(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-14
(45)【発行日】2023-12-22
(54)【発明の名称】入力補助装置
(51)【国際特許分類】
G06F 3/041 20060101AFI20231215BHJP
G06F 3/044 20060101ALI20231215BHJP
【FI】
G06F3/041 422
G06F3/041 430
G06F3/041 662
G06F3/044 140
(21)【出願番号】P 2021098898
(22)【出願日】2021-06-14
【審査請求日】2022-10-20
(73)【特許権者】
【識別番号】500257300
【氏名又は名称】LINEヤフー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】池松 香
【審査官】安田 明央
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-121402(JP,A)
【文献】特表2016-500884(JP,A)
【文献】国際公開第2017/142093(WO,A2)
【文献】高橋 将文 Masafumi TAKAHASHI et al.,タッチパネルのための環境型電気触覚ディスプレイ,ロボティクス・メカトロニクス講演会 ’09 講演論文集,社団法人日本機械学会,2009年05月24日,1449~1452,学術文献等DB
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/041
G06F 3/044
G06F 3/01
G06F 3/048-3/04895
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
タッチ入力装置の入力画面と接触可能であり、ユーザの入力動作に応じたタッチ入力を前記入力画面に発生させる入力部と、
前記入力動作を受け付けて前記入力部に直交する方向に移動する操作部と
、
前記入力部に電気的に接続され、かつ前記入力部に直交する方向に設けられる導電体と
を備え、
前記入力部は、
第1入力部と、
前記第1入力部の周囲に設けられた第2入力部と
を備え、
前記導電体は、
前記第1入力部に電気的に接続される第1導電体と、
前記第2入力部に電気的に接続される第2導電体と
を備え、
前記入力部は、前記入力部に直交する方向における前記操作部の位置に応じて、前記タッチ入力装置におけるタッチ入力の面積を変更
し、
前記操作部は、前記入力部に直交する方向に移動することで、前記第1導電体、および前記第2導電体に対する対峙状態が変更される、入力補助装置。
【請求項2】
前記第2入力部は、前記第1入力部よりも外側に複数設けられる、請求項1に記載の入力補助装置。
【請求項3】
前記第2入力部は、前記第1入力部の外周方向に沿って複数設けられる、請求項1または2に記載の入力補助装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、入力補助装置に関する。
【背景技術】
【0002】
スマートフォン、タブレット等のタッチスクリーンを備えたタッチ入力装置(タッチスクリーンデバイス)が、今日普及している。タッチ入力装置の普及により、タッチスクリーンの入力様式(入力モダリティ)を拡張するための様々な技術が、提案されている。例えば、タッチ操作を媒介する物理オブジェクトをタッチスクリーン上に置くことによって、タッチスクリーンを物理的に拡張することが提案されている。
【0003】
物理オブジェクトの例は、タッチスクリーン上でマルチタッチを発生させるためのカード状のインタフェース等を含む(非特許文献1、非特許文献2)。カード状のインタフェースは、例えば、タッチ入力を発生させるための電極パターンを導電性インクで印刷用紙に印刷することによって作成される。このようなカード状のインタフェースは、人手で発生させるのが難しいマルチタッチイベント等の、多彩なタッチ入力を可能にする。
【0004】
一技術では、タッチスクリーンにタッチ操作を伝達するための導電体が、1枚のカードの表面に形成される。タッチ操作を伝達するための導電体は、指接触用の導電部と、導線部とを含む。さらに、タッチスクリーン上でタッチ入力を発生させるための複数の電極が、1枚のカードの裏面に形成される。導電体および複数の電極は、例えば、導電性インクを使用することによって、電極パターンとして、1枚のカードに印刷される(特許文献1)。この技術では、スルーホールが、カードに設けられている。導電体は、スルーホールを介して複数の電極と導通する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【非特許文献】
【0006】
【文献】加藤邦拓、宮下芳明、“導電性インク複合機を用いたマルチタッチパターン生成手法”[online]、[2021年5月25日検索]、インターネット(https://research.miyashita.com/papers/D140/paper.pdf)
【文献】加藤邦拓、宮下芳明、“紙窓:カード内領域を独立したタッチパネルディスプレイのように扱うインタフェース”[online]、[2021年5月25日検索]、インターネット(https://research.miyashita.com/papers/J16/paper.pdf)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記の従来技術には、改善の余地がある。上記技術では、タッチスクリーン上を覆う電極の面積が大きくなるため、電極によるタッチスクリーンの遮蔽面積が大きくなり、タッチ入力装置の視認性が低下するおそれがある。
【0008】
本願は、上記に鑑みてなされたものであって、タッチ入力装置の視認性を向上させる入力補助装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本願にかかる入力補助装置は、入力部と、操作部とを備える。入力部は、タッチ入力装置の入力画面と接触可能であり、ユーザの入力動作に応じたタッチ入力を入力画面に発生させる。操作部は、入力動作を受け付けて入力部に直交する方向に移動する。入力部は、入力部に直交する方向における操作部の位置に応じて、タッチ入力装置におけるタッチ入力の面積を変更する。
【発明の効果】
【0010】
実施形態の一態様によれば、タッチ入力装置の視認性を向上させる入力補助装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】
図1は、導電性シートがタッチ入力装置に配置された状態を示す図である。
【
図2】
図2は、導電性シートを説明する斜視図である。
【
図3】
図3は、第1実施形態に係る導電性シートの概略を示す平面図である。
【
図4】
図4は、第1実施形態に係る導電性シートの概略を示す下面図である。
【
図5】
図5は、タッチ入力装置に配置された導電性シートの使用状態を示す図である(その1)。
【
図6】
図6は、タッチ入力装置に配置された導電性シートの使用状態を示す図である(その2)。
【
図7】
図7は、ユーザが指をスライドさせた場合の導電性シートを説明する図である。
【
図8】
図8は、第2実施形態に係る導電性シートの概略を示す平面図である。
【
図9】
図9は、第2実施形態に係る導電性シートの概略を示す下面図である。
【
図10】
図10は、変形例に係る導電性シートの概略を示す平面図である。
【
図11】
図11は、第3実施形態に係る導電性ボタンの概略を説明する図である。
【
図12】
図12は、第3実施形態に係る導電性ボタンの概略を示す下面図である。
【
図13】
図13は、第3実施形態に係る導電性ボタンの初期位置において接触部にユーザが接触した状態を示す図である。
【
図14】
図14は、第3実施形態に係る導電性ボタンにおいて押下部が中間位置まで押し下げられた状態を示す図である。
【
図15】
図15は、第3実施形態に係る導電性ボタンにおいて押下部が最押下位置まで押し下げられた状態を示す図である。
【
図16】
図16は、変形例に係る導電性ボタンの概略を説明する図である。
【
図17】
図17は、変形例に係る導電性ボタンの概略を説明する図である。
【
図18】
図18は、変形例に係る導電性ボタンの概略を説明する図である。
【
図19】
図19は、変形例に係る導電性ボタンの概略を示す下面図である。
【
図20】
図20は、変形例に係る導電性ボタンの概略を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に、本願にかかる入力補助装置を実施するための形態(以下、「実施形態」と呼ぶ)について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施形態により本願にかかる入力補助装置が限定されるものではない。
【0013】
以下において、説明を分かりやすくするために、各図においてZ軸の負方向を下方、Z軸の正方向を上方とする3次元直交座標(X、Y、Z)を図示することがある。
【0014】
(第1実施形態)
まず、入力補助装置の一例である導電性シート1の概要について
図1、および
図2を参照し説明する。
図1は、導電性シート1がタッチ入力装置9に配置された状態を示す図である。
図2は、導電性シート1を説明する斜視図である。
【0015】
導電性シート1は、基材2と、操作部3と、入力部4と、接続部5とを備える。基材2は、例えば、紙や、プラスチックフィルムである。基材2は、例えば、透明シートや、半透明シートである。基材2の一面である表面(上面)には、操作部3が設けられる。基材2の他面である裏面(下面)には、入力部4と、接続部5とが設けられる。
【0016】
操作部3は、ユーザの入力動作を受け付ける。操作部3は、導電性である。操作部3は、例えば、基材2に導電性インクが印刷されることで形成される。
【0017】
入力部4は、タッチ入力装置9に接触し、操作部3におけるユーザの入力動作に応じてタッチ入力装置9上でタッチ入力を発生させる。入力部4は、導電性である。入力部4は、例えば、基材2に導電性インクが印刷されることで形成される。
【0018】
タッチ入力装置9は、静電容量式タッチパネル等のタッチパネルである。タッチ入力装置9は、例えば、スマートフォンや、タブレットなどである。
【0019】
接続部5は、導電体6と、配線7とを備える。接続部5は、導電性である。接続部5は、例えば、基材2に導電性インクが印刷されることで形成される。
【0020】
導電体6は、対応する操作部3と向かい合うように形成される。例えば、導電体6、および操作部3は、X軸方向の位置、およびY軸方向の位置が略一致するように形成される。配線7は、導電体6と入力部4とを電気的に接続する。
【0021】
導電性シート1では、操作部3と導電体6とが基材2を挟んで向かい合うように設けられる。そのため、コンデンサが操作部3と導電体6とによって形成される。その結果、操作部3は、導電体6と静電結合することができる。
【0022】
なお、導電性シート1の厚さが薄い場合には、導電性の操作部3を設けずに、ユーザの指と、導電体6とによって静電結合することができ、ユーザのタッチ入力が検出される。そのため、十分に厚さが薄い導電性シート1においては、操作部3を省略することも可能である。この場合、導電体6に対応するタッチ箇所をユーザが容易に認識できるように、目印となる箇所(操作部に対応)が導電性シート1に設けられることが望ましい。
【0023】
静電容量式タッチパネル等のタッチパネルで使用される電流は、交流である。タッチパネルは、一般的に、送信電極群と、受信電極群とを有する。高周波信号が、送信電極群に印加され、そして、受信電極群は、この高周波信号を受信する。高周波信号(すなわち、交流)は、コンデンサを流れることができるため、タッチパネルで使用される電流は、コンデンサを介して人体(ユーザ)へと流れることができる。
【0024】
その結果、ユーザが操作部3をタッチした場合に、高周波信号の一部が、導電体6と操作部3とによって形成されたコンデンサおよび人体(ユーザ)を介して、グランド(GND)に流出する。このため、配線7が基材2の裏面に印刷されている場合でも、基材2の表面から配線7にタッチ操作を伝達することが可能である。
【0025】
このように、導電性シート1がタッチ入力装置9に配置されることで、ユーザは、タッチ入力装置9に直接触れることなく、タッチ入力装置9の操作が可能となる。
【0026】
次に、第1実施形態に係る導電性シート10について
図3、および
図4を参照し説明する。
図3は、第1実施形態に係る導電性シート10の概略を示す平面図である。
図4は、第1実施形態に係る導電性シート10の概略を示す下面図である。
【0027】
導電性シート10は、基材11と、入力部12と、操作部13と、接続部14とを備える。
【0028】
基材11は、例えば、長方形であり、X軸方向の長さが、Y軸方向の長さよりも長い。なお、基材11の材料などは、
図1、および
図2を用いて説明した基材2と同じであり、重複する説明は省略する。以下で説明する他の構成においても同様である。
【0029】
入力部12は、第1入力部12aと、複数の第2入力部12b~12eとを備える。第1入力部12aは、例えば、円形である。第1入力部12aは、入力部12の中央付近に設けられる。
【0030】
第2入力部12b~12eは、第1入力部12aの周囲に設けられる。第2入力部12b~12eは、第1入力部12aよりも外側に設けられる。具体的には、第2入力部12b~12eは、第1入力部12aの径方向において、第1入力部12aよりも外側に設けられる。第2入力部12b~12eは、第1入力部12aに対して外側に並ぶように設けられる。例えば、複数の第2入力部12b~12eは、4つ設けられる。なお、第2入力部12b~12eの数は、これに限られることはなく、1つであってもよく、2つ以上であってもよい。
【0031】
第2入力部12b~12eは、例えば、円弧状である。第2入力部12b~12eは、第1入力部12aに対して同心円状に設けられる。具体的には、第2入力部12b~12eの円弧の中心は、第1入力部12aの中心と等しい。第2入力部12b~12eは、所定の間隔を空けて設けられる。最も内側の第2入力部12bは、第1入力部12aに対して、所定の間隔を空けて設けられる。隣接する入力部12は、異なる間隔を空けて設けられてもよい。
【0032】
なお、第1入力部12aの形状は、円形に限られることはない。例えば、第1入力部12aは、矩形状であってもよい。また、第2入力部12b~12eの形状は、円弧状に限られない。例えば、第2入力部12b~12eは、U字状であってもよく、L字状であってもよい。
【0033】
操作部13は、第1操作部13aと、複数の第2操作部13b~13eとを備える。第1操作部13aは、第1入力部12aに対するタッチ入力に対応する入力動作を受け付ける。
【0034】
第1操作部13aは、基材11における第1所定方向に沿って延びるように設けられる。例えば、第1所定方向は、基材11が延設される方向(長手方向)に沿って延びる方向である。例えば、第1操作部13aは、X軸方向に沿って延びるように設けられる。
【0035】
第2操作部13b~13eは、第2入力部12b~12eに対するタッチ入力に対応する入力動作を受け付ける。第2操作部13b~13eは、第2入力部12b~12eの数に対応して設けられる。4つの第2入力部12b~12eが設けられる場合、4つの第2操作部13b~13eが設けられる。例えば、第2操作部13bは、第2入力部12bに対する入力動作を受け付ける。
【0036】
第2操作部13b~13eは、第1操作部13aと同様に、基材11における第1所定方向に沿って延びるように設けられる。例えば、第2操作部13b~13eは、X軸方向に沿って延びるように設けられる。
【0037】
第1操作部13a、および第2操作部13b~13eは、第1所定方向における長さが異なる。具体的には、第2操作部13b~13eは、第1操作部13aよりも第1所定方向(X軸方向)における長さが短い。また、第2操作部13b~13eは、第2所定方向における第1操作部13aからの距離が長くなるほど、第1所定方向における長さが短い。第2所定方向は、基材11が延設される方向に直交する基材11の面方向(短手方向)である。第2所定方向は、第1所定方向に直交する方向であり、例えば、Y軸方向である。
【0038】
例えば、第1操作部13aに隣接する第2操作部13bは、第1所定方向における長さが、第1操作部13aよりも短い。第2操作部13bに隣接する第2操作部13cは、第1所定方向における長さが、第2操作部13bよりも短い。このように、第2操作部13b~13eは、第2所定方向(Y軸方向)において第1操作部13aからの距離が長くなるほど、第1所定方向における長さが短くなる。
【0039】
第1操作部13a、および第2操作部13b~13eは、第2所定方向に沿って並んで設けられる。第1操作部13a、および第2操作部13b~13eは、Y軸方向に沿って並んで設けられる。Y軸方向における第1操作部13a、および第2操作部13b~13eの長さは、同じ長さであってもよく、異なる長さであってもよい。
【0040】
第1操作部13a、および第2操作部13b~13eは、第1所定方向に沿って、ユーザの指に接触する数が段階的に変化するように設けられる。
【0041】
第1所定方向(X軸方向)において変化する第1操作部13a、および第2操作部13b~13eの距離の差は、隣接する第1入力部12a、および第2入力部12b~12e間の距離よりも長い。また、操作部13が設けられる面積は、入力部12が設けられる面積よりも大きい。そのため、ユーザは、タッチ入力装置9に直接タッチ入力を行う場合よりも、タッチ入力の操作を容易に区別することができる。ユーザは、タッチ入力装置9におけるタッチ入力を、操作部13を用いて正確に区別することができる。
【0042】
接続部14は、第1導電体15aと、複数の第2導電体15b~15eと、第1配線16aと、複数の第2配線16b~16eとを備える。第1導電体15aは、第1所定方向に沿って延びるように設けられる。第1導電体15aは、第1操作部13aと向かい合うように設けられる。
【0043】
第2導電体15b~15eは、第1所定方向に沿って延びるように設けられる。第2導電体15b~15eは、第2操作部13b~13eと向かい合うように設けられる。例えば、第2導電体15bは、第2操作部13bと向かい合うように設けられる。
【0044】
第1配線16aは、第1入力部12aと第1導電体15aとを電気的に接続する。第2配線16bは、第2入力部12bと第2導電体15bとを電気的に接続する。第2配線16cは、第2入力部12cと第2導電体15cとを電気的に接続する。第2配線16dは、第2入力部12dと第2導電体15dとを電気的に接続する。第2配線16eは、第2入力部12eと第2導電体15eとを電気的に接続する。
【0045】
次に第1実施形態に係る導電性シート10の作用について
図5、および
図6を参照し説明する。
図5は、タッチ入力装置9に配置された導電性シート10の使用状態を示す図である(その1)。
図6は、タッチ入力装置9に配置された導電性シート10の使用状態を示す図である(その2)。
図5、および
図6では、タッチ入力が発生した入力部12を黒塗りで示す。
【0046】
タッチ入力装置9のタッチパネルに入力部12が接触するように導電性シート10が配置され、ユーザが操作部13を触ると、ユーザと操作部13との接触状態に応じて、タッチ入力装置9にユーザのタッチ操作が伝達される。
【0047】
例えば、
図5に示すように、ユーザの指が第1操作部13aに触れると、第1入力部12aにタッチ入力が発生する。具体的には、第1操作部13aに向かい合う第1導電体15a(
図4参照)、第1配線16aを介して、第1入力部12aにタッチ入力が発生する。
【0048】
第1操作部13a、および第2操作部13b~13eは、ユーザの1本の指によって、同時に接触可能となるように設けられる。そのため、例えば、
図6に示すように、ユーザの指が、第1操作部13a、および第2操作部13b、13cに触れると、第1入力部12a、および第2入力部12b、12cにタッチ入力が発生する。
【0049】
具体的には、第1操作部13aに向かい合う第1導電体15a(
図4参照)、第1配線16aを介して、第1入力部12aにタッチ入力が発生する。第2操作部13bに向かい合う第2導電体15b(
図4参照)、第2配線16bを介して、第2入力部12bにタッチ入力が発生する。第2操作部13cに向かい合う第2導電体15c(
図4参照)、第2配線16cを介して、第2入力部12cにタッチ入力が発生する。
【0050】
このように、操作部13におけるユーザの接触面積が大きくなると、入力部12において発生するタッチ入力の面積が増加する。入力部12は、操作部13におけるユーザの接触面積の大きさに応じて、タッチ入力装置9におけるタッチ入力の面積を変更する。
【0051】
また、基材11に対するユーザのスライド操作が行われ、例えば、
図7に示すように、ユーザがX軸方向に沿って指をスライドさせると、スライド操作に応じて、ユーザの指に接触する第1操作部13a、および第2操作部13b~13eの数が変更される。
図7は、ユーザが指をスライドさせた場合の導電性シート10を説明する図である。
【0052】
そのため、導電性シート10では、ユーザの指に接触する第1操作部13a、および第2操作部13b~13eの数に応じて、第1入力部12a、および第2入力部12b~12eにおけるタッチ入力の数が変更される。
【0053】
例えば、ユーザがタッチ入力装置9側からX軸の負方向に沿って指をスライドさせると、スライドに応じて、第1入力部12aから第2入力部12eまでタッチ入力の数が増加する。すなわち、第1入力部12aから第2入力部12eに向けて順次タッチ入力が発生し、タッチ入力の数が増加する。
【0054】
なお、ユーザのスライド操作に対するタッチ入力の数の変更は、これに限られることはない。例えば、ユーザがタッチ入力装置9側からX軸の負方向に沿って指をスライドさせると、第1操作部13a、および第2操作部13b~13eは、スライド操作に応じて、タッチ入力の数が減少するように設けられてもよい。
【0055】
また、例えば、ユーザがタッチ入力装置9側からX軸の負方向に沿って指をスライドさせると、第1操作部13a、および第2操作部13b~13eは、スライド操作に応じて、タッチ入力の数が増減するように設けられてもよい。例えば、ユーザがタッチ入力装置9側からX軸の負方向に沿って指をスライド移動させると、スライドに応じて、タッチ入力の数が、「5」、「1」、「2」、「4」、および「3」と変化するように、第1操作部13a、第2操作部13b~13eなどが設けられてもよい。なお、導電性シート10毎に、第1操作部13a、および第2操作部13b~13eの配置が異なってもよい。導電性シート10は、多層化されたシートであってもよい。
【0056】
次に第1実施形態に係る導電性シート10の効果について説明する。
【0057】
導電性シート10は、操作部13と、入力部12とを備える。操作部13は、ユーザの入力動作を受け付ける。入力部12は、操作部13における入力動作に応じてタッチ入力装置9上でタッチ入力を発生させる。入力部12は、操作部13におけるユーザの接触面積の大きさに応じて、タッチ入力装置9におけるタッチ入力の面積を変更する。
【0058】
これにより、導電性シート10は、操作部13におけるユーザの接触面積の大きさに応じてタッチ入力の面積を変更することで、タッチ入力装置9の遮蔽面積を変更することができる。そのため、導電性シート10は、例えば、ユーザによる入力動作が小さい場合には、遮蔽面積を小さくすることができ、タッチ入力装置9の視認性を向上させることができる。
【0059】
入力部12は、第1入力部12aと、第2入力部12b~12eとを備える。第2入力部12b~12eは、第1入力部12aの周囲に設けられる。操作部13は、第1操作部13aと、第2操作部13b~13eとを備える。第1操作部13aは、第1入力部12aに対するタッチ入力に対応する入力動作を受け付ける。第2操作部13b~13eは、第2入力部12b~12eに対するタッチ入力に対応する入力動作を受け付ける。
【0060】
これにより、導電性シート10は、ユーザの入力動作に応じて、第1入力部12a、および第1入力部12aの周囲に設けられた第2入力部12b~12eによってタッチ入力装置9にタッチ入力を発生させることができる。そのため、導電性シート10は、導電性シート10によるタッチ入力装置9の遮蔽面積を小さくすることができ、タッチ入力装置9の視認性を向上させることができる。また、ユーザがタッチ入力装置9に直接接触してタッチ入力を発生させる場合よりも、導電性シート10は、ユーザがタッチする領域を大きくすることができる。例えば、ユーザは、第2操作部13bを触ることによって、入力部12を直接触る場合よりも、タッチ入力を容易に区別して行うことができる。また、ユーザは、タッチ入力装置9に直接接触してタッチ入力を発生させる場合よりも、例えば、第2入力部12bに対し、正確にタッチ入力を区別して発生させることができる。すなわち、導電性シート10は、タッチ入力装置9に対し、ユーザがタッチ位置を発生させる座標を正確にコントロールすることができる。
【0061】
第2入力部12b~12eは、第1入力部12aよりも外側に複数設けられる。第2操作部13b~13eは、第2入力部12b~12eに対応するように複数設けられる。
【0062】
これにより、導電性シート10は、複数のタッチ入力をタッチ入力装置9に発生させることができる。
【0063】
第1操作部13a、および第2操作部13b~13eは、ユーザの1本の指によって、同時に接触可能となるように設けられる。
【0064】
これにより、ユーザは、導電性シート10によるタッチ入力装置9へのタッチ入力を容易に行うことができる。
【0065】
第1操作部13a、および第2操作部13b~13eは、基材11に対するユーザのスライド操作に応じて、ユーザの指に接触する数が変更されるように設けられる。
【0066】
これにより、ユーザは、タッチ入力装置9に対するタッチ入力の変更を容易に行うことができる。
【0067】
第2入力部12b~12eは、第1入力部12aに対して同心円状に設けられる。これにより、導電性シート10は、導電性シート10によるタッチ入力装置9の遮蔽面積を小さくすることができ、タッチ入力装置9の視認性を向上させることができる。
【0068】
(第2実施形態)
次に、第2実施形態に係る導電性シート20について
図8、および
図9を参照し説明する。
図8は、第2実施形態に係る導電性シート20の概略を示す平面図である。
図9は、第2実施形態に係る導電性シート20の概略を示す下面図である。ここでは、第1実施形態と異なる箇所を中心に説明し、第1実施形態と同様の構成の説明は省略する。
【0069】
導電性シート20の第2入力部12b~12iは、第1入力部12aの外周方向に沿って複数設けられる。すなわち、第2入力部12b~12iは、第1入力部12aよりも外側に複数設けられ、かつ第1入力部12aの外周方向に沿って複数設けられる。なお、
図8においては、例えば、第1入力部12aの外周方向に沿って2つの第2入力部12b、12fが設けられた一例を示すが、これに限られることはない。第2入力部12b~12iは、第1入力部12aの外周に沿って、3つ以上設けられてもよい。
【0070】
第2操作部13b~13i、第2導電体15b~15i、および第2配線16b~16iは、第2入力部12b~12iの数に応じてそれぞれ複数設けられる。
【0071】
第2実施形態に係る導電性シート20は、導電性シート20によるタッチ入力装置9の遮蔽面積を小さくしつつ、タッチ入力装置9においてタッチ入力を発生させる座標数、例えば、第2入力部12b~12iの数を多くすることができる。そのため、導電性シート20は、多くの種類のタッチ入力をタッチ入力装置9に発生させることができる。ユーザは、例えば、第2入力部12b~12iと、第2操作部13b~13iと比較しつつ、多くのタッチ入力を区別して実行することができる。
【0072】
(変形例)
変形例に係る導電性シート21は、
図10に示すように、複数の第2入力部22b~22dが第1入力部22aの外周方向に沿って設けられる。また、複数の第2操作部23b~23dが第1操作部23aの延設方向(例えば、X軸方向)に沿って並んで設けられる。
図10は、変形例に係る導電性シート21の概略を示す平面図である。第2操作部23b~23dは、例えば、Y軸方向における位置が等しく、かつY軸方向における長さが等しい。
【0073】
変形例に係る導電性シート21は、導電性シート21によるタッチ入力装置9の遮蔽面積を小さくしつつ、ユーザの入力動作に対して、多くのタッチ入力をタッチ入力装置9に発生させることができる。ユーザは、タッチ入力を発生させる入力部22を変更する場合に、指の移動方向を少なくすることができる。例えば、ユーザは、Y軸方向に指を移動させずに、X軸方向に指を移動させることで、タッチ入力を発生させる第2入力部22b~22dを変更することができる。
【0074】
(第3実施形態)
次に、入力補助装置の一例である導電性ボタン40について
図11、および
図12を参照し説明する。
図11は、第3実施形態に係る導電性ボタン40の概略を説明する図である。
図12は、第3実施形態に係る導電性ボタン40の概略を示す下面図である。
【0075】
導電性ボタン40は、タッチ入力装置9のタッチパネルに入力部42が接触するように配置され、ユーザが操作部45を触ると、タッチ入力装置9にユーザのタッチ操作が伝達される。
【0076】
導電性ボタン40は、ハウジング41と、入力部42と、押下部43と、バネ44と、操作部45と、接続部46とを備える。
【0077】
ハウジング41は、非導電性の部材によって構成される。ハウジング41には、凹部41aが形成される。凹部41aは、例えば、ハウジング41の中央付近に形成される。凹部41aは、上方(Z軸正方向)が開口するように形成される。凹部41aには、押下部43、バネ44、および操作部45の一部が収容される。凹部41aの底面には、バネ44の一端が接続される。
【0078】
入力部42は、ハウジング41の裏面(下面)に設けられる。入力部42は、第1入力部42aと、複数の第2入力部42b、42cとを備える。第1入力部42aは、例えば、円形である。
【0079】
第2入力部42b、42cは、例えば、円環状である。第2入力部42b、42cは、第1入力部42aの周囲に設けられる。例えば、第2入力部42b、42cは、第1入力部42aよりも外側に2つ設けられる。なお、第2入力部42b、42cの数は、これに限られることはなく、1つであってもよく、3つ以上であってもよい。第2入力部42b、42cは、第1入力部42aに対して同心円状に設けられる。
【0080】
なお、第1入力部42aの形状は、円形に限られることはない。例えば、第1入力部42aは、矩形状であってもよい。また、第2入力部42b、42cの形状は、円環状に限られない。例えば、第2入力部42b、42cは、円弧状であってもよく、L字状であってもよく、矩形のリング形状であってもよい。また、第2入力部42b、42cは、第1入力部42aの外周方向に沿って複数設けられてもよい。
【0081】
押下部43は、筒状であり、上方(Z軸正方向)が閉塞される。押下部43の下方(Z軸負方向)は開口する。押下部43の内壁の上端には、バネ44の他端が接続される。バネ44は、押下部43を上方に向けて付勢する。押下部43は、バネ44の付勢力に抗してユーザによって押し下げられると、下方に移動する。押下部43は、ユーザによる入力動作に応じて、入力部42に直交する方向(Z軸方向)に移動する。
【0082】
操作部45は、押下部43に設けられる。操作部45は、導電性である。操作部45は、押下部43の上面から押下部43の外側面にかけて設けられる。操作部45は、接触部50と、機能部51と、配線52とを備える。
【0083】
接触部50は、押下部43の上面に設けられる。接触部50は、例えば、円形であり、ユーザが容易に接触可能となるように設けられる。
【0084】
機能部51は、押下部43の外側面に設けられる。機能部51は、後述する接続部46の第1導電体55a、および複数の第2導電体55b、55cとの間で、ユーザによるタッチ操作を伝達可能となるように設けられる。操作部45の機能部51は、入力部42に直交する方向に移動することで、第1導電体55a、および第2導電体55b、55cに対する対峙状態が変更される。
【0085】
機能部51は、押下部43が、初期位置(例えば、
図11、および
図13参照)から最押下位置(例えば、
図15参照)まで押し下げられた場合に、後述する接続部46の第1導電体55aと向かい合うように設けられる。
【0086】
初期位置は、ユーザによって押下部43が押し下げられていない状態における押下部43の位置である。例えば、初期位置では、ストッパー(不図示)によって、操作部45がハウジング41に保持される。
【0087】
最押下位置、ユーザによって押下部43がタッチ入力装置9側に最も押し下げられた状態における押下部43の位置である。
【0088】
また、機能部51は、押下部43の周方向において、所定の長さを有する。所定の長さは、接続部46の第1導電体55a、および複数の第2導電体55b、55cとの間で、ユーザによるタッチ操作を伝達可能となる長さである。
【0089】
配線52は、接触部50と機能部51とを電気的に接続する。例えば、配線52の幅(太さ)は、機能部51の所定の長さよりも短い。
【0090】
接続部46は、導電体55と、配線56とを備える。導電体55は、第1導電体55aと、複数の第2導電体55b、55cとを備える。
【0091】
第1導電体55aは、凹部41aを形成するハウジング41の内側面に設けられる。第1導電体55aは、押下部43の外側面と向かい合うように設けられる。具体的には、第1導電体55aは、押下部43に設けられた操作部45の機能部51と向かい合うように設けられる。
【0092】
第2導電体55b、55cは、凹部41aを形成するハウジング41の内側面に設けられる。第2導電体55b、55cは、上下方向(Z軸方向)に沿って、第1導電体55aと並んで設けられる。第1導電体55a、および第2導電体55b、55cは、上下方向において、所定の間隔を空けて設けられる。
【0093】
配線56は、第1配線56aと、複数の第2配線56b、56cとを備える。第1配線56aは、第1導電体55aと第1入力部42aとを電気的に接続する。第2配線56bは、第2導電体55bと第2入力部42bとを電気的に接続する。第2配線56cは、第2導電体55cと第2入力部42cとを電気的に接続する。
【0094】
次に、第2実施形態に係る導電性ボタン40の作用について
図13~
図15を参照し説明する。
図13は、第3実施形態に係る導電性ボタン40の初期位置において接触部50にユーザが接触した状態を示す図である。
図14は、第3実施形態に係る導電性ボタン40において押下部43が中間位置まで押し下げられた状態を示す図である。
図15は、第3実施形態に係る導電性ボタン40において押下部43が最押下位置まで押し下げられた状態を示す図である。
図13~
図15の下段において、タッチ入力が発生する入力部42を黒塗りで示す。
【0095】
図13に示すように、初期位置において、ユーザの指が接触部50に触ると、第1入力部42aにタッチ入力が発生する。具体的には、第1導電体55a、および第1配線56aを介して、第1入力部42aにタッチ入力が発生する。
【0096】
例えば、
図14に示すように、押下部43が初期位置から中間位置まで押し下げられた場合、第1入力部42a、および第2入力部42bにタッチ入力が発生する。中間位置は、機能部51が第1導電体55a、および第2導電体55bと向かい合い、かつ、機能部51が第2導電体55cと向かい合わない位置である。中間位置では、機能部51が、第1導電体55aに加えて、第2導電体55bと向かい合う。そのため、第1入力部42aに加えて、第2導電体55b、および第2配線56bを介して、第2入力部42bにタッチ入力が発生する。
【0097】
例えば、
図15に示すように、押下部43が中間位置から最押下位置まで押し下げられた場合、第1入力部42a、第2入力部42b、および第2入力部42cにタッチ入力が発生する。最押下位置では、機能部51が、第1導電体55a、および第2導電体55bに加えて、第2導電体55cと向かい合う。そのため、第1入力部42a、および第2入力部42bに加えて、第2導電体55c、および第2配線56cを介して、第2入力部42cにタッチ入力が発生する。
【0098】
このように、導電性ボタン40は、入力部42に直交する方向(Z軸方向)における操作部45の位置に応じて、タッチ入力装置9においてタッチ入力が発生する入力部42の数を変更する。すなわち、入力部42は、入力部42に直交する方向(Z軸方向)における操作部45の位置に応じて、タッチ入力装置9におけるタッチ入力の面積を変更する。
【0099】
導電性ボタン40は、入力部42と、操作部45とを備える。入力部42は、タッチ入力装置9の入力画面と接触可能であり、ユーザの入力動作に応じたタッチ入力を入力画面に発生させる。操作部45は、入力動作を受け付けて入力部42に直交する方向に移動する。入力部42は、入力部42に直交する方向における操作部45の位置に応じて、タッチ入力装置9におけるタッチ入力の面積を変更する。
【0100】
これにより、導電性ボタン40は、タッチ入力装置9における遮蔽面積を小さくしつつ、タッチ入力装置9の視認性を向上させることができる。また、ユーザは、導電性ボタン40によって、タッチ入力装置9へのタッチ入力を容易に行うことができる。
【0101】
導電性ボタン40は、導電体55を備える。導電体55は、入力部42に電気的に接続される。導電体55は、第1導電体55aと、第2導電体55b、55cとを備える。第1導電体55aは、第1入力部42aに電気的に接続される。第2導電体55b、55cは、第2入力部42b、42cに電気的に接続される。操作部45は、入力部42に直交する方向に移動することで、第1導電体55a、および第2導電体55b、55cに対する対峙状態が変更される。
【0102】
これにより、導電性ボタン40は、ユーザによる、入力部42に対して直交する方向への操作に応じたタッチ入力をタッチ入力装置9に発生させることができる。そのため、ユーザは、例えば、入力部42を直接触る場合よりも、タッチ入力を容易に区別して行うことができる。また、ユーザは、タッチ入力装置9に直接接触してタッチ入力を発生させる場合よりも、正確にタッチ入力を区別して発生させることができる。
【0103】
(変形例)
変形例に係る導電性ボタン60は、
図16に示すように、押下部43の位置に応じて、機能部61が第1導電体55a、および第2導電体55b、55cのいずれか1つと向かい合うように設けられてもよい。
図16は、変形例に係る導電性ボタン60の概略を説明する図である。例えば、上下方向(Z軸方向)における機能部61の長さは、第1導電体55a、および第2導電体55b、55cと略同一の長さである。変形例に係る導電性ボタン60は、ユーザによる押下部43の操作(押し下げ動作)に応じて、第1入力部42a、および第2入力部42b、42cのいずれか1つにタッチ入力を発生させる。
【0104】
なお、変形例に係る導電性ボタン60は、ユーザによる押下部43の操作(押し下げ動作)に応じて、第1入力部42a、および第2入力部42b、42cのうち1つ、または2つにタッチ入力を発生させるように設けられてもよい。
【0105】
変形例に係る導電性ボタン60は、第2入力部42b、42cが第1入力部42aの外周方向に沿って複数設けられてもよい。
【0106】
変形例に係る導電性ボタン70は、
図17に示すように、弾性力を有する弾性部材71に、入力部72、操作部73、および接続部74が設けられてもよい。
図17は、変形例に係る導電性ボタン40の概略を説明する図である。
【0107】
変形例に係る導電性ボタン70では、弾性部材71に、複数の折り目71aが形成される。導電性ボタン70は、タッチ入力装置9に載置された状態で、ユーザによって押し下げ動作が行われると、ユーザによる押し下げ動作に応じて、折り目71aを中心に弾性部材71の側面同士が、近接し、または離間する。弾性部材71の裏面(下面)には、第1入力部72a、および複数の第2入力部72b、72cが設けられる。
【0108】
第1入力部72aは、第1配線75aを介して第1導電体76aに電気的に接続される。第2入力部72bは、第2配線75bを介して第2導電体76bに電気的に接続される。第2入力部72cは、第2配線75cを介して第2導電体76cに電気的に接続される。
【0109】
操作部73の接触部77は、弾性部材71の上面に設けられる。操作部73は、第1機能部78a、および複数の第2機能部78b、78cを備える。
【0110】
第1機能部78aは、第1配線79aを介して、接触部77に電気的に接続される。第1機能部78aは、接触部77にユーザの指が接触した場合に、第1入力部72aにタッチ入力が発生するように設けられる。
【0111】
第2機能部78bは、第2配線79bを介して、接触部77に電気的に接続される。第2機能部78bは、接触部77にユーザの指が接触し、弾性部材71が押し下げられた場合に、第2入力部72bにタッチ入力が発生するように設けられる。例えば、折り目71aに対する第2導電体76b、および第2機能部78bの距離は、折り目71aに対する第1導電体76a、および第1機能部78aの距離よりも長い。
【0112】
第2機能部78cは、第2配線79cを介して、接触部77に電気的に接続される。第2機能部78cは、第2入力部72bにタッチ入力が発生した状態から、さらに弾性部材71が押し下げられた場合に、第2入力部72cにタッチ入力が発生するように設けられる。例えば、折り目71aに対する第2導電体76c、および第2機能部78cの距離は、折り目71aに対する第2導電体76b、および第2機能部78bの距離よりも長い。
【0113】
また、変形例に係る導電性ボタン80の弾性部材81は、
図18に示すように、複数の脚部81aを有してもよい。
図18は、変形例に係る導電性ボタン80の概略を説明する図である。脚部81aは、弾性部材81の平面部81bから立ち上がるように設けられ、弾性力を有する。
【0114】
変形例に係る弾性部材81の平面部81bの裏面(下面)には、
図19に示すように、第1入力部83a、および複数の第2入力部83b、83cが設けられる。
図19は、変形例に係る導電性ボタン80の概略を示す下面図である。第1入力部83aは、配線84を介して第1導電体85aに電気的に接続される。
【0115】
第2入力部83bは、第2導電体85bに電気的に接続される。第2入力部83cは、第2導電体85cに電気的に接続される。なお、例えば、第2入力部83b、83cは、配線を介して第2導電体85b、85cに電気的に接続されてもよい。
【0116】
変形例に係る導電性ボタン80の弾性部材81には、
図20に示すように、上面に接触部86が設けられる。
図20は、変形例に係る導電性ボタン80の概略を示す平面図である。
【0117】
第1機能部87aは、平面部81bの表面(上面)に設けられる。第1機能部87aは、第1配線88aを介して、接触部86に電気的に接続される。
【0118】
第2機能部87bは、第2配線88bを介して、接触部86に電気的に接続される。第2機能部87bは、第1入力部83aにタッチ入力が発生した状態から、さらに接触部86が押し下げられた場合に、第2入力部83bにタッチ入力が発生するように設けられる。
【0119】
第2機能部87cは、第2配線88cを介して、接触部86に電気的に接続される。第2機能部87cは、第2入力部83bにタッチ入力が発生した状態から、さらに接触部86が押し下げられた場合に、第2入力部83cにタッチ入力が発生するように設けられる。
【0120】
上記実施形態、および変形例に係る導電性シート10、20、21および導電性ボタン40、60、70、80は、タッチ入力装置9への様々なタッチ入力の発生に適用できる。上記実施形態、および変形例に係る導電性シート10、20、21および導電性ボタン40、60、70、80は、例えば、キーボード入力の少なくとも一部に対応するタッチ入力を発生させることができる。
【0121】
以上、本願の実施形態、および変形例のいくつかを図面に基づいて詳細に説明したが、これらは例示であり、発明の開示の欄に記載の態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変形、改良を施した他の形態で本発明を実施することが可能である。
【符号の説明】
【0122】
1、10、20、21 導電性シート
2、11 基材
3、13、45、73 操作部
4、12、42、72 入力部
5、14、46、74 接続部
6 導電体
7 配線
9 タッチ入力装置
12a、22a、42a、72a、83a 第1入力部
12b~12i、22b~22d、42b、42c 第2入力部
13a 第1操作部
13b~13i、23b~23d 第2操作部
15a、55a、76a、85a 第1導電体
15b~15i、55b、55c 第2導電体
16a、56a、75a 第1配線
16b~16i、56b、56c、75b、75c 第2配線
40、60、70、80 導電性ボタン
43 押下部
50、77 接触部
51、61 機能部
52 配線
72b、72c、83b、83c 第2入力部
76b、76c、85b、85c 第2導電体
78a、87a 第1機能部
78b、78c、87b、87c 第2機能部