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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-14
(45)【発行日】2023-12-22
(54)【発明の名称】洗濯機
(51)【国際特許分類】
   D06F 39/08 20060101AFI20231215BHJP
   D06F 39/02 20060101ALI20231215BHJP
【FI】
D06F39/08 321
D06F39/08 341
D06F39/02 Z
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2021047144
(22)【出願日】2021-03-22
(65)【公開番号】P2022146265
(43)【公開日】2022-10-05
【審査請求日】2022-09-22
(73)【特許権者】
【識別番号】399048917
【氏名又は名称】日立グローバルライフソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000350
【氏名又は名称】ポレール弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】中澤 健次
(72)【発明者】
【氏名】田邉 耕一
(72)【発明者】
【氏名】網代 圭佑
【審査官】渡邉 洋
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2019/044305(WO,A1)
【文献】特開2019-092690(JP,A)
【文献】特開2020-054688(JP,A)
【文献】特開平06-185641(JP,A)
【文献】特許第2938155(JP,B2)
【文献】特公昭48-014209(JP,B1)
【文献】特開2017-104193(JP,A)
【文献】特開2019-181024(JP,A)
【文献】特開2017-029307(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
D06F39/00-39/14
F16K11/00-11/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
水を供給する給水ユニットと、
第1洗濯処理液を収容する第1タンクと、
第2洗濯処理液を収容する第2タンクと、
前記第1タンク及び前記第2タンクの下流に備えられ、流体の吐出制御を行う吐出制御部と、
前記第1タンクからの前記第1洗濯処理液が供給される第1流路と、
前記第2タンクからの前記第2洗濯処理液が供給される第2流路と、
前記給水ユニットからの水が供給される第3流路と、を有し、
前記吐出制御部は、3つの流路を切り替えて吐出流路から1の流体を吐出する切替部と、前記切替部を駆動する第1駆動部と、前記吐出流路と連通するシリンダと、前記シリンダ内を移動するピストンと、前記ピストンを駆動する第2駆動部と、を有し、
前記第1駆動部は前記第2タンクの下方に配置し、前記第2駆動部は前記第1タンクの下方に配置し、
前記シリンダは前記吐出流路から水平方向に伸びるように配置したことを特徴する洗濯機。
【請求項2】
請求項1に記載の洗濯機であって、
電源ON時又は電源OFF時に、前記切替部は、前記第3流路を開き、前記第1流路及び前記第2流路は閉じることを特徴する洗濯機。
【請求項3】
請求項1に記載の洗濯機であって、
電源ON時又は電源OFF時に、前記切替部は、前記3つの流路を全て閉じることを特徴する洗濯機。
【請求項4】
請求項1に記載の洗濯機であって、
前記切替部は弁体を備え、前記弁体の位置によって、前記3つの流路を切り替えることを特徴する洗濯機。
【請求項5】
請求項に記載の洗濯機であって、
前記切替部は弁体を備え、前記弁体には前記3つの流路と連通する弁体流路を備え、
前記第1流路と前記弁体流路が連通する時間を変更することにより、前記第1洗濯処理液が供給される液量を変更し、
前記第2流路と前記弁体流路が連通する時間を変更することにより、前記第2洗濯処理液が供給される液量を変更することを特徴する洗濯機。
【請求項6】
請求項に記載の洗濯機であって、
前記第1流路及び前記第2流路を閉じ、前記第3流路を開けて前記切替部に洗浄水を流す洗浄工程を備えたことを特徴する洗濯機。
【請求項7】
請求項に記載の洗濯機であって、
前記切替部から吐出された前記第1洗濯処理液又は前記第2洗濯処理液は、洗濯兼脱水槽に投入され、
前記洗浄工程は、前記第1洗濯処理液又は前記第2洗濯処理液が前記洗濯兼脱水槽に投入された後に実行することを特徴する洗濯機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、洗濯機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、タンクに収容された洗剤や柔軟剤(仕上剤)等の洗濯処理液を計量して適量の洗濯処理液を洗濯兼脱水槽に自動で投入する洗剤供給装置を搭載した洗濯機が知られている。洗剤供給装置には、洗剤タンクに収容された洗剤と、柔軟剤タンクに収容された柔軟剤を選択的にピストンポンプユニットに吐出する三方弁ユニットが備えられている。
【0003】
三方弁ユニットには、洗剤側三方弁と、柔軟剤側三方弁と、洗剤側三方弁を切り替え動作させる洗剤側コイルと、柔軟剤側三方弁を切り替え動作させる柔軟剤側コイルとを備えている。
【0004】
そして、洗剤側コイル、柔軟剤側コイルによって、洗剤側三方弁、柔軟剤側三方弁を動作させてピストンポンプユニットに洗剤、柔軟剤を供給し、ピストンポンプユニットから洗濯兼脱水槽に洗剤、柔軟剤を供給するようにしている。
【0005】
このよう技術として、例えば特許文献1に記載の技術がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2019-92690号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1に記載の技術においては、洗剤と柔軟剤をピストンポンプユニットに吐出するために、それぞれのタンク毎に洗剤側三方弁と、柔軟剤側三方弁、並びにこれらを動作させる洗剤側コイル、柔軟剤側コイルを備えるようにしていた。
【0008】
このため、洗剤供給装置は複数の三方弁、コイルを搭載することから大型化し、結果として、この洗剤供給装置を搭載する洗濯機が大型化するという課題があった。さらに、部品点数が多くなることから、コストが増大するという課題があった。
【0009】
本発明の目的は、上記課題を解決し、大型化を抑制すると共に、コストの増加を抑制することができる洗濯機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために本発明は、水を供給する給水ユニットと、第1洗濯処理液を収容する第1タンクと、第2洗濯処理液を収容する第2タンクと、前記第1タンク及び前記第2タンクの下流に備えられ、流体の吐出制御を行う吐出制御部と、前記第1タンクからの前記第1洗濯処理液が供給される第1流路と、前記第2タンクからの前記第2洗濯処理液が供給される第2流路と、前記給水ユニットからの水が供給される第3流路と、を有し、前記吐出制御部は、3つの流路を切り替えて吐出流路から1の流体を吐出する切替部と、前記切替部を駆動する第1駆動部と、前記吐出流路と連通するシリンダと、前記シリンダ内を移動するピストンと、前記ピストンを駆動する第2駆動部と、を有し、前記第1駆動部は前記第2タンクの下方に配置し、前記第2駆動部は前記第1タンクの下方に配置し、前記シリンダは前記吐出流路から水平方向に伸びるように配置したことを特徴する。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、大型化を抑制すると共に、コストの増加を抑制することができる洗濯機を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の実施例1に係る洗濯機1の外部構成を示す斜視図である。
図2】本発明の実施例1に係る洗濯機1の構成を示す正面図である。
図3】本発明の実施例1に係る洗濯機1を斜め上前方から見た構成を示す構成図である。
図4】本発明の実施例1に係る洗濯機1の内部構成を示す模式図である。
図5】本発明の実施例1に係る洗濯機1の前面パネルを取り外した状態を示す斜視図である。
図6】本発明の実施例1に係る洗濯機1の配管経路を示す模式図である。
図7】本発明の実施例1に係る洗濯処理液投入装置30の構成図である。
図8】本発明の実施例1に係る切替弁73を吐出流路74側から見た斜視図である。
図9】本発明の実施例1に係る切替弁73を弁体73b側から見た斜視図である。
図10A図8のX-X線断面図である。
図10B図8のX-X線断面図である。
図11図8のXI-XI線断面図である。
図12】洗濯機1の正常時における電磁弁20cと切替弁73の動作を示す図である。
図13】洗濯機1の異常時における電磁弁20cと切替弁の動作を示す図である。
図14】本発明の実施例2に係る洗濯機1の配管流路を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照して、本発明の実施例について説明する。なお、各図は、本発明を十分に理解できる程度に、概略的に示してあるに過ぎない。よって、本発明は、図示例のみに限定されるものではない。また、各図において、共通する構成要素や同様な構成要素については、同一の符号を付し、それらの重複する説明を省略する。
【実施例1】
【0014】
[洗濯機の外部構成]
以下、図1乃至図3を参照して、本発明の実施例について説明する。図1は、本発明の実施例1に係る洗濯機1の外部構成を示す斜視図である。図2は、本発明の実施例1に係る洗濯機1の構成を示す正面図である。図3は、本発明の実施例1に係る洗濯機1を斜め上前方から見た構成を示す構成図である。
【0015】
ここでは、洗濯機1が洗濯対象物(布類)の乾燥機能を有する洗濯乾燥機であるものとして説明する。ただし、洗濯機1は、乾燥機能を有していないものであってもよい。また、ここでは、洗濯機1が筺体の内部に縦型の水槽が配置された縦型洗濯機であるものとして説明する。ただし、洗濯機1は、ドラム型洗濯機であってもよい。
【0016】
また、後記する第1投入部31(投入口)は、使用者が手動で洗濯処理液を後記する水槽21(洗濯兼脱水槽)に投入する手動投入部であるものとして説明する。また、後記する第2投入部32(投入口)は、洗濯処理液を後記する洗濯処理液投入装置30に投入する自動投入部であるものとして説明する。
【0017】
図1に示すように、洗濯機1は、筐体11の上面に、それぞれ開閉自在な上面カバー12と、外蓋13と、タンク収納蓋15とを備えている。また、実施例1では、洗濯機1は、筐体11の前面に、取り外し可能な前面パネル16を備えている。上面カバー12は、筐体11の後方上面に配置されている。外蓋13は、筐体11の中央上面に配置されている。タンク収納蓋15は、は、筐体11の前方上面に配置されている。外蓋13の上面には、洗濯機1を操作するための操作パネル14が設けられている。洗濯機1は、操作パネル14からの入力指示に応じて、図示しない制御装置を介して給水ユニット20、駆動装置23、排水弁65、吐出制御部70、乾燥ユニット81、ファン82等を制御する。制御装置には、これらの各機器を制御するための制御プログラムが記憶されており、中央処理装置が制御プログラムを実行し、各機器を制御する。
【0018】
図2図3は、それぞれ、外蓋13とタンク収納蓋15を開けた状態を示している。図2は、正面から見たから見た洗濯機1の構成を示しており、図3は、斜め上前方から見た洗濯機1の構成を示している。
【0019】
図2及び図3に示すように、洗濯機1は、外蓋13を開けると、筐体11の内部に開口部11aが設けられている。その開口部11aの内部には、洗濯対象物(布類)が投入される洗濯兼脱水槽として機能する水槽21が配置されている。また、図3に示すように、水槽21の周囲には、1回分の洗濯処理液を水槽21(洗濯兼脱水槽)に投入する際に用いられる第1投入部31が配置されている。第1投入部31は、使用者が手動で液状の洗剤や柔軟剤(仕上剤)等の洗濯処理液を水槽21(洗濯兼脱水槽)に投入するための手動投入部として機能する。図示例では、第1投入部31(手動投入部)は、筐体11の左前方上部で、かつ、水槽21(洗濯兼脱水槽)の外側の場所に配置されている。
【0020】
また、洗濯機1は、タンク収納蓋15を開けると、筐体11の内部に、洗濯処理液投入装置30のタンク42が配置されている。洗濯処理液投入装置30は、タンク42に収容された洗濯処理液を計量して適量の洗濯処理液を水槽21(洗濯兼脱水槽)に自動で投入する装置である。洗濯処理液投入装置30は、複数回分の洗濯処理液を収容するタンク42と、洗濯処理液を搬送する搬送ポンプ46(図4及び図5参照)と、を備えている。搬送ポンプ46(図4及び図5参照)は、タンク42に収容された洗濯処理液を計量してタンク42の内部から1回分の洗濯処理液を外部に搬送する搬送手段として機能する。
【0021】
タンク42は、筐体11の前方上部で、かつ、第1投入部31(手動投入部)よりも前方の場所に配置されている。図示例では、洗剤用タンク42a(第1タンク)と、柔軟剤用タンク42b(第2タンク)の2つのタンクが配置されている。これにより、洗濯機1は、洗剤(第1洗濯処理液)と柔軟剤(第2洗濯処理液)とを水槽21に自動投入することができる。タンク42には、洗濯処理液をタンク42に収容する際に用いられる第2投入部32が設けられている。第2投入部32は、洗濯処理液投入装置30で洗濯処理液を水槽21(洗濯兼脱水槽)に自動で投入するための自動投入部として機能する。第2投入部32は、投入口蓋43aで封止されている。例えば、洗剤用タンク42aには、洗剤投入用の第2投入部32aが設けられ、投入口蓋43aで封止されている。また、柔軟剤用タンク42bには、柔軟剤投入用の第2投入部32bが設けられ、投入口蓋43bで封止されている。
【0022】
第2投入部32は、洗濯処理液投入装置30のタンク42に収容される洗濯処理液を投入するための投入部(自動投入部)である。なお、前記した通り、タンク42は、筐体11の前方上部で、かつ、第1投入部31(手動投入部)よりも前方の場所に配置されている。したがって、第2投入部32(自動投入部)も、タンク42と同様に、筐体11の前方上部で、かつ、第1投入部31(手動投入部)よりも前方の場所に配置されている。
【0023】
[洗濯機の内部構成]
以下、図4及び図5を参照して、洗濯機1の内部構成について説明する。図4は、本発明の実施例1に係る洗濯機1の内部構成を示す模式図である。図5は、本発明の実施例1に係る洗濯機1の前面パネルを取り外した状態を示す斜視図である。
【0024】
図4に示すように、洗濯機1は、筐体11の内部に、外槽22を備えており、さらにその内部に水槽21(洗濯兼脱水槽)を備えている。
【0025】
外槽22は、上面部に設けられた外槽カバー22aと、外槽カバー22aに設けられた開口部を封止する蓋部材22bと、他の部位よりも落とし込むようにして設けられた落とし込み部22cと、を有している。
【0026】
水槽21(洗濯兼脱水槽)は、上面が開放された有底の円筒形状を呈している。水槽21は、円筒の胴体部分を構成する銅板21aと、水槽21の底部で回転する回転翼21bと、水槽21のバランスを維持するバランスリング21cと、を有している。銅板21aには、通水及び通風のための、複数の貫通孔21aaが形成されている。バランスリング21cは、内部に流体が封止された流体バランサとなっている。
【0027】
洗濯機1は、水槽21及び回転翼21bを回転駆動するための駆動装置23と、駆動装置23の動作を検出するための回転検出装置24及びモータ電流検出装置25と、を備えている。駆動装置23は、水槽21及び回転翼21bを回転させるモータ23aと、水槽21及び回転翼21bの回転方向及び回転速度を規定するクラッチ機構23bと、回転翼21bに連結された回転軸23cと、を有している。回転軸23cは、上面視において水槽21の中心に配置されている。
【0028】
また、洗濯機1は、筐体11の後方上部に、水槽21に水を供給するための給水手段である給水ユニット20と、空気を加熱して乾燥風を得るための乾燥ユニット81(ヒータ)と、乾燥風を循環させるためのファン82、送風ダクト83、及び乾燥ダクト91と、備えている。
【0029】
送風ダクト83は、ファン82と吹出ノズル84との間に配置されており、その途中部分に乾燥ユニット81(ヒータ)が配置されている。送風ダクト83は、蛇腹管83aで吹出ノズル84に接続されている。吹出ノズル84は、ファン82によって送られ乾燥ユニット81で加熱された乾燥風を、外槽22の内部に吹き出す。乾燥ダクト91は、外槽22とファン82との間に配置されている。乾燥ダクト91は、蛇腹管91aで外槽22の落とし込み部22cと接続されている。
【0030】
係る構成において、洗濯機1は、例えば、洗濯工程時や濯ぎ工程時に、水槽21(洗濯兼脱水槽)が水で浸されるように、給水ユニット20(給水手段)から外槽22に水を供給する。また、洗濯機1は、例えば、乾燥工程時に、ファン82を回転させて空気を送風ダクト83に送り、乾燥ユニット81で空気を加熱して乾燥風を得て、乾燥風を外槽22及び水槽21の内部を通過させる。これにより、洗濯機1は、水槽21の内部に収容された洗濯対象物(布類)を乾燥させる。そして、洗濯機1は、外槽22及び水槽21の内部を通過した空気をファン82で乾燥ダクト91から送風ダクト83に送り込み、同様の動作を繰り返す。
【0031】
また、図4に示すように、洗濯機1は、注水ホース51aと、投入ホース52aと、洗浄ホース61aと、を備えている。注水ホース51aは、給水ユニット20から外槽22に水を流すホースである。投入ホース52aは、第1投入部31(手動投入部)から外槽22に水を流すホースである。注水ホース51aは、後記する注水流路51(図6参照)の一部分を構成している。投入ホース52aは、後記する投入流路52(図6参照)の一部分を構成している。
【0032】
また、洗濯機1は、水を排出する排水流路63と、排水流路63を開閉する排水弁65と、を備えている。
【0033】
さらに、洗濯機1は、筐体11の前方上部にタンク42を収容するケース41を備えている。タンク42は、上下方向に移動させることによって、ケース41に対して、取り外し及び取り付けが自在な構造になっている。なお、ケース41は、洗剤と柔軟剤を水槽21に自動投入することができるように、好ましくは、少なくとも洗剤用タンク42aと柔軟剤用タンク42bの2つ以上のタンク42を収容する構造になっているとよい。
【0034】
図5に示すように、ケース41は、正面視形状が横長な矩形状で、かつ、側面視形状が縦長な矩形状を呈している。したがって、ケース41は、全体形状が奥行き方向に薄い略直方体の形状を呈している。ケース41は、前面パネル16(図4参照)の内壁面に沿って上下方向に延在するように配置されている。ケース41の下方には、搬送ポンプ46が配置されている。
【0035】
ケース41及びタンク42のいずれか一方又は双方は、好ましくは、水槽21との間にタンク42に収容された洗濯処理液の振動を抑制する抑制手段として機能する制振部材45(図4参照)を有しているとよい。これにより、洗濯機1は、駆動装置23等から伝播する振動によって、タンク42に収容された洗濯処理液が揺れて飛び跳ねることを抑制することができる。
【0036】
なお、ケース41は、筐体11の前方上部に取り付けられており、前面パネル16の内壁面と筐体11との間で挟み込まれるように配置されている。そのため、洗濯機1は、仮に制振部材45(図4参照)がなかったとしても、タンク42に収容された洗濯処理液の揺れを抑制することができる。しかしながら、洗濯機1は、制振部材45(図4参照)を設けることにより、さらに効率よくタンク42に収容された洗濯処理液の揺れを抑制することができる。
【0037】
係る構成において、洗濯処理液投入装置30の第2投入部32及びタンク42は、水槽21の中心(例えば、回転軸23c(図4参照)で連結している部位)よりも前方に配置されている。また、乾燥ユニット81(ヒータ)は、第2投入部32及びタンク42から離間するように、水槽21の中心よりも後方に配置されている。
【0038】
[配管の流路構成]
以下、図6を参照して、洗濯機1の配管経路成について説明する。図6は、本発明の実施例1に係る洗濯機1の配管経路を示す模式図である。
【0039】
図6に示すように、洗濯機1は、洗濯対象物(布類)の洗濯時に使用する配管経路として、注水流路51と、投入流路52と、洗浄流路53と、を備えている。
【0040】
給水ユニット20には、注水流路51と、投入流路52と、洗浄流路53のそれぞれと接続する複数の電磁弁20a,20b,20cが備えられている。
【0041】
注水流路51は、給水ユニット20と注水ホース51aとを結び、水槽21(外槽22)に水を供給する。
【0042】
投入流路52は、給水ユニット20と第1投入部31、第1投入部31と水槽21(外槽22)とを結び、第1投入部31から水槽21に洗濯処理液及び水を投入する。
【0043】
洗浄流路53は、給水ユニット20と洗濯処理液投入装置30の吐出制御部70を結び、吐出制御部70から水槽21に洗濯処理液及び水を投入する。
【0044】
また、洗濯機1には、排水流路63が備えられている。排水流路63は、外槽22に設けられた排水弁65と排水口66とを接続する排水管63cとで構成されている。
【0045】
次に、図6及び図7を参照して、洗濯処理液投入装置30の構成について説明する。図7は、本発明の実施例1に係る洗濯処理液投入装置30の構成図である。
【0046】
洗濯処理液投入装置30は、ケース41と吐出制御部70から構成されている。
ケース41には、洗剤用タンク42aと柔軟剤用タンク42bが収容されている。
【0047】
洗剤用タンク42aの下方には洗剤吐出部71a(第1洗濯処理液吐出部)が備えられ、柔軟剤用タンク42bの下方には柔軟剤吐出部71b(第2洗濯処理液吐出部)が備えられている。
【0048】
洗剤用タンク42aと柔軟剤用タンク42bの下流(下方)には、流体(洗剤・柔軟剤・洗浄水)の吐出制御を行う吐出制御部70が備えられている。
【0049】
[吐出制御部70の構成]
以下、吐出制御部70の構成を説明する。実施例1では、洗剤用タンク42a、柔軟剤用タンク42b、吐出制御部70は、水槽よりも前方に配置している。吐出制御部70は、洗剤供給流路72a(第1流路)、柔軟剤供給流路72b(第2流路)、洗浄流路53(第3流路)、切替弁73、吐出流路74、ステッピングモータ75(第1駆動部)、搬送ポンプ46、第1逆止弁76、吐出口77、第2逆止弁78によって構成されている。
【0050】
洗剤吐出部71aには洗剤用タンク42aからの洗剤が供給される洗剤供給流路72a(第1流路)が備えられ、柔軟剤吐出部71bには柔軟剤用タンク42bからの柔軟剤が供給される柔軟剤供給流路72b(第2流路)が備えられている。洗剤供給流路72a(第1流路)及び柔軟剤供給流路72b(第2流路)は、流路を切り替える切替弁73(切替部)に接続されている。また、切替弁73には、電磁弁20cからの洗浄水が供給される洗浄流路53(第3流路)と、搬送ポンプ46と連通する吐出流路74が接続されている。
【0051】
実施例1の切替弁73は、洗剤用タンク42aからの洗剤、柔軟剤用タンク42bからの柔軟剤、電磁弁20cからの洗浄水の何れかの流体を選択するように切り替えて、吐出流路74から吐出する四方弁として機能している。なお、切替弁73は、洗剤用タンク42aからの洗剤、柔軟剤用タンク42bからの柔軟剤の何れかの流体を選択するように切り替えて、吐出流路74から吐出する三方弁としても良い。
【0052】
切替弁73には、第1駆動部としてのステッピングモータ75が接続されており、ステッピングモータ75によって弁体を回転駆動させ、停止位置を異ならせることにより流路を切り替えている。
【0053】
切替弁73の下流側には、搬送ポンプ46が備えられている。搬送ポンプ46は、洗剤・柔軟剤を溜めるシリンダ46bと、シリンダ46b内を移動するピストン46aと、ピストン46aを駆動するポンプモータ46cから構成されている。ピストン46a及びシリンダ46bは、水槽21(外槽22)に流体を投入するポンプを構成し、このポンプをポンプモータ46c(第2駆動部)が駆動する。
【0054】
吐出流路74とシリンダ46bとの間には、第1逆止弁76が備えられ、吐出制御部70の吐出口77とシリンダ46bとの間には、第2逆止弁78が備えられている。
【0055】
洗剤用タンク42a及び柔軟剤用タンク42bは並んで配置され、ステッピングモータ75及びポンプモータ46cは、洗剤用タンク42a及び柔軟剤用タンク42bの配置方向に配置している。また、ステッピングモータ75及びポンプモータ46cは、洗剤吐出部71a又は柔軟剤吐出部71bの位置に対して対称的に配置されている。換言すると、ステッピングモータ75及びポンプモータ46cは、洗剤吐出部71a又は柔軟剤吐出部71bの下方延長線を挟むように相対的に配置されている。
【0056】
ステッピングモータ75及びポンプモータ46cは、部品として比較的大きいので、これらをタンクの一方に寄せてしまうと、搭載するスペースを確保する必要があり、洗濯機1が大型化してしまう。また、ステッピングモータ75及びポンプモータ46cは、比較的重量があるので、これらをタンクの一方に寄せてしまうと、洗濯処理液投入装置30として重量物が偏心した状態となり、洗濯機1を運転した際の振動が重量物であるステッピングモータ75及びポンプモータ46cに集中し、洗濯機1の振動がさらに増加する可能性がある。振動が増加すると、水等の流体を搬送する部分の接続部から、流体が漏れ出す可能性がある。
【0057】
これに対し、実施例1では、ステッピングモータ75及びポンプモータ46cを、洗剤吐出部71a又は柔軟剤吐出部71bの下方延長線を挟むように相対的に配置しているので、重量バランスが安定し振動を低減できる。その結果、流体漏れ等を抑制することができる。
【0058】
[切替弁73の構成]
次に、図8乃至図11を参照して、切替弁73の構成について説明する。図8は、本発明の実施例1に係る切替弁73を吐出流路74側から見た斜視図である。図9は、本発明の実施例1に係る切替弁73を弁体73b側から見た斜視図である。図10A及び図10Bは、図8のX-X線断面図である。図11は、図8のXI-XI線断面図である。
【0059】
切替弁73は、円筒状に形成された切替弁本体73aと、切替弁本体73a内に回転可能に配置された弁体73bを備えている。
【0060】
切替弁本体73aの外周には、洗剤供給流路72a(第1流路)と、柔軟剤供給流路72b(第2流路)と、洗浄流路53(第3流路)とが備えられている。さらに、切替弁本体73aの円筒底部には吐出流路74が備えられている。
【0061】
弁体73bには、図10A及び図10Bに示すように、断面がL字状の弁体流路79が形成されている。弁体73bは、切替弁本体73a内で回転することにより、各流路(洗剤供給流路72a、柔軟剤供給流路72b、洗浄流路53)を切り替えて、吐出流路74と連通するように動作する。図10Aの場合、柔軟剤供給流路72bと吐出流路74が連通している。また、図10Bの場合、洗浄流路53と吐出流路74が連通している。
【0062】
次に、図10A図10B及び図11を用いて各流路の切り替え状態を説明する。
【0063】
弁体73bが図11(a)の位置にある場合、洗剤供給流路72a、柔軟剤供給流路72b、洗浄流路53は、弁体73bの外周によって閉塞されている。図11(a)では、「全閉」となる。なお、吐出流路74については、常に「開」となっている。
【0064】
弁体73bが図11(b)の位置にある場合、弁体流路79と洗浄流路53が連通して「開」となり、洗剤供給流路72a及び柔軟剤供給流路72bが「閉」となっている。図11(b)では、洗浄流路53を流れる洗浄水が弁体73bの弁体流路79を通り、吐出流路74に吐出される。
【0065】
弁体73bが図11(c)の位置にある場合、弁体流路79と洗剤供給流路72aが連通して「開」となり、洗浄流路53及び柔軟剤供給流路72bが「閉」となっている。図11(c)では、洗剤供給流路72aを流れる洗剤が弁体73bの弁体流路79を通り、吐出流路74に吐出される。
【0066】
弁体73bが図11(d)の位置にある場合、弁体流路79と柔軟剤供給流路72bが連通して「開」となり、洗浄流路53及び洗剤供給流路72aが「閉」となっている。図11(d)では、柔軟剤供給流路72bを流れる柔軟剤が弁体73bの弁体流路79を通り、吐出流路74に吐出される。
【0067】
切替弁73は、上記のように弁体73bを回転させて停止位置を変更することにより、各流路(洗剤供給流路72a、柔軟剤供給流路72b、洗浄流路53)を切り替える。すなわち、切替弁73は、3つの流路(洗剤供給流路72a、柔軟剤供給流路72b、洗浄流路53)を切り替えて1つの流路(吐出流路74)から1の流体(洗剤、柔軟剤・洗浄水の何れか)を吐出流路74に吐出させるように動作する。
【0068】
また、切替弁73を駆動するステッピングモータ75は、流路を切り替えるにあたり、弁体流路79と洗剤供給流路72aとが連通する時間、弁体流路79と柔軟剤供給流路72bとが連通する時間を変更することにより、洗剤用タンク42aから供給される洗剤の液量、柔軟剤用タンク42bから供給される柔軟剤の液量を制御することができる。
【0069】
洗剤が吐出される図11(c)の位置から洗浄水が吐出される図11(b)に切り替える場合、弁体73bの回転方向によって、図11(c)→図11(a)→図11(b)というルートと、図11(c)→図11(d)→図11(b)というルートがある。
【0070】
図11(c)→図11(d)→図11(b)のルートが選択された場合、弁体73bの切り替え途中に柔軟剤が吐出される図11(d)を通過するので、弁体流路79と柔軟剤供給流路72bが一致した所で柔軟剤が漏れ出す可能性がある。そこで実施例1では、洗剤が吐出される図11(c)の位置から弁体73bを切り替える場合、図11(c)→図11(a)→図11(b)のルートを選択するようにしている。
【0071】
同様に、柔軟剤が吐出される図11(d)の位置から弁体73bが「全閉」となる図11(a)に切り替える場合、洗剤が吐出される図11(c)の位置を通らぬよう、図11(d)→図11(b)→図11(a)というルートを選択する。
【0072】
[搬送ポンプ46の動作]
次に図6及び図7を参照し、搬送ポンプ46の動作について説明する。搬送ポンプ46は、洗剤又は柔軟剤が吐出流路74に供給された際、ポンプモータ46cを動作させ、ピストン46aをポンプモータ46c側に引き寄せる。ピストン46aがポンプモータ46c側に引き寄せられると、シリンダ46b内が負圧となり、第1逆止弁76が開き、吐出流路74からシリンダ46b内に洗剤又は柔軟剤が吸引される。このとき、第2逆止弁78は閉じたままとなっている。ピストン46aの動作を停止させると、第1逆止弁76が閉じる。そして、再びポンプモータ46cを動作させ、ポンプモータ46cがピストン46aを押すと、シリンダ46b内の圧力が上昇し、第2逆止弁78が開き、ピストン46a内の洗剤又は柔軟剤が吐出口77から水槽21(外槽22)に供給される。
【0073】
ピストン46aによる洗剤又は柔軟剤の吸引・押し出し動作を数回繰り返すことにより、水槽21(外槽22)には水槽21(外槽22)の水量に合わせた洗剤又は柔軟剤が自動で投入される。
【0074】
洗剤又は柔軟剤を吐出後、切替弁73、ピストン46a、シリンダ46bには洗剤又は柔軟剤が付着している。洗濯終了後、洗剤又は柔軟剤が付着したまま放置すると、洗剤又は柔軟剤が乾燥して固まり、切替弁73、ピストン46a、シリンダ46bが固着して動作不能となる可能性がある。
【0075】
そこで、実施例1では切替弁73、ピストン46a、シリンダ46bを洗浄する洗浄工程を備えている。洗浄工程は、洗剤又は柔軟剤が水槽21(外槽22)に投入された後に実行する。ピストン46aによる洗剤又は柔軟剤を押し出した後、弁体73bを切り替えて図11(b)の位置にする。さらに電磁弁20cを開くと、洗浄水が洗浄流路53を通り、切替弁73に付着した洗剤又は柔軟剤と共に吐出流路74から吐出される。吐出流路74から吐出される洗浄水には、水道圧がかかっているので、洗浄水は第1逆止弁76を開き、シリンダ46bに流入する。シリンダ46bに流入した洗浄水は、ピストン46a、シリンダ46bに付着した洗剤又は柔軟剤を押し流し、第2逆止弁78を開いて吐出口77から水槽21(外槽22)に吐出される。
【0076】
このようにして、切替弁73、ピストン46a、シリンダ46bの洗浄が行われる。シリンダ46bに洗浄水を供給する場合、ピストン46aはポンプモータ46c側に引き寄せる方が好ましい。ピストン46aをポンプモータ46c側に引き寄せた位置にすることにより、シリンダ46b内の洗浄範囲を拡大することができる。また、ピストン46a、シリンダ46bの洗浄終了後は、シリンダ46b内に溜まった洗浄水を除去するために、ポンプモータ46cを駆動しピストン46aを押し出す方が好ましい。そして、搬送ポンプ46は、次の動作に備え、ピストン46aが押し出した状態とし、反ポンプモータ側に位置させる。
【0077】
電磁弁20cを開く場合には、弁体73bを弁体流路79と洗浄流路53が連通する位置(図11(b))にした後、電磁弁20cを開くようにすることが好ましい。弁体73bが、弁体流路79と洗浄流路53が連通する位置になる前に電磁弁20cを開くと、水道圧が切替弁73に加わり、切替弁73が破損したり、水漏れを起こす可能性がある。そのため、実施例1では、弁体73bが、弁体流路79と洗浄流路53が連通する位置(図11(b))にした後に、電磁弁20cを開くようにしている。このように電磁弁20c及び切替弁73を動作させることにより、切替弁73の破損、水漏れを抑制することができる。
【0078】
[洗濯機1の正常時における電磁弁20cと切替弁の動作]
次に、図12を参照して、洗濯機1の正常時における電磁弁20cと切替弁の動作について説明する。図12は、洗濯機1の正常時における電磁弁20cと切替弁73の動作を示す図である。
【0079】
洗濯機1を動作させる場合、水槽21(外槽22)に衣類を投入後、電源をONする。電源ON時は、電磁弁20cは「閉」とし、また切替弁73も図11(a)の位置にとなり、全ての流路を閉じるよう「全閉」となる。
【0080】
電源がONとなりスタートボタンを押下すると、回転翼21bが駆動し、洗濯物の量のセンシングが行われる。センシング完了後、水量及び水量に応じた洗剤の量が決定する。その後、電磁弁20aに通電されて電磁弁20aが「開」となり、水槽21(外槽22)に水が供給される。一方、洗浄流路53に繋がる電磁弁20cは、「閉」となっている。
【0081】
次に、洗剤の量が決定したことを受け、切替弁73を図11(c)の位置とし、洗剤用タンク42aから搬送ポンプ46に洗剤を供給し、搬送ポンプ46から水槽21(外槽22)に洗剤を投入する。
【0082】
次に、切替弁73を図11(b)の位置とした後、電磁弁20cを「開」とし、洗浄水を搬送ポンプ46に供給し、搬送ポンプ46のピストン46a、シリンダ46bに付着した洗剤を洗浄する。所定時間経過後、電磁弁20cを「閉」とする。
【0083】
次に、洗濯機1が濯ぎ工程に移行すると、切替弁73を図11(d)の位置とした後、柔軟剤用タンク42bから搬送ポンプ46に柔軟剤を供給し、搬送ポンプ46から水槽21(外槽22)に柔軟剤を投入する。その後、切替弁73を図11(b)の位置とし、搬送ポンプ46のピストン46a、シリンダ46bに付着した柔軟剤の洗浄を行う。所定時間経過後、電磁弁20cを「閉」とする。
【0084】
全ての洗濯工程が終了すると、洗濯機1は電源がOFFとなる。電源OFF時に電磁弁20cは「閉」とし、また切替弁73も図11(a)の位置にとなり、全ての流路を閉じるよう「全閉」となる。
【0085】
洗濯機1が正常に動作している場合、電源ON及びOFF時には、切替弁73は全ての流路を閉じるように「全閉」となる。
【0086】
[洗濯機1の異常時における電磁弁20cと切替弁の動作]
次に、図13を参照して、洗濯機1の異常時における電磁弁20cと切替弁の動作について説明する。図13は、洗濯機1の異常時における電磁弁20cと切替弁の動作を示す図である。
【0087】
電源ON時において、電磁弁20cに何らかの異常が発生し、電磁弁20cが「開」となった場合、洗浄流路53を流れた水が切替弁73に流れ込む。この際、弁体73bが洗浄流路53を「閉」としていると、水道圧が切替弁73に加わり、切替弁73が破損したり、水が漏れ出す可能性がある。そこで、実施例1では、電源ON時に電磁弁20cに異常が発生し、電磁弁20cが「開」となった場合に備え、電源ON時に切替弁73を動作させて図11(b)の位置とし、洗浄流路53を「開」とするようにしている。このとき、洗剤供給流路72a、柔軟剤供給流路72bは「閉」としている。実施例1では、電磁弁20cの異常により、洗浄水が切替弁73に流れた場合であっても、洗浄流路53を「開」としているので、洗浄水は吐出流路74、第1逆止弁76,第2逆止弁78を通過し、吐出口77から水槽21(外槽22)に流れるので、切替弁73の破損や水漏れを抑制することができる。電磁弁20cに何らかの異常が発生した場合には、操作パネル14に故障の旨を表示したり、警報音を発報させ使用者に知らせるようにする。
【0088】
また、実施例1では、電源OFF時において、電磁弁20cに何らかの異常が発生し、電磁弁20cが「開」となった場合に備え、電源OFF時に切替弁73を動作させて図11(b)の位置とし、洗浄流路53を「開」とするようにしている。電源OFF時に電磁弁20cに異常が発生した場合、所定時間操作パネル14に故障の旨を表示したり、警報音を発報させ使用者に知らせるようにする。所定時間経過後は、操作パネル14の表示や警報音に発報が停止するが、洗濯機1が停止した後も水が流れ続けることで、使用者は洗濯機1が故障していることを把握することができる。
【0089】
実施例1によれば、電源ON、電源OFF時において電磁弁20cに故障が発生した場合、洗浄流路53を「開」とするようにしているので、切替弁73の破損や、水漏れ等を抑制することができる。
【実施例2】
【0090】
本発明の実施例2について、図14を参照し説明する。図14は、本発明の実施例2に係る洗濯機1の配管流路を示す模式図である。実施例1と共通する構成については同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0091】
実施例2では洗剤用タンク及び柔軟剤用タンクをそれぞれ複数設け、これらに接続される流路も複数設けている。さらに、切替弁73Vを六方弁としている。
【0092】
図14において、洗剤用タンク42aは、第1洗剤を収容する第1洗剤用タンク42a1と、第2洗剤を収容する第2洗剤用タンク42a2から構成されている。柔軟剤用タンク42bは、第1柔軟剤を収容する第1柔軟剤用タンク42b1と、第2柔軟剤を収容する第2柔軟剤用タンク42b2から構成されている。
【0093】
第1洗剤用タンク42a1の底部には第1洗剤吐出部71a1が形成され、第2洗剤用タンク42a2の底部には第2洗剤吐出部71a2が形成されている。第1柔軟剤用タンク42b1の底部には第1柔軟剤吐出部71b1が形成され、第2柔軟剤用タンク42b2の底部には第2柔軟剤吐出部71b2が形成されている。
【0094】
第1洗剤吐出部71a1には第1洗剤用タンク42a1からの第1洗剤が供給される第1洗剤供給流路72a1が備えられ、第2洗剤吐出部71a2には第2洗剤用タンク42a2からの第2洗剤が供給される第2洗剤供給流路72a2が備えられている。第1柔軟剤吐出部71b1には第1柔軟剤用タンク42b1からの第1柔軟剤が供給される第1柔軟剤供給流路72b1が備えられ、第2柔軟剤吐出部71b2には第2柔軟剤用タンク42b2からの第2柔軟剤が供給される第2柔軟剤供給流路72b2が備えられている。
【0095】
第1洗剤供給流路72a1、第2洗剤供給流路72a2、第1柔軟剤供給流路72b1、第2柔軟剤供給流路72b2は、流路を切り替える切替弁73V(切替部)に接続されている。また、切替弁73には、電磁弁20cからの洗浄水が供給される洗浄流路53と、搬送ポンプ46と連通する吐出流路74が接続されている。
【0096】
実施例2の切替弁73Vは、第1洗剤供給流路72a1及び第2洗剤供給流路72a2からの洗剤、第1柔軟剤供給流路72b1及び第2柔軟剤供給流路72b2からの柔軟剤、電磁弁20cからの洗浄水を切り替えて、吐出流路74から吐出する六方弁として機能している。
【0097】
第1洗剤用タンク42a1及び第2洗剤用タンク42a2を備えている場合、それぞれの洗剤用タンクには異なる種類の洗剤を投入する。例えば、第1洗剤用タンク42a1には、通常の衣類に使用する液体洗剤を投入し、第2洗剤用タンク42a2には、手洗いコースやドライコースに適した液体洗剤を投入する。そして、実施例2では、標準コース、おしゃれ着コースといった洗濯コースに合わせ、水槽21(外槽22)に投入する洗剤を選択する。標準コースが選択された場合には、第1洗剤用タンク42a1の洗剤を投入し、おしゃれ着コースが選択された場合には、第2洗剤用タンク42a2の洗剤を投入するように弁体73bを切り替える。
【0098】
また、第1柔軟剤用タンク42b1及び第2柔軟剤用タンク42b2を備えている場合、それぞれの柔軟剤用タンクには異なる種類の柔軟剤を投入する。例えば、第1柔軟剤用タンク42b1には、香料入りの柔軟剤を投入し、第2柔軟剤用タンク42b2には無香料の柔軟剤を投入する。そして、衣類の種類や好みに応じて水槽21(外槽22)に投入する柔軟剤を操作パネル14から洗濯する。
【0099】
実施例2を実現するための切替弁73Vの構成については、例えば、切替弁本体73aの外周に流路を2本追加するようにすると良い。
【0100】
実施例2によれば、洗濯コースに応じて水槽21(外槽22)に投入する洗剤の種類を変更できるので、衣類の種類に応じた洗剤を使用して洗濯することができ、例えば、衣類の型崩れ、衣類の縮み等を抑制することができる。
【0101】
さらに実施例2によれば、複数の柔軟剤の種類から水槽21(外槽22)に投入する柔軟剤を選択することができるので、衣類の種類や使用者の好みに応じて柔軟剤を使い分けることができる。
【0102】
以上説明したように本発明の各実施例によれば、1つの切替弁によって複数の流路を切り替えるようにしているので、大型化を抑制すると共に、コストの増加を抑制することができる洗濯機を提供することができる。
【0103】
本発明は、前記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、前記した実施例は、本発明を分かり易く説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、実施例の構成の一部を他の構成に置き換えることが可能であり、また、実施例の構成に他の構成を加えることも可能である。また、各構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
【符号の説明】
【0104】
1…洗濯機、11…筐体、11a…開口部、12…上面カバー、13…外蓋、14…操作パネル、15…タンク収納蓋、16…前面パネル、20…給水ユニット、20a…電磁弁、20b…電磁弁、20c…電磁弁、21…水槽、21a…銅板、21aa…貫通孔、21b…回転翼、21c…バランスリング、22…外槽、22a…外槽カバー、22b…蓋部材、22c…落とし込み部、23…駆動装置、23a…モータ、23b…クラッチ機構、23c…回転軸、24…回転検出装置、25…モータ電流検出装置、30…洗濯処理液投入装置、31…第1投入部、32…第2投入部、32a…洗剤投入用の第2投入部、32b…柔軟剤投入用の第2投入部、41…ケース、42…タンク、42a…洗剤用タンク、42a1…第1洗剤用タンク、42a2…第2洗剤用タンク、42b…柔軟剤用タンク、42b1…第1柔軟剤用タンク、42b2…第2柔軟剤用タンク、43a…投入口蓋、43b…投入口蓋、45…制振部材、46…搬送ポンプ、46a…ピストン、46b…シリンダ、46c…ポンプモータ、51…注水流路、51a…注水ホース、52…投入流路、52a…投入ホース、53…洗浄流路、61a…洗浄ホース、63…排水流路、65…排水弁、66…排水口、70…吐出制御部、71a…洗剤吐出部、71a1…第1洗剤吐出部、71a2…第2洗剤吐出部、71b…柔軟剤吐出部、71b1…第1柔軟剤吐出部、71b2…第2柔軟剤吐出部、72a…洗剤供給流路、72a1…第1洗剤供給流路、72a2…第2洗剤供給流路、72b…柔軟剤供給流路、72b1…第1柔軟剤供給流路、72b2…第2柔軟剤供給流路、73…切替弁、73a…切替弁本体、73b…弁体、73V…切替弁、74…吐出流路、75…ステッピングモータ、76…第1逆止弁、77…吐出口、78…第2逆止弁、79…弁体流路、81…乾燥ユニット、82…ファン、83…送風ダクト、83a…蛇腹管、84…吹出ノズル、91…乾燥ダクト、91a…蛇腹管
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10A
図10B
図11
図12
図13
図14