、穿設した穴に螺合してもよい。アンカボルト76の一部だけをねじ切り部に螺合して、アンカボルト76の頭部を締結面から離すようにしてもよい。
【0094】
第1のブラケット部品60の水平部分62および第2のブラケット部品70の水平部分72は、第1のブラケット部品60の水平部分62および第2のブラケット部品70の水平部分72に設けられた長円形の開口部を貫通するボルトを用いて相互に取り付けてもよい。長円形の開口部は、第1のブラケット部品60の位置を第2のブラケット部品70に対して微調整することでガイドレール25の位置調節を可能にする寸法でよい。
【0095】
締結ブラケット50は、設置しようとするガイドレール要素25をシャフト20内で吊り上げる前に、設置するガイドレール要素25上の所定の位置に予め取り付けてもよい。
【0096】
ガイドレール要素25を吊り上げる前に予めガイドレール要素25に取り付けられた締結ブラケット50は、レバーアーム430が第2の動作位置に変わると、ボルト76の真上の位置に到達する。設置しようとするガイドレール要素25を下降させると、ガイドレール要素25に取り付けられた締結ブラケット50も下降し、長円形の開口部75がボルト76上を滑動する。
【0097】
ボルト76を締めることで、締結ブラケット50の第2のブラケット部品70がシャフト20の壁21に取り付けられる。ボルト76は、運搬台500から技術者による手作業で、あるいはロボットを使用して締めてもよい。
【0098】
別の実施可能な方式として、ガイドレール25の設置時にアンカ穴を穿設することも可能である。アンカ穴の穿設は、運搬台500から手作業でまたは機械的に行うことができる。
【0099】
ガイドレール25は、シャフト20内のそれぞれの壁21に設置した後で位置調整してもよい。ガイドレール25の位置調整は、任意の周知の方法で行ってもよい。
【0100】
図13は、シャフトの測定例を示すシャフトの垂直断面図である。
【0101】
本図の左側に、シャフト20の第1の側壁21に関する上部締結点FP1および下部締結点FP2を示す。2つの締結点FP1、FP2は、垂直距離Z1だけ互いに離れて配置される。ガイドレール要素25は、締結ブラケット50によって締結点FP1、FP2に締結される。
【0102】
また、本図の右側に、シャフト20にある反対側の第2の側壁21に関する上部締結点FP3および下部締結点FP4を示す。2つの締結点FP3、FP4は、垂直距離Z2だけ互いに離れて配置される。ガイドレール要素25は、締結ブラケット50によって締結点FP3、FP4に締結される。
【0103】
本図はさらに、シャフト20内を垂直に延びている測鉛線PL1、PL2を示す。したがって、測鉛線PL1、PL2から直近の締結点FP1、FP3までの距離X1、X2を測定することができる。すなわち、距離X1、X2は、ガイドレール間の方向(DBG)で測定される。
【0104】
図14は、シャフトの測定例を示すシャフトの水平断面図である。
【0105】
本図の左側に、シャフト20の第1の側壁21に関する、シャフト20の水平面において互いに距離をあけて配置された2つの締結点FP1R、FP1Lを示す。これら2つの締結点FP1R、FP1Lが、1つの締結ブラケット50のために用いられる。
図12から理解できるように、締結ブラケット50は、2つの支持点FP1R、FP1Lからシャフト20の第1の側壁21に取り付けられる。
【0106】
また、本図は右手側に、シャフト20にある反対側の第2の側壁21に関する、シャフト20の水平面において互いに所定の距離をあけて配置された2つの締結点FP3R、FP3Lを示す。これら2つの締結点FP3R、FP3Lが、1つの締結ブラケット50のために用いられる。
【0107】
第1の測鉛線PL1から左側直近にある締結点FP1Rまでの距離Y1を測定することができる。第2の測鉛線PL2から右側直近にある締結点FP3Lまでの距離も、同様の方法で測定できる。左側の締結点FP1L、FP1R間の距離は既知であり、また右側の締結点FP3L、FP3R間の距離も既知である。したがって、かかる距離は、シャフトの後壁と前壁の間での方向(BTF)に測定される。
【0108】
これらの測定は、エレベータを設置する前に、運搬台500から行ってもよい。
【0109】
図15は、締結ブラケットをガイドレールに取り付ける様子を示す。
【0110】
本図は表示装置710を示しているが、表示装置710は制御部700に連結されてもよい。表示装置710から得られた情報に基づいて、締結ブラケット50をガイドレール要素25上の適切な位置に取り付けてもよい。表示装置710は、特定のガイドレール要素25の下端部から測定した下部締結ブラケット50までの距離Z12および上部締結ブラケット50までの距離Z11を表示してもよい。したがって、技術者は、まずは特定のガイドレール要素25に関する距離情報Z11およびZ12、例えばGR13を表示装置710から取得し、その後、技術者は特定のガイドレール要素25上の適切な位置に締結ブラケット50を取り付けることができる。
【0111】
【0112】
本図は表示装置710を示しているが、表示装置710は制御部700に連結されてもよい。表示装置710から得られた情報に基づいて、締結ブラケット50をガイドレール要素25上の適切な位置に調整してもよい。表示装置710は、締結ブラケット50に設けられた目盛線上にBTF調整点を表示してもよい。第2のブラケット部品70には単一の基準線を設け、第1のブラケット部品60には複数の調整線を設けてもよい。表示装置710はさらに、締結ブラケット50の両側部では、締結ブラケット50に設けられた目盛線上にDBG調整点を表示してもよい。第2のブラケット部品70には複数の調整線を設けてもよい。第1のブラケット部品60の下端部には、単一の基準線を設けてもよい。これにより、技術者は、まずは特定のガイドレール要素25に関するBFTおよびDGB調整情報、例えばGR13、ならびに特定の締結ブラケット、例えばFB1を表示装置710から取得して、その後、特定の締結ブラケットFB1を特定のガイドレール要素25上の適切な位置に調整することができる。
【0113】
本図では、2つのブラケット部品60、70の水平部分62、72に設けられた長円形の開口部68および2つのブラケット部品60、70を相互に取り付けるボルト67も示している。さらに、第1のブラケット部品60をガイドレール25に取り付けるクランプ65およびボルト66も示している。
【0114】
図17は、ガイドレールの事前設置作業台の第1の実施形態を示す。
【0115】
ガイドレール事前設置作業台800は、フレーム801、フレーム801の各終端部分に結合クランプ設置部810、820、およびフレーム801の中央部分にガイドレール真直化部850を有していてもよい。
【0116】
ガイドレール要素25は、フレーム801に対して位置決めをして、フレーム801に設けられた締結手段802、803、804によって、両端部および中央部からフレーム801に取り付けられる。続けて、ガイドレール要素25の真直度を測定することができる。ガイドレール要素25は、フレーム801の中央部にある締結手段804によって力を受けることにより真直になり得る。ガイドレール要素25の寸法および平坦度に関しては、結合クランプ100、200に対する接触面25F1、25F2を共通的基準と照合してもよい。さらに、結合クランプ100、200に対するガイドレール接触面25F1、25F2の事前測定に基づいて、適切な量および/または厚さのシムを、接触面25F1、25F2の適切な位置に取り付けてもよい。その後、結合クランプ100、200をガイドレール要素25の接触面25F1、25F2に取り付けてもよく、これにより結合クランプ100、200はシムによって適切な位置にしっかり固定される。接触面25F1、25F2は、ガイドレール要素25に設けられ連結板を2つの連続するガイドレール要素25の端部間に取り付ける用に供する標準的な接触面でよい。
【0117】
結合クランプ100、200は、作業台にて手作業でガイドレール要素25に締結してもよい。しかしながら、このような作業の一部または全部は、作業台にて自動的に行うことも可能であろう。
【0118】
図18は、ガイドレール事前設置作業台の第2の実施形態を示す。
【0119】
ガイドレール事前設置作業台800は、フレーム801、フレーム801の各終端部分に結合クランプ設置部810、820、フレーム801の各終端部分に締結ブラケット設置部830、840、およびフレーム801の中央部分にガイドレール真直化部850を有していてもよい。
【0120】
締結ブラケット設置部830、840は、フレーム801に設けられたガイドバー835に沿ってフレーム801の長手方向に移動可能であってもよい。
【0121】
締結ブラケット50は、締結ブラケット設置部830、840を用いてガイドレール要素25に取り付けてもよい。締結ブラケット設置部830、840を用いて、締結ブラケット50をガイドレール要素25の適切な位置に配置してもよい。その後に、締結ブラケット50を前述したように調整してもよい。
【0122】
締結ブラケット50は、作業台にて手作業でガイドレール要素25に締結してもよい。しかしながら、このような作業の一部または全部は、作業台にて自動的に行うことも可能であろう。
【0123】
締結ブラケット50の調整も、作業台にて手作業で行ってもよい。しかしながら、このような作業の一部または全部は、作業台にて自動的に行うことも可能であろう。
【0124】
ガイドレール事前設置作業台800は、結合クランプ設置部810、820、締結ブラケット設置部830、840およびガイドレール真直化部850に関わる複数のサーボモータを備え、ガイドレール要素25に対する結合クランプ100、200および/もしくは締結ブラケット50の自動設置ならびに/または自動調整を実行できるようにしてもよい。この点については、自動工程および手作業工程を組み合わせることもできる。
【0125】
ガイドレール要素25の端部に結合クランプ100、200を用いると、本発明のさらに別の有利な任意選択態様になる。しかしながら、本発明において結合クランプ100、200は不可欠のものではない。ガイドレール要素25は、締結ブラケット50、およびシャフト20内で吊り上げられるガイドレール要素25の上部接触面25F1、25F2に取り付けられた連結板のみを備えてもよいであろう。フック装置300は、ガイドレール要素25の上端部の、ガイドレール要素25と連結板との間の段差部に取り付けることもできる。よって、連続するガイドレール要素25は、結合クランプ100、200ではなく連結板を用いて相互に連結されることになる。
【0126】
運搬台500上に載置されシャフト20の測定を行う測定装置800は、シャフト20の形状およびシャフト20の締結点の位置を測定する目的に適した任意の測定装置で形成することができる。測定装置800は、単一の測定機器または複数の測定機器で形成することができる。測定装置800は、シャフト20を精査するよう構成された複数の安価な距離測定センサ、例えば、レーダ、超音波および/もしくはレーザによる距離センサならびに/または誘導性センサで形成して、本発明に必要な測定結果を仕上げることもできる。
【0127】
測定装置800は、当然のことながら、レーザスキャナならびに3D視覚システムで形成することもできる。しかしながら、これらのシステムは、3D点群から得た検出測定に基づくものであり、大きな記憶域および演算能力が必要となる。さらに、演算に時間がかかる。したがって、これらのシステムは、本発明の測定装置800として最適ではないであろう。
【0128】
図面では、1台の第2の巻上機H2のみを運搬装置600とともに用いる実施形態を示している。第2の巻上機H2の懸垂点は、設置時に変更すべきであろう。設置しようとするガイドレール要素25の列ごとに、第2の巻上機H2に対する各自の懸垂点を必要とするであろう。当然のことながら、複数の第2の巻上機H2をシャフト20の天井から懸垂することも可能である。その場合、第2の巻上機H2のそれぞれは各自の運搬装置600を備えることになる。これは、ガイドレール25の列を複数列同時にシャフト20内に設置できることを意味する。
【0129】
本発明は、図示した締結ブラケット50に限定されるものではない。あらゆる型式の調整可能な締結ブラケット50を本発明で用いることができる。
【0130】
図示のシャフト20は1台の乗りかご10だけを利用対象としているが、当然のことながら、複数の乗りかご10を利用対象とするシャフトに使用することも可能である。このようなエレベータシャフト20は、鋼棒を使用して、各乗りかご10に対するサブシャフトに分けることも可能である。水平鋼棒を、所定の間隔でシャフト20の高さ方向に沿って配してもよい。これにより、ガイドレール25の一部分がシャフト20の鋼棒に取り付けられることになる。ガイドレール25の別の一部分は、シャフト20の固体壁21に取り付けられる。
【0131】
本発明は、低層または高層の建物に使用できる。必然的に、本発明の利点は高層の建物においてより大きくなる。高層建物の揚程は、75メートル超、好ましくは100メートル超、さらに好ましくは150メートル超、最も好ましくは250メートル超でもよい。
【0132】
本発明の使用は図示したエレベータに限定されるものではない。本発明は、どのような型式のエレベータであっても使用可能であり、例えば、機械室有りまたは機械室なしのエレベータや、カウンタウェイト有りまたはカウンタウェイトなしのエレベータに使用できる。カウンタウェイトは、エレベータシャフトの一方の側壁もしくは両方の側壁、または後壁に配設してもよい。駆動機、モータ、トラクションシーブおよび機械ブレーキは、機械室またはエレベータシャフトの任意の場所に配設してもよいであろう。乗りかご用ガイドレールは、いわゆるリュックサック型エレベータの場合、シャフトの対向し合う側壁またはシャフトの後壁に配設できるであろう。
【0133】
当業者には明白なことであるが、発明の概念は、技術の進歩に合わせて様々な方法で実施可能である。本発明およびその実施形態は上記の例に限定されるものでなく、特許請求の範囲内で変更してもよい。
【符号の説明】
【0134】
20 シャフト
21 壁
25 ガイドレール要素
50 締結ブラケット
60、70 ブラケット部品
100、200 結合クランプ
110 雄結合要素
210 雌結合要素
300 フック装置
400 レバー装置
410、420 レバー部
430 レバーアーム
500 運搬台
600 運搬装置
800 測定装置
H1、H2 巻上機