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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-14
(45)【発行日】2023-12-22
(54)【発明の名称】製品コンベアの方向付けシステム
(51)【国際特許分類】
   B65G 13/10 20060101AFI20231215BHJP
   B65G 47/68 20060101ALI20231215BHJP
【FI】
B65G13/10
B65G47/68 D
【請求項の数】 18
(21)【出願番号】P 2020543287
(86)(22)【出願日】2019-02-07
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-07-01
(86)【国際出願番号】 IB2019050989
(87)【国際公開番号】W WO2019166894
(87)【国際公開日】2019-09-06
【審査請求日】2021-12-02
(31)【優先権主張番号】102018000003165
(32)【優先日】2018-03-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(73)【特許権者】
【識別番号】518139487
【氏名又は名称】アバンコン ソシエテ アノニム
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】シュペクト、ディエター
【審査官】板澤 敏明
(56)【参考文献】
【文献】特表2017-505270(JP,A)
【文献】国際公開第2016/208736(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2014/0116841(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 13/00-13/12
B65G 47/68
B65G 39/00-39/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
製品(100)を1次供給方向(F)から2次供給方向(M、N、N’)に方向転換するように設計され、前記製品(100)を輸送するための平面(P)を形成するように隣接して配置される複数の方向付けユニット(10、10’)を備える、前記製品(100)のコンベヤの方向付けシステム(1)であって、各方向付けユニット(10、10’)は、前記1次供給方向(F)及び回転軸(X)自体に直交する垂直軸(Z)に対して方向付けされ得る、前記回転軸(X)を中心にして回転可能な少なくとも1つの輸送要素(11)を備え、各方向付けユニット(10、10’)は、前記少なくとも1つの輸送要素(11)の回転を作動させて、前記回転軸(X)を中心とする前記少なくとも1つの輸送要素(11)の回転を制御する少なくとも1つの作動部材(20)と、前記垂直軸(Z)に従って配置された少なくとも1つの駆動シャフト(6)とを備え、
前記作動部材(20)は、
- 前記駆動シャフト(6)に係止された少なくとも1つの1次伝達要素(22)と、
- 前記1次伝達要素(22)間で回転運動を伝達する回転運動伝達要素であるように設計された、少なくとも1つの遊星伝達要素(23)と、
- 前記少なくとも1つの遊星伝達要素(23)のための少なくとも2つの収容座(24)と
を備えることを特徴とし、前記遊星伝達要素(23)は、前記輸送要素(11)の回転する動きを隣接する方向付けユニット(10’)の1次伝達要素(22’)に伝達するように、前記収容座(24)の少なくとも1つに選択的且つ可逆的に連結されるように設計される、システム(1)。
【請求項2】
前記少なくとも1つの方向付けユニット(10)は、それ自体の回転軸(X)を回転させ、且つ前記作動部材(20)を介して、前記方向付けユニット(10)に隣接する少なくとも1つの方向付けユニット(10’)の前記回転軸(X)も回転させるように設計された駆動方向付けユニットである、請求項1に記載のシステム(1)。
【請求項3】
前記少なくとも1つの作動部材(20)は、所定数の隣接する方向付けユニット(10’)の選択的作動を可能にするためにモジュール式であり、前記作動部材(20)は、前記所定数の隣接する方向付けユニット(10’)の1つ又は複数の輸送要素(11)を可逆的に作動させ、回転/停止させるように設計される、請求項1から2までのいずれか一項又は複数項に記載のシステム(1)。
【請求項4】
前記作動部材(20)は、前記1次伝達要素(22)及び前記遊星伝達要素(23)のための歯車組立体(21)を備え、前記歯車組立体(21)は、前記方向付けユニット(10)とそれぞれの隣接する方向付けユニット(10’)との間で動作可能に組み合わされ、前記1次伝達要素(22)は、少なくとも1つの1次歯車(22a)を備え、前記遊星伝達要素(23)は、少なくとも一つの遊星歯車(23a)を備える、請求項1から3までのいずれか一項又は複数項に記載のシステム(1)。
【請求項5】
前記遊星歯車(23a)は、方向付けユニット(10)の前記1次歯車(22a)と動作可能に組み合わされ、前記方向付けユニット(10)の前記駆動シャフト(6)を隣接するユニット(10’)の前記駆動シャフト(6’)と機械的に連結するために、前記隣接する方向付けユニット(10’)のそれぞれの遊星歯車(23a’)と噛み合うように設計されている、請求項4に記載のシステム(1)。
【請求項6】
前記2つの収容座(24)は、前記垂直軸(Z)に直交する回転平面(R)に平行に配置される、請求項4または5に記載のシステム(1)。
【請求項7】
前記作動部材(20)の前記歯車組立体(21)は、隣接する方向付けユニット(10’)ごとに遊星歯車(23a)を備える、請求項4または5に記載のシステム(1)。
【請求項8】
各遊星歯車(23a)は、前記遊星歯車(23a)に対向する2つのプレート(36)からなる支持要素(35)に回転可能に装着され、各プレート(36)は、2つの隣接する方向付けユニット(10、10’)を一体に保持するために、2つの隣接する方向付けユニット(10、10’)の2つの箱状構造体(12)の2つの壁(38)を収容するよう構成された溝(37)を有する、請求項7記載のシステム(1)。
【請求項9】
前記歯車組立体(21)の前記1次歯車および前記遊星歯車(22a、23a、22a’、23a’)は、前記方向付けユニット(10、10’)の箱状構造体(12)の内部に少なくとも部分的に収容され、前記回転平面(R)に平行に、動作可能に配置される、請求項6に記載のシステム(1)。
【請求項10】
前記歯車組立体(21)の前記1次歯車および前記遊星歯車(22a、23a、22a’、23a’)はそれぞれ、前記1次歯車および前記遊星歯車の回転平面上、前記回転平面(R)に平行である前記1次歯車および前記遊星歯車(22a、23a、22a’、23a’)のそれぞれの前記回転平面上に位置する、請求項6が請求項4又は5に従属する場合に、請求項6から9までのいずれか一項又は複数項に記載のシステム(1)。
【請求項11】
前記方向付けシステム(1)の1つ又は複数の方向付けユニット(10)の前記回転軸(X)を、制御された形で回転させるよう設計された運動手段(30)を備える、請求項1から10までのいずれか一項又は複数項に記載のシステム(1)。
【請求項12】
前記運動手段(30)は、少なくとも1つの電気モータ(31)と、当該電気モータ(31)の回転運動を、各方向付けユニット(10)の前記駆動シャフト(6)と動作可能に組み合わされた軸鞘要素(40)に伝達する少なくとも1つのラックシステム(32)とを備える、請求項11に記載のシステム(1)。
【請求項13】
前記軸鞘要素(40)は、前記垂直軸(Z)に対する前記回転軸(X)のある角度をなす方向を決定するために、前記輸送要素(11)の支持要素(13)と動作可能に組み合わされる、請求項12に記載のシステム(1)。
【請求項14】
前記作動部材(20)は、それぞれの隣接する方向付けユニット(10’)の、1つ又は複数の輸送要素(11)の前記回転軸(X)を中心とする回転の速度及び/又は歯数比を調節するように設計されている、請求項1から13までのいずれか一項又は複数項に記載のシステム(1)。
【請求項15】
マトリクスにより前記平面(P)に沿って配置された複数の方向付けユニット(10)を備え、前記マトリクスは、各方向付けユニット(10)が偶数及び/又は奇数の隣接する方向付けユニット(10’)を有するような行/列からなる、請求項1から14までのいずれか一項又は複数項に記載のシステム(1)。
【請求項16】
前記方向付けユニット(10)は、1つの列及び所定数の行に配置され、前記列を形成する方向付けユニット(10)は、製品(100)の主な供給方向に対して最小限に配置される、請求項15に記載のシステム(1)。
【請求項17】
前記収容座(24)が4つある、請求項1から16までのいずれか一項又は複数項に記載のシステム(1)。
【請求項18】
各収容座(24)は、前記方向付けユニット(10)のそれぞれの側部に配置され、2つの収容座(24)が前記1次供給方向(F)に沿って配置され、2つの収容座(24)が前記1次供給方向(F)に垂直な方向に沿って配設される、請求項1から17までのいずれか一項又は複数項に記載のシステム(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、製品コンベヤの方向付けシステムに関する。詳細には、本発明は、製品を1次方向から1つ又は複数の2次方向に方向付けし、次いで移動する、製品コンベヤの方向付けシステムに関する。すべての製品が同じ種類の製品であるか、又は同じ最終仕向地であるとは限らないという事実により、製品は明らかに、1次方向から1つ又は複数の2次方向に搬送される必要がある。
【背景技術】
【0002】
現況技術では、製品を1次方向から1つ又は複数の2次方向、たとえば郵便局、空港、及び最大の運送会社の大型商品の仕分け拠点などへ輸送して搬送する輸送及び搬送システムに関する、いくつかの出願が公知である。実例として、コンベヤ・システム用の運搬組立体が、文書、国際公開第2015121786号に示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】国際公開第2015121786号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
現在、製品を分類(すなわち、共通の特性を持つ製品の収集)するためのますます多くの特性、すなわち重量、全体の寸法、製品種類、製品の商品価値、製品の腐敗しやすさ又は腐敗しにくさ、最終受領者への配達の緊急性などがあるという事実により、製品の仕分け及び搬送に関する要求は一層多くなっている。
【0005】
多数の分類特性により、輸送システムでさえも、時を経てますます複雑化、高度化、特に大規模化した。寸法の大きさが必ずしもシステムの絶対的な指標を意味するわけではないが、製品が通過して搬送される面積と比較して、一体になって大きな寸法のシステムをなす構成要素を収容するための空間に対する需要が増えている。たとえば、システム全体での製品の2次搬送方向が、前述の理由によって、次に製品の新しい1次搬送方向になる可能性があることを、まさに考慮されたい。
【0006】
したがって、システムの寸法及びその構成要素が占める空間は、実際には、既知の種類の輸送/搬送システムに関して強調され得る、主な制限の1つであると認識されている。
【0007】
製品を運搬する運搬システム又は組立体の2番目の制限は、製品を1次方向及び/又はゾーンから2次方向及び/又はゾーンへ方向転換する/搬送するに当たっての、運搬システム又は組立体が有するモジュール性が限定されること、又はシステム自体の基本構造及び設計を同じにしながら、様々な種類の製品を管理するための既知のシステムの能力として解釈される、モジュール性が限定されることである。
【0008】
本発明の説明は、添付の図を参照して提示され、また純粋に例示的であり、したがって制限する目的ではない。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明にしたがう、製品コンベアの方向付けシステムの概略平面図である。
図2】他の部品をよりよく強調表示するために、いくつかの隠れた部品を含む、図1のシステムの概略断面斜視図である。
図3図2のシステムの概略分解斜視図である。
図4】他の部品をよりよく強調表示するために、いくつかの隠れた部品を含む、図1の方向付けシステムの概略斜視図である。
図5】本発明にしたがう、複数の方向付けユニット10、10’からなる平面Pを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明は、製品コンベヤの方向付けシステムに関し、該システムは、該製品を1次供給方向Fから2次供給方向M、N、又はN’に方向転換するよう設計されている。
【0011】
具体的には、本発明は、製品を輸送するための平面を形成するように隣接して配置された複数の方向付けユニットを備える。本発明によれば、本説明で別段の指定がない限り、隣接する方向付けユニットとは、所定の方向付けユニットの右及び/又は左に、横方向に配置されたユニットを意味する。
【0012】
本発明によれば、各方向付けユニットは、前述の1次供給方向F及び回転軸X自体に対して直交する垂直軸Zに対して方向付けされ得る、回転軸Xを中心にして回転可能な、少なくとも1つの輸送要素を備える。
【0013】
具体的には、各方向付けユニットは、回転軸Xを中心とする輸送要素の回転を制御するために、少なくとも1つの輸送要素の回転を作動させる少なくとも1つの作動部材と、前述の垂直軸Zに従って配置された少なくとも1つの駆動シャフトとを備える。
【0014】
本発明の発明性のある概念によれば、少なくとも1つの方向付けユニットは、該方向付けユニット自体の回転軸Xを回転させ、且つ作動部材を介して、好ましくは該方向付けユニットに横方向に隣接する少なくとも1つの方向付けユニットの回転軸Xも回転させるように設計された駆動方向付けユニットである。より詳細には、少なくとも1つの方向付けユニットの回転軸Xは、他の横方向に隣接する方向付けユニットのそれぞれの方向付け可能な回転軸Xとは無関係に方向付けされ得る。
【0015】
前述の作動部材は、所定数の隣接する方向付けユニットを選択的に作動させることができるように、モジュール式になっている。作動部材は、所定の隣接する方向付けユニットの1つ又は複数の輸送要素を、可逆的に作動させ、回転/停止させるように設計される。
【0016】
本発明の発明性のある概念によれば、作動部材は、駆動シャフトに係止(key)された少なくとも1つの1次伝達要素を備えるので有益である。さらに、作動部材は、1次伝達要素に動作可能に連結されるよう設計された、少なくとも1つの遊星伝達要素を備える。
【0017】
加えて、作動部材は、少なくとも1つの遊星伝達要素のための、少なくとも2つの収容座(housing seat)を備え、遊星伝達要素は、輸送要素の回転する動きを隣接する方向付けユニットの1次伝達要素に伝達するように、収容座の少なくとも1つに選択的且つ可逆的に連結されるように設計される。
【0018】
作動部材は、歯車組立体、1次伝達要素、及び遊星伝達要素を備えるものである。前述の歯車組立体は、方向付けユニットとそれぞれの隣接する方向付けユニットとの間で動作可能に組み合わされる。1次伝達要素は、少なくとも1つの1次歯車をさらに備え、一方遊星伝達要素は、少なくとも1つの遊星歯車を備える。前述の遊星歯車は、方向付けユニットの1次歯車と動作可能に組み合わされ、方向付けユニットの駆動シャフトを隣接するユニットの駆動シャフトと機械的に連結するために、隣接する方向付けユニットのそれぞれの遊星歯車と噛み合うように設計されている。
【0019】
作動部材の歯車組立体は、隣接する方向付けユニットごとに遊星歯車を備えることが好ましい。
【0020】
具体的には、2つの台座は、垂直軸Zに直交する回転平面Rに平行に配置される。
【0021】
さらに詳細には、歯車組立体の歯車は、少なくとも部分的に方向付けユニットの箱状構造体の内部に収容され、動作可能に、回転面Rに平行に配置される。
【0022】
さらに、歯車組立体の歯車はそれぞれ、歯車自体の回転平面上に位置する。各歯車の回転平面は、回転平面Rに平行であることが好ましい。
【0023】
本発明によれば、運動手段は、1つ又は複数の方向付けユニットの回転軸Xを、制御された形で回転させるよう設計されている。
【0024】
前述の運動手段は、少なくとも1つの電気モータと、モータの回転運動を、各方向付けユニットの駆動シャフトと動作可能に組み合わされた軸鞘要素に伝達する1つのラックシステムとを備える。
【0025】
軸鞘要素は、垂直軸Zに対する軸Xのある角度をなす方向を決定するために、輸送要素の支持要素と動作可能に組み合わされる。
【0026】
作動部材は、それぞれの隣接する方向付けユニットの、1つ又は複数の輸送要素の軸を中心とする回転の速度及び/又は歯数比を調節するように設計されている。
【0027】
具体的には、本発明のシステムは、マトリクス方式により輸送平面Pに沿って配置された複数の方向付けユニットを備え、マトリクスは、各方向付けユニットが偶数及び/又は奇数の隣接する方向付けユニットを有するような行/列からなる。たとえば、方向付けユニットの横には、隣接する別の方向付けユニットがただ1つしかない場合もあれば、隣接する他の方向付けユニットが2つの場合もある。
【0028】
本発明によれば、方向付けユニットは、1つの列及び所定数の行に配置される。列を形成する方向付けユニットは、製品の主な供給方向に対して最小限に配置されることが好ましい。
【0029】
方向付けユニットごとに、4つの収容座があることが好ましい。
【0030】
各収容座は、方向付けユニットのそれぞれの側部に配置される。2つの収容座は、1次供給方向Fに沿って配置され、2つの収容座は、1次供給方向Fに垂直な方向に沿って配置されることが好ましい。
【0031】
以下に、添付の図1図4を参照して、製品100のコンベヤの方向付けシステム1に関して、本発明を詳細に説明する。該システムは、製品を1次供給方向Fから2次供給方向へ方向転換するように設計されている。非限定的な実例として、添付の図1では、2次方向M、N、及びN’、並びに前述の1次方向Fを明らかに示している。
【0032】
詳細には、本発明のシステム1は、該製品100を輸送するための平面Pを形成するように隣接して配置された複数の方向付けユニット10、10’を備える。
【0033】
各方向付けユニット10、10’は、1次供給方向F、及び同時に回転軸X自体の両方に直交する垂直軸Zに対して方向付けされ得る、回転軸Xを中心にして回転可能な、少なくとも1つの輸送要素11を備える。
【0034】
ここで、添付の図2及び図3に概略的に示す方向付けユニット10、10’の構造を参照すると、それぞれの方向付けユニットは、前述の回転軸Xを中心とする輸送要素11の回転を制御するために、少なくとも輸送要素11の回転を作動させる少なくとも1つの作動部材20と、垂直軸Zの方向に従って配置された少なくとも1つの駆動シャフト6とを備える。
【0035】
作動部材20は、それぞれの隣接する方向付けユニット10’の、1つ又は複数の輸送要素11の軸Xを中心とする回転の速度及び/又は歯数比を調節するように設計されている。
【0036】
本発明によれば、方向付けユニット10は、それ自体の回転軸Xを回転させ、且つ作動部材20を介して、少なくとも1つの隣接する方向付けユニット10’の回転軸Xも回転させるように設計された駆動方向付けユニットであることが好ましい。
【0037】
すでに上記で定義したように、本発明によれば、本説明の過程で別段の指定がない限り、隣接する方向付けユニット10’とは、予め調節された方向付けユニット10の右及び/又は左側に、横方向に配置されたユニットを意味する。
【0038】
本発明によれば、システム1の動作可能な構成において、方向付けユニットは、マトリクス方式により輸送平面Pに沿って配置され、マトリクスは、各方向付けユニット10が偶数及び/又は奇数の隣接する方向付けユニット10’を有するような行/列からなる。
【0039】
本発明によれば、システム1の相異なる動作可能な構成では、方向付けユニット10は、1つの列及び所定数の行に配置される。列を形成する方向付けユニット10は、製品100の主な供給方向に対して最小限に配置されることが好ましい。
【0040】
本発明の発明性のある概念によれば、作動部材20は、前述の駆動シャフト6に係止された少なくとも1つの1次伝達要素22、22’を備える。
【0041】
さらに、作動部材は、1次伝達要素22に動作可能に連結されるよう設計された、少なくとも1つの遊星伝達要素23を備える。
【0042】
本発明の発明性のある概念によれば、作動部材20は、少なくとも1つの遊星伝達要素23を収容する、少なくとも2つの収容座24を備える。作動部材20/方向付けユニット10ごとに、4つの収容座24があることが好ましい。
【0043】
各収容座24は、方向付けユニット10のそれぞれの側部に配置される。2つの収容座24は、1次供給方向Fに沿って配置され、2つの収容座24は、1次供給方向Fに垂直な方向に沿って配置されることが好ましい。
【0044】
2つの台座24は、垂直軸Zに直交する回転平面Rに平行に配置されることが好ましい。
【0045】
遊星伝達要素23は、輸送要素11の回転する動きを隣接する方向付けユニット10’の1次伝達要素22’に伝達するように、収容座24の少なくとも1つに選択的且つ可逆的に連結されるように設計されるので有益である。
【0046】
具体的には、作動部材20はモジュール式であり、所定数の隣接する方向付けユニット10’の選択的な動作を可能にする一方、他の方向付けユニットを除外する。
【0047】
このようにして、本発明によれば、作動部材20は、所定の隣接する方向付けユニット10’の1つ又は複数の輸送要素11を、可逆的に作動させ、回転/停止させるように設計される。
【0048】
2つの隣接する方向付けユニット10、10’を考えると、遊星伝達要素23は、2つの隣接する収容座24、24’内に収容され、方向付けユニット10から隣接する方向付けユニット10’に動きを伝達する。3つの別の遊星伝達要素23により、方向付けユニット10の両側に配置された別の3つの隣接する方向付けユニット10’への動きの伝達が可能になる。
【0049】
さらなる遊星伝達要素23を介してこの概念を繰り返すことにより、好ましくは同時に、隣接する方向付けユニット10’の平面P全体に、4つの方向すべてに、動きを伝達することが可能である。
【0050】
したがって、このようにして、最も中央の方向付けユニット10に連結された単一のモータを用いて、動きを平面P全体に伝達することが可能である。
【0051】
図5は、複数の方向付けユニット10、10’、具体的には15個の方向付けユニット10、10’からなる平面Pを示し、遊星伝達要素23を介して、最も中央の方向付けユニット10によって、平面Pを形成する、隣接するすべての方向付けユニット10’に動きが伝達される。したがって、最も中央の方向付けユニット10を単一のモータに連結して、残りの14個の方向付けユニット10’に動きを伝達することが可能であろう。
【0052】
添付の図2を参照すると、作動部材20は、添付の図2に概略的に示すように、1次伝達要素22及び遊星伝達要素23のための歯車組立体21を備える。
【0053】
歯車組立体21は、方向付けユニット10とそれぞれの隣接する方向付けユニット10’との間で動作可能に組み合わされる。
【0054】
1次伝達要素22は、少なくとも1つの1次歯車22aをさらに備え、一方遊星伝達要素23は、少なくとも1つの遊星歯車23aを備える。
【0055】
駆動部材20の歯車組立体21は、隣接する方向付けユニット10’ごとに少なくとも1つの遊星歯車23aを備えることが好ましい。
【0056】
各遊星歯車23aは、遊星歯車23aに対向する2つのプレート36からなる支持要素35に、回転可能に装着されている。
【0057】
各プレートは、2つの隣接する方向付けユニット10、10’を一体に保持するために、2つの隣接する方向付けユニット10、10’の2つの箱状構造体12の2つの壁38を収容するよう構成された溝37を有する。
【0058】
支持要素35によって、さらなる固定手段及び/又は工具を必要とせずに、単に壁38を溝37に結合させることで、平面P又はテーブルをなすすべての方向付けユニット10、10’を、一体に保持することが可能である。
【0059】
本発明の発明性のある概念によれば、遊星歯車23aは、方向付けユニット10の1次歯車22aと動作可能に組み合わされ、方向付けユニット10の駆動シャフト6を隣接するユニット10’の駆動シャフト6’と機械的に連結するために、隣接する方向付けユニット10’のそれぞれの遊星歯車23a’と噛み合うように設計されている。
【0060】
言い換えれば、隣接する方向付けユニット10’は、予め調節されたユニット10と1つ又は複数のきっちり隣接するユニット10’との間の機械的連結及び動力の連結を可能にする歯車組立体21を用いて、予め調節された方向付けユニット10によって動かされる。
【0061】
具体的には、添付の図2を参照すると、歯車組立体21の歯車22a、23a、22a’及び23a’は、方向付けユニット10、10’の箱状構造体12の内部に少なくとも部分的に収容され、回転平面Rに平行に、動作可能に配置されている。
【0062】
歯車組立体21の歯車22a、23a、22a’、23a’はそれぞれ、添付の図1図4に示していない歯車自体の回転平面上に位置することが好ましい。各歯車の回転平面22a、23a、22a’、23a’は、添付の図2に概略的に示す回転平面Rに平行であることがさらにより好ましい。
【0063】
本発明によれば、方向付けシステム1は、システム1自体の1つ又は複数の方向付けユニットの回転軸Xを、制御された形で回転させるよう設計された運動手段30を備える。
【0064】
具体的には、添付の図4を参照すると、運動手段30は、少なくとも1つの電気モータ31と、モータ31の回転運動を、各方向付けユニット10の駆動シャフト6と動作可能に組み合わされた軸鞘要素40に伝達するラックシステム32とを備える。
【0065】
より詳細には、軸鞘要素40は、垂直軸Zに対する軸Xのある角度をなす方向を決定するために、輸送要素11の支持要素13と動作可能に組み合わされていることが好ましい。
【0066】
本発明は、所定の目的を達成している。
【0067】
本発明は、システム自体の寸法とシステムの構成要素の全体的な寸法との両方を、できるだけコンパクト且つ可能な限り小さくした製品コンベヤの方向付けシステムに関するので、有益である。
【0068】
システムの寸法を小さくすることにより、実際には、コンベヤの最適化が可能になり、したがってコンベヤは、モジュール化され、調整され、また現況技術では、従来の方向付けシステムが輸送する製品を方向付けするために空間を占めるためまだ実現されていない、コンパクトな寸法に従って製作され得るので、有益である。
【0069】
本発明の製品コンベヤの方向付けシステムは、システム自体の基本構造及び構成が同じである一方で、様々な種類の製品を管理する能力として解釈されるべき高いモジュール性を有するので、有益である。実際、本発明のシステムは、既知の種類の方向付けシステムに対して、供給方向の新しくより優れた軌道を辿るように設計されている。
図1
図2
図3
図4
図5